説明

現金取扱装置

【課題】硬貨収納用金庫に対して所定量以上の硬貨が収納された後においても稼働を継続することが可能な現金取扱装置を提供する。
【解決手段】現金取扱装置は、硬貨を収納するための硬貨収納部と、紙葉類を積層した状態で収納するための紙葉類収納部と、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の量を検出するための硬貨検出部と、前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記紙葉類収納部内の紙葉類の収納量を取得し、前記収納量に基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があると判定した場合は、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記紙葉類収納部内へ移動させる移動制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
売上金入金装置は、例えば、店舗等における売上金の管理・保管サービスに使用される装置である(例えば、特許文献1)。この売上金の管理・保管サービスは、例えば警備会社等によって提供される。警備会社によって店舗に設置された売上金入金装置は、入金される売上金を計数して現金を売上金入金装置内部に保管するとともに、オンラインにより、売上金の情報を警備会社のセンタへ送信する。情報を受信したセンタは、当該売上金の情報をもとに、店舗の銀行口座に売上金額分の現金を入金する。そして、警備会社は後日、売上金入金装置より売上金(現金)を回収する。
【0003】
警備会社による売上金の回収は定期的な間隔で行われる。しかし、売上金入金装置の使用状況によっては、売上金の回収日前に、売上金入金装置内の紙幣収納用金庫もしくは硬貨収納用金庫の少なくともいずれか一方が満杯になり、売上金入金装置の稼働が停止してしまう場合がある。このような場合、警備会社は売上金入金装置の稼働を再開させるために、本来予定していなかった売上金の回収作業を行う必要があった。予定外の回収作業の発生は、売上金入金装置を用いた売上金の管理・保管サービスの運用コストの増大を招く。このため、予定外の回収作業の発生を低減したいという要望があった。
【0004】
なお、このような問題は、売上金入金装置に限らず、現金取扱装置全般に共通する問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−256534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、硬貨収納用金庫に対して所定量以上の硬貨が収納された後においても稼働を継続することが可能な現金取扱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
現金取扱装置であって、
硬貨を収納するための硬貨収納部と、
紙葉類を積層した状態で収納するための紙葉類収納部と、
前記硬貨収納部に収納されている硬貨の量を検出するための硬貨検出部と、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記紙葉類収納部内の紙葉類の収納量を取得し、前記収納量に基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があると判定した場合は、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記紙葉類収納部内へ移動させる移動制御部と、
を備える、現金取扱装置。
この構成によれば、硬貨検出部によって硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、紙葉類収納部内の紙葉類の収納量に基づいて、紙葉類収納部内の収納空間に余裕があると判定された場合は、硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部が紙葉類収納部内へ移動させられる。このため、硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上となった後においても硬貨収納部内に空きスペースを作ることができる。その結果、現金取扱装置において、硬貨収納用金庫に対して所定量以上の硬貨が収納された後においても稼働を継続することが可能となる。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の現金取扱装置であって、さらに、
前記硬貨収納部と、前記紙葉類収納部とを互いに接続する接続部を備え、
前記硬貨収納部は、さらに、
前記接続部の開閉が可能な第1の開閉蓋を備え、
前記紙葉類収納部は、さらに、
前記接続部の開閉が可能な第2の開閉蓋を備え、
前記移動制御部は、前記第1および第2の開閉蓋を開くことによって、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記紙葉類収納部内へ移動させる、現金取扱装置。
この構成によれば、現金取扱装置は、硬貨収納部と紙葉類収納部とが互いに接続された接続部と、接続部の開閉が可能な第1および第2の開閉蓋とを備え、第1および第2の開閉蓋を開くことによって硬貨収納部に収納されている硬貨を紙葉類収納部内へ移動させる。このため、簡単な構成で適用例1と同様の効果を得ることができる。
【0010】
[適用例3]
適用例1または2記載の現金取扱装置であって、さらに、
前記紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の総枚数と、前記紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の1日あたりの平均収納枚数とを含む、紙葉類の枚数に関する情報を取得する取得部を備え、
前記紙葉類収納部の内部には、さらに、昇降可能な底板部材を備え、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記総枚数もしくは前記底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、前記底板部材の底面と前記接続部との距離を判定し、判定した距離と前記1日あたりの平均収納枚数とに基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する、現金取扱装置。
この構成によれば、硬貨検出部によって硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の総枚数、もしくは、紙葉類収納部の内部に設けられる底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、底板部材の底面と接続部との距離を判定し、判定した距離と紙葉類の1日あたりの平均収納枚数に基づいて、紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する。このため、紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かの判定を、現金取扱装置の実際の利用状況に基づいて行うことができる。
【0011】
[適用例4]
適用例3記載の現金取扱装置であって、
前記取得部が取得する情報は、さらに、紙葉類の曜日毎の平均収納枚数に関する情報を含み、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記総枚数もしくは前記底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、前記底板部材の底面と前記接続部との距離を判定し、判定した距離と前記曜日毎の平均収納枚数とに基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する、現金取扱装置。
この構成によれば、硬貨検出部によって硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の総枚数、もしくは、紙葉類収納部の内部に設けられる底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、底板部材の底面と接続部との距離を判定し、判定した距離と紙葉類の曜日毎の平均収納枚数に基づいて、紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する。このため、適用例3と同様の効果を得つつ、さらに、曜日毎の利用状況のばらつきを勘案した判定を行うことができる。
【0012】
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれか一項記載の現金取扱装置であって、
前記紙葉類収納部の内部は複数の収納庫に分割され、
さらに、前記硬貨収納部と、前記複数の収納庫とが互いに接続された接続部を備え、
前記硬貨収納部は、前記接続部の開閉が可能な第1の開閉蓋を備え、
前記紙葉類収納部は、前記接続部の開閉が可能な複数の第2の開閉蓋を備え、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記各収納庫内の紙葉類の収納量をそれぞれ取得し、前記収納量と予め定められた条件とに基づいて、前記第1の開閉蓋および前記複数の収納庫の中から前記収納庫内の収納空間に余裕があると判定された少なくとも1つの収納庫に対する接続部の開閉が可能な前記第2の開閉蓋を開くことによって、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記収納庫内へ移動させる、現金取扱装置。
この構成によれば、複数の収納庫を備える紙葉類収納部を有する現金取扱装置においても、適用例1と同様の効果を得ることができる。
【0013】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、本発明は、現金取扱装置、現金自動取引システム、現金取扱装置の制御方法のほか、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例としての現金取扱装置の構成の概略説明図である。
【図2】ATMの構成を機能的に示す説明図である。
【図3】ATMを上方から見た説明図である。
【図4】硬貨処理装置および紙幣処理装置のA面(図3)における内部構成の概略説明図である。
【図5】第1実施例における硬貨移動制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】硬貨処理装置および紙幣処理装置が接続状態にある場合における内部構成の概略説明図である。
【図7】第2実施例における硬貨処理装置および紙幣処理装置の内部構成の概略説明図である。
【図8】第2実施例における硬貨移動制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】第3実施例における硬貨処理装置および紙幣処理装置の内部構成の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.装置構成:
A−2.硬貨移動制御:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
【0016】
A.第1実施例:
A−1.装置構成:
図1は、本発明の一実施例としての現金取扱装置10(以降、「ATM」とも呼ぶ。)の構成の概略説明図である。ATM10は、例えば、金融機関や小売店、公共施設等に設置され、利用者の操作に従って金融機関等の提供する現金出納等のサービスを自動で提供する装置である。ATM10は、現金自動預け払い機とも呼ばれる。
【0017】
ATM10は、カード・明細票処理装置310と、通帳処理装置320と、硬貨処理装置100と、紙幣処理装置200と、顧客操作部330とを備えている。カード・明細票処理装置310は、カードスロットから挿入されたキャッシュカードの処理や、取引明細票の印字処理を行う。通帳処理装置320は、通帳挿入口から挿入された通帳に対する読み取り処理や印字処理を行う。硬貨処理装置100は、入出金される硬貨の計算処理を行う。紙幣処理装置200は、入出金される紙葉類(以下「紙幣」とも呼ぶ。)の計算処理を行う。顧客操作部330は、タッチパネルを介して取引に必要な情報を表示すると共に利用者の操作を受け付けるユーザインタフェースである。なお、顧客操作部330は、タッチパネルに代えて、ディスプレイと操作ボタンの組合せにより構成するものとしてもよい。
【0018】
図2は、ATM10の構成を機能的に示す説明図である。ATM10は、上述した硬貨処理装置100、紙幣処理装置200、カード・明細票処理装置310、通帳処理装置320、顧客操作部330のほかに、本体制御部400を備えている。本体制御部400は、CPU(図示省略)と、プログラム等を記憶するメモリ(図示省略)とを有し、CPUが記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の処理や取引の制御(換言すれば、ATM10の各部の制御)を実現する。
【0019】
本体制御部400はさらに、移動制御部410と、取得部415と、記憶部420とを備えている。移動制御部410は、後述する硬貨移動制御を行う。取得部415は、後述する硬貨移動制御において紙幣の枚数に関する情報を取得する。記憶部420は、ATM10に対する入金情報を記憶する。この入金情報は、利用者がATM10に対して現金を投入した際に計数される情報に基づいて記憶される情報であり、総枚数情報421と、各日枚数情報422とを含んでいる。総枚数情報421は、ATM10に対して入金された紙幣の総枚数(すなわち、紙幣処理装置200に既に収納されている紙幣の総枚数)を表す。各日枚数情報422は、ATM10の運用開始から現在までの日付情報と、当該日付において入金された紙幣の総枚数とを関連づけた情報(すなわち、紙幣処理装置200に既に収納されている紙幣についての、各日における収納枚数)を表す。また、本体制御部400は、図示しないインタフェースを介してホストコンピュータ500に接続されて、必要な情報のやりとりを行う。
【0020】
図3は、ATM10を上方から見た説明図である。図4は、硬貨処理装置100および紙幣処理装置200のA面(図3)における内部構成の概略説明図である。硬貨収納部としての硬貨処理装置100の内部には、金庫筐体110が備えられている。金庫筐体110は、厚板の金属で覆われ、堅牢に構成されている。金庫筐体110の内部には、硬貨CNが金種(例えば、10円、50円、100円、500円等)の区別をしない状態で収納される。金庫筐体110は、その内部に、硬貨検出センサ120と、硬貨誘導部130と、開閉蓋140と、接続口150とを備えている。なお、硬貨処理装置100の金庫筐体110のことを、単に「硬貨金庫」とも呼ぶ。
【0021】
硬貨処理装置100に収納されている硬貨の量を検出するための硬貨検出部としての硬貨検出センサ120は、金庫筐体110の上方付近に設けられるセンサである。硬貨検出センサ120は、金庫筐体110に収納される硬貨CNを検出することにより、金庫筐体110に収納されている硬貨が所定量以上であるか否かを検出する機能を有する。このため、硬貨検出センサ120は、金庫筐体110の上方付近に設けられることが好ましい。この硬貨検出センサ120には、種々のタイプのセンサ(例えば、赤外線方式や超音波方式といった非接触型のセンサや接触型のセンサ)が利用可能である。接続口150は、硬貨処理装置100の金庫筐体110と、後述する紙幣処理装置200の金庫筐体210とを接続するために設けられた開口部である。第1の開閉蓋としての開閉蓋140は、金属性の蓋と図示しないアクチュエータとからなり、接続口150を開状態または閉状態に維持する機能を有する。硬貨誘導部130は、金庫筐体110の内部に設けられ、接続口150から金庫筐体110の内部上方へ突出するように設置されている。硬貨誘導部130は、金属性の平板状部材からなり、図のように途中で屈曲した形状とすることもできる。この硬貨誘導部130は、金庫筐体110に収納された硬貨CNを、接続口150を経由して紙幣処理装置200へ誘導する機能を有する。
【0022】
紙葉類収納部としての紙幣処理装置200の内部には、金庫筐体210が備えられている。金庫筐体210は、金庫筐体110と同様に厚板の金属で覆われ、堅牢に構成されている。金庫筐体210の内部には、紙幣BLが金種(例えば、1000円、5000円、10000円等)の区別なく積層された状態で収納される。金庫筐体210は、その内部に、底板部材220と、硬貨検出センサ230と、開閉蓋240と、接続口250とを備えている。なお、紙幣処理装置200の金庫筐体210のことを、単に「紙幣金庫」とも呼ぶ。
【0023】
硬貨検出センサ230は、接続口250の上方に設けられるセンサである。硬貨検出センサ230は、金庫筐体210に収納される硬貨CNを検出することにより、金庫筐体210に収納されている硬貨が所定量以上であるか否かを検出する機能を有する。硬貨検出センサ230には、硬貨検出センサ120と同様に、種々のタイプのセンサを利用することができる。なお、硬貨検出センサ230は省略可能である。接続口250は、紙幣処理装置200の金庫筐体210と、硬貨処理装置100の金庫筐体110とを接続するための設けられた開口部である。この接続口250は、金庫筐体210の任意の位置に設けることができる。しかし、接続口250は、金庫筐体110の接続口150よりも低い位置であって、なおかつ、金庫筐体210の高さの1/3程度の高さに設定されることが好ましい。こうすれば、金庫筐体110内部の硬貨の移動がスムーズに行われるためである。
【0024】
第2の開閉蓋としての開閉蓋240は、金属製の蓋と図示しないアクチュエータとからなり、接続口250を開状態または閉状態に維持する機能を有する。底板部材220は、紙幣BLが積層される床板であり、収納されている紙幣BLの枚数に比例(紙幣BLが多ければ下降、紙幣BLが少なければ上昇)して昇降する昇降機構(図示せず)を備えている。この昇降機構は、例えば、駆動ベルト、駆動ローラ、駆動モータ等によって構成されている。
【0025】
また、硬貨処理装置100の接続口150と、紙幣処理装置200の接続口250とは、接続通路105によって接続され、接続部としての機能を有する。なお、硬貨処理装置100と紙幣処理装置200とは着脱可能に構成されている。例えば、硬貨処理装置100および紙幣処理装置200を運搬する際は、硬貨処理装置100の開閉蓋140を閉状態とし、紙幣処理装置200の開閉蓋240を閉状態とした上で、接続通路105を取り外せばよい。
【0026】
A−2.硬貨移動制御:
図5は、第1実施例における硬貨移動制御の処理手順を示すフローチャートである。ステップS100において移動制御部410は、硬貨検出センサ120により、硬貨金庫に収納されている硬貨が所定量以上であるか否かを判定する。所定量以上の硬貨が収納されていないと判定された場合、移動制御部410はステップS100へ戻り、監視を継続する。所定量以上の硬貨が収納されていると判定された場合、ステップS102において移動制御部410は、紙幣金庫に所定量以上の紙幣が格納されているか否かを判定する。この判定は、例えば、記憶部420(図2)内に記憶されている総枚数情報421をもとにして行うことができる。所定量以上の紙幣が格納されていると判定された場合、ステップS124において移動制御部410は、ATM10の稼働を停止させる。その後、ステップS126において移動制御部410は、ATM10の稼働を停止させた旨を、センタのホストコンピュータ500(図2)へ通知し、処理を終了する。
【0027】
一方、所定量以上の紙幣が格納されていないと判定された場合、ステップS104において取得部415は、記憶部420(図2)内に記憶されている総枚数情報421と、各日枚数情報422とを参照する。そして取得部415は、総枚数情報421と、各日枚数情報422とを用いて、ATM10に対する1日あたりの紙幣入金枚数の平均を取得する。その後、取得部415は、これらの情報を移動制御部410へ送信する。次に、ステップS106において移動制御部410は、紙幣金庫の接続口250と、底板部材220との距離を判別する。接続口250と底板部材220との距離は、例えば、接続口250の上面と、底板部材220の底面との間の距離IN(図4)とすることができる。この距離INは、例えば、総枚数情報421から底板部材220の位置を推定した上で求めることができる。また、記憶部420(図2)内に底板部材220の現在位置に関する情報が予め記憶されている場合は、現在位置に関する情報を参照した上で求める構成としてもよい。
【0028】
ステップS108において移動制御部410は、紙幣処理装置200内の収納空間に余裕があるか否か(すなわち、硬貨金庫と紙幣金庫とが接続可能か否か)を判定する。この判定のための条件は任意に定めることができる。例えば、次のような条件に従って硬貨金庫と紙幣金庫とが接続可能か否かを判定するものとしてもよい。
距離IN−今後3日間で入金が見込まれる紙幣の枚数(1日あたりの紙幣入金枚数の平均×3)から導かれる紙幣の厚さ>0
このような条件とすれば、3日分の紙幣の収納スペースを確保した上で、紙幣金庫内の収納空間の余裕の有無を判定することができる。なお、日数(3日)はあくまで一例であり、任意の日数を条件として設定することが可能である。
【0029】
また、各日枚数情報422に曜日の情報が付加されている場合、取得部415が曜日毎の平均収納枚数を取得した上で、上記条件における「今後入金が見込まれる紙幣の枚数」を、曜日を考慮して求めるものとしてもよい。そうすれば、紙幣収納部内の収納空間に余裕があるか否かの判定を、曜日毎の利用状況のばらつきを勘案した上で行うことができる。なお、曜日毎の平均収納枚数は、先述の通り、各日枚数情報422に付加される曜日の情報をもとにして計算を行うほか、予め曜日毎の傾向値を記憶部420内に格納するものとしてもよい。
【0030】
図6は、硬貨処理装置100および紙幣処理装置200が接続状態にある場合における内部構成の概略説明図である。硬貨金庫と紙幣金庫とが接続可能である場合(図5:ステップS110)、ステップS112において移動制御部410は、硬貨処理装置100の第1の開閉蓋140および紙幣処理装置200の第2の開閉蓋240を開く。これにより、硬貨金庫に収納されている硬貨CNは、その一部が収納時における硬貨同士の跳ね返りや、山積み状態からの崩れによって硬貨誘導部130を伝って滑り落ち(図6の矢印方向)、開状態となっている硬貨処理装置100および紙幣処理装置200の接続口を経由して、紙幣金庫へ移動する(図6)。一方、硬貨金庫と紙幣金庫とが接続可能でない場合(ステップS110)、移動制御部410は、ATM10の稼働を停止させた上で、ATM10の稼働を停止させた旨をセンタのホストコンピュータ500(図2)へ通知し、処理を終了する(ステップS124、S126)。
【0031】
図5のステップS114において移動制御部410は、一定時間タイマ処理により待機する。ステップS116において取得部415は、記憶部420(図2)内に記憶されている総枚数情報421を参照し、総枚数情報421を移動制御部410へ送信する。次に、ステップS118において移動制御部410は、紙幣金庫の接続口250と、底板部材220との距離を再度判別する(詳細な手順はステップS106と同様)。ステップS120において移動制御部410は、紙幣処理装置200内の収納空間に未だ余裕があるか否か(すなわち、硬貨金庫と紙幣金庫の接続を継続することが可能か否か)を判定する。この判定のための条件は任意に定めることができる。例えば、ステップS118において求めた距離INが0以上である場合に接続を継続することが可能であると判定してもよい。また、他の例としては、紙幣処理装置200の硬貨検出センサ230が硬貨CNを検出するまでの間、接続を継続することが可能であると判定することもできる。
【0032】
接続を継続することができないと判定した場合(ステップS122)、移動制御部410は、ATM10の稼働を停止させた上で、ATM10の稼働を停止させた旨をセンタのホストコンピュータ500(図2)へ通知し、処理を終了する(ステップS124、S126)。一方、接続を継続することができると判定した場合(ステップS122)、移動制御部410はステップS114へ遷移する。
【0033】
このように、第1実施例におけるATMでは、硬貨検出部によって硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、紙葉類収納部内の紙葉類の収納量に基づいて、紙葉類収納部内の収納空間に余裕があると判定された場合は、硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部が紙葉類収納部内へ移動させられる。このため、硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上となった後においても硬貨収納部内に空きスペースを作ることができる。その結果、現金取扱装置において、硬貨収納用金庫に対して所定量以上の硬貨が収納された後においても稼働を継続することが可能となる。さらに、紙幣金庫内の収納空間に余裕があるか否かの判定は、紙幣金庫に既に収納されている紙幣の総枚数(総枚数情報421)、もしくは、紙幣金庫内部に設けられる底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、底板部材の底面と接続口との距離を判定し、判定した距離と紙葉類の1日あたりの平均収納枚数に基づいて行われる。このため、紙幣金庫内の収納空間に余裕があるか否かの判定を、ATMの実際の利用状況に基づいて行うことができる。
【0034】
B.第2実施例:
図7は、第2実施例における硬貨処理装置100および紙幣処理装置200の内部構成の概略説明図である。図7(A)は、硬貨処理装置100の金庫筐体のC面(図3)における内部構成を示している。図4に示す第1実施例との違いは、4つの接続口150a〜dおよび4つの開閉蓋140a〜dを備える点である。第1の開閉蓋としての開閉蓋140a〜dはそれぞれ個別に開閉することが可能である。また、記載の便宜上図示は省略したが、硬貨誘導部130は、これら4つの接続口150a〜dのそれぞれに対して硬貨を誘導することが可能な形状とされている。具体的には、各接続口に対して4つの硬貨誘導部130を個別に設けてもよい。また、平板状部材からなるスロープが接続口150a〜dのそれぞれに対して伸張した形状を有する1つの硬貨誘導部130を設けることとしてもよい。
【0035】
図7(B)は、紙幣処理装置200の金庫筐体のB面(図3)における内部構成を示している。図4に示す第1実施例との違いは、紙幣処理装置200の金庫筐体210の内部が4つの収納庫210a〜210dに分割されている点である。また、各収納庫には、第1実施例と同様に、底板部材220a〜dと、硬貨検出センサ230a〜dと、開閉蓋240a〜dと、接続口250a〜dとが個別に備えられている。第2の開閉蓋としての開閉蓋240a〜dはそれぞれ個別に開閉することが可能である。また、記載の便宜上図示は省略したが、紙幣処理装置200の接続口250aは硬貨処理装置100の接続口150aと接続通路105aによって接続されている。同様に、接続口250bは接続口150bと、接続口250cは接続口150cと、接続口250dは接続口150dと、それぞれ接続通路105b〜dによって接続されている。
【0036】
図8は、第2実施例における硬貨移動制御の処理手順を示すフローチャートである。図5に示した第1実施例との違いは、ステップS102に代えてステップS200、S202が、ステップS112に代えてステップS204が、ステップS122に代えてステップS206、S208がそれぞれ実行される点であり、他の動作については第1実施例と同様である。
【0037】
所定量以上の硬貨が収納されていると判定された場合、ステップS200において移動制御部410は、収納庫210a〜dのうち、空きのある紙幣収納庫があるか否かを判定する。この判定は、例えば、記憶部420(図2)内に記憶されている、収納庫毎の総枚数情報421と、収納庫210a〜dが移動制御部410による硬貨移動制御の対象となったか否かの情報と、をもとにして行うことができる。空きのある紙幣収納庫がない(全ての紙幣収納庫に所定量以上の紙幣が収納されている、もしくは、既に硬貨移動制御の対象とされた)と判定された場合、移動制御部410はステップS124へ遷移する。
【0038】
一方、空きのある紙幣収納庫がある(いずれかの紙幣収納庫には所定量以上の紙幣が収納されていない、かつ、当該収納庫が硬貨移動制御の対象とされていない)と判定された場合、ステップS202において移動制御部410は、接続対象となる紙幣収納庫を1つ決定する。接続対象となる紙幣収納庫の決定方法には任意の方法を採用することができる。例えば、移動制御部410は、ステップS200において取得した収納庫毎の総枚数情報421を比較した上で、総枚数情報421が最も少ない収納庫を接続対象と決定することとしてもよい。他の例としては、記憶部420に取引履歴が格納されている場合は、取引履歴に基づいて決定することもできる。例えば、取引履歴の数が少ない収納庫を接続対象として決定してもよいし、最近の取引履歴が存在しない収納庫を接続対象として決定してもよい。次に、ステップS104において移動制御部410は、ステップS202において決定した紙幣収納庫についての、総枚数情報421と、各日枚数情報422とを参照する。
【0039】
硬貨金庫と紙幣収納庫とが接続可能である場合(ステップS110)、ステップS204において移動制御部410は、ステップS202において決定した紙幣収納庫の第2の開閉蓋240と、これに対応する硬貨処理装置100の第1の開閉蓋140とを開く。具体的には、ステップS202において決定した紙幣収納庫が収納庫210aである場合、移動制御部410は、開閉蓋240aと、開閉蓋140aとを開く。これにより、硬貨金庫に収納されている硬貨CNは、その一部が紙幣収納庫210aへ移動する。
【0040】
紙幣収納庫と硬貨金庫が接続された後、移動制御部410は、第1実施例と同様の方法(ステップS114〜S120)を用いて、接続を継続することが可能か否かを監視する。接続を継続することができると判定した場合(ステップS204)、移動制御部410は、ステップS114へ遷移して監視を継続する。一方、接続を継続することができないと判定した場合(ステップS204)、ステップS208において移動制御部410は、開状態とされた開閉蓋(具体的には、ステップS202において決定した紙幣収納庫の開閉蓋240と、これに対応する硬貨処理装置100の開閉蓋140)を閉じる。その後、移動制御部410は、ステップS200へ遷移し、他の紙幣収納庫の空きを検索する。
【0041】
このように、第2実施例におけるATM10では、紙幣処理装置200内に複数の収納庫を備える構成においても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施例では、1つの紙幣収納庫に対して硬貨の移動を行った結果、当該紙幣収納庫に収納されている硬貨が所定量以上となった後においても、他の収納庫に対して硬貨の移動を行うことができる。このため、紙幣処理装置内部の収納空間を無駄なく活用することが可能となる。
【0042】
C.第3実施例:
図9は、第3実施例における硬貨処理装置100および紙幣処理装置200の内部構成の概略説明図である。図9(A)は、硬貨処理装置100の金庫筐体のC面(図3)における内部構成を示している。図4に示す第1実施例との違いは、硬貨処理装置100の金庫筐体110の内部が4つの収納庫110a〜dに分割されている点である。また、各収納庫には、第1実施例と同様に、硬貨検出センサ120a〜dと、硬貨誘導部130a〜dと、開閉蓋140a〜dと、接続口150a〜dとが個別に備えられている。第1の開閉蓋としての開閉蓋140a〜dはそれぞれ個別に開閉することが可能である。
【0043】
図9(B)は、紙幣処理装置200の金庫筐体のB面(図3)における内部構成を示している。図4に示す第1実施例との違いは、紙幣処理装置200の金庫筐体210の内部が4つの収納庫210a〜dに分割されている点である。また、各収納庫には第1実施例と同様に、底板部材220a〜dと、硬貨検出センサ230a〜dと、開閉蓋240a〜dと、接続口250a〜dとが個別に備えられている。第2の開閉蓋としての開閉蓋240a〜dはそれぞれ個別に開閉することが可能である。また、記載の便宜上図示は省略したが、紙幣処理装置200の接続口250aは硬貨処理装置100の接続口150aと接続通路105aによって接続されている。同様に、接続口250bは接続口150bと、接続口250cは接続口150cと、接続口250dは接続口150dと、それぞれ接続通路105b〜dによって接続されている。
【0044】
第3実施例における硬貨移動制御では、同じ接続通路によって接続された硬貨処理装置100の1つの収納庫と、紙幣処理装置200の1つの収納庫の組(例えば、110aと210aの組、110bと210bの組、110cと210cの組、110dと210dの組)に対して、それぞれ、図5に示した第1実施例と同様の処理を行えばよい。なお、硬貨処理装置100の収納庫と、紙幣処理装置200の収納庫との組を決定する際には、一方を使用頻度の高い収納庫とし、他方を使用頻度の低い収納庫とすることが好ましい。
【0045】
このように、第3実施例における現金取扱装置では、硬貨と紙幣とが、それぞれ金種毎に分別されて格納されるような構成の現金取扱装置においても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0046】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
D1.変形例1:
上記実施例では、現金取扱装置(ATM)について説明した。しかし、上記実施例はあくまで一例に過ぎず、本発明は、硬貨および紙葉類を取り扱う種々の装置(例えば、売上金入金装置や、発券装置等)への適用が可能である。
【0048】
D2.変形例2:
上記実施例では、現金取扱装置各部の構成や機能を説明した。しかし、上記実施例で示した態様は、あくまで現金取扱装置の構成の一例に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることが可能である。具体的には、現金取扱装置の各部を構成する部材の形状等を変更しても良いし、上述しない機能を備えるものとしても良い。
【0049】
例えば、紙幣、硬貨問わずに格納可能な第3の金庫筐体を備えるものとし、当該第3の金庫筐体に対して紙幣処理装置や硬貨処理装置における所定量を超えた紙幣/硬貨を移動させる構成としてもよい。
【0050】
例えば、硬貨処理装置の接続口と、紙幣処理装置の接続口とは、共に固定の位置に設けられるものとして記載した。しかし、これらの各接続口が設けられる位置を、利用者の利用態様に応じて変更可能な構成としてもよい。
【0051】
D3.変形例3:
上記実施例では、硬貨処理装置と紙幣処理装置とが接続された接続口を備え、硬貨処理装置側の第1の開閉蓋および紙幣処理装置側の第2の開閉蓋を開くことによって硬貨を移動させる構成について説明した。しかし、紙幣処理装置への硬貨の移動は、第1および第2の開閉蓋を開く以外の方法により行うことも可能である。例えば、硬貨処理装置内部に、硬貨を移動させるためのクレーンを備え、当該クレーンを用いて硬貨の移動を行う構成としてもよい。
【0052】
D4.変形例4:
上記第1実施例では、硬貨処理装置内部に金庫筐体を1つ、紙幣処理装置内部に金庫筐体を1つ備え、それらが接続されるものとして説明した。しかし、例えば、硬貨処理装置に金庫筐体を1つ備え、紙幣処理装置内部に複数の紙幣収納庫を備えるような構成においても第1実施例の内容を適用することができる。具体的には、例えば、複数の紙幣収納庫のうちから使用頻度が低いと想定される収納庫を1つ選択したうえで(例えば、5000円札用の収納庫)、当該収納庫と硬貨金庫とを接続するものとすればよい。
【0053】
D5.変形例5:
上記第2実施例では、複数の紙幣収納庫のうちから、接続対象となる紙幣収納庫を1つ決定し、当該紙幣収納庫に対して硬貨を移動させる構成について説明した。しかし、同時に複数の紙幣収納庫に対して接続を行うものとしてもよい。また、上記第2実施例では、硬貨処理装置は第1の開閉蓋を4つ、紙幣処理装置は第2の開閉蓋を4つ、それぞれ備えるものとして記載した。しかし、硬貨処理装置側の開閉蓋(および接続口)は1つだけであるものとしてもよい。この場合、移動制御部による硬貨の移動は、紙幣処理装置側の第1の開閉蓋と、硬貨処理装置側の第2の開閉蓋のうちから選択された任意の1つ以上の開閉蓋を開くことによって行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
10…現金取扱装置
100…硬貨処理装置
105…接続通路
105a〜d…接続通路
110…金庫筐体
110a〜d…収納庫
120…硬貨検出センサ
120a〜d…硬貨検出センサ
130…硬貨誘導部
130a〜d…硬貨誘導部
140…開閉蓋
140a〜d…開閉蓋
150…接続口
150a〜d…接続口
200…紙幣処理装置
210…金庫筐体
210a〜d…収納庫
220…底板部材
220a〜d…底板部材
230…硬貨検出センサ
230a〜d…硬貨検出センサ
240…開閉蓋
240a〜d…開閉蓋
250…接続口
250a〜d…接続口
310…明細票処理装置
320…通帳処理装置
330…顧客操作部
400…本体制御部
410…移動制御部
415…取得部
420…記憶部
421…総枚数情報
422…日枚数情報
500…ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金取扱装置であって、
硬貨を収納するための硬貨収納部と、
紙葉類を積層した状態で収納するための紙葉類収納部と、
前記硬貨収納部に収納されている硬貨の量を検出するための硬貨検出部と、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記紙葉類収納部内の紙葉類の収納量を取得し、前記収納量に基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があると判定した場合は、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記紙葉類収納部内へ移動させる移動制御部と、
を備える、現金取扱装置。
【請求項2】
請求項1記載の現金取扱装置であって、さらに、
前記硬貨収納部と、前記紙葉類収納部とを互いに接続する接続部を備え、
前記硬貨収納部は、さらに、
前記接続部の開閉が可能な第1の開閉蓋を備え、
前記紙葉類収納部は、さらに、
前記接続部の開閉が可能な第2の開閉蓋を備え、
前記移動制御部は、前記第1および第2の開閉蓋を開くことによって、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記紙葉類収納部内へ移動させる、現金取扱装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の現金取扱装置であって、さらに、
前記紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の総枚数と、前記紙葉類収納部に既に収納されている紙葉類の1日あたりの平均収納枚数とを含む、紙葉類の枚数に関する情報を取得する取得部を備え、
前記紙葉類収納部の内部には、さらに、昇降可能な底板部材を備え、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記総枚数もしくは前記底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、前記底板部材の底面と前記接続部との距離を判定し、判定した距離と前記1日あたりの平均収納枚数とに基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する、現金取扱装置。
【請求項4】
請求項3記載の現金取扱装置であって、
前記取得部が取得する情報は、さらに、紙葉類の曜日毎の平均収納枚数に関する情報を含み、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記総枚数もしくは前記底板部材の現在位置の少なくとも一方に基づいて、前記底板部材の底面と前記接続部との距離を判定し、判定した距離と前記曜日毎の平均収納枚数とに基づいて前記紙葉類収納部内の収納空間に余裕があるか否かを判定する、現金取扱装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項記載の現金取扱装置であって、
前記紙葉類収納部の内部は複数の収納庫に分割され、
さらに、前記硬貨収納部と、前記複数の収納庫とが互いに接続された接続部を備え、
前記硬貨収納部は、前記接続部の開閉が可能な第1の開閉蓋を備え、
前記紙葉類収納部は、前記接続部の開閉が可能な複数の第2の開閉蓋を備え、
前記移動制御部は、
前記硬貨検出部によって前記硬貨収納部に収納されている硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記各収納庫内の紙葉類の収納量をそれぞれ取得し、前記収納量と予め定められた条件とに基づいて、前記第1の開閉蓋および前記複数の収納庫の中から前記収納庫内の収納空間に余裕があると判定された少なくとも1つの収納庫に対する接続部の開閉が可能な前記第2の開閉蓋を開くことによって、前記硬貨収納部に収納されている硬貨の少なくとも一部を前記収納庫内へ移動させる、現金取扱装置。
【請求項6】
現金取扱装置の制御方法であって、
(a)硬貨を収納する工程と、
(b)紙葉類を積層した状態で収納する工程と、
(c)前記工程(a)により収納された硬貨の量を検出する工程と、
(d)前記工程(c)によって、前記工程(a)により収納された硬貨が所定量以上であることが検出された際、前記工程(b)により収納された紙葉類の収納量を取得し、前記収納量に基づいて収納空間に余裕があると判定した場合は、前記工程(a)により収納されている硬貨の少なくとも一部を前記工程(b)で用いられる収納空間内へ移動させる工程と、
を備える、現金取扱装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate