説明

現金処理システム、現金処理方法および代理店端末

【課題】事業種別ごとに現金の出入および金種別枚数を管理する。
【解決手段】現金処理システム1は、代理店端末による指示のもと、現金の入出金処理を行う現金処理部202と、現金処理部により入出金される現金の金種別情報を記録する記録部204と、を備える現金処理機200と、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機に現金の入出金を指示する入出金指示部102と、現金処理機に記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に、現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する枚数算出部106と、を備える代理店端末100とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理システム、現金処理方法および代理店端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、代理店窓口では、窓口端末において複数事業の業務を代行する場合、各業務の取引数や売上げについては事業別に管理し、手数料等を徴収していた。また、現金については、接続された現金処理機で収支の有高や金種別枚数の管理のみを行っていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−88494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、接続された現金処理機で収支の有高や金種別枚数の管理を行うのみでは、事業種別ごとに現金の出入や金種別枚数を管理することができないという問題があった。そのため、代理店で複数事業の業務を代行する場合、事業毎に現金の準備、保管、処理、計数といった現金を取り扱う際に発生する事務負荷に対する手数料等を徴収することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、事業種別ごとに現金の出入および金種別枚数を管理することが可能な、新規かつ改良された現金処理システム、現金処理方法および代理店端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、現金処理機と、複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末とが接続されている現金処理システムが提供される。
【0006】
上記現金処理機は、代理店端末による指示のもと、現金の入出金処理を行う現金処理部と、現金処理部により入出金される現金の金種別情報を記録する記録部とを備える。
【0007】
上記代理店端末は、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機に現金の入出金を指示する入出金指示部と、現金処理機に記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に、現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する枚数算出部と、を備える。
【0008】
また、現金処理機に備わる記録部は、現金の金種別枚数を記録し、代理店端末は、現金処理機に記録された現金の金種別枚数を照会する照会部を備え、枚数算出部は、現金処理機により現金の入出金が実行される前に照会部により照会された入出金前の現金の金種別枚数と、現金処理機により現金の入出金が実行された後に照会部により照会された入出金後の現金の金種別枚数との差分を算出してもよい。
【0009】
現金処理機に備わる記録部は、現金処理部による入出金処理の履歴を金種別枚数とともに記録し、代理店端末は、入出金指示部により指示された一事業の現金処理業務の履歴を記録する履歴記録部を備え、枚数算出部は、履歴記録部により記録された一事業の現金処理業務の履歴に対応する現金処理機に記録された入出金処理の履歴を取得してもよい。
【0010】
また、代理店端末は、事業毎に枚数算出部により算出された現金の金種別枚数を記録する事業別枚数記録部を備えてもよい。
【0011】
また、代理店端末は、事業別枚数記録部により記録された事業毎の現金の金種別枚数に基づいて、事業毎に金種別の手数料を算出する手数料算出部を備えてもよい。
【0012】
また、手数料算出部は、現金の金種別枚数に金種毎の処理課金率を乗じて金種別の手数料を算出してもよい。
【0013】
また、枚数算出部は、現金処理業務における現金払い処理の金種別枚数から現金受け処理の金種別枚数を減算することにより、準備金に関する情報を取得してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、現金処理機と、複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末とがネットワークを介して接続される現金処理システムにおいて実行する現金処理方法であって、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機に現金の入出金を指示するステップと、現金の入出金を指示された現金処理機において、現金の入出金処理を行うステップと、現金処理機において入出金される現金の金種別情報を記録するステップと、記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に、現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出するステップと、を含むことを特徴とする、現金処理方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、現金処理機とネットワークを介して接続される複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末であって、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機に現金の入出金を指示する入出金指示部と、入出金指示部の指示のもと現金処理機により入出金される現金の金種別情報に基づいて、事業別に、現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する枚数算出部と、を備えることを特徴とする、代理店端末が提供される。
【0016】
また、現金処理機は、現金の金種別枚数を記録し、代理店端末は、現金処理機に記録された現金の金種別枚数を照会する照会部を備え、枚数算出部は、現金処理機により現金の入出金が実行される前に照会部により照会された入出金前の現金の金種別枚数と、現金処理機により現金の入出金が実行された後に照会部により照会された入出金後の現金の金種別枚数との差分を算出してもよい。
【0017】
また、現金処理機は、入出金指示部により指示された現金の入出金処理の履歴を記録し、代理店端末は、入出金指示部により指示された一事業の現金処理業務の履歴を記録する履歴記録部を備え、枚数算出部は、履歴記録部により記録された一事業の現金処理業務の履歴に対応する現金処理機に記録された入出金処理の履歴から、入出金処理における金種別枚数を算出してもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、事業種別ごとに現金の出入および金種別枚数を管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる現金処理システムの概要について説明する説明図である。
【図2】同実施形態にかかる代理店端末および現金処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる現金の金種別枚数について説明する説明図である。
【図4】同実施形態にかかる事業別金種別カウンタの記録内容について説明する説明図である。
【図5】同実施形態にかかる金種別課金率マスタの内容について説明する説明図である。
【図6】同実施形態にかかる現金処理システムについて説明する説明図である。
【図7】同実施形態にかかる現金処理システムの処理の詳細を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかる代理店端末および現金処理機の機能構成を示すブロック図である。
【図9】同実施形態にかかる代理店端末の取引履歴と現金処理機の処理履歴について説明する説明図である。
【図10】同実施形態にかかる現金処理システムの処理の詳細を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、以下に示す順序に従って、当該「発明を実施するための形態」を説明する。
〔1〕本実施形態の目的
〔2〕現金処理システムの概要
〔3〕第1実施形態
〔3−1〕現金処理機および代理店端末の機能構成
〔3−2〕現金処理システムの処理の詳細
〔4〕第2実施形態
〔4−1〕現金処理機および代理店端末の機能構成
〔4−2〕現金処理システムの処理の詳細
【0022】
〔1〕本実施形態の目的
まず、本実施形態の目的について説明する。従来、代理店窓口では、窓口端末において複数事業の業務を代行する場合、各業務の取引数や売上げについては事業別に管理し、手数料等を徴収していた。また、現金については、接続された現金処理機で収支の有高や金種別枚数の管理のみを行っていた。
【0023】
しかし、接続された現金処理機で収支の有高や金種別枚数の管理を行うのみでは、事業種別ごとに現金の出入や金種別枚数を管理することができないという問題があった。また、代理店で複数事業の業務を代行する場合、事業毎に現金の準備、保管、処理、計数といった現金を取り扱う際に発生する事務負荷に対する手数料等を徴収することができなかった。これは、一般的に、現金処理機には事業種別等を識別する機能がなく、金種別枚数を計数するカウンタを1つしか有していないためである。そこで、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかる現金処理システムが創作されるに至った。本実施形態にかかる現金処理システムによれば、事業種別ごとに現金の出入および金種別枚数を管理することが可能となる。
【0024】
〔2〕現金処理システムの概要
次に、図1を参照して、本発明の実施形態にかかる現金処理システム1の概要について説明する。従来、窓口端末500a、500b、500c(以降、窓口端末500とも称する。)では、一台の窓口端末に一台の現金処理機600a、600b、600c(以降、現金処理機600とも称する。)が接続されていた。例えば、窓口端末500a、500b、500cがそれぞれ別の業務を取り扱っていた場合には、各窓口端末500に接続された現金処理機600の現金の出入および金種別枚数を取得することにより、各業務の現金の出入および金種別枚数を管理することができる。
【0025】
しかし、一つの窓口端末が複数事業の業務を取り扱う代理店端末として機能する場合に、事業の業務ごとに現金の出入や金種別枚数を管理することはできなかった。例えば、1台の代理店端末100において3つの業務のアプリケーション(AP1、AP2、AP3)が稼動していた場合でも、現金処理機における現金の出入や金種別枚数をカウントするためのカウンタは1つである。したがって、従来の代理店端末では、3つの業務を合算した現金の出入や金種別枚数しか取得することができなかった。
【0026】
そこで、本実施形態では、複数の業務アプリケーションが稼動する代理店端末100において、事業別の金種別カウンタを保有して、現金処理機200から得られる情報を用いて事業別の金種別カウンタを更新する。これにより、代理店端末100において、事業別に現金の出入や金種別枚数を管理することが可能となる。さらに、事業別に管理した現金の出入や金種別枚数の情報を用いて、事業別に現金取扱に対する手数料を徴収することが可能となる。
【0027】
代理店端末100としては、各代理店の窓口に設置されている端末を例示できる。代理店端末100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置を例示できる。また、現金処理機200としては、例えば、金融機関に設置されている自動取引装置(ATM)を例示できるが、かかる例に限定されない。例えば、金融機関以外のコンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。
【0028】
また、代理店端末100と現金処理機200はネットワークを介して接続され、現金の金種別枚数等の情報を送受信することができる。ネットワークは、専用網であって、例えば、LAN(Local Area Network)などにより構成される。
【0029】
〔3〕第1実施形態
以上、現金処理システム1の概要について説明した。次に、第一実施形態について説明する。本実施形態の現金処理システム1は、1台の現金処理機200に1台または2台以上の代理店端末100が接続されている。代理店端末100には、事業別の業務アプリケーションが搭載されており、並行して事業別の業務が稼動している。ただし、現金処理機200における現金処理は複数業務を直列的に行う必要がある。したがって、複数業務が稼動する場合には、各業務の現金処理を排他的に実行する。
【0030】
現金処理機200は、代理店端末100からの入出金指示のもと現金の入出金処理を行い、入出金した金種別枚数をカウントする。本実施形態では、事業別の業務の現金処理実行前と実行後にカウントされた金種別枚数の差分を算出することにより、事業別の業務の金種別枚数を取得する。金種別枚数の差分の算出方法については後で詳細に説明する。以上、現金処理システム1の概要について説明した。
【0031】
次に、図2の機能構成を説明する前に、代理店端末100および現金処理機200のハードウェア構成の一例について説明する。代理店端末100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、入力装置と、出力装置と、ストレージ装置(HDD)などを備える。
【0032】
CPUは、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って行動予測装置10の動作全般を制御する。また、CPUは、マイクロプロセッサであってもよい。ROMは、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAMは、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。
【0033】
入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPUに出力する入力制御回路などから構成されている。
【0034】
出力装置は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Display)装置およびランプなどの表示装置と、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置で構成される。
【0035】
ストレージ装置は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置は、ハードディスクを駆動し、CPUが実行するプログラムや各種データを格納する。
【0036】
以上、代理店端末100のハードウェア構成について説明した。現金処理機200についても、代理店端末100とほぼ同様のハードウェア構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、現金処理機200の表示装置は、例えば、タッチパネルにより実現され、現金処理機200を操作するオペレータの操作部として機能するようにしてもよい。
【0037】
〔3−1〕現金処理機および代理店端末の機能構成
次に、図2を参照して、代理店端末100および現金処理機200の機能構成について説明する。図2は、代理店端末100および現金処理機200の機能構成を示すブロック図である。図2に示したように、代理店端末100は、入出金指示部102、照会部104、枚数算出部106、事業者別枚数記録部108、事業別金種別カウンタ110、金種別課金率マスタ112、手数料算出部114などを備える。
【0038】
入出金指示部102は、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機200に現金の入出金を指示する機能を有する。例えば、入出金指示部102は、現金処理機200に対して、入出金に関する情報を送信することにより、入出金の指示を行う。また、入出金指示部102は、現金処理機200に対して入出金指示を行ったことを照会部104に通知する。また、入出金指示部102は、枚数算出部106に対して、複数事業のうちどの事業の現金処理業務を実行したかを通知する。
【0039】
照会部104は、現金処理機200に記録された現金の金種別枚数を照会する機能を有する。照会部104は、入出金指示部102による現金処理機200に対する入出金の指示の前に現金処理機200における現金の金種別枚数を照会する。また、照会部104は、入出金指示部102による現金処理機200に対する入出金の指示の後に現金処理機200における現金の金種別枚数を照会する。照会部104は、現金処理機による現金の入出金の実行前と実行後の現金の金種別枚数を枚数算出部106に提供する。
【0040】
枚数算出部106は、現金処理機200に記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する機能を有する。現金の金種別情報とは、現金処理機200によりカウントされた現金の金種別枚数である。ここで、図3を参照して、現金処理機200によりカウントされる現金の金種別枚数について説明する。図3は、現金の金種別枚数について説明する説明図である。
【0041】
図3に示したように、現金処理機200において、金種2061別に枚数2062がカウントされる。金種別枚数のカウントは、入金または出金処理がされる毎に行われる。例えば、現金処理機200において入金処理が行われた場合には、入金された金種「1万」が「100」枚、「5千」が「60」枚、「千」が「50」枚、「500」が「0」枚、「100」が「0」枚、のようにカウントされる。
【0042】
現金処理機200における金種別枚数のカウントについては後で詳細に説明するが、現金処理機200においてカウントされた金種別枚数は、現金処理機200の金種別カウンタ206に記録される。なお、現金処理機200においてカウントされる金種は、紙幣や硬貨に限らず、記念硬貨や電子マネーなどであってもよい。
【0043】
図2に戻り、上記したように、枚数算出部106は、入出金指示部102によりどの事業の現金処理業務を実行したかが通知されるため、事業種別と算出した現金の金種別枚数とを事業者別枚数記録部108に提供する。
【0044】
枚数算出部106は、現金処理機200により現金の入出金が実行される前に照会部104により照会された入出金前の現金の金種別枚数と、現金処理機200により現金の入出金が実行された後に照会部104により照会された入出金後の現金の金種別枚数との差分を算出する機能を有する。
【0045】
例えば、現金の入出金が実行される前に現金処理機200の金種別カウンタに金種「1万」の枚数が「60」と記録されており、現金の入出金が実行された後に現金処理機200の金種別カウンタに金種「1万」の枚数が「50」と記録されていた場合には、枚数算出部106は、金種1万は当該現金処理により10枚払い出されたと算出することができる。
【0046】
また、現金の入出金が実行される前に現金処理機200の金種別カウンタに金種「1万」の枚数が「50」と記録されており、現金の入出金が実行された後に現金処理機200の金種別カウンタに金種「1万」の枚数が「100」と記録されていた場合には、枚数算出部106は、金種1万は当該現金処理により50枚受け入れされたと算出することができる。
【0047】
事業者別枚数記録部108は、枚数算出部106により提供された事業種別と現金の金種別枚数とを関連付けて事業別金種別カウンタ110に記録する機能を有する。事業者別枚数記録部108は、事業種別をキーとして、現金の金種別枚数をカウントして、事業別金種別カウンタ110に記録する。ここで、図4を参照して、事業別金種別カウンタ110の記録内容について説明する。図4は、事業別金種別カウンタ110の記録内容について説明する説明図である。
【0048】
図4に示したように、事業別金種別カウンタ110には、事業1101毎に、現金の金種1102、枚数1103、取引枚数1104が記録されている。例えば、A事業のアプリケーションが実行された場合の金種と枚数、B事業のアプリケーションが実行された場合の金種と枚数が関連付けて記録されている。
【0049】
さらに、現金処理機200において入金処理が行われた場合の取引枚数(受け)と、現金処理機200において出金処理が行われた場合の取引枚数(払い)が金種別に記録されている。例えば、「A事業」の現金処理において、金種「1万」の受けが「50」で払いが「10」であった場合には、枚数「40」と記録される。同様に、金種「5千」の受けが「100」で払いが「40」であった場合には、枚数「60」と記録される。
【0050】
図2に戻り、手数料算出部114は、事業別金種別カウンタ110に記録されている事業毎の現金の金種別枚数に基づいて、事業毎に金種別の手数料を算出する機能を有する。具体的には、手数料算出部114は、事業別金種別カウンタ110に記録されている事業毎の現金の金種別枚数と金種別課金率マスタ112に記録されている金種別の課金率とから、金種別の手数料を算出する。
【0051】
ここで、図5を参照して、金種別課金率マスタ112の内容について説明する。図5は、金種別課金率マスタ112の内容について説明する説明図である。図5に示したように、金種別課金率マスタ112には、課金区分1121ごとの課金率1122が記憶されている。課金区分1121は、「紙幣」、「硬貨」、「電子マネー」などの金種等を表すものである、課金率1122は、「受け」と「払い」とで異なる課金率を設定してもよい。
【0052】
手数料算出部114は、事業別金種別カウンタ110に記憶されている金種の枚数に、金種別課金率マスタ112に記憶されている課金率を乗じて事業者毎の手数料を算出する。以上、代理店端末100の機能構成について説明した。次に、現金処理機200の機能構成について説明する。図2に示したように、現金処理機200は、現金処理部202、記録部204、金種別カウンタ206などを備える。
【0053】
現金処理部202は、代理店端末100の入出金指示部102の指示のもと、現金の入出金処理を行う機能を有する。現金処理部202は、現金処理機200に備わる硬貨の搬送口や紙幣の搬送口を介して現金の入出金を行う。ここで、入金処理とは、例えば、利用者が入金口に投入した紙幣や硬貨の種類および紙幣や硬貨の枚数を識別し、紙幣や硬貨を所定の場所に収納する処理である。また、出金処理とは、利用者の操作に応じて指定された金額に相当する紙幣や硬貨を計数し、出金口に搬送する処理である。
【0054】
記録部204は、現金処理部202により入出金される現金の金種別情報を記録する機能を有する。記録部204は、金種別に枚数をカウントして、金種別カウンタ206に記録する機能を有する。記録部204によりカウントされた金種別の枚数は、図3に示したように、金種別カウンタ206に金種別に記録される。
【0055】
金種別カウンタ206には、金種別に枚数が記録され、上記したように、代理店端末100により記録内容が照会される。金種別カウンタ206に記録される金種の枚数は、現金処理部202により入出金処理が実行される度に上書きされる。本実施形態では、代理店端末100において、入出金処理の前後の金種別カウンタ206に記録されている金種の枚数の差分を算出するようにしたが、かかる例に限定されない。例えば、現金処理機200において、入出金処理の前後の金種の枚数の差分を算出するようにしてもよい。この場合、記録部204が現金処理部202において提供された入出金する金種の枚数と、金種別カウンタ206に記録されている金種の枚数とを比較して、入出金処理における金種の枚数を算出してもよい。
【0056】
〔3−2〕現金処理システムの処理の詳細
以上、代理店端末100および現金処理機200の機能構成について説明した。次に、現金処理システム1の処理の詳細について説明する。現金処理システム1の処理の詳細を説明するに際しては、図6に示した現金処理システム1′を例示して説明する。図6に示した現金処理システム1′では、現金処理機200に、2台の代理店端末100aと代理店端末100bが接続されている。代理店端末100aと代理店端末100b(以降、代理店端末100aと100bを総称して代理店端末100と称する場合もある)は、ネットワークを介して現金処理機200に接続され、機能構成は上記した代理店端末100とほぼ同様である。
【0057】
図6に示したように、現金処理機200に2台の代理店端末が接続されている場合には、いずれか一方の代理店端末が入出金処理を行う場合に、現金処理機200を占有する必要がある。現金処理機200は、2台以上の入出金指示を同時に処理することができないからである。
【0058】
次に、図7を参照して、現金処理システム1′の処理の詳細について説明する。図7は、現金処理システム1′の処理の詳細を示すタイミングチャートである。図7においては、代理店端末100の入出金指示部102、照会部104、枚数算出部106、事業者別枚数記録部108等を総称して制御部120として説明している。
【0059】
図7に示したように、まず、代理店端末100において、現金処理の前処理が実行される(S102)。ステップS102において実行される現金処理の前処理とは、現金処理が生じる種々の処理であって、例えば、銀行業務における振り込みや振り替えなどを例示できる。具体的には、代理店端末100において、現金処理が生じる業務に関するデータ入力が行われる。
【0060】
そして、代理店端末100は、現金処理機200に対して処理依頼の占有権を取得する(S104)。上記したように、2台以上の代理店端末100が現金処理機200に接続されていた場合、現金処理機200は2台以上の入出金処理同時に行うことができないため、1台の現金処理機200の処理依頼のみ受け付けるようにする必要がある。したがって、ステップS104において、2台以上の代理店端末100のうち1台の代理店端末100が排他的に現金処理機200への処理を依頼するようにする。
【0061】
ステップS104において、代理端端末100が現金処理機200の処理依頼占有権を取得した後に、代理店端末100は現金処理機200に対し、現金処理機200が保有している金種別枚数のカウンタを照会する(S106)。金種別枚数のカウンタは、現金処理機200の金種別カウンタ206に格納されている。ステップS106において、代理店端末100の照会部104は、現金処理機200の金種別カウンタ206にアクセスして金種別枚数のカウンタを取得する。ステップS106において取得する金種別枚数のカウンタは、後述する入出金指示が行われる前の金種別枚数のカウンタである。
【0062】
ステップS106において、代理店端末100は、金種別枚数のカウンタを照会した後に、現金処理機200に入出金指示を行う(S110)。ステップS110における入出金指示は、代理店端末100の入出金指示部102により行われる。ステップS110において代理店端末100から入出金指示を受けた現金処理機200は、指示された入出金処理を実行して、金種別枚数のカウンタを更新する(S112)。
【0063】
そして、ステップS112において現金処理機200が入出金処理とカウンタの更新を実行した後に、代理店端末100の照会部104は、再度、現金処理機200の金種別カウンタ206にアクセスして金種別枚数のカウンタを取得する(S114)。ステップS114において取得する金種別枚数のカウンタは、入出金指示が行われた後の金種別枚数のカウンタである。
【0064】
次に、ステップS114において取得した入出金指示後の金種別枚数のカウンタと、ステップS106において取得した入出金指示前の金種別枚数のカウンタとの差分を算出する(S116)。ステップS116におけるカウンタの差分を算出する処理は、代理店端末100の枚数算出部106において実行される。
【0065】
代理店端末100は、ステップS116において現金処理機200における入出金前後の金種別枚数のカウンタの差分を算出した後に、事業別金種別カウンタ110を更新する(S118)。ステップS118における事業別金種別カウンタの更新処理は、事業者別枚数記録部108が、ステップS102において実行された現金処理の事業の種別と、ステップS116において算出された金種別枚数とを関連付けて記録することにより行われる。
【0066】
そして、代理店端末100は、ステップS118において、事業別金種別カウンタ110が更新された後に、ステップS104において取得した現金処理機200への処理依頼の占有権を開放する(S120)。ステップS120において、現金処理機200への処理依頼の占有権を開放した後に、現金処理実行後の代理店端末100において実行される業務処理等を行う(S122)。
【0067】
ステップS120において、1台の代理店端末100が現金処理機200への処理依頼の占有権が開放された後は、他の代理店端末100が現金処理を実行すべく現金処理機200への処理依頼を占有する。このように、1台の現金処理機200に複数の代理店端末100が接続されている場合には、複数の代理店端末100の間で排他的に処理が実行される。また、1台の代理店端末100において複数のアプリケーションが並行的に処理を実行する場合においても、現金処理機200における処理は排他的に処理されるため、業務毎の金種別枚数をカウントすることが可能となる。
【0068】
以上、本実施形態における処理の詳細について説明した。上記実施形態によれば、現金処理機200において入出金処理された現金の金種の枚数を、入出金前と後とにカウントして、差分を算出することにより、一つの業務処理において現金処理機200で扱われた現金の金種の枚数を把握することが可能となる。
【0069】
また、事業別に現金を管理することができるため、代理店端末150を所有する代理事業者は、現金取り扱いに関する事務負荷を正確に把握することができる。したがって、現金取り扱いに関する事務負荷を、現金処理に関する手数料等に反映することが可能となる。
【0070】
さらに、事業別に金種別枚数のカウンタの推移を把握することができるため、各事業業務の代行にあたり必要な準備金(金種別枚数)を把握することが可能となる。したがって、代理事業者は、準備金に対する課金額を手数料等に反映させることも可能となる。
【0071】
〔4〕第2実施形態
以上、第1実施形態について説明した。次に、第2実施形態について説明する。本実施形態における現金処理システム2においても、第1実施形態と同様に、代理店端末100において、事業別に金種別枚数を管理することができる。また、1台の代理店端末150に接続される現金処理機250は1台であるが、1台の現金処理機250に複数台の代理店端末150が1台の現金処理機に接続されていてもよい点は第1実施形態と同様である。また、本実施形態では、複数の金種別カウンタを有していなくても、事業別に金種別枚数を管理することが可能な点で、第1実施形態とは異なっている。
【0072】
本実施形態では、代理店端末150と現金処理機250の取引履歴に基づいて事業別の金種別枚数を管理する。したがって、1つの処理毎に事業別の金種別枚数を算出している第1実施形態とは異なり、本実施形態では、1日の営業終了後に事業別の金種別枚数を算出する点で異なっている。以下では、第1実施形態と同様の機能または処理についての詳細な説明は省略し、主に、第1実施形態と異なる機能または処理について詳細に説明する。
【0073】
〔4−1〕現金処理機および代理店端末の機能構成
まず、図8を参照して、代理店端末150および現金処理機250の機能構成について説明する。図8に示したように、代理店端末100は、入出金指示部152、履歴記録部154、事業別取引履歴156、枚数算出部158、事業者別枚数記録部160、事業別金種別カウンタ162、金種別課金率マスタ164、手数料算出部166などを備える。
【0074】
入出金指示部152は、第1実施形態の入出金指示部102と同様に、複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、現金処理機250に現金の入出金を指示する機能を有する。また、入出金指示部152は、履歴記録部154に対して、入出金指示を行ったことを通知する。
【0075】
履歴記録部154は、入出金指示部152により実行される入出金処理の履歴を事業別取引履歴156に記録する機能を有する。事業別取引履歴156には、代理店端末150において処理される取引履歴が時刻とともに記録されている。例えば、代理店端末150が、商品Aを購入する処理を実行する場合には、商品Aを購入する前処理の履歴が時刻とともに記録される。また、現金処理機250に現金処理の依頼をした場合には、現金処理依頼の履歴が時刻とともに記録される。また、1台の代理店端末150において複数事業の処理を実行する場合には、事業ごとの取引履歴が時刻とともに記録される。
【0076】
枚数算出部158は、事業別取引履歴156に記録されている事業別の取引履歴と、後述する現金処理機250の入出金における処理履歴とから、入出金処理における金種別枚数を算出する機能を有する。ここで、図9を参照して、代理店端末150の取引履歴と現金処理機250の処理履歴について説明する。図9は、代理店端末150の取引履歴と現金処理機250の処理履歴について説明する説明図である。図9に示した代理店端末150の取引履歴および現金処理機250の処理履歴の一覧は、例えば、1日の営業終了後の履歴の一覧である。
【0077】
図9に示したように、端末A(代理店端末)においては、事業Xの取引履歴と事業Yの取引履歴が時刻とともに記録されている。また、端末B(代理店端末)においては、事業Xの取引履歴が時刻とともに記録されている。さらに、端末Aと端末Bに接続されている現金処理機250の処理履歴が時刻とともに記録されている。
【0078】
端末Aおよび端末Bの取引履歴は各代理店端末150の事業別取引履歴156に記録されている。また、現金処理機250の処理履歴は後述するように、現金処理機250の処理履歴258に記録されている。枚数算出部158は、代理店端末150の取引履歴と現金処理機250の処理履歴を、図9に示したように時系列に並べる。そして、代理店端末150の取引履歴の各事業取引処理に該当する時刻の現金処理を当該事業の現金処理の内訳と判断して、事業毎の金種別枚数を算出する。
【0079】
例えば、図9に示したように、端末A(代理店端末150)の事業Xの取引履歴の時刻(1時〜6時)に対応する現金処理機250の処理履歴から、同時刻に処理された事業Xの現金処理の内訳が算出される。現金処理機250の1時〜6時の処理履歴は、入金処理は100円硬貨が5枚、出金処理は10円硬貨が3枚である。したがって、端末Aにおける事業Xの現金処理において、100円硬貨が5枚入金され、10円硬貨が3枚出金されたことがわかる。図8に戻り、枚数算出部158は、算出した事業種別の現金の金種別枚数を事業者別枚数記録部160に提供する。
【0080】
事業者別枚数記録部160は、枚数算出部158により提供された事業種別と現金の金種別枚数とを関連付けて事業別金種別カウンタ162に記録する機能を有する。事業者別枚数記録部160は、事業種別をキーとして、現金の金種別枚数をカウントして、事業別金種別カウンタ162に記録する。事業者別枚数記録部160および事業別金種別カウンタ162は、第1実施形態の事業者別枚数記録部108および事業別金種別カウンタ110と同様の機能を有するため、詳細な説明は省略する。
【0081】
手数料算出部166は、事業別金種別カウンタ162に記録されている事業毎の現金の金種別枚数に基づいて、事業毎に金種別の手数料を算出する機能を有する。具体的には、手数料算出部166は、事業別金種別カウンタ162に記録されている事業毎の現金の金種別枚数と金種別課金率マスタ164に記録されている金種別の課金率とから、金種別の手数料を算出する。
【0082】
以上、代理店端末150の機能構成について説明した。次に、現金処理機250の機能構成について説明する。図8に示したように、現金処理機250は、現金処理部252、記録部254、金種別カウンタ256、処理履歴258などを備える。
【0083】
現金処理部252は、第1実施形態の現金処理部202と同様に、代理店端末150の入出金指示部152の指示のもと、現金の入出金処理を行う機能を有する。記録部254は、第1実施形態の記録部204と同様に、現金処理部252により入出金される現金の金種別情報を記録する機能を有する。また、現金処理機250で実行される処理の履歴を現金の金種別情報とともに処理履歴258に記録する。処理履歴258には、上記したように、現金処理機250において実行される現金処理の履歴と現金の金種別情報が時刻とともに記録されている。
【0084】
〔4−2〕現金処理システムの処理の詳細
以上、本実施形態にかかる代理店端末150および現金処理機250の機能構成について説明した。次に、現金処理システム2の処理の詳細について説明する。以下の現金処理システム2の処理の詳細を説明するに際しても、図6に示したように、1台の現金処理機250に2台の代理店端末150が接続されている場合について説明する。
【0085】
本実施形態にかかる処理の詳細について、第1実施形態と同様の処理については詳細な説明は省略する。また、図10においては、代理店端末150の入出金指示部152、履歴記録部154、枚数算出部158、事業者別枚数記録部160等を総称して制御部170として説明している。
【0086】
図10に示したように、まず、代理店端末150において、現金処理の前処理が実行される(S202)。そして、代理店端末150は、現金処理機250に対して処理依頼の占有権を取得する(S204)。その後、代理店端末150は、現金処理機250に入出金指示を行う(S206)。ステップS206において代理店端末150から入出金指示を受けた現金処理機250は、指示された入出金処理を実行して、金種別枚数のカウンタを更新する(S208)。
【0087】
そして、代理店端末150は、ステップS208において、現金処理機250において指示した入出金処理が実行された後に、代理店端末150は、ステップS204において取得した現金処理機250への処理依頼の占有権を開放する(S210)。そして、ステップS214において現金処理機250への処理依頼の占有権を開放した後に、現金処理実行後の代理店端末150において実行される業務処理等を行う(S212)。
【0088】
代理店端末150は、ステップS212において現金処理後の処理が実行された後に、各処理の履歴を取引履歴として記録する(S214)。ステップS214において記録される取引履歴は、上記したように事業ごとの取引内容を時刻とともに記録した履歴である。また、現金処理機250においても、現金処理機250において実行された現金処理の履歴を記録する(S216)。ステップ216において記録される処理履歴は、処理内容と金種別カウンタ値とを時刻とともに記録した履歴である。
【0089】
そして、1日の営業終了後に、代理店端末150の枚数算出部158は、代理店端末150の取引履歴と現金処理機250の処理履歴から事業別の現金処理の内訳を算出する(S218)。ステップS218における算出方法は、上記したように、代理店端末150の取引履歴と現金処理機250の処理履歴とを時系列に並べて、取引履歴の各事業取引処理に該当する時刻の現金処理を当該事業の現金処理の内訳と判断することにより行われる。現金処理機250の処理履歴データは、代理店端末150と接続している通信回線により取り込むようにしてもよいし、記憶媒体を介して取り込むようにしてもよい。
【0090】
以上、第2実施形態にかかる現金処理システム2の処理の詳細について説明した。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、一つの業務処理において現金処理機250で扱われた現金の金種の枚数を把握することが可能となる。また、事業別に現金を管理することができるため、代理店端末150を所有する代理事業者は、現金取り扱いに関する事務負荷を正確に把握することができる。したがって、現金取り扱いに関する事務負荷を、現金処理に関する手数料等に反映することが可能となる。
【0091】
また、第2実施形態では、業務取引中の処理を新たに追加すること必要がなく、営業外の時間を用いて処理をすることが可能である。このため、代理店端末や現金処理機の処理負荷を増大や業務取引の遅延を招くことなく、業務ごとの金種別枚数を管理することが可能となる。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
上記実施形態では、代理店の窓口端末に適用して説明したが、かかる例に限定されず、ATM等の現金を取り扱う自動機に適用することも可能である。本発明により、例えば、ATMにおいて、複数の銀行の取引を代行することが可能となる。通常、取引別、取引金額、利用時間帯により手数料が定められているが、本発明を適用することにより、取り扱い金種やつり銭の有無、現金か電子マネーかなど、現金処理の詳細に基づき手数料を変更することが可能となる。
【0094】
例えば、本明細書の代理店端末および現金処理機の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、代理店端末および現金処理機の処理における各ステップは、異なる処理であっても並列的に実行されてもよい。
【0095】
また、代理店端末および現金処理機などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述し代理店端末および現金処理機の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0096】
100、150 代理店端末
102、152 入出金指示部
104 照会部
106、158 枚数算出部
108、160 事業者別枚数記録部
110、162 事業別金種別カウンタ
112、164 金種別課金率マスタ
114、166 手数料算出部
154 履歴記録部
156 事業別取引履歴
200、250 現金処理機
202、252 現金処理部
204、254 記録部
206、256 金種別カウンタ
258 処理履歴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金処理機と、複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末とが接続されている現金処理システムであって、
前記現金処理機は、
前記代理店端末による指示のもと、現金の入出金処理を行う現金処理部と、
前記現金処理部により入出金される現金の金種別情報を記録する記録部と、
を備え、
前記代理店端末は、
前記複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、前記現金処理機に現金の入出金を指示する入出金指示部と、
前記現金処理機に記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に、前記現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する枚数算出部と、
を備えることを特徴とする、現金処理システム。
【請求項2】
前記現金処理機に備わる前記記録部は、前記現金の金種別枚数を記録し、
前記代理店端末は、
前記現金処理機に記録された前記現金の金種別枚数を照会する照会部を備え、
前記枚数算出部は、前記現金処理機により現金の入出金が実行される前に前記照会部により照会された入出金前の現金の金種別枚数と、前記現金処理機により現金の入出金が実行された後に前記照会部により照会された入出金後の現金の金種別枚数との差分を算出することを特徴とする、請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項3】
前記現金処理機に備わる前記記録部は、前記現金処理部による前記入出金処理の履歴を金種別枚数とともに記録し、
前記代理店端末は、
前記入出金指示部により指示された前記一事業の現金処理業務の履歴を記録する履歴記録部を備え、
前記枚数算出部は、前記履歴記録部により記録された前記一事業の現金処理業務の履歴に対応する前記現金処理機に記録された前記入出金処理の履歴を取得することを特徴とする、請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項4】
前記代理店端末は、
事業毎に前記枚数算出部により算出された前記現金の金種別枚数を記録する事業別枚数記録部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項5】
前記代理店端末は、
前記事業別枚数記録部により記録された前記事業毎の前記現金の金種別枚数に基づいて、事業毎に金種別の手数料を算出する手数料算出部を備えることを特徴とする、請求項4に記載の現金処理システム。
【請求項6】
前記手数料算出部は、前記現金の金種別枚数に金種毎の処理課金率を乗じて前記金種別の手数料を算出することを特徴とする、請求項5に記載の現金処理システム。
【請求項7】
前記枚数算出部は、前記現金処理業務における現金払い処理の金種別枚数から現金受け処理の金種別枚数を減算することにより、準備金に関する情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の現金処理システム。
【請求項8】
現金処理機と、複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末とがネットワークを介して接続される現金処理システムにおいて実行する現金処理方法であって、
前記複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、前記現金処理機に現金の入出金を指示するステップと、
前記現金の入出金を指示された前記現金処理機において、現金の入出金処理を行うステップと、
前記現金処理機において入出金される現金の金種別情報を記録するステップと、
前記記録された現金の金種別情報に基づいて、事業別に、前記現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出するステップと、
を含むことを特徴とする、現金処理方法。
【請求項9】
現金処理機とネットワークを介して接続される複数事業の現金処理業務を代理する代理店端末であって、
前記複数事業のうちの一事業の現金処理業務を実行して、前記現金処理機に現金の入出金を指示する入出金指示部と、
前記入出金指示部の指示のもと前記現金処理機により入出金される現金の金種別情報に基づいて、事業別に、前記現金処理業務において処理された現金の金種別枚数を算出する枚数算出部と、
を備えることを特徴とする、代理店端末。
【請求項10】
前記現金処理機は、前記現金の金種別枚数を記録し、
前記代理店端末は、
前記現金処理機に記録された前記現金の金種別枚数を照会する照会部を備え、
前記枚数算出部は、前記現金処理機により現金の入出金が実行される前に前記照会部により照会された入出金前の現金の金種別枚数と、前記現金処理機により現金の入出金が実行された後に前記照会部により照会された入出金後の現金の金種別枚数との差分を算出することを特徴とする、請求項9に記載の代理店端末。
【請求項11】
前記現金処理機は、前記入出金指示部により指示された前記現金の入出金処理の履歴を記録し、
前記代理店端末は、
前記入出金指示部により指示された前記一事業の現金処理業務の履歴を記録する履歴記録部を備え、
前記枚数算出部は、前記履歴記録部により記録された前記一事業の現金処理業務の履歴に対応する前記現金処理機に記録された前記入出金処理の履歴から、前記入出金処理における金種別枚数を算出することを特徴とする、請求項9に記載の代理店端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−65249(P2011−65249A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213311(P2009−213311)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】