説明

生体測定装置

【課題】生体情報の表示順序を利用者自身が任意に変更することができ、測定の度に利用者に余計な動作を強いることなく、知りたい生体情報を直ぐに見ることができる利便性に富んだ生体測定装置を提供する。
【解決手段】複数の生体情報を取得する生体情報取得手段と、生体情報取得手段を用いて取得した生体情報を順次表示する生体情報表示手段と、生体情報表示手段が表示する生体情報の表示順序を変更する表示順序変更手段と、を備える。また、生体情報と表示順序との対応を示す表示順序テーブルを記憶した記憶手段と、利用者が希望する生体情報の表示順序情報を入力する入力手段と、を備え、表示順序変更手段は、入力手段によって入力された表示順序情報にしたがって、記憶手段に記憶された表示順序テーブルを書き換える。表示順序情報は、最初に表示する生体情報を指定する情報である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の生体情報を取得する生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の体重、脂肪率、骨量その他の生体情報を取得することのできる種々の生体測定装置が開発され、広く利用されている。一般的には、利用者の生体電気インピーダンス、体重、年齢、性別その他の生体情報を測定又は入力によって取得するとともに、この取得された生体情報を用いて、脂肪率その他の生体情報を推定値として算出により取得することができるものがある。このようにして取得された生体情報は、生体測定装置に設けられた表示部に表示されるようになっている。
【0003】
ここで、取得される生体情報の種類は多岐に渡るところ、表示部の画面の大きさにも限りがあることから、取得された生体情報を一度に表示させるのは困難であり、また、取得された生体情報を一度に表示すると、利用者にとっては見易い表示とは言えず、利便性に欠ける場合がある。そのため、従来の生体測定装置にあっては、生体情報の種類に応じた表示ボタンを設け、例えば脂肪率ボタンを利用者が押すと脂肪率が表示されるというようにして、取得された生体情報を1つずつ表示させるような表示方法が採択されている。また、例えば、1番目に体重、2番目に脂肪率、3番目に内臓脂肪レベル、4番目に基礎代謝量等のように予め定められた順序で、各生体情報の内容を順次表示(スクロール表示)する生体測定装置も増えつつある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−204703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、生体情報の種類に応じた表示ボタンを設け、利用者が押すことで表示させるものにあっては、生体情報の種類の数に応じた複数の表示ボタンを備え付けておかなければならず、生体測定装置が外観上煩雑なデザインとなってしまう。また、表示ボタンが設けられている部位が、例えば生体測定装置の本体の上面部などである場合には、利用者が知りたい生体情報を見る度に、即ち利用者が表示ボタンを操作する度に、屈む姿勢をとる必要があり、余計な動作を強いるものとなっていた。
【0006】
一方、生体情報の内容を順次表示(スクロール表示)する生体測定装置にあっては、生体情報はメーカーが予め定めた順序でのみ表示され、かつ、その表示順序を利用者が変更することができないという問題がある。例えば、生体測定装置を家庭で用いる場合、生体測定装置は家族の各人が利用するものであって、利用者によって知りたい生体情報が異なることも考えられるところ、従来の生体測定装置では、所定の順序でのみ表示されるものであるため、利用者が知りたい生体情報が直ぐには表示されず、その生体情報が表示されるまで待っていなければならなかった。また、同一の利用者であっても、その利用者の年齢や健康状態などの変化に応じて、知りたい生体情報が変わっていく場合もある。
【0007】
そこで本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、生体情報の表示順序を利用者自身が任意に変更することができ、測定の度に利用者に余計な動作を強いることなく、知りたい生体情報を直ぐに見ることができる利便性に富んだ生体測定装置を提供することを目的とする。また、生体測定装置の複数の利用者のそれぞれについて、別個の表示順序を設定することができ、個々の利用者において最も知りたい生体情報が異なる場合であっても、使い勝手の良い生体測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の生体測定装置においては、複数の生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報取得手段を用いて取得した前記生体情報を順次表示する生体情報表示手段と、前記生体情報表示手段が表示する前記生体情報の表示順序を変更する表示順序変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の生体測定装置においては、前記生体情報と前記表示順序との対応を示す表示順序テーブルを記憶した記憶手段と、利用者が希望する前記生体情報の表示順序情報を入力する入力手段と、を備え、前記表示順序変更手段は、前記入力手段によって入力された前記表示順序情報にしたがって、前記記憶手段に記憶された前記表示順序テーブルを書き換えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の生体測定装置において、前記表示順序情報は、最初に表示する生体情報を特定する情報であって、前記表示順序変更手段は、前記表示順序情報にしたがって、特定された生体情報の表示順位を第1位とするとともに、前記特定された生体情報以外の生体情報に対応する表示順序を順次指定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の生体測定装置において、前記表示順序情報は、総ての前記生体情報の表示順序を特定する情報であって、前記表示順序変更手段は、前記表示順序情報にしたがって前記表示順序テーブルを書き換えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の生体測定装置において、前記表示順序情報の入力は、順次表示される前記生体情報の表示中に前記入力手段が長押しされることによって行われるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の生体測定装置において、前記表示順序情報は、同時に表示する生体情報を特定する情報を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の生体測定装置において、前記表示順序変更手段は、利用者ごとに定められた表示順序に変更が可能なことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の生体測定装置において、前記生体情報は、身長、体重、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、基礎代謝量、骨量、除脂肪量、体細胞量、血圧、内臓脂肪面積、BMI、肥満度、細胞内液量、又は細胞外液量のうちの少なくとも2以上を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者にとって最も知りたい生体情報を最初に表示させるなど、生体情報の表示順序を利用者自身が任意に特定・変更することができるため、測定の度に利用者に余計な動作を強いることなく、知りたい生体情報を直ぐに見ることができ、利便性に富んだ生体測定装置を提供することができる。また、生体測定装置の複数の利用者のそれぞれについて、別個の表示順序を設定することができ、個々の利用者において最も知りたい生体情報が異なる場合であっても、使い勝手の良い生体測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態として、体組成計に適用した場合の生体測定装置10について、図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、本実施形態は、本発明を体組成計に適用した場合の実施形態を示すが、本発明は体組成計以外の生体測定装置(例えば、体脂肪計付き体重計)に対しても適用可能である。
【0018】
まず、本実施形態に係る生体測定装置10の構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、生体測定装置10の構成を示す斜視図、図2は、生体測定装置10の構成を示すブロック図、図3(a)は、初期状態における表示順序テーブルの例を示す図、図3(b)は、再設定後の表示順序テーブルの例を示す図である。
【0019】
図1に示すように、生体測定装置10は、本体11と、本体11の上面11aに設けられた表示部21、操作部22、及び電極部材32と、本体11の側面11bに設けられたフットスイッチ23と、を備え、さらに、図2に示すように、内部には、電流供給部33、電圧測定部34、体重測定部35、制御部40、記憶部41(例えばRAM(Random Access Memory))、及び演算部42を備える体組成計である。以下に、各部材の詳細な構成について説明する。
【0020】
表示部21(生体情報表示手段)は、例えば液晶表示パネルを用い、操作部22(生体情報取得手段)は、例えば複数のボタンスイッチで構成する。表示部21及び操作部22は、例えばタッチパネル機能付き液晶パネルを用いて一体化してもよい。フットスイッチ23(生体情報取得手段)は、利用者が立ったまま足で操作がしやすい複数のスイッチで構成されていれば良く、本体11の側面11b以外の部位(例えば上面11aなど)に設けてもよい。利用者は操作部22及び/又はフットスイッチ23を操作することにより、生体情報(例えば身長、年齢、性別)を入力することができるようになっている。このように入力により取得された生体情報は、記憶部41に記憶される。
【0021】
フットスイッチ23は、制御部40に接続され、制御部40に信号を送ることにより生体測定装置10をオン・オフすることができ、また、個人情報や設定事項を予め記憶部41に保存しておいた場合には、その個人情報や設定事項を個別に呼び出すことができるようになっている。例えば、生体測定装置10を複数の利用者で利用する場合(例えば、家庭での使用の場合)には、複数のフットスイッチ23の各々を、各利用者に割り当て、利用者は、割り当てられたフットスイッチ23を押すことにより、自己の個人情報や設定事項を個別に呼び出すことができるように構成するのが好ましい。ここで、個人情報は、利用者個人の身長、年齢、性別などの生体情報を含む。また、設定事項とは、利用者が生体測定装置10を使用する上での設定事項であり、例えば、表示部21に表示される生体情報の文字や記号の大きさ、生体情報の種類、さらには、後述の生体情報を表示させる表示順序等である。
【0022】
図1に示すように、電極部材32は、4枚の電極部材32a、32b、32c、32dを備えている。利用者が表示部21、操作部22側を向くように載った場合に、利用者のつま先が接触する電極部材32a、32dを通電電極、かかとが接触する電極部材32b、32cを測定電極としている。通電電極32a、32dには電流供給部33が接続され、制御部40からの指示信号にしたがって所定の微弱な定電流が供給されるようになっている。一方、測定電極32b、32cには電圧測定部34が接続され、測定電極32b、32cにおける電位差(電圧)が測定され、測定結果は制御部40へ出力される。これにより、両足のつま先間に、両脚部(下半身)を介して電流を流し、この電流経路に発生する電位差(電圧)をかかと間で測定することができるようになっている。なお、これらの電極部材32に加えて、利用者の両手でそれぞれ把持することのできる電極部材(手電極。図に示さず。)を設けることもできる。
【0023】
生体測定装置10の内部には体重測定部35が設けられている(図2)。体重測定部35の構成は公知のものを適宜採択可能であり、具体的には、荷重を掛けると荷重に応じて変形する金属部材からなる起歪体と、起歪体に装着される歪みゲージと、からなるロードセルを用いることにより、荷重に応じた抵抗値の変化により利用者の体重を測定するようにすればよい。
【0024】
図2に示すように、表示部21、操作部22、フットスイッチ23、記憶部41、及び演算部42は、制御部40に接続され、制御部40によって動作が制御されるようになっている。制御部40及び演算部42は、それぞれ集積回路で構成されることが好ましい。さらに、制御部40及び演算部42は別個の集積回路で構成することもできるが、共通の集積回路を用いても良い。また、制御部40は、操作部22、フットスイッチ23、電圧測定部34、及び体重測定部35から送られたデータを処理する。データの処理は、制御部40の制御のもと、演算部42で行い、演算結果は記憶部41に記憶される。この記憶部41には、データの処理に必要な情報、プログラム、及び、後述の表示順序テーブルが予め保存されている。
【0025】
制御部40は、電流供給部33に対して、通電電極32a、32dに与える電流量を指示する信号を出力し、これを受けた電流供給部33は通電電極32a、32dへ定電流を出力することが可能である。電流印加によって生じた電圧は測定電極32b、32c間で電圧測定部34にて測定されて、測定結果が制御部40へ出力されるようになっている。
【0026】
また、制御部40は、体重測定部35のロードセル(図に示さず)から得られた抵抗値が入力されると、演算部42に対して、記憶部41に記憶されたプログラムにしたがって、電圧測定部34において測定された電圧値及び印加した電流値から利用者の生体電気インピーダンスを、体重測定部35において測定された抵抗値から体重を、それぞれ算出させ、記憶部41に記憶させる。さらに、制御部40は、入力により取得された生体情報(身長、性別、年齢)、及び算出により取得された生体情報(生体電気インピーダンス、体重)に基づいて、他の生体情報(例えば、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、基礎代謝量、骨量、除脂肪量、体細胞量、血圧、内臓脂肪面積、BMI(Body Math Index)、肥満度、細胞内液量、細胞外液量)を算出するように、演算部42に指示し、演算部42はこれらの生体情報を算出し、算出結果は記憶部41に保存される。
【0027】
記憶部41には、各生体情報とその表示順序の対応を示すテーブル(表示順序テーブル)が記憶されている。図3に例示する表示順序テーブルでは、生体情報の総数はK個である。例えば出荷時などの初期状態(図3(a))では、例えば、表示順序第1位から、体重、身長、年齢、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、・・・(途中省略)・・・、除脂肪量、体細胞量、内蔵脂肪面積の順に、第K位まで設定されている。
【0028】
本実施形態では、このような初期状態の表示順序を、利用者によって任意に選択された生体情報を表示順位第1位として変更することができるものである。新たに第1位の生体情報が設定されると、この第1位に設定された生体情報(特定された生体情報)よりも後の順位を有していた生体情報(特定された生体情報以外の生体情報)については、初期状態の順序を保ったまま順位が順次繰り下げられる。これに対して、初期状態において第1位に設定されていた生体情報よりも前の順位を有していた生体情報(特定された生体情報以外の生体情報)については、第1位に設定された生体情報の直前の順位の生体情報が第K位に、その前の順位の生体情報が第K−1位、さらに前の順位の生体情報が第K−2位に、という形で順次表示順位が再設定される。図3(b)に示す具体例について以下に説明する。
【0029】
図3(b)は、再設定後の表示順序テーブルの例を示している。利用者の最初に表示させたい生体情報が「脂肪率」である場合の、表示順序の書き換えは、表示順位の第1位に「脂肪率」が設定されると、初期状態において「脂肪率」の次の表示順位(第5位)であった「内臓脂肪レベル」を第2位とし、初期状態において「内臓脂肪レベル」の次の表示順位(第6位)であった「体水分量」は第3位とする、というように順次変更することによって新たな表示順位が自動的に再設定されるようにする。一方、初期状態において「脂肪率」よりも前の表示順位であった生体情報(年齢、身長、体重)については、「脂肪率」の直前の順位(第3位)であった「年齢」に第K位の表示順位を、さらにその前の順位(第2位)であった「身長」に第K−1位を、というようにして順次表示順位を与えることによって、表示順位が自動的に再設定されるようにする。
【0030】
以上のような表示順位の再設定は、生体情報のスクロール表示中であって、第1位を希望する生体情報が表示中に、利用者が操作部22又はフットスイッチ23の所定のボタンを長押しすることによって行うと、極めて簡単な操作による表示順位の再設定が可能である点で好ましいが、その他の方法で再設定するようにしてもよい。ボタンが長押し等されることによって、表示順序第1位を希望する生体情報が特定されると、前記のようにして、制御部40は、演算部42に予め記憶されたプログラムにしたがって、記憶部41内の表示順位テーブルを書き換える。
【0031】
次に、図4を参照しつつ、表示順位の変更(再設定)の流れについて説明する。図4は、生体情報の表示順位の再設定の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態では、一例として、第1回目の生体測定に係る利用者の生体情報の取得(入力による取得及び算出による取得を含む)が完了し、その生体情報の初期状態でのスクロール表示の際に、第2回目の生体測定時に備えて、生体情報の表示順序を変更するための再設定を行う場合について説明するものであるが、何回目の測定時に再設定を行うかについては利用者の自由に委ねられるものである。
【0032】
予め、制御部40が、K個の生体情報の表示順序テーブルにおける第N位(Nは1〜K)の生体情報を、表示部21において表示する指示を行うように、プログラムを定めておく。生体情報のスクロール表示を行うために、まずはNの値として1を入力して、このNの値を記憶部41に保存する(ステップS1)。つづいて、制御部40は、表示順序テーブルを参照し、表示順序が第1位の生体情報(図3(a)では「体重」)を表示部21に表示する指示を行う(ステップS2)。
【0033】
初期状態において第2位(図3(a)では「身長」)から第K位(図3(a)では「内蔵脂肪面積」)までに設定されているいずれかの生体情報を第1位に設定したい場合、利用者は操作部22を操作することなく、表示部21に所望の生体情報が表示されるまで待機する(ステップS3でNO)。この場合、制御部40は、初期状態における表示順序第1位の生体情報を表示部21へ表示した後、所定時間(例えば3秒)の間に利用者の操作に基づく操作信号の出力を受けないときは、NがKになっていないことを確認(ステップS5でNO)した後、記憶部41において保存されているNをインクリメントした新たなNに書き換える指示を行う(ステップS6)。これにより、制御部40は、表示順序テーブル(図3(a))新たなNに対応する表示順位を有する生体情報(第N位の生体情報)として、初期状態における表示順序第2位の生体情報(図3(a)では「身長」)を表示部21に表示させる(ステップS2)。同様の処理を繰り返して、表示部21に所望の生体情報(図3(a)の「脂肪率」)が表示されるまで、利用者は操作部22を操作せずに待機する。なお、利用者が待機状態を続け、前記と同様の処理を繰り返した結果、NがKにまで達した場合には(ステップS5でYES)、総ての生体情報が表示し終えたものとして、表示を終了する(ステップS7)。
【0034】
ここで、表示部21に表示された生体情報を表示順位第1位に設定したい場合(最初に表示させたい場合)、例えば、所望の生体情報(図3(a)の「脂肪率」)が表示部21に表示されている間に操作部22やフットスイッチ23を一定時間(例えば2秒)長押しするなどして、最初に表示する生体情報を特定する(ステップS3でYES)。操作部22やフットスイッチ23の長押し等によって所望の最初に表示する生体情報が特定された場合は、制御部40は、現在表示されている生体情報を新たに第1位の表示順序にするという表示順序情報を受けたものとして、表示順序テーブルにおいて、現在表示されている生体情報(図3(a)の「脂肪率」)に対応する表示順位(図3(a)の第4位)を第1位に書き換える処理を行う(ステップS4)。さらに、制御部40は、表示順序テーブルにおいて、第1位に設定された生体情報(図3(b)の脂肪率)につづく生体情報に対して、順次新たな表示順位を付す(ステップS4)。すべての生体情報について、第K位まで表示順位を付けたところで、表示を終了する(ステップS7)。
【0035】
このようにして表示順序テーブルが書き換えられることによって、次回以降の生体測定装置10を用いた生体測定においては、表示部21に最初に表示される生体情報は、利用者が前記のように特定した所望の生体情報とすることが可能であり、通常の使用方法にしたがって生体測定を行うだけでよいので、それ以外の動作を利用者に強いることもなく、利便性がよいものとなる。
【0036】
以上の説明は、生体情報の計測直後に、取得された生体情報が自動的にスクロール表示されているときに、所望の生体情報のところで操作部22又はフットスイッチ23を操作して第1位の表示順位を再設定するものである。しかし、本発明は、これに代えて、生体測定とは独立して表示順位の再設定を可能とするモードを設けることにより、任意のときにこのモードに切り替えて表示順位の再設定を行うようにしてもよく、この場合は、一例として次のように行えばよい。(1)利用者が生体測定装置10を起動させる。(2)表示順序テーブルの変更を行うモードを選択する。(3)表示部21において表示可能な生体情報を一覧表示又はスクロール表示させる。(4)最初に表示する生体情報を操作部22やフットスイッチ23によって選択して特定する。(5)特定された最初に表示する生体情報に対応する表示順位を第1位とする表示順序テーブルの書き換えを行う。(6)表示順序テーブルの変更を行うモードを終了する。
【0037】
また、表示順序テーブルは複数用意することが好ましい。複数用意することにより、利用者ごとに異なる表示順序テーブルを設定することができるからである。この場合、表示順位第1位としたい生体情報を特定するために操作するのは、利用者ごとに振り分けられたフットスイッチ23とするのが好適であり、このようにフットスイッチ23に連動させて、利用者ごとに異なる表示順序テーブルの書き換えができるように構成するとよい。
【0038】
さらに、以上の表示順位の再設定は、初期設定(出荷時)のものを変更するのみならず、再設定後に利用者の状況の変化に応じて、又は、利用者が希望するときに、いつでも、何回でも行うことができるようになっている。
【0039】
以下に変形例について説明する。上述の説明では、複数の生体情報のうちの一つを第1位の表示順位とし、それ以外の生体情報については初期状態の順序にしたがって自動的に表示順位を繰り下げる処理を行うこととしていたが、これに代えて、すべての生体情報の表示順位をそれぞれ特定することができるようにしてもよい。以下、図5を参照して、この変形例における表示順位の再設定について説明する。ここで、図5は、変形例における生体情報の表示順位の再設定の流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、制御部40は、Nの値として1を入力して、Nの値を記憶部41に保存する(ステップS11)。つづいて、制御部40は、表示順序テーブルを参照し、初期状態における表示順序が第1位の生体情報を表示部21に表示する(ステップS12)。
【0041】
利用者は、操作部22を操作して、表示部21に表示された生体情報の表示順位(表示順序情報)を入力する(ステップS13)。制御部40は、表示順序テーブルとは別の記憶領域に、入力された表示順位を生体情報に対応させて記憶する(ステップS14)。
【0042】
次に、制御部40は、NがKになっていないことを確認した後に(ステップS15でNO)、記憶部41において保存されているNをインクリメントした新たなNに書き換える指示を行う(ステップS17)。
【0043】
つづいて、制御部40は、表示順序テーブルを参照して、新たなNに対応する初期状態における表示順位を有する生体情報を表示部21に表示する(ステップS12)。これに対して、利用者は、操作部22を操作して、表示部21に表示された生体情報の表示順位を入力する(ステップS13)。制御部40は、表示順序テーブルとは別の記憶領域に、入力された表示順位を生体情報に対応させて記憶する(ステップS14)。制御部40は、NがKになるまで上記の処理を繰り返し、NがKに至り、すべての生体情報について表示順位が再設定されたところで(ステップS15でYES)、記憶部41に記憶した新たな表示順位を表示順序テーブルに上書きして、あらたな表示順位を設定(ステップS16)して処理を終了する(ステップS18)。
【0044】
このように、すべての生体情報の表示順位を再設定できるものとすると、利用者の希望に、より即した情報を提供することができる。なお、これ以外の作用、効果は上述の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
また、上述の実施形態に係る生体測定装置10では、図1に示すような体組成計として説明し、利用者の身長は利用者自身の入力によって取得されるものであったが、例えば、身長計を備えた体組成計として構成し、利用者の身長を入力ではなく測定によって取得するようにしてもよい。
【0046】
また、上述の実施形態に係る生体測定装置10では、表示部21に表示される生体情報は、1種類ずつ順次表示するものを説明したが、本発明はこれに限られず、任意の複数種類の生体情報を一度に表示する設定ができるように構成しても良い。この場合、表示順序情報として、同時に表示する生体情報を特定する情報を含むようにすればよく、例えば、生体情報のうち、「体重」と「脂肪率」とを最初に表示する設定や、「脂肪率」と「除脂肪量」と「内臓脂肪面積」とを最初に表示する設定ができるように構成すると、利用者が知りたい生体情報(最初に表示する生体情報)が複数ある場合にも対応できるので、好適である。また、最初に表示する生体情報を複数種類として、その後にスクロール表示される生体情報は1種類ずつとしたり、または反対に、最初に表示する生体情報を1種類として、その後にスクロール表示される生体情報は複数種類とするように構成してもよく、適宜変更が可能である。
【0047】
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る生体測定装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る生体測定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、初期状態における表示順序テーブルの例を示す図、図3(b)は、再設定後の表示順序テーブルの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における生体情報の表示順位の再設定の流れを示すフローチャートである。
【図5】変形例における生体情報の表示順位の再設定の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10 生体測定装置
11 本体
21 表示部(生体情報表示手段)
22 操作部(生体情報取得手段、入力手段)
23 フットスイッチ(生体情報取得手段)
32 電極部材(生体情報取得手段)
32a 通電電極(電極部材)
32b 測定電極(電極部材)
32c 測定電極(電極部材)
32d 通電電極(電極部材)
33 電流供給部
34 電圧測定部(生体情報取得手段)
35 体重測定部(生体情報取得手段)
40 制御部(表示順序変更手段)
41 記憶部(記憶手段)
42 演算部(入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報取得手段を用いて取得した前記生体情報を順次表示する生体情報表示手段と、
前記生体情報表示手段が表示する前記生体情報の表示順序を変更する表示順序変更手段と、を備えること
を特徴とする生体測定装置。
【請求項2】
前記生体情報と前記表示順序との対応を示す表示順序テーブルを記憶した記憶手段と、利用者が希望する前記生体情報の表示順序情報を入力する入力手段と、を備え、前記表示順序変更手段は、前記入力手段によって入力された前記表示順序情報にしたがって、前記記憶手段に記憶された前記表示順序テーブルを書き換えることを特徴とする請求項1に記載の生体測定装置。
【請求項3】
前記表示順序情報は、最初に表示する生体情報を特定する情報であって、前記表示順序変更手段は、前記表示順序情報にしたがって、特定された生体情報の表示順位を第1位とするとともに、前記特定された生体情報以外の生体情報に対応する表示順序を順次指定することを特徴とする請求項2に記載の生体測定装置。
【請求項4】
前記表示順序情報は、総ての前記生体情報の表示順序を特定する情報であって、前記表示順序変更手段は、前記表示順序情報にしたがって前記表示順序テーブルを書き換えることを特徴とする請求項2に記載の生体測定装置。
【請求項5】
前記表示順序情報の入力は、順次表示される前記生体情報の表示中に前記入力手段が長押しされることによって行われるものであることを特徴とする請求項3に記載の生体測定装置。
【請求項6】
前記表示順序情報は、同時に表示する生体情報を特定する情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の生体測定装置。
【請求項7】
前記表示順序変更手段は、利用者ごとに定められた表示順序に変更が可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の生体測定装置。
【請求項8】
前記生体情報は、身長、体重、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、基礎代謝量、骨量、除脂肪量、体細胞量、血圧、内臓脂肪面積、BMI、肥満度、細胞内液量、又は細胞外液量のうちの少なくとも2以上を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の生体測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−50528(P2009−50528A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221140(P2007−221140)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】