男性用小便補助台
【課題】周囲への尿の飛散を防止することができ、各人が自分にあった楽な姿勢で、安心して小用をすることができる簡単な構成の男性用小便補助台を提供する。
【解決手段】男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台100であって、男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有する。
【解決手段】男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台100であって、男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性が小用する際に両膝で乗って使用する男性用小便補助台に関し、特に要介護者や高齢者が小用をする際に使用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大小兼用の洋式便器において、男性は立った状態で小用している。しかしながら立った姿勢で小用すると、尿が激しい勢いで便器の内壁面や便器内の溜水面に当たり、内壁面等に当たることで発生した尿飛沫が便器外の床や壁などに付着してしまうということがあった。また、陰茎と便器の開口部とが遠く離れているので、尿の出し始めのときは、便器内に尿が排出されずに便器の開口部や便器外の床などに尿を垂らしてしまうということもあった。便器の内壁面とは違い、床や壁、便器の開口部などは常に洗浄されるわけではないので、尿が付着すると、雑菌が繁殖したり、アンモニア臭に代表される悪臭が発生したりして、衛生的に非常に問題になっていた。
【0003】
なお、このような問題は、大小兼用の洋式便器だけに存在する問題ではなく、例えば、床置型のストール型小便器においても同様に存在する。
【0004】
上述したような問題を解決する発明として、便器の左右に配設された両膝を受ける下肢受けと、当該下肢受けの高さを調節する調節手段とを有し、当該下肢受けに膝を着くことで腰をかがめた状態で小用をすることができる小便補助具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
こうした小便補助具を使用することにより、従来の立った姿勢よりも低い位置から小用をすることが可能になるので、便器の内壁面等に激しい勢いで尿が当たることはなくなり、便器外の床や壁に尿飛沫が付着してしまうことを防ぐことができる。また、陰茎を便器の開口部に近づけて小用をすることができるので、尿の出し始めの時もすぐに便器内に尿が排出されることになり、便器の開口部や周囲の床などに尿が垂れてしまうことは無くなる。
【特許文献1】特開2004−267669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている小便補助具は、膝を着く下肢受けが便器の左右両側に一カ所ずつ局所的にしか配置されないため、例えば、要介護者や高齢者は、下肢受けに正確に膝を着けずに落下してしまう恐怖を抱いてしまい、安心して使用することができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、膝を着く下肢受が便器の左右両側に一カ所ずつ局所的にしか配置されない。したがって、各人が自分にあった楽な姿勢を取ることができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、油圧などを利用した駆動機構を備えている。こうした駆動機構は日頃からメンテナンスをする必要があり、この駆動機構を維持管理するのに新たにコストがかかってしまうという問題がある。
【0009】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、左右下肢を受ける2つの下肢受けと、当該下肢受けを支持する支持部と、当該支持部を高さ方向に伸縮させる油圧部と、基台とで構成されている。このような複雑な構成であると、各部材の隙間に汚れが溜まってしまいやすく、清潔な状態を保ちにくいという問題がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の状況に鑑み、周囲への尿の飛散を防止することができ、各人が自分にあった楽な姿勢で、安心して小用をすることができる簡単な構成の男性用小便補助台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台であって、男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0012】
かかる第1の態様では、使用者が自分の好きな位置に膝を置いて自分にあった楽な姿勢で立った姿勢よりも低い位置で小用をすることができ、周囲への尿の飛散を確実に防止することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様の男性用小便補助台において、両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台と、当該第1の膝着き台とは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台とを具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0014】
かかる第2の態様では、第1の膝着き台と第2の膝着き台とがそれぞれ独立しているので、便器の形状や大きさに依らずに設置することができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、第2の態様の男性用小便補助台において、前記第1の膝着き台及び前記第2の膝着き台の長手方向の端部に、当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とのなす角度が可変な状態で当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とを接続する接続手段が設けられていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0016】
かかる第3の態様では、接続手段で第1の膝着き台と第2の膝着き台の長手方向の端部同士を接続し、第1の膝着き台及び第2の膝着き台のそれぞれの凹状に屈曲した面を便器に押し当てることで、簡単に便器の開口部の縁部に沿うように設置することができる。また、本態様の男性用小便補助台の第1の膝着き台と第2の膝着き台は、接続手段によって両者の間の角度が可変な状態で接続されているので、第1の膝着き台と第2の膝着き台とのなす角度を調節してやることで、便器の形状や大きさに依らずに、便器の開口部の縁部に沿うように配置することができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様の男性用小便補助台において、手をかけて起立動作及び着座動作を補助する手すりを外周部に具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0018】
かかる第4の態様では、手で身体を支持しながら起立動作及び着座動作を行うことができる。
【0019】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか一つの態様の男性用小便補助台において、膝が乗せられる弾性材料からなる膝着き部と、当該膝着き部を下方から支持する台本体とを具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0020】
かかる第5の態様では、心地よく膝をつくことができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、第5の態様の男性用小便補助台において、前記膝着き部がEVA樹脂を含む弾性材料で形成されていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0022】
かかる第6の態様では、より心地よく膝を着くことができる。
【0023】
本発明の第7の態様は、第5又は第6の態様の男性用小便補助台において、前記膝着き部が前記台本体に対して着脱可能に固定されていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0024】
かかる第7の態様では、膝に直接当接する膝着き部のみを取り外すことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の男性用小便補助台を使用すれば、立った状態よりも低い位置から小用をすることができるので、周辺の床や壁、便器の開口部などへ尿飛沫が付着することを確実に防止することができる。
【0026】
また、本発明の男性用小便補助台を使用すれば、個々人が自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。
【0027】
さらに、本発明の男性用小便補助台は便器の開口部の縁部に沿うように配置することが出来るので、要介護者や高齢者であっても安心して使用することができる。
【0028】
また、本発明の男性用小便補助台は、構成が非常に簡単であり、例えば雑巾などで汚れを拭き取ることで容易に清潔な状態を保つことができるとともに、安価に作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。以下では、本発明の男性用小便補助台が大小兼用の洋式便器に設置されている例を示す。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。また、図2は本発明の実施形態1に係る男性用小便補助台の平面図である。なお図2中のハッチング部分は大小兼用の洋式便器(以下、単に「便器」と称する)の床に固定されている部分の形状を示し、破線部分は便器の開口部の外形を示している。また、図3は、実施形態1に係る男性用小便補助台の使用状態を示す概略図である。
【0031】
本実施形態に係る男性用小便補助台100は、図1に示すように、両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台10Aと、当該第1の膝着き台10Aとは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台10Bとで構成されている。そして、図2に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは便器200の周囲に設置され、図3に示すように、男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用される。
【0032】
つまり、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、図3に示すように、実際に男性が膝立ち状態で乗ったときに、陰茎が便器200の開口部201よりも上方で且つ便器200の開口部201付近に位置するようになるような高さを備えている。
【0033】
当然、便器200の底面202から開口部201までの長さLは製品によって異なり、また男性の膝から陰茎までの長さBは個々人で異なるので、男性用小便補助台100の高さAは、それらに鑑みて決定されなければならないが、具体的には例えば、110〜130mm程度の高さであればよい。これは以下に示す理由に基づく。
【0034】
便器200の底面202から開口部201までの長さLは、製品によって異なるものの350〜370mmの範囲にある(この値は、JIS A5207 衛生陶器の付図16 洋風タンク密結洗落とし便器,節水形洋風タンク密結洗落とし便器に基づく)。また、男性の膝から陰茎までの長さBは、個々人で当然違うが、本発明の発明者が被験者を募り測定したところ、身長が155cm以上〜165cm未満の人が平均約270mm、165以上〜175cm未満の人が平均約300mm、175cm以上〜185cm未満の人が平均約330mmであるという計測結果を得ることができた。
【0035】
したがって、身長が155cm以上〜165cm未満の人が使用することを考えて、男性の膝から陰茎までの長さBを270mmとし、男性の膝から陰茎までの長さBと男性用小便補助台100の高さAとを合わせた長さが、便器200の底面202から開口部201までの長さL(350〜370mm)よりもあまり長すぎない程度の長さ、例えば30mm長い380〜400mmの範囲にあるように、男性用小便補助台100の高さAを決定すればよい。つまり、男性用小便補助台100の高さAは、底面202から開口部201までの長さLが350mmの便器200では、350+30−270=110mm、底面202から開口部201までの長さLが370mmの便器200では、370+30−270=130mmにすればよい。したがって、男性用小便補助台100の高さは110〜130mm程度にされていればよい。もちろん、110〜130mmという値はあくまでも汎用性を考慮したものであり、本実施形態に係る男性用小便補助台100の高さはこの値に限定されるものではない。つまり、便器200の底面202から開口部201までの長さLと、使用者の膝から陰茎までの長さBとを考慮して適宜決定されればよい。
【0036】
このような男性用小便補助台100を男性が小用をする際に使用することで、男性は立った状態よりも低い位置から小用をすることができるとともに、便器200の開口部201に近づいて小用をすることができる。したがって、尿が周囲に飛散して床や壁に尿飛沫が付着してしまうということを防止することができるとともに、尿の出し始めのときも、床や便器200の開口部201へ尿を垂らしてしまうことを防止することができる。
【0037】
ここで、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、図1及び図2に示すように、便器200の開口部201の縁部に実質的に沿うように屈曲した長円形の平面形状、つまり開口部201の外形に近い曲率で湾曲する所謂弓形の平面形状を有する。また第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、便器200の開口部201の縁部前方から側方に亘る大きさ(長さ)を有する。具体的には、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、便器200の開口部201の前側半分の外周に亘る程度の大きさで形成されている。
【0038】
このため、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器200の周囲に設置すると、便器200の開口部201の前側半分の外周に亘って便器200の開口部201のすぐ外側に第1及び第2の膝着き台10A,10Bが配されることになる(図2参照)。
【0039】
したがって、本実施形態に係る男性用小便補助台100を一度便器200の周囲に配置してしまえば特に動かすことなく、自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。また、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、膝を着く各膝着き部11の面積がある程度大きく、この膝着き部11が便器200の開口部201の縁部に沿うように配することで、要介護者や高齢者であっても落下してしまう恐怖を感じることなく安心して乗ることができるという効果もある。
【0040】
ここで、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、当該第1の膝着き台10Aと当該第2の膝着き台10Bとのなす角度θが可変な状態で接続されている。具体的には、図1に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向の一方の端部に、両者を接続する接続手段として一対の面ファスナー20が配設されている。そして、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、両者間の角度θが所定の角度となるように面ファスナー20によって接続されている。
【0041】
つまり、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、第1及び第2の膝着き台10A,10B間の角度θを便器の大きさや形状に応じて適宜調整した状態で、両者を接続して固定することができるようになっている。
【0042】
特に、本実施形態では、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、上述したように長円形の平面形状を有し、面ファスナー20が配設されている各端面が丸くなっているため、両者間の角度を容易に調整することができる。
【0043】
これにより、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの間の角度θを便器の大きさや形状に応じて調整した状態で、両者を面ファスナー20で接続して固定し、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器の前方に載置して便器に向かって移動させるだけで、これら第1及び第2の膝置き台10A,10Bを最適な位置に配置することができる。すなわち、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器に当接するまで移動させるだけで、これら第1及び第2の膝着き台10A,10Bを簡単に便器の開口部の縁部に沿うように設置することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、図1に示すように、男性が膝を乗せる、弾性材料からなる膝着き部11と、当該膝着き部11の下方に位置して膝着き部11を支持する台本体12とで構成されており、膝着き部11は台本体12に対して着脱可能に固定されている。これら膝着き部11の固定方法は、台本体12から膝着き部11が着脱可能に固定されているのであれば、特に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、図示しないが、膝着き部11の底面に台本体12側に突出する凸部を形成し、台本体12の上端面に、膝着き部11の底面に形成された凸部に係合する凹部を形成し、膝着き部11形成された凸部を、台本体12に形成された凹部に係合させている。
【0045】
膝着き部11は、男性の膝が乗せられる部分であって、弾性材料で形成されている。膝着き部11に用いられる弾性材料は特に限定されるものではないが、軽い材料であるとより好ましい。そのような弾性材料としては例えば、多孔質のポリウレタン(例えば、軟質ウレタンフォーム)、EVA(Ethylenece−Vinyl Acetate:エチレン−酢酸ビニル共重合体)などが挙げられる。また、そのような弾性材料の中でも、軽量であって、膝を着いても痛みを感じさせない柔らかさと、膝立ち状態での安定を維持する堅さとを備えているので、特にEVAが好ましい。本実施形態の膝着き部11もEVAで形成されている。また、膝着き部11は、上層が柔らかい多孔質のポリウレタン、下層が適度な柔らかさと堅さとを兼ね備えたEVAというように、異なる複数種の弾性材料で形成されていてもよい。
【0046】
台本体12は、膝着き部11の下方に位置して膝着き部11を支持する部材であり、人が乗っても壊れない程度の強度を有しているのであれば、その構造は特に限定されず、また、材料も特に限定されない。また、台本体12は軽い材料で形成されていると好ましい。そのような強さと軽さとを備えた材料としては例えば、ポリプロピレンを挙げることができる。本実施形態の膝着き部11もポリプロピレンで形成されている。また、本実施形態の台本体12の表面は、光触媒作用を有する酸化チタンでコーティングされている。
【0047】
上述したように、本実施形態に係る男性用小便補助台100では、膝着き部11が台本体12に対して、着脱可能に固定されている。これにより、例えば、予め膝着き部11の予備を用意しておき、膝着き部11が汚くなった時点で予備の膝着き部11に取り替えたり、又は膝着き部11のみを着脱して洗浄したりすることで、膝に当たる面を容易に清潔な状態に保つことができる。
【0048】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、膝が乗せられる膝着き部11が弾性材料であるEVAで形成されているので、心地よく膝を着くことができる。
【0049】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、軽い材料で形成されているので、使わないときなどは容易に持ち運んで他の場所へ片付けることができる。また、軽いので壁などへ吊り下げておくことも出来る。
【0050】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、構成が非常に簡単であり、例えば雑巾などで汚れを拭き取ることで容易に清潔な状態を保つことができるとともに、安価に作製することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の台本体12の表面は、酸化チタンでコーティングされている。これにより、台本体12は、尿飛沫が付着しても、光触媒作用による抗菌・防かび効果によって、常に清潔な状態に保たれる。
【0052】
なお、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、男性が実質的に膝立ち状態で使用するものであるため、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、男性が良好に膝立ちできるように、便器200の周囲に設置された状態において膝着き部11の上端面が実質的に水平となるように形成されている。
【0053】
勿論、膝着き部11の上端面は、男性が良好に膝立ちできる程度に水平となっているならば、完全に水平となっている必要はない。例えば、膝を乗せたときに最も撓みやすい真ん中の部分が緩やかに盛り上がるよう形成されていてもよい。これにより、経年劣化などで膝着き部11が撓んだまま戻らなくなり膝着き部11に安定して膝立ちできないといった問題が発生するのを防ぐことができる。
【0054】
なお、上述したように本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、膝着き部11が台本体12に対して着脱可能に固定されていたが、両者が完全に固定されていてもよい。
【0055】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台は、弾性材料からなる膝着き部11を有していたが、例えば発泡スチロールなど、膝を乗せたときに痛みを感じない程度の柔らかさを有する材料で台本体12が形成されているならば、弾性材料からなる膝着き部11は設けなくても構わない。
【0056】
また、台本体12の底面に、ゴムなどの摩擦が大きい材料が配設されていてもよい。これにより、使用中、膝をずらした勢いで第1及び第2の膝着き台10A,10Bの位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0057】
また、台本体12が、上述したような所定形状に裁断・製材された木材で構成されていてもよい。この場合には、台本体12を材料コストを低く抑えることができるので、製造上非常に有利となる。また、台本体12を木材で構成する場合には、表面に抗菌塗料や防臭塗料を塗布するとよい。
【0058】
(実施形態2)
図4は本発明の実施形態2に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。なお、上述した実施形態1に係る男性用小便補助台と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0059】
この図に示すように本実施形態に係る男性用小便補助台100Aには、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部、詳述すると、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向であって面ファスナー20が配設されている側とは反対側の各端部に、手をかける手すり30が配設されている。なお、本実施形態に係る手すり30は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの各台本体12と、一体的に形成されている。また、手すり30は、男性用小便補助台100Aに座る着座動作の時、又は小用をし終わり男性用小便補助台100Aから立ち上がる起立動作の時に、手を伸ばして届く高さに形成されている。
【0060】
本実施形態に係る男性用小便補助台100Aには、上述したような手すり30が設けられているので、この手すり30に手をかけることにより、身体を支持しながらゆっくりと膝を乗せる着座動作を行うことができるとともに、便座に手をかけることなくゆっくりと立ち上がる起立動作を行うことができる。したがって、安心して着座動作及び起立動作を行うことができるとともに、便座に手を触れることなく着座動作及び起立動作を行うことができる。
【0061】
なお、本実施形態に係る男性用小便補助台100Aの手すり30は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向であって面ファスナー20が配設されている側とは反対側の各端部に配設されていたが、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部に配設されているのであるならば、手すり30の位置は特に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部の便器に対向する凹状に湾曲した面の反対側に手すり30が配設されていても構わない。
【0062】
また、上述した本実施形態に係る男性用小便補助台100Aの手すり30は、その高さが可変であるような構成でも構わない。手すり30の高さを可変に構成することで、各人が自分にあった手すりの高さにすることができ、無理のない姿勢で着座動作及び起立動作を行うことができる。
【0063】
(実施形態3)
図6は本発明の実施形態3に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。なお、上述した実施形態1及び実施形態2に係る男性用小便補助台と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0064】
図示するように、本実施形態の男性用小便補助台100Bは、左膝を乗せる部分と右膝を乗せる部分とが、所定の角度θを保持した状態で連続して設けられている。なお、膝を乗せる膝付き部11Aと、床に接地する台本体12Aとを備えているのは、実施形態1及び実施形態2と同様である。
【0065】
このような各膝を乗せる部分がそれぞれ独立していない構成であっても、実施形態1や実施形態2と同様に、一度便器200の周囲に配置してしまえば特に動かすことなく、自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。
【0066】
そして、本実施形態の男性用小便補助台100Bは、左膝を乗せる部分と右膝を乗せる部分とが連続しているので、上述した実施形態1及び2よりも製作コストを低減することができる。
【0067】
また、右膝を乗せる部分は左膝を乗せる部分に、左膝を乗せる部分は右膝を乗せる部分に、それぞれ相互に作用するため、膝を乗せたときにぐらつきが少なく、安定性に非常に優れる。
【0068】
また、載置する位置及び使用方法を直感的に理解することができる。
【0069】
なお、実施形態1及び実施形態2で説明したような、柔らかい台本体のみでなる構成や手すりを備える構成等は、本実施形態の男性用小便補助台100Bにも、もちろん適用できる。
【0070】
(他の実施形態)
以上、本発明の男性用小便補助台の実施形態について説明したが、上述した各実施形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
例えば、上述した実施形態1及び2では、第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとが、接続手段である面ファスナー20で接続されて実質的に両者が固定される例を説明したが、これら第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとは、接続手段によって必ずしも固定されている必要はない。例えば、第1及び第2の膝着き台10A,10Bに、接続手段としてのかぎ状のフックを配設し、これらのフック同士を係合させることで両者間の角度が可変な状態でこれら第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとを接続するようにしてもよい。なお、接続手段にフックを用いる場合は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの平面形状は、便器200の開口部201に沿うように屈曲しているのであれば、特に限定されず、例えば、屈曲した矩形であってもよい。
【0072】
また、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを接続する接続手段は、勿論、設けられていなくてもよい。つまり、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、それぞれ独立して便器周辺の所望の場所に配置しても構わない。
【0073】
また、上述した実施形態では、大小兼用の洋式便器に使用する例を示したが、本発明の男性用小便補助台は、床置型のストール型小便器に設置して使用しても、床や壁、便器200の開口部201に尿が付着してしまうことを防止することができる。床置型のストール型小便器に使用する際には、新たに床置型のストール型小便器の形状や高さに合わせた男性用小便補助台を作製してもよいし、上述した大小兼用の洋式便器に合わせた男性用小便補助台であれば、そのまま流用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の使用状態を示す概略図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る男性用小便補助台の他の外観斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
100,100A,100B 男性用小便補助台
10A 第1の膝着き台
10B 第2の膝着き台
11,11A 膝着き部
12,12A 台本体
20 面ファスナー
30 手すり
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性が小用する際に両膝で乗って使用する男性用小便補助台に関し、特に要介護者や高齢者が小用をする際に使用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、大小兼用の洋式便器において、男性は立った状態で小用している。しかしながら立った姿勢で小用すると、尿が激しい勢いで便器の内壁面や便器内の溜水面に当たり、内壁面等に当たることで発生した尿飛沫が便器外の床や壁などに付着してしまうということがあった。また、陰茎と便器の開口部とが遠く離れているので、尿の出し始めのときは、便器内に尿が排出されずに便器の開口部や便器外の床などに尿を垂らしてしまうということもあった。便器の内壁面とは違い、床や壁、便器の開口部などは常に洗浄されるわけではないので、尿が付着すると、雑菌が繁殖したり、アンモニア臭に代表される悪臭が発生したりして、衛生的に非常に問題になっていた。
【0003】
なお、このような問題は、大小兼用の洋式便器だけに存在する問題ではなく、例えば、床置型のストール型小便器においても同様に存在する。
【0004】
上述したような問題を解決する発明として、便器の左右に配設された両膝を受ける下肢受けと、当該下肢受けの高さを調節する調節手段とを有し、当該下肢受けに膝を着くことで腰をかがめた状態で小用をすることができる小便補助具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
こうした小便補助具を使用することにより、従来の立った姿勢よりも低い位置から小用をすることが可能になるので、便器の内壁面等に激しい勢いで尿が当たることはなくなり、便器外の床や壁に尿飛沫が付着してしまうことを防ぐことができる。また、陰茎を便器の開口部に近づけて小用をすることができるので、尿の出し始めの時もすぐに便器内に尿が排出されることになり、便器の開口部や周囲の床などに尿が垂れてしまうことは無くなる。
【特許文献1】特開2004−267669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている小便補助具は、膝を着く下肢受けが便器の左右両側に一カ所ずつ局所的にしか配置されないため、例えば、要介護者や高齢者は、下肢受けに正確に膝を着けずに落下してしまう恐怖を抱いてしまい、安心して使用することができないという問題がある。
【0007】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、膝を着く下肢受が便器の左右両側に一カ所ずつ局所的にしか配置されない。したがって、各人が自分にあった楽な姿勢を取ることができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、油圧などを利用した駆動機構を備えている。こうした駆動機構は日頃からメンテナンスをする必要があり、この駆動機構を維持管理するのに新たにコストがかかってしまうという問題がある。
【0009】
また、特許文献1に記載されている小便補助具は、左右下肢を受ける2つの下肢受けと、当該下肢受けを支持する支持部と、当該支持部を高さ方向に伸縮させる油圧部と、基台とで構成されている。このような複雑な構成であると、各部材の隙間に汚れが溜まってしまいやすく、清潔な状態を保ちにくいという問題がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の状況に鑑み、周囲への尿の飛散を防止することができ、各人が自分にあった楽な姿勢で、安心して小用をすることができる簡単な構成の男性用小便補助台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台であって、男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0012】
かかる第1の態様では、使用者が自分の好きな位置に膝を置いて自分にあった楽な姿勢で立った姿勢よりも低い位置で小用をすることができ、周囲への尿の飛散を確実に防止することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様の男性用小便補助台において、両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台と、当該第1の膝着き台とは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台とを具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0014】
かかる第2の態様では、第1の膝着き台と第2の膝着き台とがそれぞれ独立しているので、便器の形状や大きさに依らずに設置することができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、第2の態様の男性用小便補助台において、前記第1の膝着き台及び前記第2の膝着き台の長手方向の端部に、当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とのなす角度が可変な状態で当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とを接続する接続手段が設けられていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0016】
かかる第3の態様では、接続手段で第1の膝着き台と第2の膝着き台の長手方向の端部同士を接続し、第1の膝着き台及び第2の膝着き台のそれぞれの凹状に屈曲した面を便器に押し当てることで、簡単に便器の開口部の縁部に沿うように設置することができる。また、本態様の男性用小便補助台の第1の膝着き台と第2の膝着き台は、接続手段によって両者の間の角度が可変な状態で接続されているので、第1の膝着き台と第2の膝着き台とのなす角度を調節してやることで、便器の形状や大きさに依らずに、便器の開口部の縁部に沿うように配置することができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様の男性用小便補助台において、手をかけて起立動作及び着座動作を補助する手すりを外周部に具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0018】
かかる第4の態様では、手で身体を支持しながら起立動作及び着座動作を行うことができる。
【0019】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか一つの態様の男性用小便補助台において、膝が乗せられる弾性材料からなる膝着き部と、当該膝着き部を下方から支持する台本体とを具備することを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0020】
かかる第5の態様では、心地よく膝をつくことができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、第5の態様の男性用小便補助台において、前記膝着き部がEVA樹脂を含む弾性材料で形成されていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0022】
かかる第6の態様では、より心地よく膝を着くことができる。
【0023】
本発明の第7の態様は、第5又は第6の態様の男性用小便補助台において、前記膝着き部が前記台本体に対して着脱可能に固定されていることを特徴とする男性用小便補助台にある。
【0024】
かかる第7の態様では、膝に直接当接する膝着き部のみを取り外すことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の男性用小便補助台を使用すれば、立った状態よりも低い位置から小用をすることができるので、周辺の床や壁、便器の開口部などへ尿飛沫が付着することを確実に防止することができる。
【0026】
また、本発明の男性用小便補助台を使用すれば、個々人が自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。
【0027】
さらに、本発明の男性用小便補助台は便器の開口部の縁部に沿うように配置することが出来るので、要介護者や高齢者であっても安心して使用することができる。
【0028】
また、本発明の男性用小便補助台は、構成が非常に簡単であり、例えば雑巾などで汚れを拭き取ることで容易に清潔な状態を保つことができるとともに、安価に作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。以下では、本発明の男性用小便補助台が大小兼用の洋式便器に設置されている例を示す。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。また、図2は本発明の実施形態1に係る男性用小便補助台の平面図である。なお図2中のハッチング部分は大小兼用の洋式便器(以下、単に「便器」と称する)の床に固定されている部分の形状を示し、破線部分は便器の開口部の外形を示している。また、図3は、実施形態1に係る男性用小便補助台の使用状態を示す概略図である。
【0031】
本実施形態に係る男性用小便補助台100は、図1に示すように、両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台10Aと、当該第1の膝着き台10Aとは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台10Bとで構成されている。そして、図2に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは便器200の周囲に設置され、図3に示すように、男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用される。
【0032】
つまり、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、図3に示すように、実際に男性が膝立ち状態で乗ったときに、陰茎が便器200の開口部201よりも上方で且つ便器200の開口部201付近に位置するようになるような高さを備えている。
【0033】
当然、便器200の底面202から開口部201までの長さLは製品によって異なり、また男性の膝から陰茎までの長さBは個々人で異なるので、男性用小便補助台100の高さAは、それらに鑑みて決定されなければならないが、具体的には例えば、110〜130mm程度の高さであればよい。これは以下に示す理由に基づく。
【0034】
便器200の底面202から開口部201までの長さLは、製品によって異なるものの350〜370mmの範囲にある(この値は、JIS A5207 衛生陶器の付図16 洋風タンク密結洗落とし便器,節水形洋風タンク密結洗落とし便器に基づく)。また、男性の膝から陰茎までの長さBは、個々人で当然違うが、本発明の発明者が被験者を募り測定したところ、身長が155cm以上〜165cm未満の人が平均約270mm、165以上〜175cm未満の人が平均約300mm、175cm以上〜185cm未満の人が平均約330mmであるという計測結果を得ることができた。
【0035】
したがって、身長が155cm以上〜165cm未満の人が使用することを考えて、男性の膝から陰茎までの長さBを270mmとし、男性の膝から陰茎までの長さBと男性用小便補助台100の高さAとを合わせた長さが、便器200の底面202から開口部201までの長さL(350〜370mm)よりもあまり長すぎない程度の長さ、例えば30mm長い380〜400mmの範囲にあるように、男性用小便補助台100の高さAを決定すればよい。つまり、男性用小便補助台100の高さAは、底面202から開口部201までの長さLが350mmの便器200では、350+30−270=110mm、底面202から開口部201までの長さLが370mmの便器200では、370+30−270=130mmにすればよい。したがって、男性用小便補助台100の高さは110〜130mm程度にされていればよい。もちろん、110〜130mmという値はあくまでも汎用性を考慮したものであり、本実施形態に係る男性用小便補助台100の高さはこの値に限定されるものではない。つまり、便器200の底面202から開口部201までの長さLと、使用者の膝から陰茎までの長さBとを考慮して適宜決定されればよい。
【0036】
このような男性用小便補助台100を男性が小用をする際に使用することで、男性は立った状態よりも低い位置から小用をすることができるとともに、便器200の開口部201に近づいて小用をすることができる。したがって、尿が周囲に飛散して床や壁に尿飛沫が付着してしまうということを防止することができるとともに、尿の出し始めのときも、床や便器200の開口部201へ尿を垂らしてしまうことを防止することができる。
【0037】
ここで、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、図1及び図2に示すように、便器200の開口部201の縁部に実質的に沿うように屈曲した長円形の平面形状、つまり開口部201の外形に近い曲率で湾曲する所謂弓形の平面形状を有する。また第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、便器200の開口部201の縁部前方から側方に亘る大きさ(長さ)を有する。具体的には、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、便器200の開口部201の前側半分の外周に亘る程度の大きさで形成されている。
【0038】
このため、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器200の周囲に設置すると、便器200の開口部201の前側半分の外周に亘って便器200の開口部201のすぐ外側に第1及び第2の膝着き台10A,10Bが配されることになる(図2参照)。
【0039】
したがって、本実施形態に係る男性用小便補助台100を一度便器200の周囲に配置してしまえば特に動かすことなく、自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。また、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、膝を着く各膝着き部11の面積がある程度大きく、この膝着き部11が便器200の開口部201の縁部に沿うように配することで、要介護者や高齢者であっても落下してしまう恐怖を感じることなく安心して乗ることができるという効果もある。
【0040】
ここで、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、当該第1の膝着き台10Aと当該第2の膝着き台10Bとのなす角度θが可変な状態で接続されている。具体的には、図1に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向の一方の端部に、両者を接続する接続手段として一対の面ファスナー20が配設されている。そして、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、両者間の角度θが所定の角度となるように面ファスナー20によって接続されている。
【0041】
つまり、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、第1及び第2の膝着き台10A,10B間の角度θを便器の大きさや形状に応じて適宜調整した状態で、両者を接続して固定することができるようになっている。
【0042】
特に、本実施形態では、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、上述したように長円形の平面形状を有し、面ファスナー20が配設されている各端面が丸くなっているため、両者間の角度を容易に調整することができる。
【0043】
これにより、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの間の角度θを便器の大きさや形状に応じて調整した状態で、両者を面ファスナー20で接続して固定し、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器の前方に載置して便器に向かって移動させるだけで、これら第1及び第2の膝置き台10A,10Bを最適な位置に配置することができる。すなわち、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを便器に当接するまで移動させるだけで、これら第1及び第2の膝着き台10A,10Bを簡単に便器の開口部の縁部に沿うように設置することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、図1に示すように、男性が膝を乗せる、弾性材料からなる膝着き部11と、当該膝着き部11の下方に位置して膝着き部11を支持する台本体12とで構成されており、膝着き部11は台本体12に対して着脱可能に固定されている。これら膝着き部11の固定方法は、台本体12から膝着き部11が着脱可能に固定されているのであれば、特に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、図示しないが、膝着き部11の底面に台本体12側に突出する凸部を形成し、台本体12の上端面に、膝着き部11の底面に形成された凸部に係合する凹部を形成し、膝着き部11形成された凸部を、台本体12に形成された凹部に係合させている。
【0045】
膝着き部11は、男性の膝が乗せられる部分であって、弾性材料で形成されている。膝着き部11に用いられる弾性材料は特に限定されるものではないが、軽い材料であるとより好ましい。そのような弾性材料としては例えば、多孔質のポリウレタン(例えば、軟質ウレタンフォーム)、EVA(Ethylenece−Vinyl Acetate:エチレン−酢酸ビニル共重合体)などが挙げられる。また、そのような弾性材料の中でも、軽量であって、膝を着いても痛みを感じさせない柔らかさと、膝立ち状態での安定を維持する堅さとを備えているので、特にEVAが好ましい。本実施形態の膝着き部11もEVAで形成されている。また、膝着き部11は、上層が柔らかい多孔質のポリウレタン、下層が適度な柔らかさと堅さとを兼ね備えたEVAというように、異なる複数種の弾性材料で形成されていてもよい。
【0046】
台本体12は、膝着き部11の下方に位置して膝着き部11を支持する部材であり、人が乗っても壊れない程度の強度を有しているのであれば、その構造は特に限定されず、また、材料も特に限定されない。また、台本体12は軽い材料で形成されていると好ましい。そのような強さと軽さとを備えた材料としては例えば、ポリプロピレンを挙げることができる。本実施形態の膝着き部11もポリプロピレンで形成されている。また、本実施形態の台本体12の表面は、光触媒作用を有する酸化チタンでコーティングされている。
【0047】
上述したように、本実施形態に係る男性用小便補助台100では、膝着き部11が台本体12に対して、着脱可能に固定されている。これにより、例えば、予め膝着き部11の予備を用意しておき、膝着き部11が汚くなった時点で予備の膝着き部11に取り替えたり、又は膝着き部11のみを着脱して洗浄したりすることで、膝に当たる面を容易に清潔な状態に保つことができる。
【0048】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、膝が乗せられる膝着き部11が弾性材料であるEVAで形成されているので、心地よく膝を着くことができる。
【0049】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、軽い材料で形成されているので、使わないときなどは容易に持ち運んで他の場所へ片付けることができる。また、軽いので壁などへ吊り下げておくことも出来る。
【0050】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、構成が非常に簡単であり、例えば雑巾などで汚れを拭き取ることで容易に清潔な状態を保つことができるとともに、安価に作製することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の台本体12の表面は、酸化チタンでコーティングされている。これにより、台本体12は、尿飛沫が付着しても、光触媒作用による抗菌・防かび効果によって、常に清潔な状態に保たれる。
【0052】
なお、本実施形態に係る男性用小便補助台100は、男性が実質的に膝立ち状態で使用するものであるため、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、男性が良好に膝立ちできるように、便器200の周囲に設置された状態において膝着き部11の上端面が実質的に水平となるように形成されている。
【0053】
勿論、膝着き部11の上端面は、男性が良好に膝立ちできる程度に水平となっているならば、完全に水平となっている必要はない。例えば、膝を乗せたときに最も撓みやすい真ん中の部分が緩やかに盛り上がるよう形成されていてもよい。これにより、経年劣化などで膝着き部11が撓んだまま戻らなくなり膝着き部11に安定して膝立ちできないといった問題が発生するのを防ぐことができる。
【0054】
なお、上述したように本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、膝着き部11が台本体12に対して着脱可能に固定されていたが、両者が完全に固定されていてもよい。
【0055】
また、本実施形態に係る男性用小便補助台100の第1及び第2の膝着き台は、弾性材料からなる膝着き部11を有していたが、例えば発泡スチロールなど、膝を乗せたときに痛みを感じない程度の柔らかさを有する材料で台本体12が形成されているならば、弾性材料からなる膝着き部11は設けなくても構わない。
【0056】
また、台本体12の底面に、ゴムなどの摩擦が大きい材料が配設されていてもよい。これにより、使用中、膝をずらした勢いで第1及び第2の膝着き台10A,10Bの位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0057】
また、台本体12が、上述したような所定形状に裁断・製材された木材で構成されていてもよい。この場合には、台本体12を材料コストを低く抑えることができるので、製造上非常に有利となる。また、台本体12を木材で構成する場合には、表面に抗菌塗料や防臭塗料を塗布するとよい。
【0058】
(実施形態2)
図4は本発明の実施形態2に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。なお、上述した実施形態1に係る男性用小便補助台と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0059】
この図に示すように本実施形態に係る男性用小便補助台100Aには、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部、詳述すると、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向であって面ファスナー20が配設されている側とは反対側の各端部に、手をかける手すり30が配設されている。なお、本実施形態に係る手すり30は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの各台本体12と、一体的に形成されている。また、手すり30は、男性用小便補助台100Aに座る着座動作の時、又は小用をし終わり男性用小便補助台100Aから立ち上がる起立動作の時に、手を伸ばして届く高さに形成されている。
【0060】
本実施形態に係る男性用小便補助台100Aには、上述したような手すり30が設けられているので、この手すり30に手をかけることにより、身体を支持しながらゆっくりと膝を乗せる着座動作を行うことができるとともに、便座に手をかけることなくゆっくりと立ち上がる起立動作を行うことができる。したがって、安心して着座動作及び起立動作を行うことができるとともに、便座に手を触れることなく着座動作及び起立動作を行うことができる。
【0061】
なお、本実施形態に係る男性用小便補助台100Aの手すり30は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの長手方向であって面ファスナー20が配設されている側とは反対側の各端部に配設されていたが、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部に配設されているのであるならば、手すり30の位置は特に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの外周部の便器に対向する凹状に湾曲した面の反対側に手すり30が配設されていても構わない。
【0062】
また、上述した本実施形態に係る男性用小便補助台100Aの手すり30は、その高さが可変であるような構成でも構わない。手すり30の高さを可変に構成することで、各人が自分にあった手すりの高さにすることができ、無理のない姿勢で着座動作及び起立動作を行うことができる。
【0063】
(実施形態3)
図6は本発明の実施形態3に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。なお、上述した実施形態1及び実施形態2に係る男性用小便補助台と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0064】
図示するように、本実施形態の男性用小便補助台100Bは、左膝を乗せる部分と右膝を乗せる部分とが、所定の角度θを保持した状態で連続して設けられている。なお、膝を乗せる膝付き部11Aと、床に接地する台本体12Aとを備えているのは、実施形態1及び実施形態2と同様である。
【0065】
このような各膝を乗せる部分がそれぞれ独立していない構成であっても、実施形態1や実施形態2と同様に、一度便器200の周囲に配置してしまえば特に動かすことなく、自分の好む位置に膝を置いて楽な姿勢で小用をすることができる。
【0066】
そして、本実施形態の男性用小便補助台100Bは、左膝を乗せる部分と右膝を乗せる部分とが連続しているので、上述した実施形態1及び2よりも製作コストを低減することができる。
【0067】
また、右膝を乗せる部分は左膝を乗せる部分に、左膝を乗せる部分は右膝を乗せる部分に、それぞれ相互に作用するため、膝を乗せたときにぐらつきが少なく、安定性に非常に優れる。
【0068】
また、載置する位置及び使用方法を直感的に理解することができる。
【0069】
なお、実施形態1及び実施形態2で説明したような、柔らかい台本体のみでなる構成や手すりを備える構成等は、本実施形態の男性用小便補助台100Bにも、もちろん適用できる。
【0070】
(他の実施形態)
以上、本発明の男性用小便補助台の実施形態について説明したが、上述した各実施形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
例えば、上述した実施形態1及び2では、第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとが、接続手段である面ファスナー20で接続されて実質的に両者が固定される例を説明したが、これら第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとは、接続手段によって必ずしも固定されている必要はない。例えば、第1及び第2の膝着き台10A,10Bに、接続手段としてのかぎ状のフックを配設し、これらのフック同士を係合させることで両者間の角度が可変な状態でこれら第1の膝着き台10Aと第2の膝着き台10Bとを接続するようにしてもよい。なお、接続手段にフックを用いる場合は、第1及び第2の膝着き台10A,10Bの平面形状は、便器200の開口部201に沿うように屈曲しているのであれば、特に限定されず、例えば、屈曲した矩形であってもよい。
【0072】
また、第1及び第2の膝着き台10A,10Bを接続する接続手段は、勿論、設けられていなくてもよい。つまり、第1及び第2の膝着き台10A,10Bは、それぞれ独立して便器周辺の所望の場所に配置しても構わない。
【0073】
また、上述した実施形態では、大小兼用の洋式便器に使用する例を示したが、本発明の男性用小便補助台は、床置型のストール型小便器に設置して使用しても、床や壁、便器200の開口部201に尿が付着してしまうことを防止することができる。床置型のストール型小便器に使用する際には、新たに床置型のストール型小便器の形状や高さに合わせた男性用小便補助台を作製してもよいし、上述した大小兼用の洋式便器に合わせた男性用小便補助台であれば、そのまま流用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る男性用小便補助台の使用状態を示す概略図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る男性用小便補助台の他の外観斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る男性用小便補助台の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
100,100A,100B 男性用小便補助台
10A 第1の膝着き台
10B 第2の膝着き台
11,11A 膝着き部
12,12A 台本体
20 面ファスナー
30 手すり
【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台であって、
男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、
便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項2】
請求項1に記載の男性用小便補助台において、
両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台と、当該第1の膝着き台とは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台とを具備することを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項3】
請求項2に記載の男性用小便補助台において、
前記第1の膝着き台及び前記第2の膝着き台の長手方向の端部に、当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とのなす角度が可変な状態で当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とを接続する接続手段が設けられている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の男性用小便補助台において、
手をかけて起立動作及び着座動作を補助する手すりを外周部に具備する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の男性用小便補助台において、
膝が乗せられる弾性材料からなる膝着き部と、当該膝着き部を下方から支持する台本体とを具備する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項6】
請求項5に記載の男性用小便補助台において、
前記膝着き部がEVA樹脂を含む弾性材料で形成されている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の男性用小便補助台において、
前記膝着き部が前記台本体に対して着脱可能に固定されている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項1】
男性が上端面に両膝を乗せて膝立ち姿勢で小用するために使用する男性用小便補助台であって、
男性が両膝を乗せて膝立ち状態で乗ったときに陰茎が便器の開口部の上方であって且つ便器の開口部付近に位置するような高さを有すると共に、
便器の開口部の縁部に沿うように屈曲した平面形状を有する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項2】
請求項1に記載の男性用小便補助台において、
両脚のうち一方の膝が乗せられる第1の膝着き台と、当該第1の膝着き台とは独立し他方の膝が乗せられる第2の膝着き台とを具備することを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項3】
請求項2に記載の男性用小便補助台において、
前記第1の膝着き台及び前記第2の膝着き台の長手方向の端部に、当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とのなす角度が可変な状態で当該第1の膝着き台と当該第2の膝着き台とを接続する接続手段が設けられている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の男性用小便補助台において、
手をかけて起立動作及び着座動作を補助する手すりを外周部に具備する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の男性用小便補助台において、
膝が乗せられる弾性材料からなる膝着き部と、当該膝着き部を下方から支持する台本体とを具備する
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項6】
請求項5に記載の男性用小便補助台において、
前記膝着き部がEVA樹脂を含む弾性材料で形成されている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の男性用小便補助台において、
前記膝着き部が前記台本体に対して着脱可能に固定されている
ことを特徴とする男性用小便補助台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−131612(P2009−131612A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269127(P2008−269127)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(305054946)企業組合ハウスドクターやまがた (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(305054946)企業組合ハウスドクターやまがた (1)
【Fターム(参考)】
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