説明

特性の改善された、エネルギー硬化型の水性ハイブリッドシステム

【発明の名称】特性の改善された、エネルギー硬化型の水性ハイブリッドシステム
【発明の要約】
水;エチレン性不飽和のオリゴマー;およびエネルギー硬化型官能基を含んでいない樹脂;を含有するエネルギー硬化型水性組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性能特性の改善された、非エネルギー硬化型機能性樹脂を含有する、エネルギー硬化型の水性印刷用インクあるいはコーティング組成物に関連する。
【0002】
発明の背景
エネルギー硬化型のコーティングおよびインク組成物は通常、オリゴマーアクリレートやモノマーアクリレートのようなアクリル系の誘導体の混合物から成る。ほとんどの場合、特定な適用方法に基づいてコーティングまたはインク製剤の粘度をコントロールするため、モノマー材料が組成物中で使用される。しかしながら、これらのモノマーは、エネルギー硬化されると、重合の際に完全に反応しなくなることがしばしばある。未反応のモノマーは乾燥した印刷用インクあるいは塗膜中に残留成分として残り、表面接触に加えて吸収によっても移染しやすい。この残留成分の移染は、食品包装などのセンシティブな包装用途において、「匂い」や「味落ち」のような多くの問題の原因となる可能性がある。一方では、適切な用途に合わせて製剤の粘度を低減または操作するために、溶媒が使用されている。しかしながら、溶媒の使用はしばしば、よりセンシティブな製品用途のために望ましくない、放出物、毒性および/または臭気レベルなどを伴う。
【0003】
専門化されたコーティングおよびインク中の残留溶媒や残留モノマーの望ましくない特性は、水性のエネルギー硬化型組成物や水性ベースの硬化の進歩、および水の存在下におけるエネルギー硬化プロセスの開発に拍車をかけた。通常有機化合物に対して貧溶媒であり、多くのポリマー基板を濡らすための表面張力は高すぎるが、それでも水は、粘度を下げ、放出、毒性、または臭気を増すことなく揮発することができ、この場合のコーティングおよびインク送出用に理想的な溶媒である。ここで最大の課題は、硬化後に感水性を引き起こしたり耐摩擦性を低下させることなく、広範囲にわたる組成物に水親和性を作ることである。
【0004】
エネルギー硬化型組成物の例は、EP 287,019号の中で見ることができる。この参照文献には、オリゴマーが、スチレン・無水マレイン酸コポリマーとヒドロキシメタクリレートとの反応生成物を含有したカルボン酸であるような組成物について記載されている。この組成物はさらに、エチレン性不飽和の反応性希釈剤、光開始剤、またオプションとしてチオールを含んでいる。この組成物を、例えば紫外光源などの化学線源にさらすと、印刷版やフォトレジストの作成に有用な、湿式現像の可能な物質が得られる。このような組成物は、特に、水と接触した場合の耐摩擦性の低下の原因となる湿式現像に対する意図された感受性のため、保護用のコーティングやインク中の結合剤としてはあまり有用ではない。
【0005】
湿式現像の可能なエネルギー硬化型組成物の別の例が、EP 287,020号に見られる。この参照文献には、カプロラクトンジオールのモノメタクリレート誘導体とスチレン/無水マレイン酸コポリマーとの反応生成物としてのオリゴマー物質について記載されている。この組成物はさらに、オプションとして反応性希釈剤および光開始剤を含んでいる。この組成物を化学線源にさらすと、化学線源にさらされた組成物はアルカリ性湿式現像剤を使用して現像され、印刷版やフォトレジストの作成に有用なしっかりと硬化された生成物が得られる。この場合も、このような組成物はその感水性のため、保護用のコーティングまたはインク結合剤としてはあまり有用ではない。上記のケースのいずれも、実際に記載された水溶液による組成物の送出ではない。
【0006】
米国特許第5,665,840号では、そのコポリマー鎖中にモノマー構造ユニットとしてビニルラクタム;ビニルアルコール;オプションとしてアルカン数の低いカルボン酸ビニルエステル;ビニル架橋剤;またオプションとしてビニル系光開始剤などを有する、水溶性、架橋性のプレポリマーが開示されている。この参照文献はまた、ヒドロゲルの製造に特に有用な不水溶性の架橋ポリマーネットワーク、およびコンタクトレンズのような吸水性の成形品に加え、プレポリマーの製造プロセスを開示している。これらの架橋された不水溶性のポリマーネットワークは水によって膨らむため、湿気がある場合に機械磨耗に対して低い抵抗性を示す、保護用の硬化コーティングおよびインク賦形剤としては不適切である。
【0007】
米国特許第4,745,138号は、不活性有機溶媒の使用を必要とせずに放射線硬化が可能なコーティングを製造するための、非水性、エネルギー硬化型の液組成を提供することのできるコポリマーを含んだ無水物の、低分子量の部分エステルの類を開示している。これらの組成物は、エチレン性不飽和基と、遊離無水物の機能性を有することを特徴とする無水マレイン酸コポリマーを含んだモノマーを使用し、また、バインダー樹脂の接着性および分散能力を向上させるために特に適していると言われている。この部分エステルは、ヒドロキシアルキルアクリル酸化合物、またはその一価アルキルアルコールとの混合剤による開環によって、無水物基の一部をエステル化して生成される。疎水性置換基(特に一価アルキルアルコールのエステル)の導入とカルボン酸基の欠如により、これらの組成物は、前述の参照文献に従って作られたものよりも、より耐水性でより耐溶媒性のフィルムを硬化する。しかしながら、本特許では、希薄苛性剤中の残留無水物の加水分解によって提供されたこれらのポリマーの水溶液、溶液やその他の極性の低い物質のコロイド分散を安定化するためのこれらの溶液の使用法、またこれらの溶液によって作られたコーティングあるいはインク組成物については論じられていない。
【0008】
並列アプローチでは、アクリル化親水性オリゴマーの溶液を単独、あるいは前述のポリマーと共に使用する。アクリル化オリゴマー(およびオリゴマーによって作られたポリマー樹脂の溶液)の粘度は、通常コーティングおよび印刷用インクの製造に直接使用するのには高すぎる。エネルギー硬化型のアクリル化オリゴマー混合物の粘度を低減するための希釈剤としての水の用法が、米国特許第6,011,078号に記載されているが、ここで当該混合物は、木および床のコーティング用に使用されている。本特許で説明されている製剤は、分散剤あるいは乳化剤であり、化学線源にさらす前に、前もって水を蒸発させ、続いて最低造膜温度(MFFT)以上の温度にさらしておく必要がある。硬化前の膜形成がないと、結果として得られるエネルギー硬化型の架橋ポリマーは、結合が非常に弱く、基板への付着力を欠き、必要とされる耐摩擦性を提供しない。さらに、追加的な乾燥ステップにより印刷速度が遅くなり、表面の欠陥(例えば光沢が低くなるなど)の原因となる可能性が高くなる。
【0009】
塩構造を含有するアクリル酸機能性ポリエステルが、M. Philips,J.M. Loutz,S.Peeters,L.Lindekens,Polymers Paint Colour J.,183,#4322,p.38(1993)に記載されている。これらは、放射線硬化型の保護用コーティングを製造するために、親水性のモノマー(例えばポリエチレングリコールジアクリレート)および水と組み合わされる。この組み合わせは、均一溶液として説明され、これはUVと水溶性の光開始剤とによってコーティングおよび放射線硬化され、耐摩擦性および耐洗浄性のトップコートを提供する。さらにJ.M.Loutz,S.Peeters,L.Lindekens,J.Coated Fabrics,22,p.298(1993)を参照されたい。実際には、これらの製剤はすべて、組み込むことのできる水の量が非常に制限されており、樹脂の質量分率が高く(賦形剤の65重量%以上)、その結果粘度が高い。通常、液体(賦形剤)の総量を基にして30重量%以上の水は、提供された例において性能の劣化の原因となる。この事実のため、10重量%以下の水が推奨される。しかしこの含水量においても「膜内のミクロ孔形成を避けるための、熱フラッシュオフステップが推奨される」。
【0010】
最近の発見により、先に水を蒸発させることなく、ワンステップでインクを印刷および硬化することのできる三成分系の用途が示された。これらのインクは、エチレン性不飽和のオリゴマーおよび樹脂を含有しており、高光沢や加速された硬化速度などの特性、そして水やその他のものに対する硬化後の耐性などの特性を有する。
【0011】
発明の要約
本発明は、エネルギー硬化型水性組成物であり、
(a)水;
(b)エチレン性不飽和のオリゴマー;および
(c)エネルギー硬化型官能基を含んでいない樹脂
を含むエネルギー硬化型水性組成物を提供する。
【0012】
本発明のその他の目的および利点は、以下の説明および添付の請求項により明らかになる。
【0013】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、完全にエネルギー硬化型の物質を使用する水性システムに比べて著しく改善された流動学的利点に加え、耐水性、耐アルコール性、各種基板上での接着性などに著しい向上をもたらす、エネルギー硬化型の水性インクシステム中の非反応性の樹脂システムの用途が発見された。
【0014】
本発明の組成物は、望ましくは、エネルギー硬化型官能基ではなく、水、エチレン性不飽和のオリゴマー、および中和された酸性または塩基性の官能基を含有する樹脂を含むエネルギー硬化型の水性組成物である。望ましくは、この成分は、総合液体質量に対し、水が15重量%以上で樹脂が60重量%以下となる比率および構造である。さらに本発明において、水の比率は、目標の適用粘度を実現し、不活性化させることなく、乾燥と硬化が同時に起こるプロセスにおいて完全な硬化を確実にするために、自由に調製される。
【0015】
先行技術と同様、本発明においても、組成物の粘度をコントロールするため、水は主に希釈剤として使用される。しかし、先行技術のコーティング製剤とは対照的に、本発明は、組成物中の水の親和性を以前に達成されたレベルよりもはるかに高いレベルまで伸ばす方法を示している。適度に低い粘度を維持しながら分子量の大きいメタクリル化成分を使用することが可能であるため、水の親和性の増加に伴い、臭気の低い製剤を作るために水を使うことができる。この樹脂は、部分的に中和された場合でさえも水に分散することができ、また使用された成分の単相の混合(即ち溶液)を可能にする構造を持っている。これを遂行するため、この樹脂は疎水性と親水性の両方の部分を含んでいる。記載された主要成分の不水溶性のオリゴマーだけは、水性の単相組成物の安定化に貢献しない。代わりに、樹脂および部分的に水溶性のオリゴマー中に疎水性の成分を組み込むことにより、そのレベルが考慮される。
【0016】
本明細書で使用される「溶液」という用語は、均質の、一つ以上の物質を他の物質に溶かすことによって形成された単相混合物、即ち単相の液体あるいは固体という、従来からの意味を持つことを意図している。本明細書で使用される「混和性の」という用語は、二つ以上の成分が単相の溶液を形成するという意味を持つことを意図している。また本明細書で使用される「水溶性」という用語は、単相で二成分の水溶液を形成するため、広範囲にわたる濃度領域、例えば液体(賦形剤)部分の総合質量中、水が0重量%から90重量%以上である濃度で、成分が水に混和することを意味するように意図されている。さらに本明細書で使用されている「部分的に水溶性」という用語は、単相の水溶液の形成において、限られた濃度領域、例えば水が0重量%から70重量%である濃度でのみ、成分が水に混和することを意味するように意図されている。また本明細書で使用されている「水に分散する」という用語は、安定したエマルジョンまたはマイクロエマルジョンを形成するため、成分が水と混和されることを意味するように意図されている。エマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、樹脂構造(自己乳化)または乳化剤のいずれかによって安定化される。
【0017】

本発明の組成物の主要成分は水である。水は、組成物の粘度を調整するために使用される無臭の希釈剤として機能する。さらに、水は、硬化に際して適用される液体中に全部あるいは部分的に残留する量で、高度な硬化に必要とされるポリマー部分の可動性を提供する。そして最後に、水性媒体中での酸素の溶解度の減少は、不活性化が起こらない場合に、急速な硬化の一因となる。これらすべての利点は、製剤中の水の割合が増加するのに伴って増加する。これらの溶液の粘度は皆、結果として生じる液体が、望ましくは単相の液体中の水の割合が25重量%以上である単相の液体として残るのであれば、混和性の希釈剤と残留オリゴマーの割合を調整することによって調整される。後者は、粘度を調節する自由のためだけではなく、硬化と乾燥が同時に起こる場合に、ある限度以上の水を硬化の時点で提供して流動性と低酸素圧を維持するためにも、重要なポイントである。
【0018】
エチレン性不飽和の水溶性オリゴマー
水溶性オリゴマー(または部分的に水溶性のオリゴマー、以下参照)は、低分子量の増量剤として機能する。これは通常は多機能性であり、少なくとも二つのメタクリレート基からなる。溶解度以外の主な条件は、重合の開始後、速やかにネットワークを組み立てることである。樹脂の水溶性オリゴマー増量剤に対する重量比は通常、2.0から0.2、望ましくは1.0から0.4、また最も望ましくは0.7から0.6である。正確な値は、樹脂およびオリゴマー増量剤の両方の構造と、最も望まれる特性のタイプ(例えば引っかき抵抗性または耐水性など)によって異なる。
【0019】
水溶性オリゴマーは、望ましくはオリゴマー/水成分の制限比率内で水溶液を形成する。従って、「部分的に水溶性のオリゴマー」とは、限られた濃度領域、例えば水が総質量の0重量%から70重量%である濃度でのみ水に混和する、単相水溶液を形成するためのオリゴマーである。
【0020】
水溶性オリゴマーにはさらに、重合することのできる、あるいはフリーラジカル重合によって架橋することのできる、エチレン性の不飽和を含んだモノマーまたはマクロマーとしての特徴がある。さらに、オリゴマー/水に成分中に少なくとも5 %の水の摂取を確実にするため、ヒドロキシル基、エチレンオキシド部分、その他のような十分な水可溶化基が含まれる。望ましくは、水溶性オリゴマーは、例えばアクリレート、メタクリレート、またはそれらの組み合わせの中から選択される。通常水溶性オリゴマーには、一つ以上のアクリレート、またはメタクリレート基が含まれる。本発明において水溶性オリゴマーとして有用なアクリレートまたはメタクリレートは、例えば、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、エトキシル化トリメタノールプロパンアクリレート、エトキシル化トリメタノールプロパンメタクリレート、エトキシル化ジ(トリメタノールプロパン)アクリレート、エトキシル化ジ(トリメタノールプロパン)メタクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールメタクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールメタクリレート、エトキシル化ネオペンタグリコールアクリレート、エトキシル化ネオペンタグリコールメタクリレート、エトキシル化プロピレングリコールアクリレート、エトキシル化プロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびポリエチレングリコールジメタクリレートなどから成るグループの中から選択される。特に好適なオリゴマーは、アルキルエポキシアクリレートおよびアルキルエポキシメタクリレートである。
【0021】
水溶性オリゴマー成分は、単一オリゴマーであっても、あるいは上述の二つ以上のオリゴマーの組み合わせであってもよい。
【0022】
水分散性の樹脂
本発明の水分散性の樹脂は、いかなるエネルギー硬化型の官能基も含まず、また液体全体の少なくとも10重量%から50重量%以上の水を含む、広範囲に及ぶ比率のオリゴマー/水の二成分を有する安定した単相組成物を形成する。樹脂という単語には、インクおよびコーティング、即ち実際には高分子量ではないのに、水素結合した構造によってもたらされる高分子量に特有の特性を示す硬い固体ポリマー、という通常の意味合いがある。好適な重量平均分子量は1000ダルトン以上100,000ダルトン以下、より望ましくは1000ダルトン以上50,000ダルトン以下、また最も望ましくは1000ダルトン以上30,000ダルトン以下である。
【0023】
さらに本発明において、水分散性の樹脂は、親水性(例えばカルボキシルのようなイオン結合および水素結合基)および疎水性(例えば炭化水素)の構造(ペンダント基または主鎖部分としての)から作られる、特定のタイプの界面活性物質である。例えばこの樹脂は、水溶性樹脂塩を形成するために塩基(例えばアミン)によって部分的または全体的に中和された、酸性の官能基(例えばペンダントカルボン酸基)を有する。一方、ポリマー樹脂は、水溶性樹脂塩を形成するために酸(例えばカルボン酸)によって部分的または全体的に中和された、塩基性の官能基(例えばアミノ基)を有する。塩基によって中和されたカルボン酸官能基は、酸価を60(100gの樹脂を完全に中和するためのKOHのmg数)以上とするような数であり、少なくとも一部分の水/樹脂二成分での水分散性を確実にする。また望ましくは、この樹脂はさらに、優れた顔料の分散性、耐水性、および上述の条件に一致する特性を生み出す程度まで、疎水性置換基(例えば脂肪族アルコールのエステル)を含む。
【0024】
得に好適な水分散性の樹脂は、脂肪族系または芳香族系ジイソシアネートと反応した、硬い部分(例えば単鎖ジオールまたはジアミン)および柔らかい部分(長鎖アルキロイド、エチレンまたはプロピレングリコール、あるいはポリエーテルジオール)を含有する、ポリウレタン/尿素コポリマーである。加えて、苛性、またはより高度に水和された苛性(例えば水酸化リチウム)などによって酸性基をさらに中和させると、親水性を増加させることができる。これらの手段を用いることにより、樹脂を水分散性にして、最終的な硬化生成物中で耐水性でありながらも、部分的に水溶性また不水溶性のオリゴマーにより混合物のコロイド分散および溶液を安定させ、顔料の分散を安定させることができる。
【0025】
樹脂の酸性基を中和するために、いかなる塩基性化合物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、あるいは水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物、またはアンモニア、アルキルアミン、あるいはアミン含有オリゴマーのようなアミン)を使用してもよいが、アンモニア、アミン、あるいはそれらの組み合わせが好適である。好適な塩基は、第3アミンの中から選択される。
【0026】
水不溶性、エチレン性不飽和のオリゴマー
不水溶性のオリゴマーは通常、水に完全に不混和性であるが、不水溶性のオリゴマーが、水溶性オリゴマーにより溶液を作ることがある。不水溶性のオリゴマーは、単相の二成分溶液を作るため、望ましくは、広範囲にわたる濃度領域、例えば混合物全体の5重量%から95重量%が不水溶性である領域において、水溶性オリゴマーに混和する。通常不水溶性のオリゴマーは、一つ、二つ、あるいはそれ以上の末端エチレン性不飽和基を有する化合物(または類似化合物の混合物)である。このような化合物の代表例として、例えばジプロピレングリコールジアクリレート;トリプロピレングリコールジアクリレート;ブタンジオールジアクリレート;ヘキサンジオールジアクリレート;アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート;トリメチオール2プロパントリアクリレート;アルコキシル化 トリメチロールプロパントリアクリレート;ジ(トリメチロールプロパントリアクリレート);グリセロールプロポキシトリアクリレート;ペンタエリスリトロールトリアクリレート;アルコキシル化ペンタエリスリトロールトリアクリレート;ジ(ペンタエリスリトロールトリアクリレート);ネオペンタグリコールジアクリレート;アルコキシル化ネオペンタグリコールジアクリレート;ジプロピレングリコールジメタクリレート;トリプロピレングリコールジメタクリレート;ブタンジオールジメタクリレート;ヘキサンジオールジメタクリレート;アルコキシル化ヘキサンジオールジメタクリレート;トリメチオールプロパン3トリメタクリレート;アルコキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート;ジ(トリメチロールプロパンメタトリアクリレート);グリセロールプロポキシトリメタクリレート;ペンタエリスリトロールトリメタクリレート;アルコキシル化ペンタエリスリトロールトリメタクリレート;ジ(ペンタエリスリトロールトリメタクリレート);ネオペンタグリコールジメタクリレート;アルコキシル化ネオペンタグリコールジメタクリレート;など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。不水溶性のオリゴマーは、単一末端エチレン基を含有するモノマーに加え、ジアクリル酸およびトリアクリル酸モノマーの組み合わせを含む。不水溶性のオリゴマーには、アクリル化エポキシ樹脂;ビスフェノールAのビスアクリル酸エステル;アクリル化ポリウレタン;アクリル化ポリエステル;アクリル化ポリエーテル、その他であってよい。このタイプの好適な不水溶性のオリゴマーには、ビスフェノールAのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルエーテル;ビスフェノールAのジ(2−メタクリルオキシエチルエーテル;ビスフェノールAのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルエーテル;ビスフェノールAのジ(2−アクリルオキシエチルエーテル;その他が含まれる。
【0027】
フリーラジカル光開始剤
本発明の、前述の任意のエネルギー硬化型水性組成物には、光開始剤が含まれてもよい。組成物が、特に電子線硬化用に組成されていない限り、エネルギー硬化型組成物には通常、紫外線のような化学線にさらされた際にフリーラジカルを生成する、付加的な重合光開始剤が含まれる。このような光開始剤は、化学線によって活性化された際に直接フリーラジカルを供給する、一つ以上の化合物を有する。光開始剤にはまた、スペクトル感度を近紫外線、可視、または近赤外線スペクトル領域まで延長する、増感剤が含まれてもよい。フリーラジカル始動の硬化システムにおいて、通常光開始剤の放射により、重合および/または架橋を開始するフリーラジカルが生成される。通常、効果的に重合を開始するためには、ほんの少量の光開始剤、例えば重合可能な(硬化可能な)溶液の総重量を基にして約0.5重量%から約5重量%、が必要とされる。通常光開始剤はエネルギー硬化型溶液中の少なくとも一つの主要成分に易溶性であり、また望ましくは、少なくとも部分的に水溶性である。さらに望ましくは、フリーラジカル硬化システムは、本発明の単相溶液中の一つ以上の主要成分中に実質的に可溶性の光開始剤を含む。本発明の水性組成物では、多様な光開始剤を使用することができる。このタイプの有用な光開始剤については、例えば本明細書に参照することにより組み込まれている、B.M.モンローおよびG.C.ウィードによる「フリーラジカル始動のフォトイメージングシステム用の光開始剤」と言うタイトルの調査書(B.M.Monroe and G.C.Weed entitled“Photoinitiators for Free−Radical−Initiated Photoimaging Systems”,Chem.Rev.1993,93,435−448)に記載されている。単独で、あるいは他の光開始剤との組み合わせで使用するのに好適な光開始剤に、Irgacure 1173、Irgacure 500、Irgacure 184、Irgacure 2959(Irgacureとは商標で、NY州タリータウンのCiba Specialty Additives社(Ciba Specialty Additives,Tarrytown,NY)から市販されている製品である)、Esacure KIP 150、Esacure KIP EMおよびEsacure KIP DP 250(Esacureとは商標で、イタリア、ガララーテのLamberti社(Lamberti,Gallarate,Italy)から市販されている製品である)。
【0028】
着色剤
本発明のエネルギー硬化型のインクは、インク中に分散した染料または顔料の形態で一つ以上の着色剤を含んでいる。本発明における仕様に適した顔料には、従来の無機または有機顔料が含まれる。代表的な顔料は、例えばPigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 12、Pigment Yellow 13、Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 17、Pigment Yellow 63、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 73、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 75、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 97、Pigment Yellow 98、Pigment Yellow 106、Pigment Yellow 111、Pigment Yellow 114、Pigment Yellow 121、Pigment Yellow 126、Pigment Yellow 127、Pigment Yellow 136、Pigment Yellow 138、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 174、Pigment Yellow 176、Pigment Yellow 188、Pigment Yellow 194、Pigment Orange 5、Pigment Orange 13、Pigment Orange 16、Pigment Orange 34、Pigment Orange 36、Pigment Orange 61、Pigment Orange 62、Pigment Orange 64、Pigment Red 2、Pigment Red 9、Pigment Red 14、Pigment Red 17、Pigment Red 22、Pigment Red 23、Pigment Red 37、Pigment Red 38、Pigment Red 41、Pigment Red 42、Pigment Red 48:2、Pigment Red 53:1、Pigment Red 57:1、Pigment Red 81:1、Pigment Red 112、Pigment Red 122、Pigment Red 170、Pigment Red 184、Pigment Red 210、Pigment Red 238、Pigment Red 266、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 61、Pigment Green 7、Pigment Green 36、Pigment Violet 1、Pigment Violet 19、Pigment Violet 23、Pigment Black 7などから成るグループの中から選択される。従来の顔料とポリ(アルキレンオキシド)グラフト化顔料の組み合わせであるような顔料組成物もまた、発明のエネルギー硬化型インク中での使用に適しており、それぞれが本明細書に参照することにより組み込まれている、米国特許第4,946,508号、4,946,509号、5,024,698号、5,024,894号、および5,062,894号に記載されている。
【0029】
補助剤
本発明のエネルギー硬化型組成物とインクには、硬化されたコーティングや印刷されたインクの流れ、表面張力、および光沢を調製するための、通常の補助剤が含まれてもよい。インクまたはコーティングに含まれるこのような補助剤は通常、界面活性剤、ワックス、またはそれらの組み合わせなどである。これらの補助剤は、レベリング剤、湿潤剤、分散剤、除泡剤、または脱気剤として機能する。滑り面などの特定の機能を提供するために、付加的な補助剤が添加されてもよい。好適な補助剤として、FC−4430(ミネソタ州セントポールの3M社(3M Company, St Paul, MN)より市販されている製品)のようなフッ化炭素界面活性剤;DC57(ミシガン州ミッドランドのダウケミカル社(Dow Chemical Corporation,Midland,MI)より市販されている製品)、Byk 024、Byk 019、Byk 023、Byk 373、Byk 381、Byk 3500、Byk 3510、Byk 3530、Byk 361、Byk 363(ドイツ、ヴェーゼルのByk Chemie社(Byk Chemie,Wesel,Germany)より市販されている製品)、Foamex N、Foamex 8030、Foamex 810、Airex 900、Tegorad 2100、Tegorad 2200N、Tegorad 2250N、Tegorad 2500、Tegorad 2600(Foamex、AirexおよびTegoradは商標で、ドイツ、エッセンのTego Chemie 社(Tego Chemie,Essen,Germany)より市販されている製品である)、Addid 700、Addid 810、Addid 840、Addid 300、Addid 310、Addid 320(Addidは商標で、ミシガン州エイドリアンのワッカーシリコン社(Wacker Silicones Corp.,Adrian,MI)より市販されている製品である)などのようなシリコン;Solspers 24000、Solspers 32000、Solspers 41090、Solspers 20000、Solspers 27000(Solspersは商標で、ペンシルバニア州ニュートンのユナイテッドカラーテクノロジー社(United Color Technology, Inc.,Newton,PA)より市販されている製品である)、Disperbyk 168、Disperbyk 184、Disperbyk 190、Disperbyk 192 (Disperbykは商標で、ドイツ、ヴェーゼルのByk Chemie社(Byk Chemie,Wesel,Germany)より市販されている製品である)、Wet 500、Wet 505、Airex 920、Airex 910、Dispers 610、Dispers 605、Dispers 740、Dispers 750およびDispers 760(Dispers、WetおよびAirexは商標で、ドイツ、エッセンのTego Chemie 社(Tego Chemie,Essen,Germany)より市販されている製品である)、Surfanol 105E、Surfanol 420、Dynol 604(SurfanolおよびDynolは商標で、ペンシルバニア州アレンタウンのエアプロダクト・アンド・ケミカル社(Air Products and Chemicals Inc.,Allentown,PA)より市販されている製品である)などの有機ポリマー界面活性剤;ポリエチレンワックス;ポリアミドワックス;ポリテトラフルオロエチレンワックス、その他が挙げられる。
【0030】
エネルギー硬化膜の生成
本発明の一つの実施例は、膜および/または印刷されたインクのイメージを形成する方法である。従って、本発明のエネルギー硬化型組成物は、多様な基板に適用され、また保護用、装飾用および断熱用のコーティング;埋め込み用化合物;シーラント;接着剤;フォトレジスト;テキスタイルコーティング;および、例えば金属、ゴム、プラスティック、木、成形品、フィルム、紙、ガラス、布、コンクリート、セラミックなどの各種基板上のラミネートなどを含んだ用途に合わせた、多様な方法によって硬化される。本発明のエネルギー硬化型組成物は、様々なグラフィックアート用および印刷プロセスで使用されるコーティングおよび印刷用インクの製造において得に有用である。有利なことに、本発明の組成物は、先に水の除去を行わないでも硬化する。さらに、そこから得られたエネルギー硬化型組成物は、ウェットトラップ印刷で適用するのに特に有用である。
【0031】
硬化型、耐水性インクあるいはコーティングを基板上に形成する方法を表した本発明の実施例は、本発明のエネルギー硬化型水性組成物を基板に塗布して層を形成し、それに続いてコーティングされた基板を化学線源にあてることを含む。しかしながら、もしもこの方法が特に耐水性のインクの形成を表すものであれば、当方法には、水性組成物への着色剤の添加が付加的に必要となる。このエネルギー硬化型水性組成物は、本発明のエネルギー硬化型水性組成物のいずれでもよい。
【0032】
水性組成物は、従来のいかなるコーティング技術を使用してでも、基板の表面にコーティングとして均一層に塗布することができる。従って、本発明の組成物を、スピンコーティング、バーコーティング、ローラーコーティング、カーテンコーティング、あるいははけやスプレイなどによって塗布してもよい。一方、水性組成物は、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン、リソグラフ印刷、およびインクジェット印刷などを含む、従来の産業印刷技術を使用して、例えば印刷用インクとして画像的に基板の表面に塗布される。
【0033】
化学線により始動される硬化は、水のフォーミュラが適所にある場合にもっとも効果的に行われる。溶媒としての水は、粘度を低下させ、重合の反応部位がシステム内で拡散し、長鎖を生成するために効果的に広がることを可能にする。効果的な反応が停止する粘度ポイントはガラス化ポイントとして知られている。臨界レベル以上の水の存在下では、粘度の低下によってガラス化が遅れるため、重合の開始の後に残留する機能性は非常に低い。水はまた、コーティング中の溶存酸素レベルを低下させる。この事実はまたより迅速な硬化の原因になる。
【0034】
本発明のコーティングあるいはインクが塗布された瞬間から、水は蒸発を始める。紫外線ランプや窒素フローの下での電子ビームは、水の除去を速める熱やガスのフローをもたらす。ドライヤーとして作動している特定の硬化ユニットの特性に基づいて、硬化ゾーンにおける単位時間当たりに除去される水の最大レベルが決まっている。制限を意味することなく、硬化ユニットから出てくる時点で、ある程度の少量の水がコーティング中に残っていなくてはならないことが、上記の議論より明らかである。しかしながら、ほとんどの場合、測定された最大値以下の水を、残留アクリル性不飽和を増加させることなくコーティングすることができる。つまり、臨界値に近くなると、乾燥速度が遅くなるということである。われわれの経験では、現実的な下限値は、最大乾燥容量から推定される量の1/3である。硬化の時点で水が適所にあることの特徴として、液相中15重量%以上が水であるような本発明の液体は、硬化され、業界で使用されている通常の反射赤外線技術ではアクリレート不飽和が検知できないほど完全に変換される。
【0035】
基板
基板およびその表面は、プラスティック、金属、合成物、紙、その他のような一般的な基板物質のいずれから成っていてもよく、基板上のエネルギー硬化膜または層は、多様な目的で使用される。基板は、通常出版に使用されるプリントストックであるかもしれないし、あるいはシート状の包装材料、ビンや缶などの容器、その他であるかもしれない。ほとんどの場合、包装材料はポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、またはアルミホイルや金属化ポリエステルあるいは金属容器などのような金属である。水性で単相のエネルギー硬化型組成物が一旦包装材料に塗布されると、食品、飲み物、化粧品、生物由来物質または生物検体、薬剤など、あらゆる種類の液体あるいは固体の材料を収容するために使用される。
【0036】
例1
表1に記載された要領で、四種類のエネルギー硬化型組成物(A、B、CおよびD)を準備した。組成物BからDはエネルギー硬化型官能基を含んだ樹脂を含んでいるが、組成物Aはエネルギー硬化型官能基を含んでいないポリウレタン樹脂を含んだ試験的組成物である。製剤Eは、組成物AからD(下記表2)と共にテストされた、ポリアミド樹脂を含んだSunChemical NAI Sunsheenシリーズの標準プロセスシアンである。
【0037】
【表1】

【0038】
A:独自仕様のアニオン性ポリウレタン水分散剤940−1021
固形物の30−35%がSunChemical社からの供給
B:独自仕様のアルコール変性スチレン/無水マレイン酸アクリレート樹脂924−1069
固形物の45−55%はSunChemical社製であり、WO99/19369に記載されている
C:独自仕様のアクリル化ポリウレタン樹脂Ebecryl 2001
固形物の約100%がUCB Surface Specialties社からの供給
D:独自仕様のアクリル化ポリウレタン樹脂Actilane 245
固形物の約100%がAkcros, Sartomer Company Inc.からの供給
* SunChemical Sunfast 249−1290
** Byk Chemie社供給のDisperby 184
*** WO 03070464 (A1)およびUS 2003154871 (A1)に記載された、独自仕様のレットダウン製剤
【0039】
上述の組成物を、ブレード付きのHarper Echocell Juniour handproferを使用して、包装産業で一般に使用される二種類の異なった基板上に印刷した。印刷に先立ち、適用された基板を40ダインのレベルまでコロナ処理した。次に、AET電子ビームラボユニットを使用して、線量率3.0 mRad(30.0 kGy)、110kV、および酸素レベル約200 ppmでその印刷物を硬化した。
【0040】
その後その印刷物の、業界規準テープ接着性および溶媒の耐摩擦性についてテストした。耐摩擦性は、インクの変色で検知されるように、綿棒(Hardwood Products Company LP製Puritan REF 806−WC)の綿の先端を濡らし、指で軽く圧力をかけてインクを擦りとることによって決定した。必要となった完全な往復サイクルの回数を記録した。コーティングの接着性は、600あるいは610テープ(ミネソタ州セントポール、3M社製)を使いよい長さだけ取り、そのテープを指で押しながら硬化された面にラミネートし、つぎにコーティングされた表面に垂直に、表面から一気にテープを引き上げることによって測定した。テープをはがした後に、コーティングが基板に完全に無傷で付着していたら、接着性を合格とした。
【0041】
記載のインクの性能特性の結果を表2に示す。テストから明白なように、組成物「A」で作られたインクは、テストされたその他のインク製剤のどれよりも、水、アルコールおよびMEKの耐摩擦性がはるかに優れていた。配向ポリプロピレンフィルム(AET T523−3)上では、組成物「A」のテープの接着特性は、塗布されたその他すべてのエネルギー硬化型テストインク組成物よりもはるかに優れていた。
【0042】
表2
組成物AからEのテスト結果
ブレード付きHarper Echocell Junior handproofer上での550lpi aniloxローラーによるドローダウン
【0043】
【表2】

【0044】
$:水、イソプロパノール、またはMEKを染み込ませたQティップでの往復回数
$$:インクがまったく基板からはがれなかったときに合格とする、スコッチ600および610グレードのテープフィルムを使用した標準テープテスト
A:独自仕様のアニオン性ポリウレタン水分散剤
B:独自仕様のアルコール変性スチレン/無水マレイン酸アクリレート樹脂924−1069、SunChemical社製でWO99/19369に記載されている
C:独自仕様のアクリル化ポリウレタン樹脂Ebecryl 2001、UCB Surface Specialties社からの供給
D:独自仕様のアクリル化ポリウレタン樹脂Actilane 245、Akcros, Sartomer Company Inc.からの供給
E:固形物3−10%の濃度で従来の溶媒ベースのインク中で使用されている従来型のポリアミド樹脂、Cognis, Arizona Chemicalsおよびその他の会社からの供給
*標準1ミクロン白色LDPEフィルム、42ダインまで処理
**標準AET T523−3コロナ処理oPPフィルム
%:記載の基板用に私用される、独自仕様の従来型インク製剤、Sun Chemical社およびその他のインク会社による製造
【0045】
本発明は、その好適な実施例の観点から記述されているが、当分野に精通した技術者に理解されるように、より広範に適用が可能なものである。本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー硬化型水性組成物であり、
(a)水;
(b)エチレン性不飽和のオリゴマー;および
(c)エネルギー硬化型官能基を含んでいない樹脂
を含むエネルギー硬化型水性組成物。
【請求項2】
オリゴマーが部分的に水溶性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
オリゴマーが、部分的に水溶性のオリゴマーと不水溶性のオリゴマーの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
部分的に水溶性のオリゴマーが、アクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー、およびそれらの組み合わせから成るグループから選択されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
アクリレートオリゴマーとメタクリレートオリゴマーが、それぞれ一つ以上のアクリレート官能基と一つ以上のメタクリレート官能基を含んでいる、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
アクリレートオリゴマーが、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート、エトキシル化トリメタノールプロパンアクリレート、エトキシル化ジ(トリメタノールプロパン)アクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールアクリレート、エトキシル化ネオペンタグリコールアクリレート、エトキシル化プロピレングリコールアクリレート、およびポリエチレングリコールジアクリレートから成るグループから選択されており;またメタクリレートオリゴマーが、エポキシメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート、エトキシル化トリメタノールプロパンメタクリレート、エトキシル化ジ(トリメタノールプロパン)メタクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールメタクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールメタクリレート、エトキシル化ネオペンタグリコールメタクリレート、エトキシル化プロピレングリコールメタクリレート、およびポリエチレングリコールジメタクリレートから成るグループから選択されている、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
アクリレートとメタクリレートオリゴマーが、それぞれエポキシアクリレートとエポキシメタクリレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
不水溶性のオリゴマーが、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、プロピレングリコールアクリレート;アルカンジオールアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、グリセロールプロポキシアクリレート、ペンタエリスリトロールアクリレート、ネオペンタグリコールアクリレートから成るグループから選択されており;また、メタクリレートオリゴマーが、エポキシメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンメタクリレート、ポリオールメタクリレート、プロピレングリコールメタクリレート;アルカンジオールメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、グリセロールプロポキシメタクリレート、ペンタエリスリトロールメタクリレート、ネオペンタグリコールメタクリレートから成るグループから選択されている、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
樹脂が、中和された酸性および/または塩基性の官能基を含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
樹脂が、カルボン酸官能基を含有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
樹脂が、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリビニル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリオール、ポリカルボン酸、ポリスチレン/無水マレイン酸コポリマー、またはそれらのコポリマーなどのグループから選択されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
樹脂が、非エネルギー硬化型の、機能的ポリウレタン/尿素コポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
カルボン酸官能基が、中和剤あるいは中和剤の混合物によって中和されている、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
中和剤が、アンモニア、アミン、アルカリ金属水酸化物、あるいはそれらの混合物の中から選択されている、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
樹脂の酸価が60以上で、また重量平均分子量が1,000から100,000ダルトンの間である、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
樹脂に含まれている官能基が、酸によって中和されたアミノ塩基性基である、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
さらにフリーラジカル光開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
水が15重量%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
中和された酸性または塩基性の官能基を含有している樹脂が、組成物の総重量の60重量%以下である、請求項9に記載の組成物。
【請求項20】
水が組成物の総重量の15重量%以上である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
さらに着色剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
さらに光開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
さらに補助剤を含む、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−536004(P2008−536004A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506613(P2008−506613)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/013568
【国際公開番号】WO2006/110784
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(596024024)サン・ケミカル・コーポレーション (39)
【Fターム(参考)】