説明

用量充足電極を使用する検体測定のためのシステムおよび方法

生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足関連パラメータを決定する方法であって、取り込み開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、開口部と末端のあいだのキャピラリー充填チャンバー中に配置される試薬、前記試薬が測定ゾーンを定義し、少なくとも2つの用量充足電極がそのあいだのギャップを定義しており、キャピラリー充填チャンバーと動作可能に連通し、前記電極が測定ゾーンと末端のあいだに局在しており、生物学的流体を開口部に付着することであって、これによって流体が開口部から末端に流れ、AC試験信号を電極の最初の1つに印加すること、第2の電極の1つにおいて所定の閾値上に応答が存在するか、またはしないことを決定することを含む方法であって、流体が実質的に全ての測定ゾーンを占領することを示す方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願相互の参照]
本明細書は、2003年6月20日に出願された米国特許仮出願第60/480,298号の利益を主張している。本明細書の内容は、本明細書にて、参考文献によって組み込まれている。
【0002】
[発明の技術分野]
本発明は、流体中の検体の濃度を測定することにおいて使用するための、測定方法および装置に関する。本発明は、よりとりわけ、しかし排他的ではなく、血中のグルコースの濃度を測定するために使用しうる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
とりわけ他の、交絡基質の存在下で、物質の濃度を測定することが、多くの領域、とりわけ医学診断にて重要である。たとえば、血液のような体液中のグルコースの測定が、糖尿病の影響的な処置に対して重大である。
【0004】
糖尿病治療は典型的には、2つの型のインスリン処置、基準および食事時間に関与する。基準インスリンは、しばしば就寝前にとられる、連続性、たとえば、持続放出インスリンを意味する。食事時インスリン処理は、糖および炭水化物の代謝を含む種々の因子によって引きおこされる、血中グルコースにおける変動を調節するために、より早く働くインスリンの追加用量を提供する。血中グルコース変動の適切な調節には、血中のグルコースの濃度の正確な測定が必要である。それを失敗すると、糖尿病患者から、その指、手、脚などの使用を最終的に奪う、失明および極度の循環の欠損を含む極度の合併症が産出されうる。
【0005】
多数の方法が、たとえば、グルコースのような、血液試料中の検体の濃度を測定するために公知である。そのような方法は、典型的には2つのカテゴリー、光学法および電気化学的法のうち1つに入る。光学法には、一般的に、試薬中のスペクトルシフトを観察するために、反射率または吸収分光法が含まれる。そのようなシフトは、検体の濃度の色変化示唆を産出する、化学反応によって引き起こされる。電気化学的法は一般的に、あるいは、検体の濃度の示唆である電流測定または電量応答が含まれる。たとえば、その全てが本明細書にて組み込まれている、コロンブス(Columbus)に付与された米国特許第4,233,029号、ペース(Pace)に付与された第4,225,410号、コロンブス(Columbus)に付与された米国特許第4,323,536号、マグリ(Muggli)に付与された米国特許第4,008,448号、リルヤ(Lilja)らに付与された米国特許第4,654,197号、スズミンスキー(Szuminsky)らに付与された米国特許第5,108,564号、ナンカイ(Nankai(らに付与された米国特許第5,120,420号、スズミンスキー(Szuminsky)らに付与された米国特許第5,128,015号、ホワイト(White)に付与された米国特許第5,243,516号、ディボルド(Diebold)らに付与された米国特許第5,437,999号、ポールマン(Pollman)らに付与された米国特許第5,288,636号、カーター(Carter)らに付与された米国特許第5,628,890号、ヒル(Hill)らに付与された米国特許第5,682,884号、ヒル(Hill)ら付与された米国特許第5,727,548号、クリスモア(Crismore)らに付与された米国特許第5,997,817号、フジワラ(Fujiwara)らに付与された米国特許第6,004,441号、プリーデル(Priedel)らに付与された米国特許第4,919,770号、およびシー(Shie)に付与された米国特許第6,054,039号を参照のこと。
【0006】
血中の化学物質の濃度を測定する電気化学的方法の重要な制限は、検体の拡散における交絡変化、および試薬の種々の活性成分の影響である。たとえば、血液試料の形状および状態が、信号対濃度マッピング機能に基づくものに密接に近接するはずである。
【0007】
血液試料の形態は、典型的には、試験装置の試料受領部位によって制御される。血中グルコースメーターの場合、たとえば、血液試料は、典型的には、メーター中に差し込まれる、使い捨て試験ストリップ上に配置される。試験ストリップは、試料の形態を定義するために、試料チャンバー(キャピラリー充填空間)を持ちうる。あるいは、試料形態の影響は、無限な試料サイズを影響的を保証することによって制限されうる。たとえば、検体を測定するために使用する電極は、試験ストリップ上の血液滴が、全ての方向で実質的に電極を越えて伸びるように、十分近くに配置されうる。しかしながら、試料による、測定電極の適切な被覆率を確かにすることが、正確な試験結果を達成する際には重要な因子である。このことは、とりわけ、キャピラリー充填空間の利用において過去に問題であることが証明された。
【0008】
血中グルコース測定の精度に対する制限の他の例には、(測定されている観点以外の)血液組成物または状態における変化が含まれる。たとえば、ヘマトクリット(赤血球細胞の濃度)、または血中の他の化学物質の濃度における変化が、血液試料の信号発生に影響を与えうる。血液試料の温度の変化もまた、血液化学物質を測定することにおける交絡変数の他の例である。
【0009】
したがって、システムおよび方法は、温度、ヘマトクリット、および血中の他の化学物質の濃度の変化を含む交絡変数が存在する場合でも血中グルコースを正確に測定することに必要である。とりわけ、キャピラリー充填装置内で、試料による測定電極の適切な被覆率を確かにするために、システムおよび方法がまた必要である。同様に、流体中の検体を正確に測定するシステムおよび方法が必要である。このようなシステムおよび方法を提供することが、本発明の目的である。
【発明の開示】
【0010】
本発明の1つの形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップ中の用量充足性を決定する方法が開示されており、取り込み開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸長している、キャピラリー充填チャンバー、開口部と末端間のキャピラリー充填チャンバー中に配置される試薬、測定ゾーンを定義している試薬、およびそのあいだのギャップを定義し、キャピラリー充填チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極、前記測定ゾーンと末端間に局在する電極を含む生物学的試験ストリップを提供すること、生物学的流体を開口部に適用し、これによって流体が開口部から末端に流れ、前記フローが凹面、凸面および実質的に平面の流頭の1つから選択された流頭を含み、試験信号を第一の電極の1つに印加すること、第二の電極の1つにおいて所定の閾値よりも大きい応答が存在するかしないかを決定し、前記応答が、流頭が凹面、凸面または実質的に平面のいずれであるかにかかわらず、流体が実質的に測定ゾーンの全てを占領したことを示すことを含む。
【0011】
本発明の他の形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップ中の用量充足性を決定する方法が開示されており、流体フロー取り込み開口部、流体フロー末端、開口部と末端のあいだの試験ストリップ上に配置される試薬であり、前記試薬が測定ゾーンを定義し、そのあいだのギャップを定義し、測定ゾーンと末端のあいだに局在する少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供すること、生物学的流体を開口部に付着し、これによって流体が開口部から末端に流れ、前記フローが凹面、凸面、および実質的に平面な流頭の1つから選択された流頭を含み、試験信号を、第1の電極の1つに印加すること、第2の電極の1つにおいて、所定の閾値より大きい応答が存在するかしないかを決定し、前記応答が、流頭が凹面、凸面または実質的に平面であるかどうかにかかわらず、流体が、実質的に測定ゾーンの全てを占領することを示すことを含む。
【0012】
本発明の他の形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップ中の用量充足性を決定する方法が開示されており、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの測定電極、チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供すること、前記試験ストリップに、生物学的流体を適用すること、AC成分を持つ用量充足試験信号を用量充足電極に印加すること、および他の用量充足電極において、用量充足試験信号に対する応答を測定することを含む。
【0013】
本発明の他の形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップ中の充填充足性を決定する方法が開示されており、取り込み開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びているキャピラリー充填チャンバー、開口部と末端の中間に位置決めされたチャンバー内の測定ゾーン、チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含み、該電極は測定ゾーンと末端との中間に位置決めされる生物学的流体試験ストリップを提供すること、流体が末端に向かって流れるように、開口部に生物学的流体を導入することでチャンバーが充填され、AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および生物学的流体の充分な充填を示唆するのに影響的な他の用量充足電極における試験信号に対する応答、または応答が存在しないことを検出することを含む。
【0014】
本発明の他の形態において、生物学的流体において測定を実施するための試験ストリップの容量充填レベルを決定する方法が開示されており、開口部から末端へ、試験ストリップに沿った長さに伸長しているキャピラリー充填チャンバー、およびチャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含み、該用量充足電極は互いのあいだのギャップを定義するために位置決めされる生物学的流体試験ストリップを提供すること、生物学的流体が有効的にチャンバーを充填し始めるように生物学的流体を試験ストリップに投与すること、AC成分を持っている試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、他の用量充足電極において信号に対する応答を測定すること、応答に基づいて容量充填レベルを決定することを含む。
【0015】
本発明の他の形態において、生物学的流体において測定を実施するための、試験ストリップ中の、容量充填レベルを決定する方法が開示されており、開口部から末端へ試験ストリップに沿った長さに伸長しているキャピラリー充填チャンバー、およびチャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含み、該用量充足電極が互いのあいだのギャップを定義するために位置決めされる生物学的流体試験ストリップを提供すること、末端へ流体が流れるように影響的に、開口部へ生物学的流体を導入し、これによってチャンバーを充填すること、AC成分を持っている試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および他の用量充足電極において信号に対する応答を測定すること、応答に基づいて生物学的流体の充填レベルを決定することを含み、前記応答が、充填レベルに関連して変化する。
【0016】
本発明の他の形態において、生物学的流体における用量充填速度を決定する方法が開示されており、開口部から末端へ試験ストリップに沿った長さに伸長しているキャピラリー充填チャンバー、およびチャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極であり、用量充足電極は互いのあいだのギャップを定義するように位置決めされた生物学的流体試験ストリップを提供すること、前記生物学的流体が、流体が充填を開始するために影響的な、生物学的流体を試験ストリップに投与すること、AC成分を持っている試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、第1の時間に他の用量充足電極において、信号に対する第一応答を測定すること、第2の時間に該他の用量充足電極において、信号に対する第二応答を測定すること、および少なくとも部分的に、第一応答および第二応答に基づいて、生物学的流体がチャンバーを充填する速度を決定することを含む。
【0017】
本発明の他の形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップが開示されており、開口部から末端への試験ストリップに沿った長さに伸長しているキャピラリー充填チャンバー、前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの測定電極、および前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含み、前記用量充足電極が、本質的に、前記キャピラリーチャンバーの長さと平行である第一エッジと、前記キャピラリー充填チャンバーの長さに対して本質的に垂直である第二エッジを持ち、第1エッジが第2エッジよりも長い。
【0018】
本発明の他の形態において、生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップが開示されており、開口部から末端への試験ストリップに沿った長さで伸長しているキャピラリー充填チャンバー、前記開口部と前記末端の中間に位置決めされたチャンバー内の測定ゾーン、前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含み、該電極は前記測定ゾーンと前記末端の中間に位置決めされ、前記用量充足電極が、前記キャピラリーチャンバーの長さと本質的に平行である第1軸と、キャピラリー充填チャンバーに対して本質的に垂直である第2軸を持ち、第2軸が第1軸よりも長い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、付随する図面に関して、例示の方法のみにて、さらに記述されうる。
【0020】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、図面中で例示した実施様態を参照し、特定の言語を、実施様態を記述するために使用する。それにもかかわらず、本発明の範囲の制限を意図していないことが理解される。例示した装置における変化および改変、さらに、通常、本発明が関連する技術分野の当業者に明らかであるように、本明細書で例示したような本発明の原理の応用が意図され、保護されることが望まれる。とりわけ、本発明は、血中グルコースメーターに関して考察しているが、本発明が他の検体および他の試料型を測定するための装置とともに使用可能であることが意図される。このような他の実施様態は、当業者に明白な本明細書で考察した実施様態に対する特定の適合を必要とする。
【0021】
表題「電気化学的バイオセンサーに関する装置および方法」(2003年6月20日に出願された、第60/480,243号)および「検体センサーに関する装置および方法(DEVICES AND METHODS RELATING TO ANALYTE SENSOR)」(2003年6月20日に出願された、第60/480,397号)の米国仮出願明細書の全開示が、その全てが、本明細書で参考文献によって組み込まれている。
【0022】
本発明にしたがったシステムおよび方法によって、流体中の検体の正確な測定が可能になる。とりわけ、検体の測定は、さもなければエラーを引き起こしうる、干渉物が存在するにもかかわらず、正確さを維持する。たとえば、本発明にしたがった、血中グルコースメーターは、温度および試料のヘマトクリットレベルの変化によって典型的に引き起こされるエラーなしに、血中グルコースの濃度を測定する。血中グルコースの正確な測定は、失明の予防、循環の欠損、および糖尿病における、血中グルコースの不適切な調節の他の合併症に対して有用である。本発明にしたがったシステムおよび方法のさらなる利点は、測定がきわめて迅速で、より小さな試料容量で可能であり、血中グルコースを測定することが、糖尿病患者にとってより便利になることである。同様に、血液、尿または他の生物学的流体中の他の検体の正確で迅速な測定によって診断が改善され、広範囲な病状の治療が提供される。
【0023】
電気化学的血液グルコースメーターが典型的に(しかしいつもではなく)、試薬の存在下で、血液試料の電気化学的応答を測定することが理解される。試薬が、グルコースと反応して、通常は血中に存在しない電荷キャリアーを産出する。したがって、所与の信号の存在下で、血液の電気化学的応答が主として血中グルコースの濃度に依存することが意図される。しかしながら、第二に、所与の信号に対する血液の電気化学的応答は、ヘマトクリットおよび温度を含む、他の因子に依存する。たとえば、血中グルコースの測定におけるヘマトクリットの交絡影響を考察し、その全てが参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第5,243,516号、米国特許第5,288,636号、米国特許第5,352,351号、米国特許第5,385,846号、および米国特許第5,508,171号を参照のこと。さらに、たとえば、尿酸、ビリルビンおよび酸素を含む特定の他の化学物質が、血液試料を介した電荷キャリアーの伝達に影響を与える可能性があり、これによって、グルコースの測定におけるエラーを引き起こす。
【0024】
本発明にしたがった血中グルコースを測定するための好ましい実施様態のシステムおよび方法が、一般的に、血液試料の(そこからアドミタンスおよび位相角度が誘導される)インピーダンスに対する種々の因子の寄与の信号依存性を用いることによって動作する。種々の因子の、血液試料のインピーダンスに対する寄与が適用された信号の関数であるため、交絡因子(すなわち、測定が求められる因子以外)の影響は、多数の信号に対する血液試料のインピーダンスを測定することによって実質的に減少可能である。とりわけ、交絡因子(主に温度およびヘマトクリットしかしながら酸素などの化学干渉物も含む)の影響が、主として試料の抵抗率に寄与し、一方で、グルコース依存反応は、主として電気容量に寄与する。したがって、交絡因子の影響は、単独で、またはDC励起との組み合わせのいずれかでAC励起に対する血液試料のインピーダンスを測定することによって除去可能である。ついで、AC信号のインピーダンス(またはインピーダンス由来のアドミタンスおよび位相情報)を干渉物の影響に対して、DC信号またはAC由来電気容量を訂正するために使用する。
【0025】
十分に高いAC周波数での測定は、試料のインピーダンスの電気容量成分に対して比較的感度が良くないが、一方で(DCを含む)低い周波数測定が、試料のインピーダンスの抵抗性および電気容量コンパートメント両方に対して(周波数が減少するのにともなって)増加的に感度がよい。インピーダンスの抵抗性および電気容量成分は、より大きな数の周波数でインピーダンスを測定することによって、より単離可能である。しかしながら、測定の数が増加し、生成される必要がある周波数が増加するにつれて、メーターのコストおよび複雑性が増加する。したがって、本好ましい実施様態において、インピーダンスを10以上の周波数で測定される、好ましくは2〜10のあいだの周波数、もっとも好ましくは、2〜5のあいだ周波数で測定される。
【0026】
本明細書で使用するところの、語句「AC成分を持つ信号」は、交流電位(電圧)部分を持つ信号を意味する。たとえば、信号は、100%の交流電位(電圧)を持ち、DC部分を持たない「AC信号」であってよく、信号は、時間によって分離されたACおよびDC部分を持って良く、または信号は、DCオフセットをともなうAC(ACおよびDC信号が重なる)であり得る。
【0027】
連続ACおよびDC信号での試料測定
図1は、一般的に100で示した、本発明にしたがったシステムおよび方法での使用に好適な、好ましい実施様態の励起信号を例示しており、DC励起および4周波数のAC励起を使用する。図1はまた、励起が、適切な試薬と混合した全血の試料に印加された場合の励起に対する典型的な応答を例示しており、応答は一般的に102で示している。比較的高い周波数信号を、時間101で開始して印加する。好ましい実施様態において、周波数は約10kHzから約20kHzのあいだであり、振幅約12.4mVから約56.6mVを持つ。20kHzの周波数を、図1の例で使用している。当業者は、これらの値がセル形状および特定のセル化学のような、種々のパラメータに対して最適化されうることを理解する。
【0028】
時間110において、試験ストリップをメーター内に挿入し、グルコースメーター内への試験ストリップの挿入に対するいくつかの可能性のある応答を示している。試験ストリップは、励起信号100が開始する前(すなわち、時間101の前)に挿入して良いが、しかし、試験ストリップ自体を、ストリップの適合性のための制御として、有利に試験しうることが理解されうる。したがって、励起信号100が、試験ストリップ挿入前に開始されることが望ましい。たとえば、112にて示したように、試験ストリップを事前投与したためか、または環境湿度のいずれかのためにストリップが湿潤している場合、比較的大きな電流漏出が発生しうる。試験ストリップが事前投与され、ほぼまたは完全に乾燥した場合は、114で示したように中間電流漏出が発生しうる。116で示したように、試験電極間の電荷単体の不在が予期されるために、試験ストリップの挿入が、電流漏出を引き起こさないか、無視できる電流漏出を生じることが理想的である。所定の閾値レベルより上の測定された電流漏出が、好ましくはエラーメッセージを表示し、試験の継続を防ぎうる。
【0029】
一旦好適な試験ストリップが挿入されたならば、使用者は、時間120にて示したように、ストリップを投与する。グルコースが試薬と反応し、コンタクト領域が最大まで増加するため、血液試料が電極を覆っているあいだに電極応答が迅速に増加する。応答電流が安定状態に達し、これはこの周波数での試料のインピーダンスを示唆する。一度この測定が実施され、試験メーターによって記録されたらば、好ましい実施様態において、時間130にて示したように、励起周波数が約10kHzまで減少する。他の測定を実施して、試験メーターによって記録し、好ましい実施様態において時間140にて示したように、周波数が約2kHzまで減少する。第三の測定を実施し、この周波数において試験メーターによって記録する。第四の測定を、好ましい実施様態において150にて示したように、約1kHzで行う。好ましい実施様態において、測定は、規則的な間隔(たとえば、サイクルあたり10点)で実施する。安定状態応答が、電流または電圧(好ましくは振幅および位相の両方)として測定され、インピーダンスおよび/またはアドミタンスがそこから計算可能である。本明細書および請求項は、AC応答をインピーダンスまたはアドミタンス(振幅および/または相)、抵抗、伝導率、電流または電荷として、およびDC応答を電流、電荷、抵抗または導電率として代替的に言及するが、当業者はこれらの指標が相互互換的であり、使用されている指標を明らかにするために、測定および訂正数学を調整することのみが必要であることを理解する。好ましい実施様態において、試験メーターが1つの電極に電圧を適用し、他の電極にて電流応答を測定して、ACおよびDC応答の両方を得る。
【0030】
特定の他の実施様態において、測定は、より少ないまたはより多くの周波数で実施される。好ましくは、測定を、少なくとも1のオーダーの振幅を離した、少なくとも2つのAC周波数で実施する。2つ以上のAC周波数を使用する場合、最高および最低の周波数を、少なくとも1オーダーの振幅をはなすことが好ましい。
【0031】
たとえば、正弦曲線、台形、三角形、四角形およびフィルター処理四角形を含む、種々の波形を、AC信号で使用して良いことが理解される。本好ましい実施様態において、AC信号は、正弦波長に近似するフィルター処理四角形波形を持つ。この波形は、四角形波発生器および1つまたはそれ以上のフィルターを用いて、真の正弦波形よりもより経済的に発生可能である。
【0032】
一度全ての4つのAC測定を実施したならば、160で示したように、信号が、好ましくは短時間にゼロ振幅まで減少する。その後、170で示したように、DC励起を始める。DC励起の振幅は、得られる応答または応答堅牢性を最大にするために、有利には使用されている試薬に基づいて選択される。たとえば、フェリシアニドが2電流測定システム中で使用されている場合、DC振幅は好ましくは約300mVである。他の例では、ニトロソアニリン誘導体が、が2電流測定システム中で使用されている場合、DC振幅は好ましくは約500〜550mVである。あるいは、第三参照電極を使用する場合、DC振幅は、フェリシアニドに対して好ましくは600mV(対銀/塩化銀参照電極)であり、ニトロソアニリン誘導体に関して、40〜100mV(対銀/塩化銀参照電極)である。DC励起のあいだ、測定は好ましくは100pts/秒の速度にて実施される。反応が、作用電極の隣の未応答グルコースの拡散によって制限されるため、電流応答が(Cottrell曲線として知られる)減衰曲線にしたがう。(測定または予測された)得られる安定状態振幅が、本技術分野で公知のように、試料のグルコース予測を決定するために使用される。ついで、本明細書以下でより詳細に説明するように、干渉物の影響を訂正するために、AC信号に対する試料のインピーダンスを使用することによって、血中のグルコース濃度により密接に対応するように、訂正予測が決定される。
【0033】
本発明にしたがった方法はまた、他の流体中および他の検体の濃度を測定するために使用して良いことが理解される。たとえば、本発明にしたがった方法を、尿、唾液、髄液などの、医学的に有用な検体の濃度を測定するために使用して良い。同様に、試薬の適切な選択によって、本発明にしたがった方法はたとえば、乳酸、ヒドロキシブチル酸などの濃度を測定するために適用してよい。
【0034】
ACおよびDC信号の同時印加による試料測定
少なくともいくつかの、印加したDCおよびAC成分はまた、同時に印加可能であることが理解されるであろう。図2は、相当する事象が図1に相当して番号付けして示している(たとえば、信号200は時間201で開始され、ストリップが時間210で挿入されるなど)、一般的に200で示した、ACおよびDC成分のいくつかを同時に適用する、本発明にしたがったシステムおよび方法での使用に好適な励起信号を例示している。信号100でのように、信号200は、約10〜20kHzの周波数と、約12.4〜56.6mVの振幅を持つ。しかしながら、時間220で、示したように、ストリップを投与した後、DCオフセットが270で示したように重なる。典型的なACおよびDC応答が図2に示されている。ACおよびDC応答を同時に測定し、数学的に解析し、インピーダンス(アドミタンス振幅および位相)、および電流測定または電量分析応答を決定するために使用する。
【0035】
本発明にしたがった血中グルコースを測定するためのシステムは、有利に、ロッシュ ディアグノスティクス社から市販されているような、そしてその全てが本明細書に組み込まれている、米国特許第6,270,637号および第5,989,917号で記述したような、先行技術システムにて使用されるものと一般的に同様な血液グルコース計および試験ストリップを使用する。これらの試験ストリップは、その中に試験のために血液試料を受領する試料セル、およびそれを通して励起信号が提供され、測定が実施される試料セル内に配置された電極を持つ装置を提供する。当業者は、これらの試験ストリップおよびメーターが、血中のグルコースの測定のために有利に使用されるが、本発明を実施する場合に、他の装置が他の検体または他の生物学的流体の測定のために、より好適であり得ることを理解するであろう。
【0036】
好適なグルコースメーターは、本明細書以上で記述したもののような、ACおよびDC成分を持つ信号を発生し、測定する電気回路の付加によって、そして、より詳細に本明細書以下で記述しているように、AC測定を用いて、DC測定を訂正するようにプログラムすることによって、そのような公知のメーターから適用しうる。試験ストリップの特定の形状および化学的性質によって、グルコースの濃度、ヘマトクリットおよび温度と、試料のインピーダンスあいだの関係に変化をもたらすことが理解されるであろう。したがって、試験ストリップ形状および化学的性質の所与の組み合わせが較正されなければならず、メーターが相当するアルゴリズムでプログラムされる。本発明は、任意の順番および組み合わせでの、励起信号の印加を含む。たとえば、本発明は、いくつかの可能性のある順番を意味するだけにて、1)ACのみ、2)ACついでDC、3)ACついでDCついでAC、4)DCついでACおよび5)DCオフセットにてACの印加を含む。
【0037】
DC測定における干渉物の影響を訂正するための、複合ACインピーダンス測定データの使用が、有利に以下の一連の実施例によって例示されている。これらの実施例は、どのように、本発明の原理が試験標本中の検体の濃度を測定する場合に、精度および試験速度の改善を促進可能にするかを例示している。以下の実施例は、血中グルコース決定における、ヘマトクリットおよび温度の干渉影響を訂正することに対応しているが、当業者は、本発明の教示が、血中グルコース測定および他の検体の測定両方における、他の干渉物の影響を訂正するために、等しく有用であることを認識するであろう。さらに、本明細書および請求項は、「ヘマトクリット値を決定する」および「温度を決定する」などの工程について言及する。ヘマトクリット値を一例として使用するために、そのような記述は実際のヘマトクリット値を決定することだけではなく、ヘマトクリット訂正因子対いくつかの名目点も含むことを意図している。言い換えれば、この工程は試料のヘマトクリット値と等しい数に実際に到着することはないが、かわりに、試料のヘマトクリットが、特定の量だけ名目値から異なることを決定する。両コンセプトは、「ヘマトクリット値を決定する」などの記述によって保護されることが意図される。
【0038】
実施例1:DCのみでの測定用量応答研究
実施例1にて行われた測定を、図3A〜Bにて例示された試験ストリップを用いて実施し、一般的に300と示した。試験ストリップ300は、参考文献にて本明細書にて組み込まれている、米国特許第5,997,817号で記述されたような、比較的厚いフィルム試薬と、作用電極および対極を含むキャピラリー充填空間を含む。試験ストリップ300は、商標コンフォートカーブ(登録商標)下で、ロッシュ ディアグノスティクス コーポレーション(インディアナ州、インディアナポリス)より市販されている。使用されたフェリシアニド試薬は、表IおよびIIで記述した組成物を持つ。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
測定において、血液試料を試験ストリップ300に付着し、図4にて例示した励起電位を電極に印加した。励起は、試料適用後0秒から約4.5秒のあいだに印加された2kHz、40mVrms(56.56mVピーク)AC信号と、続いてその後に印加された300mVのDC信号が含まれた。しかしながら、この実施例の計算のためにはDC測定データのみを解析した。
【0042】
最短の必要なDC励起時間を決定するために、「用量応答」研究を実施し、グリコール化(グルコース著減)血液を別々のアリコートに分け、制御したレベルのグルコースを加えて、血液試料中の5つの異なる既知のレベルを得た。2つのパラメータが変化する際の、得られたDC電流プロファイルをついで試験した。第一パラメータは、インキュベーション時間か、または試験ストリップ300に付着された試料の検出と、試験ストリップ300へのDC電位の印加間の時間であった。変化する第二パラメータは、読み取り時間、またはDC電位の印加後および得られる電流の測定間の期間であった。試験ストリップへ付着されている血液試料の検出から濃度決定計算で使用された最後の測定にかかる時間のあいだの時間の長さが、総試験時間である。したがって、この研究にて、インキュベーション時間と読み取り時間の合計が総試験時間である。この研究の結果を図5および6で例示している。
【0043】
図5にて、DC応答を、インキュベーション時間なしに測定した(読み取り時間=総試験時間)。図5は、相関係数r2対読み取り時間をプロットしている。見られるように、相関は、1.0秒以内で0.95を越える。図6にて、DC応答を、インキュベーション時間を変化させて測定した。インキュベーション時間を提供した時(インキュベーション時間が、2秒と短い場合であっても)、r2値は、DC電位の印加後0.5秒またはそれ以下で、0.99を越えるまで上昇する。
【0044】
しかしながら、市販グルコース試験装置におけるこのような迅速な試験時間の実施に対する障壁として、血液試料から、試料中の血液細胞の存在による干渉障害のレベルの血液試料までの変化がある。ヘマトクリット(セル対血漿からなる血液試料の量の割合)は、個体間で変化する。そのような測定におけるヘマトクリットの干渉影響は相当複雑である。しかしながら、実施例1の試験において、すべての試料が、同様のレベルのヘマトクリットを含んだ。異なるグルコースレベルでの、可変のヘマトクリット干渉はないため、ヘマトクリット項は相関図中では相殺される。
【0045】
実施例2:キャピラリー血液試料の組み合わせACおよびDC測定
実施例2で行った測定をまた、図3A〜Bで例示し、300にて一般的に示した試験ストリップを用いて実施した。以上で記述したように、試験ストリップ300は、参考文献にて本明細書に組み込まれている米国特許第5,997,817号にて記述されたような、比較的厚いフィルム試薬および作用電極ならびに対極を含むキャピラリー充填空間を含む。
【0046】
測定において、種々のフィンガースティックドナーからのキャピラリー血液試料を試験ストリップ300に付着し、図4で例示した励起電位を、電極に印加した。励起は、試料付着後0秒から約4.5秒の間印加した2kHz、40mVrmsのAC信号、続いてその後に印加した300mVのDC信号を包含した。
【0047】
本実施例2にて、試料のAC応答はアドミタンスとして求められた。(インピーダンスの逆数)。アドミタンス応答は、温度依存様式にて、試料のヘマトクリットレベルに比例する。アドミタンス、ヘマトクリットおよび試験温度間の関係を図7にて示している。図7でチャートしたアドミタンスのために使用したデータは、図4にて例示した励起のAC部位のあいだに、それぞれの試料に対して実施した最後のアドミタンス測定である。
【0048】
このデータの回帰分析によって、アドミタンス、ヘマトクリットおよび温度を、以下の式にしたがって関連可能である。
est=c0+c12kHz+c2dT (式1)
血液ヘマトクリットを予測するためにこの関係を用いることは、メーター中の温度センサーによって報告された試験温度データと、測定されたアドミタンスを用いて実施される。式1において、c0、c1およびc2は定数であり、dTは「名目」として定義される中心(たとえば24℃)からの温度の偏差であり、Hestは、同様に「名目」値からのヘマトクリットの予想偏差である。本目的のために、実際のヘマトクリット値は必要なく、一般的に名目ヘマトクリットに比例するが、しかし集中する応答を産出することが好ましい。したがって、70%のヘマトクリットに対して、42%の名目値からの偏差は28%であり、一方反対に20%のヘマトクリットに関しては、同様の名目値からの偏差は−22%である。
【0049】
式1を用いるヘマトクリットレベルを予測するために、ACアドミタンス測定を用いることによって、DCグルコース応答の精度は、次のようにDC応答中のヘマトクリット干渉物に対して訂正するために、予測ヘマトクリット、温度とDC応答を組み合わせることによって著しく改善可能である。
PRED=(a0+hct1est+hct2est2+tau1dT+tau2dT2)+(a1DC)(1+hct3est+hct4est2)(1+tau3dT+tau4dT2) (式2)
式中DCは、印加したDC信号に対する測定したグルコース電流応答であり、PREDはヘマトクリットおよび温度の影響に対して訂正された補正した(予測した)グルコース応答である。式2中の定数(a0、hct1、hct2、tau1、tau2、a1、hct3、hct4、tau3およびtau4)は、本技術分野で公知のように回帰分析を用いて決定可能である。
【0050】
図8は、温度が変化する際のキャピラリー血液試料の全ての未補正の5.5秒のDCグルコース応答を例示している(AC測定データは無視する)。理解されるように、温度およびヘマトクリットが変化するにつれ、DC電流応答における大きな変化が存在する。図9は、試料の実際の血液グルコースレベル対予測応答間の相関関係を、式2を用いて例示している。見ることが出来るように、DC応答を、AC応答データを用いてヘマトクリットレベルに対して補正した場合、0.9404〜0.9605のr2値が5.5秒の総試験時間で達成される。
【0051】
実施例3:血中グルコースレベルおよびヘマトクリットを推測するための、AC位相角度の利用
実施例3で実施した測定をまた、図3A〜Bにて例示し、300にて一般的に示した試験ストリップを用いて達成した。以上で記述したように、試験ストリップ300は、参考文献にて本明細書に組み込まれている米国特許第5,997,817号にて記述されたような、比較的厚いフィルム試薬および作用電極ならびに対極を含むキャピラリー充填空間を含む。キャピラリー血液試料からのヘマトクリットレベルが、典型的には30%〜50%のあいだのみで変化するため、20%〜70%の範囲のヘマトクリットを持つスパイク静脈血試料を本実施例3で使用した。5つのレベルのグルコース、温度(14,21、27、36および42℃)およびヘマトクリット(20、30,45、60および70%)は独立して変化し、125の試料での共分散研究が実現される。
【0052】
測定において、血液試料を試験ストリップ300に付着し、図10にて例示した励起電位を電極に印加した。励起は、約4.1秒間の2kHzのAC信号、約0.1秒間の1kHzのAC信号、および約0.1秒間の200Hz信号を含んだ。すべての3つのAC信号は、56.56mVピークの振幅を持った。DC励起は本実施例では使用しなかった。総試験時間は試料適用時より4.3秒であった。
【0053】
AC応答の他の成分、位相角度(とりわけ、本実施例3において、200Hzのような低い周波数での)がまた、本試験ストリップおよび試薬の場合において、試料グルコースレベルの関数である。この関係が、図11で説明されており、そこでは、3つの試験周波数のそれぞれに対するAC位相角度を、参照グルコースレベルに対してプロットしている。3つの周波数のそれぞれに対する回帰分析によって、2kHzにて0.9114、1kHzにて0.9354、および200Hzにて0.9635のAC位相角度対参照グルコースレベルのr2相関値が産出される。したがって、本発明は、グルコースレベルを測定するために、AC位相角度の使用を含む。測定位相角度を産出するAC励起周波数は、好ましくは2kHzまたはそれ以下、より好ましくは1kHzまたはそれ以下、もっとも好ましくは、200Hzまたはそれ以下であるが、DC励起は含まない。
【0054】
200Hzの位相角度応答と血中グルコースレベル間の線形化された関係は、次の通りである。
eff=(Φ200Hz/Γ) (式3)
式中、Peffは有効相であり、グルコースに比例し、語句Γおよびγは定数であり、Φは、測定AC位相角度である。
【0055】
以上の実施例1にて使用したように、温度およびヘマトクリットに対して補正するために同様のアプローチを用いて(式1および2を参照のこと)、次の予測アルゴリズムが産出された。
PRED=(a0+hct1est+hct2est2+tau1dT+tau2dT2)+(a1eff)(1+hct3est+hct4est2)(1+tau3dT+tau4dT2) (式4)
(それぞれ8つの試験ストリップで試験した)125の血液試料に対する得られた補正(予測)応答PRED対グルコースを図12で示している。全ての温度および全てのヘマトクリットが混合されたPRED応答対既知のグルコースレベルのr2相関は、0.9870である。本実施例3は、血中グルコース測定の精度を減少させる干渉物に対する補正のためのAC測定の値を再び示している。既存の市販されているセンサーを用いて、本発明は、4.3秒の総試験時間で0.9870の総r2を産出した。
【0056】
AC位相角度測定が、温度変化の影響に対してほとんど影響しないヘマトクリットレベル測定を産出可能であることも決定された。125の試料(5つのグルコース濃度、5つのヘマトクリット濃度および5つの温度)の他の共変研究において、それぞれの試料を20kHz、10kHz、2kHz、1kHzおよびDCの励起プロファイルを用いて試験した。種々の周波数でのAC位相角度が、4つのAC周波数それぞれにおいて、次の式の係数を決定するために、直線回帰を用いてグルコース、ヘマトクリットおよび温度に関連した。
Phase=c0+c1Glu+c2HCT+c3Temp (式5)
式中Gluは既知のグルコース濃度であり、HCTは公知のヘマトクリット濃度であり、Tempは公知の温度である。
【0057】
決定された係数によって、温度係数(c3)が、20kHzおよび10kHzにおいて本質的にゼロであり、これらの周波数にて式から温度を削除することが明らかになった。さらに、グルコース係数(c1)は、本明細書以上で説明したように、より高い周波数でのACインピーダンス測定が、グルコースレベルによって大きく影響されず、したがって干渉物質のレベルを測定するために有用であるため、AC周波数の全てで本質的にゼロである。したがって、ヘマトクリットレベルが、温度およびグルコースレベルに非依存性でAC位相角度測定のみを用いて決定可能であることがわかった。好ましい実施様態において、ヘマトクリットは、全ての4つの測定された周波数からの位相角度データを用いて測定しうる。
est=c0+c1Φ20kHz+c2Φ10kHz+c3Φ2kHz+c4Φ1kHz (式6)
当業者は、係数が、任意の特定の試験ストリップ構造および試薬化学性に対して、経験的に決定可能であることを認識するであろう。本発明はしたがって、好ましくは少なくとも1つのAC周波数にて実施された、さらに好ましくは少なくとも2つのAC周波数にて実施された、そしてもっとも好ましくは、少なくとも4つのAC周波数にて実施された、AC位相角度測定のみを用いて、ヘマトクリットを予測するために使用しうる。
【0058】
実施例4:ニトロソアニリン試薬を用いた組み合わせACおよびDC測定
実施例4で実施した測定がまた、図3A〜Bで例示し、300にて一般的に示唆した、試験ストリップを用いて達成した。以上で記述したように、試験ストリップ300は、参考文献にて本明細書に組み込まれている、米国特許第5,997,817号にて記述されたような、比較的厚いフィルム試薬および作用電極ならびに対極を含む、キャピラリー充填空間を含む。試験ストリップを、米国特許第5,997,817号で記述されたものから、しかし異なる試薬を用いることによって改変した。使用したニトロソアニリン試薬が、表IIIおよびIVで記述した組成物を持つ。
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
本実施例4のための、グルコースバイオセンサーの製造のための方法は、試薬の製造を除いて、全ての観点において米国特許第5,997,817号にて開示されたものと同一である。好ましい実施様態のニトロソアニリン試薬の調製のためのプロトコルは次の通りである。
【0062】
工程1:43.5gの脱イオン水に、1.54gのリン酸水素2カリウム(無水物)を加えることによって、緩衝液溶液を調製する。リン酸カリウムが溶解するまで混合する。
【0063】
工程2:工程1からの溶液に、1.14gのリン酸2水素カリウムを加え、溶解するまで混合する。
【0064】
工程3:工程2からの溶液に、0.59gのコハク酸二ナトリウム(六水和物)を加え、溶解するまで混合する。
【0065】
工程4:工程3からの溶液のpHが、6.7+/−0.1であることを確認する。調製は必要であるべきでない。
【0066】
工程5:工程4からの溶液の5gのアリコートを調整し、これに113キロユニット(DCIPアッセイによる)の、キノプロテイングルコースデヒドロゲナーゼ(EC#:1.1.99.17)のアポ酵素を加える。これは約0.1646gである。タンパク質が溶解するまで、ゆっくりと混合する。
【0067】
工程6:工程5からの溶液に、4.2ミリグラムのPQQを加え、少なくとも2時間混合して、PQQおよびアポ酵素を機能的酵素を提供するために再結合させる。
【0068】
工程7:工程4からの溶液に、0.66gのメディエーター前駆体、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)−3−メトキシ−4−ニトロソアニリン(塩酸塩)(BM31.1144)を加える。溶解するまで混合する(この溶液は、緑黒色である)。
【0069】
工程8:工程7からの溶液のpHを測定し、このpHを7.0+/−0.1の標的まで調整する。通常、これは1.197gの5N水酸化カリウムで達成される。水酸化カリウムの特定の量は、所望のpHに達するまでに必要なように変化するため、一般的に1.197gからの質量の偏差はこの工程でまた加えられる3.309gの脱イオン水のアリコートより作製される。
【0070】
工程9:ローター刃が暴露されず、溶液があふれ出ないように、十分な深さの容器中で、約600rpmの速度で、(ロータリーミキサーおよび刃インペラーを用いて)混合する、44.57gの脱イオン水の上に0.047gをゆっくりと散布することによって、Natrosol 250Mの溶液を調製する(アクアロン社より入手可能)。Natrosolが完全に溶解するまで混合する。
【0071】
工程10:工程9からの溶液の表面上に、0.54gをゆっくりと散布し、先に進む前に、少なくとも60分間、約600rpmの速度にて混合することによって、Avicel RC−591Fの懸濁液を調製する(FMS社から入手可能)。
【0072】
工程11:工程10からの懸濁液に、混合しながら0.81gの300kDa平均分子量の酸化ポリエチレンを徐々に加え、先に進む前少なくとも60分間混合を続ける。
【0073】
工程12:撹拌しながら工程8からの溶液に、工程11からの懸濁液に徐々に加える。混合速度を400rpmに減少する。
【0074】
工程13:工程12からの試薬に1.89gのトレハロースを加え、少なくとも15分間混合を続ける。
【0075】
工程14:工程13からの試薬に、32.7mgのTriton X−100(ロッシュ ディアグノスティクス社から入手可能)を加え、混合を続ける。
【0076】
工程15:工程14からの試薬に、工程6からの酵素溶液を加える。少なくとも30分間混合する。この工程で薬が完成する。室温にて、湿試薬質量は24時間の使用に適合可能であると考えられる。
【0077】
スパイク静脈血液試料を使用した。5つのグルコースレベル、4つの温度(19、23、32および38℃)および5つのヘマトクリットレベル(20、30、45、60および70%)が独立して変化し、100の試料での共分散研究を産出する。16の試験ストリップ300を、各々固有のグルコース、温度およびヘマトクリットの組み合わせに対して試験した。血液試料を試験ストリップ300に付着し、図13で例示した励起電位を電極に印加した。励起は、約4.0秒間の3.2kHzのAC信号、約0.1秒間の2.13kHzのAC信号、約0.1秒間の1.07kHzのAC信号、約0.1秒間の200kHzのAC信号、約0.1秒間の25HzのAC信号、続いて、約1.0秒間の550mVのDC信号を含んだ。全ての4つのAC信号は、56.56mVピークの振幅を持った。総試験時間は試料適用時点から、5.5秒であった。
【0078】
本実施例4にて、試料のAC応答はアドミタンス(インピーダンスの逆数)として導き出された。アドミタンス応答は、温度依存様式にて試料のヘマトクリットレベルに比例する。アドミタンス、ヘマトクリットおよび試験温度間の関係は、図14にて例示している。実施例2の試験ストリップ構造と比較されるように、グルコースに対する温度およびヘマトクリット影響の直交性は本実施例4においてあまり強くなく、したがって外積項(T×HCT)を、図14で使用した、アドミタンス回帰式に加えた。図14でチャートしたアドミタンスのために使用したデータは、図13で例示した励起の3.2kHzのAC部位のあいだに各試料に関して実施された最後のアドミタンス測定である。
【0079】
本データの回帰分析によって、アドミタンス、ヘマトクリットおよび温度が、次の式にしたがって関係する。
est=(Y3.2kHz+c0+c1dT)/(c2dT+c3) (式7)
3.2kHzにて実施されたアドミタンス測定が、本試験システムに対するヘマトクリットともっともよく相関した。血液ヘマトクリットを予測するためにこの関係を利用することは、メーター中の温度センサーおよび測定されたアドミタンスによって報告された試験温度データを用いて達成される。式7にて、c0、c1、c2およびc3は定数であり、dTは、「名目」として定義された中心(たとえば、24℃)からの温度の偏差であり、Hestは、同様の「名目」値からのヘマトクリットの予測される偏差である。本目的のために、実際のヘマトクリット値は必要なく、一般的に名目ヘマトクリットに比例するが、しかし集中する応答を産出させることが好ましい。したがって、70%のヘマトクリットに対して、42%の名目値からの偏差は、28%であり、一方反対に20%ヘマトクリットに関しては、同様の名目値からの偏差は−22%である。
【0080】
式7を用いて、ACアドミタンス測定を用いることによりヘマトクリットレベルを予測するために、DCグルコース応答の精度は、(上記式2と同様に)次のように、DC応答中のヘマトクリット干渉物に関して訂正するために、予測ヘマトクリット、温度とDC応答を組み合わせることによって、著しく改善可能である。
PRED=(a0+hct1est+hct2est2+tau1dT+tau2dT2)+(a1DC)(1+hct3est+hct4est2)(1+tau3dT+tau4dT2) (式8)
式8中の定数は、本技術分野で公知のように、回帰分析を用いて決定可能である。
【0081】
図15は、ヘマトクリットおよび温度が変化する際の、全ての血液試料の未補正の5.5秒のDCグルコース応答を例示している(AC測定データを無視している)。理解されるように、温度およびヘマトクリットが変化するにつれて、DC電流応答において大きな変化が存在する。図16は、式8を用いて、試料の実際の血液グルコースレベル対予測応答間の相関関係を例示している。見られるように、DC応答がAC応答データを用いてヘマトクリットレベルに対して補正された場合、0.9818のr2値が5.5秒の総試験時間で達成される。このことは、実施例1〜3で使用された時とは異なる試薬類によって、高い精度と迅速な試験時間を達成することにおいて、本発明の適用可能性を示している。
【0082】
実施例5:0.397μl試料を用いる組み合わせACおよびDC測定
本発明の測定方法は、同様に他の試験ストリップ設計にて有用であることがわかった。実施例5は、図17A〜Bで例示した試験ストリップ設計を用いて実施され、1700にて一般的に示した。図17Aに関して、試験ストリップ1700は、(たとえば、スパッタリングまたは蒸着によって)50nmの伝導性(金)層にてコートされた、(好ましい実施様態において、デュポン社より入手可能なMelinex 329である)350μm厚のポリエステルの不透明部分より形成された底箔層1702を含む。ついで、電極および接続トレースを、示したように、作用電極、対極および用量充足電極(本明細書以下でより詳細に記述される)を形成するために、レーザー切断工程によって伝導層中でパターン化する。レーザー切断工程は、石英上クロムマスクを介して通る、エキシマーレーザーによって実施される。マスクパターンは、レーザー領域の部分を反射させる一方、領域の他の部分を通過可能にし、レーザー光によって接触する表面から押し出される金上のパターンを作製する。
【0083】
バイオセンサーのための電極の調製における、レーザー切断技術の使用例が、両方とも参考文献によって本明細書に組み込まれている開示物である、2001年5月25日に出願された米国特許明細書番号第09/866,030号、「連続カバーレイチャンネルを持つ、レーザー切断電極を含むバイオセンサー」、および1999年10月4日に出願された米国特許明細書番号第09/411,940号、「パターン化ラミネートおよび電極のためのレーザー規定特性」に記述されている。
【0084】
ついで、底箔層1702を、非常に薄い試薬フィルムの形態の試薬層1704で電極上に伸びている領域中でコートする。この手順により、図17上で、「試薬層」と標識された領域中、底箔1702を横切って約7.2ミリメーター幅のストライプを配置する。本実施例にて、本領域はコートされた表面面積の平方メートルあたり50グラムの湿被覆重量でコートされ、20μm以下の厚さの乾燥試薬が残る。試薬ストライプは、通常名目空気温度が110℃であるインライン乾燥システムによって乾燥される。処理の速度は、名目上30〜38メートル/分であり、試薬の流動学に依存する。
【0085】
材料は、底箔1702の場合、電極パターンがリールの長さに対して直角であるように、連続リール中で処理される。一度底箔1702が試薬によってコートされたならば、スペーサーが細長く切断され、底箔1702上へのオープンリール工程に配置される。背面および腹面表面両方上の25μmのPSA(疎水性接着剤)でコートされた、(好ましい実施様態にて、デュポン社から入手可能なMelinex329)100μmポリマーから形成された2つのスペーサー1706は、スペーサー1706が1.5mm分離され、作用電極、対極および用量充足電極をこのギャップ中で中心になるように、底箔層1702に適用される。(米国特許第5,997,817号で記述された工程を用いて)その腹面表面上を親水性フィルムでコートされた100μmポリエステルから形成された、最上箔層1708は、スペーサー1706上に配置される。好ましい実施様態において、親水性フィルムを、10ミクロンの名目厚で、VitelおよびRhodapex界面活性剤の混合物でコートする。最上箔層1708は、オープンリール工程を用いて積層される。ついでセンサーは、スリッティングおよび切断によって、材料の得られるリールから産出可能である。
【0086】
したがって、スペーサー1706中の1.5mmギャップが、底箔層1702と最上箔層1708間のキャピラリー充填空間を形成する。スペーサー1706上の疎水性接着剤は、試験試料がスペーサー1706下の試薬内に流れないように防止し、これによって試験チャンバー容量を定義する。試験ストリップ1700が、5mm幅であり、スペーサー1706と伝導層の組み合わせ高さは0.15mmであるので、試料受領チャンバー容量は、
5mm×1.5mm×0.15mm=1.125μl (式9)
である。
【0087】
図17Bで示したように、試料適用ポート1710と、用量充足電極からの距離は、1.765mmである。十分に作用電極、対極および用量充足電極をカバーするのに必要な試料の体積(すなわち、測定に必要な最小試料用量)は、
1.5mm×1.765mm×0.15mm=0.397μl (式10)
である。
【0088】
試験ストリップ1700に関する試薬組成物が、表VおよびVIで与えられる。
【0089】
【表5】

【0090】
【表6】

【0091】
好ましい実施様態のニトロソアニリン試薬の調製のためのプロトコルは次の通りである。
【0092】
工程1:31.394gの脱イオン水に、1.654gのリン酸水素2カリウム(三水和物)を加えることによって、緩衝液を調製する。リン酸カリウムが溶解するまで混合する。
【0093】
工程2:工程1からの溶液に、0.941gのリン酸2水素カリウムを加え、溶解するまで混合する。
【0094】
工程3:工程2からの溶液に、0.285gのコハク酸二ナトリウム(六水和物)を加え、溶解するまで混合する。
【0095】
工程4:工程3からの溶液のpHが、6.8+/−0.1であることを確認する。調製は必要であるべきでない。
【0096】
工程5:工程4からの溶液の4.68gのアリコートを調製し、これに、229キロユニット(DCIPアッセイによる)の、キノプロテイングルコースデヒドロゲナーゼ(EC#:1.1.99.17)のアポ酵素を加える。これは約0.3321gである。タンパク質が溶解するまで、ゆっくりと混合する。
【0097】
工程6:工程5からの溶液に9.3ミリグラムのPQQを加え、少なくとも2時間混合して、PQQおよびアポ酵素を、機能的酵素を提供するために再結合させる。
【0098】
工程7:0.772gのトレハロースを、1.218gの脱イオン水に溶解することによって溶液を調製する。
【0099】
工程8:酵素再結合の後、工程7からの溶液を、工程6からの溶液に加え、少なくとも30分間混合を続ける。
【0100】
工程9:工程4からの溶液に、0.690gのメディエーター前駆体BM31.1144を加える。溶解するまで混合する。(この溶液は、緑黒色である)。
【0101】
工程10:工程9からの溶液のpHを測定し、このpHを、7.0+/−0.1の標的まで適合させる。通常、これは、1.006gの5N水酸化カリウムで達成される。水酸化カリウムの特定の量は、所望のpHに達するまでに必要なように変化するため、一般的に1.006gからの質量の偏差は、この工程でまた加えられる3.767gの脱イオン水のアリコートより作製される。
【0102】
工程11:ローター刃が暴露されず、溶液があふれ出ないように、十分な深さの容器中で、約600rpmの速度で、(ロータリーミキサーおよび刃インペラーを用いて)混合する、56.191gの脱イオン水の上煮0.350gをゆっくりと散布することによって、Natrosol 250Mの溶液を調製する(アクアロン社より入手可能)。Natrosolが溶解するにつれ、混合速度を1.2〜1.4krpmの速度まで増加する必要がある。Natrosolが完全に溶解するまで混合する。得られるマトリックスが、きわめて粘性であり、これが予想されることに注意する。
【0103】
工程12:工程11からの溶液に、ナトリウム−カルボキシメチルセルロース 7HF(アクアロン社から入手可能)を徐々に加える。ポリマーが溶解するまで混合する。
【0104】
工程13:工程13からの懸濁液に、混合しながら、1.01gの300kDa平均分子量の酸化ポリエチレンを徐々に加え、先に進む前に少なくとも60分間混合を続ける。
【0105】
工程14:混合しながら、工程10からの溶液を工程13からの懸濁液に徐々に加える。
【0106】
工程15:工程14からの試薬に、34.2mgのTriton X−100(ロッシュ ディアグノスティクス社から入手可能)を加え、混合を続ける。
【0107】
工程16:工程15からの試薬に、工程8からの酵素溶液を加える。少なくとも30分間混合する。この工程で試薬が完成する。室温にて、湿試薬質量は24時間の使用に適合可能であると考えられる。
【0108】
図18にて例示した測定結果は、温度およびヘマトクリットの3つの組み合わせに関して、読み取り時間が変化する際の、DC電流応答およびグルコースレベル間の相関係数r2を示している。これらの結果は、強固なDC応答が1秒ほどで、試験に対して予想されるべきであることを示している。しかしながら、当業者は、温度およびヘマトクリットレベルの干渉影響のために、センサー精度(相関関係)に、望まない変化が存在し、本発明のACとDC組み合わせ測定法が、より近接した相関結果を産出すべきであることを認識するであろう。
【0109】
図18で得た、有望な結果に基づいて、試験ストリップ1700に印加された図19の励起信号を用いてさらなる試験を設計した。励起は、約1.8秒間適用した10kHzのAC信号、約0.2秒間印加した20kHzのAC信号、約0.2秒間印加した2kHzのAC信号、約0.2秒間印加した1kHzのAC信号、および約0.5秒間印加したDC信号を包含した。AC信号は、12.7mVピークの振幅を持ち、一方DC信号は、550mVの振幅を持つ。総試験時間は3.0秒であった。
【0110】
5つのグルコースレベル(40、120、200、400および600)、5つのヘマトクリットレベル(20、30、45、60および70%)および5つの温度(12、18、24、32および44℃)を示すスパイク静脈血液試料を用いる共分散研究を設計し、その結果125の別々の組み合わせを得た。先の実施例でのように、アドミタンス、温度およびヘマトクリット間の関係を試験し、プロットし(図20は、温度が変化する際の、20kHzでのアドミタンス対ヘマトクリットを示している)、アドミタンスは温度依存様式で、ヘマトクリットに直線的に関連することが確認された。しかしながら、追加の発見は、AC応答の位相角度が温度非依存様式でヘマトクリットと相関したことである。20kHzのAC応答の位相角度を、図21でヘマトクリットに対してプロットする。10kHzにおいて測定された位相角度に対する結果は同様である。血液試料のヘマトクリットはしたがって、次のような位相角度情報のみを用いて確実に予測しうる。
est=c0+c1(Φ10kHz−Φ20kHz)+c2(Φ2kHz−Φ1kHz) (式11)
【0111】
本実施例5で使用した試験ストリップに関して、位相角度とヘマトクリット間の相関がより高い周波数で良好であった。このために、c2定数がゼロに近づき、Hestは10kHzと20kHzデータのみを用いて確実に予測可能である。しかしながら、低い周波数の使用はHest関数のストリップ対ストリップ変化においてわずかな改善を可能にする。したがって、本発明は、好ましくは少なくとも1つのAC周波数にて実施され、より好ましくは少なくとも2つのAC周波数にて実施され、もっとも好ましくは少なくとも4つのAC周波数で実施されるAC位相角測定のみを使用してヘマトクリットを予測するために使用される。
【0112】
ヘマトクリットがAC応答データのみを用いて決定可能であり、図20よりアドミタンスがヘマトクリットおよび温度に直線的に関連することがわかるため、次のように、AC応答のみを用いて、分析下で試料の温度を決定可能である。
est=b0+b1(Y10kHz−Y20kHz)+b2(Y2kHz−Y1kHz)+b3est (式12)
式中b0、b1、b2およびb3は定数である。AC応答データからのヘマトクリットおよび温度の予測が、より多くのまたはより少ない周波数測定、および本実施例のために選択された周波数とは異なる周波数で実施されうることが理解されるであろう。もっとも強固な結果を産出する特定の周波数が、試験ストリップ形状および寸法によって決定されうる。本発明はしたがって、好ましくは、少なくとも1つのAC周波数にて実施される、より好ましくは、少なくとも2つのAC周波数にて実施される、そしてもっとも好ましくは、少なくとも4つのAC周波数にて実施されるAC応答測定のみを用いて、試験試料温度を予測するために使用しうる。
【0113】
当業者は、試料の温度の推定のための(AC応答による)試験下の試料の温度の直接測定が、先行技術方法に対して大きな改善であることを認識するであろう。典型的に、サーミスタが試験ストリップをメーターに挿入する場所の近くで試験メーター内に配置される。サーミスタが、実際の試料から離れた温度を測定するため、これは真の試料温度のおおまかな近似にすぎない。さらに試料温度が(たとえば蒸発によって)変化している場合、試験メーターおよびサーミスタ自体の温度慣性が、メーターに取り付けられたサーミスタが、試験下の試料の真の温度を正確に反映することを防止する。反対に、本発明の温度推定は、試験下の試料内(すなわち、試験下の試料が試薬と反応する反応ゾーン内)で実施された測定から由来し、これによって、測定場所から遠隔している試料によって導入されるエラーを除去する。さらに、本発明の温度予測が、温度予測を用いて訂正されるグルコース測定データに対してきわめて近接した時間に収集されたデータを用いて実施され、これによってさらに精度が改善される。このことは、先行技術方法に対して有意な改善を表している。
【0114】
血中グルコース測定における、干渉物の影響に関して訂正するための本実施例5の方法の有効性の例示として、非補償型DC電流応答対既知のグルコース濃度が、全ての125のグルコース、温度およびヘマトクリットの組み合わせに関して、図22でプロットされる(本データをプロットする時には、AC測定は無視した)。当業者によって理解されるように、データはヘマトクリットと温度に対して大きな変化を示している。
【0115】
以前に考察したように、DCグルコース応答の精度は、次のようにDC応答中のヘマトクリットおよび温度干渉に対して訂正するために、予測ヘマトクリット、温度およびDC応答を組み合わせることによって大きく改善可能である。
PRED=(a0+hct1est+hct2est2+tau1est+tau2est)+(a1DC)(1+hct3est+hct4est2)(1+tau3est+tau4est) (式13)
式13中の定数は、本技術分野で公知なように、回帰分析を用いて決定可能である。したがって、本発明によって、AC位相角度応答(式11)を用いて、ヘマトクリットを予測することが可能になる。予測されたヘマトクリットおよび予測されたACアドミタンスは、予測温度を決定するために使用可能である(式12)。最後に、予測したヘマトクリットと、予測した温度を、測定されたDC応答を使用して、予測グルコース濃度を得ることが可能である(式13)。
【0116】
上記方法論を、図22でプロットした試験データに適用することで、図23で例示された、予測グルコース対DC電流応答を得る。このデータは、20%〜70%の範囲のヘマトクリットレベル、および12℃〜44℃の範囲の温度を持つ125の共変試料を表している。干渉レベルにおけるこれらの広い変化によってさえ、本発明の測定方法が3.0秒の総試験時間を用いて0.9874の総r2相関を産出した。
【0117】
実施例6:0.397μl試料を用いる、同時ACおよびDC測定
実施例5に関して上述された同一の試験ストリップ1700および試薬を用いて、図24で例示した励起プロファイルを総試験時間を減少させるために使用した。実施例5に関して上述したように、20kHzおよび10kHzでの位相角度が、ヘマトクリット予測ともっとも近接に相関した。したがって、総試験時間を減少させるために、実施例6において、励起のAC部分をこれらの2つの周波数に限定することを決定した。総試験時間をさらに減少するために、10kHzのAC励起をDC信号と同時に印加し(すなわち、DCオフセットされたAC信号)、この理論は本組み合わせモードが、DC電流、AC位相およびACアドミタンスに対する同時結果の収集を可能にし、最も早い可能な結果を提供することである。したがって20kHzの信号を0.9秒間印加した。その後、10kHzおよびDC信号を、0.1秒間隔の後、1.0秒間同時に印加した。
【0118】
本実施例6のために、7つのグルコースレベルと7つのヘマトクリットレベルを示す49のスパイク静脈血液試料を試験した。その後、DC電流と血液ヘマトクリット間の相関係数r2を3つのDC測定時間、試料適用後1.1秒、1.5秒および1.9秒において試験した。これらの相関を、図25でヘマトクリットレベルに対してプロットする。相関は一般的に、1.1秒にてもっとも弱く、1.5秒にて一般的に最高であるが、これらの結果の全てが同程度である。しかしながら、最小相関係数は0.99に達する。
【0119】
図26は、ヘマトクリットレベルに対してプロットした20kHzでの位相角度を例示している。これらの2つの組のデータ間の相関は非常に良く、したがって10kHzデータがヘマトクリットを予測するために不要であることが決定された。したがって、ヘマトクリットは次のように、20kHz位相角度データから単独で予測可能である。
est=c0+c1Φ20kHz (式14)
【0120】
図27は、読み取り時間が1.1秒、1.5秒および1.9秒のあいだで変化する際の、全ての測定したヘマトクリットレベルに対するDC電流応答対グルコースレベルを例示している。驚くことなく、1.1秒でのDC電流が1.5秒でのDC電流より大きく、1.9秒でのDC電流よりも大きい。当業者は、ヘマトクリットレベルが、特に高いグルコース濃度において、DC電流に大きな影響を持つことを認識するであろう。
【0121】
本明細書以上で考察したように、DCグルコース応答の精度は、次のようにヘマトクリットによって引き起こされる干渉に対して補正することによって、大きく改善可能である。
PRED=(a0+hct1est+hct2est2)+(a1DC)(1+hct3est+hct4est2) (式15)
温度の変化が本実施例6の実験で含まれなかったために、式15に温度補正項が含まれないことに注意し、先の実施例より時間項が、Hest語句との組み合わせで、10kHzおよび20kHzアドミタンス値を用いて含まれうることが合理的に推定可能である。ヘマトクリットは20kHz位相角度測定データのみを用いて確実に予測可能であるため、ヘマトクリット補正された予測グルコース応答は、本位相角度情報および測定DC応答のみを用いて決定可能である。補正DC応答対(1.1秒総試験時間を示す)1.1秒でのDC読み取りのみに対するグルコースレベルが図28にて例示されている。データは1.1秒総試験時間での0.9947の総r2相関を示す。
【0122】
1.5秒のDC読み取りに関する同一のデータが図29にて例示され、1.5秒総試験時間に関して、0.9932の総r2相関を示している。1.9秒のDC読み取りに関する同一のデータが図30で例示され、1.9秒総試験時間に関して、0.9922の総r2相関を示している。驚くべきことに、r2相関は、より長い試験時間で実際わずかに減少した。それにもかかわらず、20%〜60%の範囲のすべての7つのヘマトクリットを組み合わせた全ての3つの補正データ組に対する相関係数は、0.99を越え、これはグルコース測定試験を実施するために、センサーが0.4マイクロリットル以下の血液を必要し、改善された精度と組み合わせて1.1秒ほどの速さで血中グルコース試験を産出するための、本発明の適合性を示している。
【0123】
実施例7:誤用センサーを検出するためのAC位相角度の使用
特に、試験システムが、専門家ではないエンドユーザーに使用される場合、検体測定工程に対する品質制御の特別方策を提供するために、誤投与された(二重投与など)、先に使用された、または(あまりに湿度の高い環境で保存された、あまりに古いなどの理由から)酵素が劣化した、センサー(試験ストリップ)を検出することが望ましい。これらの状態は、「誤用センサー」として集約的に言及される。誤用センサーが試験メーター内に挿入される場合、検体測定工程を中止する(または少なくとも利用者に、試験が正確ではない可能性があることを警告する)ように試験を考案することが好ましい。
【0124】
血中グルコース分析を実施する際に、血液試料が試薬化学物質と反応し続けるため、試験メーターは典型的に数回連続して電流測定を行う。本技術分野でよく公知のように、この応答電流は、コットレル(Cottrel)電流として知られており、反応が進行するにつれて減少のパターンにしたがう。本発明者らは、コットレル フェイルセーフ比(CFR)を次のように定義する。信頼システム中のバイオセンサーのコットレル応答は、
【数1】

式中
n=グルコース分子あたり自由である電子
F=ファラデー定数
A=作用電極表面積
t=励起印加からの経過時間
D=分散係数
C=グルコース濃度
α=共因子依存定数
で得ることができる。本式のパラメータのすべては、通常グルコース濃度および時間以外、センサーに関して一定である。したがって、正規化されたコットレルフェイルセーフ比(NCFR)を、
【数2】

として定義可能である。
【0125】
本式の時間項は既知であり、センサー測定に関して一定であるので、比はいつも、同一の試料時間および間隔で、コットレル曲線に対して定数を算出する。したがって、レーザーセンサー電流によって除算されたセンサー電流の合計が、グルコース濃度の定数非依存性を産出すべきである。この関係を、潜在的に欠陥のあるバイオセンサー応答を検出するために好ましい実施様態において使用する。
【0126】
電流合計フェイルセーフを、センサー測定のあいだに獲得した電流のすべてを合計することによって、センサーのコットレル応答においてチェックするように考案可能である。最終電流が獲得されたときに、(製造時にメーター内に読み込むか、より好ましくは、分離コードキーによってまたはセンサー自体へコードされた情報によってセンサーの各ロットと共にメーターに供給された)2つの定数によって乗算する。これらの定数は、許容可能なNCFR値に対して、上限または下限の閾値を表している。
【0127】
最終電流によって乗算した定数の2つの積を、バイオセンサー電流の合計と比較する。電流の合計は2つの積のあいだに入るべきであり、これによって許容値の範囲で上記の比が満たされることを示唆している。
【0128】
したがって、好ましい実施様態は単一のDCブロックが存在する場合に次の確認を実施する。
【数3】

式中
u=コードキーからの上限定数
l=コードキーからの下限定数
m=最終バイオセンサー電流
【0129】
いくつかの実施様態が、測定シーケンス中に2つのDCブロックを含みうるため、改変コットレル フェイルセーフ比(MCFR)は次のように定式化可能である。
【数4】

式中
1、w2=(たとえば、コードキーからの)重み定数
NCFR1、NCFR2=それぞれDCブロック1および2に対する正規化コットレルフェイルセーフ比
したがって、好ましい実施様態は2つのDCブロックが存在するときに次の確認を実施する。
【数5】

式中
u=コードキーからの上限定数
L=コードキー)からの下限定数
m1、Im2=DCブロック1および2中の最終バイオセンサー電流
【0130】
NCFR(およびMCFR)は、ヘマトクリットと相関する。実施例3にて本明細書以上で示したように、AC位相角度もまた、ヘマトクリットと相関する。よって、AC位相角度とNCFRが、互いに相関するということになる。この関係は、センサーが誤使用されない場合にのみ適用される。相関は、誤用センサーに関して低下する。
【0131】
したがって、誤用センサーが使用されているかどうかを示唆する、フェイルセーフ計算を行うように、測定された位相角度データの分析をするために式を設計することが可能である。好ましい実施様態において、寄生抵抗などによって引き起こされたエラーに対し試験をより強固にするために、2つの別々の周波数において測定された位相角度間の差を利用することが選択された。2つの集団を、異なる漸近線に推進するために、逆正接関数を適用することによって、次のフェイルセーフ等式が産出される。
FAILSAFE=1000×arctan[NCFR/(fs0+fs1(Φ10kHz−Φ20kHz))] (式21)
式中1000=スケーリング因子
NCFR=コットレル フェイルセーフ比
s0=直線回帰切片
s1=直線回帰傾き
Φ10kHz=10kHzでの位相角度
Φ20kHz=20kHzでの位相角度
【0132】
式21を用いて、切片項fs0を、ゼロ以下のFAILSAFE値が、誤用センサーを示し、ゼロ以上のFAILSAFE値が、非誤用センサーを示すように選択可能である。当業者は、異なる切片を選択することによって反対の結果を得ることが可能であることを認識するであろう。
【0133】
用量充足電極の使用
上記のように、正確な試料測定を行うためは測定電極が試料よって十分覆われている必要があることが認められている。従来技術では、試料量の不足を検出するために様々な方法が用いられてきた。たとえば、ロッシュ ディアグノスティクス社、インディアナポリス、インディアナ州によって販売されているアキュチェック(登録商標)アドバンテージ(登録商標)グルコース試験計では、一対の測定電極で非コトレリアン電流減少が検出された場合は、試料量が不足している可能性があることを使用者に警告した。使用者は指定の割り当て時間内に試験ストリップを再投与することを促された。
【0134】
必要とする試料量をきわめて少なくすることで痛みを最小化するように設計された血液穿刺器と併用するキャピラリー充填装置の使用のために、試料の大きさが不十分である可能性が近年高まっている。不十分な量の試料がキャピラリーの充填空間に引き込まれた場合、測定電極が十分に覆われず、測定精度が損なわれる可能性がある。試料が不十分であることに関連した問題を解決するために、従来技術で様々な解決策、たとえば、測定電極の下流に付加的な電極、または、作用電極の下流に副素子、および上流に主素子を有する単一の対極、または測定電極から上流と下流の両方に配置された指示電極(これによって作用電極とカウンター電極を横切って試料が進行する流れ、または離れた下流への試料の到着を追跡できる)を配置することなどが提案された。これらの解決策それぞれに関連する問題は、それらがそれぞれ、上流または下流の指示電極のどちらかと連通して一対の測定電極のどちらかを組み込むことにより、十分な量の試料が存在するかを評価して試験結果が偏ることを防止していることである。
【0135】
これら従来技術で設計された解決策にもかかわらず、装置が試料の充足性を誤認する傾向を残している故障状態が持続する。本発明者らはそれらの誤った結果はまず、不規則な流頭の多様性と共に、一対の測定電極の下流の部材(同一平面上または反対平面の配置)と用量検出電極との距離に関連していることを決定した。異常な(均等でない)流頭を有するキャピラリーの充填空間を横切る試料は、測定電極と指示電極間の回路を閉止することがあり、システムに対して、偏った測定結果を防止するために十分な試料が存在するという誤った通知をする。
【0136】
試験ストリップキャピラリー充填空間の組成物および/または構成物にて使用する多くの因子は、そのような不規則な流頭の挙動に影響する。これらの因子としては、
・キャピラリー充填空間を形成する異なる壁の表面エネルギー間の格差
・試験ストリップ製造設備での原料または製品の汚染
・キャピラリー充填空間の壁を構成している単一の構成要素(放出ライナーを使用する製造工程に一般的である離型剤(一般にシリコン))からの汚染物質の意図しない導入
・積層工程に用いる接着剤(または汚染された接着剤)の疎水性
・キャピラリー充填空間の壁の異なる表面の粗さ
・寸法のアスペクト比
・キャピラリー充填空間内の汚染されたメッシュ材料
・キャピラリー充填空間内のメッシュ材料への界面活性剤の非均一な塗布
が挙げられる。
【0137】
本発明者によって決定された、従来技術の用量充足方法の他の問題は上流または下流用量検出電極と電気的に接続している使用可能な測定電極のどちらかの使用に関する。このような構成では、測定ゾーン(測定電極上または測定電極間の領域)の化学量論は、測定ゾーン中に存在する目的の被分析物の測定を行う前の用量検出/用量充足試験サイクルの間中乱れる。試料マトリックスが組み立て中に急激に変化するのにつれて、これらの試料の充填特性もまた変化し、その結果、試料の種類間でタイミングが異なる。このような不規則なタイミングルーチンは不正確さの付加的な原因となり、全体的なシステムエラーの評価指標を拡大する作用をする。
【0138】
これらの障害のひとつまたは複数を解決するための試みは典型的に、1)より複雑な製造工程(それぞれが汚染に対して付加的な傾向をもたらす付加的な工程)、2)原料を品質制御する付加的な工程、3)親水性および疎水性の樹脂の混合物を有する積層合成物などのより高価な原料で、製造費用に否定的に影響する、および4)メッシュおよび/またはキャピラリー壁の労働集約的な界面活性剤被覆を導き得る。
【0139】
実施例8:キャピラリー充填空間における流体流頭挙動の決定
キャピラリー充填空間を用いた試験ストリップの用量充足性を適切に表示する電極系を設計するために、試料がキャピラリー充填空間を通って進行している時に試料の先端部の流頭の形を試験する実験を行った。両面接着テープを用いてつなげた2枚の透明ポリカルボネートシートを含有する試験装置を使用し、キャピラリー充填空間は両面テープの流路を切断することにより形成した。ポリカルボネートの上部および下部のシート使用することにより、試料がキャピラリー充填空間を通って流れている時にその流頭をビデオテープに録音できた。
【0140】
具体的には、この試験装置は厚さ1mmのレーザー切断した レキサン(登録商標)ポリカルボネートシート(キャディラック プラスチック社、 ウエスリー、スインドン SN5 7EX、イギリスより入手)を用いて積層にした。ポリカルボネートシートの上部と下部を、両面接着テープ(3M社、セントポール、ミネソタ州より入手した#200MP高性能アクリル性接着剤)を用いて連結した。キャピラリーの流路は両面テープに、必要な幅の開口部をレーザー切断することで画定した。厚さ0.05μm、0.125μm、および0.225μmのテープを用いて必要な流路の高さを得た。試験装置のキャピラリー空間の直径は図31中に記入してある。
【0141】
ポリカルボネートの上部と下部は、注文製のジグを用い、レーザー切断した接着テープで積層され、再現可能な構成を確実にした。それぞれの試験装置について、キャピラリー流路への入り口を画定する流体受容体領域を、上部のポリカルボネートシートおよび接着テープ構成要素中に事前に切断された開口により形成した。3つの流路の高さに対して、流路の幅をそれぞれ0.5mm、1.00mm、1.5mm、2.00mm、3.00mm、および4.00mmで作製した。キャピラリーの流路の長さはすべての装置で50mmとした。18種の装置それぞれに28個作製した。組み立てた装置はヴァイドマン プラスチック テクノロジー社、ドルトムント、ドイツによりプラズマ処理された。次のプラズマ処理条件が使用された。
【0142】
処理装置:マイクロ波プラズマプロセッサ400
マイクロ波電力:600W
ガス:O2
圧力:0.39ミリバール
ガス流動:150ml/分
時間:10分
処理前の表面エネルギー:<38mN/m
処理後の表面エネルギー:72mN/m
【0143】
このプラズマ処理装置は使用しない時は2〜8℃にて保管した。装置は最低でも使用前1時間かけて室温と均衡させた。
【0144】
試験装置のそれぞれに、ヘマトクリット値45%の静脈血を一定量投与した。後の分析のために、流動および流頭をビデオテープに捕らえた。キャピラリー充填チャネルの相対的寸法によって流頭の挙動が決定されることが決定された。図31の点線の左側の装置(装置A2、A4、B2、B4、B5、C2、C4、およびC5)は凸状の流頭の挙動となり、一方で点線の右側の装置(装置A6、A8、A11、B6、B8、B11、C6、C8、およびC11)は凹状の流頭の挙動を提示した。凸状と凹状のどちらの流頭挙動も図31に概略的に示されている。このデータは、キャピラリー充填空間の高さと幅とのアスペクト比が、試料の流頭が凸状になるか凹状になるかを決定する因子であることを示す。
【0145】
用量充足電極の使用
キャピラリー充填空間中での凹状の流頭に関連する問題を、図32A〜Cに図示する。図のそれぞれにおいて、試験ストリップは作用電極3200、参照電極3202、および、測定電極3200と3202の一方と共同して作用する下流用量充足電極3204を含有する。上記の、測定電極の一方と共同する用量充足電極3204の使用に関連する測定ゾーンの化学量論の問題に加え、図32A〜Cは、凹状の形を示す試料の流頭によっても、偏った測定結果が引き起こされる可能性があることを図示している。それぞれの図において、試料の移動の方向を矢印で示す。図32Aにおいて、キャピラリー壁に隣接した試料の一部分は用量充足電極3204に到達し、それによりこの電極と測定電極対の一方とのあいだのDC回路が電気的に完成する。これは用量充足性を判定するために試験メーターで観測している。この時点で試験メーターが、測定に十分な試料があるという判定しても、試料はほとんど参照電極3202まで到達しておらず、この時点で得られた測定結果はどれも大きく偏る可能性がある。
【0146】
同様に、図32Bは、用量充足電極3204が接続されているが(測定が始められるべきことを示す)、参照電極3202は部分的にしか試料で覆われていない状態を図示している。この時に試料が参照電極3202に到達しても、参照電極3202は試料で完全に覆われていないので、その結果この時に得られる測定結果は部分的に偏る可能性がある。したがって、図32A〜Bに図示したどちらの状況も、用量充足性に対する疑陽性、したがって測定試験結果の偏りを示す。図32Cに図示した状況のみが、参照電極3202が試料で完全に覆われており、測定ゾーン中のキャピラリー充填の程度のために、その測定結果は偏らないであろう。
【0147】
本発明は、用量充足性を測定する際に、用量充足電極と測定電極の一方とを組み合わせた、従来技術設計に関連する化学量論的な問題を解決する。図33に示すように、本発明は測定電極から下流に配置された、一対の独立した対の用量充足電極を有する試験ストリップを含む。この試験ストリップは、通常3300で示し、対極3302と作用電極3304とからなる測定電極対を含む。電極は、当技術分野で公知であって、また前記したように、多層試験ストリップ構造の任意の適切な基板上に形成できる。これもまた当技術分野で公知のように、試験ストリップの多層構造によりキャピラリー充填空間3306が形成される。キャピラリー充填空間3306内、ならびに測定電極3302および3304から下流(試料の流動方向に対して)で、用量充足作用電極3308と用量充足対極3310とが形成され、共に用量充足電極対を形成する。
【0148】
試験ストリップ3300が試験メーター内に挿入されると、試験メーターは、用量充足電極3308と3310とのあいだの伝導通路を連続的に確認して、キャピラリー充填空間のこのゾーンをいつ試料が移動したかを測定する。試料がいったんこの段階に到達すると、測定電極が試料で覆われたと判定して一連の試料測定を開始できるように試験メーターをプログラムすることができる。従来技術設計で必要とされたのと違い、図33の試験ストリップ設計を用いた用量充足試験のあいだに測定電極3302と3304のどちらにも電圧または電流を印加する必要がないことが理解されるであろう。したがって、測定ゾーンの化学量論は、測定ゾーンに存在する目的の被分析物の測定を行う前の用量充足試験周期のあいだに乱れない。このことは、従来の技術の用量充足試験の方法より著しく改善されたことを示す。
【0149】
図34Aに図示したように、キャピラリー充填空間がキャピラリー充填空間3306を充填している際に、凸状の流頭を示すような試料を生成するように設計されている場合には、試験ストリップ3300もまた、用量充足性判定をすることが望ましい。見ることが出来るように、測定電極3302および3304の上部の測定ゾーンは、凸状の流頭が用量充足電極対3308、3310に到達した時に試料で覆われる。しかし、図34Bに示すように、キャピラリー充填空間3306を充填している際に試料が凹状の流頭を示すことが可能な場合には、試験ストリップ3300から理想的な結果を得ることはできない。見ることが出来るように、凹状の流頭の周縁エッジは測定ゾーンが完全に試料で覆われる前に用量充足電極3308、3310に到達する。用量充足電極3308、3310は、その両方に流頭のエッジが接触するとすぐに、試料が十分であることをDCまたは低周波数励起(詳細は前記)によって示す。したがって、図33の試験ストリップに示した用量充足電極設計は、キャピラリー空間3306を充填している試料が凸状の流頭を示す場合に最も良く作用する。さらに、用量充足電極の複数対は、それぞれを測定ゾーンから異なる距離に提供することができ、キャピラリー空間3306の充填の程度を評価する能力は、どの用量充足電極の複数対が試料で埋められたかを試験することによって得られる。
【0150】
用量充足電極3308、3310がその最長軸を、キャピラリー充填空間3306内に、キャピラリー空間3306の縦軸に垂直方向に有することが理解されるであろう。そのような電極は本明細書では「垂直用量充足電極」と呼ぶ。他の用量充足電極の配列を、図35A〜Bに図示する。図35Aに示すように、本発明はまた、測定電極から下流に配置した用量充足電極の独立対を有する試験ストリップも含む。ここで用量充足電極はその最長軸をキャピラリー充填空間内に、キャピラリー充填空間の縦軸に平行方向に有する。このような電極は本明細書では「平行用量充足電極」と呼ぶ。図35における試験ストリップは通常3500と示すが、対極3502と作用電極3504とからなる測定電極対を含む。電極は当技術分野で公知であって、また前記したように、多層試験ストリップ構造の任意の適切な基板上に形成できる。先行技術において公知なように、試験ストリップの多層配置によりキャピラリー充填空間3506が形成される。キャピラリー充填空間3506内、ならびに測定電極3502および3504から下流(試料の流動方向に対して)で、用量充足作用電極3508と用量充足対極3510とが形成され、共に平行用量充足電極対を形成する。
【0151】
試験ストリップ3500が試験メーター内に挿入されると、試験メーターは、用量充足電極3508と3510とのあいだの伝導通路を連続的に確認して、キャピラリー充填空間のこのゾーンをいつ試料が移動したかを測定する。試料がいったんこの段階に到達すると、測定電極が試料で覆われたと判定して一連の試料測定を開始できるように試験メーターをプログラムすることができる。試験ストリップ3300を用いた際と同様に(そして従来技術設計で必要とされたのと違い)、図35の試験ストリップ設計を用いた用量充足試験のあいだに測定電極3502と3504のどちらにも電圧または電流を印加する必要がないことは高く評価されるであろう。したがって、測定ゾーンの化学量論は、測定ゾーンに存在する目的の被分析物の測定を行う前の用量充足試験周期のあいだに乱れない。このことは、従来の技術の用量十分試験の方法より著しく改善されたことを示す。
【0152】
別の改善された操作は、試験ストリップ3500の平行用量充足電極を用いて、用量充足電極に比較的高周波数のAC励起信号を付勢した場合に認められる。比較的高周波数のAC信号を用量充足励起信号として使用した際、用量充足電極3508、3510は有意なエッジ効果を示し、励起信号は電極間のギャップに沿った電極エッジが試料流体で覆われている時にのみ、電極間のギャップを横断する。試験ストリップ3500を図36に拡大して図示している(キャピラリー充填空間3506内に位置する電極部および片‐計器電極接続パッドの一覧のみ)。用量充足電極対3508、3510の一方をAC信号で励起すると、信号の大部分は、一方の電極の上部の平らな表面から他方の電極の上部の平らな表面へ移動するよりも、一方の電極エッジから他方の電極エッジへ移動する(エッジが試料で覆われている場合)。これらのエッジからエッジへの電気的連絡の通路は電気磁場線3602として図36に概略図を示す。
【0153】
AC周波数が高いほど、最良の用量充足電極からのエッジのみの感受性が得られる。好ましい実施形態では、10kHzの励起信号9mVrms(+/−12.7mVの最大振幅)を用いて用量充足電極の一方を励起する。用量充足電極3508、3510のエッジ間のギャップの幅GWは、好ましくは100〜300μm、より好ましくは150〜260μm、最も好ましくは255μmである。より小さなギャップ幅GWはそのエッジが少なくとも部分的に試料で覆われている用量充足電極間の信号伝達量を増加させるが、信号伝達の電気容量はギャップ幅GWを減少させることで増加する。
【0154】
AC励起を併用した際の図35および36の平行用量充足電極設計の利点は、試料が電極のギャップに沿ったエッジを少なくとも部分的に覆うまで、電極間の電気的通信がほとんどないことである。したがって、試料が、用量充足電極3508、3510の両方に接触しているが、ギャップに沿った電極エッジには接触していないように図示している、図35Aの凹状の流頭を示す試料では、用量充足電極間の有意な電気的通信が少しも起こらない。したがって試験メーターは、試料が実際にギャップに沿った電極エッジ間の用量充足電極を埋めるまで用量が十分であるという判定を出さない。この判定は凹状の流頭の最後の部分が用量充足電極3508、3510に到達した後にのみ起こり、これは、試料が測定電極の上部の測定ゾーンを完全に覆った時点である。図35Bに見られるように、凸状の試料流頭は、流頭が用量充足電極に到達するとすぐに(試料が測定電極上の測定ゾーンを完全に覆った時点で)、用量充足電極3508、3510を活性化する。
【0155】
図35および36に図示した平行用量充足電極の他の利点は、電極間を伝達される信号の量が試料で覆われているギャップエッジの量に比例することである。試験メーターに適切な閾値を設けることにより、用量充足性の判定は試料が用量充足電極のギャップエッジの所定の部分を覆いきるまで抑制される。さらに、必要であれば、用量充足信号を分析することにより、試験メーターで行う測定それぞれについて、キャピラリー充填空間の充填の割合をその試験メーターに記録することが可能である。
【0156】
電極の配置自体が、十分な試料を検出するという点で以前の実施形態より優れた利点を実証しているが、特に凸状の流頭の場合、試料検出に対してDC応答よりもAC応答の使用においてさらなる改善を得られることが分かった。DC応答は、たとえば、温度、ヘマトクリット値および被分析物(たとえばグルコース)の変動に敏感であるという問題を有する。十分に高周波数でのAC応答は被分析物濃度の変動に強固にすることができる。さらに、充分に高い周波数でこのようなキャピラリー充填装置において生成されるAC応答は、サンプルによって充填される電極エッジ間の平行なギャップの量によって主として制限される。したがって、凸状の流頭については、流頭の谷が試料充足電極の平行エッジ内に実際に侵入するまでAC応答(この場合アドミタンス)はほとんど認められないかまったく認められない。さらに、閾値較正により、有利であると考えられるように、試験開始前により多くの平行ギャップが充填されることを必要とするより高いアドミタンスの閾値を有することによって、多かれ少なかれ感度の良い検出装置を作製することができる。
【0157】
現行装置のさらなる制限は、この電極の配置ではセンサーのキャピラリー空間を充填するのに必要な時間を認識できないことである。この制限は用量充足電極と測定電極との相互依存を有することにより起こる。このことは独立した用量充足電極のさらなる利点である。好ましい実施形態では、信号が最初に投入に先立ち測定電極を横切って適用される。応答が認められるとすぐに電位が消え、システムが信号への応答(電極の被度を示す)を探し、第1の事象(測定電極で応答が認められた時)と第2の事象(用量充足電極で応答が認められた時)とのあいだの持続時間を記録するあいだに、第2の信号が用量充足電極を横切って印加される。非常に長い間隔が誤った結果を導くような場合には、範囲内では許容できる結果が得られ、範囲外では安全装置がトリガされる閾値を設定して応答を防ぐか、最低限使用者に可能性のある誤りを警告する。許容できると見なされる投与と充分な試料の検出とのあいだの時間の遅れは、特定のセンサーの設計および化学的性質に依存する。あるいは、試料がセンサーに最初に付着される際に検出できるように、用量充足電極の独立対(図示せず)を測定電極から上流に追加してもよい。
【0158】
DC信号は上記の事象のどちらか、または両方において検出に使用できるが、好ましい実施形態では、測定電極での電気化学的な応答が不必要に乱れるのを避けるために、また流頭の不規則性に対する強固な検出を提供するために、AC信号を十分な高周波数で使用する。
【0159】
本明細書中で引用した全ての出版物、以前の出願、および他の文書は、それぞれが個々に参考文献にて組み込まれ、完全に列記されるように、その全てが、参考文献によって本明細書に組み込まれている。
【0160】
本発明は図および前記の説明においてその詳細を図示および記述しているが、この説明は例証であって、特徴を限定するものではないと見なされたい。示した好ましい実施形態の作製法または使用法をさらに説明するのに有用であると思われる好ましい実施形態、および他の特定の実施形態のみが示されている。本発明の精神の範囲内で生じる変更および修正は全て保護されることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】連続して適用されるAC成分およびDC成分を持つ、本発明にしたがったシステムおよび方法で使用するために好適である、第一実施様態励起信号のダイアグラムである。
【図2】同時に適用されるAC成分およびDC成分を持つ、本発明にしたがったシステムおよび方法で使用するために好適である、第二実施様態励起信号のダイアグラムである。
【図3】本発明の第一実施様態試験ストリップを例示している。
【図4】実施例1の試験で使用する、励起信号のダイアグラムである。
【図5】インキュベーション時間なしでの、実施例1の試験に関する、比例係数r2(グルコース対DC電流)対読み取り時間のプロットである。
【図6】種々のインキュベーション時間での、実施例1の試験に関する、比例係数r2(グルコース対DC電流)対読み取り時間のプロットである。
【図7】実施例2の試験に関する、ACアドミタンス対ヘマトクリットのプロットである。
【図8】実施例2の試験に関する、非補償形DC電流対グルコースのプロットである。
【図9】実施例2の試験に関する、予測されるグルコース応答対実際のグルコース応答のプロットである。
【図10】実施例3の試験において使用した、励起信号のダイアグラムである。
【図11】実施例3の試験に関する、AC位相角度対参照グルコースのプロットである。
【図12】実施例3の試験に関する、予測されるグルコース応答対実際のグルコース応答のプロットである。
【図13】実施例4の試験にて使用した、励起信号のダイアグラムである。
【図14】実施例4の試験に関する、ACアドミタンス対ヘマトクリット(温度にて、パラメトリック的に表示した)のプロットである。
【図15】実施例4の試験に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図16】実施例4の試験に関する、予測グルコース応答対実際のグルコース応答のプロットである。
【図17A】本発明の第二実施様態試験ストリップを例示している。
【図17B】本発明の第二実施様態試験ストリップを例示している。
【図18】実施例5の試験における、温度とヘマトクリットの3つの組み合わせに関して、読み取り時間が変化するので、DC電流応答とグルコースレベル間の、比例係数r2をパラメトリック的に例示しているプロットである。
【図19】実施例5の試験において使用した、励起信号のダイアグラムである。
【図20】実施例5の試験にて、温度がパラメトリック的に変化するので、ACアドミタンス対ヘマトクリットのプロットである。
【図21】実施例5の試験にて、温度がパラメトリック的に変化するので、ACアドミタンス位相角度対ヘマトクリットのプロットである。
【図22】実施例5の試験に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図23】実施例5の試験に関する、予測グルコース応答対実際のグルコース応答のプロットである。
【図24】実施例6の試験にて使用した、励起信号のダイアグラムである。
【図25】実施例6の試験における、ヘマトクリットに対してプロットした、ヘマトクリットとDC応答電流間の、比例係数r2のプロットである。
【図26】実施例6の試験に関する、ACアドミタンス位相角度対ヘマトクリットのプロットである。
【図27】実施例6の試験に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図28】実施例6の1.1秒の総試験時間に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図29】実施例6の1.5秒の総試験時間に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図30】実施例6の1.9秒の総試験時間に関する、非補償形DC電流対実際のグルコースのプロットである。
【図31】実施例8の試験装置にて使用されたキャピラリー充填チャンネルの、高さおよび幅を詳述している表、ならびに、キャピラリー充填空間中の、凹面および凸面試料流頭の略図ダイアグラムである。
【図32A】図32A〜Cは、凹面流頭が、先行技術の用量充足電極を対決するときに、偏った測定結果に関する可能性を例示している、試験ストリップの略図的平面図である。
【図32B】凹面流頭が、先行技術の用量充足電極を対決するときに、偏った測定結果に関する可能性を例示している、試験ストリップの略図的平面図である。
【図32C】凹面流頭が、先行技術の用量充足電極を対決するときに、偏った測定結果に関する可能性を例示している、試験ストリップの略図的平面図である。
【図33】測定電極から独立している、垂直な用量充足電極の一対を持つ、本発明の試験ストリップの略図的平面図である。
【図34A】それぞれ、凹面および凸面流頭を持つ、試料を含む図33の試験ストリップの略図的平面図である。
【図34B】それぞれ、凹面および凸面流頭を持つ、試料を含む図33の試験ストリップの略図的平面図である。
【図35A】測定電極から独立している、平行な用量充足電極の一対を持つ、本発明の試験ストリップの略図的平面図である。
【図35B】測定電極から独立している、平行な用量充足電極の一対を持つ、本発明の試験ストリップの略図的平面図である。
【図36】図36は、電極が試料で覆われたときに、電極ギャップ間で連結する、電場線を略図的に例示している、図35の試験ストリップの、略図的平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足性を決定する方法であって、
取り込み開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、
開口部と末端のあいだのキャピラリー充填チャンバー中に配置される試薬を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記試薬が測定ゾーンを定義し、少なくとも2つの用量充足電極がそのあいだのギャップを定義しており、キャピラリー充填チャンバーと動作可能に連通し、前記電極が測定ゾーンと末端のあいだに局在しており、
生物学的流体を開口部に付着することであって、これによって流体が開口部から末端に流れ、前記流れが凹面、凸面、および実質的に平面な流頭の1つから選択される流頭を含み、
試験信号を電極の最初の1つに印加すること、
第2の電極の1つにおいて所定の閾値上に応答が存在するか、またはしないことを決定することを含む方法であって、前記応答が、流頭が凹面、凸面または実質的に平面であるかどうかにかかわらず、流体が実質的に全ての測定ゾーンを占領することを示す方法。
【請求項2】
前記試験信号が、AC信号である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足性を決定する方法であって、
流体フロー取り込み開口部、
流体フロー末端
開口部と末端のあいだの試験ストリップ上に配置される試薬を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記試薬が測定ゾーンを定義し、および少なくとも2つの用量充足電極がそのあいだのギャップを定義し、測定ゾーンと末端のあいだに局在しており、
生物学的流体を開口部に付着することであって、これによって流体が開口部から末端に流れ、前記流れが凹面、凸面、および実質的に平面な流頭の1つから選択される流頭を含み、
試験信号を電極の最初の1つに印加すること、
第2の電極の1つにおいて所定の閾値上に応答が存在するか、またはしないことを決定することを含む方法であって、前記応答が、流頭が凹面、凸面または実質的に平面であるかどうかにかかわらず、流体が実質的に全ての測定ゾーンを占領することを示す方法。
【請求項6】
前記試験信号が、AC信号である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項5記載の方法。
【請求項9】
さらに、開口部から末端へ、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバーを含み、
試薬が前記キャピラリー充填チャンバー中に配置される請求項5記載の方法。
【請求項10】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足性を決定する方法であって、
試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、
チャンバーと動作可能に連通する、少なくとも2つの測定電極、および
チャンバーと動作可能に連通する、少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供すること、
前記試験ストリップに生物学的流体を付着すること、
AC成分を持つ用量充足試験信号を1つの用量充足電極に印加すること、および
他の用量充足電極において、用量充足試験信号に対する応答を測定することを含む方法。
【請求項11】
前記試験信号が、AC信号である請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項10記載の方法。
【請求項14】
用量充足試験信号の適用が、結果として用量充足電極がエッジ影響を示すことになる請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記AC成分が、約10kHzの周波数を持つ請求項10記載の方法。
【請求項16】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける充填充足性を決定する方法であって、
取り込み開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、
開口部と末端の中間に位置決めされたチャンバー内の測定ゾーン、および
チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極であって、を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記電極が測定ゾーンと末端の中間に位置決めされており、
開口部に生物学的流体を導入することで流体が末端に向かって流れ、これによってチャンバーが充填され、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および、
生物学的流体の充填充足性を示唆する、他の用量充足電極における試験信号に対する応答が存在するか、または応答が存在しないことを検出することを含む方法。
【請求項17】
前記試験信号が、AC信号である請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項16記載の方法。
【請求項20】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足性を決定する方法であって、
流体フロー取り込み開口部、
流体フロー末端、
開口部と末端のあいだの試験ストリップ上に配置される試薬を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記試薬が測定ゾーンを定義し、および少なくとも2つの用量充足電極がそのあいだのギャップを定義し、測定ゾーンと末端のあいだに局在しており、
前記試験ストリップに生物学的流体を印加すること、
AC成分を持つ用量充足試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および
他の用量充足電極において、用量充足試験信号に対する応答を測定することを含む方法。
【請求項21】
さらに、開口部から末端へ、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバーを含み、
試薬が前記キャピラリー充填チャンバー中に配置される請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記試験信号が、AC信号である請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項20記載の方法。
【請求項25】
用量充足試験信号の適用が、結果として用量充足電極がエッジ影響を示すことになる請求項20記載の方法。
【請求項26】
前記AC成分が、約10kHzの周波数を持つ請求項20記載の方法。
【請求項27】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける充填充足性を決定する方法であって、
流体フロー取り込み開口部、
流体フロー末端、
開口部と末端の中間に位置決めされたチャンバー内の測定ゾーン、および
前記測定ゾーンと前記末端の中間に位置決めされた、少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供すること、
開口部に生物学的流体を導入することで流体が末端に向かって流れ、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および、
生物学的流体の堆積充足性を示唆する、他の用量充足電極における試験信号に対する応答が存在するか、または応答が存在しないことを検出することを含む方法。
【請求項28】
さらに、開口部から末端へ、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバーを含む請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記試験信号が、AC信号である請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項27記載の方法。
【請求項32】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充填レベルを決定する方法であって、
開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記量充足電極が互いのギャップを定義するように位置決めされ、
試験ストリップに生物学的流体を投与することで、生物学的流体がチャンバーの充填を開始し、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること
他の用量充足電極における前記信号に対する反応を測定すること、
前記反応に基づき用量充足レベルを決定する方法。
【請求項33】
前記試験信号が、AC信号である請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項32記載の方法。
【請求項35】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項32記載の方法。
【請求項36】
前記応答が、生物学的流体がギャップを埋める程度に相関して変化する請求項32記載の方法。
【請求項37】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける充填レベルを決定する方法であって、
開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含む試験ストリップを提供することであって、前記量充足電極が互いのギャップを定義するように位置決めされ、
開口部に生物学的流体を導入することで流体が末端に向かって流れ、これによってチャンバーが充填され、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、および
他の用量充足電極における前記試験信号に対する反応を測定すること、
前記反応に基づき生物学的流体の充填レベルを決定し、前記反応が充填レベルに関連して変化する方法。
【請求項38】
前記試験信号が、AC信号である請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項37記載の方法。
【請求項41】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充足性を決定する方法であって、
開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2対の用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、各々の前記量充足電極対がそれぞれのギャップを定義するように位置決めされ、
試験ストリップに生物学的流体を投与することで、生物学的流体がチャンバーの充填を開始し、
試験信号を各々の用量充足電極対の電極の1つに印加すること、
各々の用量充足電極対おける他の電極において前記信号に対するそれぞれの反応を測定すること、
前記反応に基づき充填充足レベルを決定する方法。
【請求項42】
前記試験信号が、AC信号である請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項41記載の方法。
【請求項45】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける充填レベルを決定する方法であって、
流体フロー取り込み開口部、
流体フロー末端、
開口部から末端のあいだの試験ストリップ上に配置される試薬、および
前記試薬と末端のあいだに位置決めされた少なくとも2つの用量充足電極対を含むテストストリップを提供することであって、各々の前記量充足電極対が互いのあいだのそれぞれのギャップを定義し、
開口部に生物学的流体を投与することで、生物学的流体が末端に流れ、
試験信号を各々の用量充足電極対の電極の1つに印加すること、および
前記反応に基づき充填レベルを決定する方法。
【請求項46】
前記試験信号が、AC信号である請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項45に記載の方法。
【請求項49】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充填速度を決定する方法であって、
開口部から末端まで、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバー、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含むテストストリップを提供することであって、前記用量充足電極が互いのあいだのギャップを定義するように位置決めされ、
試験ストリップに生物学的流体を投与することで、生物学的流体がチャンバーの充填を開始し、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、
第1の時間において、他の用量充足電極で試験信号の第一応答を測定すること、
第2の時間において、他の用量充足電極で試験信号の第二応答を測定すること、および
少なくとも部分的に第一応答および第二応答に基づいて、生物学的流体が、チャンバーを充填する速度を決定することを含む方法。
【請求項50】
前記試験信号が、AC信号である請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項49記載の方法。
【請求項52】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項49記載の方法。
【請求項53】
さらに、第一応答と第二応答を記録することを含む請求項49記載の方法。
【請求項54】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップにおける用量充填速度を決定する方法であって、
流体フロー取り込み開口部、
流体フロー末端、
開口部と末端間に位置決めされた測定ゾーン、および
前記測定ゾーンおよび末端間に位置決めされた少なくとも2つの用量充足電極を含む生物学的流体試験ストリップを提供することであって、前記用量充足電極が互いのあいだのギャップを定義するために位置決めされ、
試験ストリップに生物学的流体を投与することで、生物学的流体が開口部から末端への流れを開始し、
AC成分を持つ試験信号を用量充足電極の1つに印加すること、
第1の時間において、他の用量充足電極で試験信号の第一応答を測定すること、
第2の時間において、他の用量充足電極で試験信号の第二応答を測定すること、および
少なくとも部分的に第一応答および第二応答に基づいて、生物学的流体が、チャンバーを充填する速度を決定することを含む方法。
【請求項55】
さらに、開口部から末端へ、試験ストリップに沿った長さに伸びるキャピラリー充填チャンバーを含む請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記試験信号が、AC信号である請求項55記載の方法。
【請求項57】
前記応答が、振幅および位相角度情報を含む請求項55記載の方法。
【請求項58】
前記応答が、アドミタンス値を含む請求項55記載の方法。
【請求項59】
さらに、第一応答と第二応答を記録することを含む請求項55記載の方法。
【請求項60】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップであって、
開口部から末端への試験ストリップに沿った長さに伸長しているキャピラリー充填チャンバー、
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの測定電極、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極
を含む試験ストリップであって、
前記用量充足電極が、前記キャピラリーチャンバーの長さと実質的に平行である第一エッジと、前記キャピラリー充填チャンバーの長さに対して実質的に垂直である第二エッジを持ち、第二エッジよりも第一エッジが長い試験ストリップ。
【請求項61】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップであって、
開口部から末端への試験ストリップに沿った長さで伸長しているキャピラリー充填チャンバー、
前記開口部と前記末端の中間に位置決めされたチャンバー中の測定ゾーン、
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極であって、前記測定ゾーンと前記末端の中間に位置する電極を含む試験ストリップであって、
前記用量充足電極が、前記キャピラリーチャンバーの長さと実質的に平行である第一軸と、前記キャピラリー充填チャンバーの長さに対して実質的に垂直である第二軸を持ち、第二軸よりも第一軸が長い試験ストリップ。
【請求項62】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップであって、
開口部から末端への試験ストリップに沿った長さで伸長している流体フローパス、
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの測定電極、および
前記チャンバーと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含む試験ストリップであって、
前記用量充足電極が、前記流体フローパスの長さと実質的に平行である第一エッジと、前記流体フローパスの長さに対して実質的に垂直である第二エッジを持ち、第二軸よりも第一軸が長い試験ストリップ。
【請求項63】
さらに、前記開口部から前記末端への試験ストリップに沿った長さで伸長しているキャピラリー充填チャンバーを含む請求項62記載の方法。
【請求項64】
生物学的流体の測定を実施するための試験ストリップであって、
開口部から末端への試験ストリップに沿った長さで伸長している流体フローパス、
前記開口部と前記末端の中間に位置決めされたチャンバー中の測定ゾーン、
前記流体フローパスと動作可能に連通する少なくとも2つの用量充足電極を含む試験ストリップであって、前記電極が測定ゾーンと前記末端の中間に位置決めされた試験ストリップであり、
前記用量充足電極が、前記キャピラリーチャンバーの長さと実質的に平行である第一軸と、前記キャピラリー充填チャンバーに対して実質的に垂直である第二軸を持ち、第二軸よりも第一軸が長い試験ストリップ。
【請求項65】
さらに、前記開口部から前記末端への試験ストリップに沿った長さで伸長しているキャピラリー充填チャンバーを含む請求項64に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36】
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【公表番号】特表2007−524826(P2007−524826A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517472(P2006−517472)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019721
【国際公開番号】WO2005/008231
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)