説明

現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成ユニット及び画像形成装置

【課題】立体画像の耐久性を向上させることができるようにする。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、及び該結着樹脂に内添され、溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成る。内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされる。現像剤は、少なくとも結着樹脂、及び溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成り、該内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされるので、十分な高さの立体画像を形成することができるだけでなく、立体画像の耐久性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、感光体ドラムの表面が、帯電ローラによって帯電させられ、LEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化された現像剤としてのトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成されるようになっている。そして、該トナー像は、転写ローラによって用紙上に転写され、定着器によって定着させ、画像が形成される。また、転写後に前記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング装置によって除去される。
【0003】
ところで、発泡剤を内包したトナー(以下「発泡剤内包トナー」という。)を使用し、定着プロセス後に立体的な画像(以下「立体画像」という。)を形成するようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−131875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいて、立体画像が形成された用紙は、必ずしも慎重に扱われるとは限らず、様々な形態で使用されるので、立体画像の強度、すなわち、画像強度が重要になる。ところが、発泡剤内包トナーを使用した立体画像中には気泡が形成されるので、気泡の周囲のトナーを構成していた樹脂の強度が低く、用紙の扱い方によっては立体画像が壊れてしまう。
【0005】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、立体画像の耐久性を向上させることができる現像剤、現像剤カートリッジ、画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の現像剤においては、少なくとも結着樹脂、及び該結着樹脂に内添され、溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成る。
【0007】
そして、該内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現像剤においては、少なくとも結着樹脂、及び該結着樹脂に内添され、溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成る。
【0009】
そして、該内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされる。
【0010】
この場合、現像剤は、少なくとも結着樹脂、及び溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成り、該内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされるので、十分な高さの立体画像を形成することができるだけでなく、立体画像の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図、図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの本体の動作を説明する断面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの断面図である。
【0013】
図2において、101は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニット(IDユニット)13Bk、13Y、13M、13Cを備えるプリンタである。前記画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cは、各色の像担持体としての感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cを備える。
【0014】
また、前記プリンタ101は、媒体としての用紙14を収納する媒体収容部としての用紙カセット22、前記用紙14を搬送する用紙搬送ローラ15a〜15x、前記画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cにおいて形成された各色の現像剤像としてのトナー像をそれぞれ転写するための、第1の転写部材としての、かつ、搬送部材としての転写ベルト16、該転写ベルト16を介して感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cと対向させて配設された第2の転写部材としての転写ローラ17Bk、17Y、17M、17C、転写ベルト16を矢印f、r方向に走行させるドライブローラ18a、18b、用紙14を案内する可動式の媒体案内部材としての用紙走行ガイド19a、19b、転写ベルト16に付着した現像剤としてのトナーを除去する転写ベルトクリーニングブレード20、該転写ベルトクリーニングブレード20によって除去されたトナーを溜める廃棄現像剤タンク21、用紙14上に形成されたトナー像を定着させる定着装置としてのオイルタンクレスの定着器23、前記感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cと対向させて配設された各色の露光装置としてのLEDヘッド33Bk、33Y、33M、33C等を備える。
【0015】
前記定着器23は、矢印i方向に回転させられ、中空で円筒状のアルミニウム製の芯金にシリコーンゴム製の耐熱弾性層を被覆し、更にその上にPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを被覆することによって形成される第1のローラとしての発熱ローラ25、該発熱ローラ25の芯金内に配設され、ハロゲンランプから成る加熱体27、矢印j方向に回転させられ、アルミニウム製の芯金にシリコーンゴム製の耐熱弾性層を被覆し、更にその上にPFAチューブを被覆することによって形成され、発熱ローラ25との間に圧接部を形成する第2のローラとしての加圧ローラ26、及び加熱ローラ25の近傍において発熱ローラ25と非接触状態で配設され、発熱ローラ25の表面温度を検出する表面温度検出部材としてのサーミスタ28を備える。
【0016】
次に、前記画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cについて説明する。なお、この場合、画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cの構造は同じであり、各画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに収容される各トナーTの色だけが異なるので、画像形成ユニット13Bkについてだけ説明する。
【0017】
図1、3及び4において、画像形成ユニット13Bkは、画像形成ユニット13Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体131、及び該画像形成ユニット本体131に対して着脱自在に搭載された現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ41を備える。前記画像形成ユニット本体131は、有機系感光体によって形成された感光体ドラム31Bkを備え、該感光体ドラム31Bkは、導電性支持体としてのアルミニウム製の金属パイプに、光導電層としての電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層することによって形成される。
【0018】
また、画像形成ユニット13Bkは、金属シャフト及び半導電性エピクロロヒドリンゴム層を備えた帯電装置としての帯電ローラ32、金属シャフト及び半導電性ウレタンゴム層を備えた現像剤担持体としての現像ローラ34、金属シャフト及び半導電性発泡シリコーンスポンジ層を備えた現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ35、結着樹脂としてポリエステル樹脂が使用され、内部添加剤として帯電制御剤、離型剤、着色剤等が添加され、外部添加剤としてシリカ等が添加されたブラックのトナーT、現像剤規制部材としてのステンレス製の現像ブレード(弾性ブレード)37、クリーニング装置を構成するクリーニング部材としてのウレタンゴム製のクリーニングブレード38等を備える。
【0019】
そして、前記トナーカートリッジ41は、内部に回転自在に配設された攪拌バー42、底部に開閉自在に配設されたシャッタ43を備える。
【0020】
次に、前記構成のプリンタ101の動作について説明する。
【0021】
まず、画像形成プロセスにおいて、感光体ドラム31Bkが図示されない駆動部によって矢印a方向に一定の周速度で回転させられる。そして、感光体ドラム31Bkと接触させて配設された帯電ローラ32が、矢印d方向に回転しながら、帯電ローラ32用の図示されない高圧電源からの直流電圧を感光体ドラムBkの表面に印加し、該表面を一様に帯電させる。
【0022】
次に、露光プロセスにおいて、LEDヘッド33Bkが感光体ドラム31Bkに対向させて配設され、前記LEDヘッド33Bkによって、画像信号に対応した光が感光体ドラム31Bkに照射され、光が照射された部分の電位が低くなり、感光体ドラム31Bk上に静電潜像が形成される。
【0023】
一方、現像プロセスにおいて、図1に示されるように、画像形成ユニット本体131にトナーカートリッジ41がセットされた状態で、図4に示されるように、攪拌バー42が矢印t、u方向に回転し、シャッタ43が矢印s方向に移動させられ、トナーTは矢印v方向に落下し、画像形成ユニット本体131に供給される。そして、トナー供給ローラ35用の図示されない高圧電源によって電圧が印加されたトナー供給ローラ35が矢印c方向に回転させられると、トナーTは現像ローラ34に供給される。該現像ローラ34は、感光体ドラム31Bkと接触させて配設され、現像ローラ34用の図示されない高圧電源によって電圧が印加される。そして、現像ローラ34は、矢印b方向に回転させられ、トナー供給ローラ35から供給されたトナーTを吸着し、回転方向におけるトナー供給ローラ35より下流側に配設され、現像ローラ34に圧接させられた現像ブレード37は、現像ローラ34の表面に均一な厚さのトナー層を形成する。
【0024】
ここで、感光体ドラム31Bkの導電性支持体と現像ローラ34との間には、現像ローラ34用の図示されない高圧電源によってバイアス電圧が印加されているだけであり、感光体ドラム31Bkと現像ローラ34との間に、感光体ドラム31Bk上に形成された静電潜像に伴う電気力線が発生する。このため、現像ローラ34上の帯電させられたトナーTは、静電気力によって感光体ドラム31Bk上に付着させられ、静電潜像が反転現像によって現像されてトナー像が形成される。
【0025】
また、図2において、用紙カセット22に収容された用紙14は、用紙搬送ローラ15a、15bによって用紙カセット22から矢印l方向に繰り出され、図示されない記録紙ガイドに沿って用紙搬送ローラ15c〜15fによって矢印e方向に進み、転写ベルト16に送られる。
【0026】
次に、転写プロセスにおいて、転写ベルト16を介して転写ローラ17Bk用の図示されない高圧電源によって転写ローラ17Bkに電圧が印加され、該転写ローラ17Bkは、矢印g方向に回転させられ、用紙14上に、感光体ドラム31Bk上に形成されたブラックのトナー像が転写される。その後、用紙14は、転写ベルト16上を矢印f方向に沿って進み、画像形成ユニット13Y及び転写ローラ17Yによってイエローのトナー像が、画像形成ユニット13M及び転写ローラ17Mによってマゼンタのトナー像が、画像形成ユニット13C及び転写ローラ17Cによってシアンのトナー像が順次重ねて転写される。このようにして、用紙14にカラーのトナー像が転写される。
【0027】
次に、定着プロセスにおいて、カラーのトナー像が転写された用紙14は、矢印h方向に搬送され、定着器23に送られる。該定着器23において、図示されない制御部の温度制御処理手段は、前記サーミスタ28によって検出された発熱ローラ25の表面温度に基づいて、加熱体27を選択的に通電させ、発熱ローラ25の表面温度を制御して所定の温度に維持する。
【0028】
そして、用紙14は、所定の表面温度に維持され、矢印i方向に回転する発熱ローラ25と、矢印j方向に回転する加圧ローラ26との間に進み、その際、発熱ローラ25の熱によって用紙14上のトナーが溶融し、更に、溶融したトナー像が前記圧接部で加圧され、トナー像が用紙14に定着させられる。
【0029】
トナー像が定着させられた用紙14は、片面印刷時には、用紙搬送ローラ15g〜15jによって矢印k方向に搬送され、プリンタ101外に排出される。
【0030】
また、両面印刷時には、用紙走行ガイド19aの向きが切り替えられ、用紙14は、用紙搬送ローラ15k、15lによって搬送され、用紙走行ガイド19bを通過し、そのまま用紙搬送ローラ15w、15xによって矢印m方向に搬送され、用紙14の後端が用紙搬送ローラ15k、15lに挟まれている状態で停止せられる。続いて、用紙走行ガイド19bの向きが切り替えられ、用紙搬送ローラ15k、15lの回転が逆にされ、用紙14は、矢印n方向に進み、用紙搬送ローラ15m〜15vによって矢印n〜q方向に搬送される。そして、用紙14は、用紙搬送ローラ15c〜15fによって矢印e方向に進み、転写ベルト16に送られ、片面印刷時と同様の、現像プロセス、転写プロセス及び定着プロセスが行われ、用紙搬送ローラ15g〜15jによって矢印k方向に搬送され、プリンタ101外に排出される。
【0031】
また、クリーニングプロセスにおいて、転写後の感光体ドラム31Bk上にわずかに残留したトナーTは、クリーニングブレード38によって除去される。該クリーニングブレード38は、感光体ドラム31Bkの軸方向に延在させて配設され、先端が感光体ドラム31Bkの表面に当接させられ、根元部分は剛性の支持基板に取り付けられて固定される。この場合、クリーニングブレード38が感光体ドラム31Bkの表面に当接したままの状態で、感光体ドラム31Bkが回転させられると、残留したトナーTはクリーニングブレード38によって除去される。このようにして、感光体ドラム31Bkは繰り返し利用される。
【0032】
また、連続通紙時の紙間等では、画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cから帯電不良のトナーTが転写ベルト16に付着することがあるが、転写ベルト16に付着したトナーTは、先端が転写ベルト16の表面に当接させられた転写ベルトクリーニングブレード20によって除去され、廃棄現像剤タンク21に溜められる。このようにして、転写ベルト16は繰り返し利用される。
【0033】
次に、立体画像を形成するためのトナーTの製造方法について説明する。
【0034】
前処理として、JIS−Z−8801−1994に規定された目開き75〔μm〕のふるいの上段に目開き106〔μm〕のふるいを乗せ、上段の目開き106〔μm〕のふるいにナイロンパウダー(溶融温度:215〔℃〕)を乗せた状態で、下段のふるいの下からトナー用掃除機CV−TN96(株式会社日立製作所製)によってナイロンパウダーを吸引し、下段のふるい上に残ったナイロンパウダーを取り出すと、粒径75〔μm〕以上、かつ、106〔μm〕以下のナイロンパウダーが混合物Aとして得られる。
【0035】
次に、結着樹脂(ポリエステル樹脂、数平均分子量Mn:3700、ガラス転移温度Tg:62〔℃〕)を100重量部、帯電制御剤としてのサリチル酸錯体(オリエント化学工業社製、ボントロンE−84)を0.2重量部、着色剤としてのMOGUL−L(キャボット社製)を4.0重量部、離型剤としてのカルナウバワックス(加藤洋行社製、カルナウバワックス1号粉末)を3.0重量部と、混合物Aを5.0重量部とをヘンシェルミキサーを使用して混合した後、二軸押出機によって100〔℃〕の温度下で混練し、冷却した後、直径2〔mm〕のスクリーンを有するカッターミルで粗砕化し、その後、衝突版式粉砕機であるディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業株式会社製)を使用して粉砕し、続いて、風力分級機を使用して分級を行い、トナー母体を得た。なお、このとき、混合物Aによって、内添される粒子、すなわち、内添粒子が構成される。
【0036】
次に、外添工程において、得られたトナー母体100重量部に解砕した(ヘンシェルミキサー(製品名、三井鉱山社製)等の高速攪拌機によって凝集した無機微粒子を分離させた)疎水性シリカR972(日本アエロジル社製、平均一次粒径16〔nm〕)を2.5重量部と、前記同様の解砕方法で解砕した疎水性シリカRY−50(日本アエロジル社製、平均一次粒径40〔nm〕)を2.0重量部とを、10〔リットル〕用のヘンシェルミキサーを使用して3200〔回転/分〕の回転速度で2分間攪拌を行い、得られたトナーをトナー1とする。
【0037】
該トナー1の10箇所を、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して500倍の拡大画像で撮影し、画像処理によって粒子ごとに同じ面積に相当する円相当径を算出し、算出した円相当径の平均値を更に算出し、平均粒径とした。そして、測定の結果、トナー1の平均粒径は、50〔μm〕であった。
【0038】
また、定着温度として、プリンタ101の実機が破損しない最高温度相当の180〔℃〕に熱したホットプレート上にφ30〔mm〕の筒を縦に置き、その中にトナー製造時に使用したナイロンパウダーを1〔g〕入れ、その上から20〔g〕の重りを乗せて荷重をかけ、1分放置した後に取り出し、冷却して常温にしてから走査型電子顕微鏡等の顕微鏡を使用して観察することで、粒子同士の融着がないことが確認できた。これにより、定着プロセスにおいてナイロンパウダーは溶融しないことを確認した。
【実施例】
【0039】
次に、実施例及び比較例について説明する。なお、実施例及び比較例によって本発明が限定されるものではない。
〔実施例1〕
本発明によれば、トナーTに使用される着色剤の色、画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cの位置、画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cのプリンタ101への実装数等に限定されないが、この場合、画像形成ユニット13Bkにおいて画像を形成した。
【0040】
画像形成ユニット13Bkにおいて、平均粒径50〔μm〕のトナー1を適用した。また、画像形成ユニット13Y、13M、13Cについては、それぞれのLEDヘッド33Y、33M、33Cから対向する感光体ドラム31Y、31M、31Cに光を照射しないことで、印刷を行わないように設定した。そして、通紙速度を40〔mm/sec〕に設定し、A4判の標準光沢紙(例えば、OKIエクセレントグロス紙、秤量=128〔g/m2 〕、包装紙開封面の裏面が印刷面になるようにプリンタ101にセット)に、印刷データについて画像形成ユニット13BkだけLEDヘッド33Bkから印刷データに対応する画像信号によって発生させた光を感光体ドラム31Bkに照射し、1枚の印刷を行った。得られた画像について、トナー1の定着部分をカッタで切断し、切断面を横方向から顕微鏡で観察したところ、定着時のトナー1の盛上り量を表す立体画像の高さは、35〔μm〕(溶融に伴って50〔μm〕から低くなり、35〔μm〕になる。)であり、良好な立体印刷(エンボス印刷)が得られた。定着による画像強度、トナー1と紙面との接着力等については、印刷面を内側になるようにA4判の用紙14の幅の中央を縦に折り曲げ、荷重をかけ、用紙14を開いたときにトナー1が紙面から剥がれた幅について確認した。なお、トナー1の剥がれた幅がより小さいほど、定着による画像強度、トナー1と紙面との接着力等が高いことを意味する。そして、定着による画像強度、トナー1と紙面の接着力等を確認したところ、画像上のトナー1の崩れ、剥がれ等はほとんど無く、良好な接着強度であった。
〔実施例2〕
実施例1のトナー1について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー2とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー2に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは40〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー2と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。なお、一般に、粉砕速度を高くすると平均粒径が小さくなり、粉砕速度を低くすると平均粒径が大きくなる。また、分級速度を低くして風を弱くしても、遠くまで飛ばされたトナーの平均粒径は小さく、分級速度を高くして風を強くしても、遠くまで飛ばされないトナーの平均粒径は大きい。
〔比較例1〕
実施例1のトナー1について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー3とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー3に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは45〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0041】
ところが、画像の画線部にトナー3が付着していなかった。そこで、画像形成ユニット13Bkを確認したところ、現像ローラ34上のトナー薄層部にトナー層が形成されていない部分があった。この場合、現像ブレード37及び現像ローラ34において大きいトナー3が詰まり、トナー層の形成を妨げたと考えられる。
〔実施例3〕
実施例1のトナー1について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー4とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー4に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは31〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー4と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
【0042】
この場合、トナー4の平均粒径は15〔μm〕であり、トナー1の平均粒径の50〔μm〕より小さいが、平均粒径が小さい分、トナー4は、現像ローラ34と現像ブレード37との間を積み重なった状態で通過し、感光体ドラム31Bkに付着することによって、立体画像を十分に高くすることができたと考えられる。
〔比較例2〕
実施例1のトナー1について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー5とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー5に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは15〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔実施例4〕
実施例1のトナー1について、前処理として、目開き75〔μm〕のふるい、及び目開き106〔μm〕のふるいに代えて、目開き180〔μm〕のふるいを下段にし、目開き212〔μm〕のふるいを上段にして使用し、他は同様の前記動作を行うことによって、ナイロンパウダーをふるいにかけて得られた粒径180〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下のナイロンパウダーが混合物Bとして得られた。
【0043】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Bを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー6とした。トナー6の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー6に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは37〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー6と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔実施例5〕
実施例4のトナー6について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー7とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー7に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは46〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー7と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例3〕
実施例4のトナー6について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー8とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー8に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは50〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0044】
ところが、画像の画線部にトナー8が付着していなかった。そこで、画像形成ユニット13Bkを確認したところ、現像ローラ34上のトナー薄層部にトナー層が形成されていない部分があった。この場合、現像ブレード37及び現像ローラ34において大きいトナー8が詰まり、トナー層の形成を妨げたと考えられる。
〔実施例6〕
実施例4のトナー6について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー9とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー9に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは33〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー9と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例4〕
実施例4のトナー6について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー10とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー10に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは15〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例5〕
実施例1のトナー1について、前処理として、目開き75〔μm〕のふるい、及び目開き106〔μm〕のふるいに代えて、目開き250〔μm〕のふるいを下段にし、目開き300〔μm〕のふるいを上段にして使用し、他は同様に前記動作を行うことによって、ナイロンパウダーをふるいにかけて得られた粒径250〔μm〕以上、かつ、300〔μm〕以下のナイロンパウダーが混合物Cとして得られた。
【0045】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Cを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー11とした。トナー11の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー11に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは40〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0046】
ところが、定着によるトナー11及び紙面の接着強度を確認したところ、トナー11が紙面から剥がれてしまい、定着不良であった。この場合、トナーの製造時、混合物Cが大きすぎてトナーの粒子の表面に軟化温度の高いナイロンパウダーが存在する確率が高くなったために、定着プロセスにおけるトナーの溶融が不十分であり、前記接着強度が不足したと考えられる。
〔比較例6〕
比較例5のトナー11について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー12とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー12に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは49〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量を得られた。
【0047】
ところが、定着によるトナー12及び紙面の接着強度を確認したところ、トナー12が紙面から剥がれてしまい、定着不良であった。この場合、トナーの製造時、混合物Cが大きすぎてトナーの粒子の表面に軟化温度の高いナイロンパウダーが存在する確率が高くなったために、定着プロセスにおけるトナーの溶融が不十分であり、前記接着強度が不足したと考えられる。
〔比較例7〕
比較例5のトナー11について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー13とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー13に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは55〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0048】
ところが、画像の画線部にトナー13が付着していなかった。そこで、画像形成ユニット13Bkを確認したところ、現像ローラ34上のトナー薄層部にトナー層が形成されていない部分があった。この場合、現像ブレード37及び現像ローラ34において大きいトナー13が詰まり、トナー層の形成を妨げたと考えられる。
〔比較例8〕
比較例5のトナー11について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー14とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー14に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは35〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0049】
ところが、定着によるトナー14及び紙面の接着強度を確認したところ、トナー14が紙面から剥がれてしまい、定着不良であった。この場合、トナーの製造時、混合物Cが大きすぎてトナーの粒子の表面に軟化温度の高いナイロンパウダーが存在する確率が高くなったために、定着プロセスにおけるトナーの溶融が不十分であり、前記接着強度が不足したと考えられる。
〔比較例9〕
比較例5のトナー11について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー15とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー15に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは20〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔実施例7〕
実施例1のトナー1について、前処理として、目開き75〔μm〕のふるい、及び目開き106〔μm〕のふるいに代えて、目開き20〔μm〕のふるいを下段にし、目開き45〔μm〕のふるいを上段にして使用し、他は同様に前記動作を行うことによって、ナイロンパウダーをふるいにかけて得られた粒径20〔μm〕以上、かつ、45〔μm〕以下のナイロンパウダーが混合物Dとして得られた。
【0050】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Dを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー16とした。トナー16の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー16に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは33〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー16と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔実施例8〕
実施例7のトナー16について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー17とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー17に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。結果は、立体画像の高さは38〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー17と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例10〕
実施例7のトナー16について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー18とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー18に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは41〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0051】
ところが、画像の画線部にトナー18が付着していなかった。そこで、画像形成ユニット13Bkを確認したところ、現像ローラ34上のトナー薄層部にトナー層が形成されていない部分があった。この場合、現像ブレード37及び現像ローラ34において大きいトナー18が詰まり、トナー層の形成を妨げたと考えられる。
〔実施例9〕
実施例7のトナー16について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー19とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー19に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは30〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー19と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例11〕
実施例7のトナー16について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー20とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー20に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは14〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔実施例10〕
実施例1のトナー1について、前処理として、ナイロンパウダーに代えてシリコンビーズ(溶融温度:300〔℃〕)を使用し、目開き20〔μm〕のふるいを下段にし、目開き45〔μm〕のふるいを上段にして使用し、他は同様に前記動作を行うことによって、シリコンビーズをふるいにかけて得られた粒径20〔μm〕以上、かつ、45〔μm〕以下のシリコンビーズが混合物Eとして得られた。
【0052】
また、シリコンビーズについて、ナイロンパウダーと同様にして180〔℃〕のホットプレートで溶融試験を行ったところ、粒子同士の融着がないことを確認し、これにより、シリコンビーズは定着プロセスで溶融しないことを確認した。
【0053】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Eを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー21とした。トナー21の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー21に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは33〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー21と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔実施例11〕
実施例10のトナー21について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー22とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー22に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは39〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー22と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例12〕
実施例10のトナー21について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー23とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー23に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは42〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。
【0054】
ところが、画像の画線部にトナー23が付着していなかった。そこで、画像形成ユニット13Bkを確認したところ、現像ローラ34上のトナー薄層部にトナー層が形成されていない部分があった。この場合、現像ブレード37及び現像ローラ34において大きいトナー23が詰まり、トナー層の形成を妨げたと考えられる。
〔実施例12〕
実施例10のトナー21について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー24とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー24に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは31〔μm〕であり、立体印刷として十分な盛上り量が得られた。また、定着による画像強度、トナー24と紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
〔比較例13〕
実施例10のトナー21について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー25とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー25に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは13〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例14〕
実施例1のトナー1について、前処理として、ナイロンパウダーに代えてアルミナ(溶融温度:2050〔℃〕、平均粒径:3〔μm〕)を使用し、目開き20〔μm〕のふるいをかけたところ、ふるい上に残留物は無かった。また、前記アルミナを、混合物Fとし、ナイロンパウダーと同様にして180〔℃〕のホットプレートで溶融試験を行ったところ、粒子同士の融着がないことを確認し、これにより、アルミナは定着プロセスで溶融しないことを確認した。
【0055】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Fを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー26とした。トナー26の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー26に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは15〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例15〕
比較例14のトナー26について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー27とし、平均粒径を求めたところ、100〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー27に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは17〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例16〕
比較例14のトナー26について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー28とし、平均粒径を求めたところ、150〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー28に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは20〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例17〕
比較例14のトナー26について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー29とし、平均粒径を求めたところ、15〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー29に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは14〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例18〕
比較例14のトナー26について、製造時の粉砕工程の粉砕速度、分級工程の分級速度等を調整し、得られたトナーをトナー30とし、平均粒径を求めたところ、8〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー30に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは11〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例19〕
実施例1のトナー1について、前処理として、ナイロンパウダーに代えてポリエチレンパウダー(溶融温度:126〔℃〕)を使用し、目開き75〔μm〕のふるいの上段に目開き106〔μm〕のふるいを乗せ、上段の目開き106〔μm〕のふるいにポリエチレンパウダーを乗せて、他は同様に前記動作を行うことによって、ポリエチレンパウダーをふるいにかけて得られた粒径75〔μm〕以上、かつ、106〔μm〕以下のポリエチレンパウダーが混合物Gとして得られた。
【0056】
また、ポリエチレンパウダーについて、ナイロンパウダーと同様にして180〔℃〕のホットプレートで溶融試験を行ったところ、粒子同士の融着が確認された。これにより、ポリエチレンパウダーは定着プロセスで溶融することを確認した。
【0057】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Gを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー31とした。トナー31の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー31に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは15〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例20〕
実施例1のトナー1について、前処理として、ナイロンパウダーに代えてポリメチルメタクリレート(溶融温度:105〔℃〕)を使用し、目開き75〔μm〕のふるいの上段に目開き106〔μm〕のふるいを乗せ、上段の目開き106〔μm〕のふるいにポリメチルメタクリレートを乗せて、他は同様に前記動作を行うことによって、ポリメチルメタクリレートをふるいにかけて得られた粒径75〔μm〕以上、かつ、106〔μm〕以下のポリメチルメタクリレートが混合物Hとして得られた。
【0058】
また、ポリメチルメタクリレートについて、ナイロンパウダーと同様にして180〔℃〕のホットプレートで溶融試験を行ったところ、粒子同士の融着が確認された。これにより、ポリメチルメタクリレートは定着プロセスで溶融することを確認した。
【0059】
トナー1の製造において、混合物Aに代えて混合物Hを内添粒子として使用して製造したトナーをトナー32とした。トナー32の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー32に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは14〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
〔比較例21〕
実施例1のトナー1について、前処理として、混合物をなしにしてトナー1と同様に製造したトナーをトナー33とした。トナー33の平均粒径を求めたところ、50〔μm〕であった。なお、実施例1のトナー1をトナー33に置き換えた以外は同様にして印刷試験を行った。その結果、立体画像の高さは14〔μm〕であり、立体印刷として不十分な盛上り量であった。
【0060】
以上の結果を表1〜4に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
本発明においては、トナーTに使用される着色剤の色、画像形成ユニット13Bkの位置、画像形成ユニット13Bkのプリンタ101への実装数等に限定されず、混合物として、材料を問わず溶融温度が180〔℃〕以上の温度の非溶融物質で、粒径が20〔μm〕以上、かつ、100〔μm〕以下の内添粒子を結着樹脂に内添することによって形成され、平均粒径が20〔μm〕以上、かつ、100〔μm〕以下の粒子から成るトナーTを使用すると、用紙14上に定着したトナーTが表面上に30〔μm〕以上盛り上がり、画像強度、トナーTと用紙14の表面との接着力等が良好な接着強度を有する立体画像を得ることができる。したがって、十分な高さの立体画像を形成することができるだけでなく、立体画像の耐久性を向上させることができる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0067】
この場合、プリンタ101(図2)において、画像形成ユニット13Y、13M、13Cにも現像剤としてのトナーT(図1)を供給し、各画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに印刷データを送り、1枚の媒体としての用紙14内に最大で画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13C分の印刷ができるようにした。すなわち、4色の複数のトナー像を重ねて媒体上に転写し、立体画像を形成した。
〔実施例1〕
トナー1を画像形成ユニット13Bk、13Yに供給し、印刷データに基づいて、露光装置としての各LEDヘッド33Bk、33Yによって像担持体としての感光体ドラム31Bk、31Yをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び用紙14の条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナーTと紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は65〔μm〕であり、画像強度、トナーTと紙面との接着力等も十分な接着強度であり、良好な立体画像が得られた。
〔実施例2〕
トナー1を画像形成ユニット13Bk、13Y、13Mに供給し、印刷データに基づいて、各LEDヘッド33Bk、33Y、33Mによって感光体ドラム31Bk、31Y、31Mをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナー1と紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は95〔μm〕であり、画像強度、トナー1と紙面との接着力等も十分な接着強度であり、良好な立体画像が得られた。
〔実施例3〕
トナー1を画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに供給し、印刷データに基づいて各LEDヘッド33Bk、33Y、33M、33Mによって感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナー1と紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は120〔μm〕であり、画像強度、トナー1と紙面との接着力等も十分な接着強度であり、良好な立体画像が得られた。
〔実施例4〕
トナー2を画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに供給し、印刷データに基づいて各LEDヘッド33Bk、33Y、33M、33Mによって感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナー2と紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は122〔μm〕であり、画像強度、トナー2と紙面との接着力等も十分な接着強度であり、良好な立体画像が得られた。
〔実施例5〕
トナー22を画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに供給し、印刷データに基づいて各LEDヘッド33Bk、33Y、33M、33Mによって感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナー22と紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は126〔μm〕であり、画像強度、トナー22と紙面との接着力等も十分な接着強度であり、良好な立体画像が得られた。
〔比較例1〕
トナー33を画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cに供給し、印刷データに基づいて各LEDヘッド33Bk、33Y、33M、33Mによって感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cをそれぞれ露光し、第1の実施の形態と同様の印刷速度及び条件において1枚の印刷を行った。そして、第1の実施の形態と同様に、立体印刷の盛上り量、及び定着による画像強度、トナー33と紙面との接着力等を測定したところ、立体印刷の盛上り量は45〔μm〕であり、良好であったが、用紙14における画像部が形成された部分を折り、再度用紙14を広げた際、盛り上がったトナー33が崩れて用紙14から剥がれてしまい、接着強度は不十分であった。
【0068】
以上の結果を表5及び6に示す。
【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【0071】
なお、表5及び6の立体画像判定方法において、立体画像の高さが30〔μm〕未満で、画像が立体的に見えない状態を×とし、立体画像の高さが30〔μm〕以上、かつ、40〔μm〕未満で、画像が立体的に見える状態を○とし、立体画像の高さが40〔μm〕以上で、用紙14の表面上、手触りでも確認できた状態を◎とした。
【0072】
このように、混合物として、材料を問わず溶融温度が180〔℃〕の温度の非溶融物質で、平均粒径が20〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕の粒子、好ましくは、平均粒径を15〔μm〕以上、かつ、100〔μm〕以下の粒子が混合されたトナーを使用し、画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cによって印刷を行うことにより、1個の画像形成ユニット13Bkで印刷したときと比べ、立体印刷の盛上り量をより大きくすることができる。
【0073】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0074】
この場合、第2の実施の形態におけるプリンタ101(図2)において、必要に応じて用紙走行ガイド19bの向きを切り替えることで、印刷中の媒体としての用紙14の先端が、用紙搬送ローラ15w、15xの矢印m方向に進まず、矢印n方向の用紙搬送ローラ15m、15nに進み、以降矢印o〜q方向に搬送され、更に矢印e方向に進むことによって、印刷した用紙14の紙面に再び印刷することができる。さらに、必要に応じて用紙走行ガイド19bの向きを切り替えることで、用紙14において両面印刷を行うこともできる。
【0075】
図5は本発明の第3の実施の形態における点字印刷パターンを示す図である。
〔実施例1〕
第2の実施の形態の実施例4において、定着装置としての定着器23(図2)で定着された後の用紙14を、用紙走行ガイド19aによって用紙搬送ローラ15k、15lを通過させ、用紙走行ガイド19bによって矢印n方向に搬送し、再び画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cによって用紙14に前回と同様の印刷パターンの現像及び転写を行い、定着器23を通過させて定着を行い、用紙走行ガイド19aの向きを切り替え、用紙14をプリンタ101外に排出する。
【0076】
このようにして、2回の印刷、すなわち、2回印刷を行うことができる。この場合、得られた画像について盛上り量を測定したところ、201〔μm〕であった。また、画像強度、トナーTと紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。一般に、図5に示されるような点字印刷パターンにおいて必要とされる盛上り量は200〔μm〕以上であるので、この場合、点字印刷として使用できることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1において、2回印刷の際に、定着器23で定着された後の用紙14をプリンタ101外に排出せず、用紙走行ガイド19aによって用紙搬送ローラ15k、15lを通過させ、用紙走行ガイド19bによって矢印n方向に用紙14を搬送し、再び画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cによって用紙14に前回と同様の印刷パターンの現像及び転写を行い、定着器23を通過させて定着を行い、用紙走行ガイド19aの向きを切り替え、用紙14をプリンタ101外に排出する。
【0077】
このようにして、3回の印刷、すなわち、3回印刷を行うことができる。この場合、得られた画像について盛上り量を測定したところ、290〔μm〕であった。また、画像強度、トナーTと紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。2回印刷以上に、3回印刷の画像を点字印刷として使用できることが確認された。
〔実施例3〕
実施例2において、3回印刷の際に、定着器23で定着された後の用紙14をプリンタ101外に排出せず、用紙走行ガイド19aによって用紙搬送ローラ15k、15lを通過させ、用紙走行ガイド19bによって矢印n方向に用紙14を搬送し、再び画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cによって用紙14に前回と同様の印刷パターンの現像及び転写を行い、定着器23を通過させて定着を行い、用紙走行ガイド19aの向きを切り替え、用紙14をプリンタ101外に排出する。
【0078】
このようにして、4回の印刷、すなわち、4回印刷を行うことができる。この場合、得られた画像について盛上り量を測定したところ、330〔μm〕であった。また、画像強度、トナーTと紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。3回印刷以上に、4回印刷の画像を点字印刷として使用できることが確認された。
〔比較例1〕
実施例3において、4回印刷の際に、定着器23で定着された後の用紙14をプリンタ101外に排出せず、用紙走行ガイド19aによって用紙搬送ローラ15k、15lを通過させ、用紙走行ガイド19bによって矢印n方向に用紙14を搬送し、再び画像形成ユニット13Bk、13Y、13M、13Cによって用紙14に前回と同様の印刷パターンの現像及び転写を行い、定着器23を通過させて定着を行い、用紙走行ガイド19aの向きを切り替え、用紙14をプリンタ101外に排出する。
【0079】
このようにして、5回の印刷、すなわち、5回印刷を行うことができる。この場合、得られた画像について盛上り量を測定したところ、350〔μm〕であった。また、画像強度、トナーTと紙面との接着力等を確認したところ、良好な接着強度であった。
【0080】
ところが、この場合、既に形成された画像の上にトナー像を転写する際に、既に定着させられたトナー像が盛り上がっているので、更に重ねてトナー像を転写しようとすると、新たに転写しようとするトナー像が画像の脇に押し出され、盛上り量の増加が少なくなり、画像が太ってしまい、認識が困難になった。また、定着プロセスが5回繰り返されたことによって用紙14の水分が蒸発し、排出された用紙14にしわが発生してしまった。このことから、5回印刷を行うのは好ましくない。
【0081】
このように、用紙14に対して1回印刷を行った後、更に101外に排出することなく、更に重ねて複数回印刷を行うことによって、立体画像を点字印刷として使用することができる。
【0082】
なお、前記各実施の形態においては、結着樹脂としてポリエステル系樹脂が使用されるようになっているが、該ポリエステル系樹脂に代えて、一般的にトナーTに使用される樹脂、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等を使用することができる。
【0083】
また、前記各実施の形態においては、離型剤としてカルナバワックスが使用されるようになっているが、該カルナバワックスに代えて、一般的にトナーTに使用される離型剤、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等を使用することができる。なお、離型剤として、複数のワックスを併用することもできる。また、離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、かつ、25質量部以下、好ましくは、0.5質量部以上、かつ、15質量部以下にされる。
【0084】
そして、前記各実施の形態においては、着色剤としてMOGUL−Lが使用されるようになっているが、該MOGUL−Lに代えて、一般的にブラックのトナーT又はカラーのトナーTに使用される染料、顔料等の着色剤、例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ピグメントブルー15:3、ソルベントブルー35、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等を使用することができる。また、着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、かつ、25質量部以下が好ましい。
【0085】
本発明に使用されるトナーTには、荷電制御剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤等の添加剤を適宜添加することができる。また、本発明に使用されるトナーには、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性等を向上させるために無機微粉体が混合され、該無機微粉体は、疎水性無機微粉体であり、トナーTに外添されていることが好ましい。なお、無機微粉体としては、シリカ微粉体、又はそれらの疎水化物等を使用することができる。
【0086】
さらに、本発明の画像形成方法は、感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31C上に静電潜像を形成する露光プロセス、前記静電潜像を現像ローラ34上のトナーTを使用して現像する現像プロセス、現像されたトナー像を用紙14に転写する転写プロセス、用紙14上のトナー像を定着させる定着プロセス等を有し、本発明の非磁性一成分のトナーTは、現像プロセスにおいて使用される。
【0087】
前記露光プロセスにおいては、電子写真法又は静電記録法によって、感光層又は誘電体層等の感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31C上に静電潜像が形成されるようになっている。本発明に使用される感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cの感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等を使用することができる。また、感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cは、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出して成形した後、表面加工等を行うことによって形成することができる。
【0088】
前記現像プロセスにおいては、現像ローラ34によって形成された回転円筒体上に、トナー供給ローラ35によって供給されたトナーTを、現像ブレード37等によって薄層に形成し、現像ローラ34と感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cとの間の当接部まで搬送し、現像ローラ34と感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cとの間の現像部において接触させ、現像ローラ34と感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cとの間にバイアス電圧を印加することによって静電潜像を現像するようになっている。
【0089】
本発明に使用される現像ローラ34としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の弾性体ローラを使用することができ、トナーTの搬送性及び帯電性を調整するために、基体の表面の研磨、ブラスト処理等の表面処理、樹脂によるコーティング等が施される。また、現像ブレード34としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、SUS等の弾性体を使用するのが好ましく、トナーTの帯電量を調整するために、弾性体中に有機物又は無機物を添加し、分散させることができる。
【0090】
本発明に使用されるクリーニングブレード38としては、ウレタンゴム、エポキシゴム、アクリルゴム、フッ素樹脂ゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム等の弾性体を使用することができる。
【0091】
転写プロセスにおいては、感光体ドラム31Bk、31Y、31M、31Cに転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cを圧接させたり、コロトロンを使用したりすることができる。
【0092】
定着プロセスにおいては、加熱ローラ定着方式、ベルト定着方式等を使用することができる。
【0093】
また、前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタ101について説明したが、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等に適用することができる。
【0094】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの本体の動作を説明する断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における点字印刷パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0096】
13Bk、13Y、13M、13C 画像形成ユニット
41 トナーカートリッジ
101 プリンタ
T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも結着樹脂、及び該結着樹脂に内添され、溶融温度が結着樹脂より高い180〔℃〕以上の粒子である内添粒子から成り、
(b)該内添粒子の粒径は、15〔μm〕以上、かつ、212〔μm〕以下にされることを特徴とする現像剤。
【請求項2】
前記内添粒子を含む結着樹脂から成る粒子の平均粒径は20〔μm〕以上、かつ、100〔μm〕以下にされる請求項1に記載の現像剤。
【請求項3】
前記結着樹脂の溶融温度は110〔℃〕以上、かつ、140〔℃〕以下にされる請求項1に記載の現像剤。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤が収容された現像剤カートリッジ。
【請求項5】
前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤を使用した画像形成ユニット。
【請求項6】
前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤を使用した画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−75400(P2009−75400A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245076(P2007−245076)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】