説明

現像機構及び画像形成装置

【課題】コンテナからの現像剤の漏出を適切に抑制するシャッター機構を有する現像機構及び画像形成装置を提供することが課題である。
【解決手段】静電潜像を現像する現像装置と、現像剤を収容するコンテナと、を備え、現像装置は、現像剤を担持し、静電潜像に現像剤を供給する担持体と、現像剤が補給される補給口が形成された第1筐体と、補給口から離間する第1方向に現像剤を搬送する第1搬送部材と、補給口を選択的に開閉する第1シャッター機構と、を含み、コンテナは、補給口を介して現像装置へ現像剤を供給する供給口が形成された第2筐体と、供給口を選択的に開閉する第2シャッター機構と、第1方向とは交差する第2方向に向けて現像剤を搬送し、供給口から排出させる第2搬送部材と、を含み、補給口が開かれるタイミングは、供給口が開かれるタイミングよりも早いことを特徴とする現像機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像を現像する現像機構及び現像機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターや複写機といった画像形成装置は、静電潜像を現像するための現像機構を備える。現像機構は、典型的には、現像剤を収容するコンテナと、コンテナから現像剤が供給される現像装置と、を含む。現像装置が、静電潜像に現像剤を供給する結果、静電潜像は現像され、トナー画像が形成される。その後、トナー画像は、シートに転写される。
【0003】
現像装置は、多くの場合、シートの搬送方向に対して、直交する方向に長く形成された筐体を備える。筐体には、コンテナからの現像剤が補給される補給口が形成される。現像装置は、筐体内に配設された搬送部材を更に備える。筐体と同様に、シートの搬送方向に対して、直交する方向に延びる搬送部材は、補給口を介して供給された現像剤を補給口から離間させるように搬送し、補給口周囲での現像剤の堆積を防止する。したがって、補給口を介した現像剤の供給が円滑に行われる。
【0004】
コンテナは、典型的には、現像装置に対して略平行に押し入れられる(特許文献1及び2参照)。コンテナが現像装置に対して平行移動している間、コンテナと現像装置との間の連通を制御するためのシャッター機構が操作される。シャッター機構の操作の結果、コンテナが現像装置に対して適切な位置に取り付けられたときに、コンテナと現像装置との間の連通が達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−208299号公報
【特許文献2】特開平7−49610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トナー画像が形成されたシートを排出するための排出口が、使用者に対して対向するならば、使用者は、画像形成後のシートの排出を視覚的に容易に確認することができる。したがって、使用者に対向するような排出口の配置は、排出されたシートの取り扱いの観点から好適である。
【0007】
コンテナは、使用者によって、交換される部材である。したがって、コンテナは、使用者に対して、近くに配設されることが好ましい。
【0008】
コンテナと現像装置との間の従来の平行配置及び使用者に対向する排出口のレイアウトが採用されるならば、コンテナの容易な交換のためには、画像形成装置の内部空間のうち大きな部分を占める画像形成部(例えば、静電潜像が形成される像担持体)も、使用者の近くに配設される必要がある。このことは、画像形成装置の構造や機能に対して、大きな制約をもたらすこととなる。
【0009】
コンテナが、現像装置に対して、平行に配設されないならば、上述の構造並びに機能に対する制約を生ずることなく、使用者がコンテナを容易に交換し、且つ、排出されたシートを容易に取り扱うことを可能にする画像形成装置の設計が実現される。
【0010】
コンテナが現像装置に対して交差されるならば、画像形成装置の設計の自由度が拡大される一方で、従来の平行配置構造に採用されたシャッター機構は、コンテナからの現像剤の漏出を適切に防止することができない。
【0011】
本発明は、現像装置に対して交差して配設されるコンテナからの現像剤の漏出を適切に抑制するシャッター機構を有する現像機構及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係る現像機構は、静電潜像に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像する現像装置と、前記現像剤を収容するコンテナと、を備え、前記現像装置は、前記現像剤を担持し、前記静電潜像に供給する担持体と、前記現像剤が補給される補給口が形成された第1筐体と、前記補給口から離間する第1方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材と、前記補給口を選択的に開閉する第1シャッター機構と、を含み、前記コンテナは、前記補給口を介して前記現像装置へ前記現像剤を供給する供給口が形成された第2筐体と、前記供給口を選択的に開閉する第2シャッター機構と、前記第1方向とは交差する第2方向に向けて前記現像剤を搬送し、前記供給口から排出させる第2搬送部材と、を含み、前記補給口が開かれるタイミングは、前記供給口が開かれるタイミングよりも早いことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
上記構成によれば、コンテナは、現像装置から静電潜像に供給される現像剤を収容する。現像装置は、現像剤を担持する像担持体を用いて、静電潜像に現像剤を供給する。この結果、静電潜像が現像される。
【0014】
現像装置の第1筐体には、補給口が形成される。コンテナ内の現像剤は、補給口を介して、現像装置へ補給される。
【0015】
現像装置の第1搬送部材は、補給口から離間する第1方向に現像剤を搬送し、補給口の周囲での現像剤の堆積を防止する。したがって、補給口を介した現像剤の補給が円滑に行われる。
【0016】
現像装置の第1シャッター機構は、補給口を選択的に開閉する。したがって、補給口の不必要な開放は防止される。
【0017】
コンテナの第2筐体には、補給口を介して現像装置へ現像剤を供給するための供給口が形成される。コンテナの第2シャッター機構は、供給口を選択的に開閉する。したがって、供給口の不必要な開放は防止される。
【0018】
コンテナの第2搬送部材は、第1方向とは交差する第2方向に向けて現像剤を搬送し、供給口から排出させる。コンテナは現像装置に対して交差されるので、現像機構とともに用いられる他の装置の配置に対する制約は緩和される。
【0019】
補給口が開かれるタイミングは、供給口が開かれるタイミングよりも早いので、現像装置に対して交差されたコンテナからの現像剤の補給の間、現像剤は、コンテナが現像装置外へ漏出しにくくなる。
【0020】
上記構成において、前記第1シャッター機構は、前記補給口を閉塞する第1閉塞位置と前記補給口を開放する第1開放位置との間で変位する第1シャッター片と、該第1シャッター片を前記閉塞位置に向けて付勢する付勢部材と、を含むことが好ましい(請求項2)。
【0021】
上記構成によれば、第1シャッター機構の第1シャッター片は、補給口を閉塞する第1閉塞位置と補給口を開放する第1開放位置との間で変位する。第1シャッター機構の付勢部材は、第1シャッター片を閉塞位置に向けて付勢するので、補給口が不必要に開放されることが防止される。
【0022】
上記構成において、前記コンテナは、前記現像装置に対して着脱可能であり、前記第1筐体は、前記コンテナに対向する縁部を含み、前記第2シャッター機構は、前記供給口を閉塞する第2閉塞位置と前記供給口を開放する第2開放位置との間で変位する第2シャッター片と、前記第2シャッター片から突出する第1突出部と、を含み、前記コンテナが前記現像装置に取り付けられるとき、前記第2筐体は、前記第1シャッター片に接触し、前記第1シャッター片を前記第1開放位置に変位させ、その後、前記第1突出部は、前記縁部に接触し、前記第2シャッター片を前記第2閉塞位置から前記第2開放位置へと変位させ、前記供給口を前記補給口に連通させることが好ましい(請求項3)。
【0023】
上記構成によれば、コンテナは、現像装置に対して着脱可能である。第1筐体は、コンテナに対向する縁部を含む。第2シャッター機構の第2シャッター片は、供給口を閉塞する第2閉塞位置と供給口を開放する第2開放位置との間で変位する。コンテナが現像装置に取り付けられるとき、第2筐体は、第1シャッター片に接触し、第1シャッター片を第1開放位置に変位させる。したがって、コンテナと現像装置との合体に伴い、補給口は適切に開放される。
【0024】
その後、第1突出部は、縁部に接触し、第2シャッター片を第2閉塞位置から第2開放位置へと変位させる。したがって、コンテナと現像装置との合体に伴い、供給口は適切に開放される。この結果、供給口は、補給口に連通され、現像剤はコンテナから現像装置へ適切に供給される。また、供給口は、補給口の後に開放されるので、現像剤は、現像装置外に漏出しにくくなる。
【0025】
上記構成において、前記補給口は、上方に開口し、前記供給口は、下方に開口し、前記第1シャッター片が前記第1開放位置へ移動し、且つ、前記第2シャッター片が前記第2開放位置へ移動するならば、前記補給口及び前記供給口は連通することが好ましい(請求項4)。
【0026】
上記構成によれば、第1シャッター片が第1開放位置へ移動し、且つ、第2シャッター片が第2開放位置へ移動するならば、上方に開口した補給口及び下方に開口した供給口は連通する。したがって、現像剤は、重力作用によって、コンテナから現像装置へ適切に供給されることとなる。
【0027】
上記構成において、前記第1筐体は、前記補給口を取り囲み、且つ、前記第2シャッター片が摺動する摺動面を含み、該摺動面は、前記縁部を含み、前記第1突出部は、下方に突出することが好ましい(請求項5)。
【0028】
上記構成によれば、第1筐体の摺動面は、補給口を取り囲む。第2シャッター片は、縁部を含む摺動面上を摺動する。摺動面上の第2シャッター片の摺動によって、下方に突出した第1突出部は、縁部に適切に係合する。この結果、第2シャッター片は、第2閉塞位置から第2開放位置へと変位し、供給口と補給口とを連通させる。したがって、現像剤は、重力作用によって、コンテナから現像装置へ適切に供給されることとなる。
【0029】
上記構成において、現像装置は、前記第2シャッター片の側方に配設された固定部を更に備え、前記第2シャッター機構は、前記第2シャッター片から側方に突出する第2突出部を含み、前記第2シャッター片が前記第2開放位置に存する間、前記第2突出部は、前記固定部に係合し、前記コンテナが前記現像装置から切り離されるとき、前記固定部は、前記第2シャッター片を前記第2開放位置から前記第2閉塞位置へ移動させることが好ましい(請求項6)。
【0030】
上記構成によれば、第2シャッター片が第2開放位置に存する間、第2シャッター片から側方に突出する第2突出部は、第2シャッター片の側方に配設された固定部に係合する。コンテナが現像装置から切り離されるとき、固定部は、第2シャッター片を第2開放位置から第2閉塞位置へ移動させるので、コンテナと現像装置との分離時において、現像剤は、現像装置外に漏出しにくくなる。
【0031】
上記構成において、前記第1方向は、前記第2方向に対して直交することが好ましい(請求項7)。
【0032】
上記構成によれば、第1方向は、第2方向に対して直交するので、現像機構とともに用いられる他の装置の配置に対する制約は緩和される。
【0033】
本発明の他の実施形態に係る画像形成装置は、前記静電潜像が形成される像担持体と、上述の現像機構と、前記像担持体及び前記現像機構を収容する収容空間を規定する主筐体と、を備え、前記固定部は、前記収容空間内で前記主筐体に対して固定されることを特徴とする(請求項8)。
【0034】
上記構成によれば、現像装置は、像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給する。主筐体が規定する収容空間に、像担持体及び現像機構は収容される。固定部は、収容空間内で主筐体に対して固定されるので、コンテナが現像装置から切り離されるとき、固定部は、第2シャッター片を第2開放位置から第2閉塞位置へ移動させることができる。したがって、コンテナと現像装置との分離時において、現像剤は、現像装置外に漏出しにくくなる。
【0035】
本発明の更に他の実施形態に係る画像形成装置は、前記静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像する現像装置と、前記現像剤を収容するコンテナと、を備え、前記現像装置は、前記現像剤を担持し、前記静電潜像に供給する担持体と、前記現像剤が補給される補給口が形成された第1筐体と、前記補給口から離間する第1方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材と、前記補給口を選択的に開閉する第1シャッター機構と、を含み、前記コンテナは、前記補給口を介して前記現像装置へ前記現像剤を供給する供給口が形成された第2筐体と、前記供給口を選択的に開閉する第2シャッター機構と、前記第1方向とは交差する第2方向に向けて前記現像剤を搬送し、前記供給口から排出させる第2搬送部材と、を含み、前記補給口が開かれるタイミングは、前記供給口が開かれるタイミングよりも早いことを特徴とする(請求項9)。
【0036】
上記構成によれば、コンテナは、現像装置から静電潜像に供給される現像剤を収容する。現像装置は、現像剤を担持する像担持体を用いて、像担持体に形成された静電潜像に現像剤を供給する。この結果、静電潜像が現像される。
【0037】
現像装置の第1筐体には、補給口が形成される。コンテナ内の現像剤は、補給口を介して、現像装置へ補給される。
【0038】
現像装置の第1搬送部材は、補給口から離間する第1方向に現像剤を搬送し、補給口の周囲での現像剤の堆積を防止する。したがって、補給口を介した現像剤の補給が円滑に行われる。
【0039】
現像装置の第1シャッター機構は、補給口を選択的に開閉する。したがって、補給口の不必要な開放は防止される。
【0040】
コンテナの第2筐体には、補給口を介して現像装置へ現像剤を供給するための供給口が形成される。コンテナの第2シャッター機構は、供給口を選択的に開閉する。したがって、供給口の不必要な開放は防止される。
【0041】
コンテナの第2搬送部材は、第1方向とは交差する第2方向に向けて現像剤を搬送し、供給口から排出させる。コンテナは現像装置に対して交差されるので、現像機構とともに用いられる他の装置の配置に対する制約は緩和される。
【0042】
補給口が開かれるタイミングは、供給口が開かれるタイミングよりも早いので、現像装置に対して交差されたコンテナからの現像剤の補給の間、現像剤は、コンテナが現像装置外へ漏出しにくくなる。
【0043】
上記構成において、前記像担持体、前記現像装置及び前記コンテナを収容する収容空間を規定する主筐体を更に備え、該主筐体は、前記第1方向に沿う第1立設壁と、該第1立設壁とは反対側の第2立設壁と、を含み、前記第1立設面には、前記コンテナを前記主筐体内へ挿入するための挿入口が形成され、前記現像装置は、前記第1立設壁よりも前記第2立設壁の近くに配設され、前記コンテナは、前記挿入口から前記第2立設壁に向けて前記収容空間内に押し入れられ、前記現像装置に連結されることが好ましい(請求項10)。
【0044】
上記構成によれば、像担持体、現像装置及びコンテナを収容する収容空間を規定する主筐体は、第1方向に沿う第1立設壁と、第1立設壁とは反対側の第2立設壁と、を含む。現像装置は、第1立設壁よりも前記第2立設壁の近くに配設される。コンテナは、第1立設壁に形成された挿入口から第2立設壁に向けて収容空間内に押し入れられるので、現像装置から離れた挿入口を介して、コンテナを現像装置に対して着脱させることができる。
【0045】
上記構成において、前記主筐体は、前記第1立設壁と前記第2立設壁との間に配設された側壁を含み、該側壁は、前記第2方向に沿い、前記コンテナは、前記側壁に沿って前記収容空間内に押し入れられることが好ましい(請求項11)。
【0046】
上記構成によれば、第1立設壁と第2立設壁との間に配設された側壁は、第2方向に沿う。コンテナは、側壁に沿って収容空間内に押し入れられるので、現像装置から離れた挿入口を介して、コンテナを現像装置に対して着脱させることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明に従う現像機構及び画像形成装置は、現像装置に対して交差して配設されるコンテナからの現像剤の漏出を適切に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】画像形成装置として例示されるプリンターの概略的な斜視図である。
【図2】カバー板が取り外されたプリンターの概略的な斜視図である。
【図3】カバー板が取り外されたプリンターの概略的な斜視図である。
【図4】図1に示されるプリンターの概略的な断面図である。
【図5】図4に示されるプリンターに組み込まれた現像装置の概略的な斜視図である。
【図6】図5に示される現像装置の内部構造の概略図である。
【図7】図5に示される現像装置を備える現像機構の概略的な斜視図である。
【図8】図5に示される現像装置とコンテナとの連結部の周りの概略的な断面図である。
【図9】図5に示される現像装置の概略的な斜視図である。
【図10】図9に示される現像装置の補給口を開閉するための第1シャッター片の概略的な斜視図である。
【図11】図7に示される現像機構のコンテナの概略的な斜視図である。
【図12】図7に示される現像機構のコンテナの概略的な斜視図である。
【図13A】図12に示されるコンテナの概略的な底面斜視図である。
【図13B】図12に示されるコンテナの概略的な底面斜視図である。
【図14】図12に示されるコンテナの第2シャッター片の概略的な斜視図である。
【図15A】図5に示される現像装置とコンテナとの連結工程を概略的に示す斜視図である。
【図15B】図5に示される現像装置とコンテナとの連結工程を概略的に示す斜視図である。
【図15C】図5に示される現像装置とコンテナとの連結工程を概略的に示す斜視図である。
【図16A】図15Bに対応する概略的な平面図である。
【図16B】図15Cに対応する概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付の図面を用いて、現像機構及び画像形成装置が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、現像機構及び画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
【0050】
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置として例示されるプリンター100の概略的な斜視図である。図1を用いて、プリンター100が説明される。尚、コピー機やシートに画像を形成することができる他の装置が画像形成装置として用いられてもよい。
【0051】
プリンター100は、シートに画像を形成するための様々な装置(例えば、感光体ドラム、現像装置やコンテナ)を収容する収容空間を規定する主筐体200を備える。主筐体200は、プリンター100が載置される載置面PSに対して直立した正面壁210と、正面壁210とは反対側の背面壁220と、正面壁210と背面壁220との間に配設された左壁230と、左壁230とは反対側の右壁240と、正面壁210、背面壁220、左壁230及び右壁240の上縁に囲まれた天壁250と、を含む。以下の説明において、左壁230から右壁240へ向かう方向は、「第1方向」と称される。正面壁210から背面壁220に向かう方向は、「第2方向」と称される。第1方向及び第2方向は互いに直交する。尚、「直交」との用語は、正確に「90°」の交差角で交わることのみを意味するものではない。本実施形態の原理が実現される限りにおいて、「90°」の角度に近い交差角も、「直交」との用語に含まれる。正面壁210及び背面壁220は、第1方向に沿うように配設される(即ち、正面壁210及び背面壁220は、第1方向に対して略平行に配設される)。左壁230及び右壁240は、第2方向に沿うように配設される(即ち、左壁230及び右壁240は、第2方向に対して略平行に配設される)。本実施形態において、正面壁210は、第1立設壁として例示される。背面壁220は、第2立設壁として例示される。左壁230は、側壁として例示される。
【0052】
プリンター100は、シートを載置又は収容するためのシートトレイ260を更に備える。シートトレイ260上に設置されたシートは、主筐体200内に送り込まれ、画像形成処理を受ける。シートトレイ260は、正面壁210に回動可能に取り付けられる。使用者は、シートトレイ260を手前に倒し、シートトレイ260にシートを設置することができる。
【0053】
主筐体200の天壁250は、画像形成処理を受けたシートを蓄積するための凹部を規定する傾斜壁251と、傾斜壁251から直立した排出壁252と、を含む。排出壁252には、シートを排出するための排出口253が形成される。排出口253から排出されたシートは、傾斜壁251上に蓄積される。
【0054】
プリンター100は、正面壁210上及び正面壁210近くの天壁250上の領域に配設された複数の操作ボタン270を備える。したがって、使用者は、正面壁210に正対し、プリンター100を容易に操作することができる。また、シートは、排出口253から正面壁210前の使用者に向けて排出されるので、使用者は、シートの排出を容易に観察することができる。加えて、上述の如く、シートトレイ260も正面壁210に取り付けられているので、正面壁210前の使用者は、シートトレイ260上のシートの量も同時に観察することができる。したがって、使用者が正面壁210に正対するならば、使用者はプリンター100の操作並びに動作の観察を容易に行うことができる。
【0055】
正面壁210は、主筐体200から取り外し可能なカバー板211を含む。使用者は、正面壁210の上部を形成するカバー板211を取り外し、主筐体200内に配設された様々な機器にアクセスすることができる。
【0056】
図2及び図3は、カバー板211が取り外されたプリンター100の概略的な斜視図である。図1乃至図3を用いて、プリンター100が更に説明される。
【0057】
図2に示される如く、プリンター100は、現像機構500の一部として用いられるコンテナ300と、コンテナ300及び画像を形成するための他の装置を支持するための内部フレーム280を更に備える。コンテナ300内には、現像剤が収容される。カバー板211に隣接する内部フレーム280の部分は、正面壁210の一部を構成する。
【0058】
使用者は、カバー板211を主筐体200から取り外し、コンテナ300を露出させることができる。コンテナ300が不十分な量の現像剤を収容しているならば、使用者はコンテナ300を主筐体200から容易に引き出すことができる。
【0059】
図3に示される如く、内部フレーム280には、コンテナ300を主筐体200内に挿入するための挿入口281が形成される。使用者は、挿入口281を介して、十分な量の現像剤を収容したコンテナ300を左壁230に沿って主筐体200が規定する収容空間290に押し込むことができる。
【0060】
図4は、プリンター100の概略的な断面図である。図4を用いて、プリンター100が更に説明される。
【0061】
シートトレイ260は、シートの先頭縁を押し上げるリフト板261を含む。プリンター100は、リフト板261の上方に配設された給紙ローラー610と、給紙ローラー610に隣接した摩擦板611と、を更に備える。リフト板261によって押し上げられたシートの先頭縁は給紙ローラー610に接触する。給紙ローラー610は、シートが下流へ搬送されるように回転する。シートは、摩擦板611と給紙ローラー610の間を通過し、一枚ずつ、下流へ搬送される。尚、シートトレイ260及びシートトレイ260からシートを給紙するための給紙構造は、本実施形態の原理を何ら限定するものではない。
【0062】
プリンター100は、給紙ローラー610の下流に配設されたレジストローラー対620と、シートに画像を形成する画像形成部700と、を更に備える。給紙ローラー610は、レジストローラー対620へシートを送る。レジストローラー対620は、画像形成部700の画像形成工程に合わせて、シートを画像形成部700へ送る。この結果、画像は、シートの適所に形成されることとなる。
【0063】
画像形成部700は、静電潜像が形成される周面を有する感光体ドラム710と、感光体ドラム710の周面を略一様に帯電する帯電器720と、帯電された感光体ドラム710の周面にレーザ光を照射する露光装置730と、を含む。感光体ドラム710が回転すると、帯電器720によって帯電された感光体ドラム710の周面は、露光装置730による露光処理を受けるための露光位置に移動する。プリンター100は、画像信号を出力する外部装置(例えば、パーソナルコンピューター(図示せず))に電気的に接続される。露光装置730は、外部装置からの画像信号に従って、感光体ドラム710の周面にレーザ光を照射する。この結果、感光体ドラム710の周面には、画像信号によって規定された像に一致する静電潜像が形成される。本実施形態において、感光体ドラム710は、像担持体として例示される。
【0064】
画像形成部700は、上述の現像機構500を含む。静電潜像を担持した感光体ドラム710の周面は、現像機構500による現像処理を受けるための現像位置に移動する。
【0065】
現像機構500は、上述のコンテナ300に加えて、感光体ドラム710の周面に形成された静電潜像に現像剤を供給する現像装置400を備える。現像装置400からの現像剤の供給の結果、静電潜像は現像(可視化)され、感光体ドラム710の周面にトナー画像が形成される。現像機構500の構造は、後述される。
【0066】
画像形成部700は、感光体ドラム710の周面に形成されたトナー画像をシートに転写するための転写ローラー740を更に含む。トナー画像を担持する感光体ドラム710の周面は、転写ローラー740による転写処理を受けるための転写位置に移動する。上述のレジストローラー対620は、感光体ドラム710と転写ローラー740との間にシートを供給する。転写ローラー740は、トナー画像を感光体ドラム710から静電気的に引き剥がし、シートの表面に転写する。
【0067】
画像形成部700は、感光体ドラム710の周面から現像剤を除去するためのクリーニング装置750を更に含む。シートへのトナー画像の転写を終えた感光体ドラム710の周面は、クリーニング装置750による清浄化処理を受けるための清浄化位置へ移動する。クリーニング装置750は、感光体ドラム710の周面に残存する現像剤を除去する。その後、感光体ドラム710の周面は、帯電器720による帯電処理を受けるための帯電位置に移動し、新たな画像形成処理が開始される。上述の画像形成処理及び画像形成処理に用いられた様々な装置の構造や配置は、本実施形態の原理を何ら限定するものではない。
【0068】
プリンター100は、シートにトナー画像を定着する定着装置800を更に備える。定着装置800は、シート上に転写されたトナー画像のトナーを溶融するための加熱ローラー810と、トナー画像を加熱ローラーに押しつける加圧ローラー820と、を備える。感光体ドラム710及び転写ローラー740は、加熱ローラー810と加圧ローラー820との間にシートを送り込む。シートが担持するトナー画像のトナーは、加熱ローラー810によって溶融され、シートに定着される。尚、定着装置の構造は、本実施形態の原理を何ら限定するものではない。
【0069】
プリンター100は、主筐体200に形成された排出口253の傍に配設された排出ローラー対630を更に備える。加熱ローラー810及び加圧ローラー820は、排出ローラー対630にシートを送る。排出ローラー対630は、排出口253を介して、傾斜壁251上にシートを排出する。
【0070】
(現像装置)
図5は、現像装置400の概略的な斜視図である。図2、図4及び図5を用いて、現像装置400が説明される。
【0071】
現像装置400は、第1方向(即ち、シートの幅方向)に長い第1筐体410と、第1筐体410に支持された現像ローラー420と、を備える。第1筐体410の左端部には、補給口411が形成される。
【0072】
図2に示される如く、コンテナ300は、左壁230に隣接する。左壁230に沿って押し込まれたコンテナ300は、第1筐体410の左端部に連結する。コンテナ300に収容された現像剤は、補給口411を介して、第1筐体410内に供給される。
【0073】
図4に示される如く、現像ローラー420は、感光体ドラム710に隣接する。現像ローラー420は、第1筐体410に収容された現像剤を担持し、感光体ドラム710の周面に形成された静電潜像に現像剤を供給する。本実施形態において、現像ローラー420は、担持体として例示される。
【0074】
図6は、現像装置400の内部構造の概略図である。図6を用いて、現像装置400が更に説明される。
【0075】
現像装置400の第1筐体410は、現像剤が収容される収容空間430を第1空間431及び第2空間432に区画する仕切壁412を備える。図6において、上述の補給口411は、点線で示されている。補給口411は、第1空間431に直接的に連通する。第1空間431は、第1筐体410の右端部において、第2空間432に連通する。補給口411を通じて、第1空間431に供給された現像剤は、第1筐体410の右端部において第2空間432に導入される。
【0076】
現像装置400は、第1空間431内に配設された第1搬送スクリュー441と、第2空間432内に配設された第2搬送スクリュー442と、を更に備える。第1搬送スクリュー441は、第1方向に延びるシャフト443と、シャフト443を巻回するスクリュー部材444と、を含む。第2搬送スクリュー442は、シャフト443に略平行なシャフト445と、シャフト445を巻回するスクリュー部材446と、を含む。
【0077】
第1搬送スクリュー441が回転すると、第1空間431に供給された現像剤は、補給口411から離れる第1方向に搬送される。この結果、現像剤は、第1筐体410の右端部に到達し、第2空間432へ導入される。本実施形態において、第1搬送スクリュー441は、第1搬送部材として例示される。
【0078】
第2搬送スクリュー442が回転すると、第2空間432に導入された現像剤は、第1方向とは反対の第3方向に搬送される。第1搬送スクリュー441及び第2搬送スクリュー442によって搬送される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子とを含む。第1搬送スクリュー441及び第2搬送スクリュー442は、搬送の間、これらの粒子を攪拌する。この結果、トナー粒子は帯電し、第2搬送スクリュー442による搬送の間、現像ローラー420に静電気的に吸着される。かくして、現像ローラー420は、一様にトナー粒子を担持することとなる。
【0079】
(現像機構)
図7は、現像機構500の概略的な斜視図である。図2、図4、図5及び図7を用いて、現像機構500が説明される。
【0080】
現像機構500は、上述の如く、コンテナ300と現像装置400とを備える。使用者がコンテナ300を左壁230に沿って主筐体200内に押し込むと、コンテナ300は、現像装置400の第1筐体410の左端部に連結される。
【0081】
図5に示される如く、第1筐体410は、上方に開口した補給口411を取り囲む略平坦な摺動面413を含む。コンテナ300は、現像剤が収容される収容空間311(図4参照)を規定する第2筐体310を備える。使用者がコンテナ300を左壁230に沿って主筐体200内に押し込むと、コンテナ300は、摺動面413上を摺動する。
【0082】
図4に示される如く、コンテナ300は第2方向に延びる搬送スクリュー320を含む。搬送スクリュー320は、第2方向に延びるシャフト321と、シャフト321を巻回するスクリュー部材322と、を含む。搬送スクリュー320が回転すると、第2筐体310内に収容された現像剤は、現像装置400に向けて送り出される。
【0083】
図4に示される如く、現像装置400は、主筐体200の背面壁220の近くに配設される。一方、コンテナ300は、背面壁220よりも正面壁210の近くに配設される。搬送スクリュー320は、第2方向に向けて現像剤を送り出すので、コンテナ300と現像装置400との交差構造の下、現像剤は、コンテナ300から現像装置400に適切に供給されることとなる。
【0084】
図8は、コンテナ300と現像装置400との連結部の周りの概略的な断面図である。図3及び図8を用いて、現像機構500が更に説明される。
【0085】
第2筐体310の下面には、現像剤を現像装置400へ供給するための供給口319が形成される。使用者が、挿入口281を介して、背面壁220に向けてコンテナ300を押し込むと、コンテナ300は現像装置400に連結する。このとき、下方に開口した供給口319は、上方に開口した補給口411に連通する。この結果、搬送スクリュー320によって搬送された現像剤は、重力作用によって、第1空間431内に落下する。その後、現像剤は、第1搬送スクリュー441及び第2搬送スクリュー442によって、現像ローラー420へ供給される。
【0086】
(第1シャッター機構)
図9は、現像装置400の概略的な斜視図である。図10は、補給口411を開閉するための第1シャッター片451の概略的な斜視図である。図5、図7、図9及び図10を用いて、補給口411に対する開閉動作が説明される。
【0087】
現像装置400は、補給口411を選択的に開閉する第1シャッター機構450を備える。第1シャッター機構450は、第1シャッター片451を含む。第1シャッター片451は、補給口411を閉塞する第1閉塞位置と補給口411を開放する第1開放位置との間で変位する。図5及び図7に示される第1シャッター片451は、第1開放位置に存する。図9に示される第1シャッター片451は、第1閉塞位置に存する。
【0088】
第1シャッター片451は、第1開放位置と第1閉塞位置との間の変位の間、摺動面413上を摺動する略矩形状の摺動板452と、第1閉塞位置に存する第1シャッター片451の摺動板452からコンテナ300に向けて突出する略直角三角形状の突出板453と、摺動板452から第1方向に延びる案内爪454と、案内爪454と現像ローラー420との間で第1方向に延びるシャフト455と、を含む。
【0089】
第1筐体410は、上方に突出した略矩形状の案内板414を含む。案内爪454の先端部は、第1シャッター片451が第1開放位置と第1閉塞位置との間で変位する間、案内板414に当接する。したがって、第1シャッター片451は、第1開放位置と第1閉塞位置との間で安定的に変位することができる。
【0090】
第1シャッター機構450は、シャフト455を巻回するコイルバネ456を更に備える。コイルバネ456は、第1閉塞位置に向けて、第1シャッター片451を付勢する。本実施形態において、コイルバネ456は、付勢部材として例示される。尚、第1シャッター片451を第1閉塞位置に向けて付勢することができる他の要素が付勢部材として用いられてもよい。
【0091】
(コンテナ)
図11及び図12は、コンテナ300の概略的な斜視図である。図1、図2、図7、図8、図10乃至図12を用いて、コンテナ300が説明される。
【0092】
コンテナ300の第2筐体310は、比較的大きな容積を有する主収容部312と、主収容部312の下部から第2方向に突出する突出筒313と、を含む。使用者は、カバー板211を取り外し、主収容部312を露出させることができる(図1及び図2参照)。したがって、使用者は、コンテナ300を現像装置400に対して容易に着脱することができる。
【0093】
現像剤の大部分は、主収容部312に収容される。図8に示されるように、搬送スクリュー320は、突出筒313の内部に挿入される。したがって、現像剤は、搬送スクリュー320の回転及び重力作用によって、主収容部312から突出筒313へ搬送される。その後、搬送スクリュー320によって第2方向に搬送された現像剤は、供給口319から排出され、補給口411を介して、現像装置400へ供給される。本実施形態において、搬送スクリュー320は、第2搬送部材として例示される。
【0094】
図12に示される如く、コンテナ300は、突出筒313の下面に形成された供給口319を選択的に開閉するための第2シャッター機構330を更に備える。第2シャッター機構330は、突出筒313の先端部に取り付けられる。
【0095】
図12に示される如く、第2筐体310は、第2方向に突出する略三角形状の突出舌314を含む。使用者がコンテナ300を主筐体200内に挿入すると、突出舌314は最も早く現像装置400に接触する。
【0096】
図10に示される如く、第1シャッター片451の突出板453は、傾斜した第1接触縁457を含む。突出舌314は、傾斜した第2接触縁315を含む。使用者がコンテナ300を現像装置400に連結させるために主筐体200内に挿入すると、第2接触縁315は、第1接触縁457に接触し、第1接触縁457及び第2接触縁315は互いに摺擦される。この結果、第1シャッター片451は、第1開放位置に変位する(図7参照)。また、第1シャッター片451の第1開放位置への変位に伴って、コイルバネ456は、圧縮される。
【0097】
(第2シャッター機構)
図13A及び図13Bは、コンテナ300の概略的な底面斜視図である。図13A及び図13Bを用いて、第2シャッター機構330が説明される。
【0098】
第2シャッター機構330は、第2筐体310の突出筒313にスライド式に取り付けられた第2シャッター片331と、第2シャッター片331の下面から突出する一対の第1突出部332と、を含む。第2シャッター片331は、第2方向に突出する突出筒313に沿って、供給口319を閉塞する第2閉塞位置と供給口319を開放する第2開放位置との間で変位する。図13Aは、第2閉塞位置に存する第2シャッター片331を示す。図13Bは、第2開放位置に存する第2シャッター片331を示す。
【0099】
図14は、第2シャッター片331の概略的な斜視図である。図5、図13A乃至図14を用いて、第2シャッター機構330が更に説明される。
【0100】
図5に示される如く、摺動面413は、第1突出部332に対向する対向縁415を含む。使用者がコンテナ300を現像装置400に連結させる前、第2シャッター片331は、第2閉塞位置に配置される。使用者がコンテナ300を第2方向に変位させると、第1突出部332は、対向縁415に接触する。その後、使用者がコンテナ300を第2方向に更に押し込むと、第2シャッター片331は第2開放位置に変位する。この結果、供給口319は、補給口411に連通される。本実施形態において、対向縁415は、縁部として例示される。
【0101】
上述の如く、使用者がコンテナ300を現像装置400に連結させるとき、突出舌314の第2接触縁315は、第1シャッター片451の第1接触縁457に最も早く接触する。この結果、第1シャッター片451は、第1開放位置に変位する。第1シャッター片451が第1閉塞位置から第1開放位置に変位する間、第2シャッター片331は摺動面413上を摺動する。その後、第2シャッター片331から下方に突出する第1突出部332は、対向縁415に当接し、上述の如く、第2シャッター片331は第2開放位置に変位する。したがって、補給口411が開かれるタイミングは、供給口319が開かれるタイミングよりも早くなる。かくして、コンテナ300内の現像剤は、現像装置400の外に漏出しにくくなる。
【0102】
(連結工程)
図15A乃至図15Cは、現像装置400へのコンテナ300の連結工程を概略的に示す斜視図である。図5、図14乃至図15Cを用いて、現像装置400とコンテナ300との連結工程が説明される。
【0103】
図15Aに示される工程において、第1シャッター片451は、第1閉塞位置に配置されている。第2シャッター片331は、第2閉塞位置に配置されている。第2筐体310の突出舌314の先端部は、第1シャッター片451の突出板453の先端部に接触している。
【0104】
図15Bに示される工程において、コンテナ300は、図15Aに示される位置よりも第2方向に更に押し入れられている。この結果、第1シャッター片451は、第1開放位置に変位される。したがって、補給口411が開放される。尚、図15Bに示される工程において、第2シャッター片331は、第2閉塞位置に留められている。
【0105】
図15Cに示される工程において、コンテナ300は、図15Bに示される位置よりも第2方向に更に押し入れられている。この結果、第2シャッター片331から突出する第1突出部332が第1筐体410の対向縁415に接触し、第2シャッター片331は第2開放位置に変位される。
【0106】
図16Aは、図15Bに対応する概略的な平面図である。図16Bは、図15Cに対応する概略的な平面図である。図3、図14、図16A及び図16Bを用いて、連結工程が更に説明される。
【0107】
第2シャッター機構330は、第2シャッター片331から右方に突出する第2突出部333を更に備える。第2突出部333は、略J型のアーム部334と、アーム部334から右方に突出する突起部335と、を含む。図16Aに示される如く、第2シャッター片331が第2閉塞位置に配置されている間、アーム部334の先端部は、第2方向において、第2筐体310の突出筒313の前方に位置する。第2シャッター片331が第2開放位置に変位すると、第2シャッター片331は、第2方向において、突出筒313の先端部に対して後退する。この結果、図16Bに示される如く、アーム部334の先端部は、突出筒313の右面に当接し、アーム部334は全体的に右方に湾曲する。
【0108】
現像機構500は、突出筒313の右方に配設される固定壁295を更に備える。固定壁295は、主筐体200によって規定される収容空間290内で固定される部材であってもよい。本実施形態において、固定壁295は、収容空間290内で、主筐体200に対して固定される。固定壁295は、固定部として用いられる。
【0109】
第2突出部333は、固定壁295と突出筒313との間に配設される。第2開放位置への第2シャッター片331の変位によって、アーム部334が右方に湾曲されると、図16Bに示される如く、突起部335は、固定壁295の縁部に係合する。その後、使用者が、現像装置400から分離するために、第2方向とは反対の第4方向にコンテナ300を引き出すと、固定壁295に係合した突起部335によって、第2シャッター片331は第2開放位置から第2閉塞位置に変位する。したがって、コンテナ300と現像装置400との間の分離の間の現像剤の漏出が生じにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本実施形態の原理は、現像剤を用いて画像を形成する装置に好適に適用される。
【符号の説明】
【0111】
100・・・・・プリンター(画像形成装置)
200・・・・・主筐体
210・・・・・正面壁(第1立設壁)
220・・・・・背面壁(第2立設壁)
230・・・・・左壁(側壁)
281・・・・・挿入口
290・・・・・収容空間
295・・・・・固定壁(固定部)
300・・・・・コンテナ
310・・・・・第2筐体
319・・・・・供給口
320・・・・・搬送スクリュー(第2搬送部材)
330・・・・・第2シャッター機構
331・・・・・第2シャッター片
332・・・・・第1突出部
333・・・・・第2突出部
400・・・・・現像装置
410・・・・・第1筐体
411・・・・・補給口
413・・・・・摺動面
415・・・・・対向縁(縁部)
420・・・・・現像ローラー(担持体)
441・・・・・第1搬送スクリュー(第1搬送部材)
450・・・・・第1シャッター機構
451・・・・・第1シャッター片
456・・・・・コイルバネ(付勢部材)
500・・・・・現像機構
710・・・・・感光体ドラム(像担持体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像する現像装置と、
前記現像剤を収容するコンテナと、を備え、
前記現像装置は、
前記現像剤を担持し、前記前記静電潜像に供給する担持体と、
前記現像剤が補給される補給口が形成された第1筐体と、
前記補給口から離間する第1方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材と、
前記補給口を選択的に開閉する第1シャッター機構と、を含み、
前記コンテナは、
前記補給口を介して前記現像装置へ前記現像剤を供給する供給口が形成された第2筐体と、
前記供給口を選択的に開閉する第2シャッター機構と、
前記第1方向とは交差する第2方向に向けて前記現像剤を搬送し、前記供給口から排出させる第2搬送部材と、を含み、
前記補給口が開かれるタイミングは、前記供給口が開かれるタイミングよりも早いことを特徴とする現像機構。
【請求項2】
前記第1シャッター機構は、前記補給口を閉塞する第1閉塞位置と前記補給口を開放する第1開放位置との間で変位する第1シャッター片と、該第1シャッター片を前記閉塞位置に向けて付勢する付勢部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像機構。
【請求項3】
前記コンテナは、前記現像装置に対して着脱可能であり、
前記第1筐体は、前記コンテナに対向する縁部を含み、
前記第2シャッター機構は、前記供給口を閉塞する第2閉塞位置と前記供給口を開放する第2開放位置との間で変位する第2シャッター片と、前記第2シャッター片から突出する第1突出部と、を含み、
前記コンテナが前記現像装置に取り付けられるとき、前記第2筐体は、前記第1シャッター片に接触し、前記第1シャッター片を前記第1開放位置に変位させ、その後、前記第1突出部は、前記縁部に接触し、前記第2シャッター片を前記第2閉塞位置から前記第2開放位置へと変位させ、前記供給口を前記補給口に連通させることを特徴とする請求項2に記載の現像機構。
【請求項4】
前記補給口は、上方に開口し、
前記供給口は、下方に開口し、
前記第1シャッター片が前記第1開放位置へ移動し、且つ、前記第2シャッター片が前記第2開放位置へ移動するならば、前記補給口及び前記供給口は連通することを特徴とする請求項3に記載の現像機構。
【請求項5】
前記第1筐体は、前記補給口を取り囲み、且つ、前記第2シャッター片が摺動する摺動面を含み、
該摺動面は、前記縁部を含み、
前記第1突出部は、下方に突出することを特徴とする請求項4に記載の現像機構。
【請求項6】
前記第2シャッター片の側方に配設された固定部を更に備え、
前記第2シャッター機構は、前記第2シャッター片から側方に突出する第2突出部を含み、
前記第2シャッター片が前記第2開放位置に存する間、前記第2突出部は、前記固定部に係合し、
前記コンテナが前記現像装置から切り離されるとき、前記固定部は、前記第2シャッター片を前記第2開放位置から前記第2閉塞位置へ移動させることを特徴とする請求項5に記載の現像機構。
【請求項7】
前記第1方向は、前記第2方向に対して直交することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像機構。
【請求項8】
前記静電潜像が形成される像担持体と、
請求項6に記載の現像機構と、
前記像担持体及び前記現像機構を収容する収容空間を規定する主筐体と、を備え、
前記固定部は、前記収容空間内で前記主筐体に対して固定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像する現像装置と、
前記現像剤を収容するコンテナと、を備え、
前記現像装置は、
前記現像剤を担持し、静電潜像に供給する担持体と、
前記現像剤が補給される補給口が形成された第1筐体と、
前記補給口から離間する第1方向に前記現像剤を搬送する第1搬送部材と、
前記補給口を選択的に開閉する第1シャッター機構と、を含み、
前記コンテナは、
前記補給口を介して前記現像装置へ前記現像剤を供給する供給口が形成された第2筐体と、
前記供給口を選択的に開閉する第2シャッター機構と、
前記第1方向とは交差する第2方向に向けて前記現像剤を搬送し、前記供給口から排出させる第2搬送部材と、を含み、
前記補給口が開かれるタイミングは、前記供給口が開かれるタイミングよりも早いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記像担持体、前記現像装置及び前記コンテナを収容する収容空間を規定する主筐体を更に備え、
該主筐体は、前記第1方向に沿う第1立設壁と、該第1立設壁とは反対側の第2立設壁と、を含み、
前記第1立設面には、前記コンテナを前記主筐体内へ挿入するための挿入口が形成され、
前記現像装置は、前記第1立設壁よりも前記第2立設壁の近くに配設され、
前記コンテナは、前記挿入口から前記第2立設壁に向けて前記収容空間内に押し入れられ、前記現像装置に連結されることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記主筐体は、前記第1立設壁と前記第2立設壁との間に配設された側壁を含み、
該側壁は、前記第2方向に沿い、
前記コンテナは、前記側壁に沿って前記収容空間内に押し入れられることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【公開番号】特開2013−113928(P2013−113928A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258129(P2011−258129)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】