説明

生体情報取得システム及び生体情報取得システムの制御方法

【課題】通信動作に関する制御を簡略化することが可能であるとともに、通信動作の際に消費される電力を低減することが可能な生体情報取得システム等を提供する。
【解決手段】本発明の生体情報取得システムは、被検体の内部の生体情報を含む無線信号を送信可能な構成を具備する生体情報取得装置と、生体情報取得装置から送信される無線信号を被検体の外部において受信可能な構成を具備する端末装置と、を有する生体情報取得システムであって、端末装置は、被検体の生体情報を含む無線信号を受信できた際に、受信確認信号を生成して送信する受信確認信号送信部を有し、生体情報取得装置は、記憶部と、少なくとも受信確認信号を受信不可能な期間中において、被検体の生体情報を含む無線信号を送信させるとともに、送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報を記憶部に格納させる制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得システムに関し、特に、生体内の情報を取得可能な生体情報取得システム及び生体情報取得システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野における内視鏡は、生体内の観察等の用途において従来用いられている。そして、前述した内視鏡の種類の1つとして、被検者が嚥下することにより体腔内に配置され、蠕動運動に伴って体腔内を移動しつつ被写体の像を撮像し、撮像した被写体の像を撮像信号として外部に無線伝送可能なカプセル型内視鏡が近年提案されている。
【0003】
そして、前述したカプセル型内視鏡と略同様の構成を有するものとしては、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。
【0004】
具体的には、特許文献1には、被検体の生体情報を取得するカプセル型医療装置と、前記生体情報を受信する生体情報受信装置と、を有するシステムであって、前記生体情報受信装置との間の通信状態を確認するための通信確認信号が前記カプセル型医療装置から送信され、前記通信確認信号を受信したときに通信を許可するための通信許可信号が前記生体情報受信装置から送信され、前記通信許可信号を受信したときに前記生体情報が前記カプセル型医療装置から送信される、という構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された構成によれば、カプセル型医療装置により得られた生体情報が生体情報受信装置へ送信される前において、通信状態を確認するための信号の送受信に係る動作が行われることに起因し、通信動作に関する制御が複雑化するとともに、消費電力が増加してしまう、という課題が生じている。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、通信動作に関する制御を従来に比べて簡略化することが可能であるとともに、通信動作の際に消費される電力を従来に比べて低減することが可能な生体情報取得システム及び生体情報取得システムの制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生体情報取得システムは、生体情報取得部により取得された被検体の内部の生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ送信可能な構成を具備する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置から送信される無線信号を前記被検体の外部において受信可能な構成を具備する端末装置と、を有する生体情報取得システムであって、前記端末装置は、前記被検体の生体情報を含む無線信号を受信できた際に、受信確認信号を生成して前記生体情報取得装置へ送信する受信確認信号送信部を有し、前記生体情報取得装置は、記憶部と、少なくとも前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中において、前記被検体の生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ送信させるとともに、前記被検体の外部へ送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報を前記記憶部に格納させる制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における生体情報取得システム及び生体情報取得システムの制御方法によれば、通信動作に関する制御を従来に比べて簡略化することができるとともに、通信動作の際に消費される電力を従来に比べて低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施例における生体情報取得システムの要部の構成を示す図。
【図2】生体情報取得システムの使用の態様を説明するための模式図。
【図3】第1の実施例における生体情報取得装置及び端末装置の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図4】第2の実施例における生体情報取得装置及び端末装置の動作を説明するためのタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
(第1の実施例)
図1から図3は、本発明の第1の実施例に係るものである。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例における生体情報取得システムの要部の構成を示す図である。
【0013】
生体情報取得システム101は、図1に示すように、生体情報取得装置1と、端末装置11と、を具備して構成されている。
【0014】
生体情報取得装置1は、例えばカプセル内視鏡のような、被検者の体腔内に配置可能な寸法及び形状等を有する装置として構成されている。
【0015】
また、生体情報取得装置1は、被検者の体腔内の被写体を照明するための照明光を発する照明部2と、照明部2により照明された被写体を撮像して画像データを取得する撮像部3と、撮像部3により取得された画像データを無線信号に変調して端末装置11へ送信する無線送信部4と、端末装置11から送信された無線信号を受信して復調する無線受信部5と、撮像部3により取得された画像データを蓄積可能な記憶部6と、生体情報取得装置1の各部の駆動に要する駆動電力を供給可能な電源部7と、生体情報取得装置1の各部の動作に係る制御を行う制御部8と、を具備して構成されている。
【0016】
すなわち、本実施例における生体情報取得部は、照明部2及び撮像部3を具備して構成されている。
【0017】
端末装置11は、例えば携帯端末装置のような、図示しない内蔵バッテリから供給される電力により駆動可能な可搬型の装置として構成されている。
【0018】
また、端末装置11は、後述の受信確認信号を無線信号に変調して生体情報取得装置1へ送信する送信アンテナ12と、生体情報取得装置1から送信された無線信号を受信して復調する受信アンテナ13と、受信アンテナ13において受信された画像データを蓄積可能な記憶部14と、後述の受信確認信号の生成を含む端末装置11の各部の動作に係る制御を行う制御部15と、を具備して構成されている。
【0019】
すなわち、本実施例における受信確認信号送信部は、送信アンテナ12及び制御部15を具備して構成されている。
【0020】
なお、本実施例の生体情報取得装置1は、内蔵バッテリ等である電源部7から供給される駆動電力に応じて動作するように構成されているものに限らず、例えば、電磁誘導現象を利用した無線給電により外部から供給される駆動電力に応じて動作するように構成されていてもよい。
【0021】
図2は、生体情報取得システムの使用の態様を説明するための模式図である。
【0022】
本実施例の生体情報取得システム101は、例えば図2に示すような態様により被検者201に対して使用される。具体的には、生体情報取得システム101の使用時には、生体情報取得装置1が被検者201の体腔内に配置され、端末装置11の本体部分が被検者201の体外に装着されるとともに、端末装置11の本体部分から延出した信号線を介してそれぞれ接続されている複数の受信アンテナ13が被検者201の体表部に配置される。
【0023】
なお、端末装置11の本体部分は、被検者201に装着した状態で使用可能に構成されているものに限らず、例えばワークステーションのような、所定の位置に設置した状態での使用を前提としたものとして構成されていてもよい。
【0024】
ここで、本実施例における生体情報取得装置1及び端末装置11の具体的な動作について、図3のタイミングチャートを適宜参照しながら説明を行う。図3は、第1の実施例における生体情報取得装置及び端末装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0025】
まず、時刻t11以前の任意のタイミングにおいて、生体情報取得装置1及び端末装置11の電源がそれぞれオンされるとともに、生体情報取得装置1及び端末装置11が図2に例示した位置関係を有するようにそれぞれ配置される。
【0026】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t11から時刻t12の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データF1を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t12から時刻t13の期間において、撮像部3により取得された画像データF1を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0027】
端末装置11の制御部15は、時刻t12から時刻t13の期間において、受信アンテナ13により画像データF1を含む無線信号を受信できた場合、画像データF1を記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t13から時刻t14の期間において、画像データF1を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データF1を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0028】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t13から時刻t14の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できた場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が良好である、すなわち、撮像部3により取得された画像データF1が端末装置11に格納されたとの判定結果を得る。
【0029】
続いて、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t15から時刻t16の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データF2を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データF1が端末装置11に格納されたとの判定結果に基づき、時刻t16から時刻t17の期間において、撮像部3により取得された画像データF2を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0030】
一方、端末装置11の制御部15は、時刻t14が経過した後において、受信アンテナ13により画像データF2を含む無線信号を受信できなかった場合、受信確認信号の生成及び送信を行うことなく、次の画像データの受信待ちの状態を維持する。
【0031】
生体情報取得装置1の制御部8は、画像データF2の送信を完了した後から次の画像データF3の取得を開始する前の時刻t18に至るまでの期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できなかった場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が不良である、すなわち、撮像部3により取得された画像データF2が端末装置11に格納されなかったとの判定結果を得る。
【0032】
続いて、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t19から時刻t20の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データF3を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データF2が端末装置11に格納されなかったとの判定結果に基づき、時刻t20から時刻t21の期間において、撮像部3により取得された画像データF3を無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、画像データF3を記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0033】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、無線受信部5により受信確認信号を受信できないことに起因して、画像データが端末装置11に格納されなかったとの判定結果を得続けるに伴い、撮像部3により時系列的に取得される画像データF4、F5、…、F(N−1)を無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、画像データF4、F5、…、F(N−1)を記憶部6に格納させるように制御を行う。すなわち、生体情報取得装置1の制御部8は、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が不良である場合において、撮像部3により取得された画像データ群を記憶部6に格納させるように動作する。
【0034】
そして、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データF(N−1)が端末装置11に格納されなかったとの判定結果に基づき、撮像部3により取得された画像データFNを、時刻t22から時刻t23の期間において無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、画像データFNを記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0035】
端末装置11の制御部15は、受信アンテナ13により画像データFNを含む無線信号を、時刻t22から時刻t23の期間において受信できた場合、画像データFNを記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t23から時刻t24の期間において、画像データFNを含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データFNを含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0036】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t23から時刻t24の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できた場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が良好である、すなわち、撮像部3により取得された画像データFNが端末装置11に格納されたとの判定結果を得る。
【0037】
そして、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データFNが端末装置11に格納されたとの判定結果に基づき、画像データFNの受信確認信号を受信したタイミングから次の画像データF(N+1)の取得を開始するタイミングまでのいずれかに含まれる期間である、時刻t25から時刻t26の期間において、記憶部6に格納された画像データF3を読み出すとともに、画像データF3を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0038】
端末装置11の制御部15は、時刻t25から時刻t26の期間において、受信アンテナ13により画像データF3を含む無線信号を受信できた場合、画像データF3を記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t26から時刻t27の期間において、画像データF3を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データF3を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0039】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t26から時刻t27の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できたことに基づき、記憶部6から読み出した画像データF3が端末装置11に格納されたとの判定結果を得る。そして、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データF3が端末装置11に格納されたとの判定結果を得た直後の時刻t27から時刻t28の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データF(N+1)を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t28から時刻t29の期間において、撮像部3により取得された画像データF(N+1)を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0040】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、無線受信部5により受信確認信号を受信できたことに起因して、画像データが端末装置11に格納されたとの判定結果を得続けるに伴い、記憶部6に格納された画像データF4、F5、…、F(N−1)を順次読み出すとともに、記憶部6から読み出した画像データF4、F5、…、F(N−1)と、撮像部3により新たに取得された画像データと、を交互に無線送信部4から端末装置11へ送信させるように制御を行う。すなわち、生体情報取得装置1の制御部8は、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が改善して良好になった場合において、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が不良である期間中に記憶部6に格納された画像データ群を順次読み出して無線送信部4から端末装置11へ送信させるように動作する。
【0041】
なお、本実施例の端末装置11の制御部15は、画像データを含む無線信号を1回受信できた際に1つの受信確認信号を生成して送信させるように動作するものに限らず、例えば、画像データを含む無線信号を2回以上の所定の回数受信できた際に1つの受信確認信号を生成して送信させるように動作するものであってもよい。
【0042】
また、本実施例の生体情報取得装置1の制御部8は、受信確認信号を受信できない期間中において、撮像部3が1回画像データを取得する毎に画像データの送信に係る制御を行うものに限らず、例えば、撮像部3が2回以上の所定の回数画像データを取得する毎に画像データの送信に係る制御を行うものであってもよい。
【0043】
また、本実施例の生体情報取得装置1の制御部8は、撮像部3により取得された全ての画像データが端末装置11に格納されたことを確認できた際に、記憶部6に蓄積された画像データを一括して消去するものであってもよい。または、本実施例の生体情報取得装置1の制御部8は、撮像部3により取得された画像データが端末装置11に格納されたことを確認できた際に、記憶部6に蓄積された画像データ群を複数回に分けて順次消去するものであってもよい。
【0044】
以上に述べたように、本実施例の生体情報取得システム101は、実際に被写体を撮像して得られた画像データが含まれる無線信号を、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態の良否の確認に用いることが可能な構成を有している。そのため、本実施例の生体情報取得システム101によれば、生体情報取得装置1と端末装置11との間の通信動作に関する制御を従来に比べて簡略化することができるとともに、生体情報取得装置1と端末装置11との間の通信動作の際に消費される電力を従来に比べて低減することができる。
【0045】
(第2の実施例)
図4は、本発明の第2の実施例に係るものである。なお、本実施例における生体情報取得システムは、第1の実施例における生体情報取得システム101と略同様の構成を有している。そのため、本実施例においては、第1の実施例における生体情報取得システム101と異なる動作を行う部分について主に説明を行うものとする。
【0046】
ここで、本実施例における生体情報取得装置1及び端末装置11の具体的な動作について、図4のタイミングチャートを適宜参照しながら説明を行う。図4は、第2の実施例における生体情報取得装置及び端末装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0047】
まず、時刻t41以前の任意のタイミングにおいて、生体情報取得装置1及び端末装置11の電源がそれぞれオンされるとともに、生体情報取得装置1及び端末装置11が図2に例示した位置関係を有するようにそれぞれ配置される。
【0048】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t41から時刻t42の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データG1を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t42から時刻t43の期間において、撮像部3により取得された画像データG1を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行うとともに、画像データG1を記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0049】
端末装置11の制御部15は、時刻t42から時刻t43の期間において、受信アンテナ13により画像データG1を含む無線信号を受信できた場合、画像データG1を記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t43から時刻t44の期間において、画像データG1を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データG1を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0050】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t43から時刻t44の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できた場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が良好である、すなわち、撮像部3により取得された画像データG1が端末装置11に格納されたとの判定結果を得るとともに、当該判定結果を識別可能な識別情報を記憶部6に格納された画像データG1に付与する。
【0051】
続いて、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t45から時刻t46の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データG2を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t46から時刻t47の期間において、撮像部3により取得された画像データG2を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行うとともに、画像データG2を記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0052】
一方、端末装置11の制御部15は、時刻t44が経過した後において、受信アンテナ13により画像データG2を含む無線信号を受信できなかった場合、受信確認信号の生成及び送信を行うことなく、次の画像データの受信待ちの状態を維持する。
【0053】
生体情報取得装置1の制御部8は、画像データG2の送信が完了した後から次の画像データG3の取得を開始する前の時刻t48に至るまでの期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できなかった場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が不良である、すなわち、撮像部3により取得された画像データG2が端末装置11に格納されなかったとの判定結果を得るとともに、当該判定結果を識別可能な識別情報を記憶部6に格納された画像データG2に付与する。
【0054】
続いて、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t49から時刻t50の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データG3を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t50から時刻t51の期間において、撮像部3により取得された画像データG3を無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、画像データG3を記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0055】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、無線受信部5により受信確認信号を受信できないことに起因して、画像データが端末装置11に格納されなかったとの判定結果を得続けるに伴い、撮像部3により時系列的に取得される画像データG4、G5、…、G(N−1)を無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、当該判定結果を識別可能な識別情報を記憶部6に格納された画像データG3、G4、G5、…、G(N−1)に付与する。
【0056】
そして、生体情報取得装置1の制御部8は、撮像部3により取得された画像データGNを、時刻t52から時刻t53の期間において無線送信部4から端末装置11へ送信させるとともに、画像データGNを記憶部6に格納させるための制御を行う。
【0057】
端末装置11の制御部15は、受信アンテナ13により画像データGNを含む無線信号を、時刻t52から時刻t53の期間において受信できた場合、画像データGNを記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t53から時刻t54の期間において、画像データGNを含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データGNを含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0058】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t53から時刻t54の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できた場合、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が良好である、すなわち、撮像部3により取得された画像データGNが端末装置11に格納されたとの判定結果を得るとともに、当該判定結果を識別可能な識別情報を記憶部6に格納された画像データGNに付与する。
【0059】
そして、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データGNが端末装置11に格納されたとの判定結果に基づき、画像データGNの受信確認信号を受信したタイミングから次の画像データG(N+1)の取得を開始するタイミングまでのいずれかに含まれる期間である、時刻t55から時刻t56の期間において、端末装置11に格納されていない旨の情報が付されている画像データG3を記憶部6から読み出すとともに、画像データG3を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0060】
端末装置11の制御部15は、時刻t55から時刻t56の期間において、受信アンテナ13により画像データG3を含む無線信号を受信できた場合、画像データG3を記憶部14に格納させる。また、端末装置11の制御部15は、時刻t56から時刻t57の期間において、画像データG3を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号を生成して送信アンテナ12から生体情報取得装置1へ送信させるための制御を行う。そして、端末装置11の制御部15は、画像データG3を含む無線信号を受信できた旨を示す受信確認信号の送信が完了した直後において、次の画像データの受信待ちの状態へ移行する。
【0061】
生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t56から時刻t57の期間において、無線受信部5により受信確認信号を受信できたことに基づき、画像データG3が端末装置11に格納されたとの判定結果を得るとともに、記憶部6の画像データG3に付与されている識別情報を更新する。そして、生体情報取得装置1の制御部8は、画像データG3が端末装置11に格納されたとの判定結果を得た直後の時刻t57から時刻t58の期間において、被検者201の体腔内の被写体を撮像して画像データG(N+1)を取得させるための制御を撮像部3に対して行う。また、生体情報取得装置1の制御部8は、時刻t58から時刻t59の期間において、撮像部3により取得された画像データG(N+1)を無線送信部4から端末装置11へ送信させるための制御を行う。
【0062】
その後、生体情報取得装置1の制御部8は、無線受信部5により受信確認信号を受信できたことに起因して、画像データが端末装置11に格納されたとの判定結果を得続けるに伴い、端末装置11に格納されていない旨の情報が付されている画像データG4、G5、…、G(N−1)を記憶部6から順次読み出すとともに、記憶部6から読み出した画像データG4、G5、…、G(N−1)と、撮像部3により新たに取得された画像データと、を交互に無線送信部4から端末装置11へ送信させるように制御を行う。すなわち、生体情報取得装置1の制御部8は、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が改善して良好になった場合において、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が不良である期間中に記憶部6に格納された画像データ群を順次読み出して無線送信部4から端末装置11へ送信させるように動作する。
【0063】
なお、本実施例の生体情報取得装置1の制御部8は、撮像部3により取得された全ての画像データが端末装置11に格納されたことを確認できた際に、端末装置11に格納された旨の情報が付されている画像データ群を、一括して記憶部6から消去するものであってもよい。または、本実施例の生体情報取得装置1の制御部8は、端末装置11に格納された旨の情報が付されている画像データ群を、複数回に分けて記憶部6から順次消去するものであってもよい。
【0064】
以上に述べたように、本実施例の生体情報取得システム101は、実際に被写体を撮像して得られた画像データが含まれる無線信号を、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態の良否の確認に用いることが可能な構成を有している。そのため、本実施例の生体情報取得システム101によれば、生体情報取得装置1と端末装置11との間の通信動作に関する制御を従来に比べて簡略化することができるとともに、生体情報取得装置1と端末装置11との間の通信動作の際に消費される電力を従来に比べて低減することができる。
【0065】
また、本実施例の生体情報取得システム101は、撮像部3により取得された画像データの端末装置11への送信と、当該画像データの記憶部6への格納と、を同時または略同時に行うことが可能な構成を有している。そのため、本実施例の生体情報取得システム101によれば、例えば、生体情報取得装置1と端末装置11との間における通信状態が断続的に悪化するような環境下であっても、撮像部3により取得された画像データの欠落を防ぐことができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
1 生体情報取得装置
2 照明部
3 撮像部
4 無線送信部
5 無線受信部
6,14 記憶部
7 電源部
8,15 制御部
11 端末装置
12 送信アンテナ
13 受信アンテナ
101 生体情報取得システム
201 被検者
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2005−342083号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報取得部により取得された被検体の内部の生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ送信可能な構成を具備する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置から送信される無線信号を前記被検体の外部において受信可能な構成を具備する端末装置と、を有する生体情報取得システムであって、
前記端末装置は、前記被検体の生体情報を含む無線信号を受信できた際に、受信確認信号を生成して前記生体情報取得装置へ送信する受信確認信号送信部を有し、
前記生体情報取得装置は、記憶部と、少なくとも前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中において、前記被検体の生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ送信させるとともに、前記被検体の外部へ送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報を前記記憶部に格納させる制御部と、を有する
ことを特徴とする生体情報取得システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間から受信可能な期間への移行を検出した後において、前記記憶部に格納されている生体情報群を順次読み出して前記端末装置へ無線送信させることを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記生体情報取得部により取得された生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ順次送信させ、前記被検体の外部へ送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報を前記記憶部に順次格納させ、さらに、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中に取得された生体情報であるか否かを識別可能な識別情報を、前記記憶部に格納された各生体情報毎に付与することを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間から受信可能な期間への移行を検出した後において、前記識別情報に基づき、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中に取得された生体情報群を前記記憶部の中から順次読み出して前記端末装置へ無線送信させることを特徴とする請求項3に記載の生体情報取得システム。
【請求項5】
生体情報取得部により取得された被検体の内部の生体情報を含む無線信号を前記被検体の外部へ送信可能な構成を具備する生体情報取得装置と、前記生体情報取得装置から送信される無線信号を前記被検体の外部において受信可能な構成を具備する端末装置と、を有する生体情報取得システムの制御方法であって、
前記被検体の生体情報を含む無線信号が受信された際に、前記端末装置の受信確認信号送信部の動作により、受信確認信号が生成されて前記生体情報取得装置へ送信されるステップと、
少なくとも前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中において、前記生体情報取得装置の制御部の動作により、前記被検体の生体情報を含む無線信号が前記被検体の外部へ送信されるステップと、
少なくとも前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中において、前記制御部の動作により、前記被検体の外部へ送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報が記憶部に格納されるステップと、
を有することを特徴とする生体情報取得システムの制御方法。
【請求項6】
前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間から受信可能な期間への移行が検出された後において、前記制御部の動作により、前記記憶部に格納されている生体情報群が順次読み出されて前記端末装置へ無線送信されるステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の生体情報取得システムの制御方法。
【請求項7】
前記制御部の動作により、前記生体情報取得部により取得された生体情報を含む無線信号が前記被検体の外部へ順次送信されるステップと、
前記制御部の動作により、前記被検体の外部へ送信された無線信号に含まれるものと同一の生体情報が前記記憶部に順次格納されるステップと、
前記制御部の動作により、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中に取得された生体情報であるか否かを識別可能な識別情報が前記記憶部に格納された各生体情報毎に付与されるステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の生体情報取得システムの制御方法。
【請求項8】
前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間から受信可能な期間への移行が検出された後において、前記識別情報に基づく前記制御部の動作により、前記端末装置から送信される受信確認信号を受信不可能な期間中に取得された生体情報群が前記記憶部の中から順次読み出されて前記端末装置へ無線送信されるステップをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の生体情報取得システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−340(P2013−340A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134396(P2011−134396)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】