生体情報検出装置
【課題】良好なメンテナンス性を確保しつつ、電気的接続部に不具合が生じることを防止すると共に、検出性能が不安定になることを防止することができる心拍計測装置を提供する。
【解決手段】本体部2と、この本体部2と一体的に形成され、生体表面に接触する電極6a,6bを有する心拍検出部3と、本体部2と心拍検出部3とを覆うように形成され、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uに固定するための固定バンド4とを備えた。
【解決手段】本体部2と、この本体部2と一体的に形成され、生体表面に接触する電極6a,6bを有する心拍検出部3と、本体部2と心拍検出部3とを覆うように形成され、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uに固定するための固定バンド4とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、身体の生体表面に電極を取り付け、生体信号を検出する生体情報検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の生体情報検出装置の中には、例えば、心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、生体表面から心拍数を計測する心拍計測装置がある。このような心拍計測装置としては、例えば、検出回路基板等が内蔵された本体部と、この本体部を身体に装着するためのストラップとを有し、このストラップに一対の電極が設けられているものがある。そして、本体部、及びストラップには、それぞれ本体部の検出回路基板と、ストラップの電極とを電気的に接続するための電気的接続部が設けられている。
【0003】
このような構成のもと、一対の電極を身体の胸部(生体表面)に接触させることにより、心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、この検出した心電信号に基づいて本体部が心拍数を導き出す。
さらに、心拍計測装置の中には、例えば、ストラップの洗浄等のメンテナンス性の観点から、ストラップに本体部が着脱自在に設けられているものがある。そして、ストラップに本体部を装着すると、ストラップに設けられている電気的接続部と、本体部に設けられている電気的接続部とが機械的に接続され、検出回路基板と電極とが電気的に接続される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7526840号明細書
【特許文献2】米国意匠登録第603521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、本体部と電極とを着脱自在に構成しているので、電気的接続部の取り付け具合によって心拍計測装置の検出性能が不安定になるという課題がある。また、本体部と電極との着脱動作を繰り返すことにより、電気的接続部が損傷してしまう虞があるという課題がある。
さらに、ストラップに電極が設けられているので、心拍計測装置を身体に取り付けた状態にあっては、電極、及び電気的接続部に常時引張方向の外力が加わることになる。このため、ストラップに設けられている電気的接続部と、本体部に設けられている電気的接続部とが機械的に離間され、検出回路基板と電極との電気的接続が遮断されてしまう虞があるという課題がある。これに加え、メンテナンス時のストラップの洗浄に伴い、電極部分が洗浄液に晒され、電極や電気的接続部等の電気部品が損傷してしまう虞があるという課題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、良好なメンテナンス性を確保しつつ、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを防止すると共に、検出性能が不安定になることを防止することができる生体情報検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る生体情報検出装置は、装置本体と、この装置本体と一体的に形成され、生体表面に接触する電極を有する生体信号検出部と、前記装置本体と前記生体信号検出部とを覆うように形成され、これら装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定するための固定手段とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、固定手段と電極を有する生体信号検出部とを切り離した状態で、装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定することができるので、生体信号検出部に外力が加わることを防止できる。また、装置本体と生体信号検出部とを一体にしたままこれら装置本体、及び生体信号検出部を、固定手段から切り離すことができる。このため、良好なメンテナンス性を確保しつつ、固定手段単体で洗浄を行うことが可能になり、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。
【0008】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記固定手段に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、固定手段に対する装置本体の位置決めを容易に行うことができると共に、固定手段から装置本体が脱落してしまうことを確実に防止できる。このため、取付安定性のよい生体情報検出装置を提供できる。
【0009】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、非伸縮性のベルトとが互いに連結されたものであって、このベルトに対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする。
この場合、前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、硬質の連結部材とが互いに連結されたものであって、この連結部材に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていてもよい。
このように構成することで、ストラップにより身体への生体情報検出装置の密着性を高めることができる。また、固定手段において、装置本体が装着されている部分の変形を防止でき、固定手段から装置本体が脱落してしまうことを確実に防止できる。
【0010】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記生体信号検出部は導電エラストマーにより形成され、この導電エラストマーが前記電極を兼ねていることを特徴とする。
このように構成することで、生体信号検出部を弾性変形し易くすることができ、電極の生体表面に対する密着性を高めることができる。このため、生体信号を、より高精度に検出することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固定手段と電極を有する生体信号検出部とを切り離した状態で、装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定することができるので、生体信号検出部に外力が加わることを防止できる。また、装置本体と生体信号検出部とを一体にしたままこれら装置本体、及び生体信号検出部を、固定手段から切り離すことができる。このため、良好なメンテナンス性を確保しつつ、固定手段単体で洗浄を行うことが可能になり、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態における心拍計測装置を、使用者に取り付けた状態を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における心拍計測装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態における固定バンドから本体部、及び心拍検出部を取り外した状態を示す心拍計測装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態における固定バンドから本体部、及び心拍検出部を取り外した状態を示す心拍計測装置の斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の上面図である。
【図10】本発明の第5実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
(心拍計測装置)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る生体情報検出装置である心拍計測装置1を、使用者Uに取り付けた状態を示す説明図、図2は、心拍計測装置1の斜視図、図3は、心拍計測装置1の分解斜視図である。
【0014】
図1〜図3に示すように、心拍計測装置1は、使用者Uの生体表面である胸部に装着して心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、この検出した心電信号を無線通信するものである。心拍計測装置1は、本体部2と、本体部2と一体的に形成されている心拍検出部3と、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に装着するための固定バンド4とを備えている。
【0015】
本体部2は、外形状が略円板状に形成されているケース7と、このケース7内に設けられている不図示の検出回路基板とを備えたものである。ケース7には、使用者Uに接触する面とは反対側の面に嵌合凸部5が形成されている。この嵌合凸部5は、固定バンド4に本体部2を取り付けるためのものである。
尚、ケース7の外形状は、略円板状に限られるものではなく、さまざまな外形状を採用することができる。例えば、ケース7の外形状を矩形板状にすることも可能である。
不図示の検出回路基板は、無線送信部、及び送信回路(何れも不図示)を有しており、心拍検出部3によって検出された信号に基づいて、無線通信するようになっている。検出回路基板に、心拍検出部3が電気的接続されている。
【0016】
心拍検出部3は、一対の電極6a,6bにより構成されている。電極6a,6bは、帯状の導電エラストマーからなり、長手方向一端が本体部2を挟んで両側に連結されている。そして、電極6a,6bと本体部2の不図示の検出回路基板とに設けられている電気的接続部25を介し、検出回路基板に電極6a,6bが電気的に接続された形になっている。
尚、導電エラストマーとしては、例えば、カーボンブラックを配合した導電シリコンゴム、カーボンブラックを配合した導電ゴム、カーボンブラックを配合した導電ポリウレタンゴム等を用いることができる。
【0017】
(固定バンド)
固定バンド4は、使用者Uの胸部の全周に亘って装着されるように略環状に形成されている。より具体的には、固定バンド4は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ8と、帯状に形成され非伸縮性のベルト9とを有し、伸縮ストラップ8の長手方向両端に跨るようにベルト9が連結されている。
伸縮ストラップ8の長手方向略中央には、伸縮ストラップ8の長さを調整するための長さ調整具10が設けられている。また、伸縮ストラップ8の長手方向両端には、伸縮ストラップ8の端末部を折り返すようにして形成されたリング部11a,11bが設けられている。
【0018】
2つのリング部11a,11bのうち、一方のリング部11aには、伸縮ストラップ8とベルト9とを着脱可能とするためのストラップ着脱具12が設けられている。ストラップ着脱具12は、リング部11aに挿通されるシャフト12aと、シャフト12aの両端に跨るように設けられたフック部12bとにより構成されている。
また、他方のリング部11bには、伸縮ストラップ8とベルト9とを連結するためのストラップ連結具13が設けられている。ストラップ連結具13は、平面視略コの字状の連結具本体14と、この連結具本体14に係合可能なシャフト15とにより構成されている。
【0019】
連結具本体14は、リング部11bに挿通されるシャフト部14aと、シャフト部14aの両端からベルト9側に向かって屈曲延出する一対のアーム部14b,14bとが一体成形されたものである。
シャフト15は、一対のアーム部14b,14bに跨るように延在している。そして、シャフト15の先端は、出没自在に構成されており、不図示のスプリングによって先端側に向かって付勢された状態になっている。これにより、連結具本体14とシャフト15とが係合される。
【0020】
一方、ベルト9は、繊維素材により、本体部2、及び心拍検出部3を外側から覆うように略帯状に形成されたものである。ベルト9は、ホルダ部20と、ホルダ部20を挟んで両側からそれぞれ伸縮ストラップ8の両端に向かって延出する一対のバンド部16a,16bとが一体成形されている。ホルダ部20には、中央の大部分に嵌合孔17が形成されている。この嵌合孔17の内径は、本体部2の嵌合凸部5の直径よりもやや小さく設定されている。このため、嵌合孔17に本体部2の嵌合凸部5を押し込むと、嵌合孔17に嵌合凸部5が内嵌固定され、本体部2とベルト9とが係合する。
【0021】
一対のバンド部16a,16bの長手方向両端には、それぞれバンド部16a,16bの端末部を折り返すようにして形成されたリング部18a,18bが設けられている。2つのリング部18a,18bのうち、一方のリング部18aには、伸縮ストラップ8のストラップ着脱具12に係脱可能なストラップ係合具19が設けられている。ストラップ係合具19は、リング部18aに挿通されるシャフト21と、シャフト21の両端に跨るように設けられた係合具本体22とにより構成されている。
【0022】
係合具本体22は、平面視略コの字状に形成されており、シャフト部22aと、シャフト部21aの両端からシャフト21に向かって屈曲延出する一対のアーム部22b,22bとが一体成形されたものである。そして、シャフト部22aが、伸縮ストラップ8のストラップ着脱具12を構成するフック部12bと係合可能になっている。
また、他方のリング部18bには、伸縮ストラップ8に設けられているストラップ連結具13のシャフト15が挿通されている。これにより、ストラップ連結具13を介して伸縮ストラップ8とベルト9とが連結される。
【0023】
ここで、バンド部16aのリング部18aには、ストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19の内面側への露出、つまり、使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23aが取り付けられている。また、バンド部16aのリング部18bには、ストラップ連結具13における使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23bが取り付けられている。
【0024】
このような構成のもと、心拍計測装置1を使用者Uの胸部に装着するにあたって、まず、固定バンド4のベルト9を構成しているホルダ部20に本体部2を取り付ける。これにより、固定バンド4に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる。ここで、ホルダ部20に本体部2を取り付けるにあたって、ベルト9の長手方向と、心拍検出部3の電極6a,6bの長手方向の向きを合わせるようにして取り付ける。
【0025】
続いて、伸縮ストラップ8に設けられているストラップ着脱具12とベルト9に設けられているストラップ係合具19との係合を解除させた状態(図2参照)で、固定バンド4を使用者Uの胸部に巻き付ける。このとき、本体部2が使用者Uの胸部の中心に位置するように固定バンド4を巻き付ける(図1参照)。この後、ストラップ着脱具12のフック部12bとストラップ係合具19の係合具本体22とを係合させる。これにより、本体部2、及び心拍検出部3の上からベルト9が覆うような形で固定バンド4が使用者Uの胸部に取り付けられ、心拍計測装置1の使用者Uへの装着が完了する。すなわち、固定バンド4と心拍検出部3とを切り離した状態で、この心拍検出部3と本体部2とが使用者Uに固定される。そして、一対の電極6a,6bによって心臓の鼓動に伴って発生する心電信号が検出される。本体部2の不図示の検出回路基板は、一対の電極6a,6bによって検出された心電信号を無線通信する。
【0026】
このとき、固定バンド4のストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19に対応する部位には人体保護部23aが設けられており、固定バンド4のストラップ連結具13に対応する部位には人体保護部23bが設けられているので、これらストラップ着脱具12、ストラップ係合具19、及びストラップ連結具13が直接使用者Uの胸部に接触してしまい、使用者Uが不快な思いをするということがない。
【0027】
ここで、ベルト9は、繊維素材により略帯状に形成されたものであるが、メッシュ等を用いるとよい。これにより、ベルト9の保湿性が高まり、導電性が向上する。このため、電極6a,6bによる検出精度が高まる。
また、固定バンド4の伸縮ストラップ8は、伸縮性を有しているので、伸縮ストラップ8長さを調整して、固定バンド4全体の長さを使用者Uの胸囲よりもやや短く設定することにより、伸縮ストラップ8が僅かに伸長し、使用者Uに対する固定バンド4の密着性が高まる。
【0028】
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、本体部2と心拍検出部3とを一体的に形成し、固定バンド4を利用して固定バンド4と心拍検出部3とを切り離した状態で、この心拍検出部3と本体部2とを使用者Uに固定しているので、バンド部16a,16bに電極6a,6bが押圧されるようにして固定され、引張方向の外力が加わることを防止しつつ、心拍計測装置1が脱落してしまうことを確実に防止できる。
また、本体部2が取り付けられているベルト9は、繊維素材により形成されて非伸縮性を有しているので、伸長することがない。このため、本体部2が内嵌固定されているホルダ部20の嵌合孔17が変形することがなく、ホルダ部20から本体部2が脱落してしまうことを防止できる。
【0029】
さらに、本体部2、及び心拍検出部3の上からベルト9が覆うような状態になっていることから、バンド部16a,16bに電極6a,6bが押圧される。電極6a,6bは、導電エラストマーにより形成されているので軟らかく、バンド部16a,16bに押圧されることにより、使用者Uの胸部に沿うように弾性変形する。このため、使用者Uの胸部に電極6a,6bが確実に密着する。
【0030】
そして、本体部2と心拍検出部3とを一体にしたまま、これら本体部2、及び心拍検出部3を固定バンド4から切り離すことができるので、固定バンド4のみの洗浄を容易に行うことができる。このとき、従来のように、固定バンド4に電極6a,6bが設けられていないので、これら電極6a,6bや電気的接続部25等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。このように、心拍計測装置1は、良好なメンテナンス性を確保することができる。さらに、本体部2の不図示の検出回路基板と、電極6a,6bとを電気的に接続するための電気的接続部25に不具合が生じることを確実に防止できる。
【0031】
尚、上述の第1実施形態では、ベルト9のホルダ部20に形成されている嵌合孔17に本体部2の嵌合凸部5を内嵌固定することにより、固定バンド4に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、本体部2、又はベルト9の何れか一方に位置決めピンを設け、他方に位置決めピンを挿入可能な孔を設けることにより、固定バンド4に本体部2を取り付けたり、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めを行ったりしてもよい。
【0032】
また、上述の第1実施形態では、心拍計測装置1を使用者Uの胸部に装着するにあたって、まず、固定バンド4のホルダ部20に本体部2を取り付け、この後、使用者Uの胸部に固定バンド4を巻き付けて固定する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、使用者Uの胸部に固定バンド4を巻き付けて固定した後、固定バンド4のホルダ部20に本体部2を取り付けてもよい。
【0033】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図4、図5に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図4は、第2実施形態における心拍計測装置201の斜視図、図5は、心拍計測装置201の斜視図であって、固定バンド204から本体部2、及び心拍検出部3を取り外した状態を示す。
【0034】
図4、図5に示すように、この第2実施形態において、心拍計測装置201は、本体部2と、本体部2と一体的に形成されている心拍検出部3と、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に装着するための固定バンド204とを備え、心拍検出部3と固定バンド204とが切り離された状態である点、心拍検出部3は、一対の電極6a,6bにより構成されている点、電極6a,6bは、帯状の導電エラストマーからなり、長手方向一端が本体部2を挟んで両側に連結されている点、本体部2の不図示の検出回路基板とに設けられている電気的接続部25を介し、検出回路基板に電極6a,6bが電気的に接続された形になっている点等の基本的構成は、前述の第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
【0035】
(固定バンド)
ここで、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態の固定バンド4と第2実施形態の固定バンド204との形状が異なる点にある。
より詳しくは、固定バンド204は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ208の一端と、帯状に形成され非伸縮性のベルト209の一端とが連結部材30を介して連結され、伸縮ストラップ208の他端とベルト209の他端とがストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19を介して係脱可能に構成されている。
【0036】
連結部材30は、樹脂等の硬質な部材により平面視略円環状に形成されたものであって、中央部の嵌合孔31が形成されている。尚、連結部材30は、平面視略円環状に形成されたものに限られるものではなく、環状に形成されていればよい。例えば、外形状が平面視矩形状であってもよい。この場合、嵌合孔31の形状も連結部材30の外形状に対応させてもよい。さらに、この場合、嵌合凸部5の形状も嵌合孔31に対応させる。
ここで、嵌合孔31の内径は、本体部2の嵌合凸部5の直径よりもやや小さく設定されている。また、連結部材30の嵌合孔31を挟んで両側には、それぞれ伸縮ストラップ208の一端を連結可能な連結部32aと、ベルト209の一端を連結可能な連結部32bとが形成されている。
【0037】
このような構成のもと、連結部材30に形成されている嵌合孔31に、本体部2の嵌合凸部5を押し込むと、嵌合孔31に嵌合凸部5が内嵌固定される。これにより、固定バンド204に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる。
また、本体部2が使用者Uの胸部の中心に位置するように、固定バンド204を巻き付けた際、連結部材30が樹脂等の硬質な部材により形成されているので、変形が防止される。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】
尚、上述の第2実施形態では、連結部材30に形成されている嵌合孔31に本体部2の嵌合凸部5を内嵌固定することにより、固定バンド204に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、本体部2、又は連結部材30の何れか一方に位置決めピンを設け、他方に位置決めピンを挿入可能な孔を設けることにより、固定バンド204に本体部2を取り付けたり、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めを行ったりしてもよい。
また、上述の第2実施形態では、ベルト209は、帯状に形成された非伸縮性のものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベルト209は、伸縮性のものであってもよい。
さらに、上述の第2実施形態にあっても、前述の第1実施形態と同様に、ベルト209におけるストラップ係合具19の内面側に、使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23a(図3参照)を取り付けてもよい。
【0039】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図6、図7に基づいて説明する。
図6は、第3実施形態における心拍計測装置301の斜視図、図7は、心拍計測装置301の斜視図であって、固定バンド304から本体部2、及び心拍検出部3を取り外した状態を示す。
図6、図7に示すように、この第3実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態の固定バンド4と第3実施形態の固定バンド304との構成が異なる点にある。
【0040】
(固定バンド)
より詳しくは、固定バンド304は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ308の両端を、ストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19を介して係脱可能に構成している。つまり、第3実施形態の固定バンド304は、伸縮ストラップ308のみで非伸縮性のベルト9を備えていない。
そして、伸縮ストラップ308は、本体部2、及び心拍検出部3を、これらの上側から覆うことが可能に形成されている。また、伸縮ストラップ308には、本体部302を取り付ける嵌合孔が形成されていない。このため、本体部302にも伸縮ストラップ308に取り付けるための嵌合凸部が形成されていない。
【0041】
このような構成のもと、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に載置した後、これら本体部2、及び心拍検出部3を覆うように、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付ける。そして、伸縮ストラップ308の両端に設けられているストラップ着脱具12とストラップ係合具19とを係合させ、心拍計測装置301の装着が完了する。
【0042】
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、構造が単純な分、製品コストを低減することができる。
尚、上述の第3実施形態では、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3の上から単純に固定バンド304を巻き付ける場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、伸縮ストラップ308の内面にスナップボタンを設けると共に、本体部302に、伸縮ストラップ308のスナップボタンに対応する箇所に、このスナップボタンと係合可能な他のスナップボタンを設けてもよい。このように構成することで、伸縮ストラップ308に嵌合孔を形成したり、本体部302に嵌合凸部を係合したりすることなく、伸縮ストラップ308に本体部2を取り付けた状態で使用者Uの胸部に心拍計測装置301を装着することができる。
【0043】
また、上述の第3実施形態では、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に載置した後、これら本体部2、及び心拍検出部3を覆うように、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付ける場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付けた後、この固定バンド304の内側に本体部2、及び心拍検出部3を載置してもよい。
【0044】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を図8、図9に基づいて説明する。
図8は、心拍計測装置401の電極406の周囲の斜視図、図9は、心拍計測装置401の電極406の周囲の上面図である。
図8、図9に示すように、この第4実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第4実施形態の電極406には、この電極406とベルト9との相対位置のズレを防止するためのガイド部41が形成されているのに対し、第1実施形態には、このガイド部41が形成されていない点にある。
【0045】
(ガイド)
より詳しくは、電極406には、本体部2(図8、図9においては不図示)とは反対側の他端側(図8、図9における右側)に、ガイド部41が形成されている。このガイド部41は、電極406の短手方向両側からベルト9側に向かって立ち上がり形成された2つの壁部41a,41bにより構成されている。そして、これら2つの壁部41a,41bと、電極406とによりベルト9を収納可能な収納凹部43が形成される。
このような構成のもと、固定バンド4に本体部2、及び電極406を取り付けると、電極406の収納凹部43にベルト9が収納される。すると、収納凹部43の壁部41a,41bによってベルト9に対する電極406の幅方向の変位が規制される。このため、ベルト9と電極406との相対位置のズレが防止される。
【0046】
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、確実に電極406を使用者Uの胸部に密着させることができるので、心拍計測装置401の計測精度を向上させることができる。
尚、2つの壁部41a,41bは、固定バンド4に本体部2、及び電極406を取り付けた状態で、ベルト9の短手方向両側から露出することになる。このため、衣類等を介して一対の電極406が短絡してしまうことを防止するために、壁部41a,41bに絶縁塗装を塗布するなど、絶縁処理を施すことが望ましい。ここで、絶縁処理の方法としては、絶縁塗装に限られるものではない。
また、この第4実施形態のガイド部41を、前述の第3実施形態の伸縮ストラップ308に適用することも可能である。このように構成することで、心拍検出部3のズレを防止できる。
【0047】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を図10、図11に基づいて説明する。
図10は、心拍計測装置501の電極506の周囲の斜視図、図11は、心拍計測装置501の電極506の周囲の上面図である。
図10、図11に示すように、この第5実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第5実施形態の電極506、及びベルト509には、それぞれ互いの相対位置のズレを防止するためのズレ防止部53が設けられているのに対し、第1実施形態には、ズレ防止部が設けられていない点にある。
【0048】
(ズレ防止部)
より詳しく、ズレ防止部53について説明する。
電極506には、本体部2(図10、図11においては不図示)とは反対側の他端側(図10、図11における右側)に、凸部51がベルト509側に向かって突出形成されている。一方、ベルト509には、凸部51に対応する箇所に、この凸部51を挿通可能な長孔部52が形成されている。長孔部52は、ベルト509の長手方向に沿って長円形状に形成されている。
【0049】
このような構成のもと、固定バンド504に本体部2、及び電極506を取り付けると、ベルト509の長孔部52に電極506の凸部51が挿通される。これにより、ベルト509に対する電極506の幅方向の変位が規制される、つまり、ベルト509と電極506との相対位置のズレが防止される。
したがって、上述の第5実施形態によれば、前記の第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0050】
尚、電極506の凸部51は、固定バンド504に本体部2、及び電極506を取り付けた状態で、ベルト509の長孔部52を介して外部に露出することになる。このため、衣類等を介して一対の電極506が短絡してしまうことを防止するために、凸部51に絶縁塗装を塗布するなど、絶縁処理を施すことが望ましい。ここで、絶縁処理の方法としては、絶縁塗装に限られるものではない。例えば、凸部51を電極506とは別部材、つまり絶縁性を有する部材により形成し、電極506に取り付けるように構成してもよい。また、二色成形により電極506と凸部51を形成することも可能である。
【0051】
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第4実施形態では、電極406にガイド部41を設け、ベルト9と電極406との相対位置のズレを防止する場合について説明し、上述の第5実施形態では、電極506に凸部51を突出形成すると共に、ベルト509に凸部51を挿通可能な長孔部52を形成し、ベルト509と電極506との相対位置のズレを防止する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベルト9と電極406との相対位置や、ベルト509と電極506との相対位置のズレを阻止可能な構造であればよい。
【0052】
例えば、ベルト9,509と電極406,506とにそれぞれ綿ファスナーを設け、それぞれの相対位置のズレを防止するように構成してもよい。尚、前述の第1実施形態におけるベルト9と電極6a,6bや、第2実施形態における伸縮ストラップ208、ベルト209、及び電極6a,6bや、第3実施形態における伸縮ストラップ308、及び電極6a,6bに、綿ファスナーを取り付け、相対位置のズレ防止を行うように構成してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、生体情報検出装置として使用者Uの心拍数を計測する心拍計測装置1,201,301,401,501に、本体部2,302と心拍検出部3とを一体的に構成し、これら本体部2,302、及び心拍検出部3を固定バンド4,204,304,504を用いて使用者Uの胸部に取り付ける場合について説明した。しかしながら、これの構成は、心拍計測装置1,201,301,401,501に適用する場合に限られるものではなく、さまざまな生体情報検出装置に適用することが可能である。例えば、生体情報検出装置として、血圧、体温、筋電位等を計測する装置に上述の実施形態の構成を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,201,301,401,501 心拍計測装置(生体情報検出装置)
2,302 本体部(装置本体)
3 心拍検出部(生体信号検出部)
4,204,304,504 固定バンド(固定手段)
6a,6b,406,506 電極
8,208,308 伸縮ストラップ(ストラップ)
9,209,509 ベルト
30 連結部材
U 使用者(身体)
【技術分野】
【0001】
この発明は、身体の生体表面に電極を取り付け、生体信号を検出する生体情報検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の生体情報検出装置の中には、例えば、心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、生体表面から心拍数を計測する心拍計測装置がある。このような心拍計測装置としては、例えば、検出回路基板等が内蔵された本体部と、この本体部を身体に装着するためのストラップとを有し、このストラップに一対の電極が設けられているものがある。そして、本体部、及びストラップには、それぞれ本体部の検出回路基板と、ストラップの電極とを電気的に接続するための電気的接続部が設けられている。
【0003】
このような構成のもと、一対の電極を身体の胸部(生体表面)に接触させることにより、心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、この検出した心電信号に基づいて本体部が心拍数を導き出す。
さらに、心拍計測装置の中には、例えば、ストラップの洗浄等のメンテナンス性の観点から、ストラップに本体部が着脱自在に設けられているものがある。そして、ストラップに本体部を装着すると、ストラップに設けられている電気的接続部と、本体部に設けられている電気的接続部とが機械的に接続され、検出回路基板と電極とが電気的に接続される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7526840号明細書
【特許文献2】米国意匠登録第603521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、本体部と電極とを着脱自在に構成しているので、電気的接続部の取り付け具合によって心拍計測装置の検出性能が不安定になるという課題がある。また、本体部と電極との着脱動作を繰り返すことにより、電気的接続部が損傷してしまう虞があるという課題がある。
さらに、ストラップに電極が設けられているので、心拍計測装置を身体に取り付けた状態にあっては、電極、及び電気的接続部に常時引張方向の外力が加わることになる。このため、ストラップに設けられている電気的接続部と、本体部に設けられている電気的接続部とが機械的に離間され、検出回路基板と電極との電気的接続が遮断されてしまう虞があるという課題がある。これに加え、メンテナンス時のストラップの洗浄に伴い、電極部分が洗浄液に晒され、電極や電気的接続部等の電気部品が損傷してしまう虞があるという課題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、良好なメンテナンス性を確保しつつ、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを防止すると共に、検出性能が不安定になることを防止することができる生体情報検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る生体情報検出装置は、装置本体と、この装置本体と一体的に形成され、生体表面に接触する電極を有する生体信号検出部と、前記装置本体と前記生体信号検出部とを覆うように形成され、これら装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定するための固定手段とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、固定手段と電極を有する生体信号検出部とを切り離した状態で、装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定することができるので、生体信号検出部に外力が加わることを防止できる。また、装置本体と生体信号検出部とを一体にしたままこれら装置本体、及び生体信号検出部を、固定手段から切り離すことができる。このため、良好なメンテナンス性を確保しつつ、固定手段単体で洗浄を行うことが可能になり、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。
【0008】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記固定手段に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、固定手段に対する装置本体の位置決めを容易に行うことができると共に、固定手段から装置本体が脱落してしまうことを確実に防止できる。このため、取付安定性のよい生体情報検出装置を提供できる。
【0009】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、非伸縮性のベルトとが互いに連結されたものであって、このベルトに対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする。
この場合、前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、硬質の連結部材とが互いに連結されたものであって、この連結部材に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていてもよい。
このように構成することで、ストラップにより身体への生体情報検出装置の密着性を高めることができる。また、固定手段において、装置本体が装着されている部分の変形を防止でき、固定手段から装置本体が脱落してしまうことを確実に防止できる。
【0010】
本発明に係る生体情報検出装置は、前記生体信号検出部は導電エラストマーにより形成され、この導電エラストマーが前記電極を兼ねていることを特徴とする。
このように構成することで、生体信号検出部を弾性変形し易くすることができ、電極の生体表面に対する密着性を高めることができる。このため、生体信号を、より高精度に検出することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固定手段と電極を有する生体信号検出部とを切り離した状態で、装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定することができるので、生体信号検出部に外力が加わることを防止できる。また、装置本体と生体信号検出部とを一体にしたままこれら装置本体、及び生体信号検出部を、固定手段から切り離すことができる。このため、良好なメンテナンス性を確保しつつ、固定手段単体で洗浄を行うことが可能になり、電極や電気的接続部等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態における心拍計測装置を、使用者に取り付けた状態を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における心拍計測装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態における固定バンドから本体部、及び心拍検出部を取り外した状態を示す心拍計測装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態における心拍計測装置の斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態における固定バンドから本体部、及び心拍検出部を取り外した状態を示す心拍計測装置の斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の上面図である。
【図10】本発明の第5実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態における心拍計測装置の電極の周囲の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
(心拍計測装置)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る生体情報検出装置である心拍計測装置1を、使用者Uに取り付けた状態を示す説明図、図2は、心拍計測装置1の斜視図、図3は、心拍計測装置1の分解斜視図である。
【0014】
図1〜図3に示すように、心拍計測装置1は、使用者Uの生体表面である胸部に装着して心臓の鼓動に伴って発生する心電信号を検出し、この検出した心電信号を無線通信するものである。心拍計測装置1は、本体部2と、本体部2と一体的に形成されている心拍検出部3と、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に装着するための固定バンド4とを備えている。
【0015】
本体部2は、外形状が略円板状に形成されているケース7と、このケース7内に設けられている不図示の検出回路基板とを備えたものである。ケース7には、使用者Uに接触する面とは反対側の面に嵌合凸部5が形成されている。この嵌合凸部5は、固定バンド4に本体部2を取り付けるためのものである。
尚、ケース7の外形状は、略円板状に限られるものではなく、さまざまな外形状を採用することができる。例えば、ケース7の外形状を矩形板状にすることも可能である。
不図示の検出回路基板は、無線送信部、及び送信回路(何れも不図示)を有しており、心拍検出部3によって検出された信号に基づいて、無線通信するようになっている。検出回路基板に、心拍検出部3が電気的接続されている。
【0016】
心拍検出部3は、一対の電極6a,6bにより構成されている。電極6a,6bは、帯状の導電エラストマーからなり、長手方向一端が本体部2を挟んで両側に連結されている。そして、電極6a,6bと本体部2の不図示の検出回路基板とに設けられている電気的接続部25を介し、検出回路基板に電極6a,6bが電気的に接続された形になっている。
尚、導電エラストマーとしては、例えば、カーボンブラックを配合した導電シリコンゴム、カーボンブラックを配合した導電ゴム、カーボンブラックを配合した導電ポリウレタンゴム等を用いることができる。
【0017】
(固定バンド)
固定バンド4は、使用者Uの胸部の全周に亘って装着されるように略環状に形成されている。より具体的には、固定バンド4は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ8と、帯状に形成され非伸縮性のベルト9とを有し、伸縮ストラップ8の長手方向両端に跨るようにベルト9が連結されている。
伸縮ストラップ8の長手方向略中央には、伸縮ストラップ8の長さを調整するための長さ調整具10が設けられている。また、伸縮ストラップ8の長手方向両端には、伸縮ストラップ8の端末部を折り返すようにして形成されたリング部11a,11bが設けられている。
【0018】
2つのリング部11a,11bのうち、一方のリング部11aには、伸縮ストラップ8とベルト9とを着脱可能とするためのストラップ着脱具12が設けられている。ストラップ着脱具12は、リング部11aに挿通されるシャフト12aと、シャフト12aの両端に跨るように設けられたフック部12bとにより構成されている。
また、他方のリング部11bには、伸縮ストラップ8とベルト9とを連結するためのストラップ連結具13が設けられている。ストラップ連結具13は、平面視略コの字状の連結具本体14と、この連結具本体14に係合可能なシャフト15とにより構成されている。
【0019】
連結具本体14は、リング部11bに挿通されるシャフト部14aと、シャフト部14aの両端からベルト9側に向かって屈曲延出する一対のアーム部14b,14bとが一体成形されたものである。
シャフト15は、一対のアーム部14b,14bに跨るように延在している。そして、シャフト15の先端は、出没自在に構成されており、不図示のスプリングによって先端側に向かって付勢された状態になっている。これにより、連結具本体14とシャフト15とが係合される。
【0020】
一方、ベルト9は、繊維素材により、本体部2、及び心拍検出部3を外側から覆うように略帯状に形成されたものである。ベルト9は、ホルダ部20と、ホルダ部20を挟んで両側からそれぞれ伸縮ストラップ8の両端に向かって延出する一対のバンド部16a,16bとが一体成形されている。ホルダ部20には、中央の大部分に嵌合孔17が形成されている。この嵌合孔17の内径は、本体部2の嵌合凸部5の直径よりもやや小さく設定されている。このため、嵌合孔17に本体部2の嵌合凸部5を押し込むと、嵌合孔17に嵌合凸部5が内嵌固定され、本体部2とベルト9とが係合する。
【0021】
一対のバンド部16a,16bの長手方向両端には、それぞれバンド部16a,16bの端末部を折り返すようにして形成されたリング部18a,18bが設けられている。2つのリング部18a,18bのうち、一方のリング部18aには、伸縮ストラップ8のストラップ着脱具12に係脱可能なストラップ係合具19が設けられている。ストラップ係合具19は、リング部18aに挿通されるシャフト21と、シャフト21の両端に跨るように設けられた係合具本体22とにより構成されている。
【0022】
係合具本体22は、平面視略コの字状に形成されており、シャフト部22aと、シャフト部21aの両端からシャフト21に向かって屈曲延出する一対のアーム部22b,22bとが一体成形されたものである。そして、シャフト部22aが、伸縮ストラップ8のストラップ着脱具12を構成するフック部12bと係合可能になっている。
また、他方のリング部18bには、伸縮ストラップ8に設けられているストラップ連結具13のシャフト15が挿通されている。これにより、ストラップ連結具13を介して伸縮ストラップ8とベルト9とが連結される。
【0023】
ここで、バンド部16aのリング部18aには、ストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19の内面側への露出、つまり、使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23aが取り付けられている。また、バンド部16aのリング部18bには、ストラップ連結具13における使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23bが取り付けられている。
【0024】
このような構成のもと、心拍計測装置1を使用者Uの胸部に装着するにあたって、まず、固定バンド4のベルト9を構成しているホルダ部20に本体部2を取り付ける。これにより、固定バンド4に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる。ここで、ホルダ部20に本体部2を取り付けるにあたって、ベルト9の長手方向と、心拍検出部3の電極6a,6bの長手方向の向きを合わせるようにして取り付ける。
【0025】
続いて、伸縮ストラップ8に設けられているストラップ着脱具12とベルト9に設けられているストラップ係合具19との係合を解除させた状態(図2参照)で、固定バンド4を使用者Uの胸部に巻き付ける。このとき、本体部2が使用者Uの胸部の中心に位置するように固定バンド4を巻き付ける(図1参照)。この後、ストラップ着脱具12のフック部12bとストラップ係合具19の係合具本体22とを係合させる。これにより、本体部2、及び心拍検出部3の上からベルト9が覆うような形で固定バンド4が使用者Uの胸部に取り付けられ、心拍計測装置1の使用者Uへの装着が完了する。すなわち、固定バンド4と心拍検出部3とを切り離した状態で、この心拍検出部3と本体部2とが使用者Uに固定される。そして、一対の電極6a,6bによって心臓の鼓動に伴って発生する心電信号が検出される。本体部2の不図示の検出回路基板は、一対の電極6a,6bによって検出された心電信号を無線通信する。
【0026】
このとき、固定バンド4のストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19に対応する部位には人体保護部23aが設けられており、固定バンド4のストラップ連結具13に対応する部位には人体保護部23bが設けられているので、これらストラップ着脱具12、ストラップ係合具19、及びストラップ連結具13が直接使用者Uの胸部に接触してしまい、使用者Uが不快な思いをするということがない。
【0027】
ここで、ベルト9は、繊維素材により略帯状に形成されたものであるが、メッシュ等を用いるとよい。これにより、ベルト9の保湿性が高まり、導電性が向上する。このため、電極6a,6bによる検出精度が高まる。
また、固定バンド4の伸縮ストラップ8は、伸縮性を有しているので、伸縮ストラップ8長さを調整して、固定バンド4全体の長さを使用者Uの胸囲よりもやや短く設定することにより、伸縮ストラップ8が僅かに伸長し、使用者Uに対する固定バンド4の密着性が高まる。
【0028】
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、本体部2と心拍検出部3とを一体的に形成し、固定バンド4を利用して固定バンド4と心拍検出部3とを切り離した状態で、この心拍検出部3と本体部2とを使用者Uに固定しているので、バンド部16a,16bに電極6a,6bが押圧されるようにして固定され、引張方向の外力が加わることを防止しつつ、心拍計測装置1が脱落してしまうことを確実に防止できる。
また、本体部2が取り付けられているベルト9は、繊維素材により形成されて非伸縮性を有しているので、伸長することがない。このため、本体部2が内嵌固定されているホルダ部20の嵌合孔17が変形することがなく、ホルダ部20から本体部2が脱落してしまうことを防止できる。
【0029】
さらに、本体部2、及び心拍検出部3の上からベルト9が覆うような状態になっていることから、バンド部16a,16bに電極6a,6bが押圧される。電極6a,6bは、導電エラストマーにより形成されているので軟らかく、バンド部16a,16bに押圧されることにより、使用者Uの胸部に沿うように弾性変形する。このため、使用者Uの胸部に電極6a,6bが確実に密着する。
【0030】
そして、本体部2と心拍検出部3とを一体にしたまま、これら本体部2、及び心拍検出部3を固定バンド4から切り離すことができるので、固定バンド4のみの洗浄を容易に行うことができる。このとき、従来のように、固定バンド4に電極6a,6bが設けられていないので、これら電極6a,6bや電気的接続部25等の電気部品に不具合が生じることを確実に防止できる。このように、心拍計測装置1は、良好なメンテナンス性を確保することができる。さらに、本体部2の不図示の検出回路基板と、電極6a,6bとを電気的に接続するための電気的接続部25に不具合が生じることを確実に防止できる。
【0031】
尚、上述の第1実施形態では、ベルト9のホルダ部20に形成されている嵌合孔17に本体部2の嵌合凸部5を内嵌固定することにより、固定バンド4に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、本体部2、又はベルト9の何れか一方に位置決めピンを設け、他方に位置決めピンを挿入可能な孔を設けることにより、固定バンド4に本体部2を取り付けたり、固定バンド4に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めを行ったりしてもよい。
【0032】
また、上述の第1実施形態では、心拍計測装置1を使用者Uの胸部に装着するにあたって、まず、固定バンド4のホルダ部20に本体部2を取り付け、この後、使用者Uの胸部に固定バンド4を巻き付けて固定する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、使用者Uの胸部に固定バンド4を巻き付けて固定した後、固定バンド4のホルダ部20に本体部2を取り付けてもよい。
【0033】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図4、図5に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図4は、第2実施形態における心拍計測装置201の斜視図、図5は、心拍計測装置201の斜視図であって、固定バンド204から本体部2、及び心拍検出部3を取り外した状態を示す。
【0034】
図4、図5に示すように、この第2実施形態において、心拍計測装置201は、本体部2と、本体部2と一体的に形成されている心拍検出部3と、これら本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に装着するための固定バンド204とを備え、心拍検出部3と固定バンド204とが切り離された状態である点、心拍検出部3は、一対の電極6a,6bにより構成されている点、電極6a,6bは、帯状の導電エラストマーからなり、長手方向一端が本体部2を挟んで両側に連結されている点、本体部2の不図示の検出回路基板とに設けられている電気的接続部25を介し、検出回路基板に電極6a,6bが電気的に接続された形になっている点等の基本的構成は、前述の第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
【0035】
(固定バンド)
ここで、この第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態の固定バンド4と第2実施形態の固定バンド204との形状が異なる点にある。
より詳しくは、固定バンド204は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ208の一端と、帯状に形成され非伸縮性のベルト209の一端とが連結部材30を介して連結され、伸縮ストラップ208の他端とベルト209の他端とがストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19を介して係脱可能に構成されている。
【0036】
連結部材30は、樹脂等の硬質な部材により平面視略円環状に形成されたものであって、中央部の嵌合孔31が形成されている。尚、連結部材30は、平面視略円環状に形成されたものに限られるものではなく、環状に形成されていればよい。例えば、外形状が平面視矩形状であってもよい。この場合、嵌合孔31の形状も連結部材30の外形状に対応させてもよい。さらに、この場合、嵌合凸部5の形状も嵌合孔31に対応させる。
ここで、嵌合孔31の内径は、本体部2の嵌合凸部5の直径よりもやや小さく設定されている。また、連結部材30の嵌合孔31を挟んで両側には、それぞれ伸縮ストラップ208の一端を連結可能な連結部32aと、ベルト209の一端を連結可能な連結部32bとが形成されている。
【0037】
このような構成のもと、連結部材30に形成されている嵌合孔31に、本体部2の嵌合凸部5を押し込むと、嵌合孔31に嵌合凸部5が内嵌固定される。これにより、固定バンド204に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる。
また、本体部2が使用者Uの胸部の中心に位置するように、固定バンド204を巻き付けた際、連結部材30が樹脂等の硬質な部材により形成されているので、変形が防止される。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】
尚、上述の第2実施形態では、連結部材30に形成されている嵌合孔31に本体部2の嵌合凸部5を内嵌固定することにより、固定バンド204に本体部2、及び心拍検出部3が取り付けられると共に、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めが行われる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、本体部2、又は連結部材30の何れか一方に位置決めピンを設け、他方に位置決めピンを挿入可能な孔を設けることにより、固定バンド204に本体部2を取り付けたり、固定バンド204に対する本体部2、及び心拍検出部3の位置決めを行ったりしてもよい。
また、上述の第2実施形態では、ベルト209は、帯状に形成された非伸縮性のものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベルト209は、伸縮性のものであってもよい。
さらに、上述の第2実施形態にあっても、前述の第1実施形態と同様に、ベルト209におけるストラップ係合具19の内面側に、使用者Uの胸部側への露出を阻止するための帯状の人体保護部23a(図3参照)を取り付けてもよい。
【0039】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図6、図7に基づいて説明する。
図6は、第3実施形態における心拍計測装置301の斜視図、図7は、心拍計測装置301の斜視図であって、固定バンド304から本体部2、及び心拍検出部3を取り外した状態を示す。
図6、図7に示すように、この第3実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第1実施形態の固定バンド4と第3実施形態の固定バンド304との構成が異なる点にある。
【0040】
(固定バンド)
より詳しくは、固定バンド304は、略帯状に形成され伸縮性を有する伸縮ストラップ308の両端を、ストラップ着脱具12、及びストラップ係合具19を介して係脱可能に構成している。つまり、第3実施形態の固定バンド304は、伸縮ストラップ308のみで非伸縮性のベルト9を備えていない。
そして、伸縮ストラップ308は、本体部2、及び心拍検出部3を、これらの上側から覆うことが可能に形成されている。また、伸縮ストラップ308には、本体部302を取り付ける嵌合孔が形成されていない。このため、本体部302にも伸縮ストラップ308に取り付けるための嵌合凸部が形成されていない。
【0041】
このような構成のもと、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に載置した後、これら本体部2、及び心拍検出部3を覆うように、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付ける。そして、伸縮ストラップ308の両端に設けられているストラップ着脱具12とストラップ係合具19とを係合させ、心拍計測装置301の装着が完了する。
【0042】
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、構造が単純な分、製品コストを低減することができる。
尚、上述の第3実施形態では、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3の上から単純に固定バンド304を巻き付ける場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、伸縮ストラップ308の内面にスナップボタンを設けると共に、本体部302に、伸縮ストラップ308のスナップボタンに対応する箇所に、このスナップボタンと係合可能な他のスナップボタンを設けてもよい。このように構成することで、伸縮ストラップ308に嵌合孔を形成したり、本体部302に嵌合凸部を係合したりすることなく、伸縮ストラップ308に本体部2を取り付けた状態で使用者Uの胸部に心拍計測装置301を装着することができる。
【0043】
また、上述の第3実施形態では、心拍計測装置301を使用者Uの胸部に装着するにあたって、本体部2、及び心拍検出部3を使用者Uの胸部に載置した後、これら本体部2、及び心拍検出部3を覆うように、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付ける場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、使用者Uの胸部に固定バンド304を巻き付けた後、この固定バンド304の内側に本体部2、及び心拍検出部3を載置してもよい。
【0044】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を図8、図9に基づいて説明する。
図8は、心拍計測装置401の電極406の周囲の斜視図、図9は、心拍計測装置401の電極406の周囲の上面図である。
図8、図9に示すように、この第4実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第4実施形態の電極406には、この電極406とベルト9との相対位置のズレを防止するためのガイド部41が形成されているのに対し、第1実施形態には、このガイド部41が形成されていない点にある。
【0045】
(ガイド)
より詳しくは、電極406には、本体部2(図8、図9においては不図示)とは反対側の他端側(図8、図9における右側)に、ガイド部41が形成されている。このガイド部41は、電極406の短手方向両側からベルト9側に向かって立ち上がり形成された2つの壁部41a,41bにより構成されている。そして、これら2つの壁部41a,41bと、電極406とによりベルト9を収納可能な収納凹部43が形成される。
このような構成のもと、固定バンド4に本体部2、及び電極406を取り付けると、電極406の収納凹部43にベルト9が収納される。すると、収納凹部43の壁部41a,41bによってベルト9に対する電極406の幅方向の変位が規制される。このため、ベルト9と電極406との相対位置のズレが防止される。
【0046】
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、確実に電極406を使用者Uの胸部に密着させることができるので、心拍計測装置401の計測精度を向上させることができる。
尚、2つの壁部41a,41bは、固定バンド4に本体部2、及び電極406を取り付けた状態で、ベルト9の短手方向両側から露出することになる。このため、衣類等を介して一対の電極406が短絡してしまうことを防止するために、壁部41a,41bに絶縁塗装を塗布するなど、絶縁処理を施すことが望ましい。ここで、絶縁処理の方法としては、絶縁塗装に限られるものではない。
また、この第4実施形態のガイド部41を、前述の第3実施形態の伸縮ストラップ308に適用することも可能である。このように構成することで、心拍検出部3のズレを防止できる。
【0047】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を図10、図11に基づいて説明する。
図10は、心拍計測装置501の電極506の周囲の斜視図、図11は、心拍計測装置501の電極506の周囲の上面図である。
図10、図11に示すように、この第5実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、第5実施形態の電極506、及びベルト509には、それぞれ互いの相対位置のズレを防止するためのズレ防止部53が設けられているのに対し、第1実施形態には、ズレ防止部が設けられていない点にある。
【0048】
(ズレ防止部)
より詳しく、ズレ防止部53について説明する。
電極506には、本体部2(図10、図11においては不図示)とは反対側の他端側(図10、図11における右側)に、凸部51がベルト509側に向かって突出形成されている。一方、ベルト509には、凸部51に対応する箇所に、この凸部51を挿通可能な長孔部52が形成されている。長孔部52は、ベルト509の長手方向に沿って長円形状に形成されている。
【0049】
このような構成のもと、固定バンド504に本体部2、及び電極506を取り付けると、ベルト509の長孔部52に電極506の凸部51が挿通される。これにより、ベルト509に対する電極506の幅方向の変位が規制される、つまり、ベルト509と電極506との相対位置のズレが防止される。
したがって、上述の第5実施形態によれば、前記の第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0050】
尚、電極506の凸部51は、固定バンド504に本体部2、及び電極506を取り付けた状態で、ベルト509の長孔部52を介して外部に露出することになる。このため、衣類等を介して一対の電極506が短絡してしまうことを防止するために、凸部51に絶縁塗装を塗布するなど、絶縁処理を施すことが望ましい。ここで、絶縁処理の方法としては、絶縁塗装に限られるものではない。例えば、凸部51を電極506とは別部材、つまり絶縁性を有する部材により形成し、電極506に取り付けるように構成してもよい。また、二色成形により電極506と凸部51を形成することも可能である。
【0051】
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第4実施形態では、電極406にガイド部41を設け、ベルト9と電極406との相対位置のズレを防止する場合について説明し、上述の第5実施形態では、電極506に凸部51を突出形成すると共に、ベルト509に凸部51を挿通可能な長孔部52を形成し、ベルト509と電極506との相対位置のズレを防止する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベルト9と電極406との相対位置や、ベルト509と電極506との相対位置のズレを阻止可能な構造であればよい。
【0052】
例えば、ベルト9,509と電極406,506とにそれぞれ綿ファスナーを設け、それぞれの相対位置のズレを防止するように構成してもよい。尚、前述の第1実施形態におけるベルト9と電極6a,6bや、第2実施形態における伸縮ストラップ208、ベルト209、及び電極6a,6bや、第3実施形態における伸縮ストラップ308、及び電極6a,6bに、綿ファスナーを取り付け、相対位置のズレ防止を行うように構成してもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、生体情報検出装置として使用者Uの心拍数を計測する心拍計測装置1,201,301,401,501に、本体部2,302と心拍検出部3とを一体的に構成し、これら本体部2,302、及び心拍検出部3を固定バンド4,204,304,504を用いて使用者Uの胸部に取り付ける場合について説明した。しかしながら、これの構成は、心拍計測装置1,201,301,401,501に適用する場合に限られるものではなく、さまざまな生体情報検出装置に適用することが可能である。例えば、生体情報検出装置として、血圧、体温、筋電位等を計測する装置に上述の実施形態の構成を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,201,301,401,501 心拍計測装置(生体情報検出装置)
2,302 本体部(装置本体)
3 心拍検出部(生体信号検出部)
4,204,304,504 固定バンド(固定手段)
6a,6b,406,506 電極
8,208,308 伸縮ストラップ(ストラップ)
9,209,509 ベルト
30 連結部材
U 使用者(身体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
この装置本体と一体的に形成され、生体表面に接触する電極を有する生体信号検出部と、
前記装置本体と前記生体信号検出部とを覆うように形成され、これら装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定するための固定手段とを備えたことを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項2】
前記固定手段に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出装置。
【請求項3】
前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、非伸縮性のベルトとが互いに連結されたものであって、このベルトに対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の生体情報検出装置。
【請求項4】
前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、硬質の連結部材とが互いに連結されたものであって、この連結部材に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の生体情報検出装置。
【請求項5】
前記生体信号検出部は導電エラストマーにより形成され、この導電エラストマーが前記電極を兼ねていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の生体情報検出装置。
【請求項1】
装置本体と、
この装置本体と一体的に形成され、生体表面に接触する電極を有する生体信号検出部と、
前記装置本体と前記生体信号検出部とを覆うように形成され、これら装置本体、及び生体信号検出部を身体に固定するための固定手段とを備えたことを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項2】
前記固定手段に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出装置。
【請求項3】
前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、非伸縮性のベルトとが互いに連結されたものであって、このベルトに対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の生体情報検出装置。
【請求項4】
前記固定手段は、少なくとも伸縮性のストラップと、硬質の連結部材とが互いに連結されたものであって、この連結部材に対して前記装置本体が着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の生体情報検出装置。
【請求項5】
前記生体信号検出部は導電エラストマーにより形成され、この導電エラストマーが前記電極を兼ねていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の生体情報検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−85574(P2013−85574A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225978(P2011−225978)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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