説明

生体界面に活性物質を送達するイオントフォレーシス装置における動作不良を検出するための方法及びシステム

【課題】イオントフォレーシス装置の少なくとも1つの構成要素と関連する特質の値を検出し、検出値を評価して、該検出値が前記イオントフォレーシス装置の考え得る欠陥状態を示すか否かを判定する評価方法を提供する。
【解決手段】イオントフォレーシス装置400の或る種の構成要素に関連した特質を検出するための複数の検出器401,402,403,404を包含する。検出器は構成要素を横断する電圧、電流、電力出力、インピーダンス、抵抗等を検出し、装置の動作不良又は他の欠陥状態を提供する。更にヒト知覚可能指示器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、イオントフォレーシスの分野に、さらに特定的には起電力の影響下での生体界面への治療薬又は薬剤等の活性物質の送達に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許仮出願第60/722,187号(表題「生体界面に活性物質を送達するイオントフォレーシス装置における動作不良を検出するための方法及びシステム」)(2005年9月30日提出)(本発明出願と同一譲受人に譲渡された)(この記載内容はその全体が参照により本明細書中で援用される)の米国特許法第119条(e)項下での利益及び優先権を主張する。
【0003】
イオントフォレーシスは、活性物質、例えばイオン性薬剤又は他の治療薬を生体界面、例えば皮膚、粘膜(mucus)に運ぶために起電力を用いる。
【0004】
イオントフォレーシス装置は、典型的には、電源、例えば化学電池の反対極又は端子に各々接続される作用側電極構造体及び対向電極構造体を包含する。各電極構造体は、典型的には、起電力を印加するためのそれぞれの電極要素を包含する。このような電極要素はしばしば、犠牲要素又は化合物、例えば銀又は塩化銀を含む。
【0005】
活性物質は陽イオン性又は陰イオン性であり、そして電源は、活性物質の極性に基づいて適切な電圧極性を印加するために構成され得る。イオントフォレーシスは、有益には、活性物質の送達速度を増強するか又は制御するために用いられ得る。米国特許第5,395,310号で示されるように、活性物質は、貯留槽、例えばキャビティ中に貯留され得る。代替的には、活性物質は、多孔性構造又はゲルのような貯留槽中に貯留され得る。また、米国特許第5,395,310号で示されるように、イオン交換膜が活性物質貯留槽と生体界面との間の極性選択的障壁として役立つように配置され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イオントフォレーシス装置の商業的受入れは、種々の因子、例えば信頼性のある動作、製造コスト、製品寿命、保管中の安定性、活性物質送達の効率及び/又は適時性、生物学的能力、廃棄問題、ユーザーの満足度及び/又はその他の因子によっている。しかしながら現存するイオントフォレーシス装置は、1つ又は複数のこれらの因子に関して不満足であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様は、生体界面に活性物質を送達するイオントフォレーシス装置に利用可能な方法を提供する。当該方法は、イオントフォレーシス装置の少なくとも1つの構成要素に関連した特質の値を検出することを包含する。当該特質の検出値は、当該検出値がイオントフォレーシス装置の考え得る欠陥状態を示すか否かを判定するために評価される。評価値が考え得る欠陥状態を示すものであると判定される場合、イオントフォレーシス装置の考え得る欠陥状態を示す少なくとも1つのヒト知覚可能指示が生成され、例えばイオントフォレーシス装置の外側から知覚可能であるようなやり方でヒト知覚可能指示を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付の図面中では、同一参照番号は類似の要素又は作用を示す。添付の図中の要素のサイズ及び相対位置は、必ずしもスケール通りには描かれていない。例えば種々の要素の形状及び角度はスケール通りには描かれていないし、これらの要素のいくつかは、添付の図面を見やすくするために随意に拡大され、配置される。さらに、図示される要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する何らの情報を伝えることも意図されず、専ら図面中での認識を容易にするために選択されている。
【0009】
大要として、一実施形態は、電気回路又は他の特徴、及び、イオントフォレーシス装置が適正に動作しているか否かの指示を提供する機能を有するイオントフォレーシス装置を提供する。イオントフォレーシス装置が適正に動作していないことに関して、多数の理由が存在し得る。例えば1つ又は複数の電極が生体界面に対して適正に配置さていない、イオントフォレーシス装置の一体性が危うくなっている(例えば製造欠陥、保管又は輸送中の損傷、誤処理又はその他の動作不良)、1つ又は複数の構成要素の使用寿命が経過した、及び/又はその他の理由である。構成要素の使用寿命は、例えば製造欠陥又は使用中の誤動作のため、早期に尽き得る。1つ又は複数の構成要素の使用寿命経過の例としては、電源の消耗、膜の脱水、イオンを互いに反応させるか又は結合させる漏洩による有用イオン濃度の中和及び/又は低減、電荷を互いに相殺させる漏洩による必要電荷の中和及び/又は低減、犠牲電極要素の早期消耗、或いはその他の異常状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
イオントフォレーシス装置が適正に機能していないことを判定することは、多数の理由のために有用であり得る。例えば医療用品業者は、在庫品を管理し得るし、そして患者及び会社に使用可能な製品を販売していることを保証し得る。別の例として、患者及び/又は保健医療専門家はイオントフォレーシス装置の状態を監視して、活性物質が実際にイオントフォレーシス装置により送達されていることを確認し得る。明らかに、実際に何も送達されていないとき活性物質が送達されていると、又は送達が低速であるか、高速であるかを患者及び/又は保健医療専門家が誤って考える場合には、少なくとも不都合が、又は最悪の場合には医学的危険が存在する。
【0011】
一実施形態では、装置が適正に動作しているか及び/又は適正に動作していないかを示すために、視覚的、聴覚的、触覚的及び/又はその他の型の指示器がユーザーに提供され得る。このような型の指示器の例を、電気回路或いはその他の特徴又は指示器(単数又は複数)の動作をサポートする機能とともに以下に記載する。
【0012】
一実施形態では、指示器(単数又は複数)は、1つ又は複数のセンサーにより感知される情報に応答して指示を提供し得る。例えば電圧及び/又は電流センサーは、動作不良を示し得るイオントフォレーシス装置のパラメータを感知するために用いられ得る。これらのセンサーにより提供されるデータは、閾値レベルと比較されるか、そうでなければ指示器(単数又は複数)が動作不良を示すように稼動されるべきであるか否かを判定するように処理される。
【0013】
下記において、或る種の特定の詳細は、種々の開示実施形態の十分な理解を提供するために記載される。しかしながら、実施形態は1つ又は複数のこれらの特定詳細なしに、或いは他の方法、構成要素、材料等を用いて実行され得る、と当業者は認識するだろう。その他の場合、制御装置に関連した既知の構造、例えば電圧及び/又は電流調整器(これらに限定されない)は、当該実施形態の不必要に曖昧な記述を避けるために詳細に示されていないし記載されていない。
【0014】
文脈から他の解釈が必要である場合を除いて、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して、「含む」という語及びその変形、例えば「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、非限定で包括的な意味で、「包含するが、限定されない」と解釈されるべきである。
【0015】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「1つの実施形態」という言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特質が少なくとも1つの実施形態に包含されるということを意味する。したがって本明細書全体を通して種々の箇所における「一実施形態における」又は「1つの実施形態における」という語句の出現は、必ずしもすべてが同一実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造物又は特質は、1つ又は複数の実施形態において任意の好適な様式で組合せられ得る。
【0016】
本明細書中並びに添付の特許請求の範囲で用いる場合、「膜」という用語は、透過性である場合も、透過性でない場合もある層、障壁、又は物質を意味する。別記しない限り、膜は、固体、液体又はゲルの形態をとり得るし、そして明確な格子又は架橋構造を有しても、有しなくてもよい。
【0017】
本明細書中並びに添付の特許請求の範囲で用いる場合、「イオン選択膜」という用語は、イオンに対して実質的に選択性であり、或る種のイオンを通す一方で、他のイオンの通過を遮断する膜を意味する。イオン選択膜は、例えば電荷選択膜の形態をとり得るか、又は半透性膜の形態をとり得る。
【0018】
本明細書中並びに添付の特許請求の範囲で用いる場合、「電荷選択膜」という用語は、主にイオンにより保有される極性又は電荷に基づいて、イオンを実質的に通過及び/又は実質的に遮断する膜を意味する。電荷選択膜は典型的にはイオン交換膜を指し、そしてこれらの用語は、本明細書中で並びに添付の特許請求の範囲において互換的に用いられる。電荷選択膜又はイオン交換膜は、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜及び/又は両極性膜の形態をとり得る。市販の陽イオン交換膜の例としては、NEOSEPTA、CM−1、CM−2、CMX、CMS及びCMB(株式会社トクヤマ)の呼称で入手可能なものが挙げられる。市販の陰イオン交換膜の例としては、NEOSEPTA、AM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH及びACS(同じく株式会社トクヤマ)の呼称で入手可能なものが挙げられる。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、「両極性膜」という用語は、2つの異なる電荷又は極性に対して選択的である膜を意味する。別記しない限り、両極性膜は、一体膜構造又は多重膜構造の形態をとり得る。一体膜構造は、陽イオン交換物質又は基を含む第一の部分、並びに陰イオン交換物質又は基を含む第一の部分と向き合った第二の部分を包含し得る。多重膜構造(例えば二重皮膜)は、陰イオン交換膜に付着又は結合される陽イオン交換膜により形成され得る。陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜は最初に異なる構造物として出発し、その結果生じる両極性膜の構造中でそれらの弁別性を保持し得るか、又は保持し得ない。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、「半透性膜」という用語は、イオンのサイズ又は分子量に基づいて実質的に選択的である膜を意味する。したがって半透性膜は、第一の分子量又はサイズのイオンを実質的に通す一方で、第一の分子量又はサイズより大きい第二の分子量又はサイズのイオンの通過を実質的に遮断する。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、「多孔性膜」という用語は、問題のイオンに関して実質的に選択的ではない膜を意味する。例えば多孔性膜は、極性に基づいて実質的に選択的でなく、そして対象の要素又は化合物の分子量又はサイズに基づいて実質的に選択的でないものである。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、「貯留槽」という用語は、液体状態、固体状態、気体状態、混合状態及び/又は遷移状態で、要素又は化合物を保持するための任意の形態のメカニズムを意味する。例えば別記しない限り、貯留槽は、構造物により形成される1つ又は複数のキャビティを含み得るし、そしてこのようなものが少なくとも一時的に要素又は化合物を保持し得る場合には、1つ又は複数のイオン交換膜、半透性膜、多孔性膜及び/又はゲルを含み得る。
【0023】
本明細書中で提示される見出しは、便宜上に過ぎず、当該実施形態の範囲又は意味を説明するものではない。
【0024】
図1及び図2は、一例示的実施形態にしたがって、イオントフォレーシスにより、生体界面18(例えば図2参照)、例えば皮膚又は粘膜の一部に活性物質を供給するように動作可能である電源16を有する制御ユニット15と電気的に接続されるそれぞれ作用側電極構造体12及び対向電極構造体14を包含するイオントフォレーシス装置10を示す。制御ユニット15の実施形態のさらなる詳細を、以下でさらに詳細に記載する。
【0025】
実施形態の一例では、作用側電極構造体12は、作用側電極構造体12の内部20から外部22に向かって、作用側電極要素24、電解質28を貯留する電解質貯留槽26、内部イオン選択膜30、内部封止ライナー32、活性物質36を貯留する内部活性物質貯留槽34、付加的活性物質40を貯蔵する最外部イオン選択膜38、最外部イオン選択膜38の外表面44により担持されるさらなる活性物質42、並びに外部リリースライナー46を含む。上記要素又は構造物の各々を、以下で詳細に考察する。
【0026】
作用側電極要素24は、電源16の第一の電極16aと接続され、そして作用側電極構造体12の種々の他の構成要素を介して活性物質36、40、42を輸送するために起電力又は電流が印加され得るようなやり方で作用側電極構造体12に配置される。作用側電極要素24は、種々の形態をとり得る。例えば作用側電極要素24は、犠牲要素、例えば化学化合物又はアマルガム、例えば銀(Ag)又は塩化銀(AgCl)を含み得る。このような化合物又はアマルガムには典型的に、製造、保管、使用及び/又は所分に関して問題を示し得る1つ又は複数の重金属、例えば鉛(Pb)を用いる。その結果として、いくつかの実施形態は、有益には、炭素ベースの作用側電極要素24を用い得る。このようなものは、例えば多重層、例えば炭素を含むポリマーマトリックス及び炭素繊維又は炭素繊維紙を含む導電性シートを含み、例えば同一出願人による係属中の特願2004/317317号公報(2004年10月29日提出)に記載されている。
【0027】
使用に際しては、最外部活性電極イオン選択膜38は、生体界面18と直接接触して置かれ得る(例えば図2参照)。代替的には、界面結合媒質(示されていない)は、最外部活性電極イオン選択膜38と生体界面18との間に用いられ得る。界面結合媒質は、例えば付着剤及び/又はゲルの形態をとり得る。ゲルは、例えば水和ゲル又はヒドロゲルの形態をとり得る。用いられる場合、界面結合媒質は、活性物質36、40、42のうちの任意の1つ又は複数により透過可能であり得る。
【0028】
電解質貯留槽26は、種々の形態、例えば電解質28を保持し得る任意の構造をとり、そしていくつかの実施形態では、例えば電解質28がゲル、半固体又は固体形態である場合、電解質28自体でさえあり得る。例えば電解質貯留槽26は、例えば電解質28が液体である場合、パウチ又はその他の容器、孔、キャビティ又は隙間を有する膜の形態をとり得る。
【0029】
電解質28は、効率を増強し、及び/又は送達速度を増大するために、イオンを提供するか又は電荷を供与して、作用側電極要素24上の気泡(例えば水素)の形成を防止するか又は阻止し得る。電気分解におけるこの排除又は低減は次に、そうでなければ効率低減、輸送速度低減及び/又は生体界面18の考え得る刺激といったような考え得る欠点を示す酸及び/又は塩基(例えばHイオン、OHイオン)の生成を阻止するか又は低減し得る。さらに以下で考察されるように、いくつかの実施形態では、活性物質を置換するための、例えばその上に貯蔵される活性物質40を置換するためのイオンを提供するか又は供与し得る。このようなものは、生体界面18への活性物質40の輸送を促し、例えば送達速度を増大し及び/又は安定化する。適切な電解質は、0.5Mフマル酸二ナトリウム:0.5Mポリアクリル酸(5:1)の溶液の形態をとり得る。
【0030】
内部イオン選択膜30は一般に、電解質28と内部活性物質貯留槽34とを分離するように配置される。内部イオン選択膜30は、電荷選択膜の形態をとり得る。例えば活性物質36、40、42が陽イオン性活性物質を含む場合、内部イオン選択膜38は、陰イオンを実質的に通し、そして陽イオンを実質的に遮断するように選択的である陰イオン交換膜の形態をとり得る。さらにまた、例えば活性物質36、40、42が陰イオン性活性物質を含む場合、内部イオン選択膜38は、陽イオンを実質的に通し、そして陰イオンを実質的に遮断するように選択的である陽イオン交換膜の形態をとり得る。内部イオン選択膜38は、有益には、電解質28と活性物質36、40、42との間の望ましくない要素又は化合物の移動を防止し得る。例えば内部イオン選択膜38は、電解質72からの水素イオン(H)又はナトリウムイオン(Na)の移動を防止するか又は阻害し、これがイオントフォレーシス装置10の移動速度及び/又は生物学的適合性を増大し得る。
【0031】
内部封止ライナー32は、活性物質36、40、42を電解質28から分離し、そして図2に関して以下で詳細に考察されるように選択的に除去可能である。内部封止ライナー32は、有益には、例えば保管中又は他の状況下で、活性物質36、40、42と電解質28との間の移動又は拡散を防止し得る。
【0032】
内部活性物質貯留槽34は一般に、内部イオン選択膜30と最外部イオン選択膜38との間に配置される。内部活性物質貯留槽34は、種々の形態、例えば活性物質36を一時的に保持し得る任意の構造をとり得るし、或る実施形態では、例えば特に活性物質36がゲル、半固体又は固体形態である場合、活性物質36自体でさえあり得る。例えば内部活性物質貯留槽34は、特に活性物質36が液体である場合、パウチ又はその他の容器、孔、キャビティ又は隙間を有する膜の形態をとり得る。内部活性物質貯留槽34は、有益には、作用側電極構造体12中に大用量の活性物質36を充填させ得る。
【0033】
最外部イオン選択膜38は一般に、活性物質貯留槽24から作用側電極構造体12を隔てて向かい合って配置される。最外部膜38は、図1及び図2に図示した実施形態のように、イオン交換膜の形態をとり、イオン選択膜38の孔48(図を分かりやすくするために図1及び図2では1つだけを表わす)はイオン交換物質又は基50(図を分かりやすくするために図1及び図2では3つだけを表わしている)を含む。起電力及び/又は電流の影響下では、イオン交換物質又は基50は、活性物質36、40と同じ極性を有するイオンを実質的に通す一方で、反対極性を有するイオンを実質的に遮断する。したがって最外部イオン交換膜38は、電荷選択的である。活性物質36、40、42が陽イオン(例えばリドカイン)である場合、最外部イオン選択膜38は陽イオン交換膜の形態をとり得る。代替的には、活性物質36、40、42が陰イオンである場合、最外部イオン選択膜38は陰イオン交換膜の形態をとり得る。
【0034】
最外部イオン選択膜38は、有益には、活性物質40を貯蔵し得る。特に、イオン交換基又は物質50は、起電力又は電流の非存在下で活性物質の極性と同一の極性を有するイオンを一時的に保持し、そして起電力又は電流の影響下で同様の極性又は電荷を有する置換イオンと置き換えられる場合、それらのイオンを実質的に放出する。
【0035】
代替的には、最外部イオン選択膜38は、サイズにより選択的である半透性又は微小孔膜の形態をとり得る。いくつかの実施形態では、このような半透性膜は、有益には、例えば外部リリースライナー46が使用前に取り外されるまで、活性物質40を担持するために除去可能な外部リリースライナー46を用いることにより、活性物質40を貯蔵し得る。
【0036】
最外部イオン選択膜38は、付加的活性物質40、例えばイオン化された、又はイオン化可能な薬剤又は治療薬及び/又は分極化された、又は分極化可能な薬剤又は治療薬を任意に予め充填され得る。最外部イオン選択膜38がイオン交換膜である場合、相当量の活性物質40が最外部イオン選択膜38の孔、キャビティ又は隙間48中のイオン交換基50と結合し得る。
【0037】
物質50のイオン交換基と結合できない活性物質42は、さらなる活性物質42として最外部イオン選択膜38の外表面44に付着し得る。代替的には又は付加的には、さらなる活性物質42は、例えば噴霧、フラッジング、コーティングにより、静電的に、蒸着により、及び/又は別のやり方で、最外部イオン選択膜38の外表面44の少なくとも一部分に積極的に堆積及び/又は付着され得る。いくつかの実施形態では、さらなる活性物質42は、外表面44を十分に被覆し及び/又は十分な厚みを有することで明確な層52を形成し得る。他の実施形態では、さらなる活性物質42は、その語の通常の意味での層を構成するほどには、容積、厚み又は被覆面積において十分でない場合もある。
【0038】
活性物質42は、種々の高濃縮形態、例えば固体形態、ほぼ飽和された溶液形態又はゲル形態で堆積され得る。固体形態である場合、水和の供給源が提供され、作用側電極構造体12に組込まれるか、又は使用直前にその外部から適用され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、活性物質36、付加的活性物質40及び/又はさらなる活性物質42は、同一の又は類似の組成物又は要素であり得る。他の実施形態では、活性物質36、付加的活性物質40、及び/又はさらなる活性物質42は、互いに異なる組成物又は要素であり得る。したがって第一の型の活性物質は、内部活性物質貯留槽34中に貯留され得る一方で、第二の型の活性物質は最外部イオン選択膜38中に貯蔵され得る。このような実施形態では、第一の型又は第二の型の活性物質は、さらなる活性物質42として最外部イオン選択膜38の外表面44上に堆積され得る。代替的には、第一の型及び第二の型の活性物質の混合物は、さらなる活性物質42として最外部イオン選択膜38の外表面44上に堆積され得る。さらにそれに代わるものとして、第三の型の活性物質の組成物又は要素が、さらなる活性物質42として最外部イオン選択膜38の外表面44上に堆積され得る。別の実施形態では、第一の型の活性物質は活性物質36として内部活性物質貯留槽34中に貯留され、そして付加的活性物質40として最外部イオン選択膜38中に貯蔵され得る一方で、第二の型の活性物質はさらなる活性物質42として最外部イオン選択膜38の外表面44上に堆積され得る。1つ又は複数の異なる活性物質が用いられる実施形態では、活性物質36、40、42は典型的には、共通の極性を有して、活性物質36、40、42が互いに競合するのを防ぐ。他の組合せも可能である。
【0040】
外部リリースライナー46は一般に、最外部イオン選択膜38の外表面44により保有されるさらなる活性物質42の上に重なるか又はそれを覆って配置され得る。外部リリースライナー46は、起電力又は電流の印加前に、貯蔵中、さらなる活性物質42及び/又は最外部イオン選択膜38を保護し得る。外部リリースライナー46は、耐水性物質製の選択的に剥離可能なライナー、例えば感圧性接着剤と一般的に関連するリリースライナーであり得る。内部リリースライナー46は、図1では配置された状態で示されており、そして図2では取り外されているということに留意されたい。
【0041】
対向電極構造体14は、作用側電極構造体12及び生体界面18を介して電源16の極16a、16bの間の電気的経路を完成させることを可能にする。対向電極構造体14は、帰還経路を提供することで回路を閉じるために適切な種々の形態を取りうる。
【0042】
図1及び図2に示した実施形態では、対向電極構造体は、対向電極構造体14の内部64から外部66に向かって順に、対向電極要素68、電解質72を貯留する電解質貯留槽70、内部イオン選択膜74、緩衝物質78を貯留する任意の緩衝剤貯留槽76、最外部イオン選択膜80、並びに外部リリースライナー82を包含する。
【0043】
対向電極要素68は、電源16の第二の電極16bと電気的に結合され、第二の電極16bは第一の電極16aと逆の極性を有する。対向電極要素68は、種々の形態をとり得る。例えば対向電極要素68は、犠牲要素、例えば化合物又はアマルガム、例えば銀(Ag)又は塩化銀(AgCl)を包含し得るか、或いは非犠牲要素、例えば上記の炭素ベースの電極要素を包含し得る。
【0044】
電解質貯留槽70は、種々の形態、例えば電解質72を保持し得る任意の構造をとり、そしていくつかの実施形態では、例えば電解質72がゲル、半固体又は固体形態である場合、電解質72自体でさえあり得る。例えば電解質貯留槽70は、特に電解質72が液体である場合、パウチ又はその他の容器、或いは孔、キャビティ又は隙間を有する膜の形態をとり得る。
【0045】
電解質72は一般に、対向電極要素68と、対向電極要素68に近位の最外部イオン選択膜80との間に配置される。電解質72は、イオンを提供するか又は電荷を供与して、対向電極要素68上の気泡(例えば水素)の生成を防止又は阻害し、そして酸又は塩基の形成を防止又は阻害するか、或いはそれを中和し、これにより効率が増強され及び/又は生体界面18の刺激の可能性を低減し得る。
【0046】
内部イオン選択膜74は、電解質72と緩衝物質78との間に、及び/又は電解質72を緩衝物質78から分離するよう配置される。内部イオン選択膜74は、例えば第一の極性又は電荷を有するイオンの通過を実質的に許容する一方で、第二の反対極性を有するイオン又は電荷の通過を実質的に遮断する図示したイオン交換膜などの電荷選択膜の形態をとり得る。内部イオン選択膜74は典型的には、最外部イオン選択膜80により通されるものと逆の極性又は電荷を有するイオンを通す一方で、同様の極性又は電荷を有するイオンを実質的に遮断する。代替的には、内部イオン選択膜74は、サイズに基づいて選択的である半透性膜又は微小孔膜の形態をとり得る。
【0047】
内部イオン選択膜74は、緩衝物質78への望ましくない要素又は化合物の移動を防止し得る。例えば内部イオン選択膜74は、電解質72から緩衝物質78中への水素イオン(H)又はナトリウムイオン(Na)の移動を防止又は阻害し得る。
【0048】
任意の緩衝剤貯留槽76は一般に、電解質貯留槽と最外部イオン選択膜80との間に配置される。緩衝剤貯留槽76は、緩衝物質78を一時的に保有し得る種々の構造をとり得る。例えば緩衝剤貯留槽76は、キャビティ、多孔性膜又はゲルの形態をとり得る。
【0049】
緩衝物質78は、最外部イオン選択膜42を通して生体界面18への移動のためのイオンを供給し得る。従って、緩衝物質78は、例えば塩(例えばNaCl)を含み得る。
【0050】
対向電極構造体14の最外部イオン選択膜80は、種々の形態をとり得る。例えば最外部イオン選択膜80は、電荷選択性イオン交換膜、例えば陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜の形態をとり、これは、イオンにより保有される電荷に基づいてイオンを実質的に通過及び/又は遮断する。適切なイオン交換膜の例は上記されている。代替的には、最外部イオン選択膜80は、イオンのサイズ又は分子量に基づいてイオンを実質的に通過及び/又は遮断する半透性膜の形態をとり得る。
【0051】
対向電極構造体14の最外部イオン選択膜80は、作用側電極構造体12の最外部イオン選択膜38のものと逆の電荷又は極性を有するイオンに対して選択的である。したがって例えば作用側電極構造体12の最外部イオン選択膜38が生体界面18への活性物質36、40、42の負荷電イオンの通過を許容する場合、対向電極構造体14の最外部イオン選択膜80は、生体界面18への正荷電イオンの通過を許容する一方で、負の電荷又は極性を有するイオンの通過を実質的に遮断する。他方、作用側電極構造体12の最外部イオン選択膜38が生体界面18への活性物質36、40、42の正荷電イオンの通過を許容する場合、対向電極構造体14の最外部イオン選択膜80は、生体界面18への負荷電イオンの通過を許容する一方で、正の電荷又は極性を有するイオンの通過を実質的に遮断する。
【0052】
外部リリースライナー82は一般に、最外部イオン選択膜80の外表面84の上に重なるか又はそれを覆って配置され得る。内部リリースライナー82は図1では配置された状態で示されており、そして図2では取外されているということに留意されたい。外部リリースライナー82は、起電力又は電流の印加前に、貯蔵中、最外部イオン選択膜80を保護し得る。外部リリースライナー82は、耐水性物質製の選択的に剥離可能なライナー、例えば感圧性接着剤と一般的に関連するリリースライナーであり得る。いくつかの実施形態では、外部リリースライナー82は、作用側電極構造体12の外部リリースライナー46と同一の広がりを有し得る。
【0053】
電源16は、1つ又は複数の化学電池、スーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタ、或いは燃料電池の形態をとり得る。電源16は、例えば0.8V DCの公差の12.8V DCの電圧と0.3mAの電流とを提供し得る。電源16は、選択的に、制御ユニット15中の制御回路を介して、例えば炭素繊維リボンを介して、作用側電極構造体12及び対向電極構造体14と電気的に接続され得る。イオントフォレーシス装置10の制御ユニット15は、電極構造体12、14に送達される電圧、電流及び/又は電力を制御するために別個の及び/又は集積回路要素を包含し得る。例えばイオントフォレーシス装置10aは、電極要素20、68に定電流を提供するためのダイオードを包含し得るし、及び/又は生体界面18に活性物質36、40、42のうちの任意の1つ又は複数を運搬するために電流出力を生じるための他の要素を包含し得る。イオントフォレーシス装置10における動作不良を検出するための、そして動作不良についてユーザーに知らせるための指示器を提供するための、特徴をさらに提供する制御ユニット15の実施形態を、以下に後述する。
【0054】
上記のように、活性物質36、40、42は、陽イオン性又は陰イオン性薬剤又はその他の治療薬の形態をとり得る。その結果として、電源16の端子又は極16a、16bは逆にされ得る。同様に、最外部イオン選択膜38、80及び内部イオン選択膜30、74の選択性も逆にされ得る。
【0055】
イオントフォレーシス装置10はさらに、作用側電極構造体12及び対向電極構造体14を形成する種々の他の構造の露出側面に隣接する不活性成形部材86をさらに含み得る。成形部材86は、有益には、作用側電極構造体12及び対向電極構造体14の種々の構造に対する環境的保護を提供し得る。成形部材86の露出面のうちの1つに、使用前に内部封止ライナー32の除去を可能にするようにタブ60が延出する溝孔又は開口部88aを形成することができる。作用側電極構造体12及び対向電極構造体14の囲いは、ハウジング部材90である。ハウジング部材90は、タブ60がイオントフォレーシス装置10の使用前に内部封止ライナー32の除去を可能にするように延出する成形部材86における溝孔又は開口部88aと一列に整列される溝孔又は開口部88bも形成し得る。
【0056】
使用直前に、内部封止ライナー32を撤去し、そして外部リリースライナー46、82を取り外すことにより、イオントフォレーシス装置10は準備される。上記のように、内部封止ライナー32は、タブ60を引っ張ることにより撤去され得る。外部リリースライナー46、82は、感圧性ラベル等からリリースライナーを取り外すのと同様の態様で取り除くことができる。
【0057】
図2で最も良く分かるように、作用側電極構造体12及び対向電極構造体14は、生体界面18上に配置される。生体界面上に配置することで、回路を閉じて、起電力を印加させ、及び/又は作用側電極構造体12、生体界面18及び対向電極構造体14を介して、電流を電源16の一方の極16aから他方の極16bに流させ得る。
【0058】
起電力及び/又は電流の存在下では、活性物質36は生体界面18に向けて輸送される。付加的活性物質40は、同じ電荷又は極性のイオン(例えば活性物質36)の置換によりイオン交換基又は物質50により放出され、そして生体界面18に向けて輸送される。活性物質36のいくつかは付加的活性物質40に置換し得る一方で、活性物質36のいくつかは最外部イオン選択膜38を通して生体界面18に移送され得る。最外部イオン選択膜38の外表面44により担持されるさらなる活性物質42も、生体界面18に移送される。
【0059】
イオントフォレーシス中、電極構造体を横断する起電力は、上記のように、生体界面を通して、生体組織中への、荷電活性物質分子並びにイオン及び他の荷電構成成分の移動をもたらす。この移動は、界面を越えた生体組織内の活性物質、イオン及び/又は他の荷電構成成分の蓄積をもたらし得る。イオントフォレーシス中、反発力に応答する荷電分子の移動のほかに、電極及び生体界面を通して組織中への溶媒(例えば水)の電気浸透流も存在する。或る種の実施形態では、電気浸透溶媒流は、荷電分子及び非荷電分子の両方の移動を増強する。電気浸透溶媒流による移動増強は、特に分子のサイズ増大に伴って起こり得る。
【0060】
図1〜図2の実施形態では、制御ユニット15は、ハウジング部材90の外側に連結されるように描かれる。このような実施形態は、例えばイオントフォレーシス装置10の電極構造体12及び14が外部コンピューターシステム、制御システム又は他のシステム又は装置に接続される状況において、実行され得る。例えば電極構造体12及び14は、制御ユニット15と遠隔通信(無線及び/又は有線)する携帯用装置、例えばプローブ上に存在し得る。制御ユニット15は次に、電力及び制御信号を遠隔供給し、並びに電極構造体12及び14からのフィードバックデータ又は他のデータを受信し得る。
【0061】
他の実施形態では、制御ユニット15は、共通ハウジング部材90中の電極構造体12及び14と一体化されるか、或いはそうでなければそれらに付属され得る。このような実施形態の一例は、図3に示されている。
【0062】
図3において、イオントフォレーシス装置300は一般的に、図1〜2のイオントフォレーシス装置10に関して前に示され、記載されたものと同様の構成要素を有する。1つ異なる点は、図3のイオントフォレーシス装置300の実施形態における制御ユニット15が、電極構造体12及び14と一緒にハウジング部材90内に封入される点である。したがって制御、出力、処理等のための随伴外部システムを用いる必要がないか又は最小限に用い得る内蔵型ユニットが提供される。
【0063】
制御ユニット15の一実施形態は、集積回路、回路基盤又は他の装置又は装置の集合体を用いるて実行され得る。制御ユニット15は、イオントフォレーシス装置300上の空間及び面積(real estate)を効率的に使用できるように、電極構造体12と14との間のハウジング部材90内に配置され得る。
【0064】
一実施形態では、ハウジング部材90は、1つ又は複数の開孔部302を有する。開孔部302は、イオントフォレーシス装置300のユーザーがイオントフォレーシス装置300の動作状態(例えばイオントフォレーシス装置300が動作不良であるか否か)を示す1つ又は複数の指示を観察し得る界面として役立つ。したがってこのような1つ又は複数の指示器(例えばヒト知覚可能指示器)は、イオントフォレーシス装置300の外側から又はその外側で知覚可能であり得る。
【0065】
一実施形態では、開孔部302は、ハウジング部材90内にイオントフォレーシス装置300が動作不良であるか否かを視覚的指示(例えばLEDからの光の特定の色)が示し得る封止された透明、半透光性(semi-translucent)又は透光性(translucent)の開口部(例えば透明プラスチックで封止された開口部)を含む。代替的には又は付加的には、開孔部302は、動作不良の音声又は聴覚的指示が提供され得るスピーカー開口部を包含し得る。さらに代替的又は付加的には、開孔部302は、イオントフォレーシス装置300の動作不良又は動作不良がないことを示す触覚的指示(例えば振動)を有効に伝達する部材を包含し得る。これらの指示を生じ得る制御ユニット15の種々の実例配置を、以下で詳細に記載する。
【0066】
一実施形態では、キーパッド、ボタン又はその他のユーザー入力装置304もハウジング部材90に連結され得る。ユーザー入力装置304は、例えばイオントフォレーシス装置をオン又はオフにし、制御ユニット14に関するコンフィグ設定を入力し、イオントフォレーシス装置300が動作不良かどうかを確認するために検出値と相関させ得る閾値又は他の値を入力し、イオントフォレーシス装置300におけるソフトウエア(存在する場合)をプログラムし、イオントフォレーシス装置300と相互作用するための他の動作を設定するために用いられ得る。
【0067】
図4は、上記のものと同様の電極構造体12及び14を有するイオントフォレーシス装置400に関する制御ユニット15の一実施形態を例示する。イオントフォレーシス装置400の種々の実施形態(及び制御ユニット15の種々の実施形態)又は本明細書中に記載されるイオントフォレーシスのその他の実施形態は、上記された特定の電極構造体12及び14とは異なる電極構造体を用いても実行され得る。例えばこのような異なる電極構造体は構成要素の異なる構成を有し得るし、及び/又は上記の電極構造体12及び14に関して示されるものより少ないか又は多数の構成要素を有し得る。
【0068】
図4では、イオントフォレーシス装置400は、電極構造体12及び14が生体界面18の表面と良好に伝導性接触しない場合のような動作不良を検出するように、生体界面18上に配置されているとして例示されている。他の型の動作不良を検出するための制御ユニット15の実施形態は、イオントフォレーシス装置400が生体界面18上に物理的に配置されることを必ずしも必要としない、と理解される。
【0069】
欠陥状態を検出し、欠陥状態を評価し、そして欠陥状態を表わす指示を提供する制御ユニット15の種々の実施形態は、図3に関連して示され、記載されるような内蔵型ユニット内で実行され得る。代替的に又は付加的には、指示を検出し、評価し、そして提供する制御ユニット15のいくつかの構成要素は、外部システム中に存在し得る。
【0070】
図4における制御ユニット15の実施形態は、イオントフォレーシス装置400の或る種の構成要素に関連した特質を検出するための複数の検出器401〜404を包含する。このような特質は、例えば1つ又は複数の構成要素を横断する電圧、1つ又は複数の構成要素を通って流れる電流、電力出力、インピーダンス、例えば抵抗等を含み得る。実行するための検出器の数及び型は、実施形態によって変わり得る。例えば制御ユニット15のいくつかの実施形態では、例えば、電極構造体12及び14を介して電流のみを検出するために、1つの検出器のみが存在し得る。さらに他の実施形態では、図4の例に明白に示されたもの以外の付加的検出器が存在し得る。さらに他の実施形態では、余分な検出器が存在して、バックアップ検出器として役立ち得るし、及び/又は他の特質を検出し得る。
【0071】
第一の検出器401は、電源16から作用側電極構造体12に流れる電流の値を検出するための電流検出器を含み得る。第一の検出器401により検出される電流の低い値は、例えば生体界面18上の電極構造体12と14との間の伝導不良及び/又はそれらの一方又は両方の不適切配置により引き起こされ得るインピーダンス増大を示し得る。伝導不良は、例えば外部リリースライナー46からの残留物が依然として存在し、そしてイオン流を阻害する場合に引き起こされ得る。
【0072】
インピーダンス増大はまた、電源16と電極構造体12及び14の一方(又は両方)との間の緩い導電性連結を示し得る。インピーダンス増大はさらに、作用側電極構造体12の種々の膜を通る不十分なイオン流又は電荷移動も示し得るが、これは、多数の異常因子、例えば中和されたイオン、欠陥膜、低活性物質濃度等のためであり得る。
【0073】
高検出電流値は、イオントフォレーシス装置10のどこかの短絡を示し得る。第一の検出器401は、非常に大きな電流に対して第一の検出器401を保護するためのヒューズ又はその他の要素を包含し得る。
【0074】
第二の検出器402は、作用側電極構造体12の1つ又は複数又はすべての層を通る電圧を検出するための電圧検出器を含み得る。検出電圧値の高いこと又は増大は、例えばインピーダンス増大を示し得る。上記のように、インピーダンス増大は、不適切な電極配置、欠陥又はその他の動作不良を示し得る。逆に、低い検出電圧は、イオントフォレーシス装置400のどこかの短絡を示し得る。
【0075】
一実施形態では、第二の検出器402の導電性プローブは、層の特定区分を通る電圧がモニタリングのために所望される場合、製造段階中に作用側電極構造体12の適切な層中に挿入され得る。すべての層を通る電圧が所望される別の実施形態では、第二の検出器402の一プローブは端子16aに導電的に接続され得る一方で、第二の検出器402の別のプローブは、生体界面18と接触する作用側電極構造体12の表面上に置かれ得る。
【0076】
一電圧検出器に対して代替的に又は付加的には、第二の検出器402は、塩濃度、酸レベル、特定型のイオンの濃度、水和等の指示を提供し得るイオン特異的電極又は類似の装置を含み得る。イオン特異的電極の出力が評価されて、例えば或る型のイオン又は他の物質が存在するか否かを、そしてそういう場合、そのイオンの濃度を判定し得る。濃度の検出レベルは、正常動作、例えば適切な場合は時間パラメータとの相関に関する予測レベルと比較されて、動作不良又は欠陥が存在するか否かを判定し得る。イオンの異常に高い又は異常に低い濃度は、例えば製造欠陥又は誤操作、犠牲電極要素の早期消耗、過度の又は不適切な電流等のために枯渇又は中和したイオンを示し得る。
【0077】
第三の検出器403は、電源16の特質を検出するために提供され得る。第三の検出器403の一例は、電源16に動作不良が存在するか否かを判定するために、電源16を通る電圧を検出するための電圧検出器である。例えば低検出電圧は、枯渇化或いはそうでなければ欠陥又は動作不良の電源16を示し得る。第三の検出器403の(又は種々の他の検出器の)その他の例は、電流検出器、インピーダンス検出器、例えば抵抗計、電力検出器等を含み得る。
【0078】
イオントフォレーシス装置400の一実施形態では、第四の検出器404は、作用側電極構造体12の特質を検出する第二の検出器402に対して代替的に又は付加的に、対向電極構造体14における特質を検出するために提供され得る。第四の検出器404の一例は、対向電極構造体14の1つ又は複数の又はすべての層を通る電圧を検出するための電圧検出器である。
【0079】
一実施形態では、検出器401〜404の各々は、それぞれの評価回路411〜414にそれぞれ接続され、或いは検出器401〜404の少なくともいくつかは共通の評価回路を共有し得る。評価回路411〜414はそれぞれ、検出器401〜404からの検出特質を表す出力データを受信する。
【0080】
一実施形態の評価回路411〜414は、図4に示されたような論理回路を含み得る。このような論理回路は、例えば受信出力データの値を記録値と比較して、欠陥状態が存在するか否かを判定し得る。例えば論理回路は、受信出力データの値が記録値より高いか又は低いかを比較するコンパレーターを包含し得る。
【0081】
一実施形態では、記録値は、製造中に評価回路411〜414の各々に関してハードコードされるか、そうでなければ設定され又は設計され得る。別の実施形態では、記録値は、入力ユニット408から入力され得る。入力ユニット408は、ユーザー及び/又は製造者により用いられて、検出値と比較され得る閾値又はその他の値を提供し得る。入力ユニット408は、キーパッド、ボタン又はその他のユーザー入力装置、例えばハウジング部材90に連結される図3のユーザー入力装置304を含み得る。
【0082】
一実施形態の評価回路411〜414は、検出器401〜404がアナログ出力を提供する場合、検出器401〜404のアナログ出力から離散値を得るための電気回路(例えばサンプラー、アナログ−デジタル変換機又はその他の装置)を包含し得る。評価回路411〜414がデジタル回路を含む場合、電気回路は、アナログ出力を評価回路411〜414により利用され得る離散値に変換させる。代替的又は付加的には、検出器401〜404のアナログ出力が変換される必要がないように、評価回路411〜414はアナログ回路を含み得るし、或いは検出器401〜404がデジタル出力を生じる場合には、評価回路411〜414は、検出器401〜404のデジタル出力をアナログ形態に変換するためのデジタル−アナログ変換機などを包含し得る。
【0083】
一実施形態では、評価回路411〜414の各々は指示器421〜424とそれぞれ接続される。指示器421〜424はそれぞれ、評価回路411〜414からの出力を受信し、評価回路411〜414からの出力は、動作不良が存在するか否かを示す。一実施形態では、欠陥状態が存在する場合にのみ、評価回路411〜414は出力を提供し、そうでなければ出力は提供されない。別の実施形態では、評価回路411〜414のデフォルト出力は非欠陥状態を示し、そして欠陥状態が存在すると判定される場合、デフォルト出力は変更される。したがって採用する特定の実施形態又はその組合せに基づいて、指示器421〜424は欠陥状態が検出されるまで出力を提供し得ない(例えばオフ状態のLED指示器は、欠陥状態が検出されるとオンになる)か、或いは指示器421〜424は、欠陥状態が検出されると、それらの出力を変える(例えば連続的にオン状態のLEDは緑色から赤色になる)。
【0084】
指示器421〜424は、それぞれの異なる状態を示す異なる様相を有する種々の異なる装置を用いて実行され得る。さらに、異なる型の指示器421〜424の組合せ、例えば音声、視覚的、触覚的等の指示器の組合せが存在する実施形態を提供し得る。
【0085】
視覚的指示に関しては、指示器421〜424としては、LED(例えば異なる色のLED)、閃光灯、白熱電球又はその他の型の電球、状態情報を示すテキスト及び/又は画像を含み得る視覚的出力を提供する液晶ディスプレイ、或る位置から別の位置に移動するポインターを有するメーターなどの機械的指示器、電気信号により誘発される化学反応に応答して或る色から別の色に変わるpH紙などの電気化学的指示器、、インクを分泌する装置、及び/又はこの開示の利点を有する当業者に既知のその他の型の視覚的指示器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
一実施形態では、視覚的指示器は選択的に制御可能であり、そして例えば順方向バイアスをかけられると発光するLEDを含み得る。代替的には、視覚的指示器は、その結晶が適正に整列された場合に光を通すか又は反射する上記のような液晶ディスプレイを含み得る。視覚的指示器は、代替的には、電圧又は電流に応答して光出力を生じる電子発光ディスプレイ(electro-luminescent display)の形態をとり得る。代替的には、視覚的指示器は、電圧又は電流に応答して種々の色を生じ得る電子クロムディスプレイ(electro-chromic display)の形態をとり得る。
【0087】
代替的又は付加的には、指示器421〜424は聴覚的指示器を含み得る。聴覚的指示器の例としてはブザー、ビーパー、発信音、鳴音、記録されたヒト音声の再生(例えば記録された「電源を点検して下さい(Check Power Supply)」という音声の記録)、機械作成メッセージの再生、音楽、ユーザー特注又はユーザー選択可能音声指示器(携帯電話用のユーザー選択可能な着信音と幾分類似する)、或いはその他の聴覚的指示器が挙げられるが、これらに限定されない。適当な場合、指示器421〜424は、増幅器、スピーカー、フィルター、並びに音響の品質を増強するかそうでなければ改良するための他の装置を用い得るか或いは包含し得る。
【0088】
一実施形態では、聴覚的指示器は振動されて聴覚的及び/又は触覚的信号を生じ得る膜、そして膜を振動するための電力を選択的に提供されるように電源16又は他の電源と接続される膜を包含する。さらに一例として、聴覚的指示器は、動作不良が検出される場合、発信音を出し得る一方で、動作不良が検出されない間は静かなままであり、或いはイオントフォレーシス装置400の状態に基づいて異なる発信音又は多数の発信音を出し得る。音量レベルも、異なる状態条件に対応し得る。
【0089】
視覚的ヒト知覚可能及び/又は聴覚的ヒト知覚可能出力を生じる装置に対して代替的又は付加的には、指示器421〜424は、ユーザーにより感知され得る出力を生じ得る触覚的指示器又は類似の装置を包含し得る。例としては振動装置、脈動装置、入力信号に応じて温度を変える装置(例えば室温からより熱い温度に進む)、圧電性要素により又は静電性要素により駆動される振動膜を用いる装置、軽度電気ショック又は軽度疼痛を課する装置、或いはヒト知覚可能触覚性出力を生じ得る任意の他の装置が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
一実施形態では、触覚性指示器は、印加電圧を変えることにより振動され得る膜を包含し得る。同様の電荷は外側に膜を移動させる一方で、異なる電荷は膜を内側に移動させる傾向がある。電荷は、ヒト聴力範囲内の音を生じるのに十分な周波数で変更され得る。付加的又は代替的には、周波数は、振動が触覚性感覚として感知され得るようなものであり得る。
【0091】
図5は、イオントフォレーシス装置500に関する制御ユニット15の別の実施形態のブロック図である。評価回路を用いる図4における制御ユニットの実施形態との比較において、図5における制御ユニット15の実施形態は、検出値を評価するためのプロセッサー及びソフトウエアを用いる。
【0092】
図5の制御ユニット15は、図4に関して上記された検出器401〜404と類似であり得る1つ又は複数の検出器501〜504を包含する。検出器501〜504の各々は、プリプロセッサーユニット506に提供される出力を生じる。例えばプリプロセッサーユニット506は、試料採取装置、整流器、アナログ−デジタル変換器、或いはプリプロセッサーユニット506に接続されるプロセッサー508のための検出器501〜504の出力を調整しうるその他の装置を包含し得る。
【0093】
プロセッサー508は、プロセッサー508により実行可能であるソフトウエア又はその他の機械可読命令を記録する機械可読記録媒体510に接続される。例えばソフトウエアは、プロセッサー508と協同して、検出器501〜504の出力を評価し、イオントフォレーシス装置10の動作不良が存在するか否かを判定し得る。この評価は、一実施形態では、検出器501〜504の出力値を正常動作に関する予測値と、及び/又は動作不良であるとして或る状態を分類する記録値と比較するためのアルゴリズムを用いることを包含し得る。このような比較は、閾値又は入力ユニット512により提供される他の値との比較を包含し得る。
【0094】
入力ユニット512は、ボタン、キーパッド、或いは参照値を提供し得るかそうでなければ記録媒体510中に記録されるソフトウエアをプログラムし得るその他の構成要素を含み得る。図3のユーザー入力装置304は、ユーザー入力ユニット512の考え得る一手段であり得る。
【0095】
プロセッサー508は、動作不良が存在するか否かといったようなイオントフォレーシス装置500の状態を示す指示を提供する1つ又は複数の指示器516と接続される。指示器516(単数又は複数)は、種々の聴覚的、視覚的及び/又は触覚的指示器といったような図4に関して上記されたようなものと類似の指示器を包含し得る。
【0096】
一実施形態では、出力回路514は、プロセッサー508と指示器516(単数又は複数)との間に接続され得る。例えば出力回路514は、変換器、ドライバー、論理回路、或いは指示器516(単数又は複数)へのプロセッサー508からの出力信号を条件付けるかそうでなければ調整するその他の構成要素を包含し得る。
【0097】
図6は、イオントフォレーシス装置600に関する制御ユニット15のさらに別の実施形態を示す。図6の実施形態では、制御ユニット15は、作用側電極構造体12において及び/又は対向電極構造体14において動作不良が存在するか否かを判定するための電気機械的インピーダンス分光分析(EIS/electromechanical impedance spectroscopy)技法を用いる。
【0098】
EISは、広範囲の周波数に及ぶ試料への正弦波電子化学的摂動(例えば電位又は電流波形)の適用を包含する。この多周波数励起は、以下を可能にする:(1)非常に異なる速度で起こるいくつかの電気化学的反応の測定、並びに(2)電極のキャパシタンスの測定。
【0099】
一実施形態では、制御ユニット15は、電極構造体12及び14の一方又は両方に、正弦波又は他の波形を適用するための信号発生器(SG)602を包含する。この励起からのリターン信号は、プロセッサー606に接続されるプリプロセッサー回路604により受信される。プロセッサー606は次に、プロセッサー606により実行可能なソフトウエア又は他の機械可読命令を記録する1つ又は複数の機械可読記録媒体608と接続される。
【0100】
記録ソフトウエアは、例えばリターン信号を評価して、キャパシタンス又はその他の特質の測定を含めてインピーダンスに関係し得る種々の反応の型及び程度を判定するEISソフトウエアを包含し得る。ソフトウエアはさらに、電極構造体12又は14における任意の特定の欠陥又は動作不良をEISの結果が示すか否かを判定するために、プロセッサー606と協同し得る。一実施形態では、入力データ(例えば閾値データ又は他のプログラミング)は、図3〜図5に上記されたものと類似のユーザー入力装置(示されていない)によりソフトウエアのために提供され得る。
【0101】
図6の制御ユニット15はさらに、イオントフォレーシス装置600の動作不良が存在するか否かの指示を提供するための1つ又は複数の指示器614、並びに指示器614とプロセッサー606との間に接続された指示器614へのプロセッサー606の出力を条件付けるための出力回路612を包含し得る。
【0102】
図6の実施形態に関して実行され得る指示器614の型は、上記された指示器と類似であり得る。一実施形態では、図6の制御ユニット15はさらに、EISの能力を有するほかに、1つ又は複数の上記された検出器と類似する付加的検出器610を包含しうる。簡潔にするために、指示器及び検出器の詳細は、本明細書中では繰り返さない。
【0103】
図7は、上記のような制御ユニットを有するイオントフォレーシス装置の特質を検出、評価し、及び指示を提供するための技法の流れ図700である。図7に示した技法は、イオントフォレーシス装置を含む内蔵型ユニットにおいて実施され、及び/又はイオントフォレーシス装置に対して外部に存在し得るシステムで実施され得る。一実施形態では、流れ図700に示した動作は、そしてこれまでに図示及び記載された、記録媒体及びプロセッサーのような機械可読記録媒体上に記録されるソフトウエア又は他の機械可読命令により実施され、プロセッサーにより実行可能である。流れ図700に示した動作は必ずしも示された正確な順序で行なう必要はなく、種々の動作が付加され、取り除かれ、変更され、又は組合され得る。
【0104】
ブロック702では、イオントフォレーシス装置の1つ又は複数の構成要素の1つ又は複数の特質が検出される。上記のように、検出特質は、イオントフォレーシス装置の適切/不適切動作に関連し得る電流、電圧、インピーダンス、キャパシタンス、インダクタンス又はその他のパラメータを表す検出値を含み得る。
【0105】
ブロック702では、検出特質の値が評価される。例えばソフトウエアを用いる電気回路及び/又はプロセッサーは、その値を記録値と比較して、特定の閾値を満たしているか、満たしていないか、或いは過剰であるかを判定し、また時間パラメータにかんがみて検出特質を評価し得る。例えば検出電圧は、イオントフォレーシスプロセス中の特定の時間間隔で予測電圧より高い可能性があり、したがってこれは、電極配置不良、損傷又はその他の欠陥状態により引き起こされ得る高抵抗を示す。
【0106】
ブロック706で動作不良又は他の欠陥状態がおそらくは存在すると判定された場合には、ブロック708で指示が提供される。提供される指示は、聴覚的、視覚的又は触覚的指示のうちの1つ又はその組合せであり得る。
【0107】
或る種の実施形態では、活性物質は高分子量分子であり得る。或る種の態様では、分子は極性高分子電解質であり得る。或る種の他の態様では、分子は親油性であり得る。或る種の実施形態では、活性電極内の条件下で、このような分子は荷電され得るし、そして低正味電荷を有するか、又は非荷電であり得る。或る種の態様では、このような活性物質は、小さなより高度に荷電された活性物質の移動に対比して、イオントフォレーシス反発力下では十分に移動し得ない。したがってこれらの高分子量活性物質は、主に電気浸透溶媒流により、生体界面を介して下に或る組織中に運搬され得る。或る種の実施形態では、高分子量の高分子電解質活性物質は、タンパク質、ポリペプチド又は核酸であり得る。
【0108】
要約に記載されたものを含めて上記の例証的実施形態についての記載は、網羅的であるように意図されないし、添付の特許請求の範囲を開示された精確な形態に限定するものでもない。例示の目的で特定の実施形態及び実施例を本明細書に記載しているが、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、そして当業者に理解されるように、種々の等価の改変がなされ得る。本明細書中に提供される教示は、他の物質送達システム及び装置に適用可能であり、必ずしも一般的に上記した例示的なイオントフォレーシス活性物質システム及びイオントフォレーシス活性物質装置であるというわけではない。例えばいくつかの実施形態は、上記した膜、貯留槽及び全ての構造を含み得る一方で、他の実施形態は、いくつかの膜、貯留槽及び全ての構造を省き、或いは、追加的な構造を含み得る。例えばいくつかの実施形態は、作用側電極要素20及び対向電極要素40に印加される電圧、電流又は電力を制御するための制御回路又はサブシステムを包含し得る。さらにまた例えばいくつかの実施形態は、最外部作用側電極イオン選択膜22と生体界面18との間に介在される界面層を包含し得る。いくつかの実施形態は、付加的イオン選択膜、イオン交換膜、半透性膜及び/又は多孔性膜、並びに電解質及び/又は緩衝剤のための付加的貯留槽を含み得る。
【0109】
種々の導電性ヒドロゲルが既知であり、対象の皮膚に或いは対象へ電気刺激を接続するための装置内に電気的界面を提供するために医療分野で用いられてきた。ヒドロゲルは皮膚を水和し、したがってヒドロゲルにより電気刺激のための炎症に対して保護する一方で、皮膚を膨潤し、活性構成成分のより効率的な移動を可能にする。このようなヒドロゲルの例は、米国特許第6,803,420号、同第6,576,712号、同第6,908,681号、同第6,596,401号、同第6,329,488号、同第6,197,324号、同第5,290,585号、同第6,797,276号、同第5,800,685号、同第5,660,178号、同第5,573,668号、同第5,536,768号、同第5,489,624号、同第5,362,420号、同第5,338,490号及び同第5,240,995号(これらの記載内容はその全体において参照により本明細書中で援用される)に開示されている。このようなヒドロゲルのさらなる例は、米国特許公開第2004/166147号、同第2004/105834号、及び同第2004/247655号(これらの記載内容はその全体において参照により本明細書中で援用される)に開示されている。種々のヒドロゲル及びヒドロゲルシートの製品商標名としては、Corplex(商標)(Corium)、Tegagel(商標)(3M)、PuraMatrix(商標)(BD)、Vigilon(商標)(Bard)、ClearSite(商標)(Conmed Corporation)、FlexiGel(商標)(Smith & Nephew)、Derma−Gel(商標)(Medline)、Nu−Gel(商標)(Johnson & Johnson)、及びCuragel(商標)(Kendall)或いはアクリルヒドロゲル・フィルム(Sun Contact Lens Co., Ltd.から入手可能)が挙げられる。
【0110】
上記の種々の実施形態は、有益には、種々の微細構造、例えばマイクロニードルを用い得る。マイクロニードル及びマイクロニードルアレイ、それらの製造及び使用が記載されている。マイクロニードルは、独立して、又はアレイで、中空、固体及び透過性、固体及び半透性、或いは固体及び非透過性であり得る。固体、非透過性マイクロニードルはさらに、それらの外表面に沿って溝を含み得る。複数のマイクロニードルからなるマイクロニードルアレイは、種々の形状、例えば長方形又は円形で配列され得る。マイクロニードル及びマイクロニードルアレイは、種々の材料、例えばケイ素、二酸化ケイ素、成型プラスチック材料、例えば生分解性ポリマー又は非生分解性ポリマー、セラミック、並びに金属から製造され得る。マイクロニードルは、独立して、又はアレイで、中空開口部を通して、固体透過性物質又は半透性物質を通して、或いは外部溝を介して、流体を投与するか又はサンプリングするために用いられ得る。マイクロニードル装置は、例えば生体界面、例えば皮膚又は粘膜を介して、生きている身体に種々の化合物及び組成物を送達するために用いられる。或る種の実施形態では、活性物質化合物及び組成物は、生体界面に又は生体界面を介して送達され得る。例えば皮膚を介して化合物又は組成物を送達するのに際しては、個々の或いはアレイでの(単一又は複数の)マイクロニードルの長さ、及び/又は挿入深度は、化合物又は組成物の投与が表皮中だけ、表皮を通して真皮、又は皮下に投与されるかを制御するために用いられ得る。或る種の実施形態では、マイクロニードル装置は、高分子量活性物質、例えばタンパク質、ペプチド及び/又は核酸を含むもの並びにその対応する組成物の送達のために有用であり得る。例えば流体がイオン性溶液である或る種の実施形態では、(単一又は複数の)マイクロニードル又は(単一又は複数の)マイクロニードルアレイは電源とマイクロニードル(単数又は複数)の先端との間の電気的連続性を提供し得る。(単一又は複数の)マイクロニードル又は(単一又は複数の)マイクロニードルアレイは、本明細書中に記載されるようなイオントフォレーシス法により、化合物又は組成物を送達するか又はサンプリングするために有益に用いられ得る。或る種の実施形態では、例えばアレイ中の複数のマイクロニードルは、有益には、イオントフォレーシス装置の最外部生体界面の接触表面上に形成され得る。このような装置により送達されるか又はサンプリングされる化合物又は組成物は、例えば高分子量活性物質、例えばタンパク質、ペプチド及び/又は核酸を含み得る。
【0111】
或る種の実施形態では、化合物又は組成物は、生体界面に、生体界面の中に、又は生体界面を介して、活性物質を送達するために、電源に電気的に結合された作用側電極構造体及び対向電極構造体を含むイオントフォレーシス装置により送達され得る。作用側電極構造体は、以下のものを包含する:電源の正電極に接続される第一の電極部材、第一の電極部材と接触し、そして第一の電極部材を介して電圧及び/又は電流を印加される活性物質溶液を有する活性物質貯留槽、マイクロニードルアレイであり得、活性物質貯留槽の前面に対面して配置される生体界面接触部材、並びにこれらの部材を収容する第一のカバー又は容器。対向電極構造体は、以下のものを包含する:電源の負電極に接続される第二の電極部材、第二の電極部材と接触し、そして第二の電極部材を介して電圧及び/又は電流が印加される電解質を担持する電解質貯留槽、並びにこれらの部材を収容する第二のカバー又は容器。
【0112】
或る種の他の実施形態では、化合物又は組成物は、生体界面に、生体界面の中に、又は生体界面を介して、活性物質を送達するために、電源に電気的に結合された作用側電極構造体及び対向電極構造体を含むイオントフォレーシス装置により送達され得る。作用側電極構造体は、以下のものを包含する:電源の正電極に接続される第一の電極部材、第一の電極部材と接触し、そして第一の電極部材を介して電圧及び/又は電流を印加される電解質を有する第一の電解質貯留槽、第一の電解質貯留槽の前面に配置される第一の陰イオン交換膜、第一の陰イオン交換膜の前面に対して配置される活性物質貯留槽、マイクロニードルアレイであり得、活性物質貯留槽の前面に対面して配置される生体界面接触部材、並びにこれらの部材を収容する第一のカバー又は容器。対向電極構造体は、以下のものを包含する:電源の負電極に接続される第二の電極部材、第二の電極部材と接触し、そして第二の電極部材を介して電圧及び/又は電流を印加される電解質を担持する第二の電解質貯留槽、第二の電解質貯留槽の前面に配置される陽イオン交換膜、陽イオン交換膜の前面に対して配置され、そして第二の電解質貯留槽及び陽イオン交換膜を介して第二の電極部材から電圧及び/又は電流が提供される電解質を担持する第三の電解質貯留槽、第三の電解質貯留槽の前面に対して配置される第二の陰イオン交換膜、並びにこれらの部材を収容する第二のカバー又は容器。
【0113】
マイクロニードル装置、それらの使用及び製造についての或る程度の詳細は、米国特許第6,256,533号、同第6,312,612号、同第6,334,856号、同第6,379,324号、同第6,451,240号、同第6,471,903号、同第6,503,231号、同第6,511,463号、同第6,533,949号、同第6,565,532号、同第6,603,987号、同第6,611,707号、同第6,663,820号、同第6,767,341号、同第6,790,372号、同第6,815,360号、同第6,881,203号、同第6,908,453号及び同第6,939,311号(これらの記載内容はすべて、参照により本明細書中で援用される)に開示されている。その中の教示のいくつか又はすべてが、マイクロニードル装置、それらの製造、並びにイオントフォレーシス用途におけるそれらの使用に適用され得る。
【0114】
上記の様々な実施形態を組合せて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書で言及され、且つ/又は出願データシートに列挙されるすべての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許出版物は、下記に列記のものを非限定的に含めて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特許第3040517号として2000年3月3日に発行され、特開平04−297277号公報を有する1991年3月27日に出願された特願平03−86002号公報、特開2000−229128号公報を有する1999年2月10日に出願された特願平11−033076号公報、特開2000−229129号公報を有する1999年2月12日に出願された特願平11−033765号公報、特開2000−237326号公報を有する1999年2月19日に出願された特願平11−041415号公報、特開2000−237327号公報を有する1999年2月19日に出願された特願平11−041416号公報、特開2000−237328号公報を有する1999年2月22日に出願された特願平11−042752号公報、特開2000−237329号公報を有する1999年2月22日に出願された特願平11−042753号公報、特開2000−288098号公報を有する1999年4月6日に出願された特願平11−099008号公報、特開2000−288097号公報を有する1999年4月6日に出願された特願平11−099009号公報、PCT公開番号WO03037425を有する2002年5月15日に出願されたPCT特許出願WO2002JP4696、2004年3月9日に出願された米国特許出願第10/488970号、2004年10月29日に出願された特願2004/317317号公報、2004年11月16日に出願された米国仮特許出願第60/627,952号、2004年11月30日に出願された特願2004−347814号公報、2004年12月9日に出願された特願2004−357313号公報、2005年2月3日に出願された特願2005−027748号公報、2005年3月22日に出願された特願2005−081220号公報。
2005年12月28日に出願された米国仮特許出願第60/754,953号。
【0115】
種々の実施形態の態様は、必要な場合、さらなる実施形態を提供するために種々の特許、出願及び出版物のシステム、回路及び概念を用いるように変形され得る。いくつかの実施形態は、上記の膜、貯留槽及びその他の構造のすべてを包含し得るが、他の実施形態は、膜、貯留槽又は他の構造のいくつかを省略し得る。さらなる他の実施形態は、一般的に上記した膜、貯留槽及び構造の付加的なものを用いることができる。さらなる実施形態は、一般的に上記した膜、貯留槽及び構造の付加的なものを用いながら、上記の膜、貯留槽及び構造のいくつかを省略することができる。
【0116】
上記の詳細な記載にかんがみて、様々な変更が為され得る。概して、添付の特許請求の範囲においては、用いられる用語は、本明細書及び添付の特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されるべきでなく、添付の特許請求の範囲に従って動作するすべてのシステム、装置及び/又は方法を含むように解釈されるべきである。したがって本発明は本開示により限定されなるものでなく、その範囲は添付の特許請求の範囲により専ら判定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】一例示的実施形態による、作用側電極構造体及び対向電極構造体を含むイオントフォレーシス装置のブロック図であって、この場合、作用側電極構造体は、活性物質を貯蔵する最外部膜、最外部膜の外表面に付着される活性物質、並びに活性物質及び最外部膜の上に重なるか又は被覆する取り外し可能な外部リリースライナーを包含する。
【図2】一例示的実施形態による、外部リリースライナーが活性物質を露出させるために取外された、生体界面上に配置される図1のイオントフォレーシス装置のブロック図である。
【図3】イオントフォレーシス装置と一体化した制御ユニットを備えるイオントフォレーシス装置のブロック図である。
【図4】イオントフォレーシス装置の動作不良の指示を検出及び提供し得る制御ユニットの第一の実施形態を有するイオントフォレーシス装置のブロック図である。
【図5】イオントフォレーシス装置の動作不良の指示を検出及び提供し得る制御ユニットの第二の実施形態を有するイオントフォレーシス装置のブロック図である。
【図6】イオントフォレーシス装置の動作不良の指示を検出及び提供し得る制御ユニットの第三の実施形態を有するイオントフォレーシス装置のブロック図である。
【図7】イオントフォレーシス装置の動作不良の指示を検出、評価、及び提供するための技法の一実施形態の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体界面に活性物質を送達するイオントフォレーシス装置に使用可能な方法であって、
前記イオントフォレーシス装置の少なくとも1つの構成要素と関連する特質の値を検出すること、
前記特質の検出値を評価して、該検出値が前記イオントフォレーシス装置の考え得る欠陥状態を示すか否かを判定する評価すること、及び
前記評価値が考え得る欠陥状態を示すと判定される場合、前記イオントフォレーシス装置の該考え得る欠陥状態を示す少なくとも1つのヒト知覚可能指示を発生させること(前記イオントフォレーシス装置の外側から知覚可能なやり方で、該ヒト知覚可能指示を提供することを含む)を包含する、生体界面に活性物質を送達するイオントフォレーシス装置に使用可能な方法。
【請求項2】
前記特質の値を検出することが電流、電圧、電力、インピーダンス、キャパシタンス、インダクタンス及びインピーダンススペクトルのうちの1つ又は組合せの値を検出することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出値を評価することが該検出値を閾値を表わす記録値と比較することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのヒト知覚可能指示を発生させることが可視的指示を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのヒト知覚可能指示を発生させることが聴覚的指示を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのヒト知覚可能指示を発生させることが触覚性指示を発生させることを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記考え得る欠陥状態が前記生体界面上の前記イオントフォレーシス装置の不適切配置を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記考え得る欠陥状態が前記イオントフォレーシス装置の少なくとも1つの構成要素の損傷又は不適切動作を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
検出値が考え得る欠陥状態を示すか否かを判定するためにイオントフォレーシス装置の動作に関連した該特質の検出値を評価することによって、及び
前記評価値が前記考え得る欠陥状態を示すと判定される場合、前記イオントフォレーシス装置の前記考え得る欠陥状態を示す少なくとも1つのヒト知覚可能指示の発生を開始することによって、
前記イオントフォレーシス装置おいて使用可能であり、該イオントフォレーシス装置の前記考え得る欠陥状態が存在するか否かを判定するためにプロセッサーにより実行可能である記録された命令を有する機械可読媒体を包含する製品。
【請求項10】
少なくとも1つのヒト知覚可能指示の発生を開始するための前記命令が前記イオントフォレーシス装置の外側から知覚可能なやり方で該ヒト知覚可能指示を提供するための命令を包含する、請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記機械可読媒体が前記イオントフォレーシス装置と共通のハウジング材料内に置かれる、請求項9に記載の製品。
【請求項12】
前記機械可読媒体が、
前記イオントフォレーシス装置の少なくとも1つの構成要素にインピーダンス分光分析技法を適用することによって、及び
前記インピーダンス分光分析技法を適用した結果から評価される、前記特性の検出値を得ることによって
前記考え得る欠陥状態が存在するか否かを判定するために前記プロセッサーにより実行可能である命令をさらに包含する、請求項9に記載の製品。
【請求項13】
前記機械可読媒体が、前記特質の値を得るために少なくとも1つの検出器を制御することによって前記考え得る欠陥状態が存在するか否かを判定するために前記プロセッサーにより実行可能である命令をさらに包含する、請求項9に記載の製品。
【請求項14】
生体界面に活性物質を送達するためのイオントフォレーシス装置手段、
前記イオントフォレーシス装置手段の少なくとも1つの構成要素の動作に関連したパラメータの値を獲得するための検出器手段、
前記イオントフォレーシス装置手段の考え得る動作不良が存在し得るか否かを判定するための前記パラメータの前記獲得した値を評価するための評価手段、並びに
前記イオントフォレーシス装置手段の考え得る動作不良が存在し得るか否かについてのヒト知覚可能指示を前記パラメータの評価値に基づいて提供するための指示器手段を包含するシステム。
【請求項15】
前記評価手段が前記パラメータの値を参照値と比較するための回路手段を包含する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記評価手段が、前記パラメータの前記値が前記イオントフォレーシス装置手段の考え得る動作不良を示すか否かを判定するための機械可読命令手段と協動するプロセッサー手段を包含する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記評価手段が前記イオントフォレーシス装置手段の外部に独立して置かれる、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
活性物質を生体界面に送達するための作用側電極構造体、
前記作用側電極構造体に電流を印加して前記生体界面への前記活性物質の送達を誘導するために該作用側電極構造体に接続される電源、
前記電源に接続される対向電極構造体、並びに
前記電極構造体及び前記電源に接続される制御ユニットであって、
前記電極構造体及び前記電源のうちのいずれか1つ又は組合せと関連した特質の値を検出するための少なくとも1つの検出器と、
前記検出値に基づく入力を受け取るように前記検出器に接続され、前記入力が考え得る動作不良を示すか否かを判定する評価ユニットと、
前記評価ユニットに接続され、評価ユニットに応答して前記考え得る動作不良のヒト知覚可能指示を提供する指示器とを包含する制御ユニット
を含む、イオントフォレーシス装置。
【請求項19】
前記評価ユニットが前記入力を少なくとも1つの特定値と比較するために接続される電気回路を包含する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記評価ユニットが機械可読命令を実行して前記入力が前記考え得る動作不良を示すか否かを判定し得るプロセッサーを包含する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記指示器が画像表示出力を提供する、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記評価ユニットへの前記入力の評価に関する情報を受け取るために該評価ユニットに接続される入力ユニットをさらに包含する、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記指示器が少なくとも1つ又は複数の光学的指示、機械的指示、電気化学的指示を含む視覚的指示を提供する、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記指示器が聴覚的指示を提供する、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記指示器がユーザーの接触により感知され得る指示を提供する、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの検出器が前記電極構造体のうちの1つの少なくとも1つの層を通る電圧を検出するための電圧検出器を包含する、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの検出器が前記電極構造体間に接続され配置される電流検出器を包含する、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1つの検出器が前記電源に接続される検出器を包含する、請求項18に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−39553(P2009−39553A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−264209(P2008−264209)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【分割の表示】特願2008−533539(P2008−533539)の分割
【原出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(505046776)TTI・エルビュー株式会社 (36)
【Fターム(参考)】