説明

生体情報測定装置とその入力検出方法

【課題】生体情報測定装置において、設計の自由度を向上させつつ、被測定者にかかる負担を軽減する。
【解決手段】インピーダンス測定回路30とCPU70とを備える生体情報測定装置100を提供する。生体情報測定装置100は、その状態が、特定の生体情報を測定可能な第1状態と、指示を入力可能な第2状態との間で状態が遷移する。インピーダンス測定回路30は、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定する。CPU70は、第1状態において測定された電気インピーダンスに基づいて、特定の生体情報を推定する一方、第2状態において測定された電気インピーダンスに基づいて、特定部位の筋肉の緊張度を推定し、推定した緊張度に基づいて、指示の入力を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の電気インピーダンスを測定して特定の生体情報を測定する生体情報測定装置とその入力検出方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報測定装置の一つとして、特許文献1に記載の装置が挙げられる。この装置は、使用者に操作されるキースイッチ(SETキースイッチ、UPキースイッチ及びDOWNキースイッチ)を備え、装置上に直立した被測定者の生体のインピーダンスと体重とを測定し、これらの測定値と、使用者がキースイッチを操作して入力した指示に従って設定された個人パラメータ(身長や、年齢、性別など)とに基づいて、特定の生体情報(細胞外液量や、細胞内液量、体水分量、除脂肪量、体脂肪量、体脂肪の割合など)を推定(測定)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−70273号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、生体情報測定装置を操作するのは、通常、被測定者である。したがって、特許文献1に記載の装置では、被測定者が、特定の生体情報の測定のために装置上に直立したり、指示を入力するために屈んだりすることになる。つまり、被測定者に負担がかかる。この負担を軽減するために、直立した被測定者の手元にキースイッチが位置するように生体情報測定装置を設計することも考えられるが、これでは、生体情報測定装置の設計(デザイン)の自由度が低下してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、生体情報測定装置において、設計の自由度を向上させつつ、被測定者にかかる負担を軽減することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、特定の生体情報を測定可能な第1状態と、指示を入力可能な第2状態との間で状態が遷移する生体情報測定装置において、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記第1状態において前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定の生体情報を推定する第1推定部と、前記第2状態において前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2推定部と、前記第2推定部に推定された緊張度に基づいて、指示の入力を検出する入力検出部とを備えることを特徴とする生体情報測定装置を提供する。
上記緊張度は、特定部位の筋肉が緊張状態にあるとき(筋肉緊張状態)の、その緊張の程度を示す。筋肉緊張状態は特定部位の筋肉が収縮している状態であり、筋肉が緊張状態にあるとは、筋肉が一定程度収縮(あるいは弛緩)している状態と比較してその収縮の度合いがより強い状態を示す。例えば、後述の非限定の実施形態に示される一例によれば、被測定者が生体情報測定装置の把持部(例えば、把持部2、3)を持ち上げて保持可能な程度に握っているときの収縮状態を通常状態とし、被測定者が把持部を強く握った状態を、通常状態における筋肉の収縮よりも筋肉の収縮の度合いが強い筋肉緊張状態であるとして把握する。この度合いが緊張度である。
【0007】
この生体情報測定装置によれば、被測定者は、第2状態において、特定部位の筋肉を緊張させたり弛緩させたりすることにより、生体情報測定装置に指示を入力することができる。また、この生体情報測定装置では、特定の生体情報の推定に用いる電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部により、特定部位の筋肉の緊張度の推定に用いる電気インピーダンスが測定される。つまり、インピーダンス測定部が特定の生体情報の推定と指示の入力とに兼用される。したがって、指示の入力のために専用の操作子を設ける必要がない。以上より、この生体情報測定装置によれば、設計の自由度を向上させつつ、被測定者にかかる負担を軽減することができる。また、筋肉を緊張させることは、筋肉に力を入れることと等価であるから、この生体情報測定装置には、随意筋を鍛錬可能という利点もある。また、意識的に随意筋を動かすことは、脳を使って随意筋を動かすことと等価であるから、この生体情報測定装置は、脳の活性化にも寄与する。
【0008】
上記の生体情報測定装置において、前記入力検出部は、前記第2推定部に推定された緊張度が予め定められた基準値以上の場合には、予め定められた指示の入力を検出するようにしてもよいし、前記入力検出部は、前記第2推定部に推定された緊張度が、予め定められた複数の数値範囲のいずれかに属する場合には、前記複数の数値範囲に予め対応付けられた互いに異なる複数の指示のうち、当該緊張度が属する前記数値範囲に対応付けられた指示の入力を検出するようにしてもよい。
【0009】
上記の各生体情報測定装置において、前記インピーダンス測定部に測定される前記特定部位を切り替える切替部を備えるようにしてもよい。この場合、特定部位を適宜に切り替えることにより、高度なユーザーインターフェイスを提供することができる。
【0010】
上記の各生体情報測定装置において、前記第1推定部に推定された前記特定の生体情報を報知する情報報知部と、前記情報報知部が駆動されていないときに、特定の指示の入力が前記入力検出部に検出されると、当該生体情報測定装置全体の駆動を開始する駆動制御部とを備えるようにしてもよい。この場合、設計の自由度がさらに向上する。
【0011】
上記の各生体情報測定装置において、前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスを報知するインピーダンス報知部を備えるようにしてもよい。インピーダンス測定部には、特定部位の電気インピーダンスが測定され、この電気インピーダンスは、特定部位の筋肉が緊張すると大きくなり、弛緩すると小さくなるから、インピーダンス報知部は、特定部位の筋肉の緊張の程度、すなわち特定部位の筋肉が発生させた力の大きさに応じた量を報知することになる。よって、被測定者は、特定部位の筋力を知ることができる。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明は、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定して特定の生体情報を推定する生体情報測定装置において指示の入力を検出する方法であって、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定する第1ステップと、前記第1ステップで測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2ステップと、前記第2ステップで推定された緊張度に基づいて指示の入力を検出する第3ステップとを有することを特徴とする生体情報測定装置の入力検出方法を提供する。
【0013】
この方法によれば、被測定者は、特定部位の筋肉を緊張させたり弛緩させたりすることにより、生体情報測定装置に指示を入力することができる。また、この方法では、特定の生体情報の推定に用いる電気インピーダンスと、特定部位の筋肉の緊張度の推定に用いる電気インピーダンスとを同一のインピーダンス測定部に測定させることができる。したがって、指示の入力のために専用の操作子を設ける必要がない。以上より、この方法によれば、生体情報測定装置の設計の自由度を向上させつつ、被測定者にかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置100の立面図である。
【図2】生体情報測定装置100の本体1の平面図である。
【図3】生体情報測定装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】特定部位が右半身の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図5】特定部位が左半身の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図6】特定部位が両足の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図7】特定部位が両腕の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図8】特定部位が右腕の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図9】特定部位が左腕の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図10】特定部位が右足の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図11】特定部位が左足の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図12】特定部位が全身の場合の測定経路を模式的に示す図である。
【図13】生体情報測定装置100で実行される身長設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図14】身長設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態の第1変形例に係る生体情報測定装置200の立面図である。
【図16】生体情報測定装置200の本体6の平面図である。
【図17】本発明の一実施形態の第2変形例に係る生体情報測定装置300の立面図である。
【図18】生体情報測定装置300の本体31の平面図である。
【図19】生体情報測定装置300での測定経路(全身)を模式的に示す図である。
【図20】本発明の一実施形態の第3変形例に係る生体情報測定装置400の立面図である。
【図21】生体情報測定装置400の本体21の平面図である。
【図22】生体情報測定装置400での測定経路(全身)を模式的に示す図である。
【図23】生体情報測定装置100で実行される年齢設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図24】年齢設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図25】生体情報測定装置100で実行される性別設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図26】性別設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図27】駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る生体情報測定装置100は、生体の電気インピーダンスを測定して体脂肪率などの特定の生体情報を測定する装置であり、その状態は、特定の生体情報を測定可能な第1状態と、指示を入力可能な第2状態との間で遷移する。また、生体情報測定装置100は、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部(後述のインピーダンス測定回路30)と、第1状態においてインピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、特定の生体情報を推定する第1推定部(後述のCPU(Central Processing Unit)70)と、第2状態においてインピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2推定部(後述のCPU70)と、第2推定部に推定された緊張度に基づいて、指示の入力を検出する入力検出部(後述のCPU70)とを備える。
【0016】
<構成>
以下、生体情報測定装置100について、図面を参照して説明する。
図1は、生体情報測定装置100の立面図である。この図に示されるように、生体情報測定装置100は、上面1aを有する本体1と、本体1に接続された右把持部2と、本体1に接続された左把持部3とを備える。右把持部2は、被測定者の右手で把持されるものであり、その表面には、右手の指に接触する右指電極11と、右手の掌に接触する右掌電極12とが露出している。左把持部3は、被測定者の左手で把持されるものであり、その表面には、左手の指に接触する左指電極13と、左手の掌に接触する左掌電極14とが露出している。
【0017】
図2は、本体1の平面図である。本体1は、被測定者を直立した状態で載せるものであり、その上面1aには、右足のつま先に接触する右つま先電極15と、右足のかかとに接触する右かかと電極16と、左足のつま先に接触する左つま先電極17と、左足のかかとに接触する左かかと電極18と、液晶表示装置などの表示部10とが露出している。さらに、本体1の手前側面には手前方向に突出した電源スイッチPが設けられる。
【0018】
図3は、生体情報測定装置100の電気的構成を示すブロック図である。この図に示されるように、生体情報測定装置100の本体1は、表示部10及び電極15〜18の他に、8個の電極11〜18が接続された測定経路切替回路20と、生体の特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定回路30と、荷重を信号に変換して出力するロードセル40と、当該荷重を測定する荷重測定回路50と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの記憶部60と、各部を制御するCPU70とを備える。被測定者が電源スイッチPを押すと、生体情報測定装置100の電源がオン状態となり、各部に駆動電流が供給される。また、インピーダンス測定回路30や荷重測定回路50からの入力信号が監視されており、一定時間入力信号が検出されないときは生体情報測定装置100の電源はオフ状態となる。電力の消費を抑制するためである。
【0019】
記憶部60は、被測定者の身長や、年齢、性別その他の個人パラメータを記憶する。CPU70は、生体情報測定装置100に入力された指示にしたがって、記憶部60内の個人パラメータを更新すること、すなわち個人パラメータを設定することができる。この設定処理として、身長を設定する身長設定処理、年齢を設定する年齢設定処理、および性別を設定する性別設定処理がある。身長設定処理、年齢設定処理、および性別設定処理の内容については後述する。また、身長、年齢、性別以外の個人パラメータの設定処理の内容は、身長設定処理等の各設定処理の内容と同様であり、適宜変更され得る。なお、未使用の生体情報測定装置100の記憶部60には、架空または実在の特定の人物の個人パラメータが記憶されている。
【0020】
また、記憶部60には、各種の生体情報を算出するための式が記憶されている。上記の式としては、全身の電気インピーダンスと体重と個人パラメータとに基づいて体脂肪率を算出するための回帰式、特定部位の電気インピーダンスに基づいて当該部位の筋肉の緊張度を算出するための式などが挙げられる。また、記憶部60には、CPU70に実行されるプログラムが記憶されている。CPU70は、レジスタを有し、記憶部60に記憶されたプログラムを実行することにより、身長設定処理、年齢設定処理、性別設定処理などの各種の処理を実行する。
【0021】
ロードセル40には、本体1上の被測定者の体重がもれなく加わる。荷重測定回路50は、ロードセル40から出力された信号に基づいて、ロードセル40に加わっている荷重を測定(推定)する。CPU70は、第1状態において、荷重測定回路50に測定された荷重に基づいて、被測定者の体重を推定する。具体的には、荷重測定回路50に測定された荷重から、ロードセル40に加わっている被測定者の体重以外の重量(既知の重量)を減じたものを、被測定者の体重の測定値とする。
【0022】
また、CPU70は、全身、右半身、左半身、両足、両腕、右腕、左腕、右足および左足の計9個の部位のうち、任意の一つの部位を特定部位に設定すること、すなわち特定部位を切り替えることができる。そして、CPU70は、第1状態において、全身の電気インピーダンスの測定値に基づいて、特定の生体情報を推定することができる。例えば、全身の電気インピーダンスの測定値と、体重の測定値と、設定された身長と、これを用いて体脂肪率を算出する回帰式とに基づいて、体脂肪率を推定することができる。また、CPU70は、第2状態において、特定部位の電気インピーダンスの測定値に基づいて、当該部位の筋肉の緊張度を推定することができる。
【0023】
インピーダンス測定回路30による電気インピーダンスの測定では、特定部位に交流電流が印加され、当該部位の電圧が測定される。以降の説明では、この際の電流の経路と電圧を測定するための経路との集合を「測定経路」と称する。特定部位が異なれば、測定経路も異なる。測定経路の設定や切替は、測定経路切替回路20によって行われる。測定経路切替回路20は、CPU70に制御され、8個の電極11〜18のうち、特定部位に対応する印加電極間に交流電流が印加され、特定部位に対応する検出電極間の電圧がインピーダンス測定回路30に検出されるように、測定経路を設定する。
【0024】
<測定経路>
ここで、各測定経路について具体的に説明する。
図4に示すように、特定部位が右半身の場合には、右指電極11と右つま先電極15とが印加電極となり、右掌電極12と右かかと電極16とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右指電極11と右つま先電極15との間に交流電流を印加し、右掌電極12と右かかと電極16との間の電圧を検出する。
【0025】
図5に示すように、特定部位が左半身の場合には、左指電極13と左つま先電極17とが印加電極となり、左掌電極14と左かかと電極18とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、左指電極13と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、左掌電極14と左かかと電極18との間の電圧を検出する。
【0026】
図6に示すように、特定部位が両足の場合には、右つま先電極15と左つま先電極17とが印加電極となり、右かかと電極16と左かかと電極18とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右つま先電極15と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、右かかと電極16と左かかと電極18との間の電圧を検出する。
【0027】
図7に示すように、特定部位が両腕の場合には、右指電極11と左指電極13とが印加電極となり、右掌電極12と左掌電極14とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右指電極11と左指電極13との間に交流電流を印加し、右掌電極12と左掌電極14との間の電圧を検出する。
【0028】
図8に示すように、特定部位が右腕の場合には、右指電極11と右つま先電極15とが印加電極となり、右掌電極12と左掌電極14とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右指電極11と右つま先電極15との間に交流電流を印加し、右掌電極12と左掌電極14との間の電圧を検出する。
【0029】
図9に示すように、特定部位が左腕の場合には、左指電極13と左つま先電極17とが印加電極となり、右掌電極12と左掌電極14とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、左指電極13と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、右掌電極12と左掌電極14との間の電圧を検出する。
【0030】
図10に示すように、特定部位が右足の場合には、右指電極11と右つま先電極15とが印加電極となり、右かかと電極16と左かかと電極18とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右指電極11と右つま先電極15との間に交流電流を印加し、右かかと電極16と左かかと電極18との間の電圧を検出する。
【0031】
図11に示すように、特定部位が左足の場合には、左指電極13と左つま先電極17とが印加電極となり、右かかと電極16と左かかと電極18とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、左指電極13と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、右かかと電極16と左かかと電極18との間の電圧を検出する。
【0032】
図12に示すように、特定部位が全身の場合には、インピーダンス測定回路30は、特定部位が左半身の場合(図5参照)と同様の印加および検出と、特定部位が両足の場合(図6参照)と同様の印加および検出とを行う。すなわち、インピーダンス測定回路30は、左指電極13と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、左掌電極14と左かかと電極18との間の電圧を検出する処理と、右つま先電極15と左つま先電極17との間に交流電流を印加し、右かかと電極16と左かかと電極18との間の電圧を検出する処理とを排他的に行う。
【0033】
本実施形態では、CPU70は、生体情報測定装置100が第2状態にあるときに、特定部位を右腕に設定した右腕入力モード(第1の入力モード)と、左腕に設定した左腕入力モード(第2の入力モード)と、両腕に設定した両腕入力モード(第3の入力モード)とを用いて指示の入力を検出する。右腕入力モードにおいては、図8に示す測定経路で測定された電気インピーダンスに基づいて右腕の緊張度を推定し、推定された緊張度が所定の基準値を超えている場合には特定の指示の入力(第1の指示入力)があったことを検出する。同様に、左腕入力モードにおいては、図9に示す測定経路で測定された電気インピーダンスに基づいて左腕の緊張度を推定し、推定された緊張度が所定の基準値を超えている場合には特定の指示の入力(第2の指示入力)があったことを検出する。両腕入力モードにおいては、図7に示す測定経路で測定された電気インピーダンスに基づいて両腕の緊張度を推定し、推定された緊張度が所定の基準値を超えている場合には特定の指示の入力(第3の指示入力)があったことを検出する。
CPU70は入力モードを右腕入力モード→左腕入力モード→両腕入力モード→右腕入力モード…と巡回的に切り換えることにより、第1、第2、第3の入力指示をそれぞれ検出する。例えば、被測定者が右把持部2を強く握ることにより右腕を緊張させている期間において、入力モードが右腕入力モードに切り替わったタイミングで第1の指示入力が検出される。同様に、被測定者が左把持部3を強く握ることにより左腕を緊張させている期間において、入力モードが左腕入力モードに切り替わったタイミングで第2の指示入力が検出される。また、被測定者が右把持部2および左把持部3の両方を強く握ることにより両腕を緊張させている期間において、入力モードが両腕入力モードに切り替わったタイミングで第3の指示入力が検出される。
【0034】
<身長設定処理>
図13及び図14は、身長設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図であり、接続点A〜Dで連結されて一つのフローチャートをなす。身長設定処理は、第2状態においてCPU70に実行される。身長設定処理では、CPU70は、図13に示されるように、まず、特定部位を右腕に設定する(S11)。これにより、図8に示す測定経路が設定される。つまり、右腕入力モードに設定される。この設定に並行して、CPU70は、記憶部60から被測定者の身長を読み出してレジスタに保持し、表示部10に表示させる。
【0035】
次にCPU70は、インピーダンス測定回路30に、特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定処理を開始させる(S12)。したがって、以降、インピーダンス測定回路30は、特定部位の電気インピーダンスを測定し、測定値を示す信号をCPU70に供給する処理を繰り返すことになる。なお、特定部位の電気インピーダンスは、特定部位の筋肉が緊張すると大きくなり、弛緩すると小さくなる。
【0036】
次にCPU70は、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得する(S13)。具体的には、インピーダンス測定回路30から供給された信号で示される測定値を、特定部位の電気インピーダンスの測定値とする。ここでは、特定部位が右腕であるから、右腕の電気インピーダンスの測定値が取得される。
【0037】
次にCPU70は、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S14)。ここでは、特定部位は右腕であるから、ステップS14の判定結果は「YES」となる。したがって、CPU70は、図14に示されるように、右腕の電気インピーダンスの測定値に基づいて右腕の筋肉の緊張度を推定する(S21)。この推定は、右腕の電気インピーダンスの測定値を正規化することで行われる。正規化の内容は任意であるが、本実施形態では、最大値を1、最小値を0とする正規化が行われる。
【0038】
次にCPU70は、推定した緊張度に基づいて、右腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S22)。具体的には、推定した緊張度が、予め定められた基準値(例えば0.5)以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、すなわち右腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S34)を行う。この表示処理では、CPU70は、表示部10の表示内容を、レジスタに保持されている身長で更新する。
【0039】
一方、ステップS22の判定結果が「YES」の場合、すなわち右腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第1の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている身長を、1cmだけ高くなるように更新し(S23)、前述の表示処理(S34)を行う。つまり、レジスタに保持されている身長と表示部10に表示される身長は、右把持部2を握る力が強い場合には1cmだけ高くなり、右把持部2を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、身長設定処理において、第1の指示入力は身長を1cmだけ増分させることを指示する指示入力である。
【0040】
表示処理S34が終了すると、CPU70は、特定部位を切り替える(S35)。この切替は、右腕→左腕→両腕→右腕→…(すなわち、右腕入力モード→左腕入力モード→両腕入力モード→右腕入力モード…)というように、巡回的に行われる。ここでは、入力モードを右腕入力モードから左腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が右腕から左腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図9に示す測定経路に切り替えられる。
【0041】
次にCPU70は、図13に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S13)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S14)。ここでは、特定部位は左腕であるから、左腕の電気インピーダンスの測定値が取得され、ステップS14の判定結果が「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S15)。
【0042】
この判定結果は「YES」となるから、CPU70は、図14に示されるように、左腕の緊張度を推定し(S31)、左腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S32)。これらの処理の内容は、特定部位が左腕であることを除いて、ステップS21及びS22と同様である。ステップS32の判定結果が「NO」の場合、すなわち左腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S34)を行う。
【0043】
一方、ステップS32の判定結果が「YES」の場合、すなわち左腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第2の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている身長を、1cmだけ低くなるように更新し(S33)、表示処理(S34)を行う。つまり、レジスタに保持されている身長と表示部10に表示される身長は、左把持部3を握る力が強い場合には1cmだけ低くなり、左把持部3を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、身長設定処理において、第2の指示入力は身長を1cmだけ減少させることを指示する指示入力である。
【0044】
表示処理S34が終了すると、CPU70は、特定部位を切り替える(S35)。ここでは、入力モードを左腕入力モードから両腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が左腕から両腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図7に示す測定経路に切り替えられる。
【0045】
次にCPU70は、図13に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S13)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S14)。ここでは、特定部位は両腕であるから、ステップS14の判定結果は「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S15)。この判定結果も「NO」となるから、CPU70は、両腕の緊張度を推定し(S16)、両腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S17)。これらの処理の内容は、特定部位が両腕であることを除いて、ステップS21及びS22と同様である。
【0046】
ステップS17の判定結果が「NO」の場合、すなわち両腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は、図14に示されるように、特定部位を切り替える(S35)。ここでは、入力モードを両腕入力モードから右腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が両腕から右腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、両腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路から右腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路に切り替えられる。以降、処理は図13のステップS13に戻る。
【0047】
このような処理が、ステップS17の判定結果が「YES」となるまで、すなわち特定部位が両腕のときに両腕の筋肉が緊張状態となるまで、繰り返し実行される。この間、レジスタに保持されている身長と表示部10に表示される身長は、被測定者が右把持部2を強く握っている期間にわたって1cmずつ高くなり、左把持部3を強く握っている期間にわたって1cmずつ低くなる。
【0048】
したがって、被測定者は、表示部10の表示を視認しつつ右把持部2及び左把持部3を握る力を調整することにより、レジスタに保持されている身長を自身の身長に一致させることができる。そして、被測定者は、レジスタに保持されている身長が自身の身長に一致すると、右把持部2及び左把持部3を同時に強く握り続ける。これにより、いずれ、ステップS17の判定結果が「YES」となる。すると、CPU70は、第3の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている身長を記憶部60に上書きすることにより、被測定者の身長を設定する(S18)。このように、身長設定処理において、第3の指示入力は表示部10に表示されている身長の設定値(すなわち、レジスタに保持されている身長の値)を自身の身長として確定する指示入力である。これにより被測定者の身長が確定入力されて設定される。
【0049】
<年齢設定処理>
図23及び図24は、年齢設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図であり、接続点A〜Dで連結されて一つのフローチャートをなす。年齢設定処理は、第2状態においてCPU70に実行される。年齢設定処理は、右腕の緊張状態を検知すると設定年齢を1才加算(S53)し、左腕の緊張状態を検知すると設定年齢を1才減算(S63)する点で、上記身長設定処理と相違する。他の処理は身長設定処理と同じである。
CPU70は、図23に示されるように、まず、特定部位を右腕に設定する(S41)。これにより、図8に示す測定経路が設定される。つまり、右腕入力モードに設定される。この設定に並行して、CPU70は、記憶部60から被測定者の年齢を読み出してレジスタに保持し、表示部10に表示させる。
【0050】
次にCPU70は、インピーダンス測定回路30に、特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定処理を開始させる(S42)。したがって、以降、インピーダンス測定回路30は、特定部位の電気インピーダンスを測定し、測定値を示す信号をCPU70に供給する処理を繰り返すことになる。
【0051】
次にCPU70は、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得する(S43)。具体的には、インピーダンス測定回路30から供給された信号で示される測定値を、特定部位の電気インピーダンスの測定値とする。ここでは、特定部位が右腕であるから、右腕の電気インピーダンスの測定値が取得される。
【0052】
次にCPU70は、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S44)。ここでは、特定部位は右腕であるから、ステップS44の判定結果は「YES」となる。したがって、CPU70は、図24に示されるように、右腕の電気インピーダンスの測定値に基づいて右腕の筋肉の緊張度を推定する(S51)。
【0053】
次にCPU70は、推定した緊張度に基づいて、右腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S52)。具体的には、推定した緊張度が、予め定められた基準値(例えば0.5)以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、すなわち右腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S64)を行う。この表示処理では、CPU70は、表示部10の表示内容を、レジスタに保持されている年齢で更新する。
【0054】
一方、ステップS52の判定結果が「YES」の場合、すなわち右腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第1の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている年齢を、1才だけ増加させるように更新し(S53)、前述の表示処理(S64)を行う。つまり、レジスタに保持されている年齢と表示部10に表示される年齢は、右把持部2を握る力が強い場合には1才だけ増え、右把持部2を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、年齢設定処理において、第1の指示入力は年齢を1才だけ増分させることを指示する指示入力である。
【0055】
表示処理S64が終了すると、CPU70は、特定部位(すなわち、入力モード)を切り替える(S65)。ここでは、入力モードを右腕入力モードから左腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が右腕から左腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図9に示す測定経路に切り替えられる。
【0056】
次にCPU70は、図23に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S43)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S44)。ここでは、特定部位は左腕であるから、左腕の電気インピーダンスの測定値が取得され、ステップS44の判定結果が「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S45)。
【0057】
この判定結果は「YES」となるから、CPU70は、図24に示されるように、左腕の緊張度を推定し(S61)、左腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S62)。ステップS62の判定結果が「NO」の場合、すなわち左腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S64)を行う。
【0058】
一方、ステップS62の判定結果が「YES」の場合、すなわち左腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第2の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている年齢が1才だけ減少するように更新し(S63)、表示処理(S64)を行う。つまり、レジスタに保持されている年齢と表示部10に表示される年齢は、左把持部3を握る力が強い場合には1才だけ低くなり、左把持部3を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、年齢設定処理において、第2の指示入力は年齢を1才だけ減少させることを指示する指示入力である。
【0059】
表示処理S64が終了すると、CPU70は、特定部位を切り替える(S65)。ここでは、入力モードを左腕入力モードから両腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が左腕から両腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図7に示す測定経路に切り替えられる。
【0060】
次にCPU70は、図23に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S43)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S44)。ここでは、特定部位は両腕であるから、ステップS44の判定結果は「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S45)。この判定結果も「NO」となるから、CPU70は、両腕の緊張度を推定し(S46)、両腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S47)。これらの処理の内容は、特定部位が両腕あることを除いて、ステップS51及びS52と同様である。
【0061】
ステップS47の判定結果が「NO」の場合、すなわち両腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は、図24に示されるように、特定部位を切り替える(S65)。ここでは、入力モードを両腕入力モードから右腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が両腕から右腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、両腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路から右腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路に切り替えられる。以降、処理は図23のステップS43に戻る。
【0062】
このような処理が、ステップS47の判定結果が「YES」となるまで、すなわち特定部位が両腕のときに両腕の筋肉が緊張状態となるまで、繰り返し実行される。この間、レジスタに保持されている年齢と表示部10に表示される年齢は、被測定者が右把持部2を強く握っている期間にわたって1才ずつ増加し、左把持部3を強く握っている期間にわたって1才ずつ減少する。
【0063】
したがって、被測定者は、表示部10の表示を視認しつつ右把持部2及び左把持部3を握る力を調整することにより、レジスタに保持されている年齢を自身の年齢に一致させることができる。そして、被測定者は、レジスタに保持されている年齢が自身の年齢に一致すると、右把持部2及び左把持部3を同時に強く握り続ける。これにより、いずれ、ステップS47の判定結果が「YES」となる。すると、CPU70は、第3の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている年齢を記憶部60に上書きすることにより、被測定者の年齢を設定する(S48)。このように、年齢設定処理において、第3の指示入力は表示部10に表示されている年齢の設定値(すなわち、レジスタに保持されている年齢の値)を自身の年齢として確定する指示入力である。これにより被測定者の年齢が確定入力されて設定される。
【0064】
<性別設定処理>
図25及び図26は、性別設定処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図であり、接続点A〜Dで連結されて一つのフローチャートをなす。性別設定処理は、第2状態においてCPU70に実行される。性別設定処理は、右腕の緊張状態を検知すると設定性別を女性とし(S83)し、左腕の緊張状態を検知すると設定性別を男性とする(S93)点で、上記身長設定処理と相違する。他の処理は身長設定処理と同じである。CPU70は、図25に示されるように、まず、特定部位を右腕に設定する(S71)。これにより、図8に示す測定経路が設定される。つまり、右腕入力モードに設定される。この設定に並行して、CPU70は、記憶部60から被測定者の性別を読み出してレジスタに保持し、表示部10に表示させる。
【0065】
次にCPU70は、インピーダンス測定回路30に、特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定処理を開始させる(S72)。したがって、以降、インピーダンス測定回路30は、特定部位の電気インピーダンスを測定し、測定値を示す信号をCPU70に供給する処理を繰り返すことになる。なお、特定部位の電気インピーダンスは、特定部位の筋肉が緊張すると大きくなり、弛緩すると小さくなる。
【0066】
次にCPU70は、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得する(S73)。具体的には、インピーダンス測定回路30から供給された信号で示される測定値を、特定部位の電気インピーダンスの測定値とする。ここでは、特定部位が右腕であるから、右腕の電気インピーダンスの測定値が取得される。
【0067】
次にCPU70は、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S74)。ここでは、特定部位は右腕であるから、ステップS74の判定結果は「YES」となる。したがって、CPU70は、図26に示されるように、右腕の電気インピーダンスの測定値に基づいて右腕の筋肉の緊張度を推定する(S81)。
【0068】
次にCPU70は、推定した緊張度に基づいて、右腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S82)。具体的には、推定した緊張度が、予め定められた基準値(例えば0.5)以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、すなわち右腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S94)を行う。この表示処理では、CPU70は、表示部10の表示内容を、レジスタに保持されている性別で更新する。
【0069】
一方、ステップS82の判定結果が「YES」の場合、すなわち右腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第1の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている性別が女性に設定されるように更新し(S83)、前述の表示処理(S94)を行う。つまり、レジスタに保持されている性別と表示部10に表示される性別は、右把持部2を握る力が強い場合には女性に設定され、右把持部2を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、性別設定処理において、第1の指示入力は性別が女性に設定されるように指示する指示入力である。
【0070】
表示処理S94が終了すると、CPU70は、特定部位(すなわち、入力モード)を切り替える(S95)。ここでは、入力モードを右腕入力モードから左腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が右腕から左腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図9に示す測定経路に切り替えられる。
【0071】
次にCPU70は、図25に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S73)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S74)。ここでは、特定部位は左腕であるから、左腕の電気インピーダンスの測定値が取得され、ステップS74の判定結果が「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S75)。
【0072】
この判定結果は「YES」となるから、CPU70は、図26に示されるように、左腕の緊張度を推定し(S91)、左腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S92)。ステップS92の判定結果が「NO」の場合、すなわち左腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は表示処理(S94)を行う。
【0073】
一方、ステップS92の判定結果が「YES」の場合、すなわち左腕の筋肉が緊張状態の場合、CPU70は、第2の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている性別が男性に設定されるように更新し(S93)、表示処理(S94)を行う。つまり、レジスタに保持されている性別と表示部10に表示される性別は、左把持部3を握る力が強い場合には男性に設定され、左把持部3を握る力が弱い場合には変化しない。つまり、性別設定処理において、第2の指示入力は性別が男性に設定されるように指示する指示入力である。
【0074】
表示処理S94が終了すると、CPU70は、特定部位を切り替える(S95)。ここでは、入力モードを左腕入力モードから両腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が左腕から両腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、図7に示す測定経路に切り替えられる。
【0075】
次にCPU70は、図25に示されるように、特定部位の電気インピーダンスの測定値を取得し(S73)、特定部位が右腕であるか否かを判定する(S74)。ここでは、特定部位は両腕であるから、ステップS74の判定結果は「NO」となる。したがって、CPU70は、特定部位が左腕であるか否かを判定する(S75)。この判定結果も「NO」となるから、CPU70は、両腕の緊張度を推定し(S76)、両腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S77)。
【0076】
ステップS77の判定結果が「NO」の場合、すなわち両腕の筋肉が弛緩状態の場合、CPU70は、図26に示されるように、特定部位を切り替える(S95)。ここでは、入力モードを両腕入力モードから右腕入力モードに切り替える。具体的には、特定部位が両腕から右腕に切り替えられる。これにより、測定経路が、両腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路から右腕の電気インピーダンスを測定するための測定経路に切り替えられる。以降、処理は図25のステップS73に戻る。
【0077】
このような処理が、ステップS77の判定結果が「YES」となるまで、すなわち特定部位が両腕のときに両腕の筋肉が緊張状態となるまで、繰り返し実行される。この間、レジスタに保持されている性別と表示部10に表示される性別は、被測定者が右把持部2だけを強く握っている限りは女性に設定される。一方、レジスタに保持されている性別と表示部10に表示される性別は、被測定者が左把持部3だけを強く握っている限りは男性に設定される。
【0078】
したがって、被測定者は、表示部10の表示を視認しつつ右把持部2及び左把持部3を握る力を調整することにより、レジスタに保持されている性別を自身の性別に一致させることができる。そして、被測定者は、レジスタに保持されている性別が自身の性別に一致すると、右把持部2及び左把持部3を同時に強く握り続ける。これにより、いずれ、ステップS77の判定結果が「YES」となる。すると、CPU70は、第3の指示入力を検出したと判定し、レジスタに保持されている性別を記憶部60に上書きすることにより、被測定者の性別を設定する(S78)。このように、性別設定処理において、第3の指示入力は表示部10に表示されている性別(すなわち、レジスタに保持されている性別)を自身の性別として確定する指示入力である。これにより被測定者の性別が確定入力されて設定される。
【0079】
<効果>
以上説明したように、生体情報測定装置100によれば、CPU70が、第2状態においてインピーダンス測定回路30に測定された電気インピーダンスに基づいて特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2推定部と、第2推定部に推定された緊張度に基づいて指示の入力を検出する入力検出部として機能するから、被測定者は、第2状態において、特定部位の筋肉を緊張させたり弛緩させたりすることにより、生体情報測定装置100に指示を入力することができる。したがって、被測定者は、直立したまま、指示を入力することができる。これは、被測定者にかかる負担の軽減に寄与する。また、操作子を設ける必要がないため、コストも下がるメリットがある。
【0080】
また、生体情報測定装置100では、第1状態において特定の生体情報の推定に用いる電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定回路30により、第2状態において特定部位の筋肉の緊張度の推定に用いる電気インピーダンスが測定される。つまり、インピーダンス測定回路30が第1状態における特定の生体情報の推定と第2状態における指示の入力とに兼用される。つまり、本実施形態には、指示の入力のために専用の操作子を設ける必要がないという特徴がある。この特徴は、生体情報測定装置の設計の自由度の向上に寄与する。
【0081】
ところで、筋肉を緊張させることは、筋肉に力を入れることと等価である。したがって、本実施形態には、随意筋を鍛錬可能という利点もある。また、意識的に随意筋を動かすことは、脳を使って随意筋を動かすことと等価であるから、本実施形態は、脳の活性化にも寄与する。
【0082】
また、生体情報測定装置100では、CPU70及び測定経路切替回路20は、インピーダンス測定回路30に測定される特定部位を切り替える切替部として機能する。したがって、生体情報測定装置100によれば、特定部位を適宜に切り替えることにより、高度なユーザーインターフェイスを提供することができる。そのようなユーザーインターフェイスとしては、図13及び図14の身長設定処理によって提供されるものが挙げられる。
【0083】
また、生体情報測定装置100では、特定部位についてインピーダンス測定回路30に測定された電気インピーダンスを特定部位の筋肉の緊張度とするのではなく、当該電気インピーダンスを正規化したものを特定部位の筋肉の緊張度とし、この緊張度と基準値とを比較している。したがって、緊張度と比較される基準値を、計9個の部位に共通とすることができる。
【0084】
本発明は、上述した実施形態のみならず、上述した実施形態に以下の変形を施して得られる各種の形態や、これらの形態の任意の組み合わせをも範囲に含みうる。
【0085】
<第1変形例>
図15は、上述した実施形態の第1変形例に係る生体情報測定装置200の立面図である。この図に示されるように、生体情報測定装置200は、本体6と、本体6に接続された把持部5とを備える。把持部5は、右把持部2と、左把持部3と、両者が固定された固定部4とを備える。固定部4には、表示部10が設けられている。
図16は、本体6の平面図である。この図に示されるように、本体6が本体1と大きく異なる点は、表示部10を備えていない点のみである。したがって、生体情報測定装置200では、生体情報測定装置100での測定経路(図4〜図12参照)と同様の経路を測定経路とすることができる。つまり、生体情報測定装置200では、全身、両腕、右腕、左腕、右足、左足、右半身、左半身、両足の計9個の部位を特定部位とすることができる。
【0086】
<第2変形例>
図17は、上述した実施形態の第2変形例に係る生体情報測定装置300の立面図である。この図に示されるように、生体情報測定装置300は、本体31と、本体31に接続された把持部7とを備える。把持部7は、右手で握られる右把持部8と、左手で握られる左把持部9と、両者が固定された固定部4とを備える。右把持部8は、右手の内側に接触する右手内側電極31と、右手の外側に接触する右手外側電極32とを備える。左把持部9は、左手の内側に接触する左手内側電極33と、左手の外側に接触する左手外側電極34とを備える。
図18は、本体31の平面図である。この図に示されるように、本体31が本体6と大きく異なる点は、右つま先電極15及び左つま先電極17に代えてつま先電極25を備え、右かかと電極16及び左かかと電極18に代えてかかと電極26を備える点のみである。つま先電極25は、右つま先電極15と左つま先電極17とを短絡させた電極であり、かかと電極26は、右かかと電極16と左かかと電極18とを短絡させた電極である。
図19は、生体情報測定装置300での測定経路を模式的に示す図であり、特定部位が全身の場合のものである。この場合、右手内側電極31と左手内側電極33とが短絡され、右手外側電極32と左手外側電極34とが短絡され、右手内側電極31(左手内側電極33)とつま先電極25とが印加電極となり、右手外側電極32(左手外側電極34)とかかと電極26とが検出電極となる。この場合、インピーダンス測定回路30は、右手内側電極31(左手内側電極33)とつま先電極25との間に交流電流を印加し、右手外側電極32(左手外側電極34)とかかと電極26との間の電圧を検出する。
このような構成の生体情報測定装置300では、全身、両腕、右腕、左腕の計4個の部位を特定部位とすることができる。
【0087】
<第3変形例>
図20は、上述した実施形態の第3変形例に係る生体情報測定装置400の立面図である。この図に示されるように、生体情報測定装置400は、本体21と、本体21に接続された右把持部2とを備える。図21は、本体21の平面図である。本体21が本体1と大きく異なるのは、右つま先電極15及び左つま先電極17に代えてつま先電極25を備え、右かかと電極16及び左かかと電極18に代えてかかと電極26を備える点のみである。図22から明らかなように、生体情報測定装置400によれば、1個の部位(全身)を特定部位とすることができる。
【0088】
<他の変形例>
生体情報測定装置100から右把持部2及び左把持部3を削除した構成としてもよい。この場合、生体情報測定装置が備える電極は、右つま先電極15、右かかと電極16、左つま先電極17及び左かかと電極18との計4個となる。この生体情報測定装置は、1個の部位(両足)を特定部位とすることができる。
上述した実施形態では、右腕入力モード(第1の入力モード)、左腕入力モード(第2の入力モード)、および両腕入力モード(第3の入力モード)を用いたが、入力モードで設定される特定部位は、右腕、左腕および両腕のいずれかに限られない。電気インピーダンスの測定値に基づいて緊張度が推定できる限りにおいて、身体のいずれの部位を特定部位として用いてもよい。また、上述した実施形態では、第1〜第3の入力モードについて、第1〜第3の指示入力をそれぞれ対応させていたが、これに限定されない。例えば、複数の入力モードの少なくともいずれかにおいて緊張度が所定値を超えた場合に、ひとつの指示入力を検出する態様としてもよい。つまり、複数の入力モードにひとつの指示入力を対応させてもよい。
【0089】
上述した実施形態では、基準値が生体の各部位に共通であるが、これを変形し、生体の部位毎に基準値を用意しておき、特定部位についてインピーダンス測定回路30に測定された電気インピーダンスを特定部位の筋肉の緊張度とし、この緊張度と、特定部位の基準値とに基づいて、特定部位の筋肉の状態(緊張状態/弛緩状態)を判定するようにしてもよい。
【0090】
上述した実施形態では、入力検出部が、第2推定部に推定された緊張度が基準値以上の場合には、予め定められた指示の入力を検出しているが、これを変形し、複数の指示のうち第2推定部に推定された緊張度に応じた指示の入力を検出するようにしてもよい。例えば、図13及び図14の身長設定処理において、ステップS17の判定結果が「YES」となるまで、レジスタに保持されている身長と表示部10に表示される身長が、被測定者が右把持部2を少し強く握っている期間にわたって1cmずつ高くなり、右把持部2を非常に強く握っている期間にわたって5cmずつ高くなり、左把持部3を少し強く握っている期間にわたって1cmずつ低くなり、左把持部3を非常に強く握っている期間にわたって5cmずつ低くなるようにしてもよい。
すなわち、上述した実施形態を変形し、入力検出部が、第2推定部に推定された緊張度が、予め定められた複数の数値範囲のいずれかに属する場合には、これらの数値範囲に予め対応付けられた互いに異なる複数の指示のうち、第2推定部に推定された緊張度が属する数値範囲に対応付けられた指示の入力を検出するようにしてもよい。換言すると、ひとつの入力モードに複数の指示入力が対応し、これら複数の指示入力が、ひとつの特定部位について推定された緊張度の複数の数値範囲にそれぞれ対応するようにしてもよい。
【0091】
また、表示部10に代えて、情報を音で報知する装置を採用してもよい。この場合、目の見えない人でも特定の生体情報を測定したり、個人パラメータを設定したりすることができる。このように、第1推定部に推定された情報を報知する情報報知部としては、表示部10に限らず、任意の報知部を採用可能である。なお、複数の被測定者に使用される生体情報測定装置には、被測定者が自己の個人パラメータを選択可能なものがあり、この選択を自動的に行うようにすることも可能である。この自動選択と情報を音で報知する装置とを組み合わせれば、より効果的である。
さらに、インピーダンス測定回路30に測定された電気インピーダンスを報知するインピーダンス報知部を備えるようにしてもよい。前述したように、特定部位の電気インピーダンスは、特定部位の筋肉が緊張すると大きくなり、弛緩すると小さくなる。つまり、特定部位の電気インピーダンスは、特定部位の筋肉の緊張の程度、すなわち特定部位の筋肉が発生させた力の大きさに応じたものとなる。したがって、インピーダンス報知部は、特定部位の筋肉が発生させた力の大きさを報知することになる。よって、被測定者は、特定部位の筋力を知ることができる。なお、第1推定部に推定された生体情報を報知する情報報知部がインピーダンス報知部を兼ねてもよいし、両者を別体としてもよい。
【0092】
また、体重・体脂肪率・内臓脂肪レベル・筋肉量・基礎代謝量・体内年齢・推定骨量・体水分率・BMI・右足、左足、右腕、左腕、体幹部の体脂肪率・右足、左足、右腕、左腕、体幹部の筋肉量などの複数の生体情報を測定可能とし、測定後に、これらの生体情報を切り替えて報知するようにしてもよい。さらに、報知対象の生体情報を、一定の時間間隔で自動的に切り替える形態としてもよいし、被測定者の指示に応じて順次又は任意に切り替える形態としてもよい。後者の場合、被測定者の筋肉の状態(緊張状態/弛緩状態)を判定して切り替えの指示の入力を検出する形態が好ましい。この形態によれば、被測定者が筋肉を緊張または弛緩させて切り替えの指示を入力すると報知対象の生体情報が切り替わるから、所望の生体情報が報知されるまでの待ち時間を短縮することができる。また、この形態では、切り替えの指示を入力するための操作子を設ける必要がない。これは、製造コストの低下や設計の自由度の向上に寄与する。また、筋肉を緊張させることは、筋肉に力を入れることと等価であるから、この形態には、随意筋を鍛錬可能という利点もある。また、意識的に随意筋を動かすことは、脳を使って随意筋を動かすことと等価であるから、この形態は、脳の活性化にも寄与する。
【0093】
また、上述した実施形態では、生体情報測定装置100,200,300,400に電源スイッチPを設け、この電源スイッチPが押されることにより生体情報測定装置を起動する態様としていた。しかし、電源スイッチPの代わりに、生体情報測定装置の起動(ひいては、表示部10(情報報知部)の駆動)を制御する駆動制御部を備えるようにしてもよい。この駆動制御部は、情報報知部が駆動されていないときに、特定の指示の入力が入力検出部に検出されると、生体情報測定装置全体の駆動を開始させる。より具体的には、CPU70が、情報報知部への駆動電流の供給が停止されている期間においてインピーダンス測定回路30を間欠的に駆動させ、インピーダンス測定回路30で測定された電気インピーダンスに基づいて特定の指示の入力を検出し、特定の指示の入力を検出すると、生体情報測定装置全体への駆動電流の供給を開始させる。上記「情報報知部が駆動されていないときに」とは、生体情報測定装置各部のうち少なくとも情報報知部への駆動電流の供給が停止されている場合を示す。よって、生体情報測定装置の他の構成要素、例えば、荷重測定回路50への駆動電流が供給されていない場合も含む。
【0094】
図27は、上記駆動制御部による駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU70は間欠的にオン状態となり、インピーダンス測定回路30および測定経路切替回路20に駆動電流を供給する(S101;YES、S102)。次に、CPU70は特定部位を右腕に設定する(S104)。つまり、入力モードを右腕入力モードに設定する。これにより、図8に示す測定経路が設定される。次に、CPU70は、インピーダンス測定回路30に当該特定部位(すなわち、右腕)の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定処理を開始させる(S104)。CPU70は、特定部位の電気インピーダンスの測定値がインピーダンス測定回路30から供給されると、当該測定値に基づいて右腕の筋肉の緊張度を推定し、推定した緊張度に基づいて、右腕の筋肉が緊張状態であるか否かを判定する(S105)。具体的には、推定した緊張度が、予め定められた基準値以上であるか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合には、右腕の筋肉が弛緩状態(S107)にあると判定する。そして、CPU70は、インピーダンス測定回路30および測定経路切替回路20への駆動電流の供給を停止し、オフ状態に移行する(S108)。一方、ステップS105の判定結果が「YES」の場合には、特定の指示の入力が検出されたと判定し、生体情報測定装置100全体を起動(S106)させて、表示部10への駆動電流の供給を開始させる。なお、特定部位としては、右腕の代わりに、左腕または両腕を用いてもよい。あるいは、特定部位(つまり、入力モード)を順次切り換えることにより、右腕、左腕および両腕のいずれかにおける緊張度に基づいて指示の入力を検出してもよい。
本変形例によれば、情報報知部への駆動電流の供給が停止されている期間(つまり、主電源がオフの期間)であっても、インピーダンス測定回路30に間欠的に電気インピーダンスを測定させることにより、被測定者が特定部位の筋肉を緊張させると、生体情報測定装置全体が起動されて装置各部への駆動電流の供給が開始されるから、生体情報測定装置全体への駆動電流の供給の開始を指示するための操作子(すなわち、上記実施形態の電源スイッチP)または開始および停止を指示するための操作子を備える必要がない。これは、生体情報測定装置の設計の自由度の向上に寄与する利点である。一方、本変形例においては、間欠的にインピーダンス測定回路30による測定を実行するため消費電力が大きい。このため、上記実施形態のように、電源スイッチPを設けて生体情報測定装置100,200,300,400を起動する態様の場合には、電力の消費を抑制することができるという利点がある。
【0095】
上記駆動制御処理においては、電気インピーダンスの測定値に基づいて特定部位の緊張度を推定することにより特定の指示の入力を検出していたが、緊張度を推定する代わりに、荷重測定回路50において荷重が検出されたことをもって特定の指示の入力を検出してもよい。つまり、特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2推定部によって推定された緊張度に基づいて指示の入力を検出する入力検出部(第1入力検出部)の代わりに、荷重測定回路50により荷重が検出されたときに指示の入力があったことを検出する第2入力検出部を用いてもよい。この場合には、ステップS101において、情報報知部が駆動されていないときに、CPU70は、間欠的に、荷重測定回路50に駆動電流を供給し、荷重の検出の有無を判定する。そして、荷重が検出された場合には生体情報測定装置全体を起動させ(S106)、そうでない場合には荷重測定回路50への駆動電流の供給を停止する(S108)。この場合にも、上述と同様の効果が得られる。この場合には、上記「情報報知部が駆動されていないときに」とは、情報報知部に加えて、生体情報測定装置の他の構成要素、例えば、インピーダンス測定回路30に対して駆動電流が供給されていない場合も含む。
本変形例の別の態様として、上記駆動制御部は、特定部位が緊張状態にあることが検出された場合、あるいは、荷重が検出された場合のいずれかをもって、特定の入力の指示を検出してもよい。つまり、第1入力検出部による特定の指示の入力の検出、あるいは、第2入力部による特定の指示の入力の検出のいずれかをもって、生体情報測定装置を起動させるようにしてもよい。この場合にも、上述と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0096】
10 表示部(情報報知部、インピーダンス報知部)
20 測定経路切替回路
30 インピーダンス測定回路(インピーダンス測定部)
60 記憶部
70 CPU(第1推定部、第2推定部、入力検出部、駆動制御部)
100,200,300,400 生体情報測定装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の生体情報を測定可能な第1状態と、指示を入力可能な第2状態との間で状態が遷移する生体情報測定装置において、
生体の特定部位の電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
前記第1状態において前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定の生体情報を推定する第1推定部と、
前記第2状態において前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2推定部と、
前記第2推定部に推定された緊張度に基づいて、指示の入力を検出する入力検出部と
を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記入力検出部は、前記第2推定部に推定された緊張度が予め定められた基準値以上の場合には、予め定められた指示の入力を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記入力検出部は、前記第2推定部に推定された緊張度が、予め定められた複数の数値範囲のいずれかに属する場合には、前記複数の数値範囲に予め対応付けられた互いに異なる複数の指示のうち、当該緊張度が属する前記数値範囲に対応付けられた指示の入力を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記インピーダンス測定部に測定される前記特定部位を切り替える切替部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記第1推定部に推定された前記特定の生体情報を報知する情報報知部と、
前記情報報知部が駆動されていないときに、特定の指示の入力が前記入力検出部に検出されると、当該生体情報測定装置全体の駆動を開始する駆動制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
前記インピーダンス測定部に測定された電気インピーダンスを報知するインピーダンス報知部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
生体の特定部位の電気インピーダンスを測定して特定の生体情報を推定する生体情報測定装置において指示の入力を検出する方法であって、
生体の特定部位の電気インピーダンスを測定する第1ステップと、
前記第1ステップで測定された電気インピーダンスに基づいて、前記特定部位の筋肉の緊張度を推定する第2ステップと、
前記第2ステップで推定された緊張度に基づいて指示の入力を検出する第3ステップと
を有することを特徴とする生体情報測定装置の入力検出方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−20109(P2012−20109A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50921(P2011−50921)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】