画像データ提供装置、画像データ提供方法、およびコンピュータプログラム
【課題】画像形成装置から画像投影装置への画像データの提供を従来よりも容易に行えるようにする。
【解決手段】画像形成装置1に、画像投影装置2の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別部101と、画像投影装置2に送信すべき画像データである送信画像データP5を取得する送信画像データ取得部102と、画像投影装置2の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに送信画像データP5を画像投影装置2に送信し、そうでない場合は画像投影装置2の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に送信画像データP5を画像投影装置2に送信する画像データ送信部103と、を設ける。
【解決手段】画像形成装置1に、画像投影装置2の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別部101と、画像投影装置2に送信すべき画像データである送信画像データP5を取得する送信画像データ取得部102と、画像投影装置2の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに送信画像データP5を画像投影装置2に送信し、そうでない場合は画像投影装置2の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に送信画像データP5を画像投影装置2に送信する画像データ送信部103と、を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して画像投影装置へ画像データを送信する装置および方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、スキャナ、ファックス、およびドキュメントサーバなどの様々な機能を備えた、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる画像形成装置が普及している。
【0003】
通常、画像形成装置は、役所または企業などのオフィスでは、個人用のデスクが集められたフロアの共用スペースなどに設置される。学校などの教育機関では、職員室などに設置される。図書館などの公共施設では、資料の閲覧スペースなどに設置される。
【0004】
また、パーソナルコンピュータで表示される画面をスクリーンなどに投影する機能を備えた、「プロジェクタ」と呼ばれる画像投影装置が普及している。近年、画像投影装置には、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、またはTIFF(Tagged Image File Format)などの画像データを使用して画像を出力する機能が備わるようになった。これにより、パーソナルコンピュータがなくても画像を投影できるようになった。
【0005】
通常、画像投影装置は、役所または企業などのオフィスでは、会議室または接客スペースなどで使用される。学校などの教育機関では、視聴覚室または講堂などで使用される。図書館などの公共施設では、視聴覚室または多目的ホールなどで使用される。
【0006】
つまり、同じ施設の中であっても、画像形成装置が設置される場所と画像投影装置が使用される場所とが異なることが多い。
【0007】
また、近年、画像形成装置だけでなく画像投影装置にもNIC(Network Interface Card)などのネットワークインタフェースが備えられるようになった。よって、画像形成装置が原稿をスキャンするなどして生成した画像データを、ネットワークを介して画像投影装置に直接送信する機能の実現が可能になった。この機能によると、画像形成装置が設置される場所と画像投影装置が使用される場所との距離が離れている場合であっても、画像形成装置から画像投影装置に画像データを送信することができる。
【0008】
そのほか、特許文献1には、画像投影装置(プロジェクタ)の電源に関する技術が開示されている。この技術によると、プロジェクタにメイン電源が供給されていないときに、ユーザによりプロジェクタの電源スイッチが押下されたとき、プロジェクタ、AP、PCの順に連動して電源の起動を行い、この起動の後、ユーザによりプロジェクタの電源スイッチが押下されたとき、AP、PC、プロジェクタの順に連動して電源の遮断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−282475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
画像投影装置は、画像形成装置から画像データを受信するためには、ネットワークケーブルが差し込まれていることはもとより、電源が入っていなければならない。よって、ユーザは、画像投影装置へ画像データを送信するジョブを画像形成装置に対して指示する前に、画像投影装置の電源を入れ画像投影装置にネットワークケーブルを差し込むなどの準備をしておく必要がある。
【0011】
しかし、上述の通り、通常、画像形成装置と画像投影装置とは、別々の場所に設置されていることが多い。よって、ユーザは、画像形成装置にジョブを与えようとしたときに初めて、画像投影装置の準備ができていないことに気づいた場合は、わざわざ、画像投影装置の場所まで移動して準備を行った後、再び画像形成装置の場所に戻ってジョブを与えなければならない。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑み、画像形成装置から画像投影装置への画像データの提供を従来よりも容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一形態に係る画像データ提供装置は、通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置であって、前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別手段と、前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する送信画像データ取得手段と、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する画像データ送信手段と、を有する。
【0014】
好ましくは、前記電源状態識別手段は、前記画像投影装置の電源のOFFからONへの変化である第一の変化およびONからOFFへの変化である第二の変化のいずれかの発生を示す通知データを前記画像投影装置から少なくとも1回受信し、最新の前記通知データに、前記第一の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し前記第二の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する。
【0015】
または、前記電源状態識別手段は、メッセージを前記画像投影装置へ送信し、前記メッセージに対する応答が所定の時間内に返信されてきた場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し、そうでない場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する。
【0016】
または、前記送信画像データの形式が、前記画像投影装置による画像の投影に使用することができるデータの形式である対応可能形式であるか否かを判別する、形式対応可否判別手段と、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合に、前記送信画像データを前記使用可能データ形式のデータである第二の送信画像データに変換する、画像データ変換手段と、を有し、前記画像データ送信手段は、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合は、前記送信画像データとして前記第二の送信画像データを送信する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、画像形成装置から画像投影装置への画像データの提供を従来よりも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】組織内ネットワークの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像投影装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図4】画像形成装置における画像データ提供処理のための機能的構成の例を示すブロック図である。
【図5】画像投影装置における画像投影処理のための機能的構成の例を示すブロック図である。
【図6】画像投影装置における電源ON/OFF時処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図7】画像投影装置の電源の状態を示す電源状態テーブルETの例を示す図である。
【図8】画像取得方法選択画面の例を示す図である。
【図9】画像投影装置選択画面の例を示す図である。
【図10】画像送信確認画面の例を示す図である。
【図11】画像投影装置における投影可否応答処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図12】画像形式変換画面の例を示す図である。
【図13】画像送信確認画面の例を示す図である。
【図14】画像投影装置における画像データ受領処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図15】画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は組織内ネットワークNWの全体的な構成の例を示す図、図2は画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図、図3は画像投影装置2のハードウェア構成の例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、組織内ネットワークNWは、画像形成装置1、画像投影装置2、および通信回線3などによって構成される。組織内ネットワークNWには、そのほかパーソナルコンピュータなどの情報処理装置が設けられている。組織内ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)の形態であってもよいし、複数のLAN同士を繋いたVPN(Virtual Private Network)の形態であってもよい。画像形成装置1および画像投影装置2は、通信回線3を介して互いに接続可能である。なお、通信回線3は有線方式であっても無線方式であってもよい。
【0021】
組織内ネットワークNWは、役所または企業などの組織の建物または公共施設などに設けられる。組織内ネットワークNWは、主にその組織に属する者によって使用されるが、公共施設においては来訪者によって使用されることもある。
【0022】
以下、複数の会議室を有しかつ各会議室に1台ずつ画像投影装置2を備えている企業に設けられている組織内ネットワークNWを例に説明する。また、各画像投影装置2を「画像投影装置2A」、「画像投影装置2B」、「画像投影装置2C」、…と区別して記載することがある。
【0023】
画像形成装置1は、常時、使用可能な状態にあり、かつ、通信機能も有効に稼働している。画像投影装置2は、それが配置されている会議室のロッカーに電源を切った状態で片付けられており、必要に応じて電源が投入され通信回線3に繋がれる。よって、画像形成装置1と直ちに通信できる画像投影装置2もあれば、そうでない画像投影装置2もある。図1には、画像投影装置2A、画像投影装置2B、および画像投影装置2Dが前者であり、画像投影装置2Cが後者である例を示している。
【0024】
画像形成装置1は、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、スキャナ、FAX、およびドキュメントサーバなどの様々な機能を集約した装置である。「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることもある。特に本実施例においては、会議の資料などの書類(ドキュメント)の画像を用紙からスキャンするなどして画像データを生成し、通信回線3を介して画像投影装置2へ送信するために用いられる。なお、ユーザ(その企業の社員)は、画像データの送信先の画像投影装置2を複数台の画像投影装置2A〜2Dの中から任意に選択することができる。
【0025】
ドキュメントサーバ機能は、ユーザごとにボックスを与えておき、各ユーザが自分のボックスによって画像ファイルなどのドキュメントデータを保存し管理するための機能である。つまり、いわゆるファイルサーバの機能である。「ボックス」とは、ドキュメントデータなどを蓄積(保存)しておくための記憶領域であり、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、制御用回路10e、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、および印刷装置10jなどによって構成される。
【0027】
CPU10aは、ROM10cまたは補助記憶装置10dに格納されているプログラムおよびデータのほか外部から必要に応じて入力される種々のデータに基づいて、RAM10bをワークエリアとして演算処理を実行する。特に本実施例においては、原稿をスキャンするなどして生成した画像データをユーザが選択した画像投影装置2へ送信するための画像データ提供処理を実行する。
【0028】
補助記憶装置10dは、電源を切ってもその記憶内容が保持される不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置10dとして、フラッシュメモリなどの半導体メモリまたはハードディスクなどの磁気記憶装置などが用いられる。補助記憶装置10dには、画像投影装置2へ送信するための画像データおよび送信の処理の条件などが記憶される。また、CPU10aに実行させるプログラムおよびデータが記憶されることもある。この場合は、プログラムおよびデータは、必要に応じてRAM10bにロードされる。
【0029】
制御用回路10eは、補助記憶装置10d、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、および印刷装置10jなどを制御するための回路である。なお、制御用回路10eの機能の一部または全部をCPU10aに受け持たせるようにしてもよい。
【0030】
操作パネル10fは、タッチパネルおよびテンキーなどによって構成される。タッチパネルには、ユーザに対するメッセージを与えるための画面、処理の結果を示す画面、またはユーザが画像形成装置1に対して指示を入力するための画面などが表示される。ユーザは、タッチパネルまたはテンキーを操作することによって、画像形成装置1に対して、画像データを画像投影装置2へ送信するための画像データ提供処理の起動を指示したり、送信すべき画像データを選択したり、送信の処理の条件などを設定したりすることができる。
【0031】
ネットワークインタフェース10gは、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末とTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのインタフェースである。ネットワークインタフェース10gとして、NIC(Network Interface Card)またはいわゆる無線LANカードなどが用いられる。
【0032】
スキャナ10hは、原稿に記されている文章、数式、記号、写真、図表、またはイラストなどのドキュメントの画像を光学的に読み取って画像データを生成するための装置である。
【0033】
FAXモデム10iは、公衆回線網を介して接続されている他のFAX端末とFAXプロトコルによって通信を行うための装置である。
【0034】
印刷装置10jは、スキャナ10hによって生成された画像データ、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末から受信した画像データ、または他のFAX端末から受信した画像データなどに基づいて画像を用紙に印刷するための装置である。
【0035】
図1に戻って、画像投影装置2は、液晶パネルを用いて、パーソナルコンピュータなどから入力されたRGB(Red Blue Green)の画像信号に基づいた画像をスクリーンなどに投影する。一般に「プロジェクタ」または「液晶プロジェクタ」などと呼ばれる。なお、画像投影装置2は、液晶方式以外の方式のプロジェクタであってもよい。
【0036】
また、画像投影装置2は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、またはTIFF(Tagged Image File Format)などの画像データに基づいて画像を投影することができる。よって、パーソナルコンピュータを介することなく画像形成装置1から画像データを直接受信して画像を投影することができる。
【0037】
図3に示すように、画像投影装置2は、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、制御用回路20e、操作パネル20f、ネットワークインタフェース20g、および投影装置20hなどによって構成される。
【0038】
CPU20aは、ROM20cまたは補助記憶装置20dに格納されているプログラムおよびデータのほか外部から必要に応じて入力される種々のデータに基づいて、RAM20bをワークエリアとして演算処理を実行する。特に本実施例においては、画像形成装置1から受信した画像データに基づいて画像を投影するための画像投影処理を実行する。
【0039】
補助記憶装置20dは、電源を切ってもその記憶内容が保持される不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置20dとして、フラッシュメモリなどの半導体メモリまたはハードディスクなどの磁気記憶装置などが用いられる。補助記憶装置20dには、投影のモードおよび画像投影装置2自身のIPアドレスなど、種々の設定に関する情報が記憶される。また、画像形成装置1から受信した画像データが保存されることもある。また、CPU20aに実行させるプログラムおよびデータが記憶されることもある。この場合は、プログラムおよびデータは、必要に応じてRAM20bにロードされる。
【0040】
制御用回路20eは、補助記憶装置20d、操作パネル20f、ネットワークインタフェース20g、投影装置20hなどを制御するための回路である。なお、制御用回路20eの機能の一部または全部をCPU20aに受け持たせるようにしてもよい。
【0041】
操作パネル20fは、ディスプレイおよび種々のスイッチからなるスイッチ群などによって構成される。ディスプレイに表示すべき画面を投影装置20hによってスクリーンなどに投影するようにしてもよい。この場合は、ディスプレイを設ける必要はない。
【0042】
ユーザは、スイッチ群の中のスイッチを操作することによって、画像投影装置2に対して、投影の開始または中断などの指令を与えたり、投影のモードおよびIPアドレスを設定したりすることができる。また、スイッチ群の中の電源スイッチを押すことによって、画像投影装置2の電源のオン/オフを切り換えることができる。
【0043】
ネットワークインタフェース20gは、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末とTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのインタフェースである。
【0044】
投影装置20hは、光源からの白色光をR色成分、G色成分、およびB色成分に分離し、分離された光を液晶パネルに透過させた後に合成し、合成された光を投射レンズに通過させて投影する装置である。CPU20aなどの指令に基づいて液晶パネル内の表示素子が制御されることにより、入力された画像データに基づいた画像がスクリーンなどに投影される。
【0045】
次に、画像形成装置1における画像データ提供処理および画像投影装置2における画像投影処理について説明する。
【0046】
図4は画像形成装置1における画像データ提供処理のための機能的構成の例を示すブロック図、図5は画像投影装置2における画像投影処理のための機能的構成の例を示すブロック図、図6は画像投影装置2における電源ON/OFF時処理の流れの例を示すフローチャート、図7は画像投影装置2の電源の状態を示す電源状態テーブルETの例を示す図、図8は画像取得方法選択画面WD1の例を示す図、図9は画像投影装置選択画面WD2の例を示す図、図10は画像送信確認画面WD3の例を示す図、図11は画像投影装置2における投影可否応答処理の流れの例を示すフローチャート、図12は画像形式変換画面WD5の例を示す図、図13は画像送信確認画面WD4の例を示す図、図14は画像投影装置2における画像データ受領処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0047】
画像形成装置1のROM10cには、図4に示すような、電源状態識別部101、送信画像データ取得部102、画像データ送信部103、投影可否判別部104、およびフォーマット変換部105などの各機能部を実現するためのプログラムが格納されており、CPU10aによって実行される。それらのプログラムによって画像データ提供処理が行われる。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置10dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM10bに読み出されて実行される。なお、図4に示す機能の一部または全部が回路で実現されていてもよい。
【0048】
一方、画像投影装置2のROM20cには、図5に示すような、電源状態通知部201、画像データ受信部202、画像投影部203、投影可否応答部204などを実現するためのプログラムが格納されており、CPU20aによって実行される。それらのプログラムによって画像投影処理が行われる。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置20dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM20bに読み出されて実行される。なお、図5に示す機能の一部または全部が回路で実現されていてもよい。
【0049】
以下、図4に示す画像形成装置1の各機能部および図5に示す画像投影装置2の各機能部を順次説明する。
【0050】
図5において、電源状態通知部201は、画像投影装置2自身の電源の状態が切り替わったことを、図6に示す手順で画像形成装置1に対して通知する。
【0051】
図6(A)において、電源がオフの状態であるときに電源スイッチが押されると(#201でYes)、所定のプログラムなどとともに画像投影処理用のプログラムが起動する(#202)。これにより、電源状態通知部201も起動する。
【0052】
すると、電源状態通知部201は、電源がオンになった旨を示す電源オンメッセージD2Aを画像形成装置1へ送信する(#203)。送信先のIPアドレスとして、画像形成装置1のIPアドレスを予め画像投影装置2に設定しておいてもよい。画像形成装置1が複数台ある場合は、それぞれの画像形成装置1へ送信する。または、組織内ネットワークNWの中のすべての装置へブロードキャストしてもよい。次に説明する電源オフメッセージD2Bについても同様である。
【0053】
図6(B)において、電源がオンの状態であるときに電源スイッチが押されると(#301でYes)、電源状態通知部201は、それを検知し、電源がオフになる旨を示す電源オフメッセージD2Bを画像形成装置1へ送信する(#302)。電源オフメッセージD2Bの送信が完了したら、電源をオフにするための種々の処理が行われる(#303)。
【0054】
また、電源状態通知部201は、画像形成装置1から所定のメッセージ(後述する電源状態確認メッセージD2C)を受信した場合にも、電源オンメッセージD2Aを画像形成装置1へ返信する。
【0055】
図4において、電源状態識別部101は、各画像投影装置2から送信されてくる電源オンメッセージD2Aおよび電源オフメッセージD2Bに基づいて画像投影装置2ごとの電源の状態(ONの状態かOFF状態か)を識別する。また、電源状態識別部101は、電源の状態を識別するために、図7に示すような電源状態テーブルETを管理する。
【0056】
電源状態テーブルETには、画像投影装置2ごとに、その画像投影装置2の識別子を示す接続先識別子フィールド31および電源の状態を示す電源状態フィールド32からなるレコードが格納される。本実施形態では、識別子としてIPアドレスが用いられる。また、電源状態フィールド32の「ON」は電源の状態がオンであることを意味し、「OFF」はオフであることを意味する。画像形成装置1の運用を開始した当初は、電源状態テーブルETには、レコードは1つも格納されていない。
【0057】
電源状態識別部101は、電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bを受信すると、新たなレコードを生成し電源状態テーブルETに登録する。そのレコードの接続先識別子フィールド31には、その画像投影装置2のIPアドレスを書き込む。電源状態フィールド32には、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」を書き込み、電源オフメッセージD2Bを受信した場合は「OFF」を書き込む。ただし、既にその画像投影装置2のレコードが電源状態テーブルETに登録されている場合は、新たなレコードは生成せず、その既存のレコードの電源状態フィールド32を、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」に更新し、電源オフメッセージD2Bを受信した場合は「OFF」に更新する。
【0058】
また、管理者は、操作パネル10fを操作して、電源状態テーブルETにレコードが登録されていない任意の画像投影装置2の電源の状態を画像形成装置1に識別させることができる。
【0059】
この場合は、管理者は、画像投影装置2のIPアドレスおよび所定のコマンドを入力する。すると、電源状態識別部101は、そのIPアドレスが接続先識別子フィールド31に示されるレコードを生成し、電源状態テーブルETに登録する。さらに、電源状態識別部101は、そのIPアドレスに宛てて、電源状態確認メッセージD2Cを送信する。そして、電源状態確認メッセージD2Cに対する応答のメッセージとして電源オンメッセージD2Aが所定の時間(例えば、1分)以内に送信されてきた場合は、そのレコードの電源状態フィールド32を「ON」とする。応答がなかった場合は、そのレコードの電源状態フィールド32を「OFF」とする。
【0060】
電源状態識別部101は、このように電源状態テーブルETを管理することによって、各画像投影装置2の電源の状態を識別する。また、電源状態テーブルETには、組織内ネットワークNWに現在参加している画像投影装置2のレコードだけでなく、過去に参加したことのある画像投影装置2のレコードも蓄積される。例えば、図1において、電源が投入され通信回線3に繋がれている画像投影装置2A、画像投影装置2B、および画像投影装置2Dを示すレコードだけでなく、過去に電源が投入され通信回線3に繋がれていたが現在は会議室のロッカーに電源を切った状態で片付けられている画像投影装置2Cを示すレコードも電源状態テーブルETに存在している。
【0061】
なお、電源状態識別部101は、画像投影装置2のレコードの登録後、その画像投影装置2から電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bが送信されてくるのをただ待つのではなく、定期的に(例えば、5分ごとに)電源状態確認メッセージD2Cをその画像投影装置2へ送信して電源の状態を問い合わせてもよい。
【0062】
送信画像データ取得部102は、画像投影装置2へ送信すべき画像データを次のように取得する。
【0063】
送信画像データ取得部102は、ユーザが画像データを画像投影装置2に送信するためのコマンドを入力すると、図8に示すような、送信すべき画像データの取得方法をユーザに選択させるための画像取得方法選択画面WD1をタッチパネルに表示させる。
【0064】
ユーザが取得方法として、「ボックス内より選択」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、ボックスに保存されている画像データの一覧を表示させる。または、「FAXより受信」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、FAXの受信ボックスに保存されている画像データの一覧を表示させる。または、「他のPC内より選択」を選択した場合は、組織内ネットワークNW内のパーソナルコンピュータなどに保存されている画像データの一覧を表示させる。ユーザは、一覧の中から送信したい画像データを選択する。
【0065】
そして、送信画像データ取得部102は、それらの一覧の中から選択された画像データをボックスから読み出しまたはパーソナルコンピュータから取得する。
【0066】
または、ユーザが取得方法として「スキャン」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、原稿台にセットされた用紙をスキャナ10hにスキャンさせることによって画像データを取得する。以下、送信対象の画像データを「送信画像データP5」と記載する。
【0067】
画像データ送信部103は、取得された画像データを画像投影装置2へ送信する処理を行う。投影可否判別部104は、送信先の画像投影装置2がその画像データのフォーマット(形式)に対応しているか否か、つまり、その画像データによる画像の投影が可能であるか否かを判別する処理を行う。これらの処理は、次のように行われる。
【0068】
画像データ送信部103は、送信画像データ取得部102によって送信画像データP5が取得されると、図9に示すような、最新の電源状態テーブルETに示される画像投影装置2およびそれぞれの電源の状態の一覧を含む画像投影装置選択画面WD2をタッチパネルに表示させる。
【0069】
ユーザは、送信画像データP5の送信先とする画像投影装置2(プロジェクタ)を画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から選択する。
【0070】
ところで、選択された画像投影装置2の電源の状態は、常に変化し得る。よって、画像投影装置選択画面WD2を表示した時点の電源状態テーブルETの内容と、ユーザが画像投影装置2を選択した時点の(つまり、最新の)電源状態テーブルETの内容とが一致しないことがある。つまり、ユーザが、電源の状態が「ON」の画像投影装置2を選択してもその時点では「OFF」の場合があるし、逆に、電源の状態が「OFF」の画像投影装置2を選択してもその時点では「ON」の場合もある。
【0071】
そこで、画像データ送信部103は、画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から画像投影装置2が選択されたら、最新の電源状態テーブルETを参照することによって、選択された画像投影装置2の電源の状態を確認する。
【0072】
ここで、「ON」であることを確認した場合に、図10に示すような、画像データの送信を開始する旨を知らせるための画像送信確認画面WD3をタッチパネルに表示させる。そして、画像送信確認画面WD3においてユーザによって「OK」ボタンが押されると、選択された画像投影装置2へ送信画像データP5を送信する。ただし、送信する前に、送信画像データP5のフォーマットが、選択された画像投影装置2に対応しているか否かを、投影可否判別部104に判別させる。また、画像送信確認画面WD3においてユーザによって「キャンセル」ボタンが押されると、画像投影装置選択画面WD2を再びタッチパネルに表示させ、ユーザに対して他の画像投影装置2を選択するよう促す。
【0073】
投影可否判別部104は、対応の可否を判別するために、選択された画像投影装置2へ、送信画像データP5のフォーマットを示す形式対応確認メッセージD9Cを送信する。
【0074】
すると、形式対応確認メッセージD9Cを受信した画像投影装置2において、図5に示す投影可否応答部204は、図11に示す手順で形式対応確認メッセージD9Cの応答の処理を行う。
【0075】
形式対応確認メッセージD9Cを受信すると(#400でYes)、形式対応確認メッセージD9Cに示されるフォーマットに画像投影装置2自身が対応しているか否かをチェックする(#401)。そして、対応している場合は(#402でYes)、対応できる旨を示す対応可能メッセージD9Aを画像形成装置1へ返信する。対応していない場合は(#402でNo)、対応できない旨を示す対応不能メッセージD9Bおよび対応可能なフォーマットを示す形式対応情報D7を画像形成装置1へ返信する(#404)。
【0076】
図4に戻って、投影可否判別部104は、対応可能メッセージD9Aを受信した場合は、選択された画像投影装置2が送信画像データP5のフォーマットに対応可能であると判別する。そして、画像データ送信部103は、その送信画像データP5をその画像投影装置2へ送信する。
【0077】
一方、投影可否判別部104は、対応不能メッセージD9Bおよび形式対応情報D7を受信した場合は、図12のような、形式対応情報D7に示されるフォーマットの一覧を示す画像形式変換画面WD5を、タッチパネルに表示させる。
【0078】
フォーマット変換部105は、送信画像データP5を、画像形式変換画面WD5においてユーザによって選択されたフォーマットの画像データである送信画像データP6に変換する。そして、画像データ送信部103は、送信画像データP5の代わりに送信画像データP6を、選択された画像投影装置2へ送信する。
【0079】
画像データ送信部103は、画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から画像投影装置2が選択され、選択された画像投影装置2の電源の状態が「OFF」であることを確認した場合は、図13に示すような、選択された画像投影装置2の電源が入っていないため画像データを送信することができない旨および選択された画像投影装置2の電源が投入されたら画像データの送信を開始する旨を知らせる画像送信確認画面WD4をタッチパネルに表示させる。つまり、画像投影装置2の電源がオンになるまで送信画像データP5の送信を保留する。
【0080】
画像送信確認画面WD4においてユーザによって「OK」ボタンが押されると、送信画像データP5が、補助記憶装置10dの所定の領域に一時的に記憶される。
【0081】
画像データ送信部103は、最新の電源状態テーブルETを定期的に(例えば、1分ごとに)参照することにより、選択された画像投影装置2の電源がオンになったか否かを監視する。そして、オンになったことを確認できたら、画像データ送信部103は、送信画像データP5を補助記憶装置10dより読み出し、投影可否判別部104およびフォーマット変換部105と適宜連携して上述の手順で、選択された画像投影装置2への送信の処理を開始する。
【0082】
また、画像送信確認画面WD4においてユーザによって「キャンセル」ボタンが押されると、画像投影装置選択画面WD2を再びタッチパネルに表示させ、ユーザに対して他の画像投影装置2を選択するように促す。
【0083】
ところで、ユーザは、図10に示す画像送信確認画面WD3または図13に示す画像送信確認画面WD4で「OK」ボタンを押した後、選択した画像投影装置2が配置されている会議室へ移動する。そうすると、画像形式変換画面WD5をタッチパネルに表示させても、ユーザは、画像形成装置1の操作可能な位置から離れているために、画像形式変換画面WD5においてフォーマットを選択できないおそれがある。特に、画像投影装置2の電源がオンになるまで送信画像データP5の送信を保留した場合に、その可能性が高い。そこで、送信画像データP5の送信を保留した場合は、フォーマット変換部105は、ユーザの選択を待つことなく、形式対応情報D7に示されるフォーマットの中から適当なものを選択し、送信画像データP6に変換してもよい。
【0084】
このようにして、画像形成装置1から画像投影装置2に送信画像データP5または送信画像データP6が送信されてくると、図5に示す画像データ受信部202および画像投影部203は、図14に示す手順で送信画像データP5または送信画像データP6を投影するための処理を行う。
【0085】
図5において、画像データ受信部202は、画像形成装置1から送信画像データP5または送信画像データP6を受信する(#501)。
【0086】
画像投影部203は、送信画像データP5または送信画像データP6をRGBの画像データに変換し、それを投影装置20hへ出力する。そして、投影装置20hは、RGBの画像データに基づいて画像をスクリーンなどに投影する(#502)。
【0087】
図15は画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。次に、図15のフローチャートなどを参照しながら、画像形成装置1の全体的な処理の流れを説明する。
【0088】
画像形成装置1は、ユーザが画像投影装置2への画像データの送信を要求したり、画像投影装置2から電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bが送信されてきたりするごとに、図15のフローチャートに示す処理を実行する。
【0089】
画像形成装置1は、電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bを受信すると(#11でNo、#12でYes)、図7の電源状態テーブルETの中の、送信元である画像投影装置2のレコードを更新する(#13)。具体的には、そのレコードの電源状態フィールド32を、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」に更新し、電源オフメッセージD2B受信した場合は「OFF」に更新する。
【0090】
または、画像形成装置1は、画像データの送信のための所定のコマンドが入力されると(#11でYes)、画像データの送信のための処理を次のように実行する。
【0091】
画像形成装置1は、ユーザが指定した方法で送信画像データP5を取得する(#14)。画像投影装置2の一覧(図9参照)を表示する(#15)。ここで、ユーザは、送信先の画像投影装置2を指定する。
【0092】
画像形成装置1は、この指定を受け付けると(#16)、指定された画像投影装置2の電源の状態を、電源状態テーブルET(つまり、最新の電源状態テーブルET)を参照して確認する(#17)。または、電源状態確認メッセージD2Cを送信しそれに対する応答として電源オンメッセージD2Aを所定の時間内に受信することによって、指定された画像投影装置2の電源の状態を確認してもよい。
【0093】
画像形成装置1は、画像投影装置2の電源がオンであることを確認できた場合は(#18でYes)、ステップ#19、#20をスキップしてステップ#21へ進む。
【0094】
画像形成装置1は、電源がオンであることを確認できなかった場合は(#18でNo)、指定された画像投影装置2の電源がオフであると識別(判断)し、送信画像データP5を一時的に保存する(#19)。そして、その後、画像投影装置2の電源がオンになったことが確認できたら(#20でYes)、ステップ#21へ進む。
【0095】
画像形成装置1は、送信画像データP5の送信先の画像投影装置2に対して形式対応確認メッセージD9Cを送信することによって、その画像投影装置2がその送信画像データP5のフォーマットに対応しているか否かを問い合わせる(#21)。
【0096】
画像形成装置1は、形式対応確認メッセージD9Cに対する応答を受信すると(#22でYes)、その応答が対応可能メッセージD9Aであれば(#23でYes)、送信画像データP5のフォーマットを変換することなく、送信先の画像投影装置2へ送信画像データP5を送信する(#25)。一方、その応答が対応不能メッセージD9Bであれば(#23でNo)、画像形成装置1は、送信画像データP5を送信先の画像投影装置2に対応するフォーマットの送信画像データP6に変換し(#24)、それを送信する(#25)。
【0097】
例えば、あるユーザUxが会議室Mcの画像投影装置2Cを使うための準備を行う場合は、画像形成装置1は、次のように動作する。なお、画像投影装置2Cは、当初、電源がオフであるものとする。
【0098】
ユーザUxは、画像データの送信のための所定のコマンドを入力し(#11でYes)、会議の資料の用紙を原稿台にセットする。画像形成装置1は、その用紙をスキャンすることによって送信画像データP5を取得し(#14)、画像投影装置2の一覧をユーザUxに対して提示する(#15)。
【0099】
ユーザUxは、画像投影装置2Cを指定する。画像形成装置1は、指定を受け付けると(#16)、画像投影装置2Cの電源の状態を確認する(#17)。上述の通り、画像投影装置2Cの電源はオフなので(#18でNo)、送信画像データP5を一時的に保存する(#19)。
【0100】
ユーザUxは、会議室Mcに向かい、画像投影装置2Cの電源をオンにするなどして、画像投影装置2Cと画像形成装置1とを通信可能な状態にする。画像投影装置2Cは、電源がオンになると、画像形成装置1へ電源オンメッセージD2Aを発信する。
【0101】
画像形成装置1は、これを受信すると、画像投影装置2Cの電源がオンになったと判別し(#20でYes)、次のように送信画像データP5を送信する。なお、一時的に保存した送信画像データP5は、送信後、削除してもよい。また、所定の時間が経過しても送信されない送信画像データP5も削除してもよい。
【0102】
画像形成装置1は、送信画像データP5のフォーマットに対応しているか否かを画像投影装置2Cに対して確認する(#21、#22)。そして、対応可能であれば、送信画像データP5のフォーマットを変換することなく、画像投影装置2Cへ送信画像データP5を送信する(#25)。一方、対応不能であれば(#23でNo)、送信画像データP5を画像投影装置2Cに対応するフォーマットの送信画像データP6に変換し(#24)、それを送信する(#25)。
【0103】
本実施形態によると、画像形成装置1からの画像投影装置2への画像データの送信を従来よりも容易に行うことができる。
【0104】
本実施形態では、画像形成装置1は、送信画像データP5を送信するごとに送信先の画像投影装置2に対して、フォーマットの対応の可否を問い合わせたが、画像投影装置2ごとの対応可能なフォーマットの一覧を画像形成装置1に用意しておいてもよい。そして、それを参照し、必要に応じて送信画像データP6への変換を行えばよい。
【0105】
または、画像形成装置1は、問合せを行うことなく送信画像データP5を送信してもよい。この場合に、画像投影装置2は、受信した送信画像データP5への対応の可否を判別し、対応不能であれば、画像形成装置1に対して、対応可能なフォーマットを通知するとともに、再送信を要求する。そして、画像形成装置1は、通知されたフォーマットの送信画像データP6に送信画像データP5を変換し、送信画像データP6を画像投影装置2へ送信する。
【0106】
フォーマットの変換だけでなく、画像の解像度を変更したりカラー画像からモノクロ画像へ変更したりするなどして、送信先の画像投影装置2に対応した送信画像データP6を生成してもよい。
【0107】
画像形成装置1は、画像投影装置2の電源の状態を確認するために、TCP/IPのpingを用いてもよい。そして、画像投影装置2からの応答が得られたら電源がオンの状態であると判別(識別)し、得られなかったら電源がオフの状態であると判別すればよい。
【0108】
画像形成装置1は、常時稼働しておらず電源がオフになる時間帯を有する場合は、電源状態テーブルETを次のように管理してもよい。画像形成装置1は、電源がオフになる際に、不揮発性の記憶媒体に電源状態テーブルETを保存する。電源が再度オンになる際に、電源状態テーブルETを読み出す。そして、電源状態テーブルETに示される各画像投影装置2に対して電源状態確認メッセージD2Cを送信することによって、電源の最新の状態を確認し、電源状態テーブルETを更新する。
【0109】
その他、組織内ネットワークNW、画像形成装置1、画像投影装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、テーブルの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置(画像データ提供装置)
101 電源状態識別部(電源状態識別手段)
102 送信画像データ取得部(送信画像データ取得手段)
103 画像データ送信部(画像データ送信手段)
104 投影可否判別部(形式対応可否判別手段)
105 フォーマット変換部(画像データ変換手段)
2 画像投影装置
3 通信回線
D2C 電源状態確認メッセージ
P5 送信画像データ
P6 送信画像データ(第二の送信画像データ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して画像投影装置へ画像データを送信する装置および方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、スキャナ、ファックス、およびドキュメントサーバなどの様々な機能を備えた、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる画像形成装置が普及している。
【0003】
通常、画像形成装置は、役所または企業などのオフィスでは、個人用のデスクが集められたフロアの共用スペースなどに設置される。学校などの教育機関では、職員室などに設置される。図書館などの公共施設では、資料の閲覧スペースなどに設置される。
【0004】
また、パーソナルコンピュータで表示される画面をスクリーンなどに投影する機能を備えた、「プロジェクタ」と呼ばれる画像投影装置が普及している。近年、画像投影装置には、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、またはTIFF(Tagged Image File Format)などの画像データを使用して画像を出力する機能が備わるようになった。これにより、パーソナルコンピュータがなくても画像を投影できるようになった。
【0005】
通常、画像投影装置は、役所または企業などのオフィスでは、会議室または接客スペースなどで使用される。学校などの教育機関では、視聴覚室または講堂などで使用される。図書館などの公共施設では、視聴覚室または多目的ホールなどで使用される。
【0006】
つまり、同じ施設の中であっても、画像形成装置が設置される場所と画像投影装置が使用される場所とが異なることが多い。
【0007】
また、近年、画像形成装置だけでなく画像投影装置にもNIC(Network Interface Card)などのネットワークインタフェースが備えられるようになった。よって、画像形成装置が原稿をスキャンするなどして生成した画像データを、ネットワークを介して画像投影装置に直接送信する機能の実現が可能になった。この機能によると、画像形成装置が設置される場所と画像投影装置が使用される場所との距離が離れている場合であっても、画像形成装置から画像投影装置に画像データを送信することができる。
【0008】
そのほか、特許文献1には、画像投影装置(プロジェクタ)の電源に関する技術が開示されている。この技術によると、プロジェクタにメイン電源が供給されていないときに、ユーザによりプロジェクタの電源スイッチが押下されたとき、プロジェクタ、AP、PCの順に連動して電源の起動を行い、この起動の後、ユーザによりプロジェクタの電源スイッチが押下されたとき、AP、PC、プロジェクタの順に連動して電源の遮断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−282475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
画像投影装置は、画像形成装置から画像データを受信するためには、ネットワークケーブルが差し込まれていることはもとより、電源が入っていなければならない。よって、ユーザは、画像投影装置へ画像データを送信するジョブを画像形成装置に対して指示する前に、画像投影装置の電源を入れ画像投影装置にネットワークケーブルを差し込むなどの準備をしておく必要がある。
【0011】
しかし、上述の通り、通常、画像形成装置と画像投影装置とは、別々の場所に設置されていることが多い。よって、ユーザは、画像形成装置にジョブを与えようとしたときに初めて、画像投影装置の準備ができていないことに気づいた場合は、わざわざ、画像投影装置の場所まで移動して準備を行った後、再び画像形成装置の場所に戻ってジョブを与えなければならない。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑み、画像形成装置から画像投影装置への画像データの提供を従来よりも容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一形態に係る画像データ提供装置は、通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置であって、前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別手段と、前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する送信画像データ取得手段と、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する画像データ送信手段と、を有する。
【0014】
好ましくは、前記電源状態識別手段は、前記画像投影装置の電源のOFFからONへの変化である第一の変化およびONからOFFへの変化である第二の変化のいずれかの発生を示す通知データを前記画像投影装置から少なくとも1回受信し、最新の前記通知データに、前記第一の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し前記第二の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する。
【0015】
または、前記電源状態識別手段は、メッセージを前記画像投影装置へ送信し、前記メッセージに対する応答が所定の時間内に返信されてきた場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し、そうでない場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する。
【0016】
または、前記送信画像データの形式が、前記画像投影装置による画像の投影に使用することができるデータの形式である対応可能形式であるか否かを判別する、形式対応可否判別手段と、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合に、前記送信画像データを前記使用可能データ形式のデータである第二の送信画像データに変換する、画像データ変換手段と、を有し、前記画像データ送信手段は、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合は、前記送信画像データとして前記第二の送信画像データを送信する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、画像形成装置から画像投影装置への画像データの提供を従来よりも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】組織内ネットワークの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像投影装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図4】画像形成装置における画像データ提供処理のための機能的構成の例を示すブロック図である。
【図5】画像投影装置における画像投影処理のための機能的構成の例を示すブロック図である。
【図6】画像投影装置における電源ON/OFF時処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図7】画像投影装置の電源の状態を示す電源状態テーブルETの例を示す図である。
【図8】画像取得方法選択画面の例を示す図である。
【図9】画像投影装置選択画面の例を示す図である。
【図10】画像送信確認画面の例を示す図である。
【図11】画像投影装置における投影可否応答処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図12】画像形式変換画面の例を示す図である。
【図13】画像送信確認画面の例を示す図である。
【図14】画像投影装置における画像データ受領処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図15】画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は組織内ネットワークNWの全体的な構成の例を示す図、図2は画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図、図3は画像投影装置2のハードウェア構成の例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、組織内ネットワークNWは、画像形成装置1、画像投影装置2、および通信回線3などによって構成される。組織内ネットワークNWには、そのほかパーソナルコンピュータなどの情報処理装置が設けられている。組織内ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)の形態であってもよいし、複数のLAN同士を繋いたVPN(Virtual Private Network)の形態であってもよい。画像形成装置1および画像投影装置2は、通信回線3を介して互いに接続可能である。なお、通信回線3は有線方式であっても無線方式であってもよい。
【0021】
組織内ネットワークNWは、役所または企業などの組織の建物または公共施設などに設けられる。組織内ネットワークNWは、主にその組織に属する者によって使用されるが、公共施設においては来訪者によって使用されることもある。
【0022】
以下、複数の会議室を有しかつ各会議室に1台ずつ画像投影装置2を備えている企業に設けられている組織内ネットワークNWを例に説明する。また、各画像投影装置2を「画像投影装置2A」、「画像投影装置2B」、「画像投影装置2C」、…と区別して記載することがある。
【0023】
画像形成装置1は、常時、使用可能な状態にあり、かつ、通信機能も有効に稼働している。画像投影装置2は、それが配置されている会議室のロッカーに電源を切った状態で片付けられており、必要に応じて電源が投入され通信回線3に繋がれる。よって、画像形成装置1と直ちに通信できる画像投影装置2もあれば、そうでない画像投影装置2もある。図1には、画像投影装置2A、画像投影装置2B、および画像投影装置2Dが前者であり、画像投影装置2Cが後者である例を示している。
【0024】
画像形成装置1は、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、スキャナ、FAX、およびドキュメントサーバなどの様々な機能を集約した装置である。「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることもある。特に本実施例においては、会議の資料などの書類(ドキュメント)の画像を用紙からスキャンするなどして画像データを生成し、通信回線3を介して画像投影装置2へ送信するために用いられる。なお、ユーザ(その企業の社員)は、画像データの送信先の画像投影装置2を複数台の画像投影装置2A〜2Dの中から任意に選択することができる。
【0025】
ドキュメントサーバ機能は、ユーザごとにボックスを与えておき、各ユーザが自分のボックスによって画像ファイルなどのドキュメントデータを保存し管理するための機能である。つまり、いわゆるファイルサーバの機能である。「ボックス」とは、ドキュメントデータなどを蓄積(保存)しておくための記憶領域であり、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、制御用回路10e、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、および印刷装置10jなどによって構成される。
【0027】
CPU10aは、ROM10cまたは補助記憶装置10dに格納されているプログラムおよびデータのほか外部から必要に応じて入力される種々のデータに基づいて、RAM10bをワークエリアとして演算処理を実行する。特に本実施例においては、原稿をスキャンするなどして生成した画像データをユーザが選択した画像投影装置2へ送信するための画像データ提供処理を実行する。
【0028】
補助記憶装置10dは、電源を切ってもその記憶内容が保持される不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置10dとして、フラッシュメモリなどの半導体メモリまたはハードディスクなどの磁気記憶装置などが用いられる。補助記憶装置10dには、画像投影装置2へ送信するための画像データおよび送信の処理の条件などが記憶される。また、CPU10aに実行させるプログラムおよびデータが記憶されることもある。この場合は、プログラムおよびデータは、必要に応じてRAM10bにロードされる。
【0029】
制御用回路10eは、補助記憶装置10d、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、および印刷装置10jなどを制御するための回路である。なお、制御用回路10eの機能の一部または全部をCPU10aに受け持たせるようにしてもよい。
【0030】
操作パネル10fは、タッチパネルおよびテンキーなどによって構成される。タッチパネルには、ユーザに対するメッセージを与えるための画面、処理の結果を示す画面、またはユーザが画像形成装置1に対して指示を入力するための画面などが表示される。ユーザは、タッチパネルまたはテンキーを操作することによって、画像形成装置1に対して、画像データを画像投影装置2へ送信するための画像データ提供処理の起動を指示したり、送信すべき画像データを選択したり、送信の処理の条件などを設定したりすることができる。
【0031】
ネットワークインタフェース10gは、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末とTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのインタフェースである。ネットワークインタフェース10gとして、NIC(Network Interface Card)またはいわゆる無線LANカードなどが用いられる。
【0032】
スキャナ10hは、原稿に記されている文章、数式、記号、写真、図表、またはイラストなどのドキュメントの画像を光学的に読み取って画像データを生成するための装置である。
【0033】
FAXモデム10iは、公衆回線網を介して接続されている他のFAX端末とFAXプロトコルによって通信を行うための装置である。
【0034】
印刷装置10jは、スキャナ10hによって生成された画像データ、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末から受信した画像データ、または他のFAX端末から受信した画像データなどに基づいて画像を用紙に印刷するための装置である。
【0035】
図1に戻って、画像投影装置2は、液晶パネルを用いて、パーソナルコンピュータなどから入力されたRGB(Red Blue Green)の画像信号に基づいた画像をスクリーンなどに投影する。一般に「プロジェクタ」または「液晶プロジェクタ」などと呼ばれる。なお、画像投影装置2は、液晶方式以外の方式のプロジェクタであってもよい。
【0036】
また、画像投影装置2は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、またはTIFF(Tagged Image File Format)などの画像データに基づいて画像を投影することができる。よって、パーソナルコンピュータを介することなく画像形成装置1から画像データを直接受信して画像を投影することができる。
【0037】
図3に示すように、画像投影装置2は、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、制御用回路20e、操作パネル20f、ネットワークインタフェース20g、および投影装置20hなどによって構成される。
【0038】
CPU20aは、ROM20cまたは補助記憶装置20dに格納されているプログラムおよびデータのほか外部から必要に応じて入力される種々のデータに基づいて、RAM20bをワークエリアとして演算処理を実行する。特に本実施例においては、画像形成装置1から受信した画像データに基づいて画像を投影するための画像投影処理を実行する。
【0039】
補助記憶装置20dは、電源を切ってもその記憶内容が保持される不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置20dとして、フラッシュメモリなどの半導体メモリまたはハードディスクなどの磁気記憶装置などが用いられる。補助記憶装置20dには、投影のモードおよび画像投影装置2自身のIPアドレスなど、種々の設定に関する情報が記憶される。また、画像形成装置1から受信した画像データが保存されることもある。また、CPU20aに実行させるプログラムおよびデータが記憶されることもある。この場合は、プログラムおよびデータは、必要に応じてRAM20bにロードされる。
【0040】
制御用回路20eは、補助記憶装置20d、操作パネル20f、ネットワークインタフェース20g、投影装置20hなどを制御するための回路である。なお、制御用回路20eの機能の一部または全部をCPU20aに受け持たせるようにしてもよい。
【0041】
操作パネル20fは、ディスプレイおよび種々のスイッチからなるスイッチ群などによって構成される。ディスプレイに表示すべき画面を投影装置20hによってスクリーンなどに投影するようにしてもよい。この場合は、ディスプレイを設ける必要はない。
【0042】
ユーザは、スイッチ群の中のスイッチを操作することによって、画像投影装置2に対して、投影の開始または中断などの指令を与えたり、投影のモードおよびIPアドレスを設定したりすることができる。また、スイッチ群の中の電源スイッチを押すことによって、画像投影装置2の電源のオン/オフを切り換えることができる。
【0043】
ネットワークインタフェース20gは、組織内ネットワークNWの内外にある他の情報処理端末とTCP/IPなどのプロトコルによって通信を行うためのインタフェースである。
【0044】
投影装置20hは、光源からの白色光をR色成分、G色成分、およびB色成分に分離し、分離された光を液晶パネルに透過させた後に合成し、合成された光を投射レンズに通過させて投影する装置である。CPU20aなどの指令に基づいて液晶パネル内の表示素子が制御されることにより、入力された画像データに基づいた画像がスクリーンなどに投影される。
【0045】
次に、画像形成装置1における画像データ提供処理および画像投影装置2における画像投影処理について説明する。
【0046】
図4は画像形成装置1における画像データ提供処理のための機能的構成の例を示すブロック図、図5は画像投影装置2における画像投影処理のための機能的構成の例を示すブロック図、図6は画像投影装置2における電源ON/OFF時処理の流れの例を示すフローチャート、図7は画像投影装置2の電源の状態を示す電源状態テーブルETの例を示す図、図8は画像取得方法選択画面WD1の例を示す図、図9は画像投影装置選択画面WD2の例を示す図、図10は画像送信確認画面WD3の例を示す図、図11は画像投影装置2における投影可否応答処理の流れの例を示すフローチャート、図12は画像形式変換画面WD5の例を示す図、図13は画像送信確認画面WD4の例を示す図、図14は画像投影装置2における画像データ受領処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0047】
画像形成装置1のROM10cには、図4に示すような、電源状態識別部101、送信画像データ取得部102、画像データ送信部103、投影可否判別部104、およびフォーマット変換部105などの各機能部を実現するためのプログラムが格納されており、CPU10aによって実行される。それらのプログラムによって画像データ提供処理が行われる。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置10dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM10bに読み出されて実行される。なお、図4に示す機能の一部または全部が回路で実現されていてもよい。
【0048】
一方、画像投影装置2のROM20cには、図5に示すような、電源状態通知部201、画像データ受信部202、画像投影部203、投影可否応答部204などを実現するためのプログラムが格納されており、CPU20aによって実行される。それらのプログラムによって画像投影処理が行われる。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置20dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM20bに読み出されて実行される。なお、図5に示す機能の一部または全部が回路で実現されていてもよい。
【0049】
以下、図4に示す画像形成装置1の各機能部および図5に示す画像投影装置2の各機能部を順次説明する。
【0050】
図5において、電源状態通知部201は、画像投影装置2自身の電源の状態が切り替わったことを、図6に示す手順で画像形成装置1に対して通知する。
【0051】
図6(A)において、電源がオフの状態であるときに電源スイッチが押されると(#201でYes)、所定のプログラムなどとともに画像投影処理用のプログラムが起動する(#202)。これにより、電源状態通知部201も起動する。
【0052】
すると、電源状態通知部201は、電源がオンになった旨を示す電源オンメッセージD2Aを画像形成装置1へ送信する(#203)。送信先のIPアドレスとして、画像形成装置1のIPアドレスを予め画像投影装置2に設定しておいてもよい。画像形成装置1が複数台ある場合は、それぞれの画像形成装置1へ送信する。または、組織内ネットワークNWの中のすべての装置へブロードキャストしてもよい。次に説明する電源オフメッセージD2Bについても同様である。
【0053】
図6(B)において、電源がオンの状態であるときに電源スイッチが押されると(#301でYes)、電源状態通知部201は、それを検知し、電源がオフになる旨を示す電源オフメッセージD2Bを画像形成装置1へ送信する(#302)。電源オフメッセージD2Bの送信が完了したら、電源をオフにするための種々の処理が行われる(#303)。
【0054】
また、電源状態通知部201は、画像形成装置1から所定のメッセージ(後述する電源状態確認メッセージD2C)を受信した場合にも、電源オンメッセージD2Aを画像形成装置1へ返信する。
【0055】
図4において、電源状態識別部101は、各画像投影装置2から送信されてくる電源オンメッセージD2Aおよび電源オフメッセージD2Bに基づいて画像投影装置2ごとの電源の状態(ONの状態かOFF状態か)を識別する。また、電源状態識別部101は、電源の状態を識別するために、図7に示すような電源状態テーブルETを管理する。
【0056】
電源状態テーブルETには、画像投影装置2ごとに、その画像投影装置2の識別子を示す接続先識別子フィールド31および電源の状態を示す電源状態フィールド32からなるレコードが格納される。本実施形態では、識別子としてIPアドレスが用いられる。また、電源状態フィールド32の「ON」は電源の状態がオンであることを意味し、「OFF」はオフであることを意味する。画像形成装置1の運用を開始した当初は、電源状態テーブルETには、レコードは1つも格納されていない。
【0057】
電源状態識別部101は、電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bを受信すると、新たなレコードを生成し電源状態テーブルETに登録する。そのレコードの接続先識別子フィールド31には、その画像投影装置2のIPアドレスを書き込む。電源状態フィールド32には、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」を書き込み、電源オフメッセージD2Bを受信した場合は「OFF」を書き込む。ただし、既にその画像投影装置2のレコードが電源状態テーブルETに登録されている場合は、新たなレコードは生成せず、その既存のレコードの電源状態フィールド32を、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」に更新し、電源オフメッセージD2Bを受信した場合は「OFF」に更新する。
【0058】
また、管理者は、操作パネル10fを操作して、電源状態テーブルETにレコードが登録されていない任意の画像投影装置2の電源の状態を画像形成装置1に識別させることができる。
【0059】
この場合は、管理者は、画像投影装置2のIPアドレスおよび所定のコマンドを入力する。すると、電源状態識別部101は、そのIPアドレスが接続先識別子フィールド31に示されるレコードを生成し、電源状態テーブルETに登録する。さらに、電源状態識別部101は、そのIPアドレスに宛てて、電源状態確認メッセージD2Cを送信する。そして、電源状態確認メッセージD2Cに対する応答のメッセージとして電源オンメッセージD2Aが所定の時間(例えば、1分)以内に送信されてきた場合は、そのレコードの電源状態フィールド32を「ON」とする。応答がなかった場合は、そのレコードの電源状態フィールド32を「OFF」とする。
【0060】
電源状態識別部101は、このように電源状態テーブルETを管理することによって、各画像投影装置2の電源の状態を識別する。また、電源状態テーブルETには、組織内ネットワークNWに現在参加している画像投影装置2のレコードだけでなく、過去に参加したことのある画像投影装置2のレコードも蓄積される。例えば、図1において、電源が投入され通信回線3に繋がれている画像投影装置2A、画像投影装置2B、および画像投影装置2Dを示すレコードだけでなく、過去に電源が投入され通信回線3に繋がれていたが現在は会議室のロッカーに電源を切った状態で片付けられている画像投影装置2Cを示すレコードも電源状態テーブルETに存在している。
【0061】
なお、電源状態識別部101は、画像投影装置2のレコードの登録後、その画像投影装置2から電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bが送信されてくるのをただ待つのではなく、定期的に(例えば、5分ごとに)電源状態確認メッセージD2Cをその画像投影装置2へ送信して電源の状態を問い合わせてもよい。
【0062】
送信画像データ取得部102は、画像投影装置2へ送信すべき画像データを次のように取得する。
【0063】
送信画像データ取得部102は、ユーザが画像データを画像投影装置2に送信するためのコマンドを入力すると、図8に示すような、送信すべき画像データの取得方法をユーザに選択させるための画像取得方法選択画面WD1をタッチパネルに表示させる。
【0064】
ユーザが取得方法として、「ボックス内より選択」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、ボックスに保存されている画像データの一覧を表示させる。または、「FAXより受信」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、FAXの受信ボックスに保存されている画像データの一覧を表示させる。または、「他のPC内より選択」を選択した場合は、組織内ネットワークNW内のパーソナルコンピュータなどに保存されている画像データの一覧を表示させる。ユーザは、一覧の中から送信したい画像データを選択する。
【0065】
そして、送信画像データ取得部102は、それらの一覧の中から選択された画像データをボックスから読み出しまたはパーソナルコンピュータから取得する。
【0066】
または、ユーザが取得方法として「スキャン」を選択した場合は、送信画像データ取得部102は、原稿台にセットされた用紙をスキャナ10hにスキャンさせることによって画像データを取得する。以下、送信対象の画像データを「送信画像データP5」と記載する。
【0067】
画像データ送信部103は、取得された画像データを画像投影装置2へ送信する処理を行う。投影可否判別部104は、送信先の画像投影装置2がその画像データのフォーマット(形式)に対応しているか否か、つまり、その画像データによる画像の投影が可能であるか否かを判別する処理を行う。これらの処理は、次のように行われる。
【0068】
画像データ送信部103は、送信画像データ取得部102によって送信画像データP5が取得されると、図9に示すような、最新の電源状態テーブルETに示される画像投影装置2およびそれぞれの電源の状態の一覧を含む画像投影装置選択画面WD2をタッチパネルに表示させる。
【0069】
ユーザは、送信画像データP5の送信先とする画像投影装置2(プロジェクタ)を画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から選択する。
【0070】
ところで、選択された画像投影装置2の電源の状態は、常に変化し得る。よって、画像投影装置選択画面WD2を表示した時点の電源状態テーブルETの内容と、ユーザが画像投影装置2を選択した時点の(つまり、最新の)電源状態テーブルETの内容とが一致しないことがある。つまり、ユーザが、電源の状態が「ON」の画像投影装置2を選択してもその時点では「OFF」の場合があるし、逆に、電源の状態が「OFF」の画像投影装置2を選択してもその時点では「ON」の場合もある。
【0071】
そこで、画像データ送信部103は、画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から画像投影装置2が選択されたら、最新の電源状態テーブルETを参照することによって、選択された画像投影装置2の電源の状態を確認する。
【0072】
ここで、「ON」であることを確認した場合に、図10に示すような、画像データの送信を開始する旨を知らせるための画像送信確認画面WD3をタッチパネルに表示させる。そして、画像送信確認画面WD3においてユーザによって「OK」ボタンが押されると、選択された画像投影装置2へ送信画像データP5を送信する。ただし、送信する前に、送信画像データP5のフォーマットが、選択された画像投影装置2に対応しているか否かを、投影可否判別部104に判別させる。また、画像送信確認画面WD3においてユーザによって「キャンセル」ボタンが押されると、画像投影装置選択画面WD2を再びタッチパネルに表示させ、ユーザに対して他の画像投影装置2を選択するよう促す。
【0073】
投影可否判別部104は、対応の可否を判別するために、選択された画像投影装置2へ、送信画像データP5のフォーマットを示す形式対応確認メッセージD9Cを送信する。
【0074】
すると、形式対応確認メッセージD9Cを受信した画像投影装置2において、図5に示す投影可否応答部204は、図11に示す手順で形式対応確認メッセージD9Cの応答の処理を行う。
【0075】
形式対応確認メッセージD9Cを受信すると(#400でYes)、形式対応確認メッセージD9Cに示されるフォーマットに画像投影装置2自身が対応しているか否かをチェックする(#401)。そして、対応している場合は(#402でYes)、対応できる旨を示す対応可能メッセージD9Aを画像形成装置1へ返信する。対応していない場合は(#402でNo)、対応できない旨を示す対応不能メッセージD9Bおよび対応可能なフォーマットを示す形式対応情報D7を画像形成装置1へ返信する(#404)。
【0076】
図4に戻って、投影可否判別部104は、対応可能メッセージD9Aを受信した場合は、選択された画像投影装置2が送信画像データP5のフォーマットに対応可能であると判別する。そして、画像データ送信部103は、その送信画像データP5をその画像投影装置2へ送信する。
【0077】
一方、投影可否判別部104は、対応不能メッセージD9Bおよび形式対応情報D7を受信した場合は、図12のような、形式対応情報D7に示されるフォーマットの一覧を示す画像形式変換画面WD5を、タッチパネルに表示させる。
【0078】
フォーマット変換部105は、送信画像データP5を、画像形式変換画面WD5においてユーザによって選択されたフォーマットの画像データである送信画像データP6に変換する。そして、画像データ送信部103は、送信画像データP5の代わりに送信画像データP6を、選択された画像投影装置2へ送信する。
【0079】
画像データ送信部103は、画像投影装置選択画面WD2に表示された一覧の中から画像投影装置2が選択され、選択された画像投影装置2の電源の状態が「OFF」であることを確認した場合は、図13に示すような、選択された画像投影装置2の電源が入っていないため画像データを送信することができない旨および選択された画像投影装置2の電源が投入されたら画像データの送信を開始する旨を知らせる画像送信確認画面WD4をタッチパネルに表示させる。つまり、画像投影装置2の電源がオンになるまで送信画像データP5の送信を保留する。
【0080】
画像送信確認画面WD4においてユーザによって「OK」ボタンが押されると、送信画像データP5が、補助記憶装置10dの所定の領域に一時的に記憶される。
【0081】
画像データ送信部103は、最新の電源状態テーブルETを定期的に(例えば、1分ごとに)参照することにより、選択された画像投影装置2の電源がオンになったか否かを監視する。そして、オンになったことを確認できたら、画像データ送信部103は、送信画像データP5を補助記憶装置10dより読み出し、投影可否判別部104およびフォーマット変換部105と適宜連携して上述の手順で、選択された画像投影装置2への送信の処理を開始する。
【0082】
また、画像送信確認画面WD4においてユーザによって「キャンセル」ボタンが押されると、画像投影装置選択画面WD2を再びタッチパネルに表示させ、ユーザに対して他の画像投影装置2を選択するように促す。
【0083】
ところで、ユーザは、図10に示す画像送信確認画面WD3または図13に示す画像送信確認画面WD4で「OK」ボタンを押した後、選択した画像投影装置2が配置されている会議室へ移動する。そうすると、画像形式変換画面WD5をタッチパネルに表示させても、ユーザは、画像形成装置1の操作可能な位置から離れているために、画像形式変換画面WD5においてフォーマットを選択できないおそれがある。特に、画像投影装置2の電源がオンになるまで送信画像データP5の送信を保留した場合に、その可能性が高い。そこで、送信画像データP5の送信を保留した場合は、フォーマット変換部105は、ユーザの選択を待つことなく、形式対応情報D7に示されるフォーマットの中から適当なものを選択し、送信画像データP6に変換してもよい。
【0084】
このようにして、画像形成装置1から画像投影装置2に送信画像データP5または送信画像データP6が送信されてくると、図5に示す画像データ受信部202および画像投影部203は、図14に示す手順で送信画像データP5または送信画像データP6を投影するための処理を行う。
【0085】
図5において、画像データ受信部202は、画像形成装置1から送信画像データP5または送信画像データP6を受信する(#501)。
【0086】
画像投影部203は、送信画像データP5または送信画像データP6をRGBの画像データに変換し、それを投影装置20hへ出力する。そして、投影装置20hは、RGBの画像データに基づいて画像をスクリーンなどに投影する(#502)。
【0087】
図15は画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。次に、図15のフローチャートなどを参照しながら、画像形成装置1の全体的な処理の流れを説明する。
【0088】
画像形成装置1は、ユーザが画像投影装置2への画像データの送信を要求したり、画像投影装置2から電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bが送信されてきたりするごとに、図15のフローチャートに示す処理を実行する。
【0089】
画像形成装置1は、電源オンメッセージD2Aまたは電源オフメッセージD2Bを受信すると(#11でNo、#12でYes)、図7の電源状態テーブルETの中の、送信元である画像投影装置2のレコードを更新する(#13)。具体的には、そのレコードの電源状態フィールド32を、電源オンメッセージD2Aを受信した場合は「ON」に更新し、電源オフメッセージD2B受信した場合は「OFF」に更新する。
【0090】
または、画像形成装置1は、画像データの送信のための所定のコマンドが入力されると(#11でYes)、画像データの送信のための処理を次のように実行する。
【0091】
画像形成装置1は、ユーザが指定した方法で送信画像データP5を取得する(#14)。画像投影装置2の一覧(図9参照)を表示する(#15)。ここで、ユーザは、送信先の画像投影装置2を指定する。
【0092】
画像形成装置1は、この指定を受け付けると(#16)、指定された画像投影装置2の電源の状態を、電源状態テーブルET(つまり、最新の電源状態テーブルET)を参照して確認する(#17)。または、電源状態確認メッセージD2Cを送信しそれに対する応答として電源オンメッセージD2Aを所定の時間内に受信することによって、指定された画像投影装置2の電源の状態を確認してもよい。
【0093】
画像形成装置1は、画像投影装置2の電源がオンであることを確認できた場合は(#18でYes)、ステップ#19、#20をスキップしてステップ#21へ進む。
【0094】
画像形成装置1は、電源がオンであることを確認できなかった場合は(#18でNo)、指定された画像投影装置2の電源がオフであると識別(判断)し、送信画像データP5を一時的に保存する(#19)。そして、その後、画像投影装置2の電源がオンになったことが確認できたら(#20でYes)、ステップ#21へ進む。
【0095】
画像形成装置1は、送信画像データP5の送信先の画像投影装置2に対して形式対応確認メッセージD9Cを送信することによって、その画像投影装置2がその送信画像データP5のフォーマットに対応しているか否かを問い合わせる(#21)。
【0096】
画像形成装置1は、形式対応確認メッセージD9Cに対する応答を受信すると(#22でYes)、その応答が対応可能メッセージD9Aであれば(#23でYes)、送信画像データP5のフォーマットを変換することなく、送信先の画像投影装置2へ送信画像データP5を送信する(#25)。一方、その応答が対応不能メッセージD9Bであれば(#23でNo)、画像形成装置1は、送信画像データP5を送信先の画像投影装置2に対応するフォーマットの送信画像データP6に変換し(#24)、それを送信する(#25)。
【0097】
例えば、あるユーザUxが会議室Mcの画像投影装置2Cを使うための準備を行う場合は、画像形成装置1は、次のように動作する。なお、画像投影装置2Cは、当初、電源がオフであるものとする。
【0098】
ユーザUxは、画像データの送信のための所定のコマンドを入力し(#11でYes)、会議の資料の用紙を原稿台にセットする。画像形成装置1は、その用紙をスキャンすることによって送信画像データP5を取得し(#14)、画像投影装置2の一覧をユーザUxに対して提示する(#15)。
【0099】
ユーザUxは、画像投影装置2Cを指定する。画像形成装置1は、指定を受け付けると(#16)、画像投影装置2Cの電源の状態を確認する(#17)。上述の通り、画像投影装置2Cの電源はオフなので(#18でNo)、送信画像データP5を一時的に保存する(#19)。
【0100】
ユーザUxは、会議室Mcに向かい、画像投影装置2Cの電源をオンにするなどして、画像投影装置2Cと画像形成装置1とを通信可能な状態にする。画像投影装置2Cは、電源がオンになると、画像形成装置1へ電源オンメッセージD2Aを発信する。
【0101】
画像形成装置1は、これを受信すると、画像投影装置2Cの電源がオンになったと判別し(#20でYes)、次のように送信画像データP5を送信する。なお、一時的に保存した送信画像データP5は、送信後、削除してもよい。また、所定の時間が経過しても送信されない送信画像データP5も削除してもよい。
【0102】
画像形成装置1は、送信画像データP5のフォーマットに対応しているか否かを画像投影装置2Cに対して確認する(#21、#22)。そして、対応可能であれば、送信画像データP5のフォーマットを変換することなく、画像投影装置2Cへ送信画像データP5を送信する(#25)。一方、対応不能であれば(#23でNo)、送信画像データP5を画像投影装置2Cに対応するフォーマットの送信画像データP6に変換し(#24)、それを送信する(#25)。
【0103】
本実施形態によると、画像形成装置1からの画像投影装置2への画像データの送信を従来よりも容易に行うことができる。
【0104】
本実施形態では、画像形成装置1は、送信画像データP5を送信するごとに送信先の画像投影装置2に対して、フォーマットの対応の可否を問い合わせたが、画像投影装置2ごとの対応可能なフォーマットの一覧を画像形成装置1に用意しておいてもよい。そして、それを参照し、必要に応じて送信画像データP6への変換を行えばよい。
【0105】
または、画像形成装置1は、問合せを行うことなく送信画像データP5を送信してもよい。この場合に、画像投影装置2は、受信した送信画像データP5への対応の可否を判別し、対応不能であれば、画像形成装置1に対して、対応可能なフォーマットを通知するとともに、再送信を要求する。そして、画像形成装置1は、通知されたフォーマットの送信画像データP6に送信画像データP5を変換し、送信画像データP6を画像投影装置2へ送信する。
【0106】
フォーマットの変換だけでなく、画像の解像度を変更したりカラー画像からモノクロ画像へ変更したりするなどして、送信先の画像投影装置2に対応した送信画像データP6を生成してもよい。
【0107】
画像形成装置1は、画像投影装置2の電源の状態を確認するために、TCP/IPのpingを用いてもよい。そして、画像投影装置2からの応答が得られたら電源がオンの状態であると判別(識別)し、得られなかったら電源がオフの状態であると判別すればよい。
【0108】
画像形成装置1は、常時稼働しておらず電源がオフになる時間帯を有する場合は、電源状態テーブルETを次のように管理してもよい。画像形成装置1は、電源がオフになる際に、不揮発性の記憶媒体に電源状態テーブルETを保存する。電源が再度オンになる際に、電源状態テーブルETを読み出す。そして、電源状態テーブルETに示される各画像投影装置2に対して電源状態確認メッセージD2Cを送信することによって、電源の最新の状態を確認し、電源状態テーブルETを更新する。
【0109】
その他、組織内ネットワークNW、画像形成装置1、画像投影装置2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、テーブルの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置(画像データ提供装置)
101 電源状態識別部(電源状態識別手段)
102 送信画像データ取得部(送信画像データ取得手段)
103 画像データ送信部(画像データ送信手段)
104 投影可否判別部(形式対応可否判別手段)
105 フォーマット変換部(画像データ変換手段)
2 画像投影装置
3 通信回線
D2C 電源状態確認メッセージ
P5 送信画像データ
P6 送信画像データ(第二の送信画像データ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置であって、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別手段と、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する送信画像データ取得手段と、
前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する画像データ送信手段と、
を有することを特徴とする画像データ提供装置。
【請求項2】
前記電源状態識別手段は、前記画像投影装置の電源のOFFからONへの変化である第一の変化およびONからOFFへの変化である第二の変化のいずれかの発生を示す通知データを前記画像投影装置から少なくとも1回受信し、最新の前記通知データに、前記第一の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し前記第二の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する、
請求項1記載の画像データ提供装置。
【請求項3】
前記電源状態識別手段は、メッセージを前記画像投影装置へ送信し、前記メッセージに対する応答が所定の時間内に返信されてきた場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し、そうでない場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する、
請求項1記載の画像データ提供装置。
【請求項4】
前記送信画像データの形式が、前記画像投影装置による画像の投影に使用することができるデータの形式である対応可能形式であるか否かを判別する、形式対応可否判別手段と、
前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合に、前記送信画像データを前記使用可能データ形式のデータである第二の送信画像データに変換する、画像データ変換手段と、を有し、
前記画像データ送信手段は、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合は、前記送信画像データとして前記第二の送信画像データを送信する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像データ提供装置。
【請求項5】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供方法であって、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する処理と、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する処理と、
前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する処理と、を実行する、
ことを特徴とする画像データ提供方法。
【請求項6】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記画像データ提供装置に、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する処理を実行させ、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する処理を実行させ、
前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する処理を実行させ、前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置であって、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する電源状態識別手段と、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する送信画像データ取得手段と、
前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記電源状態識別手段により前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する画像データ送信手段と、
を有することを特徴とする画像データ提供装置。
【請求項2】
前記電源状態識別手段は、前記画像投影装置の電源のOFFからONへの変化である第一の変化およびONからOFFへの変化である第二の変化のいずれかの発生を示す通知データを前記画像投影装置から少なくとも1回受信し、最新の前記通知データに、前記第一の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し前記第二の変化の発生が示される場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する、
請求項1記載の画像データ提供装置。
【請求項3】
前記電源状態識別手段は、メッセージを前記画像投影装置へ送信し、前記メッセージに対する応答が所定の時間内に返信されてきた場合は前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別し、そうでない場合は前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別する、
請求項1記載の画像データ提供装置。
【請求項4】
前記送信画像データの形式が、前記画像投影装置による画像の投影に使用することができるデータの形式である対応可能形式であるか否かを判別する、形式対応可否判別手段と、
前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合に、前記送信画像データを前記使用可能データ形式のデータである第二の送信画像データに変換する、画像データ変換手段と、を有し、
前記画像データ送信手段は、前記形式対応可否判別手段によって前記送信画像データの形式が前記対応可能形式でないと判別された場合は、前記送信画像データとして前記第二の送信画像データを送信する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像データ提供装置。
【請求項5】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供方法であって、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する処理と、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する処理と、
前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信し、前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する処理と、を実行する、
ことを特徴とする画像データ提供方法。
【請求項6】
通信回線を介して画像投影装置に画像データを提供する画像データ提供装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記画像データ提供装置に、
前記画像投影装置の電源のON/OFFの状態を識別する処理を実行させ、
前記画像投影装置に送信すべき画像データである送信画像データを取得する処理を実行させ、
前記画像投影装置の電源がONの状態であると識別された場合は直ちに前記送信画像データを前記画像投影装置に送信する処理を実行させ、前記画像投影装置の電源がOFFの状態であると識別された場合は前記画像データ投影装置の電源がOFFの状態からONの状態に変化した後に前記送信する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−220107(P2010−220107A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66987(P2009−66987)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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