犬用システムトイレ
【課題】上部容器に粒状物を敷き詰めることなく使用でき、かつ、掃除を容易に行うことのできる犬用システムトイレを提供すること。
【解決手段】排泄物を収容可能な排泄物収容部21を有する排泄物収容容器2と、液透過性を有する底面部41、及び底面部41の周縁から起立する側壁部42を有する上部容器4と、を備え、底面部41の上面側に吸水性を有する液透過パネル3が載置されて使用される犬用システムトイレ1であって、側壁部42の底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、上部容器4は、底面部41及び側壁部42が継目を有することなく一体成形により形成されている。
【解決手段】排泄物を収容可能な排泄物収容部21を有する排泄物収容容器2と、液透過性を有する底面部41、及び底面部41の周縁から起立する側壁部42を有する上部容器4と、を備え、底面部41の上面側に吸水性を有する液透過パネル3が載置されて使用される犬用システムトイレ1であって、側壁部42の底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、上部容器4は、底面部41及び側壁部42が継目を有することなく一体成形により形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬用システムトイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内で飼育する動物の排泄物を処理するため、室内に設置できる動物用システムトイレが使用されている。例えば、特許文献1には、排泄物を収容する排泄物収容容器と、この排泄物収容容器の上部に配置され、液透過性の底面部及びこの底面部から起立する側壁部を有する上部容器と、を備える、主としてネコを対象とした動物用システムトイレが提案されている。
【0003】
特許文献1で提案された動物用システムトイレは、主としてネコを対象としているため、いわゆるネコ砂といった粒径数mm程度の粒状物が上部容器に敷き詰められた状態で使用される。そのため、特許文献1で提案された動物用システムトイレにおける上部容器は、敷き詰められた粒状物が外部に飛散しないように、側壁部の上端側が内側に傾斜して構成されている。
【0004】
このように、側壁部が内側に傾斜した部分を有している場合には、底面部及び側壁部を有する上部容器を射出成形により一体成形できない。そこで、粒状物を敷き詰めて使用することを目的とした従来の動物用システムトイレでは、主として底面部を構成する部分と、側壁部の内側に傾斜した上端側を構成する部分とを別々に成形した後、これらを連結して上部容器を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−148603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上の動物用システムトイレでは、上部容器における側壁部を構成する部分と底面部を構成する部分との連結部分にわずかな隙間が生じ、この隙間に動物の排泄物、特に尿がしみこんでしまう。その結果、上部容器が汚れやすくなると共に、この隙間を掃除するために大きな負担がかかっていた。
【0007】
ところで、犬は、排泄を行うときにネコ砂のような粒状物の存在を特に必要とせず、また、粒状物が存在した場合には、犬は、粒状物を誤って食べてしまうおそれがある。そのため、動物用システムトイレを犬に適用する場合、上部容器に粒状物を敷き詰めずに使用することが考えられる。
近年、室内で犬を飼う家庭が増えてきており、室内で犬を飼う家庭の増加に伴い、容易に掃除を行うことができる犬用システムトイレの開発が望まれている。
【0008】
従って、本発明は、上部容器に粒状物を敷き詰めることなく使用でき、かつ、掃除を容易に行うことのできる犬用システムトイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排泄物を収容可能な排泄物収容部を有する排泄物収容容器と、液透過性を有する底面部、及び該底面部の周縁から起立する側壁部を有する上部容器と、を備え、前記底面部の上面側に吸水性を有する液透過パネルが載置されて使用される犬用システムトイレであって、
前記側壁部の前記底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、前記上部容器は、前記底面部及び前記側壁部が継目を有することなく一体成形により形成されている犬用システムトイレに関する。
【0010】
また、前記底面部は、互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交する第1方向に延びる複数の第1桟と、互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交すると共に前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2桟と、前記第1桟及び前記第2桟に囲まれて形成され前記底面部の厚さ方向に貫通する複数の貫通穴と、を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記複数の貫通穴は、平面視において略同形同大の矩形形状に形成され、該貫通穴の平面視における幅方向の長さは、5mm〜20mmであることが好ましい。
【0012】
また、前記側壁部の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成され、前記複数の貫通穴は、前記底面部の周縁部近傍を含む略全域に設けられていることが好ましい。
【0013】
また、前記液透過パネルは、紙を主体として構成されると共に、厚さ方向に貫通する複数の孔部を有する使い捨てパネルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の犬用システムトイレによれば、上部容器に粒状物を敷き詰めることなく使用でき、かつ、掃除を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る犬用システムトイレを示す斜視図である。
【図2】図1に示す犬用システムトイレの分解斜視図である。
【図3】図1に示す犬用システムトイレの部分拡大断面図である。
【図4】図1に示す犬用システムトイレの平面図であり、液透過パネルを除いた状態を示す図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6A】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型とを閉じた状態を示す図である。
【図6B】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型との間に形成された空間に樹脂材料を充填した状態を示す図である。
【図6C】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型とを開いて上部容器を取り出した状態を示す図である。
【図7】液透過パネルの拡大平面図である。
【図8】図7のX−X線断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る犬用システムトイレを示す斜視図である。
【図10】第2実施形態の犬用システムトイレにおいて引出トレイを引き出した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の犬用システムトイレの好ましい各実施形態につき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る犬用システムトイレ1の斜視図であり、図2は、犬用システムトイレ1の分解斜視図である。図3は、犬用システムトイレ1の部分拡大断面図である。図4は、犬用システムトイレ1の平面図であり、液透過パネル3を除いた状態を示す図である。図5は、図4のA−A線断面図である。
尚、本明細書における「犬」とは、主として室内で飼育される犬を表し、より詳細には、体重が概ね7kg以下の小型犬を表す。
【0017】
本実施形態の犬用システムトイレ1は、図1及び図2に示すように、排泄物を収容する排泄物収容部21を有し上面が開口した排泄物収容容器2と、この排泄物収容容器2の開口した上面を覆うように排泄物収容容器2の上部に配置される上部容器4と、を備え、上部容器4に吸水性を有する液透過パネル3が載置されて使用される。
【0018】
排泄物収容容器2は、図2及び図3に示すように、略正方形状の収容容器底面部22と、この収容容器底面部22から起立する収容容器側壁部23と、を備え、排泄物を収容する。
収容容器底面部22は、平面視で略正方形状に構成される。
収容容器側壁部23は、収容容器底面部22の4辺それぞれから起立して設けられる。この収容容器側壁部23は、図3及び図5に示すように、内側側壁部231と、この内側側壁部231の外側に位置する外側側壁部232と、を備える。
【0019】
内側側壁部231は、収容容器底面部22の周縁部に設けられる。この内側側壁部231の内面は、外側に傾斜している。また、内側側壁部231の外面は、収容容器底面部22に対して略垂直となっている。
外側側壁部232は、内側側壁部231よりも高さが高く構成されている。この外側側壁部232の上端側は、外方及び上方に突出した形状を有している。
【0020】
排泄物収容部21は、収容容器底面部22及び4つの収容容器側壁部23(内側側壁部231)に囲まれた空間により形成される。この排泄物収容部21には、図3に示すように、吸液シート6が配置され、この吸液シート6により犬が排泄した尿等は吸収される。
【0021】
上部容器4は、図1〜図4に示すように、上面が開口して構成され、平面視で略正方形状の底面部41と、この底面部41の周縁である4辺それぞれから起立して配置される側壁部としての4つの上部側壁部42と、を備える。
底面部41は、図2及び図4に示すように、複数の第1桟411と、複数の第2桟412と、複数の貫通穴413と、を備え、液透過性を有する。
【0022】
複数の第1桟411は、図4に示すように、互いに所定間隔をあけて略平行に配置され底面部41の厚さ方向に直交する第1方向Xに延びる。
複数の第2桟412は、互いに所定間隔をあけて略平行に配置され底面部41の厚さ方向に直交する第2方向Yに延びる。
複数の貫通穴413は、隣り合う2つの第1桟411及び隣り合う2つの第2桟412によって囲まれた空間によりそれぞれが略同形同大に形成され、底面部41の厚さ方向に貫通する。
【0023】
本実施形態では、図4に示すように、隣り合う2つの第1桟411の間の長さは、隣り合う2つの第2桟412の間の長さよりも短く構成されている。これにより、複数の貫通穴413は、第1方向Xが長手方向となり第2方向Yが幅方向となる矩形形状を有している。また、複数の貫通穴413は、底面部41の周縁部近傍を含む略全域に形成されている。
【0024】
複数の貫通穴413の幅方向の長さD1は、好適な液体透過性を確保すると共に、上部容器4の掃除を容易に行えるようにする観点から、好ましくは5mm〜20mm、より好ましくは10mm〜15mmである。
複数の貫通穴413の長手方向の長さD2は、底面部41の強度を確保する観点から、好ましくは10mm〜100mm、より好ましくは40mm〜70mmである。
【0025】
第1桟411の幅W1、及び第2桟412の幅W2は、好適な液体透過性を確保すると共に、底面部41の強度を確保する観点から、好ましくは1mm〜10mm、より好ましくは2.0mm〜6.0mmである。
第1桟411及び第2桟412の厚さ(底面部41の厚さ)T1(図3参照)は、底面部41の強度を確保する観点、及び排泄物収容部21に収容された尿等の液体が液透過パネル3に戻ることを防ぐ観点から、好ましくは1mm〜15mmである。
【0026】
上部側壁部42は、図5に示すように、底面部41からの起立角度が90度以上となっている。より具体的には、上部側壁部42の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成されており、かつ、底面部41側から上端側に向かって緩やかに外側に傾斜している。そして、対向して配置される一対の上部側壁部42の内面間の距離W3は、底面部41側から上端部側に向かって、徐々に大きくなっている。
つまり、本明細書において、「上部側壁部42の底面部41からの起立角度が90度以上である」とは、対向して配置される一対の上部側壁部42の内面間の距離W3が底面部41側から上端側に向かうに従って小さくなる部分を有していないことを示す。
【0027】
上部側壁部42の外面は、底面部41側から上端側に向かってわずかに内側に傾斜している。また、上部側壁部42の外面側の下端部は、外方に向けて屈曲した後更に下方に向けて屈曲している。この上部側壁部42の外面側の下端部は、図5に示すように、排泄物収容容器2の外側側壁部232の上端側の外方及び上方に突出した部分の外側に係合される。
【0028】
図1〜図3に示すように、以上の4つの上部側壁部42のうちの3つの上部側壁部42の高さは、略均一に構成されている。そして、4つの上部側壁部42のうちの一つの上部側壁部42aには、他の3つの上部側壁部42の高さよりも高さが低く構成された出入り口部43が形成されている。犬用システムトイレ1を使用する犬は、この出入り口部43から上部容器4に出入りできる。
【0029】
以上の排泄容器2及び上部容器4は、いずれも、射出成形による一体成形により成形される。
ここで、上部容器4の製造工程の一例を、図6A〜図6Cを参照しながら説明する。図6A〜図6Cは、上部容器4を製造する各工程を示す図であり、図6Aは、キャビティ金型71とコア金型72とを閉じた状態を示す図である。図6Bは、キャビティ金型71とコア金型72との間に形成された空間に樹脂材料を充填した状態を示す図である。図6Cは、キャビティ金型71とコア金型72とを開いて上部容器4を取り出した状態を示す図である。
【0030】
図6A〜図6Cに示すように、上部容器4は、キャビティ金型71及びコア金型72の間に形成された上部容器4の形状に対応する形状を有する空間部分に、溶融した樹脂材料を充填することにより一体的に成形される。
より具体的には、コア金型72の上面には、上部側壁部42の下面側の形状及び底面部41の複数の貫通穴413の形状に対応した形状の凸形状が形成されている。また、キャビティ金型71の下面には、上部側壁部52の外面及び内面に対応する形状の凹形状が形成されている。
【0031】
そして、上部容器4を製造する場合、まず、図6Aに示すように、コア金型72の上面とキャビティ金型71の下面とが対向した状態でこれらコア金型72とキャビティ金型71とを閉じる。次いで、図6Bに示すように、キャビティ金型71とコア金型72との間に形成された空間に溶融した樹脂材料を充填し、その後、キャビティ金型71及びコア金型72を冷却して充填した樹脂材料を硬化させる。次いで、図6Cに示すように、キャビティ金型71とコア金型72とを開いて上部容器4を取り出す。
【0032】
本実施形態では、上述のように、上部側壁部42の底面部41からの起立角度を90度以上に構成したことにより、上部側壁部42及び底面部41を含む上部容器4全体を射出成形により一体成形できる。
尚、排泄物収容容器2も、上部容器4と同様の工程により製造できる。
【0033】
排泄物収容容器2及び上部容器4を構成する合成樹脂材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0034】
図7は、液透過パネル3の平面図であり、図8は、図5のB−B線断面図である。
液透過パネル3は、図1及び図2に示すように、排泄物収容部21の上部を覆うように配置され、吸水性を有する使い捨てのパネルにより構成される。この液透過パネル3は、上部容器4の底面部41の上面側に配置され、底面部41の上面の略全域を覆う。
本実施形態では、液透過パネル3は、図2に示すように、底面部41の大きさの略半分の大きさを有する長方形状に形成され、2枚の液透過パネル3により底面部41の上面を覆っている。また、液透過パネル3は、長手方向が上部容器4の出入り口部43が形成された上部側壁部42aの延びる方向(第2方向Y)に沿うように配置される。以上の液透過パネル3は、所定の液透過性、液吸収性及び消臭性を備える。
【0035】
液透過パネル3は、図7及び図8に示すように、厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有し、複数の孔部31を通じて排泄物を液透過パネル3の厚さ方向に透過する。複数の孔部31の開口部の形状及び面積は同一であっても異なっていてもよい。かかる複数の孔部31を有する液透過パネル3は、例えばスポンジ状の材料のように不規則な方向の孔部を有するパネルと比較して、使い捨て液透過パネル3の内部に残留する排泄物の量を低減しやすく、犬が液透過パネル3を踏みつけた場合に犬の足濡れを抑制しやすい。
【0036】
液透過パネル3が、液透過パネル3の厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有する場合、複数の孔部31の開口部の平均面積は、10〜100mm2/個であることが好ましく、15〜60mm2/個であることがより好ましい。孔部31の開口部の平均面積が小さすぎると、液透過パネル3に付着する排泄物の量が増えて足濡れを抑制しにくい。また、孔部31の開口部の平均面積が広すぎると、液透過パネル3に十分な強度を付与するために液透過パネル3を厚くする必要がある点で好ましくない。複数の孔部31の開口部の平均面積の測定方法は、特に制限されず公知の種々の方法を用いることができ、例えば、開口部の写真を画像解析する方法等により測定することができる。
【0037】
液透過パネル3が、その厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有する場合、パネルの好ましい構造としては、ハニカム構造又はコルゲートハニカム構造が挙げられる。これらのパネルの中では、製造が容易で安価に入手可能であることからコルゲートハニカム構造のパネルがより好ましい。
コルゲートハニカム構造の液透過パネル3としては、例えば、孔部31(セル)のサイズが5mmで、厚み5mmの積層ダンボールが例示できる。パネルの材質は、COBB30法(JIS−P8140)で10〜20g/m2の吸収性を示す耐水原紙を材料とするパネルを例示できる。この吸収性範囲の吸収性を有するコルゲートハニカムパネルは、遅吸水性及び濡れた際の強度を兼ね添えるため好ましい。液透過パネル3が、その厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有するため、尿は複数の孔部31を下方に通過し、犬が乗っている液透過パネル3の表面で拡がりにくい。
【0038】
以下、コルゲートハニカム構造の液透過パネル3について詳細に説明する。コルゲートハニカム構造の液透過パネル3は、以下の手順により製造される。
まず、波板状シート32と平板状シート33とを接合して、片側ダンボール状の部材を得る。次いで、得られた片側ダンボール状の部材を複数層積層すると共に、隣り合う層の部材を接合する。これにより、波板状シート32と平板状シート33とに囲まれた空間により複数の孔部31が形成されたブロック状の部材が得られる。
次いで、得られたブロック状の部材を、孔部31の貫通方向と略垂直に所定の厚さでスライスする。これにより、複数の孔部31が形成されたコルゲートハニカム構造の液透過パネル3が製造される。
尚、波板状シート32と平板状シート33とを接合する方法は、特に制限されず、接着剤による接合方法等の公知の接合方法から適宜選択できる。波板状シート32と平板状シート33とを接合する接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系耐水性接着剤が挙げられる。酢酸ビニル系耐水性接着剤は、濡れた際の強度をパネルに付与できるため好ましい。
【0039】
以上の液透過パネル3は、底面部41の第2桟412が延びる方向(第2方向Y)に沿って、液透過パネル3の長手方向が延びるように配置される。即ち、底面部41の第1桟411が延びる方向(第1方向X)と、液透過パネル3の内部で波板状シート32及び平板状シート33が延びる方向とが交差(略直交)する関係となるように配置される。このような配置により、第1桟411が液透過パネル3を構成する波板状シート32及び平板状シート33により補強され、液透過パネル3と底面部41とにより相乗的に犬用システムトイレ1の強度を高められるので、底面部41の厚さ、並びに第1桟411及び第2桟412の幅を小さく構成できる。
【0040】
液透過パネル3を構成する吸水性を有するパネルの材料は、排泄物を良好に透過しつつ、所定の吸水性を有するものであれば特に制限されず、種々の材料を用いることができる。吸水性を有する材料の具体例としては、パルプ等の木質繊維の他、種々の有機又は無機の多孔質材料や、種々の有機又は無機の繊維材料からなる織布又は不織布が挙げられる。有機繊維材料の具体例としては、木質繊維(パルプ等)、コットン、麻等のセルロース性繊維材料や、獣毛(ウール等)等の動物性繊維、又は、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート等)、ナイロン繊維(ナイロン6、ナイロン66等)、アクリル繊維等の合成繊維が挙げられる。
【0041】
これらの材料の中では加工が容易でコストが安いという点からパルプが好ましく、適度な液透過性と吸水性を実現可能な段ボール紙がより好ましい。この場合、当該段ボール紙はサイズ剤等の疎水剤又は撥水剤を含有することが好ましく、当該サイズ剤の種類と量によって所定の吸水性を選択できる。
【0042】
以上の液透過パネル3の厚さは、3〜25mmに構成され、3〜10mmであることが好ましく、3〜7mmであることがより好ましい。液透過パネル3の厚さが上述の範囲であると、液透過パネル3を厚さ方向に透過した尿等の液体が、液透過パネル3の表面(上面)まで戻りづらい。
液透過パネル3の厚さが3mm未満の場合には、この液透過パネル3が変形することにより尿等の液体の排泄物収容部21への透過が妨げられたり、犬の重量によって液透過パネル3が破壊されたりする場合がある等、強度の点で問題が生じる。
液透過パネル3の厚さが25mmを超える場合には、犬用システムトイレ1における排泄容器2の下端部から液透過パネル3の上面までの高さが高くなってしまう。また、一回の排泄による液透過パネル3の排泄物の吸収量が増加し交換サイクルが短くなる問題や、交換用の液透過パネル3を保管する際に嵩張ること等の問題がある。
【0043】
液透過パネル3の液透過率は、90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。かかる液透過率の液透過パネル3を用いることにより、排泄後の液透過パネル3への尿の付着を低減でき、液透過パネル3の内部での尿の拡散や、液透過パネル3を踏みつけることによる足濡れの発生を抑制できる。液透過パネル3の液透過率は、下記の方法により測定できる。
【0044】
〔液透過率測定方法〕
あらかじめ重量(A)を測定された受け皿を、液透過パネル3等の液透過率を測定する試料の下部に置く。人工尿約30mlを測りとり人工尿の重量(B)を測定する。試料上に内径60mmの円筒を置き、円筒の内側に人工尿をまんべんなく滴下する。試料から人工尿の液滴が落下しなくなった時点で人工尿の入った受け皿の重量(C)を測定する。液透過率の値を下式に基づいて算出する。なお、人工尿は以下の組成のものを使用する。
【0045】
〔人工尿組成〕
尿素 400g
塩化ナトリウム 160g
硫酸マグネシウム(7水和物) 16g
塩化カルシウム(2水和物) 6g
以上を合計20Lになるように水で調整する。
調整液に、青色1号を2g加え着色する。
【0046】
(液透過率計算式)
液透過率(%)=(重量(C)−重量(A))÷重量(B)×100
【0047】
液透過パネル3は、好ましくは10〜50%/min、より好ましくは15〜40%/minの吸水性を有する。かかる吸水性の液透過パネル3を用いることにより、排泄物の大部分が透過した後に少量付着する排泄物を液透過パネル3に吸収させることができ足濡れを抑制することができる。液透過パネル3の吸水性が高すぎると排泄物が透過する最中に多量に液透過パネル3に吸収されてしまい、犬が排泄した個所を踏みつけることによる排泄物の染み出しにより足濡れが起こりやすくなる。液透過パネル3の吸水性が低すぎると、付着した排泄物が液状で液透過パネル3の表面に残存してしまい足濡れが起こりやすくなる。液透過パネル3の吸水性は下記の方法により測定できる。
【0048】
〔吸水性測定方法〕
液透過パネル3等の測定対象を5cm×5cmにカットした試料の重量(A)を測定する。カットされた試料を1分間、人工尿に浸漬する。1分間浸漬後、試料を引き上げ、表面に付着した人工尿を拭き取った後、各試料の重量(B)を測定する。吸水率の値を下式に基づいて算出する。なお、人工尿は液透過率の測定と同じものを使用する。
【0049】
(吸水性計算式)
吸水性(%/min)=(重量(B)−重量(A))÷重量(A)×100
【0050】
以上説明した犬用システムトイレ1は、図2及び図3に示すように、排泄物収容部21に吸液シート6を収容した状態で、排泄物収容容器2の上部に上部容器4を配置し、この上部容器4の底面部41に液透過パネル3を載置して使用される。そして、この状態では、図3に示すように、排泄物収容部21と液透過パネル3との間に底面部41が配置されるので、吸液シート6の上面と液透過パネル3との間には、所定の空間5が形成される。
【0051】
以上の犬用システムトイレ1によれば、以下のような効果を奏する。
【0052】
(1)上部側壁部と底面部とを別々に成形し、これらを連結して上部容器を構成すると、上部側壁部と底面部との連結部分に隙間が生じてしまい、この隙間に尿等の液体がしみこんでしまう。そこで、上部側壁部42の底面部41からの起立角度を90度以上として上部容器4を一体成形により形成した。これにより、上部側壁部42と底面部41との間に継目を設けることなく上部容器4を構成できるので、尿等の液体が上部側壁部42に付着しても、この付着した液体は、上部側壁部42から底面部41に向かってスムーズに流れて底面部41から排泄物収容容器2に透過される。よって、上部容器4が尿等の液体により汚れにくいので、犬用システムトイレ1の掃除に係る負担を軽減できる。
また、底面部41の上面側に吸水性を有する液透過パネル3を載置することで、上部容器4に粒状物を敷き詰めることなく好適に犬用システムトイレ1を使用できる。
【0053】
(2)複数の貫通穴413の平面視における幅方向の長さを5mm〜20mmとした。これにより、上部容器4を掃除する場合に、掃除を行う者の指を複数の貫通穴413に容易に挿入できる。よって、上部容器4の掃除をより簡易に行える。
【0054】
(3)本発明の犬用システムトイレ1は、底面部41の上面側に液透過パネル3を載置して使用する。そのため、本実施形態では、上部容器4と液透過パネル3とを併用することで、底面部41の強度を確保できるので、第1桟411の幅W1、及び第2桟412の幅W2を従来に比して細く構成できる。よって、底面部41への汚れの付着を低減できる。
【0055】
(4)上部側壁部42の内面を曲面により構成すると共に、底面部41の周縁部近傍にも貫通穴413を設けた。これにより、上部側壁部42の内面に付着した尿等の液体を上部側壁部42に残存させることなく曲面に沿ってスムーズに底面部41側に移動させられる。また、貫通穴413を、底面部41における上部側壁部42との境界部である底面部41の周縁部近傍に設けたので、上部側壁部42の内面を伝って流れてきた尿等の液体を、貫通穴413を介して速やかに排泄物収容容器2に透過させられる。よって、上部容器4に排泄された尿等の液体を上部容器4に残存させることなく速やかに排泄物収容容器2に移送できるので、上部容器4が汚れにくい。
【0056】
(5)液透過パネル3を使い捨てパネルにより構成し、底面部41に対して着脱可能に構成した。よって、液透過パネル3が尿の吸収や大便の詰まりにより汚染されても、この汚染された液透過パネル3を容易に交換でき、犬用システムトイレ1の清掃作業を容易に行える。
【0057】
次に、本発明の犬用システムトイレの第2実施形態について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態の犬用システムトイレ1Aの斜視図であり、図10は、図9に示す犬用システムトイレ1Aの引出部を引き出した状態を示す斜視図である。
尚、第2実施形態については、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0058】
第2実施形態の犬用システムトイレ1Aは、排泄物収容容器2Aの構成において第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、排泄物収容容器2Aは、本体部24Aと、この本体部24Aに挿脱可能な引出トレイ25Aと、を備える。本体部24Aは、上部容器4Aを支持する。この本体部24Aは、平面視で略正方形状の底面部と、この底面部の4辺から起立する4つの側壁部と、を備える。4つの側壁部のうちの一つの側壁部には、引出トレイ25Aの大きさに対応した開口が設けられている。引出トレイ25Aは、排泄物収容部21Aを有して構成されており、この排泄物収容部21Aに吸液シート6が配置される。この引出トレイ25Aは、本体部24Aの側壁部に設けられた開口から本体部24Aに挿入される。
【0059】
第2実施形態の犬用システムトイレ1Aによれば、上記(1)〜(5)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0060】
(6)排泄物収容容器2を、排泄物収容部21Aを有する引出トレイ25Aを含んで構成した。よって、排泄物収容部21Aに収容された尿等の液体やこの尿等の液体を吸収した吸液シート6を、引出トレイ25Aを引き出して容易に除去したり交換したりできるので、犬用システムトイレ1Aの掃除をより容易に行える。
【0061】
以上、本発明の犬用システムトイレの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 犬用システムトイレ
2 排泄物収容容器
3 液透過パネル
4 上部容器
6 吸液シート
21 排泄物収容部
31 孔部
41 底面部
42 上部側壁部(側壁部)
411 第1桟
412 第2桟
413 貫通穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬用システムトイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内で飼育する動物の排泄物を処理するため、室内に設置できる動物用システムトイレが使用されている。例えば、特許文献1には、排泄物を収容する排泄物収容容器と、この排泄物収容容器の上部に配置され、液透過性の底面部及びこの底面部から起立する側壁部を有する上部容器と、を備える、主としてネコを対象とした動物用システムトイレが提案されている。
【0003】
特許文献1で提案された動物用システムトイレは、主としてネコを対象としているため、いわゆるネコ砂といった粒径数mm程度の粒状物が上部容器に敷き詰められた状態で使用される。そのため、特許文献1で提案された動物用システムトイレにおける上部容器は、敷き詰められた粒状物が外部に飛散しないように、側壁部の上端側が内側に傾斜して構成されている。
【0004】
このように、側壁部が内側に傾斜した部分を有している場合には、底面部及び側壁部を有する上部容器を射出成形により一体成形できない。そこで、粒状物を敷き詰めて使用することを目的とした従来の動物用システムトイレでは、主として底面部を構成する部分と、側壁部の内側に傾斜した上端側を構成する部分とを別々に成形した後、これらを連結して上部容器を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−148603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上の動物用システムトイレでは、上部容器における側壁部を構成する部分と底面部を構成する部分との連結部分にわずかな隙間が生じ、この隙間に動物の排泄物、特に尿がしみこんでしまう。その結果、上部容器が汚れやすくなると共に、この隙間を掃除するために大きな負担がかかっていた。
【0007】
ところで、犬は、排泄を行うときにネコ砂のような粒状物の存在を特に必要とせず、また、粒状物が存在した場合には、犬は、粒状物を誤って食べてしまうおそれがある。そのため、動物用システムトイレを犬に適用する場合、上部容器に粒状物を敷き詰めずに使用することが考えられる。
近年、室内で犬を飼う家庭が増えてきており、室内で犬を飼う家庭の増加に伴い、容易に掃除を行うことができる犬用システムトイレの開発が望まれている。
【0008】
従って、本発明は、上部容器に粒状物を敷き詰めることなく使用でき、かつ、掃除を容易に行うことのできる犬用システムトイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排泄物を収容可能な排泄物収容部を有する排泄物収容容器と、液透過性を有する底面部、及び該底面部の周縁から起立する側壁部を有する上部容器と、を備え、前記底面部の上面側に吸水性を有する液透過パネルが載置されて使用される犬用システムトイレであって、
前記側壁部の前記底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、前記上部容器は、前記底面部及び前記側壁部が継目を有することなく一体成形により形成されている犬用システムトイレに関する。
【0010】
また、前記底面部は、互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交する第1方向に延びる複数の第1桟と、互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交すると共に前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2桟と、前記第1桟及び前記第2桟に囲まれて形成され前記底面部の厚さ方向に貫通する複数の貫通穴と、を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記複数の貫通穴は、平面視において略同形同大の矩形形状に形成され、該貫通穴の平面視における幅方向の長さは、5mm〜20mmであることが好ましい。
【0012】
また、前記側壁部の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成され、前記複数の貫通穴は、前記底面部の周縁部近傍を含む略全域に設けられていることが好ましい。
【0013】
また、前記液透過パネルは、紙を主体として構成されると共に、厚さ方向に貫通する複数の孔部を有する使い捨てパネルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の犬用システムトイレによれば、上部容器に粒状物を敷き詰めることなく使用でき、かつ、掃除を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る犬用システムトイレを示す斜視図である。
【図2】図1に示す犬用システムトイレの分解斜視図である。
【図3】図1に示す犬用システムトイレの部分拡大断面図である。
【図4】図1に示す犬用システムトイレの平面図であり、液透過パネルを除いた状態を示す図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6A】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型とを閉じた状態を示す図である。
【図6B】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型との間に形成された空間に樹脂材料を充填した状態を示す図である。
【図6C】上部容器の製造工程を示す図であり、キャビティ金型とコア金型とを開いて上部容器を取り出した状態を示す図である。
【図7】液透過パネルの拡大平面図である。
【図8】図7のX−X線断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る犬用システムトイレを示す斜視図である。
【図10】第2実施形態の犬用システムトイレにおいて引出トレイを引き出した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の犬用システムトイレの好ましい各実施形態につき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る犬用システムトイレ1の斜視図であり、図2は、犬用システムトイレ1の分解斜視図である。図3は、犬用システムトイレ1の部分拡大断面図である。図4は、犬用システムトイレ1の平面図であり、液透過パネル3を除いた状態を示す図である。図5は、図4のA−A線断面図である。
尚、本明細書における「犬」とは、主として室内で飼育される犬を表し、より詳細には、体重が概ね7kg以下の小型犬を表す。
【0017】
本実施形態の犬用システムトイレ1は、図1及び図2に示すように、排泄物を収容する排泄物収容部21を有し上面が開口した排泄物収容容器2と、この排泄物収容容器2の開口した上面を覆うように排泄物収容容器2の上部に配置される上部容器4と、を備え、上部容器4に吸水性を有する液透過パネル3が載置されて使用される。
【0018】
排泄物収容容器2は、図2及び図3に示すように、略正方形状の収容容器底面部22と、この収容容器底面部22から起立する収容容器側壁部23と、を備え、排泄物を収容する。
収容容器底面部22は、平面視で略正方形状に構成される。
収容容器側壁部23は、収容容器底面部22の4辺それぞれから起立して設けられる。この収容容器側壁部23は、図3及び図5に示すように、内側側壁部231と、この内側側壁部231の外側に位置する外側側壁部232と、を備える。
【0019】
内側側壁部231は、収容容器底面部22の周縁部に設けられる。この内側側壁部231の内面は、外側に傾斜している。また、内側側壁部231の外面は、収容容器底面部22に対して略垂直となっている。
外側側壁部232は、内側側壁部231よりも高さが高く構成されている。この外側側壁部232の上端側は、外方及び上方に突出した形状を有している。
【0020】
排泄物収容部21は、収容容器底面部22及び4つの収容容器側壁部23(内側側壁部231)に囲まれた空間により形成される。この排泄物収容部21には、図3に示すように、吸液シート6が配置され、この吸液シート6により犬が排泄した尿等は吸収される。
【0021】
上部容器4は、図1〜図4に示すように、上面が開口して構成され、平面視で略正方形状の底面部41と、この底面部41の周縁である4辺それぞれから起立して配置される側壁部としての4つの上部側壁部42と、を備える。
底面部41は、図2及び図4に示すように、複数の第1桟411と、複数の第2桟412と、複数の貫通穴413と、を備え、液透過性を有する。
【0022】
複数の第1桟411は、図4に示すように、互いに所定間隔をあけて略平行に配置され底面部41の厚さ方向に直交する第1方向Xに延びる。
複数の第2桟412は、互いに所定間隔をあけて略平行に配置され底面部41の厚さ方向に直交する第2方向Yに延びる。
複数の貫通穴413は、隣り合う2つの第1桟411及び隣り合う2つの第2桟412によって囲まれた空間によりそれぞれが略同形同大に形成され、底面部41の厚さ方向に貫通する。
【0023】
本実施形態では、図4に示すように、隣り合う2つの第1桟411の間の長さは、隣り合う2つの第2桟412の間の長さよりも短く構成されている。これにより、複数の貫通穴413は、第1方向Xが長手方向となり第2方向Yが幅方向となる矩形形状を有している。また、複数の貫通穴413は、底面部41の周縁部近傍を含む略全域に形成されている。
【0024】
複数の貫通穴413の幅方向の長さD1は、好適な液体透過性を確保すると共に、上部容器4の掃除を容易に行えるようにする観点から、好ましくは5mm〜20mm、より好ましくは10mm〜15mmである。
複数の貫通穴413の長手方向の長さD2は、底面部41の強度を確保する観点から、好ましくは10mm〜100mm、より好ましくは40mm〜70mmである。
【0025】
第1桟411の幅W1、及び第2桟412の幅W2は、好適な液体透過性を確保すると共に、底面部41の強度を確保する観点から、好ましくは1mm〜10mm、より好ましくは2.0mm〜6.0mmである。
第1桟411及び第2桟412の厚さ(底面部41の厚さ)T1(図3参照)は、底面部41の強度を確保する観点、及び排泄物収容部21に収容された尿等の液体が液透過パネル3に戻ることを防ぐ観点から、好ましくは1mm〜15mmである。
【0026】
上部側壁部42は、図5に示すように、底面部41からの起立角度が90度以上となっている。より具体的には、上部側壁部42の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成されており、かつ、底面部41側から上端側に向かって緩やかに外側に傾斜している。そして、対向して配置される一対の上部側壁部42の内面間の距離W3は、底面部41側から上端部側に向かって、徐々に大きくなっている。
つまり、本明細書において、「上部側壁部42の底面部41からの起立角度が90度以上である」とは、対向して配置される一対の上部側壁部42の内面間の距離W3が底面部41側から上端側に向かうに従って小さくなる部分を有していないことを示す。
【0027】
上部側壁部42の外面は、底面部41側から上端側に向かってわずかに内側に傾斜している。また、上部側壁部42の外面側の下端部は、外方に向けて屈曲した後更に下方に向けて屈曲している。この上部側壁部42の外面側の下端部は、図5に示すように、排泄物収容容器2の外側側壁部232の上端側の外方及び上方に突出した部分の外側に係合される。
【0028】
図1〜図3に示すように、以上の4つの上部側壁部42のうちの3つの上部側壁部42の高さは、略均一に構成されている。そして、4つの上部側壁部42のうちの一つの上部側壁部42aには、他の3つの上部側壁部42の高さよりも高さが低く構成された出入り口部43が形成されている。犬用システムトイレ1を使用する犬は、この出入り口部43から上部容器4に出入りできる。
【0029】
以上の排泄容器2及び上部容器4は、いずれも、射出成形による一体成形により成形される。
ここで、上部容器4の製造工程の一例を、図6A〜図6Cを参照しながら説明する。図6A〜図6Cは、上部容器4を製造する各工程を示す図であり、図6Aは、キャビティ金型71とコア金型72とを閉じた状態を示す図である。図6Bは、キャビティ金型71とコア金型72との間に形成された空間に樹脂材料を充填した状態を示す図である。図6Cは、キャビティ金型71とコア金型72とを開いて上部容器4を取り出した状態を示す図である。
【0030】
図6A〜図6Cに示すように、上部容器4は、キャビティ金型71及びコア金型72の間に形成された上部容器4の形状に対応する形状を有する空間部分に、溶融した樹脂材料を充填することにより一体的に成形される。
より具体的には、コア金型72の上面には、上部側壁部42の下面側の形状及び底面部41の複数の貫通穴413の形状に対応した形状の凸形状が形成されている。また、キャビティ金型71の下面には、上部側壁部52の外面及び内面に対応する形状の凹形状が形成されている。
【0031】
そして、上部容器4を製造する場合、まず、図6Aに示すように、コア金型72の上面とキャビティ金型71の下面とが対向した状態でこれらコア金型72とキャビティ金型71とを閉じる。次いで、図6Bに示すように、キャビティ金型71とコア金型72との間に形成された空間に溶融した樹脂材料を充填し、その後、キャビティ金型71及びコア金型72を冷却して充填した樹脂材料を硬化させる。次いで、図6Cに示すように、キャビティ金型71とコア金型72とを開いて上部容器4を取り出す。
【0032】
本実施形態では、上述のように、上部側壁部42の底面部41からの起立角度を90度以上に構成したことにより、上部側壁部42及び底面部41を含む上部容器4全体を射出成形により一体成形できる。
尚、排泄物収容容器2も、上部容器4と同様の工程により製造できる。
【0033】
排泄物収容容器2及び上部容器4を構成する合成樹脂材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0034】
図7は、液透過パネル3の平面図であり、図8は、図5のB−B線断面図である。
液透過パネル3は、図1及び図2に示すように、排泄物収容部21の上部を覆うように配置され、吸水性を有する使い捨てのパネルにより構成される。この液透過パネル3は、上部容器4の底面部41の上面側に配置され、底面部41の上面の略全域を覆う。
本実施形態では、液透過パネル3は、図2に示すように、底面部41の大きさの略半分の大きさを有する長方形状に形成され、2枚の液透過パネル3により底面部41の上面を覆っている。また、液透過パネル3は、長手方向が上部容器4の出入り口部43が形成された上部側壁部42aの延びる方向(第2方向Y)に沿うように配置される。以上の液透過パネル3は、所定の液透過性、液吸収性及び消臭性を備える。
【0035】
液透過パネル3は、図7及び図8に示すように、厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有し、複数の孔部31を通じて排泄物を液透過パネル3の厚さ方向に透過する。複数の孔部31の開口部の形状及び面積は同一であっても異なっていてもよい。かかる複数の孔部31を有する液透過パネル3は、例えばスポンジ状の材料のように不規則な方向の孔部を有するパネルと比較して、使い捨て液透過パネル3の内部に残留する排泄物の量を低減しやすく、犬が液透過パネル3を踏みつけた場合に犬の足濡れを抑制しやすい。
【0036】
液透過パネル3が、液透過パネル3の厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有する場合、複数の孔部31の開口部の平均面積は、10〜100mm2/個であることが好ましく、15〜60mm2/個であることがより好ましい。孔部31の開口部の平均面積が小さすぎると、液透過パネル3に付着する排泄物の量が増えて足濡れを抑制しにくい。また、孔部31の開口部の平均面積が広すぎると、液透過パネル3に十分な強度を付与するために液透過パネル3を厚くする必要がある点で好ましくない。複数の孔部31の開口部の平均面積の測定方法は、特に制限されず公知の種々の方法を用いることができ、例えば、開口部の写真を画像解析する方法等により測定することができる。
【0037】
液透過パネル3が、その厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有する場合、パネルの好ましい構造としては、ハニカム構造又はコルゲートハニカム構造が挙げられる。これらのパネルの中では、製造が容易で安価に入手可能であることからコルゲートハニカム構造のパネルがより好ましい。
コルゲートハニカム構造の液透過パネル3としては、例えば、孔部31(セル)のサイズが5mmで、厚み5mmの積層ダンボールが例示できる。パネルの材質は、COBB30法(JIS−P8140)で10〜20g/m2の吸収性を示す耐水原紙を材料とするパネルを例示できる。この吸収性範囲の吸収性を有するコルゲートハニカムパネルは、遅吸水性及び濡れた際の強度を兼ね添えるため好ましい。液透過パネル3が、その厚さ方向に貫通する複数の孔部31を有するため、尿は複数の孔部31を下方に通過し、犬が乗っている液透過パネル3の表面で拡がりにくい。
【0038】
以下、コルゲートハニカム構造の液透過パネル3について詳細に説明する。コルゲートハニカム構造の液透過パネル3は、以下の手順により製造される。
まず、波板状シート32と平板状シート33とを接合して、片側ダンボール状の部材を得る。次いで、得られた片側ダンボール状の部材を複数層積層すると共に、隣り合う層の部材を接合する。これにより、波板状シート32と平板状シート33とに囲まれた空間により複数の孔部31が形成されたブロック状の部材が得られる。
次いで、得られたブロック状の部材を、孔部31の貫通方向と略垂直に所定の厚さでスライスする。これにより、複数の孔部31が形成されたコルゲートハニカム構造の液透過パネル3が製造される。
尚、波板状シート32と平板状シート33とを接合する方法は、特に制限されず、接着剤による接合方法等の公知の接合方法から適宜選択できる。波板状シート32と平板状シート33とを接合する接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系耐水性接着剤が挙げられる。酢酸ビニル系耐水性接着剤は、濡れた際の強度をパネルに付与できるため好ましい。
【0039】
以上の液透過パネル3は、底面部41の第2桟412が延びる方向(第2方向Y)に沿って、液透過パネル3の長手方向が延びるように配置される。即ち、底面部41の第1桟411が延びる方向(第1方向X)と、液透過パネル3の内部で波板状シート32及び平板状シート33が延びる方向とが交差(略直交)する関係となるように配置される。このような配置により、第1桟411が液透過パネル3を構成する波板状シート32及び平板状シート33により補強され、液透過パネル3と底面部41とにより相乗的に犬用システムトイレ1の強度を高められるので、底面部41の厚さ、並びに第1桟411及び第2桟412の幅を小さく構成できる。
【0040】
液透過パネル3を構成する吸水性を有するパネルの材料は、排泄物を良好に透過しつつ、所定の吸水性を有するものであれば特に制限されず、種々の材料を用いることができる。吸水性を有する材料の具体例としては、パルプ等の木質繊維の他、種々の有機又は無機の多孔質材料や、種々の有機又は無機の繊維材料からなる織布又は不織布が挙げられる。有機繊維材料の具体例としては、木質繊維(パルプ等)、コットン、麻等のセルロース性繊維材料や、獣毛(ウール等)等の動物性繊維、又は、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート等)、ナイロン繊維(ナイロン6、ナイロン66等)、アクリル繊維等の合成繊維が挙げられる。
【0041】
これらの材料の中では加工が容易でコストが安いという点からパルプが好ましく、適度な液透過性と吸水性を実現可能な段ボール紙がより好ましい。この場合、当該段ボール紙はサイズ剤等の疎水剤又は撥水剤を含有することが好ましく、当該サイズ剤の種類と量によって所定の吸水性を選択できる。
【0042】
以上の液透過パネル3の厚さは、3〜25mmに構成され、3〜10mmであることが好ましく、3〜7mmであることがより好ましい。液透過パネル3の厚さが上述の範囲であると、液透過パネル3を厚さ方向に透過した尿等の液体が、液透過パネル3の表面(上面)まで戻りづらい。
液透過パネル3の厚さが3mm未満の場合には、この液透過パネル3が変形することにより尿等の液体の排泄物収容部21への透過が妨げられたり、犬の重量によって液透過パネル3が破壊されたりする場合がある等、強度の点で問題が生じる。
液透過パネル3の厚さが25mmを超える場合には、犬用システムトイレ1における排泄容器2の下端部から液透過パネル3の上面までの高さが高くなってしまう。また、一回の排泄による液透過パネル3の排泄物の吸収量が増加し交換サイクルが短くなる問題や、交換用の液透過パネル3を保管する際に嵩張ること等の問題がある。
【0043】
液透過パネル3の液透過率は、90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。かかる液透過率の液透過パネル3を用いることにより、排泄後の液透過パネル3への尿の付着を低減でき、液透過パネル3の内部での尿の拡散や、液透過パネル3を踏みつけることによる足濡れの発生を抑制できる。液透過パネル3の液透過率は、下記の方法により測定できる。
【0044】
〔液透過率測定方法〕
あらかじめ重量(A)を測定された受け皿を、液透過パネル3等の液透過率を測定する試料の下部に置く。人工尿約30mlを測りとり人工尿の重量(B)を測定する。試料上に内径60mmの円筒を置き、円筒の内側に人工尿をまんべんなく滴下する。試料から人工尿の液滴が落下しなくなった時点で人工尿の入った受け皿の重量(C)を測定する。液透過率の値を下式に基づいて算出する。なお、人工尿は以下の組成のものを使用する。
【0045】
〔人工尿組成〕
尿素 400g
塩化ナトリウム 160g
硫酸マグネシウム(7水和物) 16g
塩化カルシウム(2水和物) 6g
以上を合計20Lになるように水で調整する。
調整液に、青色1号を2g加え着色する。
【0046】
(液透過率計算式)
液透過率(%)=(重量(C)−重量(A))÷重量(B)×100
【0047】
液透過パネル3は、好ましくは10〜50%/min、より好ましくは15〜40%/minの吸水性を有する。かかる吸水性の液透過パネル3を用いることにより、排泄物の大部分が透過した後に少量付着する排泄物を液透過パネル3に吸収させることができ足濡れを抑制することができる。液透過パネル3の吸水性が高すぎると排泄物が透過する最中に多量に液透過パネル3に吸収されてしまい、犬が排泄した個所を踏みつけることによる排泄物の染み出しにより足濡れが起こりやすくなる。液透過パネル3の吸水性が低すぎると、付着した排泄物が液状で液透過パネル3の表面に残存してしまい足濡れが起こりやすくなる。液透過パネル3の吸水性は下記の方法により測定できる。
【0048】
〔吸水性測定方法〕
液透過パネル3等の測定対象を5cm×5cmにカットした試料の重量(A)を測定する。カットされた試料を1分間、人工尿に浸漬する。1分間浸漬後、試料を引き上げ、表面に付着した人工尿を拭き取った後、各試料の重量(B)を測定する。吸水率の値を下式に基づいて算出する。なお、人工尿は液透過率の測定と同じものを使用する。
【0049】
(吸水性計算式)
吸水性(%/min)=(重量(B)−重量(A))÷重量(A)×100
【0050】
以上説明した犬用システムトイレ1は、図2及び図3に示すように、排泄物収容部21に吸液シート6を収容した状態で、排泄物収容容器2の上部に上部容器4を配置し、この上部容器4の底面部41に液透過パネル3を載置して使用される。そして、この状態では、図3に示すように、排泄物収容部21と液透過パネル3との間に底面部41が配置されるので、吸液シート6の上面と液透過パネル3との間には、所定の空間5が形成される。
【0051】
以上の犬用システムトイレ1によれば、以下のような効果を奏する。
【0052】
(1)上部側壁部と底面部とを別々に成形し、これらを連結して上部容器を構成すると、上部側壁部と底面部との連結部分に隙間が生じてしまい、この隙間に尿等の液体がしみこんでしまう。そこで、上部側壁部42の底面部41からの起立角度を90度以上として上部容器4を一体成形により形成した。これにより、上部側壁部42と底面部41との間に継目を設けることなく上部容器4を構成できるので、尿等の液体が上部側壁部42に付着しても、この付着した液体は、上部側壁部42から底面部41に向かってスムーズに流れて底面部41から排泄物収容容器2に透過される。よって、上部容器4が尿等の液体により汚れにくいので、犬用システムトイレ1の掃除に係る負担を軽減できる。
また、底面部41の上面側に吸水性を有する液透過パネル3を載置することで、上部容器4に粒状物を敷き詰めることなく好適に犬用システムトイレ1を使用できる。
【0053】
(2)複数の貫通穴413の平面視における幅方向の長さを5mm〜20mmとした。これにより、上部容器4を掃除する場合に、掃除を行う者の指を複数の貫通穴413に容易に挿入できる。よって、上部容器4の掃除をより簡易に行える。
【0054】
(3)本発明の犬用システムトイレ1は、底面部41の上面側に液透過パネル3を載置して使用する。そのため、本実施形態では、上部容器4と液透過パネル3とを併用することで、底面部41の強度を確保できるので、第1桟411の幅W1、及び第2桟412の幅W2を従来に比して細く構成できる。よって、底面部41への汚れの付着を低減できる。
【0055】
(4)上部側壁部42の内面を曲面により構成すると共に、底面部41の周縁部近傍にも貫通穴413を設けた。これにより、上部側壁部42の内面に付着した尿等の液体を上部側壁部42に残存させることなく曲面に沿ってスムーズに底面部41側に移動させられる。また、貫通穴413を、底面部41における上部側壁部42との境界部である底面部41の周縁部近傍に設けたので、上部側壁部42の内面を伝って流れてきた尿等の液体を、貫通穴413を介して速やかに排泄物収容容器2に透過させられる。よって、上部容器4に排泄された尿等の液体を上部容器4に残存させることなく速やかに排泄物収容容器2に移送できるので、上部容器4が汚れにくい。
【0056】
(5)液透過パネル3を使い捨てパネルにより構成し、底面部41に対して着脱可能に構成した。よって、液透過パネル3が尿の吸収や大便の詰まりにより汚染されても、この汚染された液透過パネル3を容易に交換でき、犬用システムトイレ1の清掃作業を容易に行える。
【0057】
次に、本発明の犬用システムトイレの第2実施形態について、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態の犬用システムトイレ1Aの斜視図であり、図10は、図9に示す犬用システムトイレ1Aの引出部を引き出した状態を示す斜視図である。
尚、第2実施形態については、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0058】
第2実施形態の犬用システムトイレ1Aは、排泄物収容容器2Aの構成において第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、排泄物収容容器2Aは、本体部24Aと、この本体部24Aに挿脱可能な引出トレイ25Aと、を備える。本体部24Aは、上部容器4Aを支持する。この本体部24Aは、平面視で略正方形状の底面部と、この底面部の4辺から起立する4つの側壁部と、を備える。4つの側壁部のうちの一つの側壁部には、引出トレイ25Aの大きさに対応した開口が設けられている。引出トレイ25Aは、排泄物収容部21Aを有して構成されており、この排泄物収容部21Aに吸液シート6が配置される。この引出トレイ25Aは、本体部24Aの側壁部に設けられた開口から本体部24Aに挿入される。
【0059】
第2実施形態の犬用システムトイレ1Aによれば、上記(1)〜(5)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0060】
(6)排泄物収容容器2を、排泄物収容部21Aを有する引出トレイ25Aを含んで構成した。よって、排泄物収容部21Aに収容された尿等の液体やこの尿等の液体を吸収した吸液シート6を、引出トレイ25Aを引き出して容易に除去したり交換したりできるので、犬用システムトイレ1Aの掃除をより容易に行える。
【0061】
以上、本発明の犬用システムトイレの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 犬用システムトイレ
2 排泄物収容容器
3 液透過パネル
4 上部容器
6 吸液シート
21 排泄物収容部
31 孔部
41 底面部
42 上部側壁部(側壁部)
411 第1桟
412 第2桟
413 貫通穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物を収容可能な排泄物収容部を有する排泄物収容容器と、
液透過性を有する底面部、及び該底面部の周縁から起立する側壁部を有する上部容器と、を備え、前記底面部の上面側に吸水性を有する液透過パネルが載置されて使用される犬用システムトイレであって、
前記側壁部の前記底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、前記上部容器は、前記底面部及び前記側壁部が継目を有することなく一体成形により形成されている犬用システムトイレ。
【請求項2】
前記底面部は、
互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交する第1方向に延びる複数の第1桟と、
互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交すると共に前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2桟と、
前記第1桟及び前記第2桟に囲まれて形成され前記底面部の厚さ方向に貫通する複数の貫通穴と、を備える請求項1に記載の犬用システムトイレ。
【請求項3】
前記複数の貫通穴は、平面視において略同形同大の矩形形状に形成され、該貫通穴の平面視における幅方向の長さは、5mm〜20mmである請求項2に記載の犬用システムトイレ。
【請求項4】
前記側壁部の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成され、前記複数の貫通穴は、前記底面部の周縁部近傍を含む略全域に設けられている請求項2又は3に記載の犬用システムトイレ。
【請求項5】
前記液透過パネルは、紙を主体として構成されると共に、厚さ方向に貫通する複数の孔部を有する使い捨てパネルである請求項1〜4のいずれかに記載の犬用システムトイレ。
【請求項1】
排泄物を収容可能な排泄物収容部を有する排泄物収容容器と、
液透過性を有する底面部、及び該底面部の周縁から起立する側壁部を有する上部容器と、を備え、前記底面部の上面側に吸水性を有する液透過パネルが載置されて使用される犬用システムトイレであって、
前記側壁部の前記底面部からの起立角度は90度以上であり、かつ、前記上部容器は、前記底面部及び前記側壁部が継目を有することなく一体成形により形成されている犬用システムトイレ。
【請求項2】
前記底面部は、
互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交する第1方向に延びる複数の第1桟と、
互いに所定間隔をあけて配置され該底面部の厚さ方向に直交すると共に前記第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2桟と、
前記第1桟及び前記第2桟に囲まれて形成され前記底面部の厚さ方向に貫通する複数の貫通穴と、を備える請求項1に記載の犬用システムトイレ。
【請求項3】
前記複数の貫通穴は、平面視において略同形同大の矩形形状に形成され、該貫通穴の平面視における幅方向の長さは、5mm〜20mmである請求項2に記載の犬用システムトイレ。
【請求項4】
前記側壁部の内面は、外側に向かって湾曲した曲面により構成され、前記複数の貫通穴は、前記底面部の周縁部近傍を含む略全域に設けられている請求項2又は3に記載の犬用システムトイレ。
【請求項5】
前記液透過パネルは、紙を主体として構成されると共に、厚さ方向に貫通する複数の孔部を有する使い捨てパネルである請求項1〜4のいずれかに記載の犬用システムトイレ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−5440(P2012−5440A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145695(P2010−145695)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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