説明

現像装置

【課題】供給ローラへの駆動力伝達を可能としつつ貯溜容器からの現像液漏れを抑制する。
【解決手段】キャリア液に現像剤粒子を混合させてなる現像液により画像形成を行う画像形成装置に用いられる現像カートリッジ60であって、現像液を貯溜する貯溜容器61と、表面に弾性層を有し、該表面に現像液を担持しながら回転駆動する現像ローラ65と、現像ローラ65の表面に食い込んだ状態で接触して、現像液を現像ローラ65に供給しながら現像ローラ65に従動回転する第1供給ローラ63と、回転可能に支持され、貯溜容器61に貯溜された現像液を第1供給ローラ63に供給する第2供給ローラ62と、第1供給ローラ63の回転駆動力を第2供給ローラ62に伝達する伝達ギヤ63G,62Gとを備えている。第1供給ローラ63、第2供給ローラ62および伝達ギヤ63G,62Gは、その全体が貯溜容器61内に収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像液により画像形成を行う画像形成装置に用いられる現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トナー粒子とキャリア液からなる現像液(液体現像剤)により画像形成を行う画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された画像形成装置では、貯溜容器(収納容器)内の現像液は、汲み上げローラと塗布ローラを介して現像ローラに供給され、さらに静電潜像が形成された感光体ドラムに供給されてトナー像を形成する。その後、トナー像が感光体ドラムから用紙(転写媒体)に転写されることで画像が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−178313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、塗布ローラや汲み上げローラなどの供給ローラの回転軸が軸受を介して貯溜容器を貫通するように配置され、貯溜容器の外にある回転軸の両端部にギヤを固着して駆動力伝達を可能とした構成が開示されている。このような構成は、乾式現像剤を使用する装置では広く採用されているが、現像液(液体現像剤)を使用する場合には回転軸と軸受との摺接部分から現像液が漏れるおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、供給ローラへの駆動力伝達を可能としつつ貯溜容器からの現像液漏れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するための本発明は、キャリア液に現像剤粒子を混合させてなる現像液により画像形成を行う画像形成装置に用いられる現像装置であって、現像液を貯溜する貯溜容器と、表面に弾性層を有し、該表面に現像液を担持しながら回転駆動する現像ローラと、前記現像ローラの表面に食い込んだ状態で接触して、現像液を前記現像ローラに供給しながら前記現像ローラに従動回転する第1供給ローラと、回転可能に支持され、前記貯溜容器に貯溜された現像液を前記第1供給ローラに供給する第2供給ローラと、前記第1供給ローラの回転駆動力を前記第2供給ローラに伝達する駆動力伝達部材とを備え、前記第1供給ローラ、前記第2供給ローラおよび前記駆動力伝達部材は、その全体が前記貯溜容器内に収容されていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された現像装置によれば、第1供給ローラが現像ローラに従動回転し、第1供給ローラの回転駆動力が駆動力伝達部材によって第2供給ローラに伝達されるので、2つの供給ローラへの駆動力伝達が可能となっている。そして、第1供給ローラおよび第2供給ローラの回転軸を含む全体と駆動力伝達部材の全体が貯溜容器内に収容されているので、貯溜容器からの現像液漏れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の現像装置によれば、第1供給ローラが現像ローラに従動回転し、2つの供給ローラおよび駆動力伝達部材の全体が貯溜容器内に収容されているので、供給ローラへの駆動力伝達を可能としつつ貯溜容器からの現像液漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置の一例としての現像カートリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】感光体カートリッジと現像カートリッジを装置本体から取り外した状態を示す図である。
【図3】現像カートリッジの断面図である。
【図4】現像装置を図2のIV−IV断面で切断した斜視図(a)と、現像ローラとシール部材を示す斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置の概略構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態の現像液は、トナー粒子(現像剤粒子)を不揮発性かつ非導電性のキャリア液に混合したものである。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置は、現像液により画像形成を行うプリンタや複写機、複合機などである。この画像形成装置は、装置本体10内に、感光体ドラム51を露光する露光部材40と、用紙Sにトナー像を転写する感光体カートリッジ50と、感光体ドラム51に現像液を供給する現像装置の一例としての現像カートリッジ60とを主に備えている。
【0012】
なお、装置本体10内には、用紙Sを給紙する給紙装置と、用紙S上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置と、現像カートリッジ60(貯溜容器61)に供給する現像液を所定の濃度に調整する濃度調整装置とが設けられているが、いずれも公知のものを利用することができるので図示および説明を省略する。
【0013】
図1および図2に示すように、感光体カートリッジ50は、装置本体10に対して着脱可能に構成され、感光体フレーム50A内に、感光体ドラム51と、第1帯電器52と、第1クリーニングブレード53と、転写ローラ54とを主に備えている。
【0014】
感光体ドラム51は、導電性を有する円筒状のドラム本体の表面(外周面)に感光層が形成されて構成され、露光部材40によって露光されることで表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に現像ローラ65から現像液(トナー粒子)が供給されることで可視像化されて、トナー像が形成される。
【0015】
第1帯電器52は、感光体ドラム51と接触しないように所定間隔を隔てて対向して配置され、感光体ドラム51に電界を印加することによって感光体ドラム51の表面を一様に帯電させるように構成されている。
【0016】
第1クリーニングブレード53は、感光体ドラム51と転写ローラ54とが接触する位置より、感光体ドラム51の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この第1クリーニングブレード53は、回転する感光体ドラム51に摺接して感光体ドラム51上の現像液を掻き取って回収する。回収された現像液は、感光体フレーム50Aに形成された廃棄口55から外部に排出され、図示しない廃現像液タンクに貯溜される。
【0017】
なお、図示は省略するが、廃棄口55および後述する供給口68と回収口69には、現像液漏れを防ぐため、装置本体10に装着されたときに現像液を通過可能とし、装置本体10から取り外されたときに現像液の通過を遮断する公知の弁が設けられている。
【0018】
転写ローラ54は、給紙装置から給紙された用紙Sを、感光体ドラム51との間で挟み込んだ状態で搬送することにより、感光体ドラム51上に形成されたトナー像を用紙Sに転写するローラである。この転写ローラ54には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0019】
現像カートリッジ60は、装置本体10に対して着脱可能に構成され(図2参照)、現像フレーム60A内に、貯溜容器61と、第2供給ローラ62と、第1供給ローラ63と、液量規制ブレード64と、現像ローラ65と、第2帯電器66と、第2クリーニングブレード67とを主に備えている。
【0020】
貯溜容器61は、現像フレーム60Aの一部を構成する容器であり、図示しない濃度調整装置から供給口68を介して供給された現像液を貯溜している。
第2供給ローラ62は、回転することで、貯溜容器61に貯留された現像液を表面に担持して第1供給ローラ63に供給する金属製のローラである。
【0021】
第1供給ローラ63(アニロックスローラとも呼ばれる。)は、表面に形成された溝に所定量の現像液を担持可能に構成された金属製のローラである。この第1供給ローラ63を介して現像ローラ65に現像液を供給することで、現像ローラ65への現像液の供給量を均一に保つことができる。
【0022】
液量規制ブレード64は、第2供給ローラ62と第1供給ローラ63とが接触する位置より第1供給ローラ63の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この液量規制ブレード64は、回転する第1供給ローラ63に摺接することで、第1供給ローラ63の表面に付着した現像液を擦り切る。
【0023】
現像ローラ65は、第1供給ローラ63から供給された現像液を表面に担持して、現像液(トナー粒子)を感光体ドラム51上に形成された静電潜像に供給することで、感光体ドラム51上にトナー像を形成する。この現像ローラ65は、表面にシリコンゴムなどからなる弾性層65Sを有している。
【0024】
第2帯電器66は、現像ローラ65と接触しないように所定間隔を隔てて対向して配置され、現像ローラ65に電界を印加することによって、現像液中のトナー粒子を現像ローラ65の表面に押し付けるように構成されている。
【0025】
第2クリーニングブレード67は、感光体ドラム51と現像ローラ65とが接触する位置より現像ローラ65の回転方向下流側で摺接するように配置されている。この第2クリーニングブレード67は、回転する現像ローラ65に摺接して現像ローラ65上の現像液を掻き取って回収する。回収された現像液は、回収口69から外部に排出され、図示しない回収経路を通って濃度調整装置に戻されて再利用される。
【0026】
以上のように構成された感光体カートリッジ50および現像カートリッジ60では、感光体ドラム51の表面が、第1帯電器52により一様に帯電された後、露光部材40によって露光されることで、感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。貯溜容器61内の現像液は、第2供給ローラ62および第1供給ローラ63を介して現像ローラ65に供給され、現像ローラ65の表面に担持される。
【0027】
現像ローラ65の表面に担持された現像液(トナー粒子)は、現像ローラ65から感光体ドラム51上の静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム51上にトナー像が形成される。そして、給紙装置から給紙された用紙Sを、感光体ドラム51と転写ローラ54との間で挟み込んで搬送することで、感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙Sに転写される。その後、用紙Sは、図示しない定着装置を通過する間にトナー像が熱定着され、装置本体10の外部に排出される。このようにして用紙S上にトナー像(画像)が形成される。
【0028】
<現像カートリッジの詳細構成>
次に、本発明の特徴部分に関する現像カートリッジ60の詳細な構成について説明する。なお、以下の説明において、方向は、図3に示す状態を基準にした方向で説明する。すなわち、図3における上下方向を「上下」とし、左右方向を「左右」とする。
【0029】
図3に示すように、現像カートリッジ60は、貯溜容器61を構成する現像フレーム60Aと、現像ローラ65と、第1供給ローラ63と、第2供給ローラ62とを主に備えている。以下、各部材の詳細な構成について説明する。
【0030】
[現像ローラ]
現像ローラ65は、金属製の回転軸65Aが軸受65Bを介して現像フレーム60A(上フレーム71の上筐体部71C)に回転可能に支持されている。回転軸65Aは、左端部に入力ギヤ65Gが固定され、右端部に電極部65Eを有している。
【0031】
入力ギヤ65Gは、現像カートリッジ60が装置本体10に装着されたときに、装置本体10内に設けられた図示しないモータから駆動力が直接またはギヤなどを介して間接的に入力されるギヤである。この入力ギヤ65Gに駆動力が伝達されることで、現像ローラ65は表面に現像液を担持しながら回転駆動する。
【0032】
電極部65Eは、現像カートリッジ60が装置本体10に装着されたときに、装置本体10内に設けられた電極11と通電可能に接触する。そして、感光体ドラム51に現像液(トナー粒子)を供給する現像時(画像形成時)には、装置本体10から電極部65Eを介して現像ローラ65に現像バイアスが印加される。
【0033】
[第1供給ローラと第2供給ローラ]
第1供給ローラ63は、金属製の回転軸63Aが軸受63Bを介して現像フレーム60A(上フレーム71の支持壁部71B)に回転可能に支持されている。回転軸63Aは、右端部に伝達ギヤ63Gが固定され、左端部に第1電極部63Eを有している。この第1供給ローラ63は、金属製のローラであり、現像ローラ65の表面(弾性層65S)に食い込んだ状態で接触しているため(図1参照)、現像ローラ65が回転駆動することで、摩擦によって現像ローラ65に従動回転する。
【0034】
第2供給ローラ62は、金属製の回転軸62Aが軸受62Bを介して現像フレーム60A(上フレーム71の支持壁部71B)に回転可能に支持されている。回転軸62Aは、右端部に伝達ギヤ63Gと噛み合う伝達ギヤ62Gが固定され、左端部に第2電極部62Eを有している。この第2供給ローラ62は、第1供給ローラ63と一体に回転する伝達ギヤ63Gから伝達ギヤ62Gに回転駆動力が伝達されることで回転駆動する。伝達ギヤ63G,62Gは、駆動力伝達部材の一例である。
【0035】
第1電極部63Eおよび第2電極部62Eは、それぞれ、貯溜容器61に設けられた容器内電極613,612に通電可能に摺接する。各容器内電極613,612は、一端が貯溜容器61の外面に露出するように設けられており、現像カートリッジ60が装置本体10に装着されたときに、装置本体10内に設けられた電極13,12と通電可能に接触する。画像形成時には、装置本体10から電極13,12および容器内電極613,612を介して、第1供給ローラ63および第2供給ローラ62にバイアスが印加される。
【0036】
[現像フレーム]
本実施形態において、現像フレーム60Aは、各ローラ65,63,62を回転可能に支持する上フレーム71と、上部が開放され、貯溜容器61の側壁および底壁を構成する容器状の下フレーム72とから主に構成されている。
【0037】
上フレーム71は、開口610を有し、貯溜容器61の上壁を構成する蓋部71Aと、蓋部71Aから下方に向けて延び、左右方向において対向する一対の支持壁部71Bと、蓋部71Aから上方に向けて延び、現像ローラ65などを支持する上筐体部71Cとを有している。第1供給ローラ63および第2供給ローラ62は、軸受63B,62Bを介して一対の支持壁部71Bに回転可能に支持されている。
【0038】
このように構成された現像フレーム60Aは、上フレーム71(蓋部71A)と下フレーム72とを固着することで一体的に形成される。
【0039】
上フレーム71と下フレーム72とを固着するとき、支持壁部71Bに支持された第1供給ローラ63および第2供給ローラ62は、回転軸63A,62A、伝達ギヤ63G,62G、第1電極部63Eおよび第2電極部62Eを含む全体が下フレーム72(貯溜容器61)内に収容される。これにより、供給ローラの回転軸が貯溜容器を貫通する従来の構成と比較して、貯溜容器61からの現像液漏れをより確実に抑制することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、容器内電極613,612が、貯溜容器61を外から内へ貫通するように設けられているが、容器内電極613,612は駆動しない部品なので、図示しない公知のシール構成によって現像液漏れを防ぐことができる。
【0041】
図3および図4(a)に示すように、貯溜容器61は、上部(蓋部71A)に、現像ローラ65と、貯溜容器61内の収容された第1供給ローラ63とを接触可能とする開口610を有している。
【0042】
本実施形態では、装置本体10に対して着脱可能に構成された現像カートリッジ60が傾くなどしたときに、開口610の縁部と現像ローラ65(ローラ部分)との間から現像液が漏れることを抑えるため、開口610の縁部と現像ローラ65との間の隙間を塞ぐシール部材80が設けられている。図4(a),(b)に示すように、シール部材80は、一対のサイドシール81と、フィルム部材82と、第2クリーニングブレード67とから構成されている。
【0043】
サイドシール81は、現像ローラ65(ローラ部分)の両端部と蓋部71Aとの間に配置され、現像ローラ65の両端部と開口610の縁部(蓋部71A)との間の隙間からの現像液漏れを抑制する部材である。このサイドシール81は、現像ローラ65(ローラ部分)の両端部と摺接するので、現像ローラ65の回転を妨げないように、低摩擦係数の弾性体から構成されている。
【0044】
フィルム部材82は、現像ローラ65と第1供給ローラ63とが接触する位置より現像ローラ65の回転方向下流側で現像ローラ65と摺接可能に配置されており(図1参照)、現像ローラ65と開口610の縁部との間の隙間からの現像液漏れを抑制する略平板状の部材である。このフィルム部材82は、樹脂製のフィルムや薄い金属板などから構成されている。
【0045】
第2クリーニングブレード67は、その先端が、現像ローラ65上の現像液を回収可能な程度の押圧力で現像ローラ65に摺接しているので、現像ローラ65と第2クリーニングブレード67との間からの現像液漏れを抑制することができる。したがって、第2クリーニングブレード67は、現像ローラ65と開口610の縁部との間の隙間からの現像液漏れを抑制することができる。
【0046】
フィルム部材82および第2クリーニングブレード67の長手方向両端部は、それぞれ、対向するサイドシール81に当接しており、各部材間の隙間からの現像液漏れを抑制している。
【0047】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の現像カートリッジ60では、第1供給ローラ63が現像ローラ65に従動回転し、第1供給ローラ63の回転駆動力が伝達ギヤ63G,62Gによって第2供給ローラ62に伝達される。また、伝達ギヤ63G,62Gなどを含む第1供給ローラ63および第2供給ローラ62の全体が貯溜容器61内に収容されている。これらにより、各供給ローラ63,62への駆動力伝達を可能としつつ、貯溜容器61からの現像液漏れを抑制することができる。
【0048】
また、キャリア液が非導電性であり、第1電極部63Eおよび第2電極部62Eを貯溜容器内に有するので、貯溜容器61からの現像液漏れを抑制しつつ、第1供給ローラ63および第2供給ローラ62に対して必要なバイアスを印加することができる。
【0049】
さらに、現像カートリッジ60が装置本体10に対して着脱可能な構成において、貯溜容器61の開口610の縁部と現像ローラ65との間の隙間を塞ぐとともに、現像ローラ65と摺接可能なシール部材80を備えるので、現像カートリッジ60が倒れたり、傾いたりした場合に、開口610から大量の現像液が漏れることを抑制することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0051】
前記実施形態では、駆動力伝達部材として伝達ギヤ63G,62Gを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動力伝達部材が、第1供給ローラおよび第2供給ローラの回転軸の一端部に設けられたプーリと、各プーリの間に張設されたベルトとから構成されていてもよい。
【0052】
前記実施形態では、第1供給ローラ63と第2供給ローラ62にバイアスを印加可能な構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1供給ローラだけにバイアスを印加可能な構成としてもよいし、第1供給ローラおよび第2供給ローラにはバイアスを印加しない構成としてもよい。このような場合、第1電極部63E、第2電極部62E、容器内電極613,612および電極13,12は適宜省略することができる。
【0053】
なお、本発明は、装置本体側から給電して第1供給ローラや第2供給ローラにバイアスを印加する構成に限定されず、例えば、前記実施形態の電極13,12を接地することで第1供給ローラ63や第2供給ローラ62を接地する構成としてもよい。また、第1供給ローラ63と第2供給ローラ62にバイアスを印加しない構成とする場合には、導電性のキャリア液を使用してもよい。
【0054】
前記実施形態では、シール部材として、一対のサイドシール81、フィルム部材82および第2クリーニングブレード67とから構成されたシール部材80を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、貯溜容器の開口の縁部に沿って枠状に形成されたシール部材を採用してもよい。
【0055】
前記実施形態で示した現像フレーム60Aの構成(現像装置のフレーム構成)は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、現像装置のフレーム構成は、第1供給ローラ、第2供給ローラおよび駆動力伝達部材の全体が貯溜容器内に収容されるという本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0056】
例えば、前記実施形態では、現像フレーム60Aの一対の支持壁部71Bが各供給ローラ63,62を回転可能に支持する構成を示したが、これに限定されず、下フレーム72の側壁内面に対向する一対の凹部を設け、この凹部に供給ローラの回転軸を挿入して回転可能とする構成としてもよい。また、下フレーム72の側壁内面から突出するように設けられた対向する一対の円筒部に供給ローラの回転軸を挿入して回転可能とする構成としてもよい。このような構成では、支持壁部71Bを省略することができる。
【0057】
前記実施形態では、現像装置として現像カートリッジ60を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記実施形態の感光体カートリッジ50と現像カートリッジ60とが一体に構成されたカートリッジを採用してもよい。また、本発明は、画像形成装置本体に固定された現像装置(着脱可能なカートリッジタイプではない現像装置)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10 装置本体
60 現像カートリッジ
61 貯溜容器
62 第2供給ローラ
62E 第2電極部
62G 伝達ギヤ
63 第1供給ローラ
63E 第1電極部
63G 伝達ギヤ
65 現像ローラ
65S 弾性層
67 第2クリーニングブレード
80 シール部材
81 サイドシール
82 フィルム部材
610 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア液に現像剤粒子を混合させてなる現像液により画像形成を行う画像形成装置に用いられる現像装置であって、
現像液を貯溜する貯溜容器と、
表面に弾性層を有し、該表面に現像液を担持しながら回転駆動する現像ローラと、
前記現像ローラの表面に食い込んだ状態で接触して、現像液を前記現像ローラに供給しながら前記現像ローラに従動回転する第1供給ローラと、
回転可能に支持され、前記貯溜容器に貯溜された現像液を前記第1供給ローラに供給する第2供給ローラと、
前記第1供給ローラの回転駆動力を前記第2供給ローラに伝達する駆動力伝達部材とを備え、
前記第1供給ローラ、前記第2供給ローラおよび前記駆動力伝達部材は、その全体が前記貯溜容器内に収容されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
キャリア液は、非導電性であり、
前記第1供給ローラは、バイアスを印加するための第1電極部を前記貯溜容器内に有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第2供給ローラは、バイアスを印加するための第2電極部を前記貯溜容器内に有することを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成され、
前記貯溜容器は、前記現像ローラと前記第1供給ローラとを接触可能とする開口を有し、
さらに、前記開口の縁部と前記現像ローラとの間の隙間を塞ぐとともに、前記現像ローラと摺接可能なシール部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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