説明

画像処理システム、サーバー、制御方法および制御プログラム

【課題】容易な操作で迅速に、かつ、意図した画像形成装置でジョブを処理させることのできる画像処理システムを提供する。
【解決手段】画像処理システムに含まれるサーバーは、携帯端末から撮影時の位置および向きを取得し、その撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置のタグ情報を送信する(S54)。携帯端末では、撮影画像にタグを合成して表示する。携帯端末において画像処理装置が選択されると、画像処理装置のジョブのうちの携帯端末のユーザーのジョブが表示され、その中から選択されたジョブが移動対象のジョブとして表示される。その後、携帯端末から撮影時の位置および向きが送信されると、その撮影範囲内の画像処理装置のうちの移動対象のジョブが処理可能な画像処理装置のタグ情報と共に、移動対象のジョブを表わすタグも送信される(S36)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、サーバー、制御方法および制御プログラムに関し、特に、情報処理装置からのジョブをサーバーで管理して画像処理装置にて処理する画像処理システム、サーバー、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス環境などにおいて、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripherals)等の画像形成装置を含む画像処理システムが形成されて、当該画像処理システムに、複数台の画像形成装置が含まれる場合がある。
【0003】
このようなシステムにおいて効率的にジョブ処理を行なうための技術として、たとえば特開2010−258513号公報(以下、特許文献1)は、印刷速度、印刷品位、省エネ性や信頼性の評価点を画像形成装置ごとに算出しておき、評価点の高いものを表示して画像形成装置の選択を受け付けると共に、印刷ジョブの印刷完了予測時刻を表示する画像形成システムを開示している。
【0004】
また、特開2008−152725号公報(以下、特許文献2)は、プリントサーバーにおいてジョブの属性情報とプリンターの情報とを比較して印刷の可否を判断し、印刷操作端末においてこの判断結果に基づいてジョブ一覧画面を表示する印刷システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−258513号公報
【特許文献2】特開2008−152725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら特許文献で開示されている自動振り分けを行なうと、振り分け先の画像形成装置がユーザーの意図しないものとなる場合があり、かえって不便となる場合がある、という問題がある。たとえば、ユーザーから設置位置までの距離が遠かったり、普段使用しないものであったりする場合がある。
【0007】
また、これら特許文献で開示されている自動振り分けは、ジョブを画像形成装置に対して発行するよりも以前に振り分ける技術であるため、いったんジョブを発行したものの、当該画像形成装置にすでに多くのジョブが待機している場合には、当該画像形成装置でジョブを処理するまでに時間がかかることになる、という問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、容易な操作で迅速に、かつ、意図した画像形成装置でジョブを処理させることのできる画像処理システム、サーバー、制御方法および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備える。画像処理装置は、処理すべきジョブに関する情報をサーバーに対して送信するための送信手段を含む。サーバーは、画像処理装置の位置を取得し、記憶する処理と、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、特定された画像処理装置のうちの携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、提示されたジョブのうちの携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、携帯端末において選択された画像処理装置に、移動対象のジョブを移動させる処理とを実行する。携帯端末は、サーバーから送信された情報に基づく画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう。
【0010】
好ましくは、サーバーは、携帯端末において移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうちの画像処理装置が選択されると、画像処理装置で移動対象のジョブを処理した場合の処理予測時間を算出して、処理予測時間をするための情報を携帯端末に対して送信する処理をさらに実行する。
【0011】
好ましくは、携帯端末の表示手段はタッチパネルであって、携帯端末においては、タッチパネルに表示された移動対象のジョブを表わす画像へのタッチを維持したまま、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像に対して移動させる操作によって、移動対象のジョブの処理を実行させる画像処理装置を選択する。
【0012】
好ましくは、サーバーは、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を携帯端末に対して送信する処理において、携帯端末において移動対象のジョブが選択されている場合には、画像処理装置を表わす画像を表示するための情報と共に、移動対象のジョブを表わす画像を表示するための情報を携帯端末に対して送信する。
【0013】
好ましくは、サーバーは、画像形成装置での移動対象のジョブの処理が携帯端末において当該ジョブの処理をさせる画像処理装置の選択よりも以前に開始された場合に、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像の近傍に、当該ジョブが処理済みであることを表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理をさらに実行する。
【0014】
本発明の他の局面に従うと、サーバーは、撮影手段と表示手段と入力手段を含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、当該サーバーに含まれる処理装置は、画像処理装置の位置を取得し、記憶する処理と、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、特定された画像処理装置のうちの携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、提示されたジョブのうちの携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信する処理と、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、携帯端末において選択された画像処理装置に、移動対象のジョブを移動させる処理とを実行する。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御方法は、撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを含む画像処理システムの制御方法であって、携帯端末の撮影手段で撮影を行なうステップと、携帯端末の撮影時の位置および向きと、画像処理装置の位置とから特定される携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、サーバーから携帯端末に送信するステップと、携帯端末の表示手段で、撮影を行なうステップで得られた撮影画像に画像処理装置を表わす画像を重ねて表示するステップと、上記画像が表示された画像処理装置のうち携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを、携帯端末の表示手段で表示するステップと、表示されたジョブのうち、移動対象とするジョブの選択を携帯端末の入力手段で受け付けるステップと、ジョブの選択の後に携帯端末の撮影手段で撮影を行なうステップと、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの、携帯端末において選択された移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、サーバーから携帯端末に送信するステップと、携帯端末の表示手段で、撮影を行なうステップで得られた撮影画像に移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を重ねて表示するステップと、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、移動対象のジョブを処理させる画像処理装置の選択を携帯端末の入力手段で受け付けるステップと、携帯端末において選択された画像処理装置に、移動対象のジョブを移動させるステップとを備える。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、撮影手段と表示手段と入力手段を含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーに処理を実行させるための制御プログラムであって、サーバーは、画像処理装置の位置を取得し、記憶しており、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信するステップと、特定された画像処理装置のうちの携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、携帯端末に対して送信するステップと、提示されたジョブのうちの携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、携帯端末に対して送信するステップと、移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、携帯端末において選択された画像処理装置に、移動対象のジョブを移動させるステップとをサーバーに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、容易な操作で迅速に、かつ、意図した画像形成装置でジョブを処理させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【図6】画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
【図7】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【図8】MFPのジョブ情報の表示画面の具体例を示す図である。
【図9】移動候補のジョブの選択後に、更新された表示画面の具体例を示す図である。
【図10】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【図11】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【図12】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図13】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図14】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図15】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図16】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0020】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0021】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としての、複数のMFP(Multi-Functional Peripheral)100A,100B,100Cと、携帯端末200と、サーバー300とを含む。複数のMFP100A,100B,100Cを代表させて、MFP100と称する。
【0022】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0023】
携帯端末200は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0024】
サーバー300は、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0025】
以下の説明では、図1に示されたように、MFP100とは別にサーバー300が含まれるものとしているが、サーバー300がMFP100に含まれ、MFP100がサーバーとして機能してもよい。
【0026】
MFP100、携帯端末200、およびサーバー300は互いに通信可能であり、情報をやり取りする。この通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、図1に表わされたように、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にこれら装置が接続され、該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態が挙げられる。
【0027】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0028】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18と、GPS(Global Positioning System)信号を受信して当該MFP100の位置情報を取得するためのGPSコントローラー19とを含む。
【0029】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0030】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、各部品の装着の有無を検知するためのセンサーなどが該当する。
【0031】
GPSコントローラー19は、取得した当該MFP100の位置情報を示す信号をCPU10に入力する。
【0032】
メモリー16には、さらに、当該MFP100の位置情報が記憶されている。この例では、当該MFP100の位置情報はGPSコントローラー19によって取得されるものとしているが、他の例として、操作パネル15から入力されるものであってもよい。
【0033】
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0034】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0035】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0037】
図4は、サーバー300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、MFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー34とを含む。
【0038】
<動作概要>
図5は、実施の形態にかかる画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【0039】
図5を参照して、MFP100は、たとえば電源投入時やサーバー300との通信が確立したときやサーバー300からの要求を受けたとき、などの所定のタイミングで自身の位置を測定し、当該位置を表わす位置情報を記憶する。なお、測定に替えて、たとえば操作パネル15からの、位置情報の入力を受け付けることで、位置情報を取得するようにしてもよい。
【0040】
MFP100は、一定時間間隔やサーバー300からの要求を受けたとき、などの所定のタイミングで、自身の印刷能力を表わす情報、記憶しているジョブに関する情報、およびマシンステータスを表わす情報を記憶している位置情報と共に、MFP情報としてサーバー300に送信する。ここで、ジョブに関する情報には、少なくとも、ジョブに関連付けられたユーザー情報が含まれる。
【0041】
携帯端末200は、撮影時の位置および方向を測定し、当該携帯端末200のユーザー情報と共にサーバー300に対して送信する。
【0042】
サーバー300は、該当するMFPについて、記憶しているMFP情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。
【0043】
ここで、タグ情報とは、携帯端末200での撮影画像に合成することで付加される画像であるタグを表示させるための情報を指す。詳しくは、タグ情報には、MFP100を特定する情報をタグとして表示するための情報が含まれる。さらに、MFP100に送信され、処理前のジョブに関する情報を表示するための情報が含まれる。
【0044】
サーバー300は、一例として、タグ情報のフォーマットを予め記憶しておき、対象のMFP情報から必要な情報を読み出して該フォーマットに埋め込むことでタグ情報を生成することができる。
【0045】
携帯端末200は、撮影画像にサーバー300から受信したタグ情報に基づくタグを重ねて表示する。
【0046】
図6は、画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
図6を参照して、MFPでは自身の位置を測定し(ステップS11)、その位置を表わす位置情報を含むMFP情報をサーバーに対して送信する(ステップS12)。
【0047】
なお、MFP情報に含まれる位置情報は、上記ステップS12でMFP情報を送信するたびに併せて送信されてもよいし、上記ステップS12でMFP情報を送信するたびに送信されるのではなく、たとえば電源投入時やサーバー300との通信が確立したときなどの予め規定されたタイミングのみ送信され、他のMFP情報の送信の際には位置情報が送信されなくてもよい。
【0048】
サーバーは、取得したMFP情報を記憶する(ステップS31)。
携帯端末においてタグ表示のためのアプリケーションが起動され、該アプリケーションの動作に従ってカメラ26で撮影が行なわれると(ステップS51)、そのときの位置および向きが測定される(ステップS52)。そして、携帯端末から測定された位置および方向と共に、当該携帯端末に関連付けられたユーザー情報がサーバーに送信され、タグ情報が要求される(ステップS53)。
【0049】
上記要求を受信したサーバーは、MFP情報に含まれる位置情報で表わされる各MFPの位置と携帯端末の位置および方向とから、当該携帯端末の撮影範囲にあるMFPを特定し、そのMFPについてのMFP情報を検索する(ステップS32)。そして、そのMFP情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末に対して送信する(ステップS33)。
【0050】
携帯端末では、上記ステップS51での撮影画面に、撮影されているMFPの識別情報を表わすタグが重ねて表示される(ステップS54)。
【0051】
図7は、上記ステップS54での表示画面の具体例を示す図である。図7では、説明のために、撮影画像に重ねられたタグのみが表わされている。図7に示されるように、撮影画像に含まれるMFPの近傍に、当該MFPを表わす識別情報(MFP1〜MFP6)を示した画像であるタグが表示される。
【0052】
さらに、図7に示されるように、好ましくは、携帯端末に関連付けられたユーザー情報が関連付けられたジョブと、そうでないジョブとが区別してタグが表示される。また、好ましくは、マシンステータスに応じてタグが表示される。図7の例では、携帯端末のユーザーに関連付けられたジョブがないMFPの識別情報が一重線で、携帯端末のユーザーに関連付けられたジョブがあるMFPの識別情報が二重線で、携帯端末のユーザーに関連付けられたジョブがあり、かつマシンがトラブルやメンテナンス等で出力停止中のステータスであるMFPの識別情報が三重線で表わされている。
【0053】
このような表示態様は、サーバー側で特定し、タグ情報に含めて携帯端末に送信されるものであってもよい。この場合、サーバー側で携帯端末の撮影範囲に含まれるMFPを特定すると共に、これらのMFPそれぞれのMFP情報を参照して、これらMFPのうちの当該携帯端末のユーザーのジョブを有するものと有さないものとを特定し、さらに、これらMFPのマシンステータスを特定した上で表示態様を決定し、タグ情報に含める。
【0054】
または、予め携帯端末側にて属性ごとの表示態様を記憶しており、タグ情報に含まれるこれらの情報に基づいて携帯端末側で決定してもよい。この場合、サーバー側で携帯端末の撮影範囲に含まれるMFPを特定すると共に、これらのMFPそれぞれのMFP情報を参照して、これらMFPのうちの当該携帯端末のユーザーのジョブを有するものと有さないものとを特定し、さらに、これらMFPのマシンステータスを特定し、特定されたこれらの情報をタグ情報に含めて携帯端末に対して送信する。携帯端末は受信したタグ情報からこれらの情報を読み出して表示態様を決定する。
【0055】
さらに、図7に示されるように、好ましくは、携帯端末からMFPまでの距離に応じてサイズでタグが表示される。図7の例では、携帯端末から近いMFPほどそのタグが大きく表示され、遠いMFPほど小さく表示されている。これもまた上述と同様にして、サーバー側でタグのサイズが決定されてもよいし、携帯端末側にてタグのサイズが決定されてもよい。
【0056】
図7に表示されたMFPのタグはそれぞれ選択可能であって、タグが選択されると、対応するMFPのジョブの情報が表示される。携帯端末の操作パネルに表示されたMFPのタグがタッチによって選択可能なタグである場合にはいずれかのタグがタッチされた場合に、図示しないマウス等を当てることで選択可能な場合にはいずれかのタグにマウスが当てられた場合に、そのタグで表わされるMFPのジョブ情報が表示される。
【0057】
図8は、MFPのジョブ情報の表示画面の具体例を示す図である。ここでは、選択されたMFPで処理が完了していない、携帯端末のユーザーに関連付けられたジョブの情報が表示される。具体的には、当該ジョブを特定する情報と、そのジョブの予想出力時間とが表示される。出力予想時間は、MFP情報に含まれるMFPの印刷能力とジョブ情報に含まれるジョブのサイズとに基づいてサーバーで算出されてもよいし、MFPから送信されるMFP情報に、ジョブ情報として当該ジョブの出力予想時間が含まれていてもよい。
【0058】
図8において、ジョブは選択可能に表示されている。ここでの選択は、上述のMFPの選択と同様である。ここで選択されたジョブは、当該MFPから他のMFPに移動させる候補とされる。
【0059】
図8の画面においてジョブの選択を受け付けると、携帯端末は選択されたジョブを特定する情報を選択情報としてサーバーに対して送信する(ステップS55)。この情報を受信したサーバーは、該当するジョブ情報を移動候補として管理する(ステップS34)。ここでは、たとえば、ジョブ情報ごとに移動の対象とするか否かを表わすフラグを設けて、選択されたジョブのフラグを立てる、などの管理が挙げられる。
【0060】
サーバーは、選択されたジョブ情報を移動候補として表わすようにタグ情報を更新し、携帯端末に送信することで、携帯端末の表示画面が更新される。図9は、移動候補のジョブの選択後に、更新された表示画面の具体例を示す図である。図9を参照して、上述のように移動候補のジョブが選択されることで、図7に示されたMFPの識別情報を表わしたタグに加えて、当該ジョブを表わしたタグが表示される。図9の例では、移動候補のジョブが、雲形のタグで表示されている。
【0061】
上述の移動候補のジョブの選択は図9の「ジョブ選択終了」ボタンがタッチされるまで繰り返されてもよい。それによって、複数のジョブを移動候補のジョブとして選択することができる。移動候補のジョブが複数選択された場合にも、図9に示されるように、移動候補のジョブが選択されていることを表わす雲形のタグが1つ表示されてもよいし、ジョブごとに、選択された数だけ雲形のタグが表示されてもよい。
【0062】
移動候補のジョブの選択が完了した後に、携帯端末において撮影が行なわれることで(ステップS56)、その位置、方向が測定されて(ステップS57)、サーバーに対してタグ情報が要求される(ステップS58)。
【0063】
サーバーでは上記ステップS32と同様にしてMFP情報を検索してタグ情報を生成し、携帯端末に対して送信する(ステップS35,S36)。携帯端末では、受信したタグ情報に基づいて表示画面が更新される(ステップS59)。
【0064】
図10は、上記ステップS59で更新される表示画面の具体例を示す図である。図10を参照して、ここでは、携帯端末の撮影範囲内にあるMFPのうち、選択された移動候補のジョブが処理可能なMFPの識別情報を表わすタグが撮影画像に重ねて表示されると共に、上述のように選択された移動候補のジョブを表わすタグ(図10の例では雲形のタグ)が表示される。このとき、携帯端末の撮影範囲内にある、選択された移動候補のジョブが処理可能でないMFPの識別情報を表わすタグも併せて表示されてもよいが、その場合には、選択された移動候補のジョブが処理可能なMFPの識別情報を表わすタグがそうでないMFPの識別情報を表わすタグとは区別して表示される。
【0065】
図10の例では、選択された移動候補のジョブの処理(印刷)ができないMFPの識別情報が一重線で、ジョブの印刷が可能なMFPの識別情報が二重線で、マシンがトラブルやメンテナンス等で出力停止中であるMFPの識別情報が三重線で表わされている。
【0066】
図10に表示されたMFPのタグはそれぞれ選択可能であって、タグが選択されると、携帯端末は選択されたMFPを特定する情報を選択情報としてサーバーに対して送信する(ステップS60)。携帯端末の操作パネルに表示されたMFPのタグがタッチによって選択可能なタグである場合にはいずれかのタグがタッチされることでMFPが選択される。または、図示しないマウス等を当てることで選択可能な場合にはいずれかのタグにマウスが当てられることでMFPが選択される。
【0067】
この情報を受信したサーバーは、選択されたMFPで移動候補のジョブを処理するとしたときの情報を携帯端末に表示させる。図11は、移動先を選択した後に表示される画面の具体例を示す図である。図11の例は、図8の画面において「JOB_A」および「JOB_B」で表わされたジョブを移動ジョブとして選択し、図10の画面において「MFP_A」で表わされたMFPを移動先のMFPとして選択した場合の画面が表わされている。
【0068】
図11の画面では、「MFP_A」で表わされたMFPでこれらジョブを処理するとしたときの出力予想時間が示されている。さらに、図11に示されるように、当該携帯端末から「MFP_A」で表わされたMFPまでの距離が示されてもよい。距離に替えて、一般的な歩行速度と距離とを用いて算出することで、移動時間を示してもよい。これらは、記憶されているMFP情報と、移動前のMFPから取得できるジョブの情報とに基づいてサーバーで算出されてもよいし、移動先として選択されたMFPに算出を行なわせて得られてもよい。
【0069】
この表示は、MFPが選択されるたびに行なわれる。そして、最終的に移動させるMFPが決定されると、サーバーは、移動候補のジョブを決定されたMFPのジョブとなるように管理する(ステップS37)。具体的には、サーバーは移動前のMFPから移動させるジョブを取得して、移動先に決定されたMFPに転送する処理(ステップS38)を行なう。または、移動前のMFPに対して移動先に決定されたMFPを通知して、そのMFPに移動させるジョブを転送するコマンドを送信してもよい。
【0070】
MFPの特定は、たとえば図11の画面に図示しない「決定」ボタンが設けられ、そのボタンを押下することでなされてもよい。または、移動候補のジョブを表わすタグをMFPのタグに向けてドラッグアンドドロップ(移動候補のジョブを表わすタグに対するタッチ状態を維持したままMFPのタグに向けて移動)することでMFPが決定されてもよい。
【0071】
<機能構成>
図12は、上述の動作を実現するためのサーバー300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図12に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0072】
図12を参照して、HD33には、MFPから送信されたMFP情報を記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331が含まれる。
【0073】
さらに図12を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300は、ネットワークコントローラー34を介してMFP100から位置情報やジョブ情報などのMFP情報の入力を受け付けるためのMFP情報入力部301と、入力されたMFP情報をMFP情報記憶部331に格納するための格納部302と、ネットワークコントローラー34を介して携帯端末200から携帯端末の位置および向きを受信して、該当するMFPについてのタグ情報の要求を受け付けるための要求入力部303と、受信した携帯端末の位置および向きに基づいてMFP情報を検索するための検索部304と、検索されたMFP情報を用いてタグ情報を生成するための生成部305と、生成されたタグ情報をネットワークコントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための送信部306と、ネットワークコントローラー34を介して携帯端末200から移動候補として選択されたジョブや移動先として選択されたMFPの情報を選択情報として受信するための選択情報入力部307と、その情報に基づいてMFP情報に含まれるタグ情報を管理するための管理部308と、MFPでのジョブの出力予想時間等を算出するための算出部309とを含む。
【0074】
図13は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図13に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0075】
図13を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部205と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24から得られた信号より当該携帯端末200の位置を取得するための位置取得部206と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23から得られた信号より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部207と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部208と、取得された位置と向きとを表わす情報をネットワークコントローラー27を介してサーバー300に対して送信するための送信部203と、ネットワークコントローラー27を介してサーバー300から送信されたタグ情報の入力を受け付けるためのタグ情報入力部204と、撮影画像とタグ情報とから画面を生成するための生成部210と、生成された画面を操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部211とを含む。
【0076】
<動作フロー>
図14は、サーバー300での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図14のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図12に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0077】
図14を参照して、サーバー300のCPU30は、MFP100から位置情報やジョブ情報を含むMFP情報を受信すると(ステップS301でYES)、ステップS303で受信したMFP情報を格納する。
【0078】
携帯端末から位置および向きを表わす情報が送信され、タグ情報の要求があった場合には(ステップS105でYES)、ステップS107でCPU30は、受信した位置および向きとMFP情報に含まれる位置情報とを比較して、携帯端末の撮影範囲に存在するMFPについてのMFP情報を検索し、ステップS109で当該MFP情報からタグ情報を生成して携帯端末に対して送信する。
【0079】
携帯端末から移動候補のジョブの選択を受け付けると(ステップS111でYES)、ステップS113でCPU30は、選択されたジョブを移動候補とするよう各ジョブを管理する。
【0080】
その後、携帯端末から移動先のMFPの選択を受け付けると(ステップS115でYES)、ステップS117でCPU30は、上記ステップS111で選択された移動候補のジョブが選択されたMFPに移動した場合の当該MFPでの出力予想時間を算出し、その情報を携帯端末に対して送信する。このとき、当該MFPの位置情報と携帯端末の位置とに基づいて、携帯端末からMFPまでの距離や移動時間を算出し、上記出力予想時間と共に送信してもよい。
【0081】
そして、移動先のMFPが決定されると(ステップS119でYES)、ステップS121でCPU30は、移動させるジョブを移動前のMFPから決定された移動先のMFPに移動させる。
【0082】
CPU30は、以上の動作を繰り返し行なう。
図15は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図15のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図13に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0083】
図15を参照して、携帯端末200のCPU20は、撮影指示を受け付けると(ステップS201でYES)、ステップS203でCPU20はカメラ26での撮影を行なうと共に、ステップS205でそのときの位置および向きを測定する。そして、ステップS207で、測定された位置および向きをサーバー300に送信して、タグ情報を要求する。
【0084】
当該要求に応じてサーバー300からタグ情報を受信すると(ステップS209でYES)、ステップS211でCPU20は、受信したタグ情報に基づく画像であるタグを上記ステップS203で得られた撮影画像に合成して表示する。これにより、図7の画面が表示される。
【0085】
図7の画面のタグが選択されると、図8に表わされたように、当該タグで表わされたMFPの、当該携帯端末のユーザーに関連した各ジョブが表示される。その中から、移動候補のジョブが選択されると(ステップS213でYES)、ステップS215でCPU20は、選択されたジョブを表わす情報を選択情報としてサーバー300に対して送信する。
【0086】
このとき、選択情報を受信したサーバー300から、選択されたジョブを表わすタグ情報が送信されてもよい。これにより、図9の画面が表示される。なお、上記ステップS201からの動作は、図15の一連の動作の途中で繰り返されてもよい。上記ステップS215の後に撮影指示がなされると、上記ステップS201からの動作がここで実行され、撮影画像にタグが合成されて表示される。そのとき、上記ステップS213で移動候補のジョブが選択されている場合には、図10に表わされたように、移動候補のジョブを表わすタグも合成して表示される。
【0087】
図9や図10の画面において移動先とするMFPが選択されると(ステップS217でYES)、ステップS219でCPU20は、選択されたMFPを表わす情報を選択情報としてサーバー300に対して送信する。そして、ステップS221でCPU20は、選択情報を受信したサーバー300から、移動候補のジョブが選択されたMFPに移動した場合の当該MFPでの出力予想時間を受信して、図11のように、表示画面を更新する。このとき、携帯端末からMFPまでの距離や移動時間もサーバー300から送信された場合には、図11に示されたように表示画面においてその情報も表示させる。
【0088】
その後、移動先とするMFPが決定されると(ステップS223でYES)、ステップS225でCPU20は、決定されたMFPを表わす情報をサーバー300に対して送信する。
【0089】
CPU20は、以上の動作を繰り返し行なう。
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像処理システムで以上の動作が行なわれることで、ユーザーは、ジョブを発行した後に、MFPを携帯端末で撮影するという容易な操作で、各MFPでの当該ユーザーの発行したジョブの処理状況を携帯端末で把握することができる。さらに、その処理状況を確認した上で、任意のMFPに対してジョブを容易な操作でジョブを移動させることができる。
【0090】
そのため、効率的なジョブの処理が可能となると共に、たとえば取りに行きやすいMFPや、使い慣れているMFPなど、意図するMFPにジョブを移動させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0091】
なお、本画像処理システムでは、上述のように、いったん発行ジョブを、その後に移動させることがなされている。そのため、移動の指示のタイミングによっては、移動前のMFPで移動候補とされたジョブの処理が完了してしまう場合もある。
【0092】
そこで、好ましくは、MFP100は、MFP情報としてのジョブ情報に、処理を開始したジョブを特定する情報も含めてサーバー300に送信する。サーバー300はMFP情報に処理を開始したジョブを特定する情報が含まれる場合には、当該ジョブが移動候補となっているか否かを確認し、なっている場合には、当該ジョブを移動候補のジョブから処理隅のジョブとなるよう管理する。より好ましくは、このとき、サーバー300は、たとえば図16に示されたように、移動候補のジョブを表わすタグに対して、当該ジョブが処理済みであることを表わすタグをさらに追加して表示させるためのタグ情報を携帯端末に対して送信する。
【0093】
このようにすることで、より使い勝手を向上させることができる。
さらに、上述の動作をサーバー300、携帯端末200、およびMFP100に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0094】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0095】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0096】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
10,20,30 CPU、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,27,34 ネットワークコントローラー、18 センサー、19,24 GPSコントローラー、21,31 ROM、22,32 RAM、23 電子コンパス、26 カメラ、33 HD、100 MFP、200 携帯端末、203,306 送信部、204 タグ情報入力部、205 指示入力部、206 位置取得部、207 向き取得部、208 画像取得部、210,305 生成部、211 表示処理部、300 サーバー、301 情報入力部、302 格納部、303 要求入力部、304 検索部、307 選択情報入力部、308 管理部、309 算出部、331 情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記画像処理装置は、処理すべきジョブに関する情報を前記サーバーに対して送信するための送信手段を含み、
前記サーバーは、
前記画像処理装置の位置を取得し、記憶する処理と、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記特定された画像処理装置のうちの前記携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、前記携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記提示されたジョブのうちの前記携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、前記携帯端末において選択された画像処理装置に、前記移動対象のジョブを移動させる処理とを実行し、
前記携帯端末は、前記サーバーから送信された情報に基づく画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう、画像処理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記携帯端末において前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうちの画像処理装置が選択されると、前記画像処理装置で前記移動対象のジョブを処理した場合の処理予測時間を算出して、前記処理予測時間をするための情報を前記携帯端末に対して送信する処理をさらに実行する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記携帯端末の前記表示手段はタッチパネルであって、
前記携帯端末においては、前記タッチパネルに表示された前記移動対象のジョブを表わす画像へのタッチを維持したまま、前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像に対して移動させる操作によって、前記移動対象のジョブの処理を実行させる画像処理装置を選択する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記サーバーは、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を前記携帯端末に対して送信する処理において、前記携帯端末において前記移動対象のジョブが選択されている場合には、前記画像処理装置を表わす画像を表示するための情報と共に、前記移動対象のジョブを表わす画像を表示するための情報を前記携帯端末に対して送信する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記サーバーは、前記画像形成装置での前記移動対象のジョブの処理が前記携帯端末において当該ジョブの処理をさせる画像処理装置の選択よりも以前に開始された場合に、前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像の近傍に、当該ジョブが処理済みであることを表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理をさらに実行する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
撮影手段と表示手段と入力手段を含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、
当該サーバーに含まれる処理装置は、
前記画像処理装置の位置を取得し、記憶する処理と、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記特定された画像処理装置のうちの前記携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、前記携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記提示されたジョブのうちの前記携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信する処理と、
前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、前記携帯端末において選択された画像処理装置に、前記移動対象のジョブを移動させる処理とを実行する、サーバー。
【請求項7】
撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを含む画像処理システムの制御方法であって、
前記携帯端末の前記撮影手段で撮影を行なうステップと、
前記携帯端末の撮影時の位置および向きと、前記画像処理装置の位置とから特定される前記携帯端末の撮影範囲にある前記画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記サーバーから前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末の前記表示手段で、前記撮影を行なうステップで得られた撮影画像に前記画像処理装置を表わす画像を重ねて表示するステップと、
前記画像が表示された画像処理装置のうち前記携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、前記携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを、前記携帯端末の前記表示手段で表示するステップと、
前記表示されたジョブのうち、移動対象とするジョブの選択を前記携帯端末の前記入力手段で受け付けるステップと、
前記ジョブの選択の後に前記携帯端末の前記撮影手段で撮影を行なうステップと、
前記携帯端末の撮影範囲にある前記画像処理装置のうちの、前記携帯端末において選択された前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記サーバーから前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末の前記表示手段で、前記撮影を行なうステップで得られた撮影画像に前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を重ねて表示するステップと、
前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、前記移動対象のジョブを処理させる画像処理装置の選択を前記携帯端末の前記入力手段で受け付けるステップと、
前記携帯端末において選択された画像処理装置に、前記移動対象のジョブを移動させるステップとを備える、制御方法。
【請求項8】
撮影手段と表示手段と入力手段を含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーに処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記サーバーは、前記画像処理装置の位置を取得し、記憶しており、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して、特定された画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信するステップと、
前記特定された画像処理装置のうちの前記携帯端末において選択された画像処理装置について、当該画像処理装置が処理すべきジョブのうちの、前記携帯端末に関連付けられたユーザーに関連付けられたジョブを提示するための情報を、前記携帯端末に対して送信するステップと、
前記提示されたジョブのうちの前記携帯端末において選択されたジョブを移動対象のジョブとして、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置のうちの前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置を表わす画像を表示するための情報を、前記携帯端末に対して送信するステップと、
前記移動対象のジョブを処理可能な画像処理装置のうち、前記携帯端末において選択された画像処理装置に、前記移動対象のジョブを移動させるステップとを前記サーバーに実行させる、制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−61907(P2013−61907A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201460(P2011−201460)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】