説明

状態遷移表の表示方法、状態遷移表作成装置、及び状態遷移表表示装置

【課題】状態が階層化された状態遷移表について、単一または複数の状態を持つ部位に着目し、それに関連するイベント項目と部位の状態項目のみに集約し、状態遷移表の表現方法を工夫することで、把握しやすくすることを目的とする。
【解決手段】複数のイベント項目と複数の部位の状態項目とそれぞれの項目に対応する処理と部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ状態遷移表において、単一または複数の状態を持つ部位に着目し、着目した部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみに絞り込んだ状態遷移表を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、イベントの発生に応じて部位の状態が遷移する場合に、この状態遷移を表した状態遷移表であって、特に、階層化された部位を持つ階層化状態遷移モデルを表現する場合に適用して好適な状態遷移表の表示方法、状態遷移表作成装置、及び状態遷移表表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局から配信される放送波を受信して、映像を表示する表示装置には、電源ボタン、消音ボタン等の表示装置を操作するために用いられる操作ボタンが取り付けられている。以下、このような操作ボタン等を「部位」と呼ぶ。部位は、単独の操作で所定の機能を発揮する場合があるが、他の部位の状態に関連して、発揮する機能が異なる場合もある。例えば、表示装置の電源の状態が「OFF」である場合、ユーザが消音ボタン等を押下しても、表示装置は何ら反応を示さない。しかし、表示装置の電源の状態が「ON」である場合、ユーザが消音ボタンを押下すると、表示装置が備えるスピーカからの放音が停止される。
【0003】
このように、ある部位の状態によって、他の部位の機能が変わる場合に、これらの部位は「階層化」されていると呼ぶ。また、部位に何らかの指示を与えたり、操作を行ったりすることを「イベント」と呼ぶ。従来、階層化された部位を表現するために、部位毎の状態がどのように遷移するかを表現した状態遷移モデルとして、状態遷移表が用いられていた。ここで、行項目にイベントを配置し、列項目に状態を配置した場合に、行項目と列項目のAND条件に対応する、部位の処理及び状態の遷移先を定義する表を「状態遷移表」と呼ぶ。そして、状態遷移表は、一つの表内に全ての部位の状態を階層化して配置することで状態遷移モデルを表現していた。
【0004】
図5は、従来用いられていた、全ての部位の状態を階層化して表現した状態遷移表100の構成例を示す。
【0005】
状態遷移表100には、部位の一例として挙げた、電源、音源、チャンネルについて、階層化された部位の状態が、複数のセルの集合体として表現されている。ここで、セル毎に表現される、階層化された部位の状態を「状態項目」と呼ぶ。例えば、状態遷移表100の列項目には、電源の状態「ON」と「OFF」を定義した状態項目の階層と、音源の状態「NORMAL」と「MUTE」を定義した状態項目の階層と、チャンネルの状態「第1の放送局」と「第2の放送局」を定義した状態項目の階層が表示されている。
【0006】
そして、状態遷移表100には、イベントの内容を表したイベント項目として、「電源ボタン押下」、「消音ボタン押下」、「第1の放送局ボタン押下」及び「第2の放送局ボタン押下」が、行項目に配置されている。階層毎の状態項目の組合せにおいて、各イベント項目が発生した時に実行する処理と、部位の状態の遷移先が、行項目と列項目が交差するセルに表されている。
【0007】
ここで、各セルに表示される記号の意味について説明する。
「E」は、行項目として定義されている、イベント項目に対応する識別子を表す。
例えば、「電源ボタン押下」という部位の動作は、イベント項目E1に対応することを意味する。
「S」は、列項目として定義されている、階層化された部位の状態項目を展開した状態項目としてとらえ、それぞれの状態項目に対応する識別子を表す。
例えば、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第1の放送局」は、S0に対応する。
「−」は、部位、および状態項目が存在しないことを表す。
「/」は、部位の状態を維持することを表す。
「−>」は、部位の状態が遷移することを表し、部位の状態の遷移先の識別子とともに表す。
例えば、「−>S1」は、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第1の放送局」に遷移することを意味する。
【0008】
次に、単一または複数の状態を持つ部位について説明する。例えば、電源という部位の状態が「OFF」から「ON」という状態に遷移する時、状態を遷移させる対象となる部位が存在するものと考える。テレビジョン受像機を例にとると、「電源ボタン押下」というイベントが発生した場合、電源という部位の状態が「OFF」から「ON」、または「ON」から「OFF」に遷移する。そして、電源という部位の状態(「OFF」又は「ON」のいずれか)によって、他の部位に発生するイベントによって遷移する状態が変わる。
【0009】
次に、状態遷移表100と等価な内容であるが、別の表現方法で状態遷移モデルを表した状態遷移表101の構成例について説明する。
図6は、従来用いられていた、全ての部位の状態を階層化して配置した状態遷移表101の構成例を示す。
【0010】
本例の状態遷移表101は、表1、表1.1、及び表1.1.1によって構成される。
状態遷移表101に示す階層化された部位の表現方法では、列項目に表示される状態項目の階層を分け、階層別に関連するイベントの状態遷移表を用意してある。これにより、部位の階層構造が複雑化しても、1つの状態遷移表の肥大化を防ぐことが可能である。
【0011】
図6Aは、表1の例を示す。
表1には、行項目にイベント項目として、「電源ボタン押下」、「操作ボタン押下」が配置され、列項目状態項目として、「電源:OFF」、「電源:ON」が配される。
表1において、「電源:ON」の状態項目の下位階層に、表1.1が示される。
【0012】
図6Bは、表1.1の例を示す。
表1.1には、「音源:NORMAL」と「音源:MUTE」の状態項目に関連するイベント項目の「消音ボタン押下」に対する処理と部位の状態の遷移先の情報と、「チャンネル:第1の放送局」と「チャンネル:第2の放送局」の状態項目を集約したイベント項目である「チャンネルボタン押下」に対する処理と部位の状態の遷移先の情報を表現している。表1.1においては、「音源:NORMAL」と「音源:MUTE」の状態項目の下位階層に、表1.1.1が示される。
【0013】
図6Cは、表1.1.1の例を示す。
表1.1.1には、「チャンネル:第1の放送局」と「チャンネル:第2の放送局」の状態項目に関連するイベント項目である「第1の放送局ボタン押下」と「第2の放送局ボタン押下」に対する処理と部位の状態の遷移先の情報を表現している。
【0014】
ここで、状態遷移表101を階層化するためには、下位階層の状態遷移表で扱う、類似するイベント項目を予め集約する必要がある。このため、表1には、「消音ボタン押下」、「第1の放送局ボタン押下」及び「第2の放送局ボタン押下」を、「操作ボタン押下」というイベント項目として集約して、「操作ボタン押下」というイベント項目として表している。
【0015】
そして、上述したように、表1において、「操作ボタン押下」のイベント項目と、「電源:ON」の列項目が交差するセルに対し、下位階層の状態遷移表で定義してあることを示すため、下位階層の状態遷移表である「表1.1」を示している。また、下位階層の状態遷移表である「表1.1」への参照は、表1の「操作ボタン押下」のイベント項目と、「電源:ON」の列項目が交差するセルである「表1.1」を選択することで、表1から表1.1への移動を実現している。
【0016】
表1.1と同様に、「チャンネル:第1の放送局」と「チャンネル:第2の放送局」の状態項目は、「音源:NORMAL」と「音源:MUTE」の状態項目の下位階層となっている。このため、状態項目の「チャンネル:第1の放送局」と「チャンネル:第2の放送局」に関連する、「第1の放送局ボタン押下」と「第2の放送局ボタン押下」のイベント項目に対する処理と部位の状態の遷移先の情報を、表1.1.1に下位階層の状態遷移表として表現している。また、表1と同様に、下位階層で扱うイベント項目を集約する必要があるため、「第1の放送局ボタン押下」と「第2の放送局ボタン押下」を集約して、表1.1に「チャンネルボタン押下」というイベント項目として表している。
【0017】
図7は、階層化された状態遷移表のイベント項目と集約の関係をツリーとして示す。
ここでは、イベント項目の表示対象となる表と、この表に含まれるイベント項目を集約した場合の集約名を示している。このようにツリー表示したことにより、状態遷移表101に含まれる表1、表1.1、及び表1.1.1が階層化されていることが分かる。
【0018】
こうして、階層構造を持つ状態項目に関する状態遷移表は、下位の階層まで含んだ全ての状態項目を持つ一つの状態遷移表として表現したり、状態遷移表を階層化し、状態項目の階層毎に一つの状態遷移表を作成したりすることが行われていた。
【0019】
特許文献1には、状態遷移表を作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2001−325020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ここで、従来のように、階層化された部位を表す状態遷移モデルの全体を一つの表で表現した場合について検討する。このとき、状態遷移表100,101に示したように、状態遷移モデルは、最下位の階層まで展開された全ての状態と、発生する全てのイベントを一つずつ網羅的に対応させたものとなる。しかし、状態遷移表100,101は、部位の階層や部位の状態項目数、およびその状態項目に対するイベント項目の数が増えると表が大きくなり過ぎるため、全体の部位と、遷移する状態の関連を把握しにくくなる。特に下位階層の状態遷移表に着目している場合、上位階層における状態遷移を把握することが困難になるという問題があった。
【0022】
また、特定の条件においてのみ生じるイベント、つまり限られた部位の状態項目の階層においてのみ有効となるイベントがある。この場合、状態遷移表には、全てのイベント項目に対応する処理と、全ての部位の状態項目の階層に対応する部位の状態の遷移先を定義する領域が表示される。しかし、無関係な部位の状態項目の階層に対するイベントの処理と遷移先を定義する領域も表示されるため、状態遷移表の構成が冗長な表現になってしまう問題があった。
【0023】
また、状態遷移表100,101には、全てのイベント項目に対する処理と部位の状態の遷移先の定義情報が含まれているために、イベント項目に対して部位の状態が、有効であるか、無効であるかが不明確となる場合がある。このため、イベント項目と部位の状態の対応関係を実装時の論理条件に変換する際、論理条件の不足や無効な論理条件を実装することがあり、不具合の原因となる。
【0024】
以上のような問題点を解決するため、上述したように状態遷移表を階層化する手法が導入された。状態の階層毎に別個の状態遷移表を用いて表現すれば、一つの階層内で部位の状態の遷移が完結する場合には状態遷移を把握しやすい。しかし、ある部位の状態の遷移について着目した場合、着目した部位の状態が複数の状態遷移表を参照しないと、全ての状態遷移を確認できないケースがありえるため、状態遷移表の網羅性が低下する問題があった。
【0025】
例えば、状態遷移表101に含まれる、表1.1は、上位の表1を参照することにより、「電源:ON」である部位の状態であるということが分かる。しかし、「電源:ON」の状態で、「操作ボタン押下」のイベント項目が発生した時、何の処理が実行され、どのように状態が遷移するのかは、下位の状態遷移表である表1.1を参照しなければ分からない。さらに、状態遷移表の階層が深くなるほど、階層化されている部位の状態が把握しにくくなる。
【0026】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、単一または複数の状態を持つ部位に着目し、この部位に関連するイベント項目に対応する処理と、部位の状態項目に対応する部位の状態の遷移先の定義と、を表した状態遷移情報のみに集約し、状態遷移表の表現方法を工夫することで、部位の状態遷移を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するために本発明は、複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、それぞれのイベント項目及び状態項目とそれぞれの項目に対応する処理と、部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ場合に、着目対象とする単一または複数の状態を持つ部位を選択し、着目した部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルを抽出し、抽出した状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみを抽出し、抽出したイベント項目と及び部位の状態項目のうち、一方の状態項目を行項目または列項目に配置し、配置したそれぞれのイベント項目と及び部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルを配置した状態遷移表を作成し、作成した状態遷移表を表示部に表示するものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、状態遷移表の単一または複数の状態を持つ部位に着目する。これにより、着目した部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみに絞り込まれた状態遷移表が表示されるので、状態遷移表を見通しよく表現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態の例による、状態遷移表表示装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態の例による、単一または複数の状態を持つ部位に着目した場合において、着目した部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルと交差するイベント項目と部位の状態項目の対応関係を表した状態遷移表の表示例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の例による状態遷移表表示装置において、状態遷移表が表示されている時、着目した部位を「チャンネル」とした場合に、表示部に表示される状態遷移表の表示例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の例による状態遷移表表示装置において、図2の状態遷移表が表示されている時、全てのイベント項目を表示対象として表示した場合に、表示装置に表示される状態遷移表の表示例を示す説明図である。
【図5】階層構造を持つ状態の状態遷移モデルを表現するための、従来の状態遷移表の表示例を示す説明図である。
【図6】図5に示す状態遷移表と等価な別の表現方法となる従来の状態遷移表の表示例を示す説明図である。
【図7】図6に示す階層化状態遷移表のイベント項目と集約の関係をツリーとして示した例を示す説明図である
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態の例を説明する。ここでは、状態遷移表31〜33(後述する図3,図4参照)として表現される表示情報を作成し、表示部1に状態遷移表31〜33を表示する状態遷移表表示装置10、及び表示情報を作成して、表示する状態遷移表の表示方法に適用した例について説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態の例における状態遷移表表示装置10の概略構成図を示す。
状態遷移表表示装置10は、例えばパーソナルコンピュータ装置とその周辺機器とで構成されており、図1には、状態遷移表表示装置10の機能的な構成例を示してある。
【0032】
状態遷移表表示装置10は、状態遷移表31〜33として表現される表示情報を表示する表示部1を備える。表示部1には、例えば、CRT表示装置、液晶ディスプレイ装置が用いられる。入力部2は、マウスのようなポインティング部2aと、キーボードのようなポインティング部2bを備える。ユーザがポインティング部2aを用いて複数の選択肢から項目を選択すると、ポインティング部2aは、この選択した項目について、選択情報として入出力制御部3に出力する。同様に、ユーザがキー入力部2bを用いて所定の内容を入力すると、キー入力部2aは、この入力された内容について、キー入力情報として入出力制御部3に出力する。以下の説明では、選択情報、キー入力情報を「入力情報」と総称する場合がある。
【0033】
また、状態遷移表表示装置10は、ユーザが行う所定の入力操作によって情報を入力する入力部2と、入力部2から入力された入力情報、及び表示部1に表示する表示情報を中継する入出力制御部3を備える。また、状態遷移表表示装置10は、入出力制御部3から受け取った入力情報を解釈し、表示情報を生成する制御部4を備える。制御部4は、表示情報を作成し、表示部1に表示情報を表示させる状態遷移表作成装置としても用いられる。
【0034】
制御部4は、表示情報を作成したり、入出力制御部3を介して入力部2から入力された入力情報を解釈し、その情報を制御したりする。制御部4が情報を制御した結果、入出力制御部3は、表示情報を受取り、表示部1に対し表示情報を出力する。
【0035】
制御部4は、入出力制御部3に表示情報を渡す状態遷移表表示制御部5と、ユーザが着目した部位の選択操作をするための設定画面30(後述する図3A参照)の表示情報を状態遷移表表示制御部5に渡す着目設定表示制御部6と、状態遷移表31〜33に関連する情報を管理するデータファイル部11を備える。ここで、設定画面30には、ユーザが選択可能な部位に関する情報が複数表示されており、ユーザが設定画面30に表示された部位を選択した場合に、この選択した部位を「着目した部位」と呼ぶ。
【0036】
データファイル部11は、複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、状態遷移情報と、単一または複数の状態を持つ部位に着目した場合の状態遷移情報の関係を管理する。ここで、イベント項目及び状態項目に対応する処理と、部位の状態の遷移先を、「状態遷移情報」と呼ぶ。
【0037】
状態遷移表表示制御部5は、データファイル部11から状態遷移表31〜33を作成するための情報を読込み、表示情報を作成後、入出力制御部3へ表示情報を渡し、表示部1に対し、状態遷移表31〜33を表示する。ここで、表示部1には、着目設定表示制御部6が制御する設定画面30(後述する図3A参照)と、状態遷移表表示制御部5が制御する状態遷移表31〜33が同時に表示される。
【0038】
そして、状態遷移表表示制御部5には、以下の2つの経路から情報が入力される。
第1の経路は、着目設定表示制御部6を使用しない経路である。
この場合、状態遷移表表示制御部5は、データファイル部11が備える、イベント項目保持部12、状態項目保持部13、及び状態遷移情報保持部14から必要な情報を取得し、状態遷移表31〜33の表示情報を作成する。
第2の経路は、着目設定表示制御部6を使用しない経路である。
この場合、状態遷移表表示制御部5は、データファイル部11が備える、着目別関連情報保持部15から着目対象に関連する情報のみを取得して、状態遷移表31〜33の表示情報を作成する。
【0039】
着目設定表示制御部6は、入力部2が出力した入力情報を、入出力制御部3を介して受け取ると、ユーザが着目した部位の選択操作をする設定画面30の表示情報を作成する。その後、着目設定表示制御部6は、入出力制御部3に対して設定画面30の表示情報を渡し、表示部1に設定画面30を表示する。
【0040】
そして、データファイル部11は、複数のイベント項目を保持するイベント項目保持部12と、複数の部位の状態項目を保持する状態項目保持部13と、各イベント項目と状態項目に対応する処理と部位の状態の遷移先の定義を表す状態遷移情報を管理する状態遷移情報保持部14と、を備える。本例では、複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、それぞれのイベント項目及び状態項目に対応する処理と、部位の状態の遷移先を定義するセルである「状態遷移情報定義セル」が後述する状態遷移表に表示される。そして、状態遷移情報保持部14は、状態遷移表の行項目と列項目が交差するセルである状態遷移情報定義セル内の表示情報を、「状態遷移情報」として管理している。
【0041】
また、データファイル部11は、イベント項目と部位の状態項目の対応関係を保持する着目別関連情報保持部15を備える。着目別関連情報保持部15は、前述したイベント項目保持部12、状態項目保持部13、及び状態遷移情報保持部14と連携し、単一または複数の状態を持つ部位に着目した場合において、着目した部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルと交差するイベント項目と部位の状態項目の対応関係を保持する。
【0042】
図2は、着目別関連情報保持部15が有する状態遷移表20の例を示す。
ここでは、着目別関連情報保持部15に関し、状態遷移表20の構成例について、上述した状態遷移表100(図5)を参照しながら説明する。
【0043】
図2では、後述する図3Aにおいて、ユーザが着目した部位を「チャンネル」とした場合、「チャンネル」という部位が「第1の放送局」又は「第2の放送局」という状態に遷移する状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応する、イベント項目と状態項目に関係があることを示している。ここで、状態遷移表20について具体例に即して説明する。状態遷移表20において、例えば、「(1)電源:ON、かつ、音源:NORMAL、かつ、チャンネル:第1の放送局の状態」、かつ、「(2)消音ボタン押下のイベントが発生した場合」に、「(3)処理及び遷移先(本例では、消音処理及び識別子S3への遷移)」が定義されていることが示される。要約すると、状態遷移表20は、「(1)及び(2)」の条件に対応する「(3)状態遷移情報」を管理していると言える。さらに、状態遷移情報定義セルは、複数のイベント項目がAND条件で抽出され、複数の部位の状態項目がAND条件で抽出される場合に、抽出されたそれぞれのイベント項目及び状態項目に対応する処理と部位の状態の遷移先を定義していると言い換えることもできる。このような状態遷移表と状態遷移情報定義セルの定義は、後述する状態遷移表31〜33においても同様に成り立つ。
【0044】
このとき、着目した部位を「チャンネル」とした場合における、図2に示すイベント項目は、状態遷移表100における、「第1の放送局ボタン押下」、「第2の放送局ボタン押下」に対応する。
また、着目した部位を「チャンネル」とした場合における、図2に示す状態項目は、状態遷移表101において、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第1の放送局」、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第2の放送局」、「電源:ON」かつ「音源:MUTE」かつ「チャンネル:第1の放送局」、「電源:ON」かつ「音源:MUTE」かつ「チャンネル:第2の放送局」に対応する。
【0045】
また、上述した状態遷移表101(図6参照)は、状態遷移表100(図5参照)と等価な別の表現方法で表したものである。状態遷移表101では、イベント項目を集約し、状態遷移表を階層化することにより、階層毎に一つの状態遷移表として表しており、関連するイベント項目のみに集約することにより、状態遷移表の肥大化を防止するために用いられる。
【0046】
図3は、制御部4によって作成される設定画面30と状態遷移表31,32の表示例を示す。
本例の状態遷移表31〜33(図3,図4参照)は、単一または複数の状態を持つ部位に着目し、着目した部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみに絞り込む表示方法によって、表示部1に表示される。
【0047】
前提として、データファイル部11には、状態遷移表20を表示するためのイベント項目と、部位の状態項目、及び状態遷移情報が保持されている。そして、表示部1が状態遷移表31〜33を表示する。
【0048】
図3Aは、状態遷移表20において、着目した部位として「チャンネル」を選択する場合における、設定画面30の例を示す。
最初に、ユーザが入力部2を介して行う入力操作によって、着目対象となる部位を選択する。
【0049】
ここで、着目設定表示制御部6は、図3Aの<着目設定表示制御部>に示すような着目対象となる部位を選択するための設定画面30を表示部1に表示する。このとき、ユーザは、設定画面30に表示されている部位を、ポインティング部2aを用いて選択する。ユーザが着目した部位の設定情報は、入出力制御部3を経由して、着目設定表示制御部6に渡される。
【0050】
着目設定表示制御部6は、受取った部位の設定情報に基づき、その部位が選択されたことを明示的に表すため、図3Aの<着目設定表示制御部>に示すように、選択対象の部位をチェックしたことを示す指示情報の一例としての「レ」点を表示するための情報を、入出力制御部3を経由して、表示部1に表示する。また、着目設定表示制御部6は、ユーザが着目した部位の設定情報を、状態遷移表表示制御部5に通知する。
【0051】
図3Bは、着目した部位として「チャンネル」を選択した場合における、状態遷移表31の構成例を示す。
図3Aに示したように、ユーザの入力操作によって着目した部位が選択されると、状態遷移表表示制御部5は、状態遷移表20を集約した、集約前の状態遷移表31を作成する。状態遷移表31は、状態遷移表20に基づいて着目した部位「チャンネル」に関連するイベント項目と状態項目のみに絞り込んだ表である。ここで、「イベント項目」として表示されるラベルの左側には、「+」又は「−」で表されるイベント表示切替部35が表示される。イベント表示切替部35は、状態遷移表において、ある部位に対するイベントの表示を切替えるために用いられる。
【0052】
状態遷移表表示制御部5は、着目設定表示制御部6から受取った部位の設定情報に基づき、着目別関連情報保持部15より、その部位の状態が遷移する状態遷移情報定義セルを抽出する。さらに、状態遷移表表示制御部5は、抽出した状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と状態項目を抽出する。
【0053】
次に、状態遷移表表示制御部5は、抽出したイベント項目を行項目に配置し、部位の状態項目を列項目に配置した上で、イベント項目と状態項目に関係する状態遷移情報をデータファイル部11から取得する。そして、状態遷移表表示制御部5は、それぞれのイベント項目と部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルとして配置した状態遷移表31を作成後、入出力制御部3を経由して、表示部1に状態遷移表31を表示する。
【0054】
例えば、図2に示す状態遷移表20を基準として状態遷移表31を見ると、「電源ボタン押下」及び「消音ボタン押下」のイベントが非表示であることが分かる。このため、イベント表示切替部35は、非表示のイベントがあることを示す「+」で表示される。なお、図示しないが、全てのイベントが状態遷移表20に表示される場合は、イベント表示切替部35は、非表示のイベントがないことを示す「−」で表示される。このように、イベント表示切替部35は、全てのイベントを網羅的に表示させるために用いられる。
【0055】
図3Cは、状態遷移表31を所定のイベント項目で集約した場合における、状態遷移表32の構成例を示す。
図3Bに示した集約前の状態遷移表31は、ユーザが行う入力部2の入力操作によって、イベント表示切替部35が選択されると、状態項目を集約して、全てのイベント項目を表示する状態遷移表33を作成する。
【0056】
状態遷移表表示制御部5は、図3Bの<状態遷移表表示制御部(集約前)>における状態遷移表31を構成するセルの内、抽出したイベント項目と部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルに定義される状態遷移情報の定義内容が全て一致する場合は、着目した部位に関係のない状態項目の階層を図3Cの<状態遷移表表示制御部(集約後)>における状態遷移表32に示すように一つに集約する。このように状態遷移表表示制御部5は、状態遷移情報を絞り込んだ状態遷移表32を作成後、入出力制御部3を経由して、表示部1に対し、作成した状態遷移表32を表示する。
【0057】
ここで、状態遷移表32に示されるように、部位である音源は、状態遷移表32を作成する際にユーザが着目した部位である、チャンネルの部位の状態の遷移には影響を与えない。しかし、部位として音源が存在し、またそれが集約表示されていることを示すために、簡略化して「音源:NORMAL/音源:MUTE」と表示する。
【0058】
状態遷移表32において、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL/音源:MUTE」かつ「チャンネル:第1の放送局」である場合、イベント項目の識別子はS0である。同様に、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL/音源:MUTE」かつ「チャンネル:第2の放送局」である場合、イベント項目の識別子はS1である。
ここで、図3Bに示した状態遷移表31おける識別子S0,S1は、それぞれ「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第1の放送局」である場合、「電源:ON」かつ「音源:NORMAL」かつ「チャンネル:第2の放送局」である場合に対応していた。しかし、識別子S0,S1は、あくまでも列項目としての状態項目の組合せに対して割り振られる。そして、状態遷移表32は、状態遷移表31を集約表示したものであるため、「音源」を1つの状態項目として再定義している。つまり、状態遷移表32における識別子S0,S1は、状態項目を再定義したことに伴い、新たに割り振られた識別子である。
【0059】
従来の状態遷移表101(図6)では、部位の階層が完全に分かれるため、上位階層の状態が何であるかが分からなかった。また、状態遷移表101における、上位の階層を示す状態遷移表だけでは、発生したイベントの結果、何の処理が実行され、どの部位の状態が遷移するのか否かは、下位の状態遷移表(表1、表1.1、表1.1.1)を順に参照しなければ分からない。しかし、本例の状態遷移表表示制御部5は、図3Cに示すように、着目した部位の状態が遷移する状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみに絞り込んだ状態遷移表32を表示部1に表示する。このとき、イベント表示切替部35は、イベント項目が前述の条件にて絞り込まれて表示されていることを「+」として表す。このため、ユーザは、上位階層の部位の状態についても一つの状態遷移表32で確認することが可能である。
【0060】
また、状態遷移情報を絞り込んで表示した状態遷移表32について、ユーザが全てのイベント項目と、着目した部位に関連して抽出した部位の状態項目の対応関係を確認する際には、ユーザがポインティング部2aを用いて、図3Cに示す<状態遷移表表示制御部(集約後)>のイベント表示切替部35を選択する操作を行う。イベント表示切替部35を選択する操作によって発生した選択設定情報は、入出力制御部3を経由して、状態遷移表表示制御部5に渡される。
【0061】
状態遷移表表示制御部5は、この選択設定情報を受け取ると、データファイル部11より、全てのイベント項目と、着目した部位に関連して抽出した部位の状態項目と、それぞれのイベント項目と部位の状態項目に対応する状態遷移情報を取得する。その後、状態遷移表表示制御部5は、状態遷移表31を作成後、入出力制御部3を経由して、表示部1に対し、作成した状態遷移表31を表示する。
【0062】
図4は、状態遷移表32に含まれる一部のセルの色を変えて表現した場合における、状態遷移表33の表示例を示す。
状態遷移表33は、図3Cに示す状態遷移表32において、イベント表示切替部35を選択した結果、全てのイベント項目が表示されたものである。また、状態遷移表33は、図3Aに示す設定画面30において、「チャンネル」を選択した場合に表示される状態遷移表である。そして、状態遷移表33は、着目した部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルを明確に区別するため、色を変えて表示する。
【0063】
図3Cの<状態遷移表表示制御部(集約後)>における状態遷移表32に「+」記号で示されるイベント表示切替部35をユーザが選択すると、状態遷移表33には、全てのイベントが表示されていることがイベント表示切替部35の「−」記号によって表される。上述したように、状態遷移表33では、着目した部位が「チャンネル」である場合に表示されるため、「電源ボタン押下」と「消音ボタン押下」のイベントについては、「チャンネル」に着目した状態遷移表となっていない。しかし、イベント表示切替部35の仕様を変えれば、全てのイベントを状態遷移表33に表示することが可能となる。
【0064】
また、状態遷移表33には、非表示となっていたイベント項目と、着目した部位に関連して抽出した部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルに対し、着目した部位と異なる部位の状態が遷移することを表すため、星マーク36が表示される。ここで、状態遷移表33は、着目した部位が「チャンネル」である場合に表示される状態遷移表であるため、「電源ボタン押下」と「消音ボタン押下」のイベントを状態遷移表33に表示することはない。このため、「電源ボタン押下」と「消音ボタン押下」のイベントに関連するセルに星マーク36を表示させることで、ユーザが設定画面30で選択した際に着目した部位を表現している。また、ユーザは、着目した部位が「チャンネル」であるため、星マーク36以外のセルに着目すればよいことが分かる。
【0065】
さらに、ユーザがポインティング部2aを用いて、星マーク36が表示されたセルを選択することにより、異なる部位の状態遷移情報が表示される。本例では、ユーザが星マーク36を選択すると、星マーク36が表示されるセルに対応する部位がプルダウンメニューで表示される。図4では部位の状態である「電源:ON」かつ(「音源:NORMAL」または「音源:MUTE」)かつ「チャンネル:第2の放送局」のイベント項目が「電源ボタン押下」の星マーク36を選択した場合、部位である「電源」が表示される。このとき、着目設定表示制御部6が起動され、ユーザがプルダウンメニューに表示された部位(例えば、「電源」)を選択すると、設定画面30で着目する部位を設定した動作と同様に、「電源」で集約された状態遷移表が表示されることとなる。
【0066】
以上説明した、本発明の一実施の形態例に係る状態遷移表表示装置10によれば、複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、それぞれの項目に対応する処理と部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ状態遷移表100において、単一または複数の状態を持つ部位に着目するようにした。これにより、着目した部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目のみに絞り込まれた状態遷移表31〜33が表示部1に表示されるので、状態遷移表31〜33を見通しよく表現することが可能となる。このため、従来の状態遷移表101のように部位の状態の階層が分かれた場合の状態遷移表において、上位階層の部位の状態を確認するために、複数の状態遷移表を参照することを回避できるため、ユーザの視認性が高まるという効果がある。
【0067】
また、表示した状態遷移表について、複数の状態項目が階層化されて行項目または列項目に配置されている時、部位の各状態項目の行または列に配置されている状態遷移情報定義セルと、それぞれに対応するイベント項目をそれぞれ比較する。そして、全て同一の定義内容が状態遷移情報定義セルに定義されている場合は、着目した部位に関係のない状態遷移情報と判断し、部位の状態項目の階層を一つに集約した状態遷移表を作成し、作成した状態遷移表を表示するようにした。
【0068】
さらに、本発明は、特定の部位に着目し、行項目と列項目に絞り込んで表示した状態遷移表において、状態遷移情報定義セルに論理条件の不足や無効な論理条件が定義されていないかを容易に確認できる。これは、全イベント項目と着目した特定の部位の状態項目に対応した行または列に配置されている状態遷移情報定義セルを表示することにより可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1…表示装置、2…入力部、2a…ポインティング部、2b…ポインティング部、3…入出力制御部、4…制御部、5…状態遷移表表示制御部、6…着目設定表示制御部、10…状態遷移表表示装置、11…データファイル部、12…イベント項目保持部、13…状態項目保持部、14…状態遷移情報保持部、15…着目別関連情報保持部、20…状態遷移表、30…設定画面、31…状態遷移表、32…状態遷移表、33…状態遷移表、35…イベント表示切替部、36…星マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、それぞれの前記イベント項目及び状態項目に対応する処理と、前記部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ状態遷移表の表示方法であって、
着目対象とする単一または複数の状態を持つ部位を選択するステップと、
着目した前記部位の状態が遷移することが定義されている状態遷移情報定義セルを抽出するステップと、
抽出した前記状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応する前記イベント項目と前記部位の状態項目のみを抽出するステップと、
抽出した前記イベント項目及び前記部位の状態項目のうち、一方の前記状態項目を行項目または列項目に配置するステップと、
配置したそれぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する前記状態遷移情報定義セルを配置した状態遷移表を作成し、前記作成した状態遷移表を表示部に表示するステップと、を含むことを特徴とする状態遷移表の表示方法。
【請求項2】
前記状態遷移表について、複数の前記部位の状態項目が階層化されて行項目または列項目に配置されている時、各状態項目の行または列に配置されている前記状態遷移情報定義セルと、それぞれの前記状態遷移情報定義セルに対応するイベント項目をそれぞれ比較するステップと、
比較した前記状態遷移情報定義セル及び前記イベント項目について、全て同一の定義内容が状態遷移情報定義セルに定義されている場合は、着目した前記部位に関係のない状態遷移情報と判断し、前記部位の状態項目の階層を一つに集約した第2の状態遷移表を作成するステップと、
前記第2の状態遷移表を前記表示部に表示するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の状態遷移表の表示方法。
【請求項3】
複数のイベント項目と複数の部位の状態項目とそれぞれの項目に対応する処理と部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ状態遷移表を、表示情報に基づいて前記状態遷移表を表示する表示部に表示させる状態遷移表作成装置であって、
複数のイベント項目を保持するイベント項目保持部と、
複数の部位の状態項目を保持する状態項目保持部と、
それぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する処理及び前記部位の状態の遷移先の定義を表す状態遷移情報を管理する状態遷移情報保持部と、
前記イベント項目保持部、前記状態項目保持部、及び前記状態遷移情報保持部と連携し、単一または複数の状態を持つ部位に着目した場合に、着目した前記部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルと交差するイベント項目、及び前記部位の状態項目の対応関係を保持する着目別関連情報保持部からなるデータファイル部と、
前記データファイル部から状態遷移表を作成するための情報を取得し、所定の入力操作によって情報を入力する入力部から入力された入力情報、及び前記表示部に表示する前記表示情報を中継する入出力制御部を経由して前記表示部に対し、前記状態遷移表を表示する状態遷移表表示制御部と、
ユーザが着目した部位の選択操作をするための設定画面の表示情報を作成し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、作成した前記表示情報を表示する着目設定表示制御部を備えたことを特徴とする、状態遷移表作成装置。
【請求項4】
前記状態遷移表表示制御部は、
前記データファイル部の前記イベント項目保持部、前記状態項目保持部、及び前記状態遷移情報保持部より取得した情報を元に、その部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目を抽出し、抽出した前記イベント項目又は前記部位の状態項目のうち、いずれか一方の項目を行項目または列項目に配置し、配置したそれぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する状態遷移情報を前記データファイル部から取得し、それぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルとして配置した状態遷移表を作成し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、作成した前記状態遷移表を再表示することを特徴とする、請求項3に記載の状態遷移表作成装置。
【請求項5】
前記着目設定表示制御部は、
前記入力部によって、任意の部位が選択された場合、前記ユーザが着目した部位に関する設定情報を、前記状態遷移表表示制御部に通知する機能を備え、
前記状態遷移表表示制御部は、
前記着目設定表示制御部より通知された状態に関する設定情報を元に、前記データファイル部の前記着目別関連情報保持部から、その部位の状態が遷移することが定義された状態遷移情報定義セルと交差する行と列に対応するイベント項目と部位の状態項目を抽出し、抽出した前記イベント項目又は前記部位の状態項目のうち、いずれか一方の項目を行項目または列項目に配置し、配置したそれぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する状態遷移情報を前記データファイル部から取得し、それぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する状態遷移情報定義セルとして配置した状態遷移表を作成し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、作成した前記状態遷移表を再表示することを特徴とする、請求項3に記載の状態遷移表作成装置。
【請求項6】
前記状態遷移表表示制御部は、
抽出した前記イベント項目及び前記状態項目に絞り込んで作成した前記状態遷移表について、複数の部位の状態項目が階層化されて行項目または列項目に配置されている場合に、前記部位の各状態項目の行または列に配置されている前記状態遷移情報定義セルと、それぞれの前記イベント項目に対応する前記イベント項目の列または行をそれぞれ比較し、前記比較した項目について、全て同一の定義内容が前記状態遷移情報定義セルに定義されている場合は、前記着目した部位に関係のない状態遷移情報であると判断し、前記部位の状態項目の階層を一つに集約した第2の状態遷移表を作成し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、作成した前記第2の状態遷移表を再表示することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の状態遷移表作成装置。
【請求項7】
複数のイベント項目と、複数の部位の状態項目と、それぞれの前記イベント項目及び状態項目に対応する処理と、前記部位の状態の遷移先を定義するセルである状態遷移情報定義セルを持つ状態遷移表を表示する状態遷移表表示装置であって、
表示情報に基づいて前記状態遷移表を表示する表示部と、
所定の入力操作によって情報を入力する入力部と、
前記入力部から入力された入力情報、及び前記表示部に出力する前記表示情報を中継する入出力制御部と、
複数の前記イベント項目を保持するイベント項目保持部と、
複数の前記部位の状態項目を保持する状態項目保持部と、
それぞれの前記イベント項目及び前記部位の状態項目に対応する処理及び前記部位の状態の遷移先の定義を表す状態遷移情報を管理する状態遷移情報保持部と、
前記イベント項目保持部、前記状態項目保持部、及び前記状態遷移情報保持部と連携し、単一または複数の状態を持つ前記部位に着目した場合に、着目した前記部位の状態が遷移することが定義された前記状態遷移情報定義セルと交差する前記イベント項目、及び前記部位の状態項目の対応関係を保持する着目別関連情報保持部からなるデータファイル部と、
前記データファイル部から前記状態遷移表を作成するための前記表示情報を取得し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、前記状態遷移表を表示する状態遷移表表示制御部と、
ユーザが着目した部位の選択操作をするための設定画面の表示情報を作成し、前記入出力制御部を経由して前記表示部に対し、作成した前記表示情報を表示する着目設定表示制御部を備えたことを特徴とする、状態遷移表表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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