画像処理システム、車両用装置、画像処理装置、プログラム、及び、画像表示方法
【課題】比較的コストの低い車載装置を用いて仮想視点からみた合成画像を表示させる。
【解決手段】画像処理システム10は、車両9で用いられる車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像を車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像をディスプレイ29に表示する。したがって、車載装置2が合成画像を生成する機能を備えなくとも、合成画像をディスプレイ29に表示させることができる。これにより、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像をディスプレイ29に表示させることができる。
【解決手段】画像処理システム10は、車両9で用いられる車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像を車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像をディスプレイ29に表示する。したがって、車載装置2が合成画像を生成する機能を備えなくとも、合成画像をディスプレイ29に表示させることができる。これにより、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像をディスプレイ29に表示させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたカメラで得られた画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車などの車両に搭載されたカメラで得られた撮影画像を用いて、車両の周辺の領域を示す画像をディスプレイに表示する車載装置が知られている。このような車載装置を利用することにより、ユーザ(代表的にはドライバ)は、車両の周辺の様子を把握することができる。
【0003】
例えば、車両の後方を示す画像を表示する車載装置であるバックモニタ装置を利用すれば、ユーザは車両を後退させる場合に、車両の後方に存在する物体を把握しやすい。このため、ユーザは、車両と物体との接触を回避しつつ、車両を安全に後退させることができる。
【0004】
また、近年では、車両の周辺の異なる方向を撮影する複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を用いて仮想視点からみた合成画像を生成し、その合成画像を表示する車載装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ユーザは、このような合成画像を確認することで、車両の近傍に存在する物体の位置を直感的に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3286306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような合成画像を生成するためには複雑かつ多大な演算処理が必要となるため、車載装置は、演算能力の高い高性能な集積回路を備える必要がある。このため、ユーザがこのような合成画像の表示機能を所望する場合、比較的コストの高い車載装置の導入が必要となるため、コストの低減が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、比較的コストの低い車両用装置を用いて合成画像を表示させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像処理システムであって、車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置と、を備え、前記車両用装置は、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、前記複数の撮影画像を前記画像処理装置に送信する第1送信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する第1受信手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記車両用装置から送信された前記複数の撮影画像を受信する第2受信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を前記車両用装置に送信する第2送信手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理システムにおいて、前記出力手段は、前記第1送信手段が前記複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく前記合成画像を前記第1受信手段が受信するまでの期間、該複数の撮影画像の少なくとも一つを前記表示装置に出力して表示させる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の画像処理システムにおいて、前記取得手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれを周期的に取得するものであり、前記車両用装置は、前記複数の撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する特定手段、をさらに備え、前記変化画像がある場合は、前記第1送信手段は、前記複数の撮影画像のうちの前記変化画像のみを送信し、前記生成手段は、過去に前記合成画像の生成に用いた前記複数の撮影画像のうち、前記変化画像に対応する前記撮影画像のみを前記変化画像に替えて、新たな前記合成画像を生成する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の画像処理システムにおいて、前記変化画像がある場合は、前記出力手段は、前記変化画像に基づく前記合成画像を出力する前に、前記変化画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の画像処理システムにおいて、前記車両用装置は、前記変化画像がある場合に、ユーザに警告する警告手段、をさらに備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記第1送信手段は、前記合成画像のサイズを指定するサイズ情報を前記画像処理装置に送信し、前記生成手段は、前記サイズ情報で指定するサイズの前記合成画像を生成する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、複数の種別の車両像を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記第1送信手段は、前記車両の種別を前記画像処理装置に送信し、前記生成手段は、前記車両の種別に応じた車両像を前記合成画像に含める。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、地表の様子を示す地表画像を記憶する記憶手段と、前記車両の位置を示す位置情報に基づいて、前記車両の周辺を示す前記地表画像と前記合成画像とを含む結合画像を生成する結合手段と、をさらに備え、前記第1送信手段は、前記位置情報を前記画像処理装置に送信し、前記第2送信手段は、前記結合画像を前記車両用装置に送信し、前記出力手段は、前記結合画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の画像処理システムにおいて、前記第1送信手段は、前記地表画像の縮尺に係る縮尺情報を前記画像処理装置に送信し、前記結合手段は、前記縮尺情報に応じた縮尺の前記地表画像を含む前記結合画像を生成する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1に記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記複数のカメラをそれぞれ指定するための複数のボタン、をさらに備え、前記出力手段は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の画像処理システムにおいて、前記生成手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンに対応する前記カメラの位置の近傍を拡大した前記合成画像を生成する。
【0019】
また、請求項12の発明は、請求項10に記載の画像処理システムにおいて、前記第2送信手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンを特定するボタン情報を前記車両用装置に送信し、前記出力手段は、前記ボタン情報に基づいて、操作された前記ボタンに対応する前記カメラで得られた前記撮影画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0020】
また、請求項13の発明は、請求項10ないし12のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記合成画像は、車両像を含み、前記ボタンの識別情報は、前記合成画像中の前記車両像に重なるように重畳される。
【0021】
また、請求項14の発明は、請求項10ないし13のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を表示する表示手段、をさらに備えている。
【0022】
また、請求項15の発明は、請求項14に記載の画像処理システムにおいて、前記表示手段は、画面の長手方向と、前記合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように前記合成画像を表示する。
【0023】
また、請求項16の発明は、車両で用いられる車両用装置であって、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、前記複数の撮影画像を、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に送信する送信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する受信手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、を備えている。
【0024】
また、請求項17の発明は、車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置であって、前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する受信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を前記車両用装置に送信する送信手段と、を備えている。
【0025】
また、請求項18の発明は、車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、(a)前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する工程と、(b)前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、(c)前記合成画像を前記車両用装置に送信する工程と、を実行させる。
【0026】
また、請求項19の発明は、車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置とを用いて画像を表示する画像表示方法であって、(a)前記車両用装置が、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する工程と、(b)前記複数の撮影画像を前記車両用装置から前記画像処理装置に送信する工程と、(c)前記画像処理装置が、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、(d)前記合成画像を前記画像処理装置から前記車両用装置に送信する工程と、(e)前記車両用装置が、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1ないし19の発明によれば、車両で用いられる車両用装置が仮想視点からみた合成画像を生成する機能を備えなくとも、合成画像を表示装置に表示させることができる。このため、比較的コストの低い車両用装置を用いて合成画像を表示装置に表示させることができる。
【0028】
また、特に請求項2の発明によれば、合成画像を受信するまでは複数の撮影画像の少なくとも一つを表示させることから、合成画像の表示前であっても、ユーザは車両の周辺の様子を把握することができる。
【0029】
また、特に請求項3の発明によれば、変化画像がある場合は、変化画像のみが画像処理装置に送信され、変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて新たな合成画像を生成される。このため、車両用装置から画像処理装置に送信するデータ量を低減しつつ、変化のあった被写体を含む合成画像を生成することができる。
【0030】
また、特に請求項4の発明によれば、合成画像を出力する前に変化画像を表示装置に表示させることから、合成画像の表示前であっても、ユーザは車両の周辺における変化のあった被写体を確認することができる。
【0031】
また、特に請求項5の発明によれば、変化画像がある場合にユーザに警告するため、ユーザは車両の周辺において変化のあった被写体が存在することを認識することができる。
【0032】
また、特に請求項6の発明によれば、画像処理装置においてサイズ情報で指定するサイズの合成画像が生成されるため、車両用装置側の要請に応じたサイズの合成画像を生成できる。
【0033】
また、特に請求項7の発明によれば、実際の車両の種別に即した車両像を合成画像に含めることができる。
【0034】
また、特に請求項8の発明によれば、車両の周辺を示す地表画像と合成画像とを含む結合画像が表示されるため、ユーザは車両の近傍の物体の情報とともに、車両の周辺の地表の情報も得ることができる。
【0035】
また、特に請求項9の発明によれば、車両用装置から送信される縮尺情報に応じた縮尺の地表画像が生成されるため、車両用装置において必要な縮尺の地表画像を表示させることができる。
【0036】
また、特に請求項10の発明によれば、合成画像中における複数のカメラそれぞれの位置の近傍に対応するボタンの識別情報が重畳された合成画像が表示装置に表示される。このため、ユーザは、いずれのボタンがいずれのカメラと対応しているかを明確に把握することができる。
【0037】
また、特に請求項11の発明によれば、操作されたボタンに対応するカメラの位置の近傍を拡大した合成画像が表示されるため、ユーザは合成画像の所望の位置を拡大して確認することができる。
【0038】
また、特に請求項12の発明によれば、操作されたボタンに対応するカメラで得られた撮影画像が表示されるため、ユーザは所望の撮影画像を確認することができる。
【0039】
また、特に請求項13の発明によれば、車両の周辺の被写体が、ボタンの識別情報によって隠れないようにすることができる。
【0040】
また、特に請求項14の発明によれば、画像処理装置において合成画像中における複数のカメラそれぞれの位置の近傍に対応するボタンの識別情報が重畳された合成画像が表示される。このため、ユーザは、いずれのボタンがいずれのカメラと対応しているかを画像処理装置の表示手段においても把握することができる。
【0041】
また、特に請求項15の発明によれば、画面の長手方向と合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように合成画像が表示されるため、車両の像を比較的大きなサイズで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、第1の実施の形態の画像処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、車載カメラが配置される位置を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態の可搬性装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、合成画像を生成する手法を説明する図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、表示画像の一例を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図10】図10は、表示画像の遷移を示す図である。
【図11】図11は、第3の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図12】図12は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図13】図13は、第3の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、可搬性装置の操作部と車載装置の表示内容との関係を示す図である。
【図15】図15は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図17】図17は、表示画像の一例を示す図である。
【図18】図18は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図20】図20は、第6の実施の形態の画像処理システムの概要を示す図である。
【図21】図21は、第6の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図22】図22は、第6の実施の形態のサーバ装置の構成を示す図である。
【図23】図23は、第6の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図24】図24は、第7の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図25】図25は、第7の実施の形態のサーバ装置の構成を示す図である。
【図26】図26は、第6の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図27】図27は、結合画像の一例を示す図である。
【図28】図28は、表示画像の遷移を示す図である。
【図29】図29は、縮尺を変更するための画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0044】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、第1の実施の形態の画像処理システム10の概要を示す図である。画像処理システム10は、自動車などの車両9に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。
【0045】
車載装置2及び可搬性装置3の双方は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信機能を有している。したがって、車載装置2と可搬性装置3とは、無線通信によって相互にデータを送受信することが可能となっている。なお、車載装置2と可搬性装置3とを通信ケーブルで物理的に接続し、車載装置2と可搬性装置3とが有線通信によって相互にデータを送受信可能となっていてもよい。
【0046】
車載装置2は、車両9で用いられる車両用装置であり、車両9の周辺を撮影する複数の車載カメラ5と、ディスプレイ29とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5で得られた撮影画像に基づく画像を、車両9の車室内のディスプレイ29に表示する機能を有している。
【0047】
また、可搬性装置3は、例えば、携帯電話やスマートフォンなど、車両9に乗車したユーザが所持する携帯型の装置である。可搬性装置3は、通話機能とともに画像処理機能を有しており、画像処理装置として機能する。この可搬性装置3が備える画像処理機能の一つとして、仮想視点からみた合成画像を生成する機能がある。
【0048】
画像処理システム10では、このように可搬性装置3が合成画像を生成する機能を備えるため、車載装置2が合成画像を生成する機能を備えていなくとも、合成画像を車載装置2のディスプレイ29に表示できるようになっている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像を車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像をディスプレイ29に表示する。以下、このような画像処理システム10の構成及び処理について詳細に説明する。
【0049】
<1−2.車載装置の構成>
まず、車載装置2の構成について説明する。図2は、車載装置2の構成を示す図である。車載装置2は、前述した複数の車載カメラ5及びディスプレイ29とともに、本体部21と操作部22とを備えている。
【0050】
ディスプレイ29は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ29は、本体部21と一体化されており、本体部21から出力される表示画像を表示する。ディスプレイ29は、その表示画面がユーザから視認可能なように、車室内のインストルメントパネルなどに配置される。
【0051】
複数の車載カメラ5はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており、車両9の周辺を示す撮影画像を電子的に取得する。各車載カメラ5F,5B,5L,5Rは、所定の周期(例えば、1/30秒)で周期的に撮影を行う。
【0052】
複数の車載カメラ5はそれぞれ、本体部21とは別に車両9の適位置に配置され、取得した撮影画像を本体部21に入力する。複数の車載カメラ5は、フロントカメラ5F、バックカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rを含んでいる。これら4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rは、車両9の異なる位置に配置され、車両9の周辺の異なる方向を撮影する。
【0053】
図3は、車載カメラ5F,5B,5L,5Rが車両9に配置される位置を示す図である。フロントカメラ5Fは、車両9の前端の左右中央の近傍に設けられ、その光軸5Faは車両9の前方(直進方向)に向けられている。バックカメラ5Bは、車両9の後端の左右中央の近傍に設けられ、その光軸5Baは車両9の後方(直進方向の逆方向)に向けられている。左サイドカメラ5Lは車両9の左側のサイドミラー93Lに設けられ、その光軸5Laは車両9の左側方(直進方向の直交方向)に向けられている。また、右サイドカメラ5Rは車両9の右側のサイドミラー93Rに設けられ、その光軸5Raは車両9の右側方(直進方向の直交方向)に向けられている。
【0054】
これらの車載カメラ5F,5B,5L,5Rのレンズには魚眼レンズなどが採用され、各車載カメラ5F,5B,5L,5Rは180度以上の画角θを有している。このため、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rを利用することで、車両9の全周囲を撮影することが可能となっている。
【0055】
図1に戻り、操作部22は、ユーザが直接的に操作可能な部材であり、タッチパネル及び操作ボタンを含んでいる。タッチパネルはディスプレイ29の表示画面に重ねて設けられ、操作ボタンはディスプレイ29の表示画面の周囲に設けられる。ユーザが操作部22を操作した場合は、その操作内容を示す信号が本体部21に入力される。
【0056】
また、本体部21は、制御部23と、画像取得部24と、記憶部25と、画像出力部26と、スピーカ27と、データ通信部28とを備えている。
【0057】
画像取得部24は、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた撮影画像を取得する。したがって、画像取得部24は、車両9の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像を取得する。画像取得部24は、これら4つの撮影画像のそれぞれを所定の周期(例えば、1/30秒)で周期的に取得する。
【0058】
記憶部25は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部25は、車両情報25a及びプログラム25bを記憶している。車両情報25aは、車載装置2が搭載される車両9の種別を特定する情報である。車両9の種別には、モデル(車種)、及び、ボディカラーなどが含まれる。
【0059】
画像出力部26は、表示すべき表示画像を、ディスプレイ29に出力して表示させる。このような表示画像には、必要に応じて撮影画像や合成画像が含まれる。
【0060】
スピーカ27は、制御部23からの電気信号に基づいて、動作音や警告音など各種の音を出力する。
【0061】
データ通信部28は、無線通信によって外部の通信装置と通信する。データ通信部28は、可搬性装置3との間でデータの送受信を行うことが可能である。データ通信部28は、複数の撮影画像を可搬性装置3に送信するとともに、合成画像を可搬性装置3から受信する。
【0062】
また、制御部23は、車載装置2の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部23は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部25に記憶されたプログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで、各種の制御機能が実現される。
【0063】
図中に示す表示制御部23aは、プログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部23の機能の一つである。
【0064】
表示制御部23aは、ディスプレイ29の表示に係る各種の制御を行う。表示制御部23aは、例えば、撮影画像や合成画像を利用してディスプレイ29に表示すべき表示画像を、その時点の動作モードに応じて生成する。
【0065】
車載装置2は、動作モードとして、車載カメラ5で得られた撮影画像を主に表示する通常モードと、仮想視点からみた合成画像を主に表示する全周囲モードとを備えている。車載装置2は、起動時には通常モードとなっているが、可搬性装置3との間で通信が確立し、かつ、ユーザの指示がある場合は全周囲モードに移行する。
【0066】
通常モードでは、表示制御部23aは、ユーザから選択されたいずれかの車載カメラ5で得られた撮影画像を含む表示画像を生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像をディスプレイ29に出力させる。これにより、撮影画像を含む表示画像がディスプレイ29に表示される。
【0067】
一方、全周囲モードでは、表示制御部23aは、データ通信部28を制御して、4つの撮影画像を可搬性装置3に送信させる。そして、表示制御部23aは、データ通信部28を制御して、可搬性装置3で生成された合成画像を受信させる。そして、表示制御部23aは、この合成画像を含む表示画像を生成し、画像出力部26を制御して表示画像をディスプレイ29に出力させる。これにより、仮想視点からみた合成画像を含む表示画像がディスプレイ29に表示される。
【0068】
<1−3.可搬性装置の構成>
次に、可搬性装置3の構成について説明する。図4は、可搬性装置3の構成を示す図である。可搬性装置3は、制御部31と、マイク32と、スピーカ33と、音声通信部34と、操作部35と、ディスプレイ36と、データ通信部37と、記憶部38とを備えている。
【0069】
マイク32は、周辺の音を電気信号に変換する。マイク32は、例えば、通話中のユーザが発した音声を電気信号に変換する。スピーカ33は、電気信号に基づいて各種の音を出力する。スピーカ33は、例えば、通話相手が発した音声を出力する。音声通信部34は、通話にかかる音声の電気信号を、基地局との間で送受信する。これらマイク32、スピーカ33及び音声通信部34により、可搬性装置3の通話機能が実現される。
【0070】
操作部35は、ユーザが直接的に操作可能な部材であり、複数の操作ボタンを含んでいる。ユーザが操作部35を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部31に入力される。
【0071】
ディスプレイ36は、例えば、液晶パネルを備えており、制御部31からの信号に基づいて各種の画像を表示する。
【0072】
データ通信部37は、無線通信によって外部の通信装置と通信する。データ通信部37は、車載装置2との間でデータの送受信を行うことが可能である。データ通信部37は、複数の撮影画像を車載装置2から受信するとともに、合成画像を車載装置2に送信する。
【0073】
記憶部38は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部38は、複数の車両像90、及び、プログラム39を記憶している。これらの複数の車両像90はそれぞれ、車両の外観を示す像のデータであり、合成画像を生成する際に利用される。記憶部38には、様々な車両の種別(モデル及びボディカラー)に対応した車両像90が予め記憶されている。
【0074】
また、制御部31は、可搬性装置3の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部31は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部38に記憶されたプログラム39に従ってCPUが演算処理を行うことで、各種の制御機能が実現される。
【0075】
図中に示す合成画像生成部31aは、プログラム39に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部31の機能の一つである。合成画像生成部31aは、車載装置2で取得された4つの撮影画像に基づいて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像を生成する。合成画像生成部31aは、車載装置2との間で通信が確立し、かつ、ユーザの指示がある場合に有効化される。
【0076】
図5は、合成画像生成部31aが合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【0077】
車載装置2のフロントカメラ5F、バックカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rのそれぞれで撮影が行われると、車両9の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像PF,PB,PL,PRが取得される。これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRには、車両9の全周囲のデータが含まれている。
【0078】
これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRは、車載装置2から可搬性装置3に送信される。可搬性装置3の合成画像生成部31aは、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成する。
【0079】
まず、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのデータ(各画素の値)が、仮想的な三次元空間における立体曲面である投影面TSに投影される。投影面TSは、例えば略半球状(お椀形状)をしている。この投影面TSの中心部分(お椀の底部分)は、車両9が存在する位置として定められている。一方、投影面TSのその他の部分は、撮影画像PF,PB,PL,PRのデータと対応付けられており、対応するデータが投影される。撮影画像PF,PB,PL,PRのデータと投影面TSの位置との対応関係を示す情報は、予め記憶部25に記憶されている。
【0080】
投影面TSにおいて車両9の前方に相当する領域は、フロントカメラ5Fで得られた撮影画像(以下、「フロント画像」という。)PFのデータが投影される。また、投影面TSにおいて車両9の後方に相当する領域は、バックカメラ5Bで得られた撮影画像(以下、「バック画像」という。)PBのデータが投影される。また、投影面TSにおいて車両9の左側方に相当する領域は左サイドカメラ5Lで得られた撮影画像(以下、「左サイド画像」という。)PLのデータが投影され、投影面TSにおいて車両9の右側方に相当する領域は右サイドカメラ5Rで得られた撮影画像(以下、「右サイド画像」という。)PRのデータが投影される。
【0081】
このように投影面TSの各部分のデータが決定されると、三次元空間に対して仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、三次元空間における任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定することができる。そして、投影面TSのうち、設定された仮想視点VPからみて所定の視野角に含まれる領域が画像として切り出される。このようにして切り出して得られた画像が、仮想視点VPからみた車両9の周囲の領域を示す合成画像CPとなる。
【0082】
さらに、このようにして生成された合成画像CPには、車両9が存在する位置に車両像90が重畳される。合成画像CPに重畳される車両像90としては、車両9の種別に応じたものが記憶部25から読み出されて使用される。これにより、合成画像CPに車両像90が含まれることになる。ユーザは、このような合成画像CPを視認することで、車両9の周辺の被写体の位置を車両9に対する相対位置で把握することができる。
【0083】
このような処理により、例えば図に示すように、視点位置を車両9の直上、視野方向を直下とした仮想視点VPaを設定した場合には、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像CPaが生成される。また、視点位置を車両9の左後方、視野方向を車両9の前方とした仮想視点VPbを設定した場合には、車両9の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両9及び車両9の周辺の領域を示す合成画像CPbが生成される。
【0084】
<1−4.処理の流れ>
次に、画像処理システム10の処理の流れについて説明する。図6は、画像処理システム10の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は可搬性装置3の処理の流れを示している。これらの処理は、車載装置2と可搬性装置3との間で通信が確立し、かつ、それぞれの装置に対してユーザが所定の操作を行った場合(全周囲モードの場合)に実行される。車載装置2では、表示制御部23aの制御により、図6に示す処理が所定の周期(例えば、1/30秒)で繰り返し実行される。また、可搬性装置3では、制御部31の制御により、車載装置2からの信号に応答して図6に示す処理が実行される。
【0085】
まず、車載装置2の4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rのそれぞれが、車両9の周辺を撮影する。そして、本体部21の画像取得部24が、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA11)。
【0086】
次に、車載装置2のデータ通信部28が、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを無線通信によって可搬性装置3に送信する(ステップSA12)。また、データ通信部28は、これらの撮影画像PF,PB,PL,PRと併せて、車両情報25a、及び、サイズ情報を可搬性装置3に送信する。前述のように車両情報25aは、車両9の種別を特定する情報である。一方、サイズ情報は、車載装置2のディスプレイ29への表示に適した合成画像CPのサイズを縦横の画素数で指定する情報である。
【0087】
可搬性装置3のデータ通信部37は、車載装置2から送信されたこれら4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報を受信する(ステップSB11)。
【0088】
可搬性装置3は、これらの情報の受信に応答して合成画像CPを生成する。すなわち、合成画像生成部31aが、前述した手法により、4つの撮影画像に基づいて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSB12)。前述のように、仮想視点VPは任意の視点位置及び任意の視野方向に設定できるが、本実施の形態では、視点位置を車両9の直上、視野方向を直下とした仮想視点VPaが設定される。これにより、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像CPが生成される。
【0089】
また、合成画像生成部31aは、この合成画像CPを生成する際に、車載装置2から送信された車両情報25aに基づいて車両9の種別に応じた車両像90を記憶部38から読み出し、この車両像90を合成画像CPに含める。これにより、実際の車両9のモデルに即した形状、かつ、実際の車両9のボディカラーに即した色の車両像90が合成画像CPに含められる。
【0090】
また、合成画像生成部31aは、車載装置2から送信されたサイズ情報に基づいて、サイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。これにより、車載装置2での表示に適したサイズの合成画像CPが生成される。
【0091】
次に、可搬性装置3のデータ通信部37は、生成された合成画像CPを無線通信によって車載装置2に送信する(ステップSB13)。車載装置2のデータ通信部28は、可搬性装置3から送信されたこの合成画像CPを受信する(ステップSA13)。
【0092】
車載装置2は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを送信した後(ステップSA12の後)は合成画像CPを受信するまで処理を待機し、合成画像CPの受信(ステップSA13)に応答して処理を再開する。
【0093】
具体的には、まず、表示制御部23aが、受信した合成画像CPを含む表示画像を生成する。合成画像CPは既に表示に適したサイズに調整されているため、表示制御部23aは表示画像を容易に生成することができる。そして、画像出力部26が、生成された表示画像をディスプレイ29に出力する。これにより、合成画像CPを含む表示画像がディスプレイ29に表示される(ステップSA14)。
【0094】
図7は、このようにしてディスプレイ29に表示された表示画像DPの一例を示す図である。図に示すように表示画像DPには、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPが含まれている。この合成画像CPには、車両9のモデル及びボディカラーに応じた車両像90が含まれている。前述のように図6に示す処理は所定の周期で繰り返されるため、合成画像CPの内容も所定の周期で更新される。したがって、ユーザはこのような表示画像DPを視認することで、車両9の周辺に存在する物体を把握することができる。
【0095】
以上のように、画像処理システム10は、車両9で用いられる車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像CPを生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像CPを車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像CPをディスプレイ29に表示する。したがって、車載装置2が合成画像CPを生成する機能を備えなくとも、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。これにより、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。
【0096】
また、ユーザは、合成画像CPの生成機能を備えていない車載装置2を導入した場合であっても、合成画像CPの生成機能を備えた可搬性装置3を導入すれば、合成画像CPの表示機能を事後的に追加することができる。また、可搬性装置3は、プログラムが記憶された所定のサーバ装置や記録媒体から当該プログラムを取得すれば、このような合成画像CPの生成機能を備えることができる。このため、このような合成画像CPの表示機能を容易に追加することができる。
【0097】
また、車載装置2のデータ通信部28は、合成画像CPのサイズを指定するサイズ情報を可搬性装置3に送信する。一方で、可搬性装置3の合成画像生成部31aはサイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。したがって、可搬性装置3は、車載装置2側の要請に応じたサイズの合成画像CPを生成できる。このため、可搬性装置3は、通信相手となる車載装置が変更されたとしても、通信相手の車載装置のハードに応じた適切なサイズの合成画像CPを生成することができる。
【0098】
また、車載装置2のデータ通信部28は、車両9の種別(モデル及びボディカラー)を示す車両情報25aを可搬性装置3に送信する。一方で、可搬性装置3の合成画像生成部31aは、車両情報25aに基づいて、車両9の種別に応じた車両像90を合成画像CPに含める。したがって、実際の車両9の種別に即した車両像90を合成画像CPに含めることができ、臨場感のある合成画像CPを生成することができる。
【0099】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、車載装置2は撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間は処理を待機していた。車載装置2が撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの時間は、車載装置2と可搬性装置3との間の通信速度、及び、可搬性装置3の処理速度に依存する。したがって、これらの速度によっては、車載装置2を全周囲モードに移行させた直後に、しばらくの間、合成画像CPがディスプレイ29に表示されない状態となる可能性がある。
【0100】
このため、第2の実施の形態の車載装置2は、撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間において、撮影画像をディスプレイ29に表示させるようにしている。第2の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0101】
図8は、第2の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。図8におけるステップSA21,SA22,SA25,SA26の車載装置2の処理は、図6のステップSA11,SA12,SA13,SA14の処理と同様である。また、図8におけるステップSB21〜SB23の可搬性装置3の処理は、図6のステップSB11〜SB13と同様である。したがって、本実施の形態においても、車載装置2が複数の撮影画像を可搬性装置3に送信し、可搬性装置3が合成画像CPを生成して車載装置2に送信し、車載装置2がその合成画像CPを表示することになる。
【0102】
ただし、第2の実施の形態においては、車載装置2が複数の撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間(ステップSA22からステップSA25までの期間)に、ステップSA23,SA24が実行される。
【0103】
まず、ディスプレイ29に既に合成画像CPが表示されているか否かが判定される(ステップSA23)。図8の処理が2回目以降である場合は、合成画像CPが既に表示されている。したがって、この場合は(ステップSA23にてYes)、合成画像CPの表示を優先させ、処理はそのままステップSA25に進む。
【0104】
一方、図8の処理が初回である場合、すなわち、全周囲モードに移行させた直後は、合成画像CPがディスプレイ29に表示されていない。この場合は(ステップSA23にてNo)、表示制御部23aが、可搬性装置3に送信したものと同一の4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPを生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA24)。その後、処理はステップSA25に進む。
【0105】
図9の上部は、ステップSA24において表示される表示画像DPの例を示している。この表示画像DPには、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRが含まれている。その後、車載装置2が合成画像CPを可搬性装置3から受信すると、図9の下部に示すような合成画像CPを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される。ユーザは、合成画像CPが表示される前であっても、図9の上部に示すような撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPを視認することで、車両9の周辺の様子を把握できることになる。
【0106】
以上のように、第2の実施の形態の画像処理システム10においては、車載装置2のデータ通信部28が複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく合成画像CPを受信するまでの期間、画像出力部26が該複数の撮影画像をディスプレイ29に出力して表示させる。このため、合成画像CPの表示前であっても、ユーザは車両9の周辺の様子を把握できる。
【0107】
なお、上記では、車載装置2が撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てを表示するようにしているが、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちの少なくとも1つを表示すればよい。例えば、最も死角となりやすい後方を示すバック画像PBのみを表示するようにしてもよい。また、図10に示すように、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを、時系列的に順次に表示するようにしてもよい。また、車載装置2は、少なくとも撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間に撮影画像を表示すればよく、撮影画像の送信前、あるいは、合成画像の受信後も撮影画像を表示してもよい。
【0108】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、車載装置2は常に4つの撮影画像の全てを可搬性装置3に送信していた。しかしながら、このように常に4つの撮影画像の全てを送信した場合には、送信するデータ量が多くなることなどから、全体的な処理速度が低下する可能性がある。
【0109】
このため、第3の実施の形態の車載装置2は、4つの撮影画像の全てを可搬性装置3に送信する全画像送信を実行する周期を、第1の実施の形態よりも長くしている。一方で、車載装置2は、全画像送信と全画像送信との間においては、含まれる被写体が時間的に変化した撮影画像のみを可搬性装置3に送信するようにしている。第3の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0110】
図11は、第3の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第3の実施の形態の車載装置2は、プログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部23の機能として、表示制御部23aの他に、変化検出部23b及び警告制御部23cを備えている。第3の実施の形態の車載装置2の他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
変化検出部23bは、車載カメラ5F,5B,5L,5Rのそれぞれで周期的に得られる撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。すなわち、変化検出部23bは、同一の車載カメラで時間的に連続して得られる撮影画像同士(前フレーム、及び、現フレーム)において、対応する画素の値の差分をとり、その差分の総和が所定の閾値を超えた撮影画像を変化画像として特定する。
【0112】
より具体的には、変化検出部23bは、フロント画像PFについては前フレームのフロント画像PFとの差分、バック画像PBについては前フレームのバック画像PBとの差分、左サイド画像PLについては前フレームの左サイド画像PLとの差分、右サイド画像PFについては前フレームの右サイド画像PRとの差分をそれぞれ導出する。そして、変化検出部23bは、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、導出した差分の総和が所定の閾値を超える撮影画像については、含まれる被写体が変化したと判断する。変化検出部23bは、このように変化のあった被写体を含む撮影画像を変化画像として特定する。
【0113】
警告制御部23cは、変化検出部23bが変化画像があると判断した場合に、ユーザに警告する。警告制御部23cは、変化画像がある場合は、スピーカ27を制御してスピーカ27から所定の警告音を出力させる。
【0114】
また、本実施の形態の表示制御部23aは、変化検出部23bが変化画像があると判断した場合は、当該変化画像をディスプレイ29に表示させる。変化画像がある場合、すなわち、車両9の周辺の被写体に変化が生じた場合であっても、その被写体の変化が合成画像CPの内容に反映されるまでにはタイムラグがある。このため、本実施の形態の表示制御部23aは、変化画像がある場合には、その変化画像に基づいて生成される合成画像CPの表示に先立って、その変化画像をディスプレイ29に表示させる。すなわち、画像出力部26は、変化画像に基づく合成画像CPを出力する前に、変化画像をディスプレイ29に出力して表示させることになる。
【0115】
図12は、本実施の形態の全周囲モードにおいてディスプレイ29に表示される表示画像DPの遷移を示す図である。変化画像がない場合、すなわち、被写体に変化が無い場合は、表示画像DPには合成画像CPのみが含まれている(状態ST1)。
【0116】
このような状態において、変化画像がある場合、すなわち、被写体に変化が生じた場合は、表示画像DPに当該変化画像が含められ、変化画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(状態ST2)。図12の例では、バック画像PB中の被写体Sbに変化が生じており、このバック画像PBが変化画像としてディスプレイ29に表示されている。なお、表示画像DPには合成画像CPも含まれているが、この時点は被写体Sbが変化した直後のため、合成画像CPの内容に当該被写体Sbの様子は反映されていない。
【0117】
その後、変化画像に基づいて生成された被写体Sbの様子を反映した合成画像CPが表示可能となると、当該合成画像CPがディスプレイ29に表示される。一方で、変化画像(バック画像PB)はディスプレイ29に表示されなくなる(状態ST3)。
【0118】
ユーザは、このような表示画像DPを視認することで、被写体に変化があったこと(すなわち、車両9の周辺に動く物体が存在すること)を認識できる。また、被写体に変化が生じた場合には、当該被写体を含む合成画像CPの表示前に、当該被写体を含む変化画像が表示されるため、ユーザは当該被写体を速やかに確認することができる。
【0119】
図13は、第3の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。本実施の形態においても、車載装置2では、表示制御部23aの制御により、図13に示す処理が所定の第1周期(例えば、1/30秒)で繰り返し実行される。ただし、第3の実施の形態では、この第1周期より長い第2周期(例えば、1秒)ごとに、他の場合と異なる特定処理が実行される。
【0120】
第2周期ごとの特定処理では(ステップSA30にてYes)、第1の実施の形態とほぼ同様の処理が実行される。すなわち、まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA31)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てを可搬性装置3に送信する全画像送信を実行する(ステップSA32)。
【0121】
可搬性装置3のデータ通信部37がこれらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信すると(ステップSB31)、可搬性装置3の記憶部38が受信した4つの撮影画像の全てを記憶する。これにより、記憶部38が過去に撮影画像を記憶していた場合は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てが更新される(ステップSB32)。そして、合成画像生成部31aが、記憶部38に記憶されている4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成し(ステップSB33)、データ通信部37が生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB34)。
【0122】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA38)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA39)。
【0123】
この特定処理は第2周期ごとに実行されるため、第2周期ごとに4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全ての内容を反映した新たな合成画像CPがディスプレイ29に表示されることになる。
【0124】
一方、特定処理以外の場合(全画像送信と全画像送信との間の場合)は(ステップSA30にてNo)、まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA33)。次に、変化検出部23bが、前述した手法により、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちから、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。そして、変化画像が存在しない場合は(ステップSA34にてNo)、そのまま処理が終了する。
【0125】
また、変化画像が存在する場合は(ステップSA34にてYes)、車載装置2のデータ通信部28が、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちの変化画像のみを可搬性装置3に送信する(ステップSA35)。
【0126】
可搬性装置3のデータ通信部37が変化画像を受信すると(ステップSB31)、可搬性装置3の記憶部38が受信した変化画像を記憶する。これにより、記憶部38が記憶している過去に得られた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、変化画像に対応する撮影画像のみが更新される(ステップSB32)。例えば、変化画像がフロント画像PFの場合はフロント画像PFのみが更新され、変化画像がバック画像PBの場合はバック画像PBのみが更新される。したがって、変化画像に対応しない過去の撮影画像については、記憶部38に記憶された状態で維持される。
【0127】
そして、合成画像生成部31aが、記憶部38に記憶されている4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成する(ステップSB33)。これにより、合成画像生成部31aは、過去に合成画像CPの生成に用いた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて、新たな合成画像CPを生成することになる。その結果、変化した被写体を含む新たな合成画像CPが生成される。新たな合成画像CPが生成されると、データ通信部37が生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB34)。
【0128】
また、車載装置2は、変化画像を送信した後(ステップSA35の後)は、この変化画像に基づく合成画像CPを受信するまで、変化画像を表示する。具体的には、表示制御部23aが、可搬性装置3に送信したものと同一の変化画像を含む表示画像DPを生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、図12の状態ST2のような、変化画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA36)。
【0129】
次に、警告制御部23cが、スピーカ27を制御してスピーカ27からビープ音などの所定の警告音を出力させる(ステップSA37)。これにより、変化画像がある場合、すなわち、車両9の周辺に動く物体が存在する場合に、ユーザにその旨が知らされることになる。
【0130】
その後、車載装置2のデータ通信部28が、変化画像に基づく合成画像CPを受信すると(ステップSA38)、表示制御部23aが、変化画像に基づく合成画像CPを含む表示画像DPを生成する。そして、画像出力部26が、この表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる。これにより、図12の状態ST3のような、変化した被写体Sbを含む合成画像CPがディスプレイ29に表示されることになる(ステップSA39)。
【0131】
以上のように、第3の実施の形態の画像処理システム10においては、車載装置2の変化検出部23bが、4つの撮影画像のうち含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。このような変化画像がある場合は、車載装置2のデータ通信部28は、変化画像のみを可搬性装置3に送信する。そして、可搬性装置3の合成画像生成部31aは、過去に合成画像CPの生成に用いた4つの撮影画像のうち変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて新たな合成画像を生成する。このため、車載装置2が可搬性装置3に送信するデータ量を有効に低減して処理速度を向上しつつ、車両9の周辺において変化のあった被写体を含む合成画像CPを生成することができる。
【0132】
また、車載装置2の画像出力部26は、変化画像がある場合は、変化画像に基づく合成画像CPを出力する前に、変化画像をディスプレイ29に出力して表示させる。このため、変化画像に基づく合成画像CPの表示前であっても、ユーザは車両9の周辺において変化のあった被写体を確認することができる。
【0133】
また、警告制御部23cは、変化画像がある場合に、スピーカ27から所定の警告音を出力させて、ユーザに警告する。このため、ユーザは車両9の周辺において変化のあった被写体(すなわち、動く物体)が存在することを認識することができる。
【0134】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態においては、ユーザが可搬性装置3を操作することで、車載装置2に表示される表示画像DPの内容を変更できるようになっている。
【0135】
図14は、可搬性装置3の操作部35と車載装置2の表示内容との関係を示す図である。
【0136】
可搬性装置3は、操作部35の一部に、テンキーとして機能する複数の操作ボタンを備えている。そして、これらの操作ボタンのうち、「2」ボタン35F、「8」ボタン35B、「4」ボタン35L及び「6」ボタン35Rは、車両9に搭載された4つの車載カメラ5にそれぞれ対応付けられている。具体的には、「2」ボタン35Fはフロントカメラ5F、「8」ボタン35Bはバックカメラ5B、「4」ボタン35Lは左サイドカメラ5L、「6」ボタン35Rは右サイドカメラ5Rにそれぞれ対応付けられている。これらの4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rは、対応づけられた車載カメラ5を指定するための操作部材として機能する。
【0137】
一方で、車載装置2のディスプレイ29に表示される合成画像CPにおいては、4つの車載カメラ5それぞれの位置(より正確には、4つの車載カメラ5それぞれの実際の配置位置に相当する位置)の近傍には、ラベルCF,CL,CB,CRが重畳されている。これらのラベルCF,CL,CB,CRは、各車載カメラ5が対応する操作ボタンを識別するための識別情報となる。
【0138】
具体的には、合成画像CP中のフロントカメラ5Fの位置の近傍には「2」を示すラベルCFが重畳され、バックカメラ5Bの位置の近傍には「8」を示すラベルCBが重畳され、左サイドカメラ5Lの位置の近傍には「4」を示すラベルCLが重畳され、右サイドカメラ5Rの位置の近傍には「6」を示すラベルCRが重畳されている。したがって、ユーザは、このようなラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPを視認することで、「2」ボタン35Fはフロントカメラ5F、「8」ボタン35Bはバックカメラ5B、「4」ボタン35Lは左サイドカメラ5L、「6」ボタン35Rは右サイドカメラ5Rにそれぞれ対応付けられていることを明確に把握できる。
【0139】
また、このようなラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPは、可搬性装置3のディスプレイ36にも表示される。このため、ユーザは、いずれの操作ボタンがいずれの車載カメラ5と対応しているかを、可搬性装置3のディスプレイ36を確認することによっても把握できる。また、ディスプレイ36は、その画面の長手方向と、合成画像CP中の車両像90の長手方向とが一致するように合成画像CPを表示する。このため、可搬性装置3が備える比較的小さなサイズのディスプレイ36においても、車両像90を比較的大きなサイズで表示することができる。
【0140】
また、図14に示す状態において、ユーザが、4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかを操作した場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが表示される。例えば、図15に示すように、ユーザが「4」ボタン35Lを操作した場合は、「4」ボタン35Lに対応する左サイドカメラ5Lの位置の近傍を拡大した合成画像CPが表示されることになる。したがって、ユーザは、可搬性装置3の操作ボタンを操作することで、合成画像CPの所望の位置を拡大して確認することができる。
【0141】
図16は、第4の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA41)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを可搬性装置3に送信する(ステップSA42)。
【0142】
可搬性装置3のデータ通信部37は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信する(ステップSB41)。次に、可搬性装置3の4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかがユーザに操作されたか否かが判定される。
【0143】
4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合(ステップSB42にてNo)は、合成画像生成部31aは、適位置にラベルCF,CL,CB,CRを重畳した合成画像CPを生成する(ステップSB43)。一方、4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合(ステップSB42にてYes)は、合成画像生成部31aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPを生成する(ステップSB44)。
【0144】
次に、可搬性装置3のディスプレイ36が、生成された合成画像CPを表示する(ステップSB45)。これとともに、データ通信部37が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB46)。
【0145】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA43)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA44)。
【0146】
これにより、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合は、ラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。一方、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。
【0147】
以上のように、第4の実施の形態の画像処理システム10においては、合成画像CP中における複数の車載カメラ5それぞれの位置の近傍に、対応する操作ボタンの識別情報となるラベルが重畳された合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。このため、ユーザは、いずれの操作ボタンがいずれの車載カメラと対応しているかを明確に把握することができる。
【0148】
また、4つの操作ボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、合成画像生成部31aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPを生成し、この合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。このため、ユーザは合成画像CPの所望の位置を拡大して確認することができる。
【0149】
なお、図14及び図15の例では、操作ボタンの識別情報となるラベルCF,CL,CB,CRは、車両像90の周囲に重畳されていた。これに対して、図17に示すように、ラベルCF,CL,CB,CRが、合成画像CP中の車両像90に重なるように重畳されるようにしてもよい。このようにすれば、合成画像CP中において、ラベルCF,CL,CB,CRにより車両9の周辺の被写体が隠れないようにすることができる。
【0150】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第4の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態においては、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示されていた。これに対して、第5の実施の形態においては、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5で得られた撮影画像が車載装置2のディスプレイ29に表示されるようになっている。
【0151】
例えば、図18に示すように、ユーザが「4」ボタン35Lを操作した場合は、「4」ボタン35Lに対応する左サイドカメラ5Lで得られた左サイド画像PLを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示されることになる。したがって、ユーザは、可搬性装置3の操作ボタンを操作することで、所望の車載カメラ5で得られた撮影画像を確認することができる。
【0152】
図19は、第5の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA51)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを可搬性装置3に送信する(ステップSA52)。
【0153】
可搬性装置3のデータ通信部37は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信する(ステップSB51)。
【0154】
次に、可搬性装置3の4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかがユーザに操作されたか否かが判定される。4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合(ステップSB52にてNo)は、処理はそのままステップSB54に進む。一方、4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合(ステップSB42にてYes)は、データ通信部28が操作された操作ボタンを特定するボタン情報を車載装置2に送信してから(ステップSB53)、処理がステップSB54に進むことになる。
【0155】
車載装置2のデータ通信部28がこのボタン情報を受信すると(ステップSA53にてYes)、表示制御部23aが、ボタン情報に基づいて操作された操作ボタンを特定する。そして、表示制御部23aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像を含む表示画像DPを生成する。この際、既に合成画像CPが表示されている場合は、当該合成画像と、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像とを含む表示画像DPを生成する。
【0156】
そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA54)。
【0157】
また、ステップSB54においては、可搬性装置3の合成画像生成部31aが、適位置にラベルCF,CL,CB,CRを重畳した合成画像CPを生成する。次に、可搬性装置3のディスプレイ36が、生成された合成画像CPを表示する(ステップSB55)。これとともに、可搬性装置3のデータ通信部37が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB56)。
【0158】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA55)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA56)。
【0159】
以上のように、第5の実施の形態の画像処理システム10においては、4つの操作ボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された操作ボタンを特定するボタン情報が可搬性装置3から車載装置2に送信される。そして、車載装置2では、このボタン情報に基づいて、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5で得られた撮影画像がディスプレイ29に表示される。したがって、ユーザは所望の撮影画像を確認することができる。
【0160】
なお、本実施の形態においても、図17に示すように、ラベルCF,CL,CB,CRが、合成画像CP中の車両像90に重なるように重畳されてもよい。
【0161】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。第1の実施の形態の画像処理システム10では、ユーザが所持する可搬性装置3において合成画像が生成されていた。これに対して、第6の実施の形態の画像処理システムでは、可搬性装置3に替えてネットワーク上のサーバ装置において合成画像が生成されるようになっている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0162】
図20は、第6の実施の形態の画像処理システム11の概要を示す図である。画像処理システム11は、車両9に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成されるサーバ装置4とを備えている。車両9とサーバ装置4とは、インターネットなどのネットワーク8を介して相互にデータを送受信することが可能となっている。サーバ装置4は、画像処理機能を有しており、画像処理装置として機能する。このサーバ装置4が備える画像処理機能の一つとして、仮想視点からみた合成画像を生成する機能がある。
【0163】
図21は、第6の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第6の実施の形態の車載装置2は、図2に示すものとほぼ同様の構成であるが、データ通信部28に替えてデータ通信部28aを備えている。このデータ通信部28aは、無線通信を利用したネットワーク8への接続機能を有している。これにより、データ通信部28aは、ネットワーク8に接続されたサーバ装置4との間でデータの送受信を行うことが可能である。なお、データ通信部28aが、ユーザが所持する携帯電話等の他の通信装置を中継器として利用して、ネットワーク8に接続されたサーバ装置4との間でデータの送受信を行うことが可能となっていてもよい。
【0164】
図22は、サーバ装置4の構成を示す図である。サーバ装置4は、制御部41と、データ通信部42と、記憶部43とを備えている。
【0165】
データ通信部42は、ネットワーク8に接続され、ネットワーク8への接続機能を有する他の通信装置との間でデータ通信を行う。これにより、データ通信部42は、車載装置2との間でデータの送受信を行うことが可能である。
【0166】
記憶部43は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置であり、各種の情報を記憶する。記憶部38は、複数の車両像90、及び、プログラム44を記憶している。
【0167】
また、制御部41は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータである。記憶部43に記憶されたプログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで、制御部41の各種の機能が実現される。
【0168】
図中に示す合成画像生成部41aは、プログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部41の機能の一つである。この合成画像生成部41aは、第1の実施の形態の合成画像生成部31aと同様の手法によって、4つの撮影画像に基づいて仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像を生成する。
【0169】
図23は、第6の実施の形態の画像処理システム11の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側はサーバ装置4の処理の流れを示している。車載装置2の処理の流れは、第1の実施の形態(図6)とほぼ同様である。サーバ装置4では、制御部41の制御により、車載装置2からの信号に応答して図23に示す処理が実行される。
【0170】
まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA61)。次に、車載装置2のデータ通信部28aが4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報をサーバ装置4に送信する(ステップSA62)。
【0171】
サーバ装置4のデータ通信部42は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報を受信する(ステップSC11)。この受信に応答して、サーバ装置4の合成画像生成部41aは、4つの撮影画像を用いて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSC12)。
【0172】
合成画像生成部41aは、この合成画像CPを生成する際に、車載装置2から送信された車両情報25aに基づいて車両9の種別に応じた車両像90を記憶部43から読み出し、この車両像90を合成画像CPに含める。また、合成画像生成部41aは、車載装置2から送信されたサイズ情報に基づいて、サイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。
【0173】
次に、サーバ装置4のデータ通信部42が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSC13)。
【0174】
車載装置2のデータ通信部28aがこの合成画像CPを受信すると(ステップSA63)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA64)。
【0175】
以上のように、第6の実施の形態の画像処理システム11では、ネットワーク8上のサーバ装置4において合成画像が生成される。このため、本実施の形態の画像処理システム11においても、車載装置2が合成画像CPを生成する機能を備えなくとも、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。したがって、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。また、ユーザは、合成画像CPの生成機能を備えた可搬性装置等を導入する必要も無いため、合成画像CPの表示機能を容易に追加することができる。
【0176】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態の可搬性装置3に替えてサーバ装置4を用いる場合について説明したが、第2または第3の実施の形態の可搬性装置3に替えてサーバ装置4を用いるようにしてもよい。
【0177】
<7.第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態について説明する。一般に、サーバ装置は、可搬性装置等と比較して大容量の記憶装置を有している。このため、このように比較的大容量の記憶装置を有するサーバ装置に合成画像を生成させる場合においては、合成画像と他の画像とを組み合わせることも可能である。
【0178】
第7の実施の形態においては、サーバ装置4において航空写真の画像(以下、「航空画像」という。)が予め記憶されており、この航空画像と合成画像とを組み合わせた結合画像が生成されるようになっている。第7の実施の形態の画像処理システム11の構成及び処理は第6の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第6の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0179】
図24は、第7の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第7の実施の形態の車載装置2は、図21に示す第6の実施の形態の車載装置2の構成に加えて、位置取得部20を備えている。位置取得部20は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、車両9の位置を示す位置情報(緯度経度)を取得する。
【0180】
図25は、第7の実施の形態のサーバ装置4の構成を示す図である。第7の実施の形態のサーバ装置4においては、記憶部43が、車両像90及びプログラム44の他に、航空画像データベース45を記憶している。航空画像データベース45には、上空から地表の様子を撮影した多数の航空画像がそれぞれの位置を示す位置情報(緯度経度)と関連付けて記憶されている。
【0181】
また、サーバ装置4は、プログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部41の機能として、合成画像生成部41aの他に、画像結合部41bを備えている。画像結合部41bは、航空画像と合成画像生成部41aが生成した合成画像とを結合して、航空画像と合成画像とを含む結合画像を生成する。
【0182】
図26は、第6の実施の形態の画像処理システム11の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA71)。次に、車載装置2の位置取得部20が、その時点における車両9の位置を示す位置情報を取得する(ステップSA72)。
【0183】
次に、車載装置2のデータ通信部28aが4つの撮影画像PF,PB,PL,PRをサーバ装置4に送信する(ステップSA73)。また、この際、データ通信部28aは、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRとともに、位置情報をサーバ装置4に送信する。
【0184】
サーバ装置4のデータ通信部42は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRとともに位置情報を受信する(ステップSC21)。この受信に応答して、サーバ装置4の合成画像生成部41aは、4つの撮影画像を用いて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSC22)。
【0185】
次に、画像結合部41bが、車載装置2から受信した位置情報に基づいて、この位置情報が示す位置(すなわち、車両9の位置)を中心とした航空画像を、航空画像データベース45から取得する(ステップSC23)。これにより、車両9の周辺を示す航空画像が取得される。
【0186】
そして、画像結合部41bは、この航空画像の中央部分に合成画像CPを重畳することにより、航空画像と合成画像CPとを含む結合画像を生成する(ステップSC24)。この際、画像結合部41bは、航空画像の縮尺に合うように合成画像CPのサイズを調整する。
【0187】
図27は、このようにして生成された結合画像OPの一例を示す図である。結合画像OPは、その中央部分が合成画像CPとなっており、その合成画像CPの外側部分が航空画像APとなっている。ユーザは、このような結合画像OPを視認することで、車両9の近傍の物体の情報とともに、車両9の周辺の比較的広い範囲の地表の情報も得ることができる。例えば、車両9が駐車場に存在する場合は、ユーザは、結合画像OPに基づいて、駐車場の出口、駐車場で定められた進行方向、駐車場の全体形状などを把握することができる。
【0188】
次に、サーバ装置4のデータ通信部42が、合成画像CPと航空画像APとを含む結合画像OPを車載装置2に送信する(図26のステップSC25)。
【0189】
車載装置2のデータ通信部28aがこの結合画像OPを受信すると(ステップSA74)、表示制御部23aが、受信した結合画像OPを含む表示画像DPを生成する。そして、画像出力部26が、生成された表示画像DPをディスプレイ29に出力する。これにより、結合画像OPを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA75)。
【0190】
図28の上部は、このようにして表示された結合画像OPを含む表示画像DPの例を示す図である。図に示すように、表示画像DPには、縮尺を変更するための2つのコマンドボタンB1,B2が含まれている。ユーザは、ディスプレイ29の表示画面に表示されたこれら2つのコマンドボタンB1,B2に触れることで、結合画像OP中の航空画像APの縮尺を変更できるようになっている。
【0191】
例えば、詳細ボタンB1に触れた場合は、図28の下部に示すように、航空画像APが示す地表の様子が拡大され、航空画像APに含まれる地表の範囲は狭くなる。一方、広域ボタンB2に触れた場合は、航空画像APが示す地表の様子が縮小され、航空画像APに含まれる地表の範囲は広くなる。また、このように航空画像APの縮尺が変更されると、航空画像APの縮尺に合わせて合成画像CPのサイズ(縮尺)も調整される。このように、ユーザは、航空画像APの縮尺を所望に変更できるため、必要な地表の範囲を含む航空画像APをディスプレイ29に表示させることができる。
【0192】
図29は、このような縮尺の変更指示に対応する画像処理システム11の処理の流れを示す図である。車載装置2では、制御部23の制御により、図26に示す処理とは独立して、図29に示す処理が所定の周期で繰り返し実行される。また、サーバ装置4では、制御部41の制御により、車載装置2からの信号に応答して図29に示す処理が実行される。
【0193】
まず、車載装置2の制御部23が、ユーザから航空画像APの縮尺の変更指示がなされたか否かを判断する(ステップSA81)。すなわち、制御部23が、操作部22に含まれるタッチパネルからの信号に基づいて、ユーザが2つのコマンドボタンB1,B2のいずれかに触れたか否かを判断する。航空画像APの縮尺の変更指示が無い場合は(ステップSA81にてNo)、そのまま処理が終了する。
【0194】
航空画像APの縮尺の変更指示があった場合は(ステップSA81にてYes)、車載装置2のデータ通信部28aが、航空画像APの縮尺の変更を指示する縮尺情報をサーバ装置4に送信する(ステップSA82)。触れられたコマンドボタンが詳細ボタンB1の場合は地表の様子の拡大を指示する縮尺情報が送信され、触れられたコマンドボタンが広域ボタンB2の場合は地表の様子の縮小を指示する縮尺情報が送信される。
【0195】
サーバ装置4のデータ通信部42は、この縮尺情報を受信する(ステップSC31)。この縮尺情報の受信に応答して、サーバ装置4の画像結合部41bは、縮尺情報に応じて航空画像APの縮尺を変更する(ステップSC32)。以降、画像結合部41bは、縮尺情報に応じた縮尺の航空画像APを含む結合画像OPを生成することになる。
【0196】
以上のように、第6の実施の形態の画像処理システム11では、サーバ装置4の記憶部25が地表の様子を示す航空画像を記憶しており、画像結合部41bが、車両9の位置を示す位置情報に基づいて、車両9の周辺を示す航空画像と合成画像とを含む結合画像を生成する。そして、車載装置2がこの結合画像OPをディスプレイ29に表示する。このような結合画像OPがディスプレイ29に表示されるため、ユーザは車両9の近傍の物体の情報とともに、車両9の周辺の比較的広い範囲の地表の情報も得ることができる。
【0197】
また、車載装置2から送信される縮尺情報に応じた縮尺の航空画像APが生成されるため、ユーザが必要となる縮尺の航空画像APをディスプレイ29に表示させることができる。
【0198】
なお、本実施の形態では、サーバ装置4が航空画像を記憶しているものとして説明したが、可搬性装置3に航空画像を記憶させ、可搬性装置3が合成画像と航空画像とを含む結合画像を生成するようにしてもよい。
【0199】
<8.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0200】
上記実施の形態では、車両で用いられる車両用装置として車載装置2を例に説明を行ったが、車両用装置が携帯電話やスマートフォンなどの可搬性の通信装置として構成されていてもよい。
【0201】
また、上記実施の形態では、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像が生成されていたが、任意の仮想視点からみた合成画像を生成するようにしてもよい。
【0202】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ29は本体部21と一体化されていたが、ディスプレイが本体部とは別体として設けられていてもよい。
【0203】
また、上記実施の形態では、車載装置2から複数の撮影画像を送信するごとに、車両情報25a及びサイズ情報が画像処理装置(可搬性装置3あるいはサーバ装置4)に送信されていた。これに対して、車載装置2から画像処理装置に対し車両情報25a及びサイズ情報が1回のみ送信され、この車両情報25a及びサイズ情報が車載装置2の識別情報と関連付けられて、画像処理装置に記憶されるようにしてもよい。
【0204】
また、第7の実施の形態では、地表の様子を示す地表画像として航空画像が用いられていたが、衛星写真の画像や、イラストで表現される一般的な地図画像などを用いてもよい。
【0205】
また、第7の実施の形態では、縮尺情報をサーバ装置4に送信して地表画像(航空画像)に含まれる地表の範囲が変更されていた。これに対して、縮尺情報をサーバ装置4に送信することで、地表画像の縮尺と合成画像の縮尺とが一致するように調整できるようにしてもよい。
【0206】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に合成処理を生成する機能を含む各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0207】
2 車載装置
3 可搬性装置
4 サーバ装置
5 車載カメラ
9 車両
35 操作部
10 画像処理システム
11 画像処理システム
90 車両像
AP 航空画像
CP 合成画像
DP 表示画像
OP 結合画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたカメラで得られた画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車などの車両に搭載されたカメラで得られた撮影画像を用いて、車両の周辺の領域を示す画像をディスプレイに表示する車載装置が知られている。このような車載装置を利用することにより、ユーザ(代表的にはドライバ)は、車両の周辺の様子を把握することができる。
【0003】
例えば、車両の後方を示す画像を表示する車載装置であるバックモニタ装置を利用すれば、ユーザは車両を後退させる場合に、車両の後方に存在する物体を把握しやすい。このため、ユーザは、車両と物体との接触を回避しつつ、車両を安全に後退させることができる。
【0004】
また、近年では、車両の周辺の異なる方向を撮影する複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を用いて仮想視点からみた合成画像を生成し、その合成画像を表示する車載装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ユーザは、このような合成画像を確認することで、車両の近傍に存在する物体の位置を直感的に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3286306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような合成画像を生成するためには複雑かつ多大な演算処理が必要となるため、車載装置は、演算能力の高い高性能な集積回路を備える必要がある。このため、ユーザがこのような合成画像の表示機能を所望する場合、比較的コストの高い車載装置の導入が必要となるため、コストの低減が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、比較的コストの低い車両用装置を用いて合成画像を表示させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像処理システムであって、車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置と、を備え、前記車両用装置は、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、前記複数の撮影画像を前記画像処理装置に送信する第1送信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する第1受信手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記車両用装置から送信された前記複数の撮影画像を受信する第2受信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を前記車両用装置に送信する第2送信手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理システムにおいて、前記出力手段は、前記第1送信手段が前記複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく前記合成画像を前記第1受信手段が受信するまでの期間、該複数の撮影画像の少なくとも一つを前記表示装置に出力して表示させる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の画像処理システムにおいて、前記取得手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれを周期的に取得するものであり、前記車両用装置は、前記複数の撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する特定手段、をさらに備え、前記変化画像がある場合は、前記第1送信手段は、前記複数の撮影画像のうちの前記変化画像のみを送信し、前記生成手段は、過去に前記合成画像の生成に用いた前記複数の撮影画像のうち、前記変化画像に対応する前記撮影画像のみを前記変化画像に替えて、新たな前記合成画像を生成する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の画像処理システムにおいて、前記変化画像がある場合は、前記出力手段は、前記変化画像に基づく前記合成画像を出力する前に、前記変化画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の画像処理システムにおいて、前記車両用装置は、前記変化画像がある場合に、ユーザに警告する警告手段、をさらに備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記第1送信手段は、前記合成画像のサイズを指定するサイズ情報を前記画像処理装置に送信し、前記生成手段は、前記サイズ情報で指定するサイズの前記合成画像を生成する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、複数の種別の車両像を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記第1送信手段は、前記車両の種別を前記画像処理装置に送信し、前記生成手段は、前記車両の種別に応じた車両像を前記合成画像に含める。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、地表の様子を示す地表画像を記憶する記憶手段と、前記車両の位置を示す位置情報に基づいて、前記車両の周辺を示す前記地表画像と前記合成画像とを含む結合画像を生成する結合手段と、をさらに備え、前記第1送信手段は、前記位置情報を前記画像処理装置に送信し、前記第2送信手段は、前記結合画像を前記車両用装置に送信し、前記出力手段は、前記結合画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の画像処理システムにおいて、前記第1送信手段は、前記地表画像の縮尺に係る縮尺情報を前記画像処理装置に送信し、前記結合手段は、前記縮尺情報に応じた縮尺の前記地表画像を含む前記結合画像を生成する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1に記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記複数のカメラをそれぞれ指定するための複数のボタン、をさらに備え、前記出力手段は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の画像処理システムにおいて、前記生成手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンに対応する前記カメラの位置の近傍を拡大した前記合成画像を生成する。
【0019】
また、請求項12の発明は、請求項10に記載の画像処理システムにおいて、前記第2送信手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンを特定するボタン情報を前記車両用装置に送信し、前記出力手段は、前記ボタン情報に基づいて、操作された前記ボタンに対応する前記カメラで得られた前記撮影画像を前記表示装置に出力して表示させる。
【0020】
また、請求項13の発明は、請求項10ないし12のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記合成画像は、車両像を含み、前記ボタンの識別情報は、前記合成画像中の前記車両像に重なるように重畳される。
【0021】
また、請求項14の発明は、請求項10ないし13のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記画像処理装置は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を表示する表示手段、をさらに備えている。
【0022】
また、請求項15の発明は、請求項14に記載の画像処理システムにおいて、前記表示手段は、画面の長手方向と、前記合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように前記合成画像を表示する。
【0023】
また、請求項16の発明は、車両で用いられる車両用装置であって、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、前記複数の撮影画像を、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に送信する送信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する受信手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、を備えている。
【0024】
また、請求項17の発明は、車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置であって、前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する受信手段と、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を前記車両用装置に送信する送信手段と、を備えている。
【0025】
また、請求項18の発明は、車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、(a)前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する工程と、(b)前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、(c)前記合成画像を前記車両用装置に送信する工程と、を実行させる。
【0026】
また、請求項19の発明は、車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置とを用いて画像を表示する画像表示方法であって、(a)前記車両用装置が、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する工程と、(b)前記複数の撮影画像を前記車両用装置から前記画像処理装置に送信する工程と、(c)前記画像処理装置が、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、(d)前記合成画像を前記画像処理装置から前記車両用装置に送信する工程と、(e)前記車両用装置が、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1ないし19の発明によれば、車両で用いられる車両用装置が仮想視点からみた合成画像を生成する機能を備えなくとも、合成画像を表示装置に表示させることができる。このため、比較的コストの低い車両用装置を用いて合成画像を表示装置に表示させることができる。
【0028】
また、特に請求項2の発明によれば、合成画像を受信するまでは複数の撮影画像の少なくとも一つを表示させることから、合成画像の表示前であっても、ユーザは車両の周辺の様子を把握することができる。
【0029】
また、特に請求項3の発明によれば、変化画像がある場合は、変化画像のみが画像処理装置に送信され、変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて新たな合成画像を生成される。このため、車両用装置から画像処理装置に送信するデータ量を低減しつつ、変化のあった被写体を含む合成画像を生成することができる。
【0030】
また、特に請求項4の発明によれば、合成画像を出力する前に変化画像を表示装置に表示させることから、合成画像の表示前であっても、ユーザは車両の周辺における変化のあった被写体を確認することができる。
【0031】
また、特に請求項5の発明によれば、変化画像がある場合にユーザに警告するため、ユーザは車両の周辺において変化のあった被写体が存在することを認識することができる。
【0032】
また、特に請求項6の発明によれば、画像処理装置においてサイズ情報で指定するサイズの合成画像が生成されるため、車両用装置側の要請に応じたサイズの合成画像を生成できる。
【0033】
また、特に請求項7の発明によれば、実際の車両の種別に即した車両像を合成画像に含めることができる。
【0034】
また、特に請求項8の発明によれば、車両の周辺を示す地表画像と合成画像とを含む結合画像が表示されるため、ユーザは車両の近傍の物体の情報とともに、車両の周辺の地表の情報も得ることができる。
【0035】
また、特に請求項9の発明によれば、車両用装置から送信される縮尺情報に応じた縮尺の地表画像が生成されるため、車両用装置において必要な縮尺の地表画像を表示させることができる。
【0036】
また、特に請求項10の発明によれば、合成画像中における複数のカメラそれぞれの位置の近傍に対応するボタンの識別情報が重畳された合成画像が表示装置に表示される。このため、ユーザは、いずれのボタンがいずれのカメラと対応しているかを明確に把握することができる。
【0037】
また、特に請求項11の発明によれば、操作されたボタンに対応するカメラの位置の近傍を拡大した合成画像が表示されるため、ユーザは合成画像の所望の位置を拡大して確認することができる。
【0038】
また、特に請求項12の発明によれば、操作されたボタンに対応するカメラで得られた撮影画像が表示されるため、ユーザは所望の撮影画像を確認することができる。
【0039】
また、特に請求項13の発明によれば、車両の周辺の被写体が、ボタンの識別情報によって隠れないようにすることができる。
【0040】
また、特に請求項14の発明によれば、画像処理装置において合成画像中における複数のカメラそれぞれの位置の近傍に対応するボタンの識別情報が重畳された合成画像が表示される。このため、ユーザは、いずれのボタンがいずれのカメラと対応しているかを画像処理装置の表示手段においても把握することができる。
【0041】
また、特に請求項15の発明によれば、画面の長手方向と合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように合成画像が表示されるため、車両の像を比較的大きなサイズで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、第1の実施の形態の画像処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、車載カメラが配置される位置を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態の可搬性装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、合成画像を生成する手法を説明する図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、表示画像の一例を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図10】図10は、表示画像の遷移を示す図である。
【図11】図11は、第3の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図12】図12は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図13】図13は、第3の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、可搬性装置の操作部と車載装置の表示内容との関係を示す図である。
【図15】図15は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図17】図17は、表示画像の一例を示す図である。
【図18】図18は、表示画像の遷移例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図20】図20は、第6の実施の形態の画像処理システムの概要を示す図である。
【図21】図21は、第6の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図22】図22は、第6の実施の形態のサーバ装置の構成を示す図である。
【図23】図23は、第6の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図24】図24は、第7の実施の形態の車載装置の構成を示す図である。
【図25】図25は、第7の実施の形態のサーバ装置の構成を示す図である。
【図26】図26は、第6の実施の形態の画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【図27】図27は、結合画像の一例を示す図である。
【図28】図28は、表示画像の遷移を示す図である。
【図29】図29は、縮尺を変更するための画像処理システムの処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0044】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、第1の実施の形態の画像処理システム10の概要を示す図である。画像処理システム10は、自動車などの車両9に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。
【0045】
車載装置2及び可搬性装置3の双方は、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式に準拠した無線通信機能を有している。したがって、車載装置2と可搬性装置3とは、無線通信によって相互にデータを送受信することが可能となっている。なお、車載装置2と可搬性装置3とを通信ケーブルで物理的に接続し、車載装置2と可搬性装置3とが有線通信によって相互にデータを送受信可能となっていてもよい。
【0046】
車載装置2は、車両9で用いられる車両用装置であり、車両9の周辺を撮影する複数の車載カメラ5と、ディスプレイ29とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5で得られた撮影画像に基づく画像を、車両9の車室内のディスプレイ29に表示する機能を有している。
【0047】
また、可搬性装置3は、例えば、携帯電話やスマートフォンなど、車両9に乗車したユーザが所持する携帯型の装置である。可搬性装置3は、通話機能とともに画像処理機能を有しており、画像処理装置として機能する。この可搬性装置3が備える画像処理機能の一つとして、仮想視点からみた合成画像を生成する機能がある。
【0048】
画像処理システム10では、このように可搬性装置3が合成画像を生成する機能を備えるため、車載装置2が合成画像を生成する機能を備えていなくとも、合成画像を車載装置2のディスプレイ29に表示できるようになっている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像を車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像をディスプレイ29に表示する。以下、このような画像処理システム10の構成及び処理について詳細に説明する。
【0049】
<1−2.車載装置の構成>
まず、車載装置2の構成について説明する。図2は、車載装置2の構成を示す図である。車載装置2は、前述した複数の車載カメラ5及びディスプレイ29とともに、本体部21と操作部22とを備えている。
【0050】
ディスプレイ29は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型の表示装置である。ディスプレイ29は、本体部21と一体化されており、本体部21から出力される表示画像を表示する。ディスプレイ29は、その表示画面がユーザから視認可能なように、車室内のインストルメントパネルなどに配置される。
【0051】
複数の車載カメラ5はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており、車両9の周辺を示す撮影画像を電子的に取得する。各車載カメラ5F,5B,5L,5Rは、所定の周期(例えば、1/30秒)で周期的に撮影を行う。
【0052】
複数の車載カメラ5はそれぞれ、本体部21とは別に車両9の適位置に配置され、取得した撮影画像を本体部21に入力する。複数の車載カメラ5は、フロントカメラ5F、バックカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rを含んでいる。これら4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rは、車両9の異なる位置に配置され、車両9の周辺の異なる方向を撮影する。
【0053】
図3は、車載カメラ5F,5B,5L,5Rが車両9に配置される位置を示す図である。フロントカメラ5Fは、車両9の前端の左右中央の近傍に設けられ、その光軸5Faは車両9の前方(直進方向)に向けられている。バックカメラ5Bは、車両9の後端の左右中央の近傍に設けられ、その光軸5Baは車両9の後方(直進方向の逆方向)に向けられている。左サイドカメラ5Lは車両9の左側のサイドミラー93Lに設けられ、その光軸5Laは車両9の左側方(直進方向の直交方向)に向けられている。また、右サイドカメラ5Rは車両9の右側のサイドミラー93Rに設けられ、その光軸5Raは車両9の右側方(直進方向の直交方向)に向けられている。
【0054】
これらの車載カメラ5F,5B,5L,5Rのレンズには魚眼レンズなどが採用され、各車載カメラ5F,5B,5L,5Rは180度以上の画角θを有している。このため、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rを利用することで、車両9の全周囲を撮影することが可能となっている。
【0055】
図1に戻り、操作部22は、ユーザが直接的に操作可能な部材であり、タッチパネル及び操作ボタンを含んでいる。タッチパネルはディスプレイ29の表示画面に重ねて設けられ、操作ボタンはディスプレイ29の表示画面の周囲に設けられる。ユーザが操作部22を操作した場合は、その操作内容を示す信号が本体部21に入力される。
【0056】
また、本体部21は、制御部23と、画像取得部24と、記憶部25と、画像出力部26と、スピーカ27と、データ通信部28とを備えている。
【0057】
画像取得部24は、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた撮影画像を取得する。したがって、画像取得部24は、車両9の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像を取得する。画像取得部24は、これら4つの撮影画像のそれぞれを所定の周期(例えば、1/30秒)で周期的に取得する。
【0058】
記憶部25は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部25は、車両情報25a及びプログラム25bを記憶している。車両情報25aは、車載装置2が搭載される車両9の種別を特定する情報である。車両9の種別には、モデル(車種)、及び、ボディカラーなどが含まれる。
【0059】
画像出力部26は、表示すべき表示画像を、ディスプレイ29に出力して表示させる。このような表示画像には、必要に応じて撮影画像や合成画像が含まれる。
【0060】
スピーカ27は、制御部23からの電気信号に基づいて、動作音や警告音など各種の音を出力する。
【0061】
データ通信部28は、無線通信によって外部の通信装置と通信する。データ通信部28は、可搬性装置3との間でデータの送受信を行うことが可能である。データ通信部28は、複数の撮影画像を可搬性装置3に送信するとともに、合成画像を可搬性装置3から受信する。
【0062】
また、制御部23は、車載装置2の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部23は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部25に記憶されたプログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで、各種の制御機能が実現される。
【0063】
図中に示す表示制御部23aは、プログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部23の機能の一つである。
【0064】
表示制御部23aは、ディスプレイ29の表示に係る各種の制御を行う。表示制御部23aは、例えば、撮影画像や合成画像を利用してディスプレイ29に表示すべき表示画像を、その時点の動作モードに応じて生成する。
【0065】
車載装置2は、動作モードとして、車載カメラ5で得られた撮影画像を主に表示する通常モードと、仮想視点からみた合成画像を主に表示する全周囲モードとを備えている。車載装置2は、起動時には通常モードとなっているが、可搬性装置3との間で通信が確立し、かつ、ユーザの指示がある場合は全周囲モードに移行する。
【0066】
通常モードでは、表示制御部23aは、ユーザから選択されたいずれかの車載カメラ5で得られた撮影画像を含む表示画像を生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像をディスプレイ29に出力させる。これにより、撮影画像を含む表示画像がディスプレイ29に表示される。
【0067】
一方、全周囲モードでは、表示制御部23aは、データ通信部28を制御して、4つの撮影画像を可搬性装置3に送信させる。そして、表示制御部23aは、データ通信部28を制御して、可搬性装置3で生成された合成画像を受信させる。そして、表示制御部23aは、この合成画像を含む表示画像を生成し、画像出力部26を制御して表示画像をディスプレイ29に出力させる。これにより、仮想視点からみた合成画像を含む表示画像がディスプレイ29に表示される。
【0068】
<1−3.可搬性装置の構成>
次に、可搬性装置3の構成について説明する。図4は、可搬性装置3の構成を示す図である。可搬性装置3は、制御部31と、マイク32と、スピーカ33と、音声通信部34と、操作部35と、ディスプレイ36と、データ通信部37と、記憶部38とを備えている。
【0069】
マイク32は、周辺の音を電気信号に変換する。マイク32は、例えば、通話中のユーザが発した音声を電気信号に変換する。スピーカ33は、電気信号に基づいて各種の音を出力する。スピーカ33は、例えば、通話相手が発した音声を出力する。音声通信部34は、通話にかかる音声の電気信号を、基地局との間で送受信する。これらマイク32、スピーカ33及び音声通信部34により、可搬性装置3の通話機能が実現される。
【0070】
操作部35は、ユーザが直接的に操作可能な部材であり、複数の操作ボタンを含んでいる。ユーザが操作部35を操作した場合は、その操作内容を示す信号が制御部31に入力される。
【0071】
ディスプレイ36は、例えば、液晶パネルを備えており、制御部31からの信号に基づいて各種の画像を表示する。
【0072】
データ通信部37は、無線通信によって外部の通信装置と通信する。データ通信部37は、車載装置2との間でデータの送受信を行うことが可能である。データ通信部37は、複数の撮影画像を車載装置2から受信するとともに、合成画像を車載装置2に送信する。
【0073】
記憶部38は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部38は、複数の車両像90、及び、プログラム39を記憶している。これらの複数の車両像90はそれぞれ、車両の外観を示す像のデータであり、合成画像を生成する際に利用される。記憶部38には、様々な車両の種別(モデル及びボディカラー)に対応した車両像90が予め記憶されている。
【0074】
また、制御部31は、可搬性装置3の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部31は、CPU、RAM及びROMなどを備えており、記憶部38に記憶されたプログラム39に従ってCPUが演算処理を行うことで、各種の制御機能が実現される。
【0075】
図中に示す合成画像生成部31aは、プログラム39に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部31の機能の一つである。合成画像生成部31aは、車載装置2で取得された4つの撮影画像に基づいて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像を生成する。合成画像生成部31aは、車載装置2との間で通信が確立し、かつ、ユーザの指示がある場合に有効化される。
【0076】
図5は、合成画像生成部31aが合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【0077】
車載装置2のフロントカメラ5F、バックカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rのそれぞれで撮影が行われると、車両9の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像PF,PB,PL,PRが取得される。これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRには、車両9の全周囲のデータが含まれている。
【0078】
これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRは、車載装置2から可搬性装置3に送信される。可搬性装置3の合成画像生成部31aは、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成する。
【0079】
まず、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのデータ(各画素の値)が、仮想的な三次元空間における立体曲面である投影面TSに投影される。投影面TSは、例えば略半球状(お椀形状)をしている。この投影面TSの中心部分(お椀の底部分)は、車両9が存在する位置として定められている。一方、投影面TSのその他の部分は、撮影画像PF,PB,PL,PRのデータと対応付けられており、対応するデータが投影される。撮影画像PF,PB,PL,PRのデータと投影面TSの位置との対応関係を示す情報は、予め記憶部25に記憶されている。
【0080】
投影面TSにおいて車両9の前方に相当する領域は、フロントカメラ5Fで得られた撮影画像(以下、「フロント画像」という。)PFのデータが投影される。また、投影面TSにおいて車両9の後方に相当する領域は、バックカメラ5Bで得られた撮影画像(以下、「バック画像」という。)PBのデータが投影される。また、投影面TSにおいて車両9の左側方に相当する領域は左サイドカメラ5Lで得られた撮影画像(以下、「左サイド画像」という。)PLのデータが投影され、投影面TSにおいて車両9の右側方に相当する領域は右サイドカメラ5Rで得られた撮影画像(以下、「右サイド画像」という。)PRのデータが投影される。
【0081】
このように投影面TSの各部分のデータが決定されると、三次元空間に対して仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、三次元空間における任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定することができる。そして、投影面TSのうち、設定された仮想視点VPからみて所定の視野角に含まれる領域が画像として切り出される。このようにして切り出して得られた画像が、仮想視点VPからみた車両9の周囲の領域を示す合成画像CPとなる。
【0082】
さらに、このようにして生成された合成画像CPには、車両9が存在する位置に車両像90が重畳される。合成画像CPに重畳される車両像90としては、車両9の種別に応じたものが記憶部25から読み出されて使用される。これにより、合成画像CPに車両像90が含まれることになる。ユーザは、このような合成画像CPを視認することで、車両9の周辺の被写体の位置を車両9に対する相対位置で把握することができる。
【0083】
このような処理により、例えば図に示すように、視点位置を車両9の直上、視野方向を直下とした仮想視点VPaを設定した場合には、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像CPaが生成される。また、視点位置を車両9の左後方、視野方向を車両9の前方とした仮想視点VPbを設定した場合には、車両9の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両9及び車両9の周辺の領域を示す合成画像CPbが生成される。
【0084】
<1−4.処理の流れ>
次に、画像処理システム10の処理の流れについて説明する。図6は、画像処理システム10の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側は可搬性装置3の処理の流れを示している。これらの処理は、車載装置2と可搬性装置3との間で通信が確立し、かつ、それぞれの装置に対してユーザが所定の操作を行った場合(全周囲モードの場合)に実行される。車載装置2では、表示制御部23aの制御により、図6に示す処理が所定の周期(例えば、1/30秒)で繰り返し実行される。また、可搬性装置3では、制御部31の制御により、車載装置2からの信号に応答して図6に示す処理が実行される。
【0085】
まず、車載装置2の4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rのそれぞれが、車両9の周辺を撮影する。そして、本体部21の画像取得部24が、4つの車載カメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA11)。
【0086】
次に、車載装置2のデータ通信部28が、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを無線通信によって可搬性装置3に送信する(ステップSA12)。また、データ通信部28は、これらの撮影画像PF,PB,PL,PRと併せて、車両情報25a、及び、サイズ情報を可搬性装置3に送信する。前述のように車両情報25aは、車両9の種別を特定する情報である。一方、サイズ情報は、車載装置2のディスプレイ29への表示に適した合成画像CPのサイズを縦横の画素数で指定する情報である。
【0087】
可搬性装置3のデータ通信部37は、車載装置2から送信されたこれら4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報を受信する(ステップSB11)。
【0088】
可搬性装置3は、これらの情報の受信に応答して合成画像CPを生成する。すなわち、合成画像生成部31aが、前述した手法により、4つの撮影画像に基づいて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSB12)。前述のように、仮想視点VPは任意の視点位置及び任意の視野方向に設定できるが、本実施の形態では、視点位置を車両9の直上、視野方向を直下とした仮想視点VPaが設定される。これにより、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像CPが生成される。
【0089】
また、合成画像生成部31aは、この合成画像CPを生成する際に、車載装置2から送信された車両情報25aに基づいて車両9の種別に応じた車両像90を記憶部38から読み出し、この車両像90を合成画像CPに含める。これにより、実際の車両9のモデルに即した形状、かつ、実際の車両9のボディカラーに即した色の車両像90が合成画像CPに含められる。
【0090】
また、合成画像生成部31aは、車載装置2から送信されたサイズ情報に基づいて、サイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。これにより、車載装置2での表示に適したサイズの合成画像CPが生成される。
【0091】
次に、可搬性装置3のデータ通信部37は、生成された合成画像CPを無線通信によって車載装置2に送信する(ステップSB13)。車載装置2のデータ通信部28は、可搬性装置3から送信されたこの合成画像CPを受信する(ステップSA13)。
【0092】
車載装置2は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを送信した後(ステップSA12の後)は合成画像CPを受信するまで処理を待機し、合成画像CPの受信(ステップSA13)に応答して処理を再開する。
【0093】
具体的には、まず、表示制御部23aが、受信した合成画像CPを含む表示画像を生成する。合成画像CPは既に表示に適したサイズに調整されているため、表示制御部23aは表示画像を容易に生成することができる。そして、画像出力部26が、生成された表示画像をディスプレイ29に出力する。これにより、合成画像CPを含む表示画像がディスプレイ29に表示される(ステップSA14)。
【0094】
図7は、このようにしてディスプレイ29に表示された表示画像DPの一例を示す図である。図に示すように表示画像DPには、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPが含まれている。この合成画像CPには、車両9のモデル及びボディカラーに応じた車両像90が含まれている。前述のように図6に示す処理は所定の周期で繰り返されるため、合成画像CPの内容も所定の周期で更新される。したがって、ユーザはこのような表示画像DPを視認することで、車両9の周辺に存在する物体を把握することができる。
【0095】
以上のように、画像処理システム10は、車両9で用いられる車載装置2と、車載装置2とは別個に構成される可搬性装置3とを備えている。車載装置2は、複数の車載カメラ5でそれぞれ得られた複数の撮影画像を可搬性装置3に送信する。可搬性装置3は、これら複数の撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像CPを生成する。そして、可搬性装置3は生成した合成画像CPを車載装置2に返信し、車載装置2がこの合成画像CPをディスプレイ29に表示する。したがって、車載装置2が合成画像CPを生成する機能を備えなくとも、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。これにより、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。
【0096】
また、ユーザは、合成画像CPの生成機能を備えていない車載装置2を導入した場合であっても、合成画像CPの生成機能を備えた可搬性装置3を導入すれば、合成画像CPの表示機能を事後的に追加することができる。また、可搬性装置3は、プログラムが記憶された所定のサーバ装置や記録媒体から当該プログラムを取得すれば、このような合成画像CPの生成機能を備えることができる。このため、このような合成画像CPの表示機能を容易に追加することができる。
【0097】
また、車載装置2のデータ通信部28は、合成画像CPのサイズを指定するサイズ情報を可搬性装置3に送信する。一方で、可搬性装置3の合成画像生成部31aはサイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。したがって、可搬性装置3は、車載装置2側の要請に応じたサイズの合成画像CPを生成できる。このため、可搬性装置3は、通信相手となる車載装置が変更されたとしても、通信相手の車載装置のハードに応じた適切なサイズの合成画像CPを生成することができる。
【0098】
また、車載装置2のデータ通信部28は、車両9の種別(モデル及びボディカラー)を示す車両情報25aを可搬性装置3に送信する。一方で、可搬性装置3の合成画像生成部31aは、車両情報25aに基づいて、車両9の種別に応じた車両像90を合成画像CPに含める。したがって、実際の車両9の種別に即した車両像90を合成画像CPに含めることができ、臨場感のある合成画像CPを生成することができる。
【0099】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、車載装置2は撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間は処理を待機していた。車載装置2が撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの時間は、車載装置2と可搬性装置3との間の通信速度、及び、可搬性装置3の処理速度に依存する。したがって、これらの速度によっては、車載装置2を全周囲モードに移行させた直後に、しばらくの間、合成画像CPがディスプレイ29に表示されない状態となる可能性がある。
【0100】
このため、第2の実施の形態の車載装置2は、撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間において、撮影画像をディスプレイ29に表示させるようにしている。第2の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0101】
図8は、第2の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。図8におけるステップSA21,SA22,SA25,SA26の車載装置2の処理は、図6のステップSA11,SA12,SA13,SA14の処理と同様である。また、図8におけるステップSB21〜SB23の可搬性装置3の処理は、図6のステップSB11〜SB13と同様である。したがって、本実施の形態においても、車載装置2が複数の撮影画像を可搬性装置3に送信し、可搬性装置3が合成画像CPを生成して車載装置2に送信し、車載装置2がその合成画像CPを表示することになる。
【0102】
ただし、第2の実施の形態においては、車載装置2が複数の撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間(ステップSA22からステップSA25までの期間)に、ステップSA23,SA24が実行される。
【0103】
まず、ディスプレイ29に既に合成画像CPが表示されているか否かが判定される(ステップSA23)。図8の処理が2回目以降である場合は、合成画像CPが既に表示されている。したがって、この場合は(ステップSA23にてYes)、合成画像CPの表示を優先させ、処理はそのままステップSA25に進む。
【0104】
一方、図8の処理が初回である場合、すなわち、全周囲モードに移行させた直後は、合成画像CPがディスプレイ29に表示されていない。この場合は(ステップSA23にてNo)、表示制御部23aが、可搬性装置3に送信したものと同一の4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPを生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA24)。その後、処理はステップSA25に進む。
【0105】
図9の上部は、ステップSA24において表示される表示画像DPの例を示している。この表示画像DPには、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRが含まれている。その後、車載装置2が合成画像CPを可搬性装置3から受信すると、図9の下部に示すような合成画像CPを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される。ユーザは、合成画像CPが表示される前であっても、図9の上部に示すような撮影画像PF,PB,PL,PRを含む表示画像DPを視認することで、車両9の周辺の様子を把握できることになる。
【0106】
以上のように、第2の実施の形態の画像処理システム10においては、車載装置2のデータ通信部28が複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく合成画像CPを受信するまでの期間、画像出力部26が該複数の撮影画像をディスプレイ29に出力して表示させる。このため、合成画像CPの表示前であっても、ユーザは車両9の周辺の様子を把握できる。
【0107】
なお、上記では、車載装置2が撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てを表示するようにしているが、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちの少なくとも1つを表示すればよい。例えば、最も死角となりやすい後方を示すバック画像PBのみを表示するようにしてもよい。また、図10に示すように、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを、時系列的に順次に表示するようにしてもよい。また、車載装置2は、少なくとも撮影画像を送信してから合成画像を受信するまでの期間に撮影画像を表示すればよく、撮影画像の送信前、あるいは、合成画像の受信後も撮影画像を表示してもよい。
【0108】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、車載装置2は常に4つの撮影画像の全てを可搬性装置3に送信していた。しかしながら、このように常に4つの撮影画像の全てを送信した場合には、送信するデータ量が多くなることなどから、全体的な処理速度が低下する可能性がある。
【0109】
このため、第3の実施の形態の車載装置2は、4つの撮影画像の全てを可搬性装置3に送信する全画像送信を実行する周期を、第1の実施の形態よりも長くしている。一方で、車載装置2は、全画像送信と全画像送信との間においては、含まれる被写体が時間的に変化した撮影画像のみを可搬性装置3に送信するようにしている。第3の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0110】
図11は、第3の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第3の実施の形態の車載装置2は、プログラム25bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部23の機能として、表示制御部23aの他に、変化検出部23b及び警告制御部23cを備えている。第3の実施の形態の車載装置2の他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
変化検出部23bは、車載カメラ5F,5B,5L,5Rのそれぞれで周期的に得られる撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。すなわち、変化検出部23bは、同一の車載カメラで時間的に連続して得られる撮影画像同士(前フレーム、及び、現フレーム)において、対応する画素の値の差分をとり、その差分の総和が所定の閾値を超えた撮影画像を変化画像として特定する。
【0112】
より具体的には、変化検出部23bは、フロント画像PFについては前フレームのフロント画像PFとの差分、バック画像PBについては前フレームのバック画像PBとの差分、左サイド画像PLについては前フレームの左サイド画像PLとの差分、右サイド画像PFについては前フレームの右サイド画像PRとの差分をそれぞれ導出する。そして、変化検出部23bは、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、導出した差分の総和が所定の閾値を超える撮影画像については、含まれる被写体が変化したと判断する。変化検出部23bは、このように変化のあった被写体を含む撮影画像を変化画像として特定する。
【0113】
警告制御部23cは、変化検出部23bが変化画像があると判断した場合に、ユーザに警告する。警告制御部23cは、変化画像がある場合は、スピーカ27を制御してスピーカ27から所定の警告音を出力させる。
【0114】
また、本実施の形態の表示制御部23aは、変化検出部23bが変化画像があると判断した場合は、当該変化画像をディスプレイ29に表示させる。変化画像がある場合、すなわち、車両9の周辺の被写体に変化が生じた場合であっても、その被写体の変化が合成画像CPの内容に反映されるまでにはタイムラグがある。このため、本実施の形態の表示制御部23aは、変化画像がある場合には、その変化画像に基づいて生成される合成画像CPの表示に先立って、その変化画像をディスプレイ29に表示させる。すなわち、画像出力部26は、変化画像に基づく合成画像CPを出力する前に、変化画像をディスプレイ29に出力して表示させることになる。
【0115】
図12は、本実施の形態の全周囲モードにおいてディスプレイ29に表示される表示画像DPの遷移を示す図である。変化画像がない場合、すなわち、被写体に変化が無い場合は、表示画像DPには合成画像CPのみが含まれている(状態ST1)。
【0116】
このような状態において、変化画像がある場合、すなわち、被写体に変化が生じた場合は、表示画像DPに当該変化画像が含められ、変化画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(状態ST2)。図12の例では、バック画像PB中の被写体Sbに変化が生じており、このバック画像PBが変化画像としてディスプレイ29に表示されている。なお、表示画像DPには合成画像CPも含まれているが、この時点は被写体Sbが変化した直後のため、合成画像CPの内容に当該被写体Sbの様子は反映されていない。
【0117】
その後、変化画像に基づいて生成された被写体Sbの様子を反映した合成画像CPが表示可能となると、当該合成画像CPがディスプレイ29に表示される。一方で、変化画像(バック画像PB)はディスプレイ29に表示されなくなる(状態ST3)。
【0118】
ユーザは、このような表示画像DPを視認することで、被写体に変化があったこと(すなわち、車両9の周辺に動く物体が存在すること)を認識できる。また、被写体に変化が生じた場合には、当該被写体を含む合成画像CPの表示前に、当該被写体を含む変化画像が表示されるため、ユーザは当該被写体を速やかに確認することができる。
【0119】
図13は、第3の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。本実施の形態においても、車載装置2では、表示制御部23aの制御により、図13に示す処理が所定の第1周期(例えば、1/30秒)で繰り返し実行される。ただし、第3の実施の形態では、この第1周期より長い第2周期(例えば、1秒)ごとに、他の場合と異なる特定処理が実行される。
【0120】
第2周期ごとの特定処理では(ステップSA30にてYes)、第1の実施の形態とほぼ同様の処理が実行される。すなわち、まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA31)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てを可搬性装置3に送信する全画像送信を実行する(ステップSA32)。
【0121】
可搬性装置3のデータ通信部37がこれらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信すると(ステップSB31)、可搬性装置3の記憶部38が受信した4つの撮影画像の全てを記憶する。これにより、記憶部38が過去に撮影画像を記憶していた場合は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全てが更新される(ステップSB32)。そして、合成画像生成部31aが、記憶部38に記憶されている4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成し(ステップSB33)、データ通信部37が生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB34)。
【0122】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA38)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA39)。
【0123】
この特定処理は第2周期ごとに実行されるため、第2周期ごとに4つの撮影画像PF,PB,PL,PRの全ての内容を反映した新たな合成画像CPがディスプレイ29に表示されることになる。
【0124】
一方、特定処理以外の場合(全画像送信と全画像送信との間の場合)は(ステップSA30にてNo)、まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA33)。次に、変化検出部23bが、前述した手法により、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちから、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。そして、変化画像が存在しない場合は(ステップSA34にてNo)、そのまま処理が終了する。
【0125】
また、変化画像が存在する場合は(ステップSA34にてYes)、車載装置2のデータ通信部28が、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうちの変化画像のみを可搬性装置3に送信する(ステップSA35)。
【0126】
可搬性装置3のデータ通信部37が変化画像を受信すると(ステップSB31)、可搬性装置3の記憶部38が受信した変化画像を記憶する。これにより、記憶部38が記憶している過去に得られた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、変化画像に対応する撮影画像のみが更新される(ステップSB32)。例えば、変化画像がフロント画像PFの場合はフロント画像PFのみが更新され、変化画像がバック画像PBの場合はバック画像PBのみが更新される。したがって、変化画像に対応しない過去の撮影画像については、記憶部38に記憶された状態で維持される。
【0127】
そして、合成画像生成部31aが、記憶部38に記憶されている4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを用いて合成画像CPを生成する(ステップSB33)。これにより、合成画像生成部31aは、過去に合成画像CPの生成に用いた4つの撮影画像PF,PB,PL,PRのうち、変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて、新たな合成画像CPを生成することになる。その結果、変化した被写体を含む新たな合成画像CPが生成される。新たな合成画像CPが生成されると、データ通信部37が生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB34)。
【0128】
また、車載装置2は、変化画像を送信した後(ステップSA35の後)は、この変化画像に基づく合成画像CPを受信するまで、変化画像を表示する。具体的には、表示制御部23aが、可搬性装置3に送信したものと同一の変化画像を含む表示画像DPを生成する。そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、図12の状態ST2のような、変化画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA36)。
【0129】
次に、警告制御部23cが、スピーカ27を制御してスピーカ27からビープ音などの所定の警告音を出力させる(ステップSA37)。これにより、変化画像がある場合、すなわち、車両9の周辺に動く物体が存在する場合に、ユーザにその旨が知らされることになる。
【0130】
その後、車載装置2のデータ通信部28が、変化画像に基づく合成画像CPを受信すると(ステップSA38)、表示制御部23aが、変化画像に基づく合成画像CPを含む表示画像DPを生成する。そして、画像出力部26が、この表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる。これにより、図12の状態ST3のような、変化した被写体Sbを含む合成画像CPがディスプレイ29に表示されることになる(ステップSA39)。
【0131】
以上のように、第3の実施の形態の画像処理システム10においては、車載装置2の変化検出部23bが、4つの撮影画像のうち含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する。このような変化画像がある場合は、車載装置2のデータ通信部28は、変化画像のみを可搬性装置3に送信する。そして、可搬性装置3の合成画像生成部31aは、過去に合成画像CPの生成に用いた4つの撮影画像のうち変化画像に対応する撮影画像のみを変化画像に替えて新たな合成画像を生成する。このため、車載装置2が可搬性装置3に送信するデータ量を有効に低減して処理速度を向上しつつ、車両9の周辺において変化のあった被写体を含む合成画像CPを生成することができる。
【0132】
また、車載装置2の画像出力部26は、変化画像がある場合は、変化画像に基づく合成画像CPを出力する前に、変化画像をディスプレイ29に出力して表示させる。このため、変化画像に基づく合成画像CPの表示前であっても、ユーザは車両9の周辺において変化のあった被写体を確認することができる。
【0133】
また、警告制御部23cは、変化画像がある場合に、スピーカ27から所定の警告音を出力させて、ユーザに警告する。このため、ユーザは車両9の周辺において変化のあった被写体(すなわち、動く物体)が存在することを認識することができる。
【0134】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態においては、ユーザが可搬性装置3を操作することで、車載装置2に表示される表示画像DPの内容を変更できるようになっている。
【0135】
図14は、可搬性装置3の操作部35と車載装置2の表示内容との関係を示す図である。
【0136】
可搬性装置3は、操作部35の一部に、テンキーとして機能する複数の操作ボタンを備えている。そして、これらの操作ボタンのうち、「2」ボタン35F、「8」ボタン35B、「4」ボタン35L及び「6」ボタン35Rは、車両9に搭載された4つの車載カメラ5にそれぞれ対応付けられている。具体的には、「2」ボタン35Fはフロントカメラ5F、「8」ボタン35Bはバックカメラ5B、「4」ボタン35Lは左サイドカメラ5L、「6」ボタン35Rは右サイドカメラ5Rにそれぞれ対応付けられている。これらの4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rは、対応づけられた車載カメラ5を指定するための操作部材として機能する。
【0137】
一方で、車載装置2のディスプレイ29に表示される合成画像CPにおいては、4つの車載カメラ5それぞれの位置(より正確には、4つの車載カメラ5それぞれの実際の配置位置に相当する位置)の近傍には、ラベルCF,CL,CB,CRが重畳されている。これらのラベルCF,CL,CB,CRは、各車載カメラ5が対応する操作ボタンを識別するための識別情報となる。
【0138】
具体的には、合成画像CP中のフロントカメラ5Fの位置の近傍には「2」を示すラベルCFが重畳され、バックカメラ5Bの位置の近傍には「8」を示すラベルCBが重畳され、左サイドカメラ5Lの位置の近傍には「4」を示すラベルCLが重畳され、右サイドカメラ5Rの位置の近傍には「6」を示すラベルCRが重畳されている。したがって、ユーザは、このようなラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPを視認することで、「2」ボタン35Fはフロントカメラ5F、「8」ボタン35Bはバックカメラ5B、「4」ボタン35Lは左サイドカメラ5L、「6」ボタン35Rは右サイドカメラ5Rにそれぞれ対応付けられていることを明確に把握できる。
【0139】
また、このようなラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPは、可搬性装置3のディスプレイ36にも表示される。このため、ユーザは、いずれの操作ボタンがいずれの車載カメラ5と対応しているかを、可搬性装置3のディスプレイ36を確認することによっても把握できる。また、ディスプレイ36は、その画面の長手方向と、合成画像CP中の車両像90の長手方向とが一致するように合成画像CPを表示する。このため、可搬性装置3が備える比較的小さなサイズのディスプレイ36においても、車両像90を比較的大きなサイズで表示することができる。
【0140】
また、図14に示す状態において、ユーザが、4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかを操作した場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが表示される。例えば、図15に示すように、ユーザが「4」ボタン35Lを操作した場合は、「4」ボタン35Lに対応する左サイドカメラ5Lの位置の近傍を拡大した合成画像CPが表示されることになる。したがって、ユーザは、可搬性装置3の操作ボタンを操作することで、合成画像CPの所望の位置を拡大して確認することができる。
【0141】
図16は、第4の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA41)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを可搬性装置3に送信する(ステップSA42)。
【0142】
可搬性装置3のデータ通信部37は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信する(ステップSB41)。次に、可搬性装置3の4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかがユーザに操作されたか否かが判定される。
【0143】
4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合(ステップSB42にてNo)は、合成画像生成部31aは、適位置にラベルCF,CL,CB,CRを重畳した合成画像CPを生成する(ステップSB43)。一方、4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合(ステップSB42にてYes)は、合成画像生成部31aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPを生成する(ステップSB44)。
【0144】
次に、可搬性装置3のディスプレイ36が、生成された合成画像CPを表示する(ステップSB45)。これとともに、データ通信部37が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB46)。
【0145】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA43)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA44)。
【0146】
これにより、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合は、ラベルCF,CL,CB,CRが重畳された合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。一方、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。
【0147】
以上のように、第4の実施の形態の画像処理システム10においては、合成画像CP中における複数の車載カメラ5それぞれの位置の近傍に、対応する操作ボタンの識別情報となるラベルが重畳された合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。このため、ユーザは、いずれの操作ボタンがいずれの車載カメラと対応しているかを明確に把握することができる。
【0148】
また、4つの操作ボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、合成画像生成部31aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPを生成し、この合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示される。このため、ユーザは合成画像CPの所望の位置を拡大して確認することができる。
【0149】
なお、図14及び図15の例では、操作ボタンの識別情報となるラベルCF,CL,CB,CRは、車両像90の周囲に重畳されていた。これに対して、図17に示すように、ラベルCF,CL,CB,CRが、合成画像CP中の車両像90に重なるように重畳されるようにしてもよい。このようにすれば、合成画像CP中において、ラベルCF,CL,CB,CRにより車両9の周辺の被写体が隠れないようにすることができる。
【0150】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の画像処理システム10の構成及び処理は第4の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態においては、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の位置の近傍を拡大した合成画像CPが車載装置2のディスプレイ29に表示されていた。これに対して、第5の実施の形態においては、可搬性装置3の4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合は、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5で得られた撮影画像が車載装置2のディスプレイ29に表示されるようになっている。
【0151】
例えば、図18に示すように、ユーザが「4」ボタン35Lを操作した場合は、「4」ボタン35Lに対応する左サイドカメラ5Lで得られた左サイド画像PLを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示されることになる。したがって、ユーザは、可搬性装置3の操作ボタンを操作することで、所望の車載カメラ5で得られた撮影画像を確認することができる。
【0152】
図19は、第5の実施の形態の画像処理システム10の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得し(ステップSA51)、車載装置2のデータ通信部28が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを可搬性装置3に送信する(ステップSA52)。
【0153】
可搬性装置3のデータ通信部37は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを受信する(ステップSB51)。
【0154】
次に、可搬性装置3の4つ操作ボタン35F,36B,36L,36Rのいずれかがユーザに操作されたか否かが判定される。4つの操作ボタンのいずれも操作されていない場合(ステップSB52にてNo)は、処理はそのままステップSB54に進む。一方、4つの操作ボタンのいずれかが操作された場合(ステップSB42にてYes)は、データ通信部28が操作された操作ボタンを特定するボタン情報を車載装置2に送信してから(ステップSB53)、処理がステップSB54に進むことになる。
【0155】
車載装置2のデータ通信部28がこのボタン情報を受信すると(ステップSA53にてYes)、表示制御部23aが、ボタン情報に基づいて操作された操作ボタンを特定する。そして、表示制御部23aは、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像を含む表示画像DPを生成する。この際、既に合成画像CPが表示されている場合は、当該合成画像と、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像とを含む表示画像DPを生成する。
【0156】
そして、表示制御部23aは、画像出力部26を制御して、この表示画像DPをディスプレイ29に出力させる。これにより、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5の撮影画像を含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA54)。
【0157】
また、ステップSB54においては、可搬性装置3の合成画像生成部31aが、適位置にラベルCF,CL,CB,CRを重畳した合成画像CPを生成する。次に、可搬性装置3のディスプレイ36が、生成された合成画像CPを表示する(ステップSB55)。これとともに、可搬性装置3のデータ通信部37が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSB56)。
【0158】
車載装置2のデータ通信部28がこの合成画像CPを受信すると(ステップSA55)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA56)。
【0159】
以上のように、第5の実施の形態の画像処理システム10においては、4つの操作ボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された操作ボタンを特定するボタン情報が可搬性装置3から車載装置2に送信される。そして、車載装置2では、このボタン情報に基づいて、操作された操作ボタンに対応する車載カメラ5で得られた撮影画像がディスプレイ29に表示される。したがって、ユーザは所望の撮影画像を確認することができる。
【0160】
なお、本実施の形態においても、図17に示すように、ラベルCF,CL,CB,CRが、合成画像CP中の車両像90に重なるように重畳されてもよい。
【0161】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。第1の実施の形態の画像処理システム10では、ユーザが所持する可搬性装置3において合成画像が生成されていた。これに対して、第6の実施の形態の画像処理システムでは、可搬性装置3に替えてネットワーク上のサーバ装置において合成画像が生成されるようになっている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0162】
図20は、第6の実施の形態の画像処理システム11の概要を示す図である。画像処理システム11は、車両9に搭載される車載装置2と、車載装置2とは別個に構成されるサーバ装置4とを備えている。車両9とサーバ装置4とは、インターネットなどのネットワーク8を介して相互にデータを送受信することが可能となっている。サーバ装置4は、画像処理機能を有しており、画像処理装置として機能する。このサーバ装置4が備える画像処理機能の一つとして、仮想視点からみた合成画像を生成する機能がある。
【0163】
図21は、第6の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第6の実施の形態の車載装置2は、図2に示すものとほぼ同様の構成であるが、データ通信部28に替えてデータ通信部28aを備えている。このデータ通信部28aは、無線通信を利用したネットワーク8への接続機能を有している。これにより、データ通信部28aは、ネットワーク8に接続されたサーバ装置4との間でデータの送受信を行うことが可能である。なお、データ通信部28aが、ユーザが所持する携帯電話等の他の通信装置を中継器として利用して、ネットワーク8に接続されたサーバ装置4との間でデータの送受信を行うことが可能となっていてもよい。
【0164】
図22は、サーバ装置4の構成を示す図である。サーバ装置4は、制御部41と、データ通信部42と、記憶部43とを備えている。
【0165】
データ通信部42は、ネットワーク8に接続され、ネットワーク8への接続機能を有する他の通信装置との間でデータ通信を行う。これにより、データ通信部42は、車載装置2との間でデータの送受信を行うことが可能である。
【0166】
記憶部43は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置であり、各種の情報を記憶する。記憶部38は、複数の車両像90、及び、プログラム44を記憶している。
【0167】
また、制御部41は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータである。記憶部43に記憶されたプログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで、制御部41の各種の機能が実現される。
【0168】
図中に示す合成画像生成部41aは、プログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部41の機能の一つである。この合成画像生成部41aは、第1の実施の形態の合成画像生成部31aと同様の手法によって、4つの撮影画像に基づいて仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像を生成する。
【0169】
図23は、第6の実施の形態の画像処理システム11の処理の流れを示す図である。図中の左側は車載装置2の処理の流れを示しており、図中の右側はサーバ装置4の処理の流れを示している。車載装置2の処理の流れは、第1の実施の形態(図6)とほぼ同様である。サーバ装置4では、制御部41の制御により、車載装置2からの信号に応答して図23に示す処理が実行される。
【0170】
まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA61)。次に、車載装置2のデータ通信部28aが4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報をサーバ装置4に送信する(ステップSA62)。
【0171】
サーバ装置4のデータ通信部42は、これらの4つの撮影画像PF,PB,PL,PR、車両情報25a、及び、サイズ情報を受信する(ステップSC11)。この受信に応答して、サーバ装置4の合成画像生成部41aは、4つの撮影画像を用いて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSC12)。
【0172】
合成画像生成部41aは、この合成画像CPを生成する際に、車載装置2から送信された車両情報25aに基づいて車両9の種別に応じた車両像90を記憶部43から読み出し、この車両像90を合成画像CPに含める。また、合成画像生成部41aは、車載装置2から送信されたサイズ情報に基づいて、サイズ情報で指定するサイズの合成画像CPを生成する。
【0173】
次に、サーバ装置4のデータ通信部42が、生成された合成画像CPを車載装置2に送信する(ステップSC13)。
【0174】
車載装置2のデータ通信部28aがこの合成画像CPを受信すると(ステップSA63)、車載装置2の画像出力部26が合成画像CPを含む表示画像DPをディスプレイ29に出力して表示させる(ステップSA64)。
【0175】
以上のように、第6の実施の形態の画像処理システム11では、ネットワーク8上のサーバ装置4において合成画像が生成される。このため、本実施の形態の画像処理システム11においても、車載装置2が合成画像CPを生成する機能を備えなくとも、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。したがって、比較的コストの低い車載装置を用いた場合であっても、合成画像CPをディスプレイ29に表示させることができる。また、ユーザは、合成画像CPの生成機能を備えた可搬性装置等を導入する必要も無いため、合成画像CPの表示機能を容易に追加することができる。
【0176】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態の可搬性装置3に替えてサーバ装置4を用いる場合について説明したが、第2または第3の実施の形態の可搬性装置3に替えてサーバ装置4を用いるようにしてもよい。
【0177】
<7.第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態について説明する。一般に、サーバ装置は、可搬性装置等と比較して大容量の記憶装置を有している。このため、このように比較的大容量の記憶装置を有するサーバ装置に合成画像を生成させる場合においては、合成画像と他の画像とを組み合わせることも可能である。
【0178】
第7の実施の形態においては、サーバ装置4において航空写真の画像(以下、「航空画像」という。)が予め記憶されており、この航空画像と合成画像とを組み合わせた結合画像が生成されるようになっている。第7の実施の形態の画像処理システム11の構成及び処理は第6の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第6の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0179】
図24は、第7の実施の形態の車載装置2の構成を示す図である。第7の実施の形態の車載装置2は、図21に示す第6の実施の形態の車載装置2の構成に加えて、位置取得部20を備えている。位置取得部20は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、車両9の位置を示す位置情報(緯度経度)を取得する。
【0180】
図25は、第7の実施の形態のサーバ装置4の構成を示す図である。第7の実施の形態のサーバ装置4においては、記憶部43が、車両像90及びプログラム44の他に、航空画像データベース45を記憶している。航空画像データベース45には、上空から地表の様子を撮影した多数の航空画像がそれぞれの位置を示す位置情報(緯度経度)と関連付けて記憶されている。
【0181】
また、サーバ装置4は、プログラム44に従ってCPUが演算処理を行うことで実現される制御部41の機能として、合成画像生成部41aの他に、画像結合部41bを備えている。画像結合部41bは、航空画像と合成画像生成部41aが生成した合成画像とを結合して、航空画像と合成画像とを含む結合画像を生成する。
【0182】
図26は、第6の実施の形態の画像処理システム11の処理の流れを示す図である。まず、車載装置2の画像取得部24が4つの撮影画像PF,PB,PL,PRを取得する(ステップSA71)。次に、車載装置2の位置取得部20が、その時点における車両9の位置を示す位置情報を取得する(ステップSA72)。
【0183】
次に、車載装置2のデータ通信部28aが4つの撮影画像PF,PB,PL,PRをサーバ装置4に送信する(ステップSA73)。また、この際、データ通信部28aは、これら4つの撮影画像PF,PB,PL,PRとともに、位置情報をサーバ装置4に送信する。
【0184】
サーバ装置4のデータ通信部42は、4つの撮影画像PF,PB,PL,PRとともに位置情報を受信する(ステップSC21)。この受信に応答して、サーバ装置4の合成画像生成部41aは、4つの撮影画像を用いて、仮想視点からみた車両9の周辺の領域を示す合成画像CPを生成する(ステップSC22)。
【0185】
次に、画像結合部41bが、車載装置2から受信した位置情報に基づいて、この位置情報が示す位置(すなわち、車両9の位置)を中心とした航空画像を、航空画像データベース45から取得する(ステップSC23)。これにより、車両9の周辺を示す航空画像が取得される。
【0186】
そして、画像結合部41bは、この航空画像の中央部分に合成画像CPを重畳することにより、航空画像と合成画像CPとを含む結合画像を生成する(ステップSC24)。この際、画像結合部41bは、航空画像の縮尺に合うように合成画像CPのサイズを調整する。
【0187】
図27は、このようにして生成された結合画像OPの一例を示す図である。結合画像OPは、その中央部分が合成画像CPとなっており、その合成画像CPの外側部分が航空画像APとなっている。ユーザは、このような結合画像OPを視認することで、車両9の近傍の物体の情報とともに、車両9の周辺の比較的広い範囲の地表の情報も得ることができる。例えば、車両9が駐車場に存在する場合は、ユーザは、結合画像OPに基づいて、駐車場の出口、駐車場で定められた進行方向、駐車場の全体形状などを把握することができる。
【0188】
次に、サーバ装置4のデータ通信部42が、合成画像CPと航空画像APとを含む結合画像OPを車載装置2に送信する(図26のステップSC25)。
【0189】
車載装置2のデータ通信部28aがこの結合画像OPを受信すると(ステップSA74)、表示制御部23aが、受信した結合画像OPを含む表示画像DPを生成する。そして、画像出力部26が、生成された表示画像DPをディスプレイ29に出力する。これにより、結合画像OPを含む表示画像DPがディスプレイ29に表示される(ステップSA75)。
【0190】
図28の上部は、このようにして表示された結合画像OPを含む表示画像DPの例を示す図である。図に示すように、表示画像DPには、縮尺を変更するための2つのコマンドボタンB1,B2が含まれている。ユーザは、ディスプレイ29の表示画面に表示されたこれら2つのコマンドボタンB1,B2に触れることで、結合画像OP中の航空画像APの縮尺を変更できるようになっている。
【0191】
例えば、詳細ボタンB1に触れた場合は、図28の下部に示すように、航空画像APが示す地表の様子が拡大され、航空画像APに含まれる地表の範囲は狭くなる。一方、広域ボタンB2に触れた場合は、航空画像APが示す地表の様子が縮小され、航空画像APに含まれる地表の範囲は広くなる。また、このように航空画像APの縮尺が変更されると、航空画像APの縮尺に合わせて合成画像CPのサイズ(縮尺)も調整される。このように、ユーザは、航空画像APの縮尺を所望に変更できるため、必要な地表の範囲を含む航空画像APをディスプレイ29に表示させることができる。
【0192】
図29は、このような縮尺の変更指示に対応する画像処理システム11の処理の流れを示す図である。車載装置2では、制御部23の制御により、図26に示す処理とは独立して、図29に示す処理が所定の周期で繰り返し実行される。また、サーバ装置4では、制御部41の制御により、車載装置2からの信号に応答して図29に示す処理が実行される。
【0193】
まず、車載装置2の制御部23が、ユーザから航空画像APの縮尺の変更指示がなされたか否かを判断する(ステップSA81)。すなわち、制御部23が、操作部22に含まれるタッチパネルからの信号に基づいて、ユーザが2つのコマンドボタンB1,B2のいずれかに触れたか否かを判断する。航空画像APの縮尺の変更指示が無い場合は(ステップSA81にてNo)、そのまま処理が終了する。
【0194】
航空画像APの縮尺の変更指示があった場合は(ステップSA81にてYes)、車載装置2のデータ通信部28aが、航空画像APの縮尺の変更を指示する縮尺情報をサーバ装置4に送信する(ステップSA82)。触れられたコマンドボタンが詳細ボタンB1の場合は地表の様子の拡大を指示する縮尺情報が送信され、触れられたコマンドボタンが広域ボタンB2の場合は地表の様子の縮小を指示する縮尺情報が送信される。
【0195】
サーバ装置4のデータ通信部42は、この縮尺情報を受信する(ステップSC31)。この縮尺情報の受信に応答して、サーバ装置4の画像結合部41bは、縮尺情報に応じて航空画像APの縮尺を変更する(ステップSC32)。以降、画像結合部41bは、縮尺情報に応じた縮尺の航空画像APを含む結合画像OPを生成することになる。
【0196】
以上のように、第6の実施の形態の画像処理システム11では、サーバ装置4の記憶部25が地表の様子を示す航空画像を記憶しており、画像結合部41bが、車両9の位置を示す位置情報に基づいて、車両9の周辺を示す航空画像と合成画像とを含む結合画像を生成する。そして、車載装置2がこの結合画像OPをディスプレイ29に表示する。このような結合画像OPがディスプレイ29に表示されるため、ユーザは車両9の近傍の物体の情報とともに、車両9の周辺の比較的広い範囲の地表の情報も得ることができる。
【0197】
また、車載装置2から送信される縮尺情報に応じた縮尺の航空画像APが生成されるため、ユーザが必要となる縮尺の航空画像APをディスプレイ29に表示させることができる。
【0198】
なお、本実施の形態では、サーバ装置4が航空画像を記憶しているものとして説明したが、可搬性装置3に航空画像を記憶させ、可搬性装置3が合成画像と航空画像とを含む結合画像を生成するようにしてもよい。
【0199】
<8.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0200】
上記実施の形態では、車両で用いられる車両用装置として車載装置2を例に説明を行ったが、車両用装置が携帯電話やスマートフォンなどの可搬性の通信装置として構成されていてもよい。
【0201】
また、上記実施の形態では、車両9及び車両9の周辺の領域を俯瞰する合成画像が生成されていたが、任意の仮想視点からみた合成画像を生成するようにしてもよい。
【0202】
また、上記実施の形態では、ディスプレイ29は本体部21と一体化されていたが、ディスプレイが本体部とは別体として設けられていてもよい。
【0203】
また、上記実施の形態では、車載装置2から複数の撮影画像を送信するごとに、車両情報25a及びサイズ情報が画像処理装置(可搬性装置3あるいはサーバ装置4)に送信されていた。これに対して、車載装置2から画像処理装置に対し車両情報25a及びサイズ情報が1回のみ送信され、この車両情報25a及びサイズ情報が車載装置2の識別情報と関連付けられて、画像処理装置に記憶されるようにしてもよい。
【0204】
また、第7の実施の形態では、地表の様子を示す地表画像として航空画像が用いられていたが、衛星写真の画像や、イラストで表現される一般的な地図画像などを用いてもよい。
【0205】
また、第7の実施の形態では、縮尺情報をサーバ装置4に送信して地表画像(航空画像)に含まれる地表の範囲が変更されていた。これに対して、縮尺情報をサーバ装置4に送信することで、地表画像の縮尺と合成画像の縮尺とが一致するように調整できるようにしてもよい。
【0206】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に合成処理を生成する機能を含む各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0207】
2 車載装置
3 可搬性装置
4 サーバ装置
5 車載カメラ
9 車両
35 操作部
10 画像処理システム
11 画像処理システム
90 車両像
AP 航空画像
CP 合成画像
DP 表示画像
OP 結合画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理システムであって、
車両で用いられる車両用装置と、
前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置と、
を備え、
前記車両用装置は、
前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、
前記複数の撮影画像を前記画像処理装置に送信する第1送信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する第1受信手段と、
前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記車両用装置から送信された前記複数の撮影画像を受信する第2受信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を前記車両用装置に送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記出力手段は、前記第1送信手段が前記複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく前記合成画像を前記第1受信手段が受信するまでの期間、該複数の撮影画像の少なくとも一つを前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理システムにおいて、
前記取得手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれを周期的に取得するものであり、
前記車両用装置は、
前記複数の撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記変化画像がある場合は、
前記第1送信手段は、前記複数の撮影画像のうちの前記変化画像のみを送信し、
前記生成手段は、過去に前記合成画像の生成に用いた前記複数の撮影画像のうち、前記変化画像に対応する前記撮影画像のみを前記変化画像に替えて、新たな前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理システムにおいて、
前記変化画像がある場合は、
前記出力手段は、前記変化画像に基づく前記合成画像を出力する前に、前記変化画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理システムにおいて、
前記車両用装置は、
前記変化画像がある場合に、ユーザに警告する警告手段、
をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記第1送信手段は、前記合成画像のサイズを指定するサイズ情報を前記画像処理装置に送信し、
前記生成手段は、前記サイズ情報で指定するサイズの前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
複数の種別の車両像を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記第1送信手段は、前記車両の種別を前記画像処理装置に送信し、
前記生成手段は、前記車両の種別に応じた車両像を前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
地表の様子を示す地表画像を記憶する記憶手段と、
前記車両の位置を示す位置情報に基づいて、前記車両の周辺を示す前記地表画像と前記合成画像とを含む結合画像を生成する結合手段と、
をさらに備え、
前記第1送信手段は、前記位置情報を前記画像処理装置に送信し、
前記第2送信手段は、前記結合画像を前記車両用装置に送信し、
前記出力手段は、前記結合画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理システムにおいて、
前記第1送信手段は、前記地表画像の縮尺に係る縮尺情報を前記画像処理装置に送信し、
前記結合手段は、前記縮尺情報に応じた縮尺の前記地表画像を含む前記結合画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記複数のカメラをそれぞれ指定するための複数のボタン、
をさらに備え、
前記出力手段は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理システムにおいて、
前記生成手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンに対応する前記カメラの位置の近傍を拡大した前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理システムにおいて、
前記第2送信手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンを特定するボタン情報を前記車両用装置に送信し、
前記出力手段は、前記ボタン情報に基づいて、操作された前記ボタンに対応する前記カメラで得られた前記撮影画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記合成画像は、車両像を含み、
前記ボタンの識別情報は、前記合成画像中の前記車両像に重なるように重畳されることを特徴とする画像処理システム。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を表示する表示手段、
をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の画像処理システムにおいて、
前記表示手段は、画面の長手方向と、前記合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように前記合成画像を表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項16】
車両で用いられる車両用装置であって、
前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、
前記複数の撮影画像を、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に送信する送信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する受信手段と、
前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項17】
車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置であって、
前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する受信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を前記車両用装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項18】
車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
(a)前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する工程と、
(b)前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、
(c)前記合成画像を前記車両用装置に送信する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置とを用いて画像を表示する画像表示方法であって、
(a)前記車両用装置が、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する工程と、
(b)前記複数の撮影画像を前記車両用装置から前記画像処理装置に送信する工程と、
(c)前記画像処理装置が、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、
(d)前記合成画像を前記画像処理装置から前記車両用装置に送信する工程と、
(e)前記車両用装置が、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【請求項1】
画像処理システムであって、
車両で用いられる車両用装置と、
前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置と、
を備え、
前記車両用装置は、
前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、
前記複数の撮影画像を前記画像処理装置に送信する第1送信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する第1受信手段と、
前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記車両用装置から送信された前記複数の撮影画像を受信する第2受信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を前記車両用装置に送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記出力手段は、前記第1送信手段が前記複数の撮影画像を送信してから該複数の撮影画像に基づく前記合成画像を前記第1受信手段が受信するまでの期間、該複数の撮影画像の少なくとも一つを前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理システムにおいて、
前記取得手段は、前記複数の撮影画像のそれぞれを周期的に取得するものであり、
前記車両用装置は、
前記複数の撮影画像のうち、含まれる被写体が時間的に変化した変化画像を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記変化画像がある場合は、
前記第1送信手段は、前記複数の撮影画像のうちの前記変化画像のみを送信し、
前記生成手段は、過去に前記合成画像の生成に用いた前記複数の撮影画像のうち、前記変化画像に対応する前記撮影画像のみを前記変化画像に替えて、新たな前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理システムにおいて、
前記変化画像がある場合は、
前記出力手段は、前記変化画像に基づく前記合成画像を出力する前に、前記変化画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理システムにおいて、
前記車両用装置は、
前記変化画像がある場合に、ユーザに警告する警告手段、
をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記第1送信手段は、前記合成画像のサイズを指定するサイズ情報を前記画像処理装置に送信し、
前記生成手段は、前記サイズ情報で指定するサイズの前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
複数の種別の車両像を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記第1送信手段は、前記車両の種別を前記画像処理装置に送信し、
前記生成手段は、前記車両の種別に応じた車両像を前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
地表の様子を示す地表画像を記憶する記憶手段と、
前記車両の位置を示す位置情報に基づいて、前記車両の周辺を示す前記地表画像と前記合成画像とを含む結合画像を生成する結合手段と、
をさらに備え、
前記第1送信手段は、前記位置情報を前記画像処理装置に送信し、
前記第2送信手段は、前記結合画像を前記車両用装置に送信し、
前記出力手段は、前記結合画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理システムにおいて、
前記第1送信手段は、前記地表画像の縮尺に係る縮尺情報を前記画像処理装置に送信し、
前記結合手段は、前記縮尺情報に応じた縮尺の前記地表画像を含む前記結合画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記複数のカメラをそれぞれ指定するための複数のボタン、
をさらに備え、
前記出力手段は、前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理システムにおいて、
前記生成手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンに対応する前記カメラの位置の近傍を拡大した前記合成画像を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理システムにおいて、
前記第2送信手段は、前記複数のボタンのいずれかがユーザに操作された場合は、操作された前記ボタンを特定するボタン情報を前記車両用装置に送信し、
前記出力手段は、前記ボタン情報に基づいて、操作された前記ボタンに対応する前記カメラで得られた前記撮影画像を前記表示装置に出力して表示させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記合成画像は、車両像を含み、
前記ボタンの識別情報は、前記合成画像中の前記車両像に重なるように重畳されることを特徴とする画像処理システム。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
前記画像処理装置は、
前記合成画像中における前記複数のカメラそれぞれの位置の近傍に当該カメラが対応する前記ボタンの識別情報を重畳した前記合成画像を表示する表示手段、
をさらに備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の画像処理システムにおいて、
前記表示手段は、画面の長手方向と、前記合成画像中の車両の像の長手方向とが一致するように前記合成画像を表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項16】
車両で用いられる車両用装置であって、
前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する取得手段と、
前記複数の撮影画像を、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に送信する送信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて前記画像処理装置で生成された、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を受信する受信手段と、
前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。
【請求項17】
車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置であって、
前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する受信手段と、
前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を前記車両用装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項18】
車両で用いられる車両用装置とは別個に構成される画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
(a)前記車両用装置から送信された、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を受信する工程と、
(b)前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、
(c)前記合成画像を前記車両用装置に送信する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
車両で用いられる車両用装置と、前記車両用装置とは別個に構成される画像処理装置とを用いて画像を表示する画像表示方法であって、
(a)前記車両用装置が、前記車両に搭載された複数のカメラでそれぞれ得られた複数の撮影画像を取得する工程と、
(b)前記複数の撮影画像を前記車両用装置から前記画像処理装置に送信する工程と、
(c)前記画像処理装置が、前記複数の撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の領域を示す合成画像を生成する工程と、
(d)前記合成画像を前記画像処理装置から前記車両用装置に送信する工程と、
(e)前記車両用装置が、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、
を備えることを特徴とする画像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2013−21468(P2013−21468A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152541(P2011−152541)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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