生体情報処理システム
【目的】 取り扱いを容易にでき、被測定体から検出した生体情報、例えば人体の体温を自動的に収集できる生体情報処理システムを提供する。
【構成】 測温部20は、読取装置1からの測定指示信号がアンテナ21、復調器22、PS/SP変換器23を介して受信されると、温度センサ26により人体(患者)の体温が検出される。この体温は、A/D変換器27によりデジタルデータに変換され、表示部31に表示されるとともに、PS/SP変換器23、変調器24、アンテナ21を介して送信される。一方、測温部20とは別途に設けられた読取装置1では、測温部20が送信する体温データを、アンテナ2、復調器4、PS/SP変換器5を介して受信され、表示部13に表示されるとともに、必要に応じて、メモリに格納され、プリンタ15により印刷される。したがって、例えば人体の体温を自動的に収集できる。
【構成】 測温部20は、読取装置1からの測定指示信号がアンテナ21、復調器22、PS/SP変換器23を介して受信されると、温度センサ26により人体(患者)の体温が検出される。この体温は、A/D変換器27によりデジタルデータに変換され、表示部31に表示されるとともに、PS/SP変換器23、変調器24、アンテナ21を介して送信される。一方、測温部20とは別途に設けられた読取装置1では、測温部20が送信する体温データを、アンテナ2、復調器4、PS/SP変換器5を介して受信され、表示部13に表示されるとともに、必要に応じて、メモリに格納され、プリンタ15により印刷される。したがって、例えば人体の体温を自動的に収集できる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定した生体の体温等を無線を介して収集する生体情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体、特に人体の体温を測定するために電子体温計が用いられている。この電子体温計は、ステックタイプのもので、一方の先端部に温度センサ部があり、その反対の端部に表示部や、スイッチ、電池等が組み込まれたものがほとんであった。このような電子体温計は、その大きさが万年筆程度あり、温度センサ部の大きさに比較すると非常に大きなものであった。測温は、電子体温計を被測温者の舌下、もしくは脇の下に挟むことにより行われる。また、被測温者の体温は、所定時間経過後に、看護婦等が電子体温計を収集して記録していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電子体温計では、その構造から被測温者の舌下もしくは脇の下に挟むことにより測温し、人手によって記録するという構成になっていたため、以下の問題点があった。
(イ)被測温者が乳児、幼児、子供等の場合には、被測温者が動かないように注意する必要があり、例えば、大人が抱いて注意する必要があったので、被測温者自身が独自に測温できなかった。
(ロ)このため、非常に手間がかかるとともに、状況によっては、失敗、測温ミス等が生じ、正確に測温できなかった。
(ハ)また、病院等の場合は、一度に多くの患者の体温を測温しなければならないため、一人一人に対応いなければならず、多くの労力を必要としていた。
(ニ)したがって、測温した体温データの処理が難しく、システム化するのは不可能であった。
【0004】そこで本発明は、取り扱いを容易にでき、被測定体から検出した物理量、例えば人体の体温を自動的に収集できる生体情報処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請求項1記載の発明による生体情報処理システムは、外部からの動作指示信号を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により動作指示信号が受信されると生体の生体情報を検出する検出する検出手段と、前記検出手段により検出された生体情報を所定のデータに変換して送信する第1の送信手段とを備える検出装置と、前記動作指示信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段が送信する生体情報を受信する第2の受信手段を備え、前記検出装置とは別途に設けられた集計装置とを具備することを特徴とする。
【0006】また、前記検出手段は、例えば請求項2記載のように、前記生体情報として、温度、圧力、または電気信号の少なくとも1つを検出するようにしてもよい。また、前記検出装置は、例えば請求項3記載のように、生体の体表上に設けられ、前記検出手段は、前記生体の体温を検出するようにしてもよい。また、前記検出装置は、例えば請求項4記載のように、外部から非接触で供給される電力によって動作するようにしてもよい。
【0007】また、前記集計装置は、例えば請求項5記載のように、前記検出装置の電力を非接触で供給するようにしてもよい。
【0008】また、好ましい態様として、前記検出装置は、例えば請求項6記載のように、前記第1の検出手段により検出された生体情報を表示する第1の表示手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記第1の表示手段は、例えば請求項7記載のように、表示したデータを保持するメモリ特性を有するようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項8記載のように、前記記憶手段に記憶したデータを、所定のインターフェースを介して接続され、転送された物理量を統計処理する外部装置へ転送する転送手段を備えるようにしてもよい。
【0009】また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項9記載のように、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を表示する第2の表示手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項10記載のように、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を印刷する印刷手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記検出装置は、例えば請求項11記載のように、前記集計装置の1つに対して複数設置されるとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、前記集計装置は、前記固有の識別符号に基づいて、前記第2の受信手段により受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別する判別手段を備えるようにしてもよい。
【0010】また、好ましい態様として、例えば請求項12記載のように、前記集計装置は、前記複数の検出装置のうち、体温を検出すべき検出装置を前記識別符号によって指定する指定手段を備え、前記動作指示信号を前記第2の送信手段によって送信する際に、前記指定手段で指定された識別符号をも送信し、前記複数の検出装置は、前記第1の受信手段によって受信した識別符号が前記設定手段に設定された識別符号と同じ場合にのみ、前記検出手段により体温を検出し、前記第1の送信手段により送信するようにしてもよい。
【0011】また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項13記載のように、前記複数の検出装置から受信したデータを、受信した検出装置の識別符号に対応させて記憶する記憶手段を備えるようにしてもよい。また、前記集計装置は、例えば請求項14記載のように、前記第2の受信手段によって前記検出装置からのデータを受信した時刻を計時する計時手段を備え、少なくとも前記体温を前記計時手段による時刻とともに前記記憶手段に記憶するようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記収集装置は、例えば請求項15記載のように、前記検出装置から送信されてくる体温データが予め設定しておいた設定体温以下になると、アラーム音を発する警報手段を備えるようにしてもよい。
【0012】
【作用】本発明では、検出装置は、集計装置からの動作指示信号が第1の受信手段により受信されると、検出手段により生体の物理量、すなわち生体情報が検出され、第1の送信手段により、所定のデータに変換されて送信される。検出装置とは別途に設けられた集計装置は、検出装置の第1の送信手段が送信する物理量を第2の受信手段で受信する。したがって、被測定体から検出した物理量、例えば人体の体温を自動的に収集可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
A.実施例の構成A−1.生体情報処理システムのブロック構成図1は本発明の一実施例における生体情報処理システムの構成を示すブロック図である。図において、1は生体情報として、測温した体温データを収集し、種々の処理を施した後、表示および印刷したり、図示しないホストコンピュータへ送出する読取装置であり、50は人体に付帯され、体温を測温して上記読取装置1へ送信する測温部20である。以下では、まず、読取装置1の構成について説明し、次いで、測温部20の構成について説明する。
【0014】(a)読取装置の構成図1において、読取装置1は、上記測温部50との間でデータを授受するためのアンテナ2を有している。アンテナ2は受信信号を増幅器3へ供給する一方、後述する増幅器7から供給される送信信号を送信する。増幅器3は上記受信信号を所定のレベルに増幅した後、復調器4へ供給する。復調器4は、受信信号を復調することによって、受信信号から情報を取り出し、SP/PS変換器5へ供給する。SP/PS変換器5は、復調器4から供給されるシリアルデータ(情報)をパラレルデータに変換して主制御部11へ供給する一方、主制御部11から供給されるパラレルデータをシリアルデータに変換して変調器6へ供給する。変調器6は上記シリアルデータを変調し、増幅器7へ供給する。増幅器7は変調された送信信号を増幅し、上記アンテナ2へ供給する。
【0015】次に、10はキーボードであり、各種データ(日付、読取ID)を入力したり、測温指示、データ印刷、後述するコンピュータへのデータ送出等の指示を主制御部11へ供給する。また、主制御部11は、読取装置1の各部を所定のプログラムに従って制御し、キーボード10からの各種指示に従って、測温部20へ測温を指示したり、測温部20から受け取った体温データを、メモリ12へ格納するとともに、表示部13、プリンタ駆動部14、および上位インターフェース16へ供給する。メモリ12は、書き換え可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)から構成されており、体温データをその体温データが誰のものであるかを示す名前あるいはID番号とともに記憶する。なお、メモリ12に格納される体温データについては後述する。
【0016】次に、表示部13は、例えば液晶表示器等から構成されている。また、プリンタ駆動部14は、プリンタ15を駆動制御し、主制御部11から供給されるデータを所定のフォーマットで印刷する。プリンタ15は、ドットインパクトや、感熱型の印刷装置から構成されている。上位インターフェース16は、読取装置1と外部に接続された後述するホストコンピュータとの間でデータの授受を行うために設けられたインターフェースである。また、17は電源ユニットであり、上述した各部へ電源を供給する。そして、18は警報部であり、後述する測温部20で検出した体温データが所定値以下である場合にアラーム警告を発するようになっている。
【0017】上述した読取装置1のメモリ容量や処理能力には限度があるため、長期的にデータを保存する場合や、それらのデータを用いて何らかの処理を行う場合には、上述したように、上位インターフェース16を介してホストコンピュータへデータを転送するようになっている。あるいは、ホストコンピュータ側に用意されたデータベースから被測温者のID番号を読み出し、読取装置1へ転送するために用いられる。読取装置1とホストコンピュータとは、上位インターフェース16を介して、例えばRS−232Cなどの通信規格に準じた、後述する通信ケーブルによって接続される。ホストコンピュータは、メモリ容量や処理能力に限界がある読取装置1に対して、データを長期的に保存する場合や、それらのデータを用いて何らかの処理を行う場合にデータを転送するためなどに用いられる。あるいは、必要に応じて用いられる、被測温者のID番号をデータベース化するためなどに用いられる。なお、読取装置1の演算能力や、記憶能力が十分ある場合には、ホストコンピュータの機能を読取装置1で実現してもよい。
【0018】(b)測温部の構成次に、21は、測温部20に内蔵されたアンテナであり、該アンテナ21は、上述した読取装置1のアンテナ2から送信された電波を受信し、復調器22へ供給するとともに、変調器24から供給される被測温者のID番号や体温データを電波として送信する。次に、復調器22は、アンテナ21により受信された信号を復調し、PS/SP変換回路23へ供給する。また、SP/PS変換器23は、復調器22から供給されるシリアルデータをパラレルデータに変換して制御回路28へ供給する一方、制御回路28から供給されるパラレルデータをシリアルデータに変換して変調器24へ供給する。変調器24は上記シリアルデータを変調しアンテナ21へ供給する。
【0019】また、25は整流回路であり、上記アンテナ21により受信された信号を整流し、直流電圧として出力し、図示しない充電装置を充電し、当該測温部20を駆動するための電源として用いる。26は温度センサであり、被測温者の体温を検出し、体温に応じたアナログ信号をA/D変換器27へ供給する。A/D変換器27は、上記アナログ信号をデジタルデータに変換して、温度データとして制御回路28へ供給する。制御回路28は、測温部20の各部を所定のプログラムに従って制御し、上記温度データを所定時間間隔でメモリ29へ格納するとともに、表示駆動回路30へ供給する。また、制御回路28は、データを一時格納するためのRAMエリアとともに、測温した時刻を計時するためのタイマを備えている。メモリ29は、書き換え可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)から構成されており、複数の測温部を用いた場合に、該測温部が設けられた人間(患者等)を識別するための名前、もしくはID番号を記憶する。表示駆動回路30は、表示部31を駆動制御し、制御回路28から供給される温度データを表示する。表示部31は、例えば液晶表示器等から構成されており、所定の信号が供給されるか、新たにデータが供給されるまで、表示したデータを保持するメモリ機能を備えている。
【0020】(c)メモリのデータ構成ここで、前述したメモリ12に格納される体温データについては図3を参照して説明する。図3は、メモリ12に格納されるデータ構成を示す模式図である。メモリ12には、以下のようなデータが格納される。
ID番号:測温部が設けられた被測温者を識別するための識別番号
名前:測温部が設けられた被測温者の名前T1〜T5:体温データTime1〜Time5:体温データT1〜T5を測温した時刻DATE1〜DATE2:体温データT1〜T5を測温した日付なお、後述するように、複数の測温部を用いる場合には、メモリ12には、図3に示すデータが測温部毎に、すなわち被測温者毎に格納されるようになっている。
【0021】A−2.外観構成次に、上述した読取装置1と測温部20との外観構成について図2ないし図7を参照して説明する。
(a)読取装置の外観構成図2(a)は読取装置1の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は読取装置1の表示部13の表示例を示す模式図である。なお、図において、図1に示す対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図2(a)において、40は、上述した図1に示す読取装置1の各部を内蔵する携帯可能な筐体である。筐体40の前面には、キーボード10、表示部13およびプリンタ15が配設されており、筐体40の上部には、アンテナ2が突出して設けられている。なお、図示の15aはプリンタ15から排出される用紙である。
【0022】また、表示部13に表示される表示データとしては、例えば図2(b)に示すように、表示している体温データが誰のものであるかを示すID番号として「NO.123456」、名前として「佐々木 健」、体温として「36.6℃」、測温時刻として「PM12:00」、およびメモリデータとして「メモリ1」〜「メモリ5」が表示されるようになっている。メモリデータは、測温した月日、時刻、およびその体温からなり、これらのデータは、ID番号と名前に対応させてメモリ12に記憶されているものである。
【0023】また、図4は、本実施例による読取装置とホストコンピュータの接続構成例を示す斜視図である。図において、45は、この例ではブック型(ノート型・サブノート型)のホストコンピュータである。読取装置1は、その筐体40の側面に設けられたRS−232Cコネクタ(図示略)に嵌合されたRS−232Cケーブル46によりホストコンピュータ45と接続されるようになっている。互いのデータ授受は、所定のプロトコルにより行われる。
【0024】(b)測温部の外観構成b−1.貼り付けタイプ次に、図5(a)は貼り付けタイプの測温部20の外観を示す裏面図、図5(b)はその測温部20の正面図、図5(c)はその測温部20の断面図、および図5(d)は一装着例を示す模式図である。なお、図において、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図5(a)〜(c)において、50は、測温部20の筐体であるとともに、前述した温度センサ26、そのものである。また、51は、筐体50を上部から覆う粘着テープ(粘着部材)である。この粘着テープ51には、図5(b)に示すように、窓部が設けられており、この窓部から筐体50の上面に設けられた表示部31に表示されたデータを見ることができるようになっている。図5(a)〜(c)に示す貼り付けタイプの測温部20は、図5(d)に示すように、被測温者Hの脇の下に貼り付けられることにより固定される。このとき、筐体50の下部に設けられた温度センサ26は、被測温者Hの肌に密着するようになっている。この貼り付けタイプの測温部20は、特に幼児や、乳児の体温を測温する場合に適している。
【0025】b−2.ベルトタイプ次に、図6(a)はベルトタイプの測温部20の裏面側から見た場合の外観を示す斜視図、図6(b),(c)はその装着例を示す模式図である。なお、図において、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図6(a)において、53は測温部20の筐体50の裏面に設けられた粘着テープであり、54は被測温者Hの肩に掛けられるベルトである。なお、図では省略したが、筐体50の正面に表示部31が設けれているのは、上述した貼り付けタイプと同様である。上述した測温部20は、図6(b)に示すように、上記ベルト54を被測温者Hの肩に掛けて、そのベルト54を適宜締め付けることにより、被測温者Hの体に固定される。このとき、筐体50の下部に設けられた温度センサ26は、被測温者の肌に密着するようになっている。また、図6(c)に示す装着例では、被測温者Hの肩に掛ける2本のベルトと被測温者Hの胸部に掛けるベルトとからなるベルト55を設け、このベルト55を適宜締め付けることにより測温部20を被測温者Hの体に固定するようになっている。このベルトタイプの測温部20は、被測温者が歩く、走るなど、運動をしている場合や、通常の生活活動をしている場合に特に適している。
【0026】B.実施例の動作次に、上述した実施例の動作について図7ないし図14を参照して説明する。なお、以下では、本実施例の生体情報処理システムが適用される状況毎に、すなわち一人の被測温者の体温を測温する場合(ケースA)、複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の動作を説明する。
【0027】B−1.ケースAこのケースAでは、上述したように、一人の被測温者の体温を、読取装置1側からの指示により逐次測温する場合について説明する。ここで、図7は本実施例の生体情報処理システムにより一人の体温を測温する場合の模式図である。また、図8および図9はケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。測温部20は、図7に示すように、被測温者Hの脇の下にセットされ、粘着テープ51により貼り付けられる。この貼り付けタイプの測温部20は、特に幼児や、乳児の体温を測温する場合に適している。また、読取装置1は、その電波送受信可能範囲内に設置されているものとする。なお、測温部20の固定方法は、図示の例に限らず、状況に応じて、前述した図6(a)〜(c)に示すベルトを用いた方式でもよい。
【0028】(a)電力供給処理上述した状態において、読取装置1は、測温部20に駆動用の電力を供給するために、所定の電波をアンテナ2から送信する。この電波は、測温部20のアンテナ21により受信される。その受信信号は、整流回路25により直流電圧に変換され、図示しない充電装置に充電されて、当該測温部20を駆動するための電源として、各部へ供給される。この電力により測温部20の各部が動作する。
【0029】(b)測定指示信号の送信処理以下に述べるステップS10〜ステップS16は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、読取装置1において、図8に示すステップS10でキーボード10が操作されたか否かを判断する。そして、キーボード10が操作されていない場合には、ステップS10における判断結果は「NO」となり、ステップS10を繰り返し実行する。一方、キーボード10が操作されると、ステップS10における判断結果は「YES」となり、ステップS12へ進む。ステップS12では「測定」キーが押下されたか否かを判断する。
【0030】ここで、看護婦等によって、キーボード10に設けられた、測温の開始を指示するための「測定」キーが押下されたとすると、ステップS12における判断結果は「YES」となり、ステップS14へ進む。ステップS14では、測定指示信号を送信する。具体的には、測定指示信号は、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されてアンテナ2から送信される。次に、ステップS16において、上記測定指示信号に対するデータが受信されたか否かを判断する。そして、該当するデータが受信されていなければ、ステップS16における判断結果は「NO」となり、該当データを受信するまで、ステップS16を繰り返し実行する。
【0031】(c)体温データの取り込み処理これに対して、測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21によって受信され、復調器22によって復調される。さらに、PS/SP変換回路23によってパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。以下に述べる図9に示すステップS50〜ステップS54は、測温部20によって被測温者の体温を検出する処理を示すもので、まず、測温部20では、ステップS50において、受信信号が読取装置1からの何らかの指示信号であるか否かを判断する。そして、指示信号でなければ、ステップS50における判断結果は「NO」となり、指示信号が供給されるまでステップS50を繰り返し実行する。一方、指示信号を受信した場合には、ステップS50における判断結果は「YES」となり、ステップS52へ進む。ステップS52では、測定指示信号を受信したか否かを判断する。そして、測定指示信号でなければ、ステップS52における判断結果は「NO」となり、ステップS50へ戻る。
【0032】一方、指示信号として測定指示信号を受信した場合には、ステップS52における判断結果は「YES」となり、ステップS54へ進む。ステップS54では、制御回路部28がA/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令する。これにより、A/D変換器27の出力、すなわち被測温者の体温が一時的に制御回路部28のRAMエリアに格納された後、表示駆動回路30へ供給される。その後、ステップS56へ進む。
【0033】(d)測温部での体温データの表示処理および送信処理次に、以下に述べるステップS56〜ステップS58は、測温部20での被測温者の体温を表示し、送信する処理を示すもので、上記ステップS54の処理に続いて、ステップS56において、上記体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示する。表示部31に表示された体温データは、表示部31のメモリ機能により保持され、次回の測温まで固定表示される。次に、ステップS58において、体温データを、メモリ29に格納されている、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。具体的には、体温データと、名前あるいはID番号とは、PS/SP変換回路23へ供給され、シリアルデータに変換された後、変調器24によって変調され、アンテナ21から送信される。ステップS58の処理が終了すると、ステップS50へ戻り、上述したステップS50〜S58を繰り返し実行する。
【0034】(e)読取装置での体温データの表示処理上記測温部20からの送信信号は、読取装置1のアンテナ2によって受信される。上記受信信号は、増幅器3、復調器4を介して増幅・復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。この場合、前述したステップS16における判断結果は「YES」となり、ステップS18へ進む。ステップS18では、上記パラレルデータに変換されたデータ(体温データ、および名前あるいはID番号)が、主制御部11によって、図2(b)に示すように、体温データが誰のものであるかを示すID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示される。メモリデータは、読取装置1のメモリ12に格納されている過去のデータであり、測温部20からデータが供給されてきた際に、被測温者の名前あるいはID番号により検索されて読み出されたものである。ステップS18の処理が終了すると、ステップS20へ進む。
【0035】(f)体温データの記憶処理次に、以下に述べるステップS20およびステップS22は、読取装置1で被測温者の体温データを記憶する処理を示すもので、まず、ステップS20では、キーボード10に設けられた、データの記憶を指示するための「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されると、ステップS20の判断結果が「YES」となり、ステップS22へ進む。ステップS22では、表示部13に表示されている現在の温度データをメモリ12に格納する。メモリ12には、上述したように、測温した月日、時刻、体温がID番号と名前に対応して各5つのデータが記憶できるようになっており、測温部20から読み出した順に格納される。すなわち、読取装置1による測温指示が測温部20に供給される度に、測温部20で測温が行われ、その後、体温データが読取装置1に供給され、メモリ12に順次格納される。ステップS22の処理が終了すると、ステップS24へ進む。一方、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS20における判断結果は「NO」となり、メモリ12に格納することなく、そのままステップS24へ進む。
【0036】(g)体温データの印刷処理次に、以下に述べるステップS24およびステップS26は、読取装置1で被測温者の体温データを表示する処理を示すもので、まず、ステップS24では、キーボード10の「PR」キーが押下されたか否かを判断する。そして、キーボード10に設けられた、データの印刷を指示するための「PR」キーが押下されると、ステップS24の判断結果が「YES」となり、ステップS26へ進む。ステップS26では、主制御部11によってプリンタ駆動回路部14を介してプリンタ15を駆動し、図2(a)に示す用紙15aに、表示部13に表示されたデータをプリントアウトする。ステップS26の処理が終了するか、あるいは「PR」キーが押下されず、ステップS24における判断結果が「NO」となった場合にはステップS10へ戻る。
【0037】(h)メモリからの読み出し処理また、看護婦等が最初にキーボード10の「測定」キー以外のキーを押下すると、図8に示すステップS10における判断結果が「YES」、ステップS12における判断結果が「NO」となり、ステップS28へ進む。以下に述べるステップS28〜ステップS36は、読取装置1で被測温者の過去の体温データをメモリ12から読み出す処理を示すもので、まず、ステップS28では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、ステップS28における判断結果は「NO」となり、ステップS10へ戻る。一方、「名前」キーが押下されると、ステップS28における判断結果は「YES」となり、ステップS30へ進む。ステップS30では、読み出す被測温者の名前を入力させる。上記看護婦等は、被測温者の名前、例えば「SASAKI」と入力する。
【0038】ステップS32では、「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS32における判断結果は「NO」となり、ステップS10へ戻る。一方、名前の入力の後に、「メモリ」キーが押下されると、ステップS32における判断結果は「YES」となり、ステップS34へ進む。ステップS34では、メモリ12から被測温者の名前、この場合、「SASAKI」に対応するメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)を読み出す。次に、ステップS36において、メモリデータを表示部13に表示する。この場合、表示部13には、ID番号、名前、および「メモリ1」〜「メモリ5」の内容だけが表示され、現在時刻の体温は表示されない。また、「メモリ1」〜「メモリ5」の全てが使用されていない場合には、使用されているメモリの内容だけが表示される。ステップS36の処理が終了すると、ステップS10へ戻る。以下、ステップS10〜S36を繰り返し実行する。
【0039】(i)統計的処理また、多数の体温データを統計的に処理する場合や、恒久的に体温データを保存する場合などには、図4に示すように、読取装置1の上位インターフェース16を介してホストコンピュータ45を接続し、キーボード10の「転送」キーを押下して収集したデータを転送する。そして、実際の処理は、ホストコンピュータで行う。このとき、転送するデータを被測温者の名前やID番号によって指定するようにしてもよい。
【0040】(j)連続測温また、手術中の患者、または入院中の患者に対しては、常時、体温を測温することが望ましい。この場合には、測温部20は、所定の時間間隔で、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令することにより、被測温者の体温データを取り込むようにする。そして、上記所定の時間間隔で取り込んだ体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示するとともに、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。読取装置1は、所定の時間間隔で送信されてくる体温データを受信し、これを表示部13に表示するとともに、この体温データを予め設定しておいた設定体温と比較することにより、これを下回る時に図1に示す警報部18によりアラーム警告を発するようにする。
【0041】このように、ケースAでは、一人の被測温者の体温を離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができるので、測定時間を短縮できる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。
【0042】B−2.ケースB次に、前述したように、複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)について説明する。被測温者Hに対する測温部20のセッティングについては、前述したケースAと同様に行われる。また、読取装置1は、その電波送受信可能範囲内に設置されているものとし、読取装置1には、被測温者が複数であっても各人の温度データを記憶できる十分な容量を有するメモリ12が備えられているものとする。
【0043】図10および図11は、複数の被測温者の体温を測温する場合の状況を示す模式図である。また、図12および図13はケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。図10においては、被測温者として、同室、あるいは電波送受信可能範囲内に収容された患者P1〜P4を想定している。また、図11においては、被測温者として、同室、あるいは電波送受信可能範囲に配設された保育器に収容されている乳児B1〜B6を想定している。上述した患者P1〜P4や、乳児B1〜B6の各々には、上述したように、測温部20がセッティングされており、各測温部20には、識別可能な個別の名前あるいはID番号が割り当てられている。このID番号は、各測温部20のメモリ29に記憶されている。また、以下では、まず、全ての測温部からの体温データを収集する全測温処理について説明し、次いで、特定の測温部を指示して該測温部の体温データのみを収集する個別指定測温処理について説明する。
【0044】(a)電力供給処理ケースBにおいても、複数の測温部20に対する電力供給は、前述したケースAと同様に、読取装置1から所定の電波をアンテナ2から送信することにより行われる。この電力により測温部20の各部が動作する。
【0045】B−2a.全測温処理(b)測定指示信号の送信処理以下に述べるステップS70〜ステップS78は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、図12に示すステップS70でキーボード10が操作されたか否かを判断する。そして、キーボード10が操作されていない場合には、ステップS70における判断結果は「NO」となり、ステップS70を繰り返し実行する。一方、キーボード10が操作されると、ステップS70における判断結果は「YES」となり、ステップS72へ進む。ステップS72では、「ALL」キーが押下されたか否かを判断する。ここで、看護婦等によって、キーボード10に設けられた、「ALL」キーが押下されると、ステップS74へと進む。ステップS74では、「測定」キーが押下されたか否かを判断する。「ALL」キーに続いて「測定」キーが押下されていない場合には、ステップS74における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。
【0046】一方、「ALL」キーに続いて「測定」キーが押下された場合には、ステップS74における判断結果は「YES」となり、ステップS76へ進む。ステップS76では、測温部20に測定指示信号を送信する。具体的には、測定指示信号は、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されて、アンテナ2から送信される。この場合、全ての測温部20からの体温データを収集するので、上記測定指示信号には、測温部20を特定する「名前」あるいは「ID番号」は含まれない。次に、ステップS78に進み、上記測定指示信号に対するデータが受信されたか否かを判断する。そして、該当するデータを受信していなければ、ステップS78における判断結果は「NO」となり、ステップS78を繰り返し実行する。
【0047】(c)体温データの取り込み処理これに対して、電波が届く範囲内にある全ての測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21により受信される。上記アンテナ21により受信された電波は、復調器22により復調され、PS/SP変換回路23によりパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。以下に述べる図14に示すステップS120〜ステップS128は、測温部20による被測温者の体温を測定する処理を示すもので、まず、ステップS120において、受信信号が読取装置1からの指示信号であるか否かを判断する。そして、受信信号が指示信号でなければ、ステップS120の判断結果は「NO」となり、ステップS120へ戻る。一方、受信信号が指示信号であれば、ステップS120の判断結果は「YES」となり、ステップS122へ進む。ステップS122では、指示信号が測定指示信号であるか否かを判断し、測定指示信号であれば、ステップS122の判断結果は「YES」となり、ステップS124へ進む。それ以外であれば、ステップS120へ戻る。
【0048】ステップS124では、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているかを判断する。これは、全ての測温部に対する測温指示か、あるいは後述する、特定の測温部20に対しての測温指示かを判別するためであり、測温部を特定する際には、上記名前あるいはID番号が送信される。この場合、全ての測温部20に対して測温指示しているので、前述したように、受信したデータには、名前あるいはID番号は含まれない。したがって、ステップS124における判断結果は「NO」となり、ステップS128へ進む。ステップS128では、制御回路部28がパラレルデータに変換された測定指示信号に従って、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令する。これにより、A/D変換器27の出力、すなわち被測温者の体温データが一時的に制御回路部28のRAMエリアに格納された後、表示駆動回路30へ供給される。
【0049】(d)測温部での体温データの表示処理および送信処理次に、以下に述べるステップS130〜S134は、測温部20での被測温者の体温を表示し、送信する処理を示すもので、まず、ステップS130において、上記体温データを表示駆動回路30によって表示部31に表示する。表示部31に表示された体温データは、表示部31のメモリ機能により保持され、新たな体温データが供給されるまで固定表示される。次に、ステップS132において、体温データを、メモリ29に格納されている名前あるいはID番号とともに、PS/SP変換回路23および変調器24を介して、アンテナ21から送信する。そして、ステップS134へ進み、読取装置1が上記体温データを受信した際に送信する受領信号を受信したか否かを判断する。そして、受領信号を受信していない場合には、ステップS132へ戻り、再びデータを送信する。なお、受領信号を受信しない場合、所定の時間経過後に再送信するようにしてもよい。あるいは、読取装置1が名前あるいはID番号を指定して送信要求し、これにより特定される測温部が再送信するようにしてもよい。
【0050】(e)体温データの表示処理一方、読取装置1では、上記測温部20からの送信信号がアンテナ2によって受信される。アンテナ2により先に受信された受信信号は、増幅器3、復調器4を介して復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。この場合、前述したステップS78における判断結果は「YES」となり、ステップS80へ進む。以下に述べるステップS80〜S84は、被測温者の体温を受信し、表示する処理を示すもので、まず、ステップS80では、受信したデータの名前またはID番号に基づいて、このデータに対応する測温部20に対して、受信したことを知らせる受領信号を送信する。具体的には、受信した名前あるいはID番号を上記受領信号に付加して送信する。これは、複数の測温部20からデータが送信されて混信するのを防止するためである。受領信号を送信した読取装置1は、次に、ステップS82へ進む。ステップS82では、パラレルデータに変換されたデータを、図2(b)に示すように、ID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示する。その後、ステップS84へ進む。
【0051】(f)体温データの記憶処理以下に述べるステップS84およびステップS86は、読取装置1での被測温者の体温を記憶する処理を示すもので、まず、ステップS84では、読取装置1のキーボード10に設けられた、データの記憶を指示するための「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されると、ステップS84における判断結果は「YES」となり、ステップS86へ進む。ステップS86では、表示部13に表示されているデータをメモリ12に格納する。メモリ12には、上述したように、測温した月日、時刻、体温がID番号と名前に対応して各5つのデータが記憶できるようになっており、測温部20から読み出した順に格納される。すなわち、読取装置1による測温指示が測温部20に供給される度に、測温部20で測温が行われ、その後、体温データが読取装置1に供給され、メモリ12に順次格納される。ステップS86の処理が終了すると、ステップS88へ進む。一方、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS84における判断結果は「NO」となり、メモリ12に格納することなく、そのままステップS88へ進む。
【0052】(g)体温データの印刷処理以下に述べるステップS88およびステップS90は、読取装置1での被測温者の体温データを印刷する処理を示すもので、まず、ステップS88では、キーボード10に設けられた、データの印刷を指示するための「PR」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「PR」キーが押下されると、ステップS88の判断結果が「YES」となり、ステップS90へ進む。ステップS90では、主制御部11によってプリンタ駆動回路部14を介してプリンタ15を駆動し、図2(a)に示す用紙15aに、表示部13に表示されたデータをプリントアウトする。ステップS90の処理が終了するか、あるいは「PR」キーが押下されず、ステップS88における判断結果が「NO」となった場合にはステップS92へ進む。
【0053】(h)全データ受信確認処理次に、ステップS92では、全ての測温部20からのデータを受信したか否かを判断する。そして、全てのデータを受信していない場合には、ステップS92における判断結果は「NO」となり、ステップS78へ戻る。以下、ステップS78〜S92を繰り返し実行し、全ての測温部20からデータを順次受信し、表示部13に表示するとともに、必要に応じて記憶したり、印刷したりする。一方、全ての測温部20からデータを受信した場合には、ステップS92における判断結果は「YES」となり、ステップS70へ戻る。
【0054】このように、ケースBにおいて複数の被測温者の体温を測温する場合でも、離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができるので、多数の被測温者の体温を短時間で測定できる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。各被測温者には、その名前あるいは個別のID番号が付けられるので、被測温者が多数であっても各々を識別できる。
【0055】B−2b.個別指定測温処理(a)測定指示信号の送信処理次に、上述した状況において、特定の測温部20を指定し、その測温部20のデータだけを受信する場合について説明する。以下に述べる図12および図13に示すステップS72〜ステップS100は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、読取装置1のキーボード10が操作されたものの、「ALL」キー以外のキーが押下された場合には、ステップS72における判断結果は「NO」となり、図13に示すステップS94へ進む。ステップS94では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、何もせず、図12に示すステップS70へ戻る。一方、「名前」キーが押下された場合には、ステップS94における判断結果は「YES」となり、ステップS96へ進む。ステップS96では、測定しようとする被測温者の名前をキーボード10から入力させる。次いで、ステップS98へ進み、「測定」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「測定」キーが押下されていない場合には、何もせず、図12に示すステップS70へ戻る。一方、「測定」キーが押下されると、ステップS98における判断結果は「YES」となり、ステップS100へ進む。
【0056】すなわち、特定の被測温者の体温を測温するには、まず、読取装置1のキーボード10に設けられた、「名前」キーが押下され、さらに名前、例えば「SASAKI」が入力された後、「測定」キーが押下された場合にのみ、ステップS100へ進むようになっている。ステップS100では、主制御部11から出力される測定指示信号を、上記名前、あるいはこの名前に対応するID番号とともに送信する。具体的には、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されて、アンテナ2から送信される。
【0057】(b)体温データの取り込み処理これに対して、電波が届く範囲内にある全ての測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21により受信される。上記アンテナ21により受信された電波は、復調器22により復調され、PS/SP変換回路23によりパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。この場合、前述したように、まず、図14に示すステップS120が「YES」となり、ステップS122へ進み、さらに、ステップS122の判断結果は「YES」となり、ステップS124へ進む。
【0058】ステップS124では、前述したように、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているか否かを判断する。この場合、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているので、ステップS124における判断結果は「YES」となり、ステップS126へ進む。ステップS126では、パラレルデータに変換された名前あるいはID番号がメモリ29に登録された被測温者の名前あるいはID番号と一致するか否かを判断する。そして、双方がが一致しない場合には、ステップS126における判断結果は「NO」となり、その測温部20は、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令を出力せず、ステップS120へ戻り、ポーズ(待機)状態となる。
【0059】(c)測温部での体温データの表示処理、送信処理一方、受信した名前あるいはID番号と、メモリ29に登録されている名前あるいはID番号とが一致すれば、ステップS126における判断結果は「YES」となり、前述したステップS128へ進む。ステップS128では、測定指示信号に従って、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令し、被測温者の体温データを取り込む。そして、ステップS130へ進み、上記体温データを表示駆動回路30によって表示部31に表示し、次に、ステップS132において、体温データを、メモリ29に格納されている名前あるいはID番号とともに、PS/SP変換回路23および変調器24を介して、アンテナ21から送信する。
【0060】(d)体温データの受信処理一方、読取装置1では、測温部20からの送信信号がアンテナ2によって受信される。アンテナ2により受信された受信信号は、増幅器3、復調器4を介して復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。以下に述べる図13R>3に示すステップS102〜S106は、体温データの受信処理を示すもので、まず、ステップS102において、上記データが、ステップS100で送信した測定指示信号に対するデータであるか否かを判断し、該当するデータでなければ、ステップS102を繰り返し実行する。一方、該当データである場合には、ステップS102における判断結果は「YES」となり、ステップS104へ進む。
【0061】ステップS104では、受信したデータの名前あるいはID番号と、ステップS100で送信した名前あるいはID番号とが一致するか否かを判断する。そして、双方が一致しなければ、ステップS104における判断結果は「NO」となり、ステップS102へ戻り、一致したデータを受信するまで、ステップS102およびS104を繰り返し実行する。そして、双方が一致すれば、すなわち、所望する測温部20からデータを受信すると、ステップS104における判断結果は「YES」となり、ステップS106へ進む。ステップS106では、このデータに対応する測温部20に対して、受信したことを知らせる受領信号を送信する。具体的には、受信した名前あるいはID番号を上記受領信号に付加して送信する。
【0062】このとき、各測温部20では、図14に示すステップS134において、前述したように、自分に対する受領信号を受信したか否かを判断し、受領信号を受信してなければ、ステップS132へ戻り、再びデータを送信する。そして、受領信号を受信すると、ステップS120へ戻る。以下、ステップS120以降を繰り返し実行する。
【0063】(e)読取装置での体温データの表示処理一方、読取装置1では、ステップS108へ進み、パラレルデータに変換されたデータを、図2(b)に示すように、ID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示する。次に、ステップS108の処理が終了すると、前述した図12に示すステップS84へ進む。以下、ステップS84〜S92においては、前述した処理と同様に、読取装置1のキーボード10に設けられた「メモリ」キーが押下されると、表示部13に表示されているデータをメモリ12へ格納し、「PR」キーが押下されると、同データをプリンタ15でプリントアウトする。
【0064】このように、ケースBにおいて、複数の被測温者の中から特定の被測温者の体温を測温する場合でも、その被測温者の名前を指定することにより、所望する被測温者の体温データだけを、離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。各被測温者には、その名前あるいは個別のID番号が付けられるので、被測温者が多数であっても各々を識別できる。
【0065】B−2c.メモリからの読み出し処理以下に述べるステップS70〜ステップS114は、測温部20によるメモリ12から被測温者の過去の体温を読み出す処理を示すもので、まず、看護婦等が最初にキーボード10の「ALL」キー以外のキーを押下すると、図12に示すステップS70における判断結果が「YES」、ステップS72における判断結果が「NO」となり、図13に示すステップS94へ進む。ステップS94では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、ステップS94における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。一方、「名前」キーが押下された場合には、ステップS94における判断結果は「YES」となり、ステップS96へ進む。ステップS96では、読み出す被測温者の名前を入力させる。上記看護婦等は被測温者の名前、例えば「SASAKI」と入力し、引き続き「メモリ」キーを押下する。
【0066】「メモリ」キーが押下されるので、ステップS98における判断結果は「NO」となり、ステップS110へ進む。ステップS110では、「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS110における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。この場合、上述したように、名前の入力の後に「メモリ」キーが押下されたので、ステップS110における判断結果は「YES」となり、ステップS112へ進む。ステップS112では、メモリ12から被測温者の名前、この場合、「SASAKI」に対応するメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)を読み出す。次に、ステップS114において、メモリデータを表示部13に表示する。この場合、表示部13には、ID番号と、名前と、「メモリ1」〜「メモリ5」の内容だけが表示され、現在時刻の体温は表示されない。また、「メモリ1」〜「メモリ5」の全てが使用されていない場合には、使用されているメモリだけの内容が表示される。ステップS114の処理が終了すると、ステップS70へ戻る。以下、ステップS70〜S114を繰り返し実行する。
【0067】B−2d.統計的処理また、多数の体温データを統計的に処理する場合や、恒久的に体温データを保存する場合などには、前述したケースAと同様に、図4に示すように、読取装置1の上位インターフェース16を介してホストコンピュータ45を接続し、キーボード10の「転送」キーを押下して収集したデータを転送する。そして、実際の処理は、ホストコンピュータで行う。このとき、転送するデータを被測温者の名前やID番号によって指定するようにしてもよい。
【0068】B−2e.連続測温また、手術中の患者、または入院中の患者では、常時、体温を測温することが望ましい場合がある。この場合にも、前述したケースAと同様に、測温部20において、所定の時間間隔で、被測温者の体温データを取り込む。そして、上記所定の時間間隔で取り込んだ体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示するとともに、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。読取装置1では、所定の時間間隔で送信されてくる体温データを受信し、これを表示部13に表示するとともに、この体温データを設定体温と比較することにより、これを下回る時に警報部18によりアラーム警告を発するようにする。
【0069】なお、上述した実施例では、一人の被測温者の体温測定(ケースA)、複数の被測温者の体温測定(ケースB)を別の処理として説明したが、読取装置1の動作モードを変更することにより、両方の処理を実施できるように切り換え可能にしてもよい。また、上述した実施例では、取り扱うデータとして、被測温者の名前、ID番号、測温月日、測温時刻、および体温データを説明したが、これに加えて、誕生日、入院日、性別、体重、血液型等を管理するようにしてもよい。また、上述した実施例では、測温部で検出する物理量を体温(温度)としたが、これに限らず、血圧(圧力)や、脳波・筋電(電気)などでもよい。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、生体に設けた検出装置では、該検出装置とは別途に設けられた集計装置からの動作指示信号が第1の受信手段により受信されると、検出手段が生体の生体情報を検出し、第1の送信手段によって所定のデータに変換して送信し、集計装置では、上記検出装置の第1の送信手段が送信する生体情報を第2の受信手段で受信するようにしたので、以下の効果を得ることができる。
(1)検出装置と集計装置とが別体であるので、生体の動作を束縛することなく物理量を収集できる。
(2)また、生体の生体情報を数値データとして収集できるので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(3)また、検出装置を生体の体表上に設け、生体の体温を検出するようにしたので、生体の体温を数値データとして収集できるので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(4)また、検出装置を外部から非接触で供給される電力によって駆動するようにしたので、装置を小型化でき、生体の動作を束縛することなく測温できる。
(5)また、検出装置を粘着部材により人体に貼付固定、またはベルトにより締結固定するようにしたので、被測温者が乳児、幼児、子供等の場合であっても、被測温者は、検出装置の脱落を注意する必要がなく、通常の安静状態であれば測温できる。この結果、失敗、測温ミス等が生じにくく、正確に測温できる。
(6)また、集計装置の記憶手段に記憶したデータを、転送手段により、統計処理する外部装置へ転送するようにしたので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(7)集計装置に受信した体温を印刷する印刷手段を備えるようにしたので、容易にデータ処理でき、また、システム化できるとともに、収集したデータを容易に記録できる。
(8)また、検出装置を複数設置するとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、集計装置に固有の識別符号に基づいて、受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別手段により判別するようにしたので、病院等で、一度に多くの患者の体温を測温する場合であっても、非常に容易に自動的に測温できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による生体情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は本実施例の読取装置の外観構成を示す斜視図であり、(b)は本実施例の読取装置の表示部の表示例を示す模式図である。
【図3】本実施例による読取装置のメモリに格納されるデータの構成を示す模式図である。
【図4】本実施例による読取装置とホストコンピュータの接続構成例を示す斜視図である。
【図5】(a)は本実施例の貼り付けタイプの測温部の外観を示す裏面図、(b)はその測温部の正面図、(c)はその測温部の断面図、および(d)は一装着例を示す模式図である。
【図6】(a)はベルトタイプの測温部の裏面側から見た場合の外観を示す斜視図、(b),(c)はその装着例を示す模式図である。
【図7】本実施例の生体情報処理システムにより一人の体温を測温する場合の模式図である。
【図8】ケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】ケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の状況を示す模式図である。
【図11】複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の状況を示す模式図である。
【図12】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 読取装置(集計装置)
2 アンテナ(第2の受信手段、第2の送信手段)
4 復調器(第2の受信手段)
5,23 PS/SP変換器
6 変調器(第2の送信手段)
10 キーボード
11 主制御部(判別手段、指定手段、計時手段)
12 メモリ(記憶手段)
13 表示部(第2の表示手段)
15 プリンタ(印刷手段)
16 上位インターフェース(インターフェース、転送手段)
17 電源ユニット
18 警報部(警報手段)
20 測温部(検出装置)
21 アンテナ(第1の受信手段、第1の送信手段)
22 復調器(第1の受信手段)
24 変調器(第1の送信手段)
25 整流回路
26 温度センサ(検出手段)
27 A/D変換器
28 制御回路部
29 メモリ(設定手段)
30 表示駆動回路
31 表示部(第1の表示手段)
45 ホストコンピュータ(外部装置)
51 粘着テープ(粘着部材)
54,55 ベルト
H 被測温体(生体)
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定した生体の体温等を無線を介して収集する生体情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体、特に人体の体温を測定するために電子体温計が用いられている。この電子体温計は、ステックタイプのもので、一方の先端部に温度センサ部があり、その反対の端部に表示部や、スイッチ、電池等が組み込まれたものがほとんであった。このような電子体温計は、その大きさが万年筆程度あり、温度センサ部の大きさに比較すると非常に大きなものであった。測温は、電子体温計を被測温者の舌下、もしくは脇の下に挟むことにより行われる。また、被測温者の体温は、所定時間経過後に、看護婦等が電子体温計を収集して記録していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電子体温計では、その構造から被測温者の舌下もしくは脇の下に挟むことにより測温し、人手によって記録するという構成になっていたため、以下の問題点があった。
(イ)被測温者が乳児、幼児、子供等の場合には、被測温者が動かないように注意する必要があり、例えば、大人が抱いて注意する必要があったので、被測温者自身が独自に測温できなかった。
(ロ)このため、非常に手間がかかるとともに、状況によっては、失敗、測温ミス等が生じ、正確に測温できなかった。
(ハ)また、病院等の場合は、一度に多くの患者の体温を測温しなければならないため、一人一人に対応いなければならず、多くの労力を必要としていた。
(ニ)したがって、測温した体温データの処理が難しく、システム化するのは不可能であった。
【0004】そこで本発明は、取り扱いを容易にでき、被測定体から検出した物理量、例えば人体の体温を自動的に収集できる生体情報処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請求項1記載の発明による生体情報処理システムは、外部からの動作指示信号を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により動作指示信号が受信されると生体の生体情報を検出する検出する検出手段と、前記検出手段により検出された生体情報を所定のデータに変換して送信する第1の送信手段とを備える検出装置と、前記動作指示信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段が送信する生体情報を受信する第2の受信手段を備え、前記検出装置とは別途に設けられた集計装置とを具備することを特徴とする。
【0006】また、前記検出手段は、例えば請求項2記載のように、前記生体情報として、温度、圧力、または電気信号の少なくとも1つを検出するようにしてもよい。また、前記検出装置は、例えば請求項3記載のように、生体の体表上に設けられ、前記検出手段は、前記生体の体温を検出するようにしてもよい。また、前記検出装置は、例えば請求項4記載のように、外部から非接触で供給される電力によって動作するようにしてもよい。
【0007】また、前記集計装置は、例えば請求項5記載のように、前記検出装置の電力を非接触で供給するようにしてもよい。
【0008】また、好ましい態様として、前記検出装置は、例えば請求項6記載のように、前記第1の検出手段により検出された生体情報を表示する第1の表示手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記第1の表示手段は、例えば請求項7記載のように、表示したデータを保持するメモリ特性を有するようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項8記載のように、前記記憶手段に記憶したデータを、所定のインターフェースを介して接続され、転送された物理量を統計処理する外部装置へ転送する転送手段を備えるようにしてもよい。
【0009】また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項9記載のように、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を表示する第2の表示手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項10記載のように、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を印刷する印刷手段を備えるようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記検出装置は、例えば請求項11記載のように、前記集計装置の1つに対して複数設置されるとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、前記集計装置は、前記固有の識別符号に基づいて、前記第2の受信手段により受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別する判別手段を備えるようにしてもよい。
【0010】また、好ましい態様として、例えば請求項12記載のように、前記集計装置は、前記複数の検出装置のうち、体温を検出すべき検出装置を前記識別符号によって指定する指定手段を備え、前記動作指示信号を前記第2の送信手段によって送信する際に、前記指定手段で指定された識別符号をも送信し、前記複数の検出装置は、前記第1の受信手段によって受信した識別符号が前記設定手段に設定された識別符号と同じ場合にのみ、前記検出手段により体温を検出し、前記第1の送信手段により送信するようにしてもよい。
【0011】また、好ましい態様として、前記集計装置は、例えば請求項13記載のように、前記複数の検出装置から受信したデータを、受信した検出装置の識別符号に対応させて記憶する記憶手段を備えるようにしてもよい。また、前記集計装置は、例えば請求項14記載のように、前記第2の受信手段によって前記検出装置からのデータを受信した時刻を計時する計時手段を備え、少なくとも前記体温を前記計時手段による時刻とともに前記記憶手段に記憶するようにしてもよい。また、好ましい態様として、前記収集装置は、例えば請求項15記載のように、前記検出装置から送信されてくる体温データが予め設定しておいた設定体温以下になると、アラーム音を発する警報手段を備えるようにしてもよい。
【0012】
【作用】本発明では、検出装置は、集計装置からの動作指示信号が第1の受信手段により受信されると、検出手段により生体の物理量、すなわち生体情報が検出され、第1の送信手段により、所定のデータに変換されて送信される。検出装置とは別途に設けられた集計装置は、検出装置の第1の送信手段が送信する物理量を第2の受信手段で受信する。したがって、被測定体から検出した物理量、例えば人体の体温を自動的に収集可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
A.実施例の構成A−1.生体情報処理システムのブロック構成図1は本発明の一実施例における生体情報処理システムの構成を示すブロック図である。図において、1は生体情報として、測温した体温データを収集し、種々の処理を施した後、表示および印刷したり、図示しないホストコンピュータへ送出する読取装置であり、50は人体に付帯され、体温を測温して上記読取装置1へ送信する測温部20である。以下では、まず、読取装置1の構成について説明し、次いで、測温部20の構成について説明する。
【0014】(a)読取装置の構成図1において、読取装置1は、上記測温部50との間でデータを授受するためのアンテナ2を有している。アンテナ2は受信信号を増幅器3へ供給する一方、後述する増幅器7から供給される送信信号を送信する。増幅器3は上記受信信号を所定のレベルに増幅した後、復調器4へ供給する。復調器4は、受信信号を復調することによって、受信信号から情報を取り出し、SP/PS変換器5へ供給する。SP/PS変換器5は、復調器4から供給されるシリアルデータ(情報)をパラレルデータに変換して主制御部11へ供給する一方、主制御部11から供給されるパラレルデータをシリアルデータに変換して変調器6へ供給する。変調器6は上記シリアルデータを変調し、増幅器7へ供給する。増幅器7は変調された送信信号を増幅し、上記アンテナ2へ供給する。
【0015】次に、10はキーボードであり、各種データ(日付、読取ID)を入力したり、測温指示、データ印刷、後述するコンピュータへのデータ送出等の指示を主制御部11へ供給する。また、主制御部11は、読取装置1の各部を所定のプログラムに従って制御し、キーボード10からの各種指示に従って、測温部20へ測温を指示したり、測温部20から受け取った体温データを、メモリ12へ格納するとともに、表示部13、プリンタ駆動部14、および上位インターフェース16へ供給する。メモリ12は、書き換え可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)から構成されており、体温データをその体温データが誰のものであるかを示す名前あるいはID番号とともに記憶する。なお、メモリ12に格納される体温データについては後述する。
【0016】次に、表示部13は、例えば液晶表示器等から構成されている。また、プリンタ駆動部14は、プリンタ15を駆動制御し、主制御部11から供給されるデータを所定のフォーマットで印刷する。プリンタ15は、ドットインパクトや、感熱型の印刷装置から構成されている。上位インターフェース16は、読取装置1と外部に接続された後述するホストコンピュータとの間でデータの授受を行うために設けられたインターフェースである。また、17は電源ユニットであり、上述した各部へ電源を供給する。そして、18は警報部であり、後述する測温部20で検出した体温データが所定値以下である場合にアラーム警告を発するようになっている。
【0017】上述した読取装置1のメモリ容量や処理能力には限度があるため、長期的にデータを保存する場合や、それらのデータを用いて何らかの処理を行う場合には、上述したように、上位インターフェース16を介してホストコンピュータへデータを転送するようになっている。あるいは、ホストコンピュータ側に用意されたデータベースから被測温者のID番号を読み出し、読取装置1へ転送するために用いられる。読取装置1とホストコンピュータとは、上位インターフェース16を介して、例えばRS−232Cなどの通信規格に準じた、後述する通信ケーブルによって接続される。ホストコンピュータは、メモリ容量や処理能力に限界がある読取装置1に対して、データを長期的に保存する場合や、それらのデータを用いて何らかの処理を行う場合にデータを転送するためなどに用いられる。あるいは、必要に応じて用いられる、被測温者のID番号をデータベース化するためなどに用いられる。なお、読取装置1の演算能力や、記憶能力が十分ある場合には、ホストコンピュータの機能を読取装置1で実現してもよい。
【0018】(b)測温部の構成次に、21は、測温部20に内蔵されたアンテナであり、該アンテナ21は、上述した読取装置1のアンテナ2から送信された電波を受信し、復調器22へ供給するとともに、変調器24から供給される被測温者のID番号や体温データを電波として送信する。次に、復調器22は、アンテナ21により受信された信号を復調し、PS/SP変換回路23へ供給する。また、SP/PS変換器23は、復調器22から供給されるシリアルデータをパラレルデータに変換して制御回路28へ供給する一方、制御回路28から供給されるパラレルデータをシリアルデータに変換して変調器24へ供給する。変調器24は上記シリアルデータを変調しアンテナ21へ供給する。
【0019】また、25は整流回路であり、上記アンテナ21により受信された信号を整流し、直流電圧として出力し、図示しない充電装置を充電し、当該測温部20を駆動するための電源として用いる。26は温度センサであり、被測温者の体温を検出し、体温に応じたアナログ信号をA/D変換器27へ供給する。A/D変換器27は、上記アナログ信号をデジタルデータに変換して、温度データとして制御回路28へ供給する。制御回路28は、測温部20の各部を所定のプログラムに従って制御し、上記温度データを所定時間間隔でメモリ29へ格納するとともに、表示駆動回路30へ供給する。また、制御回路28は、データを一時格納するためのRAMエリアとともに、測温した時刻を計時するためのタイマを備えている。メモリ29は、書き換え可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)から構成されており、複数の測温部を用いた場合に、該測温部が設けられた人間(患者等)を識別するための名前、もしくはID番号を記憶する。表示駆動回路30は、表示部31を駆動制御し、制御回路28から供給される温度データを表示する。表示部31は、例えば液晶表示器等から構成されており、所定の信号が供給されるか、新たにデータが供給されるまで、表示したデータを保持するメモリ機能を備えている。
【0020】(c)メモリのデータ構成ここで、前述したメモリ12に格納される体温データについては図3を参照して説明する。図3は、メモリ12に格納されるデータ構成を示す模式図である。メモリ12には、以下のようなデータが格納される。
ID番号:測温部が設けられた被測温者を識別するための識別番号
名前:測温部が設けられた被測温者の名前T1〜T5:体温データTime1〜Time5:体温データT1〜T5を測温した時刻DATE1〜DATE2:体温データT1〜T5を測温した日付なお、後述するように、複数の測温部を用いる場合には、メモリ12には、図3に示すデータが測温部毎に、すなわち被測温者毎に格納されるようになっている。
【0021】A−2.外観構成次に、上述した読取装置1と測温部20との外観構成について図2ないし図7を参照して説明する。
(a)読取装置の外観構成図2(a)は読取装置1の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は読取装置1の表示部13の表示例を示す模式図である。なお、図において、図1に示す対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図2(a)において、40は、上述した図1に示す読取装置1の各部を内蔵する携帯可能な筐体である。筐体40の前面には、キーボード10、表示部13およびプリンタ15が配設されており、筐体40の上部には、アンテナ2が突出して設けられている。なお、図示の15aはプリンタ15から排出される用紙である。
【0022】また、表示部13に表示される表示データとしては、例えば図2(b)に示すように、表示している体温データが誰のものであるかを示すID番号として「NO.123456」、名前として「佐々木 健」、体温として「36.6℃」、測温時刻として「PM12:00」、およびメモリデータとして「メモリ1」〜「メモリ5」が表示されるようになっている。メモリデータは、測温した月日、時刻、およびその体温からなり、これらのデータは、ID番号と名前に対応させてメモリ12に記憶されているものである。
【0023】また、図4は、本実施例による読取装置とホストコンピュータの接続構成例を示す斜視図である。図において、45は、この例ではブック型(ノート型・サブノート型)のホストコンピュータである。読取装置1は、その筐体40の側面に設けられたRS−232Cコネクタ(図示略)に嵌合されたRS−232Cケーブル46によりホストコンピュータ45と接続されるようになっている。互いのデータ授受は、所定のプロトコルにより行われる。
【0024】(b)測温部の外観構成b−1.貼り付けタイプ次に、図5(a)は貼り付けタイプの測温部20の外観を示す裏面図、図5(b)はその測温部20の正面図、図5(c)はその測温部20の断面図、および図5(d)は一装着例を示す模式図である。なお、図において、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図5(a)〜(c)において、50は、測温部20の筐体であるとともに、前述した温度センサ26、そのものである。また、51は、筐体50を上部から覆う粘着テープ(粘着部材)である。この粘着テープ51には、図5(b)に示すように、窓部が設けられており、この窓部から筐体50の上面に設けられた表示部31に表示されたデータを見ることができるようになっている。図5(a)〜(c)に示す貼り付けタイプの測温部20は、図5(d)に示すように、被測温者Hの脇の下に貼り付けられることにより固定される。このとき、筐体50の下部に設けられた温度センサ26は、被測温者Hの肌に密着するようになっている。この貼り付けタイプの測温部20は、特に幼児や、乳児の体温を測温する場合に適している。
【0025】b−2.ベルトタイプ次に、図6(a)はベルトタイプの測温部20の裏面側から見た場合の外観を示す斜視図、図6(b),(c)はその装着例を示す模式図である。なお、図において、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図6(a)において、53は測温部20の筐体50の裏面に設けられた粘着テープであり、54は被測温者Hの肩に掛けられるベルトである。なお、図では省略したが、筐体50の正面に表示部31が設けれているのは、上述した貼り付けタイプと同様である。上述した測温部20は、図6(b)に示すように、上記ベルト54を被測温者Hの肩に掛けて、そのベルト54を適宜締め付けることにより、被測温者Hの体に固定される。このとき、筐体50の下部に設けられた温度センサ26は、被測温者の肌に密着するようになっている。また、図6(c)に示す装着例では、被測温者Hの肩に掛ける2本のベルトと被測温者Hの胸部に掛けるベルトとからなるベルト55を設け、このベルト55を適宜締め付けることにより測温部20を被測温者Hの体に固定するようになっている。このベルトタイプの測温部20は、被測温者が歩く、走るなど、運動をしている場合や、通常の生活活動をしている場合に特に適している。
【0026】B.実施例の動作次に、上述した実施例の動作について図7ないし図14を参照して説明する。なお、以下では、本実施例の生体情報処理システムが適用される状況毎に、すなわち一人の被測温者の体温を測温する場合(ケースA)、複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の動作を説明する。
【0027】B−1.ケースAこのケースAでは、上述したように、一人の被測温者の体温を、読取装置1側からの指示により逐次測温する場合について説明する。ここで、図7は本実施例の生体情報処理システムにより一人の体温を測温する場合の模式図である。また、図8および図9はケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。測温部20は、図7に示すように、被測温者Hの脇の下にセットされ、粘着テープ51により貼り付けられる。この貼り付けタイプの測温部20は、特に幼児や、乳児の体温を測温する場合に適している。また、読取装置1は、その電波送受信可能範囲内に設置されているものとする。なお、測温部20の固定方法は、図示の例に限らず、状況に応じて、前述した図6(a)〜(c)に示すベルトを用いた方式でもよい。
【0028】(a)電力供給処理上述した状態において、読取装置1は、測温部20に駆動用の電力を供給するために、所定の電波をアンテナ2から送信する。この電波は、測温部20のアンテナ21により受信される。その受信信号は、整流回路25により直流電圧に変換され、図示しない充電装置に充電されて、当該測温部20を駆動するための電源として、各部へ供給される。この電力により測温部20の各部が動作する。
【0029】(b)測定指示信号の送信処理以下に述べるステップS10〜ステップS16は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、読取装置1において、図8に示すステップS10でキーボード10が操作されたか否かを判断する。そして、キーボード10が操作されていない場合には、ステップS10における判断結果は「NO」となり、ステップS10を繰り返し実行する。一方、キーボード10が操作されると、ステップS10における判断結果は「YES」となり、ステップS12へ進む。ステップS12では「測定」キーが押下されたか否かを判断する。
【0030】ここで、看護婦等によって、キーボード10に設けられた、測温の開始を指示するための「測定」キーが押下されたとすると、ステップS12における判断結果は「YES」となり、ステップS14へ進む。ステップS14では、測定指示信号を送信する。具体的には、測定指示信号は、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されてアンテナ2から送信される。次に、ステップS16において、上記測定指示信号に対するデータが受信されたか否かを判断する。そして、該当するデータが受信されていなければ、ステップS16における判断結果は「NO」となり、該当データを受信するまで、ステップS16を繰り返し実行する。
【0031】(c)体温データの取り込み処理これに対して、測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21によって受信され、復調器22によって復調される。さらに、PS/SP変換回路23によってパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。以下に述べる図9に示すステップS50〜ステップS54は、測温部20によって被測温者の体温を検出する処理を示すもので、まず、測温部20では、ステップS50において、受信信号が読取装置1からの何らかの指示信号であるか否かを判断する。そして、指示信号でなければ、ステップS50における判断結果は「NO」となり、指示信号が供給されるまでステップS50を繰り返し実行する。一方、指示信号を受信した場合には、ステップS50における判断結果は「YES」となり、ステップS52へ進む。ステップS52では、測定指示信号を受信したか否かを判断する。そして、測定指示信号でなければ、ステップS52における判断結果は「NO」となり、ステップS50へ戻る。
【0032】一方、指示信号として測定指示信号を受信した場合には、ステップS52における判断結果は「YES」となり、ステップS54へ進む。ステップS54では、制御回路部28がA/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令する。これにより、A/D変換器27の出力、すなわち被測温者の体温が一時的に制御回路部28のRAMエリアに格納された後、表示駆動回路30へ供給される。その後、ステップS56へ進む。
【0033】(d)測温部での体温データの表示処理および送信処理次に、以下に述べるステップS56〜ステップS58は、測温部20での被測温者の体温を表示し、送信する処理を示すもので、上記ステップS54の処理に続いて、ステップS56において、上記体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示する。表示部31に表示された体温データは、表示部31のメモリ機能により保持され、次回の測温まで固定表示される。次に、ステップS58において、体温データを、メモリ29に格納されている、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。具体的には、体温データと、名前あるいはID番号とは、PS/SP変換回路23へ供給され、シリアルデータに変換された後、変調器24によって変調され、アンテナ21から送信される。ステップS58の処理が終了すると、ステップS50へ戻り、上述したステップS50〜S58を繰り返し実行する。
【0034】(e)読取装置での体温データの表示処理上記測温部20からの送信信号は、読取装置1のアンテナ2によって受信される。上記受信信号は、増幅器3、復調器4を介して増幅・復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。この場合、前述したステップS16における判断結果は「YES」となり、ステップS18へ進む。ステップS18では、上記パラレルデータに変換されたデータ(体温データ、および名前あるいはID番号)が、主制御部11によって、図2(b)に示すように、体温データが誰のものであるかを示すID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示される。メモリデータは、読取装置1のメモリ12に格納されている過去のデータであり、測温部20からデータが供給されてきた際に、被測温者の名前あるいはID番号により検索されて読み出されたものである。ステップS18の処理が終了すると、ステップS20へ進む。
【0035】(f)体温データの記憶処理次に、以下に述べるステップS20およびステップS22は、読取装置1で被測温者の体温データを記憶する処理を示すもので、まず、ステップS20では、キーボード10に設けられた、データの記憶を指示するための「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されると、ステップS20の判断結果が「YES」となり、ステップS22へ進む。ステップS22では、表示部13に表示されている現在の温度データをメモリ12に格納する。メモリ12には、上述したように、測温した月日、時刻、体温がID番号と名前に対応して各5つのデータが記憶できるようになっており、測温部20から読み出した順に格納される。すなわち、読取装置1による測温指示が測温部20に供給される度に、測温部20で測温が行われ、その後、体温データが読取装置1に供給され、メモリ12に順次格納される。ステップS22の処理が終了すると、ステップS24へ進む。一方、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS20における判断結果は「NO」となり、メモリ12に格納することなく、そのままステップS24へ進む。
【0036】(g)体温データの印刷処理次に、以下に述べるステップS24およびステップS26は、読取装置1で被測温者の体温データを表示する処理を示すもので、まず、ステップS24では、キーボード10の「PR」キーが押下されたか否かを判断する。そして、キーボード10に設けられた、データの印刷を指示するための「PR」キーが押下されると、ステップS24の判断結果が「YES」となり、ステップS26へ進む。ステップS26では、主制御部11によってプリンタ駆動回路部14を介してプリンタ15を駆動し、図2(a)に示す用紙15aに、表示部13に表示されたデータをプリントアウトする。ステップS26の処理が終了するか、あるいは「PR」キーが押下されず、ステップS24における判断結果が「NO」となった場合にはステップS10へ戻る。
【0037】(h)メモリからの読み出し処理また、看護婦等が最初にキーボード10の「測定」キー以外のキーを押下すると、図8に示すステップS10における判断結果が「YES」、ステップS12における判断結果が「NO」となり、ステップS28へ進む。以下に述べるステップS28〜ステップS36は、読取装置1で被測温者の過去の体温データをメモリ12から読み出す処理を示すもので、まず、ステップS28では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、ステップS28における判断結果は「NO」となり、ステップS10へ戻る。一方、「名前」キーが押下されると、ステップS28における判断結果は「YES」となり、ステップS30へ進む。ステップS30では、読み出す被測温者の名前を入力させる。上記看護婦等は、被測温者の名前、例えば「SASAKI」と入力する。
【0038】ステップS32では、「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS32における判断結果は「NO」となり、ステップS10へ戻る。一方、名前の入力の後に、「メモリ」キーが押下されると、ステップS32における判断結果は「YES」となり、ステップS34へ進む。ステップS34では、メモリ12から被測温者の名前、この場合、「SASAKI」に対応するメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)を読み出す。次に、ステップS36において、メモリデータを表示部13に表示する。この場合、表示部13には、ID番号、名前、および「メモリ1」〜「メモリ5」の内容だけが表示され、現在時刻の体温は表示されない。また、「メモリ1」〜「メモリ5」の全てが使用されていない場合には、使用されているメモリの内容だけが表示される。ステップS36の処理が終了すると、ステップS10へ戻る。以下、ステップS10〜S36を繰り返し実行する。
【0039】(i)統計的処理また、多数の体温データを統計的に処理する場合や、恒久的に体温データを保存する場合などには、図4に示すように、読取装置1の上位インターフェース16を介してホストコンピュータ45を接続し、キーボード10の「転送」キーを押下して収集したデータを転送する。そして、実際の処理は、ホストコンピュータで行う。このとき、転送するデータを被測温者の名前やID番号によって指定するようにしてもよい。
【0040】(j)連続測温また、手術中の患者、または入院中の患者に対しては、常時、体温を測温することが望ましい。この場合には、測温部20は、所定の時間間隔で、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令することにより、被測温者の体温データを取り込むようにする。そして、上記所定の時間間隔で取り込んだ体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示するとともに、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。読取装置1は、所定の時間間隔で送信されてくる体温データを受信し、これを表示部13に表示するとともに、この体温データを予め設定しておいた設定体温と比較することにより、これを下回る時に図1に示す警報部18によりアラーム警告を発するようにする。
【0041】このように、ケースAでは、一人の被測温者の体温を離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができるので、測定時間を短縮できる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。
【0042】B−2.ケースB次に、前述したように、複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)について説明する。被測温者Hに対する測温部20のセッティングについては、前述したケースAと同様に行われる。また、読取装置1は、その電波送受信可能範囲内に設置されているものとし、読取装置1には、被測温者が複数であっても各人の温度データを記憶できる十分な容量を有するメモリ12が備えられているものとする。
【0043】図10および図11は、複数の被測温者の体温を測温する場合の状況を示す模式図である。また、図12および図13はケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。図10においては、被測温者として、同室、あるいは電波送受信可能範囲内に収容された患者P1〜P4を想定している。また、図11においては、被測温者として、同室、あるいは電波送受信可能範囲に配設された保育器に収容されている乳児B1〜B6を想定している。上述した患者P1〜P4や、乳児B1〜B6の各々には、上述したように、測温部20がセッティングされており、各測温部20には、識別可能な個別の名前あるいはID番号が割り当てられている。このID番号は、各測温部20のメモリ29に記憶されている。また、以下では、まず、全ての測温部からの体温データを収集する全測温処理について説明し、次いで、特定の測温部を指示して該測温部の体温データのみを収集する個別指定測温処理について説明する。
【0044】(a)電力供給処理ケースBにおいても、複数の測温部20に対する電力供給は、前述したケースAと同様に、読取装置1から所定の電波をアンテナ2から送信することにより行われる。この電力により測温部20の各部が動作する。
【0045】B−2a.全測温処理(b)測定指示信号の送信処理以下に述べるステップS70〜ステップS78は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、図12に示すステップS70でキーボード10が操作されたか否かを判断する。そして、キーボード10が操作されていない場合には、ステップS70における判断結果は「NO」となり、ステップS70を繰り返し実行する。一方、キーボード10が操作されると、ステップS70における判断結果は「YES」となり、ステップS72へ進む。ステップS72では、「ALL」キーが押下されたか否かを判断する。ここで、看護婦等によって、キーボード10に設けられた、「ALL」キーが押下されると、ステップS74へと進む。ステップS74では、「測定」キーが押下されたか否かを判断する。「ALL」キーに続いて「測定」キーが押下されていない場合には、ステップS74における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。
【0046】一方、「ALL」キーに続いて「測定」キーが押下された場合には、ステップS74における判断結果は「YES」となり、ステップS76へ進む。ステップS76では、測温部20に測定指示信号を送信する。具体的には、測定指示信号は、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されて、アンテナ2から送信される。この場合、全ての測温部20からの体温データを収集するので、上記測定指示信号には、測温部20を特定する「名前」あるいは「ID番号」は含まれない。次に、ステップS78に進み、上記測定指示信号に対するデータが受信されたか否かを判断する。そして、該当するデータを受信していなければ、ステップS78における判断結果は「NO」となり、ステップS78を繰り返し実行する。
【0047】(c)体温データの取り込み処理これに対して、電波が届く範囲内にある全ての測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21により受信される。上記アンテナ21により受信された電波は、復調器22により復調され、PS/SP変換回路23によりパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。以下に述べる図14に示すステップS120〜ステップS128は、測温部20による被測温者の体温を測定する処理を示すもので、まず、ステップS120において、受信信号が読取装置1からの指示信号であるか否かを判断する。そして、受信信号が指示信号でなければ、ステップS120の判断結果は「NO」となり、ステップS120へ戻る。一方、受信信号が指示信号であれば、ステップS120の判断結果は「YES」となり、ステップS122へ進む。ステップS122では、指示信号が測定指示信号であるか否かを判断し、測定指示信号であれば、ステップS122の判断結果は「YES」となり、ステップS124へ進む。それ以外であれば、ステップS120へ戻る。
【0048】ステップS124では、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているかを判断する。これは、全ての測温部に対する測温指示か、あるいは後述する、特定の測温部20に対しての測温指示かを判別するためであり、測温部を特定する際には、上記名前あるいはID番号が送信される。この場合、全ての測温部20に対して測温指示しているので、前述したように、受信したデータには、名前あるいはID番号は含まれない。したがって、ステップS124における判断結果は「NO」となり、ステップS128へ進む。ステップS128では、制御回路部28がパラレルデータに変換された測定指示信号に従って、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令する。これにより、A/D変換器27の出力、すなわち被測温者の体温データが一時的に制御回路部28のRAMエリアに格納された後、表示駆動回路30へ供給される。
【0049】(d)測温部での体温データの表示処理および送信処理次に、以下に述べるステップS130〜S134は、測温部20での被測温者の体温を表示し、送信する処理を示すもので、まず、ステップS130において、上記体温データを表示駆動回路30によって表示部31に表示する。表示部31に表示された体温データは、表示部31のメモリ機能により保持され、新たな体温データが供給されるまで固定表示される。次に、ステップS132において、体温データを、メモリ29に格納されている名前あるいはID番号とともに、PS/SP変換回路23および変調器24を介して、アンテナ21から送信する。そして、ステップS134へ進み、読取装置1が上記体温データを受信した際に送信する受領信号を受信したか否かを判断する。そして、受領信号を受信していない場合には、ステップS132へ戻り、再びデータを送信する。なお、受領信号を受信しない場合、所定の時間経過後に再送信するようにしてもよい。あるいは、読取装置1が名前あるいはID番号を指定して送信要求し、これにより特定される測温部が再送信するようにしてもよい。
【0050】(e)体温データの表示処理一方、読取装置1では、上記測温部20からの送信信号がアンテナ2によって受信される。アンテナ2により先に受信された受信信号は、増幅器3、復調器4を介して復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。この場合、前述したステップS78における判断結果は「YES」となり、ステップS80へ進む。以下に述べるステップS80〜S84は、被測温者の体温を受信し、表示する処理を示すもので、まず、ステップS80では、受信したデータの名前またはID番号に基づいて、このデータに対応する測温部20に対して、受信したことを知らせる受領信号を送信する。具体的には、受信した名前あるいはID番号を上記受領信号に付加して送信する。これは、複数の測温部20からデータが送信されて混信するのを防止するためである。受領信号を送信した読取装置1は、次に、ステップS82へ進む。ステップS82では、パラレルデータに変換されたデータを、図2(b)に示すように、ID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示する。その後、ステップS84へ進む。
【0051】(f)体温データの記憶処理以下に述べるステップS84およびステップS86は、読取装置1での被測温者の体温を記憶する処理を示すもので、まず、ステップS84では、読取装置1のキーボード10に設けられた、データの記憶を指示するための「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されると、ステップS84における判断結果は「YES」となり、ステップS86へ進む。ステップS86では、表示部13に表示されているデータをメモリ12に格納する。メモリ12には、上述したように、測温した月日、時刻、体温がID番号と名前に対応して各5つのデータが記憶できるようになっており、測温部20から読み出した順に格納される。すなわち、読取装置1による測温指示が測温部20に供給される度に、測温部20で測温が行われ、その後、体温データが読取装置1に供給され、メモリ12に順次格納される。ステップS86の処理が終了すると、ステップS88へ進む。一方、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS84における判断結果は「NO」となり、メモリ12に格納することなく、そのままステップS88へ進む。
【0052】(g)体温データの印刷処理以下に述べるステップS88およびステップS90は、読取装置1での被測温者の体温データを印刷する処理を示すもので、まず、ステップS88では、キーボード10に設けられた、データの印刷を指示するための「PR」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「PR」キーが押下されると、ステップS88の判断結果が「YES」となり、ステップS90へ進む。ステップS90では、主制御部11によってプリンタ駆動回路部14を介してプリンタ15を駆動し、図2(a)に示す用紙15aに、表示部13に表示されたデータをプリントアウトする。ステップS90の処理が終了するか、あるいは「PR」キーが押下されず、ステップS88における判断結果が「NO」となった場合にはステップS92へ進む。
【0053】(h)全データ受信確認処理次に、ステップS92では、全ての測温部20からのデータを受信したか否かを判断する。そして、全てのデータを受信していない場合には、ステップS92における判断結果は「NO」となり、ステップS78へ戻る。以下、ステップS78〜S92を繰り返し実行し、全ての測温部20からデータを順次受信し、表示部13に表示するとともに、必要に応じて記憶したり、印刷したりする。一方、全ての測温部20からデータを受信した場合には、ステップS92における判断結果は「YES」となり、ステップS70へ戻る。
【0054】このように、ケースBにおいて複数の被測温者の体温を測温する場合でも、離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができるので、多数の被測温者の体温を短時間で測定できる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。各被測温者には、その名前あるいは個別のID番号が付けられるので、被測温者が多数であっても各々を識別できる。
【0055】B−2b.個別指定測温処理(a)測定指示信号の送信処理次に、上述した状況において、特定の測温部20を指定し、その測温部20のデータだけを受信する場合について説明する。以下に述べる図12および図13に示すステップS72〜ステップS100は、読取装置1のキーボード10の操作に従って、測温部20に被測温者の体温の測定を指示する測定指示信号を出力する処理を示すもので、まず、読取装置1のキーボード10が操作されたものの、「ALL」キー以外のキーが押下された場合には、ステップS72における判断結果は「NO」となり、図13に示すステップS94へ進む。ステップS94では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、何もせず、図12に示すステップS70へ戻る。一方、「名前」キーが押下された場合には、ステップS94における判断結果は「YES」となり、ステップS96へ進む。ステップS96では、測定しようとする被測温者の名前をキーボード10から入力させる。次いで、ステップS98へ進み、「測定」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「測定」キーが押下されていない場合には、何もせず、図12に示すステップS70へ戻る。一方、「測定」キーが押下されると、ステップS98における判断結果は「YES」となり、ステップS100へ進む。
【0056】すなわち、特定の被測温者の体温を測温するには、まず、読取装置1のキーボード10に設けられた、「名前」キーが押下され、さらに名前、例えば「SASAKI」が入力された後、「測定」キーが押下された場合にのみ、ステップS100へ進むようになっている。ステップS100では、主制御部11から出力される測定指示信号を、上記名前、あるいはこの名前に対応するID番号とともに送信する。具体的には、PS/SP変換回路5によってシリアルデータに変換された後、変調器6により変調され、増幅器7により所定のレベルに増幅されて、アンテナ2から送信される。
【0057】(b)体温データの取り込み処理これに対して、電波が届く範囲内にある全ての測温部20では、上記測定指示信号がアンテナ21により受信される。上記アンテナ21により受信された電波は、復調器22により復調され、PS/SP変換回路23によりパラレルデータに変換された後、制御回路部28へ供給される。この場合、前述したように、まず、図14に示すステップS120が「YES」となり、ステップS122へ進み、さらに、ステップS122の判断結果は「YES」となり、ステップS124へ進む。
【0058】ステップS124では、前述したように、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているか否かを判断する。この場合、受信したデータに名前あるいはID番号が含まれているので、ステップS124における判断結果は「YES」となり、ステップS126へ進む。ステップS126では、パラレルデータに変換された名前あるいはID番号がメモリ29に登録された被測温者の名前あるいはID番号と一致するか否かを判断する。そして、双方がが一致しない場合には、ステップS126における判断結果は「NO」となり、その測温部20は、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令を出力せず、ステップS120へ戻り、ポーズ(待機)状態となる。
【0059】(c)測温部での体温データの表示処理、送信処理一方、受信した名前あるいはID番号と、メモリ29に登録されている名前あるいはID番号とが一致すれば、ステップS126における判断結果は「YES」となり、前述したステップS128へ進む。ステップS128では、測定指示信号に従って、A/D変換器27に温度センサ26のアナログ信号の取り込みを指令した後、デジタル信号への変換を指令し、被測温者の体温データを取り込む。そして、ステップS130へ進み、上記体温データを表示駆動回路30によって表示部31に表示し、次に、ステップS132において、体温データを、メモリ29に格納されている名前あるいはID番号とともに、PS/SP変換回路23および変調器24を介して、アンテナ21から送信する。
【0060】(d)体温データの受信処理一方、読取装置1では、測温部20からの送信信号がアンテナ2によって受信される。アンテナ2により受信された受信信号は、増幅器3、復調器4を介して復調された後、PS/SP変換部5によってパラレルデータに変換され、主制御部11に供給される。以下に述べる図13R>3に示すステップS102〜S106は、体温データの受信処理を示すもので、まず、ステップS102において、上記データが、ステップS100で送信した測定指示信号に対するデータであるか否かを判断し、該当するデータでなければ、ステップS102を繰り返し実行する。一方、該当データである場合には、ステップS102における判断結果は「YES」となり、ステップS104へ進む。
【0061】ステップS104では、受信したデータの名前あるいはID番号と、ステップS100で送信した名前あるいはID番号とが一致するか否かを判断する。そして、双方が一致しなければ、ステップS104における判断結果は「NO」となり、ステップS102へ戻り、一致したデータを受信するまで、ステップS102およびS104を繰り返し実行する。そして、双方が一致すれば、すなわち、所望する測温部20からデータを受信すると、ステップS104における判断結果は「YES」となり、ステップS106へ進む。ステップS106では、このデータに対応する測温部20に対して、受信したことを知らせる受領信号を送信する。具体的には、受信した名前あるいはID番号を上記受領信号に付加して送信する。
【0062】このとき、各測温部20では、図14に示すステップS134において、前述したように、自分に対する受領信号を受信したか否かを判断し、受領信号を受信してなければ、ステップS132へ戻り、再びデータを送信する。そして、受領信号を受信すると、ステップS120へ戻る。以下、ステップS120以降を繰り返し実行する。
【0063】(e)読取装置での体温データの表示処理一方、読取装置1では、ステップS108へ進み、パラレルデータに変換されたデータを、図2(b)に示すように、ID番号(「NO.123456」)、名前(「佐々木 健」)、体温(「36.6℃」)、測温時刻(「PM12:00」)、およびメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)の順で表示部13に表示する。次に、ステップS108の処理が終了すると、前述した図12に示すステップS84へ進む。以下、ステップS84〜S92においては、前述した処理と同様に、読取装置1のキーボード10に設けられた「メモリ」キーが押下されると、表示部13に表示されているデータをメモリ12へ格納し、「PR」キーが押下されると、同データをプリンタ15でプリントアウトする。
【0064】このように、ケースBにおいて、複数の被測温者の中から特定の被測温者の体温を測温する場合でも、その被測温者の名前を指定することにより、所望する被測温者の体温データだけを、離れたところから必要な時にいつでも自動的に収集することができる。収集した体温データは、被測温者を識別するためのID番号、名前、測温時刻、過去のデータとともに、表示部13に表示でき、必要に応じて、メモリ12へ格納したり、プリンタ15でプリントアウトして記録を残すこともできる。各被測温者には、その名前あるいは個別のID番号が付けられるので、被測温者が多数であっても各々を識別できる。
【0065】B−2c.メモリからの読み出し処理以下に述べるステップS70〜ステップS114は、測温部20によるメモリ12から被測温者の過去の体温を読み出す処理を示すもので、まず、看護婦等が最初にキーボード10の「ALL」キー以外のキーを押下すると、図12に示すステップS70における判断結果が「YES」、ステップS72における判断結果が「NO」となり、図13に示すステップS94へ進む。ステップS94では、「名前」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「名前」キーが押下されていない場合には、ステップS94における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。一方、「名前」キーが押下された場合には、ステップS94における判断結果は「YES」となり、ステップS96へ進む。ステップS96では、読み出す被測温者の名前を入力させる。上記看護婦等は被測温者の名前、例えば「SASAKI」と入力し、引き続き「メモリ」キーを押下する。
【0066】「メモリ」キーが押下されるので、ステップS98における判断結果は「NO」となり、ステップS110へ進む。ステップS110では、「メモリ」キーが押下されたか否かを判断する。そして、「メモリ」キーが押下されない場合には、ステップS110における判断結果は「NO」となり、ステップS70へ戻る。この場合、上述したように、名前の入力の後に「メモリ」キーが押下されたので、ステップS110における判断結果は「YES」となり、ステップS112へ進む。ステップS112では、メモリ12から被測温者の名前、この場合、「SASAKI」に対応するメモリデータ(「メモリ1」〜「メモリ5」の内容)を読み出す。次に、ステップS114において、メモリデータを表示部13に表示する。この場合、表示部13には、ID番号と、名前と、「メモリ1」〜「メモリ5」の内容だけが表示され、現在時刻の体温は表示されない。また、「メモリ1」〜「メモリ5」の全てが使用されていない場合には、使用されているメモリだけの内容が表示される。ステップS114の処理が終了すると、ステップS70へ戻る。以下、ステップS70〜S114を繰り返し実行する。
【0067】B−2d.統計的処理また、多数の体温データを統計的に処理する場合や、恒久的に体温データを保存する場合などには、前述したケースAと同様に、図4に示すように、読取装置1の上位インターフェース16を介してホストコンピュータ45を接続し、キーボード10の「転送」キーを押下して収集したデータを転送する。そして、実際の処理は、ホストコンピュータで行う。このとき、転送するデータを被測温者の名前やID番号によって指定するようにしてもよい。
【0068】B−2e.連続測温また、手術中の患者、または入院中の患者では、常時、体温を測温することが望ましい場合がある。この場合にも、前述したケースAと同様に、測温部20において、所定の時間間隔で、被測温者の体温データを取り込む。そして、上記所定の時間間隔で取り込んだ体温データを、表示駆動回路30によって表示部31に表示するとともに、被測温者を識別するための名前あるいはID番号とともに送信する。読取装置1では、所定の時間間隔で送信されてくる体温データを受信し、これを表示部13に表示するとともに、この体温データを設定体温と比較することにより、これを下回る時に警報部18によりアラーム警告を発するようにする。
【0069】なお、上述した実施例では、一人の被測温者の体温測定(ケースA)、複数の被測温者の体温測定(ケースB)を別の処理として説明したが、読取装置1の動作モードを変更することにより、両方の処理を実施できるように切り換え可能にしてもよい。また、上述した実施例では、取り扱うデータとして、被測温者の名前、ID番号、測温月日、測温時刻、および体温データを説明したが、これに加えて、誕生日、入院日、性別、体重、血液型等を管理するようにしてもよい。また、上述した実施例では、測温部で検出する物理量を体温(温度)としたが、これに限らず、血圧(圧力)や、脳波・筋電(電気)などでもよい。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、生体に設けた検出装置では、該検出装置とは別途に設けられた集計装置からの動作指示信号が第1の受信手段により受信されると、検出手段が生体の生体情報を検出し、第1の送信手段によって所定のデータに変換して送信し、集計装置では、上記検出装置の第1の送信手段が送信する生体情報を第2の受信手段で受信するようにしたので、以下の効果を得ることができる。
(1)検出装置と集計装置とが別体であるので、生体の動作を束縛することなく物理量を収集できる。
(2)また、生体の生体情報を数値データとして収集できるので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(3)また、検出装置を生体の体表上に設け、生体の体温を検出するようにしたので、生体の体温を数値データとして収集できるので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(4)また、検出装置を外部から非接触で供給される電力によって駆動するようにしたので、装置を小型化でき、生体の動作を束縛することなく測温できる。
(5)また、検出装置を粘着部材により人体に貼付固定、またはベルトにより締結固定するようにしたので、被測温者が乳児、幼児、子供等の場合であっても、被測温者は、検出装置の脱落を注意する必要がなく、通常の安静状態であれば測温できる。この結果、失敗、測温ミス等が生じにくく、正確に測温できる。
(6)また、集計装置の記憶手段に記憶したデータを、転送手段により、統計処理する外部装置へ転送するようにしたので、容易にデータ処理でき、また、システム化できる。
(7)集計装置に受信した体温を印刷する印刷手段を備えるようにしたので、容易にデータ処理でき、また、システム化できるとともに、収集したデータを容易に記録できる。
(8)また、検出装置を複数設置するとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、集計装置に固有の識別符号に基づいて、受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別手段により判別するようにしたので、病院等で、一度に多くの患者の体温を測温する場合であっても、非常に容易に自動的に測温できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による生体情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は本実施例の読取装置の外観構成を示す斜視図であり、(b)は本実施例の読取装置の表示部の表示例を示す模式図である。
【図3】本実施例による読取装置のメモリに格納されるデータの構成を示す模式図である。
【図4】本実施例による読取装置とホストコンピュータの接続構成例を示す斜視図である。
【図5】(a)は本実施例の貼り付けタイプの測温部の外観を示す裏面図、(b)はその測温部の正面図、(c)はその測温部の断面図、および(d)は一装着例を示す模式図である。
【図6】(a)はベルトタイプの測温部の裏面側から見た場合の外観を示す斜視図、(b),(c)はその装着例を示す模式図である。
【図7】本実施例の生体情報処理システムにより一人の体温を測温する場合の模式図である。
【図8】ケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】ケースAの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の状況を示す模式図である。
【図11】複数の被測温者の体温を測温する場合(ケースB)の状況を示す模式図である。
【図12】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】ケースBの場合の生体情報処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 読取装置(集計装置)
2 アンテナ(第2の受信手段、第2の送信手段)
4 復調器(第2の受信手段)
5,23 PS/SP変換器
6 変調器(第2の送信手段)
10 キーボード
11 主制御部(判別手段、指定手段、計時手段)
12 メモリ(記憶手段)
13 表示部(第2の表示手段)
15 プリンタ(印刷手段)
16 上位インターフェース(インターフェース、転送手段)
17 電源ユニット
18 警報部(警報手段)
20 測温部(検出装置)
21 アンテナ(第1の受信手段、第1の送信手段)
22 復調器(第1の受信手段)
24 変調器(第1の送信手段)
25 整流回路
26 温度センサ(検出手段)
27 A/D変換器
28 制御回路部
29 メモリ(設定手段)
30 表示駆動回路
31 表示部(第1の表示手段)
45 ホストコンピュータ(外部装置)
51 粘着テープ(粘着部材)
54,55 ベルト
H 被測温体(生体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部からの動作指示信号を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により動作指示信号が受信されると生体の生体情報を検出する検出する検出手段と、前記検出手段により検出された生体情報を所定のデータに変換して送信する第1の送信手段とを備える検出装置と、前記動作指示信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段が送信する生体情報を受信する第2の受信手段を備え、前記検出装置とは別途に設けられた集計装置とを具備することを特徴とする生体情報処理システム。
【請求項2】 前記検出手段は、前記生体情報として、温度、圧力、または電気信号の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1記載の生体情報処理システム。
【請求項3】 前記検出装置は、生体の体表上に設けられ、前記検出手段は、前記生体の体温情報を検出することを特徴とする生体情報処理システム。
【請求項4】 前記検出装置は、外部から非接触で供給される電力によって動作することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項5】 前記集計装置は、前記検出装置の電力を非接触で供給することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項6】 前記検出装置は、前記第1の検出手段により検出された物理量を表示する第1の表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項7】 前記第1の表示手段は、表示したデータを保持するメモリ特性を有することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項8】 前記集計装置は、前記記憶手段に記憶したデータを、所定のインターフェースを介して接続され、転送された生体情報を統計処理する外部装置へ転送する転送手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項9】 前記集計装置は、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を表示する第2の表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載生体情報処理システム。
【請求項10】 前記集計装置は、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を印刷する印刷手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項11】 前記検出装置は、前記集計装置の1つに対して複数設置されるとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、前記集計装置は、前記固有の識別符号に基づいて、前記第2の受信手段により受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別する判別手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項12】 前記集計装置は、前記複数の検出装置のうち、体温を検出すべき検出装置を前記識別符号によって指定する指定手段を備え、前記動作指示信号を前記第2の送信手段によって送信する際に、前記指定手段で指定された識別符号をも送信し、前記複数の検出装置は、前記第1の受信手段によって受信した識別符号が前記設定手段に設定された識別符号と同じ場合にのみ、前記検出手段により体温を検出し、前記第1の送信手段により送信することを特徴とすることを特徴とする請求項11記載の生体情報処理システム。
【請求項13】 前記集計装置は、前記複数の検出装置から受信したデータを、受信した検出装置の識別符号に対応させて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項11記載の生体情報処理システム。
【請求項14】 前記集計装置は、前記第2の受信手段によって前記検出装置からのデータを受信した時刻を計時する計時手段を備え、少なくとも前記体温を前記計時手段による時刻とともに前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項13記載の生体情報処理システム。
【請求項15】 前記収集装置は、前記検出装置から送信されてくる体温データが予め設定しておいた設定体温以下になると、アラーム音を発する警報手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項1】 外部からの動作指示信号を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により動作指示信号が受信されると生体の生体情報を検出する検出する検出手段と、前記検出手段により検出された生体情報を所定のデータに変換して送信する第1の送信手段とを備える検出装置と、前記動作指示信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段が送信する生体情報を受信する第2の受信手段を備え、前記検出装置とは別途に設けられた集計装置とを具備することを特徴とする生体情報処理システム。
【請求項2】 前記検出手段は、前記生体情報として、温度、圧力、または電気信号の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1記載の生体情報処理システム。
【請求項3】 前記検出装置は、生体の体表上に設けられ、前記検出手段は、前記生体の体温情報を検出することを特徴とする生体情報処理システム。
【請求項4】 前記検出装置は、外部から非接触で供給される電力によって動作することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項5】 前記集計装置は、前記検出装置の電力を非接触で供給することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項6】 前記検出装置は、前記第1の検出手段により検出された物理量を表示する第1の表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項7】 前記第1の表示手段は、表示したデータを保持するメモリ特性を有することを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項8】 前記集計装置は、前記記憶手段に記憶したデータを、所定のインターフェースを介して接続され、転送された生体情報を統計処理する外部装置へ転送する転送手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項9】 前記集計装置は、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を表示する第2の表示手段を備えることを特徴とする請求項3記載生体情報処理システム。
【請求項10】 前記集計装置は、少なくとも、前記第2の受信手段により受信した体温を印刷する印刷手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項11】 前記検出装置は、前記集計装置の1つに対して複数設置されるとともに、各々に固有の識別符号が設定された設定手段を備え、前記集計装置は、前記固有の識別符号に基づいて、前記第2の受信手段により受信したデータがどの検出装置からのものであるかを判別する判別手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【請求項12】 前記集計装置は、前記複数の検出装置のうち、体温を検出すべき検出装置を前記識別符号によって指定する指定手段を備え、前記動作指示信号を前記第2の送信手段によって送信する際に、前記指定手段で指定された識別符号をも送信し、前記複数の検出装置は、前記第1の受信手段によって受信した識別符号が前記設定手段に設定された識別符号と同じ場合にのみ、前記検出手段により体温を検出し、前記第1の送信手段により送信することを特徴とすることを特徴とする請求項11記載の生体情報処理システム。
【請求項13】 前記集計装置は、前記複数の検出装置から受信したデータを、受信した検出装置の識別符号に対応させて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項11記載の生体情報処理システム。
【請求項14】 前記集計装置は、前記第2の受信手段によって前記検出装置からのデータを受信した時刻を計時する計時手段を備え、少なくとも前記体温を前記計時手段による時刻とともに前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項13記載の生体情報処理システム。
【請求項15】 前記収集装置は、前記検出装置から送信されてくる体温データが予め設定しておいた設定体温以下になると、アラーム音を発する警報手段を備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図14】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図10】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図14】
【図13】
【公開番号】特開平8−10232
【公開日】平成8年(1996)1月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−171886
【出願日】平成6年(1994)6月29日
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【公開日】平成8年(1996)1月16日
【国際特許分類】
【出願日】平成6年(1994)6月29日
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
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