説明

環境熱エネルギーを有用なエネルギーに変換するよう設計された装置

本発明は、所与の環境内で利用可能な熱エネルギーを有用なエネルギー変換する装置および装置を運用する方法に関連する。加圧流体の熱いおよび冷たいカラムの間の圧力差による装置および方法は、回転要素を駆動する流体の連続的な流れを作り、回転エネルギーが有用エネルギーに変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所与の環境において利用可能な熱エネルギーを有用なエネルギーに変換するよう設計された装置に関連する。本発明はまた、所与の環境において利用可能な熱エネルギーを有用なエネルギーに変換するこのような装置を運用する方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明による装置は、請求項1に明示される。他の実施形態は、請求項2〜4によって明示される。
【0003】
本発明による装置の運用方法は、請求項5〜8によって明示される。
【0004】
後述されるように、方法および装置は、空洞内にて媒介として加圧流体を使用し、エネルギーを周囲環境から受け入れ、かつ有用な形に変換されるように通過させる。遠心状態に配置された流体は、少なくともプロセスの一部で気体の状態であり、蓄えられたエネルギーの一部が変換および有益な利用のために外へ通り過ぎる。
【0005】
各サイクルにおいて、サイクルの初めにシステムの流体の質量mの一部が、初期位置に戻るためにシステム全体の指定された流路を通過し、システムの外で仕事をするというエネルギー出力の損失により流体が冷やされ、周囲環境から受け取った熱によって再び温められ、周囲の冷却をもたらすというプロセスが1サイクルである。
【0006】
方法および装置の寸法およびエネルギー生産レベルの範囲は非常に小さいものから非常に大きいものまであり、したがって利用環境および多様性が拡張される。さらに方法および装置は、特に選択された各利用方法に採用されたさまざまな形に構成されることができる。
【0007】
この理由により、本願に示される材料、構造、寸法、構成品および構成は、方法および装置の実施に必要な要件を代表するものであり、絶対に必要なものではない。詳細は、実際の方法および装置の妥当性を示すのに十分な実体を一例として提供する。
【0008】
装置および方法の発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態の内部ローターの軸断面図である。
【図2】装置全体の概略軸断面図である。
【図3】内部ローターの斜視図である。
【図4】装置の部分的な概略斜視図である。
【図5】装置の部分的な概略断面図である。
【図6】スカート状封止部の斜視図である。
【図7】制御モーターを有するスカート状封止部の正面図である。
【図8】摺動電気コネクタの部分的な斜視図である。
【図9】プロペラ−発電機−負荷接続の概略図である。
【図10】本発明の第2実施形態の内部ローターおよび外殻の軸断面図である。
【図11】より冷たい/温かい環境領域への実際の接続の概略例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
装置は、3つの主な要素から作られている:
− 以降はIRとも呼ばれる内部ローター、
− 追加的なケース有する/有しない、以降OSとも呼ばれる外殻、
− 様々な外部ユニットを表す外部ユニットであって、本願の目的である装置および方法を有する大きな組立体の一部は構成品である、外部ユニット、
である。外部装置は、電気負荷、監視、および制御構成品を含み、以降同様にEUと呼ぶ。内部ローターIRは、真空によって隔てられているOSの内側の回転構造であり、2つの支持面19,38(図1)にてOSによって支持される。
【0011】
IRの主構造は、一方が他方の内側にある、3つの部品から作られており、共通の回転軸周りに互いに固定されている。IRの外皮を構成する外筒1は、中空の閉じた筒体である。これは、通常アルミニウムまたは鋼鉄などの金属である熱伝導性の材料から作られており、それ自体とOSとの間の真空引状態に対し、空洞4,5,6内部の流体によって加えられる圧力に耐えられるように十分厚い。
【0012】
OSから来て真空を通り、空洞4,5(空洞6は熱的に絶縁されている)に位置する流体の中を通り抜ける熱放射を受け入れるように、外筒1の電磁吸収/相互作用反応(以降は「色」)は、電磁放射の最も広いスペクトルのより多くの吸収を可能な限り許容する。
【0013】
外筒1の周囲において、その外側には、同じ材料および色の円形の熱交換フィン23が固定され、かつ熱伝導性の方法にて外筒1に固定されている。外筒1の表面およびその軸に対して垂直のこれらのフィンの役割は、OSの放射された電磁エネルギーが通過する交換領域を増加させることであり、従って、熱エネルギー源として可能な限り効果的で、最小の障害、かつ最小の屈折方法にて、OS周囲からの熱エネルギーが最終的に非絶縁空洞4,5に位置する流体に運ばれることを可能にしている。
【0014】
これらのフィン23の反対側に、外筒1の内表面に取り付けられたのは、表面に垂直かつ軸に平行な熱交換フィン21である。これらのフィンは、外筒1の長さに沿って存在し、その基底の中心に向けて集まるような方法で流体内部に浸かっており、通常運転中に空洞4および5の底部から底部へ流れる流体が可能な限り流れの抵抗が小さい状態になる。空洞4,5内の流体の流れパターンに平行なこれらのフィン21は、外筒1と同じ材料、同じ色で作られ、かつ熱伝導性の方法によって取り付けられている。これらの目的は、外筒1と内部の流体との間の熱交換面積を増加させることである。
【0015】
外筒(1)の軸を中心とし、外殻の支持面19に固定されたスリーブ20に取り付けられたローター18を有する電気モーター17が非絶縁底部に取り付けられる。
【0016】
この電気モーターは、OSに対してIRを回転させること、絶対的には遠心機として作用することが目的である。(摩擦および電気抵抗損失による)内部の熱損失が可能な限り効率的に空洞5内部の流体に戻ることができるように、モーター17は、熱伝導性の方法により外筒1に取り付けられる。
【0017】
スリーブ20は、膨張/収縮に関する温度変化を許容するように軸に沿って動くことができるが、その内部のローター18の回転を許容しない。ローターが回転を生成するのに反力が必要であるためである。
【0018】
外筒1の他方の底部の上に、かつ平行に、支持棒34が軸に固定されている。支持棒34は、軸受け37の内側で保持され、軸受けは最小の摩擦の自由回転運動を許容するが、軸に沿った動きを許容しない方法にてOSの支持面38に固定されている。中空の支持棒34の周りに電気的に絶縁された筒体45が固定され、支持棒34が貫通している。この筒体45は、その表面に配置されたいくつかの円形の導電性トラック47を有する。これらの各トラックは、外筒1の内側と外側との間の任意の流れを密封するような方法にて、支持棒34を通り外筒1へ向かっている絶縁導体に電気的に接続されている。
【0019】
また中空の、電気的な絶縁材料で作られている第2筒体35は筒体45の周りに配置され、かつ支持/導体通路密封チャネル36によりOSの上に固定されている。この筒体35の内側には、電気伝導性のブラシ46が固定され、ブラシはそれぞれ対応する伝導環に対して押しつけられている。これにより、IRがOSの内側で回転すると、環に接続されたIRからの伝導ケーブルと、ブラシに接続された電気導体との間の電気伝導性が連続的に維持される。伝導率を向上するために、いくつかの電気的に接続されたブラシが各環に対して押しつけられるように割り当てられてもよい。
【0020】
各ブラシ(または同じ環に対して割り当てられたブラシグループ)は、チャネル36を通りOSの外側に向かう1つの電気導体(絶縁されている)に電気的に接続されている。これにより、流体の流れの密封状態を維持しながら、(典型的な電気モーター/オルタネータの電力供給に相当する)回転状態であっても各ケーブルについてOSの外側とIRの内側との間の連続的な電気の伝導が達成される。
【0021】
この摺動接続により、3つのタイプの電流、電力、監視信号、および後述する制御信号の通過が可能となる。装置の費用、寸法、複雑さに応じて、電磁結合または伝播などの電力および/または信号送信の他の形を利用することができる。
【0022】
空洞6に近い外筒1の2つの底部のうちの一方の上に、2つの弁32および33が取り付けられている。弁32は、流体がIRの空洞6へ流れることはできるが、流体が外へ流れることができない一方向の逆止弁である。通常運転中にIRの空洞が加圧下の流体によって満たされ、かつIRおよびOSの間の、IRの外側の間隙が実質的に真空となるように、弁は通常閉じられている。弁33は、手動の二方向弁であり、通常閉じられている。弁32は、OSおよびIRの間の間隙を加圧することにより、流体があるIRの空洞の加圧に使用することができ、したがってIR内部の圧力を失うことなく流体を間隙から排出することができる。そうする必要に応じて、バルブ33により、IR内部の圧力を手動で加圧/解放することができる。実際の装置において徐々におこる圧力損失および真空の低下を回避するために、これらの弁は、溶接されたカバーパッチにより置換される/覆われることができる。
【0023】
外筒1の各底部の軸点において、錐体状構造の錐体8,9が固定されている。各錐体は、その底部が外筒1の底部に熱伝導性の方法にて、外筒1と共通の軸を有して固定されている。これら錐体の主な機能は、空洞5,6に通じる(周囲に沿って存在する)空洞4および中央空洞7の間の流体の流れを促進し、乱流が最小となる可能な限りの滑らかな層状の流れを促進することである。これらの流れ錐体は、完全な錐体ではなく、流れ方向を滑らかに変化させるために、底部と頂点とを接続するそれらの壁は、側面から見ると、直線というよりも放物線の形状である。これらの流れ錐体は、外筒1と同じ材料から作られる。流れ錐体8には、その軸上にあり、かつ内部に支持構造11を堅く保持しているスリーブ16が固定されている。流れ錐体9は、支持部10に固定される。支持構造10および11は、棒構造であり、それぞれは、互いに60度の角度で取り付けられ、かつそれらの逆端部の周りが内筒3の周囲に取り付けられている6本の等しい長さの棒から作られている。各支持構造10,11において、外筒1の軸上に位置する追加的な棒が中央にて接続されている。この棒は、それぞれの支持構造を流れ錐体9、および空洞5内の流れ錐体8に取り付けられたスリーブ16内部に固定する。
【0024】
これら2つの棒ベースの支持構造は、IRの3つの主な部品、外筒1、中間筒2、および内筒3を接続する機能を有する。これにより、これらが共通の軸を持つことができ、かつ空洞4,5,6,7に存在する流体が支持部10および11から最小の流れ抵抗にて流れることができる。中間筒2は、外筒1と同じ材料および色の筒状の閉じた構造であり、2つの平行な底部を有する閉じた中空の筒状構造を形成している。中間筒2は、外筒1と同じ軸を有し、かつ軸点周りの2つの底部が、それぞれ流れ錐体9の頂点に堅く取り付けられ、スリーブ16内部に固定された支持構造10および11によって外筒の内部に吊り下げられている。
【0025】
中間筒2の内側には、中間筒2と同じ材料および色の筒体である、終端の開口した筒体3が固定されている。内筒3は、中間筒2および外筒1と同じ軸を有し、かつ中間筒2の底部に接続され、中間筒2の底部の一部は、取り除かれた内筒3の底部に重なっている。
【0026】
これら2つの筒体2,3の組み合わせは、その底部を通る中空の管を有する閉じた筒体を作る。中間筒2および内筒3は、密封する方法にて内筒3の周囲で接続され、流体は、(互いに自由に接続された)空洞4,5,6,7および中間筒2の内部の空洞40の間を流れることができない。中間筒2には空洞4および空洞40の圧力平衡を可能にする小さい穴48がある。中間筒2の面、内壁および周囲に、熱的に取り付けられた追加的な熱交換フィン22がある。これらのフィンは、同じ材料および色であり、かつそれぞれ取り付けられた面に垂直である。これらのフィンの形状は、変化させることができ、これらの目的は、熱交換面積を増加させることであり、空洞40の内側の発電機15による電流および摩擦による損失によって生じる熱を収集することができる。
【0027】
発電機のカバー49に配置された熱交換フィン24は、同じ材料、色で作られ、熱を発電機から最大限に除去および回復させるために熱交換面を増加させるものである。フィンのこのシステム(受入フィン22と関連する放射フィン24)は、主な初期の(「初期の」−システムの全てのエネルギー出力を補充する源であるので)OSの外側からの熱エネルギーと共に、空洞4,5を通り流れる流体の再加熱に寄与する。
【0028】
内筒3の内部には、支持棒12によって1列のプロペラ13が固定されている。支持棒12は、空洞7内の流体の流れに対するそれらの抵抗を最小にする形状である。各プロペラの羽根(ブレード)の角度は、羽根の上を流れる流体の仕事出力(速度、密度等のパラメータ)への変換効率を最適化するように、それらの周囲の流体の流れ環境に適合されている。プレペラ13は、通常熱的に絶縁された硬い材料から作られている。1列のプロペラ最小数は、1つであり、最大数はnまで変えることができる。プロペラより前の流れに対する抵抗によって発生したプロペラ周囲の流体の流れの角運動エネルギー成分を回復させるように、各プロペラのスクリュー回転方向は、1つ前と逆である。各プロペラの羽根の長さは、ほぼその周りの自由空洞7の直径である。そこを通る流体の流れによる各プロペラ13の回転が、プロペラに接続された発電機のローターを作動させることができるような方法で、各プロペラはその中心で棒−軸接続14によって各電気発電機15(オルタネータまたはダイナモなどの電気発電機)のローターに接続されている。棒14は、穴43を通り内筒3の外板を貫通する。通常運転において、(空洞5から来て空洞6へ向かう)流体がプロペラ列を通り空洞7内を流れるにつれ、流体の圧力が落ちるため、閉塞しない限り、流体は、穴43、空洞7および空洞40の間を流れる。これを避けるため、いくつかの解決法による形状を使用することができる:穴の形は、実質的に気密、または他の軸に1つの軸が通り1つの穴にすべての軸が通るような形などである。
【0029】
装置に適用された解決法は、熱伝導性の材料および色から作られている個別の密閉封止箱49により各穴−軸−発電機組立体の全領域を覆うことであり、箱は発電機本体に熱的に接続され、かつ上述したように放射フィン24が取り付けられている。これにより、空洞7を空洞40から密閉分離することができ、空洞40は圧力平衡のために、空洞40および他の空洞の間の唯一の流体通過点である穴48を有している。各発電機の出力は、IRの外部へ個別に導かれ、内筒3の壁に沿って固定された絶縁導体、支持棒10、支持棒34、環47、ブラシ46、チャネル36を通りOSの外部へ通じる。これら導体の壁を通じる全ての通路は、流体の流れを密閉するように取り付けられている。
【0030】
この発電機−プロペラ列−軸−カバー箱装置の選択可能な有用な代替形は、プロペラと共に動く(かつ形も)一体部分となるように各発電機のローターをそれぞれのプロペラに固定することであり、周囲の固定子は内筒3の外側に固定される。内筒3を作る材料は、ローターおよび固定子の間の電磁気の相互作用を分断しないように、この代替形に応じて調整される。この代替形は、空洞7および空洞40の間の流体の直接流路がないこと、空洞40の内部に可動部品がないこと等のいくつかの利点を有する。
【0031】
独立したプロペラ−発電機−負荷列に追加の選択的な代替形は、グループのまたは全てのプロペラを同じ発電機−負荷組立体に取り付け、負荷に対する最大限の追加電力出力に寄与するように、(所定の半径比率の歯車を通じて各プロペラを発電機のローターに接続することにより)それぞれのプロペラの形状および回転速度率を調整し、流体の相互作用を調整する。このような調整は、マニュアル試験法によって実行される。この解決法は、費用、重量、空間必要量が減る等のいくつかの利点を有するが、動作条件の広い範囲に適応する柔軟性が乏しくなる場合がある。
【0032】
発電機は、回転による振動、追加の摩擦および材料応力を回避するために、回転軸周りに対称な重量分配を確実にする方法にて空洞7の周りに分布される。同じ原理が全ての装置の要素に適用され、装置全体の質量中心が可能な限り回転軸上に位置するように、必要な場所にカウンターウェイトを追加する。内筒3の2つの各先端において、圧力計52,55;温度計50,53;および流速計51,54の3種類の計測器が固定されている。圧力計および流速計は、(全体の)静圧、動圧およびよどみ点圧力を測定するピトー管などの機器を使用して組み合わせることができる。
【0033】
これらの計測器は全て、測定したパラメータに関するデータを電気信号(電圧、電気抵抗変化、または商業的に容易に利用可能な他の任意の方法)として提供する。信号は、電力出力導体と同じチャネルを通り、摺動接続による専用の環47、ブラシ46連結を通り、OS外部まで出て、この電気データを読み取れる形(または他の利用可能な出力形式)に変換する、EU内の対応する読み取り機器によって読み取られる。IRおよびOS外部への信号の通過は、流体の流れを密閉するチャネルに収容される絶縁導体によってなされる。
【0034】
IRの内部および筒体の間には、通常運転中に(通常気体状態の)流体によって加圧されている空洞がある。内筒3の外部かつ中間筒2の内部の空洞40は、自由空間であり、通気穴48を通した圧力平衡以外は基本的に他の空洞からは分離されている。この空洞の内部は、発電機組立体のカバー箱49があり、内筒3の内部(穴43を通る)および空洞40の間の流体の通過を防いでいる。発電機および内部の流体から空洞4および空洞5の内部の流体への熱エネルギーの移動を改善するために、熱伝導性の材料によって作られている板を密閉して、またはしっかり取り付けることにより、この空洞を分割することができる。さらに、底部の1つから見て断面が円形の底部のこれらの分割板は、流体が軸周りの角運動により移動することを防ぐ。内筒3内部の空洞7は、流体が自由に流れるように、2つの先端を通じて空洞5および6に接続されている。この空洞内の流体は、通常運転中に空洞5からプロペラ列を越えて空洞6へ自由に流れるようになっている。発電機の熱、または空洞40を通る任意の他の熱源の熱による空洞7内部の流体の加熱を最小限に減らすように、内筒3の周壁の内部、この空洞の周囲に、通常ゴム、岩、またはグラスウールから作られた熱的に絶縁された層27が取り付けられている。空洞6は、中間筒2の底部および外筒1(および錐体9)の底部の間の自由空間である。この円筒の空洞は、空洞7および空洞4の間を接続し、流体が自由に流れることができる。この空洞の周囲には、熱の絶縁層25,26が取り付けられ、外筒1の底部および錐体9の内部を覆い、かつ中間筒2の底部の外部を覆う。この絶縁体は、絶縁体27と同じ材料で作られ、かつ壁を通じる熱伝導を妨げる役割を有する。空洞6を通過する流体は、実質的に周囲の温度より低い温度となっており、かつ空洞4に出るまでそのままであるよう要求される。この空洞4は、中間筒2の境界の外部および外筒1の境界の内部の間の空間である。この空洞において、空洞6から空洞5へ流れる流体は、IRの外部からの熱および空洞40の内部からくる熱にさらされる。この空洞内の流体は、低い温度で空洞6から入り、より高い温度で空洞5に出る。空洞5は、中間筒2の底部、および外筒1(および錐体8)の底部の間の自由空間である。この円筒の空洞は、空洞4および空洞7の間を接続し、(通常動作状態において、空洞4から空洞5を経て空洞7へ)流体は自由に流れることができる。流体の流れにおいて相互接続され、かつ中央空洞7に接続された3つの空洞6,4,5は、(軸ラインを通過する)少なくとも1つの理論上の平面によって分割される。この理論上の平面には、空洞内に実際の板が配置され、空洞に対する回転軸周りの角運動によって流体が自由に動くことを防いでいる。これらの板は、空洞5および6内では半径ラインに沿い、かつ空洞4では回転軸に平行に流れるように、空洞内の流体の動きを制限する。これらの板は、流体の流路を(ほぼまたは完全に)密閉し、かつスカート状封止部30(または1連の弁)およびモーター28、支持棒10,11,および錐体9,8などの他の要素を有するようになっている空間には存在しない(分断しないように切り離される)。空洞は、また2つ以上の等しく傾斜した面に位置する板によって分割することができる(1つの底部から見た場合、「パイの一切れ」のように見える)。
【0035】
IR内において、3つの調整可能な弁または封止部があり、それらの2つ41および42には、制御モーター44が装備され、空洞7内に位置している。これら2つの封止部は、円形であり、および開口および閉鎖の2つの端の位置の間で変わることができる。開口位置において、封止部は、これらを通じる流体の流れに対する最小の抵抗形状を有し、かつ閉鎖位置においては、それらを通る流れの流路を密閉封止する。これらの2つの封止部は、OS外部に位置するEUによって互いに独立して制御される。封止部のモーター44は、個別の環47、ブラシ46結合による摺動コネクタを通じて接続された絶縁導体を通じて電力を供給され、かつ作動する。これらの絶縁導体は、環47への経路において密閉封止方法による通過点を通り筒体の壁を通過する。これらの封止部41,42に、類似の機能パラメータを有する任意の適切な商業的に入手可能な封止部を使用することができる。第3の封止部30は、ゴムのスカート状の弾性バンド(以降「ゴムスカート」または「スカート」)から作られ、中間筒2の底部外部の周囲に密閉するように絶縁層26に対して固定されている。ゴムスカートの内部には、一定間隔に弾性力の強い、かつ通常直線の平らな硬いストリップが配置されている(図6)。これらのストリップは、境界の全周にて外筒1の内表面に対して密閉して押すように、ゴムスカートに押し付けられ、円形ガスケット31に対して密閉するように押し付けている。ゴムスカートの周りに、スカート直径制御モーター28のローター29に接続された拡張部(または「歯」)の繰り返しパターンが取り付けられたベルトが固定されている。ローター29にはまた対応する歯が装備され、かつ他の封止部と同じ方法にて外部から制御される。ローターにより回転し、ローターに固定されたモーター28は、歯に対して押し込むことにより所定の位置にてベルトを開閉し、それによりスカートの外径を確立し、完全な封止、流体の逆流制限、または中間筒2の外側の境界面に対して完全に押してベルトを閉じることにより流れに対し干渉しない、というように機能を変化させることができる。スカート弁の代わりに任意の他の入手可能な弁を使用することができる。
【0036】
外殻61は密閉された閉じた箱であり、その中にIRが取り付けられている。この箱は、アルミニウムまたは鋼鉄などの熱伝導性の色および材料から作られ、かつ通常の動作状態(図2)において、それ自体と空洞60内のIRとの間に存在する真空状態に対する外部の周囲からの圧力に耐えるのに十分な強度である。OSには手動の弁63が固定され、これを通り流体が押し込まれまたは押し出され、(逆止弁32を通じて)IR内部の空洞の加圧が可能となり、その後、空洞60から可能な限り多くの流体を排出することができる。通常動作状態においては、この弁は閉じている。
【0037】
フィン62は、本体61およびIRと同様に、アルミニウムまたは鋼鉄などの熱伝導性の材料および吸収色で作られている。これらのフィンは、熱伝導性の方法によって本体61に接続され、熱交換面を最大限に増やす目的を有し、これを通じてOSは、周囲からのエネルギーを受け入れ、かつ電磁放射により空洞60を通じてIR内部の空洞に位置する加圧流体へ伝える。フィンの数、形、およびパターンは大きく変えることができ、かつ使用環境に依存する。このようなパターンの例は、いくつかの層の「ケージ」状構造とすることができ、流体はOS周囲からの最大限の熱を伝えることができ、かつ自由に流れることができる。本明細書において、OS本体61の形はまた使用環境に応じて筒体から箱、ボールまたは任意の他の形に大きく変えることができる。
【0038】
OSおよびIRの間の放射に関する放射/受容面を増加させるために、OS内部のフィン65は、IRのフィン23と同じ材料および色で作られ、かつそれらに対応するものとして作用する。ケーブル66は絶縁導体であり、EUおよびIRに間で電力の監視および電流の制御を行う。これらのケーブルは、OS本体61の外部および内部の間の任意の流体の流れを密閉する方法にて固定される。
【0039】
支持プラットフォームに吊り下げられた/取り付けられたOSを保持するために、支持部64は、硬い材料から作られている。鉢67は選択的な収集器であり、かつ水などの凝縮液を有効利用するために、収集するよう作用する。動作状態においてOS内部の温度は下がるため、任意の設計動作温度勾配下において(IRはOS内部で回転するため)接触しないようにフィン65およびIR上のフィン23は、離間されている。連続的に新たに到達する周囲の流体分子への露出を増やすために、選択的な電気モーター68が、OS61の本体に熱伝導性の方法によって固定され、かつ、プロペラ69を取り付けることができ、これにより所定の期間にシステムによって受け取られる正味の熱量が増加する。
【0040】
モーターは、流れを作るプロペラを作動する。モーターの電力は、絶縁導体66を通り到達し、方法の説明において明確にされる作られたシステムの有効な全体電力出力の一部として制限される。このモーター68は、推進力、運動または有効な流体循環を生成するために使用されることが可能である。例えば、水に浸された場合、このようなシステムは、そのプラットフォーム(容器)を推進させることができ、プロセスの出力電力が最大になり、残りが最大の正味出力量となるようにこのモーターへ向かう利用可能な出力電力の一部が調整されることが必要な構成において、冷たい空気の循環を提供することができる。
【0041】
EUは、多数の形および構成によって実現することができるため、ここではその機能のみを説明する。EUは、電力を受け取る構成品、モーターおよび弁(また封止部)を制御する構成品、および圧力と、温度と、流体の速度と、モーターおよび弁(また封止部)などの制御された構成品からの速度およびそれぞれの位置のフィードバックと、を監視する構成品などの装置の構成品と相互作用する装置である。
【0042】
IRの発電機から受け取った電力は、絶縁導体を通じてEUへ供給される。それぞれの発電機の出力は、プロペラ列部分の詳細な要件通りに、調整可能な電気負荷に供給されるようEUを通じて、分配される。外部の使用者である負荷に加えて、EUは、各商業的に容易に入手可能な構成品の仕様により、調整可能な電気負荷、回路保護、スイッチおよび/または制御を通る電力の一部の出力先を装置のモーターおよび弁(または封止部)に変える。アナログまたはデジタルに関わらず、回転速度および弁の位置を定める制御は、電力供給に組み込むことができる、または電力供給から分離することができる。
【0043】
様々な構成品から出力される出力信号は、(温度、圧力、流体速度など)パラメータに関する測定値を外部へ提供する、またはそれら自体の機能(モーター速度、弁の位置など)をフィードバックする。アナログまたはデジタルに関わらず、絶縁導体または任意の他の方法(無線送信など)により伝達されるこのデータは、読み取り可能な形(人または機械によって読み取り可能)に出力および変換される必要があり、かつこの機能はEU構成品によって実施される。もっとも簡単で利用可能な形は、例えば作業者によって読み取り可能なアナログ計測器であるが、多くの変化形があり、装置や、装置がひとつの構成品の場合より大きな組立体の全体構成に依存することが多い。
【0044】
本願の目的である方法は、寸法、パラメータ、形、および構成を様々に変化させた装置によって具現化することができるため、以降は標準化、簡略化した形および配置について説明する。これは、最も単純な形にて表される適切な主な物理的原理を許容するようにしてなされる。そのため、IRは、図4、図5により概略の標準の形において説明される。実質的に同じ動作をする2つの対称的な対向する経路に流体が流れると、経路の1つは、封鎖され、および同じ図面の図5のように無視される(中央空洞7はもっぱら分析された残りの流路に使用される)。概略図の様々な構成品の符号は、比較および相互参照ができるように他の図と可能な限り同一に保たれている。空洞の断面積は、全てにわたって同じであり、対称である。
【0045】
OSおよびIRの間の空洞60の流体は、加圧される流体は、方向性の逆止弁32を通過しIRの空洞へ入る。小さい通気穴48また空洞40を通じて空洞4,5,6,7を含むIRの空洞は、均一に加圧された流体によって満たされる。所望の圧力に達すると、IRの周囲の流体圧力は下がり、それにより逆止弁32が閉じてロックされ、内部の空洞がピーク圧力あたりの水準で加圧された状態を維持する。ほぼ絶対真空状態に達するために、流体は、OSとIRとの間の空洞からポンプにより吸い出される。一旦この段階が完了すると、OSは、通常動作環境温度に対して(外部手段により)非常に著しく冷やされた環境に配置される(注記:運用状態において、目標温度は、相変化の少し上の温度に流体が達するような温度である)。絶縁部品を含む全ての部品およびIR内部の流体が均一に冷やされるように、十分な時間を経過させる。一旦IR全体が所望の冷たい温度に達すると、封止部42が閉じられ、かつ圧力を均一にするためにほんのわずかな流体の流れが通過できるように封止部41および30がほぼ完全に閉じられる。まだ冷たい間に、モーター17が作動され、所望の回転角振動数(ω)でIRを回転し、遠心機として働く。OSは、回転状態の下、温度が安定するまで同じ冷たい環境内に保持される。
【0046】
この時点において、OSは(冷却後に比べてより高い温度の)通常の標準的な動作環境に配置される。OSとIRとの間の真空空洞60を通じてOSから受けた周囲環境の熱エネルギーの影響によって放射される放熱により、IRの空洞の内部温度は上昇し始める。時間とともに増加する温度傾斜がより平らであり、非絶縁部品と同じ温度に達するまではより長い時間が必要であるため、絶縁領域の温度は、非絶縁領域の温度に比べてそれほど上昇しない。絶縁部分および非絶縁部分の温度は、監視され、差が最大になるまでの露出時間が調整される。
【0047】
IRの様々な空洞内部の流体温度のこれら変化は、冷たい領域の流体と温かい領域に位置する流体との間の対応する密度の差をもたらし、回転により流体がさらされる遠心状態と結合して、温かい流体とおよび冷たい流体の間に圧力差を生み出す。これらの圧力差は、圧力平衡を求めて流体が高い圧力から低い圧力領域へ流れる原因となる(注記:空洞7の両端の間の圧力差のピークを観察するように角振動数は調整される)。一旦この流れが止まり、空洞内の流体が、ほとんど流れない実質的に休止状態になると、空洞は、以下のように表される流体を内部に有する:
冷たい流体を含む空洞6をまた「冷たいカラム」と呼ぶことにし、この時点において冷たいカラムの流体は、以下の関連エネルギーを有する。
冷たいカラムの流体エネルギー=エンタルピー+(遠心力による)ポテンシャルエネルギー。
標準化プロセスの動作条件は、プロセス動作パラメータに対して重力がかからない、またはほとんどかからないということである。
【0048】
地球の地平線に平行な軸を回転させるため、熱い/冷たいカラムの流体に対する重力は常に回転しているということに留意しなければならない。遠心力ポテンシャルエネルギーは、選択された参照面に対するものであるので、流体の流速がゼロの場所において全体エネルギーは以下のように表される:
回転軸に対して:
【数1】

空洞4内の流体の質量中心に対して:
【数2】

注記:
【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

であり、ここで、
Ec:冷たいカラム内の流体の関連エネルギー
γ:比熱比
Cp:気体の定圧比熱
Cv:気体の定積比熱
H:エンタルピー
U:システムの流体の内部エネルギー
P:圧力
V:体積
R:一般気体定数
:(流体の質量中心における)冷たいカラム内の流体の圧力
:冷たいカラムの体積
:冷たいカラム内の流体の質量
ω:角振動数
r:半径または回転軸と空洞4内部の流体の質量中心との間の距離
:半径または回転軸と冷たいカラムの内部の流体の質量中心(m)との間の距離
とである。
【0049】
温かい流体を含む空洞5をまた「熱いカラム」と呼ぶことにする。熱いカラム内の流体は、以下の関連エネルギーを有する:
熱いカラムの流体エネルギー=エンタルピー+(遠心力による)ポテンシャルエネルギー
【0050】
熱いカラム内の流体の関連エネルギー全体は、流体の流速がゼロの場所において、以下のように表される:
回転軸に対して:
【数7】

空洞4内部の流体の質量中心に対して:
【数8】

であり、ここで、
:熱いカラム内の流体の関連エネルギー
γ:比熱比
:(流体の質量中心における)熱いカラム内の流体の圧力
:熱いカラムの体積
:熱いカラム内の流体の質量
ω:角振動数
r:半径または回転軸と空洞4内部の流体の質量中心との間の距離
:半径または回転軸と熱いカラムの内部の流体の質量中心(m)との間の距離、
である。
【0051】
準備段階において、封止部42が閉じられ、かつ封止部30がわずかに開いているため、一旦休止(またはほとんど流れない)状態に達すると、冷たいカラムおよび熱いカラム内の流体は、「底部」(空洞4)において実質的に等しい圧力となる。
【0052】
標準の装置において、条件は、両方のカラムの体積は等しく、全体半径(r)に対する流体の質量中心の差異はわずかな類似の質量分布であると仮定すると、
【数9】

【数10】

と近似できる。
【0053】
流体は、例えば単原子の理想気体としてふるまい、プロセスを通して気体状態を保つ(相が変化せず、相が変化する温度より著しく高い温度では、潜熱関連エネルギー変化を無視できる)。
したがって流れがないため、
【数11】

であり、それゆえ
【数12】

である。
注記:
【数13】

【数14】

ここで、
Hb:熱いカラムの底部の静圧(空洞4の一端部)
Cb:冷たいカラムの底部の静圧(空洞4の他端部)
ρ:熱いカラムの流体の平均密度
ρ:冷たいカラムの流体の平均密度
したがって、
【数15】

である。
注記:冷たい気体の密度のρはρと比べて、ρ<ρであるため。これは式15に基づくと、p<pであることを意味する。(注記:これは与えられたωが早くに確立された動作範囲内にある場合に正しい)。
【0054】
(回転軸上の)熱いカラムの上部において、静圧は、
【数16】

であり、冷たいカラムの上部において、静圧は、
【数17】

である。上部の初期の静圧の差は、したがって
【数18】

である。ここで、
Ht:熱いカラムの上部の静圧(空洞7の一端部)
Ct:冷たいカラムの上部の静圧(空洞7の他端部)
Δp:空洞7の両端部の間の静圧の差
である。
【0055】
初めに準備段階が完了した後、空洞7の両方端の熱いカラムおよび冷たいカラムの上部において、圧力差があるという結果となる。封止部が開かれると、この圧力差により、空洞7を通り熱いカラムから冷たいカラムへの流体の流れを生じる。
【0056】
封止部が開かれると、熱いカラムの上部の圧力が冷たいカラムの上部の圧力よりも高いため、空洞内に流れが発生する。このため、流体は空洞7を通り冷たいカラムへ流れる。
【0057】
したがってプロペラ列(最小では1つのプロペラ)は、流体の流れによって作動させられ、電気の発電機(ローターを回転させる)の軸を通じて空洞の外部(つまり流体の閉じたシステム外部(以降「システム」)へ仕事をする。
【0058】
これらの発電機(オルタネータまたはダイナモ等)のそれぞれは、電気出力として電圧を発生し、ローターを作動させる。
【0059】
簡単に説明すると、レンツの法則によりこの電圧は以下のように表される。
【数19】

ここで、
E:起電力
B:磁束密度
u:磁場内の導体の速度
l:磁場内の導体の長さ
N:導体の巻き数
である。
【0060】
この起電力が電気負荷(装置のIRの外部にあり、摺動コネクタ35を通じて接続されている(話を簡単にするために、負荷は直流条件下の実際の抵抗と仮定する))に一旦加えられると、電流を発生する。
【0061】
この電流は、以下のように表される:
【数20】

ここで、
Z:負荷の電気の抵抗
I:各発電機の電気出力回路を通り対応する外部負荷を通る電流(概略の電気接続図を参照)
である。
【0062】
次いで、この電流は、導体の動き(磁場に対する)、つまり発電機のローターの回転に抵抗する反力を生じ、結果としてシャフトを通じて、対応するプロペラの回転に抵抗する力を加える。この結果、この力は空洞7のプロペラ列を通る流体の流れを妨げる。
【0063】
各発電機内の磁場を動く導体への力は、簡単に以下のように表される:
【数21】

ここで、
F:導体(および対応する調整可能な負荷)を通る電流によって発生した(導体と導体がある磁場との間の)反力であり、その方向は、動きを生じさせた最初の力と逆向きである。抵抗力(シャフトを通じて、プロペラの回転、つまり流体の流れを妨げる)は、電気抵抗を調整することにより、変調することができる。
である。
【0064】
この相互作用を通じて、プロペラ列を通って流れる流体は、エネルギーの一部をシステム外部へ、つまり発電機を通り負荷へ出力する(また一部はシステム外部の発電機およびシャフトの摩擦で失われる)。気体の形である流体は、この仕事を行うことにより一部の分子の運動エネルギーを空洞(システム)の外部へ移動させる。ブレードの1つに衝突することにより各プロペラの回転に寄与する気体状態の流体の各分子は、ブレードに到達する速度より遅い速度では跳ね返る。ブレードから跳ね返ったこのような各分子は、その後で他の分子と衝突し、プロペラと相互作用する流体分子の二乗平均速度の低下を伝播する(または言い換えれば、流体を冷やす)。
【0065】
システム外側の流体によるこの仕事(発電機の電力および損失を出力する)は、気体状態の流体が空洞7の出口へ、冷たいカラムへ進むにつれ、流体を冷却させる。プロペラは、それぞれの電気負荷と組み合わさった形状をしており、それら周囲の抵抗値および流体の速度は、エネルギー吸収を最適化し、電流および損失として空洞の外部へ移動させるよう調整される。実際の場合、プロペラ列全体によるこのエネルギー抽出を最大にするように、電気抵抗を個別に調整することができる。一定期間(t)にわたって外部に出力された全体エネルギー(システム外部の損失を含む)を以降Ee(t)および/または「電気エネルギー」と呼ぶ。
【0066】
注記:2つ以上のプロペラのプロペラ列において、前のプロペラの抵抗力によって引き起こされる流体の分子の角速度の回復を可能にするために、各プロペラの回転スクリュー方向は、前のプロペラと反対でなければならない。これは、空洞7内のコリオリの力によって発生する可能性がある角速度と混同されるべきではない。
【0067】
エネルギー出力の結果として、空洞7を出る流体は、入ってくる流体よりも冷たい。安定した定常状態において、各一定期間tにわたって空洞7から冷たいカラムの上部に入る流体の温度および質量は、冷たいカラム上部から下方へ排出される流体の質量および温度と等しい。
【0068】
このような定常状態において、周囲環境(および空洞40内の発電機および遠心モーターの損失から受け取った回復された熱損失などのシステム外部の考えられる他の全ての源)から受けた正味熱量が同じ期間にわたった電気エネルギー出力に等しくなる必要がある。
【0069】
標準形において、正味の熱量は一定期間tにわたって空洞4の流体を通過すると考えられ、「熱」またはQT(t)と呼ばれるが、これは、後で示されるように環境よりも温度が低いという事実による。この熱は、(OSとIRとの間の真空を通した)放射によって外部の環境から空洞4の壁を通じた伝導および流体の対流によって受け取られる。
【0070】
冷たいカラムの底部から空洞4へ流れる流体は、環境の温度よりも著しく冷たい。空洞4を通り熱いカラムの底部へ流れながら、環境(環境は、OSの外部およびシステム外部の損失)から受け取った正味熱エネルギーの一部を吸収する。
【0071】
流体によって吸収された熱エネルギーは、流体に対する熱交換面(つまりフィン21,22,23)、空洞の壁の材料の伝導率、空洞の壁の電磁波の効果的に最大限のスペクトルを吸収する能力、空洞4の流体速度(露出時間を決定する、注記:標準形では比較的ゆっくり流れる、これにより流れはまた可能な限り層状になる)、環境との温度差、空洞4の長さ、および空洞4内部の流体の乱流レベル(より乱流の流れは、対流を増やし、したがって流体内部の温度のより均一な分布が促進される)などのいくつかの要因によって影響を受ける。
【0072】
冷たい流体はより高密度であるため、IRの空洞4の外側の壁(OSに面した周囲壁)を押す傾向があり、したがって環境からエネルギーを受け取ることに寄与する。
【0073】
定常仕事プロセスにおける空洞4の出口の流体は、空洞4に入る瞬間の温度よりも高い温度であるが、なおも外部環境の温度よりも大幅に低い。それは、同じ期間にわたって熱いカラムの底部から上部(回転軸)へ排出される流体と同じ温度および質量である。
【0074】
(伝導、放射、および対流の組み合わせにより)流体へ熱を移動させた結果、OS周囲のすぐ近くの環境は、温度を失う。この受け取ったエネルギーは、後に様々な利用のためにプロペラ、発電機、および電気出力回路を通じて出力される水準である。
【0075】
途中で要約すると、定常の、通常の仕事プロセスは、以下のとおりである:熱いカラムの上部の温かい流体は、冷たいカラムの上部の冷たい流体より高い圧力であるため、空洞7の流体の流れを生じ、したがってプロペラを作動し、出力として電気エネルギーEe(t)を生じる。流体が電力および損失を発生させる仕事を通じて、Ee(t)エネルギーと同等のエネルギーを失い、流体は冷却され、冷たいカラムの上部に冷たい流体の質量(m(t))が加えられる。この加えられた冷却流体の質量は、冷たいカラムの密度、つまり冷たいカラムの圧力を増加させる。これにより底部における圧力平衡が不安定になり、同じ質量(m(t))が冷たいカラムの底部から空洞4へ流れるようになる。空洞4において、流体は空洞4の周囲の環境により、徐々に温められ、冷たいカラムの底部から熱いカラムの底部へ流れるにつれ、熱いカラムが温度および質量(m(t))の流体によって満たされるため、上部から空洞7へ質量(m(t))が失われるにもかかわらず圧力、温度および質量が低下しない。様々なパラメーに適用できる、必要な以下の確立された条件が満たされる限りこのプロセスは継続される。
【0076】
標準形における定常プロセスに関するさらなる事項:
通常の定常仕事状態において、熱いカラム内部の流体は、回転軸に対する関連エネルギーとして以下のように表される:
【数22】

同じ定常仕事状態において、冷たいカラム内部の流体は、回転軸に対する関連エネルギーとして以下のように表される:
【数23】

ここで、
:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる軸についての熱いカラム内の流体に関するエネルギー
:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる軸についての冷たいカラム内の流体に関するエネルギー
γ:比熱比
:(流体の質量中心における)熱いカラムの流体の圧力
:(流体の質量中心における)冷たいカラムの流体の圧力
v:熱いカラムおよび冷たいカラムの体積
:熱いカラムの流体の質量
mc:冷たいカラムの流体の質量
ω:角振動数
r:半径または回転軸と空洞4内部の流体の質量中心との間の距離
h:半径または回転軸と熱いおよび冷たいカラムの内部のそれぞれ流体の質量中心(m)および(m)との間の距離
:熱いカラムの流体の速度
:冷たいカラムの流体の速度
である。
【0077】
定常状態において、熱いカラムの流体が空洞7へ流れ、かつ冷たいカラムの流体が空洞7から収容されるため、
定常状態において、一定期間(t)に空洞7に受け入れられた質量m(t)が、同じ期間に空洞7から冷たいカラムへ通過した質量と同じであるため、かつ
定常状態において、EおよびEを含むシステムの全体としてのエネルギー水準が、期間を通して変化しないため、以下のようになる:
一定期間(t)の仕事出力である電気エネルギーEe(t)は、同じ期間において熱いカラムから受け取った流体のエネルギーから同じ期間において冷たいカラムへ出る同じ質量の流体のエネルギーを差し引いたものである、(注記:標準化されたプロセスによって影響されない核または化学エネルギーなどのエネルギーの形は、無視される)
【数24】

ここで、
e(t):システムによってなされた仕事により一定期間(t)に受け取られた電気エネルギーおよび全ての他の損失エネルギー(摩擦などによるシステム外部の)
H(t):一定期間(t)に熱いカラムからプロペラ列へ入る温かい流体の回転軸に関するエネルギー
C(t):同じ期間(t)に冷たいカラムへプロペラ列から出る冷たい流体の回転軸に関するエネルギー
である。
【0078】
また結果として、一定期間(t)に熱いカラムからプロペラ列へ入る流体のエネルギーEH(t)と、熱いカラム内の流体の全エネルギーEとの比率は、一定期間(t)に通過する質量m(t)と、熱いカラム内の流体の全質量(m)との比率は等しい。
【数25】

【0079】
同様に、一定期間(t)にプロペラ列から来て冷たいカラムへ入る流体のエネルギーEC(t)と、冷たいカラム内の流体の全エネルギーEcとの比率は、一定期間(t)に冷たいカラムに入る質量m(t)と、冷たいカラム内の流体の全体質mとの比率は等しい。
【数26】

上記の式を合わせると、
【数27】

となる。
【0080】
定常仕事状態において、同じ期間中に、熱いカラムを出る質量および冷たいカラムに入る質量は同じであるため、
【数28】

である。したがって
【数29】

である。したがって
【数30】

【数31】

【数32】

である。
【0081】
他方、エネルギー平衡における一定期間(t)に受け取られた正味の熱エネルギーQT(t)を分析する:システムの全エンタルピーを増加させる一定期間に受け取られた正味の熱QT(t)から仕事出力Ee(t)を差し引くと、システムの不変のエネルギー水準が残る:
【数33】

:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる軸についての空洞4内の流体に関するエネルギー
:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる軸についての空洞7内の流体に関するエネルギー
したがって、
【数34】

である。
【0082】
定常仕事状態におけるPおよびPの関係を表すために、以下のように考えられる:定常仕事状態において、Eは時間が経っても変わらず、同じことがEに適用できる。これは流体が空洞7および4を通り流れ、カラムを通じて循環し、各一定期間(t)に正味の熱エネルギーQT(t)を連続的に受容し、熱エネルギーに等しい仕事Ee(t)をすることにより熱いカラム内の流体および冷たいカラム内の流体は、平衡していることを意味する。エネルギー値EおよびEの比率は不変である。さらに熱であるQT(t)は、システムの不規則な分子の運動エネルギーを増加させることに注意することが重要である。一方Ee(t)は、基本的に熱いカラムの上部から冷たいカラムの上部へプロペラ列(圧力差により)に加えられる力、それを通る流体速度および時間(t)に関連する仕事出力である。
【0083】
これらの動的条件において、熱いカラムからの空洞4にかかる圧力が冷たいカラムから他端部にかかる圧力に実質的に等しいという事実によってEとEとの比率は、一定に保持される。空洞4を通り流れる流体が十分に遅くかつ層状であり、かつ空洞4が十分に短い場合、良好な近似ではこれは正しい(そうでなければ、空洞4の両端の圧力差を織り込む必要がある)。
【0084】
上記の考察において、以下の式が示される:
【数35】

したがって:
【数36】

e(t)を表すこの式と組み合わせると;
【数37】

注記:
【数38】

:熱いカラム内の流体の平均絶対温度
M:システム内の流体のモル質量
したがって29,37,38より:
【数39】

または6,3より
【数40】

である。
【0085】
この式39は、簡略化した標準化装置の形において、定常状態において外部でなされる仕事としてシステムによって出力される電気エネルギーの値(システム外部に生じる損失を含む)を定量化したものである。これは角振動数がω≠0に適用できる。低速の流れでは、他のエネルギー成分比べて運動成分は電気エネルギーへの比例寄与において2番目になる(または無視できる)ことに留意しなければならない。上述の式において、質量m(t)を括弧内に移すことができる:
【数41】

【0086】
式41の焦点を変えると、システムのパラメータ、電気エネルギー出力により、熱いカラムの密度と冷たいカラムとの密度の比率を計算することができる:
【数42】

【0087】
この式42により、システムによって外部環境へ出力される任意の継続的な電気エネルギーは、必ず以下のようになる:
【数43】

【数44】

ここで、
:冷たいカラム内の流体の平均絶対温度
である。
【0088】
仕事出力Ee(t)を生じるシステムの効率
プロペラ列を通じて仕事出力を生じるシステム効率を計算するために、この効率を第1に定義することが必要である。各期間tにおいて、システムは以下の式で利用可能となる:
【数45】

および同じプロセスより:
【数46】

と回復する。
【0089】
この効率の定義に基づくと、エネルギー出力Ee(t)と式45により利用可能な全エネルギーとの比率であるため、効率は次のように表される:
【数47】

したがって
【数48】

である。
【0090】
これはシステムの定常状態の基準を確立し、かつ通常の仕事プロセスにおいて、仕事出力効率ηおよび密度比が平衡でないとシステムが安定しないということを意味する(寸法、流体の圧力、熱い/冷たいカラムの流体の温度差、角振動数等の様々な仕事パラメータを考慮して)。さらに、通常の仕事プロセスの継続には、環境からシステムへの熱伝導率能力が出力エネルギーに少なくとも等しいことが必要であり、QT(t)=Ee(t)で安定する。
【0091】
コリオリの力効果およびプロセスの定常状態に対するその主な影響
熱いおよび冷たいカラム内の流体は、回転半径に平行に逆方向に流れる。定常の流体の流れでは、軸から離れて流れる分子の角速度は、半径が大きくなるにつれ速くなる。軸へ流れる分子に反力が働く。定常状態において、各期間tにわたって同じ質量m(t)が各カラムに出入りするため、
【数49】

【数50】

となる。ここで、
:回転するIR内の熱いカラム内の流体の流れによって生じるコリオリの力
:回転するIR内の冷たいカラム内の流体の流れによって生じるコリオリの力
である。
【0092】
熱いおよび冷たいカラム内の流れ方向は逆であるため、熱いカラムにおいて、流体は、回転軸へ向かって流れ、冷たいカラムにおいては軸から離れる方向に流れる。回転数に対するコリオリの力の全体的な効果はゼロである。各カラム内に流れる流体はこの力により壁に対して不規則に圧縮されるということが言える。これは、カラムに沿った分子の流れパターンに影響を与え、かつ追加の摩擦および乱流の原因となる場合があり、それは標準の装置(遅い流速により)ではわずかなものとして無視される。さらに、不規則に冷却された流体によりコリオリの力は空洞7内の流れパターンに影響を及ぼす場合がある−標準形においてはこれはまた無視できる。
【0093】
カラム内の流体の圧縮および減圧(−追加的な考察)
回転するIRの中の各カラム内の流体は、定常プロセスにおいて、回転軸からの異なる距離により異なる圧力を受ける。これらの圧力は、それぞれの回転半径レベルにおいて気体状態の流体の密度に影響する。質量の各部分において、運動、ポテンシャルおよびエンタルピーの間の流体エネルギーの内部分布は、流れにしたがって変化する。冷たいカラム内の流体が連続的に流れ落ちている(回転軸から離れる方向に)ため、全カラムの分子は圧縮される。
【0094】
さらに、熱いカラムにおいて、熱いカラム内の流体は、連続的に上に流れる(回転軸に向かって)ため、全カラムの分子は減圧される。冷たいカラムの流体を加熱する圧縮(十分に絶縁された断熱プロセス)および熱いカラムの流体を冷却する減圧は、最も低い可能な温度にて再加熱し、熱いおよび冷たいカラムの流体の最大の温度差を有するための、空洞4に入るシステムの設計要求に反した振る舞いをする。
【0095】
各質量m(t)に対するこのような圧縮の影響についての分析
空洞7(およびプロペラ列)を出て、冷たいカラムの上部に入る瞬間から、
底部を通り空洞4へ冷たいカラムを出る瞬間まで、時間t後の上部および底部における回転軸に対するエネルギーは、
【数51】

【数52】

である。
【0096】
質量m(t)が十分に絶縁され、かつ追加的なエネルギーの入力/出力がないという条件において、出入り点における回転軸に対する質量の全エネルギーは不変である。
【数53】

【数54】

また質量が同じであるので、
【数55】

である。
【0097】
カラム内にいる全期間tにおけるこの理論上の質量m(t)(上部から底部へ下方へ流れる)の温度差(および気体状態であり、かつ相変化温度から離れた温度を提供される)は、したがって:
【数56】

である。
ここで、
c(t)1:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる冷たいカラムの上部における質量m(t)の流体の回転軸に対する関連エネルギー
c(t)2:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる冷たいカラムの底部における同じ質量m(t)の流体の回転軸に対する関連エネルギー
C1:冷たいカラムの上部の流入点における質量m(t)の絶対温度
C2:冷たいカラムの底部の流出点における質量m(t)の絶対温度
ΔTmC(t):冷たいカラム内にいる全期間tにおける質量m(t)の温度差
:質量m(t)が入ってから出るまで冷たいカラム内にいる期間
c1:流入点における質量m(t)の密度
c2:流出点における質量m(t)の密度
c1:流入点における質量m(t)の速度
c2:流出点における質量m(t)の速度
である。
【0098】
同じ原理を底部に入り上部から出る温度が下がる熱いカラム(断熱プロセスにおいて)の流体に逆に適用すると、時間t後には、
熱いカラムの:
流入点において:
【数57】

であり、流出点において:
【数58】

である。断熱条件の熱いカラムであるため:
【数59】

であり、したがって:
【数60】

である。また、
【数61】

【数62】

である。
ここで、
H(t)1:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる熱いカラムの底部における質量m(t)の流体の回転軸(流入点)に対する関連エネルギー
H(t)2:エンタルピー、ポテンシャルエネルギー、および指向性の運動エネルギーからなる熱いカラムの上部における質量m(t)の流体の回転軸(流出点)に対する関連エネルギー
H1:熱いカラムの底部の流入点における質量m(t)の絶対温度
H2:熱いカラムの上部の流出点における質量m(t)の絶対温度
ΔTmH(t):熱いカラム内にいる全期間tにおける質量m(t)の温度差
:質量m(t)が入ってから出るまで熱いカラム内にいる期間
ρH1:流入点における質量m(t)の密度
ρH2:流出点における質量m(t)の密度
H1:流入点における質量m(t)の速度
H2:流出点における質量m(t)の速度
である。
【0099】
流体の流速が遅いことにより圧縮/減圧効果は最小になる場合があり、また、以下のように:
熱いカラムの流体が回転軸に近い部分を含むカラムにそった環境からの追加的な熱にさらされることにより減圧冷却効果が、最小になる場合がある(徐々に減圧流体を再加熱する)。再加熱により、この部分のプロセスは断熱というよりも等温減圧のようなふるまいをする。
【0100】
潜熱の一部がプロペラ列およびシステムからの出力により吸収された後で、冷たいカラムの上部の流入点(プロペラ列から出た後)における流体温度を相変化(凝縮)温度に非常に近い温度に設定することにより、圧縮加熱効果が最小になる場合がある。これにより、「下方」への流れへの再加熱が弱まり、流体が潜熱を取り戻す。このような場合、プロセスに関与する潜熱は、他の関連流体エネルギー成分に加えられ、以下のように表される:
【数63】

ここで、
:流体の相変化中に放出、または吸収されるエネルギー量
L:流体の特定の潜熱
である。
【0101】
さらに、連続的な質量部分は隔離されず、実際には互いにカラムに沿っており、したがってほとんどが放射および対流によりカラム内の熱の流れとなり、内部の温度分布に影響を及ぼす。流れがゆっくりになると、カラム内の各質量部分(入ってから出るまで)のエネルギー交換露出平均時間が長くなり、各カラム内の温度差がより平たんになる。さらに、1つまたは複数の他の流体のこの相変化原理(凝縮)を利用しながら、1つまたは複数の流体混合物の気体の振る舞い(プロペラ列を通じるエネルギー出力の一部において)を維持するように、異なる相変化温度の流体混合物を空洞内に使用することができる。
【0102】
上述の装置および方法は、その一部を有用なエネルギーに変換するために、単独の熱エネルギー源を使用する。
【0103】
この方法は、システムを通る流体の各周期後に持続的な方法によって空洞6(また「冷たいカラム」ともいう)に入る流体を初期の低い温度に維持することができることを前提とする。
【0104】
各周期前の初期の低い温度へ戻すために、余分な熱エネルギーを冷たいカラムから排出するためのヒートシンクを必要とせずに、(空洞7の)プロペラ列を通じたエネルギー出力によって起こる流体の冷却効果と相まって、温かい周囲環境からの熱エネルギー入力により、空洞5(熱いカラム)の流体が冷たいカラムの流体よりも温かい状態を持続されることを想定している。
【0105】
発明者は、熱いカラムの流体部分の温度および冷たいカラム流体部分の温度が時間を通して持続的にその差を確実に維持するヒートシンクを含むように、以前に説明された装置および方法の改善および調整を提案する。
【0106】
プロペラ列との相互作用を通じて流体からエネルギーが出力されることによる任意の、および全ての事象は、初期の所与の低い温度へ戻すほど十分には流体を冷却せず、流れおよびエネルギー出力を起こす初期状態の温度差を維持するためにヒートシンクは冷たいカラムの流体から余分な熱を排出する。
【0107】
前述の装置の調整の説明は以下のとおりである(図10)。
【0108】
内部ローターIRの外皮を構成する外筒1は、熱伝導性の材料から作られる中空の、密封され閉じた筒体であり、熱的に絶縁された材料の環状の層70が設けられている。
【0109】
この環状絶縁層70は、外筒1の熱伝導性の材料に密閉するように取り付けられ、強い結合により外筒1と外殻61の内部との間の空洞60のIR内部の加圧流体の圧力に対する真空状態に耐えることができる。
【0110】
この環状層70は、外筒1の一部としての空洞6(冷たいカラム)の一側の閉じられた底部近くに位置する。
【0111】
この熱の絶縁層70の外周に2つの環状平面71,72が取り付けられている。外殻61の内部および外筒1の間の空間(真空状態が保たれている)のこれらの取付部品71,72を通じて放射される熱を可能な限り減らすために、これらの環状取付部品はまた、電磁熱放射を反射する色の熱絶縁材料により作られている。これは、71,72の両側において、より温かい環境領域(以下「温かい環境」)にさらされる空間とより冷たい環境領域(以下「冷たい環境」)にさらされる空間との間の熱伝導を可能な限り弱め、空洞6(冷たいカラム)にある流体部分の望ましくない再加熱を少なくする。
【0112】
外殻61は、外筒1と類似の方法にて調整され、熱伝導性の材料の環状部分の全周に同じ形の熱絶縁材料の層73が設けられ、強い密閉方法により外殻61に取り付けられており、外殻61内部の空洞60の真空状態に対する外部環境の圧力に耐えることができる。
【0113】
熱絶縁層73は外筒1の対応する絶縁材料層70に面し、かつそれに平行である。
【0114】
外殻61の内側のこの部分73に、熱絶縁材料およびまた熱放射を反射する色(部分73および70のように)で作られている2つの熱絶縁の環状平面74,75が(部分73の全周に沿って)取り付けられている。これらの取付部品は、取付部品71,72と同じ役割を有し、熱伝導をさらに減らすために協働して作動する。
【0115】
絶縁部分70,73または任意の熱絶縁取付部品には熱交換フィンがない。
【0116】
熱絶縁層73には、それに沿った外側に熱絶縁部分76が取り付けられている。この部分は、装置がさらされる外殻61外部の温かい環境と冷たい環境とを分離する目的を有する。装置は、これら2つの環境に以下のように露出される:部分76から前方の空洞4および5が位置する外部の外殻61周囲の全ての空間は、温かい環境にさらされる。空洞6外部の部分76から他側に向かう外殻61周囲の全ての空間は、冷たい環境にさらされる(温かい環境より冷たい)。
【0117】
対応する空洞60部分の真空を介する外殻1外部の冷たい環境への熱露出を通じて空洞6(冷たいカラム)の流体部分を冷却することができるように、空洞6および外筒1の底部の間に位置する熱絶縁層25(図1)が取り出される。
【0118】
このような冷却を改善するために、熱伝導性の方法によって空洞6の内部の外筒1の底部の内側に多数の熱伝導性の熱交換フィン77が取り付けられる。これらの熱交換フィン77の方向は、空洞6内部の流体の流れパターンの乱れおよび乱流が最小になるように向けられている。
【0119】
外筒1の底部の外表面および外殻61の対応する壁(または外殻61が筒形状である場合、底部)の内表面に、回転軸周りの様々な半径において、熱伝導性の方法にて多数の円形の熱伝導性熱交換フィン、それぞれフィン78,79およびフィン80,81が取り付けられている。フィン78,79により、真空空洞60内部の熱放射領域を増加することができ、それゆえ外部の冷たい環境による空洞6内部の流体の冷却率が向上する。フィン80,81により、真空空洞60内部の熱放射領域を増加することができ、それゆえ外部の温かい環境による空洞5内部の流体の加熱率が向上する。円形状のフィンであり、かつその半径がそれぞれ変えられていることにより、対応するフィン78,79および80,81は、外殻61内部の内部ローターが回転する場合に混乱することなく連続的に互いに面することができる。
【0120】
改良型装置の実施方法を以下に説明する:
モーター17が作動した後、回転状態の下温度が安定するまで外殻OSを同じ冷たい環境内に維持しながら、内部ローターIRを所望の回転角振動数ωまで回転させ、装置の外殻61は、熱絶縁部分76によって分けられた2つの異なる温度領域の仕事環境にさらされる。空洞4,および5内部の気体状態の流体部分は、それらの周囲の外殻61の外部にある温かい(冷たい環境領域と比較して)環境領域にさらされる。空洞6内部の気体状態(液体状態もありうる)の流体部分は、それに面する外殻61外部の冷たい(温かい環境領域と比較して)環境領域にさらされる。空洞の流体および外部環境領域は、熱伝導性の材料および真空によって分けられているため、空洞内の流体部分と、それぞれの環境領域との間の熱交換は、対流(流体)、伝導(熱伝導性の外皮およびフィンの材料)および放射(真空の空洞60を通じる)およびそれらの組み合わせにより起こる。熱の絶縁部分70,73,およびそれぞれの絶縁取付部品71,72および74,75,76は、2つの環境領域の間、内部ローター内部のそれぞれの空洞およびその中の流体部分の間の温度干渉を最小にし、かつ加熱影響を弱める。
【0121】
2つの環境領域により、内部ローターの空洞内部で加圧される流体は、温度を変えることができる:空洞4,5内部の流体は、空洞6内部の流体部分よりも温かい。この理由により、遠心モーター17が作動される前は、低い温度の空洞内の気体状態の流体の密度はより高い。冷たいカラムの空洞6内の流体部分は、熱いカラムの空洞5の温かい流体部分よりも密度が高く、したがって体積当たりの質量が大きい(注記:標準形においてカラムは同じ体積である)。所定の回転速度までの遠心モーター17の起動により、熱いおよび冷たいカラム内の流体部分は、それらの質量および回転速度による向心力を受け、空洞4を介してそれらの底部に互いにかかる逆の圧力が存在する。
【0122】
冷たいカラム内の冷たい、質量の大きい流体部分は、空洞4の両端の圧力を釣り合わせるために、熱いカラム内の質量のより小さい、温かい流体部分へ進もうとする。この移動により、冷たいカラム上部に接続されている空洞7の端部の圧力は、熱いカラムの上部が接続するこの空洞7の他端部の圧力に対して低下する。この圧力差により、空洞7を通り、プロペラ列のプロペラ13を通じて流体が進むようになり、プロペラが作動することにより、システム外部への電気または他の有用エネルギーの出力が得られる。このエネルギー出力は、流体の分子間運動エネルギーの一部(実際は、対応する流体の温度に比例する)であり、空洞7を通り冷たいカラムの上部へ進むにつれ、流体が冷却される結果となる。冷たいカラム内へ新たに到達するこの流体は、熱いカラムの上部の空洞7への流入点における温度に比べ冷たい。冷たいカラム外部の冷たい環境領域により、冷たいカラム内の流体温度は、この冷たい環境領域へ熱が放出され、さらに低くなる。平衡状態において、冷たいおよび温かい環境領域の温度差による熱いおよび冷たいカラム内の流体部分の温度差は、内部ローターの回転によって起こる遠心状態と組み合わさることにより、空洞7,6,4,5を通る流体の流れが継続され、および有用エネルギー出力が継続される。このプロセスは、温かい環境領域に対する冷却効果、および冷たい環境領域に対する加熱効果の結果である。内部ローターの空洞内部の流体の圧力水準、遠心機モーター17の回転速度および出力電気回路の抵抗水準(およびそれぞれの対応するローター13の流れ水準に対する抵抗による)は、任意の2つの環境領域パラメータからのエネルギー回復を最適化するように調整される必要がある。このプロセスを通じて回復されたエネルギーは、外殻61がさらされている2つの環境領域の熱エネルギーの差の一部である。
【0123】
遠心モーター17および出力発電機15の損失およびそれらの機構の摩擦により発生した熱エネネルギーは、かなりの程度空洞4および5を通じて温かい流体に戻され、回復される。空洞60(可能な限り真空状態となっている)内の残留気体によって生じる乱流および摩擦は、温かい環境領域の加熱作用に寄与し、および冷たい環境領域の冷却作用を妨げるため、真空を最適化し、かつ外筒1の外形、外殻61の内部、およびそれらの取付部品を可能な限り空気力学的な形に作ることにより、乱流及び摩擦を最小化する必要がある。遠心モーター17による回転を生じさせるために必要なエネルギー(温かい流体を通じて回復された熱損失を差し引いた後)は、ゼロより大きい、全体として有用な出力を得るように、最低限必要な有用出力とする。
【0124】
熱いおよび冷たい環境領域のための源および収集手段
物理的にごく近接している熱いおよび冷たい外の環境領域の源は、多くある。一例として、以下に環境領域および収集手段のいくつかの選択を説明する:最大限の熱交換容積のための2つの離間した個別の熱伝導性のパイプライン/フィンを一方は冷たい環境領域のために、かつ他方は温かい環境領域のために使用し、それぞれ直列のポンプによって循環される流体(液体または気体状態)が含まれる、または含まれない。一方のセットは、冷却が必要な流体部分から冷たい環境領域へ熱を排出し、かつ他方は、温かい環境領域から加熱が必要な流体部分へ熱を収集する。
【0125】
海を移動する船、空気中の航空機などの既に移動している熱交換面を使用することができ、風の状態もまたこのような面の交換能力を増加させる。
【0126】
例えば以下の組み合わせの熱い/冷たい源の組合せを温度差として使用することができる:海抜の深い場所および表面、海および空気、地下温度および大気の空気、高所および低所の空気、日なたおよび日陰、乾燥した空気および蒸発による冷却効果(主に低湿度の環境にて有用)がある噴霧された水(または他の液体)。他の組合せの源は、冷たい環境領域として機能する、近くの環境の空気/水と相まった損失による熱源(任意の電気/電子器具、電力発電機、車のエンジン等)の間に温度差を使用することができる。所望の熱源を生成するために燃料を燃焼するように、温かい環境領域の能動的な源も可能であり、この装置は熱効率の高い発電機として作用するようになる。また、冷たい環境領域の冷却および/または温かい環境領域の加熱に寄与するように選択した場合、システムによって作られた有用エネルギーの一部は、フィードバックされることができる。
【0127】
図11は、冷たい/温かい環境領域への実際の接続例の概略を示す:外殻61の熱伝導性の外装は熱絶縁層76によって分けられている。2つの熱伝導性部品には、熱伝導性の熱交換フィン88,89が取り付けられている。外殻61のこれら2つの部品には、熱の絶縁部分76に密閉するように取り付けられた密閉の熱絶縁カバー82,83が適合されている。これらの各カバー82,83には、熱伝導性のパイプライン86,87のそれぞれが密閉するように取り付けられている。これらの各パイプライン86,87は熱流体を含み、かつポンプ84,85それぞれが取り付けられている。ポンプは、外殻61の外装およびプロセスに必要な2つの環境領域を構成する熱い/冷たい温度の源の間に流体を循環させる。
【0128】
選択された構成に応じて、方法および装置の追加的な影響/結果として冷却、凝縮、および運動生成がおこる。方法および装置は幅広い使用範囲のために直接的および/または間接的に、多様な方法および装置に加えることができる。いくつかはこの提案の時点で存在するが、他のいくつかは結果として実現可能なものとなるだろう。
【符号の説明】
【0129】
1 外筒
2 中間筒
3 内筒
4 空洞、5 空洞、6 空洞、7 空洞
13 プロペラ
15 発電機
17 電気モーター
18 ローター
19 支持面
21 熱交換フィン、22 熱交換フィン
23 熱交換フィン、 24 熱交換フィン
25 熱絶縁層、26 熱絶縁層、27 熱絶縁層
30 スカート状封止部
32 弁、33 弁
38 支持面
40 空洞
41 封止部、42 封止部
60 空洞
61 外殻
70 熱絶縁層
71 熱絶縁環状平面、72 熱絶縁環状平面
73 熱絶縁層
74 熱絶縁環状平面、75 熱絶縁環状平面
76 熱絶縁部分
77 熱交換フィン、78 熱交換フィン、79 熱交換フィン
80 熱交換フィン、81 熱交換フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の仕事環境において利用可能な熱エネルギーを有用なエネルギーに変換するよう設計された装置であって、該装置は、
好ましくは筒状の外殻(OS)であって、二方弁(63)が設けられ、真空によって該外殻(OS)から離間され、かつ該外殻の2つの支持面(19,38)により支持された閉じた筒状の内部ローター(IR)を収容している、外殻と、
熱伝導性材料によって作られた3つの中空の筒状部品であって一方が共通の回転軸(18)周りに互いに固定された他方の内側にある筒状部品から作られている前記内部ローター(IR)であって、第1の筒状部品は、中空の閉じた外筒(1)であって、より小さい中間筒(2)である第2の筒状部品と、前記中間筒(2)の内部に前記共通の回転軸周りに形成された内筒(3)である第3の筒状部品とを収容する、内部ローターと、
を備え、
前記内筒(3)は、その軸方向の端部にて開口し、かつ前記内筒(3)内部に形成された空洞(7)を閉じる、または開くことができる2つの制御された封止部(41,42)が設けられ、
前記中間筒(2)は、前記内筒(3)の周囲で閉じられて、空洞(40)を形成し、
前記内筒(3)の壁と、前記中間筒(2)の端壁の1つと、対向する前記外筒(1)の壁の1つとには、熱絶縁層(26,25)が設けられ、
前記熱絶縁層(26)が設けられた前記中間筒(2)の端部の外縁には、制御された一連の弁または制御されたスカート状封止部(30)が設けられ、該一連の弁またはスカート状封止部は、前記中間筒(2)の壁と外筒(1)との間に形成された空洞(4,5,6)を2つの部分に密閉するように分離し、かつ前記2つの部分の間の通路を開くまたは閉じることができ、
前記外筒(1)には、一方向弁(32)および二方向弁(33)が設けられ、
一連のプロペラ(13)は前記内筒(3)内部に設けられ、プロペラの回転エネルギーを有用なエネルギーに変換することができる手段が装備され、
モーターは前記外殻(OS)内部に配置され、前記内部ローター(IR)を回転駆動するよう設計され、
前記モーター(17)、前記プロペラおよび前記封止部を制御するため、該装置の外側に変換された前記プロペラの回転エネルギーを伝達するため、並びに、前記内部ローター(IR)の内部の温度および圧力を監視するための、手段が設けられ、
加圧された流体が前記内部ローター(IR)の内部に配置される
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記外筒(1)の外側面に円形の熱交換フィン(23)が設けられ、
前記外筒(1)の内表面に、その表面に垂直かつその軸に平行であり、かつ前記回転軸に向けて集まる熱交換フィン(21)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロペラにそれらの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する手段が装備されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
− 前記外筒(1)には、前記外筒(1)の一部である空洞(6)側の閉じた底部近くに位置する熱絶縁材料の環状部分層(70)が設けられ、
− 熱絶縁材料の2つの環状平面(71,72)が前記環状部分層(70)の外周に取り付けられ、前記外殻(61)には、外筒(1)上の対応する絶縁材料層(70)に面し、かつ平行な熱絶縁材料の環状層(73)が設けられ、
− 前記熱絶縁材料の環状層(73)が設けられた前記外殻(61)領域の内側には、2つの熱絶縁環状平面(74,75)が取り付けられ、
− 熱絶縁部分(76)が前記熱絶縁材料の環状層(73)の外側に取り付けられ、
− 前記外筒(1)の底部の端壁には熱絶縁層が設けられておらず、
− 複数の熱伝導性の熱交換フィン(77)が熱伝導性の方法により外筒(1)の前記底部内部に取り付けられ、
− 複数の熱伝導性の熱交換フィン(78,79;80,81)が前記外側の外殻(OS)内部に位置する前記回転軸の両端の周囲のさまざまな半径において熱伝導性の方法により取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
所与の仕事環境内で利用可能な熱エネルギーを有用なエネルギーに変換するための請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置を運用する方法であって、
− 前記外殻(OS)と内部ローター(IR)との間に形成された前記空洞(60)内の流体が加圧され、該流体が、前記外筒(1)の逆止弁(32)を通過し前記内部ローター(IR)の前記空洞へ入るステップと、
− 前記内部ローター(IR)の前記空洞全てが均一に加圧された流体によって満たされた後、前記内部ローター(IR)周囲の前記流体の圧力が低下することにより外筒(1)の逆止弁(32)をロックさせるステップと、
− ほぼ絶対真空状態に達するまで、前記外殻(OS)と前記内部ローター(IR)との間の前記空洞(60)から前記流体がポンプにより吸い出されるステップと、
− 前記外殻(OS)が冷たい環境に配置されるステップと、
− 一旦前記内部ローター(IR)全体が所望の冷たい温度に達すると、前記絶縁層が設けられた壁に近い前記内筒(3)の端部に位置する前記封止部(42)が密閉するように閉じられ、同時に、圧力を均一にするために流体の流れを許容する方法にて前記内筒(3)の他端部に位置する前記封止部(41)および前記一連の弁またはスカート状封止部(30)が閉じられるステップと、
− 前記モーター(17)が作動し、前記内部ローター(IR)を所望の回転角振動数(ω)まで回転させながら、回転状態の下、温度が安定するまで前記外殻(OS)が同じ冷たい環境内に保持されるステップと、
− さらに前記外殻(OS)が冷却後より高い温度の仕事環境に配置され、前記真空空洞(60)を介して前記外殻(OS)から受けた環境熱エネルギーから放出される放射により前記内部ローター内部の空洞の温度が上昇し、かつ絶縁領域の温度は非絶縁領域の温度よりもはるかに少なく上昇するステップと、
− 前記絶縁部分および非絶縁部分の温度が監視され、前記冷たい領域内の前記流体と前記温かい領域に位置する前記流体との間が、最大の差に達するように露出時間が調整され、これに対応する密度の差が生じ、前記回転によって前記流体がさらされる遠心状態と相まって、前記温かいおよび冷たい流体の圧力差が発生し、圧力差により圧力平衡を求めて高い圧力領域から低い圧力領域へ前記流体の流れが起こるステップと、
− 一旦この流れが止まり、かつ前記空洞内の前記流体が実質的に休止状態となると、前記内筒(3)の前記端部の前記封止部(41,42)および前記一連の弁または前記スカート状封止部(30)は開かれ、圧力差により前記内筒(3)内部の前記温かい領域から冷たい領域への前記流体の流れが生じ、前記流体の流れがプロペラを作動し、プロペラの回転エネルギーが有用なエネルギーに変換され、かつ絶縁層が設けられ前記冷たい流体を含む前記内部ローター(IR)部分へ流れ続ける前記流体を冷却するステップと、
− 前記一連の弁または前記スカート状封止部(30)を介して、前記環境熱エネルギーによって温度が上昇する前記内部ローター(IR)の前記非絶縁領域へ、前記冷たい流体がその後流れ続けるステップと、
を特徴とする方法。
【請求項6】
前記モーター(17)の作動後、前記内部ローター(IR)が所望の回転角振動数(ω)まで回転しながら、回転状態の下、温度が安定するまで前記外殻(OS)が同じ冷たい環境内に任意に保持され、
前記外殻(OS)が有用エネルギーを生じる2つの異なる温度領域の仕事環境に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置を運用する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
内部ローターの領域内部の前記流体が前記装置のエネルギー出力によって前記流体が相変化(凝縮)に近い温度になることで、前記内部ローター(IR)の温かいおよび冷たい領域(5,6)に起こる圧縮および減圧に関連する加熱および冷却負効果が弱まり、それゆえ前記装置の効率パラメータが改善されることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
単一流体の代わりに混合流体が使用され、前記内筒(3)内部に位置する領域(7)におけるエネルギー出力後に1つまたは複数の流体が気体状態の振る舞いが維持されながら、1つまたは複数の他の流体が凝縮することができる温度に達し、それゆえ前記流体混合物が相変化潜在エネルギー吸収および放出を活用する能力が向上し、さらに温かいおよび冷たい領域(5,6)の前記装置に起こる圧縮および減圧に関連する加熱/冷却効果を弱めることを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−523519(P2012−523519A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503938(P2012−503938)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052027
【国際公開番号】WO2010/115654
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511244148)