生理用品
【課題】タンポンと生理用ナプキンとの両方を含む混合型であり使用後の除去及び処理が衛生的である生理用品を提供する。
【解決手段】シース4により接続された栓状物2と、パッド3とを含む。栓状物は、膣腔内に快適に嵌り込むように実質的に円柱状である。パッドは、膣腔の外側に配置されたままであるが、内側10にて、栓状物の付近に吸収層を有し、且つ、外側に液体不透過層を有する。使用において、着用者は、栓状物を膣腔内に挿入することを補助するためにパッドの外端からシース内に指を挿入することができる。生理用品の除去を補助するために、栓状物の外端からシースの内側に延在する紐が設けられている。パッドの主軸に沿って弱化ライン7が延在し、使用時、この弱化ライン7にてパッドが折り曲げられる。これは、生理用品の除去中に栓状物を収容するためにパッドが栓状物の周囲にて折り曲がることを促して、衛生状態が高められる。
【解決手段】シース4により接続された栓状物2と、パッド3とを含む。栓状物は、膣腔内に快適に嵌り込むように実質的に円柱状である。パッドは、膣腔の外側に配置されたままであるが、内側10にて、栓状物の付近に吸収層を有し、且つ、外側に液体不透過層を有する。使用において、着用者は、栓状物を膣腔内に挿入することを補助するためにパッドの外端からシース内に指を挿入することができる。生理用品の除去を補助するために、栓状物の外端からシースの内側に延在する紐が設けられている。パッドの主軸に沿って弱化ライン7が延在し、使用時、この弱化ライン7にてパッドが折り曲げられる。これは、生理用品の除去中に栓状物を収容するためにパッドが栓状物の周囲にて折り曲がることを促して、衛生状態が高められる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用品に関する。より詳細には、本発明は、限定はしないが、月経液などを吸収するために女性により用いられる生理用品に関し、この生理用品は、タンポンと生理用ナプキンとを組み合わせたものを含む。
【背景技術】
【0002】
月経期間中、女性は、一般に、月経液を吸収するためにタンポン又は生理用ナプキンのいずれかの使用を選択する。しかし、タンポン(例えば、身体内で装着される栓状物(plug))と、生理用ナプキン(例えば、身体外で装着されるパッド)との両方を含む混合型の生理用品も提供されている。これらの混合型生理用品は、今後、タンポンと生理用品との別個の使用の替わりになり始めることが期待されている。
【0003】
例えば、米国特許公開公報第3420234号、米国特許公報3690321号、及び日本国公開特許公報2003−010243号は、全て、様々な形状及び設計の、身体内で装着される栓状物、及び、身体外で装着されるパッドを含む生理用品を記載している。しかし、これらの生理用品は全て、多くの欠点を有する。特に、これらの生理用品は、使用後の生理用品の除去及び処理に関する重大な欠点を有する。
【0004】
米国特許公開公報3420234号に記載されている生理用品は、身体外で装着されるパッドに合体された、身体内で装着される栓状物を有する。この公報は、使用後の生理用品の除去に関して詳細を全く記載していない。しかし、着用者が生理用品の除去中に生理用品を直接手で扱うことが必要であることは明白である。典型的に、膣から栓状物を引き出すために、パッドが掴まれて用いられるであろう。着用者がパッドの縁部を掴む可能性が高い。着用者の把持によりパッドに力が加えられるため、着用者の指がパッドの縁を潰す可能性があり、且つ/又は、着用者の指は、パッドの周囲に伸びて、パッドの、使用中に膣に面する面に達するであろう。従って、着用者の手が、パッドの、使用中に膣に面する汚れやすい面に接触する可能性が非常に高い。これは、着用者にとって不快である。また、非衛生的でもある。
【0005】
また、米国特許公報3420234号に記載されているパッドは、パッドが身体から引き抜かれて栓状物が膣腔から出るときに、栓状物を十分に支持することができないことが多い。この問題は、使用中に栓状物により吸収される月経液の重量により、そしてまた、栓状物及びパッドを形成している材料が、吸収された液体により柔軟になる可能性があることにより悪化される。従って、着用者にとっての選択肢の1つは、汚れた栓状物を、膣口から出すときに掴むことである。これは明らかに望ましくない。或いは、栓状物は、膣腔から出るときにパッドからぶら下がりやすく、これが、この生理用品を取り扱い難くし、その上、着用者の手が汚れた栓状物に偶然に接触する可能性を高くする。従って、この生理用品の使用後の除去及び処理は、決して満足できるものではない。
【0006】
米国特許公報3690321号は、米国特許公報3420234号に記載されている生理用品と類似の生理用品を記載している。しかし、米国特許公報3690321号は、除去を容易にするためにパッドに紐を取り付けることが可能であると述べている。紐は、着用者が除去中にパッドを直接把持することを回避することを可能にするかも知れない。しかし、この生理用品は、なお、除去後に取り扱い難いままであり、また、着用者が生理用品を紐を用いて掴んでいても、使用された生理用品の汚れた部分に偶然接触する可能性があると思われる。栓状物とパッドとを組み合わせたものは、着用者が、取り付けられた紐を用いて除去している慣用のタンポンよりも大きく、且つ扱い難いことがある。従って、この生理用品も、使用後の除去及び処理が不快で非衛生的なことがあろう。
【0007】
日本国公開特許公報2003−010243号は、身体外で装着されるパッドに取り付けられた、パッドを通じて開放された指サックを用いる、身体内で装着される栓状物を含む生理用品を開示している。栓状物は、パッドの、使用中に身体に対して反対の側からサック内に挿入される着用者の指により操作されることができる。サックは2重皮構造で、栓状物に取り付けられた紐が、サックのこれらの皮の間を通っている。この紐が、栓状物の除去を補助するために着用者により直接把持されることができるかどうかは明確でない。いずれにせよ、この公報は生理用品の除去に関して記載しておらず、生理用品の取り扱いにくい性質により、生理用品の除去中に、着用者の手が生理用品の汚れた部分に接触しやすくなっていることも明白である。この場合、問題はサックの柔軟性により悪化され、この性質により、栓状物は、不都合に、パッドに対して非常に自由に移動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、これらの既存の混合型の生理用品はいずれも、確実に衛生的に除去及び処理されることができない。本発明は、この問題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従えば、ヒトの膣に挿入するための、身体内で装着される栓状物、及び、身体外で装着されるパッドを備える生理用品が提供され、このパッドは、パッドが折り曲げられるための弱化ラインを有する。
【発明の効果】
【0010】
従って、パッドは、使用中に(例えば、生理用品の着用者により取り扱われるときに)折り曲がる傾向を有する。これは重要である。なぜなら、栓状物の除去中にパッドの折り曲げを促進することができるからである。
【0011】
より詳細には、栓状物が膣から除去されるとき、着用者は、一般的に、パッドを、パッドの、使用中に膣に対して反対の側を向く面から把持する。着用者の把持力により、パッドは、弱化ラインにて、パッドの、使用中に膣に面する面に向って折り曲がろうとする。このようにパッドが膣に向って折り曲がることにより、着用者が、使用中に膣に面する面に触れる可能性を低減することができる。この面は一般的に使用中に汚れるが、使用中に膣に対して反対の側を向く面は、概して比較的に清潔であるので、衛生状態を維持することができる。
【0012】
さらに、身体内で装着される栓状物が膣から除去されるとき、栓状物は、折り曲げられたパッドにより収容されることができる。すなわち、栓状物を膣から引き出すときにパッドを把持することにより、パッドを栓状物の上で折り曲げることができる。実際、栓状物はパッドにより取り囲まれることができる。この場合も、栓状物は概して汚れているが、着用者により把持されるパッドの表面は、概して比較的清潔であるため、着用者が生理用品の除去中に栓状物に触れる可能性が低減され、衛生状態が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態に従う生理用品の前面図である。
【図2】図1の生理用品の後面図である。
【図3】図1の生理用品の側面図である。
【図4A】図1の生理用品の身体外装着パッドの、図2の線A−Aに沿った断面図である。
【図4B】図1の生理用品のパッドの、図2の線B−Bに沿った断面図である。
【図4C】図1の生理用品のパッドの、図2の線C−Cに沿った断面図である。
【図5】図1の生理用品の、パッドが使用のための形状に折り曲げられた状態の側面図である。
【図6】図1の生理用品の、身体内で装着された栓状物が使用後に取り出されているときの側面図である。
【図7】図1の生理用品の、栓状物が取り出された後の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に従う生理用品の後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、用語「身体内で装着される」(internally worn)とは、膣腔の内側にあることを意味する。これは、すなわち、膣口より内部にあることを意味する。用語「身体外で装着される」(externally worn)とは、膣腔の外側にあることを意味する。これは、すなわち、膣口の外部にあることを意味する。
【0015】
本発明のパッドが、外陰、例えば大陰唇間にて装着されることが実際に好ましい。実際、外陰は、膣腔への入口の上に延在する狭い溝状部である。本発明の別の利点は、弱化ラインが、パッドがより密接に外陰に適合することを可能にできることである。すなわち、パッドは使用時に外陰に沿って折り曲がることができ、外陰の形状にぴったりと適合する。これは快適さを増大させ、また、過剰な月経液がパッドと膣との間に漏出することの防止を補助することができる。これは、また、生理用品を適切な位置に保持することを補助することができる。すなわち、一旦装着された生理用品の位置ずれは、パッドが外陰に密着することにより防止される。
【0016】
パッドを外陰に適応させるために、使用時に弱化ラインが外陰の長さと同一方向に延在することが望ましい。使用時、パッドは、通常、外陰の長さと同一方向において最も長い。従って、弱化ラインがパッドの長さに沿って延在することが好ましい。より詳細には、弱化ラインがパッドの主軸と実質的に一致していることが好ましい。
【0017】
しかし、他の構造も可能である。例えば、弱化ラインは、パッドの長さを横切る方向に延在してもよい。これは、使用中にパッドが、外陰を横切る方向の軸にて折り曲げられることを可能にする。従って、この場合も、パッドは、栓状物の除去中に栓状物の周囲にて折り曲げられることができる。しかし、使用中に、ユーザがパッドを、外陰から遠ざけるように折り曲げることも可能である。例えば、使用中、尿道の開口を覆うパッドの一部が、身体から遠ざかるように折り曲げられることができ、これは、生理用品を所定位置に保った状態での排尿を可能にする。このように、弱化ラインは、栓状物に向う位置にて、使用時の尿道の開口の(意図された又は可能な)位置からパッドを横切って延在し得る。実際、弱化ラインの位置は、栓状物の位置にあり得る。或いは、又は、さらに、この位置は、パッドの最も幅広の部分にあってよく、例えば、卵形パッドの短軸に沿っていてもよい。弱化ラインは、パッドの主軸を横切る方向にも、すなわち、パッドの主軸に対して垂直にも延在し得る。
【0018】
典型的に、パッドはパッドの主軸に対して概ね対称である。従って、弱化ラインは、パッドを実質的に2等分し得る。これは、パッドが均等に折り曲げられて十分に折り曲がった状態にされることを可能にするため、特に有用であり、この状態において、パッドの、使用中に膣に面する面が、使用中に膣に対して反対の側を向く面により、完全に覆われる。
【0019】
パッドが、パッドが折り曲げられるための2つ以上の弱化ラインを有し得ることが理解されよう。これらの弱化ラインは、互いに対して直角に、例えば、十字形状に配置され得る。これは、パッドが、弱化ラインにより画成された4つの部分に折り畳まれることを容易にし得る。
【0020】
弱化ラインは、典型的に、パッドがラインにて折り曲がることを促すために、ラインの両側(例えば、実質的に、パッドの残りの部分)と比較して、パッドよりも柔軟につくられ得る。弱化ラインが、パッドを、使用中に膣に接触するパッドの面から遠ざかる方向、及び、この面に向う方向の両方に折り曲がることを可能にすることが好ましい。これは、パッドが、生理用品の衛生的な除去及び処理のためにこの面に向って折り曲がること、及び、外陰に適合するためにこの面から遠ざかる方向に折り曲がることの両方を可能にする。
【0021】
一例において、弱化ラインは、折り目であり得る。折り目は、製造中に、比較的真直に設けられる。折り目は、例えば、別の平坦なパッドに接着され、又は縫い付けられてもよい。しかし、弱化ラインがパッドの圧縮によるラインであることが特に好ましい。例えば、製造中、パッドは、ラインにてパッドの堅さが低減されるように、ラインに沿って圧縮され得る。この場合も、他の構造が可能であり、例えば、パッドを形成する材料の量をラインにて減らすことができる。
【0022】
栓状物とパッドとは、好ましくは、シースにより互いに接続され、シースは、挿入を補助するために着用者の指をシース内に受け入れることができるようにパッドを通じて開放されている。従って、この生理用品は、生理用ナプキンに、管により取り付けられたタンポンとみなされることができる。管は、生理用ナプキンを通ってタンポンの一端まで延在している。挿入中、タンポンを容易に操作できるように、指が管内に挿入され、すなわち、指はパッドを通ってタンポンに到達する。
【0023】
シースは、カバー、スリーブ、又はネック部と称され得る。シースは、栓状物の、使用中に膣の入口に最も近くに位置する端部に接続され得る。シースはパッドにも接続されることができ、指が、パッドの、使用中に身体に対して反対の側からシース内に挿入されることができるように、パッドを通じて開放されている。これは、着用者の指がパッドを通して栓状物の端部に向って挿入されることができること、及び、挿入された指の移動により、栓状物の挿入中に栓状物を容易に操作できることを意味する。従って、本発明の生理用品を装着することは、既存の混合型の生理用品のいずれかを装着することよりも、又は、実際、タンポンの多く、若しくは生理用ナプキンを装着することよりもはるかに容易である。詳細には、本発明の生理用品は、別個のイントロデューサ(挿入補助物)を全く必要とせず、また、適切な位置に保持されるためにパンティへの接着又はベルトを用いることを必要としない。
【0024】
シースが、典型的に、使用中に膣口と一致する地点にてパッドを通じて開放されていることが理解されよう。これは、概して、パッドの中心にかなり近い位置である。従って、多くの例において、弱化ラインは、シースの開口部を横切り、パッドをわたって延在し得る。弱化ラインは、通常、かなり真直である。文言を簡潔にするために、開口部を通りパッドを横切ってかなり真直な方向に延在する弱化ラインを、それゆえ、本文書において単一のラインとみなすが、2本のライン(開口部の両側に1本づつある)として同様に説明されてもよいことが理解されよう。
【0025】
栓状物を指で操作することができる容易さを最大にするために、シースは、典型的に柔軟である。これは、着用者の指が栓状物をパッドに対して容易に移動させることを可能にする。また、シースが栓状物にて終端となることが好ましい。より詳細には、シースは、栓状物の、使用中に膣の入口に最も近くに位置する端部まで延在し得る。これは、指が栓状物に到達し、且つ栓状物を直接操作することを可能にする。
【0026】
本発明の別の利点は、生理用品の装着中に着用者の指が膣腔内に入ることがあっても、指はシースの内側にあり、膣に直接接触しないことである。これは、本発明の生理用品の装着を清潔で衛生的にする。さらに、この生理用品の使用は、性的に未経験の女性、又は、文化面で支障がある人々に、より許容され易い。
【0027】
この点に関し、シースが、シースの外側からシースの内側への方向において液体不透過性であることが好ましい。すなわち、シースは、液体不透過性の膜を含み得る。例えば、シースは、液体不透過性材料から成る管を含み得る。従って、体液又はその他の液体はシースの内側まで通過せず、挿入された指は保護される。
【0028】
挿入された指をさらに保護するために、シースは、栓状物と接続している地点にて閉じられ得る。一例において、シースを形成している管の周囲部分は栓状物に結合され得るが、管の内側は、実際に、栓状物に対して開放され得る。しかし、液体不透過膜、又は、液体不透過性材料から成る管が、それ自体は、シースの、栓状物と接続する端部にて閉じていることが好ましい。これは、栓状物により吸収された液体がシースの内側まで全く通過しないことを保証する。
【0029】
挿入された指を液体不透過膜で保護することが有用であるが、液体が栓状物からパッドに流入できることが望ましい。従って、シースが液体を、シースの長さに沿って栓状物からパッドまで通過させることができることが好ましい。すなわち、シースは、吸収性材料から成る管を含み得る。これは、栓状物により吸収された過剰な液体がパッドまで通されることを可能にする。こうして、生理用品の吸収容量が最大化され、栓状物及びパッドの寸法は最小化されることができる。
【0030】
特に好ましい例において、シースは、吸収性材料から成る管の内側に、液体不透過性材料から成る管を含む。これは、液体をシースの内側には通過させずに、液体が栓状物からパッドまで通ることを可能にする。
【0031】
以下に説明するように、栓状物は、慣用的な平均的タンポンの直径よりも小さい直径を有するが、栓状物は、十分な吸収性を有するために、平均的な膣口と比較して相対的に幅広の直径を有する。従って、シースが栓状物の直径よりも小さい直径を有することが好ましい。使用中、シースが膣口に配置されるため、これが、生理用品により膣口に加えられる圧力を低減し、着用者の快適さをかなり高める。
【0032】
しかし、シースは指を受け入れることができなければならず、このため、シースは、慣用的な小さいタンポンの直径とほぼ同一か、又は、それよりもわずかに大きい直径を有する可能性がある。従って、生理用品を膣に挿入しているときに指を受け入れるためにシースが半径方向に伸張可能であることが特に好ましい。特に、シースは、周方向(のみ)に伸張可能であり得るが、長手方向には著しく伸張可能でないであろう(長手方向における実質的な弾性は、栓状物の誤配置を生じさせることがあるため、望ましくないであろう)。好ましくは、シースは、着用者の指がシースから離れた後に小さい直径に戻って快適さが維持されるように、弾性的に伸張可能、又は弾性である。従って、より詳細には、吸収性の管及び液体不透過性管は周方向のみにて弾性であり得る。
【0033】
典型的に、シースは、栓状物の端部と、パッドの、栓状物に最も近い面との間に実質的に2.5cm延在する。この長さが、栓状物を膣腔内に適切に配置する。
【0034】
先に論じたように、生理用品は、着用者がパッドを掴んで生理用品を着用者の身体から離すように引くだけで取り外されることができる。こうすることにより、栓状物を膣から引き出し、また、パッドを栓状物の周囲にて折り曲げることができる。しかし、生理用品が、栓状物に(又は、少なくとも栓状物の付近にてシースに)取り付けられた紐をさらに含むことが好ましい。シースの内側に沿って紐が延在することが特に好ましい。そして、紐は、パッドを通って延在することができ、且つ、パッドを通るシースの開口部にて着用者にアクセスされることができる。
【0035】
着用者が栓状物を除去するために紐を引くと、栓状物は、最初に膣腔から外側に引き出される。パッドも栓状物の周囲にて折り曲がり始めようとする。重要なことに、本発明の出願人は、シースが栓状物を収容するように裏返しになることができることも認識した。すなわち、紐は、栓状物をシース内に引き込むために用いられることができ、シースは、栓状物を収容するために裏返しになることができる。従って、着用者は、栓状物をシースの内側に回収し、パッドは、栓状物とシースとが組み合わせられたものの周囲にて折り曲げられる。従って、着用者が生理用品の汚れた部分に触れる可能性は非常に低い。
【0036】
用語「紐」は、紐を、何らの特定のタイプのより糸及び糸に限定するためのものではない。むしろ、用語「紐」は、着用者が栓状物を引き出すために引っ張ることができる任意の有用なひも又は尾状部を示すための一般的な用語である。
【0037】
典型的に、パッドは、吸収性の層、及び、液体不透過性の裏打ちシートを含む。慣用的に、裏打ちシートは、シースの液体不透過性材料と一体であり得る。これは、パッドの、使用時に外側に面する側まで液体が全く通過しないことを保証する。同様に、パッドの吸収性の層は、シースの吸収性材料と一体であり得る。
【0038】
パッドの寸法は、パッドが最良に装着され、且つ十分な吸収容量をもたらすように選択されることができる。特に好ましい例において、以下の寸法のいずれか又は全てを用いることができる。すなわち、パッドの長さは実質的に6.5cmであり得る。パッドの幅は実質的に5.5cmであり得、且つ/又は、パッドの厚さは実質的に0.5cmであり得る。
【0039】
また、パッドが平坦な楕円形であり、楕円の一端が他端よりも幅広であることが好ましい。使用中、パッドは、パッドの主軸に沿って折り曲がり、不規則な楕円形状が、パッドが女性の典型的な生体構造に適合することを可能にする。
【0040】
栓状物の構造は、慣用のタンポンの構造と類似である。例えば、栓状物は、典型的に、吸収性材料の塊を含む。すなわち、栓状物は実質的に中実である。実際、栓状物は、典型的に、例えば圧縮綿などから成る中実の円柱状部である。
【0041】
先に述べたように、過剰な液体は、シースに沿って栓状物からパッドまで通過し得る。本発明の出願人は、快適さを得るために直径が小さいシースを設ける場合でも、このように液体が栓状物からパッドに流れることにより、栓状物の寸法を最小化することが可能であることを認識した。実際、出願人は、慣用の平均的なタンポンよりも実質的に小さい栓状物にて十分な吸収容量を有することができると考える。従って、栓状物は、長さが4cm以下、直径が2cm以下であることが好ましい。
【0042】
特に好ましい実施形態において、栓状物は、長さが実質的に3.5cmであり、直径が実質的に1.5cmである。月経液量が多い女性以外は、これらの寸法が好ましい最大寸法である。月経液量が少ない女性には、これより小さい寸法が適切であろう。従って、栓状物の長さが実質的に3.5cm以下であり、栓状物の直径が実質的に1.5cm以下であることが好ましい。
【0043】
本発明に従えば、生理用品を製造する方法も提供される。この方法は、上記の生理用品を製造するために、身体内で装着される吸収性栓状物を、身体外で装着される吸収性パッドに接続するステップと、パッドに、パッドが折り曲げられるための弱化ラインを設けるステップとを含む。
【0044】
ここで、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しつつ、例としてのみ記載する。
【0045】
図1〜図4Cを参照すると、本発明の好ましい実施形態に従う生理用品1が、シースにより接続された栓状物2とパッド3とを含む。
【0046】
栓状物2は、膣腔に快適に嵌り込むように、ほぼ円柱状である。栓状物2の、使用中に膣腔に最初に挿入される端部を、栓状物2の最内端5と称する。栓状物2の、使用中に膣腔に最後に挿入される端部を、栓状物2の最外端6と称する。栓状物2の最内端5及び最外端6の両方が、栓状物2を膣腔に挿入すること、及び、栓状物2を膣腔から除去することを容易にするためにドーム状に形成されている。別の実施形態において、最外端6は平坦である。
【0047】
栓状物2は、典型的に、長さが約3.5cmで直径が約1.5cmである。別の実施形態において、これらの寸法は、適切な範囲内(例えば、長さが4cm以下、直径が2cm以下)で変化し得る。しかし、月経液量が少ない女性、又は、無傷処女膜を有する女性、すなわち、性的経験がない女性のためには、栓状物2は、概して、長さがより短く、且つ直径がより小さい。
【0048】
この実施形態において、栓状物2は、圧縮綿からつくられる。例えば、シート状の圧縮綿をカットし、巻いて適切な形状に形成することができる。他の適切な材料及び構造も、必要に応じて用いられ得る。
【0049】
典型的に、パッド3は、実質的に、平坦な卵形状又は卵形である。すなわち、パッドの周囲は楕円であり、この楕円の一端(幅広の端部8)は、他端(幅狭の端部9)よりも幅広である。パッド3の、使用中に膣と接触する側を、内側10(図1にて生理用品1の前面として示されている)と称し、パッド3の、使用中に衣類と接触する側を、外側11(図2にて生理用品1の後面として示されている)と称する。
【0050】
パッド3は、内側10に吸収性の層を有し、外側11に液体不透過性の層を有する。この実施形態において、吸収層は圧縮綿からつくられ、液体不透過層はポリマー材料からつくられる。他の適切な材料も必要に応じて用いられ得る。
【0051】
パッド3は、典型的に、パッド3の最大寸法にて、長さ6.5cm、幅5cmである。他の実施形態において、これらの寸法は適切な範囲内(例えば、長さが6cm〜7cm、幅が4.5cm〜5.5cm)で変化し得る。吸収層は、典型的に、厚さが0.5cmであり、液体不透過層の厚さは、無視可能なほど薄いため、パッド3の全体の厚さも、典型的に、0.5cmである。厚さに関しても、他の実施形態において、パッド3の厚さは、例えば、0.3cm〜0.7cmであり得る。
【0052】
シース4は管状であり、栓状物2の外端6からパッド3に延在する。より詳細には、シース4は、吸収性材料から成る管を含み、この管の内面に、液体不透過性材料から成る層を有する。すなわち、液体不透過性材料から成る管が、吸収性材料から成る管の内側に存在する。吸収性材料から成る管は、パッド3の内面9まで延在する。実際に、シース4の吸収性材料は、パッド3の吸収層と一体であることができる。液体不透過性材料から成る管は、パッド3を通ってパッド3の外面10まで延在する。実際に、液体不透過性材料から成る管を、パッド3の液体不透過性の裏打ちと一体にすることができる。
【0053】
液体不透過性材料から成る管(従って、シース4も)は、パッド3の外面11にて開放されている。シース6によりパッド3の外面11に形成された開口部12を、図4に見ることができる。この実施形態において、液体不透過性材料から成る管は、栓状物2に接続する位置にて閉じられている。これは、栓状物2により吸収された液体がシース4の内側に流入することを防止する。
【0054】
シース4は、栓状物2の外端からパッド3の内面まで約2.5cm延在するが、他の実施形態において、この長さを、例えば、2cm〜3cmに変え得る。この長さは、栓状物2の操作を可能にするために、例えば人差し指の先端を収容するのに十分な長さである。
【0055】
シース4の直径は、栓状物2の直径よりも小さい。より詳細には、シース4の外径は、シース4の最小寸法にて0.4cmであり得るが、他の実施形態において、この外径を0.2cm〜0.8cmに変え得る。膣口領域における生理用品1の快適さを高めるためには、小さい直径が必要である。しかし、この小さい直径は、指をシース4内に収容するには明らかに小さすぎる。従って、シース4は、半径方向に伸張可能である。これは、シース4が半径方向に弾性であることにより達成される。一実施形態において、弾性の管(図示せず)が、シース4の吸収性の管と液体不透過性の管との間に設けられる。他の実施形態においては、シース4の吸収性管と液体不透過性管のいずれか又は両方自体が弾性である。
【0056】
パッド3は、パッド3の主軸に沿って幅広端8から幅狭端9にわたり延在するライン7に沿って、弱化するように圧縮されている。この弱化ライン7は、基本的にパッド3を2等分する。正確には、ライン7は、シース6により形成された開口部12を通って延在し、従って、2本のラインとみなすことができるが、本明細書中においては、簡潔にするために、単一のラインとみなす。
【0057】
ラインは、幅が約0.2cm〜0.5cm、厚さが約0.2cm(例えば、パッド3の圧縮綿は、約0.2cmの厚さまで、さらに圧縮される)であるが、他の類似の寸法も同様に適切であり得る。本発明の他の実施形態において、ラインは、折皺又は折り目であり得る。
【0058】
生理用品の除去を補助するために、紐13が設けられている。この実施形態において、紐は栓状物2の外端からシース4の内側に延在し、開口部12を通って外に出ている。紐の長さは約6cmである。
【0059】
使用において、生理用品1は、パッケージから取り出され、パッド3が、弱化ライン7にて、図5に示されているように、パッド3の内面10から遠ざかる方向に(パッド3の外面11に向って)緩やかに折り曲げられる。次いで、着用者の指の1本が、開口部12を通してシース4に挿入され、栓状物2の外端6に到達する。シース4の弾性が、シース4が半径方向に伸張して指を収容することを可能にする。
【0060】
着用者は、生理用品1を、栓状物2が膣に向って長手方向に延在するように、且つ、パッド3の幅広端8が膣の実質的に後方に(すなわち肛門に向いて)配置され、パッド3の幅狭端9が膣の実質的に前方に(すなわち恥骨に向いて)配置されるように向けさせる。従って、弱化ライン7は、外陰の長さとほぼ同じ方向、及びほぼ同じ位置に向けられる。
【0061】
栓状物2は、膣口に位置合わせされ、膣口を通して膣腔に挿入される。栓状物2は、パッド3の内面10が膣の表面に(より詳細には、大陰唇間にて外陰に)当たるまで、膣腔内に押し込まれる。これは、さらに、パッド3が弱化ライン7にて折り曲げられて外陰の形状に適応することを促す。次いで、生理用品1が適切な位置に保持された状態で指がシース4から引き抜かれる。
【0062】
使用中、月経液は栓状物2により吸収される。過剰な液体はシース4の吸収層に沿っても引き込まれ、パッド3により吸収される。生理用品1は、極度に過剰な量以外の月経液の全てを処理するのに十分な吸収容量を有する。しかし、栓状物2の寸法は、生理用品1が適切な位置に配置されていることを女性がほとんど意識しないことを意味する。シース4の直径が小さいことにより、大きい圧力が膣口に加えられることが回避され、これもまた快適さを増大する。さらに、パッド3の寸法及び形状は、パッドが大陰唇間に留まり、且つ、快適で邪魔にならないことを意味する。
【0063】
生理用品1を除去することが必要なときには、着用者は、膣腔から栓状物2を取り出すために紐13を掴んで引っ張ることができる。栓状物2が膣腔から引き出されるとき、パッド3は、弱化ライン7にて、図6に示されているように、使用時にパッドが折り曲げられる方向とは反対の方向、例えば、パッド3の内面10に向う方向(且つ、パッド3の外面から遠ざかる方向)に折り曲げられる。すなわち、パッド3の外面11が、パッド3を栓状物2及びシース4の上で折り曲げるために着用者により押され、又は把持され、内面10は外面11により効率的に取り囲まれる。
【0064】
さらに、シース4は、栓状物2を収容するために半径方向に伸張することができる。より詳細には、紐13を引くことにより、栓状物2がシース4を裏返しにさせる。裏返しにされたシース4は、栓状物2の挿入中に着用者の指を収容するときと同じ様に伸張し、図7に示されているように、栓状物2が、裏返しにされたシース4内に引き込まれることを可能にする。従って、栓状物2が、裏返しにされたシース4内に少なくとも部分的に収容され、且つ、パッド3が栓状物2上で折り曲げられると、生理用品1の全体が、パッド3及びシース4の外面11の液体不透過層により取り囲まれる。この液体不透過層は、いかなるときも膣と接触せず、従って、比較的清潔である。着用者が、生理用品1の除去及び処理中に触れなくてはならないのは、紐13及びこの液体不透過層だけである。従って、生理用品1は、使用後に、衛生的に除去及び処理されることができる。
【0065】
図8を参照すると、別の実施形態において、生理用品1は、上記の生理用品の実施形態における第1の弱化ライン7に加えて、第2の弱化ライン7aを有する。生理用品1のその他の特徴物は同一であり、従って、これらの特徴物には同一の参照番号を付してある。第2の弱化ライン7aは、第1の弱化ライン7に対して垂直であり、パッド3がパッド3の幅にて折り曲がることを可能にしている。より詳細には、第2の弱化ライン7aは、栓状物2の位置(すなわち、パッド3を通る開口部12の位置)にてパッド3の幅を横切る向きに配置されている。実際、この実施形態において、第2の弱化ラインは、パッド3の卵形の短径と一致している。
【0066】
第2の弱化ライン7は、生理用品1がほぼ所定位置に配置されたままで、すなわち、使用されているときに(例えば、栓状物2が膣内に挿入されたままで)、パッドが尿道の開口から遠ざかるように折り曲げられることを可能にしている。これは、ユーザが、生理用品1を所定位置に保った状態で排尿することを可能にすることができる。また、これは、パッド3の除去中にパッド3を4つの部分に折り曲げることも可能し、これは、パッド3を栓状物2の周囲にて、より整然と折り曲げることができることを意味する。
【0067】
本発明の上記の実施形態は、本発明がどのように実行され得るかを示した例に過ぎない。適切な技術及び知識を有する者が、上記の実施形態の修正、変形及び変更を考えつくであろう。これらの修正、変形及び変更は、特許請求の範囲及びその均等物にて定義されている本発明の精神及び範囲から逸脱せずに行われ得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用品に関する。より詳細には、本発明は、限定はしないが、月経液などを吸収するために女性により用いられる生理用品に関し、この生理用品は、タンポンと生理用ナプキンとを組み合わせたものを含む。
【背景技術】
【0002】
月経期間中、女性は、一般に、月経液を吸収するためにタンポン又は生理用ナプキンのいずれかの使用を選択する。しかし、タンポン(例えば、身体内で装着される栓状物(plug))と、生理用ナプキン(例えば、身体外で装着されるパッド)との両方を含む混合型の生理用品も提供されている。これらの混合型生理用品は、今後、タンポンと生理用品との別個の使用の替わりになり始めることが期待されている。
【0003】
例えば、米国特許公開公報第3420234号、米国特許公報3690321号、及び日本国公開特許公報2003−010243号は、全て、様々な形状及び設計の、身体内で装着される栓状物、及び、身体外で装着されるパッドを含む生理用品を記載している。しかし、これらの生理用品は全て、多くの欠点を有する。特に、これらの生理用品は、使用後の生理用品の除去及び処理に関する重大な欠点を有する。
【0004】
米国特許公開公報3420234号に記載されている生理用品は、身体外で装着されるパッドに合体された、身体内で装着される栓状物を有する。この公報は、使用後の生理用品の除去に関して詳細を全く記載していない。しかし、着用者が生理用品の除去中に生理用品を直接手で扱うことが必要であることは明白である。典型的に、膣から栓状物を引き出すために、パッドが掴まれて用いられるであろう。着用者がパッドの縁部を掴む可能性が高い。着用者の把持によりパッドに力が加えられるため、着用者の指がパッドの縁を潰す可能性があり、且つ/又は、着用者の指は、パッドの周囲に伸びて、パッドの、使用中に膣に面する面に達するであろう。従って、着用者の手が、パッドの、使用中に膣に面する汚れやすい面に接触する可能性が非常に高い。これは、着用者にとって不快である。また、非衛生的でもある。
【0005】
また、米国特許公報3420234号に記載されているパッドは、パッドが身体から引き抜かれて栓状物が膣腔から出るときに、栓状物を十分に支持することができないことが多い。この問題は、使用中に栓状物により吸収される月経液の重量により、そしてまた、栓状物及びパッドを形成している材料が、吸収された液体により柔軟になる可能性があることにより悪化される。従って、着用者にとっての選択肢の1つは、汚れた栓状物を、膣口から出すときに掴むことである。これは明らかに望ましくない。或いは、栓状物は、膣腔から出るときにパッドからぶら下がりやすく、これが、この生理用品を取り扱い難くし、その上、着用者の手が汚れた栓状物に偶然に接触する可能性を高くする。従って、この生理用品の使用後の除去及び処理は、決して満足できるものではない。
【0006】
米国特許公報3690321号は、米国特許公報3420234号に記載されている生理用品と類似の生理用品を記載している。しかし、米国特許公報3690321号は、除去を容易にするためにパッドに紐を取り付けることが可能であると述べている。紐は、着用者が除去中にパッドを直接把持することを回避することを可能にするかも知れない。しかし、この生理用品は、なお、除去後に取り扱い難いままであり、また、着用者が生理用品を紐を用いて掴んでいても、使用された生理用品の汚れた部分に偶然接触する可能性があると思われる。栓状物とパッドとを組み合わせたものは、着用者が、取り付けられた紐を用いて除去している慣用のタンポンよりも大きく、且つ扱い難いことがある。従って、この生理用品も、使用後の除去及び処理が不快で非衛生的なことがあろう。
【0007】
日本国公開特許公報2003−010243号は、身体外で装着されるパッドに取り付けられた、パッドを通じて開放された指サックを用いる、身体内で装着される栓状物を含む生理用品を開示している。栓状物は、パッドの、使用中に身体に対して反対の側からサック内に挿入される着用者の指により操作されることができる。サックは2重皮構造で、栓状物に取り付けられた紐が、サックのこれらの皮の間を通っている。この紐が、栓状物の除去を補助するために着用者により直接把持されることができるかどうかは明確でない。いずれにせよ、この公報は生理用品の除去に関して記載しておらず、生理用品の取り扱いにくい性質により、生理用品の除去中に、着用者の手が生理用品の汚れた部分に接触しやすくなっていることも明白である。この場合、問題はサックの柔軟性により悪化され、この性質により、栓状物は、不都合に、パッドに対して非常に自由に移動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、これらの既存の混合型の生理用品はいずれも、確実に衛生的に除去及び処理されることができない。本発明は、この問題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従えば、ヒトの膣に挿入するための、身体内で装着される栓状物、及び、身体外で装着されるパッドを備える生理用品が提供され、このパッドは、パッドが折り曲げられるための弱化ラインを有する。
【発明の効果】
【0010】
従って、パッドは、使用中に(例えば、生理用品の着用者により取り扱われるときに)折り曲がる傾向を有する。これは重要である。なぜなら、栓状物の除去中にパッドの折り曲げを促進することができるからである。
【0011】
より詳細には、栓状物が膣から除去されるとき、着用者は、一般的に、パッドを、パッドの、使用中に膣に対して反対の側を向く面から把持する。着用者の把持力により、パッドは、弱化ラインにて、パッドの、使用中に膣に面する面に向って折り曲がろうとする。このようにパッドが膣に向って折り曲がることにより、着用者が、使用中に膣に面する面に触れる可能性を低減することができる。この面は一般的に使用中に汚れるが、使用中に膣に対して反対の側を向く面は、概して比較的に清潔であるので、衛生状態を維持することができる。
【0012】
さらに、身体内で装着される栓状物が膣から除去されるとき、栓状物は、折り曲げられたパッドにより収容されることができる。すなわち、栓状物を膣から引き出すときにパッドを把持することにより、パッドを栓状物の上で折り曲げることができる。実際、栓状物はパッドにより取り囲まれることができる。この場合も、栓状物は概して汚れているが、着用者により把持されるパッドの表面は、概して比較的清潔であるため、着用者が生理用品の除去中に栓状物に触れる可能性が低減され、衛生状態が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態に従う生理用品の前面図である。
【図2】図1の生理用品の後面図である。
【図3】図1の生理用品の側面図である。
【図4A】図1の生理用品の身体外装着パッドの、図2の線A−Aに沿った断面図である。
【図4B】図1の生理用品のパッドの、図2の線B−Bに沿った断面図である。
【図4C】図1の生理用品のパッドの、図2の線C−Cに沿った断面図である。
【図5】図1の生理用品の、パッドが使用のための形状に折り曲げられた状態の側面図である。
【図6】図1の生理用品の、身体内で装着された栓状物が使用後に取り出されているときの側面図である。
【図7】図1の生理用品の、栓状物が取り出された後の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に従う生理用品の後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、用語「身体内で装着される」(internally worn)とは、膣腔の内側にあることを意味する。これは、すなわち、膣口より内部にあることを意味する。用語「身体外で装着される」(externally worn)とは、膣腔の外側にあることを意味する。これは、すなわち、膣口の外部にあることを意味する。
【0015】
本発明のパッドが、外陰、例えば大陰唇間にて装着されることが実際に好ましい。実際、外陰は、膣腔への入口の上に延在する狭い溝状部である。本発明の別の利点は、弱化ラインが、パッドがより密接に外陰に適合することを可能にできることである。すなわち、パッドは使用時に外陰に沿って折り曲がることができ、外陰の形状にぴったりと適合する。これは快適さを増大させ、また、過剰な月経液がパッドと膣との間に漏出することの防止を補助することができる。これは、また、生理用品を適切な位置に保持することを補助することができる。すなわち、一旦装着された生理用品の位置ずれは、パッドが外陰に密着することにより防止される。
【0016】
パッドを外陰に適応させるために、使用時に弱化ラインが外陰の長さと同一方向に延在することが望ましい。使用時、パッドは、通常、外陰の長さと同一方向において最も長い。従って、弱化ラインがパッドの長さに沿って延在することが好ましい。より詳細には、弱化ラインがパッドの主軸と実質的に一致していることが好ましい。
【0017】
しかし、他の構造も可能である。例えば、弱化ラインは、パッドの長さを横切る方向に延在してもよい。これは、使用中にパッドが、外陰を横切る方向の軸にて折り曲げられることを可能にする。従って、この場合も、パッドは、栓状物の除去中に栓状物の周囲にて折り曲げられることができる。しかし、使用中に、ユーザがパッドを、外陰から遠ざけるように折り曲げることも可能である。例えば、使用中、尿道の開口を覆うパッドの一部が、身体から遠ざかるように折り曲げられることができ、これは、生理用品を所定位置に保った状態での排尿を可能にする。このように、弱化ラインは、栓状物に向う位置にて、使用時の尿道の開口の(意図された又は可能な)位置からパッドを横切って延在し得る。実際、弱化ラインの位置は、栓状物の位置にあり得る。或いは、又は、さらに、この位置は、パッドの最も幅広の部分にあってよく、例えば、卵形パッドの短軸に沿っていてもよい。弱化ラインは、パッドの主軸を横切る方向にも、すなわち、パッドの主軸に対して垂直にも延在し得る。
【0018】
典型的に、パッドはパッドの主軸に対して概ね対称である。従って、弱化ラインは、パッドを実質的に2等分し得る。これは、パッドが均等に折り曲げられて十分に折り曲がった状態にされることを可能にするため、特に有用であり、この状態において、パッドの、使用中に膣に面する面が、使用中に膣に対して反対の側を向く面により、完全に覆われる。
【0019】
パッドが、パッドが折り曲げられるための2つ以上の弱化ラインを有し得ることが理解されよう。これらの弱化ラインは、互いに対して直角に、例えば、十字形状に配置され得る。これは、パッドが、弱化ラインにより画成された4つの部分に折り畳まれることを容易にし得る。
【0020】
弱化ラインは、典型的に、パッドがラインにて折り曲がることを促すために、ラインの両側(例えば、実質的に、パッドの残りの部分)と比較して、パッドよりも柔軟につくられ得る。弱化ラインが、パッドを、使用中に膣に接触するパッドの面から遠ざかる方向、及び、この面に向う方向の両方に折り曲がることを可能にすることが好ましい。これは、パッドが、生理用品の衛生的な除去及び処理のためにこの面に向って折り曲がること、及び、外陰に適合するためにこの面から遠ざかる方向に折り曲がることの両方を可能にする。
【0021】
一例において、弱化ラインは、折り目であり得る。折り目は、製造中に、比較的真直に設けられる。折り目は、例えば、別の平坦なパッドに接着され、又は縫い付けられてもよい。しかし、弱化ラインがパッドの圧縮によるラインであることが特に好ましい。例えば、製造中、パッドは、ラインにてパッドの堅さが低減されるように、ラインに沿って圧縮され得る。この場合も、他の構造が可能であり、例えば、パッドを形成する材料の量をラインにて減らすことができる。
【0022】
栓状物とパッドとは、好ましくは、シースにより互いに接続され、シースは、挿入を補助するために着用者の指をシース内に受け入れることができるようにパッドを通じて開放されている。従って、この生理用品は、生理用ナプキンに、管により取り付けられたタンポンとみなされることができる。管は、生理用ナプキンを通ってタンポンの一端まで延在している。挿入中、タンポンを容易に操作できるように、指が管内に挿入され、すなわち、指はパッドを通ってタンポンに到達する。
【0023】
シースは、カバー、スリーブ、又はネック部と称され得る。シースは、栓状物の、使用中に膣の入口に最も近くに位置する端部に接続され得る。シースはパッドにも接続されることができ、指が、パッドの、使用中に身体に対して反対の側からシース内に挿入されることができるように、パッドを通じて開放されている。これは、着用者の指がパッドを通して栓状物の端部に向って挿入されることができること、及び、挿入された指の移動により、栓状物の挿入中に栓状物を容易に操作できることを意味する。従って、本発明の生理用品を装着することは、既存の混合型の生理用品のいずれかを装着することよりも、又は、実際、タンポンの多く、若しくは生理用ナプキンを装着することよりもはるかに容易である。詳細には、本発明の生理用品は、別個のイントロデューサ(挿入補助物)を全く必要とせず、また、適切な位置に保持されるためにパンティへの接着又はベルトを用いることを必要としない。
【0024】
シースが、典型的に、使用中に膣口と一致する地点にてパッドを通じて開放されていることが理解されよう。これは、概して、パッドの中心にかなり近い位置である。従って、多くの例において、弱化ラインは、シースの開口部を横切り、パッドをわたって延在し得る。弱化ラインは、通常、かなり真直である。文言を簡潔にするために、開口部を通りパッドを横切ってかなり真直な方向に延在する弱化ラインを、それゆえ、本文書において単一のラインとみなすが、2本のライン(開口部の両側に1本づつある)として同様に説明されてもよいことが理解されよう。
【0025】
栓状物を指で操作することができる容易さを最大にするために、シースは、典型的に柔軟である。これは、着用者の指が栓状物をパッドに対して容易に移動させることを可能にする。また、シースが栓状物にて終端となることが好ましい。より詳細には、シースは、栓状物の、使用中に膣の入口に最も近くに位置する端部まで延在し得る。これは、指が栓状物に到達し、且つ栓状物を直接操作することを可能にする。
【0026】
本発明の別の利点は、生理用品の装着中に着用者の指が膣腔内に入ることがあっても、指はシースの内側にあり、膣に直接接触しないことである。これは、本発明の生理用品の装着を清潔で衛生的にする。さらに、この生理用品の使用は、性的に未経験の女性、又は、文化面で支障がある人々に、より許容され易い。
【0027】
この点に関し、シースが、シースの外側からシースの内側への方向において液体不透過性であることが好ましい。すなわち、シースは、液体不透過性の膜を含み得る。例えば、シースは、液体不透過性材料から成る管を含み得る。従って、体液又はその他の液体はシースの内側まで通過せず、挿入された指は保護される。
【0028】
挿入された指をさらに保護するために、シースは、栓状物と接続している地点にて閉じられ得る。一例において、シースを形成している管の周囲部分は栓状物に結合され得るが、管の内側は、実際に、栓状物に対して開放され得る。しかし、液体不透過膜、又は、液体不透過性材料から成る管が、それ自体は、シースの、栓状物と接続する端部にて閉じていることが好ましい。これは、栓状物により吸収された液体がシースの内側まで全く通過しないことを保証する。
【0029】
挿入された指を液体不透過膜で保護することが有用であるが、液体が栓状物からパッドに流入できることが望ましい。従って、シースが液体を、シースの長さに沿って栓状物からパッドまで通過させることができることが好ましい。すなわち、シースは、吸収性材料から成る管を含み得る。これは、栓状物により吸収された過剰な液体がパッドまで通されることを可能にする。こうして、生理用品の吸収容量が最大化され、栓状物及びパッドの寸法は最小化されることができる。
【0030】
特に好ましい例において、シースは、吸収性材料から成る管の内側に、液体不透過性材料から成る管を含む。これは、液体をシースの内側には通過させずに、液体が栓状物からパッドまで通ることを可能にする。
【0031】
以下に説明するように、栓状物は、慣用的な平均的タンポンの直径よりも小さい直径を有するが、栓状物は、十分な吸収性を有するために、平均的な膣口と比較して相対的に幅広の直径を有する。従って、シースが栓状物の直径よりも小さい直径を有することが好ましい。使用中、シースが膣口に配置されるため、これが、生理用品により膣口に加えられる圧力を低減し、着用者の快適さをかなり高める。
【0032】
しかし、シースは指を受け入れることができなければならず、このため、シースは、慣用的な小さいタンポンの直径とほぼ同一か、又は、それよりもわずかに大きい直径を有する可能性がある。従って、生理用品を膣に挿入しているときに指を受け入れるためにシースが半径方向に伸張可能であることが特に好ましい。特に、シースは、周方向(のみ)に伸張可能であり得るが、長手方向には著しく伸張可能でないであろう(長手方向における実質的な弾性は、栓状物の誤配置を生じさせることがあるため、望ましくないであろう)。好ましくは、シースは、着用者の指がシースから離れた後に小さい直径に戻って快適さが維持されるように、弾性的に伸張可能、又は弾性である。従って、より詳細には、吸収性の管及び液体不透過性管は周方向のみにて弾性であり得る。
【0033】
典型的に、シースは、栓状物の端部と、パッドの、栓状物に最も近い面との間に実質的に2.5cm延在する。この長さが、栓状物を膣腔内に適切に配置する。
【0034】
先に論じたように、生理用品は、着用者がパッドを掴んで生理用品を着用者の身体から離すように引くだけで取り外されることができる。こうすることにより、栓状物を膣から引き出し、また、パッドを栓状物の周囲にて折り曲げることができる。しかし、生理用品が、栓状物に(又は、少なくとも栓状物の付近にてシースに)取り付けられた紐をさらに含むことが好ましい。シースの内側に沿って紐が延在することが特に好ましい。そして、紐は、パッドを通って延在することができ、且つ、パッドを通るシースの開口部にて着用者にアクセスされることができる。
【0035】
着用者が栓状物を除去するために紐を引くと、栓状物は、最初に膣腔から外側に引き出される。パッドも栓状物の周囲にて折り曲がり始めようとする。重要なことに、本発明の出願人は、シースが栓状物を収容するように裏返しになることができることも認識した。すなわち、紐は、栓状物をシース内に引き込むために用いられることができ、シースは、栓状物を収容するために裏返しになることができる。従って、着用者は、栓状物をシースの内側に回収し、パッドは、栓状物とシースとが組み合わせられたものの周囲にて折り曲げられる。従って、着用者が生理用品の汚れた部分に触れる可能性は非常に低い。
【0036】
用語「紐」は、紐を、何らの特定のタイプのより糸及び糸に限定するためのものではない。むしろ、用語「紐」は、着用者が栓状物を引き出すために引っ張ることができる任意の有用なひも又は尾状部を示すための一般的な用語である。
【0037】
典型的に、パッドは、吸収性の層、及び、液体不透過性の裏打ちシートを含む。慣用的に、裏打ちシートは、シースの液体不透過性材料と一体であり得る。これは、パッドの、使用時に外側に面する側まで液体が全く通過しないことを保証する。同様に、パッドの吸収性の層は、シースの吸収性材料と一体であり得る。
【0038】
パッドの寸法は、パッドが最良に装着され、且つ十分な吸収容量をもたらすように選択されることができる。特に好ましい例において、以下の寸法のいずれか又は全てを用いることができる。すなわち、パッドの長さは実質的に6.5cmであり得る。パッドの幅は実質的に5.5cmであり得、且つ/又は、パッドの厚さは実質的に0.5cmであり得る。
【0039】
また、パッドが平坦な楕円形であり、楕円の一端が他端よりも幅広であることが好ましい。使用中、パッドは、パッドの主軸に沿って折り曲がり、不規則な楕円形状が、パッドが女性の典型的な生体構造に適合することを可能にする。
【0040】
栓状物の構造は、慣用のタンポンの構造と類似である。例えば、栓状物は、典型的に、吸収性材料の塊を含む。すなわち、栓状物は実質的に中実である。実際、栓状物は、典型的に、例えば圧縮綿などから成る中実の円柱状部である。
【0041】
先に述べたように、過剰な液体は、シースに沿って栓状物からパッドまで通過し得る。本発明の出願人は、快適さを得るために直径が小さいシースを設ける場合でも、このように液体が栓状物からパッドに流れることにより、栓状物の寸法を最小化することが可能であることを認識した。実際、出願人は、慣用の平均的なタンポンよりも実質的に小さい栓状物にて十分な吸収容量を有することができると考える。従って、栓状物は、長さが4cm以下、直径が2cm以下であることが好ましい。
【0042】
特に好ましい実施形態において、栓状物は、長さが実質的に3.5cmであり、直径が実質的に1.5cmである。月経液量が多い女性以外は、これらの寸法が好ましい最大寸法である。月経液量が少ない女性には、これより小さい寸法が適切であろう。従って、栓状物の長さが実質的に3.5cm以下であり、栓状物の直径が実質的に1.5cm以下であることが好ましい。
【0043】
本発明に従えば、生理用品を製造する方法も提供される。この方法は、上記の生理用品を製造するために、身体内で装着される吸収性栓状物を、身体外で装着される吸収性パッドに接続するステップと、パッドに、パッドが折り曲げられるための弱化ラインを設けるステップとを含む。
【0044】
ここで、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しつつ、例としてのみ記載する。
【0045】
図1〜図4Cを参照すると、本発明の好ましい実施形態に従う生理用品1が、シースにより接続された栓状物2とパッド3とを含む。
【0046】
栓状物2は、膣腔に快適に嵌り込むように、ほぼ円柱状である。栓状物2の、使用中に膣腔に最初に挿入される端部を、栓状物2の最内端5と称する。栓状物2の、使用中に膣腔に最後に挿入される端部を、栓状物2の最外端6と称する。栓状物2の最内端5及び最外端6の両方が、栓状物2を膣腔に挿入すること、及び、栓状物2を膣腔から除去することを容易にするためにドーム状に形成されている。別の実施形態において、最外端6は平坦である。
【0047】
栓状物2は、典型的に、長さが約3.5cmで直径が約1.5cmである。別の実施形態において、これらの寸法は、適切な範囲内(例えば、長さが4cm以下、直径が2cm以下)で変化し得る。しかし、月経液量が少ない女性、又は、無傷処女膜を有する女性、すなわち、性的経験がない女性のためには、栓状物2は、概して、長さがより短く、且つ直径がより小さい。
【0048】
この実施形態において、栓状物2は、圧縮綿からつくられる。例えば、シート状の圧縮綿をカットし、巻いて適切な形状に形成することができる。他の適切な材料及び構造も、必要に応じて用いられ得る。
【0049】
典型的に、パッド3は、実質的に、平坦な卵形状又は卵形である。すなわち、パッドの周囲は楕円であり、この楕円の一端(幅広の端部8)は、他端(幅狭の端部9)よりも幅広である。パッド3の、使用中に膣と接触する側を、内側10(図1にて生理用品1の前面として示されている)と称し、パッド3の、使用中に衣類と接触する側を、外側11(図2にて生理用品1の後面として示されている)と称する。
【0050】
パッド3は、内側10に吸収性の層を有し、外側11に液体不透過性の層を有する。この実施形態において、吸収層は圧縮綿からつくられ、液体不透過層はポリマー材料からつくられる。他の適切な材料も必要に応じて用いられ得る。
【0051】
パッド3は、典型的に、パッド3の最大寸法にて、長さ6.5cm、幅5cmである。他の実施形態において、これらの寸法は適切な範囲内(例えば、長さが6cm〜7cm、幅が4.5cm〜5.5cm)で変化し得る。吸収層は、典型的に、厚さが0.5cmであり、液体不透過層の厚さは、無視可能なほど薄いため、パッド3の全体の厚さも、典型的に、0.5cmである。厚さに関しても、他の実施形態において、パッド3の厚さは、例えば、0.3cm〜0.7cmであり得る。
【0052】
シース4は管状であり、栓状物2の外端6からパッド3に延在する。より詳細には、シース4は、吸収性材料から成る管を含み、この管の内面に、液体不透過性材料から成る層を有する。すなわち、液体不透過性材料から成る管が、吸収性材料から成る管の内側に存在する。吸収性材料から成る管は、パッド3の内面9まで延在する。実際に、シース4の吸収性材料は、パッド3の吸収層と一体であることができる。液体不透過性材料から成る管は、パッド3を通ってパッド3の外面10まで延在する。実際に、液体不透過性材料から成る管を、パッド3の液体不透過性の裏打ちと一体にすることができる。
【0053】
液体不透過性材料から成る管(従って、シース4も)は、パッド3の外面11にて開放されている。シース6によりパッド3の外面11に形成された開口部12を、図4に見ることができる。この実施形態において、液体不透過性材料から成る管は、栓状物2に接続する位置にて閉じられている。これは、栓状物2により吸収された液体がシース4の内側に流入することを防止する。
【0054】
シース4は、栓状物2の外端からパッド3の内面まで約2.5cm延在するが、他の実施形態において、この長さを、例えば、2cm〜3cmに変え得る。この長さは、栓状物2の操作を可能にするために、例えば人差し指の先端を収容するのに十分な長さである。
【0055】
シース4の直径は、栓状物2の直径よりも小さい。より詳細には、シース4の外径は、シース4の最小寸法にて0.4cmであり得るが、他の実施形態において、この外径を0.2cm〜0.8cmに変え得る。膣口領域における生理用品1の快適さを高めるためには、小さい直径が必要である。しかし、この小さい直径は、指をシース4内に収容するには明らかに小さすぎる。従って、シース4は、半径方向に伸張可能である。これは、シース4が半径方向に弾性であることにより達成される。一実施形態において、弾性の管(図示せず)が、シース4の吸収性の管と液体不透過性の管との間に設けられる。他の実施形態においては、シース4の吸収性管と液体不透過性管のいずれか又は両方自体が弾性である。
【0056】
パッド3は、パッド3の主軸に沿って幅広端8から幅狭端9にわたり延在するライン7に沿って、弱化するように圧縮されている。この弱化ライン7は、基本的にパッド3を2等分する。正確には、ライン7は、シース6により形成された開口部12を通って延在し、従って、2本のラインとみなすことができるが、本明細書中においては、簡潔にするために、単一のラインとみなす。
【0057】
ラインは、幅が約0.2cm〜0.5cm、厚さが約0.2cm(例えば、パッド3の圧縮綿は、約0.2cmの厚さまで、さらに圧縮される)であるが、他の類似の寸法も同様に適切であり得る。本発明の他の実施形態において、ラインは、折皺又は折り目であり得る。
【0058】
生理用品の除去を補助するために、紐13が設けられている。この実施形態において、紐は栓状物2の外端からシース4の内側に延在し、開口部12を通って外に出ている。紐の長さは約6cmである。
【0059】
使用において、生理用品1は、パッケージから取り出され、パッド3が、弱化ライン7にて、図5に示されているように、パッド3の内面10から遠ざかる方向に(パッド3の外面11に向って)緩やかに折り曲げられる。次いで、着用者の指の1本が、開口部12を通してシース4に挿入され、栓状物2の外端6に到達する。シース4の弾性が、シース4が半径方向に伸張して指を収容することを可能にする。
【0060】
着用者は、生理用品1を、栓状物2が膣に向って長手方向に延在するように、且つ、パッド3の幅広端8が膣の実質的に後方に(すなわち肛門に向いて)配置され、パッド3の幅狭端9が膣の実質的に前方に(すなわち恥骨に向いて)配置されるように向けさせる。従って、弱化ライン7は、外陰の長さとほぼ同じ方向、及びほぼ同じ位置に向けられる。
【0061】
栓状物2は、膣口に位置合わせされ、膣口を通して膣腔に挿入される。栓状物2は、パッド3の内面10が膣の表面に(より詳細には、大陰唇間にて外陰に)当たるまで、膣腔内に押し込まれる。これは、さらに、パッド3が弱化ライン7にて折り曲げられて外陰の形状に適応することを促す。次いで、生理用品1が適切な位置に保持された状態で指がシース4から引き抜かれる。
【0062】
使用中、月経液は栓状物2により吸収される。過剰な液体はシース4の吸収層に沿っても引き込まれ、パッド3により吸収される。生理用品1は、極度に過剰な量以外の月経液の全てを処理するのに十分な吸収容量を有する。しかし、栓状物2の寸法は、生理用品1が適切な位置に配置されていることを女性がほとんど意識しないことを意味する。シース4の直径が小さいことにより、大きい圧力が膣口に加えられることが回避され、これもまた快適さを増大する。さらに、パッド3の寸法及び形状は、パッドが大陰唇間に留まり、且つ、快適で邪魔にならないことを意味する。
【0063】
生理用品1を除去することが必要なときには、着用者は、膣腔から栓状物2を取り出すために紐13を掴んで引っ張ることができる。栓状物2が膣腔から引き出されるとき、パッド3は、弱化ライン7にて、図6に示されているように、使用時にパッドが折り曲げられる方向とは反対の方向、例えば、パッド3の内面10に向う方向(且つ、パッド3の外面から遠ざかる方向)に折り曲げられる。すなわち、パッド3の外面11が、パッド3を栓状物2及びシース4の上で折り曲げるために着用者により押され、又は把持され、内面10は外面11により効率的に取り囲まれる。
【0064】
さらに、シース4は、栓状物2を収容するために半径方向に伸張することができる。より詳細には、紐13を引くことにより、栓状物2がシース4を裏返しにさせる。裏返しにされたシース4は、栓状物2の挿入中に着用者の指を収容するときと同じ様に伸張し、図7に示されているように、栓状物2が、裏返しにされたシース4内に引き込まれることを可能にする。従って、栓状物2が、裏返しにされたシース4内に少なくとも部分的に収容され、且つ、パッド3が栓状物2上で折り曲げられると、生理用品1の全体が、パッド3及びシース4の外面11の液体不透過層により取り囲まれる。この液体不透過層は、いかなるときも膣と接触せず、従って、比較的清潔である。着用者が、生理用品1の除去及び処理中に触れなくてはならないのは、紐13及びこの液体不透過層だけである。従って、生理用品1は、使用後に、衛生的に除去及び処理されることができる。
【0065】
図8を参照すると、別の実施形態において、生理用品1は、上記の生理用品の実施形態における第1の弱化ライン7に加えて、第2の弱化ライン7aを有する。生理用品1のその他の特徴物は同一であり、従って、これらの特徴物には同一の参照番号を付してある。第2の弱化ライン7aは、第1の弱化ライン7に対して垂直であり、パッド3がパッド3の幅にて折り曲がることを可能にしている。より詳細には、第2の弱化ライン7aは、栓状物2の位置(すなわち、パッド3を通る開口部12の位置)にてパッド3の幅を横切る向きに配置されている。実際、この実施形態において、第2の弱化ラインは、パッド3の卵形の短径と一致している。
【0066】
第2の弱化ライン7は、生理用品1がほぼ所定位置に配置されたままで、すなわち、使用されているときに(例えば、栓状物2が膣内に挿入されたままで)、パッドが尿道の開口から遠ざかるように折り曲げられることを可能にしている。これは、ユーザが、生理用品1を所定位置に保った状態で排尿することを可能にすることができる。また、これは、パッド3の除去中にパッド3を4つの部分に折り曲げることも可能し、これは、パッド3を栓状物2の周囲にて、より整然と折り曲げることができることを意味する。
【0067】
本発明の上記の実施形態は、本発明がどのように実行され得るかを示した例に過ぎない。適切な技術及び知識を有する者が、上記の実施形態の修正、変形及び変更を考えつくであろう。これらの修正、変形及び変更は、特許請求の範囲及びその均等物にて定義されている本発明の精神及び範囲から逸脱せずに行われ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの膣に挿入するための、身体内で装着される吸収性の栓状物、及び、身体外で装着される吸収性のパッドを備える生理用品であって、前記パッドが弱化ラインを有し、使用中に前記パッドが前記弱化ラインにて折り曲げられるようになっている生理用品。
【請求項2】
前記弱化ラインの長さが前記パッドの長さと実質的に一致する請求項1に記載の生理用品。
【請求項3】
前記弱化ラインが、前記パッドの長さを実質的に横切る方向に延在する請求項1に記載の生理用品。
【請求項4】
前記弱化ラインが前記パッドを実質的に2等分する請求項1〜3のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項5】
前記パッドが2本以上の弱化ラインを有し、前記弱化ラインにて前記パッドが折り曲げられるようになっている請求項1〜4のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項6】
前記弱化ラインがパッドの圧縮ラインである請求項1〜5のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項7】
前記弱化ラインが折り目である請求項1〜4のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項8】
前記栓状物と前記パッドとがシースにより互いに接続されており、前記シースが、挿入を補助するために着用者の指を該シース内に受けることができるように前記パッドを通して開放されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項9】
前記シースが、該シースの外側から該シースの内側への方向において液体不透過性である請求項8に記載の生理用品。
【請求項10】
前記シースが、液体不透過性材料から成る管を含む請求項8又は9に記載の生理用品。
【請求項11】
前記パッドが、吸収性の層、及び、液体不透過性の裏打ちシートを含み、当該裏打ちシートが前記シースの液体不透過性材料と一体である請求項10に記載の生理用品。
【請求項12】
前記シースが、液体を該シースの長さに沿って前記栓状物から前記パッドに通す請求項8〜11のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項13】
前記シースが、吸収性材料から成る管を含む請求項8〜12のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項14】
前記シースが、液体不透過性材料から成る管を、吸収性材料から成る管の内側に含む請求項8〜13のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項15】
前記シースが柔軟である請求項8〜14のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項16】
前記シースの直径が、前記栓状物の直径よりも小さい請求項8〜15のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項17】
当該生理用品が膣に挿入されるときに指を受けるために、前記シースが半径方向に弾性的に伸張可能である請求項8〜16のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項18】
前記シースが、長手方向には実質的に伸張可能でない請求項8〜17のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項19】
前記シースが、前記栓状物の端部と、前記パッドの、前記栓状物に最も近い面との間に実質的に2.5cm延在する請求項8〜18のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項20】
さらに、前記栓状物を膣から除去することを補助するために前記栓状物に取り付けられた紐を含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項21】
前記紐が、シース(栓状物とパッドとを互いに接続させ、且つ、挿入を補助するために着用者の指をシース内に受けることができるようにパッドを通して開放されている)の内側に沿って延在する請求項19に記載の生理用品。
【請求項22】
前記栓状物の長さが実質的に4cm以下であり、前記栓状物の直径が実質的に2cm以下である請求項1〜21のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項23】
前記栓状物の長さが実質的に3.5cm以下であり、前記栓状物の直径が実質的に1.5cm以下である請求項1〜22のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項24】
前記栓状物の長さが実質的に3.5cmであり、前記栓状物の直径が実質的に1.5cmである請求項1〜23のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項25】
前記パッドの形状が、一端が他端よりも幅広の平坦な卵形である請求項1〜24のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項26】
前記パッドの長さが実質的に6.5cmであり、前記パッドの幅が実質的に5.5cmである請求項1〜25のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項27】
前記パッドの厚さが実質的に0.5cmである請求項1〜26のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項28】
生理用品を製造する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の生理用品を製造するために、身体内で装着される吸収性の栓状物を、身体外で装着される吸収性のパッドに接続するステップと、前記パッドに、当該パッドが折り曲げられるための弱化ラインを設けるステップと
を含む方法。
【請求項29】
添付の図面のいずれかを参照して説明されるような生理用品。
【請求項30】
添付の図面のいずれかを参照して説明されるような生理用品を製造する方法。
【請求項1】
ヒトの膣に挿入するための、身体内で装着される吸収性の栓状物、及び、身体外で装着される吸収性のパッドを備える生理用品であって、前記パッドが弱化ラインを有し、使用中に前記パッドが前記弱化ラインにて折り曲げられるようになっている生理用品。
【請求項2】
前記弱化ラインの長さが前記パッドの長さと実質的に一致する請求項1に記載の生理用品。
【請求項3】
前記弱化ラインが、前記パッドの長さを実質的に横切る方向に延在する請求項1に記載の生理用品。
【請求項4】
前記弱化ラインが前記パッドを実質的に2等分する請求項1〜3のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項5】
前記パッドが2本以上の弱化ラインを有し、前記弱化ラインにて前記パッドが折り曲げられるようになっている請求項1〜4のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項6】
前記弱化ラインがパッドの圧縮ラインである請求項1〜5のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項7】
前記弱化ラインが折り目である請求項1〜4のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項8】
前記栓状物と前記パッドとがシースにより互いに接続されており、前記シースが、挿入を補助するために着用者の指を該シース内に受けることができるように前記パッドを通して開放されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項9】
前記シースが、該シースの外側から該シースの内側への方向において液体不透過性である請求項8に記載の生理用品。
【請求項10】
前記シースが、液体不透過性材料から成る管を含む請求項8又は9に記載の生理用品。
【請求項11】
前記パッドが、吸収性の層、及び、液体不透過性の裏打ちシートを含み、当該裏打ちシートが前記シースの液体不透過性材料と一体である請求項10に記載の生理用品。
【請求項12】
前記シースが、液体を該シースの長さに沿って前記栓状物から前記パッドに通す請求項8〜11のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項13】
前記シースが、吸収性材料から成る管を含む請求項8〜12のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項14】
前記シースが、液体不透過性材料から成る管を、吸収性材料から成る管の内側に含む請求項8〜13のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項15】
前記シースが柔軟である請求項8〜14のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項16】
前記シースの直径が、前記栓状物の直径よりも小さい請求項8〜15のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項17】
当該生理用品が膣に挿入されるときに指を受けるために、前記シースが半径方向に弾性的に伸張可能である請求項8〜16のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項18】
前記シースが、長手方向には実質的に伸張可能でない請求項8〜17のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項19】
前記シースが、前記栓状物の端部と、前記パッドの、前記栓状物に最も近い面との間に実質的に2.5cm延在する請求項8〜18のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項20】
さらに、前記栓状物を膣から除去することを補助するために前記栓状物に取り付けられた紐を含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項21】
前記紐が、シース(栓状物とパッドとを互いに接続させ、且つ、挿入を補助するために着用者の指をシース内に受けることができるようにパッドを通して開放されている)の内側に沿って延在する請求項19に記載の生理用品。
【請求項22】
前記栓状物の長さが実質的に4cm以下であり、前記栓状物の直径が実質的に2cm以下である請求項1〜21のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項23】
前記栓状物の長さが実質的に3.5cm以下であり、前記栓状物の直径が実質的に1.5cm以下である請求項1〜22のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項24】
前記栓状物の長さが実質的に3.5cmであり、前記栓状物の直径が実質的に1.5cmである請求項1〜23のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項25】
前記パッドの形状が、一端が他端よりも幅広の平坦な卵形である請求項1〜24のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項26】
前記パッドの長さが実質的に6.5cmであり、前記パッドの幅が実質的に5.5cmである請求項1〜25のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項27】
前記パッドの厚さが実質的に0.5cmである請求項1〜26のいずれか一項に記載の生理用品。
【請求項28】
生理用品を製造する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の生理用品を製造するために、身体内で装着される吸収性の栓状物を、身体外で装着される吸収性のパッドに接続するステップと、前記パッドに、当該パッドが折り曲げられるための弱化ラインを設けるステップと
を含む方法。
【請求項29】
添付の図面のいずれかを参照して説明されるような生理用品。
【請求項30】
添付の図面のいずれかを参照して説明されるような生理用品を製造する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−110742(P2012−110742A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27398(P2012−27398)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【分割の表示】特願2008−511784(P2008−511784)の分割
【原出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(506200360)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【分割の表示】特願2008−511784(P2008−511784)の分割
【原出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(506200360)
【Fターム(参考)】
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