説明

現像剤の製造方法

【課題】高圧ホモジナイザーを用いて低コストで現像剤を製造する。
【解決手段】バインダー樹脂を含有する粒状化されたトナー材料と、水系媒体とを含有するトナー材料分散液を調製し、高圧式ホモジナイザーに分散液を通し、分散液を機械的せん断に供し、粒状化されたトナー材料を微細に粒状化して、微粒子を形成することを含む現像剤の製造方法において、高圧式ホモジナイザーの加圧部に衝撃付与部を有する逆止弁が設けられ、逆止弁に衝撃付与部から衝撃を与えて逆止弁の詰まりを防止しながら、機械的せん断を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施態様は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法等における静電荷像、磁気潜像を現像するための現像剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法では、像担持体上に電気的な潜像を形成し、ついで潜像をトナーによって現像し、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱・加圧等の手段によって定着する。使用するトナーは、従来の単色ブラックのみならず、フルカラー画像を形成するために、複数色のトナーを用いて画像を形成している。
【0003】
トナーは、キャリア粒子と混合して使用される2成分系現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーとして使用される1成分系現像剤とがある。これらトナーの製法は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、バインダー樹脂、顔料、ワックスなどの離型剤、帯電制御剤等を溶融混練し、冷却後に粗粉砕、微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。混練粉砕法により製造されたトナー粒子表面には、目的に応じ、表面に無機及び/又は有機の微粒子が添加され、トナーが得られる。
【0004】
混練粉砕法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は不均一である。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するが、形状を意図的に制御することは困難である。
【0005】
また、特に粉砕性の高い材料を用いた場合、現像機内での種々のストレスにより、さらに微粉化されたり、形状が変化し、その結果、2成分系現像剤においては、微粉化されたトナーがキャリア表面へ固着して現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナーが飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質が劣化するという問題が生じていた。
【0006】
また、トナーがワックスなどの離型剤を含む場合、バインダー樹脂と離型剤の界面にて粉砕が起きやすいため、トナーの表面に離型剤が露出することがある。特に高弾性を有する粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスからなるトナーの場合、トナーの表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナーの表面のポリエチレンが、現像機内での剪断力等の機械力により、トナーから脱離し、現像ロール、像担持体、及びキャリア等に容易に移行し得る。このため、ワックスによる、現像ロール、像担持体、及びキャリア等汚染が生じ易く、現像剤としての信頼性が低下することがあった。
【0007】
このような事情の下、近年、トナー粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーの製造方法として、乳化重合凝集法が提案されている。
【0008】
乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を作成し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作成し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成した後、加熱することによって融合し、トナー粒子を得る方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
【0009】
乳化重合凝集法では、少なくとも樹脂微粒子の分散液、及び着色剤の分散液を所定の条件で凝集・融着させることにより得ることができる。しかしながら、乳化重合凝集法は合成し得る樹脂の種類に制約があり、スチレン−アクリル系共重合体の製造には好適だが、定着性が良好であることが知られているポリエステル樹脂を適用することができない。
【0010】
これに対し、ポリエステル樹脂を用いたトナーの製造方法として、有機溶剤に溶解させた溶液に顔料分散液等を添加し、これに水を加える転相乳化法があるが、有機溶剤を除去回収する必要がある。有機溶剤を使用せずに水系媒体中で機械的撹拌により微粒子を製造する方法が提案されている。しかしながら、溶融状態の樹脂等を撹拌装置に供給する必要があり、ハンドリングが困難であった。また、形状制御に対する自由度も低く、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができなかった。
【0011】
上記問題点を改善した方法として提案されている製法がある。この製法は、トナー成分材料を溶融混練又は混合した後、加熱により溶融状態にして機械的に微粒子化し、凝集させトナーを作成する。この製法は、有機溶媒を使用することなく、小粒径化、及び形状制御が可能で、表面組成のばらつきが少なく、良好な定着性及び画質を有する現像剤の製造方法を提供することが可能である。
【0012】
この機械的に微粒化する方法としては高圧式ホモジナイザーのような高圧型湿式微粒化機が優れている。高圧式ホモジナイザーはせん断力が非常に強くトナー成分粒子をサブミクロンオーダーに乳化することが簡易的に、かつ少量の界面活性剤で可能である。
【0013】
また、その微粒子を均一に凝集させトナー粒子を作製すると、均一な組成の小粒径トナーを作製できるため、高画質化及び低CPCが期待できるのに加え、さらに定着性に非常に優れるポリエステルを使用できるため省エネ化が期待できる。
【0014】
この製法において、ポリエステル樹脂の微粒化は、樹脂のTg以上に加熱し、pHをアルカリに調整し、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基を中和しながらせん断力を供すことによって達成されるが、ポリエステル樹脂の加水分解を防止する観点から、微粒化装置としては、瞬間的にせん断力を供すことができる高圧式ホモジナイザーが好ましく用いられる。
【0015】
しかしながら、高圧式ホモジナイザーを用いて混練物を微粒化する際に、せん断力を発生させるノズルと呼ばれる細孔に高圧をかけるために必須である逆止弁において詰まりが発生しやすいために、微粒化処理が不安定になってしまうという欠点があった。
逆止弁部において、例えば開き目300μmのメッシュによる篩いを通らない粗大粒子が1g当たりに1個以上存在している粒子は逆止弁にて詰まりやすく、安定して微粒化することができなかった。詰まりの発生は、粉砕機等で完全に粗大粒子がなくなるよう粉砕することで改善されるが、粉砕のために多大なエネルギーを消費してしまい生産性が悪化してしまう。加えて、20μm以下に微粉砕された粒子は、ぬれ性が悪く、水に分散することが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開昭60−225170号公報
【特許文献2】特開昭63−282749号公報
【特許文献3】特開平6−282099号公報
【特許文献4】特開平9−311502号公報
【特許文献5】特開2007−323071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、高圧ホモジナイザーを用いて低コストで現像剤を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
実施態様によれば、少なくともバインダー樹脂を含有する粒状化されたトナー材料と、水系媒体とを含有するトナー材料分散液を調製する工程、及び
衝撃付与部を設けた逆止弁を備える加圧部、加熱部、ノズル部、及び冷却部を含む高圧式ホモジナイザーに該分散液を通し、該逆止弁に該衝撃付与部から衝撃を与えて該逆止弁の詰まりを防止しながら、該分散液を機械的せん断に供し、該粒状のトナー材料を微細に粒状化して、微粒子を形成する工程を具備する現像剤の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る現像剤の製造方法を表すフロー図である。
【図2】高圧式ホモジナイザーに搭載される逆止弁の一例を表す概略図である。
【図3】実施形態に使用可能な高圧式ホモジナイザー構成の一例を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態にかかる現像剤の製造方法は、少なくともバインダー樹脂を含有する粒状化されたトナー材料と、水系媒体とを含有するトナー材料分散液を調製する工程、及び
加圧部、加熱部、ノズル部、及び冷却部を含む高圧式ホモジナイザーに分散液を通し、分散液を機械的せん断に供し、粒状のトナー材料をさらに細かくして、粒状のトナー材料の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子を形成する工程を含み、加圧部に衝撃付与部を有する逆止弁が設けられ、逆止弁に衝撃付与部から衝撃を与えて逆止弁の詰まりを防止しながら、機械的せん断を行うことが出来る。
【0021】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に、実施形態に係る現像剤の製造方法を表すフローを示す。
【0023】
図示するように、まず、少なくともバインダー樹脂を含有する粒状化されたトナー材料を用意する。次に、粒状化されたトナー材料と水系媒体とを含有するトナー材料分散液を調製する(Act1)。
【0024】
その後、衝撃付与部を設けた逆止弁を備える加圧部、加熱部、ノズル部、及び冷却部を含む高圧式ホモジナイザーに、トナー材料分散液を通して、機械的せん断に供し、該粒状のトナー材料を微細に粒状化して、微粒子を形成する(Act2)。このとき、逆止弁に衝撃付与部から衝撃を与えて逆止弁の詰まりを防止しながら、機械的せん断を行う。
【0025】
機械的せん断後、微粒子を凝集せしめ、凝集粒子を形成することができる(Act3)。
【0026】
その後、例えばフィルタープレスを用いて洗浄し(Act5)、乾燥する(Act6)ことにより、トナー粒子が得られる。
【0027】
なお、凝集粒子の形成(Act3)と、冷却(Act4)との間で、別工程において作成した微粒子を添加し、前記凝集粒子を母粒子としてそこへヘテロ凝集させることにより、凝集粒子のカプセル化を行うことができる。
【0028】
実施形態にかかる現像剤の製造方法では、高圧式ホモジナイザーを用いて機械的せん断を行う。
【0029】
高圧式ホモジナイザーとは、プランジャーポンプ等の高圧ポンプで細孔(以下ノズル)に高圧をかけ、スラリーを通過させることにより発生する収縮流に起因するせん断力によって粒子を微粒化する装置であり、粒子が熱可塑性樹脂を含むものである場合、樹脂のTg以上の温度に加熱し、樹脂を溶融状態にすることにより、無溶剤で微粒化を行うことが可能である。高圧式ホモジナイザーはその高いせん断力により、一般的なロータステータ型の攪拌器に比べて微粒化能力が高いことに加えて、せん断力を瞬間的に供することができる。このため、ポリエステル樹脂等、加水分解する恐れのある樹脂の微粒化に適している。しかしながら、高圧式ホモジナイザーでは、被微粒化粒子の粒径が大きい場合、ノズルに高圧をかけるために必須である逆止弁において詰まりが発生やすい。
【0030】
図2に、高圧式ホモジナイザーに搭載される逆止弁の一例を表す概略図を示す。
【0031】
図2(a)は、逆止弁が開の状態、図2(b)は、逆止弁が閉の状態を各々示す。
【0032】
図示するように、逆止弁20は、導管に設置され、その内部に、スプリング23、ボール22及びボール22を受けるための開孔を有するシール21を有する。
【0033】
ボール22はステンレス等の金属製のものであり、シール21は一般的に樹脂素材であり、高圧ポンプの力でたたきつけられるボールの磨耗等を防止することが可能な素材を用いる。
【0034】
一般的に高圧ポンプひとつにつき、材料流入側と流出側に、少なくとも合計2つの逆止弁が搭載される。
【0035】
一方、閉の状態では、ボール22がシール21に密着して開孔を塞いでおり、流体は、導管内に流れ込むことが出来ない。
【0036】
逆止弁の動作メカニズムは、図2(a)に示すように、送液ポンプにより流入側の逆止弁が開き、続いて図2(b)に示すように、高圧ポンプにより流入側の逆止弁が閉じ、それと同時に流出側の逆止弁が開くことにより材料を微粒化部へ供給する。
【0037】
この一連の流れにおいて材料の逆流を防止するために逆止弁は搭載されるが、100μm以上の粗大粒子を含む場合、送液ポンプ及び高圧ポンプの力によりスプリングが圧縮された際に、スプリング内部で材料が固着してしまうために詰まりが発生する。更に、高圧ポンプの力によりボールがシールにたたきつけられた際にボール及びシールに材料が固着することでも詰まりが発生する。
【0038】
用いる逆止弁の形状等にもよるが、一般的に100μm以上の粒径を有する粒子を含む場合、この詰まりが顕著である。トナー組成混練物を微粒化する際は、溶融混練物を乾式或いは湿式にて100μm以上の粒子を含まないように粉砕或いは乳化することができる。具体的には、開き目300μmのメッシュによる篩いを通らない粗大粒子が存在する場合、詰まりが発生して安定処理することが出来ない場合が多い。
【0039】
これに対し、実施形態にかかる現像剤の製造方法では、逆止弁に衝撃付与部を設け、衝撃付与部から衝撃を与えて逆止弁の詰まりを防止しながら、機械的せん断を行うことにより、詰まりの発生を防止している。
【0040】
図3に、実施形態に使用可能な高圧式ホモジナイザー構成の一例を表す概略図を示す。
【0041】
図示するように、高圧ホモジナイザー10は、ホッパータンク1、送液ポンプ2、高圧ポンプ3、高圧ポンプ3の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた逆止弁12,13、逆止弁12に設けられた衝撃付与部14、逆止弁13に設けられた衝撃付与部15、加熱部4、微粒化部5、減圧部6、冷却部7、及び減圧部8を順に配置した構成と、各部を接続する配管とを含む。
【0042】
ホッパータンク1は、分散液を投入するタンクである。装置稼動時は、装置内に空気を送り込まないよう常に液を満たしておく必要が有る。処理液の粒子径が大きく、沈降性があるものの場合は、さらに攪拌機を設けることができる。
【0043】
衝撃付与部14及び衝撃付与部15は、衝撃付与制御部101と接続されており、衝撃付与制御部101は制御部102と接続されている。衝撃付与制御部101は、制御部102からの情報に応じて、衝撃付与部14及び衝撃付与部15のオンオフ及び衝撃エネルギー等を制御することが出来る。衝撃付与制御部101により、例えば、逆止弁の開閉1回あたり1〜10回の衝撃を付与するように衝撃付与部14のオンオフ制御をすることが出来る。衝撃の回数は、詰まりの発生状況に応じて、適宜変更できる。また、例えば、衝撃エネルギーを0.1N・mないし20N・mに設定することが出来る。衝撃エネルギーもまた、詰まりの発生状況に応じて、適宜変更できる。
【0044】
衝撃付与部14により、逆止弁に衝撃を与えることにより、逆止弁に詰まったトナー材料粒子を振り落とすことができる。これにより、逆止弁の詰まりは容易に解消し得る。投入されるトナー材料粒子の粒状化が粗くても、例えば1g中に開き目300μmメッシュの篩いを通過しない粗大粒子を1ないし10個含むトナー材料粒子を使用しても、高圧ホモジナイザーを逆止弁で詰まらせることがなく、安定して運転が可能となる。このように、高圧ホモジナイザーの動作を安定化することにより、所望の粒径のトナー材料微粒子を効率良く安定して得ることが出来る。
【0045】
また、300μmメッシュの篩いを通過しない粗大粒子を1ないし10個含む程度のトナー材料粒子の微粒化が使用可能であれば、高圧ホモジナイザーに導入する前のトナー材料粒子の粒状化をそれほど細かくする必要がないので、トナー材料粒子の粒状化に係るコストを抑えることが出来る。このため、現像剤製造全体が低コストになる。
【0046】
送液ポンプ2は、高圧ポンプ3に分散液を連続的に送るために設置する。また、高圧ポンプ3の上流側及び下流側に各々設けられた逆止弁12,13での詰まりを回避するためにも有効である。この送液ポンプ2としては、例えばダイアフラムポンプ、チュービングポンプ、ギアポンプ等が使用できる。
【0047】
高圧ポンプ3は、プランジャー式ポンプであり、図示しない処理液入口及び処理液出口に逆止弁を有する。プランジャーの数は生産規模に応じ、1から10個使用される。脈流を極力減らすために、2個以上あることが望ましい。
【0048】
加熱部4は、オイルバス等の加熱器具内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された高圧配管9が設置されている。この加熱部4は、分散液の流れる方向に対し、高圧ポンプ3の上流側または下流側のどちらでも問題が無いが、少なくとも微粒化部5の上流側である必要がある。高圧ポンプ3の上流側に加熱部4を設置する場合は、ホッパー1に加熱装置を付与しても良いが、高温下での滞留時間が長いため、バインダー樹脂の加水分解が起こり易くなる。
【0049】
微粒化部5には、強力なせん断をかけるための微小な径を有するノズルが含まれている。ノズルの径及び形状は様々あるが、ノズル径は0.05mmから0.5mmが望ましく、形状は、通過型ノズル、または衝突型ノズルが望ましい。また、このノズルは多段で構成しても良く、多段にする場合は異なるノズル径を複数並べても良い。複数並べる方法は並列でも直列でも良い。ノズルの材質は高圧に耐えることが可能なダイヤモンド等が使用される。
【0050】
冷却部7には、冷水が連続的に流されるバス内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された配管11が設置されている。
【0051】
必要に応じ、上記冷却部7の前後に減圧部6,8を設けることができる。減圧部の構成としては、微粒化部5のノズル径より、大きくかつ接続配管径より小さい流路を有するセル、または2方向バルブを1つ以上配置する。
【0052】
この高圧型湿式微粒化機による処理は以下のように行う。
【0053】
まず、処理液をホッパーに投入し、微粒化処理を行う。
【0054】
処理液は、バインダー樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱される。加熱を行う理由は、バインダー樹脂を溶融させる目的がある。
【0055】
この加熱温度は、バインダー樹脂の溶融特性により異なる。融け易い樹脂は低い温度でも問題無いが、溶け難い樹脂は高い温度が必要となる。また、連続的に熱交換器を通過させ加熱する方法の場合、分散液の流速及び熱交換の配管の長さにも影響する。流速が速い場合や配管が短い場合は高い温度が必要で、逆に流速が遅い場合や配管が長い場合は充分に分散液が加熱されるため、低い温度で処理が可能となる。流量が300から400cc/min、熱交換配管が3/8インチ・12mの高圧配管、バインダー樹脂のTgが60℃、トナーの軟化点Tmが130℃の場合、加熱温度は、100℃から200℃で良い。加熱温度は、好ましくは、ガラス転移温度TgないしTg+150℃の範囲である。加熱温度が高すぎると、バインダー樹脂の加水分解する傾向がある。加熱温度がTgないしTg+150℃程度であれば、定着性が悪化するような問題がない。
【0056】
トナーの軟化点測定は、島津製作所製フローテスターCFT−500の昇温法により行い、フローチャートよりプランジャー降下量の2mmに相当する曲線上の点を軟化点とする。
【0057】
次に、この加熱された分散液を10MPa以上の圧力をかけながらせん断を与える。この時、せん断を与えるのはノズルである。10MPa以上の高圧をかけながら、ノズルを通過することにより、溶融したトナー成分が微粒化される。この時の圧力は10MPaから300MPaあると良い。
【0058】
最後にTg以下まで冷却する。この冷却により、溶融した微粒子が固化される。処理液が急速に冷却されるため、冷却による凝集や合一が起こり難くなる。
【0059】
必要に応じ、上記冷却部の前後に背圧を付与したり、減圧を行っても良い。背圧または減圧とは、ノズル通過後にすぐに大気圧開放するのではなく、1段階(背圧)または、多段階(減圧)で大気圧付近に戻すことを意味する。背圧部または減圧部通過後の圧力は0.1MPa〜10MPa、望ましくは0.1〜5MPaである。この減圧部は径の異なるセル又はバルブを複数個並べるとさらに良い。多段階で減圧することにより粗粒子が少なく粒度分布がシャープな微粒子を得ることができる。
【0060】
この高圧型湿式微粒化機の洗浄には例えばアルカリ性の洗浄液を使用することができる。配管内の汚れが落ち易くなり、次の処理液でのコンタミを最小限に抑えることができる。
【0061】
以上により2μm以下の微粒子を得ることが可能となる。
【0062】
これらの微粒化機には微粒化部の上流部に200℃程度まで加熱可能な熱交換装置が設けられる。また、微粒化部の下流部には樹脂のTg以下までの冷却可能な熱交換装置が設けられる。これによりミクロン〜サブミクロンオーダーの粒子を得ることができる。
【0063】
微粒化により3〜8μm粒子が得られた場合は、そのまま洗浄乾燥しトナー化しても良いが、3μm以下の粒子を得たあと、それらの粒子を凝集することにより3〜8μm粒子の粒子を得ることが望ましい。凝集工程を行うことにより、粒度分布がシャープで、かつトナー成分を均一に内包したトナー粒子が得られる。
【0064】
実施形態にかかる現像剤の製造方法では、トナー組成物の粒子を少なくとも高圧式ホモジナイザーにより微粒化した後、凝集することによりトナーを得る方法において、さらに以下のような構成をとることで開き目300μmのメッシュによる篩いを通らない粗大粒子が1g当たり10個未満である粒子において、逆止弁での詰まりなく、安定して高圧式ホモジナイザーにて微粒化することが可能となる。
【0065】
高圧式ホモジナイザー逆止弁部に少なくとも一つ以上の衝撃付与部を設ける。
【0066】
例えば衝撃付与回数を、逆弁の開閉一回あたり1〜10回とする。
【0067】
例えば付与する衝撃エネルギーを0.1N・m以上20N・m以下とする。
【0068】
例えば衝撃付与部をハンマリング装置とする。
【0069】
衝撃付与部とは、バイブレータや、ノッカー等のハンマリング装置によって、対象物に強い衝撃を付加し、タンク、ダクト、ホッパーシュートなどに発生する粉体の付着、目詰まりなどを防止することを目的とし、トナーをはじめとする粉粒体製造設備において残留物除去及び充填補助等に用いられてきた。
【0070】
実施形態における衝撃付与部とは、高圧式ホモジナイザー逆止弁部に衝撃を付与するものであり、これによって逆止弁に詰まるような粗大粒子をスムーズに逆止弁を通過させることができる。
【0071】
高圧式ホモジナイザーによる微粒化時の衝撃付与回数は、微粒化処理する条件にもよるが、逆止弁の開閉1回当たり1〜10回であることが望ましく、より好ましくは3〜6回である。逆止弁の開閉1回当たりに1回未満であると、逆止弁内部に詰まった粗大粒子を通過させることができない。更に10回より多いと連続処理において、高圧式ホモジナイザー配管及び逆止弁が破損してしまう可能性が高い。
【0072】
また、衝撃付与部により付与される衝撃は、衝突エネルギーとして好ましくは0.1N・m以上20N・m以下であり、さらに好ましくは0.5N・m以上10N・m以下である。0.1N・m未満では、衝撃付与回数を多くしても、十分な効果が得られない。また、20N・m以上ではその強いエネルギーにより、連続処理において高圧式ホモジナイザー配管及び逆止弁に加えて、ノズルにも振動が加わり破損してしまう可能性が高い。
【0073】
衝撃付与部としては特に制限はないが、ハンマリング装置が望ましい。ハンマリング装置は衝撃を付与する打撃手段と、打撃手段を対象物に衝突させる駆動力を打撃手段に付与する駆動力付与手段とを含んで構成される。打撃手段には、たとえば、ピストンロッドなどの金属製円筒状部材を使用できる。また、打撃手段の収容設備および搬送設備に対して衝撃を付与する衝撃付与面は、ゴム、エラストマ、合成樹脂などの弾性体により表面被覆されているのが好ましい。これによって、衝撃付与の際の騒音を低減化できるとともに、設備の損傷をも防止できる。駆動力付与手段には、たとえば、電磁力、エアなどを利用して打撃手段に応力を付与する装置を使用できる。
【0074】
ハンマリング装置としては公知のものを使用でき、たとえば、電磁式マグハンマ(商
品名、日本マグネティックス(株)製)、エアーノッカー、エレキノッカー(いずれも商
品名、(株)セイシン企業製)などが挙げられる。
【0075】
実施態様に使用される高圧式ホモジナイザーには特に制限なく、NANO3000(美粒)、ナノマイザー(吉田機械興業)、スターバースト(スギノマシン)、マイクロフルイタイザー(みずほ工業)、ホモゲナイザー(三和機械)等、一般に市販されている物から、それらを組み合わせたものにまで適用されるが、ポリエステル等、熱可塑性樹脂を微粒化する場合は、ノズル部手前に少なくとも1つ以上の加熱用熱交換器が設置されているものが望ましい。更に加熱温度を100℃以上とする場合には、ノズル部より下流側に少なくとも一つ以上の冷却用熱交換器を設置する必要がある。更に、スラリーの滞留時間の均一性から、少なくとも2つ以上の高圧ポンプを搭載することによって高圧を常時維持でき、脈動の少ないものが望ましい。
【0076】
バインダー樹脂
バインダー樹脂は定着性に優れたポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
【0077】
また、実施形態にかかる現像剤のトナー材料には、下記の着色剤、離型剤、帯電制御剤を混合することが出来る。
【0078】
着色剤
本発明に用いる着色剤としては、カーボンブラックや有機もしくは無機の顔料や染料などがあげられる。例えばカーボンブラックでは、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。また、イエロー顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、81、83、93、95、97、98、109、117、120、137、138、139、147、151、154、167、173、180、181、183、185、C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、マゼンタ顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、150、163、184、185、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35がなど挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。また、シアン顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45などが挙げられる。これらを単独で、あるいは混合して使用することもできる。
【0079】
離型剤(ワックス)
ワックスとして、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ぺトロラタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール、ソルビトールの如き多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(−般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0080】
帯電制御剤
また、摩擦帯電電荷量を制御するための帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。その他、含金属サリチル酸誘導体化合物も使用可能であり、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
【0081】
さらに、実施形態にかかる現像剤の製造方法において、トナー材料分散液中に下記の界面活性剤、pH調整剤を混合することが出来る。
【0082】
界面活性剤
本発明に使用可能な界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、及び多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、1種単独で用いてもいいし、2種以上を併用することができる。
【0083】
pH調整剤
本発明に使用可能なpH調整剤としては特に制約されないが、例えば、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の他に、アミン化合物等の塩基を使用することができる。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。ポリエステル樹脂の自己分散性を向上させ性能から、pH調整剤は、特に有機アミン化合物が望ましい。
【0084】
以下、実施例を示し、実施形態をより具体的に説明する。
【0085】
粒状化されたトナー材料の調製
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度58℃、酸価6、重量平均分子量Mw13,658)90重量部、着色剤としてシアン色顔料 5重量部、ライスワックス4重量部、及び帯電制御剤としてジルコニア金属錯体1重量部を混合した後、120℃に温度設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練物を得た。得られた混練物を奈良機械製作所社製ハンマーミルにて1.2mmメッシュを通過するまで粗粉砕し、粗粒子を得た。続いて、ホソカワミクロン社製バンタムミルに200μmメッシュを設置して更に粉砕し、平均体積粒径58μmの中砕粒子を得た。得られた中砕粒子を中砕粒子Aとする。中砕粒子A 1gを開き目300μmメッシュにて篩処理を行ったところ、メッシュ上に残った粗大粒子は12個であった。
【0086】
中砕粒子Aを再度バンタムミルにて処理し、平均粒径55μm中砕粒子を得た。得られた中砕粒子を中砕粒子Bとする。中砕粒子B 1gを開き目300μmメッシュにて篩処理を行ったところ、メッシュ上に残った粗大粒子は9個であった。
【0087】
中砕粒子Bを再度バンタムミルにて処理し、平均粒径50μm中砕粒子を得た。得られた中砕粒子を中砕粒子Cとする。中砕粒子C 1gを開き目300μmメッシュにて篩処理を行ったところ、メッシュ上に残った粗大粒子は5個であった。
【0088】
実施例1
中砕粒子B 30重量部、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部、イオン交換水69.7重量部を攪拌器を用いて混合液を作製し、更に該混合液中の気泡を真空攪拌により除去した後、ジメチルアミノエタノールを0.63重量部添加しpHを11に調整した。この混合液を加熱システムを180℃に設定し、逆支弁部にエアーノッカーSEK-3(セイシン企業製)を設置したNANO3000に投入し、0.13μmの貫通型ノズルを用いて処理圧力150MPaにて連続処理を行ったところ、5時間連続処理しても微粒化処理が停止することはなかった。
【0089】
得られた微粒子を体積平均粒径をSALD7000(島津製作所社製)にて測定した結果、0.30μmであった。この微粒化分散液を固形分濃度10%になるように調整し、塩酸を滴下しpHを5にした後に0.5℃/minの速度にて85℃まで昇温し、85℃にて2時間保持した結果、体積平均粒径5.0μm、標準偏差1.86μmのシャープな粒度分布を有するトナー粒子分散液が得られた。
【0090】
得られたトナー粒子分散液の固形分について、ろ過及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、ろ液の導電率が50μS/cm未満となるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0重量%以下になるまで乾燥させ、トナー粒子を得た。更に、乾燥後、添加剤として、トナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ2重量部、酸化チタン0.5重量部をトナー粒子表面に付着させ、所望のトナーを得た。
【0091】
更に、トナーをキャリア粒子と混合し、二成分系複写機で画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0092】
実施例2
中砕粒子Bを中砕粒子Cにした以外は実施例1と同様にして連続処理を行ったところ、5時間処理しても微粒化処理が停止することはなかった。
【0093】
実施例1と同様にしてトナーを得た後、更に、トナーをキャリア粒子と混合し、二成分系複写機で画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0094】
比較例1
中砕粒子Bを中砕粒子Aにした以外は実施例1と同様にして連続処理を行ったところ、12分後に逆止弁にて詰まりが発生して微粒化処理が停止してしまった。
【0095】
比較例2
逆止弁部にエアーノッカーを搭載しないこと以外は実施例1と同様にして連続処理を行ったところ、連続処理開始15分後に逆止弁にて詰まりが発生して微粒化処理が停止してしまった。
【0096】
比較例3
逆止弁部にエアーノッカーを搭載しないこと以外は実施例2と同様にして連続処理を行ったところ、連続処理開始25分後に逆止弁にて詰まりが発生して微粒化処理が停止してしまった。
【0097】
実施形態によれば、高圧式ホモジナイザーを用いて微粒化する際に、開き目300μmメッシュの篩いを通過しないような粗大粒子が1g当たり10個未満存在している粒子を安定して微粒化できるため、高圧式ホモジナイザーに投入する前の粒子を予め微粉砕する必要がなくなり、これにより低エネルギー、低コストでトナー粒子の製造が可能になることがわかった。
【符号の説明】
【0098】
3…高圧ポンプ、5…微粒化部、10…高圧ホモジナイザー、12,13…逆止弁、14,15…衝撃付与部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともバインダー樹脂を含有する粒状化されたトナー材料と、水系媒体とを含有するトナー材料分散液を調製する工程、及び
衝撃付与部を設けた逆止弁を備える加圧部、加熱部、ノズル部、及び冷却部を含む高圧式ホモジナイザーに該分散液を通し、該逆止弁に該衝撃付与部から衝撃を与えて該逆止弁の詰まりを防止しながら、該分散液を機械的せん断に供し、該粒状のトナー材料を細かくして、該粒状のトナー材料の大きさよりも小さい大きさを有する微粒子を形成する工程を具備する現像剤の製造方法。
【請求項2】
前記粒状化されたトナー材料は、1g中に開き目300μmメッシュの篩いを通過しない粗大粒子を0または1ないし10個含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記衝撃付与部には、該衝撃付与部の動作を制御する衝撃付与制御部、及び該衝撃付与制御部に接続された制御部が設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記衝撃付与部が、前記逆止弁の開閉1回あたり1〜10回の衝撃を付与するように、前記衝撃付与制御部によって制御されていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記衝撃付与部が、衝撃エネルギーが0.1N・mないし20N・mとなるように、前記衝撃付与制御部によって制御されていることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記衝撃付与部が、ハンマリング装置である請求項3ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記粒状化されたトナー材料は、前記バインダー樹脂を含有するトナー材料を溶融混練して粗粉砕する工程により得られる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記微粒子を凝集せしめ、凝集粒子を形成する工程をさらに有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記粒状化されたトナー材料は、さらに着色剤を含有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−282198(P2010−282198A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126197(P2010−126197)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】