説明

環境塗料

【目的】建築物の内部、屋上で園芸植物、農作物、草木等を生育させるとき建物の表面、内面に植物の根が広範囲に生育しコンクリート、レンガ、材木等建築素材が侵食され美観が損なわれてしまうのを予防する。
【構成】塗料成分に銅または銅の化合物と酸化チタン、炭、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを混合することで銅イオンが植物の根の育成をコントロールしさらに酸化チタンが防腐効果をもたらして建築物の保存に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は建築物の外装または及び内装に塗装し園芸植物、農作物、草木等の根の生育をコントロールして建築物の保全および環境美化に貢献する環境塗料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近来、建築物の内部、屋上で園芸植物、農作物、草木等を生育させCO2対策、温暖化防止、地域環境改善及び美化に貢献する対策が行政等で広く行われている。
しかし、この方法は建物の表面、内面に植物の根が広範囲に生育し例えば床面に全体に広がるとコンクリート、レンガ、材木等建築素材が侵食される。さらに不必要なエリアにまで生育すると著しく美観が損なわれてしまうという欠陥があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は上記の問題を解決するためになされたもので塗料を建造物に塗装することにより植物の根の生育をコントロールしてコンクリート、木材への不必用な侵食を予防することを目的とする環境塗料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の環境塗料では塗料成分に銅または銅の化合物と酸化チタン、炭、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを混合することで銅イオンが植物の根の育成をコントロールしさらに酸化チタンが防腐効果をもたらして建築物の保存に寄与する。
【実施例】
【0005】
本発明を実施例により詳細に説明する。
本発明の環境塗料は銅粉末、酸化チタンをアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合した塗料成分に均一に拡散したものである。
ここでより詳細な製法を順次説明する。この発明の環境塗料はまず、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを溶解した水溶液に微細化した銅の粉末、酸化チタン混合する。さらに、銅の溶解量のコントロールおよび塗料との混和性を好くするためゼラチン、膠、ポリビニルアルコール等高分子化合物を所定量配合してもよい。上記銅の微細化に関してはナノレベルまで微細化してもよい。また、銅の表面を酸化処理したり目の粗さを変えてイオン化レベルをコントロールするようにしてもよい。また、上記混合物に炭(植物の炭化物)を添加し余剰な栄養物の吸収を制御してもよい。この炭の素材として活性炭を使用してもよい。さらに銅粉末の変わりに水不溶性の化合物である炭酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅を混合してもよい。また、植物の育成のためにニトロフミンを添加してもよい。
さらに、上記混合物に植物に必要な微量元素(ホウ素、マンガン、モリブデン、鉄、亜鉛、等)を添加してもよい。上記のようにして得られた混合溶液(銅、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、もしくはその他配合)を市販の水性、油性の塗料(例えば酢酸ビニル、ポリビニールアルコール、アクリル、ロジン系等)に分離しない範囲の混合比で混合する。
このときに上記混合は、超音波等でエマルジョン化したり化学処理でペプチド化して行ってもよい。このようにして得られた環境塗料は目的とする建築物の内面、外面等に塗布、スプレーして使用する。ここにおいて、銅は根の生育をコントロールし、酸化チタンは光半導体触媒として根の病害害虫を防止するとともに親水性を有する。アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムは塗布面に薬剤を長期に渡り安定に固定する。さらに微量元素の溶解を制御して植物に過剰な生育阻害などの影響(各元素間の拮抗作用)を予防する働きがある。
さらに、酸化チタン、銅の混合体が接触した面では微小電流を生じるので植物の生育が向上する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の環境塗料を使用すると植物の花草の生長にダメージをあたえず根部の生育をコントロールできる。余分な根のはりを押さえ建物の侵食を予防できる。さらに殺菌作用もあるので農薬の使用量も削減できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅粉末と酸化チタンとを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項2】
銅粉末と酸化チタンと炭とを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項3】
イオン化レベルをコントロールする目的で表面を酸化処理をした銅粉末と酸化チタンとを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項4】
銅粉末と酸化チタンおよび植物の生育に必要な微量元素とを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項5】
銅粉末と酸化チタンと炭および植物の生育に必要な微量元素とを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項6】
銅粉末と酸化チタンおよび植物の生育に必要な微量元素とを水溶性もしくは油性の高分子塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項7】
銅化合物と酸化チタンとを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項8】
銅化合物と酸化チタンおよび植物の生育に必要な微量元素とを塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。
【請求項9】
銅化合物と酸化チタンおよび植物の生育に必要な微量元素とを水溶性もしくは油性の高分子塗料成分に均一に拡散すると共に、この塗料成分にアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムを配合したことを特徴とした環境塗料。

【公開番号】特開2006−83358(P2006−83358A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302155(P2004−302155)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(504385867)
【出願人】(504385878)
【出願人】(504385904)
【Fターム(参考)】