説明

生体計測装置

【課題】本体から表示ユニットを取り外して使用することが可能な生体計測装置の防水機能を高める。
【解決手段】体重や体組成情報などの計測結果を表示する表示ユニット20を本体10から取り外して使用することが可能な生体計測装置1において、本体10に表示ユニット20が取り付けられると、本体10に設けられた通信端子124と表示ユニット20に設けられた通信端子206との接触部分が防水ゴム12で密閉される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重計や体組成計などの生体計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体重計や体組成計などの生体計測装置の中には、特許文献1に記載されているように、体重や体脂肪率などの計測結果を表示する表示ボックス2を本体1から取り外して使用することができるものがある。また、この特許文献1には、本体1−表示ボックス2間の通信を無線通信によって行う構成に加え、本体1に表示ボックス2が取り付けられると、本体1に設けられた接続端子33と表示ボックス2に設けられた接続端子34が接触し、本体1−表示ボックス2間の通信が可能になる構成が開示されている。
【特許文献1】特許第3688184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、体重計や体組成計などの生体計測装置は、脱衣所や洗面所など比較的濡れやすい場所に置かれていることが多い。このため、特許文献1に記載されているように接続端子33,34を介して本体1−表示ボックス2間の通信を行う構成の場合、接続端子33と接続端子34との接触部分に水が入ると、本体1−表示ボックス2間の通信に支障をきたすおそれがある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、本体から表示ユニットを取り外して使用することが可能な生体計測装置の防水機能を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するため、本発明に係る生体計測装置は、通信用の第1端子を有し、生体を計測する本体と、通信用の第2端子を有し、前記本体による計測結果に基づいた生体情報を表示する表示ユニットとを備え、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記第1端子と前記第2端子が互いに接触し、前記本体−前記表示ユニット間の通信が可能になる生体計測装置において、前記本体と前記表示ユニットのいずれか1方以上には、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉する防水ゴムが設けられていることを特徴とする。
【0005】
なお、生体情報は、生体を計測して得ることのできる、例えば、体重、生体インピーダンス、体脂肪率、体水分量、筋肉量、内臓脂肪面積、骨密度、基礎代謝量、血圧、体温のうち、いずれか1以上の情報である。
【0006】
以上の構成によれば、本体に表示ユニットが取り付けられると、本体と表示ユニットのいずれか一方以上に設けられた防水ゴムによって、本体側の第1端子と表示ユニット側の第2端子との接触部分が密閉される。よって、第1端子と第2端子との接触部分に水が入ることを防ぐことができる。
【0007】
また、上述したいずれかの生体計測装置において、前記防水ゴムは、前記本体に設けられている場合、前記第1端子のうち前記第2端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部が前記表示ユニットの筐体に密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉し、前記表示ユニットに設けられている場合、前記第2端子のうち前記第1端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部が前記本体の筐体に密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉し、前記本体と前記表示ユニットの両方に設けられている場合、前記本体側の防水ゴムは、前記第1端子のうち前記第2端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記表示ユニット側の防水ゴムは、前記第2端子のうち前記第1端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部同士が密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉する構成であってもよい。
この構成によれば、防水ゴムの隆起部を、当該隆起部と対向する筐体(表示ユニットまたは本体)と密着させること、あるいは本体と表示ユニットの両方に設けられた防水ゴムの隆起部同士を密着させることで、第1端子と第2端子との接触部分を密閉することができる。
【0008】
また、上述したいずれかの生体計測装置において、前記本体には、前記表示ユニットを収容するための収容部が当該本体の上面から側面に至る一部分を切り欠いて形成されており、前記第1端子は、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面と対向する前記収容部の側面に設けられ、前記第2端子は、前記表示ユニットのうち、当該表示ユニットを前記収容部に収容した場合に前記第1端子と向かい合う位置に設けられ、前記表示ユニットと前記収容部には係止部が設けられ、当該係止部は、前記表示ユニットを前記収容部に固定すると共に、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面から当該側面と対向する前記収容部の側面に向かう方向の付勢力を前記表示ユニットに加える構成であってもよい。
【0009】
この構成によれば、係止部によって表示ユニットに付勢力が加えられ、この付勢力によって、第1端子と第2端子との接触を確実にすると共に、防水ゴムの隆起部と、当該隆起部と対向する筐体(表示ユニットまたは本体)との密着度を高めることができる。したがって、第1端子と第2端子との接触部分の密閉度を高め、当該接触部分に水が入ることを確実に防ぐことができる。なお、係止部は、例えば、後述する実施形態に記載している突起22a,22bおよび突起15a,15bや、係合爪16および係合孔21である。
【0010】
また、上述した生体計測装置において、前記係止部は、前記収容部の底面と当該底面と向かい合う前記表示ユニットの背面との間に隙間を空けて前記表示ユニットを前記収容部に固定する構成であってもよい。この構成によれば、収容部に表示ユニットを取り付けた場合に、収容部の底面と表示ユニットの背面との間には隙間ができる。よって、この隙間を流路として収容部に入った水を外部に排水することができる。
【0011】
また、上述した生体計測装置において、前記収容部の底面は傾斜しており、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面に向けて漸次低くなる構成であってもよい。この構成によれば、収容部に入った水を底面の傾斜に沿って外部に排水することができる。
また、上述した生体計測装置において、前記収容部には排水用の溝が形成されている構成であってもよい。
【0012】
また、上述した生体計測装置において、前記収容部のうち前記第1端子が設けられた側面には、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面に向けて突出するひさしが前記第1端子の上部に設けられている構成であってもよい。また、前記ひさしは斜め上方に突出している構成であってもよい。この構成によれば、第1端子の上部に設けられたひさしによって、第1端子と第2端子との接触部分に水が入ることを防ぐことができる。なお、ひさしは、例えば、板状の部材を側面に取り付けたり、側面の一部を隆起させて形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
なお、以下の実施形態では、体重に加え、体脂肪率、体水分量、筋肉量、内臓脂肪面積、骨密度、基礎代謝量などを計測することが可能な体組成計に本発明を適用した場合について説明する。
【0014】
<A.実施形態>
図1は、体組成計1の全体構成を示す斜視図である。
同図に示すように体組成計1は、本体10と、本体10に対して着脱自在な表示ユニット20を備える。本体10の上面は体重を計測するための載せ台102になっている。また、載せ台102には、両足間の生体インピーダンスを計測するための通電用電極104a,104bと計測用電極104c,104dが設けられている。通電用電極104aと計測用電極104cは左足用の電極であり、通電用電極104bと計測用電極104dは右足用の電極である。また、本体10のうち図中下側の側面には、計測の開始などを指示する複数の操作キー106が設けられている。一方、表示ユニット20は、体重や体脂肪率などの計測結果を表示する表示部202と、表示部202の表示内容を切り替えたり、被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)を入力するための複数の操作キー204を備える。
【0015】
被験者は、体重や体脂肪率などを計測するにあたり、複数の操作キー106の中から事前に割り当てておいた自分用の操作キー106をつま先などで押した後、載せ台102の上にあがる。また、載せ台102の上において被験者は、通電用電極104aと計測用電極104cの上に左足をおくと共に、通電用電極104bと計測用電極104dの上に右足をおく。この状態において体重および両足間の生体インピーダンスが本体10により計測される。また、体重や体脂肪率などの計測結果が表示ユニット20の表示部202に表示される。
【0016】
図2は、体組成計1の電気的な構成を示すブロック図である。
同図に示すように本体10は、電極部104と、高周波定電流回路108と、電圧測定回路110と、重量センサー部112と、増幅回路114と、切替部116と、A/D変換回路118と、操作部120と、記憶部122と、通信端子124と、CPU126を備える。
【0017】
電極部104は、図1に示した通電用電極104a,104bと計測用電極104c,104dを備える。高周波定電流回路108は、通電用電極104a,104bに高周波の微弱な定電流を印加する。この定電流が通電用電極104a,104bを介して被験者の足裏に印加される。電圧測定回路110は、計測用電極104c,104dに生じる電位差を計測する。重量センサー部112は被験者の体重を計測する。増幅回路114は重量センサー部112からのデータを増幅する。切替部116は、CPU126からの指示に応じて、A/D変換回路118に接続する回路を、電圧測定回路110と増幅回路114のいずれか一方に切り替える。A/D変換回路118は、電圧測定回路110や増幅回路114からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。操作部120は、図1に示した複数の操作キー106を備える。記憶部122には、体脂肪率や体水分量などの体組成情報を算出するための計算式やデータテーブルが記憶されている。通信端子124は、表示ユニット20が本体10に取り付けられると、表示ユニット20に備わる通信端子206と接続される。
【0018】
CPU126は、体重および生体インピーダンスの計測や、体組成情報の算出、表示ユニット20との通信などを制御する。なお、電極部104,高周波定電流回路108,電圧測定回路110,切替部116,A/D変換回路118,CPU126により生体インピーダンス計測部が構成される。また、重量センサー部112,増幅回路114,切替部116,A/D変換回路118,CPU126により体重計測部が構成される。CPU126は、体重計測部により計測された体重と、生体インピーダンス計測部により計測された生体インピーダンスと、通信端子124を介して表示ユニット20から受信した被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)と、記憶部122に記憶されている計算式やデータテーブルを用いて、体脂肪率、体水分量、筋肉量、内臓脂肪面積、骨密度、基礎代謝量などの体組成情報を算出する。
【0019】
一方、表示ユニット20は、図2に示すように、通信端子206と、操作部208と、記憶部210と、表示部202と、CPU212を備える。
通信端子206は、表示ユニット20が本体10に取り付けられると、本体10に備わる通信端子124と接続される。操作部208は、図1に示した複数の操作キー204を備える。これら複数の操作キー204には、メニューキーやアップキー、ダウンキーなどが含まれており、被験者はこれらの操作キー204を操作して身長、年齢、性別などの身体情報を入力することができる。記憶部210には、操作部208を操作して入力された被験者の身体情報が記憶されると共に、通信端子206を介して本体10から受信した計測結果が蓄積される。表示部202には、体重や体組成情報などの計測結果や身体情報などが表示される。CPU212は、身体情報の入力や、計測結果の表示、本体10との通信などを制御する。
【0020】
なお、本体10から受信した計測結果は、計測日時や被験者の識別情報と共に記憶部210に蓄積される。したがって、表示部202には、例えば、ここ1ヶ月間の体重や体組成情報の推移などをグラフ形式で表示することも可能である。被験者は、操作部208を操作して、計測結果の表示態様を変更したり、記憶部210に蓄積されている計測結果の中から表示する計測結果を選択することができる。
【0021】
また、本体10(CPU126)と表示ユニット20(CPU212)は、表示ユニット20が本体10に取り付けられ、通信端子124と通信端子206が互いに接続されると通信を行うことが可能になる。本体10と表示ユニット20との間では、計測結果(体重や体組成情報)や身体情報などが送受信される。また、本実施形態に係る体組成計1は、体重や体脂肪率などの計測を行う際に、表示ユニット20を本体10に取り付けておく必要があるが、表示ユニット20を本体10から取り外して使用することもできる。例えば、被験者は、本体10から取り外された表示ユニット20を使用して、身体情報を入力したり、記憶部210に記憶されている計測結果を表示部202に表示することができる。このため、表示ユニットを分離することができない一体型の体組成計に比べ、屈んだ姿勢で身体情報の入力や計測結果の確認を行う必要がない。
【0022】
なお、身体情報とは、例えば、身長、年齢、性別のうちいずれか1以上の情報である。また、体組成情報とは、例えば、体脂肪率、体水分量、筋肉量、内臓脂肪面積、骨密度、基礎代謝量のうちいずれか1以上の情報である。また、体組成計1は、体重や体組成情報に加え、被験者の血圧や体温を計測する機能をさらに備えていてもよい。この場合、本体10は、被験者の血圧を計測する血圧計測部や、被験者の体温を計測する体温計測部を備える。また、血圧計測部により計測された血圧の情報や体温計測部により計測された体温の情報が、体重や体組成情報などと共に本体10から表示ユニット20に送信され、表示部202に表示される。
【0023】
図3および図4は、表示ユニット20の外観を示す斜視図である。
図3に示すように表示ユニット20の表側には、表示部202と8個の操作キー204が設けられている。また、図3および図4に示すように、表示ユニット20のうち図中下側の側面には、6個の接点を備えた通信端子206が設けられている。この通信端子206に備わる6個の接点は、表示ユニット20を本体10に取り付けることによって、本体10側の通信端子124に備わる6個の接点と互いに接触する。また、図3および図4には片方しか図示していないが、表示ユニット20の両脇の側面には係合孔21が設けられている。この係合孔21は、後述する図5に示す係合爪16と着脱自在に嵌合する。また、図4に示すように表示ユニット20の背面には、6個の半球状の突起22a〜22fや電池蓋が設けられている。
【0024】
図5は、収容部11の構造を示す斜視図である。
同図に示すように本体10には、表示ユニット20を取り付けるための凹状の収容部11が形成されている。この収容部11は、図1を参照すると明らかになるように、本体10のうち、左足用の電極104a,104cと右足用の電極104b,104dの間の中央部分を、つま先側(載せ台102の上に載った被験者の前方)に位置する側面まで切り欠いて形成される。収容部11のうち図中奥側の側面は、上段側面Uと下段側面Dに分かれており、下段側面Dの方が上段側面Uよりも図中手前側に突き出ている。下段側面Dには、6個の接点(ピン)を備えた通信端子124と防水ゴム12が設けられている。防水ゴム12は、通信端子124に備わる6個の接点の四方を取り囲む隆起部を有する。
【0025】
また、下段側面Dにおいて通信端子124の上部には、通信端子124に水が流れ込まないようにするための防水用のひさし13が設けられている。上段側面Uと下段側面Dとの間の段差の部分には排水溝14aが設けられ、収容部11の両脇の一部には排水溝14b,14cが設けられている。これらの排水溝14a〜14cは、収容部11を真上から見たときコの字状につながっている。さらに、収容部11の底面Vのうち図中手前側の端部(本体10の側面に臨む端部)には、表示ユニット20の背面に設けられた突起22a,22b(図4参照)を係止し、表示ユニット20を収容部11に固定するための突起15a,15bが設けられている。また、図5には片方しか図示していないが、収容部11の両脇の側面には、P字型の係合爪16が設けられている。この係合爪16は、表示ユニット20に設けられた係合孔21と着脱自在に嵌合する。なお、収容部11の底面Vは、2.5度の傾斜がつけられており、通信端子124側から突起15a,15b側に向かって徐々に低くなっている。
【0026】
図6は、表示ユニット20を収容部11に取り付けた状態を示す断面図である。
同図に示すように表示ユニット20が収容部11に取り付けられると、表示ユニット20の背面に設けられた突起22a,22bが、収容部11の底面Vに設けられた突起15a,15bによって係止される。また、収容部11の両サイドに設けられた係合爪16が、表示ユニット20の両サイドに設けられた係合孔21に嵌め込まれる。これにより表示ユニット20が収容部11に固定される。
【0027】
また、表示ユニット20の突起22a,22bを収容部11の突起15a,15bで係止することによって、表示ユニット20には、図中、矢印で示す方向の付勢力Pが加わる。このため、本体10側の通信端子124に備わる6個の接点と、表示ユニット20側の通信端子206に備わる6個の接点が互いに接触する。また、表示ユニット20に加わる付勢力Pによって、本体10側に設けられた防水ゴム12の隆起部が、表示ユニット20の筐体(通信端子206の周囲の側面)と密着する。したがって、通信端子124と通信端子206との接触部分を密閉し、この部分に水が入ることを防ぐことができる。
【0028】
また、表示ユニット20の背面に設けられた6個の突起22a〜22fによって、表示ユニット20の背面と収容部11の底面Vとの間には排水用の隙間ができる。この隙間と、収容部11の底面Vの傾斜と、収容部11に設けられた排水溝14a〜14cによって、収容部11に入った水を排水溝14a〜14cや底面Vに沿って流し、外部に排水することができる。
【0029】
また、斜め上方に向かって突き出た防水用のひさし13と、この防水用のひさし13の根元に設けられた排水溝14aによって、図6において本体10と表示ユニット20の間から入ってきた水が、防水用のひさし13を乗り越えて通信端子124,206の方に流れ込むことを防いでいる。また、同図に示すように防水用のひさし13は、表示ユニット20に設けられた凹部に嵌め込まれる。このひさし13および凹部は、表示ユニット20を収容部11に固定する役割も果たす。すなわち、ひさし13および凹部と、係合爪16および係合孔21は、表示ユニット20を収容部11に取り付けた状態で、本体10を逆さまにひっくり返した場合であっても、表示ユニット20が収容部11から外れないよう、表示ユニット20を収容部11に固定している。
【0030】
<B.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能である。また、以下に示す2以上の変形例を適宜組み合わせることもできる。
[変形例1]
図7に示すように収容部11’の底面Vの両脇に、排水溝14b,14cと連通する排水溝14d,14eを形成してもよい。また、排水溝14aは、両サイドに効率よく排水できるよう、中央部が最も高く、両脇に向かって徐々に低くなるよう傾斜がつけられていてもよい。
【0031】
[変形例2]
上述した実施形態では、本体10側に防水ゴム12を設けた構成を例示したが、表示ユニット20側に防水ゴムを設けてもよい。この場合、防水ゴムは、表示ユニット20側の通信端子206の周囲に設けられ、通信端子206に備わる6個の接点の四方を取り囲む隆起部を有する。また、防水ゴムの隆起部は、表示ユニット20が収容部11に取り付けられると、表示ユニット20に加わる付勢力Pにより、本体10の筐体(通信端子124の周囲の下段側面D)と密着し、通信端子124と通信端子206との接触部分を密閉する。また、本体10側に防水ゴム12を設ける一方、表示ユニット20側にも上述した防水ゴムを設け、表示ユニット20が収容部11に取り付けられると、表示ユニット20に加わる付勢力Pにより、本体10側の防水ゴム12の隆起部と表示ユニット20側の防水ゴムの隆起部とが互いに密着し、通信端子124と通信端子206との接触部分を密閉する構成であってもよい。
【0032】
[変形例3]
上述した実施形態では、係止部として、(1)突起22a,22bと突起15a,15b、(2)係合爪16と係合孔21、(3)ひさし13と凹部を備えた構成を例示した。しかしながら、(2)と(3)のみ、あるいは係合爪16と係合孔21の数を増やせば(2)のみで、表示ユニット20を収容部11に固定すると共に、表示ユニット20に付勢力Pを加えることができる。
【0033】
[変形例4]
上述した実施形態では、防水ゴム12と、傾斜した底面Vと、排水溝14a〜14cと、防水用のひさし13を全て備えた構成を例示したが、防水ゴム12を設けない構成としてもよい。また、排水溝14a〜14cを設けない構成や、収容部11の底面Vに傾斜をつけない構成、あるいは防水用のひさし13を設けない構成としてもよい。このように体組成計1(生体計測装置)は、防水ゴム12と、傾斜した底面Vと、排水溝14a〜14cと、防水用のひさし13のうち、いずれか1以上の防水構造を備えていればよい。
【0034】
[変形例5]
本体10および表示ユニット20は、通信端子124,206を介した通信の他に、Bluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared Data Association;登録商標)などの無線通信機能を備え、表示ユニット20が本体10(収容部11)に取り付けられている場合には、通信端子124,206を介した通信を行う一方、表示ユニット20が本体10から取り外された場合には、無線通信によって本体10−表示ユニット20間の通信を行う構成であってもよい。この場合、表示ユニット20を本体10から取り外した状態においても体重や体脂肪率などの計測を行うことができる。
【0035】
[変形例6]
収容部11は、本体10のうちいずれか1以上の側面に臨んで形成されていればよい。例えば、本体10のうち右足用の通電用電極104bのそばの角部を切り欠いて収容部が形成されていてもよい。
また、表示ユニット20において入力された被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)は、表示ユニット20が本体10に取り付けられると本体10側の記憶部122に記憶され、以降、この被験者について体重と生体インピーダンスの計測を行い、体組成情報を算出する際には、本体10側の記憶部122から被験者の身体情報を読み出す構成としてもよい。
【0036】
[変形例7]
例えば、本体10では、体重を示す電圧値と、生体インピーダンスを示す両足間の電位差の値を得ると、これらの一次的な計測値を表示ユニット20に送信し、表示ユニット20において、本体10から受信した一次的な計測値に基づいて、体重、生体インピーダンス、体組成情報を算出し、これらの値を表示部202に表示する構成としてもよい。この場合、表示ユニット20の記憶部210に、本体10から受信した一次的な計測値から、体重、生体インピーダンス、体組成情報を算出するための計算式やデータテーブルを記憶しておけばよい。また、この場合、体組成情報を算出する際に必要となる被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)を本体10に送信する必要がない。
また、本体10では、体重を示す電圧値と、生体インピーダンスを示す両足間の電位差の値を得ると、これらの一次的な計測値から体重と生体インピーダンスの値を算出し、算出した体重と生体インピーダンスの値を表示ユニット20に送信する構成であってもよい。この場合、表示ユニット20において、本体10から受信した体重と生体インピーダンスの値に基づいて体組成情報を算出し、算出した体組成情報や、本体10から受信した体重と生体インピーダンスの値を表示部202に表示する。この場合、表示ユニット20の記憶部210に、本体10から受信した体重と生体インピーダンスの値から体組成情報を算出するための計算式やデータテーブルを記憶しておけばよい。また、この場合、体組成情報を算出する際に必要となる被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)を本体10に送信する必要がない。
【0037】
[変形例8]
本発明に係る生体計測装置は、体組成計の他に、体脂肪計、体重計、体水分計などにも適用することができる。なお、体重計の場合は、生体インピーダンスを計測する必要がないので、生体インピーダンスを計測するための構成(例えば、電極部104、高周波定電流回路108、電圧測定回路110、切替部116)が不要となる。また、体重は、体重計測部によって直接的に計測することができる。したがって、体重計の場合は、被験者の身体情報(身長、年齢、性別など)を用いて演算を行う必要がない。つまり、体重計の場合は、体組成情報を算出する演算部が不要になると共に、演算用の計算式やデータテーブルを記憶部に記憶しておく必要がない。また、操作部を操作して被験者の身体情報を入力することや、入力された身体情報を記憶部に記憶しておく必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】体組成計1の全体構成を示す斜視図である。
【図2】体組成計1の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】表示ユニット20の外観(表側)を示す斜視図である。
【図4】表示ユニット20の外観(裏側)を示す斜視図である。
【図5】収容部11の構造を示す斜視図である。
【図6】表示ユニット20を収容部11に取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】収容部11’の構造(変形例)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1…体組成計、10…本体、11,11’…収容部、U…上段側面、D…下段側面、V…底面、12…防水ゴム、13…ひさし、14a〜14e…排水溝、15a,15b…突起、16…係合爪、102…載せ台、104…電極部、104a,104b…通電用電極、104c,104d…計測用電極、106…操作キー、108…高周波定電流回路、110…電圧測定回路、112…重量センサー部、114…増幅回路、116…切替部、118…A/D変換回路、120…操作部、122…記憶部、124…通信端子、126…CPU、20…表示ユニット、21…係合孔、22a〜22f…突起、202…表示部、204…操作キー、206…通信端子、208…操作部、210…記憶部、202…表示部、212…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信用の第1端子を有し、生体を計測する本体と、
通信用の第2端子を有し、前記本体による計測結果に基づいた生体情報を表示する表示ユニットとを備え、
前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記第1端子と前記第2端子が互いに接触し、前記本体−前記表示ユニット間の通信が可能になる生体計測装置において、
前記本体と前記表示ユニットのいずれか1方以上には、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉する防水ゴムが設けられている
ことを特徴とする生体計測装置。
【請求項2】
前記防水ゴムは、
前記本体に設けられている場合、前記第1端子のうち前記第2端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部が前記表示ユニットの筐体に密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉し、
前記表示ユニットに設けられている場合、前記第2端子のうち前記第1端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部が前記本体の筐体に密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉し、
前記本体と前記表示ユニットの両方に設けられている場合、前記本体側の防水ゴムは、前記第1端子のうち前記第2端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記表示ユニット側の防水ゴムは、前記第2端子のうち前記第1端子と接触する部分の周囲を囲む隆起部を有し、前記本体に前記表示ユニットが取り付けられると、前記隆起部同士が密着して前記第1端子と前記第2端子との接触部分を密閉する
ことを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
【請求項3】
前記本体には、前記表示ユニットを収容するための収容部が当該本体の上面から側面に至る一部分を切り欠いて形成されており、
前記第1端子は、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面と対向する前記収容部の側面に設けられ、
前記第2端子は、前記表示ユニットのうち、当該表示ユニットを前記収容部に収容した場合に前記第1端子と向かい合う位置に設けられ、
前記表示ユニットと前記収容部には係止部が設けられ、当該係止部は、前記表示ユニットを前記収容部に固定すると共に、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面から当該側面と対向する前記収容部の側面に向かう方向の付勢力を前記表示ユニットに加える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の生体計測装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記収容部の底面と当該底面と向かい合う前記表示ユニットの背面との間に隙間を空けて前記表示ユニットを前記収容部に固定する
ことを特徴とする請求項3に記載の生体計測装置。
【請求項5】
前記収容部の底面は傾斜しており、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面に向けて漸次低くなる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の生体計測装置。
【請求項6】
前記収容部には排水用の溝が形成されている
ことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の生体計測装置。
【請求項7】
前記収容部のうち前記第1端子が設けられた側面には、前記収容部によって切り欠かれた前記本体の側面に向けて突出するひさしが前記第1端子の上部に設けられている
ことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の生体計測装置。
【請求項8】
前記ひさしは斜め上方に突出している
ことを特徴とする請求項7に記載の生体計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75560(P2010−75560A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249038(P2008−249038)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】