特殊舗装用機能回復車
【課題】排水性舗装等の特殊舗装の洗浄作業において、土砂等を含む汚泥水を確実に吸引回収し、回収された汚泥水から土砂等の固形分を効率良く分離して清浄な洗浄水として再利用すること。
【解決手段】舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を舗装面上から吸引回収するための吸引口と、吸引口から吸引回収された汚水と洗浄水を貯留するタンクと、汚水を洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、噴射ノズルは、車両進行方向において吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は車両幅方向中心に向けて傾斜している。
【解決手段】舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を舗装面上から吸引回収するための吸引口と、吸引口から吸引回収された汚水と洗浄水を貯留するタンクと、汚水を洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、噴射ノズルは、車両進行方向において吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は車両幅方向中心に向けて傾斜している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特殊舗装用機能回復車に関し、例えば、排水性舗装の空隙内に詰まった土砂等を除去して排水機能を回復させるための車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両走行時におけるハイドロプレーニング現象の防止や騒音の低減を目的として、雨水を内部に浸透させることができる機能を有する排水性舗装の施工が増加している。
このような排水性舗装は、骨材同士の間に大きな空隙を有しており、この空隙を利用して雨水を内部に浸透させることができる。
しかしながら、排水性舗装は、施工してから年月が経つと、空隙内部に土砂や粉塵等が蓄積することにより、雨水を内部に浸透させる機能(排水機能)が著しく低下するという問題がある。
【0003】
このような問題点に鑑みて、空隙内部に蓄積した土砂や粉塵等を除去して排水性舗装が有する排水機能を回復させるための装置が数多く提案されている。
例えば、下記特許文献1には、舗装表面に対して高圧水を噴射して舗装の空隙に詰まった異物を遊離させる噴射ノズルと、遊離した異物と水との混合汚泥水を吸引回収して気水分離処理を施す吸引回収装置を備えた装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、以下のような問題点を有していた。
先ず、土砂等を含む混合汚泥水が周囲に広く飛散してしまうため、吸引回収装置により確実に吸引回収することが困難となり、回収できなかった土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうおそれがあった。
また、回収された汚泥水を濾過して再利用するための機構を備えているが、回収された汚泥水はそのままサイクロンへと導入されるため、サイクロンの負担が大きくなり、汚泥水中に含まれる土砂等を充分に除去することができないという問題があった。
また、サイクロンにより土砂等が充分に除去されないことにより、サイクロンから送られる水を貯留する清水タンクに土砂等が入り、再利用される洗浄水に土砂等が混入するおそれがあった。
【0005】
【特許文献1】特許第3889273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、排水性舗装等の特殊舗装の洗浄作業において、土砂等を含む汚泥水を確実に吸引回収することができるとともに、回収された汚泥水から土砂等の固形分を効率良く分離して清浄な洗浄水として再利用することが可能な特殊舗装用機能回復車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、該噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、前記舗装面上から吸引回収するための吸引口と、該吸引口から吸引回収された汚水と前記洗浄水を貯留するタンクと、前記汚水を前記洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、前記噴射ノズルは、車両進行方向において前記吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において前記吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向中心に向けて傾斜していることを特徴とする特殊舗装用機能回復車に関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記主噴射ノズルが千鳥状に配列されており、且つ舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、前記副噴射ノズルが、車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記タンクは、前記汚水を貯留する汚水室と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、前記洗浄水リサイクル機構は、前記汚水室から汚水を取り出すための汚水取出路と、該汚水取出路から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置と、該異物除去装置により異物が除去された後の汚水を洗浄水として前記洗浄水室へと送るための循環路とを備えており、前記汚水室は、フィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、前記汚水取出路は、前記2つの区画のうち、前記吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることを特徴とする請求項4記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記通水不可能部が開閉可能とされていることを特徴とする請求項5記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記汚水取出路の開口部は、前記通水不可能部よりも上方位置にあることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記汚水取出路の開口部は、前記汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0015】
請求項9に係る発明は、前記異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0016】
請求項10に係る発明は、前記水サイクロンの下部には、前記汚水から分離された固形分を前記汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることを特徴とする請求項9記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0017】
請求項11に係る発明は、前記吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、噴射ノズルが、車両進行方向において吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向が、車両幅方向中心に向けて傾斜していることにより、主噴射ノズルにより噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水を、後方に配置された吸引口から吸引回収できるとともに、副噴射ノズルにより車両幅方向中心に向けて移動させて吸引口から吸引回収することができる。そのため、土砂等を含む汚水を周囲に飛散させることなく確実に吸引回収することが可能となり、回収できなかった土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうことがない。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、主噴射ノズルが千鳥状に配列されていることにより、舗装面の全面に亘って洗浄水を満遍なく吹き付けることができ、更に、主噴射ノズルが舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することにより、洗浄水を舗装面内の下方まで浸透させることができる。その結果、これら主噴射ノズルの配置と噴射方向に基づく2つの洗浄作用が相俟って、舗装面内の異物を確実に除去することが可能となる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、副噴射ノズルが車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることにより、主噴射ノズルにより噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水を、副噴射ノズルにより隣り合う吸引口に向けて移動させて複数個の吸引口から効率良く吸引回収することができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、タンクが汚水を貯留する汚水室と洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、汚水室がフィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、汚水取出路が吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることにより、汚水取出路から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。そのため、循環用ポンプの詰まりが生じにくくなるとともに、サイクロンの負担も軽減され、清浄な水を洗浄水室へと送って再利用することが可能となる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることにより、汚水室内に沈殿した土砂等の固形分が水分と共に仕切板を介して移動することが確実に防がれるため、汚水取出路から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、通水不可能部が開閉可能とされていることにより、通水不可能部を開放することで、仕切り板を通過した土砂等の固形分を除去することが可能となる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、汚水取出路の開口部が通水不可能部よりも上方位置にあることにより、汚水室内に沈殿した土砂等の固形分が汚水取出路から取り出されることを確実に防ぐことが可能となる。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、汚水取出路の開口部が、汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることにより、汚水室内に存在する土砂等の固形分が汚水取出路から取り出されることをより確実に防ぐことが可能となる。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることにより、1段目のサイクロンで砂及び比重の重いシルトを回収することができ、2段目以降のサイクロンで比重の軽いシルトを回収することができるため、汚水中に含まれていた砂及びシルトの殆どを確実に捕捉回収することが可能となる。
【0027】
請求項10に係る発明によれば、水サイクロンの下部には、汚水から分離された固形分を汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることにより、流量調整弁を調整することで、砂及びシルトを含んだ汚水を最低限の水量で汚水室へと戻すことができる。
【0028】
請求項11に係る発明によれば、吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることにより、高い真空圧と安定した風量を確保することができる。また、湿式ブロワを使用した場合のように3次キャッチャ・4次キャッチャ及び冷却水が不要となるため、その分の設置スペースを削減してタンク容量を大きくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る特殊舗装用機能回復車の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の平面図、図2は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の正面図である。
本発明に係る特殊舗装用機能回復車は、車台上に、吸引ユニット(1)と、タンク(2)と、洗浄水リサイクル機構(3)を搭載しており、車台の後方下部に洗浄吸引アタッチメント(4)を備えている。
【0030】
図3は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の全体構成を示すフローシートであり、図4は図3のフローシートに示された吸引ユニット(1)部分の詳細図であり、図5は図3のフローシートに示されたタンク(2)部分の詳細図であり、図6は図3のフローシートに示された洗浄水リサイクル機構(3)部分の詳細図である。
【0031】
吸引ユニット(1)は、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口(後述する)に吸引力を発生させるための吸引装置として作用するブロワ(11)を備えている。
ブロワ(11)は空冷式(乾式)のルーツブロワからなり、ブロワ(11)の吸引口側には2次キャッチャ(12)の排出口が接続され、ブロワ(11)の吐出口側には吐出サイレンサー(13)が接続されている。
2次キャッチャ(12)は、ブロワ(11)の作用によりタンク(2)の汚水室(後述する)の上部から吸引された該汚水室内の空気を内部に取り入れて、該空気中に含まれる水分を分離回収する気液分離装置からなり、2次キャッチャ(12)により水分が分離された後の空気がブロワ(11)の吸引口へと導入される。
ブロワ(11)と2次キャッチャ(12)とを繋ぐ経路には、真空計(14)、バキュームブレーカー(15)、負荷開放弁(16)が接続されている。
【0032】
上記したように、本発明において用いられる吸引ユニット(1)では、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置として空冷式ブロワが使用される。
これにより、高い真空圧と安定した風量を確保することができる上に、湿式ブロワを使用した場合のように3次キャッチャ・4次キャッチャ及び冷却水が不要となるため、その分の設置スペースを削減してタンク容量を大きくすることが可能となる。
【0033】
タンク(2)は、洗浄吸引アタッチメント(4)から舗装面に向けて噴射される洗浄水と、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口から吸引回収された汚水とを貯留するために設置されている。
タンク(2)は、前記汚水を貯留する汚水室(21)と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室(22)とを備えており、2つの室は水の流通ができないように完全に仕切られている。
【0034】
汚水室(21)は車両の後方側に配置され、その前方上部には吸引口(23)が設けられ、その後方下部には排出口(24)が設けられている。
吸引口(23)には、前述した吸引ユニット(1)の2次キャッチャ(12)へと繋がる経路が接続されており、ブロワ(11)の駆動によって該吸引口から汚水室(21)内の空気を吸引して、該汚水室内を負圧にすることができる。
排出口(24)はバルブにより開閉可能とされており、バルブを開放することにより、汚水室(21)内に堆積した砂やシルトを外部へと排出することができる。
【0035】
汚水室(21)は、フィルタ機能を有する仕切板(25)により2つの区画に仕切られている。
図7は、汚水室(21)の後方側から見た仕切板(25)を示す図である。
仕切板(25)は、上方約3分の2の部分がパンチングプレートからなる通水可能部(251)となっており、下方約3分の1の部分が孔の無い鋼板からなる通水不可能部(252)となっている。
通水不可能部(252)は、通水可能部(251)に対して固定された上方の固定部(252a)と、該固定部(252a)に対して蝶番を介して開閉可能に接続された下方の開閉部(252b)とから構成されている。
開閉部(252b)は、タンク(2)をダンプアップして前方を持ち上げた時に、図3及び図5中に仮想線(二点鎖線)で示したように後方に向けて開放される。
【0036】
仕切板(25)により仕切られた汚水室(21)内の2つの区画のうち、後方の区画(以下、後区画という)(211)には、前述した吸引口(23)及び排出口(24)が設けられている。また、後区画(211)には、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口から吸引回収された汚水が投入され、汚水中に含まれる固形分は、砂層(S1)とシルト層(S2)とに分かれて沈殿する。
前方の区画(以下、前区画という)(212)には、汚水室(21)から汚水を取り出すための汚水取出路(31)の開口部(311)が配置されている。
【0037】
図8は、汚水室(21)の前区画(212)に配置された汚水取出路(31)の開口部(311)を示す説明図である。
汚水取出路(31)は、前区画(212)の底部から上方に向けて延びるパイプ(312)を備えており、パイプ(312)はタンク(2)に対して固定されている。
パイプ(312)の外周部分には円筒状部材(313)が外挿されており、パイプの外周面の上端部と円筒状部材(312)との間にはリング状のパッキン(314)が介装されている。
円筒状部材(313)の下端部には小径部分(313a)が形成されており、この小径部分(313a)の内径はパッキン(314)の外径よりも小さくなっている。これにより、円筒状部材(313)がパイプ(312)の上方に抜けることが防止されている。
円筒状部材(313)の上部外周面にはドーナツ状のフロート(315)が固定されており、円筒状部材(313)の上端面にはナット部材(316)が固定されている。
ナット部材(316)には、開口部(311)を覆うフィルタとして機能するストレーナ(317)が取り付けられている。具体的には、ストレーナ(317)の下部に形成された円筒状の雄ねじ部(317a)がナット部材(316)に螺合されている。
ナット部材(316)の内径は、パッキン(314)の外径よりも小さくなっており、ナット部材(316)がパイプ(312)よりも下方に落ちることが防止されている。
【0038】
上記構成により、汚水取出路(31)の開口部(311)は、汚水室(21)内の水位に合わせて上下方向に移動することができる。
図8(a)は開口部(311)が下端位置にある状態を示し、図8(b)は開口部(311)が上端位置にある状態を示している。
汚水室(21)内の水位が低くなると、フロート(315)が下降するため、フロート(315)と一体化されている円筒状部材(313)とナット部材(316)も一緒に下降し、ナット部材(316)に螺着されているストレーナ(317)も下降する。そして、ナット部材(316)がパッキン(314)の上面に当たることにより、下降が停止する(図8(a)参照)。
この状態において、ストレーナ(317)、即ち開口部(311)の位置は、仕切板(25)の通水不可能部(252)よりも上方にある。つまり、開口部(311)は下端位置にあっても通水不可能部(252)よりも上方に位置するようになっている。
【0039】
一方、汚水室(21)内の水位が高くなると、フロート(315)が上昇するため、フロート(315)と一体化されている円筒状部材(313)とナット部材(316)も一緒に上昇し、ナット部材(316)に螺着されているストレーナ(317)も上昇する。そして、円筒状部材(313)の小径部分(313a)がパッキン(314)の下面に当たることにより、上昇が停止する(図8(b)参照)。
【0040】
上記したように、汚水取出路(31)の開口部(311)が、汚水が投入されない前区画(212)内に開口され、開口部(311)にストレーナ(317)が取り付けられていることにより、汚水取出路(31)から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。
また、汚水取出路(31)の開口部(311)が、汚水室(21)内の水位に合わせて上下に移動可能とされており、加えて常に通水不可能部(252)よりも上方に位置するようになっていることにより、汚水室内に沈殿している土砂等の固形分が汚水取出路(31)から取り出されることをより確実に防ぐことが可能となる。
従って、汚水取出路(31)に設けられた循環用ポンプ(32)(図6参照)の詰まりが生じにくくなるとともに、水サイクロン(後述する)の負担も軽減され、異物の少ない清浄な水を洗浄水室(22)へと送って再利用することが可能となる。
【0041】
タンク(2)における洗浄水室(22)は、車両の前方側に配置されている。
洗浄水室(22)の上部には、汚水取出路(31)から取り出されて洗浄水リサイクル機構(3)により清浄化された水を取り入れるための取入口(221)が設けられており、取入口(221)にはストレーナ(222)が配設されている。
また、洗浄水室(22)には、該洗浄水室内の洗浄水を取り出すための取出経路(26)が接続されている。
【0042】
取出経路(26)は、洗浄水室(22)内の洗浄水を洗浄吸引アタッチメント(4)が備える噴射ノズル(後述する)へと供給するための経路であって、その中途部にはバルブ(261a)(261b)、ストレーナ(262)、高圧水ポンプ(263)、調圧弁(264)が取り付けられている。
通常時(舗装面洗浄作業中)においては、2つのバルブのうち、上方にあるバルブ(261a)は開放状態とされ、下方にあるバルブ(261b)は閉鎖状態とされる。これは、洗浄水室(22)内の洗浄水に含まれるシルトは底部に堆積するため、上方のバルブ(261a)から洗浄水を取り出すことにより、シルト含有量の少ない洗浄水を取り出すことができるためである。下方のバルブ(261b)は、舗装面洗浄作業終了後に洗浄水室(22)内に溜まったシルトを取り出す際に開放される。
【0043】
洗浄水リサイクル機構(3)は、図6に示すように、汚水室(21)から汚水を取り出すための汚水取出路(31)と、汚水取出路(31)の中途部に設けられた循環用ポンプ(32)と、汚水取出路(31)から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置(33)と、異物除去装置(33)により異物が除去された後の汚水を洗浄水として洗浄水室(22)へと送るための循環路(34)とを備えている。
【0044】
異物除去装置(33)は、直列に接続された2台の水サイクロン(331)(332)と、下流側のサイクロン(332)の出口に接続された濾過装置(333)とを備えている。
このように、2台の水サイクロン(331)(332)を直列に接続したことにより、1段目の水サイクロン(331)により砂及び比重の大きいシルトを回収することができ、2段目の水サイクロン(332)により比重の小さいシルトを回収することができる。
後述するように、夫々の水サイクロンにおいて90%以上の異物回収率が得られるため、結果として、理論的には98%以上の回収率を達成することが可能となり、洗浄水として再利用できる水量を増やすことができる。
【0045】
水サイクロン(331)(332)の下部の集塵室には、該集塵室内に分離回収された固形分(砂及びシルト)を含んだ汚水を汚水室(21)へと送るための経路(35)が接続されており、該経路(35)には流量調整弁(36)が備えられている。
経路(35)及び流量調整弁(36)が備えられていない場合、水サイクロン(331)(332)の集塵室に回収された固形分を含んだ汚水を定期的に排出する作業が必要となり、排出作業のために舗装面の洗浄作業を中止しなければならず、作業効率が大きく低下する。
また、流量調整弁(36)を設けずに経路(35)のみを設けた場合、1段目の水サイクロン(331)において集塵室に落下する汚水の割合が増加し、2段目の水サイクロン(332)の入口における流速が大きく低下して集塵効率が著しく低下する。
本発明では、経路(35)及び流量調整弁(36)が備えられていることにより、集塵室に回収された固形分を含んだ汚水を連続的に取り出して汚水室(21)へと送ることができる。そのため、汚水排出のために舗装面の洗浄作業を中止する必要が無くなり、作業効率が大きく向上する。また、流量調整弁(36)の開度を調整することにより、砂及びシルトを含んだ汚水を、集塵効率を低下させない最低限の水量で汚水室(21)へと戻すことができる。
【0046】
流量調整弁(36)を通過した砂及びシルトを含んだ汚水は、通常時に常時開放されたバルブ(341)を通って、循環用ポンプ(32)による圧送作用と、吸引ユニット(1)により汚水室(21)内が負圧となることによる吸引作用の両方によって、汚水室(21)へと還流される。
濾過装置(333)の下部に溜まった軽いシルトは、通常時は閉鎖されているバルブ(342)を定期的に開放することにより、循環用ポンプ(32)による圧送作用と、吸引ユニット(1)により汚水室(21)内が負圧となることによる吸引作用の両方によって、汚水室(21)へと還流される。
濾過装置(333)のフィルターを通過した洗浄水は、通常時に常時開放されたバルブ(343)を通って、洗浄水室(22)へと送られる。
【0047】
また、本発明では、2段目の水サイクロン(332)の入口配管の径を、1段目の水サイクロン(331)の入口配管の径よりも若干小さく設定している。具体的には、前者の径をφ30mmとし、後者の径をφ25mmとしている。尚、2つのサイクロンは入口配管の径以外の構成は同じである。
このように、入口配管の径を変化させることにより、1段目の水サイクロン(331)の入口配管における流速と、2段目の水サイクロン(332)の入口配管における流速とを略同一(5〜6m/s)とすることができる。
【0048】
図9は、水サイクロン(331)(332)の入口部分の構造を示す横断面図である。
水サイクロンの入口配管(37)の外側部分の管壁内面と、サイクロン本体の円筒状部分(38)の内面との接続部分(39)は、段差が無いようになっている。
また、円筒状部分(38)の内面は、表面仕上げ加工により1.6〜6.3Sの仕上げ面精度となっている。
【0049】
本発明では、水サイクロン(331)(332)が上記のように構成されていることにより、各サイクロンで90%以上の高い集塵効率(異物回収率)を達成することが可能となる。
【0050】
図10は洗浄吸引アタッチメント(4)を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。尚、図10において、左方向が車両の前方である。
洗浄吸引アタッチメント(4)は、車両の前後方向に間隔をあけて配置され且つ車両の幅方向に延びる前後一対のフレーム(41)と、前フレーム及び後フレームに夫々取り付けられた走行用の車輪(42)を備えている。
前後のフレーム(41)は上方において連結一体化されており、前後のフレームの間には、噴射ノズル及び吸引口を備えた噴射吸引ユニット(43)が取り付けられている。
【0051】
噴射吸引ユニット(43)の左右の側面には、夫々複数のウレタンモールドベアリングからなる車輪(44)が取り付けられている。
車輪(44)は前後一対のフレーム(41)に沿って転動し、これにより噴射吸引ユニット(43)がフレーム(41)に沿って車両幅方向に移動する。
フレーム(41)には、長さ方向の中央部と左右両端部にリミットスイッチ(45)が取り付けられている。これらのリミットスイッチ(45)は、噴射吸引ユニット(43)の位置を検出して停止させるために設けられており、左側のリミットスイッチは左端位置に達したことを検知し、右側のリミットスイッチは右端位置に達したことを検知し、中央のリミットスイッチは中央位置にあることを検知する。
図10において、噴射吸引ユニット(43)が左端位置にある場合と右端位置にある場合を仮想線(二点鎖線)で示している。
噴射吸引ユニット(43)が中央位置にあることを検知するのは、洗浄吸引アタッチメント(4)を上昇させる際に噴射吸引ユニット(43)が中央位置にある必要があるためである。即ち、噴射吸引ユニット(43)は上下移動可能となっており、車両が通常走行する際には噴射吸引ユニット(43)は上昇位置にあり(図2参照)、洗浄作業中には噴射吸引ユニット(43)は下降位置にある。
また、一方のフレーム(41)には、回転軸にスプロケットが取り付けられた油圧モータ(46)が固定されている。
【0052】
図11は図10における噴射吸引ユニット(43)をより詳細に示した平面図であり、図12は図11のA−A線断面図、図13は図11のB−B線断面図である。尚、図11において、フレーム(41)の図示は省略されている。
噴射吸引ユニット(43)の一方の側面に沿ってピンラック(チェーンを直線状に延ばしたもの)(47)が取り付けられている。
ピンラック(47)は、油圧モータ(46)の回転軸に取り付けたスプロケットに噛み合っており、油圧モータ(46)の駆動によりスプロケットが回転すると、それに伴ってピンラック(47)が移動し、噴射吸引ユニット(43)が車両幅方向(図11の上下方向)に移動する。
【0053】
噴射吸引ユニット(43)は、洗浄水室(22)から取出経路(26)を経て供給される洗浄水を舗装面(排水性舗装面等)に向けて噴射するための複数の噴射ノズル(50)と、噴射ノズル(50)から噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、舗装面上から吸引回収するための吸引口(51)とを備えている。
【0054】
噴射ノズル(50)は、車両進行方向において吸引口(51)の前方位置に配設された主噴射ノズル(501)と、車両幅方向において吸引口(51)を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズル(502)とからなる。
主噴射ノズル(501)は平面視において千鳥状に配列されており、舗装表面に対してムラ無く洗浄水を吹き付けることができる。
また、主噴射ノズル(501)は、舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射するように設けられており、これによって、洗浄水を舗装面内の下方まで浸透させることができ、舗装面内の異物を確実に除去することが可能となる。
そして、主噴射ノズル(501)が千鳥状に配列されることによる洗浄作用と、舗装面に対して垂直に洗浄水が噴射されることによる洗浄作用とが相乗的に作用することにより、舗装面内に蓄積した異物の殆どを確実に除去することが可能となる。
【0055】
吸引口(51)は車両の幅方向に沿って2つ並んで配置されており、この2つ並んだ吸引口(51)の対が車両の進行方向に沿って2対並んで配置されている。つまり、合計4つの吸引口(51)が2×2のマトリックス状に配置されている。但し、本発明においては、吸引口(51)を車両の進行方向に沿って3対配置してもよい。この場合、吸引口(51)の数は2×3=6つとなる。
各吸引口(51)の車両進行方向前方には、複数の主噴射ノズル(501)が車両幅方向に沿って直線状に配設されている。
【0056】
副噴射ノズル(502)は、車両幅方向に並んだ2つの吸引口(51)を夫々挟んだ両側位置に配置されている。つまり、副噴射ノズル(502)は、4つの吸引口(51)の両側を夫々挟む位置に配置されているので、合計4×2=8個が配置されている。吸引口(51)が6つの場合には、合計6×2=12個となる。
各副噴射ノズル(502)による洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口(51)に向けて傾斜している。具体的には、車両の幅方向中心付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向は車両の幅方向外側に向けて傾斜しており、車両の幅方向両端部付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向は車両幅方向中心に向けて傾斜している。
【0057】
副噴射ノズル(502)が上記の如く配置されていることにより、主噴射ノズル(501)により噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水が、副噴射ノズル(502)により隣り合う吸引口(51)に向けて移動させられるため、各吸引口(51)から汚水を確実に吸引回収することができる。
特に、車両の幅方向両端部付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向が車両幅方向中心に向けて傾斜していることにより、噴射吸引ユニット(43)の外側(車両幅方向外側)へと流れ出ようとする汚水が、副噴射ノズル(502)により車両幅方向中心へと集められる。そのため、汚水を確実に吸引口(51)から吸引回収することができ、回収できなかった汚水中に含まれる土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうことがない。
従って、本発明に係る特殊舗装用機能回復車を排水性舗装道路の洗浄に適用した場合、排水機能の回復効果が非常に大きくなり、次回の洗浄までの期間を大幅に延ばすことが可能となる。
【0058】
以下、本発明に係る特殊舗装用機能回復車について行った試験例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の試験例により何ら限定されるものではない。
(試験例)
図1〜図13に示した構造を有する特殊舗装用機能回復車により、汚水(砂+シルト+水)を吸引回収し、回収した汚水を再度洗浄水として利用するための経路の複数の部分において汚水を取り出して夫々SS濃度(mg/L)を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1に示したように、本発明によれば、約92%(砂分含む)の極めて高いSS除去率を達成することができた。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、排水性舗装道路において空隙に詰まった土砂等の異物を除去して排水性機能を回復させるための車両として好適に利用される。また、工場敷地内の道路において舗装表面に付着したダストを除去するための車両として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の平面図である。
【図2】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の正面図である。
【図3】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の全体構成を示すフローシートである。
【図4】図3のフローシートに示した吸引ユニット部分の詳細図である。
【図5】図3のフローシートに示したタンク部分の詳細図である。
【図6】図3のフローシートに示した洗浄水リサイクル機構部分の詳細図である。
【図7】汚水室の後方側から見た仕切板を示す図である。
【図8】汚水室の前区画に配置された汚水取出路の開口部を示す説明図である。
【図9】水サイクロンの入口部分の構造を示す横断面図である。
【図10】洗浄吸引アタッチメントを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である
【図11】図10における噴射吸引ユニットをより詳細に示した平面図である。
【図12】図11のA−A線断面図である。
【図13】図11のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 吸引ユニット
11 ブロワ
2 タンク
21 汚水室
212 汚水が投入されない側の区画(前区画)
22 洗浄水室
25 仕切板
251 通水可能部
252 通水不可能部
3 洗浄水リサイクル機構
31 汚水取出路
311 汚水取出路の開口部
317 ストレーナ(フィルタ)
33 異物除去装置
331 水サイクロン
332 水サイクロン
34 循環路
35 浄化された汚水を洗浄水として洗浄水室へと送るための経路
36 流量調整弁
4 洗浄吸引アタッチメント
50 噴射ノズル
501 主噴射ノズル
502 副噴射ノズル
51 吸引口
【技術分野】
【0001】
本発明は特殊舗装用機能回復車に関し、例えば、排水性舗装の空隙内に詰まった土砂等を除去して排水機能を回復させるための車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両走行時におけるハイドロプレーニング現象の防止や騒音の低減を目的として、雨水を内部に浸透させることができる機能を有する排水性舗装の施工が増加している。
このような排水性舗装は、骨材同士の間に大きな空隙を有しており、この空隙を利用して雨水を内部に浸透させることができる。
しかしながら、排水性舗装は、施工してから年月が経つと、空隙内部に土砂や粉塵等が蓄積することにより、雨水を内部に浸透させる機能(排水機能)が著しく低下するという問題がある。
【0003】
このような問題点に鑑みて、空隙内部に蓄積した土砂や粉塵等を除去して排水性舗装が有する排水機能を回復させるための装置が数多く提案されている。
例えば、下記特許文献1には、舗装表面に対して高圧水を噴射して舗装の空隙に詰まった異物を遊離させる噴射ノズルと、遊離した異物と水との混合汚泥水を吸引回収して気水分離処理を施す吸引回収装置を備えた装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、以下のような問題点を有していた。
先ず、土砂等を含む混合汚泥水が周囲に広く飛散してしまうため、吸引回収装置により確実に吸引回収することが困難となり、回収できなかった土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうおそれがあった。
また、回収された汚泥水を濾過して再利用するための機構を備えているが、回収された汚泥水はそのままサイクロンへと導入されるため、サイクロンの負担が大きくなり、汚泥水中に含まれる土砂等を充分に除去することができないという問題があった。
また、サイクロンにより土砂等が充分に除去されないことにより、サイクロンから送られる水を貯留する清水タンクに土砂等が入り、再利用される洗浄水に土砂等が混入するおそれがあった。
【0005】
【特許文献1】特許第3889273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、排水性舗装等の特殊舗装の洗浄作業において、土砂等を含む汚泥水を確実に吸引回収することができるとともに、回収された汚泥水から土砂等の固形分を効率良く分離して清浄な洗浄水として再利用することが可能な特殊舗装用機能回復車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、該噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、前記舗装面上から吸引回収するための吸引口と、該吸引口から吸引回収された汚水と前記洗浄水を貯留するタンクと、前記汚水を前記洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、前記噴射ノズルは、車両進行方向において前記吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において前記吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向中心に向けて傾斜していることを特徴とする特殊舗装用機能回復車に関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記主噴射ノズルが千鳥状に配列されており、且つ舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、前記副噴射ノズルが、車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記タンクは、前記汚水を貯留する汚水室と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、前記洗浄水リサイクル機構は、前記汚水室から汚水を取り出すための汚水取出路と、該汚水取出路から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置と、該異物除去装置により異物が除去された後の汚水を洗浄水として前記洗浄水室へと送るための循環路とを備えており、前記汚水室は、フィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、前記汚水取出路は、前記2つの区画のうち、前記吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることを特徴とする請求項4記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記通水不可能部が開閉可能とされていることを特徴とする請求項5記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記汚水取出路の開口部は、前記通水不可能部よりも上方位置にあることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記汚水取出路の開口部は、前記汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0015】
請求項9に係る発明は、前記異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0016】
請求項10に係る発明は、前記水サイクロンの下部には、前記汚水から分離された固形分を前記汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることを特徴とする請求項9記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【0017】
請求項11に係る発明は、前記吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車に関する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、噴射ノズルが、車両進行方向において吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向が、車両幅方向中心に向けて傾斜していることにより、主噴射ノズルにより噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水を、後方に配置された吸引口から吸引回収できるとともに、副噴射ノズルにより車両幅方向中心に向けて移動させて吸引口から吸引回収することができる。そのため、土砂等を含む汚水を周囲に飛散させることなく確実に吸引回収することが可能となり、回収できなかった土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうことがない。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、主噴射ノズルが千鳥状に配列されていることにより、舗装面の全面に亘って洗浄水を満遍なく吹き付けることができ、更に、主噴射ノズルが舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することにより、洗浄水を舗装面内の下方まで浸透させることができる。その結果、これら主噴射ノズルの配置と噴射方向に基づく2つの洗浄作用が相俟って、舗装面内の異物を確実に除去することが可能となる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、副噴射ノズルが車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることにより、主噴射ノズルにより噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水を、副噴射ノズルにより隣り合う吸引口に向けて移動させて複数個の吸引口から効率良く吸引回収することができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、タンクが汚水を貯留する汚水室と洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、汚水室がフィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、汚水取出路が吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることにより、汚水取出路から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。そのため、循環用ポンプの詰まりが生じにくくなるとともに、サイクロンの負担も軽減され、清浄な水を洗浄水室へと送って再利用することが可能となる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることにより、汚水室内に沈殿した土砂等の固形分が水分と共に仕切板を介して移動することが確実に防がれるため、汚水取出路から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、通水不可能部が開閉可能とされていることにより、通水不可能部を開放することで、仕切り板を通過した土砂等の固形分を除去することが可能となる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、汚水取出路の開口部が通水不可能部よりも上方位置にあることにより、汚水室内に沈殿した土砂等の固形分が汚水取出路から取り出されることを確実に防ぐことが可能となる。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、汚水取出路の開口部が、汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることにより、汚水室内に存在する土砂等の固形分が汚水取出路から取り出されることをより確実に防ぐことが可能となる。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることにより、1段目のサイクロンで砂及び比重の重いシルトを回収することができ、2段目以降のサイクロンで比重の軽いシルトを回収することができるため、汚水中に含まれていた砂及びシルトの殆どを確実に捕捉回収することが可能となる。
【0027】
請求項10に係る発明によれば、水サイクロンの下部には、汚水から分離された固形分を汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることにより、流量調整弁を調整することで、砂及びシルトを含んだ汚水を最低限の水量で汚水室へと戻すことができる。
【0028】
請求項11に係る発明によれば、吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることにより、高い真空圧と安定した風量を確保することができる。また、湿式ブロワを使用した場合のように3次キャッチャ・4次キャッチャ及び冷却水が不要となるため、その分の設置スペースを削減してタンク容量を大きくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る特殊舗装用機能回復車の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の平面図、図2は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の正面図である。
本発明に係る特殊舗装用機能回復車は、車台上に、吸引ユニット(1)と、タンク(2)と、洗浄水リサイクル機構(3)を搭載しており、車台の後方下部に洗浄吸引アタッチメント(4)を備えている。
【0030】
図3は本発明に係る特殊舗装用機能回復車の全体構成を示すフローシートであり、図4は図3のフローシートに示された吸引ユニット(1)部分の詳細図であり、図5は図3のフローシートに示されたタンク(2)部分の詳細図であり、図6は図3のフローシートに示された洗浄水リサイクル機構(3)部分の詳細図である。
【0031】
吸引ユニット(1)は、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口(後述する)に吸引力を発生させるための吸引装置として作用するブロワ(11)を備えている。
ブロワ(11)は空冷式(乾式)のルーツブロワからなり、ブロワ(11)の吸引口側には2次キャッチャ(12)の排出口が接続され、ブロワ(11)の吐出口側には吐出サイレンサー(13)が接続されている。
2次キャッチャ(12)は、ブロワ(11)の作用によりタンク(2)の汚水室(後述する)の上部から吸引された該汚水室内の空気を内部に取り入れて、該空気中に含まれる水分を分離回収する気液分離装置からなり、2次キャッチャ(12)により水分が分離された後の空気がブロワ(11)の吸引口へと導入される。
ブロワ(11)と2次キャッチャ(12)とを繋ぐ経路には、真空計(14)、バキュームブレーカー(15)、負荷開放弁(16)が接続されている。
【0032】
上記したように、本発明において用いられる吸引ユニット(1)では、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置として空冷式ブロワが使用される。
これにより、高い真空圧と安定した風量を確保することができる上に、湿式ブロワを使用した場合のように3次キャッチャ・4次キャッチャ及び冷却水が不要となるため、その分の設置スペースを削減してタンク容量を大きくすることが可能となる。
【0033】
タンク(2)は、洗浄吸引アタッチメント(4)から舗装面に向けて噴射される洗浄水と、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口から吸引回収された汚水とを貯留するために設置されている。
タンク(2)は、前記汚水を貯留する汚水室(21)と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室(22)とを備えており、2つの室は水の流通ができないように完全に仕切られている。
【0034】
汚水室(21)は車両の後方側に配置され、その前方上部には吸引口(23)が設けられ、その後方下部には排出口(24)が設けられている。
吸引口(23)には、前述した吸引ユニット(1)の2次キャッチャ(12)へと繋がる経路が接続されており、ブロワ(11)の駆動によって該吸引口から汚水室(21)内の空気を吸引して、該汚水室内を負圧にすることができる。
排出口(24)はバルブにより開閉可能とされており、バルブを開放することにより、汚水室(21)内に堆積した砂やシルトを外部へと排出することができる。
【0035】
汚水室(21)は、フィルタ機能を有する仕切板(25)により2つの区画に仕切られている。
図7は、汚水室(21)の後方側から見た仕切板(25)を示す図である。
仕切板(25)は、上方約3分の2の部分がパンチングプレートからなる通水可能部(251)となっており、下方約3分の1の部分が孔の無い鋼板からなる通水不可能部(252)となっている。
通水不可能部(252)は、通水可能部(251)に対して固定された上方の固定部(252a)と、該固定部(252a)に対して蝶番を介して開閉可能に接続された下方の開閉部(252b)とから構成されている。
開閉部(252b)は、タンク(2)をダンプアップして前方を持ち上げた時に、図3及び図5中に仮想線(二点鎖線)で示したように後方に向けて開放される。
【0036】
仕切板(25)により仕切られた汚水室(21)内の2つの区画のうち、後方の区画(以下、後区画という)(211)には、前述した吸引口(23)及び排出口(24)が設けられている。また、後区画(211)には、洗浄吸引アタッチメント(4)が備える吸引口から吸引回収された汚水が投入され、汚水中に含まれる固形分は、砂層(S1)とシルト層(S2)とに分かれて沈殿する。
前方の区画(以下、前区画という)(212)には、汚水室(21)から汚水を取り出すための汚水取出路(31)の開口部(311)が配置されている。
【0037】
図8は、汚水室(21)の前区画(212)に配置された汚水取出路(31)の開口部(311)を示す説明図である。
汚水取出路(31)は、前区画(212)の底部から上方に向けて延びるパイプ(312)を備えており、パイプ(312)はタンク(2)に対して固定されている。
パイプ(312)の外周部分には円筒状部材(313)が外挿されており、パイプの外周面の上端部と円筒状部材(312)との間にはリング状のパッキン(314)が介装されている。
円筒状部材(313)の下端部には小径部分(313a)が形成されており、この小径部分(313a)の内径はパッキン(314)の外径よりも小さくなっている。これにより、円筒状部材(313)がパイプ(312)の上方に抜けることが防止されている。
円筒状部材(313)の上部外周面にはドーナツ状のフロート(315)が固定されており、円筒状部材(313)の上端面にはナット部材(316)が固定されている。
ナット部材(316)には、開口部(311)を覆うフィルタとして機能するストレーナ(317)が取り付けられている。具体的には、ストレーナ(317)の下部に形成された円筒状の雄ねじ部(317a)がナット部材(316)に螺合されている。
ナット部材(316)の内径は、パッキン(314)の外径よりも小さくなっており、ナット部材(316)がパイプ(312)よりも下方に落ちることが防止されている。
【0038】
上記構成により、汚水取出路(31)の開口部(311)は、汚水室(21)内の水位に合わせて上下方向に移動することができる。
図8(a)は開口部(311)が下端位置にある状態を示し、図8(b)は開口部(311)が上端位置にある状態を示している。
汚水室(21)内の水位が低くなると、フロート(315)が下降するため、フロート(315)と一体化されている円筒状部材(313)とナット部材(316)も一緒に下降し、ナット部材(316)に螺着されているストレーナ(317)も下降する。そして、ナット部材(316)がパッキン(314)の上面に当たることにより、下降が停止する(図8(a)参照)。
この状態において、ストレーナ(317)、即ち開口部(311)の位置は、仕切板(25)の通水不可能部(252)よりも上方にある。つまり、開口部(311)は下端位置にあっても通水不可能部(252)よりも上方に位置するようになっている。
【0039】
一方、汚水室(21)内の水位が高くなると、フロート(315)が上昇するため、フロート(315)と一体化されている円筒状部材(313)とナット部材(316)も一緒に上昇し、ナット部材(316)に螺着されているストレーナ(317)も上昇する。そして、円筒状部材(313)の小径部分(313a)がパッキン(314)の下面に当たることにより、上昇が停止する(図8(b)参照)。
【0040】
上記したように、汚水取出路(31)の開口部(311)が、汚水が投入されない前区画(212)内に開口され、開口部(311)にストレーナ(317)が取り付けられていることにより、汚水取出路(31)から取り出される汚水が土砂等の異物を殆ど含まないものとなる。
また、汚水取出路(31)の開口部(311)が、汚水室(21)内の水位に合わせて上下に移動可能とされており、加えて常に通水不可能部(252)よりも上方に位置するようになっていることにより、汚水室内に沈殿している土砂等の固形分が汚水取出路(31)から取り出されることをより確実に防ぐことが可能となる。
従って、汚水取出路(31)に設けられた循環用ポンプ(32)(図6参照)の詰まりが生じにくくなるとともに、水サイクロン(後述する)の負担も軽減され、異物の少ない清浄な水を洗浄水室(22)へと送って再利用することが可能となる。
【0041】
タンク(2)における洗浄水室(22)は、車両の前方側に配置されている。
洗浄水室(22)の上部には、汚水取出路(31)から取り出されて洗浄水リサイクル機構(3)により清浄化された水を取り入れるための取入口(221)が設けられており、取入口(221)にはストレーナ(222)が配設されている。
また、洗浄水室(22)には、該洗浄水室内の洗浄水を取り出すための取出経路(26)が接続されている。
【0042】
取出経路(26)は、洗浄水室(22)内の洗浄水を洗浄吸引アタッチメント(4)が備える噴射ノズル(後述する)へと供給するための経路であって、その中途部にはバルブ(261a)(261b)、ストレーナ(262)、高圧水ポンプ(263)、調圧弁(264)が取り付けられている。
通常時(舗装面洗浄作業中)においては、2つのバルブのうち、上方にあるバルブ(261a)は開放状態とされ、下方にあるバルブ(261b)は閉鎖状態とされる。これは、洗浄水室(22)内の洗浄水に含まれるシルトは底部に堆積するため、上方のバルブ(261a)から洗浄水を取り出すことにより、シルト含有量の少ない洗浄水を取り出すことができるためである。下方のバルブ(261b)は、舗装面洗浄作業終了後に洗浄水室(22)内に溜まったシルトを取り出す際に開放される。
【0043】
洗浄水リサイクル機構(3)は、図6に示すように、汚水室(21)から汚水を取り出すための汚水取出路(31)と、汚水取出路(31)の中途部に設けられた循環用ポンプ(32)と、汚水取出路(31)から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置(33)と、異物除去装置(33)により異物が除去された後の汚水を洗浄水として洗浄水室(22)へと送るための循環路(34)とを備えている。
【0044】
異物除去装置(33)は、直列に接続された2台の水サイクロン(331)(332)と、下流側のサイクロン(332)の出口に接続された濾過装置(333)とを備えている。
このように、2台の水サイクロン(331)(332)を直列に接続したことにより、1段目の水サイクロン(331)により砂及び比重の大きいシルトを回収することができ、2段目の水サイクロン(332)により比重の小さいシルトを回収することができる。
後述するように、夫々の水サイクロンにおいて90%以上の異物回収率が得られるため、結果として、理論的には98%以上の回収率を達成することが可能となり、洗浄水として再利用できる水量を増やすことができる。
【0045】
水サイクロン(331)(332)の下部の集塵室には、該集塵室内に分離回収された固形分(砂及びシルト)を含んだ汚水を汚水室(21)へと送るための経路(35)が接続されており、該経路(35)には流量調整弁(36)が備えられている。
経路(35)及び流量調整弁(36)が備えられていない場合、水サイクロン(331)(332)の集塵室に回収された固形分を含んだ汚水を定期的に排出する作業が必要となり、排出作業のために舗装面の洗浄作業を中止しなければならず、作業効率が大きく低下する。
また、流量調整弁(36)を設けずに経路(35)のみを設けた場合、1段目の水サイクロン(331)において集塵室に落下する汚水の割合が増加し、2段目の水サイクロン(332)の入口における流速が大きく低下して集塵効率が著しく低下する。
本発明では、経路(35)及び流量調整弁(36)が備えられていることにより、集塵室に回収された固形分を含んだ汚水を連続的に取り出して汚水室(21)へと送ることができる。そのため、汚水排出のために舗装面の洗浄作業を中止する必要が無くなり、作業効率が大きく向上する。また、流量調整弁(36)の開度を調整することにより、砂及びシルトを含んだ汚水を、集塵効率を低下させない最低限の水量で汚水室(21)へと戻すことができる。
【0046】
流量調整弁(36)を通過した砂及びシルトを含んだ汚水は、通常時に常時開放されたバルブ(341)を通って、循環用ポンプ(32)による圧送作用と、吸引ユニット(1)により汚水室(21)内が負圧となることによる吸引作用の両方によって、汚水室(21)へと還流される。
濾過装置(333)の下部に溜まった軽いシルトは、通常時は閉鎖されているバルブ(342)を定期的に開放することにより、循環用ポンプ(32)による圧送作用と、吸引ユニット(1)により汚水室(21)内が負圧となることによる吸引作用の両方によって、汚水室(21)へと還流される。
濾過装置(333)のフィルターを通過した洗浄水は、通常時に常時開放されたバルブ(343)を通って、洗浄水室(22)へと送られる。
【0047】
また、本発明では、2段目の水サイクロン(332)の入口配管の径を、1段目の水サイクロン(331)の入口配管の径よりも若干小さく設定している。具体的には、前者の径をφ30mmとし、後者の径をφ25mmとしている。尚、2つのサイクロンは入口配管の径以外の構成は同じである。
このように、入口配管の径を変化させることにより、1段目の水サイクロン(331)の入口配管における流速と、2段目の水サイクロン(332)の入口配管における流速とを略同一(5〜6m/s)とすることができる。
【0048】
図9は、水サイクロン(331)(332)の入口部分の構造を示す横断面図である。
水サイクロンの入口配管(37)の外側部分の管壁内面と、サイクロン本体の円筒状部分(38)の内面との接続部分(39)は、段差が無いようになっている。
また、円筒状部分(38)の内面は、表面仕上げ加工により1.6〜6.3Sの仕上げ面精度となっている。
【0049】
本発明では、水サイクロン(331)(332)が上記のように構成されていることにより、各サイクロンで90%以上の高い集塵効率(異物回収率)を達成することが可能となる。
【0050】
図10は洗浄吸引アタッチメント(4)を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。尚、図10において、左方向が車両の前方である。
洗浄吸引アタッチメント(4)は、車両の前後方向に間隔をあけて配置され且つ車両の幅方向に延びる前後一対のフレーム(41)と、前フレーム及び後フレームに夫々取り付けられた走行用の車輪(42)を備えている。
前後のフレーム(41)は上方において連結一体化されており、前後のフレームの間には、噴射ノズル及び吸引口を備えた噴射吸引ユニット(43)が取り付けられている。
【0051】
噴射吸引ユニット(43)の左右の側面には、夫々複数のウレタンモールドベアリングからなる車輪(44)が取り付けられている。
車輪(44)は前後一対のフレーム(41)に沿って転動し、これにより噴射吸引ユニット(43)がフレーム(41)に沿って車両幅方向に移動する。
フレーム(41)には、長さ方向の中央部と左右両端部にリミットスイッチ(45)が取り付けられている。これらのリミットスイッチ(45)は、噴射吸引ユニット(43)の位置を検出して停止させるために設けられており、左側のリミットスイッチは左端位置に達したことを検知し、右側のリミットスイッチは右端位置に達したことを検知し、中央のリミットスイッチは中央位置にあることを検知する。
図10において、噴射吸引ユニット(43)が左端位置にある場合と右端位置にある場合を仮想線(二点鎖線)で示している。
噴射吸引ユニット(43)が中央位置にあることを検知するのは、洗浄吸引アタッチメント(4)を上昇させる際に噴射吸引ユニット(43)が中央位置にある必要があるためである。即ち、噴射吸引ユニット(43)は上下移動可能となっており、車両が通常走行する際には噴射吸引ユニット(43)は上昇位置にあり(図2参照)、洗浄作業中には噴射吸引ユニット(43)は下降位置にある。
また、一方のフレーム(41)には、回転軸にスプロケットが取り付けられた油圧モータ(46)が固定されている。
【0052】
図11は図10における噴射吸引ユニット(43)をより詳細に示した平面図であり、図12は図11のA−A線断面図、図13は図11のB−B線断面図である。尚、図11において、フレーム(41)の図示は省略されている。
噴射吸引ユニット(43)の一方の側面に沿ってピンラック(チェーンを直線状に延ばしたもの)(47)が取り付けられている。
ピンラック(47)は、油圧モータ(46)の回転軸に取り付けたスプロケットに噛み合っており、油圧モータ(46)の駆動によりスプロケットが回転すると、それに伴ってピンラック(47)が移動し、噴射吸引ユニット(43)が車両幅方向(図11の上下方向)に移動する。
【0053】
噴射吸引ユニット(43)は、洗浄水室(22)から取出経路(26)を経て供給される洗浄水を舗装面(排水性舗装面等)に向けて噴射するための複数の噴射ノズル(50)と、噴射ノズル(50)から噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、舗装面上から吸引回収するための吸引口(51)とを備えている。
【0054】
噴射ノズル(50)は、車両進行方向において吸引口(51)の前方位置に配設された主噴射ノズル(501)と、車両幅方向において吸引口(51)を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズル(502)とからなる。
主噴射ノズル(501)は平面視において千鳥状に配列されており、舗装表面に対してムラ無く洗浄水を吹き付けることができる。
また、主噴射ノズル(501)は、舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射するように設けられており、これによって、洗浄水を舗装面内の下方まで浸透させることができ、舗装面内の異物を確実に除去することが可能となる。
そして、主噴射ノズル(501)が千鳥状に配列されることによる洗浄作用と、舗装面に対して垂直に洗浄水が噴射されることによる洗浄作用とが相乗的に作用することにより、舗装面内に蓄積した異物の殆どを確実に除去することが可能となる。
【0055】
吸引口(51)は車両の幅方向に沿って2つ並んで配置されており、この2つ並んだ吸引口(51)の対が車両の進行方向に沿って2対並んで配置されている。つまり、合計4つの吸引口(51)が2×2のマトリックス状に配置されている。但し、本発明においては、吸引口(51)を車両の進行方向に沿って3対配置してもよい。この場合、吸引口(51)の数は2×3=6つとなる。
各吸引口(51)の車両進行方向前方には、複数の主噴射ノズル(501)が車両幅方向に沿って直線状に配設されている。
【0056】
副噴射ノズル(502)は、車両幅方向に並んだ2つの吸引口(51)を夫々挟んだ両側位置に配置されている。つまり、副噴射ノズル(502)は、4つの吸引口(51)の両側を夫々挟む位置に配置されているので、合計4×2=8個が配置されている。吸引口(51)が6つの場合には、合計6×2=12個となる。
各副噴射ノズル(502)による洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口(51)に向けて傾斜している。具体的には、車両の幅方向中心付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向は車両の幅方向外側に向けて傾斜しており、車両の幅方向両端部付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向は車両幅方向中心に向けて傾斜している。
【0057】
副噴射ノズル(502)が上記の如く配置されていることにより、主噴射ノズル(501)により噴射された洗浄水により路面上に浮き上がった土砂等を含む汚水が、副噴射ノズル(502)により隣り合う吸引口(51)に向けて移動させられるため、各吸引口(51)から汚水を確実に吸引回収することができる。
特に、車両の幅方向両端部付近に配置された4つの副噴射ノズル(502)の噴射方向が車両幅方向中心に向けて傾斜していることにより、噴射吸引ユニット(43)の外側(車両幅方向外側)へと流れ出ようとする汚水が、副噴射ノズル(502)により車両幅方向中心へと集められる。そのため、汚水を確実に吸引口(51)から吸引回収することができ、回収できなかった汚水中に含まれる土砂等が路面上に残存して再び空隙内に侵入してしまうことがない。
従って、本発明に係る特殊舗装用機能回復車を排水性舗装道路の洗浄に適用した場合、排水機能の回復効果が非常に大きくなり、次回の洗浄までの期間を大幅に延ばすことが可能となる。
【0058】
以下、本発明に係る特殊舗装用機能回復車について行った試験例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の試験例により何ら限定されるものではない。
(試験例)
図1〜図13に示した構造を有する特殊舗装用機能回復車により、汚水(砂+シルト+水)を吸引回収し、回収した汚水を再度洗浄水として利用するための経路の複数の部分において汚水を取り出して夫々SS濃度(mg/L)を測定した。
測定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1に示したように、本発明によれば、約92%(砂分含む)の極めて高いSS除去率を達成することができた。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、排水性舗装道路において空隙に詰まった土砂等の異物を除去して排水性機能を回復させるための車両として好適に利用される。また、工場敷地内の道路において舗装表面に付着したダストを除去するための車両として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の平面図である。
【図2】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の正面図である。
【図3】本発明に係る特殊舗装用機能回復車の全体構成を示すフローシートである。
【図4】図3のフローシートに示した吸引ユニット部分の詳細図である。
【図5】図3のフローシートに示したタンク部分の詳細図である。
【図6】図3のフローシートに示した洗浄水リサイクル機構部分の詳細図である。
【図7】汚水室の後方側から見た仕切板を示す図である。
【図8】汚水室の前区画に配置された汚水取出路の開口部を示す説明図である。
【図9】水サイクロンの入口部分の構造を示す横断面図である。
【図10】洗浄吸引アタッチメントを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である
【図11】図10における噴射吸引ユニットをより詳細に示した平面図である。
【図12】図11のA−A線断面図である。
【図13】図11のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 吸引ユニット
11 ブロワ
2 タンク
21 汚水室
212 汚水が投入されない側の区画(前区画)
22 洗浄水室
25 仕切板
251 通水可能部
252 通水不可能部
3 洗浄水リサイクル機構
31 汚水取出路
311 汚水取出路の開口部
317 ストレーナ(フィルタ)
33 異物除去装置
331 水サイクロン
332 水サイクロン
34 循環路
35 浄化された汚水を洗浄水として洗浄水室へと送るための経路
36 流量調整弁
4 洗浄吸引アタッチメント
50 噴射ノズル
501 主噴射ノズル
502 副噴射ノズル
51 吸引口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、
該噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、前記舗装面上から吸引回収するための吸引口と、
該吸引口から吸引回収された汚水と前記洗浄水を貯留するタンクと、
前記汚水を前記洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、
前記噴射ノズルは、車両進行方向において前記吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において前記吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、
該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向中心に向けて傾斜していることを特徴とする特殊舗装用機能回復車。
【請求項2】
前記主噴射ノズルが千鳥状に配列されており、且つ舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項3】
前記吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、
前記副噴射ノズルが、車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、
各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項4】
前記タンクは、前記汚水を貯留する汚水室と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、
前記洗浄水リサイクル機構は、前記汚水室から汚水を取り出すための汚水取出路と、該汚水取出路から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置と、該異物除去装置により異物が除去された後の汚水を洗浄水として前記洗浄水室へと送るための循環路とを備えており、
前記汚水室は、フィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、
前記汚水取出路は、前記2つの区画のうち、前記吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項5】
前記仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることを特徴とする請求項4記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項6】
前記通水不可能部が開閉可能とされていることを特徴とする請求項5記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項7】
前記汚水取出路の開口部は、前記通水不可能部よりも上方位置にあることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項8】
前記汚水取出路の開口部は、前記汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項9】
前記異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項10】
前記水サイクロンの下部には、前記汚水から分離された固形分を前記汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることを特徴とする請求項9記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項11】
前記吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項1】
舗装面に向けて洗浄水を噴射するための複数の噴射ノズルと、
該噴射ノズルから噴射された洗浄水と該洗浄水の噴射により舗装面内から浮き出た土砂等とからなる汚水を、前記舗装面上から吸引回収するための吸引口と、
該吸引口から吸引回収された汚水と前記洗浄水を貯留するタンクと、
前記汚水を前記洗浄水として再利用するための洗浄水リサイクル機構とを備えており、
前記噴射ノズルは、車両進行方向において前記吸引口の前方位置に配設された主噴射ノズルと、車両幅方向において前記吸引口を挟んだ両端位置に配設された副噴射ノズルとからなり、
該副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向中心に向けて傾斜していることを特徴とする特殊舗装用機能回復車。
【請求項2】
前記主噴射ノズルが千鳥状に配列されており、且つ舗装面に対して垂直に洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項3】
前記吸引口が車両幅方向に沿って複数個配置されており、
前記副噴射ノズルが、車両幅方向において夫々の吸引口を挟んだ両側位置に配置されており、
各副噴射ノズルによる洗浄水の噴射方向は、車両幅方向に隣り合う吸引口に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項4】
前記タンクは、前記汚水を貯留する汚水室と、前記洗浄水を貯留する洗浄水室とを備えており、
前記洗浄水リサイクル機構は、前記汚水室から汚水を取り出すための汚水取出路と、該汚水取出路から取り出された汚水中に含まれる土砂等の異物を除去するための異物除去装置と、該異物除去装置により異物が除去された後の汚水を洗浄水として前記洗浄水室へと送るための循環路とを備えており、
前記汚水室は、フィルタ機能を有する仕切板により2つの区画に仕切られており、
前記汚水取出路は、前記2つの区画のうち、前記吸引口から回収された汚水が投入されない側の区画内に開口されているとともに、該開口部にはフィルタが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項5】
前記仕切板は、上方部分が通水可能部とされ、下方部分が通水不可能部とされていることを特徴とする請求項4記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項6】
前記通水不可能部が開閉可能とされていることを特徴とする請求項5記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項7】
前記汚水取出路の開口部は、前記通水不可能部よりも上方位置にあることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項8】
前記汚水取出路の開口部は、前記汚水室内の水位に合わせて移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項9】
前記異物除去装置が、直列に接続された複数台の水サイクロンを備えていることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項10】
前記水サイクロンの下部には、前記汚水から分離された固形分を前記汚水室へと送るための経路が接続されており、該経路には流量調整弁が備えられていることを特徴とする請求項9記載の特殊舗装用機能回復車。
【請求項11】
前記吸引口に吸引力を発生させるための吸引装置が空冷式ブロワからなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の特殊舗装用機能回復車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−108553(P2009−108553A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280691(P2007−280691)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【特許番号】特許第4146504号(P4146504)
【特許公報発行日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000165343)兼松エンジニアリング株式会社 (23)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【特許番号】特許第4146504号(P4146504)
【特許公報発行日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000165343)兼松エンジニアリング株式会社 (23)
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