説明

生体刺激用パッドとそれを備えた生体刺激装置

【課題】本発明は、生体刺激治療などに用いられる生体刺激用パッドを、目視不可部位に電極を正確、かつ、短時間で配置させることを目的とする。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明の生体刺激用パッド1は、可撓性を有する基材シート4と、前記基材シート4上に所定間隔を離して配置された第1、第2電極6a、6bと、前記基材シート4を貫通して設けられた接触確認孔として第1孔10、第2孔11と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、排尿障害などの生体刺激治療を行う際に使用する生体刺激用パッドとそれを備えた生体刺激装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の生体刺激用パッドは、基材シートと、その基材シート上に設けられた電極と、接続端子とを有したものが多く、特定の刺激治療や心電図測定などの目的に応じて、医師や専門家が、身体の特定部位に基材シートを装着するようになっていた。
【0003】
近年、家庭用装置などの普及により、一般家庭でも生体刺激装置などを使用することになってきたので、一般の使用者でも、生体刺激用パッドの装着部位を特定することができるような工夫がなされている。
【0004】
すなわち、一般の使用者でも、生体刺激用パッドを装着する特定部位を容易に認識することができるようにするために、基材シートに、貼付位置指示マークを設けた構造となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−126145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例においては、基材シート上に貼付位置指示マークを設けることで、一般の使用者でも、身体の適正な特定部位に、基材シートを簡単に装着することができるようになった。
【0007】
しかし、このような構成とした場合、目視確認できる範囲に、配置すべき特定部位が存在すれば良いが、その特定部位が、目視確認不可であった場合、例えば腰や背中等であった場合には、基材シートを適切な特定部位に正しく装着することが難しく、使い勝手の悪いものであった。
【0008】
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、この目的を達成するために本発明の生体刺激用パッドは、可撓性を有する基材シートと、前記基材シート上に所定間隔を離して配置された第1、第2電極と、前記基材シートを貫通して設けられた接触確認孔とを有する構成とし、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のごとく、本発明の生体刺激用パッドは、可撓性を有する基材シートと、前記基材シート上に所定間隔を離して配置された第1、第2電極と、前記基材シートを貫通して設けられた接触確認孔とを有する構成としたものであるので、極めて使い勝手の良いものとなる。
【0011】
すなわち、本発明においては、前記基材シートを貫通して設けられた接触確認孔を設けているので、使用者が、その接触確認孔を貫通させて、自らの指にて貼付基準となる部位を触ることで、基材シートを配置すべき適切な特定部位を簡単に探し出すことができるようになる。
【0012】
このため、適切な特定部位に、基材シートを簡単に装着することが出来るようになり、極めて使い勝手の良いものとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における生体刺激装置を示す平面図。
【図2】本発明の実施の形態1における生体刺激用パッドを示す平面図。
【図3】本発明の実施の形態1における生体刺激用パッドを特定部位に装着した状態を示す図。
【図4】本発明の実施の形態2における生体刺激用パッドを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の生体刺激用パッドおよびそれを備えた生体刺激装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本実施の形態1においては、生体刺激用パッドおよびそれを備えた生体刺激装置の一例として、排尿障害を治療するために、腰の深部にある排尿を調節する神経に対して、仙骨部の仙骨孔から電気刺激を与えるために用いる生体刺激用パッドおよびそれを備えた生体刺激装置について説明する。
【0016】
図1において、1は、生体刺激用パッドであり、コード2を介して操作部3と接続されており、これらの生体刺激用パッド1、コード2、操作部3により生体刺激装置が構成されている。
【0017】
また、生体刺激用パッド1は、可撓性を有する平板状の基材シート4と、この基材シート4に配置されるとともに、前記コード2が接続されている端子部5(下記端子部5a、5bにより構成)と、この基材シート4に配置されるとともに、端子部5に接続された電極6(下記電極6a、6bにより構成)とにより構成されている。
【0018】
この生体刺激用パッド1は、図2に示すように、ほぼ長方形であり、一端側に凸部7を有する形状である基材シート4により構成されている。
【0019】
また、基材シート4の他端側には、2つの端子部5a、5bが、基材シート4の長手方向に直交する方向に、所定間隔をおいて配置されている。
【0020】
そして、基材シート4の長手方向の一端側の凸部7と、他端側の端子部5a、5bの間には、一対の電極6a、6bを、基材シート4の長手方向に直交する方向に、所定間隔をおいて配置している。
【0021】
一対の電極6a、6bは、短絡を防止するために隙間部8を有し、この隙間部8を挟んで左右対称となるように配置されている。なお、隙間部8は、望ましくは、1cmから2cmの空間隙間とすることが好ましい。
【0022】
また、その隙間部8間の基材シート4には、電極6a、6bと同じ長さであるスリット9が形成されている。
【0023】
このスリット9が形成することにより、例えば、一方の電極6aが凹部、他方の電極6bが凸部に貼り付けられたとしても、一対の電極6a、6b部分が貼付面から剥がれることなく、また、密着させることができる。
【0024】
なお、基材シート4の貼付面への接着手段は、周知のものを用いている。
【0025】
基材シート4の一端側に形成されている凸部7には、接触確認孔として貫通孔よりなる第1孔10が形成されており、また基材シート4の他端側に配置されている端子部5aと端子部5bの間には、接触確認孔として貫通孔よりなる第2孔11が形成されている。
【0026】
また、貫通孔よりなる第1孔10と第2孔11は、一対の電極6a、6bを左右対称に配置するための長方形状である基材シート4の長手方向中心線上に配置されている。
【0027】
そして、この生体刺激用パッド1は、図3に示しているように、腰の深部にある排尿を調節する神経に対して、仙骨部12の仙骨孔13〜16から電気刺激を与えるために、使用者の腰部特定位置に貼り付ける(装着される)。
【0028】
ここで、使用者は、目視確認できない自らの腰部に生体刺激用パッド1を貼り付けるために、基材シート4に形成されている接触確認孔である第1孔10および第2孔11を用いる。
【0029】
例えば、右手で生体刺激用パッド1を手に取り、貼付部位である腰部近傍に配置させ、第1孔10に左手の中指を貫通させて、貫通させた中指を尾てい骨17に接触させる。
【0030】
そして、貫通させた左手の中指を尾てい骨17に接触させた状態で、生体刺激用パッド1を腰部近傍に配置させていた右手を一旦外し、第2孔11に右手の中指を貫通させて、貫通させた右手の中指を背骨18に接触させる。
【0031】
この結果、尾てい骨17と背骨18とをつなぐ直線上に第1孔10と第2孔11が配置されることになり、使用者が目視確認できない自らの腰部特定位置に電極6a,6bを正確かつ容易に配置させることが可能となり、腰の深部にある排尿を調節する神経に対して、仙骨部12の仙骨孔13〜16から電気刺激を与えることが可能となる。
【0032】
さらに、貫通させた右手の中指を尾てい骨から離れる方向に移動させることで、生体刺激用パッド1にテンションを加えることが可能となり、複雑な表面形状である腰部に対して、生体刺激用パッド1を変形させることなく貼り付けることができ、貼り直しなどの作業がなく、短時間で生体刺激用パッド1を腰部に正しく配置させることができる。
【0033】
また、治療効果を得るためには、腰部特定位置に生体刺激用パッド1を配置させる際に、電極6a、6bが、仙骨部12の仙骨孔13〜16を覆うようにすることが肝要である。
【0034】
そこで、電極6a、6bの大きさは、第1孔10から他端側方向に向けて2cmの隙Aを設け、第2孔11から一端方向に向けて2cmの隙間Bを設けて基材シート4に電極6a、6bを配置させる。
【0035】
その結果、図3に示されているように、電極6a、6bが、仙骨部12の仙骨孔13〜16を覆う状態となり、より良い治療効果が得られる部位に生体刺激用パッド1を配置させることが可能となる。
【0036】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2にかかる生体刺激用パッド21を示し、この実施の形態では、基材シート4の他端側において、一端側の第1孔19からの距離が同じとなる部分に第2孔20a、20bを2つ設けた構造としている。
【0037】
具体的には、第2孔20a、20bは、一対の電極6a、6bを左右対称に配置するための長方形状である基材シート4の長手方向中心線を介して左右対称となる位置に配置されている。
【0038】
つまり、他端側の第2孔20a、20bを設けたことにより、二本の指を第2孔20a、20bに貫通させて、背骨18を二本の指で挟みこむように接触確認するので、目視確認できない部位に正確に貼り付けることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の生体用電極パッドは、基材シートに接触確認孔とを設けたことを特徴としたものであり、目視不可部位において電極を正確かつ短時間で配置させることができ、その結果として、生体用目視不可部位に正確かつ短時間で装着することが出来、極めて使い勝手の良いものとなる。
【0040】
したがって、本発明は、排尿障害治療などを行う際に使用する生体用電極パッドとそれを備えた生体刺激装置に活用することが期待されるものである。
【符号の説明】
【0041】
1、21 生体刺激用パッド
2 コード
3 操作部
4 基材シート
5、5a、5b 端子部
6、6a、6b 電極
7 凸部
8 隙間部
9 スリット
10、19 第1孔
11、20a、20b 第2孔
12 仙骨部
13、14、15、16 仙骨孔
17 尾てい骨
18 背骨

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する基材シートと、
前記基材シート上に所定間隔を離して配置された第1、第2電極と、
前記基材シートを貫通して設けられた接触確認孔と、
を有する生体刺激用パッド。
【請求項2】
前記第1、第2電極間の中心線上で、前記第1、第2電極の外方の一端側と他端側に2つ以上の接触確認孔を形成した請求項1の生体刺激用パッド。
【請求項3】
前記2つの接触確認孔のうち、一方の孔が、尾てい骨を接触確認するための孔である請求項2に記載の生体刺激用パッド。
【請求項4】
前記2つの孔のうち、他方の孔が、背骨を接触確認するための孔である請求項2および3に記載の生体刺激用パッド。
【請求項5】
前記他方の孔が、前記中心線に対して対称となるように2つ形成されている請求項4に記載の生体刺激用パッド。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載された生体刺激用パッドと、
前記生体刺激用パッドに設けられている端子部に、
コードを介して接続された操作部と、を備えた生体刺激装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−63136(P2013−63136A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202648(P2011−202648)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】