説明

生体データ測定器及び生体データ測定システム、並びに、筋力計及び筋力測定システム

【課題】携帯性に優れた生体データ測定器を提供する。
【解決手段】生体に圧力を加えることにより前記生体に関するデータを測定する生体データ測定器Mであって、筐体1と、筐体1から延出すると共に前記生体の被測定部位の近傍に当接されて前記被測定部位の近傍に圧力を加える補助当接部と、補助当接部によって前記被測定部位の近傍に圧力が加えられた状態で、前記被測定部位に当接されて、前記補助当接部が前記被測定部位の近傍を加圧する加圧方向に向けて、前記被測定部位に圧力を加える主当接部と、前記筐体の内方に設けられ、前記被測定部位から前記主当接部が受ける圧力を測定する圧力センサと、前記筐体に設けられ、前記測定した生体データを表示する生体データ表示部とを備え、補助当接部は、先端が基端側よりも外方に張り出していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の筋組織硬度や痛覚の度合い等の生体データを測定する生体データ測定器及び生体データ測定システム、並びに、生体の筋力を測定する筋力計及び筋力測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筋組織硬度計としては、生体に当接するプローブを有する検出器と、このプローブからの入力信号に対して各種演算を行って筋組織硬度を表示する装置本体とを備えるものが知られている(例えば、下記特許文献1)。
【0003】
また、筋力計としては、生体に当接させる当接部及び当接部に設けられた取付軸部を備えるアタッチメントと、取付軸部が挿入される挿入孔及び挿入孔の先端に内蔵された圧力センサを備える検出器と、この検出器からの入力信号に対して各種演算を行う装置本体とを備えるものがある。この種の筋力計は、挿入孔に取付軸部を挿入した状態において、当接部を生体に当接させて筋力によって当接部を押圧すると、取付軸部を介して圧力センサが押圧され、この検知結果に対して装置本体が各種演算処理を行って筋力を表示するようになっている。
なお、この種の筋力計と異なる種のものとして、下記特許文献2のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−272286号公報
【特許文献2】特開2004−180982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の生体データ測定器や筋力計は、生体に当接するアタッチメントやプローブを有する検出器とは別個に、測定結果を表示する装置本体を備えるために、装置全体が嵩張って持ち運びに不便であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、携帯性に優れた生体データ測定器及び生体データ測定システム、並びに、筋力計及び筋力測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る生体データ測定器は、生体に圧力を加えることにより前記生体に関するデータを測定する生体データ測定器であって、筐体と、前記筐体から延出すると共に前記生体の被測定部位の近傍に当接されて前記被測定部位の近傍に圧力を加える補助当接部と、前記補助当接部によって前記被測定部位の近傍に圧力が加えられた状態で、前記被測定部位に当接されて、前記補助当接部が前記被測定部位の近傍を加圧する加圧方向に向けて、前記被測定部位に圧力を加える主当接部と、前記筐体の内方に設けられ、前記被測定部位から前記主当接部が受ける圧力を測定する圧力センサと、前記筐体に設けられ、前記測定した生体データを表示する生体データ表示部とを備え、前記補助当接部は、先端が基端側よりも外方に張り出していることを特徴とする。
この構成によれば、測定した生体データ(例えば、組織硬度)を表示する生体データ表示部が筐体に設けられているので、生体データ表示部が設けられた別体の装置を用いる必要がない。これにより、装置の全体構成をコンパクトにすることができる。従って、携帯性を向上させることができる。
さらに、補助当接部の先端が基端側よりも外方に張り出しているので、補助当接部が被測定部位に当接させ易くなる。これにより、生体データ表示部が視認し難くなる被測定部位であっても、生体と生体データ測定器との相対角度の調整が大きく許容されるので、視認性の低下を抑制することができる。
【0008】
また、前記生体データ表示部は、前記補助当接部が前記生体から圧力を受ける受圧方向側に向けて設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、生体データ表示部が受圧方向側に向けて設けられているので、測定者が被測定部位に対して受圧方向に位置する場合に、この測定者に生体データを容易に視認させることができる。
【0009】
また、前記筐体は、前記加圧方向と交差する方向に延びる把持部を有し、前記生体データ表示部は、前記把持部が延びる方向に対して逆側に向けて設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、筐体が加圧方向と交差する方向に延びる把持部を有しているので、把持部を鉛直平面上に位置させるように把持することで、筐体の姿勢を安定させることができる。これにより、被測定部を安定して加圧することができ、生体データの測定をより正確に行うことができる。
さらに、生体データ表示部が、把持部が延びる方向に対して逆側に向けて設けられているので、生体データ表示部が測定者の目線の高さよりも下方にある場合に、この測定者に生体データを容易に視認させることができる。
【0010】
また、前記補助当接部は、先端に着脱可能に設けられた着脱式張出部と、この着脱式張出部を先端に固定するロック機構とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、先端に着脱可能に設けられた着脱式張出部と、ロック機構とを備えるので、携帯性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、前記主当接部の先端が前記補助当接部の先端よりも前記加圧方向側に位置するように前記補助当接部を固定する固定機構と、前記測定した生体データのうちオンとした際の前記生体データを前記生体データ表示部に表示させるスイッチとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、補助当接部を加圧方向側に位置するように固定する固定機構と、スイッチとを備えるので、例えば、生体データとして痛覚の度合い(痛覚閾値)を測定することができる。これにより、生体データ測定器を圧通計として機能させることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る生体データ測定システムは、無線通信部を備える上記のいずれかの生体データ測定器と、前記無線通信部と無線通信を行って、前記測定した生体データを印刷するプリンタとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、無線通信を行って、測定した生体データを印刷するプリンタを備えるので、測定した生体データを確実に記録することができる。これにより、生体データ表示部が視認し難い場合であっても、測定した生体データを確実に把握することができる。
【0013】
また、本発明に係る筋力計は、生体に当接されるアタッチメントと、前記アタッチメントが取り付けられて、前記アタッチメントを介して前記生体からの圧力を検出し、前記生体の筋力を測定する筋力計本体と備える筋力計であって、前記アタッチメントは、前記生体に当接される当接面が延びる当接座部と、前記筋力計本体に取り付けるための取付軸部とを備えるとともに、前記筋力計本体は、前記取付軸部が挿入される挿入孔と、前記挿入孔の先端に設けられた圧力センサと前記測定した筋力を表示する筋力表示部とを備え、前記取付軸部の軸方向から見た場合における前記アタッチメントと前記筋力計本体との相対角度が調整可能であることを特徴とする。
この構成によれば、筋力計本体にアタッチメントが取り付けられると共に、この筋力計本体が筋力を表示する筋力表示部を備えるので、筋力表示部が設けられた別体の装置を用いる必要がない。これにより、装置の全体構成をコンパクトにすることができる。従って、携帯性を向上させることができる。
さらに、取付軸部の軸方向から見た場合におけるアタッチメントと筋力計本体との相対角度が調整可能であるので、当接座部が生体に当接させ易くなる。これにより、筋力表示部が視認し難くなる被測定部位であっても、生体と筋力計本体との相対角度の調整が大きく許容されるので、視認性の低下を抑制することができる。
【0014】
また、前記取付軸部に多角形状の位置決め部が設けられ、前記挿入孔の断面形状が前記多角形状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、取付軸部に多角形状の位置決め部が設けられ、挿入孔の断面形状が多角形状に形成されているので、挿入孔の軸線を中心としたアタッチメントの回転位置を容易に位置決めすることができるだけでなく、生体から圧力を受けている際に、アタッチメントが移動することを防止することができ、より高精度に測定することができる。
【0015】
また、前記筋力計本体のうち前記挿入孔が形成された面と背向する上面がドーム状に形成され、前記上面に、ベルトを通すためのベルト用突起部が複数形成され、前記ベルト用突起部の先端と、前記裏面のドーム状の頂点部とが同一の高さに設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、ベルト用突起部にベルトを通して、筋力計本体を把持し易くすることができるだけでなく、ベルト用突起部の先端と、筋力計本体の上面の頂点部とが同一の高さに設定されていることから、上面側を平坦面に置いたときに、ベルト用突起部と上面の頂点部とによって、生体からの圧力を安定的に支持することができる。
【0016】
また、本発明に係る筋力測定システムは、無線通信部を備える上記のうちいずれかの筋力計と、前記無線通信部と無線通信を行って、測定した前記生体の筋力を印刷するプリンタとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、無線通信を行って、測定した筋力を印刷するプリンタを備えるので、測定した筋力を確実に記録することができる。これにより、筋力表示部が視認し難い場合であっても、測定した筋力を確実に把握することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、携帯性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定システムS1の概略構成斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定システムS1のブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定器Mの概略構成斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る支持筒部16の正面図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るプローブ4の側断面図であって、補助筒部26が面一位置E1に配された様子を示す図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係るプローブ4の分解斜視図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る補助筒部26を示す図であって、図6におけるI矢視図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係るプローブ4の側断面図であって、補助筒部26が後退位置E2に配された様子を示す図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定器Mを筋組織硬度計として使用するときの図であって、補助筒部26が面一位置E1に配された様子を示す斜視図である。
【図10】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定器Mを圧痛計として使用するときの図であって、補助筒部26が後退位置E2に配された様子を示す斜視図である。
【図11】本発明の第一実施形態に係る生体データ測定器Mを圧痛計として使用するときの図であって、補助筒部26が後退位置E2に配された様子を示す側面図である。
【図12】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70を示す平面図である。
【図13】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70を示す斜視図である。
【図14】本発明の第一実施形態に係る着脱式張出部80を示す平面図である。
【図15】本発明の第一実施形態に係る着脱式張出部80を示す斜視図である。
【図16】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70が着脱式張出部80の貫通孔80a内に配された様子を示す説明図である。
【図17】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70と着脱式張出部80を相対回転させて、互いにロックした様子を示す説明図である。
【図18】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70及び着脱式張出部80を側方から見た様子を示す説明図である。
【図19】本発明の第一実施形態に係る先端キャップ70及び着脱式張出部80を側方から見た様子を示す説明図である。
【図20】本発明の第一実施形態に係る生体データ表示部6の読取方法を説明する第一説明図である。
【図21】本発明の第一実施形態に係る生体データ表示部6の読取方法を説明する第二説明図である。
【図22】本発明の第一実施形態に係る着脱式張出部80の変形例80Aを示す平面図である。
【図23】本発明の第二実施形態に係る筋力測定システムS2の概略構成斜視図である。
【図24】本発明の第二実施形態に係る筋力測定システムS2のブロック図である。
【図25】本発明の第二実施形態に係る筋力計Nの正面図である。
【図26】本発明の第二実施形態に係る筋力計Nの側面図である。
【図27】本発明の第二実施形態に係る筋力計Nの上面図である。
【図28】本発明の第二実施形態に係るアタッチメント102を示す側面図である。
【図29】本発明の第二実施形態に係る筋力計本体103の概略構成断面図である。
【図30】本発明の第二実施形態に係る支持部131を示す斜視図である。
【図31】本発明の第二実施形態に係る取付軸部126を挿入孔111に挿入し、球状部136が突出位置に配されて、凹部130に嵌合している様子を示す説明図である。
【図32】本発明の第二実施形態に係るアタッチメント102及び筋力計本体103を側方から示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る生体データ測定システムS1の概略構成斜視図であり、図2は、生体データ測定システムS1のブロック図である。
図1及び図2に示すように、生体データ測定システムS1は、生体データ測定器Mと、プリンタPとを備えている。
【0020】
図2に示すように、生体データ測定器Mは、筐体1と、プローブ4と、生体データ表示部6と、操作部8と、制御部9と、第一の圧力センサ54と第二の圧力センサ53と、無線通信部85とを備えている。
【0021】
図3は、生体データ測定器Mの概略構成斜視図である。
図1及び図3に示すように、筐体1は、プローブ4を保持すると共に、制御部9やメモリ9aを構成する電子部品、生体データ表示部6及び操作部8を収容する。この筐体1は、合成樹脂からなり、略L字状に成形されたものであって、断面輪郭が楕円状となっている。このような筐体1は、先端にプローブ4を保持する筐体本体部2と、この筐体本体部2の基端から屈曲して筐体本体部2と交差する方向に延びた把持部3とを備えている。
【0022】
筐体本体部2は、筒状に形成されており、先端が開放端とされている。図1に示すように、この筐体本体部2の外表面のうち、把持部3の逆側には、平面状に形成された表示操作面2aが先端近傍から基端に亘って延在している。この表示操作面2aは、基端側から先端側に向かって立ち上がるように傾斜している。
なお、この筐体本体部2の軸線Lが、生体に対する圧力方向となる。この圧力方向は、生体に圧力を加える加圧方向、生体から圧力を受ける受圧方向を包括する方向である。
【0023】
図1及び図3に示すように、把持部3は、筐体本体部2の基端から軸線Lと交差する方向に延びた細長の部位となっており、測定者が容易に把持することができるものとなっている。なお、この把持部3は、筐体本体部2と一体に形成されている。
【0024】
図4は、支持筒部16の正面図であり、図5は、プローブ4の側断面図である。
図5に示すように、プローブ4は、支持筒部16と、補助筒部26と、主針部37とを備えている。
【0025】
図3に示すように、支持筒部16は、軸線L上に延びる円筒状の部位であり、筐体本体部2の開放端(先端)に設けられている。支持筒部16の基端部には、支持筒部16の径方向外方に延ばされた基端フランジ21が設けられており、この基端フランジ21が筐体本体部2の開放端を覆った状態で固定され、支持筒部16が取り付けられている。
【0026】
図4に示すように、支持筒部16の内周面には、その径方向内方に突出する対をなす突起部(ロック機構)22が設けられている。突起部22は、支持筒部16の中心軸(軸線L)を挟んで互いに対向配置されている。
また、図5に示すように、支持筒部16の先端部には、径方向内方に向けられた先端フランジ27が設けられている。
【0027】
図6は、プローブ4の分解斜視図である。
図5及び図6に示すように、補助筒部26は、軸線L上に延びる円筒状の部位であり、支持筒部16の筒孔25内に挿通されている。補助筒部26は、軸線L方向に往復動可能に支持されている。
【0028】
図7は、図6におけるI矢視図である。
図6及び図7に示すように、補助筒部26の外周面の基端には、径方向外方に突出する第1のフランジ部33が設けられている。
図6に示すように、第1のフランジ部33には、径方向内方に矩形状に没する第1の凹部33aが形成されている。図7に示すように、第1の凹部33aは、補助筒部26の周方向に均等間隔をあけて二つ設けられている。すなわち、第1の凹部33aは、補助筒部26の中心軸を挟んで互いに対向している。図6に示すように、これら第1の凹部33aは、第1のフランジ部33の軸線L方向の全長にわたって形成されている。
【0029】
図6に示すように、第1のフランジ部33には、軸線L方向後方に没する係合用凹部(ロック機構)36が形成されている。係合用凹部36は、図7に示すように、補助筒部26の周方向に均等間隔をあけて二つ設けられている。すなわち、係合用凹部36は、補助筒部26の中心点を挟んで互いに対向している。
つまり、第1の凹部33a及び係合用凹部36は、図7に示すように、周方向に均等間隔をあけて交互に設けられている。
【0030】
図6に示すように、第1のフランジ部33から支持筒部16の先端側(軸線L方向)に所定の間隔をあけて第2のフランジ部32が形成されている。第2のフランジ部32には、径方向内方に矩形状に没する第2の凹部32aが形成されている。第2の凹部32aは、図7に示すように、補助筒部26の周方向に均等間隔をあけて二つ設けられている。すなわち、第2の凹部32aは、補助筒部26の中心点を挟んで互いに対向している。これら第2の凹部32aは、第2のフランジ部32の軸線L方向の全長にわたって形成されている。また、第2の凹部32aは、第1の凹部33aと係合用凹部36との間の周方向の中心に配されている。
【0031】
このような構成により、図4、図6及び図7に示すように、軸線Lを回転中心とする所定の回転位置で補助筒部26を軸線L方向に移動させると、支持筒部16内に形成された突起部22が、第2の凹部32aを通り、また、他の回転位置で補助筒部26を軸線L方向に移動させると、突起部22が第1の凹部33aを通るようになっている。さらに、第1のフランジ部33と第2のフランジ部32との間に突起部22が配された状態で、補助筒部26を回転させて、突起部22と係合用凹部36とを一致させると、突起部22が係合用凹部36に係合するようになっている。
【0032】
また、第1のフランジ部33及び第2のフランジ部32は同径であり、ともに先端フランジ27の内径よりも大きくなっている。すなわち、第2のフランジ部32が先端フランジ27に当接することにより、補助筒部26が支持筒部16から抜け落ちることが防止されるようになっている。
また、図5に示すように、補助筒部26の先端部には、先端フランジ31が設けられている。
【0033】
図5に示すように、主針部37は、支持筒部16及び補助筒部26内において、これら支持筒部16及び補助筒部26と同軸上に設けられている。主針部37の長手寸法は、支持筒部16及び補助筒部26のそれぞれの長手寸法よりも大きくなっている。そのため、主針部37の先端部は、支持筒部16の先端フランジ27から突出している。
主針部37は、支持筒部16内で軸線L方向に相対移動可能に支持されている。また、主針部37は、有底円筒状の外郭部45と、円柱状の芯部46とを備えている。そして、外郭部45内を芯部46が挿通しており、芯部46は軸線方向に往復動可能に支持されている。
【0034】
図5に示すように、外郭部45は、小径部45aと、この小径部45aの基端部に設けられた大径部45bとを備えている。これら小径部45aと大径部45bとは一体に形成されている。小径部45aの内周面には、段差部50が形成されている。また、芯部46外周面には、段差部51が形成されている。そして、段差部50,51同士が当接することにより、芯部46が外郭部45の先端から抜け落ちることが防止されるようになっている。
【0035】
さらに、図5に示すように、芯部46の先端には、その後端側に没する不図示の雄ネジ部が形成されている。そして、図5及び図6に示すように、主針部37の先端には、円柱状の先端チップ(主当接部)40が螺着されている。これにより、先端チップ40は、主針部37の先端に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0036】
また、図5に示すように、大径部45b内には、例えば半導体からなる第二の圧力センサ(圧力センサ)53が設けられている。そして、先端チップ40が押圧されると、外郭部45に対して芯部46が後方側に移動し、このときの芯部46の圧力を第二の圧力センサ53が測定するようになっている。
さらに、第二の圧力センサ53の後方であって、大径部45bの外底面には、第一の圧力センサ(圧力センサ)54が設けられている。そして、補助筒部26と先端チップ40が押圧されると、主針部37が支持筒部16に対して後方側に移動し、このときの主針部37の圧力を第一の圧力センサ54が測定するようになっている。
【0037】
また、図5及び図6に示すように、主針部37の外周には、コイルばね43が設けられている。すなわち、コイルばね43内を主針部37が挿通している。コイルばね43の長手寸法(弾性変形していない状態における長手寸法)は、小径部45aの長手寸法よりも大きくなっている。また、コイルばね43の内径は、大径部45bの外径及び先端フランジ31の内径よりも大きくなっている。すなわち、コイルばね43は、大径部45bの先端面と、先端フランジ31の内面との間に配置され、これにより、補助筒部26は、先端側に向けて常に付勢され、主針部37は、基端側に常に付勢されている。そして、第2のフランジ部32が先端フランジ27に当接することにより、補助筒部26が支持筒部16の先端から突出した状態で保持されている。
【0038】
さらに、外力を加えない自然状態においては、図5及び図9に示すように、補助筒部26の先端面26a(より正確には後述する先端キャップ70の表面)は、先端チップ40の先端面40aと面一になっている。このときの補助筒部26の配された位置を面一位置E1というものとする。
一方、補助筒部26を基端側に向けて押圧すると、図8に示すように、補助筒部26がコイルばね43の付勢力に抗して、支持筒部16内に没する方向に移動するようになっている。このとき、補助筒部26を所定の回転位置に合わせ、突起部22が第2の凹部32aを通り、第1のフランジ部33と第2のフランジ部32との間に配されるようにする。
【0039】
この位置から軸線Lを中心として補助筒部26を回転させて突起部22と係合用凹部36とが軸線L方向において対向する位置に配する(図7参照)。さらに、この位置から、補助筒部26を解放する(手を離す)と、コイルばね43の付勢力によって、補助筒部26が前方に移動し、突起部22が係合用凹部36内に配される。これにより、補助筒部26が支持筒部16内に没した位置で保持される。このとき、図10及び図11に示すように、補助筒部26の先端面26aは、先端チップ40の先端面40aに対して、後方側に後退した位置に配されており、このときの補助筒部26の配された位置を後退位置E2というものとする。
また、補助筒部26は、その先端に取り付けられた先端キャップ70を備えている。
【0040】
図12は、先端キャップ70を示す平面図であり、図13は、先端キャップ70を示す斜視図である。
図12及び図13に示すように、先端キャップ70は、リング状に形成された円板状のキャップ本体部75と、このキャップ本体部75の外縁部の全周から立ち上げられた周壁部76とを備えている。キャップ本体部75の中央には、円形の貫通孔70aが形成されている。そして、その貫通孔70a内に、先端チップ40が配されている(図5及び図9参照)。
図12及び図13に示すように、周壁部76には、径方向内方に没する周壁凹部74aと、径方向外方に突出する周壁凸部74bとが形成されている。図12に示すように、周壁凹部74a及び周壁凸部74bは、周方向に均等間隔をあけて、交互に四つずつ形成されている。
周壁凸部74bは、キャップ本体部75の中心部分をその中心点として円弧状に形成されている。また、周壁凹部74aは、径方向内方に緩やかに湾曲している。
【0041】
周壁凸部74bのうち、高さ方向(軸線L方向)における支持筒部16側の端部には、径方向外方に突出する矩形板状の固定突起部(固定機構)71がそれぞれ設けられている。図12に示すように、これら固定突起部71は、周壁凸部74bの周方向の中央に設けられている。また、対向する一対の周壁凸部74bの内周には、支持筒部16側に延びる連結壁部72がそれぞれ形成されている。これら連結壁部72の内面の先端には、径方向内方に突出する取付部72aが形成されている。これら取付部72aが、補助筒部26の不図示の凹部に係合することにより、先端キャップ70が取り付けられるようになっている(図5参照)。
【0042】
また、周壁凸部74bの外周部には、径方向内方に没する長溝(固定機構)73が形成されている。長溝73は、周壁凸部74bの高さ方向の全長にわたって形成されている。また、これら長溝73は、周壁凸部74bの外周部のうち、すべて周方向の一端側に偏心して設けられている。
このような先端キャップ70を介して、補助筒部26の先端には、円板状の着脱式張出部(補助当接部)80が着脱可能に設けられている。
【0043】
図14は、着脱式張出部80を示す平面図であり、図15は、着脱式張出部80を示す斜視図である。
着脱式張出部80は、透明の樹脂からなっており、図3に示すように、その径は、補助筒部26の径よりも大きくなっている。図14に示すように、着脱式張出部80の裏面には、補強用のリブ81が設けられている。また、着脱式張出部80の中央には、厚さ方向の貫通孔80aが形成されている。この貫通孔80a内に補助筒部26の先端が配されるようになっている。そして、着脱式張出部80が補助筒部26に取り付けられると、補助筒部26の先端面26aと着脱式張出部80の表面とが面一に配されるようになっている。
【0044】
図14及び図15に示すように、貫通孔80aの縁部の全周からは周壁部86が立ち上げられている。周壁部86の内周部のうち、その高さ方向の端部(周壁部86の立ち上げ方向の端部)には、径方向内方に突出する固定突起部(固定機構)82が形成されている。固定突起部82は、円弧状に緩やかに突出して形成されている。さらに、図14に示すように、固定突起部82は、周方向に均等間隔をあけて四つ設けられている。
【0045】
また、周壁部86の内周部には、図14及び図15に示すように、周壁部86の高さ方向に延びる突起部(固定機構)83が形成されている。突起部83は、周壁部86の内周部のうち、すべて周方向の他端部に偏心して設けられている。さらに、周壁部86には、高さ方向の端部から矩形状に没する切欠部84が形成されている。切欠部84は、周壁部86の周方向に均等間隔をあけて四つ形成されている。そして、図18に示すように、切欠部84の底部84aは、周方向の他端部から一端部に向かって(固定突起部82及び突起部83に向かって)深さ寸法が漸次小さくなるように傾斜している。すなわち、切欠部84のうち、周方向の一端部の深さ寸法d1は、他端部の深さ寸法d2よりも小さくなっている。
【0046】
図1に戻って、生体データ表示部6は、例えば、矩形状の液晶からなるものであり、制御部9から入力された生体データ(組織硬度、痛覚の度合い)の測定値や各種データを表示する。この生体データ表示部6は、表示操作面2aのうち、筐体本体部2の先端側に設けられている。上述したように、表示操作面2aが基端側から先端側に向かって立ち上がるように傾斜しているため、生体データ表示部6は、図1及び図11に示すように、補助筒部26が生体から圧力を受ける受圧方向側、かつ、把持部3が延びる方向に対して逆側に向けられている。
【0047】
操作部8は、各種操作を行うための操作ボタン等から構成されており、図2に示すように、測定者が所望する動作情報が制御部9に入力されるようになっている。この操作部8は、図1に示すように、表示操作面2aのうち、筐体本体部2の基端側に設けられている。
【0048】
制御部9は、筋組織硬度測定モードと筋力測定モードとに応じて以下の処理を行う。
すなわち、筋組織硬度測定モードが設定された場合には、第二の圧力センサ53及び第一の圧力センサ54から出力された測定信号を読み出して、それぞれの測定値情報を生体データ表示部6に逐次表示する。そして、制御部9は、メモリ9aに記憶された閾値情報を読み出して、その閾値情報と、第一の圧力センサ54の測定値情報とを比較する。制御部9は、第一の圧力センサ54の測定値情報が閾値情報を超えたと判定すると、そのときの第二の圧力センサ53の測定値情報をメモリ9aに記憶させる。
また、制御部9は、第二の圧力センサ53への押圧力に応じて出力された測定信号を読み出して、測定値情報を生体データ表示部6に逐次表示する。そして、スイッチ10から出力された応答信号を読み出して、この応答信号を読み出したときの測定値情報をメモリ9aに記憶させる。
また、この制御部9は、いずれの測定モードの場合もメモリ9aに記憶させる測定値情報を示す無線信号を無線通信部85に出力させる。
【0049】
スイッチ10は、オン・オフ切り替え可能に構成されたものであり、不図示のケーブルを介して制御部9に接続されている。このスイッチ10は、解放された自然状態では、オフとなり応答信号を出力しない。一方、スイッチ10は、測定者により押圧されると、オンとなり応答信号を出力する。
【0050】
無線通信部85は、例えば、Bluetooth規格に対応したものであり、制御部9から入力された信号に基づいて、メモリ9aに記憶させる測定値情報と同一の測定値情報を無線信号を出力する。
【0051】
プリンタPは、図2に示すように、無線通信部90と、印刷制御部91と、印刷部92とを備えている。
無線通信部90は、無線通信部85から出力された無線信号を受け取って、この受け取った信号に基づいた出力信号を印刷制御部91に出力する。
印刷制御部91は、無線通信部90から入力された信号に基づいて、印刷データを印刷部92に出力する。
印刷部92は、印刷制御部91から入力された印刷データに基づいて、感熱紙等の印刷媒体に測定値情報を印刷する。
【0052】
次に、このように構成された本実施形態における生体データ測定器M及び生体データ測定システムS1の使用方法について説明する。
まず、生体データ測定器Mを筋組織硬度計として使用するときには、図5及び図9に示すように、補助筒部26を面一位置E1に配する。そして、先端チップ40の先端面40aと、補助筒部26の先端面26aとを被測定箇所に当接させて、生体データ測定器Mを押し込んでいく。
すると、図8及び図10に示すように、補助筒部26の先端面26aが皮膚にテンションを与え、その状態で、先端チップ40が皮膚内に押されていく。このとき、反作用によって、先端チップ40及び補助筒部26に対して、後方側に押圧力が加えられる。
【0053】
そして、先端チップ40に対する押圧力は、主針部37に直接的に加えられる。すなわち、先端チップ40に対する押圧力は、芯部46に加えられ、そのため、芯部46は、外郭部45に対して後方に移動し、第二の圧力センサ53に押圧力が加えられる。このとき、第二の圧力センサ53は、その押圧力に応じて測定信号を出力する。また、第二の圧力センサ53に対する押圧力は、外郭部45に加えられる。
それとともに、補助筒部26に対する押圧力は、コイルばね43を介して主針部37に間接的に加えられる。そのため、主針部37が支持筒部16に対して後方に移動し、第一の圧力センサ54に押圧力が加えられる。このとき、第一の圧力センサ54は、その押圧力に応じて測定信号を出力する。
【0054】
制御部9は、第二の圧力センサ53及び第一の圧力センサ54から出力された測定信号を読み出して、それぞれの測定値情報を生体データ表示部6に逐次表示する。
この際、生体データ表示部6が、受圧方向側、かつ、把持部3が延びる方向に対して逆側に向けられているために、測定者は、生体データ表示部6に表示された筋組織の硬度を容易に視認することができる。
【0055】
そして、制御部9は、メモリ9aに記憶された閾値情報を読み出して、その閾値情報と、第一の圧力センサ54の測定値情報とを比較する。制御部9は、第一の圧力センサ54の測定値情報が閾値情報を超えたと判定すると、そのときの第二の圧力センサ53の測定値情報をメモリ9aに記憶する。
これにより、筋組織硬度が測定され記憶される。
【0056】
また、制御部9は、測定値情報が閾値情報を超えたと判定したときの測定値情報を示す無線信号を、無線通信部85に出力させる。この無線信号を受け取ったプリンタPは、無線信号が示す筋組織硬度を感熱紙に印刷する。
【0057】
一方、生体データ測定器Mを圧痛計として使用するときには、図8、図10及び図11に示すように、補助筒部26を後退位置E2に配してロックする。すなわち、上述したように、突起部22と係合用凹部36とを係合させる。これにより、先端チップ40が補助筒部26の先端面26aから突出した状態になる。また、スイッチ10を被測定者に把持してもらう。この状態で、先端チップ40を被測定箇所に当接させて、生体データ測定器Mを押し込んでいく。
すると、反作用により先端チップ40に対して後方側に押圧力が加えられる。
【0058】
先端チップ40に対する押圧力は、芯部46に直接的に加えられる。そのため、芯部46は、外郭部45に対して後方に移動し、第二の圧力センサ53に押圧力が加えられる。
このとき、第二の圧力センサ53は、その押圧力に応じて測定信号を出力する。すると、制御部9は、その測定信号を読み出して、測定値情報を生体データ表示部6に逐次表示する。そして、被測定者は、痛みを感じた時点でスイッチ10を押圧する。すると、スイッチ10から応答信号が出力される。制御部9は、その応答信号を読み出して、応答情報を生体データ表示部6に表示する。応答情報の表示は、文字や図形によって行われる。それとともに、制御部9は、応答信号を読み出したときの測定値情報をメモリ9aに記憶する。
これにより、痛覚の度合いが測定され記憶される.
【0059】
また、制御部9は、応答信号を読み出したときの測定値情報を示す無線信号を、無線通信部85に出力させる。この無線信号を受け取ったプリンタPは、無線信号が示す痛覚の度合いを感熱紙に印刷する。
【0060】
なお、補助筒部26のロックを解除するには、補助筒部26を後方側に押し込み、突起部22を係合用凹部36から移動させ、補助筒部26を、軸線Lを中心として回転させる。そして、突起部22が第2の凹部32aと一致したときに、補助筒部26を解放する。
すると、コイルばね43の付勢力により、補助筒部26が前方に押され、突起部22が第2の凹部32aを通り、補助筒部26は、面一位置E1に配された状態で保持される。
【0061】
ここで、生体データ測定器Mを筋組織硬度計として使用する場合において、生体データ表示部6が測定者から視認し難くなる被測定部位であるとき、以下のようにして視認性を調整することが可能である。
まず、着脱式張出部80を補助筒部26に取り付ける。これにより、着脱式張出部80は、補助筒部26と同心上に配され、着脱式張出部80の表面と補助筒部26の先端面26aとが面一に配される。この状態で、着脱式張出部80を生体に当接させて押し込むと、生体との接触面積が大きくなるため、被測定部位に当接させ易くなる。つまり、図20に示すように、生体データ表示部6の向きが視線方向に沿ったものであって生体データ表示部6が測定者から視認し難くなるものであっても、図21に示すように、生体データ測定器Mの姿勢を変更して生体データ表示部6の位置を視認し易い位置に調整することができる。
【0062】
また、生体との接触面積が大きくなるため、生体に対する負荷が分散される。そのため、被測定部位が柔らかくても、補助筒部26がめり込むことなく、生体の軟質部のみを高精度に検出することができる。一方、被測定部位が硬い場合には、着脱式張出部80を取り外すことにより、補助筒部26を当接させることにより、高精度に測定することができる。
【0063】
ここで、着脱式張出部80を補助筒部26に取り付ける際には、着脱式張出部80の固定突起部82と先端キャップ70の周壁凹部74aとが一致するように、先端キャップ70に対する着脱式張出部80の回転位置を揃える。その状態で、着脱式張出部80の貫通孔80a内に、先端キャップ70を配する。すると、図16に示すように、先端キャップ70の固定突起部71が着脱式張出部80の切欠部84の底部84aに当接する。これにより、着脱式張出部80が軸線L方向後方に移動することが規制される。
なお、着脱式張出部80と先端キャップ70との回転位置がそろっていない場合には、固定突起部82が先端キャップ70の先端面に当接してしまい、着脱式張出部80を取り付けることはできない。
【0064】
そして、先端キャップ70の固定突起部71が切欠部84の底部84aに当接した状態においては、図18に示すように、先端キャップ70の軸線L方向の端部と着脱式張出部80の軸線L方向の端部との間にクリアランスCが生じる。この状態で、着脱式張出部80を他方向(図16に対して左方向)に、先端キャップ70を一方向(図16に対して右方向)に相対回転させる。すると、図19に示すように、固定突起部71が底部84aによって案内されて、軸線L方向後方にスライドする。すなわち、先端キャップ70が着脱式張出部80に対して全体的に軸線L方向後方に移動する。これにより、先端キャップ70の軸線L方向の端部と着脱式張出部80の軸線L方向の端部との間のクリアランスCが漸次小さくなっていく。そして、さらに先端キャップ70と着脱式張出部80とを相対回転させると、図17に示すように、突起部83が長溝73に係合し、相対回転が規制される。
【0065】
このとき、先端キャップ70の軸線L方向の端部が固定突起部82の軸線L方向の前方側に当接する。これにより、着脱式張出部80が軸線L方向前方に移動することが規制される。また、このとき、図19に示すように、クリアランスCがなくなり、着脱式張出部80は、固定突起部71及び切欠部84の底部84a、並びに、固定突起部82及び先端キャップ70の軸線L方向の端部によって、軸線L方向の往復移動が規制(ロック)され、がたつきも抑えられる。
なお、着脱式張出部80を取り外す場合には、着脱式張出部80と先端キャップ70とを上記とは反対方向に相対回転させればよい。
【0066】
以上説明したように、生体データ測定器Mによれば、測定した筋組織硬度や痛覚の度合いを表示する生体データ表示部6が筐体1に設けられているので、生体データ表示部6が設けられた別体の装置を用いる必要がない。これにより、生体データ測定器Mの全体構成をコンパクトにすることができる。従って、携帯性を向上させることができる。
さらに、補助筒部26の先端が基端側よりも外方に張り出しているので、補助筒部26が被測定部位に当接させ易くなる。これにより、生体データ表示部6が視認し難くなる被測定部位であっても、生体と生体データ測定器Mとの相対角度の調整が大きく許容されるので、視認性の低下を抑制することができる。
【0067】
また、生体データ表示部6が受圧方向側に向けて設けられているので、測定者が被測定部位に対して受圧方向に位置する場合に、この測定者に筋組織硬度や痛覚の度合いを容易に視認させることができる。
さらに、生体データ表示部6が、把持部3が延びる方向に対して逆側に向けて設けられているので、生体データ表示部6が測定者の目線の高さよりも下方にある場合に、この測定者に筋組織硬度や痛覚の度合いを容易に視認させることができる。
【0068】
また、筐体1が加圧方向と交差する方向に延びる把持部3を有しているので、把持部3を鉛直平面上に位置させるように把持することで、筐体1の姿勢を安定させることができる。これにより、被測定部を安定して加圧することができ、筋組織硬度や痛覚の度合いの測定をより正確に行うことができる。
【0069】
また、先端キャップ70に着脱可能に設けられた着脱式張出部80を備えるので、携帯性をさらに向上させることができる。また、取り扱いを容易にすることができ、迅速かつ高精度に測定することができる。
【0070】
また、着脱式張出部80と先端キャップ70とを相対回転させて、突起部83を長溝73に係合させ、固定突起部71及び切欠部84の底部84aを当接させ、並びに、固定突起部82及び先端キャップ70の軸線L方向の端部を当接させることによって、着脱式張出部80と先端キャップ70とを迅速かつ確実にロック及びロック解除することができる。
また、切欠部84が形成されているため、固定突起部71を確実に当接させることができ、迅速かつ容易に着脱式張出部80と先端キャップ70とをロックすることができる。
また、切欠部84の底部84aが傾斜しているため、固定突起部71を案内することができ、がたつきのないように、着脱式張出部80と先端キャップ70とを確実にロックすることができる。
また、周壁凹部74aと固定突起部82とが設けられているため、着脱式張出部80と先端キャップ70とを適正な回転位置に容易に配置することができる。
【0071】
また、第1のフランジ部33、第2のフランジ部32及び突起部22が設けられていることから、簡易な構成により補助筒部26を確実にロックすることができる。
また、係合用凹部36が設けられていることから、ロック状態を確実に保持することができる。
【0072】
また、着脱式張出部80が透明な樹脂からなっているため、着脱式張出部80を通して被測定部位を目視することができるため、先端チップ40を被測定部位に容易かつ正確に当接させることができる。
【0073】
また、補助筒部26を加圧方向側に位置するように固定する固定機構と、スイッチ10とを備えるので、生体データ測定器Mを圧通計と筋組織硬度計として機能させることが可能となる。すなわち、補助筒部26を後退位置E2でロックすることができることから、一つの装置で、筋組織の硬度や痛覚の度合いを高精度かつ容易に測定することができる。
また、筋組織硬度計と圧痛計とが兼用されていることから、管理負担を軽減させることができる。
【0074】
さらに、スイッチ10が設けられていることから、被測定者が痛みを感じた瞬間を測定者に直ちに知らせることができる。そのため、被測定者の痛覚の度合いを高精度に測定することができる。また、スイッチ10の応答信号により、測定値情報を記憶することから、容易かつ高精度に測定することができる。
ここで、被測定者が痛みを感じたときに口頭で伝えてもらうようにすると、痛みを感じた瞬間と口頭によって言葉を発する瞬間とのギャップが生じてしまうため、精度よく測定することは困難である。また、動作によって伝えてもらうようにすると、測定者がその動作を見てから、生体データ表示部6の表示を見るまでの間にギャップが生じてしまうため、精度の高い測定が困難であることには変わりはない。
本実施形態における生体データ測定器Mによれば、スイッチ10の押圧という簡単な操作だけで、被測定者にタイミングを容易に知らしめることができ、高精度な測定を行うことができる。
【0075】
また、無線通信を行って、測定した筋組織硬度や痛覚の度合いを印刷するプリンタPを備えるので、測定した筋組織硬度や痛覚の度合いを確実に記録することができる。これにより、生体データ表示部6が視認し難い場合であっても、筋組織硬度や痛覚の度合いを確実に把握することができる。
【0076】
さらに、補助筒部26の先端が基端側よりも外方に張り出しているので、生体の硬い部位を測定する場合には、補助筒部26を当接させることにより、生体の筋組織の硬度を測定することができ、さらに、生体の柔らかい部位であっても、着脱式張出部80を取り付けることにより、その硬度を正確に測定することができる。そのため、被測定部位の硬度にかかわらず、容易かつ高精度に被測定部位の硬度を測定することができる。
【0077】
なお、上記実施形態においては、着脱式張出部80が一種類あるものとしているが、これに限ることはなく、サイズの異なる数種類の着脱式張出部を予め用意しておき、それらサイズの異なる先端チップを選択的に交換可能としてもよい。なお、「サイズ」とは、寸法だけでなく形状なども含まれるものである。例えば、図22に示すように、着脱式張出部80よりも小径で、かつ補助筒部26よりも大径の着脱式張出部80Aであってもよい。
また、スイッチ10を設けるとしたが、これはなくてもよい。ただし、スイッチ10を設けた方が、高精度な測定を行うことができる点で好ましい。
また、スイッチ10の応答を生体データ表示部6により報知するものとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、音声や振動などにより報知するものでもよい。
【0078】
また、プリンタPは、感熱紙に測定した生体データを印刷する構成としたが、普通紙であってもよいし、フィルム状の印刷媒体であってもよい。
また、無線通信部85,90の無線の方式として、Bluetooth規格を採用したが、他の規格であってもよいし、独自の通信方式を用いてもよい。
【0079】
図23は、第二実施形態に係る筋力測定システムS2の概略構成斜視図であり、図24は、筋力測定システムS2のブロック図である。なお、図23〜図32において、図1〜図22と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
図23及び図24に示すように、筋力測定システムS2は、筋力計Nと、プリンタPとを備えている。
【0081】
図25は、筋力計Nの正面図であり、図26は、筋力計Nの側面図であり、図27は、筋力計Nの上面図である。
図25〜図27に示すように、筋力計Nは、生体に当接されるアタッチメント102と、生体からの圧力に基づいて筋力を測定する筋力計本体103とを備えている。
【0082】
図28は、アタッチメント102の側面図である。
アタッチメント102は、図28に示すように、インサート成形されたものであって、側面視して略台形状となった当接座部125の内部に、楕円板部127が配置されている。
【0083】
当接座部125は、樹脂からなるものであり、台形状の下底部及び上底部は、平面視して略楕円形状に形成されている(図27参照)。そして、図28に示すように、当接座部125の下底部は、長手方向の両端から中心に向かって漸次肉薄になるように内方側に緩やかに湾曲している。これにより、生体の凸に湾曲した部位に当接座部125を当接させても、下底部の全面にわたって安定して生体に密着させることができる。一方、当接座部125の上底部は、平坦面とされている。
【0084】
楕円板部127は、平面視して略楕円形状に形成された板金であって、上底部の延在方向に沿って延びている。この楕円板部127の裏面には、楕円板部127の延在方向に直交する方向に延びる金属製の取付軸部126が溶接によって接合されている。
取付軸部126の先端部は、先端にいくにしたがって漸次径が小さくなる凸側テーパ部126aが形成されている。すなわち、取付軸部126の先端部は、先細り状に形成されている。
【0085】
また、図28に示すように、取付軸部126の基端部には、六角形状の位置決め部128が設けられている。
位置決め部128は、取付軸部126よりも外方に張り出しており、取付軸部126の長手方向に間隔をあけて二つ設けられている。すなわち、位置決め部128の間において、取付軸部126の軸線に向かって没する凹部130が形成されている。この凹部130は、取付軸部126の全周にわたって形成されている。
【0086】
さらに、楕円板部127は、当接座部125の内部に設けられている。そして、楕円板部127の裏面において溶接された接続部も、当接座部125の内部に配されている。
【0087】
図24に戻って、筋力計本体103は、筐体104と、圧力センサ110と、筋力表示部106と、操作部107と、制御部121と、メモリー122と、無線通信部150とを備えている。
【0088】
筐体104は、図23〜24に示すように、正面側に位置する直方体部104aと背面側に位置するドーム状部104bとが一体接合された外観形状となっている。この筐体104は、下面が平坦面とされ、上面のうち、直方体部104aが筋力表示部106が設けられた平坦表示面となっており、ドーム状部104bがその周縁から中心点に向かって漸次肉厚に形成されている。
【0089】
図29は、筋力計本体103の概略構成断面図である。
図29に示すように、ドーム状部104bには、測定者が把持し易くなるようにベルトを通すことができるスリット114が形成された一対の脚部(ベルト用突起部)115が設けられている。さらに、脚部115の先端と、ドーム部113の頂点部113aとが同一の高さに設定されている。すなわち、脚部115の先端と頂点部113aとが、後述する挿入孔111の軸線Tと直交する方向に延びる直線U上に配置されている。
また、筐体104の内部には、金属製の支持部131が設けられている。
【0090】
図30は、支持部131を示す斜視図である。
図30に示すように、支持部131は、六角柱状に延びる柱状部133と、この柱状部133の長手方向に直交する方向に延在する矩形状の補強板134とを備えている。
これら柱状部133及び補強板134は、筐体104に内蔵されており、柱状部133の先端面は、平坦面112と面一に配置されて外方に露出している。
補強板134には、図30に示すように、複数の取付孔134aが形成されており、これら取付孔134aに固定ねじ140(図29に示す)が通されることにより、支持部131が筐体104内に固定されている。
【0091】
柱状部133には、その軸線T方向に延びる挿入孔111が形成されている。この挿入孔111は、柱状部133の先端面から開口している。また、挿入孔111は、柱状部133と同心上に形成されている。さらに、挿入孔111の横断面は六角形に形成されている。そのため、取付軸部126を挿入孔111に挿入するときに、位置決め部128と挿入孔111とが嵌合することにより、アタッチメント102と筋力計本体103との相対回転位置が位置決めされるとともに、相対回転が規制されるようになっている。
また、柱状部133の外周の六角形状と、挿入孔111の横断面の六角形状とは、向き(挿入孔111の軸線Tを回転中心とした回転位置)が揃えられており、柱状部133の外観によって、挿入孔111の向きが容易に目視できるようになっている。
【0092】
また、柱状部133の上端部には、図31に示すように、挿入孔111の軸線Tと直交する方向に移動可能な球状部136が設けられている。この球状部136は、挿入孔111の内周面から挿入孔111の軸線に向けて突出した突出位置Q1と、内周面から内方に没入した没入位置Q2との間を移動可能に支持されている。また、球状部136の奥側には弾性部材(不図示)が設けられており、この弾性部材により、球状部136は、挿入孔111の軸線に向けて付勢されている。なお、球状部136が外方に現れるための開口径は、球状部136の径よりも小さくなっているため、球状部136が弾性部材に付勢されて外方に移動することが規制されている。
【0093】
さらに、挿入孔111の内周面には、図31に示すように、リング状に形成された樹脂製のリング部142が設けられている。リング部142は、軸線T方向に間隔をあけて二つ設けられている。これらリング部142の内径は、取付軸部126の外径と同一、又は取付軸部126の外径よりも小さく設定されている。
【0094】
圧力センサ110は、挿入孔111の先端に内蔵されている。この圧力センサ110は、挿入孔111に取付軸部126を挿入した状態で、アタッチメント102から圧力を受けると、この圧力を検知し、当該検知結果を制御部121に出力する(図24参照)。
圧力センサ110の上面(挿入孔111側の面)には、取付軸部126を案内する案内部141が設けられている。案内部141は、軸線T上の点を中心点として、挿入孔111の開口側に向けて外方に広がる末広がりの凹側テーパ部141aが形成されている。すなわち、凹側テーパ部141aと、取付軸部126の凸側テーパ部126aとが、凹と凸とで相補的に形成されており、取付軸部126が挿入孔111内において同心上に配されている。
【0095】
図23及び図27に示すように、筋力表示部106は、例えば、矩形状の液晶からなるものであり、制御部121から入力された筋力の測定値や各種データを表示する。この筋力表示部106は、筐体104の上面のうち、直方体部104aの平坦表示面に設けられている。
【0096】
図25に示すように、操作部107は、各種操作を行うための操作ボタン等から構成されて、測定者が所望する動作を制御部121に入力するようになっている。この操作部107は、図25に示すように、筐体104の正面に設けられている。
【0097】
図24に示すように、制御部121は、圧力センサ110の検知結果から生体の筋力を演算し、演算結果を筋力表示部106に表示させる。また、この制御部9は、演算した測定値情報を示す無線信号を無線通信部150に出力させる。
【0098】
無線通信部150は、例えば、Bluetooth規格に対応したものであり、図24に示すように、制御部121から入力された信号に基づいて、測定値情報を示す無線信号を出力する。
【0099】
次に、このように構成された本実施形態における筋力計N及び筋力測定システムS2の使用方法について説明する。
まず、挿入孔111に取付軸部126を挿入して、アタッチメント102を筋力計本体103に取り付ける(図29、図32参照)。
この状態で、例えば被測定者の手や足に当接座部125を当接させる。被測定者が手や足で当接座部125を押すと、その圧力が当接座部125に伝わり、楕円板部127がその圧力を受ける補助として機能する。そして、当接座部125及び楕円板部127に伝わった圧力は、取付軸部126を介して、その先端から圧力センサ110に伝わる。圧力センサ110は、このときの圧力を検出し、その検出結果を制御部121に出力する。制御部121は、測定者からの操作部107による操作のもと、演算結果に基づいて、筋力を演算し、その結果を筋力表示部106に表示する。
【0100】
この際、筋力計Nの筋力表示部106が視認し難い位置であっても、アタッチメント102を筋力計本体103から取り外した後にアタッチメント102を回転させて、再度取り付け、アタッチメント102と筋力計本体103との相対角度を調整することで、測定者から筋力表示部106を見え易い位置にすることができる(図27参照)。
【0101】
ここで、アタッチメント102を筋力計本体103に取り付ける際には、取付軸部126を挿入孔111に所定の位置まで挿入すると、以下のようにして、アタッチメント102が筋力計本体103に固定される。
図30に示すように、取付軸部126の先端を挿入孔111の開口端から挿入していく。挿入孔111の開口径は、取付軸部126の外径よりも大きくなっているため、このときには、球状部136は、突出位置Q1に配されている。そして、取付軸部126を押し込んでいくと、先端側に設けられた位置決め部128が球状部136に当接し、さらに押し込まれることにより、図31に示すように、球状部136が内方側に移動し挿入孔111の内周面に対して没入していく。すなわち、球状部136は、没入位置Q2に配される。そして、取付軸部126がさらに押し込まれると、図31に示すように、軸線Tに直交する方向において凹部130が球状部136に対向した状態になる。球状部136は、不図示の付勢部材によって付勢されていることから、外方に移動して突出位置Q1に配される。そのため、球状部136が凹部130に嵌合し、これにより、アタッチメント102が筋力計本体103に固定される。
【0102】
また、取付軸部126を挿入孔111に挿入するとき、挿入孔111の内周面にリング部142が設けられていることから、取付軸部126と挿入孔111の内周面との金属同士が接触することなく、取付軸部126とリング部142とにより金属と樹脂とが接触しながら、取付軸部126が挿入されていく。さらに、リング部142が複数設けられていることから、取付軸部126は、複数点において支持されて、安定的に挿入されていく。
【0103】
以上説明したように、筋力計Nによれば、筋力計本体103にアタッチメント102が取り付けられると共に、この筋力計本体103が筋力を表示する筋力表示部106を備えるので、筋力表示部106が設けられた別体の装置を用いる必要がない。これにより、筋力計Nの全体構成をコンパクトにすることができる。従って、携帯性を向上させることができる。
さらに、取付軸部126の長手方向から見た場合におけるアタッチメント102と筋力計本体103との相対角度が調整可能であるので、当接座部125が生体に当接させ易くなる。これにより、筋力表示部106が視認し難くなる被測定部位であっても、生体と筋力計本体103との相対角度の調整が大きく許容されるので、視認性の低下を抑制することができる。
【0104】
また、取付軸部126に多角形状の位置決め部128が設けられ、挿入孔111の断面形状が多角形状に形成されているので、挿入孔111の軸線を中心としたアタッチメント102の回転位置を容易に位置決めすることができるだけでなく、生体から圧力を受けている際に、アタッチメント102が移動することを防止することができ、より高精度に測定することができる。
【0105】
また、脚部115にベルトを通して、筋力計本体103を把持し易くすることができるだけでなく、脚部115の先端と、ドーム部113の頂点部113aとが同一の高さに設定されていることから、上面側を平坦面に置いたときに、脚部115と頂点部113aとによって、生体からの圧力を安定的に支持することができる。
【0106】
また、無線通信を行って、測定した筋力を印刷するプリンタPを備えるので、測定した筋力を確実に記録することができる。これにより、筋力表示部106が視認し難い場合であっても、筋力を確実に把握することができる。
【0107】
また、柱状部133が六角形状に形成され、挿入孔111と柱状部133の向きが揃えられているため、支持部131を筋力計本体103内に固定するとき、柱状部133の外観を見ながら挿入孔111の向きを容易に目視確認することができ、組立作業負担を軽減させることができる。
【0108】
また、挿入孔111の内周面に、リング部142が設けられていることから、取付軸部126を挿入孔111に挿入する際に、取付軸部126とリング部142とを接触させることにより、取付軸部126を挿入孔111に容易に挿入することができる。
さらに、リング部142が複数設けられていることから、取付軸部126を複数点で支持することができ、取付軸部126をより安定的に挿入孔111に挿入することができる。
【0109】
なお、上記実施形態においては、また、挿入孔111の断面や位置決め部128、柱状部133を六角形としたが、これに限ることはなく、その形状は他の多角形でもよく、適宜変更可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1…筐体
3…把持部
6…生体データ表示部
9…制御部
10…スイッチ
22…突起部(ロック機構)
26…補助筒部(補助当接部)
36…係合用凹部(ロック機構)
40…先端チップ(主当接部)
53…第二の圧力センサ(圧力センサ)
54…第一の圧力センサ(圧力センサ)
71…固定突起部(固定機構)
72a…取付部(固定機構)
73…長溝(固定機構)
80,80A…着脱式張出部(補助当接部)
82…固定突起部(固定機構)
83…突起部(固定機構)
85…無線通信部
102…アタッチメント
103…筋力計本体
106…筋力表示部
107…操作部
110…圧力センサ
111…挿入孔
115…脚部(ベルト用突起部)
121…制御部
125…当接座部
126…取付軸部
128…位置決め部
150…無線通信部
L…軸線
M…生体データ測定器
N…筋力計
P…プリンタ
S1…生体データ測定システム
S2…筋力測定システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に圧力を加えることにより前記生体に関するデータを測定する生体データ測定器であって、
筐体と、
前記筐体から延出すると共に前記生体の被測定部位の近傍に当接されて前記被測定部位の近傍に圧力を加える補助当接部と、
前記補助当接部によって前記被測定部位の近傍に圧力が加えられた状態で、前記被測定部位に当接されて、前記補助当接部が前記被測定部位の近傍を加圧する加圧方向に向けて、前記被測定部位に圧力を加える主当接部と、
前記筐体の内方に設けられ、前記被測定部位から前記主当接部が受ける圧力を測定する圧力センサと、
前記筐体に設けられ、前記測定した生体データを表示する生体データ表示部とを備え、
前記補助当接部は、先端が基端側よりも外方に張り出していることを特徴とする生体データ測定器。
【請求項2】
前記生体データ表示部は、前記補助当接部が前記生体から圧力を受ける受圧方向側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生体データ測定器。
【請求項3】
前記筐体は、前記加圧方向と交差する方向に延びる把持部を有し、
前記生体データ表示部は、前記把持部が延びる方向に対して逆側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体データ測定器。
【請求項4】
前記補助当接部は、先端に着脱可能に設けられた着脱式張出部と、
この着脱式張出部を先端に固定するロック機構とを備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の生体データ測定器。
【請求項5】
前記主当接部の先端が前記補助当接部の先端よりも前記加圧方向側に位置するように前記補助当接部を固定する固定機構と、
前記測定した生体データのうちオンとした際の前記生体データを前記生体データ表示部に表示させるスイッチとを備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の生体データ測定器。
【請求項6】
無線通信部を備える請求項1から5のうちいずれか一項に記載の生体データ測定器と、
前記無線通信部と無線通信を行って、前記測定した生体データを印刷するプリンタとを備えることを特徴とする生体データ測定システム。
【請求項7】
生体に当接されるアタッチメントと、
前記アタッチメントが取り付けられて、前記アタッチメントを介して前記生体からの圧力を検出し、前記生体の筋力を測定する筋力計本体と備える筋力計であって、
前記アタッチメントは、
前記生体に当接される当接面が延びる当接座部と、
前記筋力計本体に取り付けるための取付軸部とを備えるとともに、
前記筋力計本体は、
前記取付軸部が挿入される挿入孔と、
前記挿入孔の先端に設けられた圧力センサと
前記測定した筋力を表示する筋力表示部とを備え、
前記取付軸部の軸方向から見た場合における前記アタッチメントと前記筋力計本体との相対角度が調整可能であることを特徴とする筋力計。
【請求項8】
前記取付軸部に多角形状の位置決め部が設けられ、
前記挿入孔の断面形状が前記多角形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の筋力計。
【請求項9】
前記筋力計本体のうち前記挿入孔が形成された面と背向する上面がドーム状に形成され、
前記上面に、ベルトを通すためのベルト用突起部が複数形成され、
前記ベルト用突起部の先端と、前記裏面のドーム状の頂点部とが同一の高さに設定されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の筋力計。
【請求項10】
無線通信部を備える請求項7から9のうちいずれか一項に記載の筋力計と、
前記無線通信部と無線通信を行って、測定した前記生体の筋力を印刷するプリンタとを備えることを特徴とする筋力測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−120727(P2011−120727A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280666(P2009−280666)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(591032518)伊藤超短波株式会社 (69)
【Fターム(参考)】