説明

環境情報を含む動的領収書作成のためのシステム及び方法

モバイル装置に接続されたカードリーダに磁気ストライプカードを通すことにより、個人が金融取引を完了できるようにするためのシステム及び方法について検討する新たな方法を提案する。カードリーダのサイズは、モバイル装置に接続するために携帯できるように小型化される。カードリーダは、カードを一回通しただけでカードの磁気ストライプ内に符号化されたデータを最小限のエラーで確実に読み取り、読み取ったデータに対応する信号をモバイル装置に供給するように構成され、このモバイル装置は、カードリーダからの着信信号を復号し、販売時点情報管理装置として機能して金融取引を完了させる。このような方法により、ある人物が、高価なカード読取装置又はソフトウェアを購入する必要なく、小商店主(受取人)又は買い手/顧客(支払人)のいずれになることもできる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
日々の商行為では、片面に磁気ストライプを組み込んだプラスチックカードが広く使用されている。これらのカードは、クレジットカード、デビットカード、又はガソリン用チャージカードを使用して代金を支払うことなどの様々な取引で使用される。現金自動預け払い機(ATM)の使用を通じて銀行と取引するためにチャージカード又はデビットカードを使用することもできる。磁気ストライプカードは、ストライプに組み込まれた磁性粒子の磁性を修正することによりデータを記憶することができる。このストライプを読取ヘッドに通すことにより、磁気ストライプに記憶されたデータを感知し、又は読み取ることができる。カードの磁気ストライプに記憶されたデジタル情報を取得するには、磁気ストライプを感知することによって得たアナログ波形に復号として知られる処理を行わなければならない。
【0002】
現在、市場には何百もの磁気ストライプリーダ/スワイパが存在し、これらの全ての長さは、少なくともクレジットカード自体と同じである。これらの既存のリーダ/スワイパは、プラットフォーム型カードリーダ又はプランジ型カードリーダのいずれかに分類することができる。プラットフォーム型カードリーダは、単一のレールを有する従来型のカードスワイパであり、ユーザが、カードをリーダの基部に当てて保持し、リーダの読取ヘッドを横切って動かせるようになっているものである。プランジ型スワイパは、2組のレールと逆転防止装置によってカードを導く。ユーザが逆転防止装置に逆らってカードを挿入すると、プランジ型スワイパから取り去られるときにカードが読み取られる。プランジ型スワイパはハッキングされる可能性が低いので、ATM及びその他の自己負担装置でよく見られる。
【0003】
通常、標準仕様の磁気ストライプカードは、小売店の販売時点情報管理装置によって読み取ることができる。小売店のレジでカードがプラットフォーム型カードリーダなどの電子カードリーダに通されると、通常、このリーダは、その内蔵モデムを使用して、クレジット認証要求を取り扱う会社の番号にダイヤルする。アカウントが認証されると、商店主に承認信号が送信されて取引が完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気ストライプカードは商店主によって広く使用されているが、個人がこのカードを利用して、自身のモバイル装置に取り付けられた単純なリーダにカードを通すことにより(商店主ではない)別の個人から支払いを受け取ることはできない。非限定的な例として、ある人物が別の人物に借金がある場合、従来の方法では、この借金の支払いは現金又は小切手によって行われる。クレジットカード又はデビットカードを使用して借金を清算できれば便利と考えられる。また、個人が、モバイル装置に接続されたリーダに自身の磁気ストライプカードを通すことにより別の個人又は商店主に支払いができれば有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の関連技術の例及びこれに関する制約は、例示を意図したものであり排他的なものではない。本明細書を読んで図面を検討すれば、関連技術のその他の制約が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じて支払人と受取人の間の金融取引を支援するためのシステム図の例である。
【図2】小型カードリーダの外部構造図の例である。
【図3A】小型設計による実際のカードリーダの例を示す図である。
【図3B】小型設計による実際のカードリーダの例を示す図である。
【図4A】カードリーダの読取ヘッドと、これに通すカードの磁気ストライプとの間の位置合わせの例を示す図である。
【図4B】カードリーダの読取ヘッドと、これに通すカードの磁気ストライプとの間の位置合わせの例を示す図である。
【図5】カードリーダの一部であるTRSコネクタの例を示す図である。
【図6A】小型カードリーダの内部構造の例を示す図である。
【図6B】小型カードリーダの内部構造の例を示す図である。
【図6C】小型カードリーダの内部構造の例を示す図である。
【図7A】カードをカードリーダのスロットに順方向に通した場合の、磁気ストライプの1つのトラックから読取ヘッドによって読み取ったデータの波形の例を示す図である。
【図7B】カードをカードリーダのスロットに逆方向に通した場合の、磁気ストライプの1つのトラックから読取ヘッドによって読み取ったデータの波形の例を示す図である。
【図8】小型携帯用カードリーダに磁気ストライプ付きカードを通す支援をする処理例のフロー図である。
【図9】カードリーダに組み込まれた受動ID回路の概略図の例である。
【図10】受動ID回路22の、ユーザ体験に寄与する追加要素を含む概略図の例である。
【図11】図10に示す受動ID回路22の実施構成例を示す図である。
【図12】受動ID回路を通じてモバイル装置に一意のIDを配信する処理例を示すフロー図である。
【図13】カードリーダの一意のIDを暗号化及び解読するための、受動ID回路に含まれる追加の暗号化及び/又は解読システムの例を示す図である。
【図14】小型携帯用カードリーダに磁気ストライプ付きカードを通すことにより着信する信号の復号を支援する処理例を示すフロー図である。
【図15】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じて支払人と受取人の間の金融取引を支援する処理例を示すフロー図である。
【図16A】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【図16B】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【図16C】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【図16D】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【図16E】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【図16F】モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じた購入者と商店主の間の金融取引の例を示すスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
同じ参照符号が同様の要素を示す添付図面の図に、この方法を限定ではなく一例として示す。なお、本開示における「ある」又は「1つの」又は「いくつかの」実施形態に対する言及は、必ずしも同じ実施形態を示すものではなく、このような言及は少なくとも1つを意味する。
【0008】
モバイル装置に接続されたカードリーダに磁気ストライプカードを通すことにより、個人が金融取引を完了できるようにするためのシステム及び方法について検討する新たな方法を提案する。この場合、金融取引は、1人の人物と別の人物の間で支払いを受け取ること又は送ることに関与するいずれの取引であってもよい。磁気ストライプカードは、以下に限定されるわけではないが、クレジットカード、デビットカード、又は金融取引を実施できるその他の種類の支払い認証要素とすることができる。カードリーダのサイズは、モバイル装置に接続するために携帯できるように小型化される。カードリーダは、カードを一回通しただけでカードの磁気ストライプ内に符号化されたデータを最小限のエラーで確実に読み取り、読み取ったデータに対応する信号をモバイル装置に供給するように構成され、このモバイル装置は、カードリーダからの着信信号を復号し、販売時点情報管理装置として機能して金融取引を完了させる。このような方法により、ある人物が、高価なカード読取装置又はソフトウェアを購入する必要なく、小商店主(受取人)又は買い手/顧客(支払人)のいずれになることもできる。
【0009】
図1は、モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じて支払人と受取人の間の金融取引を支援するためのシステム図の例である。この図には、いくつかの構成要素を機能的に別のものとして示しているが、このような表現は例示目的にすぎない。この図に示す構成要素を任意に組み合わせ、或いは別個のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェア構成要素に分割できることが明らかであろう。さらに、このような構成要素が組み合わせられているか又は分割されているかに関わらず、これらを同じホスト上又は1又はそれ以上のネットワークによって接続された複数のホスト上で実行できることも明らかであろう。
【0010】
図1の例では、システムが、モバイル装置100、モバイル装置100に接続された小型カードリーダ10、復号エンジン110、ユーザインタラクションエンジン120、及び取引エンジン130を含み、これらは全てモバイル装置100上で実行される。また、このシステムは、ユーザデータベース140、製品又はサービスデータベース150、及び取引データベース160のうちの1又はそれ以上を含むこともでき、これらは全て取引エンジン130に接続される。
【0011】
本明細書で使用するエンジンという用語は、ある目的を達成するために使用するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はその他の構成要素を指す。通常、エンジンは、不揮発性メモリ(二次メモリと呼ばれることもある)に記憶されたソフトウェア命令を含む。ソフトウェア命令が実行されると、このソフトウェア命令の少なくとも一部がプロセッサによってメモリ(一次メモリと呼ばれることもある)にロードされる。次に、プロセッサが、メモリ内のソフトウェア命令を実行する。プロセッサは、共有プロセッサ、専用プロセッサ、或いは共有又は専用プロセッサの組み合わせとすることができる。典型的なプログラムは、ハードウェア構成要素(I/O装置など)への呼び出しを含み、これには通常、ドライバの実行が必要である。ドライバは、エンジンの一部と見なしてもよいし、又は見なさなくてもよいが、この区別は重要ではない。
【0012】
本明細書で使用するデータベースという用語は、集中データベースであるか又は分散データベースであるか、リレーショナルデータベースであるか又はその他であるかにかかわらず、データを記憶するためのあらゆる既知の又は便利な手段を含むように広義に使用される。
【0013】
図1の例では、携帯式カードリーダ10が接続されるモバイル装置100は、以下に限定されるわけではないが、Apple社のiPhoneなどの携帯電話機、Apple社のiPad Touch、Apple社のiPadなどの他の携帯用電子機器、及びGoogle社のAndroidオペレーティングシステムに基づくモバイル装置、及び少なくとも信号を受信し、必要時に復号を行い、取引サーバと情報を交換して買い手及び/又は売り手のアカウント情報を検証し、取引を行い、領収書を作成することができるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせを含む他のいずれの携帯用電子機器であってもよい。モバイル装置100の代表的な構成要素として、以下に限定されるわけではないが、フラッシュROMなどの永久メモリ、SRAMなどのランダムアクセスメモリ、カメラ、バッテリ、LCDドライバ、ディスプレイ、セルラーアンテナ、スピーカ、Bluetooth(登録商標)回路、及びWIFI回路を挙げることができ、永久メモリは、モバイル装置のためのプログラム、アプリケーション、及び/又はオペレーティングシステムを含むことができる。
【0014】
小型カードリーダ
図1の例では、小型カードリーダ10が、買い手が通すカードの磁気ストライプ内に符号化されたデータを読み取り、この読み取ったデータに対応する信号を信号プラグ18を介してモバイル装置100へ送信するように構成される。カードリーダ10のサイズは、モバイル装置100に接続するために携帯できるように小型化される。非限定的な例では、カードリーダ10のサイズを、全長1.5インチ未満に小型化することができる。また、小型カードリーダ10は、モバイル装置100によって行われるベンダー独自のフィルタ処理を無効にすることにより、カードを一回通しただけでエラーを最小限にとどめて確実にカードを読み取るように設計される。なお、この処理のための構成要素は、様々な実施形態に示しているので、この広範な概要は非限定的であることが意図されている。例えば、復号エンジン110を、図13に示すように復号システム42としてカードリーダ10に組み込むことができる。図2には、小型カードリーダ10の外部構造図の例を示す。この図には、いくつかの構成要素を機能的に別のものとして示しているが、このような表現は例示目的にすぎない。この図に示す構成要素を任意に組み合わせ、或いは別個のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェア構成要素に分割できることが明らかであろう。
【0015】
図2の例には、スロット14を有するハウジング12、スロット14の壁に組み込まれた読取ヘッド16、ハウジング12から外へ延びる信号プラグ18、及び任意の受動ID回路22を少なくとも含む小型カードリーダ10を示している。図3Aには、実際の小型設計のカードリーダの例を示し、図3Bには、幅が約0.5インチの他の小型カードリーダの例を示す。
【0016】
図2の例では、カードリーダ10のハウジング12が、スロット14に対して非対称的に設計されており、ハウジングの片面に、ユーザが指で触れて感じ取り認識することができるロゴなどの模様を含む。カードを正確に通すためには、ハウジング12の模様側がカードの模様(表)側に一致し、これによりユーザがリーダの正しい側を容易に識別して、リーダ又はカードを実際に見ることなくカードをスロット14に通せるようにすべきである。リーダの模様側とカードの模様側を一致させることにより、目の不自由な人でもカードを正確に通すことができる。
【0017】
図2の例では、スロット14が、磁気ストライプを有するカードを受け入れて磁気ストライプがスロット14内にちょうど収まるのに十分な幅及び深さを有する。より重要なこととして、スロット14は、読取ヘッド16が読み取るデータの精度及び信頼性を維持するために、カードをスロット14に通したときにリーダ10に加わる回転力を低減するように構成される。カードリーダ10のサイズが小型化されているので、スロット14の長さも、スロット14に挿入されるカードの長さよりかなり短い。
【0018】
カードの磁気ストライプ上のデータを正確に読み取るためには、カードがスロット14を通過するときに読取ヘッド14がストライプとの接触を維持しなければならない。カードが読取中に揺れ動いた場合、ヘッド12とストライプの位置合わせが損なわれる可能性がある。スロット14の長さ、すなわちカードをスロット14に通すカード経路が短いので、揺動及びヘッドの位置合わせは重要な問題になり得る。図4Aに示すように、カードの底辺を平坦な底部に接触させずに磁気ストライプカードを通した場合、平坦な基部15を有するスロット14にカードを通したときに磁気ストライプと読取ヘッド16の位置が合わなくなる。
【0019】
いくつかの実施形態では、読取ヘッド14と磁気ストライプが接触する機会を増やして揺動の問題に対処するために、スロット14の基部15を平坦な基部から丸みのある曲線状の基部に変更することができる。図4Bに示すように、曲線状の基部15によってもたらされる接触の程度に起因して何らかのさらなるエラーが生じたとしても、読取ヘッド16は磁気ストライプと接触を維持することができる。
【0020】
図5に、カードリーダ10の一部である信号プラグ18の例を示す。ここでは、信号プラグ18を、以下に限定されるわけではないが、オーディオプラグ、電話プラグ、プラグプラグ、ステレオプラグ、ミニプラグ、又はミニステレオオーディオコネクタとしても知られているTRS(チップ、リング、スリーブ)コネクタとすることができる。信号プラグ18は、3.5mm又は2.5mmの小型版などの様々なサイズで形成することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、信号プラグ18を、ハウジング12内に引き込み可能とすることができる。いくつかの実施形態では、信号プラグ18が、ケース又は奥まった差し込みソケットを有するモバイル装置100との接続に対応するために、リーダのハウジング12を超えて延びるように構成され、このソケットは、以下に限定されるわけではないが、モバイル装置のマイク入力ソケット又はラインイン音声入力とすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、接続されるモバイル装置100の機能にリーダが干渉しないように、カードリーダ10のハウジング12がプラスチックなどの非導電性材料で作成される。iPhone4などの一部のモバイル装置の外部ケースは導電性であって装置のアンテナとして機能し、導電性材料で作成されたカードリーダのハウジングに装置の金属ケースが接触した場合、この機能が干渉を受ける可能性があるので、このような材料の選択は重要である。
【0023】
図6Aに、小型カードリーダの内部構造図の例を示す。この図には、いくつかの構成要素を機能的に別のものとして示しているが、このような表現は例示目的にすぎない。この図に示す構成要素を任意に組み合わせ、或いは別個のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェア構成要素に分割できることが明らかであろう。
【0024】
図6Aの例には、組み込み回路を備えた読取ヘッド16と、読取ヘッド16を支持するためのバネ構造20とを少なくとも含む、カードリーダ10のハウジング12内の内部構造を示している。図6Bには、実際の小型カードリーダの内部構造の例を示す。図6Cには、実際の小型カードリーダ内で使用する読取ヘッド16及びバネ構造20の分離した構成要素の例を示す。
【0025】
図6A〜図6Cの例では、非限定的な例として誘導性ピックアップヘッドとすることができる読取ヘッド16が、カードの磁気ストライプに記憶されたデータを検出して、接続されたモバイル装置100に提供する。より詳細には、カードの磁気ストライプがスロット14に通されて読取ヘッド16に接触すると、カード読取装置100が、読取ヘッドの内部に組み込まれた検出回路を通じて、カードの磁気ストライプに記憶された1又はそれ以上のデータ又は情報トラックを読み取る。ここでは、磁気ストライプに記憶されるデータは、ISO7811規格で記述された磁気転移の形を取ることができる。カードが読取ヘッド16を通過すると、データを表す磁気転移が、読取ヘッド16とストライプの間の相対運動(ホール効果と呼ばれる)に起因して読取ヘッド16のコイル(図示せず)内に電圧又は波形を引き起こし、読取ヘッド16の内部の抵抗器(図示せず)が波形の振幅を設定する。この波形が、信号プラグ18を介してソケット内へ送られ、これがカードリーダ10に接続されたモバイル装置100のマイクにより登録される。
【0026】
いくつかの実施形態では、読取ヘッドに1つのピンのみを含めればよいので、小型読取ヘッド16のサイズ及び構造的複雑性を低減させるために、カードリーダの読取ヘッド16が、磁気ストライプから1つのデータトラックしか(トラック1又は2のいずれかであり両方ではない)読み取ることができない。図7A〜図7Bに、カードをスロット14に順方向及び逆方向に通した場合の、読取ヘッド16によって(従来の読取ヘッドによるトラック1及び2の両方ではなく)磁気ストライプのトラック1から読み取ったデータの波形の例を示す。
【0027】
いくつかの実施形態では、カードリーダ10のハウジング12のサイズ又は厚みが、単一の読取ヘッド16のみを収容するのに足りるように狭く構成される。このような設計は、たとえハウジング12が改ざんを受けた場合でも、カードリーダ10に追加の回路を加えることができず、このような改ざんによってカードリーダが機能しなくなるように、改ざん防止を意図するものである。
【0028】
図6A〜図6Cの例では、バネ構造20は、ネジを使用せずに読取ヘッド16に装着されて、読取ヘッドをカードリーダ10のハウジング12に懸架されるようにする可撓性のバネである。ここでは、バネ20を、ネジを介してハウジング12に接続することもでき、或いはネジを全く使用せずにプラスチックハウジング12に溶接することもできる。カードが小型カードリーダの読取ヘッド16を通過する際、カードの曲がり又は位置ずれによって読取ヘッドが磁気ストライプと接触しなくなる場合がある。バネ20は、懸架された読取ヘッド16を、通されるカードのストライプに追従するための接触圧を維持しながら旋回できるようにする。バネ20は、小型カードリーダ10内に収まるほど十分に小型でありながら、ストライプ中に良好な接触を維持するほど十分に強力であるように設計される。従来のバネ構造とは異なり、バネ20は、読取ヘッド20のための支持部をバネの全体形状の内部に位置付け、これにより一方の支持部を可動構成にする必要なくバネが屈曲できるようになる。
【0029】
図8は、小型携帯用カードリーダを通じて磁気ストライプ付きカードの読取を支援する処理例のフロー図である。この図には、例示を目的として機能ステップを特定の順序で示しているが、この処理は、いずれの特定のステップの順序又は配列にも限定されるものではない。当業者であれば、この図に示す様々なステップを、様々な方法で省略し、再配列し、組み合わせ、及び/又は適合させることができると理解するであろう。
【0030】
図8の例では、フロー図800がステップ802から開始し、ここで小型カードリーダを、カードの読取中に読取ヘッドと磁気ストライプを十分に接触させるように構成する。フロー図800はブロック804へ進み、小型カードリーダのスロットに磁気ストライプ付きカードを通す。フロー図800はブロック806へ進み、磁気ストライプに記憶されたデータを読取ヘッドが確実に読み取り、磁気ストライプ内に記憶されたデータを示すアナログ信号又は波形を生成する。フロー図800はブロック808へ進み、読取ヘッドの内部回路によって波形の振幅を設定する。フロー図800はブロック810で終了し、この設定した波形を、小型カードリーダに接続されたモバイル装置100に信号プラグ18を介して提供する。
【0031】
受動ID回路
いくつかの実施形態では、カードリーダ10のハウジング12が、信号プラグ18を介してモバイル装置100により給電される受動ID回路22をさらに封入することができ、この受動ID回路22は、カードリーダがモバイル装置に接続(及び起動)されたときに一度だけ、カードリーダの一意のIDをモバイル装置100に配信する。これらは両方とも同じハウジング12内に統合されるが、受動ID回路22は、上述した読取ヘッドのカード読取機能に干渉することなく、読取ヘッド18とは関係なく単独で機能する。
【0032】
図9に、カードリーダに組み込まれた受動ID回路の概略図の例を示す。図9の例では、受動ID回路22が、一意のIDストレージ24、この一意のIDストレージ24から一意のIDを読み取って送信する通信サブシステム26、電力を供給してモバイル装置100との通信を可能にする電力サブシステム28、回路を通じて信号プラグ18に信号を送るための経路サブシステム30、及び異なるシステム間の通信を調整するための制御ユニット32という少なくとも5つのメインサブシステム/構成要素を含むことができる。これらのサブシステムは、全てハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実現することができる。通信サブシステム26、電力サブシステム28、及び読取ヘッド16は、モバイル装置に接続するための同じ信号プラグ18を共有する。この図に示す構成要素は、任意に組み合わせることもでき、或いは別個のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェア構成要素に分割することもできる。
【0033】
図9の例では、一意のIDストレージ24は、カードリーダの一意のIDを含むメモリである。一意のIDストレージ24は、通信サブシステム26がアクセスできるバイトを含むいずれの永久メモリであってもよい。
【0034】
図9の例では、電力サブシステム28は、デジタル回路を利用して電源の電圧をより高いレベルに人為的に引き上げる修正電荷ポンプを含む。通常の電荷ポンプの動作には大電流が必要であり、この電流が複数のコンデンサへ送られ、スイッチング論理が、直列構成と並列構成の間でコンデンサを切り換える。図10の例では、モバイル装置により供給される、接続された構成要素を検出するためのバイアス電圧が電源となる。この電圧は公称1.5Vであり、2kΩ抵抗器を介して供給され、結果として750μAの最大電流を生じる。電力サブシステム28がどのように機能するかの詳細については図11で説明する。
【0035】
標準動作では、経路サブシステム30が、モバイル装置100のバイアス電圧を電力サブシステム28へ向けるように構成される。電力サブシステムがバイアス電圧をシステム電圧に変換した後に、制御ユニット32が動作できるようになる。制御ユニット32は、経路サブシステム30を、通信サブシステム26がモバイル装置100にアクセスできるようにするよう構成する。通信サブシステム26は、一意のIDストレージ24からの一意のIDを中継する。その後、制御ユニット32は、経路サブシステム30を、カードリーダ回路16がモバイル装置100にアクセスできるようにするよう構成する。
【0036】
図10には、受動ID回路22の、ユーザ体験に寄与する追加要素を含む概略図の例を示している。これらの追加システムは、動力サイクル中にカードリーダ10が切断されたことをモバイル装置100が気付かないようにする。これらの追加システムは、一意のIDストレージ24から送信された一意のIDが設計者の指示通りに送信されることも確実にする。この追加の機能セットは、装置を動力サイクルに入れるための放電サブシステム34、モバイル装置100が切断に気付かないようにする偽装負荷36、及び動力サイクル間のカードリーダ10の挙動を管理するためのモニタシステム38を含む。
【0037】
図10の例では、通信サブシステム26が、制御ユニット32と一意のIDストレージ24に接続された信号ドライバを含む。モバイル装置100へIDを1回だけ送信するシステムの非限定的な実施形態では、制御ユニット32が起動した後に、通信サブシステム26が、モニタサブシステム38の状態ビットをチェックする。この処理を初めて行う場合、状態ビットは設定されていない。状態ビットが設定されていない場合、直ちにIDが送信される。図12に、この処理の非限定的な例の詳細なフロー図を示す。1つの実施形態では、制御ユニット32が、モニタサブシステム38の状態ビットに書き込みを行う。次に、制御ユニット32は、放電システム34を使用して制御ユニット32自体をリセットする。この時間中、経路サブシステム30は、信号経路を偽装負荷へけて、モバイル装置100がカードリーダ10との切断を検知しないようにするよう構成される。電力サブシステム28がその動力サイクルを完了すると、制御ユニット32が状態ビットを読み取る。制御ユニット32は、状態ビットがクリアされているのを確認すると、信号経路をカードリーダ回路16に向けるように経路サブシステム30を構成する。次に、制御ユニット32は、システムを極めて低い電力状態(以下、スリープ状態と呼ぶ)に入れる。モニタリングサブシステム38のみがアクティブのまま残る。モニタサブシステム38は、動力サイクル前のある時点(実施構成に依存する時点)でシステムをスリープ状態から起こす。制御ユニット32は、モニタリングサブシステム38によりシステムが覚醒した通知を受ける。すると、制御ユニット32は、リーダが接続されたままであることを示す電圧が偽装負荷上で検出された場合にのみ、モニタサブシステム38上の状態ビットを設定する。その後、制御ユニットは、動力サイクルを強制する。
【0038】
図11に、図10に示す受動ID回路22の実施構成例を示す。いくつかの実施形態では、電力サブシステム28が、複数のコンデンサを並列に有する。(ツェナーダイオードなどの)電圧ブレーカ及びラッチを使用して、並列構成と直列構成の間の遷移を誘発する。ラッチのスイッチが入ると、電力サブシステム28は、結合電圧が約4VのCMOSトリガゲート電圧よりも下がるまで直列構成に留まる。このとき、受動ID回路22がリセットされ、再び一意のIDの配信処理が開始する。
【0039】
図11の例では、経路サブシステム30が、制御ユニット32により制御される、受動ID回路22の様々なサブシステムを切り換えるための複数のラッチを含む。受動ID回路22が動作中の場合、デフォルト構成により、信号プラグ18を介して電力サブシステム28の修正電荷ポンプに出力信号が割り当てられる。修正電荷ポンプ28をオフにするためのラッチが始動した後、制御ユニット32は、信号プラグ18を読取ヘッド16から通信サブシステム26に経路指定し、一意のIDストレージ24内の状態ビットをチェックした後に信号プラグ18を介して一意のIDを送信する。その後、経路サブシステム30は、一意のIDストレージ24の状態ビットに書き込みを行って電力サブシステム28を放電する。図12は、受動ID回路22を介してモバイル装置100に一意のIDを配信する処理例のフロー図である。
【0040】
いくつかの実施形態では、受動ID回路22が、図13に示すような、カードリーダ10の一意のIDを暗号化及び解読するための追加の暗号化及び/又は解読システムをさらに含むことができる。図13の例では、復号システム42及び暗号化システム40が、いずれも受動ID回路22から制御ユニット32を使用して、通信サブシステム26を介してモバイル装置100と通信することができる。
【0041】
信号復号
カードリーダ10が、取り付けられたモバイル装置100に設定波形を提供すると、モバイル装置内部のマイクロプロセッサを介して実行される復号エンジン110が、着信信号(波形)を増幅し、サンプリングして、デジタル値又はサンプルのストリームに変換することができる。ここでは、復号エンジン110が、以下で説明するような、着信信号を復号して処理するためのソフトウェア復号処理のパイプライン(復号器)を含むことができ、カード読取のエラー率を低下させるために、このパイプライン内の各ソフトウェア処理を、読み取るトラックデータの様々な密度に対応するように入れ替え及び置き換えすることができる。着信信号は、カードの磁気ストライプの単一の及び/又は低密度のトラックから読み取ったデータが低品質であること、モバイル装置のマイク入力ソケットのサンプリング速度に限度があること、及びカードリーダ10からモバイル装置100内にノイズが導入されることの1又はそれ以上に起因して、品質が低い場合がある。図14は、小型携帯用カードリーダに磁気ストライプ付きカードを通すことによって着信する信号の復号を支援する処理例のフロー図である。
【0042】
図14の例では、フロー図1400がブロック1402から開始し、ここで復号エンジン110が、システム電圧が定常状態に達するのを待つことにより、復号エンジン110の内部状態を初期化する。カードリーダを最初に接続したときには、通常、わずかなインピーダンス不整合、及び読取ヘッドなどの非線形要素の存在によって生じるフィードバックに起因して信号のバーストが存在する。少なくとも3時定数後、信号が定常状態にあると判断される。モバイル装置が信号プラグ18を通じて最初にカードリーダに接続された場合、このような初期化段階中に着信信号のDCオフセットが算出される。いくつかの実施形態では、少なくとも以下のステップを通じて初期化が行われる。
1.音声信号の1つのシステムバッファを取り、このバッファのDCオフセットを算出する。
2.算出したDCオフセットを保存する。
3.最後の3つのDCオフセットの平均値を算出する。
4.ステップ3で算出した平均値と現在のDCオフセットの相違を算出する。
【0043】
以下に示す値は、復号システムの性能に最適であることが判明したものである。これらの値は、当業者がこの処理を再現できるように全てを開示するという思いでここに示すものである。本明細書において、及びハードウェアの実施構成に応じて、他の多くの値も使用できることが十分に理解される。ここでの値は、非限定的であることを意図するものである。ステップ4で算出した相違が相違閾値、すなわちフルスケールの0.06%未満である場合、又はオフセットパーセンテージ、すなわちステップ3で算出したオフセット平均値の10%未満である場合、及びステップ1で算出したDCオフセットがモバイル装置100のノイズ上限、すなわちフルスケールの3%未満である場合、復号エンジン110は、初期化の完了後に着信信号を処理してカードの読取を検出することができる。それ以外の場合、ステップ1〜4を繰り返す必要がある。
【0044】
フロー図1400はブロック1404へ進み、着信信号が定常状態になると、復号エンジン110がカード読取を検出する。この信号検出段階では、カードがカードリーダに通されたことを検出するために、定常状態の着信信号を処理する。この信号検出段階は、ほぼリアルタイムで動作する軽量手順である。この段階では、着信信号を素早く解析し、信号の複数のシステムバッファをまとめて関心信号を形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも以下のステップを通じて信号検出処理が行われる。
1.着信信号のシステムバッファのソフトウェアアップスケールを適用する。
2.着信信号のバッファを取ることを開始し、実験的に見出されるハードウェアベースのパラメータ化である最小信号振幅閾値を超えるポイントを探す。
3.閾値を超える単一のポイントが検出されると、カードの読取の検出をトリガするフラグを設定する。
4.フラグがトリガされると、着信信号が10msなどの特定の時間にわたって最小信号振幅閾値よりも下がるまで、この信号を大きなバッファに付加する。
5.後で処理する信号データの量を減少させるために、データの最後の10msを削除する。
6.後で復号するための十分な情報が存在することを確認するために、バッファ内に少なくとも特定数のサンプルが収集されたかどうかをチェックする。使用するモバイル装置のハードウェアに基づいて、この数をパラメータ化する。
【0045】
或いは、ハードウェアに依存しない読取検出処理を利用して、高速フーリエ変換(FFT)を通じて関心信号を取り込むと同時に、信号の前後を削除することができる。このような処理は、少なくとも以下のステップを含む。
1.着信信号のシステムバッファを取り出し、特定数の信号履歴のバッファを保持する。
2.FFTを通じて、保持されている信号履歴の頻度分布を算出する。
3.ヒストグラム内の2つの最大値の位置を特定し、一方の最大値が他方の最大値の2倍の頻度で存在するかどうかをチェックする。この条件が満たされた場合、このような挙動を示す履歴のバッファを追加し続ける。
4.このような挙動が中断したら、2つの最大値の次の最大値からの最も大きな振幅と定義されるSNRが最大になるまでバッファ内の信号の最初と最後から信号の削除を開始する。
【0046】
カード読取の存在が検出されると、フロー図1400はブロック1406へ進み、復号エンジン110が着信信号内のピークを識別する。ピーク検出は、クレジットカードの読取から着信する信号を復号する上で最も複雑な部分であり、多くのモバイル装置メーカーは、着信信号を音声ベースと仮定しているので、従来はTRSプラグを通じて入ってくる信号のような重くフィルタ処理された信号に対してクレジットカード読取の復号は行われていなかった。この結果、ピーク検出で考慮しなければならない信号フィルタリングは広範囲にわたる。着信信号のピーク検出を様々な方法で行うために、以下で説明する様々なピーク検出方法をマイクロプロセッサによって利用することができ、これらは全て、低質なデータ読取、モバイル装置のサンプリング速度限界、及びモバイル装置に導入されるノイズを克服するために、基本的な移動平均ローパスフィルタを適用して高周波ノイズの一部を取り除く。
【0047】
反応ピーク検出
反応ピーク検出は、経験則に基づくピーク検出法であり、カード読取から着信する信号がモバイル装置のフィルタ回路によって過度に歪まない状況に良く適している。この方法は、少なくとも以下のステップを利用して信号ピークを検出する。
1.モバイル装置のハードウェアに依存する周囲騒音値を含む適応的な正の及び適応的な負の閾値を導入する。これらの閾値は、最初のピーク検出に使用される。
2.サンプルバッファの処理、及びバッファ内の各サンプルの処理を開始する。
3.負又は正の閾値のいずれかを超えた場合、2回目に超えられた閾値にヒステリシス係数を適用する場合を除き、閾値が再び超えられるのを待つ。ヒステリシス係数は、この方法を、プラットフォームハードウェアの(単複の)アクティブフィルタに関連する着信信号内の共鳴に耐えるようにする上で重要である。
4.閾値を超える2つのサンプルを確立したら、この時間枠内の勾配変化を探し始める。
5.複数の勾配変化が発見された場合、2つのサンプルの中点を算出する。
6.唯一の勾配変化が検出された場合、
a.勾配変化の最大点を選び出す。
b.このピークの振幅を、以前に発見されたピークの振幅(これが確立している場合)と比較する。
c.現在のピークの振幅が、以前のピークの振幅の(([フルスケール]−[現在のピーク振幅])/([フルスケール]*100)+100)%よりも大きい場合、このピークをスキップして先へ進む。
7.上記のステップでピークがスキップされなかった場合、このピークの極性を以前のピークの極性に照らしてチェックする。
a.このピークの極性が以前のピークの極性と同じである場合、以前のピークを削除して、その場所に現在のピークを置く。
b.現在のピークの極性が変化している場合、現在のピークを単純にピークのリストに追加する。このステップは、この方法を共鳴に耐えるようにするための別の重要な要素である。
8.ピークの発見時には、対応する極性の適応的閾値を、この発見したピークの極性として更新し、振幅を、このピーク振幅のパーセンテージとなるように更新する。ここでは、パーセンテージの値が高い方がピークをより正確に検出するもののノイズに対する耐性はなく、値が低い方がノイズに対する耐性はあるものの共鳴に関連する誤ったピークを拾う可能性があるので、パーセンテージは、使用する検出方法によって変化するパラメータである。
【0048】
予測ピーク検出
予測ピーク検出は、重い処理を復号のデジタル化段階に委ねる。予測ピーク検出は、着信信号内に品の低い又は偽のピーク情報を示すことがあるカードの傷に対する耐性が高い。この方法は、多くのピークを記憶するので、反応ピーク検出方法よりもメモリ集約的である。この方法は、少なくとも以下のステップを利用して信号ピークを検出する。
1.モバイル装置のハードウェアに依存する周囲騒音値を含む正の及び適応的な負の閾値を導入する。
2.サンプルバッファを検討し始める。バッファ内の各サンプルに対し、
3.正の又は負の閾値のいずれかを超えた場合、勾配が変化するのを待ち始める。
4.勾配が変化した場合、現在のサンプルをピークとして記憶する。
【0049】
最大ピーク検出
最大ピーク検出は、デジタルサンプルのウィンドウ内でローカルな最大値及び最小値を探すことによりピークを検出するものである。これらのいずれかがサンプルのウィンドウ端部に存在する場合、この方法は、このウィンドウをスキップし、次のウィンドウに移ってローカルな最大値及び最小値を探す。その後、これらのローカルな最大値及び最小値をピークのリストに記憶する。
【0050】
フロー図1400はブロック1408へ進み、復号エンジン110が、カードをカードリーダに通すことによって読み取られる着信信号のデータを含むトラックを識別する。従来、トラック1及びトラック2は、カードリーダの読取ヘッド上の異なるピンで読まれていたため、どのトラックが読まれているかを推測する必要はなかった。カードリーダの読取ヘッド16は、磁気ストライプから1つのデータトラックしか読み取ることができないので、トラックの識別は重要な問題となる。このトラック識別処理は、各トラックからの信号に対して予測されるピーク範囲を推測することにより、カードリーダが読み取るデータを含むトラック(トラック1又はトラック2)を推測して認識すべくピークを検出した後に、検出エンジン110により実行される。トラック1は、トラック2よりもデータの密度が高いことが分かっているので、トラック1からのデータではより多くのピークが識別されると予想することが妥当である。この処理は最終的な推測ではないが、試験において本明細書で説明するピーク検出アルゴリズムと結びつけた場合、99.9%の正確なトラック値をもたらす。或いは、トラック推測は、復号のデジタル化段階後のデジタル信号内に見出されるビット数に基づくことができる。(トラック識別は、デジタル信号からのビットをどのようにして構成し、文字セットに一致させるかに影響を与えるので)誤ったトラックを推測したせいで復号器がうまく機能しない場合、この復号器は、別のトラックタイプを単純に選択することができるが、カード処理はよりプロセッサ集約的になる。
【0051】
フロー図1400はブロック1410へ進み、復号エンジン110が、識別された着信信号内のピークをビットにデジタル化する。このデジタル化処理は、所与のピーク情報を取ってこれらをバイナリデータに変え、これらをデジタルビットのアレイに付加する。デジタイザには、反応デジタル化及び予測デジタル化の2つの種類がある。
【0052】
反応デジタル化
反応デジタル化は、所与のピーク情報を事実として解釈し、これらを以下のステップで1及び0に変換しようと試みる。
1.全てのピーク情報を検討する。各ピークに対し、
2.個々の隣接するピーク対間の距離を識別する。
3.これらの距離が(互いに等距離にある一連のピークを発見するためのパラメータなどに基づいて)類似する場合、1及び0を探し始める。クレジットカードは、信号の前後にゼロが埋め込まれているので、最初のピークは常にゼロを示す。
4.等距離にあるピークが発見されたら、ビットとほぼ同じサンプルの数であるピーク間のサンプル数を識別する。
5.現在のピークと次のピークの間のサンプル数を調べる。
6.現在のピークと、次のピーク後のピークとの間のサンプル数を調べる。
7.ステップ5及び6から得られた結果をステップ4から得られた値と比較する。
a.ステップ5から得られた結果の方がステップ4から得られた値に近い場合、発見したビットを0として識別する。
b.ステップ6から得られた結果の方が近い場合、発見されたビットを1として識別する。
c.タイブレーク:距離が等しく、次の2つのピーク振幅が現在のピーク振幅よりも小さい場合、発見されたビットを1として識別する。そうでない場合、発見されたビットを0として識別する。
8.ピークを判定したら、発見されたピークに基づいてビット長を更新し、すなわち発見されたピークが0であった場合にはステップ5の値で更新を行い、そうでない場合にはステップ6の値を使用する。
【0053】
予測デジタル化
検出された着信信号内のピークの予測デジタル化では、ピークのリストを事実として処理しない。この処理では、最初にビット長を発見し、次にピークリスト内の次の関連ピークが存在するはずのポイントを求める。この位置に達すると、最も近いピークの位置の前後を探索する。次に、この処理は、以前の調査したピークに照らしてこのピークの極性をチェックする。極性が同じである場合、発見されたビットを1として識別する。そうでない場合、0として識別する。このピークリストをデジタル化する方法は、無関係と思われるあらゆる情報を単純に無視する点で有効である。
【0054】
フロー図1400はブロック1412で終了し、ここで復号エンジン110が、デジタル化ビットのアレイをカード情報の言葉に変換する。この変換処理では、アレイ内の始め符号であるビットシーケンスの位置を特定する。この時点で、ビットのフレーム(トラック2は5ビット、トラック1は7ビットなど)を取り、符号テーブルに基づいてこれらを復号する。その後、この処理は、最後に常にパリティ及びLRCをチェックしてデータが正確であることを確実にする。パリティ、LRC、又はトラック長にエラーがある場合、ブロック1406〜1412を異なるパラメータセットで繰り返して正確な信号データを取得することができる。
【0055】
カード読取が開始すると、復号エンジン110は、カードリーダ10により生成されたアナログ入力信号の質の様々な範囲の劣化を防ぐために、上述した様々なピーク検出器とデジタイザを組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、モバイル装置のハードウェアプラットフォームに応じて、異なる処理の組み合わせ及びパラメータを選択して最適化することができる。これらの組み合わせ及びパラメータ値は、実験及び試験に基づいて予め決定し、復号処理の開始時に初期化することができる。その後、指定した全ての処理を通じて一通り復号を行い、正確な信号を取得するためにいくつかの特定の処理を複数回実行する。このような復号処理により、個々の実行中の自動スケーリング及び調整が、異なる量のノイズ、サンプリング速度の変動、信号共鳴、及び読取方向を考慮に入れることができるようになる。
【0056】
情報共有を行わないカード提示取引
図1の例では、ユーザインタラクションエンジン120は、支払人(買い手)と商店主が取引エンジン130とやりとりして金融取引を完了できるようにする、受取人(商店主)が使用するモバイル装置100上で実行されるソフトウェアアプリケーションである。より詳細には、ユーザインタラクションエンジン120は、買い手及び/又は商店主から金融取引に関する情報入力を受け、このような入力を取引エンジンに提供して取引を開始及び完了し、この取引の結果を買い手及び商店主に提示することができる。ここでは、ユーザインタラクションエンジン120が受け入れる情報入力が、以下に限定されるわけではないが、リスト価格及び任意のチップを含む取引金額、購入項目の明細及び/又は画像などの取引に関する付記、買い手の承認及び/又は署名の1又はそれ以上を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、ユーザインタラクションエンジン120が、従来のキーボード以外に、モバイル装置100のタッチ画面を利用して、買い手及び商店主がスタイラス又は指で画面にタッチすることにより、数字、文字、及び署名を入力できるようにすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、ユーザインタラクションエンジン120が、取引結果に加え、商店主が提供する製品又はサービスを、テキスト、画像、音声、及びビデオの1又はそれ以上を組み合わせた形で買い手に提示し、買い手がモバイル装置上で製品及びサービスを閲覧して購入したいものを選択できるようにすることができる。このような製品情報は、製品データベース150に記憶して管理することができる。
【0059】
図1の例では、取引エンジン130が、復号エンジン110から復号済みのクレジットカード情報を、及びユーザインタラクションエンジン120から取引金額を、取引エンジン130の入力として受け取る。次に、取引エンジン130は、このような承認要求を処理する承継銀行などの第三者金融機関にコンタクトし、この金融機関は、カード発行銀行と通信して取引を承認又は拒否することができる。第三者が取引を承認した場合、取引エンジン130は、(買い手などの)カード保有者の口座から引き落とした金額を商店主の口座へ送金し、この取引結果をユーザインタラクションエンジン120に提供して買い手及び商店主に提示できるようにする。このようにして、商店主は、カードリーダ10及びモバイル装置100を介して買い手からの支払いを受け取ることができる。
【0060】
図1の例では、商店主がモバイル装置100を使用するものの、モバイル装置100上で実行される取引エンジン130は、買い手からのカード情報を復号エンジン110から直接受け取ることによってカード提示取引中の買い手/支払人のプライバシーを保護し、このような情報をユーザインタラクションエンジン120を介して商店主と共有することはない。ここでは、商店主と共有されないカード情報として、以下に限定されるわけではないが、カード番号、カード保有者の名前、有効期限、セキュリティコードなどが挙げられる。基本的に、取引エンジン130は、買い手と商店主の間の仲介人としての役割を果たし、これにより通常のカード提示取引又はオンライン取引の場合ように、買い手が自分のカード情報を商店主と共有する必要がなくなる。また、後述するように、買い手は、完了した取引の領収明細を取得することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、取引エンジン130が買い手のカード情報を商店主と共有することはないが、ユーザデータベース140内の記録上にある買い手の画像などの買い手の識別情報を、ユーザインタラクションエンジン120を介して商店主に提示し、商店主がカード提示取引中に買い手の識別情報を正確に確認してクレジット詐欺を防げるようにすることができる。
【0062】
図1の例では、ユーザデータベース140、製品データベース150、及び取引データベース160を使用して、買い手及び商店主の情報、商店主が提供する製品及びサービス、及び行われる取引をそれぞれ記憶することができる。ここでは、オンラインユーザ登録を介して商店主がユーザ情報(名前、電話番号、電子メールなど)を取得して製品情報を提供できる一方で、取引エンジン130によって取引が処理される度に取引データベース160が更新される。必要に応じ、記憶された情報に選択的にアクセスして、これを買い手及び/又は商店主に提供することができる。
【0063】
図1の例では、取引エンジン130が、ネットワーク(図示せず)を介して第三者金融機関、ユーザデータベース140、製品データベース150、及び取引データベース160と通信してやりとりを行う。ここでは、このネットワークを、TCP/IPプロトコルなどの特定の通信プロトコルに基づく通信ネットワークとすることができる。このようなネットワークは、以下に限定されるわけではないが、インターネット、イントラネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、Bluetooth、WiFi、及び移動通信ネットワークとすることができる。ネットワークの物理接続及び通信プロトコルは当業者に周知である。
【0064】
動的領収書
様々な実施形態では、非限定的な例として商店主が使用するモバイル装置100に接続されたカードリーダ10を通じた金融取引の完了時に、モバイル装置100上で実行される取引エンジン130を、取引に関連する追加データを取り込み、この追加データを取引の動的領収書に盛り込むように構成することができ、この動的領収書は、従来の領収書に一般的に含まれる取引情報に加え、取引の付加的な環境情報を含むことができる。非限定的な例では、この金融取引を、インターネットを介して行われる電子取引、或いは買い手/支払人が店頭で、その他の「実店舗」位置で、又は単純に商店主/受取人の立ち合いの下に購入を行うカード提示型店頭取引とすることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、動的領収書に含まれる追加の環境情報が、取引環境に関する情報を含むことができる。1つの非限定的な例では、全地球測位システム(GPS)受信機を備えたモバイル装置を使用して、取引の座標/場所を取り込み、これを動的領収書上に情報の一部として記録することができる。このように、取引エンジン120が店頭の物理的位置(これは商店主/受取人の登録住所とは異なってもよい)を記録して使用し、取引を検証することができる。別の非限定的な例では、カメラ及び/又はオーディオ及び/又はビデオレコーダを備えたモバイル装置を使用して、取引に関する製品又はサービスの写真及び/又はビデオ及び/又は音声記録を取り込み、このようなデータ又はこのようなデータへのリンク/参照を動的領収書に組み入れることができる。別の非限定的な例では、生体認証スキャナ付きのモバイル装置を使用して、買い手/支払人及び/又は商店主/受取人の指紋又は掌紋をスキャンし、このような情報の少なくとも一部を動的領収書に含めることができる。別の非限定的な例では、モバイル装置が、取引に関連する特定の情報を動的領収書に記録することができ、このような情報は、以下に限定されるわけではないが、買い手がカードを通した速さ、カードを通した角度を含む。別の非限定的な例では、カードの磁気指紋とも呼ばれる、通すカードの特別な特徴を動的領収書に記録して含めることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、動的領収書を、電子的に又はオンラインでアクセスできる電子形式とすることができ、取引に関する画像、ビデオ又は音声などのマルチメディア情報を示すリンク又は参照を含めることもできる。
【0067】
いくつかの実施形態では、取引エンジン130が、動的領収書に含まれる環境情報を使用して、取引に関連するリスクを評価することができる。非限定的な例では、GPS情報により、取引が犯罪多発/危険地域で行われていることが示される場合、取引に関連するリスクを適宜調整し、買い手の銀行に適宜通知することができる。或いは、個人情報の盗難及びクレジット詐欺を防ぐための身元証明目的で、スキャンして動的領収書に含めた生体情報を使用することもできる。
【0068】
いくつかの実施形態では、取引エンジン130が、動的領収書を非侵入的に使用して買い手及び/又は商店主と通信することができる。非限定的な例では、動的領収書に含まれる追加情報を使用して買い手にオファーを行うことができる。動的領収書が取引店頭のGPS位置を含む場合、買い手が領収書をオンラインで電子的に見ることを選択したときに、近所でベンダーが行っているクーポン又はその他の宣伝のオファーを買い手に提示することができる。或いは、取引に関する特定の製品を、製品説明を通じて直接的に、又は受け取った画像又はビデオを分析することにより間接的に識別できる場合、ベンダーが製品の商店主に同様の又は補足的な製品のオファーを行うことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、取引エンジン130が、以下に限定されるわけではないが、電子メールメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、ツイッター、又は他の形の電子通信とすることができる電子メッセージを介して買い手及び/又は商店主に受け取りを通知することができる。その後、この電子メッセージの受信者は、ユーザデータベース140内のユーザの記録上の電話番号を通じてユーザの都合の良いときに完全な動的領収明細を検索して、取引データベース160に記憶されたユーザの電子領収書を取り出すことができる。いくつかの実施形態では、この電子メッセージが、受信者が電子領収書を別の方法としてオンラインで又は電話番号と組み合わせて検索するために使用できるコードなどの指示を含むことができる。
【0070】
図15は、モバイル装置に接続された小型カードリーダを通じて支払人と受取人の間の金融取引を支援する処理例のフロー図である。図15の例では、フロー図1500がブロック1502から開始し、図16Aに示すように、モバイル装置上で起動するインタラクティブユーザアプリケーションを通じて金融取引の金額が示される。フロー図1500はブロック1504へ進み、図16Bに示すように、読取エラーを最小にするように構成された小型カードリーダをモバイル装置に接続する。フロー図1500はブロック1506へ進み、図16Cに示すように、カードをカードリーダに通して金融取引を開始する。フロー図1500はブロック1508へ進み、図16Dに示すように、支払人が、モバイル装置のインタラクティブユーザアプリケーションを通じて署名した署名により、カードに提示された取引金額を確認して取引を完了する。なお、この署名は、取引を認証するために技術的に必要でない場合でも、支払人を保護するための追加の確認層として必要である。フロー図1500はブロック1510へ進み、図16Eに示すように、取引結果が受け取られて支払人及び/又は商店主に提示される。フロー図1500はブロック1512で終了し、ここで図16Fに示すように、取引の電子領収書が電子メッセージの形で支払人に提供される。
【0071】
本主題の様々な実施形態の上述の説明は、例示及び説明目的で提供したものである。この説明は、排他的であること、又は本主題を開示した形に限定することを意図するものではない。当業者には、多くの修正及び変形が明らかであろう。特に、上述したシステム及び方法の実施形態では「構成要素」という概念を使用しているが、このような概念を、クラス、方法、タイプ、インターフェイス、モジュール、オブジェクトモデル、及びその他の好適な概念などの同等の概念と区別なく使用できることが明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を最良に説明することにより、当業者が、本主題、様々な実施形態、及び想定される特定の用途に適した様々な修正を理解できるようにするために選択し説明したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト上で実行される取引エンジンを備えたシステムであって、前記取引エンジンが、動作時に、
金融取引の情報、及び該金融取引に使用されるカード情報を受け付け、
第三者金融機関と通信して前記取引を認証し、
前記取引に関連する追加データを取り込み、
前記取引の、前記取り込んだ追加データを盛り込んだ動的領収書を生成する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ホストがモバイル装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記モバイル装置が、携帯電話機、Apple社のiPhone、iPod、iPad、iTouch、及びGoogle社のAndroid装置のうちの1つである、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記金融取引が、インターネットを介して行われる電子取引、或いは買い手が店頭で、その他の「実店舗」位置で、又は単純に商店主の立ち合いの下に購入を行うカード提示型店頭取引である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記金融取引の情報が、前記取引の金額、前記取引に関する付記、前記買い手の認証及び/又は署名のうちの1又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記カード情報が、カード番号、カード保有者の名前、有効期限、及びセキュリティコードのうちの1又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記動的領収書が、前記取引の環境情報に関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記動的領収書が、全地球測位システム(GPS)受信機を介して取り込んだ前記取引の物理座標/場所を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記取引エンジンが、店頭の物理的位置を記録して使用し、前記取引を検証する、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記取引エンジンが、前記動的領収書に含まれる前記環境情報を使用して、前記取引に関連するリスクを評価する、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記動的領収書が、前記取引に関する製品又はサービスの写真及び/又はビデオ及び/又は音声、或いはこのようなデータへのリンク/参照を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記動的領収書が、買い手及び/又は商店主の指紋又は掌紋を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記動的領収書が、前記取引に関連する特定の情報を含み、このような情報が、買い手がカードを通した速さ、及びカードを通した角度を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記動的領収書が、通されたカードの特別な特徴を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記動的領収書が、電子的に又はオンラインでアクセスできる電子形式である、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記取引エンジンが、個人情報の盗難及びクレジット詐欺を防ぐための身元証明目的で、スキャンして前記動的領収書に含めた生体情報を使用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記取引エンジンが、前記動的領収書を非侵入的に使用して買い手及び/又は商店主と通信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記取引エンジンが、電子メッセージを介して買い手及び/又は商店主に受け取りを通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記電子メッセージが、電子メールメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、ツイッター、又はその他の形の電子通信のうちの1つである、
ことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記電子メッセージの受信者が、完全な動的領収明細を電話番号を通じてオンラインで取り出す、
ことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記電子メッセージが、該電子メッセージの受信者が、前記電子領収書を別の方法としてオンラインで又は電話番号と組み合わせて検索するために使用できる指示を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項22】
金融取引の情報、及び該金融取引に使用されるカード情報を受け付けるステップと、
第三者金融機関と通信して前記取引を認証するステップと、
前記取引に関連する追加データを取り込むステップと、
前記取引の、前記取り込んだ追加データを盛り込んだ動的領収書を生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記動的領収書に含まれる店頭の物理的位置を記録し使用して前記取引を検証するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記動的領収書に含まれる環境情報を使用して、前記取引に関連するリスクを評価するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
個人情報の盗難及びクレジット詐欺を防ぐための身元証明目的で、スキャンして前記動的領収書に含めた生体情報を使用するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
電子メッセージを介して買い手及び/又は商店主に受け取りを通知するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
完全な動的領収明細を電話番号を通じてオンラインで取り出すステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記電子領収書を、別の方法として前記電子メッセージに含まれる指示を使用してオンラインで又は電話番号と組み合わせて取り出すステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【公表番号】特表2013−507720(P2013−507720A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534322(P2012−534322)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/052499
【国際公開番号】WO2011/047042
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
【出願人】(512096780)スクエア インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】