説明

生体測定識別

生体測定の分野は、生物種の全構成員の間で異なりうる特徴を識別することによって、生物種の構成員を識別および/または特徴付けする方法、ならびに識別可能な特徴に少なくとも部分的に基づいてその生物種の構成員を区別する方法に関連する。本出願は生体測定識別の分野に関係し、より具体的には、頭蓋骨縫合線の生体測定的検出に少なくとも部分的に基づく識別の分野に関係する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本明細書に開示する内容は、2006年4月7日を提出日とし参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第11/399,752号「Biometric Identification」に対する優先権を主張する。
【0002】
分野
本出願は生体測定識別の分野に関係し、より具体的には、頭蓋骨縫合線の生体測定的検出に少なくとも部分的に基づく識別の分野に関係する。
【背景技術】
【0003】
背景
生体測定の分野は、生物種の全構成員の間で異なりうる特徴を識別することによってその生物種の構成員を識別および/または特徴付けする方法、ならびに、識別可能な特徴に少なくとも部分的に基づいてその生物種の構成員を区別する方法に関連しうる。
【発明の開示】
【0004】
本明細書が主張する内容は、以下に示す詳細な説明および添付の態様の図面からよりよく理解されると考えられる。これらの説明および図面は、主張される内容を、記述される特定の態様に限定するものとして取られるべきではなく、説明および理解のみを目的とする。
【0005】
詳細な説明
以下の詳細な説明では、主張される内容の十分な理解を提供するため、多数の具体的な詳細を示す。しかし当業者には、これらの具体的な詳細なしでも主張の内容を実施できる可能性があることが理解されると考えられる。このほか、周知の方法、手順、構成部品、および/または回路が詳しく説明をされていない場合もある。
【0006】
生体測定の情報は、例として指紋および虹彩の識別によって取得されることがある。指紋識別の問題点としては指の胼胝および/または摩耗などがあり、これらは指紋に基づく検出および識別を曖昧にする可能性がある。虹彩識別の問題点としては、眼の位置決め、ならびに、眼瞼および睫毛により眼が覆い隠されることなどがある。
【0007】
図1は、生体測定識別に用いてもよいシステムの1つの態様を100に示したブロック図である。1つの態様において、システム100は分析モジュール110を含んでいてもよい。分析モジュール110は、検出モジュール120と連結および/または連絡していてもよい。検出モジュール120は、被験体130から生体測定識別子132を識別できてもよい。
【0008】
被験体130は、非限定的にヒトなどである哺乳動物であってもよい。被験体130は、検出モジュール120によって検出できてもよい生体測定識別子132を持っていてもよい。生体測定識別子132は、頭蓋骨縫合線もしくは別の生体測定識別子、および/またはそれらの組合せであってもよい。頭蓋骨縫合線は、哺乳動物の若齢期に頭蓋の様々なプレートが一緒に成長する際に形成されうる。頭蓋骨縫合線は軟骨であってもよく、且つ/または、頭蓋の骨から識別可能となりうる他の物質であってもよい。頭蓋骨縫合線は、その詳細がいくぶんランダムである可能性があり、且つ、本質的に個々の個人および/または被験体に特有である可能性があることから、生体測定識別子として利用できる可能性がある。さらに、頭蓋骨縫合線は、識別を妨げるような不明瞭化および/または変更を容易に受けない可能性がある。
【0009】
被験体130は、ウシ、ウマ、イヌなど、家畜化された哺乳動物であってもよい。健康面の理由で食肉用動物を追跡するために、この生体測定識別を利用してもよい。さらに、イヌおよびウマなどの展覧用動物および/または競走用動物を識別して、素性を保証し且つ/または盗難および盗難動物輸送を防止するために、生体測定識別を利用してもよい。生体測定識別子を利用して、他の多くの哺乳動物および他の被験体を識別してもよい。
【0010】
検出モジュール120は、磁気共鳴映像法(MRI)、X線、赤外光、ミリメートル波映像法、音響航法および測距(SONAR)、無線探知および測距(RADAR)、および/もしくは他の検出方法、ならびに/またはそれらの組合せを含んでいてもよい。これらの方法は、生体測定識別子132を検出するための非侵襲的な手段を提供してもよい。MRIは、骨と軟骨との区別を提供してもよい。
【0011】
赤外光は皮膚を貫通できる場合があり、そして異なる物質による反射および/または吸収によってそれら異なる物質を区別できる場合がある。反射および/もしくは透過、ならびに/またはそれらの組合せによって赤外光検出を得てもよい。側方または下方から安全なレベルで赤外光源を照射することを利用して、縫合線を明らかにしてもよい。
【0012】
きわめて高周波の波が比較的長波の赤外光に移り変わる電磁スペクトルとして知られる連続体を光波および/または電波が形成しうる場合に、ミリメートル波映像法を含んでもよい。きわめて高周波の波が比較的長波の赤外光に移り変わる移行領域は、好適なミリメートルおよびサブミリメートルの波長を撮像に利用できる領域でありうる。ミリメートル波映像法は、衣服を貫通できる場合があり、且つ、皮膚バリアを通過する時に速やかに吸収されてもよい。ミリメートル波映像法には、断層撮影法およびホログラフィック撮影法、ならびにその他多数が含まれうる。
【0013】
頭蓋骨縫合線は、皮膚下の比較的短い距離にあるため、容易に撮影できる可能性がある。ミリメートル波は、皮膚および衣服を通過するが、金属は通過しない可能性がある。縫合線は、ミリメートル波カメラの下または隣で短時間静止することによって、撮影できる可能性がある。いくつかの処理を伴って、安全、迅速、非侵襲的、且つ比較的正確に画像を取得できる可能性がある。
【0014】
分析モジュール110は転換モジュール112を含んでいてもよい。転換モジュール112は、検出モジュール120から信号を受け取り、そしてその受け取った信号をデータに転換できてもよい。データは、保存するか、且つ/または、保存された他のデータとの比較に利用してもよい。転換モジュール112はまた、このデータを比較モジュール114に転送できてもよい。
【0015】
比較モジュール114は、転換モジュール112からデータを受け取り、そしてそのデータをデータベース116の保存データと比較できてもよい。被験体130を識別するため、生体測定識別子132の表現に対応していてもよいデータを、同様の保存データと比較してもよい。データをマッチングできない場合は、そのデータを、データが対応していてもよい被験体の識別と共に、データベース116に保存してもよい。これにより、データと識別子データベースに保存されたデータとの比較に少なくとも部分的に基づいて、比較的非常に可能性が高い被験体をもたらしてもよい。
【0016】
1つの態様において、生体測定識別子132は、画像中の構造として捉えられてもよい頭蓋骨縫合線であってもよい。画像は、画像および/または縫合線をデジタル化したものであってもよい。いったんデジタル化されたら、画像および/または縫合線は、グラフおよび/または位置の何らかの関数として表現されてもよい。1つの態様において、表現は基準線であってもよく、縫合線はその基準線からの距離のグラフとして表現されてもよい。この態様において、縫合線は基準線と交差していてもよく、これはゼロ交差を表すものであってもよい。次に、生体測定識別子132を、グラフ、ゼロ交差、および/もしくはグラフの他の特徴、および/もしくは縫合線、ならびに/またはこれらの組合せによって表現してもよい。
【0017】
このグラフ法の多くの特徴により、生体測定識別子132をも表現および/または記述するための表現および/または他の特徴がもたらされてもよい。これには、様々な値を表示することおよび差の二乗の合計を測定することが含まれうるが、それらに限定されるわけではない。さらに、ゼロ交差の数および/もしくはゼロ交差間の距離、ならびに/またはそれらの組合せを利用してもよい。本開示内容がこの点に関して限定されないことが意図される。
【0018】
別の態様は、縫合線および/またはグラフの一連の短い断片を利用し、それらの差を求め、そして、生体測定識別子132を少なくとも部分的に記述しうる特徴を導出するため、この差をグラフに沿って量子化することを含んでいてもよい。変換は、フーリエ変換、相変換、周波数変換、周波数分離変換、離散的変換、離散的コサイン変換、離散的ウェーブレット変換、および/もしくは他の変換、ならびに/またはそれらの組合せを含んでいてもよいが、それらに限定されるわけではない。生体測定識別子の識別に利用できる特徴データをもたらすために、多数の変換が利用できることが理解されると考えられる。本開示内容がこの点に関して限定されないことが意図される。
【0019】
さらに別の態様は、マッチング追跡(matching pursuit)を利用することによって、且つ/または生体測定識別子132を記述するためのコードブックを利用することによって、少なくとも部分的に識別子をコーディングするものであってもよい。コードブックには、頭蓋骨縫合線の特徴的な特色、および/または全般的な波形、ならびにその他多数が含まれうるが、それらに限定されるわけではない。本開示内容がこの点に関して限定されないことが意図される。
【0020】
生体測定識別子と既知の識別子との比較は、2つのマッチングを含んでいてもよい。このことは距離計測(distance metric)の利用を伴っていてもよく、距離計測には、それらの間の距離を測定すること、ならびに/または、ゼロ交差間の距離、ハミング距離、および/もしくは他の特徴を測定することなどがあるが、それらに限定されるわけではない。本開示内容がこの点に関して限定されないことが意図される。
【0021】
図2に、1つの態様に基づく、頭蓋200の上面図を示す。頭蓋200には、前頭縫合線210、ならびに矢状縫合線212およびラムダ縫合線214が含まれうる。前頭縫合線210は頭蓋200の左右前頭骨の間に存在しうる。矢状縫合線212は左右頭頂骨の間に存在しうる。ラムダ縫合線214は後頭骨と左右頭頂骨との間に存在しうる。
【0022】
頭蓋200には右冠状縫合線216および左冠状縫合線218が含まれうる。頭蓋200にはまた、左鱗状縫合線220(隠れている)および右鱗状縫合線222(これも隠れている)も含まれうる。右冠状縫合線216は、右前頭骨と右頭頂骨とを隔てうる。左冠状縫合線218は、左前頭骨と左頭頂骨とを隔てうる。
【0023】
前頭縫合線210、矢状縫合線212、右冠状縫合線216、および/もしくは左冠状縫合線218、ならびに/またはそれらの組合せを、上方およびいくぶん前方から撮影してもよい。同様に、ラムダ縫合線214、左鱗状縫合線220、および/もしくは右鱗状縫合線222、ならびに/またはそれらの組合せを、後方および/または側方から撮影してもよい。用途に応じて、異なる縫合線を、単独または組合せで、識別の目的で撮影してもよい。
【0024】
図3は、1つの態様に基づく方法を300に示した工程系統図である。方法300は、310において識別子を検出する段階を含んでいてもよい。頭蓋骨縫合線を含んでいてもよい生体測定識別子を被験体から検出してもよい。次に、312において、縫合線の画像をデータに転換してもよい。
【0025】
データは、検出された識別子と既知の識別子との比較316を可能にするような形式であってもよい。検出された識別子と既知の識別子との比較は、検出された識別子316に少なくとも部分的に基づいて被験体を識別することをもたらしてもよい。生体測定識別のシステムおよび方法を利用して、大きな母集団から被験体を同定してもよい(1対多マッチング)。さらに、生体測定のシステムおよび方法を利用して、被験体が彼らの主張する者であることを確認してもよい(1対1マッチング)。同方法およびシステムによって、最も可能性が高い被験体を同定するか、または可能性が高い被験体のリストを同定してもよい。この決定は、識別子マッチングの各部分の既定のパーセンテージに少なくとも部分的に基づいていてもよいが、他にも決定因子があってもよい。
【0026】
318において、検出された識別子を保存してもよい。このことにより、他の既知の識別子および/もしくは検出された識別子ならびに/またはそれらの組合せとのさらなる比較において、その識別子を利用することが可能になってもよい。320において、同方法は継続する。
【0027】
次に図4を参照しながら、1つまたは複数の態様に基づいて生体測定識別を行える演算プラットフォームのブロック図について説明する。注意されるべき点として、図4の演算プラットフォーム400は、演算プラットフォームの1つのタイプにすぎず、図4に示したものより多いか、少ないか、且つ/または異なる構成要素を持つ他の演算プラットフォームを実施してもよく、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。1つまたは複数の態様において、演算プラットフォーム400を利用して、処理/方法300の全体を実施するか、且つ/または、図4に示したブロックより多いか且つ/もしくは少ないブロックを用いて処理/方法300を実施してもよく、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。演算プラットフォーム400は、バックサイドバス411を介してキャッシュランダムアクセスメモリ(RAM)412に連結されたプロセッサ410を含んでいてもよい。プロセッサ410はまた、フロントサイドバス414を介したノースブリッジチップ416およびバス420を介したサウスブリッジチップ418を含む、チップセットに連結していてもよい。1つの態様において、ノースブリッジチップ416は一般的に、プロセッサを、メモリ、入出力バス、ビデオバス、および2次キャッシュに接続するために利用してもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。
【0028】
1つの態様において、サウスブリッジチップ418を、入出力機能、基本入出力システム(BIOS)、および、ハードディスクまたはコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)装置などの統合ドライブ電子機器(IDE)装置の割込み制御機能を制御するために利用してもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。ランダムアクセスメモリ(RAM)422はメインメモリバス424を介してノースブリッジチップ416に連結していてもよく、入出力(I/O)コントローラ426もまたI/Oバス428を介してノースブリッジチップ416に連結していてもよい。1つの態様において、I/Oコントローラ426およびI/Oバス428は、American National Standards Institute(ANSI)X3.131-1994 SCSI-2規格などの小型コンピュータシステムインターフェース(SCSI)規格に準拠していてもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。別の態様において、I/Oコントローラ426およびI/Oバス428は、周辺部品相互接続(PCI)バスに準拠していてもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。
【0029】
ビデオコントローラ430は、1つの態様においてアクセラレィティッド・グラフィックス・ポート(AGP)バスを含んでいてもよいビデオバス432を介して、ノースブリッジチップ416に連結していてもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。ビデオコントローラ430は、Digital Display Working Group公表の標準に準拠したデジタルビデオインターフェース(DVI)を1つの態様において含んでいてもよいディスプレイインターフェース436を介して任意で連結されたディスプレイ434に、ビデオ信号を提供してもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。サウスブリッジチップ418は、ユニバーサルシリアルバス(USB)装置またはInstitute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)1394規格に準拠した装置など様々な周辺装置を制御するため、I/Oコントローラ442に連結していてもよい入出力バス440を介して、周辺部品相互接続−周辺部品相互接続(PCI-PCI)ブリッジ438に連結していてもよいが、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。
【0030】
例えば、詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットおよび/またはバイナリデジタル信号に対する処理、プログラム、および/または演算の記号表現に関して示されている。これらの処理、記述、および/または表現は、そのようなプログラム、処理、および/または演算の記号表現に基づいて作動するためのコンピュータシステム、および/または他の情報取り扱いシステムの構成を伝えるためのデータ処理技術において、用いられる技法を含みうる。
【0031】
処理は、一般的に、所望の結果につながる、自己矛盾のない一続きの作用および/または演算であると考えられうる。これらには、物理量の物理的操作が含まれる。必須ではないが通常、これらの量は、保存、転送、連結、比較、および/または他の操作が可能である電気的および/または磁気的な信号の形態を取る。時として、もっぱら一般的使用という理由から、これらの信号を、ビット、値、要素、記号、キャラクタ、項、および/または数字などと呼ぶことが便利である可能性がある。しかし、これらおよび/または同様の用語は、適切な物理量と関連付けられていてもよく、これらの量に適用される便利なラベルにすぎない。
【0032】
そうではないと具体的に言明されているのでない限り、以下の記述から明らかなように、本明細書の記述全体を通じて、処理(processing)、演算(computing)、計算(calculating)、決定(determining)、および/またはそれに類する利用用語は、コンピュータおよび/もしくは演算システムなどの演算プラットフォームならびに/または同様の電子計算装置の作用および/または処理を意味する。この作用および/または処理は、コンピュータおよび/もしくは演算システムならびに/または同様の電子装置および/もしくは演算装置の、レジスタおよび/またはメモリ内の電子的など物理的な量として表現されるデータを、その演算システムおよび/または他の情報取り扱いシステムのメモリ、レジスタ、ならびに/または他のそのような情報保存装置、転送装置、および/もしくは表示装置内の物理的な量として同様に表現される他のデータへと操作し且つ/または変化させる、
【0033】
主張される態様には、本明細書に記載の操作を行うための1つまたは複数の機器が含まれうる。そのような機器は、所望の目的のため特別に構築されていてもよく、または、装置内に保存されたプログラムによって選択的に作動および/または再構成される汎用演算装置を含んでいてもよい。そのようなプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な読出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去および/もしくはプログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気および/もしくは光学カードを含む任意のタイプのディスク、ならびに/または、電子的命令の保存に好適であり、且つ/または演算装置、演算プラットフォーム、および/もしくは他の情報取り扱いシステム用のシステムバスに連結可能である他の任意のタイプの媒体などであるがそれらに限定されるわけではない記憶媒体に保存されてもよい。しかし、コンピュータプログラム生成物はまた、非限定的にインターネット上ならびに/または他のネットワークおよび/もしくは通信上のダウンロードなど、演算装置に直接的にダウンロードできてもよい。本開示内容は搬送波形式を包含することが意図される。
【0034】
本明細書に提示されている処理および/または表示は、いかなる特定の演算装置および/または他の機器にも必ずしも限定されない。種々の汎用システムを本明細書の教示に基づくプログラムと共に用いてもよく、または、より専門化された機器を所望の方法を行うように構築してもよい。これら種々のシステムに対する望ましい構造は以下の記述から明らかになると考えられる。加えて、態様は、任意のプログラミング言語を参照して説明されているわけではない。本明細書に記述する教示を種々のプログラミング言語を使用して実施できることが理解されると考えられる。
【0035】
本記述および/または特許請求の範囲において、「連結(coupled)」および/または「接続(connected)」という用語が、それらの派生語と共に用いられることがある。特定の態様において、2つまたはそれ以上の要素が互いに物理的および/または電気的な直接接触状態にあることを示すために、「接続」が用いられることがある。「連結」は、2つまたはそれ以上の要素が物理的および/または電気的な直接接触状態にあることを意味しうる。しかし、「連結」はまた、2つまたはそれ以上の要素が互いに直接接触状態にはないがそれでも互いに協力および/または相互作用しうることも意味しうる。さらに、「および・ならびに/もしくは・または(and/or)」という用語は、「および・ならびに(and)」、「もしくは・または(or)」、「排他的なもしくは・または(exclusive-or)」、「1つの(one)」、「一部であるがすべてではない(some, but not all)」、「いずれでもない(neither)」、および/または「両方(both)」を意味することがあり、この点に関して特許請求の内容の範囲が限定されることはない。
【0036】
本明細書における「態様」、「1つの態様」、「いくつかの態様」、または「他の態様」への言及は、その態様に関連して記述される特定の特色、構造、または特徴が、少なくともいくつかの態様に含まれるが必ずしもすべての態様に含まれるわけではないことを意味する。「態様」、「1つの態様」、または「いくつかの態様」という様々な出現は、必ずしもすべて同じ態様を参照しているわけではない。
【0037】
以上の明細書において、特許請求の内容を、その特定の例示的態様を参照しながら記述した。しかし、添付の特許請求の範囲に示した内容のより広い精神および/または範囲から逸脱することなく、様々な修正および/または変更を行いうることが明白であると考えられる。したがって、本明細書および/または図面は、限定的な意味ではなく実例的な意味において注目されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図示の簡潔性および/または明白性のため、図に描かれている要素は縮尺が必ずしも一律でないことが理解されると考えられる。例えば、明白性のため、一部の要素の寸法が他の要素に対して誇張されている場合もある。さらに、対応する要素および/または類似の要素を示すため、適切であると考えられる場合は図の間で参照番号が繰り返されている。
【0039】
【図1】1つの態様に基づく、生体測定識別のためのシステムのブロック図である。
【図2】1つの態様に基づく、ヒトの頭蓋骨を描写した線図である。
【図3】1つの態様に基づく、生体測定識別のための方法の1つの態様の工程系統図である。
【図4】1つまたは複数の態様に基づいて生体測定識別を実行できる演算プラットフォームのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体測定識別子を検出する段階;および
該生体測定識別子を既知の生体測定識別子と比較する段階
を含む方法であって、該検出された生体測定識別子が頭蓋骨縫合線を含む、方法。
【請求項2】
検出された生体測定識別子と既知の生体測定識別子との比較に少なくとも部分的に基づいて、比較的非常に可能性が高い被験体を識別する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
検出された生体測定識別子を、保存および比較が可能なデータに転換する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
データを保存する段階をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
転換する段階が、頭蓋骨縫合線の特定の特色を選択することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
転換する段階が、データをワーピングおよびアライニングすることを含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
転換する段階が、頭蓋骨縫合線の一部のトレースに少なくとも部分的に基づいてグラフを作成することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項8】
比較する段階が、グラフを既知のグラフと比較することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
比較する段階が、グラフの1つまたは複数の特色を既知のグラフと比較することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の特色を比較する段階が、グラフのゼロ交差を比較することを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
転換する段階が、データを変換する段階を含む、請求項3記載の方法。
【請求項12】
データを変換する段階が、データの比較に利用される特徴をもたらす、請求項11記載の方法。
【請求項13】
変換する段階が周波数分離変換を含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
変換する段階が相変換を含む、請求項11記載の方法。
【請求項15】
変換する段階がフーリエ変換を含む、請求項11記載の方法。
【請求項16】
変換する段階が離散的変換を含む、請求項11記載の方法。
【請求項17】
変換する段階が離散的コサイン変換を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
変換する段階が離散的ウェーブレット変換を含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
転換する段階が、データに対してマッチング追跡(matching pursuit)を行うことを含む、請求項3記載の方法。
【請求項20】
転換する段階が、コードブックを利用して少なくとも部分的にデータを規定することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項21】
比較する段階が、データと既知のデータとの間の距離計測(distance metric)を利用することを含む、請求項3記載の方法。
【請求項22】
比較的非常に可能性が高い被験体が哺乳動物を含む、請求項2記載の方法。
【請求項23】
比較的非常に可能性が高い被験体がヒトを含む、請求項2記載の方法。
【請求項24】
比較的非常に可能性が高い被験体が、家畜化された動物を含む、請求項2記載の方法。
【請求項25】
比較的非常に可能性が高い被験体が野生動物を含む、請求項2記載の方法。
【請求項26】
演算プラットフォームによって実行された場合に、
生体測定識別子を検出する段階;および
該生体測定識別子を既知の生体測定識別子と比較する段階;
によって生体測定識別を生じる命令を含む、コンピュータで読取り可能な媒体に保存することができるコンピュータプログラム生成物であって、検出された生体測定識別子が頭蓋骨縫合線を含む、コンピュータプログラム生成物。
【請求項27】
検出された生体測定識別子と既知の生体測定識別子との比較に少なくとも部分的に基づいて、比較的非常に可能性が高い被験体を識別する段階をさらに含む、請求項26記載の生成物。
【請求項28】
検出された生体測定識別子を、保存および比較が可能なデータに転換する段階をさらに含む、請求項26記載の生成物。
【請求項29】
データを保存する段階をさらに含む、請求項28記載の生成物。
【請求項30】
転換する段階が、頭蓋骨縫合線の特定の特徴を選択することを含む、請求項29記載の生成物。
【請求項31】
転換する段階が、頭蓋骨縫合線の一部のトレースに少なくとも部分的に基づいてグラフを作成することを含む、請求項30記載の生成物。
【請求項32】
比較する段階が、グラフの1つまたは複数の特色を既知のグラフと比較することを含む、請求項31記載の生成物。
【請求項33】
1つまたは複数の特色を比較する段階が、グラフのゼロ交差を比較することを含む、請求項32記載の生成物。
【請求項34】
転換する段階が、データを変換する段階を含む、請求項28記載の生成物。
【請求項35】
データを変換する段階が、データの比較に利用される特徴をもたらす、請求項34記載の生成物。
【請求項36】
変換する段階が周波数分離変換を含む、請求項34記載の生成物。
【請求項37】
変換する段階が相変換を含む、請求項34記載の生成物。
【請求項38】
変換する段階がフーリエ変換を含む、請求項34記載の生成物。
【請求項39】
変換する段階が離散的変換を含む、請求項34記載の方法。
【請求項40】
変換する段階が離散的コサイン変換を含む、請求項39記載の生成物。
【請求項41】
変換する段階が離散的ウェーブレット変換を含む、請求項39記載の生成物。
【請求項42】
転換する段階が、データに対してマッチング追跡を行うことを含む、請求項28記載の生成物。
【請求項43】
転換する段階が、コードブックを利用して少なくとも部分的にデータを規定することを含む、請求項28記載の生成物。
【請求項44】
比較する段階が、データと既知のデータとの間の距離計測を利用することを含む、請求項28記載の生成物。
【請求項45】
生体測定識別子を検出するための手段;および
該生体測定識別子を既知の生体測定識別子と比較するための手段
を含む、データを増強するためのシステムであって、該検出された生体測定識別子が頭蓋骨縫合線を含む、システム。
【請求項46】
検出された生体測定識別子と既知の生体測定識別子との比較に少なくとも部分的に基づいて、比較的非常に可能性が高い被験体を識別するための手段をさらに含む、請求項45記載のシステム。
【請求項47】
検出された生体測定識別子を、保存および比較が可能なデータに転換するための手段をさらに含む、請求項45記載のシステム。
【請求項48】
データを保存するための手段をさらに含む、請求項47記載のシステム。
【請求項49】
比較に利用できる特徴をもたらすために、生体測定識別子またはデータを変換するための手段をさらに含む、請求項47記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−533089(P2009−533089A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504499(P2009−504499)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/066191
【国際公開番号】WO2007/118219
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(508210251)エセックス パ エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】