説明

球技ゲーム装置

【課題】誰でも楽しく手軽にプレーすることができる球技ゲーム装置を提供する。
【解決手段】球技ゲーム装置1は、プレーヤが野球ボールbを前方に打つように構成されており、気体を上方に向けて吐出し、吐出した気体により野球ボールbを浮いた状態で支持する支持部材10と、支持部材10に気体を供給する気体供給装置と、野球ボールbが支持部材10から吐出される気体によって浮いた状態で支持されるように、野球ボールbを支持部材10の上方位置に供給するボール供給装置20と、野球ボールbが支持部材の上方位置にあるか否かを検出するボール検出センサ33と、ボール検出センサ33から得られる検出信号を基に野球ボールbが支持部材10の上方位置にあるか否かを確認し、無いことを確認すると、ボール供給装置20を駆動して野球ボールbを支持部材10の上方位置に供給する制御装置34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤがボールを前方に打撃するように構成された球技ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッティングセンターや遊戯コーナーには、ボールを打ったり、蹴って、野球のバッティング練習やサッカーのキック練習をしたり、遊ぶための装置が設けられており、このような装置の一例として、従来、例えば、特開2002−360757号公報に開示された投球マシンが知られている。
【0003】
この投球マシンは、プレーヤの前方にプレー領域(プレーヤが野球ボールを打ったり、サッカーボールを蹴る領域)から一定間隔を隔てて設けられ、ボールを当該プレー領域側に向けて投げるように構成される。そして、プレーヤは、当該投球マシンから投げられプレー領域に達したボールを、タイミングを合わせて当該プレーヤの前方に打ったり、蹴るようになっている。
【0004】
尚、通常、プレーヤは、ネットなどの仕切部材によって、プレーヤの前方の空間を取り囲むように外部空間から仕切られた空間の内部でプレーするようになっており、これによって、プレーヤの打ったボールや蹴ったボールが外部に飛び出すのが防止されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−360757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように、投球マシンからプレーヤ側に投げられて前後方向に移動するボールを打ったり、蹴るようにしたのでは、ボールを打ったり、蹴るときのタイミングと、上下方向の高さ位置とを合わせなければならないことから、野球経験やサッカー経験のあまりない幼児などが手軽に遊び難いものとなっており、万人が楽しく手軽にプレーすることができないという問題があった。
【0007】
また、投球マシンから投げられたボールは、プレーヤによって必ず打たれたり、蹴られるわけではなく、プレーヤが空振りする場合もあるため、プレーヤの前方の空間と同様に、プレーヤの後方側の空間についても、空振りしたボールが外部に飛び出すのを防止すべく、当該後方側の空間を取り囲むように前記仕切部材を設ける必要がある。ところが、このように、プレーヤの後方側にも仕切部材を設けるようにすると、前記投球マシン及び仕切部材などを含む装置全体の設置スペースが大きくなるという問題を生じる。
【0008】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、誰でも楽しく手軽にプレーすることができ、設置スペースの小さい球技ゲーム装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、
プレーヤがボールを該プレーヤの前方に向けて打撃するように構成された球技ゲーム装置であって、
気体を上方に向けて吐出し、吐出した気体により前記ボールを浮いた状態で支持する支持手段と、
前記支持手段に前記気体を供給する気体供給手段と、
前記ボールが前記支持手段から吐出される気体によって支持されるように該ボールを該支持手段の上方位置に供給するボール供給手段と、
前記ボールが前記支持手段の上方位置にあるか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段から得られる検出信号を基に前記ボールが前記支持手段の上方位置にあるか否かを確認し、無いことを確認すると、前記ボール供給手段を駆動して前記ボールを前記支持手段の上方位置に供給する制御手段とを備えてなることを特徴とする球技ゲーム装置に係る。
【0010】
この発明によれば、気体供給手段から支持手段に供給され当該支持手段から上方に向けて吐出される気体により、ボールが当該支持手段の上方の所定位置に浮いた状態で支持され、プレーヤは、この浮いた状態のボールを、当該プレーヤの前方に向けて打撃することで、遊んだり、当該ボールを用いた球技の練習をすることができる。
【0011】
そして、プレーヤがボールを打撃して支持手段の上方位置からボールが無くなると、無くなったことが、制御手段によって、検出手段から得られる検出信号を基に確認され、当該制御手段による制御の下、ボール供給手段により新たなボールが支持手段の上方位置に供給されて、当該支持手段から吐出される気体により浮いた状態で支持される。
【0012】
このように、本発明に係る球技ゲーム装置では、支持手段から吐出された気体によって浮いているボール、即ち、プレーヤの前後方向に移動していないボールを、プレーヤが打撃するようにしており、ボールの前後方向における移動にタイミングを合わせて打撃する必要が無く、ボールの高さ位置だけを合わせれば良いので、幼児でも手軽に遊ぶことができるなど、誰でも楽しく手軽にプレーすることができる。
【0013】
尚、前記制御手段は、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整することにより、前記支持手段の上方位置にあるボールの高さを周期的又は非周期的に上下方向に変動させるように構成されていても良い。
【0014】
このようにすれば、ボールの高さを上下方向に変動させることによってプレーの難易度を上げることができるので、当該球技ゲーム装置でのプレーにより興味を持たせ、当該球技ゲーム装置でのプレーを飽き難くすることができる。尚、高さの変動にタイミングを合わせてボールを打撃する必要があるが、タイミングが外れて空振りしても、ボールは支持手段の上方位置にあるので、再度タイミングを見計らってボールを打撃することができ、プレーヤは、支持手段の上方位置に供給されたすべてのボールを必ず前方に飛ばすことができる。
【0015】
また、前記球技ゲーム装置は、前記支持手段の上方位置に支持されるボールの高さを設定するための高さ設定手段を更に備え、前記制御手段は、前記支持手段の上方位置にあるボールの高さが前記高さ設定手段によって設定された高さとなるように、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整するように構成されていても良い。
【0016】
このようにすれば、プレーヤは、高さ設定手段を操作することで、ボールの高さを自分の希望する高さに設定,変更することができ、プレーをし易くなる。また、プレーヤが大人であるか子供であるかなどによってボールの高さを変える必要があるが、プレーヤにボールの高さを設定,変更させることで、このような不都合を解消することもできる。
【0017】
また、前記球技ゲーム装置は、前記ボールの高さが周期的又は非周期的に変動するように前記支持手段の上方位置に支持されるボールの振幅中心の高さを設定するための高さ設定手段を更に備え、前記制御手段は、前記支持手段の上方位置にあるボールの振幅中心の高さが前記高さ設定手段によって設定された高さとなるように、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整するように構成されていても良い。
【0018】
このようにしても、プレーヤは、高さ設定手段を操作することで、ボールの振幅中心の高さを自分の希望する高さに設定,変更して、プレーをし易くすることができるなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0019】
また、前記球技ゲーム装置は、前記プレーヤの前方の空間を取り囲んで外部空間から仕切られた内部空間を形成する仕切部材を更に備えていても良い。このようにすれば、プレーヤが打撃したボールが外部に飛び出すのを防止することができる。尚、プレーヤの後方側に仕切部材を設けていないのは、ボールがプレーヤの前後方向に移動しないからであり、このようにプレーヤの後方側の仕切部材を省略することで、当該球技ゲーム装置の設置スペースを従来に比べて小さくすることができる。
【0020】
また、前記球技ゲーム装置は、前記プレーヤによって打撃されたボールを回収するためのボール回収手段を更に備え、前記ボール供給手段は、前記ボール回収手段によって回収されたボールを前記支持手段の上方位置に供給するように構成されていても良い。このようにすれば、プレーヤが打撃してプレーヤの前方に散らばったボールをボール回収手段によって回収し、回収したボールを支持手段の上方位置に供給することができるので、効率的である。
【0021】
また、前記ボールとしては、例えば、野球ボールやサッカーボール、テニスボール、ピンポン球などを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、他の球技に使用されるボールを用いるようにしても良い。また、打撃とは、野球ボールをバットで打ったり、サッカーボールを足で蹴ったり、テニスボールやピンポン球をラケットで打つことである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る球技ゲーム装置によれば、支持手段から上方に向けて吐出される気体によって浮かせたボールをプレーヤに打撃させるようにしたので、誰でも楽しく手軽にプレーすることができる。また、プレーヤの後方側の仕切部材を廃止可能であるので、設置スペースを小さくすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係る球技ゲーム装置の概略構成を示した斜視図であり、図2は、図1の球技ゲーム装置を一部ブロック図で示した断面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、本例の球技ゲーム装置1は、プレーヤが野球ボールbを所定のプレー領域で当該プレーヤの前方に向けて打つように構成されたものであり、プレー領域に配設され、圧縮空気を上方に向けて吐出し、野球ボールbを支持する支持部材10と、支持部材10に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置11と、野球ボールbを支持部材10の上方位置に供給するボール供給装置20と、プレー領域及びプレーヤの前方の空間を取り囲んで外部空間から仕切られた内部空間Sを形成する仕切部材25と、プレーヤによって打たれた野球ボールbを回収するボール回収機構30と、プレー領域の近傍に配置された操作盤32と、野球ボールbの検出を行うボール検出センサ33と、ボール検出センサ33から得られる検出信号を基にボール供給装置20などの作動を制御する制御装置34とを備える。
【0025】
前記支持部材10は、上端が封止され、下端が設置面G上に固設された円筒状且つ中空状の部材から構成される。この支持部材10には、その上端面から内面にかけて貫通し、圧縮空気供給装置11から供給された圧縮空気を吐出するための複数の吐出穴10aが形成されており、野球ボールbは、これらの各吐出穴10aから吐出される空気の流れによって、当該支持部材10の上方の所定位置に浮いて静止した状態で支持されるようになっている。
【0026】
前記圧縮空気供給装置11は、圧縮空気供給源12と、圧縮空気供給源12と支持部材10の下端部とを接続する供給管13と、供給管13内を流通する圧縮空気の圧力及び流量をそれぞれ調整する圧力調整機構14及び流量調整機構15とから構成されており、圧力調整機構14及び流量調整機構15によって圧力及び流量が調整された圧縮空気を、供給管13を介し圧縮空気供給源12から支持部材10に供給する。
【0027】
前記ボール供給装置20は、野球ボールbを把持する把持機構21と、把持機構21を上下方向に昇降させる昇降機構22と、長手方向が水平となるように配置され、昇降機構22を長手方向に沿って移動自在に支持する案内部材23と、プレー領域両側の設置面G上に立設され、案内部材23の両端部を支持する支柱24と、昇降機構22を案内部材23の長手方向に沿って移動させる駆動機構(図示せず)とから構成される。尚、前記案内部材23は、ボール回収機構30の回収部材31のボール移送方向下流端の上方位置と、支持部材10の上方位置であり且つ野球ボールbが浮いている位置の更に上方位置とを通るように配置される。
【0028】
そして、このボール供給装置20は、昇降機構22により把持機構21を下降させ、当該把持機構21により野球ボールbを把持する第1動作と、昇降機構22により把持機構21を上昇させ、駆動機構(図示せず)により昇降機構22を支持部材10の上方に移動させる第2動作と、昇降機構22により把持機構21を下降させ、当該把持機構21により把持した野球ボールbを解放する第3動作と、昇降機構22により把持機構21を上昇させ、駆動機構(図示せず)により昇降機構22を回収部材31のボール移送方向下流端の上方に移動させる、即ち、第1動作開始前の状態に戻す第4動作とを順次行うことで、回収部材31のボール移送方向下流端にある(回収部材31により回収された)野球ボールbを、これが支持部材10からの吐出空気流によって支持されるように当該支持部材10の上方位置に供給する。
【0029】
前記仕切部材25は、ネットなどから構成され、プレーヤに内部空間Sでプレーさせるべく設けられるものである。
【0030】
前記ボール回収機構30は、内部空間Sの設置面Gの端部に、当該内部空間Sの奥側からプレー領域側にかけて設けられた回収部材31などから構成される。この回収部材31は、前記内部空間Sの奥側よりもプレー領域側の方が高さが低くなるように傾斜し且つ野球ボールbが移動可能な回収溝31aを上面に備え、当該回収溝31aの傾斜によって回収溝31a内の野球ボールbをボール移送方向下流端側に移送,回収する。尚、前記設置面Gは、仕切部材25に当たって当該設置面G上に転がった野球ボールbを回収部材31の回収溝31a内に導くように傾斜している。
【0031】
前記操作盤32は、支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さを設定するための高さ設定ボタン32aと、プレー代金を投入するための代金投入部32bとを備えており、高さ設定ボタン32aが押されると、野球ボールbの高さを設定,変更するための高さ設定信号が制御装置34に送信されるようになっている。
【0032】
前記ボール検出センサ33は、支持部材10の外周面に取り付けられた近接スイッチなどから構成され、野球ボールbが支持部材10の上方位置にあるか否か(野球ボールbが支持部材10の上方に浮いているか否か、即ち、プレーヤが野球ボールbを打ったか否か)を検出するものであり、当該ボール検出センサ33の検出信号は制御装置34に送信される。
【0033】
前記制御装置34は、操作盤32の代金投入部32bにプレー代金が投入されたことを確認した後、プレーヤのプレーを可能とするための一連の処理を実行する。具体的には、プレー代金の投入確認後、まず、圧縮空気供給装置11(圧縮空気供給源12,圧力調整機構14及び流量調整機構15)を作動させて支持部材10から圧縮空気を吐出させるとともに、ボール供給装置20(把持機構21,昇降機構22及び駆動機構(図示せず))を作動させて前記第1動作,第2動作,第3動作及び第4動作を順次行わせ、野球ボールbを支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持させる。この後、ボール検出センサ33から得られる検出信号を基に野球ボールbが支持部材10の上方位置にあるか否かを随時確認し、無いことを確認した場合には、ボール供給装置20を動作させて新たな野球ボールbを支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持させる。そして、野球ボールbが支持部材10の上方位置に無いことを確認した回数が所定回数に達すると、このような一連の処理を終了する、即ち、プレーヤが野球ボールbを所定回数打つと、プレーを終了させる。
【0034】
また、前記制御装置34は、高さ設定ボタン32aからの高さ設定信号を受信すると、支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さが高さ設定ボタン32aによって設定された高さとなるように、圧力調整機構14及び/又は流量調整機構15を制御して、圧縮空気供給源12から供給管13を介して支持部材10に供給される圧縮空気の圧力及び/又は流量を調整し、当該支持部材10から吐出される圧縮空気の圧力及び/又は流速を調整する。
【0035】
以上のように構成された本例の球技ゲーム装置1によれば、プレーヤによって操作盤32の代金投入部32bにプレー代金が投入されると、制御装置34による制御の下、圧縮空気供給装置11及びボール供給装置20が駆動されて、回収部材31のボール移送方向下流端にある野球ボールbが支持部材10の上方位置に供給され、当該野球ボールbは、支持部材10からの吐出空気流によって浮いた状態で支持される。
【0036】
このとき、プレーヤは、操作盤32の高さ設定ボタン32aを押すことで、支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さを変更することができる。即ち、高さ設定ボタン32aが押されて高さ設定信号が制御装置34に入力されると、当該制御装置34により、支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さが高さ設定ボタン32aによって設定された高さとなるように、圧力調整機構14及び/又は流量調整機構15が制御されて圧縮空気供給源12から支持部材10に供給される圧縮空気の圧力及び/又は流量が調整され、当該支持部材10から吐出される圧縮空気の圧力及び/又は流速が調整される。
【0037】
そして、プレーヤは、プレー領域に立ち、この浮いた状態の野球ボールbをバットRでプレーヤの前方に向けて打つことで、バッティングを楽しんだり、バッティングの練習をすることができる。プレーヤが野球ボールbを打ったか否かは、ボール検出センサ33から得られる検出信号を基に、制御装置34によって随時確認されており、打ったことが確認されると、ボール供給装置20が駆動されて新たな野球ボールbが回収部材31のボール移送方向下流端から支持部材10の上方位置に供給され、浮いた状態で支持される。尚、新たな野球ボールbの供給は、プレーヤが野球ボールbを所定回数打つまで繰り返し実行される。
【0038】
プレーヤによって打たれた野球ボールbは、仕切部材25に当たった後、設置面G上に落下して転がり、回収部材31の回収溝31a内に導かれる。そして、回収溝31a内に導かれた野球ボールbは、当該回収溝31aの傾斜によりボール移送方向下流端側に移送,回収される。
【0039】
斯くして、本例の球技ゲーム装置1によれば、支持部材10からの吐出空気流によって浮いている野球ボールb、即ち、静止している野球ボールbを、プレーヤがバットRで打つようにしており、従来のように、野球ボールbの前後方向における移動にタイミングを合わせて打つ必要が無く、野球ボールbの高さ位置だけを合わせれば良いので、野球をあまりしたことのない幼児であっても手軽に遊ぶことができるなど、誰でも楽しく手軽にプレーすることができる。
【0040】
また、高さ設定ボタン32aを押せば、支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さをプレーヤの希望する高さに設定,変更することができ、野球ボールbを打ち易い高さに設定することができる。また、プレーヤが大人であるか子供であるかなどによって野球ボールbの高さを変える必要があるが、プレーヤに野球ボールbの高さを設定,変更させることで、このような不都合を解消することもできる。
【0041】
また、仕切部材25によって仕切られた内部空間Sで、プレーヤにプレーさせるようにしているので、プレー領域にいるプレーヤが野球ボールbを打ったときに、打った野球ボールbが外部に飛び出すのを防止することができる。また、プレーヤの後方側に仕切部材25を設けていないのは、野球ボールbがプレーヤの前後方向に移動しないからであり、このようにプレーヤの後方側の仕切部材25を省略することで、当該球技ゲーム装置1の設置スペースを従来に比べて小さくすることができる。
【0042】
また、プレーヤによって打たれた野球ボールbを回収部材31によって回収し、回収した野球ボールbをボール供給装置20によって支持部材10の上方位置に供給するようにしているので、効率的である。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0044】
上例では、野球ボールbを支持部材10の上方位置に静止状態で浮かせるように構成したが、これに限られるものではなく、図3に示すように、野球ボールbの高さ位置を周期的又は非周期的に変動させるように構成しても良い。
【0045】
この場合、前記制御装置34は、圧力調整機構14及び/又は流量調整機構15を制御して、圧縮空気供給源12から供給管13を介して支持部材10に供給される圧縮空気の圧力及び/又は流量を調整し、当該支持部材10から吐出される圧縮空気の圧力及び/又は流速を調整することにより、この支持部材10の上方位置に浮いた状態で支持される野球ボールbの高さを周期的又は非周期的に上下方向に変動させるように構成される。また、制御装置34は、高さ設定ボタン32aからの高さ設定信号を受信すると、上下方向に変動する野球ボールbの振幅中心の高さ位置が高さ設定ボタン32aによって設定された高さ位置となるように、支持部材10から吐出される圧縮空気の圧力及び/又は流速を調整する。
【0046】
このように、野球ボールbの高さを周期的又は非周期的に変動させれば、プレーの難易度を上げることができ、当該球技ゲーム装置1でのプレーにより興味を持たせ、当該球技ゲーム装置1でのプレーを飽き難くすることができる。尚、高さの変動にタイミングを合わせて野球ボールbを打つ必要がでてくるが、タイミングが外れて空振りしても、野球ボールbは支持部材10の上方位置にあるので、再度タイミングを見計らって野球ボールbを打つことができ、プレーヤは、支持部材10の上方位置に供給されたすべての野球ボールbを必ず前方に飛ばすことができる。
【0047】
また、上例の球技ゲーム装置1は、プレーヤが野球ボールbをバットRで打つように構成したが、これに限られるものではなく、当該球技ゲーム装置1は、例えば、図4に示すように、プレーヤがサッカーボールbを蹴るものとしたり、図5に示すように、プレーヤがラケットRでテニスボールを打つものとしたり、図6に示すように、プレーヤがラケットRでピンポン球bを打つものとすることもできる。尚、図4乃至図6において、上記球技ゲーム装置1の構成と同じ構成部分については同一の符号を付している。また、支持部材10からの吐出空気流によって支持されるボールbは、図2のように静止状態であっても、図3のように上下方向に変動させてもいずれでも良い。
【0048】
図4に示した球技ゲーム装置50は、プレーヤがサッカーボールbを所定のプレー領域で当該プレーヤの前方に向けて蹴るように構成され、上記球技ゲーム装置1と略同様の構成を備えているが、前記ボール供給装置20に代えてボール供給装置51が設けられている点で異なる。尚、プレーヤの前方の設置面G上には、ゴールKが設けられている。
【0049】
このボール供給装置51は、皿状に形成された吸着部材52と、吸着部材52の内面側の空気を吸引することによりサッカーボールbを吸着部材52に吸着させる吸引機構(図示せず)と、棒状に形成され、一端側が吸着部材52の外面に固設される支持部材53と、支持部材10と回収部材31のボール移送方向下流端との間の略中間位置における設置面G上に配設され、支持部材53の他端側を支持して当該他端を旋回中心に支持部材53及び吸着部材52を鉛直平面内で旋回させる旋回機構54とを備える。
【0050】
そして、このボール供給装置51は、制御装置34による制御の下、吸引機構(図示せず)によりサッカーボールbを吸着部材52に吸着させる第1動作と、旋回機構54により支持部材53及び吸着部材52を旋回させてサッカーボールbを支持部材10の上方位置に移動させる第2動作と、サッカーボールbの吸着部材52への吸着を解除する第3動作と、旋回機構54により支持部材53及び吸着部材52を旋回させて吸着部材52を回収部材31側に戻す(第1動作開始前の状態に戻す)第4動作とを順次実行することで、回収部材31のボール移送方向下流端にあるサッカーボールbを、これが支持部材10からの吐出空気流によって支持されるように当該支持部材10の上方位置に供給する。
【0051】
このように球技ゲーム装置50を構成しても、サッカーボールbが前後方向に移動しているときと異なり、当該移動にタイミングを合わせてサッカーボールbを蹴る必要が無く、サッカーボールbの高さ位置だけを合わせれば良いので、サッカーをあまりしたことのない幼児であっても手軽に遊ぶことができるなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0052】
図5に示した球技ゲーム装置60は、プレーヤがテニスボールbを所定のプレー領域で当該プレーヤの前方に打つように構成され、上記球技ゲーム装置1と略同様の構成を備えている。尚、設置面G上には、テニスコートの枠Wが描かれ、プレーヤの前方にはネットNが設けられている。
【0053】
このように球技ゲーム装置60を構成しても、テニスボールbが前後方向に移動しているときと異なり、当該移動にタイミングを合わせてテニスボールbを打つ必要が無く、テニスボールbの高さ位置だけを合わせれば良いので、テニスをあまりしたことのない幼児であっても手軽に遊ぶことができるなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0054】
図6に示した球技ゲーム装置70は、プレーヤがピンポン球bを所定のプレー領域で当該プレーヤの前方に打つように構成され、上記球技ゲーム装置1と略同様の構成を備えているが、前記ボール供給装置20に代えてボール供給装置71が設けられている点で異なる。尚、前記支持部材10は、設置面G上に設けられた卓球台Tの上面に配設されている。
【0055】
このボール供給装置71は、回収部材31のボール移送方向下流端の設置面G上に配設されており、当該ボール移送方向下流端まで移送されたピンポン球bを内部に取り込んで上昇端位置まで上昇させる搬送機構72と、L字形をした管状の部材から構成され、一端側が搬送機構72の上昇端位置に接続し、他端側が支持部材10の上方位置であり且つピンポン球bが浮いている位置の更に上方位置で開口した供給部材73とを備える。
【0056】
前記供給部材73は、その管内部がピンポン球bの通路となっており、搬送機構72によって上昇端位置まで上昇せしめられ排出されたピンポン球bを、内部通路を通らせて他端側開口部から支持部材10の上方位置に排出,供給する。
【0057】
そして、このボール供給装置71は、制御装置34による制御の下、搬送機構72によってピンポン球bを上昇端位置に上昇させることで、回収部材31のボール移送方向下流端にあるピンポン球bを、これが支持部材10からの吐出空気流によって支持されるように当該支持部材10の上方位置に供給部材73を介して供給する。
【0058】
このように球技ゲーム装置70を構成しても、ピンポン球bが前後方向に移動しているときと異なり、当該移動にタイミングを合わせてピンポン球bを打つ必要が無く、ピンポン球bの高さ位置だけを合わせれば良いので、卓球をあまりしたことのない幼児であっても手軽に遊ぶことができるなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0059】
尚、この球技ゲーム装置70において、前記制御装置34は、ボール供給装置71の供給部材73の他端側開口部から排出され落下するピンポン球bが支持部材10からの吐出空気流によって確実に支持されるように、ピンポン球bを支持部材10の上方位置に供給する際に圧力調整機構14及び/又は流量調整機構15を制御して、圧縮空気供給源12から支持部材10に供給される圧縮空気の圧力及び/又は流量を調整し、当該支持部材10から吐出される圧縮空気の圧力及び/又は流速を調整するように構成されていても良い。
【0060】
また、この球技ゲーム装置70において、仕切部材25は、卓球台Tを取り囲むように設置面G上に配設するのではなく、卓球台Tの相手側コートを取り囲むように当該相手側コートの外周面に取り付けるようにしても良い。このようにしても、プレーヤによりラケットRで打たれたピンポン球bが外部に飛び出すことはなく、また、当該球技ゲーム装置70のコンパクト化を図ることができる。この場合、回収部材31は、相手側コートの外周面近傍に配設され、仕切部材25に当たったピンポン球bは、当該回収部材31の回収溝31a内に導かれるようになっている。
【0061】
また、図1や図5に示したボール供給装置20は、図4の球技ゲーム装置50や図6の球技ゲーム装置70に、図4に示したボール供給装置51は、図1の球技ゲーム装置1や図5の球技ゲーム装置60、図6の球技ゲーム装置70に、図6に示したボール供給装置71は、図1の球技ゲーム装置1や図4の球技ゲーム装置50、図5の球技ゲーム装置60にそれぞれ適用しても良く、また、これらのボール供給装置20,51,71の構成は、上例に限定されず、各種構造のものを採用することができる。
【0062】
また、上例では、前記ボール回収機構30を、プレー領域側に傾斜した回収溝31aを備える回収部材31などから構成し、当該回収溝31aの傾斜により各種ボールbを内部空間Sの奥側からプレー領域側に移送,回収するようにしたが、適宜駆動機構によって駆動される搬送機構を用いて各種ボールbをプレー領域側に搬送,回収するようにしても良い。
【0063】
また、前記各球技ゲーム装置1,50,60,70は、ただ単にボールbを打たせたり、蹴らせるのではなく、プレーヤの打ったボールbや蹴ったボールbがプレーヤ前方の所定領域に当たったり、入ったときに得点を与え、その合計得点をプレーヤ間で競わせるように構成されていても良い。
【0064】
また、球技の一例として、上例では、野球,サッカー,テニス及び卓球を挙げたが、これらに限定されるものではなく、他の球技に使用されるボールを支持部材10の上方位置に供給して当該球技を楽しませるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る球技ゲーム装置の概略構成を示した斜視図である。
【図2】図1の球技ゲーム装置を一部ブロック図で示した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る球技ゲーム装置を一部ブロック図で示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る球技ゲーム装置の概略構成を示した斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る球技ゲーム装置の概略構成を示した斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る球技ゲーム装置の概略構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 球技ゲーム装置
10 支持部材
11 圧縮空気供給装置
12 圧縮空気供給源
13 供給管
14 圧力調整機構
15 流量調整機構
20 ボール供給装置
21 把持機構
22 昇降機構
23 案内部材
24 支柱
25 仕切部材
30 ボール回収機構
31 回収部材
32 操作盤
32a 高さ設定ボタン
33 ボール検出センサ
34 制御装置
b ボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤがボールを該プレーヤの前方に向けて打撃するように構成された球技ゲーム装置であって、
気体を上方に向けて吐出し、吐出した気体により前記ボールを浮いた状態で支持する支持手段と、
前記支持手段に前記気体を供給する気体供給手段と、
前記ボールが前記支持手段から吐出される気体によって支持されるように該ボールを該支持手段の上方位置に供給するボール供給手段と、
前記ボールが前記支持手段の上方位置にあるか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段から得られる検出信号を基に前記ボールが前記支持手段の上方位置にあるか否かを確認し、無いことを確認すると、前記ボール供給手段を駆動して前記ボールを前記支持手段の上方位置に供給する制御手段とを備えてなることを特徴とする球技ゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整することにより、前記支持手段の上方位置にあるボールの高さを周期的又は非周期的に上下方向に変動させるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の球技ゲーム装置。
【請求項3】
前記支持手段の上方位置に支持されるボールの高さを設定するための高さ設定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記支持手段の上方位置にあるボールの高さが前記高さ設定手段によって設定された高さとなるように、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の球技ゲーム装置。
【請求項4】
前記ボールの高さが周期的又は非周期的に変動するように前記支持手段の上方位置に支持されるボールの振幅中心の高さを設定するための高さ設定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記支持手段の上方位置にあるボールの振幅中心の高さが前記高さ設定手段によって設定された高さとなるように、前記気体供給手段を制御して、前記支持手段から吐出される気体の流速及び/又は圧力を調整するように構成されてなることを特徴とする請求項2記載の球技ゲーム装置。
【請求項5】
前記プレーヤの前方の空間を取り囲んで外部空間から仕切られた内部空間を形成する仕切部材を更に備えてなることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの球技ゲーム装置。
【請求項6】
前記プレーヤによって打撃されたボールを回収するためのボール回収手段を更に備え、
前記ボール供給手段は、前記ボール回収手段によって回収されたボールを前記支持手段の上方位置に供給するように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれかの球技ゲーム装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−267951(P2007−267951A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97138(P2006−97138)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(301033639)BLDオリエンタル株式会社 (40)