説明

画像処理システム及び画像処理方法

【課題】画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理を画像処理サーバで実施するとともに、画像処理の実施に対して課金装置が課金を行う場合に、適正な課金額をユーザに迅速に提供できる画像処理システム等を提供する。
【解決手段】前段の画像処理サーバ21は、課金対象の数量を確定し第1の課金対象数量情報を生成し、課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す課金量情報を生成する。第1の課金対象数量情報と第1の課金量情報を、画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する。後段の画像処理サーバは、第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量を利用して課金量を算出し、その課金量を示す第2の課金量情報を生成し、この第2の課金量情報と、前段の画像処理サーバで生成された第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報を、画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、MFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等の画像形成装置と、1台または複数台の画像処理サーバとがネットワークを介して接続された画像処理システム及び該システムで実行される画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなMFP等の画像形成装置に入力された画像データを、画像形成装置の本体内のみで画像処理するのではなく、外部の複数の画像処理サーバと連携し、各複数の画像処理サーバでそれぞれ異なる画像処理を順次実施する画像処理システムが従来より提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
このように特定の画像処理を画像処理サーバに実施させることで、これらの機能をリソースに限界のある画像形成装置に備えさせる必要がなくなり、画像形成装置の構成を簡素化できる利点がある。
【0004】
また、最近ではSaaS(Software as a Service)のように、Web上で画像処理を利用する形式の画像処理システムも提案されており、複数の業者が提供する画像処理サービスを組み合わせて、画像生成を行うことが可能となっている。
【0005】
一方、コンビニエンスストアや、プリントショップなどにおいて、MFPなどの装置を設置して、原稿のハードコピーやスキャンデータの送信等のジョブの実施を可能とすると共に、現金やプリペイドカードを利用して、前記ジョブの実施に対する対価として課金を行うシステムが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献3には複数の処理サービスを組み合わせて料金を徴収するシステムが開示されている。また、特許文献4には、画像形成の仕様(モード)を選択した際に、実際の画像形成よりも前に、見積もり金額を計算するシステムが開示されている。また、特許文献5には、MFPのモード等を基に課金量の計算を見積もりサーバにより行わせると共に、見積もり計算に適切なプログラムをサーバからMFPへダウンロードするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−289500号公報
【特許文献2】特開2009−129340号公報
【特許文献3】特開2002−330253号公報
【特許文献4】特開2003−67832号公報
【特許文献5】特開2007−58462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、画像処理に必要なサービスの実施に対して課金徴収を行うシステムでは、前記特許文献4及び特許文献5に記載されているように、実際の画像処理の実施前に課金量を計算し、利用者に課金量を提示するようなシステムが一般的である。しかしながら、画像処理に関するサービスでは、画像処理を行うことに対して対価が請求されるのが望ましい。たとえば、文字認識処理(OCR)や翻訳等の画像処理サービスを実行する場合、特許文献4及び5のように、画像処理のモードのみで適正な課金量を計算することは難しく、実際の「原稿の面数」や「原稿上の文字数」、「原稿の面積」等に応じて課金がされる方が適正な課金量を算出できる点で望ましい。そのため、単なる画像処理のモードではなく、実際の「原稿の面数」や「原稿上の文字数」、「原稿の面積」等に基づいて、課金量を計算することが要請されている。
【0009】
また、特許文献1及び2のように、複数の画像処理サーバによるサービスを組み合わせて画像処理を実現するようなシステムでは、各画像処理サーバが「原稿の面数」や「原稿上の文字数」、「原稿の面積」等原稿画像の情報をそれぞれ調べて課金量を計算すると、課金量の計算に非常に時間がかかるという問題がある。
【0010】
たとえば、図27のように、画像形成装置300がスキャン機能により原稿を読み込み、得られた画像データを画像処理対象の画像データとし、この画像データを「画像処理サーバA」「画像処理サーバB」「画像処理サーバC」の順に経由して、画像データにそれぞれ異なる画像処理サービスを実施したのち、画像形成装置300に画像データを戻し、次いで、決められた画像フォーマットで「送信」を実施するような形態を想定する。
【0011】
画像処理サーバA〜Cは、画像データを受け取ると共に、自身の画像処理サービスに対する課金量を計算し、計算結果を画像データと共に順次画像処理サーバA〜Cに転送する。画像形成装置300は、最終段の画像処理サーバCから各画像処理サーバの課金量を受け取ると、各画像処理サーバの課金量を積算して必要な課金額を表示し、ユーザが、表示された課金額を課金装置に投入することで精算が行われる。
【0012】
このような場合、利用者は課金額を早く知りたいと考えるのが一般的であり、課金額の決定に時間がかかりすぎると、利用者は長時間待たされることになり不要なストレスを与えることになる。このため、課金額をできるだけ早いタイミングでユーザヘ提示することが望まれる。
【0013】
なお、図28に示すように、画像形成装置300から各画像処理サーバA〜Cへ直接画像データを送信すると共に、各画像処理サーバA〜Cが直接に自身の画像処理に要する課金量を画像形成装置300に通知することも考えられる。しかしこの場合は、前段の画像処理が後段の画像処理へ影響を与えて画像処理量が変わるおそれがあり、実際の画像処理に対して適正な課金額を徴収できないという問題がある。
【0014】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理を画像処理サーバで実施するとともに、画像処理の実施に対して課金装置が課金を行う場合に、適正な課金額をユーザに迅速に提供できる画像処理システムを提供し、さらには該システムで実行される画像処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続された第1及び第2の画像処理サーバと、課金装置とを備え、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに、各画像処理サーバによってそれぞれ異なる画像処理を順に実施し、かつ実施された画像処理に対して前記課金装置により課金を行う画像処理システムであって、前記第1の画像処理サーバは、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに第1の画像処理を実施する第1の画像処理手段と、前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第1の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第1の課金対象数量情報を作成する第1の課金対象数量確定手段と、前記第1の課金対象数量確定手段により確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第1の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第1の課金量情報を生成する第1の課金量算出手段と、前記第1の課金対象数量確定手段により生成された第1の課金対象数量情報と、前記第1の課金量算出手段により生成された第1の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信手段と、を備え、前記第2の画像処理サーバは、前記第1の画像処理サーバによる画像処理よりも後に、前記画像処理対象の画像データに第2の画像処理を実施する第2の画像処理手段と、前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第2の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第2の課金量情報を生成する第2の課金量算出手段と、前記第1の画像処理サーバで生成された前記第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報と、前記第2の課金量算出手段により生成された第2の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信手段と、を備え、前記課金装置は、前記第1の課金量情報と前記第2の課金量情報に基づいて、前記第1及び第2の画像処理サーバによる画像処理に対する課金を実行することを特徴とする画像処理システム。
(2)前記第2の画像処理サーバは、前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第2の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第2の課金対象数量情報を生成する第2の課金対象数量確定手段を備え、前記課金量計算の基礎となる課金対象は複数の項目からなるとともに、前記第1の画像処理サーバの第1の課金対象数量確定手段、及び前記第2の画像処理サーバの第2の課金対象数量確定手段は、自身が確定可能でかつ未確定な課金対象についてその数量を確定し、第1及び第2の課金対象数量情報をそれぞれ生成する前項1に記載の画像処理システム。
(3)前記画像形成装置は、前記複数の項目の課金対象を集約した課金計算基本情報を生成し、前記生成された課金計算基本情報が各画像処理サーバ間を転送され、前記各画像処理サーバは、前記課金計算基本情報に含まれている複数の項目の課金対象のうち、自身が確定可能でかつ未確定な課金対象についてその数量を確定し、課金計算基本情報に書き込むことにより第1及び第2の課金対象数量情報をそれぞれ生成する前項2に記載の画像処理システム。
(4)前記第1または第2の画像処理サーバは、前記課金対象数量情報と課金量情報を、画像処理対象の画像データの転送経路とは異なる転送経路で送信先に送信する前項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
(5)前記画像形成装置は、前記課金計算基本情報を画像処理対象の画像データの転送経路とは異なる転送経路で前記第1の画像処理サーバに送信する前項3または4に記載の画像処理システム。
(6)前記課金装置は前記画像形成装置に接続され、該画像形成装置は、前記第1の課金量情報及び第2の課金量情報に示される各課金量の合計値を演算し、課金装置は前記合計値に基づいて課金を実行する前項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
(7)前記第2の画像処理サーバは、自身の画像処理の内容に基づいて、前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量の確定値を変更する必要があるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、確定値の変更の必要ありと判断された場合には、課金対象の新たな数量を演算し、前記確定値を前記演算された新たな数量に書き換える書き換え手段を備えている前項1〜6のいずれかに記載の画像処理システム。
(8)前記課金対象は文字数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総文字数である前項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
(9)前記課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面数である前項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
(10)前記課金対象は原稿面積であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面積である前項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
(11)前記画像形成装置は、前記各画像処理サーバによる画像処理の順序を示す順序情報を生成する順序情報生成手段を備え、該順序情報生成手段により生成された順序情報に示された画像処理の実施順に、画像処理対象の画像データ、前記課金対象数量情報及び課金量情報が各画像処理サーバに転送されて画像処理が実施されるとともに、各画像処理サーバで生成された課金量情報は前記順序情報に書き込まれる前項1〜10のいずれかに記載の画像処理システム。
(12)画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続された第1及び第2の画像処理サーバと、課金装置とを備え、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに、各画像処理サーバによってそれぞれ異なる画像処理を順に実施し、かつ実施された画像処理に対して前記課金装置により課金を行う画像処理システムで実行される画像処理方法であって、前記第1の画像処理サーバは、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに第1の画像処理を実施する第1の画像処理ステップと、前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第1の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第1の課金対象数量情報を生成する第1の課金対象数量確定ステップと、前記第1の課金対象数量確定ステップにおいて確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第1の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第1の課金量情報を生成する第1の課金量算出ステップと、前記課金対象数量確定ステップにおいて生成された第1の課金対象数量情報と、前記第1の課金量算出ステップにおいて生成された第1の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信ステップと、を実行し、前記第2の画像処理サーバは、前記第1の画像処理サーバによる画像処理よりも後に、前記画像処理対象の画像データに第2の画像処理を実施する第2の画像処理ステップと、前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第2の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第2の課金量情報を生成する第2の課金量算出ステップと、前記第1の画像処理サーバで生成された前記第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報と、前記第2の課金量算出ステップにおいて生成された第2の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信ステップと、を実行し、前記課金装置は、前記第1の課金量情報と前記第2の課金量情報に基づいて、前記第1及び第2の画像処理サーバによる画像処理に対する課金を実行することを特徴とする画像処理方法。
【発明の効果】
【0016】
前項(1)に記載の発明によれば、前段の第1の画像処理サーバは、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに基づいて、自身の画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第1の課金対象数量情報を生成する。また、確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、自身の画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第1の課金量情報を生成する。そして、生成された第1の課金対象数量情報と第1の課金量情報を、画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する。一方、後段の第2の画像処理サーバは、前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量を利用し、該数量と自身の単位課金量に基づいて、自身の画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第2の課金量情報を生成する。そして、この生成された第2の課金量情報と、前記第1の画像処理サーバで生成された第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する。課金装置は、前記第1の課金量情報と前記第2の課金量情報に基づいて、前記第1及び第2の画像処理サーバによる画像処理に対する課金を実行する。
【0017】
つまり、第1の画像処理サーバにより確定された課金対象の数量に基づいて、第1の画像処理サーバ及び第2の画像処理サーバの課金量が決定されるが、第1の課金対象数量情報、第1の課金量情報、第2の課金量情報が画像処理対象の画像データとは別に独立して送信される。このため、第1の課金対象数量情報、第1の課金量情報、第2の課金量情報を画像処理に先行して転送することができ、画像処理サーバは迅速に自機の画像処理に対する課金量を算出することができ、課金装置は画像処理に先行して迅速に課金を行うことができる。また、画像処理に先行して課金が行われるから、画像処理済みの画像データを他の装置に自動的に送信するような場合には、ユーザは画像処理の完了前に画像形成装置を離れることができるという利点もある。
【0018】
しかも、画像形成装置ではなく画像処理サーバが課金対象数量を確定するので、課金対象数量を適正に確定でき、ひいては画像処理の処理量に見合った適正な課金を行うことができる。
【0019】
前項(2)に記載の発明によれば、課金量計算の基礎となる課金対象は複数の項目からなるとともに、第1の画像処理サーバ及び第2の画像処理サーバは、自身が確定可能でかつ未確定な課金対象についてその数量を確定するから、例えば原稿面数と文字数等のように、課金対象が異なっていても、その数量を確実に確定することができる。
【0020】
前項(3)に記載の発明によれば、画像形成装置は、前記複数の項目の課金対象を集約した課金計算基本情報を生成し、前記生成された課金計算基本情報が各画像処理サーバ間を転送されるとともに、この課金計算基本情報に、各画像処理サーバで確定された課金対象について数量が書き込まれることにより第1及び第2の課金対象数量情報がそれぞれ生成されるから、各処理サーバで生成される課金対象数量情報を1つの課金計算基本情報に集約でき、課金対象数量情報の取り扱いが容易となる。
【0021】
前項(4)に記載の発明によれば、各画像処理サーバは、課金対象数量情報と課金量情報を、画像処理対象の画像データの転送経路とは異なる転送経路で送信先に送信するから、課金対象数量情報と課金量情報を画像処理対象の画像データとは確実に別にして送信することができる。
【0022】
前項(5)に記載の発明によれば、画像形成装置は、課金計算基本情報を画像処理対象の画像データとは確実に別にして画像処理サーバに送信することができる。
【0023】
前項(6)に記載の発明によれば、課金装置を画像形成装置に接続しておくことで、課金処理が実行される。
【0024】
前項(7)に記載の発明によれば、後段の第2の画像処理サーバが第1の画像処理サーバにより確定された課金対象の数量の確定値を書き換えることができるから、より適正な課金量を算出できる。
【0025】
前項(8)に記載の発明によれば、画像処理対象の画像データの総文字数に基づいて、課金量を算出できる。
【0026】
前項(9)に記載の発明によれば、画像処理対象の画像データの総原稿面数に基づいて、課金量を算出できる。
【0027】
前項(10)に記載の発明によれば、画像処理対象の画像データの総原稿面積に基づいて、課金量を算出できる。
【0028】
前項(11)に記載の発明によれば、画像形成装置により生成された画像処理の順序を示す順序情報に基づいて、画像処理対象の画像データ及び各画像処理サーバで生成された課金量情報等が転送される。また、各画像処理サーバで生成された課金量情報を、前記順序情報に集約できるから、課金量情報の取り扱いが容易となる。
【0029】
前項(12)に記載の発明によれば、第1の課金対象数量情報、第1の課金量情報、第2の課金量情報が画像処理対象の画像データとは別に独立して送信されるから、課金装置は画像処理に先行して迅速に課金を行うことができる。また、画像形成装置ではなく画像処理サーバが課金対象数量情報を生成するので、画像処理の処理量に見合った適正な課金を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のシステムに用いられている画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のコントローラ部の詳細を示すブロック図である。
【図4】画像処理サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】画像処理サーバから画像処理サービスの内容を取得して、画像形成装置に登録する処理を説明するための図である。
【図6】画像処理サービスの種類を選択するキーが表示された操作パネルの平面図である。
【図7】サービス構成情報の一例を示す図である。
【図8】課金計算基本情報の一例を示す図である。
【図9】画像処理システムの動作の概要を説明するための図である。
【図10】ジョブスタート時の課金計算基本情報を示す図である。
【図11】原稿画像の確定時の課金計算基本情報を示す図である。
【図12】図9に引き続いて、画像処理システムの動作の概要を説明するための図である。
【図13】最初の画像処理サーバにより課金対象の数量である原稿面数及び原稿面積の確定値が書き換えられた課金計算基本情報の図である。
【図14】最初の画像処理サーバにより計算された課金量が書き込まれたサービス構成情報の図である。
【図15】次の画像処理サーバにより課金対象の数量である文字数の確定値が書き込まれた課金計算基本情報の図である。
【図16】次の画像処理サーバにより計算された課金量が書き込まれたサービス構成情報の図である。
【図17】さらに次の画像処理サーバにより計算された課金量が書き込まれたサービス構成情報の図である。
【図18】画像形成装置の操作パネルの課金時の表示画面を示す図である。
【図19】画像形成装置と課金装置との間でシリアル通信により行われる課金処理の概要を示すフローチャートである。
【図20】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】図20のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】図20のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】図22の課金制御処理(ステップS64)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】画像処理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図25】図24の通信処理(ステップS80)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図26】図24の画像処理(ステップS90)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図27】従来の画像処理システムの課題を説明するための図である。
【図28】同じく従来の画像処理システムの課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【0033】
図1の画像処理システムは、画像形成装置1と、複数(この実施形態では5個)の画像処理サーバ21〜25と、各ユーザが所有するパソコンからなる複数の端末装置31、32が、ネットワーク4を介して相互に接続されて構成されるとともに、画像形成装置1に課金装置5が接続されている。
【0034】
この実施形態では、画像形成装置1で読み取った原稿の画像データや、端末装置31、32から受信したプリントデータに対し、前記複数の画像処理サーバ21〜25が予め決定された順序で画像処理サービスを実施する構成となされている。
【0035】
具体的には、画像処理サーバ21は画像処理サービス1として白紙除去処理サービスを行う。このサービスは、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面数である。なお、以下の説明において、画像処理対象の画像データを「原稿画像」ともいう
画像処理サーバ22は画像処理サーバ21による白紙除去処理後の原稿画像に、画像処理サービス2として文字認識(OCR)処理を実施する。換言すれば、原稿画像から文字部分を抜き出して文字を特定する処理を行う。このサービスも、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は原稿画像の総原稿面数である。
【0036】
画像処理サーバ23は、画像処理サーバ21及び22による白紙除去処理及び文字認識処理後の原稿画像に、画像処理サービス3として、画像合成処理サービス例えば原稿画像への地紋合成などを行う。このサービスも、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は原稿画像の総原稿面数である。
【0037】
画像処理サーバ24は画像処理サーバ21〜23による各画像処理後に、画像処理サービス4として、翻訳処理を実施する。換言すれば、画像処理サーバ22の文字認識処理により特定された文字部分を翻訳した文字と交換する処理を実施する。このサービスは、文字数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は文字数であり、課金対象の数量は原稿画像の総文字数である。
【0038】
画像処理サーバ25は画像処理サーバ21〜24による各画像処理後に、画像処理サービス5として、送信フォーマット生成処理を実施する。換言すれば、原稿画像を送信するための特定の送信フォーマットを生成する。このサービスは、原稿面の面積に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面積であり、課金対象の数量は原稿画像の総原稿面積である。
【0039】
前記画像形成装置1は、画像処理サーバ21〜25に対して画像処理を依頼するものである。この実施形態では前述した多機能デジタル複合機であるMFPが用いられており、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ(FAXともいう)機能、プリント機能及びメモリ蓄積機能等を有している。
【0040】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0041】
この画像形成装置1は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換するスキャナ部11、スキャナ部11で読み取られた原稿の画像データを処理してプリンタ部13に送信するコントローラ部12、及びコントローラ部12から送信されてきた画像データを用紙に印字するプリンタ部13を備えている。
【0042】
前記コントローラ部12の詳細を、図3のブロック図に示す。
【0043】
コントローラ部12は、CPU121、システムRAM122、画像RAM123、記憶部124、プログラムROM125、FAXモデム126、ネットワークカード127、操作パネル128、NV−RAM129、シリアルインターフェース部(シリアルI/F部)130等を備えている。
【0044】
前記CPU121は、画像形成装置1の全体を統括的に制御し、コピー機能、プリント機能、FAX機能等の各種機能を実現させるとともに、特にこの実施形態では次のような制御を行う。即ち、ユーザによって設定された複数の画像処理サービスの順序を示すサービス構成情報及び課金計算基本情報(いずれも後述する)を生成するとともに、生成したサービス構成情報及び課金計算基本情報を、画像処理対象の画像データとは別に、最初の画像処理サービスを行う画像処理サーバ21に送信する等の制御を行う。
【0045】
前記システムRAM122は、CPU121の動作用プログラムを動作させるために必要なデータが蓄積されており、プログラム動作時には、一時記憶領域が保持される。
【0046】
前記画像RAM123は、スキャナ部11等から送信されてきた画像データを一時的に蓄積するメモリである。
【0047】
前記記憶部124は、前記画像データやアプリケーションプログラムその他のデータを記憶するものであり、例えばハードディスク装置(HDD)により構成されている。またこの実施形態では、画像処理サーバ21〜25から取得した各画像処理サービスの内容が、記憶部124に登録・保存されている。
【0048】
前記プログラムROM125は、CPU121の動作プログラムを記憶するメモリである。さらにプログラムROM125には、操作パネル128の表示及びキー入力制御を行うプログラム、操作パネル128の表示部128bにキーの表示を行うためのグラフィックデータ、キーを押した際の挙動を定義した「キー管理情報」等も記憶されている。
【0049】
前記FAXモデム126はFAX送受信を行うための装置であり、ネットワークカード127は画像処理サーバ21〜25や端末装置31、32等の外部装置との間で、ネットワーク4を介して通信を行う通信手段として機能する。
【0050】
操作パネル128は、ユーザが画像形成装置1の操作を行うためのものであり、スタートキー、ストップキー、テンキー等を備えたハードキー部128aと、ユーザに対するメッセージ、動作状態、ソフトキー等が表示されるタッチパネル式の液晶表示素子からなる表示部128bとからなる。
【0051】
前記NV−RAM129はユーザが設定した不揮発情報等を保存するメモリである。
【0052】
前記シリアルI/F部130は、課金装置5との間で課金のための情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0053】
課金装置5は画像処理サービスに対する課金を行うものである。具体的には、画像形成装置1は各画像処理サーバの画像処理に対する課金量の合計値を計算するとともに、課金量の合計値(課金額)を操作パネル128の表示部128bに表示し、かつ課金装置5に通知する。ユーザが表示された金額を課金装置5に投入すると、課金装置5は課金精算を行うものとなされている。
【0054】
上記画像形成装置1において、コピー機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、プリンタ部13に転送し、印字する。
【0055】
スキャン機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、CPU121で読み出して汎用画像フォーマットにエンコードする。その後、ネットワークカード127経由で、E−mailやFTPのプロトコルを利用して、画像データを送信することが可能である。
【0056】
FAX機能による送信時には、スキャナ部11で読み込んだ画像データを画像RAM123に一旦蓄積したのち、FAXで送信可能な解像度、圧縮形式にCPU121で変換したのち、FAXモデム126経由で送信する。
【0057】
FAX機能による受信時には、FAXモデム126経由で受信したデータを、一旦画像RAM123に蓄積し、CPU121で印字できる形式に変換した後、プリンタ部13に送信して印字する。
【0058】
プリンタ機能時には、ネットワーク経由でネットワークカード127により受信したページ記述言語を、CPU121で画像RAM123に展開したのち、プリンタ部13に転送して印字する。
【0059】
また、前記記憶部124に画像データを蓄積しておくことで、該画像データを何度でもプリントすることができる。ユーザによって画像データの蓄積が指示されたときは、画像RAM123から記憶部124に画像データが転送され蓄積される。
【0060】
以上説明した、画像形成装置1に関しての、実際の画像読み取りや印字、プリントデータの描画などの詳細動作は、画像形成装置1として公知の技術であるため、詳細には言及しない。
【0061】
前記画像処理サーバ21〜25の構成を図4のブロック図に示す。なお、画像処理サーバ21〜25の構成は同一であるので、画像処理サーバ21について説明し、画像処理サーバ22〜25については説明を省略する。
【0062】
画像処理サーバ21は、汎用のコンピュータから構成され、図4に示すように、CPU211、ROM212、RAM213、記憶部214、表示装置215、入力装置216、ネットワークインターフェース部(ネットワークI/F部)217、画像処理部218等を備え、システムバス220を介して互いに接続されている。
【0063】
CPU211は、ROM212等に保存されている動作プログラムを実行することにより、画像処理サーバ21の全体を統括的に制御する。特にこの実施形態では、画像形成装置1から送信されあるいは前段の画像処理サーバから転送されてきた原稿画像に、画像処理部218を介して画像処理を実施し、画像処理後の画像データを次段の画像処理サーバに送信する処理を実行させる。また、前記原稿画像に基づいて、画像処理部218による画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す課金対象数量情報を生成する。さらに、前記確定された課金対象の数量あるいは既に前段の画像処理サーバで課金対象の数量が確定している場合はその数量と、自身の単位課金量に基づいて、画像処理部218による画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す課金量情報を生成する。そして、生成された課金対象数量情報と課金量情報を、前記原稿画像とは別に次の画像処理サーバに送信する、等の処理を実行する。これらの処理については後述する。
【0064】
前記ROM212は、CPU211が実行するためのプログラムやその他のデータを保存する記憶媒体である。
【0065】
RAM213は、CPU211が動作用プログラムに従って動作する際の作業領域を提供する記憶媒体である。
【0066】
記憶部214は、ハードディスク等の記憶媒体からなり、アプリケーションプログラムその他の各種データを記憶する。
【0067】
表示装置215は、CRTや液晶表示装置等からなり、各種のメッセージ及びユーザに対する入力受付画面、選択画面等を表示する。
【0068】
入力装置216は、ユーザによる入力操作に用いられるもので、キーボードやマウス等からなる。
【0069】
ネットワークインターフェース部217は、画像形成装置1、他の画像処理サーバ、端末装置31、32、その他の外部機器との間で、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う通信手段として機能する。
【0070】
画像処理部218は、CPU211の制御のもとで、画像処理対象の画像データに所定の画像処理を実施するものである。
【0071】
次に、図1の画像処理システムの動作の概要を説明する。
【0072】
まず、図5に示すように、各画像処理サーバ21〜25に対して、画像形成装置1からhttpのプロトコルで通信を行い、画像処理サービスの内容を取得して、画像形成装置1に登録する。
【0073】
画像処理サービスが画像形成装置1に登録されている状態では、図6に示すように、操作パネル128の表示部128b上に画像処理サービスの種類を選択するキー128cが表示される。ユーザは、希望の画像処理サービスを各々選択して、スタートキー128dを押すことで、動作がスタートする。
【0074】
画像処理サービスの登録時には、各サービスの「機能」、「アクセス先」、「課金対象(原稿面数か文字数か原稿面積か)」などが、各画像処理サーバ21〜25から画像形成装置1へ通知され、画像形成装置1で管理される。
【0075】
画像形成装置1は、ユーザが選択した全ての画像処理サービスとその順序を示す順序情報としてのサービス構成情報を生成する。
【0076】
サービス構成情報の一例を図7に示す。この例では、サービス構成情報は、画像処理サービスの実施順と、各画像処理サービスを実施する画像処理サーバ21〜25に原稿画像を送信する際の画像処理サーバ21〜25の転送ポートのアドレスと、原稿画像以外のサービス構成情報等を送信する際の画像処理サーバ21〜25の情報通信ポートのアドレスと、画像処理サービスの種類と、各画像処理サーバ21〜25の課金対象と、課金量のテーブルにより構成されている。つまり、サービス構成情報に、各画像処理サーバの情報が集約されている。なお、課金量の項目には、各画像処理サーバ21〜25が、自身の画像処理に対する課金量を算出し決定したときにその課金量を書き込むものとなされている。
【0077】
また、画像形成装置1はサービス構成情報の生成と同時に、図8の課金計算基本情報も生成する。この課金計算基本情報は、サービス構成情報の「課金対象」の項目における課金対象の全種類と、各課金対象に対応する課金対象数量の確定値のテーブルによって構成されている。
【0078】
画像形成装置1で入力された原稿画像、生成されたサービス構成情報及び課金計算基本情報は、図9の矢印(1)で示されるように、最初の画像処理サーバ21ヘ転送され、サービス構成情報に示された順序を参考にして、画像処理サーバ21から画像処理サーバ22へさらに画像処理サーバ23〜25へと順に転送される。
【0079】
前述したように、画像処理サーバ21〜25は、原稿画像とサービス構成情報及び課金計算基本情報とを、異なる通信ポートを用いて送受信を行うから、画像形成装置1と画像処理サーバ21または25との間、及び画像処理サーバ21〜25の相互間では、サービス構成情報及び課金計算基本情報と原稿画像とは、異なる転送経路でそれぞれ別々に独立して転送される。従って、原稿画像に先んじてサービス構成情報及び課金計算基本情報を送信することができ、後述するように、原稿画像の画像処理が完了する前に、課金量を決定することができる。なお、サービス構成情報及び課金計算基本情報と原稿画像とは同じ転送経路で別々に送信されても良い。
【0080】
なお、サービス構成情報及び課金計算基本情報と、原稿画像とがそれぞれ独立して別々に送信されることから、画像形成装置1は、実施している一連の処理を識別するためのジョブ番号を、各情報及び原稿画像に付与して画像処理サーバ1へ送信する。
【0081】
また、画像形成装置1は、上述したサービス構成情報と課金計算基本情報とを、事前に保持している情報から生成可能であるため、生成したサービス構成情報と課金計算基本情報とを画像処理ジョブのスタート時に画像処理サーバ1へ転送し、原稿画像は、原稿をスキャナ部11により読み取りながら順次画像処理サーバ1へ転送する。
【0082】
この場合、課金計算基本情報の確定値の項目については、ジョブスタート時には図10に示すように、未確定の設定にして送信し、原稿枚数が確定した段階で、図11に示すように、原稿面数及び原稿面積の各課金対象項目に数値を設定して、再度画像処理サーバ1へ送信する。ただし、後述するように、画像形成装置1で設定された確定値は、画像処理サーバ21〜25により変更される場合がある。
【0083】
原稿画像、サービス構成情報及び課金計算基本情報を受信した画像処理サーバ21は、前記原稿画像を受信しながら、自身の画像処理サービスである白紙除去処理を実施すると同時に、原稿画像の構成を抽出し、原稿面数を計算する。そして、原稿面数の確定値が決定された段階で、確定された課金対象の数量を示す課金対象数量情報を生成する。この実施形態では、課金対象項目が課金計算基本情報に集約されているから、課金計算基本情報における「原稿面数」の課金対象項目に確定値を書き込むことで、課金対象数量情報を生成する。そして、確定値を書き込んだ課金計算基本情報を、図12の矢印(2)に示すように、画像処理サーバ22に転送する。
【0084】
なお、画像処理サーバ21は、課金対象の確定値がセットされた課金計算基本情報を画像処理中に画像形成装置1から受け取るが、画像処理サーバ21は課金計算基本情報の課金対象項目と自機の能力を調べ、「原稿面数」と「原稿面積」を計算できること、自機は白紙原稿を除去するサービスを行うため、「原稿面数」と「原稿面積」が変化すること、を確認する。そして、自機が課金計算基本情報にセットされた確定値を変更する可能性があることから、自身が「原稿面数」と「原稿面積」を決定するまでは、下流(後ろ側)の画像処理サーバ22〜25に対しては、課金計算基本情報を転送することなく、「原稿面数」と「原稿面積」の値を確定し、その確定値を課金計算基本情報に書き込んだ後に、次の画像処理サーバ22に課金計算基本情報を転送する。
【0085】
たとえば、画像処理サーバ1が何枚か白紙除去を行った結果、課金計算基本情報における原稿面数と原稿面積の確定値が図13のようになった場合、図13の確定値に変更した後、画像処理サーバ22に課金計算基本情報を転送する。
【0086】
さらに、画像処理サーバ21は、原稿面数の確定値と自身に設定されている単位課金量(原稿面1枚あたりの課金量)に基づいて、白紙除去処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す課金量情報を生成する。この実施形態では、サービス構成情報に各画像処理サーバ21〜25の課金量が集約されているから、図14に示すように、算出された課金量をサービス構成情報に書き込むことで、課金量情報を生成する。そして、課金量を書き込んだサービス構成情報を、画像処理サーバ22へ転送する。
【0087】
なお、画像処理サーバ21による白紙除去処理がなされた原稿画像は、前記課金計算基本情報とサービス構成情報とを追いかける形で、画像処理サーバ21から画像処理サーバ22に転送される。
【0088】
前記課金計算基本情報とサービス構成情報を受信した画像処理サーバ22は、課金計算基本情報の課金対象の項目と自機の能力とを調べ、「文字数」を計算できることを確認する。そして、画像処理サーバ21から原稿画像を受信するまで待ち、原稿画像を受け取ったら、文字認識処理を実施する。この文字認識処理により文字数を確定できるから、確定でき次第、図15に示すように、課金計算基本情報における課金対象項目の「文字数」の欄に確定値を書き込んだのち、図1の矢印(3)に示すように、課金計算基本情報を次の画像処理サーバ23へ転送する。
【0089】
また、画像処理サーバ22は課金計算基本情報に書き込まれている原稿面数の確定値と自身に設定されている単位課金量に基づいて、文字認識処理の実施に対する課金量を算出するとともに、図16に示すように、算出された課金量をサービス構成情報に書き込んだのち、サービス構成情報を画像処理サーバ23へ転送する。さらに、文字認識処理済みの原稿画像を画像処理サーバ23へ転送する。
【0090】
画像処理サーバ23は、原稿画像よりも前に、課金計算基本情報とサービス構成情報を受信する。この時点で画像処理サーバ23は、課金計算基本情報の課金対象の項目と自機の能力とを調べ、「原稿面数」と「原稿面積」を計算できること、自機の画像処理は画像合成処理であるため「原稿面数」と「原稿面積」は変化しないこと、を確認して、課金計算基本情報は図1の矢印(4)に示すように、そのまま次の画像処理サーバ24へ転送する。
【0091】
また、画像処理サーバ23は課金計算基本情報に書き込まれている原稿面数の数値と、自身に設定されている単位課金量に基づいて、画像合成処理の実施に対する課金量を算出するとともに、図17に示すように、算出された課金量をサービス構成情報に書き込んだのち、サービス構成情報を画像処理サーバ24へ転送する。原稿画像は、画像合成処理後に画像処理サーバ24へ転送する。
【0092】
画像処理サーバ24及び25も同様にして、課金計算基本情報の課金対象の項目と自機の能力とを調べ、「原稿面数」と「原稿面積」を計算できること、自機の画像処理は翻訳処理または送信フォーマット生成処理であるため「原稿面数」、「原稿面積」等は変化しないこと、を確認して、課金計算基本情報はそのまま図1の矢印(5)に示すように、次の画像処理サーバ25へ、または図1の矢印(6)に示すように、画像形成装置1へ転送する。
【0093】
また、画像処理サーバ24、25は課金計算基本情報に書き込まれている文字数の数値、原稿面積の数値と、自身に設定されている単位課金量に基づいて、画像合成処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量をサービス構成情報に書き込んだのち、図1の矢印(5)(6)で示すように、サービス構成情報を画像処理サーバ24へ、または画像形成装置1へ転送する。
【0094】
このような処理により、サービス構成情報には、各画像処理サーバ21〜25による課金量がセットされ、最終的に画像形成装置1に転送される。一方、原稿画像は、課金計算基本情報及びサービス構成情報を追いかける形で、各画像処理サーバ21〜25を順に転送され、各画像処理サーバ21〜25で画像処理された後に、画像処理サーバ25から画像形成装置1へ転送される。
【0095】
従って、画像形成装置1は、原稿画像の到達よりも前に、課金計算基本情報とサービス構成情報を受信し、サービス構成情報に書き込まれた課金量を総計することにより、課金装置5による課金を行うことができる。具体的には、画像形成装置1はシリアルインターフェース部130に接続された課金装置5と通信を行い、計算された合計課金量(課金額)を課金装置5に通知すると共に、図18(A)に示すように、操作パネル128の表示部128bに、課金額と料金の投入をユーザに促す旨のメッセージを表示してユーザに知らせる。ユーザが相当金額を課金装置5に投入することにより、課金装置5は精算を行い、画像処理装置1の操作パネル128の表示部128bは図18(B)の表示に切り替わる。
【0096】
図19は、画像形成装置1と課金装置5との間でシリアル通信により行われる課金処理の概要を示すフローチャートである。
【0097】
画像形成装置1及び課金装置5はそれぞれ別筐体で構成されているため、電源が投入された段階で、お互いの初期接続確認処理を実施する(ステップS11)。この実施形態では、画像形成装置1が課金量を先行して計算し(ステップS12)、計算後に課金量を操作パネル128の表示部128bに表示する(ステップS13)。
【0098】
具体的には、前述したように、サービス構成情報が画像形成装置1に到達した時点で、課金量を表示することができる。
【0099】
利用ユーザが現金を投入(ステップS14)する度に、課金装置5は投入金額を画像形成装置1へ通知する(ステップS15)。これが投入金額として、操作パネル128の表示部128bに表示される。
【0100】
投入金額が、課金量より上回っていた場合には、スタートキー128dを押すことで、実際のジョブ(たとえば画像処理済み原稿画像を所定宛先に送信するジョブ)が実行可能となる。
【0101】
画像形成装置1は不足金額がないか確認し(ステップS16)、ジョブが実行されると(ステップS17)、実際課金に使う利用料を課金装置5に通知する(ステップS18)。課金装置5は現金の引き落とし処理を実施する(ステップS19)。
【0102】
次に、画像形成装置1及び画像処理サーバ21〜25の動作を、フローチャートを参照しつつ説明する。
【0103】
画像形成装置1は、前述したように、プログラムROM125に格納された動作プログラムに従ってCPU121が動作することにより、全体の処理を行う。
【0104】
画像形成装置1は、電源が投入されると、図20に示すように内部プログラムの初期化処理、ハードウェアの初期化処理等の初期化処理(ステップS2)を実行する。次いで、ジョブの実行状態を示す「ジョブ状態」を「アイドル中」に初期化したのち(ステップS3)、各画像処理サーバ21〜25による画像処理サービスの登録処理(ステップS4)を実施し、実際のジョブ処理(ステップS5)を実施する。そして、画像処理サービスの登録処理(ステップS4)と実際のジョブ処理(ステップS5)を繰り返す。
【0105】
図21は、図20のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、画像処理サービスの登録は、事前に管理者等の操作により行われる処理である。
【0106】
ステップS41で、操作パネル128によるサービス登録操作かどうかを確認し、登録操作でなかった場合には(ステップS41でNO)、リターンする。登録操作であった場合には(ステップS41でYES)、すでに本体に登録されている利用可能な画像処理サービスの一覧を表示する(登録項目は別途更新可能とする)。ユーザが、希望する画像処理サービスを選択すると、ステップS43でこれを受け付け、ステップS44で、選択が確定したかどうかをユーザの操作に基づいて判断する。確定されなければ(ステップS44でNO)、リターンする。確定した場合には(ステップS44でYES)、ステップS45で、選択した画像処理サーバに対して処理能力と課金対象等の課金に必要な情報を問い合わせ、ステップS46で、その情報をNV−RAM129に記憶しておく。
【0107】
図22は、図21のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートであり、実際に画像処理サービスを選択してジョブを実行する処理である。
【0108】
ステップS51で、「ジョブ状態」のフラグを確認し、「アイドル中」か、「画像転送」か、「課金処理」か、いずれのステートであるかによって分岐する。
【0109】
ジョブ状態がアイドル中のステートの場合、ステップS52で、操作パネル128によるモードや画像処理サービスの選択操作を、ユーザが行っているかどうかを確認する。行っていない場合(ステップS52でNO)、リターンする。行っていた場合(ステップS52でYES)、ステップS53で、操作パネル128のモード・サービス選択処理を行ったのち、ステップS54で、課金計算基本情報及びサービス構成情報を生成する。
【0110】
そして、ステップS55で、ユーザによりスタートキーが押されたかどうか、換言すればジョブスタートかどうかを判断し、ジョブスタートでなければ(ステップS55でNO)、リターンする。ジョブスタートであれば(ステップS55でYES)、ステップS56でジョブ番号を生成し、ステップS57で、ステップS54で生成した課金計算基本情報及びサービス構成情報を、最初の画像処理サーバ21にジョブ番号を付して送信したのち、ステップS58で、「ジョブ状態」のフラグを「画像転送」に設定したのち、リターンする。
【0111】
ステップS51において、「ジョブ状態」が「画像転送」のステートの場合は、ステップS59に進み、入力された原稿画像をネットワーク上に転送する処理を実施する。原稿画像の入力は、スキャナ部11で原稿を読み取ることにより行われても良いし、端末装置31、32からプリント画像を受信することにより行われても良い。
【0112】
転送処理後、ステップS60で、課金計算基本情報の課金対象の項目に画像形成装置1自身が確定できる項目があるかどうかを判断する。なければ(ステップS60でNO)、リターンする。あれば(ステップS60でYES)、ステップS61で、当該項目に対応する値が確定したかどうかを判断する。確定していなければ(ステップS61でNO)、リターンする。確定すれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、確定値を課金計算基本情報にセットしジョブ番号を付与して最初の画像処理サーバ21に送信する。
【0113】
次いで、ステップS63で、「ジョブ状態」のフラグを「課金処理」に設定したのち、リターンする。
【0114】
ステップS51において、「ジョブ状態」が「課金処理」のステートの場合は、ステップS64に進み、課金制御を実施した後、リターンする。
【0115】
図23は、図22のステップS64の課金処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0116】
ステップS641で、最終の画像処理サーバ25からサービス構成情報が到達したかどうかを判断し、到達していなければ(ステップS641でNO)、リターンする。到達していれば(ステップS641でYES)、ステップS642で課金量を計算し、ステップS643で請求金額を操作パネル128の表示部128bに表示する。
【0117】
次にステップS644で、請求金額投入待ち状態かどうかを判断し、投入待ち状態でなければ(ステップS644でNO)、リターンする。投入待ち状態であれば(ステップS644でYES)、ステップS645で、投入金額が適正かどうかを判断する。適正でなければ(ステップS645でNO)、リターンする。
【0118】
適正であれば(ステップS645でYES)、ステップS646で、スタートキー128dが押されたかどうかを判断する。押されなければ(ステップS646でNO)、リターンする。押されると(ステップS646でYES)、ステップS647で、画像処理済みの原稿画像が画像形成装置1に到達したかどうかを判断する。
【0119】
到達しなければ(ステップS647でNO)、リターンする。到達すると(ステップS647でYES)、ステップS648で、原稿画像を印刷する、あるいはネットワーク上に送信する等の処理を実施した後、ステップS649に進む。このときには、課金は既に終了しているから、原稿画像をネットワーク上に送信する処理の場合は、ユーザは画像形成装置1を離れることができる。
【0120】
ステップS649では、画像印刷あるいはネットワーク上への送信等の処理が終了するのを待ち(ステップS649でNO)、終了すると(ステップS649でYES)、全ての画像処理サーバ21〜25に、ジョブ番号とジョブが終了したことを通知し、ステップS651で、「ジョブ状態」のフラグを「アイドル中」に設定したのち、リターンする。
【0121】
次に、画像処理サーバ21〜25の動作を、図24〜図26のフローチャートを用いて説明する。画像処理サーバ21〜25の動作は、各サーバのCPU211がROM212や記憶部214等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0122】
図24は、メインルーチンを示すフローチャートである。
【0123】
画像処理サーバ21〜25は、プログラムの初期化処理(ステップS70)、通信処理(ステップS80)、画像処理(ステップS90)を順次実施したのち、ステップS100で、ジョブに関する処理が終了したことを画像形成装置1から受信したかどうかを判断し、受信していなければ(ステップS100でNO)、ステップS80に戻る。受信した場合は(ステップS100でYES)、ステップS101で、ジョブ番号に関する内部情報をクリアする。
【0124】
なお、通信処理(ステップS80)と画像処理(ステップS80)は、別の処理プロセスで構成されてもよい。
【0125】
図25は、前記通信処理(ステップS80)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0126】
ステップS801で、課金計算基本情報とサービス構成情報を受信したかどうかを判断する。受信していなければ(ステップS801でNO)、ステップS809に進み、受信していれば(ステップS801でYES)、ステップS802で、各情報を記憶部213に保存した後、ステップS803でサービス構成情報をそのまま次の送信先に送信する。
【0127】
次いで、ステップS804で、課金計算基本情報に含まれている課金対象の項目の内、数量を確定できるものがあるかどうかを判断する。無ければ(ステップS804でNO)、ステップS809に進む。あれば(ステップS804でYES)、ステップS805に進む。
【0128】
ステップS805では、既に課金対象の数量の確定値が書き込まれているかどうかを判断する。書き込まれていなければ(ステップS805でNO)、ステップS809に進む。書き込まれていれば(ステップS805でYES)、ステップS806で、自身の画像処理サーバは確定値を変更する可能性があるかどうかを判断する。
【0129】
変更の可能性がなければ(ステップS806でNO)、ステップS811で、サービス構成情報を参照し、次の画像処理サーバに課金計算基本情報を送信したのち、ステップS809に進む。変更の可能性がある場合は(ステップS806でYES)、ステップS807で、自身が計算した課金対象の数量が確定したかどうかを判断し、確定しなければ(ステップS807でNO)、ステップS809に進む。確定すれば(ステップS807でYES)、ステップS808で、課金計算基本情報に数量の確定値をセットし、サービス構成情報を参照して次の画像処理サーバに課金計算基本情報を送信したのち、ステップS809に進む。
【0130】
ステップS809では、自身の画像処理サーバによる画像処理の実施に対する課金量が確定したかどうかを調べ、確定しなければ(ステップS809でNO)、リターンする。確定すれば(ステップS809でYES)、ステップS810で、サービス構成情報に課金量をセットして、次の送信先に再送信した後、リターンする。
【0131】
図26は、前記画像処理(ステップS90)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、原稿画像に画像処理を行うとともに、原稿画像から課金計算情報における課金対象の数量を算出して課金計算基本情報にセットする処理である。
【0132】
ステップS901で、原稿画像を受信したかどうかを判断する。受信していなければ(ステップS901でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS901でYES)、ステップS902で、サービス構成情報及び課金計算基本情報を受信済みかどうかを判断する。
【0133】
これらの情報を受信していなければ(ステップS902でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS902でYES)、ステップS903で画像処理を実施したのち、ステップS904で、課金対象の数量を計算して課金計算基本情報にセットし、次いでステップS905で、自身の画像処理の実施に対する課金量を計算してその値をサービス構成情報にセットする。
【0134】
次にステップS906で、画像処理済みの原稿画像を送信可能かどうかを判断し、可能でなければ(ステップS906でNO)、そのままリターンする。可能であれば(ステップS906でYES)、ステップS907で原稿画像を次の送信先に送信した後リターンする。
【0135】
以上説明したように、この実施形態では、課金基本情報及びサービス構成情報を、原稿画像とは別に転送するとともに、画像処理サーバ21により確定された原稿面数及び原稿面積を用いて、後段の画像処理サーバ22、23及び25の課金量を決定し、画像処理サーバ22により確定された文字数を用いて画像処理サーバ24の課金量を決定する。このため、画像処理サーバ22〜25は原稿画像の画像処理よりも前に迅速に、自機の画像処理に対する課金量を算出することができ、課金装置5は画像処理に先行して迅速に課金を行うことができる。
【0136】
なお、このように各画像処理サーバでの課金量の計算と実際の画像処理のタイミングが異なるため、課金量の価格テーブルがこの間に更新されてしまうと、実際に画像処理を実施した際の課金量が、変わってしまう可能性がある。そのため、積算量が決定して一定時間の間は、その課金量で請求を行うように構成するのが望ましい。
【0137】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0138】
例えば、画像形成装置1から画像処理サービスの順序を示したサービス構成情報を画像処理サーバ21〜25に転送するとともに、このサービス構成情報に基づいて各画像処理サーバ21〜25が、次の転送先に原稿画像、課金計算基本情報、サービス構成情報を転送する構成としたが、各画像処理サーバ21〜25は原稿画像、課金計算基本情報等を一旦画像形成装置1に返送し、画像形成装置1から次の画像形成サーバへ送信するというように、画像形成装置1を中継して次の転送先に原稿画像、課金計算基本情報、サービス構成情報を転送する構成としても良い。
【0139】
また、上記実施形態では、最終の画像処理サーバ25から画像形成装置1が受信した画像処理済みの原稿画像を、課金装置5での精算後に、画像形成装置1が印刷したり所定の宛先に送信するものとしたが、画像処理済みの原稿画像を画像処理サーバ25等が送信する構成としても良い。この場合は、課金装置5に適正な金額が投入された際に、画像形成装置1から画像処理サーバに送信許可情報を送信することにより、原稿画像の送信が行われる構成とすればよい。
【0140】
また、原稿画像、課金計算基本情報、サービス構成情報が、ネットワーク4により画像形成装置1と画像処理サーバ21〜25との間を転送されるものとしたが、データ転送のオーバーヘッドを軽減するために、データベースサーバを設け、画像処理サーバ21〜25の間ではデータベースサーバを経由して転送されることにより、課金計算基本情報、サービス構成情報等を各画像処理サーバ21〜25が共有する構成としても良い。
【0141】
また、課金対象の数量の確定値を課金計算基本情報に集約して書き込み、課金量をサービス構成情報に集約して書き込む構成としたが、集約することなく、課金対象の数量の確定値や個別の課金量を、それぞれ独立した複数の情報として転送しても良い。
【0142】
また、画像処理サーバ22〜25は、自身の画像処理の内容に応じて、前段の画像処理サーバ21で確定された課金対象の数量の確定値を変更する必要がある場合には、課金対象の新たな数量を演算し、画像処理サーバ21による確定値を新たな確定値に書き換える構成としても良い。これにより、更に適正な課金量を計算できる。
【符号の説明】
【0143】
1 画像形成装置
21〜25 画像処理サーバ
31、32 端末装置
4 ネットワーク
5 課金装置
211 CPU
214 記憶部
217 ネットワークインターフェース部
218 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続された第1及び第2の画像処理サーバと、課金装置とを備え、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに、各画像処理サーバによってそれぞれ異なる画像処理を順に実施し、かつ実施された画像処理に対して前記課金装置により課金を行う画像処理システムであって、
前記第1の画像処理サーバは、
前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに第1の画像処理を実施する第1の画像処理手段と、
前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第1の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第1の課金対象数量情報を作成する第1の課金対象数量確定手段と、
前記第1の課金対象数量確定手段により確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第1の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第1の課金量情報を生成する第1の課金量算出手段と、
前記第1の課金対象数量確定手段により生成された第1の課金対象数量情報と、前記第1の課金量算出手段により生成された第1の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信手段と、
を備え、
前記第2の画像処理サーバは、
前記第1の画像処理サーバによる画像処理よりも後に、前記画像処理対象の画像データに第2の画像処理を実施する第2の画像処理手段と、
前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第2の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第2の課金量情報を生成する第2の課金量算出手段と、
前記第1の画像処理サーバで生成された前記第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報と、前記第2の課金量算出手段により生成された第2の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信手段と、
を備え、
前記課金装置は、前記第1の課金量情報と前記第2の課金量情報に基づいて、前記第1及び第2の画像処理サーバによる画像処理に対する課金を実行することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記第2の画像処理サーバは、前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第2の画像処理手段による画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第2の課金対象数量情報を生成する第2の課金対象数量確定手段を備え、
前記課金量計算の基礎となる課金対象は複数の項目からなるとともに、前記第1の画像処理サーバの第1の課金対象数量確定手段、及び前記第2の画像処理サーバの第2の課金対象数量確定手段は、自身が確定可能でかつ未確定な課金対象についてその数量を確定し、第1及び第2の課金対象数量情報をそれぞれ生成する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記複数の項目の課金対象を集約した課金計算基本情報を生成し、前記生成された課金計算基本情報が各画像処理サーバ間を転送され、
前記各画像処理サーバは、前記課金計算基本情報に含まれている複数の項目の課金対象のうち、自身が確定可能でかつ未確定な課金対象についてその数量を確定し、課金計算基本情報に書き込むことにより第1及び第2の課金対象数量情報をそれぞれ生成する請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記第1または第2の画像処理サーバは、前記課金対象数量情報と課金量情報を、画像処理対象の画像データの転送経路とは異なる転送経路で送信先に送信する請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記課金計算基本情報を画像処理対象の画像データの転送経路とは異なる転送経路で前記第1の画像処理サーバに送信する請求項3または4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記課金装置は前記画像形成装置に接続され、該画像形成装置は、前記第1の課金量情報及び第2の課金量情報に示される各課金量の合計値を演算し、課金装置は前記合計値に基づいて課金を実行する請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記第2の画像処理サーバは、自身の画像処理の内容に基づいて、前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量の確定値を変更する必要があるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、確定値の変更の必要ありと判断された場合には、課金対象の新たな数量を演算し、前記確定値を前記演算された新たな数量に書き換える書き換え手段を備えている請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記課金対象は文字数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総文字数である請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面数である請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記課金対象は原稿面積であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面積である請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記画像形成装置は、前記各画像処理サーバによる画像処理の順序を示す順序情報を生成する順序情報生成手段を備え、該順序情報生成手段により生成された順序情報に示された画像処理の実施順に、画像処理対象の画像データ、前記課金対象数量情報及び課金量情報が各画像処理サーバに転送されて画像処理が実施されるとともに、各画像処理サーバで生成された課金量情報は前記順序情報に書き込まれる請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項12】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続された第1及び第2の画像処理サーバと、課金装置とを備え、前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに、各画像処理サーバによってそれぞれ異なる画像処理を順に実施し、かつ実施された画像処理に対して前記課金装置により課金を行う画像処理システムで実行される画像処理方法であって、
前記第1の画像処理サーバは、
前記画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに第1の画像処理を実施する第1の画像処理ステップと、
前記画像処理対象の画像データに基づいて、前記第1の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量計算の基礎となる課金対象の数量を確定するとともに、確定された課金対象の数量を示す第1の課金対象数量情報を生成する第1の課金対象数量確定ステップと、
前記第1の課金対象数量確定ステップにおいて確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第1の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第1の課金量情報を生成する第1の課金量算出ステップと、
前記課金対象数量確定ステップにおいて生成された第1の課金対象数量情報と、前記第1の課金量算出ステップにおいて生成された第1の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信ステップと、
を実行し、
前記第2の画像処理サーバは、
前記第1の画像処理サーバによる画像処理よりも後に、前記画像処理対象の画像データに第2の画像処理を実施する第2の画像処理ステップと、
前記第1の画像処理サーバで確定された課金対象の数量と自身の単位課金量に基づいて、前記第2の画像処理ステップにおける画像処理の実施に対する課金量を算出するとともに、算出された課金量を示す第2の課金量情報を生成する第2の課金量算出ステップと、
前記第1の画像処理サーバで生成された前記第1の課金対象数量情報及び第1の課金量情報と、前記第2の課金量算出ステップにおいて生成された第2の課金量情報を、前記画像処理された画像データとは別に次の送信先に送信する送信ステップと、
を実行し、
前記課金装置は、前記第1の課金量情報と前記第2の課金量情報に基づいて、前記第1及び第2の画像処理サーバによる画像処理に対する課金を実行することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−109750(P2012−109750A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256361(P2010−256361)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】