説明

生理用ナプキン

【課題】着用者の排泄部よりも背中側に配される後方部の液引き込み性及びフィット性が高く、ドライ感に優れ、効率的に後ろ漏れを防止することのできる生理用ナプキンを提供すること。
【解決手段】後方部1Cにおける吸収体14の幅方向の中央域に、高密度部15及び低密度部16を含んで構成される粗密構造100が形成されている。高密度部15及び低密度部16は、それぞれ、吸収体14の長手方向Xに延びて形成され且つ高密度部15は、排泄部対向部1Bには延びていない。粗密構造100は、複数本の高密度部15と複数本の低密度部16とが、吸収体14の幅方向Yに交互に配置されて形成されている。前記中央域の左右両側に位置する、吸収体14の側方域には、高密度部15が形成されていない。側方域に、表面シート12及び吸収体14がナプキン1の非肌当接面側に向けて一体的に凹陥した、長手方向Xに延びる溝部9aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンに関する。本発明の生理用ナプキンには、ショーツ等の下着に取り付けて使用するパンティライナー、失禁パッドも含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する技術として、就寝中に経血等の液が着用者の肌を伝って背中側から漏れ出す、いわゆる後ろ漏れを防止する技術が提案されている。例えば、生理用ナプキンの後方部における吸収体の幅方向中央部を着用者の肌側にむかって隆起させ、その隆起した部分に、後方に向かって流れる液を吸い込ませる方法が知られている。しかし、この方法は、吸収性物品の幅方向中央部が着用者の肌側に向かって凸状に盛り上がった形態となるため、吸収性物品が長手方向に湾曲したときに、吸収体の隆起部分の存在によって、吸収性物品が着用者の肌の形状に沿った形状に変形することが妨げられていた。
【0003】
また、生理用ナプキンに関する技術として、特許文献1には、長手方向中央領域が堅く、その外側に配置されている長手方向側方領域よりも大きな可撓性抵抗を有している、生理用ナプキンが記載されている。特許文献1に記載の生理用ナプキンにおいては、長手方向中央領域が、着用者の小陰唇の下にカップ状のくぼみを形成し、長手方向側縁が、該くぼみ構造体の側部を形成する。また、特許文献2には、液透過性のトップシートと、バックシートと、両シート間に設けられた吸収コアとを有する積層体の横方向の中央領域の剛軟度を、横方向の両側領域で且つ吸収コアが存在している領域の剛軟度よりも高くした吸収性物品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平7―506035号公報
【特許文献2】特開2000−225138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載の吸収性物品は、相対的に可撓性抵抗あるいは剛軟度を高めた領域が、吸収性物品の幅方向の中央部に長手方向に延びるように形成されているため、吸収性物品が長手方向に湾曲したときに、幅方向中央部の可撓性抵抗あるいは剛軟度を高めた領域の存在によって、吸収性物品が着用者の肌の形状に沿った形状に変形することが妨げられる。従って、特許文献1及び2に記載の吸収性物品は、特に後方部において、着用者の身体に対するフィット性及び液吸収性が不十分であり、液残りやドライ感の点で改善の余地がある。
【0006】
従って、本発明の課題は、着用者の排泄部よりも背中側に配される後方部の液引き込み性及びフィット性が高く、ドライ感に優れ、効率的に後ろ漏れを防止することのできる生理用ナプキンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、肌当接面を形成する表面シート、非肌当接面を形成する裏面シート及びこれら両シート間に配された実質的に縦長の吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部及び該排泄部対向部より背中側に配される後方部を有する生理用ナプキンであって、前記後方部における前記吸収体の幅方向の中央域に、高密度部及び低密度部を含んで構成される繊維の粗密構造が形成されており、該高密度部及び該低密度部は、それぞれ、該吸収体の長手方向に延びて形成され且つ該高密度部は、前記排泄部対向部には延びておらず、前記繊維の粗密構造は、複数本の前記高密度部と複数本の前記低密度部とが、前記吸収体の幅方向に交互に配置されて形成されており、前記中央域の左右両側に位置する、前記後方部における前記吸収体の幅方向の側方域には、前記高密度部が形成されておらず、該側方域それぞれに、前記表面シート及び該吸収体が前記非肌当接面側に向かって一体的に凹陥した、該吸収体の長手方向に延びる溝部が形成されている生理用ナプキンを提供することにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の生理用ナプキンによれば、着用者の排泄部よりも背中側に配される後方部の液引き込み性及びフィット性が高く、ドライ感に優れ、効率的に後ろ漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の生理用ナプキンの一実施形態を一部破断して示す平面図である。
【図2】図2は、図1のI−I線断面を示す模式断面図である。
【図3】図3は、図1のII−II線断面を示す模式断面図である。
【図4】図4は、後方部における吸収体の液の取り込み性を説明するための吸収体の模式断面図である。
【図5】図5は、後方部における吸収体の着用時の変形を説明するための吸収体の模式断面図である。
【図6】図6は、本発明の生理用ナプキンの製造に好ましく用いられる吸収体の製造装置の概略を示す図である。
【図7】図7(a)は、底面部に溝部を有する集積用凹部を示す斜視図であり、図7(b)は、その集積用凹部の内部に繊維材料が堆積した状態を示す断面図である。
【図8】図8(a)は、凸条部を有する堆積体(製造中間体)を示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)の堆積体を用いて製造される吸収体を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の生理用ナプキンについて、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態の生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1ともいう)は、就寝時の使用に適した夜用のナプキンである。ナプキン1は、図1〜図3に示すように、肌当接面を形成する表面シート12、非肌当接面を形成する裏面シート13及びこれら両シート12,13間に位置する縦長の吸収体14を備えた縦長の本体部分11と、該本体部分11の長手方向の左右両側方に形成された、一対のウイング部17,17及び一対の後方フラップ部18,18とを備えている。
【0011】
ナプキン1は、図1に示すように、実質的に縦長の形状(図1に示す如き平面視において一方向に長い形状)をしており、その長手方向を、着用時に着用者の腹寄りに配される前方部1Aと、着用者の排泄部(膣口)に対向配置される排泄部対向部1Bと、着用時に排泄部対向部1Bより着用者の背中側に配される後方部1Cとに区分される。ナプキン1における排泄部対向部1Bは、左右に一対のウイング部17,17を有する部分である。
【0012】
尚、本明細書において、肌当接面は、生理用ナプキン又はその構成部材における、生理用ナプキンの着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、生理用ナプキン又はその部材における、生理用ナプキンの着用時に肌側とは反対側(衣類側)に向けられる面である。また、長手方向は、生理用ナプキン又はその構成部材の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。図中、符号Xで示す方向は、ナプキン1(吸収体14)の長手方向であり、符号Yで示す方向は、ナプキン1(吸収体14)の幅方向である。
【0013】
表面シート12及び裏面シート13は、それぞれ、吸収体14の長手方向前後端それぞれから延出し、それらの延出部の端部においてヒートシールや接着剤等により互いに接合されている。また、ナプキン1の長手方向に沿う両側部においては、図2及び図3に示すように、表面シート12の長手方向に沿う両側部12c,12cが、吸収体14の非肌当接面側に巻き下げられて、吸収体14と裏面シート13との間に固定されている。裏面シート13は、吸収体14の長手方向に沿う両側縁から外方に延出してフラップ部30を形成している。フラップ部30は、排泄部対向部1Bにおいてナプキン1の幅方向の外方に更に延出して一対のウイング部17,17を形成していると共に、後方部1Cにおいてナプキン1の幅方向の外方に更に延出して一対の後方フラップ部18,18を形成している。
【0014】
ナプキン1の非肌当接面(裏面シート13の非肌当接面)は、着用時にショーツのクロッチ部等、衣類側に向けられる。裏面シート13の非肌当接面には、ナプキン1をショーツ等の下着のクロッチ部に固定するための粘着部19が設けられている。また、一対のウイング部17,17の非肌当接面には、ナプキン1をショーツの外面(非肌対向面)に固定するためのウイング部粘着部20が設けられている。後部フラップ18,18は、ナプキン1の着用時に、ショーツの内面(肌対向面)上に配され、その非肌当接面には、図示しない粘着部が設けられている。これらの粘着部は、ホットメルト粘着剤等を所定箇所に塗布することにより設けられており、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
【0015】
吸収体14は、その長手方向をナプキン1の長手方向に一致させて、ナプキン1の幅方向の中央に配されている。吸収体14は、パルプ繊維等の繊維材料からなる吸収性コア又は該吸収性コアの繊維間に吸水性ポリマーを保持させてなる吸収性コアを、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなるコアラップシート(図示せず)で被覆してなる。表面シート12と吸収体14との間、吸収体14と裏面シート13との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターン塗工された接着剤(ホットメルト接着剤等)により互いに接合されている。
【0016】
吸収体14は、図1及び図2に示すように、排泄部対向部1Bに、周辺部よりも厚みが厚く且つ表面シート12側に突出して形成された中高部26を有している。より具体的には、吸収体14は、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で且つ前方部1Aから排泄部対向部1Bを介して後方部1Cに亘って延びる、下層吸収体24と、下層吸収体24よりも幅狭で且つ排泄部対向部1Bにおいて下層吸収体24の幅方向中央部の肌当接面側に隆起する、上層吸収体25を有しており、上層吸収体25及び下層吸収体24における上層吸収体25の下方に位置する部分が、中高部26を形成している。上層吸収体25(中高部26)は、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で、その長手方向を吸収体14の長手方向に一致させて、排泄部対向部1Bにおける下層吸収体24の幅方向の中央部に配置されている。
【0017】
下層吸収体24と上層吸収体25とは別体となっていて分離可能になされている。下層吸収体24及び上層吸収体25は、それぞれ、当該吸収体を構成する吸収性コアが個別にコアラップシート(図示せず)で被覆されて形成されている。尚、下層吸収体24と上層吸収体25とは一体に形成されていて分離不可になされていても良く、その場合、吸収体14は、各吸収体24,25を構成する吸収性コアの一体化物全体がコアラップシートで被覆されて構成されている。下層吸収体24の厚みT1(図2参照)は、好ましくは0.5〜5.0mm、更に好ましくは1.0〜4.0mmであり、上層吸収体25の厚みT2(図2参照)は、好ましくは0.5〜8.0mm、更に好ましくは1.5〜6.0mmである。
【0018】
図1及び図3に示すように、後方部1Cにおける吸収体14(ナプキン1)の幅方向(図中Y方向)の中央域には、高密度部15及び低密度部16を含んで構成される繊維の粗密構造が形成されている。即ち、ナプキン1における吸収体14は、後方部1Cの幅方向の中央域に列状粗密構造部100を有しており、列状粗密構造部100は、構成繊維が密な状態に存在する平面視帯状の4本の高密度部15と、高密度部15に比較して構成繊維が粗な状態に存在する平面視帯状の3本の低密度部16とを有している。3本の低密度部16は、それぞれ、吸収体14の幅方向に隣接する高密度部15,15間に位置している。高密度部15及び低密度部16は、それぞれ、吸収体14(ナプキン1)の長手方向(図中X方向)に延びて形成されている。高密度部15は、排泄部対向部1Bには延びておらず、後方部1Cにのみ形成されている。列状粗密構造部100は、それら複数本の高密度部15と複数本の低密度部16とが、吸収体14の幅方向(図中Y方向)に交互に配置されて形成されている。高密度部15は、低密度部16との比較において繊維材料の密度が高い部分であり、低密度部16は、高密度部15との比較において繊維材料の密度が低い部分である。
【0019】
後方部1Cにおける吸収体14の幅方向の中央域において、吸収体14の厚みは、高密度部15と低密度部16とで異なっている。吸収体14の厚みが、高密度部15と低密度部16とで異なっているとは、以下のようにして測定した、高密度部15の厚みT15と低密度部16の厚みT16との厚み比(T15/T16)が、1.0未満であることをいう。高密度部15及び低密度部16(列状粗密構造部100)は、後述するように、吸収体前駆体の一部を圧縮して押し潰すことにより形成されており、繊維材料の密度が低密度部16との比較において高い高密度部15の方が、該密度が高密度部15との比較において低い低密度部16よりも、高圧縮されて形成されているため、高密度部15の厚みT15の方が、低密度部16の厚みT16よりも小さく、そのため、厚み比(T15/T16)は1.0未満となる。厚み比(T15/T16)は、液を素早く取り込む低密度部16の形成の観点、液を低密度部16から高密度部15に素早く移行させるのに十分な毛管力の形成の観点、及び列状粗密構造部100が着用者の臀部間の隙間にフィットするように変形可能とする観点から、好ましくは0.6〜1.0未満である。
【0020】
また、後方部1Cにおける吸収体14の幅方向の中央域の左右両側に位置する、吸収体14の幅方向の側方域90には、高密度部15が形成されておらず、側方域90は、高密度部15に比較して構成繊維が粗な状態に存在する非帯状低密度部16bとなっている。図3に示すように、側方域90それぞれには、吸収体長手方向(図中X方向)に延びる溝部9aが形成されている。非帯状低密度部16bは、吸収体14における、列状粗密構造部100以外の部分に拡がっており、中高部26を構成する上層吸収体25も、非帯状低密度部16bとなっている。尚、以下、低密度部16という用語には、特に断らない限り、非帯状低密度部16bが含まれる。
【0021】
吸収体14の幅方向の中央域(列状粗密構造部100)における高密度部15及び低密度部16と、吸収体14の側方域90との厚みの差は、20%以内となっている。即ち、{(高密度部15の厚みT15と側方域90の厚みT90との差の絶対値)/T90}×100によって算出される数値(高密度部15と側方域90との厚み差)が20%以内となっており、且つ、{(低密度部16の厚みT16と側方域90の厚みT90との差の絶対値)/T90}×100によって算出される数値(低密度部16と側方域90との厚み差)が20%以内となっている。高密度部15と側方域90との厚み差は、好ましくは15%以内であり、低密度部16と側方域90との厚み差は、好ましくは15%以内である。両厚み差がそれぞれ前記範囲内であると、1)ナプキン1の後部領域(後方部1C)における吸収体14の液引き込み力が高められ、着用者に優れたドライ感が提供される、2)ナプキン1の後部領域におけるナプキン1(吸収体14)の幅方向(図中Y方向)への変形性が高められ、着用者に違和感を感じさせない、3)着用者の身体とナプキン1との間に隙間を生じさせず、着用者に優れたフィット感が提供される、等の効果が奏される。
【0022】
<吸収体の高密度部及び低密度部(中央域)並びに吸収体の側方域の厚みの測定方法>
高密度部15及び低密度部16並びに側方域90の厚みは、吸収体14より各々の部位を長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出し、定圧式厚み計を用いて測定した。そのときの圧力は0.5g/cm2であった。
【0023】
前述したように、後方部1Cにおいては、吸収体14は、互いに厚みの異なる高密度部15及び低密度部16から構成されているため、吸収体14(下層吸収体24)の肌当接面側(表面シート12との対向面側)に、各部の厚み差に起因する段差D(高密度部15と低密度部16との段差)が生じており、低密度部16,16bの方が、高密度部15よりも段差Dだけ表面シート12側に高くなっている。一方、吸収体14(下層吸収体24)の非肌当接面側(裏面シート13との対向面側)には、このような段差は実質的に生じておらず、吸収体14の非肌当接面は略平坦である。
【0024】
本実施形態の列状粗密構造部100においては、4本の高密度部15の吸収体長手方向の長さ(図中X方向の長さ)は、吸収体幅方向(図中Y方向)の中央寄りに形成された内方側の2本が、これら2本を両側から挟むように形成された外方側の2本よりも長くなっている。内方側の2本の高密度部15は、互いに吸収体長手方向の長さが同じであり、また、外方側の2本の高密度部15は、互いに吸収体長手方向の長さが同じである。高密度部15の吸収体長手方向の長さ及び該高密度部15と並行する低密度部16の吸収体長手方向の長さは、吸収体14の長手方向の全長の5〜50%、特に10〜30%であることが好ましい。本実施形態のように、列状粗密構造部100に吸収体長手方向の長さの異なる高密度部15を有する場合、最も長い高密度部15dの吸収体長手方向の長さが前記範囲であることが好ましい。
【0025】
また、本実施形態においては、図1〜図3に示すように、ナプキン1の肌当接面(表面シート2の肌当接面)に、表面シート12及び吸収体14(下層吸収体24)がナプキン1の非肌当接面側(裏面シート13側)に向かって一体的に凹陥した、吸収体長手方向(図中X方向)に延びる線状の溝部8a,9aが形成されている。溝部8aは、中高部26(上層吸収体25)を挟んで左右両側に一対形成されており、溝部9aは、列状粗密構造部100を挟んで左右両側に一対形成されている。ここで、「線状」とは、溝部(凹陥部)の形状が平面視において直線に限られず、曲線を含み、各線は、連続線でも破線でも良い。
【0026】
中高部26の周囲には、吸収体長手方向に延びる一対の溝部8a,8aに加えて、図1に示すように、中高部26の吸収体長手方向の前端寄りに位置し且つ吸収体幅方向に延びる溝部8bと、後端寄りに位置し且つ吸収体幅方向に延びる溝部8cとが形成されており、これら4本の線状の溝部8a,8a,8b,8cは、それぞれの端部で繋がって、中高部26を包囲する閉じた環状を形成している。溝部8bは、吸収体14の長手方向前端側に向かって凸の略U字状に形成されており、そのU字状の頂部が、吸収体14の幅方向の略中央に位置しており、また溝部8cは、列状粗密構造部100に向かって凸の略U字状に形成されており、そのU字状の頂部が、吸収体14の幅方向の略中央に位置している。
【0027】
また、列状粗密構造部100の周囲には、吸収体幅方向に延びる溝部8c及び吸収体長手方向に延びる一対の溝部9a,9aに加えて、図1に示すように、列状粗密構造部100の吸収体長手方向の後端寄りに位置する溝部9cが形成されている。溝部9cは、吸収体14の長手方向後端側に向かって凸の略U字状に形成されており、一対の溝部9a,9aとそれぞれの端部で繋がって、平面視において略U字状の溝部を形成している。溝部8cと、溝部9a,9a,9cからなる略U字状の溝部とは繋がっていないが、これら4本の線状の溝部8c,9a,9a,9cによって列状粗密構造部100は実質的に包囲されている。
【0028】
これらの溝部8,9は、何れも、前述した吸収体14における非帯状低密度部16b(高密度部15に比較して構成繊維が粗な状態に存在する部分)に形成されている。溝部8,9は、熱を伴うか又は伴わないエンボス、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができ、溝部8,9においては、表面シート12及び吸収体14(下層吸収体24)が熱融着等により一体化している。溝部8,9の形成は、経血等の排泄液の拡散防止、着用時の身体に対するナプキン1の密着性の向上等に特に有効である。溝部8,9の形成部分(溝部8,9の底部と裏面シート13とにはさまれた部分)は、非帯状低密度部16bはもとより、吸収体14全体において最も構成繊維が密な状態に存在している部分である。溝部8,9の幅は、これらの溝による前述した効果を確実に奏させる観点から、好ましくは0.5〜3.0mm、更に好ましくは1.0〜2.0mmである。
【0029】
前述した構成を有する本実施形態のナプキン1は、排泄部対向部1Bにおいては、中高部26が、ナプキン1の着用者の排泄部及びその周辺部に密着し、該排泄部から排泄された経血等の液を素早く吸収し、保持する。中高部26(上層吸収体25及びその下方に位置する下層吸収体24)は、後方部1Cに形成された高密度部15に比較して構成繊維が粗な状態に存在する非帯状低密度部16bとなっており、液拡散性に優れるため、着用者の排泄部から表面シート2上に排泄された経血等の多量の排泄液は、素早く中高部26内に引き込まれ、該中高部26内で拡散され、吸収・保持される。これにより、排泄液の排泄部付近での滞留が防止され、排泄部対向部1Bにおいて高いドライ感が得られる。
【0030】
また、後方部1Cにおいては、吸収体14(下層吸収体24)の幅方向の中央域に、前述した態様で高密度部15及び低密度部16を含む列状粗密構造部100が形成されていることにより、表面シート12から吸収体14への液の引き込み性が高められ、表面シート12において液残りが生じ難く、ナプキン1の使用時に高いドライ感が得られる。即ち、排泄部対向部1Bにおいて着用者の排泄部から排泄された経血等の排泄液が、後方部1Cの列状粗密構造部100に流れてきたときには、主として、液拡散性に優れる低密度部16の作用により、表面シート12上の排泄液は、図4に示すように、素早く低密度部16内に透過移行し、吸収体14の長手方向(図中X方向)に延びる該低密度部16内で拡散することによって、吸収体14の長手方向に拡散する。また、低密度部16内に拡散された排泄液は、該低密度部16と幅方向に隣接する高密度部15の強い毛管力により、該高密度部15内に引き込まれて吸収され安定に保持される。また、排泄液が繰り返し該高密度部15に流れてきた場合は、該高密度部15よりも吸収体14の幅方向外方に位置する、別の低密度部16及び高密度部15により、前述した長手方向の液拡散並びに液の吸収・保持がなされるため、排泄液は、列状粗密構造部100よりも幅方向外方(吸収体14の側方域)に伝達され難く、横漏れが効果的に防止される。尚、後方部1Cに流れてくる排泄液は、排泄部対向部1Bでは吸収しきれなかった排泄液が主であり、通常、それほど多量ではないため、列状粗密構造部100で十分に対応できる。
【0031】
また、列状粗密構造部100の吸収容量を超えた排泄液が、該列状粗密構造部100の左右両側に位置する、吸収体14の側方域90に流れてきても、そこには所定幅の非帯状低密度部16bが存しており、更には、後方部1Cにおいて最も密度の高い溝部9aが形成されているため、排泄液は、溝部9aで堰き止められ、溝部9aよりも幅方向外方には伝達され難く、横漏れが発生し難い。
【0032】
また、前述したように、列状粗密構造部100における吸収体14の肌当接面側には、高密度部15及び低密度部16の厚み差に起因する段差Dが生じているため、列状粗密構造部100の上方に位置する表面シート2上に流れてきた排泄液は、高密度部15の幅方向左右両側に存する低密度部16との段差Dを介して、素早く低密度部16内に透過移行されるため、表面シート12上で液が拡がらず、使用時のドライ感が一層高められる。
【0033】
また、後方部1Cにおいては、図5に示すように、吸収体14(下層吸収体24)に、吸収体幅方向(図中Y方向)の中央に向かう圧縮力F(例えば、着用者の大腿部による締め付け時の圧力)が作用したときに、列状粗密構造部100を構成する低密度部16が柔軟に変形するため、該列状粗密構造部100は、ナプキン1が固定されている下着(図示せず)に押されるようにして、着用者の肌側に隆起する。そのため、列状粗密構造部100が着用者に違和感を与えにくく、後方部1Cの着用者の肌に対するフィット性が向上し、後方部1Cに流れてきた排泄液が、着用者の肌を伝達することなく素早く内部に吸収されるので、ナプキン後部からの液の漏れ(後漏れ)が防止される。
【0034】
また、ナプキン1を常法通り下着のクロッチ部に固定して着用したときには、ナプキン1は側面視において、身体に沿い易い舟形形状となり、排泄部対向部1Bの中高部26及び後方部1Cの列状粗密構造部100が着用者の肌に密着する。仮に、列状粗密構造部100を構成する高密度部15が、後方部1Cから排泄部対向部1Bに延びて形成されていると、このような着用時におけるナプキン1の舟形形状は形成され難くなるが、本実施形態においては、図1に示すように、高密度部15は排泄部対向部1Bには延びておらず、後方部1Cのみに形成されているため、斯かる舟形形状が安定的に形成され、これにより、着用時の違和感が低減され、排泄部対向部1B及び後方部1Cにおける前述した液吸収効果がより確実に奏される。
【0035】
このように、排泄部対向部1Bにおいては、中高部26の非帯状低密度部16bによる素早い液吸収がなされ、また、後方部1Cにおいては、高密度部15及び低密度部16が異なる役割を果たすことによって、その中央域(列状粗密構造部100)が肌側に隆起変形してフィット性及び液吸収性が高められているため、ナプキン全体として表面シート2から吸収体4への液の引き込み性に優れ、表面シート12において液残りが生じ難く、ナプキン1の使用時に高いドライ感が得られ、横漏れ、後漏れが効果的に防止される。
【0036】
前述した作用効果をより確実に発現させる観点から、列状粗密構造部100における、高密度部15の幅W1(図3参照)は、該高密度部15が存する部分の吸収体14の全幅(図中Y方向の長さ)の3〜30%であることが好ましく、更に好ましくは5〜20%であり、高密度部15間に位置する低密度部16の幅W2(図3参照)も同様である。また、高密度部15の幅W1は、1〜10mm、特に1〜7mmであることが好ましく、低密度部16の幅W2は、3〜15mm、特に5〜12mmであることが好ましい。高密度部15の幅W1と低密度部16の幅W2の比(W1/W2)は、0.5〜10、特に1.0〜5.0であることが好ましい。列状粗密構造部100全体の幅W(図中Y方向の長さ)は、該列状粗密構造部100が存する部分の吸収体14の全幅の20〜80%であることが好ましく、更に好ましくは30〜60%である。また、列状粗密構造部100全体の幅Wは、20〜60mm、特に30〜50mmであることが好ましい。高密度部15の幅W1が小さすぎると、吸収体14に十分な毛管力が働かず表面シート12から吸収体14への液の引き込みが十分に行われなくなるおそれがある。また、高密度部15の幅W1が大きすぎ、低密度部16の幅W2が小さくなりすぎると、前述した低密度部16による吸収・拡散作用が低下するおそれがあると共に、列状粗密構造部100の吸収体幅方向への圧縮変形が妨げられるため、着用者にナプキン装着による違和感を与えるおそれがある。
【0037】
また、列状粗密構造部100中に含まれる高密度部15の本数は、吸収体14に働く毛管力がなるべく均一に働くよう、2本以上であることが好ましく、より好ましくは3本以上、更に好ましくは4本以上である。上限は特に制限されないが、15本以下が好ましく、12本以下がより好ましい。
【0038】
前述した作用効果をより確実に発現させる観点から、列状粗密構造部100中に含まれる高密度部15の繊維材料の密度は、0.15〜0.50g/cm3、特に0.20〜0.40g/cm3であることが好ましく、低密度部16の繊維材料の密度は、0.03〜0.20g/cm3、特に0.05〜0.15g/cm3であることが好ましい。また、高密度部15と低密度部16との繊維材料の密度比(前者/後者)は、1.5〜5.0、特に2.0〜4.0であることが好ましい。繊維材料の密度は次のようにして測定される。
【0039】
<繊維材料の密度の測定方法>
吸収体より各々の部位を長さ50mm、幅5mmの大きさに切り出しサンプルを調製し、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用い、サンプル中に含まれる繊維材料の重量を測定した。定圧式厚み計を用い、サンプル厚みを測定し、測定したサンプル中に含まれる繊維材料の重量を、サンプルの体積(厚み×長さ×幅)で除して各々の部位の繊維材料の密度を算出した。尚、低圧式厚み計の測定時圧力は0.5g/cm2であった。
【0040】
また、段差D(高密度部15と低密度部16との段差、図3参照)は、0.1〜2.0mm、特に0.2〜1.0mmであることが好ましい。段差が小さすぎると、前述した段差による効果(低密度部16への優先的な液の誘導、ドライ感の向上)が奏され難い。また、特に段差Dが大きすぎると、高密度部15と表面シート12との間の隙間が大きくなり、高密度部15による排泄液の引き込み力が低下するおそれがある。但し、段差Dによって高密度部15と表面シート12との間の隙間が大きくなったことにより、高密度部15による表面シート21上の液の直接的な引き込みが少なくなっても、高密度部15は、該高密度部15に隣接し且つ該高密度部15よりも表面シート12側に突出している低密度部16を介して、間接的に表面シート12上の液を引き込むことが可能である。特に、段差Dが0.2〜0.5mmで、高密度部15の幅W1が1〜3mmであると、高密度部15と表面シート12との接触機会が多くなるため、表面シート12上に残る排泄液が高密度部15内に引き込まれやすくなる。
【0041】
ナプキン1における各部の形成材料について説明すると、表面シート12及び裏面シート13としては、従来この種の物品に使用されているものを特に制限なく用いることができる。表面シート12としては、例えば、液透過性のものが用いられ、各種透水性の不織布や、樹脂フィルムに多数の開孔を形成した開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート13としては、例えば、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。
【0042】
吸収体14(下層吸収体24、上層吸収体25)を構成する前記吸収性コアの形成材料としては、従来、生理用ナプキンやパンティライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン等の合成繊維の短繊維等が用いられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、繊維材料は、全体又は一部がパルプ繊維であることが好ましく、繊維材料中のパルプ繊維の割合は50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。尚、吸収性コアには、繊維材料以外に、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じて配合しても良い。また、吸水性ポリマーを配合しても良い。
【0043】
次に、前述した生理用ナプキン1の好ましい製造方法について図6〜図8を参照して説明する。図6は、生理用ナプキン1の吸収体14における下層吸収体24の製造に好ましく用いられる吸収体の製造装置10を示す図である。製造装置10は、図6に示すように、外周面に複数の集積用凹部21(堆積部)が所定の間隔で形成された回転ドラム2と、回転ドラム2の外周面に向けて、繊維材料42を飛散状態にて供給するダクト3と、ダクト3に繊維材料42を供給する繊維材料供給部4と、集積用凹部21にあふれるように堆積させた過剰量の繊維材料を掻き取るスカッフィングロール5と、集積用凹部21から離型した堆積体(吸収性コア)24Aの上下面をコアラップシート24Bで被覆する被覆機構(図示せず)と、吸収性コア24Aを被覆シート24Bで被覆して得られる吸収体連続体を、一対のプレスロール61,62間で加圧して圧縮する圧縮装置6と、圧縮後の吸収体連続体を、個々の生理用ナプキンに使用される寸法に切断して下層吸収体24とする切断装置(図示せず)を備えている。
【0044】
回転ドラム2は、円筒状をなし、図6中の矢印A方向に一定速度で回転駆動される。回転ドラム2の外周面には、複数個の集積用凹部21,21・・が形成されている。回転ドラム2の内側(回転軸側)の非回転部分には、吸気ファン(図示せず)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム内側の仕切られた空間B及びCが負圧に維持される。個々の集積用凹部21の底面部22は、メッシュプレート21aにより構成され、多数の細孔を有している。個々の集積用凹部21が、負圧に維持された空間B,C上を通過している間、各集積用凹部21の底面部の細孔が吸引孔として機能する。集積用凹部21の底面部22には、図7に示すように、回転ドラム2の周方向に延びる複数本(4本)の溝部115Aが形成されている。
【0045】
ダクト3は、回転ドラム2の外周面の一部を覆う一端部31と、繊維材料供給装置4に接続された他端部32とを有しており、空間B上に位置する集積用凹部21の底面部からの吸引により、ダクト3内に、回転ドラム2の外周面に向けて流れる空気流が生じさせるように構成されている。繊維材料供給部4は、解繊機41を備えており、パルプシート等のシート状の原料43を、原料供給用のニップローラ44,44により解繊機41に導入し、解繊された繊維材料42をダクト3内に供給するように構成されている。
【0046】
スカッフィングロール5は、周囲にブラシを有しており、該ブラシにより、集積用凹部21内からあふれた繊維材料42を掻き取る。スカッフィングロール5に掻き取られず集積用凹部21内に残った堆積体(吸収性コア)24Aは、回転ドラム2の下方において集積用凹部21から離型される。集積用凹部21からの離型は、回転ドラム2内の仕切られた空間Dを図示しない加圧手段により陽圧に維持して、集積用凹部21の底面部の細孔から空気を吹き出させると共に、バキュームコンベア7側から吸引することにより行う。前記被覆機構は、バキュームコンベア7上に、コアラップシート24Bを供給する公知の搬送機構と、コアラップシート上に堆積体(吸収性コア)24Aが載置された後に、該コアラップシートの両側部を、該堆積体(吸収性コア)24A上に折り返し、その折り返しにより、堆積体(吸収性コア)24Aの上下両面をコアラップシート24Bで被覆するように構成されている。
【0047】
図6に示す吸収体の製造装置10を用いて、前述した下層吸収体24を製造する方法について説明する。先ず、回転ドラム2及びスカッフィングロール5を回転させると共に、前記吸気ファン及び前記加圧手段を作動させて、空間B及びCを負圧にし空間Dを陽圧にする。また、バキュームコンベア7、圧縮装置6及び切断装置を作動させる。吸気ファンの作動により、空間B上に位置する集積用凹部21の底面部に吸引力が生じると共に、ダクト3内に、回転ドラム2の外周面に向けて流れる空気流が生じる。そして、繊維材料供給装置4を作動させて、ダクト3内に繊維材料42を供給すると、該繊維材料42は、飛散状態となって、ダクト3内を流れる空気流に載って、回転ドラム2の外周面に向けて供給される。
【0048】
個々の集積用凹部21が、負圧に維持された空間B上を通過している間、ダクト3から供給される繊維材料42が各集積用凹部21に吸引されて堆積する。各集積用凹部21には、やや過剰量の繊維材料を堆積させ、集積用凹部21内からあふれる繊維材料がスカッフィングロール5で掻き取られる。スカッフィングロール5に掻き取られず集積用凹部21内に残った堆積体(吸収性コア)24Aは、バキュームコンベア7上に供給されたコアラップシート24B上に離型される。図8(a)は、コアラップシート24B上に離型された堆積体(吸収性コア)24Aを示す図であり、堆積体(吸収性コア)24Aには、集積用凹部21内の溝部115Aに対応する凸条部115が形成されている。
【0049】
コアラップシート24B上の堆積体(吸収性コア)24Aは、折り返されたコアラップシート24Bの両側部により凸条部115Aを有する面も被覆された後、圧縮装置6に導入されて一対のプレスロール61,62間で加圧される。これにより、凸条部115が潰される。凸条部115が潰された後の吸収体連続体は、図示しない切断手段で切断されて、個々の生理用ナプキンに使用される寸法の下層吸収体24となる。得られた下層吸収体24においては、図8(b)に示すように、凸条部115が潰された部分が、列状粗密構造部100の高密度部15となっており、それ以外の部分が、列状粗密構造部100の低密度部16、又は非帯状低密度部16bとなっている。
【0050】
生理用ナプキン1は、このようにして得られる下層吸収体24上に、別途常法に従って得られる上層吸収体25を配置して吸収体14を得、該吸収体14を、表面シート12の帯状原反と裏面シート13の帯状原反との間に間欠的に配置した後、吸収体14の周囲において、それらの表裏面シート間を接合し、次いで、個々の生理用ナプキンの寸法に切断することにより得られる。
【0051】
本発明は、前記実施形態に制限されず、適宜変更することができる。例えば、列状粗密構造部100に設ける複数本の高密度部15は、長さが等しいものであっても良い。また、中高部26(上層吸収体25)は無くても良い。また、生理用ナプキンは、ウイング部17を有しないものであっても良く、後部フラップ部18を有しないものであっても良く、ウイング部17及び後部フラップ部18を有しないものであっても良い。また、本発明の生理用ナプキンは、パンティライナー、失禁パッド等であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 生理用ナプキン
8,9 溝部
12 表面シート
13 裏面シート
14 吸収体
15 高密度部
16,16b 低密度部
24 下層吸収体
24A 下層吸収体の堆積体(吸収性コア)
24B コアラップシート
25 上層吸収体
26 中高部
90 吸収体の側方域
100 列状粗密構造部(繊維の粗密構造)
10 吸収体の製造装置
2 回転ドラム
21 集積用凹部
3 ダクト
4 繊維材料供給部
42 繊維材料
5 スカッフィングロール
6 圧縮装置
7 バキュームコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌当接面を形成する表面シート、非肌当接面を形成する裏面シート及びこれら両シート間に配された実質的に縦長の吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部及び該排泄部対向部より背中側に配される後方部を有する生理用ナプキンであって、
前記後方部における前記吸収体の幅方向の中央域に、高密度部及び低密度部を含んで構成される繊維の粗密構造が形成されており、該高密度部及び該低密度部は、それぞれ、該吸収体の長手方向に延びて形成され且つ該高密度部は、前記排泄部対向部には延びておらず、
前記繊維の粗密構造は、複数本の前記高密度部と複数本の前記低密度部とが、前記吸収体の幅方向に交互に配置されて形成されており、
前記中央域の左右両側に位置する、前記後方部における前記吸収体の幅方向の側方域には、前記高密度部が形成されておらず、該側方域それぞれに、前記表面シート及び該吸収体が前記非肌当接面側に向かって一体的に凹陥した、該吸収体の長手方向に延びる溝部が形成されている生理用ナプキン。
【請求項2】
前記中央域における前記高密度部及び前記低密度部と前記側方域との厚みの差が、20%以内である請求項1記載の生理用ナプキン。
【請求項3】
前記吸収体は、前記排泄部対向部に、周辺部よりも厚みが厚く且つ前記表面シート側に突出して形成された中高部を有している請求項1又は2記載の生理用ナプキン。
【請求項4】
前記中央域における前記吸収体の厚みが、前記高密度部と前記低密度部とで異なっている請求項1〜3の何れかに記載の生理用ナプキン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−120697(P2011−120697A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279896(P2009−279896)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】