現像装置及び画像形成装置
【課題】複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能な現像装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部(濃度調整用タンク400Y)と、前記収容部内に配される中空部を有する第1電極(外部電極411Y)、及び前記第1電極(外部電極411Y)の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極(外部電極411Y)と対向する第2電極(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y)を有し、前記第1電極(外部電極411Y)と前記第2電極(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y)との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明の現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部(濃度調整用タンク400Y)と、前記収容部内に配される中空部を有する第1電極(外部電極411Y)、及び前記第1電極(外部電極411Y)の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極(外部電極411Y)と対向する第2電極(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y)を有し、前記第1電極(外部電極411Y)と前記第2電極(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y)との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリア液からなる液体現像剤によって現像する現像装置、及び現像装置によるトナー及びキャリア液からなる現像像をさらに記録媒体に転写して、転写されたトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置の現像部においては、液体現像剤の残量等を把握するために、液体現像剤を収容する収容部における液体現像剤の液位を検出する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2001−194208号公報)には、基板と、前記基板に所定間隔離隔されるように支持される第1電極板と、前記基板から前記第1電極板の高さ程度まで延在され、前記第1電極板の外周面と対応する開口部をもつ第2電極板とを具備し、検出対象の溶液が貯蔵された容器の一側で所定の検知位置に設けられた電極部と、前記第1電極板及び前記第2電極板により測定される静電容量の変化から前記検知位置上での前記溶液の有無を検出する貯水レベル検出部とを具備することを特徴とする貯水レベル検出器が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2001−13795号公報)には、現像液8の液量検出用センサーとしては、例えば、静電容量型近接スイッチを用いることが開示されている。
【特許文献1】特開2001−194208号公報
【特許文献2】特開2001−13795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術では、液体の存否のみを検出するものであるので、詳細な液位を把握するためには、その精度に相当する分だけのセンサー数を設ける必要があり、装置が複雑化して小型化・低価格化が難しい、という問題があった。
【0007】
また、特許文献2記載の技術では、液面の上限と下限をセンシングするレベルスイッチであり、細やかな濃度調整を必要とする場合には分解能が乏しい。つまり、できるだけ液体現像剤を無駄にしない濃度制御に対しては、タンクの液量の増減把握が不十分である、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に配される中空部を有する第1電極、及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対
向する第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る現像装置は、回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である。
【0010】
また、本発明に係る現像装置は、前記第1電極は接地される。
【0011】
また、本発明に係る現像装置は、前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に配される中空部を有する第1電極及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有して前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤のトナー濃度を調整する濃度調整部と、前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤が供給されて、液体現像剤により前記潜像を現像する現像部と、と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は接地される。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する。
【0016】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、第1電極と第2電極との間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、第1電極と第2電極との間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示す断面図である。
【図3】現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る現像装置で用いられる液位検出装置の全体ブロック図を示す図である。
【図5】液位測定用ハーネスの配線容量測定方法に関する説明図を示す図である。
【図6】液位測定回路部をYMCK4色の液位検出装置が共有する構成を示す図である。
【図7】静電容量測定方法に関する説明図である。
【図8】液位と静電容量の関係を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図11】第4実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図12】第5実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0019】
画像形成部は、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、不図示の露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0020】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0021】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0022】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0023】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0024】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0026】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、感光体スクイーズローラー13Y、感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0027】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、弾性ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。弾性ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0028】
弾性ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに弾性ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす弾性ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0029】
液体現像剤容器31Yは、仕切り部330Yによって供給貯留部310Y及び回収貯留部320Yの2つの空間に仕切られており、供給貯留部310Yには液体現像剤供給用のオーガ34Yが、また、回収貯留部320Yには液体現像剤回収用の回収オーガ321Yが収容されている。
【0030】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置されている。
【0031】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0032】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0033】
現像装置30Yの供給貯留部310Yにおいては、キャリア液内にトナーを概略重量比25%程度に分散した状態の液体現像剤を貯留する。一方、現像装置30Yの回収貯留部320Yには、アニロックスローラー32Yに供給されなかった液体現像剤や、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’で掻き落とされた液体現像剤、クリーニングブレード21Yにより現像ローラー20Yから掻き落とされた液体現像剤、弾性ローラークリーニングブレード17Yにより弾性ローラー16Yから掻き落とされた液体現像剤などを回収する回収オーガ321Yも備えられている。
【0034】
また、現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Yが設けられている。このトナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0035】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに供給する弾性ローラー16Yと、この弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0036】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリア液とした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。
【0037】
すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE
RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0038】
アニロックスローラー32Yは、弾性ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって弾性ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0039】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、弾性ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0040】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。ここで、掻き落とさ
れた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0041】
弾性ローラー16Yについても、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。また、弾性ローラークリーニングブレード17Yは、弾性ローラー16Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0042】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0043】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された液体現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応し移動し、これを現像する。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収貯留部320Yに滴下して再利用される。
【0044】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された液体現像剤から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
【0045】
一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0046】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。この感光体クリーニングブレード18Yによって掻き落とされた液体現像剤は、現像剤貯留基体280Yに落下する。現像剤貯留基体280Yには回転する回収オーガ281Yが設けられており、回収オーガ281Yの回転に伴い、現像剤貯留基体280Yに貯留している液体現像剤はリサイクル現像剤回収管285Yに導かれ、リサイクル現像剤回収管285Yを経てバッファタンク530Yに到達する。
【0047】
現像装置30Yは、現像剤容器31Yにおける供給貯留部310Yに対し、キャリア液にトナーを概略重量比25%に分散した液体現像剤を供給する濃度調整用タンク400Yが設けられている。濃度調整用タンク400Yと供給貯留部310Yとの間には液体現像剤供給管370Yが設けられており、この液体現像剤供給管370Yの途中に配されている液体現像剤供給ポンプ375Yの駆動により濃度調整用タンク400Y中の濃度が調整された液体現像剤が、供給貯留部310Yに供給されるようになっている。
【0048】
また、濃度調整用タンク400Yと、現像容器31Yにおける回収貯留部320Yとの間には液体現像剤回収管371Yが設けられており、各クリーニングブレードにより掻き
落とされた液体現像剤が貯留されている回収貯留部320Yにおいて、回収オーガ321Yが回転すると、液体現像剤は液体現像剤回収管371Yに導かれ、濃度調整用タンク400Yに落下する。
【0049】
高濃度現像剤タンク510Yは、トナー固形分濃度約35%以上の高濃度液体現像剤を貯蔵するタンクであり、キャリア液タンク520Yはキャリア原液を貯蔵するタンクである。
【0050】
高濃度現像剤タンク510Yと濃度調整用タンク400Yとの間には高濃度現像剤供給管511Yが設けられており、高濃度現像剤供給管511Y中の高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、高濃度現像剤タンク510Yから濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を下回った場合、高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給し、濃度を高めるようにすることができる。
【0051】
キャリア液タンク520Yと濃度調整用タンク400Yとの間にはキャリア液供給管521Yが設けられており、キャリア液供給管521Y中のキャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回った場合、キャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給し、濃度を低めるようにすることができる。
【0052】
次に、濃度調整用タンク400Yの構成についてより詳しく説明する。図3は現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。濃度調整用タンク400Yは、現像装置30Yにおける現像プロセスで用いる液体現像剤を調製するために利用されるタンクである。
【0053】
図3は本発明による液位検出部を配する濃度調整用タンク400Yの第1実施を示す図である。液体現像方式電子写真の印刷装置にける液体現像剤リサイクルシステムは、YMCKカラー4色の液体現像剤毎に液体現像剤リサイクル装置を持つことになる。図3は、その内の1つのY色のリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う濃度調整用タンク400Yの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0054】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。液体現像剤攪拌モーター402Yには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0055】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0056】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通し
て、適時キャリア液が注がれる。
【0057】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0058】
次に、本発明に係る液体現像剤液位を検出するセンサー部は、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、液位測定エリア内液体現像剤435Yと外部電極(アース電極)411Yから成りコンデンサを形成する。つまり、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)411Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内液体現像剤435Yは液体現像剤405Yが外部電極(
アース電極)411Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれ
の液位は通気孔15Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極)411Yは、外部電極絶縁支持部414Yで支持され、外部電極絶縁支持部414Yは液体現像剤攪拌軸支持部416Yに支持されている。
【0059】
なお、筒状をなす外部電極(アース電極)411Yを「第1電極」、また、筒状の外部電極(アース電極)411Yの内周に配される液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yを「第2電極」として特許請求の範囲で表現している。
【0060】
ユニバーサルジョイント417Yは減速ギヤボックス432Yの出力駆動軸と攪拌軸とを電気的に絶縁するためのもので、樹脂などの絶縁物からできている。なお、別の絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いる方法もある。
液体現像剤攪拌軸受け上418Yと液体現像剤攪拌軸受け下419Yは液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yの回転軸受けである。
【0061】
外部電極用接触子412Yは、回転する液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yとの接触を保つものであり、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yを液位センサー接続部413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極) 4
11Yも電気配線(リード線)により液位センサー接続部413Yにつながれている。液位センサー接続部413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466に接続されている。
【0062】
図3中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)411Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(1)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(1)
ここで、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0063】
なお、電極の構成について言及すると、残量の視認性、装置の軽量化を必要としなければ、外部電極11Yは濃度調整用タンク400Yをステンレス等の導電部材としてこれを
外部電極としてもよい。これについては、図11で詳細を述べる。
【0064】
また、本発明においては、液体現像剤が非導電性である場合について述べているが、液体現像剤が導電性の場合は、電極間が短絡に近い状態になるため、電極表面をテフロンなどの絶縁性物質でコーティングする必要がある。
【0065】
図4は本発明の実施形態に係る現像装置で用いられる液位検出装置の全体ブロック図を示す図である。
【0066】
図4は、図3の濃度調整用タンク400Y周辺構成をベースにして液位検出装置全体を図式化したものであり、大別すると、液位測定回路部466と液位センサー部のある濃度調整用タンク400Y、ジョイントボックス413Y、液位測定用ハーネス420Yで構成される。
【0067】
液位検出センサー部は、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極(アース電極)411Yにより、トナーの液位変化を静電容量の変化として捉える。ジョイントボックス413Yは、筒状静電容量センサーを構成する液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと、外部電極(アース電極)411Yを接続するためのジョイントボックスである。
【0068】
シールド被覆467Yは、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Yが周辺から受けるノイズの影響を防ぐためのものである。
【0069】
つぎに、液位測定回路部466Yの機能・動作について説明する。定電流パルス駆動回路461Yはマイクロコントロールユニット466Yの電流値/パルス幅制御部460Yから定電流パルス駆動回路461Yに電流値とパルス幅の支持値を与え、定電流パルス駆動回路461Yは液位センサーに対し、所定の定電流パルスを出力する。そして、電圧測定回路462Yはこのとき液位センサーに発生する電圧を測定し、液位演算部463Yへ渡す。液位演算部463Yでは、液位センサーに与えた定電流パルスの電流値とパルス幅、および液位センサーで発生した電圧を基に静電容量を算出する。算出した静電容量を液位値に変換するのは、容量・液位変換テーブルメモリ479Yのテーブル値を参照して液位値を割り出す。
【0070】
図5は液位測定用ハーネスの配線容量測定方法に関する説明図を示す図である。
【0071】
図4で説明した液位センサーの静電容量値には、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量が含まれるため、この線間容量を差し引く必要があり、図5ではこの方法について説明する。
【0072】
予め以下のように定義する。
【0073】
CA=(液位測定回路部466Yからジョイントボックス413Yの接続ポイントまでの外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量)
CB=(外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量値+液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極411Yから成る液位センサーの静電容量値)
CC=(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極411Yから成る液位センサーの静電容量)
CAは事前に測定した値を用いることにする。CBは液体現像剤の濃度調整において逐次測定する静電容量値である。したがって、液位センサーの静電容量CCを求めるには以下の式になる。
【0074】
CC=CA−CB
ここで補足すると、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Yが限りなく短ければこの線間容量は無視できるので、液位センサーの直近に液位測定回路部466Yを配置すればこの問題は解決することになるので、これもまた解決策の1つではある。具体的にはジョイントボックス413Yの中に液位測定回路部466Yを入れてしまう。
【0075】
なお、図6で示すように、液体現像システムが多色の場合には、液位センサーがYMCK4色必要になる。装置の小型化とコストダウンを図るなどの必要性から、液位測定回路部466は1つにして、次に説明する図6のような装置構成を前提に前記の処理を行うこともできる。
【0076】
図6は液位測定回路部をYMCK4色の液位検出装置が共有する構成を示す図である。図6は、図5で言及したように、YMCK4色機の場合、液位測定回路部480を1つとして、YMCK4色分の液位センサーがそれぞれ設置された場合の液位測定装置の全体構成を示すものである。
【0077】
図6で説明した液位測定回路部480の機能・動作については説明を省略する。液位測定回路部80はマイクロコントロールユニット465から液位センサー切り替え回路470を制御して測定ポイントを切り替えながら、Y色液位センサー部475、M色液位センサー部476、C色液位センサー部477、K色液位センサー部478のそれぞれの静電容量を測定する。なお、液位センサーの真の静電容量値を求めるため液位測定回路部480からY色ジョイントボックス471、M色ジョイントボックス472、C色ジョイントボックス473、K色ジョイントボックス474間のそれぞれの線間容量は前述したように予め部品レベルで測定した値を用いる。このようにして、配線長さの異なるYMCY4色それぞれの液位センサーの容量値を精度良く測定することができるようになっている。
【0078】
次に、本実施形態に係る現像装置で用いられる液位センサーの静電容量測定手法について説明する。図7は静電容量測定方法に関する説明図を示している。
【0079】
本実施形態に係る現像装置で用いられる液位センサーにおいては、図7の(A)に示すような定電流パルスを図4、図5、図6で示すコンデンサ部両電極間に一定時間与えたときの電圧(図7(B))を測定することにより、以下の計算式(2)で電極間の静電容量を求める。
C=It/V・・・(2)
静電容量と液位の関係は、予め測定した容量と液位の関係をテーブル化しデータとして液位測定回路部内メモリに保存し、液位演算時に用いる。
【0080】
なお、静電容量を求める方法として、本発明では上記のように定電流によるコンデンサの充電時間と電圧による方法を用いたが、周波数特性を用いて静電容量を求める方法でも可能である。
【0081】
図8は液位と静電容量の関係を示す。図8は、図7で説明した液位測定方法で求める電極間の静電容量と液位の関係を図式化したものである。
【0082】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(アース電極、
第1電極)411Yと液体現像剤攪拌軸兼内部電極(第2電極)403Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装
置によれば、外部電極(アース電極、第1電極)411Yと液体現像剤攪拌軸兼内部電極
(第2電極)403Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0083】
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成が先の実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図9は第2実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0084】
図9は第2実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。本実施形態は、攪拌軸を利用して静電容量を測定する方法において、図3とは別の構成で実現するものである。
【0085】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図9は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0086】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0087】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0088】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリアが注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0089】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0090】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極) 421Yから成りコンデンサを形成す
る。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極) 421Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー43
5Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極) 421Yにより仕切られたエリアの
液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通気孔425Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極) 421Yは、外部電極絶縁支持部424Yにより支
持されている。
【0091】
液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yの軸中心外周部には、まず内部電極絶縁層426Yがあり、そのまた外周上に内部電極423Yを形成している。外部電極用接触子422Yは、回転する液体現像剤攪拌軸ギヤドモータ軸429Y周上の内部電極423Yとの接触を保つものであり、内部電極423Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極) 421Yも電気配
線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0092】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0093】
図9中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(
アース電極) 421Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(4)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(4)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0094】
図8中左の図の同軸円筒電極部の通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極) 421Yで囲われた液位測定エリア内トナ
ー35Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、図9の通液口形状1、通液口形状2に示すように、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。
【0095】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極) 4
21Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)
421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0096】
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図10は第3実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0097】
図10は、第3実施形態によるトナー濃度/液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンク
の構成実施例を示す。本実施例は、静電容量方式で液位を検出するにあたり、予め基準となる固定された領域の静電容量を測定することで、液体現像剤の濃度、温度に影響されない測定方法を実現するものである。
【0098】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図10は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0099】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0100】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0101】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0102】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0103】
次に、本発明に係るトナー濃度、およびトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極443Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)441Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極443Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)441Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー435Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極)441Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通気孔445Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極)441Yは、外部電極絶縁支持部444Yで支持されている。
【0104】
ユニバーサルジョイント431Yはモーター軸と攪拌軸とを電気的に絶縁するためのもので、樹脂などの絶縁物からできている。液体現像剤攪拌軸受け上449Yと液体現像剤攪拌軸受け下419Yは内部電極443Yの回転軸受けである。
【0105】
外部電極用接触子442Yは、回転する内部電極443Yとの電気的導通を保つものであり、内部電極443Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極)441Yも電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液
位測定用ハーネス420Yにより、図示しないが液位測定部に接続されている。
【0106】
液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触子48Yは、回転する液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Yとの電気的導通を保つものであり、液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。もう一方の電極である外部電極(アース電極)441Yも先に述べたように、電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。
【0107】
図10の電極下部の詳細図である通液口形状3の図に示す通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極)421Yで囲われた液位測定エリア内トナー435Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、本図に示すように、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。
【0108】
さらに、測定部液体現像剤攪拌翼447Yは、内部電極443Yと外部電極(アース電極)441Y間に流入した液位測定エリア内トナー435Yの濃度を均一にするための攪拌翼であり、液位測定エリア内トナー435Yと濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤5Yは、測定部液体現像剤攪拌翼447Yにより攪拌され、通液孔440Yを介して混じり合う構造となっている。
【0109】
図10中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極443Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)441Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(5)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(5)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0110】
また、図10中左の図の同軸円筒電極部の下部には、液位測定時のリファレンスとするコンデンサの役割をする液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触430Y、液位測定エリア内トナー436Yと外部電極(アース電極)441Yの構成を表現したものである。同軸円筒状下部電極間の静電容量は次式となる。
CREF=2πεLREF/log(b/a)[F]
CREF:リファレンス測定エリア内容量[F]
LREF:リファレンス部高さ[m]
そこで、CREFが10±0.1mmの精度を有するものであれば、求める液位は次式(
6)のようになる。
L=C/CREF [±0.1mm]・・・・(6)
以上は静電容量方式で液位を検出するにあたり、予め基準となる固定された領域の静電容量を測定することで、液体現像剤の濃度、温度に影響されない測定方法を実現するものであるが、予め誘電率と濃度の関係を実測して検量線データとしてテーブル化し、リファレンス容量測定エリアの静電容量を測定することにより濃度を算出するも可能である。
【0111】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)4
41Yと内部電極(第2電極)443Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)441Yと内部電極(第2電極)443Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0112】
次に本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図11は第4実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0113】
図11は、第4実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。第4実施形態は、外部電極として液体現像剤攪拌タンク下ケース434Yを利用して静電容量を測定する方法において、図9とは別の構成で液体現像剤攪拌タンクのさらなる簡素化を実現するものである。
【0114】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図11は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0115】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0116】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0117】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0118】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yが−側電極となる。外部電極用接触子422Yは、内部電極絶縁支持部438
Yにより支持されている。
【0119】
液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yの軸中心外周部には、まず内部電極絶縁層426Yがあり、そのまた外周上に内部電極423Yを形成している。内部電極用接触子422Yは、回転する液体現像剤攪拌軸ギヤドモータ軸429Y周上の内部電極423Yとの接触を保つものであり、内部電極423Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yも電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0120】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0121】
図11中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(7)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(7)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0122】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(第1電極)434Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(第1電極)434Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0123】
次に本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図12は第5実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0124】
図12は、第5実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。第5実施形態は、筒状電極の中心に液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸を用いない構成として、円筒電極部を液体現像剤攪拌タンク内の別の場所に設置し、静電容量を測定する方法において、図9とは別の構成で実現するものである。
【0125】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図11は、その内の1つのリ
サイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものである。
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0126】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0127】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0128】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0129】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)421Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)421Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー435Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極)421Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通液口440Yにより平衡を保つようになっている。内部電極423Yと外部電極(アース電極)421Yはジョイントボックス413Yにより支持されている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0130】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0131】
図11中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)421Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(8)
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
図12中左の図の同軸円筒電極部の通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極)421Yで囲われた液位測定エリア内トナー435Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、図9の同軸円筒電極部と通液口部に示すように、円筒形の外部電極(アース電極)421Yの前・後面に四角い形状で上下方向が互い違いに配置されており、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。通液口を円筒形の外部電極(アース電極)421Yの前後に配置したのは攪拌による液体現像剤の流れを外部電極(アース電極)421Yの内部にできるだけ取り込むことを考慮したものである。
【0132】
また、外部電極の形状は電極部拡大図Aのような円筒形状だけではなく、電極部拡大図Bのように楕円形状としたり、菱形としたりすることもできる。
【0133】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【符号の説明】
【0134】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13Y’・・・感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・弾性ローラー、17Y・・・弾性ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、90・・・定着ユニット、280Y・・・現像剤貯留基体、281Y・・・回収オーガ、285Y・・・リサイクル現像剤回収管、310Y・・・供給貯留部、320Y・・・回収貯留部、321Y・・・回収オーガ、330Y・・・仕切り部、370Y・・・液体現像剤供給管、371Y・・・液体現像剤回収管、375Y・・・液体現像剤供給ポンプ、400Y・・・濃度調整用タンク、402Y・・・液体現像剤攪拌モーター、403Y・・・液体現像剤攪拌軸兼内部電極(第2電極)、404Y・・・液体現像剤攪拌翼、405Y・・・液体現像剤、411Y・・・外部電極(アース電極、第
1電極)、412Y・・・外部電極用接触子、413Y・・・ジョイントボックス、414Y・・・外部電極絶縁支持部、415Y・・・通気孔、416Y・・・液体現像剤攪拌軸支持部、417Y・・・ユニバーサルジョイント、418Y・・・液体現像剤攪拌軸受け上、419Y・・・液体現像剤攪拌軸受け下、420Y・・・液位測定用ハーネス、421Y・・・外部電極(アース電極) 、422Y・・・内部電極用接触子、423Y・・
・内部電極、424Y・・・外部電極絶縁支持部、425Y・・・通気孔、426Y・・・内部電極絶縁層、428Y・・・液体現像剤攪拌タンク下ケース、429Y・・・液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸、430Y・・・液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極、43
1Y・・・ユニバーサルジョイント、432Y・・・減速ギヤボックス、434Y・・・液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極) 、435Y・・・液位測定エリ
ア内トナー、436Y・・・リファレンス容量測定エリア内トナー、437Y・・・温度センサー、438Y・・・内部電極絶縁支持部、440Y・・・通液孔、441Y・・・外部電極(アース電極) 、442Y・・・外部電極用接触子、443Y・・・内部電極、
444Y・・・外部電極絶縁支持部、446Y・・・内部電極絶縁部、447Y・・・測定部液体現像剤攪拌翼、448Y・・・液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触子、449Y・・・液体現像剤攪拌軸受け上、460Y・・・電流値/パルス幅制御部、461Y・・・定電流パルス駆動回路、462Y・・・電圧測定回路、463Y・・・液位演算部、464Y・・・測定部切り替え制御部、465Y・・・マイクロコントロールユニット、466Y・・・液位測定回路部、467Y・・・シールド被覆、468Y・・・外部電極用配線ケーブル、469Y・・・内部電極用配線ケーブル、470・・・液位センサー切り替え回路、471・・・Y色ジョイントボックス、472・・・M色ジョイントボックス、473・・・C色ジョイントボックス、474・・・K色ジョイントボックス、475・・・Y色液位センサー部、476・・・M色液位センサー部、477・・・C色液位センサー部、478・・・K色液位センサー部、479・・・容量・液位変換テーブルメモリ、480・・・液位測定回路部、510Y・・・高濃度現像剤タンク、511Y・・・高濃度現像剤供給管、513Y・・・高濃度現像剤供給ポンプ、520Y・・・キャリア液タンク、521Y・・・キャリア液供給管、523Y・・・キャリア液供給ポンプ、530Y・・・バッファタンク、531Y・・・リサイクル現像剤供給管、533Y・・・リサイクル現像剤供給ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリア液からなる液体現像剤によって現像する現像装置、及び現像装置によるトナー及びキャリア液からなる現像像をさらに記録媒体に転写して、転写されたトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
上記のような液体現像剤を用いた画像形成装置の現像部においては、液体現像剤の残量等を把握するために、液体現像剤を収容する収容部における液体現像剤の液位を検出する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2001−194208号公報)には、基板と、前記基板に所定間隔離隔されるように支持される第1電極板と、前記基板から前記第1電極板の高さ程度まで延在され、前記第1電極板の外周面と対応する開口部をもつ第2電極板とを具備し、検出対象の溶液が貯蔵された容器の一側で所定の検知位置に設けられた電極部と、前記第1電極板及び前記第2電極板により測定される静電容量の変化から前記検知位置上での前記溶液の有無を検出する貯水レベル検出部とを具備することを特徴とする貯水レベル検出器が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2001−13795号公報)には、現像液8の液量検出用センサーとしては、例えば、静電容量型近接スイッチを用いることが開示されている。
【特許文献1】特開2001−194208号公報
【特許文献2】特開2001−13795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術では、液体の存否のみを検出するものであるので、詳細な液位を把握するためには、その精度に相当する分だけのセンサー数を設ける必要があり、装置が複雑化して小型化・低価格化が難しい、という問題があった。
【0007】
また、特許文献2記載の技術では、液面の上限と下限をセンシングするレベルスイッチであり、細やかな濃度調整を必要とする場合には分解能が乏しい。つまり、できるだけ液体現像剤を無駄にしない濃度制御に対しては、タンクの液量の増減把握が不十分である、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明に係る現像装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に配される中空部を有する第1電極、及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対
向する第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る現像装置は、回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である。
【0010】
また、本発明に係る現像装置は、前記第1電極は接地される。
【0011】
また、本発明に係る現像装置は、前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に配される中空部を有する第1電極及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有して前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤のトナー濃度を調整する濃度調整部と、前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤が供給されて、液体現像剤により前記潜像を現像する現像部と、と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は接地される。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する。
【0016】
以上、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、第1電極と第2電極との間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、第1電極と第2電極との間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示す図である。
【図2】画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示す断面図である。
【図3】現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る現像装置で用いられる液位検出装置の全体ブロック図を示す図である。
【図5】液位測定用ハーネスの配線容量測定方法に関する説明図を示す図である。
【図6】液位測定回路部をYMCK4色の液位検出装置が共有する構成を示す図である。
【図7】静電容量測定方法に関する説明図である。
【図8】液位と静電容量の関係を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図11】第4実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【図12】第5実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60は、画像形成装置の上部に配置されている。
【0019】
画像形成部は、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、不図示の露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kによって、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、入力された画像信号に基づいて露光ユニット12Y、12M、12C、12Kに搭載される各露光ヘッドを駆動することで、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0020】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0021】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、駆動ローラー41とテンションローラー42との間に張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラー41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで一次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0022】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像をシート材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の記録媒体に転写する。
【0023】
さらに、経路シート材搬送経路Lの下流には、定着ユニット90が配置され、用紙等の記録媒体上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体に融着させ定着させる。
【0024】
また、テンションローラー42は、ベルト駆動ローラー41と共に転写ベルト40を張架しており、転写ベルト40のテンションローラー42に張架されている箇所で、転写ベルトクリーニングブレード46からなるクリーニング装置が当接・配置されている。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0026】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、感光体スクイーズローラー13Y、感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。また、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、付属構成として感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’からなるクリーニング装置が配置されている。
【0027】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、弾性ローラー16Y、トナー圧縮コロナ発生器22Yが配置されている。弾性ローラー16Yには、アニロックスローラー32Yが当接しており、アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。
【0028】
弾性ローラー16Yには、現像ローラー20Yに供給されずに弾性ローラー16Y上に残った液体現像剤を掻き落とす弾性ローラークリーニングブレード17Yが当接している。
【0029】
液体現像剤容器31Yは、仕切り部330Yによって供給貯留部310Y及び回収貯留部320Yの2つの空間に仕切られており、供給貯留部310Yには液体現像剤供給用のオーガ34Yが、また、回収貯留部320Yには液体現像剤回収用の回収オーガ321Yが収容されている。
【0030】
また、転写ベルト40に沿って、感光体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラー51Yが配置されている。
【0031】
感光体10Yは、現像ローラー20Yの幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該感光体10Yの感光層は、有機感光体又はアモルファスシリコン感光体等で構成される。コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0032】
なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0033】
現像装置30Yの供給貯留部310Yにおいては、キャリア液内にトナーを概略重量比25%程度に分散した状態の液体現像剤を貯留する。一方、現像装置30Yの回収貯留部320Yには、アニロックスローラー32Yに供給されなかった液体現像剤や、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’で掻き落とされた液体現像剤、クリーニングブレード21Yにより現像ローラー20Yから掻き落とされた液体現像剤、弾性ローラークリーニングブレード17Yにより弾性ローラー16Yから掻き落とされた液体現像剤などを回収する回収オーガ321Yも備えられている。
【0034】
また、現像装置30Yには、コンパクション作用を施すトナー圧縮コロナ発生器22Yが設けられている。このトナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像効率を向上させるために、現像ローラー20Y上の液体現像剤に対してバイアス電圧の印加を行い、液体現像剤中のトナーを圧縮状態とする。
【0035】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに供給する弾性ローラー16Yと、この弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックスローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするトナー圧縮コロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。なお、コンパクション状態とは、液体現像剤中のトナー成分を現像ローラー20Y表面側に圧縮状態にすることをいう。
【0036】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリア液とした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。
【0037】
すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE
RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0038】
アニロックスローラー32Yは、弾性ローラー16Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図2に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックスローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックスローラー32Yは時計回りに回転して、反時計回りに回転する弾性ローラー16Yに液体現像剤を塗布する。アニロックスローラー32Yによって弾性ローラー16Yに塗布された液体現像剤は、反時計回りに回転する現像ローラー20Yに供給される。
【0039】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、弾性ローラー16Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0040】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。ここで、掻き落とさ
れた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0041】
弾性ローラー16Yについても、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設け、さらにこの弾性層にPFAやウレタンコートの被覆を設けたものである。また、弾性ローラークリーニングブレード17Yは、弾性ローラー16Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。ここで、掻き落とされた液体現像剤は、現像装置30Yの回収貯留部320Yに落下する。
【0042】
トナー圧縮コロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、図2に示すようにトナー圧縮コロナ発生器22Yによって、トナー圧縮部位でトナー圧縮コロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。
【0043】
現像ローラー20Yに担持されてトナー圧縮された液体現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応し移動し、これを現像する。そして、現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収貯留部320Yに滴下して再利用される。
【0044】
一次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものであり、図2に示すように表面に弾性体を被覆して感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る感光体スクイーズローラー13Y、13Y’と、該感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード14Y、14Y’とから構成され、感光体10Yに現像された液体現像剤から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
【0045】
一次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を一次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0046】
一次転写の下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の転写されずに残った液体現像剤をクリーニングする。この感光体クリーニングブレード18Yによって掻き落とされた液体現像剤は、現像剤貯留基体280Yに落下する。現像剤貯留基体280Yには回転する回収オーガ281Yが設けられており、回収オーガ281Yの回転に伴い、現像剤貯留基体280Yに貯留している液体現像剤はリサイクル現像剤回収管285Yに導かれ、リサイクル現像剤回収管285Yを経てバッファタンク530Yに到達する。
【0047】
現像装置30Yは、現像剤容器31Yにおける供給貯留部310Yに対し、キャリア液にトナーを概略重量比25%に分散した液体現像剤を供給する濃度調整用タンク400Yが設けられている。濃度調整用タンク400Yと供給貯留部310Yとの間には液体現像剤供給管370Yが設けられており、この液体現像剤供給管370Yの途中に配されている液体現像剤供給ポンプ375Yの駆動により濃度調整用タンク400Y中の濃度が調整された液体現像剤が、供給貯留部310Yに供給されるようになっている。
【0048】
また、濃度調整用タンク400Yと、現像容器31Yにおける回収貯留部320Yとの間には液体現像剤回収管371Yが設けられており、各クリーニングブレードにより掻き
落とされた液体現像剤が貯留されている回収貯留部320Yにおいて、回収オーガ321Yが回転すると、液体現像剤は液体現像剤回収管371Yに導かれ、濃度調整用タンク400Yに落下する。
【0049】
高濃度現像剤タンク510Yは、トナー固形分濃度約35%以上の高濃度液体現像剤を貯蔵するタンクであり、キャリア液タンク520Yはキャリア原液を貯蔵するタンクである。
【0050】
高濃度現像剤タンク510Yと濃度調整用タンク400Yとの間には高濃度現像剤供給管511Yが設けられており、高濃度現像剤供給管511Y中の高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、高濃度現像剤タンク510Yから濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を下回った場合、高濃度現像剤供給ポンプ513Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yに高濃度液体現像剤を供給し、濃度を高めるようにすることができる。
【0051】
キャリア液タンク520Yと濃度調整用タンク400Yとの間にはキャリア液供給管521Yが設けられており、キャリア液供給管521Y中のキャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、キャリア液タンク520Yから濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給することができるようになっている。濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤のトナー固形分濃度が25%を上回った場合、キャリア液供給ポンプ523Yが駆動されることで、濃度調整用タンク400Yにキャリア液の原液を供給し、濃度を低めるようにすることができる。
【0052】
次に、濃度調整用タンク400Yの構成についてより詳しく説明する。図3は現像装置における濃度調整用タンクの構成の概略を示す図である。濃度調整用タンク400Yは、現像装置30Yにおける現像プロセスで用いる液体現像剤を調製するために利用されるタンクである。
【0053】
図3は本発明による液位検出部を配する濃度調整用タンク400Yの第1実施を示す図である。液体現像方式電子写真の印刷装置にける液体現像剤リサイクルシステムは、YMCKカラー4色の液体現像剤毎に液体現像剤リサイクル装置を持つことになる。図3は、その内の1つのY色のリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う濃度調整用タンク400Yの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0054】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。液体現像剤攪拌モーター402Yには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0055】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0056】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通し
て、適時キャリア液が注がれる。
【0057】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0058】
次に、本発明に係る液体現像剤液位を検出するセンサー部は、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、液位測定エリア内液体現像剤435Yと外部電極(アース電極)411Yから成りコンデンサを形成する。つまり、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)411Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内液体現像剤435Yは液体現像剤405Yが外部電極(
アース電極)411Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれ
の液位は通気孔15Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極)411Yは、外部電極絶縁支持部414Yで支持され、外部電極絶縁支持部414Yは液体現像剤攪拌軸支持部416Yに支持されている。
【0059】
なお、筒状をなす外部電極(アース電極)411Yを「第1電極」、また、筒状の外部電極(アース電極)411Yの内周に配される液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yを「第2電極」として特許請求の範囲で表現している。
【0060】
ユニバーサルジョイント417Yは減速ギヤボックス432Yの出力駆動軸と攪拌軸とを電気的に絶縁するためのもので、樹脂などの絶縁物からできている。なお、別の絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いる方法もある。
液体現像剤攪拌軸受け上418Yと液体現像剤攪拌軸受け下419Yは液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yの回転軸受けである。
【0061】
外部電極用接触子412Yは、回転する液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yとの接触を保つものであり、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yを液位センサー接続部413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極) 4
11Yも電気配線(リード線)により液位センサー接続部413Yにつながれている。液位センサー接続部413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466に接続されている。
【0062】
図3中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)411Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(1)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(1)
ここで、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0063】
なお、電極の構成について言及すると、残量の視認性、装置の軽量化を必要としなければ、外部電極11Yは濃度調整用タンク400Yをステンレス等の導電部材としてこれを
外部電極としてもよい。これについては、図11で詳細を述べる。
【0064】
また、本発明においては、液体現像剤が非導電性である場合について述べているが、液体現像剤が導電性の場合は、電極間が短絡に近い状態になるため、電極表面をテフロンなどの絶縁性物質でコーティングする必要がある。
【0065】
図4は本発明の実施形態に係る現像装置で用いられる液位検出装置の全体ブロック図を示す図である。
【0066】
図4は、図3の濃度調整用タンク400Y周辺構成をベースにして液位検出装置全体を図式化したものであり、大別すると、液位測定回路部466と液位センサー部のある濃度調整用タンク400Y、ジョイントボックス413Y、液位測定用ハーネス420Yで構成される。
【0067】
液位検出センサー部は、液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極(アース電極)411Yにより、トナーの液位変化を静電容量の変化として捉える。ジョイントボックス413Yは、筒状静電容量センサーを構成する液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと、外部電極(アース電極)411Yを接続するためのジョイントボックスである。
【0068】
シールド被覆467Yは、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Yが周辺から受けるノイズの影響を防ぐためのものである。
【0069】
つぎに、液位測定回路部466Yの機能・動作について説明する。定電流パルス駆動回路461Yはマイクロコントロールユニット466Yの電流値/パルス幅制御部460Yから定電流パルス駆動回路461Yに電流値とパルス幅の支持値を与え、定電流パルス駆動回路461Yは液位センサーに対し、所定の定電流パルスを出力する。そして、電圧測定回路462Yはこのとき液位センサーに発生する電圧を測定し、液位演算部463Yへ渡す。液位演算部463Yでは、液位センサーに与えた定電流パルスの電流値とパルス幅、および液位センサーで発生した電圧を基に静電容量を算出する。算出した静電容量を液位値に変換するのは、容量・液位変換テーブルメモリ479Yのテーブル値を参照して液位値を割り出す。
【0070】
図5は液位測定用ハーネスの配線容量測定方法に関する説明図を示す図である。
【0071】
図4で説明した液位センサーの静電容量値には、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量が含まれるため、この線間容量を差し引く必要があり、図5ではこの方法について説明する。
【0072】
予め以下のように定義する。
【0073】
CA=(液位測定回路部466Yからジョイントボックス413Yの接続ポイントまでの外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量)
CB=(外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Y間の線間容量値+液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極411Yから成る液位センサーの静電容量値)
CC=(液体現像剤攪拌軸兼内部電極403Yと外部電極411Yから成る液位センサーの静電容量)
CAは事前に測定した値を用いることにする。CBは液体現像剤の濃度調整において逐次測定する静電容量値である。したがって、液位センサーの静電容量CCを求めるには以下の式になる。
【0074】
CC=CA−CB
ここで補足すると、外部電極用配線ケーブル468Yと内部電極用配線ケーブル469Yが限りなく短ければこの線間容量は無視できるので、液位センサーの直近に液位測定回路部466Yを配置すればこの問題は解決することになるので、これもまた解決策の1つではある。具体的にはジョイントボックス413Yの中に液位測定回路部466Yを入れてしまう。
【0075】
なお、図6で示すように、液体現像システムが多色の場合には、液位センサーがYMCK4色必要になる。装置の小型化とコストダウンを図るなどの必要性から、液位測定回路部466は1つにして、次に説明する図6のような装置構成を前提に前記の処理を行うこともできる。
【0076】
図6は液位測定回路部をYMCK4色の液位検出装置が共有する構成を示す図である。図6は、図5で言及したように、YMCK4色機の場合、液位測定回路部480を1つとして、YMCK4色分の液位センサーがそれぞれ設置された場合の液位測定装置の全体構成を示すものである。
【0077】
図6で説明した液位測定回路部480の機能・動作については説明を省略する。液位測定回路部80はマイクロコントロールユニット465から液位センサー切り替え回路470を制御して測定ポイントを切り替えながら、Y色液位センサー部475、M色液位センサー部476、C色液位センサー部477、K色液位センサー部478のそれぞれの静電容量を測定する。なお、液位センサーの真の静電容量値を求めるため液位測定回路部480からY色ジョイントボックス471、M色ジョイントボックス472、C色ジョイントボックス473、K色ジョイントボックス474間のそれぞれの線間容量は前述したように予め部品レベルで測定した値を用いる。このようにして、配線長さの異なるYMCY4色それぞれの液位センサーの容量値を精度良く測定することができるようになっている。
【0078】
次に、本実施形態に係る現像装置で用いられる液位センサーの静電容量測定手法について説明する。図7は静電容量測定方法に関する説明図を示している。
【0079】
本実施形態に係る現像装置で用いられる液位センサーにおいては、図7の(A)に示すような定電流パルスを図4、図5、図6で示すコンデンサ部両電極間に一定時間与えたときの電圧(図7(B))を測定することにより、以下の計算式(2)で電極間の静電容量を求める。
C=It/V・・・(2)
静電容量と液位の関係は、予め測定した容量と液位の関係をテーブル化しデータとして液位測定回路部内メモリに保存し、液位演算時に用いる。
【0080】
なお、静電容量を求める方法として、本発明では上記のように定電流によるコンデンサの充電時間と電圧による方法を用いたが、周波数特性を用いて静電容量を求める方法でも可能である。
【0081】
図8は液位と静電容量の関係を示す。図8は、図7で説明した液位測定方法で求める電極間の静電容量と液位の関係を図式化したものである。
【0082】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(アース電極、
第1電極)411Yと液体現像剤攪拌軸兼内部電極(第2電極)403Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装
置によれば、外部電極(アース電極、第1電極)411Yと液体現像剤攪拌軸兼内部電極
(第2電極)403Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0083】
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成が先の実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図9は第2実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0084】
図9は第2実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。本実施形態は、攪拌軸を利用して静電容量を測定する方法において、図3とは別の構成で実現するものである。
【0085】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図9は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0086】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0087】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0088】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリアが注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0089】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0090】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極) 421Yから成りコンデンサを形成す
る。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極) 421Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー43
5Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極) 421Yにより仕切られたエリアの
液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通気孔425Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極) 421Yは、外部電極絶縁支持部424Yにより支
持されている。
【0091】
液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yの軸中心外周部には、まず内部電極絶縁層426Yがあり、そのまた外周上に内部電極423Yを形成している。外部電極用接触子422Yは、回転する液体現像剤攪拌軸ギヤドモータ軸429Y周上の内部電極423Yとの接触を保つものであり、内部電極423Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極) 421Yも電気配
線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0092】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0093】
図9中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(
アース電極) 421Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(4)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(4)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0094】
図8中左の図の同軸円筒電極部の通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極) 421Yで囲われた液位測定エリア内トナ
ー35Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、図9の通液口形状1、通液口形状2に示すように、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。
【0095】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極) 4
21Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)
421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0096】
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図10は第3実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0097】
図10は、第3実施形態によるトナー濃度/液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンク
の構成実施例を示す。本実施例は、静電容量方式で液位を検出するにあたり、予め基準となる固定された領域の静電容量を測定することで、液体現像剤の濃度、温度に影響されない測定方法を実現するものである。
【0098】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図10は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
【0099】
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0100】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0101】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0102】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0103】
次に、本発明に係るトナー濃度、およびトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極443Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)441Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極443Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)441Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー435Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極)441Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通気孔445Yにより平衡を保つようになっている。外部電極(アース電極)441Yは、外部電極絶縁支持部444Yで支持されている。
【0104】
ユニバーサルジョイント431Yはモーター軸と攪拌軸とを電気的に絶縁するためのもので、樹脂などの絶縁物からできている。液体現像剤攪拌軸受け上449Yと液体現像剤攪拌軸受け下419Yは内部電極443Yの回転軸受けである。
【0105】
外部電極用接触子442Yは、回転する内部電極443Yとの電気的導通を保つものであり、内部電極443Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である外部電極(アース電極)441Yも電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液
位測定用ハーネス420Yにより、図示しないが液位測定部に接続されている。
【0106】
液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触子48Yは、回転する液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Yとの電気的導通を保つものであり、液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極430Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。もう一方の電極である外部電極(アース電極)441Yも先に述べたように、電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。
【0107】
図10の電極下部の詳細図である通液口形状3の図に示す通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極)421Yで囲われた液位測定エリア内トナー435Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、本図に示すように、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。
【0108】
さらに、測定部液体現像剤攪拌翼447Yは、内部電極443Yと外部電極(アース電極)441Y間に流入した液位測定エリア内トナー435Yの濃度を均一にするための攪拌翼であり、液位測定エリア内トナー435Yと濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤5Yは、測定部液体現像剤攪拌翼447Yにより攪拌され、通液孔440Yを介して混じり合う構造となっている。
【0109】
図10中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極443Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)441Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(5)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(5)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0110】
また、図10中左の図の同軸円筒電極部の下部には、液位測定時のリファレンスとするコンデンサの役割をする液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触430Y、液位測定エリア内トナー436Yと外部電極(アース電極)441Yの構成を表現したものである。同軸円筒状下部電極間の静電容量は次式となる。
CREF=2πεLREF/log(b/a)[F]
CREF:リファレンス測定エリア内容量[F]
LREF:リファレンス部高さ[m]
そこで、CREFが10±0.1mmの精度を有するものであれば、求める液位は次式(
6)のようになる。
L=C/CREF [±0.1mm]・・・・(6)
以上は静電容量方式で液位を検出するにあたり、予め基準となる固定された領域の静電容量を測定することで、液体現像剤の濃度、温度に影響されない測定方法を実現するものであるが、予め誘電率と濃度の関係を実測して検量線データとしてテーブル化し、リファレンス容量測定エリアの静電容量を測定することにより濃度を算出するも可能である。
【0111】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)4
41Yと内部電極(第2電極)443Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)441Yと内部電極(第2電極)443Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0112】
次に本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図11は第4実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0113】
図11は、第4実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。第4実施形態は、外部電極として液体現像剤攪拌タンク下ケース434Yを利用して静電容量を測定する方法において、図9とは別の構成で液体現像剤攪拌タンクのさらなる簡素化を実現するものである。
【0114】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図11は、その内の1つのリサイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものであり、液体現像剤攪拌軸中心に静電容量センサーを配置することで構成を簡素化し、例えばタンクの直径を80mmから50mm程度に小型化することができる。
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0115】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0116】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0117】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0118】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yが−側電極となる。外部電極用接触子422Yは、内部電極絶縁支持部438
Yにより支持されている。
【0119】
液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yの軸中心外周部には、まず内部電極絶縁層426Yがあり、そのまた外周上に内部電極423Yを形成している。内部電極用接触子422Yは、回転する液体現像剤攪拌軸ギヤドモータ軸429Y周上の内部電極423Yとの接触を保つものであり、内部電極423Yをジョイントボックス413Yにつなぐ配線経路の一部である。また、もう一方の電極である液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yも電気配線(リード線)によりジョイントボックス413Yにつながれている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0120】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0121】
図11中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極)434Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式(7)となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(7)
ただし、
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
である。
【0122】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(第1電極)434Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(第1電極)434Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【0123】
次に本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は濃度調整用タンク400Yにおける構成がこれまで説明した実施形態と相違するのみであるので、以下、この点について説明する。図12は第5実施形態に係る現像装置における濃度調整用タンク400Yの構成の概略を示す図である。
【0124】
図12は、第5実施形態によるトナー液位検出部を配する液体現像剤攪拌タンクの構成実施例を示す。第5実施形態は、筒状電極の中心に液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸を用いない構成として、円筒電極部を液体現像剤攪拌タンク内の別の場所に設置し、静電容量を測定する方法において、図9とは別の構成で実現するものである。
【0125】
液体現像方式電子写真の印刷装置にけるトナーリサイクルシステムは、YMCKカラー4色のトナー毎にトナーリサイクル装置を持つことになる。図11は、その内の1つのリ
サイクル装置の中枢部分であるトナー濃度調整を行う液体現像剤攪拌タンクの構成を示すものである。
濃度調整用タンク400Yには、その上部に液体現像剤攪拌モーター402Yが取り付けられており、それに連結した液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Y、および液体現像剤攪拌翼404Yが取り付けられている。なお、液体現像剤攪拌モーターには、減速ギヤボックス432Yが取り付けられている。
【0126】
本図では、濃度調整用タンク400Yに、液体現像剤405Yが液位を示すMAX.位置まで注がれている。この液位がMIN.位置まで減少した状態を2点鎖線で示している。
【0127】
また、濃度調整用タンク400Yの上部には、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のために高濃度現像剤タンク510Yから、高濃度現像剤供給管511Yを通して、適時高濃度現像剤が注がれる。同様に、液体現像剤のトナー濃度および液体現像剤の液位調整のためにキャリア液タンク520Yから、キャリア液供給管521Yを通して、適時キャリア液が注がれる。さらに、本図には図示されていないが、図1、図2に示すように現像ローラーや感光体ドラムからは回収された使用済み液体現像剤が、バッファタンク530Yに蓄えられ、リサイクル現像剤供給管531Yを通して適時使用済み液体現像剤が濃度調整用タンク400Yに供給される。
【0128】
濃度調整用タンク400Yで濃度調整されたトナーは、液体現像剤供給管370Yを通して、本図には図示されていないが、図2の供給貯留部310Yへ送られる。そして、使用されなかった現像トナー液は、回収貯留部320Yから、液体現像剤回収管371Yを通して濃度調整用タンク400Yに戻される。
【0129】
次に、本発明に係るトナー液位を検出するセンサー部は、内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)421Yから成りコンデンサを形成する。つまり、内部電極423Yが+側電極、液位測定エリア内トナー435Yが電解液、外部電極(アース電極)421Yが−側電極となる。なお、液位測定エリア内トナー435Yは液体現像剤405Yが外部電極(アース電極)421Yにより仕切られたエリアの液体現像剤であり、仕切られたそれぞれの液位は通液口440Yにより平衡を保つようになっている。内部電極423Yと外部電極(アース電極)421Yはジョイントボックス413Yにより支持されている。ジョイントボックス413Yは、液位測定用ハーネス420Yにより、図4、図5に示す液位測定部466Yに接続されている。
【0130】
なお、上記以外の電極構成としては、液体現像剤攪拌モーター402Yの軸と液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸429Yとの絶縁方法として、減速ギヤボックス内のギヤと軸受け部に樹脂を用いて構造を簡素化する方法もある。
【0131】
図11中左の図の同軸円筒電極部は、濃度調整用タンク400Yの液位センサーであるコンデンサの役割をする内部電極423Y、液位測定エリア内トナー435Yと外部電極(アース電極)421Yの構成を分かり易く表現したものである。この同軸円筒状電極間の静電容量は次式となる。
C=2πεL/log(b/a)[F]・・・・(8)
C:液位測定エリア内容量[F]
ε:誘電率[F/m]
L:液位高さ[m]
a:内部半径[m]
b:外部半径[m]
logは自然対数
図12中左の図の同軸円筒電極部の通液孔440Yは、濃度調整用タンク400Y内の液体現像剤405Yと、外部電極(アース電極)421Yで囲われた液位測定エリア内トナー435Yとの濃度差を生じさせないように通液口を設けたものである。通液口440Yの配置構成は、図9の同軸円筒電極部と通液口部に示すように、円筒形の外部電極(アース電極)421Yの前・後面に四角い形状で上下方向が互い違いに配置されており、円筒の軸に垂直な何処の断面においても、円周上で切り欠かれる開口部の長さが一定であるように配慮されている。通液口を円筒形の外部電極(アース電極)421Yの前後に配置したのは攪拌による液体現像剤の流れを外部電極(アース電極)421Yの内部にできるだけ取り込むことを考慮したものである。
【0132】
また、外部電極の形状は電極部拡大図Aのような円筒形状だけではなく、電極部拡大図Bのように楕円形状としたり、菱形としたりすることもできる。
【0133】
以上のような、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を把握することが可能となるので、複数のセンサーを設ける必要がなく、装置の小型化・低価格化が可能となる。また、本発明の現像装置及び画像形成装置によれば、外部電極(第1電極)421Yと内部電極(第2電極)423Yとの間の静電容量を検出することで液位を的確に把握することが可能となるので、収容部における収容されている液体現像剤の濃度制御を適切に行うことができる。
【符号の説明】
【0134】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13Y’・・・感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、16Y・・・弾性ローラー、17Y・・・弾性ローラークリーニングブレード、18Y・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y・・・トナー圧縮コロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、33Y・・・規制ブレード、34Y・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト駆動ローラー、42・・・テンションローラー、46・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・一次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・一次転写バックアップローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、90・・・定着ユニット、280Y・・・現像剤貯留基体、281Y・・・回収オーガ、285Y・・・リサイクル現像剤回収管、310Y・・・供給貯留部、320Y・・・回収貯留部、321Y・・・回収オーガ、330Y・・・仕切り部、370Y・・・液体現像剤供給管、371Y・・・液体現像剤回収管、375Y・・・液体現像剤供給ポンプ、400Y・・・濃度調整用タンク、402Y・・・液体現像剤攪拌モーター、403Y・・・液体現像剤攪拌軸兼内部電極(第2電極)、404Y・・・液体現像剤攪拌翼、405Y・・・液体現像剤、411Y・・・外部電極(アース電極、第
1電極)、412Y・・・外部電極用接触子、413Y・・・ジョイントボックス、414Y・・・外部電極絶縁支持部、415Y・・・通気孔、416Y・・・液体現像剤攪拌軸支持部、417Y・・・ユニバーサルジョイント、418Y・・・液体現像剤攪拌軸受け上、419Y・・・液体現像剤攪拌軸受け下、420Y・・・液位測定用ハーネス、421Y・・・外部電極(アース電極) 、422Y・・・内部電極用接触子、423Y・・
・内部電極、424Y・・・外部電極絶縁支持部、425Y・・・通気孔、426Y・・・内部電極絶縁層、428Y・・・液体現像剤攪拌タンク下ケース、429Y・・・液体現像剤攪拌ギヤドモータ軸、430Y・・・液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極、43
1Y・・・ユニバーサルジョイント、432Y・・・減速ギヤボックス、434Y・・・液体現像剤攪拌タンク下ケース兼外部電極(アース電極) 、435Y・・・液位測定エリ
ア内トナー、436Y・・・リファレンス容量測定エリア内トナー、437Y・・・温度センサー、438Y・・・内部電極絶縁支持部、440Y・・・通液孔、441Y・・・外部電極(アース電極) 、442Y・・・外部電極用接触子、443Y・・・内部電極、
444Y・・・外部電極絶縁支持部、446Y・・・内部電極絶縁部、447Y・・・測定部液体現像剤攪拌翼、448Y・・・液体現像剤攪拌軸兼リファレンス電極用接触子、449Y・・・液体現像剤攪拌軸受け上、460Y・・・電流値/パルス幅制御部、461Y・・・定電流パルス駆動回路、462Y・・・電圧測定回路、463Y・・・液位演算部、464Y・・・測定部切り替え制御部、465Y・・・マイクロコントロールユニット、466Y・・・液位測定回路部、467Y・・・シールド被覆、468Y・・・外部電極用配線ケーブル、469Y・・・内部電極用配線ケーブル、470・・・液位センサー切り替え回路、471・・・Y色ジョイントボックス、472・・・M色ジョイントボックス、473・・・C色ジョイントボックス、474・・・K色ジョイントボックス、475・・・Y色液位センサー部、476・・・M色液位センサー部、477・・・C色液位センサー部、478・・・K色液位センサー部、479・・・容量・液位変換テーブルメモリ、480・・・液位測定回路部、510Y・・・高濃度現像剤タンク、511Y・・・高濃度現像剤供給管、513Y・・・高濃度現像剤供給ポンプ、520Y・・・キャリア液タンク、521Y・・・キャリア液供給管、523Y・・・キャリア液供給ポンプ、530Y・・・バッファタンク、531Y・・・リサイクル現像剤供給管、533Y・・・リサイクル現像剤供給ポンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に配される中空部を有する第1電極、及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、
前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1電極は接地される請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に配される中空部を有する第1電極及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有して前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤のトナー濃度を調整する濃度調整部と、
前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤が供給されて、液体現像剤により前記潜像を現像する現像部と、と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、
前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1電極は接地される請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に配される中空部を有する第1電極、及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、
前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1電極は接地される請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像担持体を露光して前記潜像を前記潜像担持体に形成する露光部と、
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を収容する収容部と、前記収容部に配される中空部を有する第1電極及び前記第1電極の前記中空部に配されて液体現像剤を介して前記第1電極と対向する第2電極を有して前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、を有して液体現像剤のトナー濃度を調整する濃度調整部と、
前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤が供給されて、液体現像剤により前記潜像を現像する現像部と、と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
回転して前記収容部に収容された液体現像剤を攪拌する攪拌翼を有し、
前記第2電極は前記攪拌翼を支持して回転させる軸部である請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1電極は接地される請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1電極は前記中空部に液体現像剤を流動させる通液孔を有する請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−226070(P2012−226070A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92747(P2011−92747)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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