説明

申請書作成システム

【課題】 更新期間内の免許証については申請書自身による簡単な操作で当該免許証Cの更新するための申請書を容易に作成することができ、更新期間外などの更新ができない状態の免許証については申請書の作成を中止することができ、無駄な申請書を作成することを無くすことができる。
【解決手段】 免許証Cの券面の画像を読取装置12により読取り、上記読取装置12により読取った免許証の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を文字認識部25により認識し、上記文字認識部25により認識した更新期間を判別するための情報に基づいて前記免許証Cが更新期間内であるか否かを判断し、前記免許証が更新期間内でないと判断した場合には当該免許証を更新するための申請書の作成を中止し、前記免許証が更新期間内であると判断した場合には当該免許証を更新するための申請書を作成するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、有効期限や更新期間などが設定されている運転免許証などの記録媒体を更新するための申請書を申請者自身の操作により作成する申請書作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、運転免許証の更新を行う場合、写真入りの申請書を各個人が作成する必要がある。現状では、申請者自身が予め準備した写真を所定の寸法に切り、その写真を貼った申請用紙に氏名や住所等を手書きで記入する必要がある。また、申請者自身による氏名や住所等の手書きによる記入を省略するため、係員が申請の受付け業務として、申請者から免許証を受け取り、所定の申請書に免許証の券面(表面と裏面)の画像を印刷するというような運用を行っている場合もある。このような現状に対して、申請書を作成する申請書の自動作成機が提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の申請書を作成する自動作成機では、免許証更新の申請者には、更新期間外であることに気がつかずに申請書を作成してしまう可能性がある。このような場合、従来のシステムでは、申請書作成後の係員による書類審査で判明する。通常、更新期間内で行う更新手続きと、更新期間外で行う更新手続きあるいは新規発行手続きとは、異なる手続きにより行われる。このため、更新期間外であることに気がつかずに申請書を作成した場合、その申請書を破棄し、別の手続きを行ったり、新たに申請書を作り直したりする必要がある。このような場合、申請書の作成、処理時間あるいは審査手続き等に無駄が発生するため、当該システムあるいは免許証の更新を管理するシステム全体の処理効率が低下してしまうという問題点がある。
また、従来は、インターネット等を介して免許証の申請を行うシステムも提案されている(たとえば、特許文献1)。しかしながら、このような免許証の更新を行うシステムでは、システムの構成自体が大規模となるため、当該システムの構築に多額なコストがかかるという問題点もある。
【特許文献1】特開2004−13761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記のような問題点が解決するものであり、無駄な申請書を作成することなく、申請書自身による簡単な操作で更新手続きを行うための申請書を容易に作成することができ、効率的な構成の申請書作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の申請書作成システムは、記録媒体の更新の手続きを行うための申請書を作成するものにおいて、更新期間を判別するための文字情報が記載されている前記記録媒体の券面の画像を読取る読取手段と、この読取手段により読取った前記記録媒体の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を認識する文字認識手段と、この文字認識手段により認識した更新期間を判別するための情報に基づいて前記記録媒体が更新期間内であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により前記記録媒体が更新期間内でないと判断した場合、当該記録媒体の更新の手続きを行うための申請書の作成を中止する中止手段と、前記判断手段により前記記録媒体が更新期間内であると判断した場合、当該記録媒体を更新するための申請書を作成する作成手段とを有する。
【0006】
この発明の申請書作成システムは、記録媒体の券面の画像を読取る読取装置と、前記記録媒体の更新の手続きを行うための申請書の印刷データを作成する電子計算機と、前記印刷データを前記申請書として用いられる媒体に印刷する印刷装置とを有するシステムにおいて、前記読取装置は、更新期間を判別するための文字情報が記載されている記録媒体の券面の画像を読取る読取手段を有し、前記電子計算機は、前記読取装置により読取った前記記録媒体の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を認識する文字認識手段と、この文字認識手段により認識した更新期間を判別するための情報に基づいて上記記録媒体が更新期間内であるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により上記記録媒体が更新期間内でないと判断した場合、当該記録媒体が更新期間でない旨を報知する報知手段と、前記判断手段により上記記録媒体が更新期間内であると判断した場合、当該記録媒体を更新するための申請書の印刷データを作成する作成手段とを有し、前記印刷装置は、前記電子計算機により作成された申請書の印刷データを申請書として用いられる媒体に印刷する印刷手段を有する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、無駄に申請書を作成することなく、申請書自身による簡単な操作で更新手続きを行うための申請書を容易に作成することができ、効率的な構成の申請書作成システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、この発明の実施の形態に係る申請書(書類)作成システム1の構成を概略的に説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る申請書(書類)作成システム1の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように、申請書作成システム1は、コンピュータ(電子計算機)11、読取装置12、および印刷装置13により構成される。
【0009】
上記コンピュータ(電子計算機)11、上記読取装置12、および上記印刷装置13は、一般的な構成のコンピュータ、スキャナ、および、プリンタにより構成することが可能である。このため、図1に示すような構成であれば、上記申請書作成システムを簡単かつ安価に構築できる。なお、本実施の形態で説明する申請書作成システムは、上記コンピュータ11と同様な機能を有する制御部、上記読取装置12と同様な機能を有する読取部、および、上記印刷装置13と同様な機能を有する印刷部などを具備する一体的に形成した装置により構成するようにしても良い。
【0010】
また、本実施の形態では、申請書作成システム1では、免許証Cを更新するための申請書を作成するシステムを想定するものとするが、更新が必要な記録媒体であれば、免許証C以外のものであっても同様に、記録媒体を更新するための申請書を作成する申請書作成システムを実現できる。ただし、本申請書作成システムを適用できる上記記録媒体には、後述する免許証Cと同様に、更新期間を判別するための情報が券面に記載されている必要がある。
また、この実施の形態において、更新の対象となる免許証Cには、当該免許証Cの所有者あるいは免許条件に関する情報として、個人の氏名、呼び名(ふりがな)、生年月日、本籍、有効期限、住所、免許条件、顔画像などの情報が券面(表面および裏面)に印刷されているものとする。
【0011】
上記コンピュータ11は、たとえば、一般的なパーソナルコンピュータなどにより構成される。上記コンピュータ11は、申請書を作成する申請者自身が操作するコンピュータである。上記コンピュータ11は、免許証の情報に基づく更新の可否判定、あるいは、免許証の情報あるいは申請者が入力する情報などに基づく申請書のデータ(印刷データ)を作成するものである。
【0012】
上記読取装置12は、たとえば、一般的なスキャナなどの画像読取装置により構成されている。上記読取装置12は、免許証Cの券面(表面と裏面)の画像を光学的に読取って電子データ(画像データ)に変換するものである。また、上記読取装置12は、読取った免許証Cの券面の画像としての画像データを上記コンピュータ11へ出力する機能も有している。
【0013】
上記印刷装置13は、たとえば、一般的なプリンタなどの印刷装置により構成される。上記印刷装置13は、上記コンピュータ11からの印刷指示に基づいて予め載置されている用紙に上記コンピュータ11から供給される印刷データを印刷する印刷処理を行うものである。
【0014】
このような構成により、上記申請書作成システム1では、上記読取装置12が申請者が提示した免許証Cの券面の画像データを読取り、上記コンピュータ11が上記読取装置12により読取った免許証Cの券面の画像データと申請者自身により入力された情報とにより申請書の作成の可否判定および申請書の印刷データの作成を行い、上記印刷装置13が上記コンピュータ11で作成した申請書の印刷データに基づいて申請書を印刷するようになっている。
【0015】
次に、上記のような申請書作成システム1の構成について詳細に説明する。
図2は、上記申請書作成システム1の構成例を示すブロック図である。
上記コンピュータ11は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、および、文字認識部(OCR処理部)25などを有している。
上記制御部21は、当該コンピュータ11全体の制御を司るものである。上記制御部21は、図示しないCPUや内部メモリなどにより構成される。上記制御部21は、上記記憶部22や図示しない内部メモリに記憶されている制御プログラムに基づいて種々の処理を実行するものである。すなわち、上記制御部21は、上記記憶部22などのメモリに記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより種々の機能を実現している。また、上記制御部21には、現在の日時を計時するクロック(図示しない)が設けられている。
【0016】
上記記憶部22は、種々の処理を実現するための制御プログラムなどの制御データ、あるいは、処理データなどを記憶するものである。上記表示部23は、申請者に対する種々の案内などを表示するものである。上記操作部24は、申請者から種々の操作指示が入力されるものである。なお、上記表示部23及び上記操作部24は、たとえば、タッチパネル内蔵の表示装置により構成するようにしても良い。上記文字認識部(OCR処理部)25は、画像データから文字等を認識するものである。なお、上記文字認識部25は、例えば、上記記憶部22などのメモリに記憶されているアプリケーションプログラムを制御部21などが実行することにより実現される機能である。
また、上記コンピュータ11は、上記読取装置12とのデータの送受信を行うインターフェース(図示しない)、および、上記印刷装置13とのデータの送受信を行うインターフェース(図示しない)なども有している。
【0017】
このような構成により、上記コンピュータ11では、上記読取装置12により読取った免許証Cの券面の画像データを上記読取装置12から取得し、上記読取装置12から取得した免許証Cの券面の画像データから文字認識した情報と所定の条件等に基づいて申請書の作成の可否を判定する。また、上記コンピュータ11では、申請書の作成が可能と判定された場合には申請書の印刷データを作成して上記印刷装置13により作成した申請書の印刷データを印刷させ、申請書の作成が不可と判定された場合には申請書の作成を中止し、その旨を表示部23などにより報知する。
【0018】
上記読取装置12は、申請者が提示した免許証Cの券面(表面と裏面)に画像を光学的に読み取って電子データとしての画像データに変換するものである。上記読取装置12は、図示しない挿入口に挿入された免許証Cを受け入れて、受け入れた免許証Cの券面の画像を画像データに変換するものである。上記読取装置12は、図示しないインターフェースを介して免許証Cの券面の画像データを上記コンピュータ11へ供給するようになっている。
上記印刷装置13は、上記コンピュータ11から与えられる印刷データに基づいて申請書(書類)として用いられる所定の用紙に免許証Cから読み取った情報を含む申請内容を印刷するものである。
【0019】
なお、上記読取装置12は、申請者が提示した免許証Cを図示しない挿入口から取り込み、上記挿入口から取り込んだ免許証Cの券面(表面および裏面)を光学的に走査することにより券面の画像を画像データに変換(読取)するものとする。このような構成により、上記読取装置12では、申請者から免許証Cが提示された免許証の券面の画像データを読み取り、その読取った券面の画像データをコンピュータ11へ出力するようになっている。
【0020】
また、上記文字認識部25は、上記コンピュータ11の代わりに上記読取装置12内に設けるようにしても良い。この場合、上記読取装置12では、免許証Cの券面の画像データを読み取り、その読取った券面の画像データから上述したような種々の情報を文字認識し、当該免許証Cの券面の画像データとともに文字認識の結果をコンピュータ11に出力するようにすれば良い。
【0021】
次に、申請書を作成する際に免許証Cから取得する情報について説明する。
図3は、免許証Cの券面の画像から認識される情報の項目例を示す図である。
上記免許証Cの券面には、個人情報としての当該免許証の所持者の情報と、当該免許証の種類あるいは条件などの情報とが記載されている。例えば、免許証Cの券面には、氏名、呼び名、生年月日、本籍、有効期限、住所、条件、その他の情報などが文字により記載されている。このような免許証Cの券面に記載されている文字情報は、文字認識処理により認識することができる。
【0022】
すなわち、上記コンピュータ11の文字認識部25は、上記読取装置12から免許証Cの券面の画像データが与えられると、当該画像データから上述したような種々の情報としての文字を認識する。また、免許証Cの券面は、所定のフォーマットに基づいてレイアウトされており、上記のような種々の情報は、券面の所定の領域に記載されている。従って、上記文字認識部25では、免許証Cの券面の画像データから所定の領域に文字で記載されている各種の情報をそれぞれ認識処理する。また、各種の情報がそれぞれ所定の領域に記載されているため、上記文字認識部25では、各情報の種類に応じたアルゴリズムや文字認識用の辞書を用いて認識処理を行うようにしても良い。
【0023】
次に、上記申請書作成システム1による申請書の作成動作について説明する。
図4は、上記申請書作成システム1による申請書の作成動作を説明するためのフローチャートである。また、図5、図6、および図7は、上記申請書作成システムの申請書作成段階における操作画面の表示例を示す図である。なお、ここでは、上記コンピュータ11の表示部23および操作部24は、タッチパネル内蔵の表示装置により構成されているものとし、申請者(利用者)からの操作指示は、当該表示装置に表示されたタッチキーを触れることにより入力されるものとする。
【0024】
まず、上記コンピュータ11の電源が投入されると、コンピュータ11の制御部21は、起動処理を実行するとともに、上記読取装置12、および印刷装置13との接続状態を確認する処理を行う。上記読取装置12および印刷装置13との接続が確立して当該コンピュータ11が起動すると、上記制御部21は、図5に示すようなメインメニュー画面50を上記表示部23に表示する(ステップS1)。
【0025】
図5に示すメインメニュー画面50では、更新申請書の作成開始を指示する作成キー51と、その他の操作を指示するその他キー52と、終了を指示する終了キー53とがタッチパネルにより選択可能な状態で表示されている。この状態において、申請者が上記作成キー51に触れると、上記制御部21は、上記記憶部22に記憶されている申請書の作成処理用にプログラムをロードすることにより、申請書の作成処理を開始する。
【0026】
上記申請書の作成処理を開始すると、上記制御部21は、まず、申請者が所持している免許証Cを読取装置12に挿入する旨の案内(メッセージ)を上記表示部23により表示する(ステップS2)。図6は、免許証Cを読取装置12の図示しない挿入口に挿入する旨の操作案内画面60の例である。図6に示す操作案内画面60では、免許証Cの挿入を案内する案内が表示される領域61と、処理をキャンセルする旨を指示するキャンセルキー62とが表示されている。
【0027】
この状態において申請者が免許証Cを読取装置12の挿入口に挿入すると、上記読取装置12は、上記挿入口に挿入された免許証Cを取り込み、取り込んだ免許証Cの券面(表面および裏面)の画像を光学的に読取って電子データとしての画像データに変換する(ステップS3)。この際、上記読取装置12は、電子データとして読取った当該免許証Cの券面の画像データを図示しないインターフェースを介して上記コンピュータ11へ供給するようになっている。
【0028】
上記読取装置12から免許証Cの券面の画像データを受信したコンピュータ11では、上記読取装置12から供給された情報を上記記憶部22に記憶する。上記読取装置12からの免許証Cの券面の画像データの読み込みが完了すると、上記コンピュータ11の制御部21は、免許証Cの券面の画像データを上記文字認識部25へ供給する。上記画像データが供給された文字認識部25では、当該免許証Cの券面の画像データから認識すべき種々の情報としての文字を認識する処理を行う(ステップS4)。また、上記文字認識部25では、免許証Cの券面の画像から認識結果として得られた情報を上記制御部21へ出力するようになっている。
【0029】
この文字認識処理では、免許証Cの券面の画像データから所定の各領域に記載されている文字情報を各項目ごとの情報として認識する。すなわち、本実施の形態では、所定のフォーマットで記載された免許証Cを想定している。このため、上記文字認識部25は、免許証Cに記載されている文字情報を券面の画像データにおける所定の各領域ごとに認識処理することにより、各項目ごとに情報を認識することができる。従って、上記文字認識部25は、免許証Cの券面の画像データから認識結果として得られた各項目ごとの情報を上記制御部21へ出力するようになっている。
【0030】
上記文字認識部25により認識された情報を受信すると、上記制御部21は、上記文字認識部25により認識された情報から当該免許証Cの更新期間を確認するための情報として当該免許証Cの有効期限を示す情報を抽出する(ステップS5)。たとえば、更新期間が当該免許証Cの有効期限を基準に設定されている場合、上記制御部21は、当該免許証Cの有効期限を示す情報を抽出する。また、当該免許証Cの交付日あるいは当該免許証の所有者の誕生日などを基準に当該免許証Cの更新期間が設定されている場合、上記制御部21は、それらの更新期限をチェックするための情報を抽出する。
【0031】
当該免許証Cの更新期間を確認するための有効期限を示す情報を抽出すると、上記制御部21は、抽出した情報から当該免許証Cが所定の更新期間内であるか否かを判断する(ステップS6)。たとえば、更新期間が有効期限日の2ヶ月前から有効期限日までと設定されている場合、上記制御部21は、現在の日時が更新期間(有効期限日の2ヶ月前から有効期限日まで)内であるか否かを判断する。
【0032】
上記判断により当該免許証Cが更新期間内であると判断した場合、上記制御部21は、申請書を作成する申請書の作成処理を行う(ステップS8)。この申請書の作成処理は、申請書としての印刷データの生成処理、生成した申請書の印刷データの確認処理、生成した印刷データによる申請書の印刷処理により行われる。すなわち、上記申請書の作成処理において、上記制御部21は、まず、上記読取装置12により読み込んだ当該免許証Cの券面の画像データから認識した各情報に基づいて当該免許証Cの更新のための申請書の印刷データを生成する。
【0033】
このような申請書の印刷データを生成すると、上記制御部21は、上記表示部23に印刷データが正しいか否かを申請者自身に確認させるための確認画面を表示する。このような表示部23に表示されている確認画面に対して、当該申請者は、表示されている申請書の画像(印刷データ)を確認する。この場合、上記表示部23に表示された申請書の印刷データが満足するものであれば、当該申請者は、当該申請書の作成(印刷)を上記操作部24により指示する。
【0034】
上記のような確認画面を表示した状態において申請書の印刷データを確認した申請者が作成(印刷)を指示すると、上記制御部21は、当該申請書の作成指示とともに、当該申請書の印刷データを上記印刷装置13へ供給する。上記印刷データを受信した印刷装置13は、申請書として使用される所定の用紙に上記コンピュータ11から供給された印刷データを印刷することにより申請書を作成する。
【0035】
また、上記判断により当該免許証Cが更新期間内でないと判断した場合、上記制御部21は、申請書の作成が不可である旨を報知し、当該申請書の作成処理を中止する処理を行う(ステップS7)。すなわち、上記制御部21は、当該免許証Cが更新期間内でないと判断した場合、上記表示部23に更新期間外であるため当該免許証の更新手続きを行うための申請書の作成が不可である旨のメッセージを表示し、当該免許証Cを返却(排出)することにより当該免許証Cの更新手続きのための申請書の作成を中止する。
【0036】
なお、更新期間外であっても現在の日時と有効期限との関係で取り扱いが異なる場合、上記制御部21は、当該免許証Cの取り扱い方法あるいは手続き方法などをメッセージとして表示部23に表示するようにしても良い。
たとえば、更新期限日を過ぎても一定期間内であれば上記のような更新手続きとは異なる特定の手続きにより当該免許証Cの更新を認めている運用形態においては、上記制御部21では、当該免許証Cが更新期限日を過ぎていても一定期間内であれば、当該免許証Cの更新方法などをメッセージとして表示部23に表示するようにしても良い。
【0037】
具体例として、更新期限日から6ヶ月以内であれば失効の手続きにより免許証Cの更新が可能である運用形態では、上記制御部21は、上記判断により当該免許証Cが更新期間内でないと判断した場合、さらに、現在の日時が当該免許証Cの失効期間(更新期限日から6ヶ月以内)内であるか否かを判断する。この判断により失効期間内であると判断すれば、上記制御部21は、図7に示すような当該免許証Cが失効期間である旨と失効の手続き方法などを示すメッセージを表示部23に表示する。また、当該免許証Cが上記のような失効期間である場合、上記制御部21は、更新期間内の更新手続きとは異なる手続きを行う必要があるので、図7に示すようなエラーメッセージを表示部23に表示するとともに、上述したような更新のための申請書の作成を中止する。
【0038】
これにより、申請者が提示した免許証が更新期間外であっても、申請者が提示した免許証が失効期間内であれば、当該申請者に失効の手続きを適切に行わせるような案内を行うことができる。この結果、申請者は、免許証が失効期間となってしまっている場合であっても、当該免許証Cの失効に伴う更新の手続きを円滑に行うことができる。
【0039】
さらに、上記のように、更新期間や失効期間などを有効期限を基準に設定している運用形態においては、上記制御部21は、更新期間内である場合には上記ステップS8のように更新の申請書を作成するが、更新期間外である場合には現在の日時と有効期限との関係に基づいて種々のメッセージを表示部23に表示することが可能である。
【0040】
具体例として、有効期限日の2ヶ月以上前を更新前期間、有効期限日の2ヶ月前から有効期限日を更新期間、有効期限日から6ヶ月以内を失効期間、有効期限日から6ヶ月以上を更新無効期間とする運用形態を想定する。このような運用形態においては、更新前期間であれば、上記制御部21は、申請書の作成を中止して当該免許証Cの更新期間になってから手続きを行う旨の案内を表示部23に表示する。また、更新期間であれば、上記制御部21は、上記ステップS8と同様な処理により当該免許証Cを更新するための申請書を作成する。また、失効期間であれば、上記制御部21は、申請書の作成を中止して当該免許証Cの失効の手続きにより当該免許証の更新を行う旨の案内を表示部23に表示する。また、更新無効期間であれば、上記制御部21は、申請書の作成を中止して免許証Cを新規に取得する旨(当該免許証Cの更新が不可となっている旨)の案内を表示部23に表示する。
【0041】
これにより、申請者が提示した免許証が更新期間外であっても、申請者が提示した免許証の状態(有効期限など)に応じて、当該申請者に各種の手続きを適切に行わせるような案内を行うことができる。この結果、申請者は、免許証が更新期間外であっても、各種の手続きを円滑に行うことができる。
【0042】
上記のように、本実施の形態は、免許証の券面の画像を読取り、読取った免許証の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を認識し、認識した更新期間を判別するための情報に基づいて前記免許証が更新期間内であるか否かを判断し、前記免許証が更新期間内でないと判断した場合には当該免許証を更新するための申請書の作成を中止し、前記免許証が更新期間内であると判断した場合には当該免許証を更新するための申請書を作成するようにしたものである。
【0043】
これにより、更新期間内の免許証については申請書自身による簡単な操作で当該免許証の更新するための申請書を容易に作成することができ、更新期間外などの更新ができない状態の免許証については申請書の作成を中止することができ、無駄な申請書を作成することが無くなる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、前記更新期間を判別するための情報として有効期限を示す情報が券面に記載されている免許証については、現在の日時と前記有効期限を基準とする所定の更新期間とに基づいて当該免許証が更新期間内であるか否かを判断するようにしたものである。これにより、当該免許証の券面に記載されている有効期限を基準に更新期間であるか否かを判断でき、更新期間外などの更新ができない状態の免許証が提示された場合には無駄な申請書を作成することが無くなる。
【0045】
さらに、本実施の形態では、前記免許証が更新期間内でないと判断した場合には申請書の作成を中止するとともに、当該免許証が更新期間でない旨を報知するようにしたものである。これにより、更新期間外などの更新ができない状態の免許証を提示した申請者に対しては更新できない旨を報知することができる。
【0046】
さらに、本実施の形態では、前記更新期間内でない当該免許証については、前記申請書による更新の手続きとは異なる失効手続きによって当該免許証の更新が可能であるか否かを判断し、前記失効手続きによって更新が可能であると判断した場合には前記失効手続きの内容を報知し、前記失効手続きでも更新ができないと判断した場合には当該免許証の更新ができない旨を報知するようにしたものである。これにより、更新期間外などの更新ができない状態の免許証が提示された場合には無駄な申請書を作成することが無く、当該免許証の状態に応じた手続きの案内を行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態では、申請書作成システムは、免許証の券面の画像を読取る読取装置と、この読取装置により読取った画像から更新期間を判別するための文字情報を認識し、認識した更新期間を判別するための情報に基づいて前記記録媒体が更新期間内であるか否かを判断し、前記免許証が更新期間内でないと判断した場合には当該免許証を更新するための申請書の作成を中止し、前記免許証が更新期間内であると判断した場合には当該免許証を更新するための申請書の印刷データを作成するコンピュータと、前記コンピュータにより作成した申請書の印刷データに基づいて申請書を印刷する印刷装置とにより構成しているものである。このようなシステムの構成する各装置には、一般的なスキャナ、コンピュータ、プリンタなどの装置を適用することができ、安価にシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の実施の形態に係る申請書(書類)作成システムの構成例を概略的に示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る申請書作成システムの構成例を示すブロック図。
【図3】免許証から取得するデータの例を示す図。
【図4】申請書作成システムによる申請書の作成動作を説明するためのフローチャート。
【図5】メインメニュー画面の表示例を示す図。
【図6】免許証を読取装置の挿入口に挿入する旨の案内画面の表示例を示す図。
【図7】免許証の失効手続きを行う旨のエラーメッセージの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0049】
C…免許証、1…申請書作成システム、11…コンピュータ(電子計算機)、12…読取装置、13…印刷装置、21…制御部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、25…文字認識部(OCR処理部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の更新の手続きを行うための申請書を作成する申請書作成システムにおいて、
更新期間を判別するための文字情報が記載されている前記記録媒体の券面の画像を読取る読取手段と、
この読取手段により読取った前記記録媒体の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を認識する文字認識手段と、
この文字認識手段により認識した更新期間を判別するための情報に基づいて前記記録媒体が更新期間内であるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により前記記録媒体が更新期間内でないと判断した場合、当該記録媒体の更新の手続きを行うための申請書の作成を中止する中止手段と、
前記判断手段により前記記録媒体が更新期間内であると判断した場合、当該記録媒体を更新するための申請書を作成する作成手段と、
を具備することを特徴とする申請書作成システム。
【請求項2】
前記記録媒体には、前記更新期間を判別するための情報として有効期限を示す情報が券面に記載されており、
前記判断手段は、現在の日時と前記有効期限を基準とする所定の更新期間とに基づいて当該記録媒体が更新期間内であるか否かを判断する、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の申請書作成システム。
【請求項3】
さらに、前記判断手段により前記記録媒体が更新期間内でないと判断した場合、前記中止手段により前記申請書の作成を中止するとともに、当該記録媒体が更新期間でない旨を報知する報知手段を有する、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の申請書作成システム。
【請求項4】
前記判断手段は、さらに、前記更新期間内でない当該記録媒体については、前記申請書による更新の手続きとは異なる第2の手続きによって当該記録媒体の更新が可能であるか否かを判断し、
前記報知手段は、前記判断手段により前記第2の手続きによって更新が可能であると判断した場合、当該記録媒体を更新するための手続きとしての前記第2の手続きの内容を報知し、前記判断手段により前記第2の手続きでも更新ができないと判断した場合、当該記録媒体の更新ができない旨を報知する、
ことを特徴とする前記請求項3に記載の申請書作成システム。
【請求項5】
記録媒体の券面の画像を読取る読取装置と、前記記録媒体の更新の手続きを行うための申請書の印刷データを作成する電子計算機と、前記印刷データを前記申請書として用いられる媒体に印刷する印刷装置とを有する申請書作成システムにおいて、
前記読取装置は、
更新期間を判別するための文字情報が記載されている記録媒体の券面の画像を読取る読取手段を有し、
前記電子計算機は、
前記読取装置により読取った前記記録媒体の券面の画像から更新期間を判別するための文字情報を認識する文字認識手段と、
この文字認識手段により認識した更新期間を判別するための情報に基づいて上記記録媒体が更新期間内であるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により上記記録媒体が更新期間内でないと判断した場合、当該記録媒体が更新期間でない旨を報知する報知手段と、
前記判断手段により上記記録媒体が更新期間内であると判断した場合、当該記録媒体を更新するための申請書の印刷データを作成する作成手段と、を有し、
前記印刷装置は、
前記電子計算機により作成された申請書の印刷データを申請書として用いられる媒体に印刷する印刷手段を有する、
を具備することを特徴とする申請書作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−65735(P2007−65735A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247613(P2005−247613)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】