説明

狭い所に投入できる釣具

【課題】木の下または源流など釣場の狭い所では、木の枝や蜘蛛の巣又は流木等の障害物により、釣針が引っ掛り、狙ったポイントに釣針を投入する事自体困難であるが、その投入する事が不可能であったポイントに釣針を落下させることができる釣具を提供する。
【解決手段】小型軽量の本体の外周部に凸部及び凹部の形状を、そして、内部に釣針及びオモリなどの仕掛の格納部を設けた糸巻部を釣竿に着脱可能に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、狭い所に釣針の投入を可能にする釣具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
魚釣りは、魚が居そうな所(以下ポイントという)に釣針(擬餌針または餌等を付けた釣針をいう)を投入することである。その為に釣針をポイント上に持って行き落下させて投入(落下投入)するには、ポイントの水面上に仕掛を持って行くことが必要である。
この場合にポイントの水面からポイント上の障害物迄の高さ(距離)が仕掛の長さ(距離)以上に必要である。
ここでいう仕掛とは、穂先(釣竿の先端)に結ぶ釣糸から目印やオモリを含め釣針までの仕組みである。ポイントに釣針を落下投入するために前述の高さ以下に釣場に応じて仕掛全体の長さをその都度調節して穂先に結び釣竿で操作して投入する。
たとえば木の下や小谷の狭いポイントでは、釣竿の長さをも調節してポイントに仕掛を落下投入している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
木の枝の下または蜘蛛の巣などの中にあるポイントでは仕掛の長さを短くしてポイント上に釣針を持って行き落下投入してもポイントに釣針が届かないという問題点があり、仕掛を長くすれば木の枝や蜘蛛の巣又は倒木等の障害物に仕掛が引っ掛り投入する事自体が困難であるという問題点があった。
すなはち、この様なポイントには釣針の落下投入は困難であった。
【0004】
この発明は、上記のように従来は釣針の投入が困難であったポイントに仕掛の長さを簡単に短時間で調節して釣針の落下投入を容易にすることができる釣具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1は仕掛を収納する格納部を設けた本体と、この本体を釣竿の穂先近傍に着脱可能にする固定部を有することを特徴とする釣具である。請求項2は格納部に溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の釣具である。請求項3は本体を回転することにより釣竿に着脱可能にした固定部を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の釣具である。請求項4は安定棒を格納部の内部に設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の釣具である。
【0006】
この発明に係わる釣具においては、小型軽量の本体の外周部に凸部と凹部からなるスプール形状の糸巻部を、内部に釣針及びオモリなどの仕掛を格納する格納部を設け、これを固定部により釣竿に着脱可能に固定するものである。
【0007】
固定部は本体に取付けられ、本体を回転することにより釣竿に釣具を着脱可能に固定するものである。
【0008】
本体の内部中央に設けた棒状の形状をなした安定棒は、釣竿の揺れによる釣針など仕掛の格納部からの飛び出しを防止するものである。
【発明の効果】
【0009】
木の下または源流など釣場の狭い所では次々に変化するポイントの環境に応じその都度こまめな長さの仕掛作りから開放されるばかりか、今までは木の枝や蜘蛛の巣又は流木等の障害物などにより仕掛の投入を諦めていた絶好なポイントでも躊躇なく投入が可能になり釣の楽しみが満喫できる。
さらに、短時間に仕掛の調節ができることによる効率の向上と相まって、釣竿と仕掛がコンパクトに収納できるためポイントから次のポイントへ移動することも容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1の本発明の釣具の構成図を示したものである。
【図2】図1で示す釣具の断面図である。
【図3】本発明の本体100の断面図である。
【図4−1】図2の固定部200断面図である。
【図4−2】締付ボス220の図である。
【図4−3】竿挟み230の図である。
【図4−3A】図4−3のA矢視図を示したものである。
【図4−3B】図4−3のB矢視図を示したものである。
【図5】本発明の釣具を装着した使用状態を示すものである。
【図6】本発明の釣具の格納部110に仕掛を装着した上面図である。
【図7】実施の形態2の釣具の構成図固定部300を示したものである。
【図7−A】図7のA矢視図の固定部300の断面図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の釣具の構成図を示したものである。すべてが樹脂で構成され総重量は3g以下であり全長は60mmと小型軽量である。本体100の中央部である仕掛を格納する格納部110は、直径15mm、長さ30mmの円筒形状であり、釣竿に本発明の釣具を着脱可能に固定する固定部200は直径10mm、長さ20mmである。
【0012】
図2は図1の本発明の断面図を示すものであり、図3は図2の要部である本体100及び固定部200の連結ボス210の拡大断面図である。本体100は格納部110の6箇所に均等に設けた格納壁114と溝112で構成し、格納壁114の外面下部は凸部と凹部からなるスプール形状の糸巻111を形成している。
格納部110内には、図6のようにオモリ023及び釣針022などを格納する。
溝112は格納壁114に設けたものでその外側から格納部110内に釣糸021を通す溝で、溝幅は1.5mmで先端はY字形であり、溝112の先端からオモリ023及び釣針022を格納部110内に釣糸021と分離して格納することで釣竿010の揺れなどから発生する仕掛の絡みや落下を防止する効果を得るものである。
安定棒120は、格納部110内の床面中心から直立する棒状の形状で、図6のように安定棒120を中心として釣針022を格納部110内に収納することで釣竿010の揺れなどによる釣針022の飛び出しを防止する為のもので、仕掛の落下投入時には釣針022が円滑に落下する効果を得るものである。
糸巻111は釣糸021を巻くためのものであり、糸巻111の凸部は巻いた釣糸021を落下投入時までずれる事なく保持する為のものである。
【0013】
図4−1は図2の固定部200の拡大断面図である。竿挟み230を筒内に接着固定した締付ボス220が連結ボス210とのネジ接合により連結ボス210の筒内を移動することで連結ボス210の内径より開いている締付ボス220が締まると同時に竿挟み230も締まり釣竿に密着し固定する。
図4−2、図4−3a、図4−3bは締付ボス220の断面図である。締付ボス220は円筒形状であるが、筒内に竿挟み230を接着固定している位置から先端までが竿挟み230と同様に左右に開く様に切り欠いた左右対称の形状である。
図4−3は図4−1の竿挟み230の図で、図4−3Aは図4−3のA矢視図、図4−3Bは図4−3のB矢視図である。竿挟み230は接合面234の上面で締付ボス220の筒内に接着固定している。竿挟み230は釣竿を直接挟むゴム製の密着ゴム231とその外壁である保持部232からなる左右対称の形状で接合面234により一対になっている。
接合面234の下部に取付けた開口板233の幅の寸法は接合面234の幅の寸法より大きいため竿挟み230は常時開口状態を保つ。竿挟み230を閉じた状態で左右の密着ゴム231からなる穴径の直径は1mm以下である。
したがって竿挟み230に釣竿の直径が1mmより大きな位置を挟んだ状態で密着ゴム231が圧縮され釣竿に密着し固定する釣竿の直径は1mmより大きく2.5mm位迄である。
【0014】
図5は、釣竿に本発明の釣具を仕掛と共に上向きに装着したところを示すものである。
竿の先端に結んだ仕掛を糸巻111に緩まないように巻き付ける。
次に残りの仕掛を糸巻111の上部の格納壁114外側に4〜5回巻き付ける。この時、仕掛にオモリ023がある場合は図6のように溝112の先端から格納壁114の内側である格納部110内にオモリ023を入れ溝112から釣糸021を出し格納部110内下部に格納する。
更に残りの仕掛を格納壁114外側に巻き付け最後に溝112の先端から釣糸021を通し安定棒120を中心とした状態で釣針022を格納部110内部に入れる。
図5のように釣竿に固定した本発明の釣具に仕掛を格納した状態を保ったまま釣竿010を操作しポイント上に釣具を移動する。
釣具がポイント上に到達したところで釣竿010を回転し釣具をポイント上で下向きにすると仕掛は格納した逆の順に落下投入を開始する。
釣針022が安定棒120を中心とした状態で滑りながら落下を開始すると格納壁114外側に巻かれた仕掛も釣針022の落下に引かれながら緩み順次解かれ落下を継続する。オモリ023は、釣針022側の釣糸021が溝112の溝から外れると自身の重みで溝112の溝に沿って格納部110内部から落下する。格納壁114外側に巻かれた仕掛が全て解かれると、糸巻111に巻かれた仕掛も順次解かれ落下を継続し釣具から全ての仕掛が落下投入を終了する。
【0015】
実施の形態2.
上記の実施の形態1では釣竿を挟むことで釣具を釣竿に密着し固定する説明をしたが、挟まずに釣竿を穴に通した後、1つの通し穴の位置を移動する事で釣竿と釣具を固定する様にしたのが、この実施の形態2である。
図7は通し穴により釣竿を挟み釣具を密着し固定する釣具を示すものである。
図7−Aは図7のA矢視図の固定部300の断面図である。
戻しバネ331は本体と竿挟み330の間に設けたもので、竿挟み330が結連ボス310の筒内を移動するためのものである。
竿挟み330は釣竿を固定する通し穴332を有し、戻しバネ331の弾力により締付ボス320と戻しバネ331の間で連結ボス310の筒内を移動する。
締付ボス320は戻しバネ331と竿挟み330を連結ボス310の筒内に格納するものである。
締付ボス320から外部に出ている竿挟み330の下部を指で本体(上方の連結ボス310内)に押込む事で連結ボス310の通し穴311の位置に竿挟み330の通し穴332の位置を合わせる。次に、連結ボス310の通し穴311と竿挟み330の通し穴332に釣竿を通し、押している指を放す事で戻しバネ331の弾力により固定しようとする釣竿に竿挟み330が自動的に移動し釣竿を挟み釣具を固定する効果を得るものである。
このように釣竿への釣具の着脱を通し穴にする機構により固定する事ができる。
【0016】
上記説明では、従来は釣針の投入が不可能であった狭いポイント等に釣針を投入することができる場合について述べたが、その他投げ釣等にも利用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0017】
111:糸巻
112:溝
114:格納壁
120:安定棒
210:連結ボス
211:ネジ
220:締付ボス
221:ネジ
222:保持部
231:密着ゴム
232:保持部
233:開口板
234:接合面
010:釣竿
020:仕掛
021:釣糸
022:釣針
023:オモリ
024:目印
310:連結ボス
311:通し穴
312:ネジ
320:締付ボス
321:ネジ
330:竿挟み
331:戻しバネ
332:通し穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕掛を収納する格納部を設けた本体と、この本体を釣竿の穂先近傍に着脱可能にする固定部を有することを特徴とする釣具。
【請求項2】
格納部に溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の釣具。
【請求項3】
固定部は本体を回転することにより釣竿に着脱可能にしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の釣具。
【請求項4】
安定棒を格納部の内部に設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の釣具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図4−3】
image rotate

【図4−3A】
image rotate

【図4−3B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7−A】
image rotate


【公開番号】特開2011−200181(P2011−200181A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71804(P2010−71804)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(710002565)
【Fターム(参考)】