説明

生体試料測定用試験片および生体試料測定装置

【課題】測定したデータを無線で送信するような場合に、手で保持された状態であっても効率的に電波を放出して、送信時の消費電力を低く抑えることのできる生体試料測定装置および生体試料測定用試験片を提供する。
【解決手段】電極パターンが形成された試験片を挿入・保持して電気的に接続する試験片挿入ユニット10と、試験片に点着した生体試料を電気化学的に測定する測定回路16と、測定回路16で測定した結果を無線通信により送信するための通信回路15と、試験片挿入ユニット10に、測定回路16あるいは通信回路15のいずれかを切り換えて接続する切り替えスイッチ14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料測定用試験片および生体試料測定装置に関し、より詳細には生体試料測定装置から測定データを無線通信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血糖計や血圧計などの測定装置(生体試料測定装置)と、測定した情報を無線通信で取得する携帯端末装置とを備えたデータ送受信装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、携帯端末装置が測定装置において測定した測定データを、ネットワークを介して医療機関などに設置されたデータ処理装置へ送信する。
【特許文献1】特開2002−251461号公報(平成14年9月6日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報に開示された装置では、保持している手に覆われてしまうほど生体試料測定装置が小型である場合には、生体試料測定装置内に設けられたアンテナから放射された電波が保持している手によって吸収されて送信性能が低下することを防ぐために、送信電力を大きくしなければならないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、小型の生体試料測定装置であっても、保持する手による電波吸収の影響を低減して効率的に電波を放出させるとともに、送信電力を低く抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、第1の発明に係る生体試料測定用の試験片は、生体試料が点着された状態で生体試料測定装置に対して挿入・保持され、生体試料測定装置に対して電気的に接続される生体試料測定用試験片であって、測定電極と、アンテナ電極と、を備えている。測定電極は、所定の位置に点着された生体試料を電気化学的に測定するためのものである。アンテナ電極は、生体試料測定装置に対して挿入・保持された状態で通信用のアンテナとして機能する。
【0007】
ここでは、例えば、医療機関等のサーバやデータ処理装置等に対して通信可能な生体試料測定装置に装着される試験片側に、測定用の電極パターン(測定電極)と通信用の電極パターン(アンテナ電極)とを設けている。
【0008】
ここで、上記測定電極とアンテナ電極として機能する電極パターンは、それぞれ別個に設けられていてもよいし、1つの電極パターンとして設けられていてもよい。
【0009】
これにより、試験片が小型の生体試料測定装置に対して装着された場合でも、装置を保持する手によって通信用の電波が吸収されてしまうことを回避することができる。この結果、試験片側から効率的に電波を放出して、送信電力を低く抑えることができる。
【0010】
第2の発明に係る生体試料測定用の試験片は、第1の発明に係る生体試料測定用の試験片であって、測定電極は、アンテナ電極を兼ねている。
【0011】
ここでは、試験片側に必要な測定電極とアンテナ電極とを、1つの電極パターンによって兼用している。
【0012】
これにより、試験片内には電極パターンを1つだけ形成することで、生体試料の測定と通信とを行うことができる。よって、試験片および装置の小型化を図ることができる。
【0013】
第3の発明に係る生体試料測定装置は、第1または第2の発明に係る生体試料測定用の試験片と、試験片挿入ユニットと、測定回路と、通信回路と、を備えている。試験片挿入ユニットは、試験片を挿入・保持して電気的に接続する。測定回路は、試験片に点着した生体試料を電気化学的に測定する。通信回路は、この測定回路で測定した結果を無線通信により送信する。
【0014】
第4の発明に係る生体試料測定装置は、第3の発明に係る生体試料測定装置であって、測定回路あるいは通信回路のいずれかを切り換えて、試験片挿入ユニットに接続する切換スイッチを、さらに備えている。
【0015】
第5の発明に係る生体試料測定装置は、第3の発明に係る生体試料測定装置であって、試験片のアンテナ電極が接続される試験片挿入ユニット内の電極と通信回路との間に配置されたアンテナパターンをさらに備えている。
【0016】
ここでは、試験片が装着されると、試験片側に設けられたアンテナ電極に対して接続されるアンテナパターンを装置側に設けている。
【0017】
これにより、試験片が試験片挿入ユニットに挿入されると、試験片側のアンテナ電極とアンテナパターンとを一体のアンテナとして機能させることができる。よって、アンテナとして機能する電極パターンを大きくして、より通信性能を向上させることができる。
【0018】
第6の発明に係る生体試料測定装置は、第3から第5の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、試験片が試験片挿入ユニットに挿入されたことを検知する挿抜検知回路をさらに備えている。
【0019】
ここでは、挿抜検知回路を用いて、装置への試験片の装着の有無を検知する。
【0020】
これにより、試験片が未装着状態であることを検知した場合には、装置がアンテナとつながっていないため、例えば、通信不能であることを報知して、使用者に知らせることができる。
【0021】
第7の発明に係る生体試料測定装置は、第6の発明に係る生体試料測定装置であって、通信回路に接続された補助アンテナと、通信回路における通信を制御する通信制御部と、をさらに備えている。通信制御部は、挿抜検知回路において試験片が未装着状態であることを検知した時に通信が完了していない場合には、補助アンテナを介して再送信するように通信回路を制御する。
【0022】
ここでは、装置に対して装着される試験片側に設けられたアンテナ電極に加えて、装置側にも補助アンテナを設けている。そして、試験片が装着されているか否かを検知して、未装着状態である場合には、装置側の補助アンテナを用いて再度通信を行う。
【0023】
これにより、データ処理装置等に対して測定結果等の情報を通信中に試験片が抜き取られて通信が完了していない状態になった場合でも、補助アンテナを用いて容易に再通信を実行することができる。
【0024】
第8の発明に係る生体試料測定装置は、第6の発明に係る生体試料測定装置であって、通信回路における通信を制御する通信制御部をさらに備えている。通信制御部は、挿抜検知回路において試験片が未装着状態であることを検知した時に通信が完了していない場合には、次に試験片の挿入を検知した時に再送信するように通信回路を制御する。
【0025】
ここでは、データ処理装置等に対して測定結果等の情報を通信中に試験片が抜き取られて通信が未完了状態となった場合には、次に試験片が装着された後、再通信を行う。
【0026】
これにより、通信中に試験片が抜き取られて通信が完了していない状態になった場合でも、すぐに試験片を装着し直すことにより、自動的に再送信することができる。
【0027】
第9の発明に係る生体試料測定装置は、第3から第8の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、測定回路が測定した結果を表示する表示器と、表示器における表示制御を行う表示制御部と、をさらに備えている。表示制御部は、通信回路が測定した結果の送信を完了するまでは測定した結果を非表示とするように表示器を制御する。
【0028】
ここでは、装置側に設けられた表示器には、データ処理装置等に対する通信が完了するまでは、測定結果を表示しないように制御する。
【0029】
これにより、使用者としては、測定結果が表示されるまでは通信が完了していないことを認識することができるため、通信中に誤って試験片が装置から抜き取られてしまうことを回避することができる。
【0030】
第10の発明に係る生体試料測定装置は、第3から第8の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、測定回路が測定した結果を表示する表示器と、表示器における表示制御を行う表示制御部と、をさらに備えている。表示制御部は、通信回路が測定した結果の送信を完了するまでは通信中であることを表示するように、表示器を制御する。
【0031】
ここでは、装置側に設けられた表示器には、データ処理装置等に対する通信が完了するまでは、通信中である旨を表示するように制御する。
【0032】
これにより、使用者としては、通信中であるか否かを、表示器を見るだけで認識することができるため、通信中に誤って試験片が装置から抜き取られてしまうことを回避することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の生体試料測定用試験片および生体試料測定装置によれば、小型の生体試料測定装置であっても、保持する手による電波吸収の影響を低減して効率的に電波を放出させるとともに、送信電力を低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明の生体試料測定装置の実施の形態の一例として、血糖値を測定して携帯端末装置やコンピュータなどの端末へ血糖値データを送信する血糖測定器(生体試料測定装置)50を示し、図面とともに詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器に使用する試験片の外観図を示す。図2は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器に使用する試験片の分解図を示す。図3は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器の回路ブロック図を示す。図4は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器の外観図を示す。図5は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器の内部構造図を示す。図6は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器を左手で保持した時の様子を示す。図7は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器に使用する試験片に挿抜検知用電極パターンを形成したときの分解図を示す。図8は、本発明の第1の実施の形態における血糖測定器の試験片の引き抜き検出が可能な回路ブロック図を示す。
【0036】
本実施形態の血糖測定器50(図3および図4等参照)は、糖尿病患者が自らの血糖値を測定するために用いられるが、1日数回の測定が必要なため、外出時にも測定可能なように小型・軽量な携帯性に優れたものが広く普及している。この血糖測定器50は、電気化学方式を用いており、使い捨ての試験片1を血糖測定器50に挿入して測定するような形態をとっている。
【0037】
まず、試験片1の構成について、図1および図2を用いて以下に説明する。
【0038】
試験片1は、主に、測定用電極パターン(測定電極)2、絶縁基板3、試薬層4、スペーサ5、カバー6、検体供給部7、空気抜孔8、血液点着口9から構成されている。
【0039】
測定用電極パターン2は、例えば、3つの電極パターン2A、2B、2Cから構成されており、それぞれ絶縁基板3の上に形成されている。測定用電極パターン2Aと2Bの間には、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素とメディエータを含む試薬層4が形成されている。
【0040】
絶縁基板3の測定用電極パターン2の形成面側には、スペーサ5が貼り合わされている。ここで、スペーサ5には切り欠きが設けられているため、カバー6をさらに貼り合わせることにより、試験片1の一端に血液点着口9を持った検体供給部7が形成される。
【0041】
また、カバー6の検体供給部7に接する部分に空気抜孔8を設けることで、血液点着口9に血液を点着した場合に、毛細管現象により検体供給部7に血液が充填できる。また、スペーサ5およびカバー6は、絶縁基板3よりも短く作られている。このため、試験片1の血液点着口9が設けられていない方の端部には、測定用電極パターン2が露出している。
【0042】
次に、測定用電極パターン2Cをアンテナとしたときの血糖測定器50の回路構成について、図3を用いて以下に説明する。
【0043】
試験片挿入ユニット10は、試験片1を挿入するための挿入口と、挿入時に試験片1の露出された測定用電極パターン2が接触する接触電極11とが設けられている。
【0044】
接触電極11は、3つの接触電極11A,11B,11Cから構成されており、それぞれ試験片1の測定用電極パターン2A,2B,2Cに接触し、電気的に互いに接続される。試験片1は、個別に包装されて測定直前に包装から取り出して試験片挿入ユニット10に挿入される。このため、露出した測定用電極パターン2に油脂や埃が付着する可能性が低く、接触抵抗が低い状態で接触電極11と接続ができる。接触電極11A,11Bに繋がった各端子は、電極切換回路12に直接接続される。一方、接触電極11Cに繋がった端子は、切換スイッチ14を介して電極切換回路12および通信回路15に接続される。
【0045】
電極切換回路12は、例えば、アナログスイッチであり、CPU(通信制御部、表示制御部)13からの指示に従って、測定回路16と接続される接触電極11が切り換えられる。
【0046】
切換スイッチ14は、例えば、高周波スイッチであり、一般的なアナログスイッチと比べて、高周波信号を低損失で伝送することができる。この切換スイッチ14には、SPDT(Single Pole Double Throw)と呼ばれる単極二接点型の高周波スイッチを用いるのが好ましい。この場合には、単極が接触電極11Cに、2つの接点のうちの一方が電極切換回路12、他方が通信回路15に接続される。また、この切換スイッチ14も、CPU13からの指示に従って接続を切り換える。
【0047】
測定回路16は、基準電圧発生回路17、電流−電圧変換回路18、電圧検出回路19から構成されている。
【0048】
基準電圧発生回路17は、例えば、D/Aコンバータであって、CPU13で基準電圧発生回路17に設定した電圧が、電極切換回路12および切換スイッチ14を介して接触電極11に印加される。
【0049】
電流−電圧変換回路18は、例えば、オペアンプと帰還抵抗で構成された回路であって、電極切換回路12および切換スイッチ14で接続された接触電極11から帰還抵抗に流れ込む電流値を電圧信号に変換し、出力側に接続された電圧検出回路19で電圧検出される。
【0050】
電圧検出回路19は、例えば、A/Dコンバータであって、電圧検出回路19でディジタル変換された電圧信号がCPU13に転送される。
【0051】
CPU13では、血糖値の演算処理が行われ、演算により求められた血糖値を表示器20に通知して表示させるとともに、記憶回路21にも保存する。また、CPU13には、操作スイッチ22が接続されており、血糖値などのデータの読み出しや、メニュー画面の操作などを行う。
【0052】
表示器20は、例えば、液晶モニタであって、測定結果の他に時間情報やメニュー画面などを表示する。
【0053】
記憶回路21は、例えば、EEPROMであり、血糖値や測定時間などのデータを履歴として残しておき、使用者の必要に応じてデータを読み出すことができる。
【0054】
さらに、CPU13には、通信回路15が接続されており、CPU13から通知された血糖値の測定結果を通信対象に送信することができる。
【0055】
通信回路15は、RF(Radio Frequency)回路23と整合回路24から構成されている。
【0056】
RF回路23は、符号化/復号化機能、誤り検出機能、変復調機能を有したRFICと、搬送波の基準クロックを生成する水晶振動子などの周辺部品から構成されている。
【0057】
整合回路24は、アンテナである測定用電極パターン2CとRF回路23から測定用電極パターン2Cまでの伝送路とのインピーダンス整合を行うためのものであって、コンデンサとインダクタから構成されており、使用する周波数帯に応じて最適化される。なお、変調方式としては、ASK、FSK、PSKなどのディジタル変調方式を用いるのが望ましい。また、使用する周波数帯は、例えば、ISMバンドと呼ばれる医療用に割り当てられた近距離無線の周波数帯を使用する。
【0058】
次に、血糖測定器50の構造について、図4および図5を用いて以下に説明する。説明を行う前に、血糖測定器50の筐体25の各面を以下のように定義しておく。図4に示すように、筐体25の表示器20が設けられている面を前面26、前面26の反対側の面を背面27、表示器20に表示された文字の上方向の端面を上端面28、表示器20に表示された文字の下方向の端面を下端面29とする。血糖値を測定するために、血糖測定器50に試験片1を挿入するが、筐体25の下端面29には試験片1を挿入するための開口部30が設けられている。
【0059】
また、筐体25の前面26には、表示器20の他に操作スイッチ22を押下するための操作ボタン31が配置されている。また、筐体25の背面27には、例えば、コイン型電池のようなバッテリ32を装着するためのバッテリ装着部33が設けられている。
【0060】
試験片挿入ユニット10は、その挿入口が開口部30と筐体25の内部で一致するように、基板34の端部に実装されている。
【0061】
基板34には、試験片挿入ユニット10の他に、電極切換回路12、CPU13、切換スイッチ14、通信回路15、測定回路16、表示器20、記憶回路21が実装されている。
【0062】
以上のように構成された試験片1と血糖測定器50を用いた場合の、血糖値の測定方法について以下に説明する。
【0063】
まず、試験片1を筐体25の下端面29に設けられた開口部30から試験片挿入ユニット10に挿入すると、血糖測定器50が測定可能な状態になる。
【0064】
次に、筐体25から露出された試験片1の血液点着口9に血液を点着し、毛細管現象により検体供給部7に血液を充填させる。
【0065】
電極切換回路12と切換スイッチ14を操作して、接触電極11Aに電流−電圧変換回路18を、接触電極11Cに基準電圧発生回路17を接続する。そして、測定用電極パターン2Aと測定用電極パターン2Cとの間に電圧を印加すると、検体供給部7に血液が充填されると、電極間に流れる電流値が変化する。このため、この電流値の変化を電流−電圧変換回路18、電圧検出回路19およびCPU13で検出することにより、血液の充填を検知することができる。
【0066】
次に、検体供給部7に充填された血液を試薬層4と一定時間反応させた後に、電極切換回路12を操作して、接触電極11Aに電流−電圧変換回路18を、接触電極11Bに基準電圧発生回路17を接続する。そして、測定用電極パターン2Aと測定用電極パターン2Bとの間に電圧を印加すると、電極間にグルコース量に依存した電流が流れる。このため、この電流値を電流−電圧変換回路18、電圧検出回路19およびCPU13で検出する。
【0067】
次に、電極切換回路12を操作して、接触電極11Aに基準電圧発生回路17を、接触電極11Cに電流−電圧変換回路18を接続する。そして、測定用電極パターン2Aと測定用電極パターン2Cとの間に電圧を印加すると、電極間にHct(ヘマトクリット)値に依存した電流が流れる。このため、この電流値を電流−電圧変換回路18、電圧検出回路19およびCPU13で検出する。
【0068】
そして最後に、CPU13で、電流値から換算したグルコース量を電流値から換算したHct値で補正することにより、血糖値の演算が行われる。
【0069】
以上のようにして測定した血糖値のデータは、血糖測定器50のIDや時間情報と共に、RF回路23に転送される。
【0070】
RF回路23では、CPU13から受け取ったデータの符号化、誤り検出符号の付加、変調処理が行われる。RF回路23で変調された信号は、CPU13からRF回路23に対して送信要求コマンドが送られる。その後、信号は整合回路24を通してアンテナである測定用電極パターン2Cに供給され、測定用電極パターン2Cから電波が放射される。このとき、切換スイッチ14は、接触電極11Cと通信回路15が接続するように切り換えておく。
【0071】
血糖測定器50は、製造元や機種によって大きさが異なるものの、図6に示すように、成人であれば片手で保持できる程度の大きさに設計されているものが多い。そのため、使用者の手の大きさによっては、血糖測定器50の大部分が保持する手で覆われてしまう可能性がある。このような場合、放射された電波の大部分が保持する手で吸収されてしまい、データが正常に送信できない可能性がある。
【0072】
試験片1は、血糖測定器50に挿入された状態で血液が点着できるように、血液点着口9が設けられている一端側が筐体25の下端面29に設けられた開口部30から突出するように、試験片挿入ユニット10に挿入されている。この突出した試験片1の先端部にある血液点着口9とその周辺部には血液が付着する。このため、使用者は通常、保持する手に血液が付着するのを避けるために、突出した試験片1の先端部の周辺を避けて血糖測定器50を保持する。
【0073】
また、突出した試験片1に保持する手が接触すると、試験片1に形成された測定用電極パターン2と試験片挿入ユニット10に設けられた接触電極11との接触不良によって血糖値の測定が失敗したり、試験片1が脱落したりする可能性がある。このため、使用者は通常、突出した試験片1の周辺を避けて血糖測定器50を保持する。
【0074】
つまり、試験片1に形成された測定用電極パターン2Cをアンテナとして用いれば、筐体25の内部にアンテナを設けた場合よりも保持する手による電波吸収の影響を低減できる。このため、より効率的に電波を放出することができる。よって、試験片1に形成された測定用電極パターン2Cをアンテナとして用いることにより、良好な送信性能を確保することができる。
【0075】
測定用電極パターン2Cをアンテナとして用いる場合には、切換スイッチ14は接触電極11Cと通信回路15が接続するようにスイッチを切り換える。そうすると、通信回路15と測定用電極パターン2Cが接続され、測定用電極パターン2Cをアンテナとして使用できる。切換スイッチ14の切り換えは、CPU13によって制御される。CPU13は、血糖値の演算が完了した後、接触電極11Cと通信回路15が接続するようにスイッチを切り換える指示を行う。
【0076】
以上のように、試験片1に形成された測定用電極パターン2Cをアンテナとしたことで、データ送信の途中に試験片1が引き抜かれて通信ができなくなることが懸念される。しかし、送信するデータは、主に血糖値、血糖測定器50のID、時間情報であるため、データ量が少なく、短時間に送信が完了する。そのため、血糖値の測定終了直後に送信を行えば、問題が発生する可能性は低い。
【0077】
仮に、データ送信途中に試験片1が引き抜かれてしまった場合には、データ送信途中に試験片1が引き抜かれたことを検知して、使用者に試験片1の再挿入要求を行い、再度データを送信するように構成することが好ましい。
【0078】
このときの試験片1と血糖測定器50の構成について、図7および図8を用いて以下に説明する。
【0079】
図7に示すように、試験片1の絶縁基板3の測定用電極パターン2が形成されていない方の面に挿抜検知用電極パターン35を設けておく。図8に示すように、試験片1を試験片挿入ユニット10に挿入したときに、挿抜検知用電極パターン35と接触して電気的に接続する検知用接触電極36を試験片挿入ユニット10に設けておく。
【0080】
検知用接触電極36は、2つの電極から構成されており、試験片1が試験片挿入ユニット10に挿入されたときに、検知用接触電極36の2つの電極間は試験片1の挿抜検知用電極パターン35によって短絡される。
検知用接触電極36は、挿抜検知回路37に接続されている。
【0081】
挿抜検知回路37は、検知用接触電極36の2つの電極間の開放/短絡に応じてHigh/Lowの信号を出力する。この挿抜検知回路37の出力をCPU13で監視することにより、試験片1が引き抜かれたことが検知できる。
【0082】
挿抜検知回路37においてデータ送信途中に試験片1が引き抜かれたことを検知した場合には、通信回路15は、データ送信が完了したか否かを判断する。ここで、送信が完了していなければ、送信データを記憶しておき、再度試験片1が挿入された時にデータの再送信を行う。また、CPU13は接続されたブザー38で警告音を発し、表示器20で再挿入を促す表示を行うように指示する。
【0083】
以上のように、本実施の形態においては、試験片1に形成された測定用電極パターン2Cを通信回路15のアンテナとして使用する。このため、血糖測定器50を保持する手によってアンテナ部分が覆われることによる電波吸収の影響を低減させ、通信対象を含む空間へ電波を効率的に放射することができる。その結果、送信電力を低く抑えることができる。
【0084】
なお、表示器20は、通信回路15において測定結果の送信が完了するまでは、図12(a)に示すように、CPU13から通知される測定結果を非表示とし、送信が完了すると、図12(b)に示すように、測定値表示51を表示するようにしてもよい。
【0085】
あるいは、表示器20は、通信回路15において測定結果の送信が完了するまでは、図13に示すように、通信中であることを意味する通信状態表示52を、測定値表示51とともに表示するようにしてもよい。
【0086】
前述した通り、CPU13は、測定した血糖値を表示器20と通信回路15に対して通知する。それに加えて、CPU13は、通信回路15が測定した血糖値の送信を完了したか否かをモニタし、送信が完了すると完了したことを表示器20に通知する。表示器20は、CPU13から血糖値が通知された後、次に通信が完了したことを通知されるまでは、血糖値の表示、つまり測定値表示51(図12(b)参照)の表示を行わないように、CPU13に制御される(図12(a)参照)。または、血糖値の表示を行うと共に、通信中であること意味する通信状態表示52を表示するように、CPU13に制御される(図13参照)。このため、使用者に対して、通信を完了したかどうかを知らせることができるので、通信を完了するまでは試験片1を試験片挿入ユニット10から抜かないように促すことができる。
【0087】
また、図8の回路構成では図示はしていないが、本実施形態の血糖測定器50は、その内部に、通信回路15と接続したアンテナを備えてもよい。
【0088】
通常、通信回路15は、試験片1内の測定用の電極パターンをアンテナとして用いて通信を行う。この時、CPU13は、挿抜検知回路37が、試験片挿入ユニット10から試験片1が引き抜かれたことを検知すると、通信回路15へ検知結果を通知する。通信回路15は、この通知があった時に通信を完了していなければ、図14に示すように、CPU13がアンテナ切換スイッチ(高周波スイッチ)53を切り換えて、血糖測定器50内の内部アンテナ54を用いて再度通信を行う。ここで、血糖測定器50内の内部アンテナ54は、アンテナパターンやチップアンテナなどで構成される。
【0089】
これにより、通信中または通信を行う前に試験片1が試験片挿入ユニット10から抜かれてしまっても、測定結果を送信することが可能となる。また、この時に限り、通信回路15は送信電力を大きくして通信を行うが、通常の試験片1をアンテナとして通信を行う時は送信電力を低く抑えているため、本願発明の目的を達成することは可能である。
【0090】
(実施の形態2)
図9は、本発明の第2の実施の形態における血糖測定器150(図11参照)に使用する試験片にアンテナ用電極パターンを形成したときの外観図を示す。図10は、本発明の第2の実施の形態における血糖測定器150(図11参照)に使用する試験片にアンテナ用電極パターンを形成したときの分解図を示す。図11は、本発明の第2の実施の形態における血糖測定器150(図11参照)のアンテナ用電極パターンをアンテナとして使用する場合の回路ブロック図を示す。
【0091】
まず、試験片1の構成について、図9および図10を用いて以下に説明する。
本実施形態では、図9および図10において、試験片1にアンテナ用電極パターン(アンテナ電極)39を設けた点で、上記実施の形態1の構成(図1および図2)と異なっている。従って、ここでは、上記実施の形態1と異なる点についてのみ説明することとし、その他の構成の説明については省略する。
【0092】
アンテナ用電極パターン39は、測定用電極パターン2と同様に、絶縁基板3の上に形成されているが、血糖値の測定結果に影響を与えないように、検体供給部7に接触しない位置に形成するのが望ましい。また、アンテナ用電極パターン39は、測定用電極パターン2と同様に、試験片1の血液点着口9が設けられていない方の端部で露出されている。
【0093】
次に、アンテナ用電極パターン39をアンテナとしたときの血糖測定器150の回路構成について、図11を用いて以下に説明する。本実施形態では、図11において、測定電極パターン2Cの代わりにアンテナ用電極パターン39を通信回路15のアンテナとした点で、上記実施の形態1の構成(図3)と異なっている。従って、アンテナ用電極パターン39を通信回路15のアンテナとしたことによって、上記実施の形態1の構成(図3)から変更となった点についてのみ説明する。
【0094】
試験片挿入ユニット10は、試験片1を挿入するための挿入口と、挿入時に試験片1の露出された測定用電極パターン2およびアンテナ用電極パターン39が接触する接触電極11を備えている。
【0095】
接触電極11は、4つの接触電極11A,11B,11C,11Dから構成されている。接触電極11A,11B,11Cは、試験片1の測定用電極パターン2A,2B,2Cと接触し、接触電極11Dは、アンテナ用電極パターン39と接触して、電気的に互いに接続される。試験片1は、個別に包装され、測定直前に包装から取り出して試験片挿入ユニット10に挿入される。このため、露出した測定用電極パターン2およびアンテナ用電極パターン39に油脂や埃が付着する可能性が低く、接触抵抗が低い状態で接触電極11と接続できる。
【0096】
接触電極11A,11B,11Cに繋がった各端子は、電極切換回路12に接続され、接触電極11Dに繋がった端子は、通信回路15に接続される。通信回路15は、RF回路23と整合回路24とを有している。
【0097】
整合回路24は、アンテナであるアンテナ用電極パターン39とRF回路23からアンテナ用電極パターン39までの伝送路とのインピーダンス整合を行う。また、整合回路24は、コンデンサとインダクタとを含むように構成されており、使用する周波数帯に応じて最適化される。
【0098】
本実施形態では、このような構成により、アンテナ用電極パターン39から放射される電磁波によって測定用電極パターン2に誘導起電力が発生して血糖値の測定結果に影響を与えるおそれがある。よって、血糖値の測定中は、RF回路23の送信機能を停止させておく。
【0099】
以上のように構成された試験片1と血糖測定器150とを用いた場合の血糖値の測定方法については、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0100】
血糖測定器150は、製造元や機種によって大きさが異なるものの、図15に示すように、成人であれば片手で保持できる程度の大きさに設計されているものが多い。そのため、使用者の手の大きさによっては、血糖測定器150の大部分が保持する手で覆われてしまう可能性がある。このような場合、放射された電波の大部分が保持する手で吸収されてしまい、データが正常に送信できない可能性がある。
【0101】
試験片1は、血糖測定器150に挿入された状態で血液が点着できるように、血液点着口9が設けられている一端側が筐体25の下端面29に設けられた開口部30から突出するように、試験片挿入ユニット10に挿入されている。この突出した試験片1の先端部にある血液点着口9とその周辺部には血液が付着している。このため、使用者は、通常、保持する手に血液が付着するのを避けるために、突出した試験片1の先端部の周辺を避けて血糖測定器150を保持する。
【0102】
また、突出した試験片1に保持する手が接触すると、試験片1に形成された測定用電極パターン2と試験片挿入ユニット10に設けられた接触電極11との接触不良によって血糖値の測定が失敗したり、試験片1が脱落したりするおそれがある。このため、使用者は、通常、突出した試験片1の周辺を避けて血糖測定器150を保持する。つまり、試験片1に形成されたアンテナ用電極パターン39をアンテナとして用いれば、筐体25の内部にアンテナを設けた場合よりも保持する手による電波吸収の影響を低減できる。このため、より効率的に電波を放出することができる。よって、試験片1に形成されたアンテナ用電極パターン39をアンテナとして用いることにより、送信性能を確保することができる。
【0103】
以上のように、試験片1に形成されたアンテナ用電極パターン39をアンテナとしたことで、データ送信の途中に試験片1が引き抜かれて通信ができなくなることが懸念される。しかし、送信するデータは、主に血糖値、血糖測定器150のID、時間情報であるため、データ量が少なく、短時間に送信が完了する。そのため、血糖値の測定終了直後に送信を行えば、問題が発生する可能性は低い。
【0104】
もし、データ送信途中に試験片1が引き抜かれる場合には、データ送信途中に試験片1が引き抜かれたことを検知して、使用者に試験片1の再挿入要求を行い、再度データを送信するように構成するのが良い。この構成についても、実施の形態1(図7および図8)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0105】
以上のように、本実施の形態では、試験片1に形成されたアンテナ用電極パターン39を通信回路15のアンテナとして使用する。これにより、血糖測定器150を保持する手によってアンテナ部分が覆われることよる電波吸収の影響を低減し、通信対象を含む空間へ電波を効率的に放射することができる。その結果、送信電力を低く抑えることができる。
【0106】
[他の実施形態]
(A)
上記実施の形態1・2では、生体試料測定装置として血糖測定器50,150を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0107】
例えば、乳酸、尿酸などを測定する測定装置の場合でも良く、試験片1を測定装置に挿入して測定するような装置であれば、測定対象は特に指定しない。
【0108】
(B)
上記実施の形態1および2では、筐体25の下端面29に開口部30を設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0109】
開口部30を設ける位置は、通信対象によって決定するのが好ましい。
例えば、通信対象が使用者から離れた位置に設置された基地局やPC等のデータ管理端末の場合には、使用者の人体による電波吸収の影響を低く抑えるために、使用者の人体から最も遠い位置に試験片1が配置されるのが好ましい。そのために、筐体25の上端面28に開口部30を設け、この開口部30に試験片1が挿入されるように構成するのが好ましい。
【0110】
(C)
なお、上記実施の形態1で説明したように、表示器20は、通信回路15において測定結果の送信が完了するまでは、CPU13から通知される測定結果を非表示とする、もしくは、通信中であることを表示するようにしても良い。
【0111】
前述した通り、CPU13は測定した血糖値を表示器20と通信回路15に通知する。それに加えて、CPU13は、通信回路15が測定した血糖値の送信を完了したか否かをモニタし、送信が完了すると、完了したことを表示器20に通知する。表示器20はCPU13から血糖値が通知された後、次に通信が完了したことを通知されるまでは、血糖値の表示を行わないようにする、または血糖値の表示を行うと共に通信中であることを表示する。
【0112】
このため、使用者に対して、通信を完了したことを知らせることができるため、通信を完了するまでは、試験片1を試験片挿入ユニット10から抜かないように促すことができる。
【0113】
(D)
また、図11の回路構成では図示はしていないが、前述した本実施の形態2に実施の形態1に記載の挿抜検知回路37を備えた本発明の血糖測定器150は、その内部に、通信回路15と接続したアンテナを備えてもよい。
【0114】
通常は、通信回路15は試験片1のアンテナ用電極パターン39を用いて通信を行う。この時、CPU13は、挿抜検知回路37が、試験片挿入ユニット10から試験片1が引き抜かれたことを検知すると、通信回路15へそれを通知する。通信回路15は、この通知があった時に通信を完了していなければ、血糖測定器150内のアンテナを用いて再度通信を行う。
【0115】
ここで、血糖測定器150内のアンテナは、パターンアンテナやチップアンテナなどで構成される。
【0116】
これにより、通信中または通信を行う前に試験片1が試験片挿入ユニット10から抜かれてしまっても、測定結果を送信することが可能となる。
【0117】
また、この時に限り、通信回路15は送信電力を大きくして通信を行うが、通常の試験片1をアンテナとして通信を行う時は送信電力を低く抑えているため、本願発明の目的を達成することは可能である。
【0118】
(E)
なお、図11の回路構成では図示はしていないが、図16に示すように、通信回路15と試験片挿入ユニット10内の接触電極11Dとの間にアンテナパターン55を形成し、試験片挿入ユニット10に試験片1が挿入されると、アンテナ用電極パターン39とこのアンテナパターン55とが一体のアンテナとして作用するようにしても良い。
【0119】
このようにすると、アンテナ長を長くすることが出来るため、通信を行う周波数帯域を広くすることが可能となる。
【0120】
(その他の効果)
本発明の生体試料測定装置および生体試料測定用試験片によれば、保持する手による電波吸収の影響を低減して効率的に電波を放出させ、送信電力を低く抑えることができる。
【0121】
ひいては、送信電力を低く抑えることにより、生体試料測定装置の消費電力が小さくなり、電池の長寿命化を実現できる。
【0122】
さらに、電池の低容量化に伴う小型化によって生体試料測定装置の小型、軽量化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明に係る生体試料測定用試験片および生体試料測定装置は、試験片に形成された電極パターンをアンテナとして使用することにより、手で保持された状態でも効率的に電波を放出することができるため、血糖測定器等の筐体に試験片を挿入して使用するような生体試料測定装置等に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施の形態1における血糖測定器に使用する試験片の外観図
【図2】本発明の実施の形態1における血糖測定器に使用する試験片の分解図
【図3】本発明の実施の形態1における血糖測定器の回路ブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における血糖測定器の外観図
【図5】本発明の実施の形態1における血糖測定器の内部構造図
【図6】本発明の実施の形態1における血糖測定器を左手で保持した時の様子を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における血糖測定器に使用する試験片に挿抜検知用電極パターンを形成したときの分解図
【図8】本発明の実施の形態1における血糖測定器の試験片の引き抜き検出が可能な回路ブロック図
【図9】本発明の実施の形態2における血糖測定器に使用する試験片にアンテナ用電極パターンを形成したときの外観図
【図10】本発明の実施の形態2における血糖測定器に使用する試験片にアンテナ用電極パターンを形成したときの分解図
【図11】本発明の実施の形態2における血糖測定器のアンテナ用電極パターンをアンテナとして使用する場合の回路ブロック図
【図12】(a),(b)は、本発明の他の実施形態に係る血糖測定器の表示状態の変化の一例を示す図
【図13】本発明の他の実施形態に係る血糖測定器の表示状態の他の例を示す図
【図14】本発明の他の実施形態に係る血糖測定器の装置内の内部アンテナを用いて通信を行う構成を示す回路ブロック図
【図15】図11の血糖測定器を左手で保持した時の様子を示す図
【図16】本発明のさらに他の実施形態に係る装置内に内部アンテナパターンを含む血糖測定器の構成を示す回路ブロック図
【符号の説明】
【0125】
1 試験片
2 電極(測定電極)
3 絶縁基板
4 試薬層
5 スペーサ
6 カバー
7 検体供給部
8 空気抜孔
9 血液点着口
10 試験片挿入ユニット
11 接触電極
12 電極切換回路
13 CPU(通信制御部、表示制御部)
14 切換スイッチ
15 通信回路
16 測定回路
17 基準電圧発生回路
18 電流−電圧変換回路
19 電圧検出回路
20 表示器
21 記憶回路
22 操作スイッチ
23 RF回路
24 整合回路
25 筐体
26 前面
27 背面
28 上端面
29 下端面
30 開口部
31 操作ボタン
32 バッテリ
33 バッテリ装着部
34 基板
35 挿抜検知用電極パターン
36 検知用接触電極
37 挿抜検知回路
38 ブザー
39 アンテナ用電極パターン(アンテナ電極)
50 血糖測定器(生体試料測定装置)
51 測定値表示
52 通信状態表示
53 アンテナ切換スイッチ
54 内部アンテナ
55 内部アンテナパターン
150 血糖測定器(生体試料測定装置)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料が点着された状態で生体試料測定装置に対して挿入・保持され、前記生体試料測定装置に対して電気的に接続される生体試料測定用の試験片であって、
所定の位置に点着された前記生体試料を電気化学的に測定するための測定電極と、
前記生体試料測定装置に対して挿入・保持された状態で通信用のアンテナとして機能するアンテナ電極と、
を備えている生体試料測定用の試験片。
【請求項2】
前記測定電極は、前記アンテナ電極を兼ねている、
請求項1に記載の生体試料測定用の試験片。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体試料測定用の試験片と、
前記試験片を挿入・保持して電気的に接続する試験片挿入ユニットと、
前記試験片に点着した生体試料を電気化学的に測定する測定回路と、
この測定回路で測定した結果を無線通信により送信する通信回路と、
を備えた生体試料測定装置。
【請求項4】
前記測定回路あるいは前記通信回路のいずれかを切り換えて、前記試験片挿入ユニットに接続する切換スイッチを、さらに備えた、
請求項3に記載の生体試料測定装置。
【請求項5】
前記試験片の前記アンテナ電極が接続される前記試験片挿入ユニット内の電極と前記通信回路との間に配置されたアンテナパターンをさらに備えている、
請求項3に記載の生体試料測定装置。
【請求項6】
前記試験片が前記試験片挿入ユニットに挿入されたことを検知する挿抜検知回路をさらに備えている、
請求項3から5のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項7】
前記通信回路に接続された補助アンテナと、
前記通信回路における通信を制御する通信制御部と、
をさらに備え、
前記通信制御部は、前記挿抜検知回路において前記試験片が未装着状態であることを検知した時に通信が完了していない場合には、前記補助アンテナを介して再送信するように前記通信回路を制御する、
請求項6に記載の生体試料測定装置。
【請求項8】
前記通信回路における通信を制御する通信制御部をさらに備え、
前記通信制御部は、前記挿抜検知回路において前記試験片が未装着状態であることを検知した時に通信が完了していない場合には、次に前記試験片の挿入を検知した時に再送信するように前記通信回路を制御する、
請求項6に記載の生体試料測定装置。
【請求項9】
前記測定回路が測定した結果を表示する表示器と、
前記表示器における表示制御を行う表示制御部と、
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記通信回路が前記測定した結果の送信を完了するまでは前記測定した結果を非表示とするように前記表示器を制御する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項10】
前記測定回路が測定した結果を表示する表示器と、
前記表示器における表示制御を行う表示制御部と、
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記通信回路が前記測定した結果の送信を完了するまでは通信中であることを表示するように、前記表示器を制御する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−168799(P2009−168799A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301270(P2008−301270)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)