説明

用紙搬送装置

【課題】 第2ガイド部材を高強度かつ高精度しなくても用紙のスキューを抑制することができる用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】 用紙搬送装置1は、駆動ローラ2が取付けられる第1ガイド部材8と、この第1ガイド部材8と対向する第2ガイド部材9と、用紙搬送方向と略直交する方向に延在し、両端部で従動ローラ4を回転自在に支持する支持軸5と、この支持軸5を従動ローラ4が駆動ローラ2に対向する方向に移動可能に保持するホルダー6とを備えている。ホルダー6には、支持軸5の軸方向中央に対して両側位置に、支持軸5を付勢して従動ローラ4を駆動ローラ2に押し付ける圧縮バネ7がそれぞれ設けられているとともに、当該ホルダー6は、支持軸5の軸方向略中央に対応する位置で用紙搬送方向に延在する揺動軸94aを支点として揺動可能となるように第2ガイド部材9に取付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられる用紙搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙搬送装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、用紙搬送方向と略直交する方向に並ぶ複数の駆動ローラと、これらの駆動ローラに対向する複数の従動ローラと、各従動ローラが取付けられるガイド部材とを備え、各従動ローラが独立してバネ部材で付勢された状態でガイド部材に取付けられたものが知られている。
【0003】
また、特許文献2には、用紙搬送方向と略直交する方向に延在し、両端部で従動ローラを回転自在に支持する支持軸と、この支持軸が取付けられるガイド部材とを備えた用紙搬送装置が記載されている。この用紙搬送装置では、ガイド部材に設けられた凸部に支持軸の中央部が宛がわれ、さらに支持軸の中央部が凸部と反対側から保持部材によって押さえ込まれることにより、支持軸が中央部を支点として揺動可能となっている。
【特許文献1】特開平5−69980号公報
【特許文献2】特開平6−16303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、互いに対向してその間に用紙搬送路を形成する第1ガイド部材及び第2ガイド部材を設け、第1ガイド部材に駆動ローラを取付けるとともに、第2ガイド部材に従動ローラを取付けることが行われている。
【0005】
このような構造の用紙搬送装置に、特許文献1に記載の構造を採用すると、各従動ローラが個々に第2ガイド部材に取付けられるようになるため、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが平行になっていない場合には、従動ローラの押付力は均一にならず、その押付力の不均一によって用紙のスキューが生じるおそれがある。
【0006】
この用紙のスキューを抑制するには、第2ガイド部材を高強度にして第2ガイド部材の撓みを抑えるとともに、第2ガイド部材を高精度に製作して、第1ガイド部材と第2ガイド部材との平行度を保つようにする必要があり、コストアップ及び質量増を招くことになる。
【0007】
また、特許文献2に記載の構造を採用すると、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが平行になっていなくても、従動ローラは略均一の押付力で駆動ローラに押し付けられることになるが、その押付力は第1ガイド部材と第2ガイド部材との間の距離によって決まるため、第2ガイド部材を高強度にして撓みを押えるとともに、第2ガイド部材を高精度に製作して、第1ガイド部材と第2ガイド部材との平行度を保つようにする必要があることに変わりはない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、第2ガイド部材を高強度かつ高精度にしなくても用紙のスキューを抑制することができる用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、画像形成装置に組み込まれて、用紙を搬送する用紙搬送装置であって、互いに対向してその間に用紙搬送路を形成する第1ガイド部材と第2ガイド部材を備えるとともに、第1ガイド部材に取付けられる駆動ローラと、用紙搬送方向と略直交する方向に延在し、駆動ローラに対向する従動ローラを両端部で回転自在に支持する支持軸と、この支持軸を従動ローラが駆動ローラに対向する方向に移動可能に保持するホルダーとを備え、前記ホルダーには、支持軸の軸方向中央に対して両側位置に、支持軸を付勢して従動ローラを駆動ローラに押し付ける付勢手段がそれぞれ設けられているとともに、当該ホルダーは、支持軸の軸方向略中央に対応する位置で用紙搬送方向に延在する揺動軸を支点として揺動可能となるように第2ガイド部材に取付けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の用紙搬送装置において、前記ホルダーは、支持軸を駆動ローラと反対側から覆っており、当該ホルダーには、支持軸に対して付勢手段と反対側に、支持軸の飛び出しを規制する軸押え部が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の用紙搬送装置において、前記軸押え部は、支持軸に対して用紙搬送方向の両側に設けられており、これらの軸押え部は、当該軸押え部の間に支持軸を無理嵌めできるように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の用紙搬送装置において、第2ガイド部材には、ホルダーを用紙搬送方向の両側から挟み込む一対の挟持部であって用紙搬送方向に弾性変形可能な挟持部が設けられており、用紙搬送方向におけるホルダーの外側面と挟持部の内側面の一方には、前記揺動軸が突設されており、他方には、揺動軸が嵌合可能な嵌合穴が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の用紙搬送装置において、前記嵌合穴は、従動ローラが駆動ローラに対向する方向に並んで複数箇所に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の用紙搬送装置が組み込まれたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、第2ガイド部材と第1ガイド部材とが平行になっていなくても、支持軸の軸方向略中央に対応する位置でホルダーが揺動して、駆動ローラと従動ローラとの平行度が保たれるとともに、支持軸の軸方向中央に対して両側位置で支持軸が付勢手段で付勢されて、支持軸の両端部に支持された従動ローラが略均等な押付力で駆動ローラに押し付けられるようになるので、用紙のスキューを抑制することができる。しかも、支持軸はホルダーに所定方向(従動ローラが駆動ローラに対向する方向)に移動可能に保持されているので、第2ガイド部材に振動が生じてホルダーが振動したとしても、その振動を付勢手段で吸収して支持軸に伝わらせないようにすることができ、従動ローラの押付力の均一性を保つことができる。すなわち、第2ガイド部材の強度を下げることが可能となり、材料軽減によるコストダウン及び軽量化を図ることができるとともに、第2ガイド部材を高精度で製作する必要がなくなり、製作歩留まりを向上させることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、簡単な形状でホルダーが支持軸を所定方向に移動可能に保持することができるとともに、軸押え部によって支持軸の飛び出しが規制されるので、支持軸を組み込んだホルダーをユニットとして取扱うことが可能となり、組立て効率を向上させることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、ワンタッチで支持軸をホルダーに保持させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、ワンタッチでホルダーを第2ガイド部材に取付けることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、揺動軸を嵌合させる位置を変えるだけで従動ローラの押付力を調整することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、画像形成装置において前記効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1に、本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置1が組み込まれた画像形成装置の一例であるプリンタ10を示す。なお、用紙搬送装置1は、プリンタ10に限らず、複写機やファクシミリ装置、複合機等の他の画像形成装置にも組み込むことが可能である。
【0023】
前記プリンタ10は、搬送路Lに沿って用紙を搬送する途中で、端末等から送られた画像データに基づいて用紙に画像を形成するものであり、箱状の筐体15の内部に、感光体ドラム131の表面にトナー像を形成した後にそのトナー像を用紙に転写する画像形成部13と、画像形成部13に用紙を供給する給紙部12と、トナー像を用紙に定着する定着部16とを備えている。
【0024】
前記搬送路Lは、前方から後方に略水平に延びる水平部L1と、水平部L1の後端部から略垂直に立上る垂直部L2とを有し、側面視で略L字状をなしている。
【0025】
前記給紙部12は、搬送路Lの水平部L1の下方に配設される給紙カセット121を有しており、給紙カセット121に収納された用紙をピックアップローラ12aによって取出すとともに、その用紙を給紙ローラ12b〜12eによって1枚ずつ搬送路Lの水平部L1に送り出し、さらに搬送路Lに送り出された用紙を、レジストローラ12fによって一旦待機させ、所定のタイミングで画像形成部13に供給するようになっている。
【0026】
また、給紙部12は、筐体15の前面に取付けられる手差しトレイ122をも有しており、手差しトレイ122に載置された用紙をピックアップローラ12gによって取出すとともに、その用紙を給紙ローラ12c,12eによって1枚ずつ搬送路Lの水平部L1に送り出すことが可能となっている。
【0027】
前記画像形成部13は、搬送路Lの水平部L1の前後方向の略中央に配設される感光体ドラム131と、感光体ドラム131の上方に配設される帯電部132と、感光体ドラム131の前方に配設される現像部133と、感光体ドラム131の下方に配設される転写部134と、感光体ドラム131の後方に配設されるクリーニング部135と、帯電部132及びクリーニング部135並びに前記定着部16の上方に配設されるレーザースキャナユニット(LSU)14とを有している。
【0028】
前記感光体ドラム131は、図1において時計回りに回転するようになっており、その表面には、当該表面が帯電部132によって一様に帯電された後に、レーザースキャナユニット14によって画像データに基づくレーザー光が帯電部132と現像部133との間から照射されることにより静電潜像が形成され、さらに静電潜像が形成された表面に、現像部133からトナーが供給されることによってトナー像が形成されるようになっている。
【0029】
そして、前記給紙部12から供給された用紙は、転写部134の転写ローラ134aによって感光体ドラム131に押付けられながら搬送されることにより、その表面(転写面)に、感光体ドラム131の表面に形成されたトナー像が転写され、その後に定着部16に送り込まれる。
【0030】
なお、転写後の感光体ドラム131の表面に残留したトナー及び残留電荷は、クリーニング部135によって除去されるようになっている。
【0031】
前記定着部16は、ヒートローラ16aと、圧力ローラ16bとを有しており、これらのローラ16a,16bでトナー像が転写された用紙を挟み込むことにより、熱と圧力とでトナー像を用紙に定着するようになっている。
【0032】
そして、トナー像が定着された用紙は、排出ローラ18によって筐体15の上面に形成された排出部19に排出される。
【0033】
なお、本実施形態のプリンタ10では、搬送路Lの水平部L1と給紙カセット121との間に、スイッチバック部17が設けられており、用紙の両面に画像を形成できるようになっている。
【0034】
そして、前記用紙搬送装置1は、定着部16と排出ローラ18との間に配設されているとともに、スイッチバック部17の搬送路L’に沿っても配設されている。
【0035】
用紙搬送装置1は、図2〜図5に示すように、搬送路LまたはL’(以下、単に搬送路Lという)を挟んで互いに対向する第1ガイド部材8と第2ガイド部材9を有している。
【0036】
第1ガイド部材8は、樹脂等で構成されており、搬送路Lに沿って扁平な略矩形板状をなしている。
【0037】
第2ガイド部材9は、板金をプレス加工する等して形成されたものであり、第1ガイド部材8に対向する略矩形状のメインプレート91と、メインプレート91の用紙搬送方向(以下、X方向という)の端部から当該メインプレート91の略全長に亘ってX方向と略直交する方向(以下、Z方向という)に沿って第1ガイド部材8から遠ざかる方向(以下、Z方向下向きという)に延在するエンドプレート92と、メインプレート91の搬送路Lに沿ってX方向と略直交する方向(以下、Y方向という)の両端部からZ方向下向きにそれぞれ延在するサイドプレート93とを有している。そして、メインプレート91と第1ガイド部材8との間に搬送路Lが形成されている。
【0038】
また、用紙搬送装置1は、Y方向における搬送路Lの中心から略均等な位置に配設される2つの駆動ローラ2と、これらの駆動ローラ2とZ方向で対向する2つの従動ローラ4とを有している。
【0039】
駆動ローラ2は、ゴム等で構成されており、Y方向に延在する駆動軸3に貫通された状態で固定されている。この駆動軸3は、第1ガイド部材8の搬送路Lに臨む面と反対側の面に取付けられた支持部材(図示せず)によって回転自在に支持されており、図略の駆動源によって所定の回転数で回転させられるようになっている。また、第1ガイド部材8には、駆動ローラ2に対応する位置に、窓82が設けられており、この窓82を通じて駆動ローラ2の一部が搬送路L内に入り込んでいる。
【0040】
従動ローラ4は、樹脂等で構成されており、円形筒状をなしている。そして、従動ローラ4は、Y方向に延在する円形棒状の支持軸5の両端部に嵌合することにより、支持軸5の両端部に回転自在に支持されている。支持軸5は、ホルダー6に保持されており、ホルダー6は、第2ガイド部材9のメインプレート91の搬送路Lに臨む面と反対側の面に取付けられている。第2ガイド部材9のメインプレート91には、従動ローラ4に対応する位置に窓95が設けられており、この窓95を通じて従動ローラ4の一部が搬送路L内に入り込み、駆動ローラ2と当接可能となっている。
【0041】
前記ホルダー6は、図7に示すように、Y方向に延びる長方形筒状の断面形状でZ方向に延びる周壁61と、周壁61のメインプレート91と反対側の開口を塞ぐ底壁62とを有し、Z方向下向きと反対方向(以下、Z方向上向きという)に開口する容器状をなしている。このホルダー6のY方向の寸法は、従動ローラ4が離間する距離よりも僅かに小さく設定されていて、ホルダー6が従動ローラ4の間に入り込み可能となっている。また、ホルダー6の内部には、Y方向の両端部から少し内側に入った位置にリブ63が底壁62から立ち上がっており、このリブ63によって周壁61の長手側同士が連結されている。
【0042】
さらに、ホルダー6は、Y方向から見たときにZ方向上向きに開口する形状となるように、周壁61の短手側及びリブ63には、略U字状の凹部61a,63aが形成されている。この凹部61a,63aの幅は、支持軸5の直径と略同寸法に設定されている。そして、この凹部61a,63aに支持軸5が嵌り込むことにより、支持軸5が駆動ローラ2と反対側からホルダー6に覆われた状態で、ホルダー6にZ方向に移動可能に保持されている。
【0043】
なお、支持軸5のY方向の外側には、窓95の縁部からZ方向下向きに垂れ下がる垂下片95aが設けられており、この垂下片95aが支持軸5の端面と対向して、支持軸5のY方向の移動が規制されている。この垂下片95aは、窓95を形成する際に、メインプレート91の窓95の領域に入る部分がZ方向下向きに切り起こされて形成されたものである。
【0044】
また、リブ63と周壁61の短手側との間には、それぞれ圧縮バネ7が配設されており、支持軸5がホルダー6に保持されたときには、この圧縮バネ7によって支持軸5の軸方向中央に対して両側位置がZ方向上向きに付勢され、従動ローラ4が駆動ローラ2に押し付けられるようになっている。なお、ホルダー6の底壁62には、リブ63と周壁61の短手側との間に、圧縮バネ7をガイドする円柱状のガイド部62aが突設されている。
【0045】
周壁61の長手側におけるY方向中央のそれぞれには、周壁61からZ方向上向きに突出する突出部66が形成されているとともに、X方向における周壁61及び突出部66の両内側面には、Z方向に延在するリブ64がそれぞれ設けられている。リブ64のX方向の幅は、リブ64同士の間の寸法が支持軸5の直径よりも大きくなるように設定されている。また、リブ64のX方向の端面のそれぞれには、Z方向上向き側の端部に、互いに対向するように突出する軸押え部64aが設けられており、これにより支持軸5がホルダー6から飛び出さないようになっている。なお、軸押え部64aの間には支持軸5を無理嵌めできるようになっている。すなわち、軸押え部64aの間に外方から支持軸5を押し込んだときには、周壁61が弾性変形して両軸押え部64aがX方向の両側に押し広げられ、当該軸押え部64aの間を支持軸5が通過可能となる。
【0046】
さらに、X方向における周壁61及び突出部66の両外側面には、Z方向に並ぶ2つの嵌合穴65aを有し、X方向から見たときに略8の字状のボス65がそれぞれ突設されている。
【0047】
一方、第2ガイド部材9には、Y方向における搬送路Lの略中心に対応する位置、換言すれば、支持軸5の軸方向略中央に対応する位置に、ホルダー6をX方向の両側から挟み込む一対の挟持部94が設けられている。この挟持部94は、メインプレート91のX方向に並ぶ部分が互いに対向するようにZ方向下向きに切起こされて形成されたものであり、X方向に弾性変形可能となっている。すなわち、両挟持部94を押し広げることが可能であり、その状態で手を離せば当該挟持部94の復元力によって挟持部94が元の位置に復帰するようになる。そして、挟持部94の両内側面には、X方向に延在し、ホルダー6のボス65の嵌合穴65aに嵌合可能な揺動軸94aがそれぞれ突設されており、この揺動軸94aが嵌合穴65aに嵌合することにより、ホルダー6が揺動軸94aを支点として揺動可能となっている。
【0048】
このような構成の用紙搬送装置1であれば、第2ガイド部材9と第1ガイド部材8とが平行になっていなくても、支持軸5の軸方向略中央に対応する位置にある揺動軸94aを支点としてホルダー6が揺動して、駆動ローラ2と従動ローラ4との平行度が保たれるとともに、支持軸5が軸方向中央の両側位置で圧縮バネ7によって付勢されて、支持軸5の両端部に支持された従動ローラ4が略均等な押付力で駆動ローラ2に押し付けられるようになるので、用紙のスキューを抑制することができる。しかも、支持軸5はホルダー6にZ方向に移動可能に保持されているので、第2ガイド部材9に振動が生じてホルダー6が振動したとしても、その振動を圧縮バネ7で吸収して支持軸5に伝わらせないようにすることができ、従動ローラ4の押付力の均一性を保つことができる。すなわち、第2ガイド部材9の強度を下げることが可能となり、材料軽減によるコストダウン及び軽量化を図ることができるとともに、第2ガイド部材9を高精度で製作する必要がなくなり、製作歩留まりを向上させることができる。
【0049】
また、ホルダー6は、支持軸5を駆動ローラ2と反対側から覆う形状となっているので、簡単な形状でホルダー6が支持軸5をZ方向に移動可能に保持することができるとともに、ホルダー6には、支持軸5の飛び出しを規制する軸押え部64aが設けられているので、支持軸5を組み込んだホルダー6をユニットとして取扱うことが可能となり、組立て効率を向上させることができる。
【0050】
さらに、軸押え部64aの間には支持軸5を無理嵌めできるようになっているので、ワンタッチで支持軸5をホルダー6に保持させることができる。
【0051】
また、内側面に揺動軸94aが突設された挟持部94は、X方向に弾性変形可能となっているので、ワンタッチでホルダー6を第2ガイド部材9に取付けることができる。
【0052】
さらに、揺動軸94aが係合可能な嵌合穴65aは、Z方向に並んで2箇所に設けられているので、揺動軸94aを嵌合させる位置を変えるだけで従動ローラ4の押付力を調整することができる。
【0053】
なお、前記実施形態では、軸押え部64aをリブ64の双方に設けているが、一方のリブ64にのみ設けることも可能である。
【0054】
また、前記実施形態では、圧縮バネ7で支持軸5を付勢しているが、圧縮バネ7に代えて、例えば弾性変形による復元力で支持軸5を付勢する付勢手段を採用することも可能である。
【0055】
さらに、揺動軸94aをX方向におけるホルダー6の両外側面に突設するとともに、嵌合穴65aをX方向における挟持部94の両内側面に形成してもよい。
【0056】
また、駆動ローラ2の数は、2つである必要はなく、4つであってもよい。この場合には、中央の駆動ローラ2つに対向する位置に従動ローラ4を配置してもよいし、または、両端部で従動ローラ4を支持した支持軸5及びホルダー6を2セットY方向に並べて配設してもよい。また、駆動ローラが6つ以上の場合は、支持軸5及びホルダー6を3セットとすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る用紙搬送装置が組み込まれたプリンタの構成を示す側面図である。
【図2】用紙搬送装置を用紙搬送方向の上流側から見たときの斜視図である。
【図3】用紙搬送装置の第1ガイド部材及び第2ガイド部材を省略した斜視図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】第2ガイド部材の斜視図である。
【図7】ホルダーの斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 用紙搬送装置
2 駆動ローラ
3 駆動軸
4 従動ローラ
5 支持軸
6 ホルダー
64a 軸押え部
65a 係合穴
7 圧縮バネ
8 第1ガイド部材
9 第2ガイド部材
94 挟持部
94a 揺動軸
10 プリンタ(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に組み込まれて、用紙を搬送する用紙搬送装置であって、
互いに対向してその間に用紙搬送路を形成する第1ガイド部材と第2ガイド部材を備えるとともに、第1ガイド部材に取付けられる駆動ローラと、用紙搬送方向と略直交する方向に延在し、駆動ローラに対向する従動ローラを両端部で回転自在に支持する支持軸と、この支持軸を従動ローラが駆動ローラに対向する方向に移動可能に保持するホルダーとを備え、
前記ホルダーには、支持軸の軸方向中央に対して両側位置に、支持軸を付勢して従動ローラを駆動ローラに押し付ける付勢手段がそれぞれ設けられているとともに、当該ホルダーは、支持軸の軸方向略中央に対応する位置で用紙搬送方向に延在する揺動軸を支点として揺動可能となるように第2ガイド部材に取付けられていることを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
前記ホルダーは、支持軸を駆動ローラと反対側から覆っており、当該ホルダーには、支持軸に対して付勢手段と反対側に、支持軸の飛び出しを規制する軸押え部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
【請求項3】
前記軸押え部は、支持軸に対して用紙搬送方向の両側に設けられており、これらの軸押え部は、当該軸押え部の間に支持軸を無理嵌めできるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の用紙搬送装置。
【請求項4】
第2ガイド部材には、ホルダーを用紙搬送方向の両側から挟み込む一対の挟持部であって用紙搬送方向に弾性変形可能な挟持部が設けられており、用紙搬送方向におけるホルダーの外側面と挟持部の内側面の一方には、前記揺動軸が突設されており、他方には、揺動軸が嵌合可能な嵌合穴が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の用紙搬送装置。
【請求項5】
前記嵌合穴は、従動ローラが駆動ローラに対向する方向に並んで複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の用紙搬送装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の用紙搬送装置が組み込まれたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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