説明

生分解性紐、およびその製造方法

【課題】引張強度に優れた生分解性紐、および該紐の製造方法を提供する。
【解決手段】生分解性紐は、こんにゃく原料と多価アルコール類と凝固剤とを含み、澱粉類を含まないゲル化乾燥物のストリップからなる。該生分解性紐は、水と多価アルコールとを混合した混合液にこんにゃく原料を添加し、該こんにゃく原料を含む水性スラリーに凝固剤を添加してゲル化させると共に該ゲル化物をシート状に成形し、該シート状ゲル化物を乾燥してシート状ゲル化乾燥物とした後、該シート状ゲル化乾燥物をストリップに裁断して製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性の材料からなる生分解性紐に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこんにゃくを主成分とした可食性の紐が提供されている(特許文献1参照)。このような可食性紐は例えばこぶ巻き、巾着等の食品の結束用として使用されており、これら食品を大量に生産する工場ではこのような可食性紐による結束を、自動結束機を使用して行なっている。したがって該紐としては該自動結束機によって及ぼされる引張り力に耐えるだけの機械的強度が必要である。このような機械的強度が大きい可食性紐の製造方法としては、従来こんにゃくを主成分としたスラリーに凝固剤を添加してゲル化させると共にシート状に成形し、該シート状ゲルを複数枚貼り合わせた後紐状に裁断する方法が提供されている。
【0003】
また、機械的強度に優れたこんにゃくを主成分とする可食性紐も提案されている(特許文献2参照)。かかる可食性紐は、こんにゃく原料、澱粉、グリセリンを含むものである。
【0004】
【特許文献1】特開平7−023723号公報
【特許文献2】特開2001−186856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明によれば、シート状のゲルを複数枚貼り合わせることによって紐の強度が向上せしめられるが、食品を結束して煮込んだ場合に、該紐が層間剥離を起こし、強度の著しい低下が起こり、かつ膨潤による伸びも大きく、結束が緩んだり解けてしまったりなどの不具合を生じ、実用に供することが困難であった。また、大きな引張り力が及ぼされる梱包用の紐としては信頼性に欠けるという問題もあった。
【0006】
また、特許文献2の発明は、実用に供することが可能であったが、さらに強度が高くて梱包用としても使用可能である製品、あるいはさらに結び目がはずれにくい製品が求められていた。さらに、近年注目されている環境問題に鑑み、それに対応可能な製品が求められていた。
【0007】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、強度の高い生分解性紐、及び該紐の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、こんにゃく原料と多価アルコールと水とを主体とするスラリーのゲル化乾燥物のストリップからなることを特徴とする生分解性紐である。また上記構成にあっては、該スラリーは凝固剤を含み、澱粉類を含まないものが望ましい。該ストリップに捩りを施してもよく、該ストリップを長手方向に沿って巻いたものでもよい。
【0009】
また本発明は、水と多価アルコールとこんにゃく原料とを主体とするスラリーに凝固剤を添加すると共にシート状に成形し、ゲル化乾燥せしめてシート状ゲル乾燥物とした後、該シート状ゲル乾燥物をストリップに裁断することを特徴とする上記記載の生分解性紐の製造方法である。上記構成は、水と多価アルコールとこんにゃく原料とを主体とするスラリーに凝固剤を添加すると共にベルトコンベア上にシート状に流し出し、加熱ゲル化乾燥することによって該ベルトコンベア上にシート状ゲル乾燥物を形成し、該シート状ゲル乾燥物を剥離し、裁断してストリップとする構成が望ましい。さらに、該スラリーには、澱粉類が含まれない構成が望ましい。また、該ストリップに捩りを施してもよいし、該ストリップを長手方向に沿って巻いてもよい。また、該乾燥は熱風および遠赤外線によって行うことが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
〈作用〉
本発明の構成とすることにより、柔軟伸縮性を保持しつつ引張強度が向上し、自動結束機での安定した使用が可能となる。また、生分解性であるため、廃棄物の処理として腐朽処理が適用でき、石油由来の化学繊維に比して環境にもやさしい。さらに、植物性の可食性紐としても適用可能である。
【0011】
〈効果〉
市販品の自動結束機での安定した使用が可能となるため、結束作業の省力化が可能となる優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明の生分解性紐は、こんにゃく原料、多価アルコール、及び水が配合されてなり、また、注入液として凝固剤が添加されている。
【0013】
本発明において使用されるこんにゃく原料としては、こんにゃく磨砕物、こんにゃく粉、更にこんにゃく精粉がある。また、望ましい構成として、上記こんにゃく原料には、澱粉類(馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、タピオカ澱粉、あるいはこれらの化工澱粉や変性澱粉等)は含まれない。
【0014】
また、上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が、柔軟剤及び保湿剤として使用される。さらに、凝固剤としては、灰汁、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、貝殻焼成物、卵殻焼成物等のアルカリ化合物が使用される。
【0015】
上記生分解性紐にあっては、上記こんにゃく原料100質量部に対して、上記多価アルコールが50〜70質量部、望ましくは55〜65質量部とされる。上記原料は、水に分散せしめられてスラリーとされるが、該スラリー中の固形分濃度は、通常2〜3質量%とされる。また、上記凝固剤は、上記スラリーに対して通常0.3〜0.7質量%添加される。
【0016】
上記スラリーを調製するには、水と多価アルコールとを混合した混合液に、こんにゃく原料を分散させ、高速ミキサー、高速カッター等の高速攪拌機で攪拌して、糊状のスラリーとする。上記スラリー調製中に気泡が混入すると、製品の強度が低下するから、攪拌は減圧下に行なうことが望ましい。望ましい攪拌機としては、減圧高速カッターがある。
【0017】
前記スラリーには、上記凝固剤が添加されるが、この際望ましくは、水に溶解した凝固剤が添加される。該スラリーに凝固剤を混合すれば、ゾル状の生分解性材料(ゾル化物)がゲル化することとなり、この状態でシート状に成形する。シート状に成形する構成については後で詳述する。
【0018】
上記のようにして製造されたシート状ゲル化物は、厚みが略1〜2mmであり、該ゲル化物はそれから乾燥室内で加熱乾燥される。この加熱乾燥は、熱風、遠赤外線、高周波、電磁波等公知の手段が適用されるが、ゲル化物の内部まで急速に乾燥させるには、設備が低コストの点からみて遠赤外線が望ましく、更に熱風と遠赤外線とを併用することが望ましい。
【0019】
乾燥したシート状ゲル乾燥物は、通常厚みが0.1mm〜0.3mmとなり、水分含有量が10〜30質量%程度であり、該シート状ゲル乾燥物は、巾5mm〜10mmに裁断されて生分解性紐とされる。また、該シート状ゲル乾燥物は、通常巾15mm〜30mm程度のストリップに裁断され、撚糸機等を使用して捩って生分解性紐とされる。この場合の捩り回数は、通常ストリップ1mについて10〜150回とする。更に、該シート状ゲル乾燥物は、通常巾20mm〜30mm程度のストリップに裁断され、該ストリップを長手方向に沿って巻いて生分解性紐とされる。この場合の巻き回数は、通常2〜10回とする。
【0020】
次に、本発明の生分解性紐を製造するための中間体であるシート状ゲル乾燥物を提供する装置1を、添付図面に従って説明する。
該装置1は、図1,2に示すように、ホッパー2と、原料混合手段10と、投入装置11と、ベルトコンベア3と、乾燥室4と、巻き取りローラー9とを主体としている。
【0021】
更に詳述すると、前記ホッパー2は、横長形状で、下方ほど縮径した外観形状を呈し、上端に投入開口2Aが形成され、下端に流出口2Bが形成されている。該投入開口2A及び該流出口2Bは、該ホッパー2の長手方向(左右方向)に沿って開口しており、該投入開口2Aから投入された流出対象物(後述のスラリー)が、該流出口2Bを介して下方へ流し出される。なお、該ホッパー2は、従来構成を好適に使用することができる。
【0022】
また、該ホッパー2の直上には、投入装置11が配置されている。該投入装置11は、前記原料混合手段10に連通している投入ノズル11Aを具備しており、前記原料混合手段10で調整されたスラリーx1が、該投入ノズル11Aから流出する。
【0023】
ここで、前記原料混合手段10は、水と多価アルコールとを混合した混合液を作製すると共に、該混合液にこんにゃく原料を分散させて糊状のスラリーとし、さらに、該スラリーに注入液としての凝固剤を添加せしめる。該原料混合手段10を実現する構成についても、公知技術が好適に採用される。
【0024】
なお、前記投入装置11は、図2に示すように、ホッパー2の上方に配置されたレール13を具備し、該レール13に、前記投入ノズル11Aが摺動自在に接続されている。そして、該投入ノズル11Aが、該レール13に沿ってホッパー2の上方を繰り返し摺動することにより、前記スラリーx1がホッパー2内に、投入開口2Aを介して均等に投入される。
【0025】
また、前記ホッパー2の直下には、ベルトコンベア3が配置されている。該ベルトコンベア3は、二つの駆動ローラー3A,3Bに、テフロン(登録商標)製のベルト30がほぼ水平に架け渡されてなり、該ベルトコンベア3の搬送方向が、前記ホッパー2の長手方向と直交する向きに設定されている。そして、前記ホッパー2から流出されたスラリーx1は、該ベルトコンベア3のベルト30上にカーテンフローコート式に連続的に流下する。
なお、該ベルトコンベア3におけるベルト30の両脇には、図2に示すように、該ベルト30上に流出されたスラリーx1を堰き止めるガイド板31,31が立設され、流出したスラリーx1がベルト30からはみ出さないように設定されている。
【0026】
また、前記駆動ローラー3B側(ベルトコンベア3の前側)のベルトコンベア3部分は、乾燥室4内に配置されている。該乾燥室4は、室内が所定の乾燥温度に設定されていると共に、該室内に遠赤外線照射装置(図示省略)が配され、前記ベルトコンベア3で搬送される搬送物に、遠赤外線を照射する。
【0027】
また、前記駆動ローラー3Aの直後方(すなわちベルトコンベア3の後側)には、スクレイパー6が配されており、該スクレイパー6によって、該ベルトコンベア3のベルト30からシート状の搬送物を剥がし取られる。
【0028】
また、さらに前記ベルトコンベア3の後方には、複数(二基)の案内ローラー8A,8Bが配され、該案内ローラー8A,8Bが、巻き取りローラー9にシート状の搬送物を案内している。そして、該巻き取りローラー9は、シート状の搬送物を順次巻き取る。
【0029】
上記構成にあって、生分解性紐は、以下のようにして製造される。
上面がほぼ水平とされたベルトコンベア3上に、カーテンフローコート式に、こんにゃく原料、多価アルコール、及び凝固剤を含む前記スラリーx1が、ホッパー2から連続的に流下される。そうすると、該ベルトコンベア3のベルト30上面に流し出されたスラリーx1が、自然に流動して延展し、シート状とされる。ここで、該シート材料x2は、ゲル化し始めると共に、該ベルトコンベア3によって乾燥室4内に搬送され、加熱ゲル化乾燥されてシート状ゲル乾燥物x3とされる。そして、該シート状ゲル乾燥物x3は、該乾燥室4内において搬送方向を反転させられて、駆動ローラー3A側に搬送され、前記スクレイパー6により剥がし取られ、前記案内ローラー8A,8Bを介して前記巻き取りローラー9に巻き取られる。さらに、該巻き取りローラー9に巻き取られたシート状ゲル乾燥物x3は、裁断機(例えばスライサー:図示省略)により、巻き取り方向に沿って裁断されてストリップとされ、生分解性紐とされる。
【0030】
さらに、後工程として、該生分解性紐に捩りが施されたり、長手方向に沿って巻かれたりして、所望の生分解性紐が得られる。
【0031】
以下、本発明の生分解性紐の実施例を説明する。なお、本発明は、該実施例に限定されるものではなく、状況に応じて適宜組成比等を変更することが勿論可能である。
〔実施例〕
下記の組成のスラリーを調製した。
こんにゃく粉 1360g (1.66質量%)
グリセリン 800g (0.97質量%)
水 80kg (97.37質量%)
合計 82.16kg (100質量%)
なお、本組成に、澱粉類は含まれない。
【0032】
また、下記の組成の凝固剤を調整した。
水酸化カルシウム 50g (0.5質量%)
合計(水で調整) 10L (100質量%)
【0033】
上記スラリーを、減圧高速カッターによって10分間攪拌してゾル化した(糊状とした)。その後、1時間放置してこんにゃく粉を膨潤せしめた。その後、上記スラリー100質量部に対して0.5質量%の水酸化カルシウム水溶液10質量部を1L/分の流量で添加し、練り合わせ、上記製造装置1のホッパー2に配された流出口2Bから10kg/分でベルトコンベア3のベルト30上に流し、厚さ1.5mmのシート状ゲル化物を成形した。該シート状ゲル化物はそれから熱風と遠赤外線によって加熱乾燥し、厚み0.08mm、水分含有量10〜30質量%の範囲内のシート状ゲル乾燥物とした。該シート状ゲル乾燥物をスライサーによって巾8mmのストリップに裁断して生分解性紐Aとした。更に該シート状ゲル化乾燥物をスライサーによって巾20mmのストリップに裁断し、該ストリップ1mについて50回の捩りを施こして生分解性紐Bとした。また更に該シート状ゲル化乾燥物をスライサーによって巾25mmのストリップに裁断し、長手方向に沿って5回巻いて生分解性紐Cとした。
【0034】
該生分解性紐(A,B,C)で自動結束機を使用してこぶ巻きを結束した所、該生分解性紐(A,B,C)は自動結束機によって及ぼされる張力に耐え、切断、伸び等の破壊や変形を起こさず、こぶ巻きは該生分解性紐(A,B,C)によって良好に結束された。該こぶ巻きをだし汁に浸して120分間煮込んだ所、こぶ巻きの膨潤に対応して該生分解性紐(A,B,C)は適度に伸びるけれども結束は緩まず、こぶ巻きは該生分解性紐(A,B,C)によって良好に結束されたままの状態で仕上がった。
【0035】
次に、本発明に係る生分解性紐の引張強さについて説明する。試験方法は、以下の通りである。
〈試験方法〉
JIS L 1013
試験機:定速伸長形
つかみ間隔:20cm
引張速度:20cm/分
試験回数:10回
測定環境:20℃、65%
【0036】
〈試験対象〉
試験対象品1:上記生分解性紐A
試験対象品2:下記の組成からなり、上記生分解性紐Aと同寸法とされた生分解性紐
こんにゃく精粉 1600g (1.54質量%)
タピオカ化工澱粉 450g (0.43質量%)
小麦化工澱粉 450g (0.43質量%)
グリセリン 1000g (0.96質量%)
ローカストビンガム 100g (0.10質量%)
二酸化チタン 35g (0.03質量%)
水 100kg (96.49質量%)
合計 103.635kg (100質量%)
【0037】
〈結果〉
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【0043】
表1は、試験対象品1の試験サンプルn=10に対し、最大点試験力(N)、最大点変位(mm)、最大点ひずみ(%)を示した表であり、各項目につき、平均値と標準偏差を算出している。
表2は、試験対象品1(試験サンプルn=10)にあって、横軸をストローク(ひずみ%)とし、縦軸を試験力(N)としたチャートである。
表3は、試験対象品1(試験サンプルn=10)にあって、横軸をストローク(mm)とし、縦軸を試験力(N)としたチャートである。
表4は、試験対象品2の試験サンプルn=10に対し、最大点試験力(N)、最大点変位(mm)、最大点ひずみ(%)を示した表であり、各項目につき、平均値と標準偏差を算出している。
表5は、試験対象品2(試験サンプルn=10)にあって、横軸をストローク(ひずみ%)とし、縦軸を試験力(N)としたチャートである。
表6は、試験対象品2(試験サンプルn=10)にあって、横軸をストローク(mm)とし、縦軸を試験力(N)としたチャートである。
【0044】
表1に示されるように、試験対象品1の引張強さは27.6N、伸び率は42.0%であった。表2に示されるように、ストローク(ひずみ%)が増大すると、試験力(N)も増大し、表3に示されるように、ストローク(mm)が増大すると、試験力(N)も増大した。
これに対し、表4に示すように、試験対象品2の引張強さは20.3N、伸び率は26.3%であった。表5に示されるように、ストローク(ひずみ%)が増大すると、試験力(N)も増大し、表6に示されるように、ストローク(mm)が増大すると、試験力(N)も増大した。
試験対象品1と試験対象品2とを比較すると、澱粉類を含まない試験対象品1の方が、引張強さが大きく、かつ伸び率が大きいことがわかった。
【0045】
〈まとめ〉
本発明の生分解性紐は、従来品であるかんぴょうを用いた紐に比して素材のばらつきがなく、また変色も生じないため、品質が安定している効果がある。また、従来品である昆布を用いた紐に比して煮溶けにくく結び目が解けにくい効果がある。また、従来品であるコラーゲン紐に比して柔軟伸縮性に富むため、被結束物を傷つけない効果がある。また、レトルト殺菌や冷凍保存にも対応できる効果がある。
【0046】
また、本発明の生分解性紐は、シートを複数枚貼り合わせて強度を向上させる代りに、ストリップにすることによって強度を向上せしめ、更に該ストリップに捩りを施すかまたは巻くことによって引張り力を吸収し易くして更に強度を向上させている。したがって食品結束後に煮込んだ場合でも勿論層間剥離は起らず強度低下が起らない。そして食品(例えばこぶ巻き)を煮込んだ場合の食品膨潤にも本発明の可食性紐は適度に伸びて対応し、しかも結束が緩んだり解けたりするようなこともない。
【0047】
さらに、本発明の生分解性紐にあって、特に澱粉類が含まれないと、さらに引張強さが向上し、市販の結束機を用いることができる。
【0048】
なお、本発明にかかる生分解性紐は、きんちゃく、ロールキャベツ、昆布巻き、捜索料理の可食できる結束紐として用いられるだけでなく、その他の一般的な包装用の結束紐としても使用できる。また、生分解性であるため、環境に優しいという優れた利点もある。
【0049】
上記実施例は、望ましい構成として、澱粉類を含まない構成を示したが、本発明は澱粉類を含む構成を積極的に排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】装置1の概略側面図である。
【図2】装置1の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
3 ベルトコンベア
x3 シート状ゲル乾燥物



【特許請求の範囲】
【請求項1】
こんにゃく原料と多価アルコールと水とを主体とするスラリーのゲル化乾燥物のストリップからなることを特徴とする生分解性紐。
【請求項2】
該スラリーは凝固剤を含み、澱粉類を含まないことを特徴とする請求項1記載の生分解性紐。
【請求項3】
該ストリップに捩りを施した請求項1または請求項2に記載の生分解性紐。
【請求項4】
該ストリップは厚み0.1mm〜0.3mm、巾5mm〜10mmである請求項3に記載の生分解性紐。
【請求項5】
該ストリップは厚み0.1mm〜0.3mm、巾15mm〜30mmである請求項3に記載の生分解性紐。
【請求項6】
該ストリップは1mについて10〜150回の捩りを施されている請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の生分解性紐。
【請求項7】
該ストリップを長手方向に沿って巻いた請求項1または請求項2記載の生分解性紐。
【請求項8】
該ストリップは厚み0.1mm〜0.3mm、巾20mm〜30mmである請求項7に記載の生分解性紐。
【請求項9】
該ストリップは長手方向に沿って2〜10回巻かれている請求項7または請求項8に記載の生分解性紐。
【請求項10】
水と多価アルコールとこんにゃく原料とを主体とするスラリーに凝固剤を添加すると共にシート状に成形し、ゲル化乾燥せしめてシート状ゲル乾燥物とした後、該シート状ゲル乾燥物をストリップに裁断することを特徴とする請求項1に記載の生分解性紐の製造方法。
【請求項11】
水と多価アルコールとこんにゃく原料とを主体とするスラリーに凝固剤を添加すると共にベルトコンベア上にシート状に流し出し、加熱ゲル化乾燥することによって該ベルトコンベア上にシート状ゲル乾燥物を形成し、該シート状ゲル乾燥物を剥離し、裁断してストリップとする請求項10記載の生分解性紐の製造方法。
【請求項12】
該スラリーには、澱粉類が含まれない請求項10または請求項11記載の生分解性紐の製造方法。
【請求項13】
該ストリップに捩りを施す請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の生分解性紐の製造方法。
【請求項14】
該ストリップを長手方向に沿って巻く請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の生分解性紐の製造方法。
【請求項15】
該乾燥は熱風および遠赤外線によって行う請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載の生分解性紐の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−88370(P2010−88370A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262863(P2008−262863)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(594055594)ナカキ食品株式会社 (1)
【Fターム(参考)】