説明

玩具花火

【課題】複数本の線香花火を同時に楽しむことができるようにした玩具花火を提供する。
【解決手段】それぞれ火薬を和紙3に縒り込むことにより火薬部5と紙縒部7とを形成してなる複数本の線香花火1、1・・・を紙縒部にて保持体9により保持させ、各線香花火の火薬部の先端5aを導火手段11により相互に連結したことを特徴とする玩具花火。前記導火手段は紙、より好ましくは和紙、更に好ましくは楮により形成された和紙である。前記導火手段は好ましくは酸化剤を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具花火に関するものであり、更に詳しくは、複数本の線香花火を同時に楽しむことができるようにした玩具花火に係るものである。
【背景技術】
【0002】
線香花火としては、火薬を和紙に縒り込むことにより火薬部と紙縒部とを形成してなるものが古くから知られている。
【0003】
特開2005−188802号公報は、火薬部と紙縒部とよりなり、該火薬部は線香火薬と伝火薬と色火薬との三つの火薬層を有することを特徴とする線香花火を開示している。
【特許文献1】特開2005−188802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
線香花火は、着火後、火薬が激しく燃焼し、続いて火球が形成され、該火球から松葉状の火花が飛散する極めて面白い花火である。
【0005】
線香花火は、火球と該火球から飛散する松葉状の火花とを楽しむものであるため、従来より一本ずつ手に持って使用されているのであるが、本発明は、複数本の線香花火を同時に楽しむことができるようにした玩具花火を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は下記の線香花火を提供する。
【0007】
(1)それぞれ火薬を和紙に縒り込むことにより火薬部と紙縒部とを形成してなる複数本の線香花火を紙縒部にて保持体により保持させ、各線香花火の火薬部の先端を導火手段により相互に連結したことを特徴とする玩具花火(請求項1)。
【0008】
(2)前記導火手段は紙である(請求項2)。
【0009】
(3)前記導火手段は和紙である(請求項3)。
【0010】
(4)前記導火手段は楮により形成された和紙である(請求項4)。
【0011】
(5)前記導火手段は酸化剤を有する(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
導火手段に点火すると、火は順次、各線香花火の火薬部に移り、各線香花火の火薬部が燃焼し、続いて火球を形成し、該火球から松葉状の火花が飛散する。即ち、請求項1の発明によれば、複数本の線香花火における火球と該火球から飛散する松葉状の火花とを同時に楽しむことができるという従来の線香花火では得られない面白みが発揮される。
【0013】
[請求項2の発明]
導火手段は紙により形成されているため、導火手段の紙の繊維が各線香花火の和紙の繊維と共に巻き上げられて火球が好ましく形成される。
【0014】
[請求項3の発明]
導火手段は和紙により形成されているため、導火手段の和紙の繊維が各線香花火の和紙の繊維と共に一体的に巻き上げられて火球がより好ましく形成される。
【0015】
[請求項4の発明]
導火手段は楮により形成された和紙であるため、導火手段の和紙の繊維が各線香花火の和紙の繊維と共に一体的に巻き上げられてより大きな火球が好ましく形成される。
【0016】
[請求項5の発明]
導火手段たる紙ないし和紙は酸化剤を有するため、導火手段がより速く燃えると共に線香花火の火薬部に対する火の移りが速くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
符号1に示すものは線香花火である。
【0018】
線香花火1は、従来の線香花火と同様に、火薬を和紙3に縒り込むことにより火薬部5と紙縒部7とを形成してなるものである。
【0019】
線香花火1の火薬は、種々考えられるが、一例として、硝酸カリウム55重量%と、硫黄30重量%と、油煙5重量%と、麻炭6重量%と、アントラセン4重量%とよりなる。
【0020】
和紙3は、繊維の方向が不規則であって破れ難く丈夫で薄いものが好ましく使用される。
【0021】
和紙3は楮により形成したものが最も好ましく使用される。
【0022】
しかして、本発明においては、複数本の線香花火1、1・・・を紙縒部7にて保持体9により保持させ、各線香花火1の火薬部5の先端5aを導火手段11により相互に連結する。
【0023】
保持体9は、一例として、厚紙を二重に折り重ね、複数本の線香花火1、1・・・における紙縒部7を挿通させて支持するようにしたものとするが、保持体9はこのものに限定されるものではなく、紐等により形成しても差し支えない。
【0024】
導火手段11は、好ましくは、紙により形成される。
【0025】
導火手段11は、より好ましくは、線香花火1に用いられている和紙3と同様の和紙により形成される。
【0026】
導火手段11は、更に好ましくは、線香花火1に用いられている和紙3と同様に楮により形成された和紙である。
【0027】
導火手段11を形成する和紙等の紙は酸化剤を有する。
【0028】
即ち、導火手段11を形成する和紙等の紙には、例えば硝酸カリウム等の酸化剤を塗着し又は含浸させる。
【0029】
なお、符号13に示すものは点火手段としてのロウソクである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による玩具花火の一例を示す斜視図である。
【図2】同上玩具花火の断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 線香花火
3 和紙
5 火薬部
5a 先端
7 紙縒部
9 保持体
11 導火手段
13 ロウソク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ火薬を和紙に縒り込むことにより火薬部と紙縒部とを形成してなる複数本の線香花火を紙縒部にて保持体により保持させ、各線香花火の火薬部の先端を導火手段により相互に連結したことを特徴とする玩具花火。
【請求項2】
前記導火手段は紙であることを特徴とする請求項1に記載の玩具花火。
【請求項3】
前記導火手段は和紙であることを特徴とする請求項1に記載の玩具花火。
【請求項4】
前記導火手段は楮により形成された和紙であることを特徴とする請求項1に記載の玩具花火。
【請求項5】
前記導火手段は酸化剤を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の玩具花火。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−70043(P2008−70043A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249033(P2006−249033)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(592072551)井上玩具煙火株式会社 (7)
【Fターム(参考)】