説明

現場監視端末

【課題】スイッチギヤ盤内の主回路充電部を容易に把握できるようにする。
【解決手段】本実施形態に係る現場監視端末は、スイッチギヤ盤内の主回路導体を表す設計情報を入力する入出力インタフェース部14と、前記設計情報をもとにスイッチギヤ盤の立体的な主回路導体構成情報を作成する立体画像作成部121と、前記スイッチギヤ盤内の機器の状態を示す情報を登録するタッチパネル11と、前記登録された情報に基づいて前記登録された情報に基づいて、前記スイッチギヤ盤内の主回路導体の充電部を判別可能に表示する主回路充電部表示部122とを具備するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スイッチギヤ盤内の機器状態を監視するための現場監視端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、開閉器の状態と単線結線図および配置単結図等から、スイッチギヤ盤内の主回路充電部を人により判断していたため、主回路充電部の判断に誤りが生じていた。また、2次元的な単線結線図および配置単結図の図面上の判断では、スイッチギヤ盤内での主回路の構成が図面上では分かり難く、想定していないところが主回路充電部であったというように、感電事故を招く一因でもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−078199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来では、現場作業員が2次元的な数種類の設計図面によりスイッチギヤ盤内の主回路充電部を把握しなければならなかったため、点検業務等の際に感電事故などの危険性があった。
【0005】
本実施形態の目的は、スイッチギヤ盤内の主回路充電部を容易に把握することができる現場監視端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る現場監視端末は、スイッチギヤ盤内の主回路導体を表す設計情報を入力する手段と、前記設計情報をもとにスイッチギヤ盤の立体的な主回路導体構成情報を作成する手段と、前記スイッチギヤ盤内の機器の状態を示す情報を登録する手段と、前記登録された情報に基づいて、前記スイッチギヤ盤内の主回路導体の充電部を判別可能に表示する手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る現場監視端末の構成を示す機能ブロック図。
【図2】現場監視端末の処理を示すフローチャート。
【図3】主回路充電色別図の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る現場監視端末を説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る現場監視端末の構成を示す機能ブロック図である。図1において、現場監視端末100は、タッチパネル部11、表示制御部12、記憶部13、及び入出力インタフェース部14を有する。現場監視端末100は、現場作業員がスイッチギヤの点検作業等に用いるもので、例えばA4版サイズの持ち運びが容易な装置で構成される。
【0010】
タッチパネル部11は、液晶ディスプレイ等の表示部と、画面上でのユーザの操作情報を入力する操作入力部とを組み合わせたものである。タッチパネル部11は、現場作業員により、監視装置の操作情報および開閉器等の機器の状態、電源受電点を示す情報を入力する。タッチパネル部11の表示画面は、メインメニュー画面と単線結線図表示画面および外形図表示画面(スイッチギヤ盤内の主回路導体を表示)を主として構成され、単線結線図表示画面および外形図表示画面には、後述する表示制御部12により主回路充電部が表示される。
【0011】
入出力インタフェース部14は、外部装置との接続を可能にし、データの入出力を行う。例えば、CAD(Computer-Aided Design)装置から設計図ファイル(単線結線図、外形図、配置単結図)を入力する。また主回路充電部を表示した結果をパーソナルコンピュータやプリンター等へ出力する。
【0012】
記憶部13は、設計図ファイル131、及び機器状態データ132を記憶する。設計図ファイル131は、例えば、入出力インタフェース部14を介して入力される単線結線図、外形図、盤ごとの配置単結図が含まれる。機器状態データ132は、タッチパネル11を介して入力される開閉器の状態や電源受電点を示す情報を含む。
【0013】
表示制御部12は、立体画像作成部121と、主回路充電部表示部122とを有する。立体画像作成部121は、設計図ファイル131をもとにスイッチギヤ盤を立体化した画像(主回路母線構成)を作成し、タッチパネル11の表示画面上に立体的に表示する。主回路充電部表示部122は、開閉器の状態や電源受電点を示す情報をもとに主回路母線の充電状態を表示する。
【0014】
次に、このように構成される現場監視端末の動作について説明する。図2は、現場監視端末の処理を示すフローチャートである。
ステップS1において、CAD装置等から例えばスイッチギヤ盤の設計図ファイル(単線結線図、外形図、配置単結図)を入力する。
【0015】
ステップS2において、入力された設計図ファイルから、表示部にて自動的にスイッチギヤ盤内の主回路母線を立体化させて表示する。このとき、スイッチギヤ盤内の主回路母線の構成は主回路相数分を表示することを可能とする。
【0016】
次に、ステップS3において、タッチパネル11の表示部に表示された単線結線図上で開閉器の状態を登録し、および電源受電点を登録する。
【0017】
ステップS4において、主回路充電部表示部122は、立体表示された外形図表示画面にて主回路充電部を表示する。例えば、図3に示すように、主回路充電部と非充電部とが色別表示される。外形図表示画面は、スイッチギヤ列盤単位、1面単位での表示選択ができ、表示視野方向もスイッチギヤ盤を360°回転させて表示する。表示した結果は、直接プリンターに接続して印刷できるほか、パーソナルコンピュータへデータとして出力することを可能とする。
【0018】
従来では、平面的な図面で人の判断により、スイッチギヤ盤内の主回路充電部を判断していたが、本実施形態によれば、表示画面上で開閉器と電源受電点の情報を登録することで、自動的に主回路充電部を判断して立体的に視覚的に色別された主回路充電部が表示される。このようにすることで、スイッチギヤ盤内の主回路充電部が分かりやすくなり、点検業務等の際の感電事故を防止することが可能となる。
【0019】
なお、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0020】
100…現場監視装置、11…タッチパネル部、12…表示制御部、121…立体画像作成部、122…主回路充電部表示部、13…記憶部、131…設計図ファイル、132…機器状態データ、14…入出力インタフェース部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチギヤ盤内の主回路導体を表す設計情報を入力する手段と、
前記設計情報をもとにスイッチギヤ盤の立体的な主回路導体構成情報を作成する手段と、
前記スイッチギヤ盤内の機器の状態を示す情報を登録する手段と、
前記登録された情報に基づいて、前記スイッチギヤ盤内の主回路導体の充電部を判別可能に表示する手段と
を具備することを特徴とする現場監視端末。
【請求項2】
前記表示する手段は、前記主回路の充電部と非充電部とを色別に表示することを特徴とする請求項1記載の現場監視端末。
【請求項3】
前記情報は、開閉器の状態や電源受電点を含むことを特徴とする請求項1記載の現場監視端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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