説明

生ハーブの保存方法及び真空冷凍生ハーブ

【課題】
生ハーブを、真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍し冷凍保存することから、従来の乾燥されたハーブに比べ風味の良い、見た目の鮮やかなハーブを提供することができる。また、真空冷凍を行うことで生ハーブの保存期間を長くすることが可能である。
【解決手段】
生ハーブを洗浄し異物を取り除いた後、生ハーブを真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍し、冷凍保存することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーブを生のまま保存する生ハーブの保存方法及び真空冷凍生ハーブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハーブをハーブ茶として飲用することが広く行われている。そして、ハーブ茶に用いられるハーブは、特許文献1に示されるような方法により乾燥された物である。特許文献1の乾燥方法は、生のハーブ等の食用植物を、高温による細胞破壊がされず、且つ氷結を含む低温による同様の細胞破壊障害の生じない適温に加熱・保温し、キャビネット内で7〜20時間程度の真空環境で乾燥させている。
【特許文献1】特開2004−173557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の乾燥されたハーブをハーブ茶として用いた場合、生のハーブを用いた場合に比べ風味に劣ると共に、見た目の鮮やかさに欠けるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来の乾燥されたハーブに比べ風味の良い、見た目の鮮やかで、保存期間の長い生ハーブの保存方法及び真空冷凍生ハーブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の生ハーブの保存方法は、生ハーブを洗浄し異物を取り除いた後、生ハーブを真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍し、冷凍保存することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の生ハーブの保存方法は、真空包装した生ハーブを、急速冷凍することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の生ハーブの保存方法は、真空包装した生ハーブの冷凍温度が、0℃から−20℃であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の生ハーブの保存方法は、真空包装した生ハーブの冷凍温度が、−35℃から−80℃であることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の真空冷凍生ハーブは、生ハーブを洗浄し異物を取り除いた後、生ハーブを真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍したことを特徴とする真空冷凍生ハーブ。
【0010】
請求項6記載の真空冷凍生ハーブは、真空包装した生ハーブを、急速冷凍したことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の真空冷凍生ハーブは、真空包装した生ハーブの冷凍温度が、0℃から−20℃であることを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の真空冷凍生ハーブは、真空包装した生ハーブの冷凍温度が、−35℃から−80℃であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項5の発明によれば、生ハーブを、真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍し冷凍保存することから、従来の乾燥されたハーブに比べ風味の良い、見た目の鮮やかなハーブを提供することができる。また、真空冷凍を行うことで生ハーブの保存期間を長くすることが可能である。
【0014】
請求項2及び請求項6の発明によれば、真空包装した生ハーブを急速冷凍することで、生ハーブの細胞破壊を抑え、保存期間を長くすることができる。
【0015】
請求項3及び請求項7の発明によれば、真空包装した生ハーブの冷凍温度が0℃から−20℃であることから、通常の冷凍装置で冷凍可能で、生ハーブの保存期間を長くすることが可能である。
【0016】
請求項4及び請求項8の発明によれば、真空包装した生ハーブの冷凍温度が、−35℃から−80℃であることから、超低温で冷凍することになり、生ハーブの保存期間をより長くすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における真空冷凍生ハーブは、ハーブをハーブ茶等として用いるにあたって、生の状態のまま保存し流通させることが可能なものである。図1は、本発明に係る生ハーブの保存方法の手順の一例を示すフローチャートである。尚、以後の本実施例の説明において、括弧内の符号は図1の符号に対応している。
【0018】
以下、本実施例の真空冷凍生ハーブの製造方法を説明する。まず、生ハーブを洗浄して異物を取り除く下処理を行う(S101)。ハーブの種類は、例えば、ペパーミント、ローズマリー、レモングラス等であるが、特にハーブの種類によるものではない。次に、下処理を行った生ハーブを、真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装する(S102)。真空包装に使用するフィルム又は袋は、例えばポリエチレンを貼り合わせたもので、耐衝撃性や耐摩耗性に優れ、破袋やピンホールが起きにくいものが好ましく、後述する冷凍工程を考慮し低温性に優れ冷凍にも耐えるものを用いる。尚、真空包装機の構造により、真空包装材は袋状でもフィルム状であってもよい。また、真空包装材の色や表面形状は、ハーブの種類や色彩により、適宜定めればよい。尚、生ハーブの形状を保持したり、葉の様子を外部から見やすくしたり、真空後により薄くしたりするために、葉の部分を平らに拡がるようにして真空包装するのが好ましい。
【0019】
次に、真空包装した生ハーブを、冷凍し(S103)、冷凍保存する(S104)ようにする。冷凍は、一般的な冷凍においては、0℃〜−20℃の温度で行うようにする。尚、時間を掛けて冷凍することも可能であるが、生ハーブの細胞破壊の抑制を考慮すると急速冷凍が望ましい。尚、冷凍保存においては、生ハーブの鮮度保持期間を考慮して、−20℃程度の冷凍庫で保存する。
【0020】
尚、上記では、冷凍温度として一般的な0℃〜−20℃を説明したが、この温度に限られるものではなく、超低温での冷凍を行うようにしてもよい。超低温冷凍時の冷凍温度は、細胞破壊の抑制の他、タンパク質の酸素分解、脂肪の酸化や微生物の繁殖が抑制される−35℃〜−80℃である。
【0021】
以上のように、本実施例の真空冷凍生ハーブでは、生ハーブを、真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、真空包装した生ハーブを冷凍し冷凍保存することから、従来の乾燥されたハーブに比べ風味の良い、見た目の鮮やかなハーブを提供することができる。ハーブの風味としては、香りやハーブ内の成分の抽出であり、真空冷凍することで薬効の保持も可能である。また、真空冷凍を行うことで鮮度を維持し、生ハーブの保存期間を長くすることが可能である。通常の0℃から−20℃の冷凍では、半年から1年程度の保存期間となる。さらに、真空包装することで、生ハーブの形状が保持しやすく、積み重ねたりしても生ハーブが傷みにくく、運送での取り扱いが容易となる。さらに、真空包装することで、乾燥を防止することができると共に、冷凍熱が伝わりやすくない、より急速に冷凍させることが可能となる。
【0022】
真空包装した生ハーブを急速冷凍することで、生ハーブの細胞破壊を抑え、保存期間を長くすることができる。尚、真空包装した生ハーブの冷凍温度を0℃から−20℃で冷凍するのであれば、通常の冷凍装置で冷凍可能で、容易に生ハーブの保存期間を長くすることが可能である。
【0023】
さらに、真空包装した生ハーブの冷凍温度を、−35℃から−80℃にすることで、超低温で冷凍することになり、細胞破壊の抑制の他、タンパク質の酸素分解、脂肪の酸化や微生物の繁殖が抑制され、生ハーブの保存期間をより長くすることが可能である。
【0024】
本実施例の真空冷凍生ハーブの用途は、ハーブ茶に限られず、他の用途で用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上のように、本発明によれば、従来の乾燥されたハーブに比べ風味の良い、見た目の鮮やかで、保存期間の長い生ハーブの保存方法及び真空冷凍生ハーブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る生ハーブの保存方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
S101・・・下処理工程
S102・・・真空包装工程
S103・・・冷凍工程
S104・・・冷凍保存

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ハーブを洗浄し異物を取り除いた後、該生ハーブを真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、該真空包装した生ハーブを冷凍し、冷凍保存することを特徴とする生ハーブの保存方法。
【請求項2】
前記真空包装した生ハーブを、急速冷凍することを特徴とする請求項1記載の生ハーブの保存方法。
【請求項3】
前記真空包装した生ハーブの冷凍温度が、0℃から−20℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の生ハーブの保存方法。
【請求項4】
前記真空包装した生ハーブの冷凍温度が、−35℃から−80℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の生ハーブの保存方法。
【請求項5】
生ハーブを洗浄し異物を取り除いた後、該生ハーブを真空包装可能なフィルム又は袋に収納して真空包装し、該真空包装した生ハーブを冷凍したことを特徴とする真空冷凍生ハーブ。
【請求項6】
前記真空包装した生ハーブを、急速冷凍したことを特徴とする請求項5記載の真空冷凍生ハーブ。
【請求項7】
前記真空包装した生ハーブの冷凍温度が、0℃から−20℃であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の真空冷凍生ハーブ。
【請求項8】
前記真空包装した生ハーブの冷凍温度が、−35℃から−80℃であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の真空冷凍生ハーブ。

【図1】
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【公開番号】特開2010−88326(P2010−88326A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260194(P2008−260194)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(508301744)有限会社ラブアンドピース (1)
【Fターム(参考)】