説明

生コン一体打込構造の地下室

【課題】 地下室を構築する際、コンクリートに打ち継ぎ面が無い、完全一体形の施工方法を提供する。
【解決手段】 地下室を構築する際に、土間の捨てコンクリート面と床面仮枠との高さを調整すると共に、仮枠にコンクリートを打ち込んだのち、引抜く事が可能な床面仮枠高さ調整部材を設け、さらに地下室の床面、壁面、天井面を仮枠一体構造で構成したためコンクリートの打ち継を行う必要がなく、水の浸入を防止することができる生コン一体打込工法の地下室を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下室の構築に際して行なわれる、生コンクリート打込構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下室は、建築基準法において容積率の緩和が認められているため、地価の高い土地や、または狭い土地に建物を建築する際、基準となる土地の容積率に対して建物の建築面積を大きく取ることが可能となると共に、音漏れが少ないので、夜遅くでも安心して大音量での楽器の練習や、音楽、DVD鑑賞が出来るようになるため、日本のような、特に都市部の地価が高い土地や、建ぺい率が狭い土地に住宅を建設する際には、最も適している構造形態であるといえる。
【0003】
しかしながら、従来技術による地下室の建築方法に関しては、水の浸入を防ぐ処置はなされているが、地下室への水の浸入を完全に防ぐ事は極めて困難であり、建築業者は、地下室を造った後に、水漏れ等のクレームが起こることを予測して、手直しや改良工事に伴う金額を水増しするため、工事金額が驚くほど高くなり、一般的な住宅を建てる際、地下室を造ることがあまり普及していないのが現状である。
【0004】
地下室を作る構造に関しては、例えば特許文献1に記載されたようなものがある。これによると、打設済コンクリート部と打継コンクリート部の打継部に膨潤止水材を埋設し、その膨潤止水材が隙間からの侵入水を吸収して膨潤ゲル化して隙間を自動的に閉鎖する。
【特許文献1】特開平5−321362
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のものにあっては、止水板を設けるもの、あるいは膨潤止水材を設けるもの、何れにおいても、地下室周囲を囲う仮枠内部の鉄筋がじゃまをして止水板や膨潤止水材が鉄筋に対して正しい位置に挿入されず、そのため仮枠内にコンクリートを打ち込んだ際に、鉄筋と止水板、膨潤止水材との間に空間が生じ、この部分から水が浸入してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、以上に述べた問題を解決するためになされたものであり、地下室の仮枠の床面、壁面、天井面を一体構造で構成することにより、止水板や膨潤止水材を無くすことが可能となり、コンクリートの打ち継を行う必要がなくなり、コンクリートの打ち継をした際に問題となる、打継面による水の浸透やコールドジョイントによる水の浸入を防止することができる生コン一体打込工法の地下室を提供することを課題としている。
【0007】
また、参考までにコンクリートの耐水性能を示す事例をあげれば、第二次世界大戦末期の1944年から1945年にかけて、兵庫県の高砂町で製造された鉄筋コンクリート船の武智丸が、現在もなお、広島県安浦町の港に防波堤として係留され、いまも健全な姿を残していることからも、コンクリートの施工方法を正しく行えれば、コンクリートには完璧な耐水性能のあることが証明されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地下室を構築する際に床面、壁面、天井面に構築する鉄筋コンクリート仮枠を繋目が無い一体構造とし、土間の捨てコンクリート面と床面仮枠との高さを調整すると共に、仮枠にコンクリートを打ち込んだのち、引抜く事が可能な床面仮枠高さ調整部材を設け、仮枠にコンクリートを打ち込む際に、途切れることなくコンクリートを連続して打ち込み、地下室構造体をコンクリートに継目が無い、一体構造にした事を特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、山留用H型鋼と山留用平板鋼板を、地下室のコンクリート仮枠の外側仮枠として流用した事を特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、地下室の仮枠内部を支えるための仮枠支持部材において、軽量鋼材をL型に構成し、仮枠の壁面と床面と天井面の四隅に、それぞれ直角に取付け、その取付けられたL型の端を同一仮枠面の相対するL型の端に固定した事を特徴とする
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、山留部材の上部に切梁を固定して、その切梁と地下室仮枠上部との間に、はめ込み部材を挿入し、地下室の仮枠にコンクリートを打ち込む際、仮枠が圧送されたコンクリートの圧力で浮上がるのを、山留材の引抜反力を利用して防止した事を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、地下室の鉄筋コンクリート仮枠を構築する際、床面と壁面と天井面とを一体で作り、床面仮枠のパネル枠に固定されたU字型鋼にナットを固定し、そのナットに上部よりボルトを挿入し、ボルト先端に設けた固定プレートを捨てコンクリート面に上置きするように構成したため、捨てコンクリート面と床面仮枠との高さを床面全体にわたり平滑に調整する事ができると共に、床面仮枠にコンクリートを打ち込んだ後、そのコンクリートが固まる前にボルトを引抜くことにより、引抜かれたボルト穴は回りのコンクリートの圧力に押されて塞がるため、従来のように、最初に土間にコンクリートの耐圧盤を作り、続いて壁側の仮枠を組み鉄筋を配置してコンクリートを打ち込み、最後に天井に仮枠を組みコンクリートを打ち込む事により発生していた、コンクリートの打ち継目からの水の浸透の問題や、コールドジョイントの問題を解決すると共に、床面の耐圧盤と壁面と打継面に設けた止水板の隙間からの水漏れを完全に解消することができる。また、日にちを於いてコンクリートの打設を行う必要がなくなるため、工期の短縮につながると共に大幅にコストの低減を図ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、山留め用平板鋼板を地下室の壁の外側仮枠部分に流用したため、従来のように、シートパイルや横矢板を用いて山留めした後、地下室外壁を作るための、外側と室内側の両側に仮枠を設けることなく、室内側の仮枠だけで作ることが可能となり、工期の短縮につながると共に大幅にコストの低減を図る事ができる。さらに隣地との境界が狭い場合であっても、壁の外側仮枠に山留めを流用したため、地下室内を広く作ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、CチャンをL型に構成した仮枠支持部材を地下室仮枠の床面と天井面に互いに向き合うように複数個取り付け、Cチャンの一端を互いに向き合った一方のCチャンと固定するように取付けたため、これまで地下室の狭い空間にコンクリートを打ち込む際、コンクリート圧送ホースの筒先を自在に操るための障害となっていた、型枠ジャッキの本数を大幅に減らすことが可能となると共に、地下室の空間が広く使えるため、コンクリート圧送の筒先を自在に動かすことが可能となり、コンクリートの打込み時間が大幅に短縮されると共に、コンクリート打ち込み時のコールドジョイントを防止することができる。さらに、Cチャンを使用するため仮枠支持部材を軽量化でき、地下室内での組立て作業の効率が上がると共に、仮枠支持部材を安価に製造することが可能となり、大幅にコストの低減を図る事ができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、山留用H型鋼の引抜き反力を利用して、山留めで使用した山留用H型鋼の上面にH型鋼の切梁を固定し、固定された切梁の下部と天井仮枠の上面との間に、はめ込み部材を挿入したことにより床面仮枠に打ち込んだコンクリートの圧力で仮枠全体が浮き上がってくる現象を防止できる。
【実施例1】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0017】
図1乃至図10には、この発明の実施の形態1を示す。
【0018】
図1は地下室構築用の仮枠構造の断面図である。地下室を作るためには、最初にH型鋼や平板鋼板を用いて山留めをした後、その山留め内を掘削機を用いて地表面から所定深さに掘削し、掘削した底部の土間11を整地した後に、土間11に砂利等を敷いてならし、点圧((踏み固め)したうえで、その上部に捨てコンクリート12を打設する。
【0019】
底部鉄筋10aは捨てコンクリートと型枠パネルの間に設けられ、複数の底面用スペーサー14aを介して捨てコンクリート12上に配筋される。
【0020】
さらに、壁部鉄筋10bと天井部鉄筋10cは複数の壁用スペーサー15bと複数の天井用スペーサー15cを介して仮枠内に配筋される。
【0021】
図2は地下室構造用の仮枠構造の平面図である。この平面図においては、外側に山留用の山留用H型鋼2を凹部が互いに向き合うように、所定間隔で地中に圧入されると共に、山留用H型鋼2の凹部面の内側にはガイド部材4が設けられ、そのガイド部材4に沿うように山留用平板鋼板3が地中に圧入される。
【0022】
また、山留用H型鋼2には土圧により山留めが仮枠内部に倒れ込むのを防ぐため、隣り合う山留用H型鋼2同士が一体化されるようにGL上の補強用H型鋼13により固定されて山留めの全周に配置される。さらにH型鋼上面2aとH型鋼上面2bの上面にも切梁5が置かれ切梁5の切梁下面5aとH型鋼上面2bが溶接やボルト等により固定される。
【0023】
このように山留用H型鋼2と山留用平板鋼板3を鉄筋コンクリート仮枠の外側仮枠として流用するため、狭い土地でも地下室を広く作ることが出来るようになり、工期の大幅な短縮が可能になると共に、コストの大幅な削減につながる。
【0024】
図3は、前記、図1と図2に係る山留用H型鋼2と山留用平板鋼板3の構成を示す斜視図である。出願人が平成16年に出願(特願2004−184087)をしている。
【0025】
図4は、捨てコンクリート12の上面と床面仮枠パネル6aとの高さを調整するための捨てコンクリート上部仮枠支持金具20の斜視図である。仮枠止プレート27に直角にU字型鋼22を溶接や接着剤等で固定し、そのU字型鋼22の凹部に高さ調整用ナット23を溶接や接着剤等で固定し、パネル枠26と底面仮枠パネル6aの結合部に支持金具取付穴28を開け、その支持金具取付穴28に捨てコンクリート上部仮枠支持金具20を挿入し、パネル枠26に対してU字型鋼22の凹部に開けられた取付穴22bにネジ釘24を挿入して固定される。
【0026】
また、捨てコンクリート12上面には、固定プレート用皿板24bに固定プレート用ナット24aが溶接や接着剤等で固定された、固定プレート24が置かれる。
【0027】
このように構成された、捨てコンクリート上部仮枠支持金具20には、床部の鉄筋コンクリート仮枠の厚さよりも長い、高さ調節ネジ21が高さ調整用ナット23にねじ込まれ、その下端は固定プレート用ナット24aに回転自在にねじ込まれるように構成される。
【0028】
そのため、仮枠内にコンクリートが打ち込まれて、仮枠内がコンクリートで満されたのち、ただちに高さ調節ネジ21を反時計方向に回して引き抜けば、固定プレート用ナット24aとの契合状態が解かれ、固定プレート24は、捨てコンクリート12上面に取り残された状態で、高さ調節ネジ21は、捨てコンクリート上部仮枠支持金具20より引抜かれる。
【0029】
そして、高さ調節ネジ21が引抜かれた後に、コンクリート内部に残る、ネジ穴の空洞は、回りのコンクリートの圧力に押されて完全に塞がる。
【0030】
この施工方法における最も大切なポイントは、コンクリートを打ち込む際に、時間をかけずに仮枠に素早く打ち込む事と、その打ち込んだコンクリートが仮枠内に充満した状態を見計らい、コンクリートが固まり始める前に、すばやく高さ調節ネジ21を引抜くことが大切である。
【0031】
捨てコンクリート上部仮枠支持金具20は、このように構成されるため、高さ調節ネジ21がコンクリートより引抜かれた後は、地下室の床面と捨てコンクリート12との間にアンカーが直接介入することが無くなり、これまでのように、仮枠を貫通するアンカーとコンクリートの隙間から水が地下室に染み出してくることを防止できる。
【0032】
図5は、図4の断面図である。底面仮枠パネル6aに取り付けられた、捨てコンクリート上部仮枠支持金具20の高さ調節ネジ21により、捨てコンクリート上面12aと底面仮枠パネル6aとの高さを調整し、地下室の床面を凸凹の少ない、均一な平面に施工することが可能となると共に、高さ調節ネジ21がコンクリートより引抜かれた後は、地下室の床面と捨てコンクリート12との間にアンカー部材等が直接介入することが無くなり、地下室を構築する上で最も重要な、水の浸入を防ぐことができる。
【0033】
つづいて、図6の仮枠を内部で支えるための内部仮枠支持金具について説明する。下部L型固定金具31はCチャン31aとCチャン31b、さらに、そのCチャン31aとCチャン31bを支えるために斜めに構成されたCチャン31cで構成され、各々のCチャンは溶接や接着剤等によりL型状に結合されている。またCチャン31aには、概ね等間隔に固定穴39が開けられ、その先端には支持金具固定ボルト34を挿入するための長穴33が開けられている。
【0034】
さらに下部L型固定金具31には、図9aのように、胴縁36の側面36aに胴縁保持穴38aを開け、図9bのようなL型に構成した保持受金物40を、Cチャン31bの側面に開けた保持穴38に挿入し、図9cのように胴縁36とCチャン31bを契合させ、下部L型固定金具31を仮枠パネルに固定させる。
【0035】
また、上部L型固定金具32は下部L型固定金具31と同一形状をなし、互いに背中合わせになるように構成される。このように構成された内部仮枠支持金具は床面仮枠パネル6aに対向して下部L型固定金具31が配置され、天井面仮枠パネル6cに対向して上部L型固定金具32が配置される。
【0036】
上部L型固定金具32と下部L型固定金具31は、天井面の天井面仮枠パネル6cと床面の床面仮枠パネル6aに対して、それぞれ押付けられるように保持され、Cチャン31bとCチャン32bの先端部に設けられた長穴33に支持金具固定ボルト34と支持金具固定ナット35によって固定される。
【0037】
また、これまでは縦方向に対するL型固定金具の取付け方を説明してきたが、横方向に対しても、L型固定金具の固定方法は前記縦方向に対する固定方法と同様に、Cチャン31aに延長金物(図示せず)を取付け、延長金物は長穴33に支持金具固定ボルト34と支持金具固定ナット35で固定される。そして壁面仮枠パネル6bと対向する位置に取付けられるCチャン31aの長穴33に支持金具固定ボルト34と支持金具固定ナット35で固定される。
【0038】
このように上部L型固定金具32と下部L型固定金具31で固定された、L型固定金具を仮枠パネル6の室内の左右壁面にほぼ等間隔に設置することにより、従来、地下室の狭い空間で、コンクリート圧送ホースの筒先を自在に操るための障害となっていた型枠ジャッキの本数を、大幅に減らすことが可能となると共に、コンクリートの圧力で壁側の壁面仮枠パネル6bが膨らむことを防止できる。
【0039】
このように構成された、前記、L型固定金具の仮枠に対する取付け間隔は、自宅用の小規模な地下室を作る際には、仮枠の横方向に対して、ほぼ1メートル間隔で取付けることが望ましい。
【0040】
つづいて、図10の仮枠の浮き上がりを防止するための仮枠浮上り防止構造について説明する。
【0041】
図1の床面仮枠パネル6aには複数個のコンクリートの圧入口(図示せず)が設けられ、これまで床面仮枠にコンクリートを打ち込む際は、ポンプ車のコンクリート圧送筒先を、前記コンクリートの圧入口と結合して、コンクリートの打ち込みを行っていた。
【0042】
しかしながら、これまで床面仮枠にコンクリートを打ち込む際に、床面仮枠の内部にコンクリートを圧送するポンプ車の圧送負荷がかかるため、圧送されたコンクリートの圧力により、仮枠パネル全体が上方に浮上ってしまうと云う問題が発生していた。
【0043】
この問題を解決するために、山留用H型鋼上面2aと山留用H型鋼上面2bの上面に、溶接やボルト等で切梁5を固定し、その切梁5と天井面仮枠パネル6cとの間に隙間が出来ないように、木材や鉄骨等のはめ込み部材50を挿入し、仮枠パネル全体が上方に浮上がろうとする力を切梁5で受け止め、山留用H型鋼2の引抜き圧力を利用して、仮枠パネル全体が上方に浮上がることを防止する。
【実施例2】
【0044】
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
[発明の実施の形態2]
【0045】
図10は、この発明の実施の形態2を示す。上記発明の実施の形態1では、Cチャン31bと胴縁36がL形の保持受金物40で契合されていたのに対して、この発明の実施の形態2では、図11aのように、上部L型固定金具32のCチャン32bのリップ部43に平板状の受け金具41を溶接や接着剤等で固定し、その受け金具41の上に、図11bのような先端がL型形状に構成されると共に、その後端がロの字型に形成されたU字型保持金具42を乗せ、その金物先端部42aに胴縁36を挟み込むことにより後端部42bがCチャン32bに当接され、上部L型固定金具32と胴縁36は図11cのように契合される。その他のL形固定金具の構造は、この発明の実施の形態1と同様である。
【0046】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る生コン一体打込構造の地下室の構造と施工方法について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。例えば、本発明の形態においては、地下室を例に説明しているが、常に水の浸入が考えられる構造体(プール、貯水層等)において本発明の生コン一体打込構造の施工方法を適用することもできる。
【0047】
さらに、図4の捨てコンクリート上部仮枠支持金具20を構成するための形状に関しても、固定プレート用皿板は、円形にこだわる必要はなく、正方形、長方形の何れの形状でもかまわない。またU字形鋼に関しても、L形鋼等の材料ではもちろんのこと、材質に関しても鉄以外のアルミ等の材料を使用することもできる。なお、本発明においては、捨てコンクリート上部仮枠支持金具20は底面仮枠パネル6aのパネル枠26に固定され、用いられているが、底面仮枠パネル6aのパネル枠26に限定するものではなく、壁面仮枠パネル6aと請求項2に記載した山留め用平板鋼板との間に取付ける事も可能である。
【0048】
また、図6の仮枠を内部で支えるための内部壁仮枠支持金具のCチャン31a、Cチャン31b、Cチャン31cについてはCチャンに限らず、例えば軽量角材、軽量L型アングル、軽量U字形鋼、さらにアルミ材等の軽量材を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1に係る地下室構築用の仮枠構造の断面図である。
【図2】同実施の形態に係る地下室構築用の仮枠構造の平面図である。
【図3】同実施の形態に係る参考図である。出願人が平成16年に出願(特願2004−184087)したH型鋼と平板鋼板で構成された山留の構造を表す斜視図である。
【図4】同実施の形態に係る捨てコンクリート面と床面仮枠パネルとの高さを調整するための捨てコンクリート上部仮枠支持金具の斜視図である。
【図5】同実施の形態に係る図4の断面図である。
【図6】同実施の形態に係る仮枠を内部で支える為の内部仮枠支持金具の斜視図である。
【図7】同実施の形態に係る図6のL型固定金具の平面図である。
【図8】同実施の形態に係る図6のL型固定金具の斜視図である。
【図9】同実施の形態に係る図6の胴縁保持受金物の斜視図である。
【図10】同実施の形態に係る仮枠の浮き上がりを防止するための仮枠浮上り防止構構を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る胴縁保持受構造の斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 地下室の仮枠
2 山留用H型鋼
3 山留用平板鋼板
4 ガイド部材
5 切梁
6 仮枠パネル
10 鉄筋
11 土間
12 捨てコンクリート
13 補強用H型鋼
20 捨てコンクリート上部仮枠支持金具
21 高さ調整ネジ
22 U字型鋼
23 高さ調整用ナット
24 固定プレート
26 パネル枠
30 内部壁仮枠支持構造
31 下部L型固定金具
31a,31b,31c Cチャン
32 上部L型固定金具
33 長穴
34 支持金具固定ボルト
35 支持金具固定ナット
36 胴縁
40 保持受金物
41 受け金具
42 U字形保持金具
50 はめ込み部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下室を構築する際に床面、壁面、天井面に構築する鉄筋コンクリート仮枠を繋目が無い一体構造とし、土間の捨てコンクリート面と床面仮枠との高さを調整すると共に、仮枠にコンクリートを打ち込んだのち、引抜く事が可能な床面仮枠高さ調整部材を設け、仮枠にコンクリートを打ち込む際に、途切れることなくコンクリートを連続して打ち込み、地下室構造体をコンクリートの継目が無い、一体構造にした事を特徴とする生コン一体打込構造の地下室。
【請求項2】
山留用H型鋼と山留用平板鋼板を、地下室の鉄筋コンクリート仮枠の外側仮枠として流用した事を特徴とする請求項1記載の生コン一体打込構造の地下室。
【請求項3】
地下室の仮枠内部を支えるための仮枠支持部材において、軽量鋼材をL型に構成し、仮枠の壁面と床面と天井面の四隅に、それぞれ直角に取付け、その取付けられたL型の端を同一仮枠面の相対するL型の端に固定した事を特徴とする請求項1記載の生コン一体打込構造の地下室。
【請求項4】
山留部材の上部に切梁を固定して、その切梁と地下室仮枠上部との間に、はめ込み部材を挿入し、地下室の仮枠にコンクリートを打ち込む際、仮枠が圧送されたコンクリートの圧力で浮上がるのを、山留材の引抜反力を利用して防止した事を特徴とする請求項1記載の生コン一体打込構造の地下室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−154627(P2007−154627A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376335(P2005−376335)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(504196492)株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 (33)
【Fターム(参考)】