現像装置及び画像形成装置
【課題】収容部の液位を把握した上で、液体現像剤を目標の濃度とし、画質を悪化させることがない現像装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極421Yと、前記収容部に設けられる第2電極422Yと、前記第1電極421Yにより検出される第1静電容量と、前記第2電極422Yにより検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされている液体現像剤の液位を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極421Yと、前記収容部に設けられる第2電極422Yと、前記第1電極421Yにより検出される第1静電容量と、前記第2電極422Yにより検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされている液体現像剤の液位を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像する現像装置、及び現像装置によるトナー及びキャリアからなる現像剤で現像された像をさらに記録媒体に転写して、転写された像を融着し定着して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置の現像部においては、液体現像剤の残量等を把握するために、液体現像剤を収容する収容部における液体現像剤の液位を検出する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2001−194208号公報)には、基板と、前記基板に所定間隔離隔されるように支持される第1電極板と、前記基板から前記第1電極板の高さ程度まで延在され、前記第1電極板の外周面と対応する開口部をもつ第2電極板とを具備し、検出対象の溶液が貯蔵された容器の一側で所定の検知位置に設けられた電極部と、前記第1電極板及び前記第2電極板により測定される静電容量の変化から前記検知位置上での前記溶液の有無を検出する貯水レベル検出部とを具備することを特徴とする貯水レベル検出器が開示されている。
【特許文献1】特開2001−194208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術においては、液体を貯えた容器の外部に静電容量式の貯水レベル検出器及び貯水レベル測定器を有して構造となっており、この貯水レベル検出器は容器外に配置したために感度が低く、液体の有無が判断できるのみであった。このため、適切な補給剤の量を判断できず、不適切な量の補給剤を補給し、目標の濃度や液位に到達するまでに時間がかかったり、現像剤濃度が大きく変動したりすることで、画質を悪化させていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、前記第1電極を用いて検出される第1静電容量と、前記第2電極を用いて検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設け
られる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、前記現像剤貯留部の前記収容部に収容された液体現像剤が供給される現像剤容器、及び前記現像剤容器に収容された液体現像剤を担持して前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像剤担持体を有する現像部と、前記第1電極と前記対向電極との間で検出される第1静電容量と、前記第2電極と前記対向電極との間で検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記静電容量検出部は、前記第1電極及び前記第2電極と対向する対向電極を有する。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の下方に配されるとともに、液体現像剤を介して前記対向電極と対向する。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は、液体現像剤を介して前記対向電極と対向し、前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の上方に配されるとともに、液体現像剤を介することなく前記対向電極と対向する。
【0011】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極により検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極により得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部の液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示す断面図である。
【図3】現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す断面図である。
【図4】静電容量式液位センサーの測定原理を説明する図である。
【図5】静電容量式液位センサーの測定原理から求められる液位と静電容量との関係を示す図である。
【図6】液体現像剤の誘電率εdevと温度との関係の概略を示す図である。
【図7】液体現像剤の誘電率εdevと濃度との関係の概略を示す図である。
【図8】濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。
【図9】濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図13】第4実施形態における濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。
【図14】第4実施形態における濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0014】
画像形成部は、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0015】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0016】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0017】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0018】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0019】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0021】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード
18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、感光体スクイーズローラー13Y、感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0022】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、弾性ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。弾性ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0023】
弾性ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに弾性ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす弾性ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0024】
液体現像剤容器31Yは、仕切り部330Yによって供給貯留部310Y及び回収貯留部320Yの2つの空間に仕切られており、供給貯留部310Yには液体現像剤供給用のオーガ34Yが、また、回収貯留部320Yには液体現像剤回収用の回収オーガ321Yが収容されている。
【0025】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置されている。
【0026】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0027】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0028】
現像装置30Yの供給貯留部310Yにおいては、キャリア内にトナーを概略重量比25%程度に分散した状態の液体現像剤を貯留する。一方、現像装置30Yの回収貯留部320Yには、アニロックスローラー32Yに供給されなかった液体現像剤や、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’で掻き落とされた液体現像剤、クリーニングブレード21Yにより現像ローラー20Yから掻き落とされた液体現像剤、弾性ローラークリーニングブレード17Yにより弾性ローラー16Yから掻き落とされた液体現像剤などを回収する回収オーガ321Yも備えられている。
【0029】
また、現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Yが設けられている。このトナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0030】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤
を現像ローラー20Yに供給する弾性ローラー16Yと、この弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0031】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。
【0032】
すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE
RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0033】
より詳細を記すと、本発明における液体現像剤は、0.5〜1,000mPa・s(25℃)の粘度を有する液状シリコーン油中に、少なくともバインダー樹脂を分散したもので、HAAKE RheoStress RS600を用いて25℃での剪断速度が1000(1/s)の時の粘弾性が30mPa・s〜300mPa・s(25℃)の粘度を有するものである。
【0034】
液状シリコーン油は、低揮発性キャリア液であり、直鎖状構造の液状シリコーン、環状構造の液状シリコーン、分岐鎖状構造の液状シリコーン、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
【0035】
液状シリコーン油としては、米国ダウ・コーニング社によるDC 200 Fluid(20cSt)、DC 200 Fluid(100cSt)、DC 200 Fluid(50cSt)、DC 345 Fluid等が例示される。
【0036】
また、顔料としては、ニグロシン、フタロシアニンブルー、キナクリドン等の有機系着色剤、また、カーボンブラック、酸化鉄等の無機系着色剤が例示され、また、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリエステル、またはこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ロジン、ロジンエステル、変性エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン等が例示される。
【0037】
顔料とバインダー樹脂は液状シリコーン油中に直接分散されてもよいが、好ましくは顔料とバインダー樹脂を溶融混練し、バインダー樹脂で被覆された顔料とされるとよい。
【0038】
樹脂被覆顔料としては、エポキシ樹脂で被覆されたAraldite 6084(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Blue 15:3)、Tintacarb 435(キャボット・コーポレーション社によるC.I.Pigment Black 7)、Irgalite Rubine KB4N(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Red 57)、Monolite Yellow(ICIオーストラリアによるC.I.Pigment Yellow 1)等が挙げられる。これらの被
覆顔料は、適宜の割合で混合した後、溶融混練−粉砕して、マスターバッチとし、後述する液体現像剤の製造に使用するとよい。また、エポキシ樹脂を被覆した顔料の溶融混練に際してアルキル化ポリビニルピロリドンを添加してエポキシ樹脂と反応させ、被覆樹脂を変性エポキシ樹脂としたマスターバッチとしてもよい。
【0039】
分散剤としては、ビニル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミン基から選ばれる官能基を有するポリシロキサンであり、直鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、分岐鎖状ポリシロキサン、またそれらの組合せより選択される。例えばElastsil M4640A(ワッカー・ケミカル社製、ビニル官能基を有するポリシロキサンポリマー)、Finish WR1101(ワッカー・ケミカル社製、アミン官能基を有するポリシロキサンポリマー)であり、粘度が90,000mPa・s以下のものが例示される。官能基を有するポリシロキサンは、官能基に介して着色樹脂粒子の表面に結合または吸着し、それによって、液状シリコーン油との相溶性を着色粒子に与えるものである。
【0040】
また、本発明の液体現像剤には、必要に応じて金属石鹸、脂肪酸、レシチン等の電荷制御剤を含むことができ、例えばNuxtra 6% Zirconium(クリアノバ社製、オクタン酸ジルコニウム)等が例示される。
【0041】
本発明の液体現像剤は、上記で得たマスターバッチと分散剤と液状シリコーン油とをボールミルで微粉砕、混合して調製され、30〜300mPa・s(25℃)の粘度を有するものとされるとよい。トナー固形分濃度は、40質量%以下、好ましくは10〜25質量%とするとよい。本実施形態においては、液体現像剤として、トナー固形分濃度が25質量%のものが、現像剤容器31Yに収容されている。
【0042】
なお、本発明の液体現像剤は、特表2003−508826に記載される液体現像剤を使用してもよく、詳細はその記載が参照されるが、本発明にあっては、その液体現像剤におけるバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃〜70℃のものが好ましい。
【0043】
アニロックスローラー32Yは、弾性ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって弾性ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0044】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、弾性ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0045】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ
ー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0046】
弾性ローラー16Yについても、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。また、弾性ローラークリーニングブレード17Yは、弾性ローラー16Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0047】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0048】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された液体現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応し移動し、これを現像する。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収貯留部320Yに滴下して再利用される。
【0049】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された液体現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。一次転写前の感光体スクイーズ装置として、本実施形態では複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を設けているが、ひとつの感光体スクイーズローラーによって構成しても良い。また、液体現像剤の状態などに応じて、複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’のうち一方が当離接するように構成しても良い。
【0050】
一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0051】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。この感光体クリーニングブレード18Yによって掻き落とされた液体現像剤は、現像剤貯留基体280Yに落下する。現像剤貯留基体280Yには回転する回収オーガ281Yが設けられており、回収オーガ281Yの回転に伴い、現像剤貯留基体280Yに貯留している液体現像剤はリサイクル現像剤回収管285Yに導かれ、リサイクル現像剤回収管285Yを経てバッファタンク530Yに到達する。
【0052】
現像装置30Yは、現像剤容器31Yにおける供給貯留部310Yに対し、キャリアにトナーを概略重量比25%に分散した液体現像剤を供給する濃度調整用タンク400Yが設けられている。濃度調整用タンク400Yと供給貯留部310Yとの間には液体現像剤供給管370Yが設けられており、この液体現像剤供給管370Yの途中に配されている液体現像剤供給ポンプ375Yの駆動により濃度調整用タンク400Y中の濃度が調整さ
れた液体現像剤が、供給貯留部310Yに供給されるようになっている。
【0053】
また、濃度調整用タンク400Yと、現像容器31Yにおける回収貯留部320Yとの間には液体現像剤回収管371Yが設けられており、各クリーニングブレードにより掻き落とされた液体現像剤が貯留されている回収貯留部320Yにおいて、回収オーガ321Yが回転すると、液体現像剤は液体現像剤回収管371Yに導かれ、濃度調整用タンク400Yに落下する。
【0054】
高濃度現像剤タンク510Yは、トナー固形分濃度約35%以上の高濃度液体現像剤を貯蔵するタンクであり、キャリア液タンク520Yはキャリア原液を貯蔵するタンクである。
【0055】
高濃度現像剤タンク510Yと濃度調整用タンク400Yとの間には高濃度現像剤供給管511Yが設けられており、高濃度現像剤供給管511Y中の高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、高濃度現像剤タンク510Yから濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を下回った場合、高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給し、濃度を高めるようにすることができる。
【0056】
キャリア液タンク520Yと濃度調整用タンク400Yとの間にはキャリア液供給管521Yが設けられており、キャリア液供給管521Y中のキャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回った場合、キャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給し、濃度を低めるようにすることができる。
【0057】
また、現像剤貯留基体280Yから回収された液体現像剤が貯留されているバッファタンク530Yと、濃度調整用タンク400Yとの間にはリサイクル現像剤供給管531Yが設けられており、リサイクル現像剤供給管531Y中のリサイクル現像剤供給ポンプ533Yが駆動されることで、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yにリサイクルした液体現像剤を供給することができるようになっている。
【0058】
バッファタンク530Yに貯留されている液体現像剤は、2次転写が行われた後の感光体10Yから掻き落とされた液体現像剤であるので、トナー固形分濃度が極めて低い(トナー固形分濃度約3%程度)、キャリアリッチなものである。したがって、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回ったとき、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液を供給する代わりに、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに液体現像剤を供給すると、キャリア液タンク520Y中のキャリア液の原液を節約することが可能となる場合がある。
【0059】
次に、濃度調整用タンク400Yの構成についてより詳しく説明する。図3は現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す断面図である。濃度調整用タンク400Yは、現像装置30Yにおける現像プロセスで用いる液体現像剤を調製するために利用されるタンクである。
【0060】
この濃度調整用タンク400Yは、液体現像剤を貯留しておく収容部401Yと、この収容部401Yを覆うと共に、各配管、軸部406Y、支持部材451Yなどが挿通される蓋部402Yを有している。
【0061】
この蓋部402Yにはモーター405Yが取り付けられている。モーター405Yの回転軸である軸部406Yは蓋部402Yから収容部401Y内に挿通されている。軸部406Yには、液体現像剤に浸ることが想定される位置に攪拌翼407Yが取り付けられており、モーター405Yの作動に伴い、攪拌翼407Yが回転し収容部401Y中の液体現像剤が攪拌されるようになっている。
【0062】
この濃度調整用タンク400Yの収容部401Yの側面には、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出するために用いられる静電容量式液位センサー410Yが設けられている。静電容量式液位センサー410Yを構成する共通電極429Yは、取り付け基台411Y、412Y、413Yによって、濃度調整用タンク400Y内の側壁部における鉛直方向にわたって設けられている。この共通電極429Yにおける鉛直方向上方においては、共通電極429Yは第1電極421Yと対向し、共通電極429Yと第1電極421Yとでコンデンサ(以下、第1コンデンサという)を構成する。また、共通電極429Yにおける鉛直方向下方においては、共通電極429Yは第2電極422Yと対向し、共通電極429Yと第2電極422Yとでコンデンサ(以下、第2コンデンサという)を構成する。第1スペーサー431Yは共通電極429Yと第1電極421Yとの間の位置規制を行うものであり、第2スペーサー432Y共通電極429Yと第1電極421Y、第2電極422Yとの間の位置規制を行う。
【0063】
本実施形態においては、このように共通電極429Yをグランド電極として、鉛直上方部及び鉛直下方部において2つのコンデンサが形成されることとなる。共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出するために、また、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される鉛直下方部の第2コンデンサは液体現像剤の誘電率をリファレンス値として取得するために用いられる。
【0064】
なお、共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yのいずれの電極も不図示のリード線が配されており、それぞれのコンデンサの静電容量を測定することができるようになっている。
【0065】
共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yには、ステンレス(SUS304、SUS430)、鉄、アルミ(A5052、A6063)などの材質のものを用いる。なお、共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yの表面には、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)などのコーティングを施しても良い。
【0066】
また、電極間の間隔を決定する部材である第1スペーサー423Y、第2スペーサー424Yに用いる材質としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂などの絶縁体を挙げることができる。
【0067】
図5は共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサの測定原理から求められる液位と静電容量との関係を示す図である。濃度調整用タンク400Yにおける液位と、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサCの静電容量には、図示するように1次式の関係がある。
【0068】
ところで、本実施形態で用いられる液体現像剤の誘電率εdevは温度によって変化があることがわかった。この変化に基づいて、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサCの静電容量は、温度の変化に応じて図6に示すように変化する。図6における温度と誘電率εdevとの関係式は、2次式で近似することがで
きる。
【0069】
また、本実施形態で用いられる液体現像剤の誘電率εdevは、キャリア液中に分散されているトナー固形分濃度に応じて変化する。図7は液体現像剤の誘電率εdevと濃度との関係の概略を示す図である。図7に示すように、液体現像剤の濃度が上昇すると、液体現像剤の誘電率εdevも上昇する傾向があることがわかる。
【0070】
以上のように、静電容量式液位センサー410Yにおいては、第1コンデンサCにおける誘電率εdevが液体現像剤の温度と濃度によって変化するので、液位を算出する際においては、温度と濃度に応じた誘電率εdevの変化に基づいた補正を行うようにする。
【0071】
ここで、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される鉛直下方部の第2コンデンサによって取得されるリファレンス値からは、液体現像剤の誘電率εdevを求めることができるので、液体現像剤の温度や濃度の変化に含めた正確な誘電率εdevを取得することができる。この誘電率εdevを利用して、共通電極429Yと第1電極421Yとにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を算出することで、正確な液位を算出することが可能となる。
【0072】
このように本発明の現像装置及び画像形成装置においては、共通電極429Yと第2電極422Yとにより得られる静電容量をリファレンス値とし、共通電極429Yと第1電極421Yとにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部の液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0073】
図4は共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサにより濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出する際の測定原理を説明する図である。共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yとは同じ幅の電極が用いられており、その電極幅はwである。また、第1電極421Yの電極長さはl1であり、第2電極422Yの電極長さはl2である。また、共通電極429Yと第1電極421Yとは間隔dをもって対向配置されている。同様に、共通電極429Yと第2電極422Yとは間隔dをもって対向配置されている。また、液位Lとしては便宜上、第1電極421Yの下端部を基点としている。また、空気の誘電率をεair、液体現像剤の誘電率をεdevとする。
【0074】
共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される第1コンデンサの静電容量をC1とし、また、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される第2コンデンサの静電容量をC2とする。第1コンデンサについては液位の計測のために、また、第2コンデンサについては液体現像剤の誘電率εdevを取得するために用いるものである。
【0075】
本実施形態においては、静電容量式液位センサー410Yが、第1電極421Y(液位測定)、第2電極422Y(濃度リファレンス)、共通電極429Y(グランド)から構成され、液体現像剤濃度による誤差を排除できる濃度算出例である。これは、温度変化が少なく、濃度変化による誤差が支配的と考えられる場合に好適に利用することができる。
【0076】
第2電極422Yの静電容量測定値C2から、液体現像剤の誘電率εdevは下式(1)によって求めることができる。
【0077】
【数1】
一方、第1電極421Yに関連する第1コンデンサC1の静電容量算出式は下式(2)のように表すことができる。
【0078】
【数2】
以上から液位Lは下式(3)により求めることができる。
【0079】
【数3】
ただし、
【0080】
【数4】
【0081】
【数5】
である。
【0082】
ここで、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量をC0とする。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の増加量である。第2電極422Yの測定により(1)式から得られたεdevを(3)式に代入すれば、第1電極421Yに関連する静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0083】
以上のように、濃度が変化すると現像剤誘電率εdevが変化し、第1電極421Yに係る1つの電極対の電容量測定値のみでは液位Lを正確に求められない。しかし、本実施形態においては、第2電極422Yから得られる静電容量をリファレンス値として使用することで現像剤誘電率εdevを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。
【0084】
次に、以上のように構成される現像装置30Yにおける制御例について説明する。図8
は濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。図8において、マイクロコンピューター650は、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置である。このマイクロコンピューター650には、液位算出部651、静電容量−液位算出テーブル652、濃度算出部653、液位・濃度制御部654などの各処理部・記憶部が仮想的に設けられているものとみなすことができる。
【0085】
静電容量式液位センサー410Yを構成する第1電極421Yと第2電極422Yからの入力はそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620に入力され、それぞれの静電容量データが生成される。静電容量測定回路としては、例えば電極に対して所定時間既知電流を流して、コンデンサのチャージを行い、その後の電極間の電圧を計測することで静電容量を取得する構成のものを用いることができる。
【0086】
マイクロコンピューター650に対しては、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される第1コンデンサによって検出された静電容量データ、及び、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される第2コンデンサによって検出された静電容量データ(リファレンスデータ)がそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620から入力される。また、マイクロコンピューター650に対しては、濃度センサー460Yからの濃度データが入力される。
【0087】
マイクロコンピューター650における液位算出部651では、静電容量−液位算出テーブル652を参照しつつ、静電容量測定回路610、静電容量測定回路620から入力された静電容量データに基づいて、液位を算出する。静電容量−液位算出テーブル652は、2つの静電容量データと、液位データの組み合わせを記憶するテーブルであり、このテーブルは先に説明した式(1)乃至(5)に基づいて作成されている。
【0088】
濃度センサー460Yからのデータは濃度算出部653で処理され、液位・濃度制御部654に入力される。濃度センサー460Yと濃度算出部653については、例えば、特開2009−75558に開示されている、透過式濃度センサーを使用し濃度を検出する方法などを用いることができる。
【0089】
液位算出部651から出力される液位データと、濃度算出部653から出力される濃度データは、液位・濃度制御部654に入力される。
【0090】
液位・濃度制御部654は、液位算出部651が算出した液位データと濃度算出部653が算出した濃度データに基づき、濃度調整用タンク400Yにおける液位と濃度とを一定に維持するため、液位・濃度同時制御を行う制御部である。液位・濃度を同時に一定値になるよう補給用の高濃度現像剤とキャリアの補給量を算出する。さらに算出値に基づき、高濃度現像剤タンク510Y、キャリア液タンク520Y、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに送液するよう各ポンプのモーターに対して駆動信号を出力する。これにより、液位と濃度に応じて正確な補給が行われ、液位と濃度が維持される。
【0091】
図9は濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。ステップS100で処理が開始されると、次のステップS101においては、初期値の算出を行う。初期値算出では、式(4)、(5)に基づき、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量C0を算出する。
【0092】
ステップS102では、サンプリングタイミングか否かが判定され、この判定がYESであると、ステップS103に進む。
【0093】
ステップS103では、第2電極422Yによる静電容量測定を行い、次のステップS104では、これに測定に基づいて液体現像剤誘電率εdevを算出する。また、ステップS105では、第1電極421Yによる静電容量測定を行い、次のステップS106では、静電容量−液位算出テーブル652を参照して液体現像剤液位Lを算出する。
【0094】
ステップS107では、上位装置から終了が指令あるか否かが判定され、この判定がNOのときはステップS102に戻りループし、判定がYESであるときには、ステップS108に進み、処理を終了する。
【0095】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極422Yにより検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0096】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第2実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図10は本発明の第2実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0097】
先の実施形態においては、共通電極429Yと第1電極421Yとで第1コンデンサを形成し、共通電極429Yと第2電極422Yとで第2コンデンサ形成さるようにしていたが、第2実施形態おいては、濃度調整用タンク400Yの鉛直上方部で、第1電極421Yとこれに対向する第3電極423Yとで第1コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部で、第2電極422Yとこれに対向する第4電極424Yとで第2コンデンサを形成するようにしている。すなわち、第1の実施形態では2つのコンデンサを形成する際、共通電極を用いて計3つの電極を用いていたのに対し、第2実施形態では2つのコンデンサを形成する際、計4つの電極を用いている。また、第1電極421Yと第3電極423Yの長さはl1で幅はwとされているが、第2電極422Yと第4電極424Yの長さはl2で幅は4wとされている。
【0098】
本実施形態においては、第2電極422Yと第4電極424Yの静電容量測定値C2から、液体現像剤の誘電率εdevは下式(6)によって求めることができる。
【0099】
【数6】
本実施形態においては、第2電極422Yと第4電極424Yの幅は、第1電極421Yと第3電極423Yの幅の4倍とされているので、液体現像剤の誘電率εdevの算出精度を向上させることができる。
【0100】
第2実施形態では、その他のパラメーターは第1の実施形態と同様であり、(1)式に代えて(6)式を用いるのみで、他の計算式は第1実施形態と同様のものを用いて液位Lを算出することができる。
【0101】
第2実施形態に係る現像装置及び画像形成装置においても、第2電極422Yにより検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0102】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態についても、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第3実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図11は本発明の第3実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0103】
第3実施形態おいては、共通電極429Yにおける鉛直方向上方においては、共通電極429Yは第2電極422Yと対向し、共通電極429Yと第2電極422Yとで第2コンデンサを構成する。また、共通電極429Yにおける鉛直方向下方においては、共通電極429Yは第1電極421Yと対向し、共通電極429Yと第1電極421Yとで第1コンデンサを構成する。また、第1電極421Yと第3電極423Yの対向部の長さはl1で幅はwとされ、第2電極422Yと第4電極424Yの対向部の長さはl2で幅はwとされている。
【0104】
第3実施形態においては、第1電極421Yと第3電極423Yで構成される第1コンデンサC1は液位測定のために、また、第2電極422Yと共通電極429Yで構成される第2コンデンサC2は、ケーブル静電容量リファレンスのために用いられる。ここで、ケーブル(不図示)とは第1電極421Y、第2電極422Y、共通電極429Yと静電容量測定回路を導通接続するものである。このようなケーブルは浮游容量を有するものであり、電極間で構成されるコンデンサの静電容量に足される形となる。第3実施形態は、このようなケーブル静電容量による誤差を排除できる算出例である。第3実施形態は、液体現像剤濃度変化が少なく、温度変化に伴うケーブル静電容量変化による誤差が支配的な場合に好適に用いることができる。
【0105】
コンデンサC1の静電容量測定回路が測定する静電容量は、下式(7)のように求めることができる。
【0106】
【数7】
ここで、Ccableはケーブル静電容量である。
【0107】
また、コンデンサC2の静電容量測定回路が測定する静電容量は、下式(8)のように求めることができる。
【0108】
【数8】
式(7)及び式(8)から液位Lの算出式である下式(9)を得ることができる。
【0109】
【数9】
ただし、
【0110】
【数10】
【0111】
【数11】
【0112】
【数12】
である。
【0113】
C0は第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの、ケーブル静電容量を含まない静電容量である。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の差分である。
【0114】
第2電極422Yの測定によりCcableが得られ、(9)式に代入すれば、第1電極421Yの静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0115】
以上のように、ケーブル静電容量が変化すると第1電極421Yの静電容量測定値のみから液位Lを求めようとすると大きな誤差を伴うが、本実施形態においては、第2電極422Yをリファレンス電極として使用することでケーブル静電容量Ccableを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、
適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0116】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態についても、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第4実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図12は本発明の第4実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0117】
第4実施形態おいては、濃度調整用タンク400Yの鉛直上方部で、第3電極423Yとこれに対向する第6電極426Yとで第3コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部で、第2電極422Yとこれに対向する第5電極425Yとで第2コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部と鉛直下方部の中央部で、第1電極421Yとこれに対向する第4電極424Yとで第1コンデンサを形成するようにしている。
【0118】
また、第1コンデンサを構成する第1電極421Y、第4電極424Yの長さはl1で幅はwとされ、第2コンデンサを構成する第2電極422Y、第5電極425Yの長さはl2で幅はwとされ、第3コンデンサを構成する第3電極423Y、第6電極426Yの長さはl3で幅はwとされている。また、第6電極426Yと第4電極424Yとはグランド結線441Yによって導電接続され、第4電極424Yと第5電極425Yとはグランド結線442Yによって導電接続されている。
【0119】
第4実施形態においては、第1電極421Y、第4電極424Yで構成される第1コンデンサC1は液位測定のために、第2電極422Y、第5電極425Yで構成される第2コンデンサC2は濃度リファレンスのために、第3電極423Y、第6電極426Yで構成される第3コンデンサC3はケーブル静電容量リファレンスのために利用することで、液体現像剤の誘電率εdevの変化とケーブル静電容量の変化による2つの誤差を排除できる液位算出を行うことができる。第4実施形態は、液体現像剤濃度変化による誤差も、ケーブル静電容量変化による誤差も無視できない場合に好適である。
【0120】
第3コンデンサC3の測定値から、式(13)によりケーブル静電容量Ccableを得ることができる。
【0121】
【数13】
また、第2コンデンサC2の測定値から、式(14)により液体現像剤の誘電率εdevを得ることができる。
【0122】
【数14】
式(13)と式(14)と、第1コンデンサC1の測定値から、式(15)により液体現像剤の液位Lを得ることができる。
【0123】
【数15】
ただし、
【0124】
【数16】
【0125】
【数17】
である。
【0126】
ここで、C0は第1コンデンサが全長に渡り空気中にあるときの、ケーブル静電容量を含まない静電容量である。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の差分である。第3コンデンサの測定によりCcableが得られ、第2コンデンサの測定によりεdevが得られ、これらを(15)式に代入すれば、第1コンデンサの静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0127】
以上のように、液体現像剤濃度やケーブル静電容量が変化すると第1コンデンサの静電容量測定値のみから液位Lを求めようとすると大きな誤差を伴うが、本実施形態においては、第2コンデンサ、第3コンデンサをリファレンス電極として使用することでケーブル静電容量Ccableを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。
【0128】
次に、以上のように構成される現像装置30Yにおける制御例について説明する。図13は第4実施形態における濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。図13において、マイクロコンピューター650は、
CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置である。このマイクロコンピューター650には、液位算出部651、静電容量−液位算出テーブル652、濃度算出部653、液位・濃度制御部654などの各処理部・記憶部が仮想的に設けられているものとみなすことができる。
【0129】
静電容量式液位センサー410Yを構成する第1電極421Y、第2電極422Y、第3電極423Yからの入力はそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630に入力され、それぞれの静電容量データが生成される。静電容量測定回路としては、例えば電極に対して所定時間既知電流を流して、コンデンサのチャージを行い、その後の電極間の電圧を計測することで静電容量を取得する構成のものを用いることができる。
【0130】
マイクロコンピューター650に対しては、第1コンデンサによって検出された静電容量データ、及び、第2コンデンサによって検出された静電容量データ(液定現像剤誘電率リファレンスデータ)、第3コンデンサによって検出された静電容量データ(ケーブル静電容量リファレンス)がそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630から入力される。また、マイクロコンピューター650に対しては、濃度センサー460Yからの濃度データが入力される。
【0131】
マイクロコンピューター650における液位算出部651では、静電容量−液位算出テーブル652を参照しつつ、静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630から入力された静電容量データに基づいて、液位を算出する。静電容量−液位算出テーブル652は、3つの静電容量データと、液位データの組み合わせを記憶するテーブルであり、このテーブルは先に説明した式(13)乃至(17)に基づいて作成されている。
【0132】
濃度センサー460Yからのデータは濃度算出部653で処理され、液位・濃度制御部654に入力される。濃度センサー460Yと濃度算出部653については、例えば、特開2009−75558に開示されている、透過式濃度センサーを使用し濃度を検出する方法などを用いることができる。
【0133】
液位算出部651から出力される液位データと、濃度算出部653から出力される濃度データは、液位・濃度制御部654に入力される。
【0134】
液位・濃度制御部654は、液位算出部651が算出した液位データと濃度算出部653が算出した濃度データに基づき、濃度調整用タンク400Yにおける液位と濃度とを一定に維持するため、液位・濃度同時制御を行う制御部である。液位・濃度を同時に一定値になるよう補給用の高濃度現像剤とキャリアの補給量を算出する。さらに算出値に基づき、高濃度現像剤タンク510Y、キャリア液タンク520Y、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに送液するよう各ポンプのモーターに対して駆動信号を出力する。これにより、液位と濃度に応じて正確な補給が行われ、液位と濃度が維持される。
【0135】
図14は第4実施形態における濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。ステップS200で処理が開始されると、次のステップS201においては、初期値の算出を行う。初期値算出では、式(16)、(17)に基づき、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量C0を算出する。
【0136】
ステップS202では、サンプリングタイミングか否かが判定され、この判定がYESであると、ステップS203に進む。
【0137】
ステップS203では、第3電極423Yによる静電容量測定を行い、次のステップS204では、これに測定に基づいてケーブル静電容量Ccableを算出する。
【0138】
ステップS205では、第2電極422Yによる静電容量測定を行い、次のステップS206では、これに測定に基づいて液体現像剤誘電率εdevを算出する。また、ステップS207では、第1電極421Yによる静電容量測定を行い、次のステップS208では、静電容量−液位算出テーブル652を参照して液体現像剤液位Lを算出する。
【0139】
ステップS209では、上位装置から終了が指令あるか否かが判定され、この判定がNOのときはステップS202に戻りループし、判定がYESであるときには、ステップS210に進み、処理を終了する。
【0140】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極422Yにより検出される第2静電容量を液体現像剤誘電率εdevに係るリファレンス値とし、第3電極423Yにより検出される第3静電容量をケーブル静電容量Ccableに係るリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる第1静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化、ケーブルの静電容量の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【符号の説明】
【0141】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13Y’・・・感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・弾性ローラー、17Y・・・弾性ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、90・・・定着ユニット、280Y・・・現像剤貯留基体、281Y・・・回収オーガ、285Y・・・リサイクル現像剤回収管、310Y・・・供給貯留部、320Y・・・回収貯留部、321Y・・・回収オーガ、330Y・・・仕切り部、370Y・・・液体現像剤供給管、371Y・・・液体現像剤回収管、375Y・・・液体現像剤供給ポンプ、400Y・・・濃度調整用タンク、401Y・・・収容部、402Y・・・蓋部、405Y・・・モーター、406Y・・・軸部、407Y・・・攪拌翼、410Y・・・静電容量式液位センサー、411Y・・・取り付け基台、412Y・・・取り付け基台、413Y・・・取り付け基台、414Y・・・取り付け基台、421Y・・・第1電極、422Y・・・第2電極、423Y・・・第3電極、424Y・・・第4電極、425Y・・・第5電極、426Y・・・第6電極、429Y・・・共通電極、431Y・・・第1スペーサー(規制部材)、432Y・・・第2スペーサー(規制部材)、433Y・・・第3スペーサー(規制部材)、434Y・・・第4スペーサー(規制部材)、441Y・・・グランド結線、442Y・・・グランド結線、450Y・・・固定部材、451Y・・・支持部材、460Y・・・濃度センサー、490Y・・・温度セン
サー、510Y・・・高濃度現像剤タンク、511Y・・・高濃度現像剤供給管、513Y・・・高濃度現像剤供給ポンプ、520Y・・・キャリア液タンク、521Y・・・キャリア液供給管、523Y・・・キャリア液供給ポンプ、530Y・・・バッファタンク、531Y・・・リサイクル現像剤供給管、533Y・・・リサイクル現像剤供給ポンプ、610・・・静電容量測定回路(第1電極用)、620・・・静電容量測定回路(第2電極用)、630・・・静電容量測定回路(第3電極用)、650・・・マイクロコンピューター、651・・・液位算出部、652・・・静電容量−液位算出テーブル、653・・・濃度算出部、654・・・液位・濃度制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリアからなる液体現像剤によって現像する現像装置、及び現像装置によるトナー及びキャリアからなる現像剤で現像された像をさらに記録媒体に転写して、転写された像を融着し定着して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置の現像部においては、液体現像剤の残量等を把握するために、液体現像剤を収容する収容部における液体現像剤の液位を検出する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2001−194208号公報)には、基板と、前記基板に所定間隔離隔されるように支持される第1電極板と、前記基板から前記第1電極板の高さ程度まで延在され、前記第1電極板の外周面と対応する開口部をもつ第2電極板とを具備し、検出対象の溶液が貯蔵された容器の一側で所定の検知位置に設けられた電極部と、前記第1電極板及び前記第2電極板により測定される静電容量の変化から前記検知位置上での前記溶液の有無を検出する貯水レベル検出部とを具備することを特徴とする貯水レベル検出器が開示されている。
【特許文献1】特開2001−194208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術においては、液体を貯えた容器の外部に静電容量式の貯水レベル検出器及び貯水レベル測定器を有して構造となっており、この貯水レベル検出器は容器外に配置したために感度が低く、液体の有無が判断できるのみであった。このため、適切な補給剤の量を判断できず、不適切な量の補給剤を補給し、目標の濃度や液位に到達するまでに時間がかかったり、現像剤濃度が大きく変動したりすることで、画質を悪化させていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、前記第1電極を用いて検出される第1静電容量と、前記第2電極を用いて検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設け
られる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、前記現像剤貯留部の前記収容部に収容された液体現像剤が供給される現像剤容器、及び前記現像剤容器に収容された液体現像剤を担持して前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像剤担持体を有する現像部と、前記第1電極と前記対向電極との間で検出される第1静電容量と、前記第2電極と前記対向電極との間で検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記静電容量検出部は、前記第1電極及び前記第2電極と対向する対向電極を有する。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の下方に配されるとともに、液体現像剤を介して前記対向電極と対向する。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は、液体現像剤を介して前記対向電極と対向し、前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の上方に配されるとともに、液体現像剤を介することなく前記対向電極と対向する。
【0011】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極により検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極により得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部の液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示す断面図である。
【図3】現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す断面図である。
【図4】静電容量式液位センサーの測定原理を説明する図である。
【図5】静電容量式液位センサーの測定原理から求められる液位と静電容量との関係を示す図である。
【図6】液体現像剤の誘電率εdevと温度との関係の概略を示す図である。
【図7】液体現像剤の誘電率εdevと濃度との関係の概略を示す図である。
【図8】濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。
【図9】濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【図13】第4実施形態における濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。
【図14】第4実施形態における濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0014】
画像形成部は、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0015】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0016】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0017】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0018】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0019】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0020】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0021】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード
18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、感光体スクイーズローラー13Y、感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0022】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、弾性ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。弾性ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0023】
弾性ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに弾性ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす弾性ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0024】
液体現像剤容器31Yは、仕切り部330Yによって供給貯留部310Y及び回収貯留部320Yの2つの空間に仕切られており、供給貯留部310Yには液体現像剤供給用のオーガ34Yが、また、回収貯留部320Yには液体現像剤回収用の回収オーガ321Yが収容されている。
【0025】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置されている。
【0026】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0027】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0028】
現像装置30Yの供給貯留部310Yにおいては、キャリア内にトナーを概略重量比25%程度に分散した状態の液体現像剤を貯留する。一方、現像装置30Yの回収貯留部320Yには、アニロックスローラー32Yに供給されなかった液体現像剤や、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’で掻き落とされた液体現像剤、クリーニングブレード21Yにより現像ローラー20Yから掻き落とされた液体現像剤、弾性ローラークリーニングブレード17Yにより弾性ローラー16Yから掻き落とされた液体現像剤などを回収する回収オーガ321Yも備えられている。
【0029】
また、現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Yが設けられている。このトナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0030】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤
を現像ローラー20Yに供給する弾性ローラー16Yと、この弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0031】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。
【0032】
すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE
RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0033】
より詳細を記すと、本発明における液体現像剤は、0.5〜1,000mPa・s(25℃)の粘度を有する液状シリコーン油中に、少なくともバインダー樹脂を分散したもので、HAAKE RheoStress RS600を用いて25℃での剪断速度が1000(1/s)の時の粘弾性が30mPa・s〜300mPa・s(25℃)の粘度を有するものである。
【0034】
液状シリコーン油は、低揮発性キャリア液であり、直鎖状構造の液状シリコーン、環状構造の液状シリコーン、分岐鎖状構造の液状シリコーン、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
【0035】
液状シリコーン油としては、米国ダウ・コーニング社によるDC 200 Fluid(20cSt)、DC 200 Fluid(100cSt)、DC 200 Fluid(50cSt)、DC 345 Fluid等が例示される。
【0036】
また、顔料としては、ニグロシン、フタロシアニンブルー、キナクリドン等の有機系着色剤、また、カーボンブラック、酸化鉄等の無機系着色剤が例示され、また、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリエステル、またはこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ロジン、ロジンエステル、変性エポキシ樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン等が例示される。
【0037】
顔料とバインダー樹脂は液状シリコーン油中に直接分散されてもよいが、好ましくは顔料とバインダー樹脂を溶融混練し、バインダー樹脂で被覆された顔料とされるとよい。
【0038】
樹脂被覆顔料としては、エポキシ樹脂で被覆されたAraldite 6084(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Blue 15:3)、Tintacarb 435(キャボット・コーポレーション社によるC.I.Pigment Black 7)、Irgalite Rubine KB4N(チバ・ガイギー社によるC.I.Pigment Red 57)、Monolite Yellow(ICIオーストラリアによるC.I.Pigment Yellow 1)等が挙げられる。これらの被
覆顔料は、適宜の割合で混合した後、溶融混練−粉砕して、マスターバッチとし、後述する液体現像剤の製造に使用するとよい。また、エポキシ樹脂を被覆した顔料の溶融混練に際してアルキル化ポリビニルピロリドンを添加してエポキシ樹脂と反応させ、被覆樹脂を変性エポキシ樹脂としたマスターバッチとしてもよい。
【0039】
分散剤としては、ビニル基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミン基から選ばれる官能基を有するポリシロキサンであり、直鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、分岐鎖状ポリシロキサン、またそれらの組合せより選択される。例えばElastsil M4640A(ワッカー・ケミカル社製、ビニル官能基を有するポリシロキサンポリマー)、Finish WR1101(ワッカー・ケミカル社製、アミン官能基を有するポリシロキサンポリマー)であり、粘度が90,000mPa・s以下のものが例示される。官能基を有するポリシロキサンは、官能基に介して着色樹脂粒子の表面に結合または吸着し、それによって、液状シリコーン油との相溶性を着色粒子に与えるものである。
【0040】
また、本発明の液体現像剤には、必要に応じて金属石鹸、脂肪酸、レシチン等の電荷制御剤を含むことができ、例えばNuxtra 6% Zirconium(クリアノバ社製、オクタン酸ジルコニウム)等が例示される。
【0041】
本発明の液体現像剤は、上記で得たマスターバッチと分散剤と液状シリコーン油とをボールミルで微粉砕、混合して調製され、30〜300mPa・s(25℃)の粘度を有するものとされるとよい。トナー固形分濃度は、40質量%以下、好ましくは10〜25質量%とするとよい。本実施形態においては、液体現像剤として、トナー固形分濃度が25質量%のものが、現像剤容器31Yに収容されている。
【0042】
なお、本発明の液体現像剤は、特表2003−508826に記載される液体現像剤を使用してもよく、詳細はその記載が参照されるが、本発明にあっては、その液体現像剤におけるバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃〜70℃のものが好ましい。
【0043】
アニロックスローラー32Yは、弾性ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって弾性ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0044】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、弾性ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0045】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ
ー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0046】
弾性ローラー16Yについても、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。また、弾性ローラークリーニングブレード17Yは、弾性ローラー16Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0047】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0048】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された液体現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応し移動し、これを現像する。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収貯留部320Yに滴下して再利用される。
【0049】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された液体現像剤から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。一次転写前の感光体スクイーズ装置として、本実施形態では複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’を設けているが、ひとつの感光体スクイーズローラーによって構成しても良い。また、液体現像剤の状態などに応じて、複数の感光体スクイーズローラー13Y、13Y’のうち一方が当離接するように構成しても良い。
【0050】
一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0051】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。この感光体クリーニングブレード18Yによって掻き落とされた液体現像剤は、現像剤貯留基体280Yに落下する。現像剤貯留基体280Yには回転する回収オーガ281Yが設けられており、回収オーガ281Yの回転に伴い、現像剤貯留基体280Yに貯留している液体現像剤はリサイクル現像剤回収管285Yに導かれ、リサイクル現像剤回収管285Yを経てバッファタンク530Yに到達する。
【0052】
現像装置30Yは、現像剤容器31Yにおける供給貯留部310Yに対し、キャリアにトナーを概略重量比25%に分散した液体現像剤を供給する濃度調整用タンク400Yが設けられている。濃度調整用タンク400Yと供給貯留部310Yとの間には液体現像剤供給管370Yが設けられており、この液体現像剤供給管370Yの途中に配されている液体現像剤供給ポンプ375Yの駆動により濃度調整用タンク400Y中の濃度が調整さ
れた液体現像剤が、供給貯留部310Yに供給されるようになっている。
【0053】
また、濃度調整用タンク400Yと、現像容器31Yにおける回収貯留部320Yとの間には液体現像剤回収管371Yが設けられており、各クリーニングブレードにより掻き落とされた液体現像剤が貯留されている回収貯留部320Yにおいて、回収オーガ321Yが回転すると、液体現像剤は液体現像剤回収管371Yに導かれ、濃度調整用タンク400Yに落下する。
【0054】
高濃度現像剤タンク510Yは、トナー固形分濃度約35%以上の高濃度液体現像剤を貯蔵するタンクであり、キャリア液タンク520Yはキャリア原液を貯蔵するタンクである。
【0055】
高濃度現像剤タンク510Yと濃度調整用タンク400Yとの間には高濃度現像剤供給管511Yが設けられており、高濃度現像剤供給管511Y中の高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、高濃度現像剤タンク510Yから濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を下回った場合、高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給し、濃度を高めるようにすることができる。
【0056】
キャリア液タンク520Yと濃度調整用タンク400Yとの間にはキャリア液供給管521Yが設けられており、キャリア液供給管521Y中のキャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回った場合、キャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給し、濃度を低めるようにすることができる。
【0057】
また、現像剤貯留基体280Yから回収された液体現像剤が貯留されているバッファタンク530Yと、濃度調整用タンク400Yとの間にはリサイクル現像剤供給管531Yが設けられており、リサイクル現像剤供給管531Y中のリサイクル現像剤供給ポンプ533Yが駆動されることで、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yにリサイクルした液体現像剤を供給することができるようになっている。
【0058】
バッファタンク530Yに貯留されている液体現像剤は、2次転写が行われた後の感光体10Yから掻き落とされた液体現像剤であるので、トナー固形分濃度が極めて低い(トナー固形分濃度約3%程度)、キャリアリッチなものである。したがって、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回ったとき、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液を供給する代わりに、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに液体現像剤を供給すると、キャリア液タンク520Y中のキャリア液の原液を節約することが可能となる場合がある。
【0059】
次に、濃度調整用タンク400Yの構成についてより詳しく説明する。図3は現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す断面図である。濃度調整用タンク400Yは、現像装置30Yにおける現像プロセスで用いる液体現像剤を調製するために利用されるタンクである。
【0060】
この濃度調整用タンク400Yは、液体現像剤を貯留しておく収容部401Yと、この収容部401Yを覆うと共に、各配管、軸部406Y、支持部材451Yなどが挿通される蓋部402Yを有している。
【0061】
この蓋部402Yにはモーター405Yが取り付けられている。モーター405Yの回転軸である軸部406Yは蓋部402Yから収容部401Y内に挿通されている。軸部406Yには、液体現像剤に浸ることが想定される位置に攪拌翼407Yが取り付けられており、モーター405Yの作動に伴い、攪拌翼407Yが回転し収容部401Y中の液体現像剤が攪拌されるようになっている。
【0062】
この濃度調整用タンク400Yの収容部401Yの側面には、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出するために用いられる静電容量式液位センサー410Yが設けられている。静電容量式液位センサー410Yを構成する共通電極429Yは、取り付け基台411Y、412Y、413Yによって、濃度調整用タンク400Y内の側壁部における鉛直方向にわたって設けられている。この共通電極429Yにおける鉛直方向上方においては、共通電極429Yは第1電極421Yと対向し、共通電極429Yと第1電極421Yとでコンデンサ(以下、第1コンデンサという)を構成する。また、共通電極429Yにおける鉛直方向下方においては、共通電極429Yは第2電極422Yと対向し、共通電極429Yと第2電極422Yとでコンデンサ(以下、第2コンデンサという)を構成する。第1スペーサー431Yは共通電極429Yと第1電極421Yとの間の位置規制を行うものであり、第2スペーサー432Y共通電極429Yと第1電極421Y、第2電極422Yとの間の位置規制を行う。
【0063】
本実施形態においては、このように共通電極429Yをグランド電極として、鉛直上方部及び鉛直下方部において2つのコンデンサが形成されることとなる。共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出するために、また、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される鉛直下方部の第2コンデンサは液体現像剤の誘電率をリファレンス値として取得するために用いられる。
【0064】
なお、共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yのいずれの電極も不図示のリード線が配されており、それぞれのコンデンサの静電容量を測定することができるようになっている。
【0065】
共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yには、ステンレス(SUS304、SUS430)、鉄、アルミ(A5052、A6063)などの材質のものを用いる。なお、共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yの表面には、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)などのコーティングを施しても良い。
【0066】
また、電極間の間隔を決定する部材である第1スペーサー423Y、第2スペーサー424Yに用いる材質としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂などの絶縁体を挙げることができる。
【0067】
図5は共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサの測定原理から求められる液位と静電容量との関係を示す図である。濃度調整用タンク400Yにおける液位と、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサCの静電容量には、図示するように1次式の関係がある。
【0068】
ところで、本実施形態で用いられる液体現像剤の誘電率εdevは温度によって変化があることがわかった。この変化に基づいて、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサCの静電容量は、温度の変化に応じて図6に示すように変化する。図6における温度と誘電率εdevとの関係式は、2次式で近似することがで
きる。
【0069】
また、本実施形態で用いられる液体現像剤の誘電率εdevは、キャリア液中に分散されているトナー固形分濃度に応じて変化する。図7は液体現像剤の誘電率εdevと濃度との関係の概略を示す図である。図7に示すように、液体現像剤の濃度が上昇すると、液体現像剤の誘電率εdevも上昇する傾向があることがわかる。
【0070】
以上のように、静電容量式液位センサー410Yにおいては、第1コンデンサCにおける誘電率εdevが液体現像剤の温度と濃度によって変化するので、液位を算出する際においては、温度と濃度に応じた誘電率εdevの変化に基づいた補正を行うようにする。
【0071】
ここで、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される鉛直下方部の第2コンデンサによって取得されるリファレンス値からは、液体現像剤の誘電率εdevを求めることができるので、液体現像剤の温度や濃度の変化に含めた正確な誘電率εdevを取得することができる。この誘電率εdevを利用して、共通電極429Yと第1電極421Yとにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を算出することで、正確な液位を算出することが可能となる。
【0072】
このように本発明の現像装置及び画像形成装置においては、共通電極429Yと第2電極422Yとにより得られる静電容量をリファレンス値とし、共通電極429Yと第1電極421Yとにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部の液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0073】
図4は共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される鉛直上方部の第1コンデンサにより濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤の液位を検出する際の測定原理を説明する図である。共通電極429Y、第1電極421Y、第2電極422Yとは同じ幅の電極が用いられており、その電極幅はwである。また、第1電極421Yの電極長さはl1であり、第2電極422Yの電極長さはl2である。また、共通電極429Yと第1電極421Yとは間隔dをもって対向配置されている。同様に、共通電極429Yと第2電極422Yとは間隔dをもって対向配置されている。また、液位Lとしては便宜上、第1電極421Yの下端部を基点としている。また、空気の誘電率をεair、液体現像剤の誘電率をεdevとする。
【0074】
共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される第1コンデンサの静電容量をC1とし、また、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される第2コンデンサの静電容量をC2とする。第1コンデンサについては液位の計測のために、また、第2コンデンサについては液体現像剤の誘電率εdevを取得するために用いるものである。
【0075】
本実施形態においては、静電容量式液位センサー410Yが、第1電極421Y(液位測定)、第2電極422Y(濃度リファレンス)、共通電極429Y(グランド)から構成され、液体現像剤濃度による誤差を排除できる濃度算出例である。これは、温度変化が少なく、濃度変化による誤差が支配的と考えられる場合に好適に利用することができる。
【0076】
第2電極422Yの静電容量測定値C2から、液体現像剤の誘電率εdevは下式(1)によって求めることができる。
【0077】
【数1】
一方、第1電極421Yに関連する第1コンデンサC1の静電容量算出式は下式(2)のように表すことができる。
【0078】
【数2】
以上から液位Lは下式(3)により求めることができる。
【0079】
【数3】
ただし、
【0080】
【数4】
【0081】
【数5】
である。
【0082】
ここで、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量をC0とする。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の増加量である。第2電極422Yの測定により(1)式から得られたεdevを(3)式に代入すれば、第1電極421Yに関連する静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0083】
以上のように、濃度が変化すると現像剤誘電率εdevが変化し、第1電極421Yに係る1つの電極対の電容量測定値のみでは液位Lを正確に求められない。しかし、本実施形態においては、第2電極422Yから得られる静電容量をリファレンス値として使用することで現像剤誘電率εdevを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。
【0084】
次に、以上のように構成される現像装置30Yにおける制御例について説明する。図8
は濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。図8において、マイクロコンピューター650は、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置である。このマイクロコンピューター650には、液位算出部651、静電容量−液位算出テーブル652、濃度算出部653、液位・濃度制御部654などの各処理部・記憶部が仮想的に設けられているものとみなすことができる。
【0085】
静電容量式液位センサー410Yを構成する第1電極421Yと第2電極422Yからの入力はそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620に入力され、それぞれの静電容量データが生成される。静電容量測定回路としては、例えば電極に対して所定時間既知電流を流して、コンデンサのチャージを行い、その後の電極間の電圧を計測することで静電容量を取得する構成のものを用いることができる。
【0086】
マイクロコンピューター650に対しては、共通電極429Yと第1電極421Yとで形成される第1コンデンサによって検出された静電容量データ、及び、共通電極429Yと第2電極422Yとで形成される第2コンデンサによって検出された静電容量データ(リファレンスデータ)がそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620から入力される。また、マイクロコンピューター650に対しては、濃度センサー460Yからの濃度データが入力される。
【0087】
マイクロコンピューター650における液位算出部651では、静電容量−液位算出テーブル652を参照しつつ、静電容量測定回路610、静電容量測定回路620から入力された静電容量データに基づいて、液位を算出する。静電容量−液位算出テーブル652は、2つの静電容量データと、液位データの組み合わせを記憶するテーブルであり、このテーブルは先に説明した式(1)乃至(5)に基づいて作成されている。
【0088】
濃度センサー460Yからのデータは濃度算出部653で処理され、液位・濃度制御部654に入力される。濃度センサー460Yと濃度算出部653については、例えば、特開2009−75558に開示されている、透過式濃度センサーを使用し濃度を検出する方法などを用いることができる。
【0089】
液位算出部651から出力される液位データと、濃度算出部653から出力される濃度データは、液位・濃度制御部654に入力される。
【0090】
液位・濃度制御部654は、液位算出部651が算出した液位データと濃度算出部653が算出した濃度データに基づき、濃度調整用タンク400Yにおける液位と濃度とを一定に維持するため、液位・濃度同時制御を行う制御部である。液位・濃度を同時に一定値になるよう補給用の高濃度現像剤とキャリアの補給量を算出する。さらに算出値に基づき、高濃度現像剤タンク510Y、キャリア液タンク520Y、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに送液するよう各ポンプのモーターに対して駆動信号を出力する。これにより、液位と濃度に応じて正確な補給が行われ、液位と濃度が維持される。
【0091】
図9は濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。ステップS100で処理が開始されると、次のステップS101においては、初期値の算出を行う。初期値算出では、式(4)、(5)に基づき、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量C0を算出する。
【0092】
ステップS102では、サンプリングタイミングか否かが判定され、この判定がYESであると、ステップS103に進む。
【0093】
ステップS103では、第2電極422Yによる静電容量測定を行い、次のステップS104では、これに測定に基づいて液体現像剤誘電率εdevを算出する。また、ステップS105では、第1電極421Yによる静電容量測定を行い、次のステップS106では、静電容量−液位算出テーブル652を参照して液体現像剤液位Lを算出する。
【0094】
ステップS107では、上位装置から終了が指令あるか否かが判定され、この判定がNOのときはステップS102に戻りループし、判定がYESであるときには、ステップS108に進み、処理を終了する。
【0095】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極422Yにより検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0096】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第2実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図10は本発明の第2実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0097】
先の実施形態においては、共通電極429Yと第1電極421Yとで第1コンデンサを形成し、共通電極429Yと第2電極422Yとで第2コンデンサ形成さるようにしていたが、第2実施形態おいては、濃度調整用タンク400Yの鉛直上方部で、第1電極421Yとこれに対向する第3電極423Yとで第1コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部で、第2電極422Yとこれに対向する第4電極424Yとで第2コンデンサを形成するようにしている。すなわち、第1の実施形態では2つのコンデンサを形成する際、共通電極を用いて計3つの電極を用いていたのに対し、第2実施形態では2つのコンデンサを形成する際、計4つの電極を用いている。また、第1電極421Yと第3電極423Yの長さはl1で幅はwとされているが、第2電極422Yと第4電極424Yの長さはl2で幅は4wとされている。
【0098】
本実施形態においては、第2電極422Yと第4電極424Yの静電容量測定値C2から、液体現像剤の誘電率εdevは下式(6)によって求めることができる。
【0099】
【数6】
本実施形態においては、第2電極422Yと第4電極424Yの幅は、第1電極421Yと第3電極423Yの幅の4倍とされているので、液体現像剤の誘電率εdevの算出精度を向上させることができる。
【0100】
第2実施形態では、その他のパラメーターは第1の実施形態と同様であり、(1)式に代えて(6)式を用いるのみで、他の計算式は第1実施形態と同様のものを用いて液位Lを算出することができる。
【0101】
第2実施形態に係る現像装置及び画像形成装置においても、第2電極422Yにより検出される第2静電容量をリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0102】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態についても、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第3実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図11は本発明の第3実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0103】
第3実施形態おいては、共通電極429Yにおける鉛直方向上方においては、共通電極429Yは第2電極422Yと対向し、共通電極429Yと第2電極422Yとで第2コンデンサを構成する。また、共通電極429Yにおける鉛直方向下方においては、共通電極429Yは第1電極421Yと対向し、共通電極429Yと第1電極421Yとで第1コンデンサを構成する。また、第1電極421Yと第3電極423Yの対向部の長さはl1で幅はwとされ、第2電極422Yと第4電極424Yの対向部の長さはl2で幅はwとされている。
【0104】
第3実施形態においては、第1電極421Yと第3電極423Yで構成される第1コンデンサC1は液位測定のために、また、第2電極422Yと共通電極429Yで構成される第2コンデンサC2は、ケーブル静電容量リファレンスのために用いられる。ここで、ケーブル(不図示)とは第1電極421Y、第2電極422Y、共通電極429Yと静電容量測定回路を導通接続するものである。このようなケーブルは浮游容量を有するものであり、電極間で構成されるコンデンサの静電容量に足される形となる。第3実施形態は、このようなケーブル静電容量による誤差を排除できる算出例である。第3実施形態は、液体現像剤濃度変化が少なく、温度変化に伴うケーブル静電容量変化による誤差が支配的な場合に好適に用いることができる。
【0105】
コンデンサC1の静電容量測定回路が測定する静電容量は、下式(7)のように求めることができる。
【0106】
【数7】
ここで、Ccableはケーブル静電容量である。
【0107】
また、コンデンサC2の静電容量測定回路が測定する静電容量は、下式(8)のように求めることができる。
【0108】
【数8】
式(7)及び式(8)から液位Lの算出式である下式(9)を得ることができる。
【0109】
【数9】
ただし、
【0110】
【数10】
【0111】
【数11】
【0112】
【数12】
である。
【0113】
C0は第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの、ケーブル静電容量を含まない静電容量である。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の差分である。
【0114】
第2電極422Yの測定によりCcableが得られ、(9)式に代入すれば、第1電極421Yの静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0115】
以上のように、ケーブル静電容量が変化すると第1電極421Yの静電容量測定値のみから液位Lを求めようとすると大きな誤差を伴うが、本実施形態においては、第2電極422Yをリファレンス電極として使用することでケーブル静電容量Ccableを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、
適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【0116】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態についても、濃度調整用タンク400Yに設ける静電容量式液位センサー410Yの構成が、第1の実施形態と異なるので、以下、第4実施形態における静電容量式液位センサー410Yを中心に説明する。図12は本発明の第4実施形態に係る現像装置の静電容量式液位センサー410Yを説明する図である。
【0117】
第4実施形態おいては、濃度調整用タンク400Yの鉛直上方部で、第3電極423Yとこれに対向する第6電極426Yとで第3コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部で、第2電極422Yとこれに対向する第5電極425Yとで第2コンデンサを形成し、濃度調整用タンク400Yの鉛直下方部と鉛直下方部の中央部で、第1電極421Yとこれに対向する第4電極424Yとで第1コンデンサを形成するようにしている。
【0118】
また、第1コンデンサを構成する第1電極421Y、第4電極424Yの長さはl1で幅はwとされ、第2コンデンサを構成する第2電極422Y、第5電極425Yの長さはl2で幅はwとされ、第3コンデンサを構成する第3電極423Y、第6電極426Yの長さはl3で幅はwとされている。また、第6電極426Yと第4電極424Yとはグランド結線441Yによって導電接続され、第4電極424Yと第5電極425Yとはグランド結線442Yによって導電接続されている。
【0119】
第4実施形態においては、第1電極421Y、第4電極424Yで構成される第1コンデンサC1は液位測定のために、第2電極422Y、第5電極425Yで構成される第2コンデンサC2は濃度リファレンスのために、第3電極423Y、第6電極426Yで構成される第3コンデンサC3はケーブル静電容量リファレンスのために利用することで、液体現像剤の誘電率εdevの変化とケーブル静電容量の変化による2つの誤差を排除できる液位算出を行うことができる。第4実施形態は、液体現像剤濃度変化による誤差も、ケーブル静電容量変化による誤差も無視できない場合に好適である。
【0120】
第3コンデンサC3の測定値から、式(13)によりケーブル静電容量Ccableを得ることができる。
【0121】
【数13】
また、第2コンデンサC2の測定値から、式(14)により液体現像剤の誘電率εdevを得ることができる。
【0122】
【数14】
式(13)と式(14)と、第1コンデンサC1の測定値から、式(15)により液体現像剤の液位Lを得ることができる。
【0123】
【数15】
ただし、
【0124】
【数16】
【0125】
【数17】
である。
【0126】
ここで、C0は第1コンデンサが全長に渡り空気中にあるときの、ケーブル静電容量を含まない静電容量である。また、ΔC1はC0を基準とした静電容量C1の差分である。第3コンデンサの測定によりCcableが得られ、第2コンデンサの測定によりεdevが得られ、これらを(15)式に代入すれば、第1コンデンサの静電容量測定値C1から液位Lを正確に算出することができる。
【0127】
以上のように、液体現像剤濃度やケーブル静電容量が変化すると第1コンデンサの静電容量測定値のみから液位Lを求めようとすると大きな誤差を伴うが、本実施形態においては、第2コンデンサ、第3コンデンサをリファレンス電極として使用することでケーブル静電容量Ccableを算出できるため、液位Lを正確に算出可能となる。
【0128】
次に、以上のように構成される現像装置30Yにおける制御例について説明する。図13は第4実施形態における濃度調整用タンク400Y中の液体現像剤の液位を算出するためのブロック構成を示す図である。図13において、マイクロコンピューター650は、
CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理装置である。このマイクロコンピューター650には、液位算出部651、静電容量−液位算出テーブル652、濃度算出部653、液位・濃度制御部654などの各処理部・記憶部が仮想的に設けられているものとみなすことができる。
【0129】
静電容量式液位センサー410Yを構成する第1電極421Y、第2電極422Y、第3電極423Yからの入力はそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630に入力され、それぞれの静電容量データが生成される。静電容量測定回路としては、例えば電極に対して所定時間既知電流を流して、コンデンサのチャージを行い、その後の電極間の電圧を計測することで静電容量を取得する構成のものを用いることができる。
【0130】
マイクロコンピューター650に対しては、第1コンデンサによって検出された静電容量データ、及び、第2コンデンサによって検出された静電容量データ(液定現像剤誘電率リファレンスデータ)、第3コンデンサによって検出された静電容量データ(ケーブル静電容量リファレンス)がそれぞれ静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630から入力される。また、マイクロコンピューター650に対しては、濃度センサー460Yからの濃度データが入力される。
【0131】
マイクロコンピューター650における液位算出部651では、静電容量−液位算出テーブル652を参照しつつ、静電容量測定回路610、静電容量測定回路620、静電容量測定回路630から入力された静電容量データに基づいて、液位を算出する。静電容量−液位算出テーブル652は、3つの静電容量データと、液位データの組み合わせを記憶するテーブルであり、このテーブルは先に説明した式(13)乃至(17)に基づいて作成されている。
【0132】
濃度センサー460Yからのデータは濃度算出部653で処理され、液位・濃度制御部654に入力される。濃度センサー460Yと濃度算出部653については、例えば、特開2009−75558に開示されている、透過式濃度センサーを使用し濃度を検出する方法などを用いることができる。
【0133】
液位算出部651から出力される液位データと、濃度算出部653から出力される濃度データは、液位・濃度制御部654に入力される。
【0134】
液位・濃度制御部654は、液位算出部651が算出した液位データと濃度算出部653が算出した濃度データに基づき、濃度調整用タンク400Yにおける液位と濃度とを一定に維持するため、液位・濃度同時制御を行う制御部である。液位・濃度を同時に一定値になるよう補給用の高濃度現像剤とキャリアの補給量を算出する。さらに算出値に基づき、高濃度現像剤タンク510Y、キャリア液タンク520Y、バッファタンク530Yから濃度調整用タンク400Yに送液するよう各ポンプのモーターに対して駆動信号を出力する。これにより、液位と濃度に応じて正確な補給が行われ、液位と濃度が維持される。
【0135】
図14は第4実施形態における濃度調整用タンク中の液体現像剤の液位を算出するためのフローチャートを示す図である。ステップS200で処理が開始されると、次のステップS201においては、初期値の算出を行う。初期値算出では、式(16)、(17)に基づき、第1電極421Yが全長に渡り空気中にあるときの静電容量C0を算出する。
【0136】
ステップS202では、サンプリングタイミングか否かが判定され、この判定がYESであると、ステップS203に進む。
【0137】
ステップS203では、第3電極423Yによる静電容量測定を行い、次のステップS204では、これに測定に基づいてケーブル静電容量Ccableを算出する。
【0138】
ステップS205では、第2電極422Yによる静電容量測定を行い、次のステップS206では、これに測定に基づいて液体現像剤誘電率εdevを算出する。また、ステップS207では、第1電極421Yによる静電容量測定を行い、次のステップS208では、静電容量−液位算出テーブル652を参照して液体現像剤液位Lを算出する。
【0139】
ステップS209では、上位装置から終了が指令あるか否かが判定され、この判定がNOのときはステップS202に戻りループし、判定がYESであるときには、ステップS210に進み、処理を終了する。
【0140】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置においては、第2電極422Yにより検出される第2静電容量を液体現像剤誘電率εdevに係るリファレンス値とし、第3電極423Yにより検出される第3静電容量をケーブル静電容量Ccableに係るリファレンス値とし、第1電極421Yにより得られる第1静電容量から液体現像剤の液位を求めるようにしているので、温度や濃度による液体現像剤の誘電率の変化、ケーブルの静電容量の変化を織り込んだ上で液位が求められる。このような本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、収容部401Yの液位を把握した上で、液体現像剤が目標の濃度となるように、適切な量の補充を行うことができ、画質を悪化させることがない。
【符号の説明】
【0141】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13Y’・・・感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・弾性ローラー、17Y・・・弾性ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、90・・・定着ユニット、280Y・・・現像剤貯留基体、281Y・・・回収オーガ、285Y・・・リサイクル現像剤回収管、310Y・・・供給貯留部、320Y・・・回収貯留部、321Y・・・回収オーガ、330Y・・・仕切り部、370Y・・・液体現像剤供給管、371Y・・・液体現像剤回収管、375Y・・・液体現像剤供給ポンプ、400Y・・・濃度調整用タンク、401Y・・・収容部、402Y・・・蓋部、405Y・・・モーター、406Y・・・軸部、407Y・・・攪拌翼、410Y・・・静電容量式液位センサー、411Y・・・取り付け基台、412Y・・・取り付け基台、413Y・・・取り付け基台、414Y・・・取り付け基台、421Y・・・第1電極、422Y・・・第2電極、423Y・・・第3電極、424Y・・・第4電極、425Y・・・第5電極、426Y・・・第6電極、429Y・・・共通電極、431Y・・・第1スペーサー(規制部材)、432Y・・・第2スペーサー(規制部材)、433Y・・・第3スペーサー(規制部材)、434Y・・・第4スペーサー(規制部材)、441Y・・・グランド結線、442Y・・・グランド結線、450Y・・・固定部材、451Y・・・支持部材、460Y・・・濃度センサー、490Y・・・温度セン
サー、510Y・・・高濃度現像剤タンク、511Y・・・高濃度現像剤供給管、513Y・・・高濃度現像剤供給ポンプ、520Y・・・キャリア液タンク、521Y・・・キャリア液供給管、523Y・・・キャリア液供給ポンプ、530Y・・・バッファタンク、531Y・・・リサイクル現像剤供給管、533Y・・・リサイクル現像剤供給ポンプ、610・・・静電容量測定回路(第1電極用)、620・・・静電容量測定回路(第2電極用)、630・・・静電容量測定回路(第3電極用)、650・・・マイクロコンピューター、651・・・液位算出部、652・・・静電容量−液位算出テーブル、653・・・濃度算出部、654・・・液位・濃度制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、
前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、
前記第1電極を用いて検出される第1静電容量と、前記第2電極を用いて検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、
トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、
前記現像剤貯留部の前記収容部に収容された液体現像剤が供給される現像剤容器、及び前記現像剤容器に収容された液体現像剤を担持して前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像剤担持体を有する現像部と、
前記第1電極と前記対向電極との間で検出される第1静電容量と、前記第2電極と前記対向電極との間で検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記静電容量検出部は、前記第1電極及び前記第2電極と対向する対向電極を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の下方に配されるとともに、液体現像剤を介して前記対向電極と対向する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1電極は、液体現像剤を介して前記対向電極と対向し、
前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の上方に配されるとともに、液体現像剤を介することなく前記対向電極と対向する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、
前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、
前記第1電極を用いて検出される第1静電容量と、前記第2電極を用いて検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、
トナー及びキャリアを含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に設けられる第1電極、及び前記収容部に設けられる第2電極を有して静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、
前記現像剤貯留部の前記収容部に収容された液体現像剤が供給される現像剤容器、及び前記現像剤容器に収容された液体現像剤を担持して前記潜像担持体に形成された前記潜像を現像する現像剤担持体を有する現像部と、
前記第1電極と前記対向電極との間で検出される第1静電容量と、前記第2電極と前記対向電極との間で検出される第2静電容量とに基づいて、前記収容部にされる液体現像剤の液位を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記静電容量検出部は、前記第1電極及び前記第2電極と対向する対向電極を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の下方に配されるとともに、液体現像剤を介して前記対向電極と対向する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1電極は、液体現像剤を介して前記対向電極と対向し、
前記第2電極は、前記第1電極の鉛直方向の上方に配されるとともに、液体現像剤を介することなく前記対向電極と対向する請求項3に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−220808(P2012−220808A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87935(P2011−87935)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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