説明

物理量センサーおよび物理量測定装置

【課題】測定感度が高く、かつ、電極の形成が容易な物理量センサーを低供すること。
【解決手段】本発明にかかる物理量センサー100は、基体10と、基体10に両端が支持され、厚み方向に電界が印加されたときに厚みすべり歪みを生じる梁20と、梁20を厚み方向に挟み、梁20の中央領域を避けて、梁20の上面および下面に形成された上部電極32および下部電極34と、を含み、基体10は、基体10に加えられた外力によって厚み方向に撓むような可撓性を有し、梁20は、上部電極32および下部電極34に駆動信号が印加されたときに生じる厚みすべり振動によって屈曲振動を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量センサーおよび物理量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加速度、圧力、温度等の物理量を水晶振動片によって検知する各種の物理量センサーが知られている。たとえば、加速度センサーは、自動車、航空機、ロケット、および各種プラントの異常振動監視装置など広範な分野で使用されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、2本の梁がフレームに懸架された振動部を有する加速度センサー素子が開示されている。同公報に記載された加速度センサー素子は、双音叉構造すなわち2個の音叉型振動片の自由端同士を互いに接続した構造を採っている。該2本の梁は、両端がフレームに支持され中央領域に振動質量を有する形状となっている。同公報の加速度センサー素子は、フレームおよび梁をZカットの水晶基板をエッチングして形成されるため、梁に圧電性を有している。この梁は、表面に形成された電極によって電圧が印加されることにより振動できる。また同時に、梁の振動は、該電極に生じる電圧によって検出されることができる。
【0004】
同公報の加速度センサー素子は、梁を励振させた状態で、外力等が加わってフレームが変形したとき、梁の両端に引張力あるいは圧縮力が生じるようになっている。加速度センサー素子は、加えられた加速度(力)の大きさに比例して梁の振動数が変化するため、該振動数の変化量を検出することによって力の大きさを測定することができる。
【0005】
このような梁の振動を利用した物理量センサーは、データ処理が容易であるとともに測定精度、測定感度、再現性、温度特性等に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−163244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、物理量センサーは、一層の小型化、高感度化が求められている。したがって物理量センサーの振動部には、より薄く細い梁が形成されるようになってきた。これにより梁に形成される電極も非常に小さくなってきている。そのため、特に、梁の側面(厚み方向に平行な面)に電極を形成することが困難になってきている。
【0008】
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、測定感度が高く、かつ、電極の形成が容易な物理量センサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0010】
[適用例1]
基体と、
前記基体に両端が支持され、厚み方向に電界が印加されたときに厚みすべり歪みを生じる梁と、
前記梁を厚み方向に挟み、前記梁の中央領域を避けて、前記梁の上面および下面に形成された上部電極および下部電極と、
を含み、
前記基体は、前記基体に加えられた外力によって前記厚み方向に撓むような可撓性を有し、
前記梁は、前記上部電極および前記下部電極に駆動信号が印加されたときに生じる厚みすべり振動によって屈曲振動を生じる、物理量センサー。
【0011】
このような物理量センサーは、測定感度が高く、かつ、梁の上面および下面に電極を有するため、電極の形成が容易である。
【0012】
[適用例2]
適用例1において、
前記基体は、周囲を枠部が取り囲んだ開口部を有するフレーム状の形状であり、
前記梁は、前記基体の前記枠部に両端が支持され、前記開口部の内側で架橋している、物理量センサー。
【0013】
このような物理量センサーは、適用例1の特徴を有するとともに、さらに堅牢性が良好で実装性にも優れている。
【0014】
[適用例3]
適用例2において、
前記基体は、前記枠部の前記梁と並行する部分に前記厚み方向に切り欠いて構成したくびれ部を有する、物理量センサー。
【0015】
このような物理量センサーは適用例2の特徴を有するとともに、より測定感度が高い。
【0016】
[適用例4]
適用例1において、
前記基体は、上面に少なくとも2つの突部を有する平板状の形状であり、
前記梁は、2つの前記突部に両端が支持され、前記2つの突部の間で架橋している、物理量センサー。
【0017】
このような物理量センサーは、適用例1の特徴を有するとともに、さらに堅牢性が良好で実装性にも優れている。
【0018】
[適用例5]
適用例4において、
前記基体は、前記梁の両端を支持する2つの前記突部の間に、前記梁と交差する方向に延びる形状のくびれ部を有する、物理量センサー。
【0019】
このような物理量センサーは適用例4の特徴を有するとともに、より測定感度が高い。
【0020】
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一項において、
さらに、前記梁の根本から突出して前記梁に並行して前記梁の中央領域側へ延びるカウンタービームを有し、
前記カウンタービームは、前記梁の前記屈曲振動における質量の変位を相殺するように変位する、物理量センサー。
【0021】
このような物理量センサーは、上述の特徴を有するとともに、振動漏れがより小さい。
【0022】
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一項において、
前記梁の前記厚みすべり振動の周波数が物理量を検出するための信号である、物理量センサー。
【0023】
このような物理量センサーは、上述の特徴を有するとともに、さらに測定感度が高い。
【0024】
[適用例8]
適用例1ないし適用例8のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記梁の前記屈曲振動または前記厚みすべり振動の周波数の変化を検出する検出部と、
を有する、物理量測定装置。
【0025】
このような物理量測定装置は、少なくとも、測定感度が高く、かつ、電極の形成が容易である物理量センサーを備えており、物理量を高感度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態にかかる物理量センサー100を模式的に示す上面図。
【図2】実施形態にかかる物理量センサー100を模式的に示す下面図。
【図3】実施形態にかかる物理量センサー100を模式的に示す断面図。
【図4】実施形態にかかる物理量センサーの梁20の挙動を模式的に示す断面図。
【図5】実施形態にかかる物理量センサーの動作を模式的に示す断面図。
【図6】実施形態にかかる物理量センサーの動作を模式的に示す断面図。
【図7】物理量センサーのインピーダンス曲線の模式図。
【図8】実施形態にかかる物理量センサーの等価回路の模式図。
【図9】実施形態にかかる物理量センサー200を模式的に示す上面図。
【図10】実施形態にかかる物理量センサー200を模式的に示す断面図。
【図11】実施形態にかかる物理量センサー300を模式的に示す上面図。
【図12】実施形態にかかる物理量センサー300を模式的に示す断面図。
【図13】実施形態にかかる物理量センサー400を模式的に示す上面図。
【図14】実施形態にかかる物理量センサー400を模式的に示す断面図。
【図15】実施形態にかかる物理量測定装置1000を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の例を説明するものである。
【0028】
1.第1実施形態
1.1.物理量センサー
図1および図2は、本実施形態にかかる物理量センサー100を模式的に示す上面図および下面図である。図3は、本実施形態にかかる物理量センサー100を模式的に示す断面図である。図1および図2のA−A線の断面は、図3に相当する。なお、図1〜図3のそれぞれ右側には、説明の便宜上、方向を示す矢印を描いてある。図4は、梁20の挙動を模式的に示す断面図である。
【0029】
本実施形態の物理量センサー100は、基体10と、梁20と、上部電極32および下部電極34と、を含む。
【0030】
基体10は、物理量センサー100を支持する支持体としての機能を有する。基体10は、±Y方向に加えられた外力によって厚み方向(±Y方向)に撓むような可撓性を有する。本実施形態では基体10は、開口部12および枠部14を有したフレーム状(額縁状)の形状を有する。基体10(枠部14)の平面的な外形は、図示の例では矩形であるがこれに限定されない。枠部14は、図3に示すように、厚みの異なる部位を有していてもよい。図3の例では、枠部14は、厚みt1を有する外周部14a、厚みt1よりも薄い厚みt2を有する薄肉部14b、および外周部14aと薄肉部14bとの間に形成された傾斜部14cを有している。枠部14は、薄肉部14bおよび傾斜部14cを有さなくてもよく、その場合は、外周部14aの内周と、開口部12の外周とが一致する。図示の例では、枠部14は、薄肉部14bを有しており、薄肉部14bの内周が開口部12の外周に一致している。また、枠部14には、図示しない重りが形成されていてもよい。枠部14に重りを形成すると、基体10の撓み量を調節することができ、たとえば、物理量センサー100の測定感度を高めることができる。
【0031】
基体10における開口部12が形成される位置は、後述する梁30に枠部14の変形が伝達できる限りにおいて任意である。開口部12が形成される位置を適宜選択すれば、たとえば、枠部14の質量の配置の調整を行うことができ、物理量センサー100の測定感度を高めることができる。図示の例では、開口部12は、基体10の中心から+Z方向にやや偏った位置に形成されている。また、開口部12の位置を選んで、たとえば、枠部14に電極パッドの形成領域を設けたり、物理量センサー100を支持するための領域を設けたりしてもよい。開口部12の平面形状は任意である。図示の例では開口部12は矩形となっている。
【0032】
基体10の材質は、たとえば、水晶、シリコン、各種の金属等の無機材料、ポリイミド等の有機材料とすることができる。本実施形態では、基体10は、梁20と一体的に形成される。そのため、厚み方向に電界が印加されたときに厚みすべりを生じるものを用いる。このような性質を有しうる材料としては、たとえば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電性を有する材料が挙げられる。
【0033】
たとえば、基体10および梁20の材料として水晶基板を選択する場合、厚み方向が、水晶の結晶軸のX軸またはY軸の成分を含むようにする。したがって、基体10を形成するための基板としては、ATカットの水晶基板(以下これをAT板と称することがある)や、BTカットの水晶基板(以下これをBT板と称することがある)、法線方向が水晶の結晶軸のY軸となっている水晶基板(以下これをY板と称することがある)などを例示することができる。基体10に、AT板、BT板、またはY板を選択すれば、厚み方向に電圧信号を印加することにより、より容易に厚みすべり振動を発生させることができる。本実施形態では、以下、基体10の材料として、水晶のY板を選択した場合について例示する。これにともない各図には、基体10の法線方向上向きが+Y方向となるように矢印が描かれている。
【0034】
本実施形態では、梁20は、基体10に両端が支持され、基体10の開口部12内に架橋するように形成される。本明細書では、梁20の延びている方向を±Z方向とする。梁20は、±Z方向に直交する±Y方向(基体10の厚み方向)の成分を有して屈曲振動することができる。また、本明細書では、±Y方向および±Z方向に直交する方向を±X方向と称する。また本明細書では、梁20の2つの支持端付近は、根本領域と称することがある。
【0035】
梁20は、物理量センサー100の振動部として機能する。梁20は、柱状の形状を有することができ、たとえば、梁20をXY平面で切った断面の形状は、多角形、四角形等とすることができる。本実施形態では、梁20は、基体10に一体的に形成される。したがって、基体10の材質は、基体10の材質と同様である。そのため、梁20は、厚み方向に電界が印加されたときに厚みすべり歪みを生じることができる。梁20が形成される平面的な位置は、開口部12内であれば任意であり、たとえば、枠部14が力を受けて撓んだときに、梁20の長手方向の引張または圧縮の応力が生じるように配置することができる。梁20の平面的な配置は、図示の例では、開口部12の中心を通り、枠部14が梁20の延びる方向(±Z方向)に対して線対称となっている。このようにすれば、梁20に加わる応力の±X方向の成分を小さくすることができる。
【0036】
本実施形態では、梁20の厚みは、基体10の枠部14の外周部14aの厚みよりも小さい。梁20の厚みが、外周部14aの厚みと同じであると、枠部14が屈曲したときに、梁20の長手方向に引張または圧縮の応力が発生しにくい場合がある。図3の例では、梁20は、基体10の枠部14の薄肉部14bの厚みt2と同じ厚みを有している。基体10の厚み方向(±Y方向)において、梁20が接続する位置は、基体10の厚み方向の中央からみて、基体10の上面または下面側に偏って設けられる。梁20が、基体10の厚み方向の中央に関して厚み方向に対称的に設けられると、枠部14が屈曲したときに、梁20の長手方向に引張または圧縮の応力が発生しにくい場合がある。図3の例では、梁20は、基体10の厚み方向において、上面側に偏って設けられ、かつ、枠部14(基体10)の上面と、梁20の上面とは一致している。このようにすれば、物理量センサー100を製造するときに、基体10のエッチングを下面側からのみとすることができる。
【0037】
なお、梁20は、溝および貫通孔などを有していてもよい。溝および貫通孔は、たとえば、梁20内の質量の分布の調整や、梁20に印加される電界の方向を調節するために設けることができる。また、梁20には、たとえば中央領域に付加質量となる部材を設けることもできる。このような部材を設け、該部材の質量を調整することによって梁20の振動の周波数を調整することができる。
【0038】
上部電極32および下部電極34は、梁20の中央領域を避けて、梁20の上面および下面に形成される。上部電極32および下部電極34は、対になって、梁20を厚み方向(±Y方向)に挟んで形成される。上部電極32および下部電極34は、梁20の根本領域から、中央領域に向かって延設される。上部電極32および下部電極34は、梁20の一方の端から延出しものが、他方の端から延出したものと接触しないように形成される。
【0039】
上部電極32および下部電極34の機能としては、梁20を励振させる機能、および梁20の振動を検出する機能を挙げることができる。上部電極32および下部電極34は、図示しない外部回路に電気的に接続されることができる。上部電極32および下部電極34の材質としては、CrおよびAuなどの導電性の金属が挙げられ、これらCr層およびAu層の積層構造とすることもできる。
【0040】
上部電極32は、梁20の上面に形成される。下部電極34は、梁20の下面に形成される。また、上部電極32および下部電極34は、それぞれ配線40に電気的に接続される。本明細書では、同電位となる電極(32,34)および配線40には、同一の補助符号(a、b)を付して表す。
【0041】
図1〜図3に示す例では、2対の上部電極32および下部電極34の組が、梁20を介して対向して設けられている。図3に示すように、対向する一対の上部電極32および下部電極34は、互いに異なる電位となることができる。これにより、梁20に厚み方向(±Y方向)の電圧信号(電界)を印加することができる。図示の例では、上部電極32aと下部電極34bとが、および、上部電極32bと下部電極34aとが、それぞれ梁20の2つの根本領域で対向して配置されている。
【0042】
次に、図1〜図3を用いて各電極に接続される配線40の一例について説明する。上部電極32aは、梁20の一方の根本領域で配線40aに接続している。配線40aは、基体10(枠部14)の上面で引き回され、基体10の下面側に延びている。基体10の下面側に延ばされた配線40aは、基体10の下面で引き回されて梁20の他方の根本領域で下部電極34aに接続している。同様に、上部電極32bは、梁20の他方の根本領域で配線40bに接続している。配線40bは、基体10の上面で引き回され、基体10の下面側に延びている。基体10の下面側に延ばされた配線40bは、基体10の下面で引き回されて梁20の一方の根本領域で下部電極34bに接続している。配線40aおよび配線40bは、互いに電気的に離間されており、互いに異なる電位を有することができる。上記は一例であって、配線40aおよび配線40bの引き回しの経路は任意である。また、任意の位置で配線40aおよび配線40bに接続する外部接続用のパッド42が形成されてもよい。図示の例では、基体10の上面側にパッド42aおよびパッド42bが形成されている。
【0043】
上記例示したような電極および配線の構成を採ると、梁20に印加される電界を、梁20の一方の根本領域と他方の根本領域とで、互いに逆方向とすることが容易となる。そして、たとえばパッドおよび配線を介して、各電極に交流電界を印加すれば、梁20の両端付近で位相が逆になる厚みすべり振動を生じさせることができる。
【0044】
次に、図4を用いて、梁20の屈曲および厚みすべりの関係について説明する。図4は、梁20の両端付近で、互いに逆の位相の厚みすべりが生じている状態を示している。図中実線は、該厚みすべりによって梁20が屈曲している状態を描いたものである。厚みすべりが生じた状態とは、図中破線で模式的に示すように、梁20を構成する物質の±Z方向の変位量が、±Y方向(厚み方向)の位置に関して分布を生じている状態を指している。このような厚みすべりによって、梁20の上面側および下面側で、大きさまたは方向の異なる変位を発生させることができ、梁20を±Y方向へ屈曲させることができる。
【0045】
このような厚みすべりの方向および梁20の屈曲の方向は、各電極に印加する電界を逆にすることで、容易に逆転することができるため、各電極に交流電界を印加すれば、梁20に、厚みすべり振動に基づく屈曲振動を生じさせることができる。
【0046】
1.2.物理量センサーの動作
図5および図6は、本実施形態にかかる物理量センサー100の挙動を模式的に示す断面図である。図5および図6では、物理量センサー100の基体10の枠部14の一部が基台50に接着剤52で固定されている状態を示している。図では、物理量センサー100は、左側(−Z方向側)の枠部14が固定され、右側(+Z方向)に向かって片持ち梁状に保持された状態となっている。また、図5および図6では、各電極は省略して描かれている。
【0047】
図5は、物理量センサー100に対して、+Y方向の加速度、または−Y方向の力が印加されたときの状態を示している。図6は、物理量センサー100に対して、−Y方向の加速度、または+Y方向の力が印加されたときの状態を示している。
【0048】
図5の鎖線で示すように、+Y方向の加速度または−Y方向の力が加えられた物理量センサー100は、片持ち梁の固定端を基準として、片持ち梁の自由端側が−Y方向に撓む。すると、前述したように梁20は、物理量センサー100の上面側に偏った位置に形成されているため、梁20は、矢印方向に伸張される。梁20は、伸張されると屈曲振動の共振周波数が高くなる。このときの梁20の共振周波数の変化をたとえば基準周波数と比較することによって+Y方向の加速度または−Y方向の力の大きさを知ることができる。
【0049】
一方、図6の鎖線で示すように、−Y方向の加速度または+Y方向の力が加えられた物理量センサー100は、片持ち梁の固定端を基準として、片持ち梁の自由端側が+Y方向に撓む。すると梁20は、矢印方向に縮められる。梁20は、縮められると屈曲振動の共振周波数が低くなる。このときの梁20の共振周波数の変化をたとえば基準周波数と比較することによって、−Y方向の加速度または+Y方向の力の大きさを知ることができる。
【0050】
なお、図5および図6のいずれの場合においても、共振周波数と基準周波数との差と、加速度または力の大きさとの相関を予め算出し、得られたデータをテーブル化しておけば、より容易に加速度または力の大きさを測定することができる。なお、図5および図6の例では、物理量センサー100は、基台50に対して下面側が固定されているが、上面側が固定された場合も上記と同様である。
【0051】
以上のように物理量センサー100は、加速度、力等の物理量が加えられた際に、物理量センサー100が±Y方向に撓み、梁20の共振周波数が変化する。そのため、共振周波数の変化から、物理量センサー100に加わった物理量をただちに把握することができる。
【0052】
次に物理量センサー100の共振周波数の変化を検出する方法について説明する。図7は、物理量センサー100のインピーダンス曲線を概略的に示すグラフである。同グラフは、縦軸にC.I.値(クリスタル・インピーダンス)、横軸に周波数をとったものである。図8は、物理量センサー100の簡略化した等価回路および共振周波数の変化を検出する構成の一例を示す図である。
【0053】
物理量センサー100の梁20は、振動モードごとに複数の共振周波数を有する。たとえば、図7に示すように、kHzの範囲の周波数領域に、屈曲モードの共振周波数(f1、f2)を有し、MHzの範囲の周波数領域に、厚みすべりモードの共振周波数(f3、f4)を有する。また、両モードの共振周波数はそれぞれ一つには限られず、図示のように、各周波数領域でC.I.値の小さい(効率の高い)共振周波数(f1、f4)と、C.I.値の大きい(効率の低い)共振周波数(f2、f3)とが存在する。図示の例では、f1〜f4の共振周波数を描いているが、共振周波数の数や順序は、梁20の微細な形状などによりランダムに生じることが一般的である。また各共振周波数は、温度等の環境の変化がないかぎり、一定の値となり、各梁20(物理量センサー100)が有する特性値としての性格を有する。
【0054】
物理量センサー100が、図7に示したようなインピーダンス曲線を有する場合、図8に示すような等価回路を考えることができる。図8において、Cは、上部電極32と下部電極34の間の静電容量を示す。図8には、図7に示した共振周波数(f1、f2、f3、f4)に対応する等価回路を並列に描いてあり、各等価回路の抵抗r1〜r4の大きさが、各共振周波数におけるC.I.値であると考えることができる。したがって、ここでは抵抗r1およびr4は、抵抗r2およびr3よりも小さい値を有するものと考える。
【0055】
物理量センサー100による加速度や力などの検出は、一例として、図8に示すように、低周波用OSC回路および周波数カウンターを用いて行うことができる。低周波用OSC回路は、物理量センサー100を効率のよい共振周波数f1で駆動する。共振周波数f1で駆動された状態では梁20は、屈曲振動している。そして、物理量センサー100が加速度や力を受けると屈曲振動の共振周波数f1が変化する。この変化を周波数カウンターで検出して物理量センサー100が受けた加速度や力などを知ることができる。
【0056】
一方、物理量センサー100による温度などの検出は、一例として、図8に示すように、高周波用OSC回路および周波数カウンターを用いて行うことができる。高周波用OSC回路は、物理量センサー100を効率のよい共振周波数f4で駆動する。共振周波数f4で駆動された状態では梁20は、厚みすべり振動している。そして、物理量センサー100の温度が変化すると厚みすべり振動の共振周波数f4が変化する。この変化を周波数カウンターで検出して物理量センサー100の温度(物理量)を知ることができる。
【0057】
なお、図8の例では、物理量センサー100に接続される低周波用OSC回路と高周波用OSC回路は、スイッチによって切り替えているが、上述の機能を有する限り、自由な回路構成が可能である。
【0058】
図8のような回路構成を採ると、測定対象となる物理量、すなわち、力学的な量(加速度または力)と、温度と、を簡単に切り替えることができる。そのため、たとえば、1つの物理量センサー100によって複数種の物理量を検出することが可能である。
【0059】
また、物理量センサー100によって測定される温度は、物理量センサー100自体の温度であり、測定された温度を用いて、物理量センサー100自体の校正を行うことができる。すなわち、物理量センサー100自体の温度を測定し、当該温度を用いて物理量センサー100によって測定される加速度や力などの値を補正することができる。これにより物理量センサー100の測定精度をさらに高めることができる。
【0060】
以上説明した本実施形態の物理量センサー100は、両端が支持された1本の梁20を有するため測定感度が高い。その上、本実施形態の物理量センサー100は、梁20の上面および下面にそれぞれ上部電極32および下部電極34を有し、梁20の側面に電極を形成する必要がないため、製造が容易である。
【0061】
1.3.変形例
図9は、本実施形態の変形例にかかる物理量センサー200の上面図である。図10は、本実施形態の変形例にかかる物理量センサー200を模式的に示す断面図である。図9のB−B線の断面は、図10に相当する。図11は、本実施形態の他の変形例にかかる物理量センサー300の上面図である。図12は、本実施形態の他の変形例にかかる物理量センサー300を模式的に示す断面図である。図11のC−C線の断面は、図12に相当する。
【0062】
変形例にかかる物理量センサー200は、基体10と、梁20と、上部電極32および下部電極34と、を含む。物理量センサー200は、基体10の形状が異なる以外は、上述の物理量センサー100と同様であるため、基体10以外の部材については、物理量センサー100と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0063】
物理量センサー200の基体10の材質、平面的な外形形状、開口部12等は、物理量センサー100と同様である。図9および図10に示すように、物理量センサー200は、基体10の枠部14のうち、梁20に並行して延びている部位に、厚み方向に切り欠かれた構成のくびれ部16が形成されている。くびれ部16では、基体10の厚みは他の部位よりも小さくなっている。そのため、くびれ部16を有することによって、基体10の±Y方向への撓みをより発生させやすくすることができる。これにより、物理量センサー200の加速度または力に対する測定感度を高めることができる。
【0064】
くびれ部16が設けられる位置は、基体10の撓みが±X方向の成分を含まないようにするために、梁20に対して対称的な位置に設けられることが好ましい。また、くびれ部16は、基体10の撓みを大きくするために、物理量センサー200の固定端側に近いほうに設けられることが好ましい。
【0065】
くびれ部16の形状は、図示の例では、基体10の上面および下面から厚み方向に切り欠いているがこれに限定されない。たとえば、くびれ部16は、基体10の上面または下面の片側から切り欠かれて設けられてもよい。梁20が、基体10の厚み方向において上面側に偏って設けられている場合には、くびれ部16は、基体10の上面側から切り欠かれて設けられることがより好ましい。このようにすれば、基体10の撓みによる梁20の圧縮または伸張の作用をさらに高めることができる。なお、くびれ部16を横断するように配線40を設けることができる。
【0066】
図11および図12は、他の変形例にかかる物理量センサー300を模式的に示す図である。他の変形例にかかる物理量センサー300は、基体10と、梁20と、上部電極32および下部電極34と、を含む。物理量センサー300は、カウンタービーム22を有する以外は、上述の物理量センサー100と同様であるため、カウンタービーム22以外の部材については、物理量センサー100と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0067】
カウンタービーム22は、梁20の根本から突出して梁20に並行して梁20の中央領域側へ延びるように設けられる。図示の例では、カウンタービーム22は、基体10と連続する形状で梁20の根本から突出しているが、基体10に連続せずに、梁20の側面から突出していてもよい(図示せず)。カウンタービーム22は、片持ち梁状の形状を有することが好ましい。カウンタービーム22が、梁20と同様の両持ち梁状に設けられると、物理量センサー300に加速度または力が加わった際に、梁20に生じる圧縮または伸張の応力が小さくなってしまうことがある。また、カウンタービーム22は、偶数本設けられることが好ましい。このようにすれば、物理量センサー300のZ方向周りに生じる回転のモーメントを抑制することができる。カウンタービーム22は、梁20に対して対称的に設けられることが好ましい。図11に示す例では、片持ち梁状のカウンタービーム22が、梁20に沿って、かつ梁20に関して対称的に4本設けられている。カウンタービーム22は、梁20の質量の変位を相殺できるような質量を有することが好ましい。カウンタービーム22には、図示しない重りや配線が設けられてもよい。
【0068】
カウンタービーム22の機能の一つとしては、梁20が±Y方向に屈曲振動する際の質量の変位を相殺することが挙げられる。カウンタービーム22は、いずれも、±Y方向に変位の成分を有して振動することができる。図12に矢印で示すように、カウンタービーム22は、梁20とは互いに逆方向に変位して振動する。そのため、梁20が屈曲振動するとき、±Y方向への質量の変位が互いに相殺されて物理量センサー300全体の質量の±Y方向の変位成分を小さくすることができる。すなわち、カウンタービーム22を有すると、物理量センサー300の振動漏れを減少させることができる。
【0069】
以上例示した変形例は、組み合わせが可能であり、また、本実施形態のみならず、他の実施形態に対しても自由に適用することができる。
【0070】
2.第2実施形態
2.1.物理量センサー
図13は、本実施形態にかかる物理量センサー400を模式的に示す上面図である。図4は、本実施形態にかかる物理量センサー400を模式的に示す断面図である。図13のD−D線の断面は、図14に相当する。
【0071】
本実施形態の物理量センサー400は、基体60と、梁20と、上部電極32および下部電極34と、を含む。物理量センサー400は、基体60の形状および梁20が設けられる態様が異なる以外は、第1実施形態の物理量センサー100と同様であるため、基体60および梁20以外の部材については、物理量センサー100と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0072】
本実施形態の物理量センサー400の基体60は、XZ平面に展開される平板状の形状を有する。基体60は、加えられた外力によって厚み方向(±Y方向)に撓むような可撓性を有する。基体60の材質としては、たとえば、水晶、シリコン、各種の金属等の無機材料、ポリイミド等の有機材料を挙げることができる。本実施形態では、梁20は、基体60と別体で形成されたあと、基体60に接合されることができる。したがって、基体60の材質と、梁20の材質とは異なっていてもよい。
【0073】
基体60の平面的な外形は、図示の例では矩形であるがこれに限定されない。基体60には、図示しない重りが形成されていてもよい。基体60に重りを形成すると、基体60の撓み量を調節することができ、たとえば、物理量センサー300の測定感度を高めることができる。
【0074】
基体60は、上面に少なくとも2つの突部62を有する。突部62の機能の一つとしては、梁20の両端を2つの突部62によって支持して、梁20を2つの突部62の間で架橋させることが挙げられる。突部62の形状は、梁20を基体10の上面に接触しないように支持できるかぎり任意である。突部62の形状は、たとえば、直方体とすることができる。図13および図14の例では、基体60は上面に段差状に形成された2つの突部62が形成されている。
【0075】
本実施形態では、梁20は、基体60の突部62に両端が支持され、基体60の上面から離間されて架橋している。また、基体60の上で梁20が形成される平面的な位置は、第1実施形態と同様に任意であり、たとえば、基体60が力を受けて撓んだときに、梁20の長手方向の引張または圧縮の応力が生じるように配置することができる。梁20の平面的な配置は、図示の例では、基体60の±X方向の中心を通り、±Z方向に梁20の長手方向が沿うように設けられている。梁20は、基体60に接着剤等によって固定されることができる。また、梁20の両端には、図示のような、基体60に固定するための基部24が形成されていてもよい。さらに、基部24の厚みは、梁20の厚みよりも大きくてもよい。
【0076】
なお、図13および図14の例では、基体60は、梁20の両端を支持する2つの突部62の間に、梁20と交差する方向(±X方向)に延びる形状のくびれ部64を有している。くびれ部64は、第1実施形態の変形例で述べたくびれ部16と実質的に同様であり、同様の効果を有することができる。
【0077】
梁20は、物理量センサー400の振動部として機能することができる。梁20の形状、材質等の詳細については、第1実施形態と同様である。
【0078】
2.2.物理量センサーの動作
物理量センサー400の動作等は、実質的に第1実施形態で述べたと同様である。すなわち、片持ち梁状に固定された物理量センサー400に対して、加速度または力が印加されると、固定端を基準として、片持ち梁の自由端側が撓む。すると梁20は、物理量センサー400の上面よりも上方に形成されているため、梁20には、伸張または圧縮の応力が発生する。これにより加速度または力を加えられたときに生ずる共振周波数と基準周波数との差とから加速度の大きさを測定することができる。
【0079】
物理量センサー400は、加速度、力等の物理量が加えられた際に、物理量センサー400が±Y方向に撓み、梁20の共振周波数が変化する。そのため、共振周波数の変化から、物理量センサー400に加わった物理量をただちに把握することができる。
【0080】
以上説明した本実施形態の物理量センサー400は、両端が支持された1本の梁20を有するため測定感度が高い。その上、本実施形態の物理量センサー100は、梁20の上面および下面にそれぞれ上部電極32および下部電極34を有し、梁20の側面に電極を形成する必要がないため、製造が容易である。
【0081】
3.物理量測定装置
本発明にかかる物理量測定装置は、検出部と、上述した実施形態の物理量センサーのいずれか1つを有している。図15は、物理量測定装置の一例である物理量測定装置1000を模式的に示す断面図である。
【0082】
物理量測定装置1000は、図15に示すように、たとえば、パッケージベース510およびリッド520からなるパッケージ500内に、物理量センサー100と、検出部600とが封止されたものとすることができる。
【0083】
パッケージベース510は、物理量センサー100を収容することができる容器状の形状を有する。パッケージベース510の平面的な形状、および容器としての深さ等は、任意である。パッケージベース510の上部は、物理量センサー100をパッケージベース510の内部に入れることができる程度の開口を有している。パッケージベース510の開口は、リッド520によって気密封止されることができる。パッケージベース510の材質は、セラミック、ガラス等の無機材料であることができる。
【0084】
リッド520は、パッケージベース510の上部の開口を封止する平板形状を有する。リッド520の平面形状は、パッケージベース510の開口を封止できるかぎり任意である。リッド520の材質としては、セラミック、ガラス、金属等が挙げられる。パッケージベース510とリッド520との接着は、たとえば、プラズマ溶接、シーム溶接、超音波接合、または接着剤等を用いて行われることができる。パッケージベース510およびリッド520によって形成されるパッケージ500内のキャビティー(空間)は、物理量センサー100を片持ち梁状に保持するための空間となる。また、キャビティーは、密閉されることができるため、物理量センサー100を減圧空間や不活性ガス雰囲気に設置することができる。
【0085】
物理量センサー100は、図示のように、たとえば接着剤530を用いて、パッケージベース520内の底面に片持ち梁状に固定されることができる。また物理量センサー100は、例示した配置の他、物理量測定装置1000の測定対象である加速度または力の方向に対応するように、パッケージ500内で自由に配置されることができる。
【0086】
検出部600は、物理量センサー100を駆動し、梁20の屈曲振動または厚みすべり振動の共振周波数の変化を検出することができる。検出部600は、たとえば、第1実施形態で述べた回路構成を有するICチップで構成することができる。検出部600は、パッケージ500内で、ボンディングワイヤー700等を介して物理量センサー100の配線40に電気的に接続されることができる。また、パッケージベース520にスルーホールを設けて、パッケージ500内の配線等と、パッケージベース520の下面の外部電極710とを接続することができる。外部電極710は、物理量測定装置1000の外部端子として機能することができる。
【0087】
以上例示したような物理量測定装置1000は、物理量センサー100を含んでいるため、加速度、力、温度等の物理量を高感度に測定することができる。
【0088】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0089】
10,60…基体、12…開口部、14…枠部、14a…外周部、14b…薄肉部、
14c…傾斜部、16,64…くびれ部、20…梁、22…カウンタービーム、
24…基部、32,32a,32b…上部電極、34,34a,34b…下部電極、
40a,40b…配線、42,42a,42b…パッド、50…基台、
52,530…接着剤、62…突部、
100,200,300,400…物理量センサー、500…パッケージ、
510…パッケージベース、520…リッド、600…検出部、
700…ボンディングワイヤー、710…外部電極、1000…物理量測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体に両端が支持され、厚み方向に電界が印加されたときに厚みすべり歪みを生じる梁と、
前記梁を厚み方向に挟み、前記梁の中央領域を避けて、前記梁の上面および下面に形成された上部電極および下部電極と、
を含み、
前記基体は、前記基体に加えられた外力によって前記厚み方向に撓むような可撓性を有し、
前記梁は、前記上部電極および前記下部電極に駆動信号が印加されたときに生じる厚みすべり振動によって屈曲振動を生じる、物理量センサー。
【請求項2】
請求項1において、
前記基体は、周囲を枠部が取り囲んだ開口部を有するフレーム状の形状であり、
前記梁は、前記基体の前記枠部に両端が支持され、前記開口部の内側で架橋している、物理量センサー。
【請求項3】
請求項2において、
前記基体は、前記枠部の前記梁と並行する部分に前記厚み方向に切り欠いて構成したくびれ部を有する、物理量センサー。
【請求項4】
請求項1において、
前記基体は、上面に少なくとも2つの突部を有する平板状の形状であり、
前記梁は、2つの前記突部に両端が支持され、前記2つの突部の間で架橋している、物理量センサー。
【請求項5】
請求項4において、
前記基体は、前記梁の両端を支持する2つの前記突部の間に、前記梁と交差する方向に延びる形状のくびれ部を有する、物理量センサー。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
さらに、前記梁の根本から突出して前記梁に並行して前記梁の中央領域側へ延びるカウンタービームを有し、
前記カウンタービームは、前記梁の前記屈曲振動における質量の変位を相殺するように変位する、物理量センサー。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
前記梁の前記厚みすべり振動の周波数が物理量を検出するための信号である、物理量センサー。
【請求項8】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記梁の前記屈曲振動または前記厚みすべり振動の周波数の変化を検出する検出部と、
を有する、物理量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−203932(P2010−203932A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50089(P2009−50089)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)