説明

状況認識を有する武器ロボット

遠隔制御される移動ロボットは、タレット・サブシステムと、ロボットを制御し、タレットを制御し、武器を発射するロボット制御器サブシステムと、ロボットの位置を決定するロボット・ナビゲーション・サブシステムと、タレット配向決定サブシステムと、指令を受信し、かつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するロボット通信サブシステムと、を含む。オペレータ制御ユニット通信サブシステムは、ロボットに指令を送信し、かつロボットからロボット位置データ及びタレット配向データを受信する。オペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムは、オペレータ制御ユニットの位置を決定する。オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、状況認識を有する武器ロボットという名称の2007年12月19日に出願された米国特許出願シリアル番号第12/004,173号の恩恵及び優先権を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、ロボットに関するものであり、かつ武器が装備された遠隔制御される移動ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0003】
武器が装備された遠隔的に制御される移動ロボットの概念は、興味をそそるものである。該ロボットは、敵対的な状況において操作され得、武器は、安全な所に位置するオペレータによって発射される。このようなロボットの配置に対して、幾つかの安全な関心ごとが満たされる必要がある。2007年4月5日に出願された共同係属中の米国特許出願シリアル番号第11/732,875号は、オペレータが意図しない限りロボット上の武器が発射されないのを確実にするための種々のシステム及び方法を詳細に説明している。
【0004】
現場において、ロボットは、代表的には、ロボットを操作するためにオペレータ制御ユニット(OCU)を用いて、オペレータに近接した位置において始まる。ロボットは、オペレータ制御ユニット(OCU)を用いてオペレータによって制御されるので、ロボットは、オペレータの視界の外に操作され得る。実際、オペレータ及びOCUも、最初の開始位置から移動し得る。ロボット上のカメラはロボットの視野内にオペレータの対象を示すために用いられ得るが、オペレータに対してロボットがどこにいるか、ロボットがいかに配向されているか、そしてその移動方向をオペレータが判断するのは困難であり得る。オペレータに対するロボットの武器の配向は、知られないかも知れない。
【0005】
その結果は、武器がオペレータに向いているときに武器を発射するようオペレータがロボットに指令し得ることが起こり得るということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、遠隔制御される新しい移動ロボット・システムを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、オペレータのための状況認識を提供するこのようなシステムを提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、オペレータがオペレータの位置に発射するようロボット武器を制御し得る可能性を低めたこのようなシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、武器を担持してオペレータ制御ユニットによって制御されるロボットのための状況認識は、武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定することができるように、ロボットの位置、武器タレットの配向、及びオペレータ制御ユニットの位置をオペレータ制御ユニットが追跡するのを可能とすることにより行われるということを認識したことから帰結する。好適な一実施形態においては、状況認識は、オペレータ制御ユニット上に、ロボット、武器、及びオペレータ制御ユニットの位置のグラフィカル表示を表示することにより提供される。また、武器がオペレータ制御ユニットに向いているということが決定されたならば、1つまたは2つ以上の所定の動作が取られ得る。
【0010】
本発明は、遠隔制御される移動ロボット・システムを特徴とする。前記遠隔制御される移動ロボットは、タレット・サブシステムと、ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、を含む。ロボット・ナビゲーション・サブシステムは、ロボットの位置を決定するよう構成されている。タレット配向決定サブシステムは、タレット及び武器の配向を決定する。ロボット通信サブシステムは、オペレータ制御ユニットから指令を受信し、オペレータ制御ユニットにロボット位置データ及びタレット配向データを送信する。オペレータ制御ユニットは、ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースを含む。オペレータ制御ユニット通信サブシステムは、ロボットに指令を送信し、ロボットからロボット位置データ及びタレット配向データを受信する。オペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムは、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されている。オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器が所定のファン角度以内で(例えば0°〜10°)オペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するよう構成されている。
【0011】
オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いている場合、所定の動作を取るよう構成されることができる。1つのこのような動作は、ユーザ・インターフェースに警報を提供することを含む。もう1つの動作は、武器が発射されることができないよう、何等かのユーザ・インターフェース武器指令を不能化することを含む。
【0012】
代表的には、ユーザ・インターフェースはモニタを含み、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、さらに、オペレータ制御ユニットの場所に対するロボット・タレットのグラフィカル表示をモニタ上に表示するよう構成されている。一例において、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、ロボットのグラフィカル表示及びロボットに対するタレットの配向を表示するよう、そしてオペレータ制御ユニットからのロボットの方向のグラフィカル表示を表示するよう構成されている。ロボットがカメラを含むとき、カメラ配向決定サブシステムが含まれ得、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、カメラ配向決定サブシステムに応答して、カメラの配向のグラフィカル表示を表示するよう構成されている。
【0013】
本発明による1つの遠隔制御される移動ロボット・システムは、前記遠隔制御される移動ロボットは、ロボットに装着される武器と、武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、武器配向決定サブシステムと、指令を受信して武器配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、を特徴とする。ユーザ・インターフェースは、ロボット及び武器に指令するためにあり、通信サブシステムは、ロボットに指令を送信し、ロボットから武器配向データを受信するためにある。オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、武器配向データに応答して、武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するよう構成されている。
【0014】
代表的には、武器は、タレット・サブシステムを介してロボットに装着され、武器配向決定サブシステムは、タレットの位置を常に把握しているエンコーダを含む。ロボットは、また、代表的には、ロボットの位置を決定するよう構成されたナビゲーション・サブシステムを含み、オペレータ制御ユニットは、代表的には、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されたナビゲーション・サブシステムを含む。
【0015】
本発明による遠隔制御される移動ロボット・システムは、ロボットの位置を決定するための手段と、タレットの配向を決定するための手段と、を含み得る。さらに、オペレータ制御ユニットの位置を決定するための手段と、ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するための手段と、を含む。
【0016】
本発明による遠隔制御される移動ロボット・システムは、遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備え得、前記遠隔制御される移動ロボットは、タレット・サブシステムと、ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、ロボットの位置を決定するよう構成されたロボット・ナビゲーション・サブシステムと、タレット配向決定サブシステムと、指令を受信するためのかつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、を含む。
【0017】
前記オペレータ制御ユニットは、ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースを含み得る。オペレータ制御ユニット通信サブシステムは、ロボットに指令を送信するためのかつロボットからロボット位置データ及びタレット配向データを受信するためにある。オペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムは、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成され、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、オペレータ制御ユニットの場所に対するタレットのグラフィカル表示並びにロボット及び該ロボットに対するタレットの配向のグラフィカル表示を、モニタ上に表示するよう構成されている。
【0018】
本発明による1つの遠隔制御される移動ロボット・システムは、ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムを特徴とする。ロボット・ナビゲーション・サブシステムは、ロボットの位置を決定するよう構成されている。タレット配向決定サブシステムは、タレットの配向を決定する。ロボット通信サブシステムは、指令を受信し、かつロボット位置データ及びタレット配向データを送信する。
【0019】
本発明によるオペレータ制御ユニットは、ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースを特徴とする。オペレータ制御ユニット通信サブシステムは、ロボットに指令を送信し、かつロボットからロボット位置データ及びタレット配向データを受信する。オペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムは、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されている。オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いている場合に所定の動作を取るよう構成されている。1つの動作は、ユーザ・インターフェースに警報を提供することを含む。もう1つの動作は、武器が発射されることができないように、何等かのユーザ・インターフェース武器指令を不能化することを含む。
【0020】
しかしながら、他の実施形態における本発明は、これらの目的のすべてを達成する必要がなく、特許請求の範囲は、これらの目的を達成することができる構造又は方法に制限されるべきではない。
【0021】
他の目的、特徴及び長所は、好適な実施形態の以下の説明並びに添付図面から当業者に生ずるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるロボットと関連した主な構成要素及びオペレータ制御ユニットを示す大いに簡略したブロック図である。
【図2】本発明による制御器サブシステムと関連した主な動作を示す高レベルのフローチャートである。
【図3】本発明による武器を担持するロボットの例を示す概略的な三次元の図である。
【図4】本発明によるオペレータ制御ユニットの例を示す概略的な三次元の図である。
【図5】本発明によるオペレータ制御ユニットのユーザ・インターフェース・モニタ・スクリーンの概略図である。
【図6A】オペレータ制御ユニットに向けられた武器を有するロボット並びに本発明により発生される警報を示す概略図である。
【図6B】ロボットの武器がオペレータ制御ユニットに向けられているとしても武器のロックアウトを無効にすることが望まれ得るシナリオを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に開示する好適な実施形態または幾つかの実施形態とは別に、本発明は、他の実施形態及び種々の方法で実行されるかもしくは行われることができる。従って、本発明は、以下の説明に述べるまたは図面に示す構成要素及び構成要素の配列の詳細に対する適用に制限されるものではないということが理解されるべきである。ここでは1つの実施形態だけが説明されるけれども、特許請求の範囲は、該実施形態に制限されるべきではない。さらに、或る排除、制限、または放棄を示す明瞭かつ確証的な証拠がない限り、特許請求の範囲は、制限的に読まれるべきではない。
【0024】
代表的には移動かつ遠隔制御される、本発明の例による図1のロボット10は、それに装備された武器のためのタレット・サブシステム12を含む。図2に示される実施形態において、タレット12は、360°回転することができ、武器14を上に60°及び下に20°向けることができる。図1のエンコーダ16のような装置は、タレット及び武器の角度ピッチ位置を常に把握している。エンコーダは、また代表的には、カメラ24の現在の配向を常に把握するために用いられる。しかしながら、タレット、武器及びカメラのための他の配向決定サブシステムも可能である。全世界測位システム(GPS)ユニット18のようなナビゲーション・サブシステムは、それが代表的には経度、緯度、及び高度によって操作するよう、ロボットの位置を決定する。GPSユニット18は、また、現場におけるロボットの操作を常に把握していることもでき、そして地図または衛星画像上に示される場所、建物、等に対するロボットの位置を示すために、種々の地図及び/または衛星画像に関連して用いられることができる。コンパス21は、ロボット10を配向するために、そしてその進行方向を決定するために、及び/またはタレットの配向を決定するために、用いられ得る。
【0025】
代表的には1つまたは2つ以上のマイクロコントローラ及び/またはマイクロプロセッサを含む制御器システム20は、オペレータ制御ユニット50(図4も参照)からトランシーバ26によった受信される指令に基づいて、ロボット駆動システム22、タレット・サブシステム12、武器サブシステム14(武器を発射するために)、1つまたは2つ以上のカメラ24、並びに他のロボット・サブシステムを制御する。制御器システム20は、また、GPS18、タレット位置エンコーダ16、カメラ24、及びコンパス21から、並びに他のサブシステムから受信した信号を処理し、そしてロボットの位置、タレット(及び武器)の配向(双方の角度配向及びピッチ)に関するデータ並びに他のデータをオペレータ制御ユニット50に中継する。2007年4月5日に出願された共同係属の米国出願シリアル番号第11/732,875号は、本発明によるオペレータ制御ユニット及び1つの好適なロボットの追加の詳細を開示している。2007年9月19日に出願された出願シリアル番号第60/994,414号は、本発明による好適なオペレータ制御ユニットに関する追加の詳細を開示している。これらの従来の出願の双方は、この参照によりここに組み込まれる。
【0026】
オペレータ制御ユニット50は、この例においては、ロボット10を操作するために、タレット及びカメラの移動を制御するために、武器を発射させるために、等のために、代表的には種々のノブ、スイッチ、ジョイスティック、等(図4を参照)を含むユーザ・インターフェース52を含む。図1は、ロボット駆動制御54、発射制御56、タレット制御58、及びカメラ24からのビデオ供給を表示するためのカメラ制御60を示す。ユーザ・インターフェースは、代表的には、また、ロボットと関連したカメラまたは複数のカメラからのこのようなビデオ供給を示すためのモニタ62をも含む。
【0027】
1つまたは2つ以上のマイクロコントローラ及び/またはマイクロプロセッサ64は、ユーザ・インターフェース52からの信号を処理し、トランシーバ66は、無線で、ユーザ指令をロボット10のトランシーバ26に供給する。同様に、制御器64は、ロボット10からオペレータ制御ユニットのトランシーバ66によって受信された信号を処理する。
【0028】
オペレータ制御ユニット50は、また、代表的には緯度、経度及び高度データを含むオペレータ制御ユニット50の位置を決定するためのGPSユニット70のようなナビゲーション・システムをも含む。この情報、そしてロボットの位置並びにタレット及び武器の配向を含むロボット10から受信された情報に基づいて、制御器64は、武器が、予め決められたファン角度以内、代表的には0と10度との間、でオペレータ制御ユニットに向けられているか否かを計算することができる。そしてそのような場合には、適切な動作をとることができる。
【0029】
従って、一般に、制御器64(及び/または制御器20)は、ロボットの位置を決定するよう(図2のステップ100)、タレット及び武器の配向を決定するよう(ステップ102)、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう(ステップ104)、に構成されるかまたはプログラムされる。この情報に基づいて、ステップ108に示されるように、武器がオペレータ制御ユニットの位置に向けられているか否かを決定することができる。もし向けられていないならば、ステップ109に示されるように、ロボットを操作する、武器を発射する、等の通常の手順が行われる。
【0030】
グラフィカル・ディスプレイ・モジュール106は、モニタ62(図4)上に、ロボット10の三次元描写200(図5)、その配向、タレット12及び武器14の配向、並びにカメラ24の配向を表示する。オペレータ制御ユニット50の位置も示されている。オペレータ制御ユニットからのロボットの方向は、武器及びカメラの向いている方向であるように示された座標マーキング(南、東、北、及び西)を参照して示されている。
【0031】
この方法で、オペレータは、武器14がオペレータの位置に向いているか否かを容易に確認することができる。ロボットの緯度(latitude)及び経度(longitude)またはグリッド場所は、202において表示され、ロボット及びタレットのロール、ピッチ、及びヨー情報は、254において示される。ロボットの移動経路履歴も206に示されるように表示され得る。
【0032】
さらに、オペレータ制御ユニットの制御器サブシステム64(図1)は、武器が所定のファン角度内でOCUに向けられた場合に所定の動作を取るようにプログラムされ得る。武器がオペレータ制御ユニットの位置に向けられた場合(図2のステップ108)、オペレータ制御ユニットの制御器サブシステム64は、発射制御サブシステム56(図1)をロックアウトすることができ(図2のステップ110)、これにより、任意のユーザ・インターフェースの武器発射指令は、不能化されるもしくは無視される。この方法で、オペレータが武器を発射するためにオペレータ制御ユニット50(図4)を用いかつ武器がオペレータ制御ユニットに向けられている場合、武器は発射しないであろう。また、もしくは代替的に、オペレータ制御ユニットの制御器サブシステム64は、武器がオペレータ制御ユニットに向けられているということをオペレータに通知する警報を生ずることができる(図2のステップ112)。
【0033】
図6Aに示すように、制御器サブシステムは、ロボット10の武器14がオペレータ制御ユニット50に(所定のファン角度もしくは円弧距離150以内で)向けられており、かつ警報51がオペレータ制御ユニット50上に表示されるということを決定した。しかしながら、発射制御サブシステムがロックアウトされた場合、図2のステップ114に示されるように、オーバーライドもしくは無効が必要である場合があり得る。図6Bに示されるように、ロボット10の武器14は、制御器サブシステムによって決定されたものとして、オペレータ制御ユニット50に向けられているが、オペレータ制御ユニット50及びロボット10間に建物300が存在するために、武器の発射が安全であるということをオペレータによって決定される。このようなシナリオにおいて、オペレータは、適切な発射指令シーケンスを履行することにより、武器発射不能化機能を無効(オーバーライド)にすることができ、そしてなお安全に武器14を発射することができる。
【0034】
オペレータ制御ユニット50は、武器がオペレータ制御ユニットに向いている場合でさえ、付勢されたときに武器が発射されるのを許容する無効(オーバーライド)スイッチもしくは入力を含み得る。無効スイッチが付勢されないならば、武器がオペレータ制御ユニットに向いている場合、武器の発射は代表的には可能でない。
【0035】
また、円弧距離150(図6A)は、ロボット10とオペレータ制御ユニット50との間の距離d及び円弧角度αの関数として変化することにも留意されたし。従って、ロボット10の制御器(及び/またはオペレータ制御ユニット50の制御器)は、コンパス21(図1)及び位置エンコーダ16に基づいてタレット配向を決定するよう、GPS受信器18に基づいてロボットの位置を決定するよう、そしてGPS受信器70に基づいてオペレータ制御ユニット50の位置を決定するようにプログラムされ得る。ロボット10からオペレータ制御ユニット50までの距離d(図6A)が、次に、計算されもしくは決定される。
【0036】
円弧角度αが次に計算される。オペレータ制御ユニットの無効スイッチが付勢されるならば、武器サブシステム14(図)の発射は、円弧距離に無関係に可能である。しかしながら、無効スイッチが付勢されないならば、制御器20は、計算された円弧角度に基づいてタレット角度のための限界を設定してタレット・サブシステム12を制御することができ、従って、タレットは、ロボットがいかに操作するかにかかわらず、所定のファン角度もしくは円弧距離内でオペレータ制御ユニットの方向にロボット武器を向けない。
【0037】
幾つかの実施形態において、制御器サブシステムが、ロボットの正確な位置を、もしくはオペレータ制御ユニットの位置でさえ、知ることが必要でないかも知れず、代わりに、決定することが必要なことは、ロボット武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かだけである。また、GPSユニット以外の位置決定/ナビゲーション・サブシステムが、これに制限するものではないが、携帯電話/セル・タワー三角測量技術、等を含め、本発明に従って用いられ得る。OCU及びロボット間の通信は、上述したトランシーバ(図1の26及び66)以外の形態をも取り得る。
【0038】
GPSデータの無い場合、もしくはロボット位置データ(すなわち、コンパス、タレット位置、等)の無い場合、オペレータの警報が、オペレータによる無効の任意選択で、発射制御サブシステム56(図1)の自動ロックアウトで発生され得る。
【0039】
従って、本発明の特定の特徴が幾つかの図面に示されかつ他には示されないけれども、これは、各特徴が本発明による他の特徴の幾つかまたはすべてと結合され得るという理由で単に便宜のためである。ここで用いられる語「含む」、「備える」、「有する」、及び「持つ」は、広範かつ広義に解釈されるべきであり、何等かの物理的相互接続に制限されるものではない。さらに、本件出願において開示された幾つかの実施形態は、単に可能な実施形態として取られるべきではない。
【0040】
さらに、この特許のための特許出願の手続き中に提起された何等かの補正は、提出された出願において提起された何等かの特許請求の範囲の要素の放棄ではなく、当業者は、すべての可能な等価物を文字通り包含するであろう特許請求の範囲を起草することを合理的に予想することができず、多くの等価物は、補正の時点で予想不可能なものであり、放棄すべきもの(もしあるならば)の正当な解釈を超えており、補正の基礎をなす理論的根拠は、多くの等価物との接線関係だけしか支持し得ず、及び/または出願人が補正された任意の特許請求の範囲の要素に対する或る実質のない代替物を記載するために期待されることができない多くの他の理由がある。
【0041】
他の実施形態も当業者に生ずるであろうし、それも特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0042】
10 ロボット
12 タレット・サブシステム
14 武器
16 エンコーダ
18 ナビゲーション・サブシステム
20 制御器システム
21 コンパス
22 ロボット駆動システム
24 カメラ
26 トランシーバ
50 オペレータ制御ユニット
52 ユーザ・インターフェース
54 ロボット駆動制御
56 発射制御
58 タレット制御
60 カメラ制御
62 モニタ
64 マイクロプロセッサ
66 トランシーバ
70 GPSユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備えた遠隔制御される移動ロボット・システムであって、
前記遠隔制御される移動ロボットは、
タレット・サブシステムと、
ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、
ロボットの位置を決定するよう構成されたロボット・ナビゲーション・サブシステムと、
タレット配向決定サブシステムと、
指令を受信するためのかつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、
を含み、そして前記オペレータ制御ユニットは、
ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースと、
ロボットに指令を送信するためのかつロボットからのロボット位置データ及びタレット配向データを受信するためのオペレータ制御ユニット通信サブシステムと、
オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されたオペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムと、
ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するよう構成されたオペレータ制御ユニット制御器サブシステムと、
を含む遠隔制御される移動ロボット・システム。
【請求項2】
オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、さらに、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いている場合、所定の動作を取るよう構成されている請求項1に記載のロボット・システム。
【請求項3】
前記動作は、ユーザ・インターフェースに警報を提供することを含む請求項2に記載のロボット・システム。
【請求項4】
前記動作は、武器が発射されることができないよう、何等かのユーザ・インターフェース武器指令を不能化することを含む請求項2に記載のロボット・システム。
【請求項5】
前記所定のファン角度は、0°と10°との間にある請求項1に記載のロボット・システム。
【請求項6】
ユーザ・インターフェースはモニタを含み、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、さらに、オペレータ制御ユニットの場所に対するロボット・タレットのグラフィカル表示をモニタ上に表示するよう構成されている請求項1に記載のロボット・システム。
【請求項7】
オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、さらに、ロボットのグラフィカル表示及びロボットに対するタレットの配向を表示するよう構成されている請求項6に記載のロボット・システム。
【請求項8】
オペレータ制御器サブシステムは、さらに、オペレータ制御ユニットからのロボットの方向のグラフィカル表示を表示するよう構成されている請求項6に記載のロボット・システム。
【請求項9】
ロボットは、さらに、少なくとも1つのカメラと、カメラ配向決定サブシステムとを含み、オペレータ制御ユニット制御器サブシステムは、カメラ配向決定サブシステムに応答して、カメラの配向のグラフィカル表示を表示するよう構成されている請求項6に記載のロボット・システム。
【請求項10】
遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備える遠隔制御される移動ロボット・システムであって、
前記遠隔制御される移動ロボットは、
ロボットに装着される武器と、
武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、
武器配向決定サブシステムと、
指令を受信して武器配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、
を含み、前記オペレータ制御ユニットは、
ロボット及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースと、
ロボットに指令を送信し、ロボットから武器配向データを受信するための通信サブシステムと、
武器配向データに応答して、武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するよう構成されたオペレータ制御ユニット制御器サブシステムとを含む遠隔制御される移動ロボット・システム。
【請求項11】
武器は、タレット・サブシステムを介してロボットに装着され、武器配向決定サブシステムは、タレットの位置を常に把握しているエンコーダを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ロボットは、さらに、ロボットの位置を決定するよう構成されたナビゲーション・サブシステムを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
オペレータ制御ユニットは、オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されたナビゲーション・サブシステムを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備えた遠隔制御される移動ロボット・システムであって、
前記遠隔制御される移動ロボットは、
タレット・サブシステムと、
タレット・サブシステムに装着された武器と、
ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、
ロボットの位置を決定するための手段と、
タレットの配向を決定するための手段と、
指令を受信するためのかつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、
を含み、そして前記オペレータ制御ユニットは、
ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースと、
ロボットに指令を送信するためのかつロボットからのロボット位置データ及びタレット配向データを受信するための通信サブシステムと、
オペレータ制御ユニットの位置を決定するための手段と、
ロボット位置データ、タレット配向、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器がオペレータ制御ユニットに向いているか否かを決定するための手段と、
を含む遠隔制御される移動ロボット・システム。
【請求項15】
遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備えた遠隔制御される移動ロボット・システムであって、
前記遠隔制御される移動ロボットは、
タレット・サブシステムと、
ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、
ロボットの位置を決定するよう構成されたロボット・ナビゲーション・サブシステムと、
タレット配向決定サブシステムと、
指令を受信するためのかつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、
を含み、そして前記オペレータ制御ユニットは、
ロボット、タレット、及び武器に指令するためのかつモニタを含むユーザ・インターフェースと、
ロボットに指令を送信するためのかつロボットからのロボット位置データ及びタレット配向データを受信するためのオペレータ制御ユニット通信サブシステムと、
オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されたオペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムと、
ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、オペレータ制御ユニットの場所に対するタレットのグラフィカル表示並びにロボット及び該ロボットに対するタレットの配向のグラフィカル表示を、モニタ上に表示するよう構成されたオペレータ制御ユニット制御器サブシステムと、
を含む遠隔制御される移動ロボット・システム。
【請求項16】
遠隔制御される移動ロボットと、オペレータ制御ユニットとを備えた遠隔制御される移動ロボット・システムであって、
前記遠隔制御される移動ロボットは、
タレット・サブシステムと、
ロボットを制御し、タレットを制御し、そして武器を発射するよう構成されたロボット制御器サブシステムと、
ロボットの位置を決定するよう構成されたロボット・ナビゲーション・サブシステムと、
タレット配向決定サブシステムと、
指令を受信するためのかつロボット位置データ及びタレット配向データを送信するためのロボット通信サブシステムと、
を含み、そして前記オペレータ制御ユニットは、
ロボット、タレット、及び武器に指令するためのユーザ・インターフェースと、
ロボットに指令を送信するためのかつロボットからのロボット位置データ及びタレット配向データを受信するためのオペレータ制御ユニット通信サブシステムと、
オペレータ制御ユニットの位置を決定するよう構成されたオペレータ制御ユニット・ナビゲーション・サブシステムと、
ロボット位置データ、タレット配向データ、及びオペレータ制御ユニットの位置に応答して、武器が所定のファン角度以内でオペレータ制御ユニットに向いている場合に所定の動作を取るよう構成されたオペレータ制御ユニット制御器サブシステムと、
を含む遠隔制御される移動ロボット・システム。
【請求項17】
前記動作は、ユーザ・インターフェースに警報を提供することを含む請求項16に記載のロボット・システム。
【請求項18】
前記動作は、武器が発射されることができないように、何等かのユーザ・インターフェース武器指令を不能化することを含む請求項16に記載のロボット・システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate


【公表番号】特表2011−508175(P2011−508175A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539413(P2010−539413)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/008700
【国際公開番号】WO2009/078889
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(599138308)フォスター−ミラー・インク (6)