説明

球状物の配給装置および配給方法

【課題】 簡明な構造によって、確実に球状物を所定状態に整列して並べ置くことのできる球状物の配給装置および配給方法を提供する。
【解決手段】 配給装置1を、平面部10と面一に連続する平坦な受面部25が形成された受台20と、球状物3を1個ずつ通過させ得る連通孔30が穿設された移送板21と、球状物3を1個ずつ自重落下させ得る導出口34が形成された供給部22と、を備え、移送板21が、第1方向Aに沿って所定量移動されるに伴って、連通孔30がそれぞれ導出口34に臨み、導出口34を介して、球状物3が1個ずつ連通孔30内に順次遊嵌されるとともに、遊嵌された球状物3が、ポケット部11の間の畦部10aを第1方向Aに沿ってそれぞれ転動案内されたのち、移送板21が、第2方向Bに沿って所定量移動されることで、球状物3が、畦部10aからポケット部11にそれぞれ落下して収容されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状物の配給装置および配給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医薬品、自動車等の機械部品、あるいは半導体製品等のさまざまな産業分野において、ワークたる球状物が各種処理工程の対象となされている。
【0003】
そして、上記処理工程においては、球状物に印刷、成形加工等の処理を施すために、複数の球状物を、所定状態に整列して並べ置く必要が生じる場合がある。
【0004】
これに対して、球状物を碁盤目状に並べ置き、球状物の全面に印刷模様を付すようにした装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−223310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載される如くの装置では、球状物を並べ置くための「連通穴」ごとにそれぞれ「パイプ」が接続され、この「パイプ」を介してホッパーから「連通穴」に球状物が供給されるものであるため、常に「連通穴」と同数の「パイプ」を設置する必要があり、装置が複雑となる上に、球状物が「パイプ」内に詰まる等の不具合が発生し易く、確実に球状物を並べ置くことが難しい等の問題があった。しかも、この問題は、並べ置かれる球状物の数が増加するほど顕在化する傾向にあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡明な構造によって、確実に球状物を所定状態に整列して並べ置くことのできる球状物の配給装置および配給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の球状物の配給装置は、平坦な平面部と、該平面部に、互いに交差する第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ所定間隔で凹設された複数のポケット部と、を有する所定の処理台における該ポケット部に、球状物を1個ずつ配給する配給装置であって、該平面部の該第1方向の片側端に配設され、該平面部と面一に連続する平坦な受面部が形成された受台と、球状物を1個ずつ通過させ得る連通孔が、該第1方向および該第2方向に沿ってそれぞれ該ポケット部と同一の所定間隔をなして穿設されるとともに、該平面部および該受面部の上方を該第1方向および該第2方向に沿って水平移動自在となされた移送板と、該受面部の上方に、該移送板を介装して配設されるとともに、球状物を1個ずつ自重落下させ得る導出口が、該第2方向に平行して一列に形成された供給部と、を備え、該移送板が、該第1方向に沿って所定量移動されるに伴って、該連通孔が、該第2方向に平行する列ごとにそれぞれ該導出口に臨み、該導出口を介して、球状物が1個ずつ該連通孔内に順次遊嵌されるとともに、遊嵌された該球状物が、該ポケット部の間の畦部を該第1方向に沿ってそれぞれ転動案内されたのち、該移送板が、該第2方向に沿って所定量移動されることで、転動案内された全ての該球状物が、該畦部から該ポケット部にそれぞれ落下して収容されるようになされたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項2に記載の球状物の配給装置は、請求項1に記載の構成において、該導出口が、該ポケット部の該第2方向における列位置に対して交互に配設されていることを要旨とする。
【0010】
また、請求項3に記載の球状物の配給装置は、請求項2に記載の構成において、該移送板が、一定の厚みをなす平板状に形成されていることを要旨とする。
【0011】
また、請求項4に記載の球状物の配給装置は、請求項3に記載の構成において、該厚みが、球状物の直径に略相当するものであることを要旨とする。
【0012】
また、請求項5に記載の球状物の配給装置は、請求項1乃至4の何れかに記載の構成において、該受台が、該処理台と一体成形されていることを要旨とする。
【0013】
また、請求項6に記載の球状物の配給方法は、平坦な平面部と、該平面部に、互いに交差する第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ所定間隔で凹設された複数のポケット部と、を有する所定の処理台における該ポケット部に、球状物を1個ずつ配給する配給方法であって、球状物を1個ずつ通過させ得る連通孔が、該第1方向および該第2方向に沿ってそれぞれ該ポケット部と同一の所定間隔をなして穿設された移送板が、該第1方向に沿って所定量移動される工程と、当該工程に伴って、該連通孔に、該第2方向に平行する列ごとにそれぞれ球状物が1個ずつ自重落下して順次遊嵌されるとともに、遊嵌された該球状物が、該ポケット部の間の畦部を該第1方向に沿ってそれぞれ転動案内される工程と、その後、該移送板が、該第2方向に沿って所定量移動されることで、転動案内された全ての該球状物が、該畦部から該ポケット部にそれぞれ落下して収容される工程と、を含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、平坦な平面部と、該平面部に、互いに交差する第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ所定間隔で凹設された複数のポケット部と、を有する所定の処理台における該ポケット部に、球状物を1個ずつ配給する配給装置であって、該平面部の該第1方向の片側端に配設され、該平面部と面一に連続する平坦な受面部が形成された受台と、球状物を1個ずつ通過させ得る連通孔が、該第1方向および該第2方向に沿ってそれぞれ該ポケット部と同一の所定間隔をなして穿設されるとともに、該平面部および該受面部の上方を該第1方向および該第2方向に沿って水平移動自在となされた移送板と、該受面部の上方に、該移送板を介装して配設されるとともに、球状物を1個ずつ自重落下させ得る導出口が、該第2方向に平行して一列に形成された供給部と、を備え、該移送板が、該第1方向に沿って所定量移動されるに伴って、該連通孔が、該第2方向に平行する列ごとにそれぞれ該導出口に臨み、該導出口を介して、球状物が1個ずつ該連通孔内に順次遊嵌されるとともに、遊嵌された該球状物が、該ポケット部の間の該畦部を該第1方向に沿ってそれぞれ転動案内されたのち、該移送板が、該第2方向に沿って所定量移動されることで、転動案内された全ての該球状物が、該畦部から該ポケット部にそれぞれ落下して収容されるようになされた球状物の配給装置であるため、簡明な構造によって、確実に球状物を所定状態に整列して並べ置くことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る配給装置1を含む全体正面図、図2は配給装置1を示す一部破断右側面図である。図3(a)(b)は配給装置1を示す平面図および縦断面図、図4(a)(b)は配給装置1による配給状況を示す平面図および縦断面図、図5(a)(b)は配給装置1による配給完了状況を示す平面図および縦断面図である。図6、図7は本実施形態に係る処理装置2による処理状況を示す図である。
【0016】
本実施形態の配給装置1は、球状物としてのソフトカプセル3を、処理装置2に多数配給して所定状態に整列して並べ置くためのものである。処理装置2は、図1に示すように、一対の下金型5および上金型6と、取出板7を備えて構成されている。
【0017】
処理装置2における下金型5は処理台を構成するもので、図3に示すように、平面視矩形状をなし、平坦な平面部10を有するとともに、平面部10には、第1方向としての左右方向Aに等間隔rで25列、第2方向としての前後方向Bに等間隔sで17列の格子目状に並ぶ425個のポケット部11が凹設されている。ポケット部11は、配給装置1によって配給されるソフトカプセル3を1個ずつ、かつその約下半部を収容して並べ置くことができるように、それぞれやや浅い半球状に形成されている。
【0018】
上金型6は、この下金型5と対称に構成されており、ポケット部11と同数同形の被嵌部15が凹設されているが(図6参照)、油圧ジャッキ等の加圧手段(図示せず)に適宜接続されることで、下金型5に対して昇降自在に支持されている。そして、下金型5のポケット部11に配給されたソフトカプセル3を、上金型6の被嵌部15との間で加圧成型したのち、取出板7を用いて取出できるようになっている(これについては後述する)。
【0019】
なお、ソフトカプセル3は、医薬品等の充填物質を、液状、懸濁状、のり状、粉末状あるいは顆粒状等の形で、ゼラチン等の皮膜物質によって被包して構成されるものである。ソフトカプセル3は、例えば二重ノズルの先端から充填物質と皮膜物質を冷却水中に流出させてカプセル化することにより、球形状に製造されている。
球形状のソフトカプセル3は、そのままでは転がって紛失等し易く取り扱いが不便であるため、断面楕円形や長円形等の非球形に加工することが望まれる。上記の処理装置2は、球状物としてのソフトカプセル3にこのような処理を施すために用いられるものである。
【0020】
配給装置1について具体的に説明する。図1〜図3に示すように、配給装置1は、主として受台20、移送板21および供給部22を備えて構成されている。
【0021】
受台20は、図1〜図3に示すように、下金型5の左側端部5aに沿って、取出板7が出入りしない位置に設けられる。受台20は、任意の形状としてよいが、少なくとも下金型5の平面部10と面一に連続する平坦な受面部25が形成され、下金型5とともに水平姿勢を保って固設されている。
【0022】
移送板21は、図2〜図3に示すように、左右方向Aに長く所定の厚みを有する長方形平板状をなし、平坦な上面部27および下面部28を備えている。移送板21には、図3に示す如くの連通孔30が穿設されている。連通孔30は、下金型5のポケット部11と同一配列の格子目状に425個配設されており、それぞれソフトカプセル3の直径よりもわずかに大きい直径を有する円筒状をなして、移送板21を上面部27から下面部28に垂直に貫通している。
【0023】
移送板21は、図1または図3に示す如く下金型5の左方で待機しており、後述する供給部22から供給されるソフトカプセル3を、連通孔30に順次遊嵌して下金型5のポケット部11まで移送配給する役割を果たすものである。このため移送板21は、伸縮シリンダーやロボットアーム等の駆動手段(図示せず)に適宜接続されており、水平姿勢を保ったまま、左右方向A、前後方向Bおよび上下方向Cに移動自在に構成されている。
【0024】
供給部22は、図2〜図3に示すように、移送板21よりもやや大きい前後幅を有する薄型箱状体をなし、受台20の上方において、移送板21を介装して配設される。供給部22の底面33は、受台20の受面部25と平行するように設けられ、この底面33には、所定の導出口34が形成されている。導出口34は、図2〜図3に示すように、ポケット部11および連通孔30と同一の等間隔sで、前後方向Bに平行して一列に17個形成されているとともに、ポケット部11の前後方向Bにおける列位置11aに対して交互に位置し得るように配設される。このような構成により、ポケット部11ないし連通孔30に対する導出口34の配設数を必要かつ十分とでき、ポケット部11、連通孔30や導出口34の空き(ソフトカプセル3が入っていない状態)が生じるのを防止することが可能となる。
【0025】
供給部22の上部は、図1〜図2に示すように、可撓性シュート36に接続され、可撓性シュート36はさらに、フィーダーからなる案内部37を介して、多数のソフトカプセル3を蓄える上広がり形状のホッパー38に接続されている。そして、導出口34とホッパー38との間に管路40が形成され、ホッパー38内のソフトカプセル3が管路40内を経由して導出口34から、それぞれ1個ずつ自重落下するようになされている。そのため、導出口34および管路40は、ソフトカプセル3の直径よりもわずかに大きい内径寸法をなして連通されているものである。
【0026】
供給部22は、伸縮シリンダーやロボットアーム等の駆動手段ないしコイルばね等の付勢手段(図示せず)に適宜接続されており、移送板21の上下方向Cへの移動にしたがって、水平姿勢を保ったまま昇降自在に構成されている。
なお、供給部22の底面33に、導出口34を必要に応じて開閉するシャッター板(図示せず)を設ける構成とすることもできる。
【0027】
受台20、移送板21および供給部22は、互いに摺接するようにしてもよいし、一定のクリアランスを設けるようにしてもよい。ただし、クリアランスを設ける場合には、ソフトカプセル3の移動等が円滑におこなえるように、クリアランスが大きくなり過ぎないように調整することが好ましい。
【0028】
上記の如く構成される配給装置1の使用態様等について説明する。まず、移送板21および供給部22を、図3に示す如くの初期状態にセットする。このとき、移送板21の先端21aは、受台20上に位置している。なお、上金型6および取出板7は、図1に示す如く下金型5からは離間してそれぞれ上方および右方で待機している。
移送板21の上方には、供給部22が配設されるが、連通孔30の前後方向Bに平行する先頭列45が、導出口34にそれぞれ臨むようになされている。そして、管路40内には、ホッパー38から供給されるソフトカプセル3がそれぞれ一列積層状態で並び、自重落下してきたソフトカプセル3が、導出口34を介して、それぞれ1個ずつ先頭列45の連通孔30内に一列遊嵌される。
【0029】
次に、この状態から、図4に示すように、供給部22を動かすことなく移送板21のみを右方向に移動させる。すると、移送板21の移動に伴って、連通孔30が、前後方向Bに平行する列45、45’、45”…ごとに、それぞれ導出口34に臨み、導出口34を介して、ソフトカプセル3が1個ずつ連通孔30内に順次遊嵌されていく。これは、移送板21の移動に伴って移送板21の上面部27が導出口34を堰き止めることによりソフトカプセル3の自重落下が一旦は規制されるが、導出口34と連通孔30とが再度連通する状態となったときにソフトカプセル3の自重落下が許容され、以上が繰り返されることによる。
【0030】
そのため、移送板21を一定の厚み(D)をなす平板状に形成するようにすれば、移送板21の移動やソフトカプセル3の連通孔30内への落下規制等がスムーズにおこなわれ好ましい。
また、ソフトカプセル3を各連通孔30内に1個ずつ確実に収容し得るという観点から、ソフトカプセル3の直径(d)に対して、0.8d≦D≦1.2d程度となるように形成することが好ましく、より好ましくは移送板21の厚み(D)をソフトカプセル3の直径(d)に略一致するように形成するのがよい。
【0031】
連通孔30内のソフトカプセル3は、上記した通り、遊嵌状態にあるため、移送板21の移動に伴って、受台20の受面部25から下金型5の平面部10へと連通孔30内を転動案内されることとなる。このとき、上記した通り、移送板21の連通孔30と下金型5のポケット部11とが所定の位置関係にあることから、連通孔30内のソフトカプセル3が、途中で下金型5のポケット部11に落下等してしまうおそれなく、ポケット部11の間の畦部10a上を右方向に沿ってそれぞれ転動案内されることになる。
【0032】
移送板21の右方向への移動は、連通孔30の前後方向Bに平行する先頭列45が、下金型5のポケット部11の前後方向Bに平行する先頭列の位置に一致するところまでおこなわれる。移送板21の全ての連通孔30には、ソフトカプセル3が1個ずつ計425個遊嵌されていることとなる。
そして、移送板21を今度は前方向に所定量、すなわち約s/2の距離だけ移動させる。すると、図5に示すように、連通孔30内にある全てのソフトカプセル3が僅かに前方向に転動したのちに畦部10aからポケット部11にそれぞれ落下して収容されることとなる。
【0033】
ソフトカプセル3のポケット部11への収容を終えた移送板21は、ソフトカプセル3の頭頂よりも高い位置まで上昇して左方向へと移動し、さらに下降および後方移動を経て、図3に示す如くの初期状態に戻される。この間、供給部22は、上下方向Cにのみ移動し、左右方向Aや前後方向Bには移動しないように制御されているとともに、移送板21の左方には、導出口34を堰き止め得る延設部21bが形成されていることから、移送板21が後方向へ所定量(=約s/2)移動するまでは、導出口34からソフトカプセル3が飛び出さないようになされている。
【0034】
その後、図6に示すように、上金型6を下金型5に向けて押圧し、ポケット部11に収容されたソフトカプセル3を加圧成型する。下金型5および上金型6には、温水パイプ、冷水パイプ等の加熱冷却手段(図示せず)が適宜内設されており、加圧前のソフトカプセル3を加熱してゼラチン等の皮膜物質を軟化させるとともに、加圧後のソフトカプセル3を冷却してすみやかに硬化させることができるようになっている。
【0035】
下金型5および上金型6には、図7に示す如くポケット部11および被嵌部15に連通する小穴11a、15aと空気路11b、15bとがそれぞれ設けられており、下金型5のポケット部11を真空引きするとともに、上金型6の被嵌部15から圧空を放出することにより、加圧成型したソフトカプセル3を被嵌部15に付着させることなく、上金型6を開くことができるようになっている。
【0036】
下金型5のポケット部11に残置された加圧成型済みのソフトカプセル3は、図7に示すように、取出板7によって取出される。取出板7の下面には、下金型5のポケット部11と同数、同一配列をなす真空式の吸着パッド7aが付設されており、ソフトカプセル3をそれぞれ着脱自在に吸引把持して、図示しない受箱等に排出することができるようになっている。
【0037】
以上説明した配給装置1によれば、425個という非常に多数のポケット部11に対して、所定構成をなす僅か17個の導出口34等を設ければ足りるため、装置が複雑化するおそれがない。また、ソフトカプセル3が導出口34や管路40内に詰まる等の不具合が発生し難く、ソフトカプセル3をポケット部11へ確実に収容することが可能である。
【0038】
しかも配給装置1によれば、移送板21によって畦部10aを転動案内された全てのソフトカプセル3を、ポケット部11に殆ど同時に、かつ瞬時に落下収容できるため、きわめて短時間で効率の良い配給がおこなえる。
【0039】
上記実施形態の変形例を図8に示す。上記実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
変形例では、処理装置50が、処理台を形成する載置部52と、昇降自在に設けられる印刷用パッド53とから構成されている。処理装置50は、球状物としてのガムやチョコレート等の菓子51の表面に模様を付すもので、載置部52は、上記の下金型5と同様に、平坦な平面部55と、格子目状をなす複数のポケット部56とを備えている。印刷用パッド53は、ポケット部56に対応した位置にポケット部56と同数設けられる。
【0040】
図8に示すように、本変形例では、受台57と載置部52とが一体成形されている。このような構成であれば、受面部58と平面部55とを継ぎ目無く連続させることができるため、菓子51の転動が非常にスムーズであり、全体的な部品点数の削減にもなる。
この他、受台57を設けずに、処理台としての載置部52の一部に受台57の機能を負担させるようにしてもよい。
なお、載置部52に収容されている菓子51を上下に反転させる反転手段を適宜設け、菓子51の上半部に印刷を施したのち、菓子51を反転させて残り下半部に印刷を施し、菓子51の全面に模様を付すようにすることもできる。
この変形例から明らかなように、配給装置1は、さまざまな処理工程をおこなう各種の処理装置に幅広く好適に用いられ得るものである。
【0041】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
例えば、移送板21や供給部22の形状・大きさ等は適宜変更してよい。上記では、ポケット部11が互いに直交する二方向A、Bに沿って設けられている例を示したが、この他にもポケット部11が一定の角度をなす斜め格子目状に配設されるものや、第1方向ないし第2方向が波型等の曲線状のもの、あるいはV字状、ジグザグ状のもの等に対しても、本発明は適用できる。上記では、ポケット部11をそれぞれ等間隔r、sにて設けているが、必ずしも等間隔である必要がないことは言うまでもない。
また、球状物にも特に限定はなく、本発明の作用効果を期待し得るものであれば、例えば機械部品等の剛球をはじめ、ゴルフボール、野球ボール等の遊戯用ボールのようなものも対象とできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、簡明な構造によって、確実に球状物を所定状態に整列して並べ置くことのできる球状物の配給装置および配給方法を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態の全体正面図である。
【図2】実施形態に係る配給装置を示す一部破断右側面図である。
【図3】(a)実施形態に係る配給装置を示す平面図、(b)実施形態に係る配給装置を示す縦断面図である。
【図4】(a)実施形態に係る配給装置による配給状況を示す平面図、(b)実施形態に係る配給装置による配給状況を示す縦断面図である。
【図5】(a)実施形態に係る配給装置による配給完了状況を示す平面図、(b)実施形態に係る配給装置による配給完了状況を示す縦断面図である。
【図6】実施形態に係る処理装置による処理状況を示す図である。
【図7】実施形態に係る処理装置による処理状況を示す図である。
【図8】変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 配給装置
2 処理装置
3 ソフトカプセル(球状物)
5 下金型(処理台)
5a 端部
10 平面部
10a 畦部
11 ポケット部
11a 列位置
20 受台
21 移送板
22 供給部
25 受面部
30 連通孔
34 導出口
40 管路
45、45’、45” 列
50 処理装置
51 菓子(球状物)
52 載置部(処理台)
55 平面部
56 ポケット部
57 受台
58 受面部
A 左右方向
B 前後方向
C 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な平面部と、該平面部に、互いに交差する第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ所定間隔で凹設された複数のポケット部と、を有する所定の処理台における該ポケット部に、球状物を1個ずつ配給する配給装置であって、
該平面部の該第1方向の片側端に配設され、該平面部と面一に連続する平坦な受面部が形成された受台と、
球状物を1個ずつ通過させ得る連通孔が、該第1方向および該第2方向に沿ってそれぞれ該ポケット部と同一の所定間隔をなして穿設されるとともに、該平面部および該受面部の上方を該第1方向および該第2方向に沿って水平移動自在となされた移送板と、
該受面部の上方に、該移送板を介装して配設されるとともに、球状物を1個ずつ自重落下させ得る導出口が、該第2方向に平行して一列に形成された供給部と、を備え、
該移送板が、該第1方向に沿って所定量移動されるに伴って、
該連通孔が、該第2方向に平行する列ごとにそれぞれ該導出口に臨み、該導出口を介して、球状物が1個ずつ該連通孔内に順次遊嵌されるとともに、遊嵌された該球状物が、該ポケット部の間の畦部を該第1方向に沿ってそれぞれ転動案内されたのち、
該移送板が、該第2方向に沿って所定量移動されることで、
転動案内された全ての該球状物が、該畦部から該ポケット部にそれぞれ落下して収容されるようになされた球状物の配給装置。
【請求項2】
該導出口が、該ポケット部の該第2方向における列位置に対して交互に配設されている請求項1に記載の球状物の配給装置。
【請求項3】
該移送板が、一定の厚みをなす平板状に形成されている請求項2に記載の球状物の配給装置。
【請求項4】
該厚みが、球状物の直径に略相当するものである請求項3に記載の球状物の配給装置。
【請求項5】
該受台が、該処理台と一体成形されている請求項1乃至4の何れかに記載の球状物の配給装置。
【請求項6】
平坦な平面部と、該平面部に、互いに交差する第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ所定間隔で凹設された複数のポケット部と、を有する所定の処理台における該ポケット部に、球状物を1個ずつ配給する配給方法であって、
球状物を1個ずつ通過させ得る連通孔が、該第1方向および該第2方向に沿ってそれぞれ該ポケット部と同一の所定間隔をなして穿設された移送板が、該第1方向に沿って所定量移動される工程と、
当該工程に伴って、該連通孔に、該第2方向に平行する列ごとにそれぞれ球状物が1個ずつ自重落下して順次遊嵌されるとともに、遊嵌された該球状物が、該ポケット部の間の畦部を該第1方向に沿ってそれぞれ転動案内される工程と、
その後、該移送板が、該第2方向に沿って所定量移動されることで、転動案内された全ての該球状物が、該畦部から該ポケット部にそれぞれ落下して収容される工程と、を含む球状物の配給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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