画像処理プログラム
【課題】画像加工の過程を感覚的、視覚的に理解しつつ画像加工を行うことが可能な画像処理プログラム。
【解決手段】原画像表示領域SBと、加工結果表示領域SDと、これら2領域の間の加工領域SCとが設けられた表示画面上の原画像表示領域SBに加工対象画像の斜視図を表示する原画像表示部11aと、複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを表示する加工シンボル表示部11bと、加工シンボルの選択操作に応じて対応する操作シンボルを加工領域SCに二次元的に表示する操作シンボル表示部11cと、入力装置15による操作に応じて操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更部11dと、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を加工対象画像に対して実行して加工結果画像を作成する画像加工部11eと、加工結果表示領域SDに加工結果画像の斜視図を表示する加工結果表示部11fとを備えた画像処理装置1。
【解決手段】原画像表示領域SBと、加工結果表示領域SDと、これら2領域の間の加工領域SCとが設けられた表示画面上の原画像表示領域SBに加工対象画像の斜視図を表示する原画像表示部11aと、複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを表示する加工シンボル表示部11bと、加工シンボルの選択操作に応じて対応する操作シンボルを加工領域SCに二次元的に表示する操作シンボル表示部11cと、入力装置15による操作に応じて操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更部11dと、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を加工対象画像に対して実行して加工結果画像を作成する画像加工部11eと、加工結果表示領域SDに加工結果画像の斜視図を表示する加工結果表示部11fとを備えた画像処理装置1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置により撮像した画像データに対し、レタッチや加工を行う画像処理プログラムが知られている。このような画像処理プログラムは、表示装置に加工対象の画像と画像加工のためのシンボルとを表示することが多い。ユーザは例えばマウスなどのポインティングデバイスにより上記のシンボルを操作し、色調補正などの画像加工を行う。例えば特許文献1には、画像修正を行うためのコンピュータシステムが記載されている。このコンピュータシステムでは、例えば色調補正を行う場合、「赤」、「緑」、「青」のそれぞれを調整するためのシンボルであるスライダーバーを表示する(図20)。作業者はこのスライダーバーを操作することにより、入力画像データのカラーバランスをそれぞれ調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、従来の画像処理プログラムでは、画像加工の調整を画面に表示されるスライダーなどの二次元のシンボルを操作することにより行っていた。このような二次元的な操作体系では、自由度や視覚的体感度が制限されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、第1領域と、第2領域と、第1領域と第2領域との間に配された第3領域と、が設けられた表示画面上の第1領域に、記憶装置に記憶されている第1画像の斜視図を表示する原画像表示工程と、複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを表示画面へ表示する加工シンボル表示工程と、入力装置により複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを、第3領域に二次元的に表示する操作シンボル表示工程と、入力装置により操作シンボルに為される操作に応じて、操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更工程と、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を第1画像に対して実行して第2画像を作成する画像加工工程と、第2領域に第2画像の斜視図を表示する加工結果表示工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像加工の過程を感覚的、視覚的に理解しつつ画像加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】加工シンボルを示す図である。
【図3】種々の操作シンボルを例示する図である。
【図4】加工対象ファイルが選択された直後の表示装置16の表示画面を示す図である。
【図5】加工シンボルの選択操作を行ったときの表示画面を示す図である。
【図6】確定操作を行った直後の表示画面を示す図である。
【図7】周辺光量補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図8】色調補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図9】LCH(明度、彩度、色相)補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図10】階調補正処理を説明するための図である。
【図11】画像処理装置1を用いて画像加工を行う際に画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。
【図12】図11に示す処理から呼び出される初期処理を示すフローチャートである。
【図13】図11に示す処理から呼び出される選択処理を示すフローチャートである。
【図14】図11に示す処理から呼び出される確定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、所定の記憶媒体に記憶された画像データに対してレタッチや加工(以下、画像加工と呼ぶ)を行うための装置である。図1に示す画像処理装置1は、マウスやタッチパネルなどの入力装置15と、液晶モニタなどの表示装置16とを備えている。ユーザが入力装置15に対して操作を行うと、画像処理装置1は表示装置16に表示されている画像に対して当該操作に応じた所定の画像加工処理(後に詳述する)を実行する。
【0009】
なお、以下の説明では、入力装置15がマウスである場合について説明を行う。マウス以外の入力装置を利用する場合には、マウスによる操作を適宜その入力装置に適した操作に置き換えればよい。
【0010】
画像処理装置1は、CPUとその周辺回路とを含む制御回路11を備える。制御回路11には、不揮発性の記憶媒体であるフラッシュメモリ12と、主記憶装置であるDRAM13と、大容量の固定記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)14と、が接続されている。
【0011】
フラッシュメモリ12には、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路11は、フラッシュメモリ12に格納されている所定の制御プログラムを読み込んで実行することにより、画像処理装置1を構成する各部の制御処理と、後述する画像加工処理とを行う。この制御プログラムは、上記の各処理を実行する際、DRAM13を作業用の記憶領域として用いる。HDD14には、上記の画像加工処理の対象となる画像ファイルが少なくとも1つ格納されている。本実施形態において、HDD14に格納されている画像ファイルは、画像データを1つだけ含んでいる。
【0012】
制御回路11は、後述する画像加工処理を実行するために、原画像表示部11a、加工シンボル表示部11b、操作シンボル表示部11c、操作シンボル変更部11d、画像加工部11e、加工結果表示部11f、画像置換部11g、および履歴表示部11hを備える。これらの各機能部は、制御回路11がフラッシュメモリ12に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0013】
原画像表示部11aは、HDD14に記憶されている画像の斜視図を表示画面に表示する。加工シンボル表示部11bは、後述する加工シンボルを表示画面へ表示する。操作シンボル表示部11cは、後述する操作シンボルを表示画面に二次元的に表示する。操作シンボル変更部11dは、入力装置15により操作シンボルに為される操作に応じて、操作シンボルの表示状態を変更する。
【0014】
画像加工部11eは、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を画像加工の対象となっている画像に対して実行し、新たな画像を生成する。加工結果表示部11fは、画像加工部11eにより生成された新たな画像の斜視図を表示画面に表示する。画像置換部11gは、入力装置15により為された画像加工処理を確定させる確定操作(後に詳述)に応じて、原画像表示部11aにより表示画面に表示された斜視図を画像加工部11eにより生成された新たな画像の斜視図に置き換える。履歴表示部11hは、確定操作(後に詳述)に応じて、画像加工部11eにより生成された新たな画像を表す履歴シンボル(後に詳述)を表示画面に表示する。
【0015】
(画像加工処理の説明)
画像加工部11eは、DRAM13に格納されている画像に対して、複数種類の所定の画像加工処理を実行可能に構成される。画像加工処理とは、例えば色調補正処理、周辺光量補正処理(ヴィネットコントロールとも称する)、LCH(明度、彩度、色相)補正処理、ノイズ軽減処理など、画像に対して変更を加える公知の画像処理である。
【0016】
各々の画像加工処理は、それぞれ1つ以上の加工パラメータを有する。加工パラメータとは、画像加工処理の強弱や影響範囲などを調整するためのパラメータである。例えば色調補正処理は、三原色(赤、緑、青)のそれぞれについて色調の強弱を表す3つの加工パラメータを有する。これらの各々の加工パラメータは、例えば−100から+100までの数値である。赤に対応する加工パラメータを小さくすればするほど、画像データ全体の赤成分が弱められる。当該加工パラメータを逆に大きくすると、赤成分は強められる。また周辺光量補正処理は、周辺光量の補正量を表す1つの加工パラメータを有する。この補正量は、例えば−100から+100までの数値である。補正量を小さくすればするほど画像データの周辺光量が少なくなり、逆に大きくすると周辺光量は多くなる。
【0017】
本実施形態では、画像加工部11eは12種類の画像加工処理を実行することが可能に構成されている。なお、これら12種類の画像加工処理は全て公知の技術による画像加工処理であるので、具体的な処理内容については説明を省略する。
【0018】
(画像加工の概略の説明)
以下、本実施形態に係る画像処理装置1を用いた画像加工の概略を述べる。ユーザは画像加工を開始する際、HDD14に格納されている複数の画像ファイルから、画像加工の対象となる画像ファイルを1つ選択する。なお以下の説明では、ユーザにより選択された画像加工の対象となる画像ファイルを加工対象ファイルと呼ぶ。また、加工対象ファイルに含まれる画像を、加工対象画像と呼ぶ。
【0019】
ユーザは画像ファイルを選択した後、加工対象画像に加えたい画像加工処理の種類を選択する。画像加工処理の種類の選択は、加工シンボル表示部11bにより画面に表示された複数の加工シンボル(後に詳述)から、いずれか1つの加工シンボルを選択することにより行われる。各々の加工シンボルはそれぞれ異なる画像加工処理に対応している。加工シンボルの選択に応じて、画面には操作シンボル(後に詳述)が表示される。ユーザはこの操作シンボルを操作することにより、当該画像加工処理の加工パラメータを調整する。ユーザはその後、後述する確定操作を行うことにより、画像加工処理を確定する。確定操作が行われると、画像加工部11eにより加工対象画像に画像加工処理が実行され、新たな加工対象画像が生成される。
【0020】
ユーザは、このようにして生成された新たな加工対象画像に対して、更に加工シンボルの選択から確定操作までの一連の操作を繰り返すことが可能である。加工対象画像がユーザの望み通りの内容になった時点で、ユーザは所定の終了操作を行う。終了操作は、例えば画面に表示されている終了ボタンを押下するなどの操作である。ユーザによる終了操作に応じて、制御回路11は最新の加工対象画像を含む画像ファイルを作成し、この画像ファイルをHDD14に格納する。
【0021】
(加工シンボルの説明)
加工シンボルとは、画像加工部11eが実行可能な各々の画像加工処理を表すシンボルである。1つの加工シンボルが、1つの画像加工処理に対応している。加工シンボル表示部11bは、画像加工部11eが実行可能な画像加工処理の各々に対応する加工シンボルを表示装置16の表示画面に表示する。ユーザは入力装置15を用いて画面に表示された複数の加工シンボルからいずれか1つを選択することにより、加工対象画像に適用する画像加工処理を選択する。
【0022】
本実施形態では、画像加工部11eは全部で12種類の画像加工処理を実行可能なので、加工シンボル表示部11bは12種類の加工シンボルを表示する。
【0023】
図2は、加工シンボルを示す図である。加工シンボル20は、代表図21と、アイコン22と、タイトル文字列23と、から構成される。代表図21は、加工シンボル20に対応する画像加工処理を端的に示す画像の斜視図である。加工シンボル表示部11bは、本実施形態における代表図21を、次のようにして表示する。まず、加工対象画像に対して、加工シンボル20に対応する画像加工処理を、所定の加工パラメータに基づいて適用する。次に、画像加工処理を適用した加工対象画像を所定のサイズに縮小する。最後に、縮小した加工対象画像の斜視図を代表図21として表示する。アイコン22は加工シンボル20に対応する所定のアイコンであり、タイトル文字列23は加工シンボル20の名称を表す文字列である。アイコン22およびタイトル文字列23は、加工シンボル20に対応する画像加工処理をユーザに連想させる内容であることが望ましい。
【0024】
(操作シンボルの説明)
操作シンボルとは、画像加工処理の加工パラメータを調整するためのシンボルである。1つの操作シンボルが、1つ以上の加工パラメータに対応している。前述の通り、各々の画像加工処理は1つ以上の加工パラメータを有するので、1つの画像加工処理には1つ以上の所定の操作シンボルが関連付けられていることになる。
【0025】
ユーザが入力装置15を用いて加工シンボルを選択すると、操作シンボル表示部11cは選択された加工シンボルに対応する1つ以上の操作シンボルを、表示装置16の表示画面に表示する。例えば2つの加工パラメータを有する画像加工処理が選択されると、操作シンボル表示部11cは各々の加工パラメータに対応する1つもしくは2つの操作シンボルを表示する。
【0026】
図3は、種々の操作シンボルを例示する図である。各々の操作シンボルは、例えばフィルタ状(板状)やリング状といった、加工パラメータの種類に応じた三次元形状を有する。ユーザは入力装置15を用いて画面に表示された操作シンボルを操作することができる。操作シンボル変更部11dはこの操作に応じて、当該操作シンボルの表示状態を変更する。画像加工部11eは、操作シンボルの表示状態から画像加工処理の加工パラメータを決定し、当該加工パラメータに基づく画像加工処理を実行する。つまり、ユーザは操作シンボルを操作することにより、加工パラメータを調整することができる。
【0027】
図3(a)に示した操作シンボルC1は、フィルタ状の形状を備える。ユーザはこの操作シンボルC1を、画面の上下方向に平行移動させることができる。すなわち、操作シンボルC1における表示状態とは、操作シンボルC1の上下方向の表示位置である。この操作により、対応する加工パラメータが増減する。例えば操作シンボルC1が、−100から+100までの値を採る加工パラメータに対応する場合、ユーザは操作シンボルC1を画面の上方向に移動させることにより、加工パラメータを減少させることができる。同様に、操作シンボルC1を画面の下方向に移動させれば、加工パラメータを増加させることができる。
【0028】
図3(b)に示した操作シンボルC2は、リング状の形状を備える。この操作シンボルC2は2つの加工パラメータに対応する。ユーザはこの操作シンボルC2に対し、左右方向に回転させる操作と、上下方向に平行移動させる操作と、の2種類の操作を行うことができる。すなわち、操作シンボルC2における表示状態とは、操作シンボルC2の左右方向の回転位置、および、操作シンボルC2の上下方向の表示位置である。例えば操作シンボルC2を回転させた場合には、1つ目の加工パラメータが変化し、上下方向に移動させた場合には、2つ目の加工パラメータが変化する。
【0029】
図3(c)および(d)に示した操作シンボルC3は、メッシュ状の形状を備える。この操作シンボルC3は、例えば各々が−100から+100までの値を採る二次元配列の加工パラメータに対応する。ユーザはこの操作シンボルC3に対し、任意の変形操作を行うことができる。例えば操作シンボルC3の四隅の角を下方向に引っ張る操作や、任意の点を上方向に引っ張る操作、全体の傾きを変更する操作などを行うことができる。すなわち、操作シンボルC3における表示状態とは、操作シンボルC3の表示形状である。操作シンボルC3の表面の高低が加工パラメータの二次元配列中の各値に対応しており、操作シンボルC3の形状を変更する度に対応する加工パラメータが変化する。
【0030】
(画像加工の具体的な処理内容の説明)
画像加工を開始する際、制御回路11はまずHDD14に格納されている画像ファイルの一覧を表示装置16へ表示する。この一覧は、例えば画像ファイルの名前の一覧や、画像ファイルに含まれる画像を縮小して作成されたサムネイル画像の一覧など、ユーザが各画像ファイルを識別できるものであればどのようなものであってもよい。ユーザは入力装置15を用いて、それらの画像ファイルから画像加工の対象となる画像ファイルを1つ選択する。制御回路11はこの選択の操作が入力されたことに応じて、選択された画像ファイル(加工対象ファイル)から画像(加工対象画像)を読み出し、DRAM13に格納する。
【0031】
図4は、加工対象ファイルが選択された直後の表示装置16の表示画面を示す図である。加工対象ファイルがユーザにより選択された直後、表示装置16には図2に示す画面S1が表示される。画面S1は、履歴表示領域SA,原画像表示領域SB,加工領域SC,加工結果表示領域SD,および加工シンボル表示領域SEを含む。これらの各領域は互いに重なり合っていてもよいし、離れていてもよい。例えば図2に示す画面S1では、加工シンボル表示領域SEが原画像表示領域SBおよび加工領域SCと重なり合っている。なお、図4中の一点鎖線は各領域の範囲を示すための線であり、実際の画面上には表示されない。
【0032】
履歴表示領域SAは、履歴表示部11hにより履歴シンボル(後に詳述)が表示される領域であり、画面S1の左端に配置されている。原画像表示領域SBは、原画像表示部11aにより加工対象画像の斜視図が表示される領域であり、画面S1の上端に配置されている。加工領域SCは、操作シンボル表示部11cにより操作シンボルが表示される領域であり、原画像表示領域SBの下部に配置されている。加工結果表示領域SDは、加工結果表示部11fにより画像加工処理を行った後の画像の斜視図が表示される領域であり、加工領域SCの下部に配置されている。すなわち、加工領域SCは、原画像表示領域SBと加工結果表示領域SDとの間に配されている。加工シンボル表示領域SEは、加工シンボル表示部11bにより加工シンボルが表示される領域であり、画面S1の右端に配置されている。
【0033】
加工対象ファイルがユーザにより選択された直後においては、図4に示す通り、加工領域SCおよび加工結果表示領域SDには何も表示されない。他方、原画像表示領域SBには、原画像表示部11aにより加工対象画像の斜視図P1が表示される。加工対象画像の斜視図P1は、DRAM13に格納されている加工対象画像の斜視図である。履歴表示領域SAには、履歴表示部11hにより加工対象画像に基づく履歴シンボルH1(後に詳述)が表示される。加工シンボル表示領域SEには、加工シンボル表示部11bにより、画像加工部11eが実行可能な12種類の画像加工処理にそれぞれ対応する12個の加工シンボルT1〜T12が表示される。
【0034】
加工シンボルT1は、画像のカラーバランスを補正する色調補正処理に対応する。加工シンボルT2は、画像の周辺光量を補正する周辺光量補正処理に対応する。加工シンボルT3は、画像の明度、彩度および色相を補正するLCH補正処理に対応する。加工シンボルT5は、画像の階調を補正する階調補正処理に対応する。加工シンボルT6は、画像のノイズを低減するノイズ低減処理に対応する。加工シンボルT9は、画像の平滑化を行う平滑化処理に対応する。加工シンボルT11は、画像のホワイトバランスを補正するホワイトバランス補正処理に対応する。その他の加工シンボルT4,T7,T8,T10,T12も、それぞれ種々の画像加工処理に対応している。
【0035】
なお、図4およびこれ以降の図では、加工シンボルおよび履歴シンボルを、図2に示した各構成要素のうちアイコン22およびタイトル文字列23を省略して示す。実際の画面には、それぞれの加工シンボルおよび履歴シンボルに対して、図2のようにアイコン22およびタイトル文字列が表示される。
【0036】
加工シンボル表示部11bは、これら複数の加工シンボルT1〜T12を環状に配列して表示する。例えば図4に示すように、加工シンボルT1〜T12を立体的なドラム式に配列して表示する。加工シンボル表示部11bは更に、使用頻度が相対的に高い加工シンボルを画面S1の手前側に表示し、使用頻度が相対的に低い加工シンボルを画面S1の奥側に表示する。図4では、加工シンボルT1〜T6は他の加工シンボルに比べて使用頻度が高いため、画面S1の手前側に表示されている。ユーザは入力装置15による操作で、これらの加工シンボルT1〜T12の表示順序を入れ替えたり、あるいはドラムを回転させるかのようにこれらの加工シンボルT1〜T12の表示を回転させることが可能である。
【0037】
ユーザは図4に示した画面S1が表示された後、入力装置15により、複数の加工シンボルT1〜T12のうち1つの加工シンボルを選択する選択操作を行う。本実施形態では、選択操作は1つの加工シンボルを加工領域SCへドラッグアンドドロップする操作である。選択操作は、加工対象画像へ当該加工シンボルに対応する画像加工処理を実行するよう、画像処理装置1に対して指示する操作である。
【0038】
図5は、加工シンボルの選択操作を行ったときの表示画面を示す図である。例えば、図4に示した画面S1においてユーザが周辺光量補正処理に対応する加工シンボルT2の選択操作を行ったと仮定する。このとき、表示装置16の表示画面は図5(a)に示した画面S2に遷移する。画面S2と画面S1との違いは、加工領域SCに操作シンボルC11aが表示されていること、加工結果表示領域SDに画像加工処理の結果の斜視図P2が表示されていること、および、加工シンボル表示領域SEにおいて選択された加工シンボルT2が強調表示されていること、の3点である。
【0039】
入力装置15により加工シンボルT2を選択する選択操作が為されたことに応じて、まず加工シンボル表示部11bが、加工シンボルT2を強調表示する。本発明において加工シンボルの強調表示とは、当該加工シンボルを他の加工シンボルとは異なる様態で表示することを指す。本実施形態では、加工シンボルの強調表示とは当該加工シンボルを長方形で表示することを指す。次に操作シンボル表示部11cが、選択された加工シンボルT2に対応する操作シンボルC11aを、加工領域SCに二次元的に表示する。次に画像加工部11eが、加工シンボルT2に対応する画像加工処理を加工対象画像に対して実行し、加工結果画像を生成する。最後に加工結果表示部11fが、上記の加工結果画像の斜視図P2を表示する。
【0040】
画面S2が表示されているとき、ユーザは入力装置15を用いて、画面に表示された操作シンボルC11aを操作することができる。この操作に応じて、操作シンボル変更部11dは操作シンボルC11aの表示状態を変化させる。その結果、選択された加工シンボルT2に対応する画像加工処理の加工パラメータが変更される。
【0041】
図5(a)において操作シンボルC11aを操作した様子を図5(b)に示す。図5(b)に示す画面S3は、操作シンボルC11aを下方向に移動させ、操作シンボルC11bとした様子を示す図である。これにより、操作シンボルC11aに対応する加工パラメータが増加する。すなわち、周辺光量補正処理の補正量が、操作シンボルC11aの移動量および移動方向に応じて変化する。また、加工結果表示領域SDに表示されていた加工結果画像の斜視図は、加工パラメータの変化に応じた加工結果画像の斜視図に変化する。
【0042】
なお本実施形態では、操作シンボル変更部11dが周辺光量補正処理の操作シンボルC11aの表面に、加工対象画像と加工対象画像との差分を描画する。この差分の表示も、操作シンボルC11aの操作に応じて変化する。
【0043】
ユーザは操作シンボルC11aの操作による加工パラメータの変更が完了した後、入力装置15を用いて、画像加工処理を確定するための確定操作を行う。本実施形態における確定操作は、いずれか1つの操作シンボルを加工領域SCから履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップする操作である。例えば図5(b)において、ユーザが操作シンボルC11bを履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップすると、画像加工処理が確定する。
【0044】
図5(b)に示した画面S3において確定操作が行われると、まず画像加工部11eが、DRAM13に格納されている加工対象画像に、操作シンボルC11bの表示状態に基づく画像加工処理を実行する。この画像加工処理の種類は、選択中の加工シンボルT2により決定される。これにより、DRAM13に、以前の加工対象画像に画像加工処理を適用した新たな加工対象画像が記憶される。次に画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されていた加工対象画像の斜視図P1を、上記の新たな加工対象画像の斜視図に置き換える。次に履歴表示部11hが、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボル(後に詳述)を表示する。この履歴シンボルは、DRAM13内の新たな加工対象画像を表している。次に加工シンボル表示部11bが、選択されていた加工シンボルT2の強調表示を解除する。最後に、操作シンボル表示部11cが加工領域SCから全ての操作シンボルを消去すると共に、加工結果表示部11fが加工結果表示領域SDから加工結果画像の斜視図P3を消去する。
【0045】
図6は、確定操作を行った直後の表示画面を示す図である。図5(b)に示した画面S3において確定操作が行われると、表示装置16の表示画面は図6に示す画面S4に遷移する。画面S4と画面S3との違いは、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボルH4(後に詳述)が表示されていること、原画像表示領域SBに表示されていた加工対象画像の斜視図P1が新たな加工対象画像の斜視図P4に変化していること、加工領域SCから操作シンボルC11bが消去されていること、加工結果表示領域SDから加工結果画像の斜視図P2が消去されていること、および、加工シンボル表示領域SEにおいて加工シンボルT2の強調表示が解除されていること、の5点である。
【0046】
ユーザはこの後、以上において説明した加工シンボルの選択操作、操作シンボルの操作、および画像加工処理の確定操作を繰り返し実行することが可能である。加工パラメータの確定が実行される度に、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボル(後に詳述)が追加されていくと共に、原画像表示領域SBに表示される斜視図が変化していく。ユーザは履歴表示領域SAを視認することにより、これまでにどのような画像加工処理が実行されてきたかを容易に把握することができる。ユーザが入力装置15により画像加工の終了操作を行うと、制御回路11はDRAM13に格納されている加工対象画像のうち最新のものを含む画像ファイルをHDD14に格納する。
【0047】
(履歴シンボルの説明)
履歴シンボルとは、これまでに確定された画像加工処理とその結果とを表すシンボルである。ユーザが画像加工処理の確定操作を行う度に、履歴表示部11hにより新たな履歴シンボルが履歴表示領域SAに表示される。
【0048】
本実施形態では、履歴シンボルは図2に示した加工シンボルと同様の外観を備える。すなわち履歴シンボルは、代表図21と、アイコン22と、タイトル文字列23と、から構成される。アイコン22およびタイトル文字列23は、ユーザにより確定操作が行われた画像加工処理に対応する加工シンボルのアイコンおよびタイトル文字列そのものである。ユーザは履歴シンボルのアイコン22およびタイトル文字列を視認することにより、当該履歴シンボルがどのような画像加工処理により作成されたのかを容易に認識することができる。履歴シンボルの代表図21は、当該履歴シンボルに対応する画像加工処理により新たに作成された加工対象画像を、加工シンボルの代表図21の表示と同様に縮小することにより表示された斜視図である。ユーザは履歴シンボルの代表図21を視認することにより、当該履歴シンボルに対応する画像加工処理により、どのような加工対象画像が生成されたのかを容易に認識することができる。
【0049】
なお、始めに表示される履歴シンボルは、アイコン22およびタイトル文字列23を有しない。例えば、図4に示す履歴シンボルH1は、アイコン22およびタイトル文字列23を有さず、代表図21のみから構成される。
【0050】
(画像加工処理の具体例)
以下、画像加工部11eが実行可能な画像加工処理、ならびに、それらの画像加工処理に対応する操作シンボルについて、具体的に例を挙げて説明する。
【0051】
図7は、周辺光量補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。ユーザが周辺光量補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより1つの操作シンボルC12bが表示される。操作シンボルC12bはフィルタ状の形状を有する。図3(a)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、操作シンボルC12bを画面の上下方向へ移動させることができる。なお図7は、あたかも3つの操作シンボルC12a、C12b、C12cが画面に表示されるかのような図となっているが、これは説明の便宜のためであり、実際には同時に1つの操作シンボルのみが表示される。
【0052】
周辺光量補正処理の加工パラメータは、周辺光量の補正量を表す値である。操作シンボルC12bを上下させると、加工対象画像の斜視図P5の周辺部が、操作シンボルC12bの位置に応じた明るさとなる。例えば操作シンボルが符号C12aで示す位置に存在するとき、加工結果画像の周辺部は暗くなり、操作シンボルが符号12cで示す位置に存在するとき、逆に加工結果画像の周辺部は明るくなる。このとき操作シンボル上には、加工対象画像と加工結果画像との差分が描画される。例えば操作シンボルが符号C12aで示す位置に存在するとき、操作シンボルC12a上には周辺部が暗いイメージが描画され、操作シンボルが符号C12cで示す位置に存在するときには、周辺部が明るいイメージが描画される。
【0053】
図8は、色調補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。ユーザが色調補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより3つの操作シンボルC13,C14,C15が同時に表示される。操作シンボルC13,C14,C15はそれぞれフィルタ状の形状を有する。図3(a)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、これらの操作シンボルを画面の上下方向へ移動させることができる。
【0054】
色調補正処理の加工パラメータは3つ存在し、それぞれ赤、緑、青の色調の強弱を表す値である。操作シンボルC13,C14,C15はそれぞれ赤、緑、青の加工パラメータに対応する。ユーザはそれぞれの操作シンボルを上下させることにより3つの加工パラメータを個別に変更することができる。このとき操作シンボル変更部11dは、各操作シンボルを、加工パラメータの現在値に応じた彩度で画面上に描画する。また加工結果表示部11fは、加工対象画像の色調を操作シンボルC13,C14,C15が表す加工パラメータに基づいて調整した加工結果画像の斜視図P8を表示する。
【0055】
図9は、LCH(明度、彩度、色相)補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。図9(a)に示すように、ユーザがLCH補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより2つの操作シンボルC16a,C17aが同時に表示される。操作シンボルC16aはリング状の形状を有し、操作シンボル17aはメッシュ状(網状)の形状を有する。
【0056】
図3(b)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、操作シンボル16aを画面の上下方向へ移動させること、および、操作シンボル16aを画面の左右方向に回転させることができる。また、図3(c)および(d)を用いて説明したように、操作シンボル17aを変形させることができる。
【0057】
LCH補正処理の加工パラメータは3つ存在する。1つ目は色相の補正量を表す値であり、2つ目は彩度の補正量を表す値である。前者の加工パラメータは操作シンボルC16aの回転により値が増減し、後者の加工パラメータは操作シンボルC16aの上下方向の移動により値が増減する。3つ目の加工パラメータは、LCH補正処理の影響の強弱を表す値の二次元配列である。この加工パラメータは、LCH補正処理が適用される範囲を制御するために使用される。例えば図9(a)に示すように、操作シンボルC17aを特定の方向に傾けさせると、LCH補正処理は加工対象画像に対し、操作シンボルC17aの傾きに応じてグラデーション状に適用される。図9(a)では斜視図P10から、加工結果画像の右端がLCH補正処理の影響を最も強く受けていることがわかる。また、図9(b)に示すように、操作シンボルC17aの中央部を下方向に引っ張ると、加工結果画像の中央がLCH補正処理の影響を最も強く受けるようになる。
【0058】
図10は、階調補正処理を説明するための図である。ユーザが階調補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、表示画面には図10(a)に示すように、2つの操作シンボルC18,C19が同時に表示される。操作シンボルC18については後に述べる。操作シンボルC19は加工結果画像のヒストグラムを表すシンボルであり、グラフC11R,C11G,C11Bがそれぞれ赤、緑、青の各成分のヒストグラムとなっている。操作シンボルC19は他の操作シンボルとは異なる例外的な操作シンボルであり、ユーザが操作することはできない。
【0059】
操作シンボルC18は操作シンボルC19と同様のヒストグラムが三次元的に表示されるシンボルである。具体的には、操作シンボル表示部11cは、図10(a)に示した矢印Xの方向を加工結果画像の各色成分の階調、矢印Yの方向を各色成分の数量として、操作シンボルC18の表面上にヒストグラムを描画する。グラフC10R,C10G,C10Bがそれぞれ赤、緑、青の各成分のヒストグラムとなっている。矢印Zの方向は、各色成分のガンマ値を表している。図10(b)に、操作シンボルC18の表面の様子を示す。図10(a)において、グラフC10Rは図10(b)に示す直線102の上、グラフC10Bは直線103の上、グラフC10Gは曲線101の上にそれぞれ描画されている。曲線101は緑成分のガンマ曲線を、直線102は赤成分のガンマ曲線を、直線103は青成分のガンマ曲線をそれぞれ表している。
【0060】
つまり、操作シンボル表示部11cは、操作シンボルC18を三次元ヒストグラムとして加工領域SCに二次元的に表示することにより、操作シンボルC19のような公知のヒストグラムと、図10(b)に示す公知のガンマ曲線とを同時に視認可能にする。
【0061】
操作シンボルC18の下端には、黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbと、灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgと、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwと、が描画される。ユーザは入力装置15を用いて、これらのスライダーを操作シンボルC18の左端から右端までの任意の位置に移動させることができる。
【0062】
黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のシャドー値を表す。同様に、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のハイライト値を表す。灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のガンマ値を表す。
【0063】
階調補正処理の加工パラメータは9つ存在し、それぞれが黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbと、灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgと、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwと、に対応している。すなわち、階調補正処理の加工パラメータとは、赤、緑、青成分のシャドー値と、赤、緑、青成分のハイライト値と、赤、緑、青成分のガンマ値である。ユーザはそれぞれのスライダーを左右に移動させることによりこれらの加工パラメータを個別に変更することができる。このとき操作シンボル変更部11dは、各スライダーを加工パラメータの現在値に応じた位置に描画すると共に、ヒストグラムC10R,C10G,C10Bを加工パラメータの現在値に応じた形状で描画する。また加工結果表示部11fは、加工対象画像を操作シンボルC18が表す加工パラメータに基づいてレベル調整した加工結果画像の斜視図P12を表示する。
【0064】
これら以外の画像加工処理についても、上述の各操作シンボルからそれぞれの画像加工処理の加工パラメータに適した操作シンボルを選択すればよい。また、上述の各操作シンボルとは異なる操作シンボルを用意してもよいし、上述の各操作シンボルと同様の外観を備えるが異なる操作に対応した操作シンボルを用意してもよい。
【0065】
(画像加工の処理の流れの説明)
図11は、 画像処理装置1を用いて画像加工を行う際に画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。この処理は、制御回路11がフラッシュメモリ12に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。まずステップS100では、制御回路11が後述する初期処理を実行する。この初期処理により、表示装置16には図4に示す画面S1が表示される。ステップS110では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる終了操作が入力されたか否かを判定する。終了操作が入力された場合には肯定判定がなされ、ステップS200に進む。ステップS200では、制御回路11がDRAM13に記憶されている最新の加工対象画像をHDD14に書き込み、本処理を終了する。他方、ステップS110において否定判定がなされた場合にはステップS120に進む。
【0066】
ステップS120では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる加工シンボルの選択操作が入力されたか否かを判定する。選択操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS110に戻る。他方、加工シンボルの選択操作が入力されていた場合にはステップS130に進む。ステップS130では、制御回路11が後述する選択処理を実行する。この選択操作により、表示装置16には例えば図5(a)に示す画面S2が表示される。
【0067】
ステップS140では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる操作シンボルへの操作が入力されたか否かを判定する。操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS180に進む。他方、操作シンボルへの操作が入力されていた場合にはステップS150に進む。
【0068】
ステップS150では、操作シンボル変更部11dが画面に表示されている操作シンボルの表示状態を、入力された操作に応じて変更する。すなわち、画像加工処理の加工パラメータを変更する。ステップS160では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、加工結果画像を作成する。ステップS170では、加工結果表示部11fがステップS160で作成された加工結果画像の斜視図を表示する。
【0069】
ステップS180では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる画像加工処理の確定操作が入力されたか否かを判定する。確定操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS140に戻る。他方、確定操作が入力されていた場合にはステップS190に進む。ステップS190では、制御回路11が後述する確定処理を実行し、ステップS110に戻る。これにより、表示装置16には例えば図6に示す画面S4が表示される。
【0070】
図12は、図11に示す処理から呼び出される初期処理を示すフローチャートである。まずステップS210では、制御回路11が表示装置16の表示画面に、HDD14に格納されている画像ファイルの一覧を表示する。ステップS220では、制御回路11が、入力装置15から入力されるユーザによる画像ファイルを選択する操作を受け付ける。この操作により加工対象ファイルが決定される。ステップS230では、原画像表示部11aが、加工対象画像の斜視図を原画像表示領域SBに表示する。ステップS240では、加工シンボル表示部11bが加工シンボル表示領域SEに複数の加工シンボルを表示する。ステップS250では、履歴表示部11hが履歴表示領域SAに加工対象画像に対応する履歴シンボルを表示する(例えば、図4に示す履歴シンボルH1)。
【0071】
図13は、図11に示す処理から呼び出される選択処理を示すフローチャートである。まずステップS310では、図5(a)に示すように、加工シンボル表示部11bが選択された加工シンボルを強調表示する。ステップS320では、操作シンボル表示部11cが選択された加工シンボルに対応する操作シンボルを加工領域SCに表示する。ステップS330では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、加工結果画像を作成する。ステップS340では、加工結果表示部11fがステップS330で作成された加工結果画像の斜視図を表示する。
【0072】
図14は、図11に示す処理から呼び出される確定処理を示すフローチャートである。まずステップS410では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、新たな加工対象画像をDRAM13に生成する。ステップS420では、履歴表示部11hがステップS410で作成された加工対象画像に基づいて、新たな履歴シンボルを履歴表示領域SAに表示する。ステップS430では、加工シンボル表示部11bが、加工シンボルの強調表示を解除する。ステップS440では、操作シンボル表示部11cが、加工領域SCに表示されていた操作シンボルを画面から消去する。ステップS450では、加工結果表示部11fが、加工結果表示領域SDに表示されていた加工結果画像の斜視図を画面から消去する。ステップS460では、画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されている加工対象画像の斜視図を更新する。すなわち、これまで表示されていた加工対象画像の斜視図を、ステップS410で作成された新たな加工対象画像の斜視図に置き換える。
【0073】
上述した第1の実施の形態による画像処理装置によれば、次の作用効果が得られる。
(1)表示装置16の表示画面には、原画像表示領域SBと、加工結果表示領域SDと、これら2領域の間に配された加工領域SCとが設けられる。原画像表示部11aは、加工対象画像の斜視図を原画像表示領域SBに表示する。操作シンボル表示部11cは、入力装置15により複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを加工領域SCに表示する。入力装置により操作シンボルに操作が為されると、操作シンボル変更部11dは操作シンボルの表示状態を変更する。そして、画像加工部11eは操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を加工対象画像に対して実行して加工結果画像を作成し、加工結果表示部11fは加工結果表示領域SDに加工結果画像の斜視図を表示する。このようにしたので、画像加工の過程を感覚的、視覚的に理解しつつ画像加工を行うことができる。
【0074】
(2)操作シンボル表示部11cは、三次元形状を有する操作シンボルを表示する。このようにしたので、二次元形状のみを有する操作シンボルでは成し得ない直感的な操作感が得られる。
【0075】
(3)制御回路11は、複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを加工領域SCへドラッグアンドドロップする操作を選択操作として受け付ける。このようにしたので、加工シンボルへの操作と操作シンボルへの操作とを連続的に行うことができ、より直感的な操作感が得られる。
【0076】
(4)画像加工処理を確定させる確定操作が入力装置15により為されると、画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されている加工対象画像の斜視図を加工結果画像の斜視図に置き換えると共に、履歴表示部11hが、加工結果画像を表す履歴シンボルを履歴表示領域SAに表示する。このようにしたので、どのような画像加工処理が実行されてきたかを容易に把握することができる。
【0077】
(5)制御回路11は、操作シンボルを履歴表示領域SAへドラッグアンドドロップする操作を確定操作として受け付ける。このようにしたので、これまでに操作されていた操作シンボルが表す画像加工処理と履歴シンボルとの結び付きを容易に把握することができ、より直感的な操作感が得られる。
【0078】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0079】
(変形例1)
履歴表示部11hが、複数の履歴シンボルの代わりに、対応する履歴グループシンボルを履歴表示領域SAに表示するようにしてもよい。履歴グループシンボルとは、複数の履歴シンボルを表す単一のシンボルであり、例えば当該複数の履歴シンボルを代表するいずれか1つの履歴シンボルと同一の外観を備える。あるいは、当該複数の履歴シンボルを重ねた新たなアイコンを作成し、これを履歴グループシンボルとしてもよい。
【0080】
例えば、同一の画像加工処理が連続して実行された場合に、それらの画像加工処理に対応する複数の履歴シンボルを全て表示するのではなく、履歴グループシンボルを1つだけ表示するようにすることが考えられる。あるいは、ユーザによる操作で、任意の履歴シンボルをまとめて1つの履歴グループシンボルとすることができるようにしてもよい。
【0081】
(変形例2)
加工シンボル表示部11bによる加工シンボルの表示は、図2に示した態様に限定されない。例えば代表図21、アイコン22、タイトル文字列23のいずれか1つのみが表示されるようにしてもよいし、更に追加の構成要素が存在してもよい。また、複数の加工シンボルの表示形態は、図4に示した表示形態に限定されない。例えば、図4とは異なる方式で各加工シンボルを環状に配置してもよいし、あるいは従来のいわゆるツールパレットのように各加工シンボルをタイル状に配置してもよい。
【0082】
(変形例3)
加工シンボルの選択操作が行われたとき、すなわち加工シンボルが加工領域SCにドラッグアンドドロップされたとき、加工シンボルが操作シンボルに変形するアニメーションを表示してもよい。これにより、加工シンボルの選択操作と操作シンボルの表示との結び付きが視覚的に把握しやすくなる。同様に、確定操作が行われたとき、すなわち操作シンボルが履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップされたとき、操作シンボルが履歴シンボルに変形するアニメーションを表示してもよい。
【0083】
(変形例4)
加工結果表示領域SDに表示される画像を、入力装置15を用いた操作により回転可能にしてもよい。この場合、確定操作に応じて生成される新たな加工対象画像は、回転後の画像となる。その他、画像の上下反転や左右反転などを行えるようにしてもよい。
【0084】
(変形例5)
履歴シンボルに対して入力装置15で所定の操作(例えばマウスボタンのクリック操作など)を行うことにより、対応する加工対象画像が表示画面上に拡大して表示されるようにしてもよい。このときの画像は、斜視図ではなく通常の二次元画像として表示される。また、加工対象画像の斜視図や加工結果画像の斜視図に対して同様の操作を行えるようにしてもよい。
【0085】
(変形例6)
複数の操作シンボルが表示される画像加工処理において、操作シンボル表示部11cにいずれか1つの操作シンボルのみを表示するよう指定可能にしてもよい。例えば図8に示した色調補正処理において、3つの操作シンボルC13,C14,C15のうちいずれか1つの操作シンボルのみを表示することができるようにしてもよい。この場合、いずれか1つの色のみについて色調補正処理を実行することになる。
【0086】
(変形例7)
各画像加工処理において、加工対象画像の一部にのみ画像加工処理を適用する指定が可能としてもよい。例えば図8において、加工対象画像の斜視図P7上で矩形領域を選択すると、その矩形領域が表す範囲に対してのみ色調補正処理が適用されるようにしてもよい。
【0087】
(変形例8)
複数の画像加工処理を自動的に適用することが可能である構成としてもよい。例えば、ユーザが入力装置15から所定の操作を入力すると、画像解析の結果に基づいて、色調補正処理や階調補正処理などが順に自動的に適用されるようにしてもよい。この場合、あたかもユーザが入力装置15で個々の加工シンボルや操作シンボルを操作しているかのように画面表示が行われる。例えば、色調補正処理に対応する加工シンボルが加工シンボル表示領域SEから加工領域SCに移動するアニメーションが表示されたり、操作シンボルが自動的に上下したりする。
【0088】
(変形例9)
履歴シンボルに対して所定の操作を行うことにより、当該履歴シンボルに対応する加工対象画像から画像加工を再開できるようにしてもよい。例えば、履歴シンボルが履歴表示領域SAに上から4つ表示されているときに、上から2つ目の履歴シンボルに対して所定の操作を行うことにより、当該履歴シンボルに対応する加工画像画像から画像加工を再開できるようにしてもよい。この場合、3つ目の履歴シンボルと4つ目の履歴シンボルは消去される。
【0089】
(変形例10)
原画像表示領域SBは画面の上部以外の場所に配置してもよい。例えば、画面の下部に配置してもよいし、画面の左端や右端に配置してもよい。この場合、加工結果表示領域SDは原画像表示領域SBの反対側に配置され、加工領域SCは原画像表示領域SBと加工結果表示領域SDとの間に配置される。
【0090】
(変形例11)
履歴表示領域SAが画面に存在しなくてもよい。この場合、履歴表示部11hは不要となる。あるいは、履歴表示領域SAをユーザの操作などにより、一時的に非表示にすることが可能な構成としてもよい。また、履歴表示領域SAを図4に示した位置以外の位置に表示するようにしてもよいし、履歴シンボルが縦方向ではなく横方向に並んで表示されるようにしてもよい。
【0091】
(変形例12)
加工シンボル表示領域SEが所定条件により一時的に画面に表示されなくなるようにしてもよい。例えば、加工シンボルの選択後に加工シンボル表示領域SEが非表示となり、確定操作後に再度表示されるようにしてもよい。また、加工シンボル表示領域SEは画面のどの位置に配置してもよい。
【0092】
(変形例13)
画像加工処理の種類は上述の説明で挙げたものに限定されない。また、操作シンボルの形状や操作シンボルに対して行うことができる操作についても、上述した形状および操作と異なっていてよい。
【0093】
(変形例14)
加工シンボルの選択操作後、操作シンボルの表示状態が自動的に徐々に変化していくようにしてもよい。例えば、周辺光量補正処理を選択した後、図7に示す操作シンボルC12aが自動的に加工領域SCの最上部から最下部へ移動していくようにしてもよい。
【0094】
(変形例15)
加工シンボルの選択操作は、第1の実施の形態で説明した操作に限定されない。例えば、加工シンボルをマウスによりクリックする操作を選択操作であるとしてもよいし、加工シンボルをタッチパネルによりタッチする操作を選択操作であるとしてもよい。また、画像加工処理の確定操作についても、第1の実施の形態で説明した操作に限定されない。例えば、キーボードの所定のキーを押下する操作を確定操作であるとしてもよいし、操作シンボルをマウスによりダブルクリックする操作を確定操作であるとしてもよい。すなわち、選択操作および確定操作が、各種の入力装置によるどのような操作であるとしてもよい。
【0095】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 画像処理装置
11 制御回路
14 HDD
15 入力装置
16 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置により撮像した画像データに対し、レタッチや加工を行う画像処理プログラムが知られている。このような画像処理プログラムは、表示装置に加工対象の画像と画像加工のためのシンボルとを表示することが多い。ユーザは例えばマウスなどのポインティングデバイスにより上記のシンボルを操作し、色調補正などの画像加工を行う。例えば特許文献1には、画像修正を行うためのコンピュータシステムが記載されている。このコンピュータシステムでは、例えば色調補正を行う場合、「赤」、「緑」、「青」のそれぞれを調整するためのシンボルであるスライダーバーを表示する(図20)。作業者はこのスライダーバーを操作することにより、入力画像データのカラーバランスをそれぞれ調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−267259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、従来の画像処理プログラムでは、画像加工の調整を画面に表示されるスライダーなどの二次元のシンボルを操作することにより行っていた。このような二次元的な操作体系では、自由度や視覚的体感度が制限されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、第1領域と、第2領域と、第1領域と第2領域との間に配された第3領域と、が設けられた表示画面上の第1領域に、記憶装置に記憶されている第1画像の斜視図を表示する原画像表示工程と、複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを表示画面へ表示する加工シンボル表示工程と、入力装置により複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを、第3領域に二次元的に表示する操作シンボル表示工程と、入力装置により操作シンボルに為される操作に応じて、操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更工程と、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を第1画像に対して実行して第2画像を作成する画像加工工程と、第2領域に第2画像の斜視図を表示する加工結果表示工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像加工の過程を感覚的、視覚的に理解しつつ画像加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】加工シンボルを示す図である。
【図3】種々の操作シンボルを例示する図である。
【図4】加工対象ファイルが選択された直後の表示装置16の表示画面を示す図である。
【図5】加工シンボルの選択操作を行ったときの表示画面を示す図である。
【図6】確定操作を行った直後の表示画面を示す図である。
【図7】周辺光量補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図8】色調補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図9】LCH(明度、彩度、色相)補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。
【図10】階調補正処理を説明するための図である。
【図11】画像処理装置1を用いて画像加工を行う際に画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。
【図12】図11に示す処理から呼び出される初期処理を示すフローチャートである。
【図13】図11に示す処理から呼び出される選択処理を示すフローチャートである。
【図14】図11に示す処理から呼び出される確定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における画像処理装置の回路構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、所定の記憶媒体に記憶された画像データに対してレタッチや加工(以下、画像加工と呼ぶ)を行うための装置である。図1に示す画像処理装置1は、マウスやタッチパネルなどの入力装置15と、液晶モニタなどの表示装置16とを備えている。ユーザが入力装置15に対して操作を行うと、画像処理装置1は表示装置16に表示されている画像に対して当該操作に応じた所定の画像加工処理(後に詳述する)を実行する。
【0009】
なお、以下の説明では、入力装置15がマウスである場合について説明を行う。マウス以外の入力装置を利用する場合には、マウスによる操作を適宜その入力装置に適した操作に置き換えればよい。
【0010】
画像処理装置1は、CPUとその周辺回路とを含む制御回路11を備える。制御回路11には、不揮発性の記憶媒体であるフラッシュメモリ12と、主記憶装置であるDRAM13と、大容量の固定記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)14と、が接続されている。
【0011】
フラッシュメモリ12には、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路11は、フラッシュメモリ12に格納されている所定の制御プログラムを読み込んで実行することにより、画像処理装置1を構成する各部の制御処理と、後述する画像加工処理とを行う。この制御プログラムは、上記の各処理を実行する際、DRAM13を作業用の記憶領域として用いる。HDD14には、上記の画像加工処理の対象となる画像ファイルが少なくとも1つ格納されている。本実施形態において、HDD14に格納されている画像ファイルは、画像データを1つだけ含んでいる。
【0012】
制御回路11は、後述する画像加工処理を実行するために、原画像表示部11a、加工シンボル表示部11b、操作シンボル表示部11c、操作シンボル変更部11d、画像加工部11e、加工結果表示部11f、画像置換部11g、および履歴表示部11hを備える。これらの各機能部は、制御回路11がフラッシュメモリ12に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0013】
原画像表示部11aは、HDD14に記憶されている画像の斜視図を表示画面に表示する。加工シンボル表示部11bは、後述する加工シンボルを表示画面へ表示する。操作シンボル表示部11cは、後述する操作シンボルを表示画面に二次元的に表示する。操作シンボル変更部11dは、入力装置15により操作シンボルに為される操作に応じて、操作シンボルの表示状態を変更する。
【0014】
画像加工部11eは、操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を画像加工の対象となっている画像に対して実行し、新たな画像を生成する。加工結果表示部11fは、画像加工部11eにより生成された新たな画像の斜視図を表示画面に表示する。画像置換部11gは、入力装置15により為された画像加工処理を確定させる確定操作(後に詳述)に応じて、原画像表示部11aにより表示画面に表示された斜視図を画像加工部11eにより生成された新たな画像の斜視図に置き換える。履歴表示部11hは、確定操作(後に詳述)に応じて、画像加工部11eにより生成された新たな画像を表す履歴シンボル(後に詳述)を表示画面に表示する。
【0015】
(画像加工処理の説明)
画像加工部11eは、DRAM13に格納されている画像に対して、複数種類の所定の画像加工処理を実行可能に構成される。画像加工処理とは、例えば色調補正処理、周辺光量補正処理(ヴィネットコントロールとも称する)、LCH(明度、彩度、色相)補正処理、ノイズ軽減処理など、画像に対して変更を加える公知の画像処理である。
【0016】
各々の画像加工処理は、それぞれ1つ以上の加工パラメータを有する。加工パラメータとは、画像加工処理の強弱や影響範囲などを調整するためのパラメータである。例えば色調補正処理は、三原色(赤、緑、青)のそれぞれについて色調の強弱を表す3つの加工パラメータを有する。これらの各々の加工パラメータは、例えば−100から+100までの数値である。赤に対応する加工パラメータを小さくすればするほど、画像データ全体の赤成分が弱められる。当該加工パラメータを逆に大きくすると、赤成分は強められる。また周辺光量補正処理は、周辺光量の補正量を表す1つの加工パラメータを有する。この補正量は、例えば−100から+100までの数値である。補正量を小さくすればするほど画像データの周辺光量が少なくなり、逆に大きくすると周辺光量は多くなる。
【0017】
本実施形態では、画像加工部11eは12種類の画像加工処理を実行することが可能に構成されている。なお、これら12種類の画像加工処理は全て公知の技術による画像加工処理であるので、具体的な処理内容については説明を省略する。
【0018】
(画像加工の概略の説明)
以下、本実施形態に係る画像処理装置1を用いた画像加工の概略を述べる。ユーザは画像加工を開始する際、HDD14に格納されている複数の画像ファイルから、画像加工の対象となる画像ファイルを1つ選択する。なお以下の説明では、ユーザにより選択された画像加工の対象となる画像ファイルを加工対象ファイルと呼ぶ。また、加工対象ファイルに含まれる画像を、加工対象画像と呼ぶ。
【0019】
ユーザは画像ファイルを選択した後、加工対象画像に加えたい画像加工処理の種類を選択する。画像加工処理の種類の選択は、加工シンボル表示部11bにより画面に表示された複数の加工シンボル(後に詳述)から、いずれか1つの加工シンボルを選択することにより行われる。各々の加工シンボルはそれぞれ異なる画像加工処理に対応している。加工シンボルの選択に応じて、画面には操作シンボル(後に詳述)が表示される。ユーザはこの操作シンボルを操作することにより、当該画像加工処理の加工パラメータを調整する。ユーザはその後、後述する確定操作を行うことにより、画像加工処理を確定する。確定操作が行われると、画像加工部11eにより加工対象画像に画像加工処理が実行され、新たな加工対象画像が生成される。
【0020】
ユーザは、このようにして生成された新たな加工対象画像に対して、更に加工シンボルの選択から確定操作までの一連の操作を繰り返すことが可能である。加工対象画像がユーザの望み通りの内容になった時点で、ユーザは所定の終了操作を行う。終了操作は、例えば画面に表示されている終了ボタンを押下するなどの操作である。ユーザによる終了操作に応じて、制御回路11は最新の加工対象画像を含む画像ファイルを作成し、この画像ファイルをHDD14に格納する。
【0021】
(加工シンボルの説明)
加工シンボルとは、画像加工部11eが実行可能な各々の画像加工処理を表すシンボルである。1つの加工シンボルが、1つの画像加工処理に対応している。加工シンボル表示部11bは、画像加工部11eが実行可能な画像加工処理の各々に対応する加工シンボルを表示装置16の表示画面に表示する。ユーザは入力装置15を用いて画面に表示された複数の加工シンボルからいずれか1つを選択することにより、加工対象画像に適用する画像加工処理を選択する。
【0022】
本実施形態では、画像加工部11eは全部で12種類の画像加工処理を実行可能なので、加工シンボル表示部11bは12種類の加工シンボルを表示する。
【0023】
図2は、加工シンボルを示す図である。加工シンボル20は、代表図21と、アイコン22と、タイトル文字列23と、から構成される。代表図21は、加工シンボル20に対応する画像加工処理を端的に示す画像の斜視図である。加工シンボル表示部11bは、本実施形態における代表図21を、次のようにして表示する。まず、加工対象画像に対して、加工シンボル20に対応する画像加工処理を、所定の加工パラメータに基づいて適用する。次に、画像加工処理を適用した加工対象画像を所定のサイズに縮小する。最後に、縮小した加工対象画像の斜視図を代表図21として表示する。アイコン22は加工シンボル20に対応する所定のアイコンであり、タイトル文字列23は加工シンボル20の名称を表す文字列である。アイコン22およびタイトル文字列23は、加工シンボル20に対応する画像加工処理をユーザに連想させる内容であることが望ましい。
【0024】
(操作シンボルの説明)
操作シンボルとは、画像加工処理の加工パラメータを調整するためのシンボルである。1つの操作シンボルが、1つ以上の加工パラメータに対応している。前述の通り、各々の画像加工処理は1つ以上の加工パラメータを有するので、1つの画像加工処理には1つ以上の所定の操作シンボルが関連付けられていることになる。
【0025】
ユーザが入力装置15を用いて加工シンボルを選択すると、操作シンボル表示部11cは選択された加工シンボルに対応する1つ以上の操作シンボルを、表示装置16の表示画面に表示する。例えば2つの加工パラメータを有する画像加工処理が選択されると、操作シンボル表示部11cは各々の加工パラメータに対応する1つもしくは2つの操作シンボルを表示する。
【0026】
図3は、種々の操作シンボルを例示する図である。各々の操作シンボルは、例えばフィルタ状(板状)やリング状といった、加工パラメータの種類に応じた三次元形状を有する。ユーザは入力装置15を用いて画面に表示された操作シンボルを操作することができる。操作シンボル変更部11dはこの操作に応じて、当該操作シンボルの表示状態を変更する。画像加工部11eは、操作シンボルの表示状態から画像加工処理の加工パラメータを決定し、当該加工パラメータに基づく画像加工処理を実行する。つまり、ユーザは操作シンボルを操作することにより、加工パラメータを調整することができる。
【0027】
図3(a)に示した操作シンボルC1は、フィルタ状の形状を備える。ユーザはこの操作シンボルC1を、画面の上下方向に平行移動させることができる。すなわち、操作シンボルC1における表示状態とは、操作シンボルC1の上下方向の表示位置である。この操作により、対応する加工パラメータが増減する。例えば操作シンボルC1が、−100から+100までの値を採る加工パラメータに対応する場合、ユーザは操作シンボルC1を画面の上方向に移動させることにより、加工パラメータを減少させることができる。同様に、操作シンボルC1を画面の下方向に移動させれば、加工パラメータを増加させることができる。
【0028】
図3(b)に示した操作シンボルC2は、リング状の形状を備える。この操作シンボルC2は2つの加工パラメータに対応する。ユーザはこの操作シンボルC2に対し、左右方向に回転させる操作と、上下方向に平行移動させる操作と、の2種類の操作を行うことができる。すなわち、操作シンボルC2における表示状態とは、操作シンボルC2の左右方向の回転位置、および、操作シンボルC2の上下方向の表示位置である。例えば操作シンボルC2を回転させた場合には、1つ目の加工パラメータが変化し、上下方向に移動させた場合には、2つ目の加工パラメータが変化する。
【0029】
図3(c)および(d)に示した操作シンボルC3は、メッシュ状の形状を備える。この操作シンボルC3は、例えば各々が−100から+100までの値を採る二次元配列の加工パラメータに対応する。ユーザはこの操作シンボルC3に対し、任意の変形操作を行うことができる。例えば操作シンボルC3の四隅の角を下方向に引っ張る操作や、任意の点を上方向に引っ張る操作、全体の傾きを変更する操作などを行うことができる。すなわち、操作シンボルC3における表示状態とは、操作シンボルC3の表示形状である。操作シンボルC3の表面の高低が加工パラメータの二次元配列中の各値に対応しており、操作シンボルC3の形状を変更する度に対応する加工パラメータが変化する。
【0030】
(画像加工の具体的な処理内容の説明)
画像加工を開始する際、制御回路11はまずHDD14に格納されている画像ファイルの一覧を表示装置16へ表示する。この一覧は、例えば画像ファイルの名前の一覧や、画像ファイルに含まれる画像を縮小して作成されたサムネイル画像の一覧など、ユーザが各画像ファイルを識別できるものであればどのようなものであってもよい。ユーザは入力装置15を用いて、それらの画像ファイルから画像加工の対象となる画像ファイルを1つ選択する。制御回路11はこの選択の操作が入力されたことに応じて、選択された画像ファイル(加工対象ファイル)から画像(加工対象画像)を読み出し、DRAM13に格納する。
【0031】
図4は、加工対象ファイルが選択された直後の表示装置16の表示画面を示す図である。加工対象ファイルがユーザにより選択された直後、表示装置16には図2に示す画面S1が表示される。画面S1は、履歴表示領域SA,原画像表示領域SB,加工領域SC,加工結果表示領域SD,および加工シンボル表示領域SEを含む。これらの各領域は互いに重なり合っていてもよいし、離れていてもよい。例えば図2に示す画面S1では、加工シンボル表示領域SEが原画像表示領域SBおよび加工領域SCと重なり合っている。なお、図4中の一点鎖線は各領域の範囲を示すための線であり、実際の画面上には表示されない。
【0032】
履歴表示領域SAは、履歴表示部11hにより履歴シンボル(後に詳述)が表示される領域であり、画面S1の左端に配置されている。原画像表示領域SBは、原画像表示部11aにより加工対象画像の斜視図が表示される領域であり、画面S1の上端に配置されている。加工領域SCは、操作シンボル表示部11cにより操作シンボルが表示される領域であり、原画像表示領域SBの下部に配置されている。加工結果表示領域SDは、加工結果表示部11fにより画像加工処理を行った後の画像の斜視図が表示される領域であり、加工領域SCの下部に配置されている。すなわち、加工領域SCは、原画像表示領域SBと加工結果表示領域SDとの間に配されている。加工シンボル表示領域SEは、加工シンボル表示部11bにより加工シンボルが表示される領域であり、画面S1の右端に配置されている。
【0033】
加工対象ファイルがユーザにより選択された直後においては、図4に示す通り、加工領域SCおよび加工結果表示領域SDには何も表示されない。他方、原画像表示領域SBには、原画像表示部11aにより加工対象画像の斜視図P1が表示される。加工対象画像の斜視図P1は、DRAM13に格納されている加工対象画像の斜視図である。履歴表示領域SAには、履歴表示部11hにより加工対象画像に基づく履歴シンボルH1(後に詳述)が表示される。加工シンボル表示領域SEには、加工シンボル表示部11bにより、画像加工部11eが実行可能な12種類の画像加工処理にそれぞれ対応する12個の加工シンボルT1〜T12が表示される。
【0034】
加工シンボルT1は、画像のカラーバランスを補正する色調補正処理に対応する。加工シンボルT2は、画像の周辺光量を補正する周辺光量補正処理に対応する。加工シンボルT3は、画像の明度、彩度および色相を補正するLCH補正処理に対応する。加工シンボルT5は、画像の階調を補正する階調補正処理に対応する。加工シンボルT6は、画像のノイズを低減するノイズ低減処理に対応する。加工シンボルT9は、画像の平滑化を行う平滑化処理に対応する。加工シンボルT11は、画像のホワイトバランスを補正するホワイトバランス補正処理に対応する。その他の加工シンボルT4,T7,T8,T10,T12も、それぞれ種々の画像加工処理に対応している。
【0035】
なお、図4およびこれ以降の図では、加工シンボルおよび履歴シンボルを、図2に示した各構成要素のうちアイコン22およびタイトル文字列23を省略して示す。実際の画面には、それぞれの加工シンボルおよび履歴シンボルに対して、図2のようにアイコン22およびタイトル文字列が表示される。
【0036】
加工シンボル表示部11bは、これら複数の加工シンボルT1〜T12を環状に配列して表示する。例えば図4に示すように、加工シンボルT1〜T12を立体的なドラム式に配列して表示する。加工シンボル表示部11bは更に、使用頻度が相対的に高い加工シンボルを画面S1の手前側に表示し、使用頻度が相対的に低い加工シンボルを画面S1の奥側に表示する。図4では、加工シンボルT1〜T6は他の加工シンボルに比べて使用頻度が高いため、画面S1の手前側に表示されている。ユーザは入力装置15による操作で、これらの加工シンボルT1〜T12の表示順序を入れ替えたり、あるいはドラムを回転させるかのようにこれらの加工シンボルT1〜T12の表示を回転させることが可能である。
【0037】
ユーザは図4に示した画面S1が表示された後、入力装置15により、複数の加工シンボルT1〜T12のうち1つの加工シンボルを選択する選択操作を行う。本実施形態では、選択操作は1つの加工シンボルを加工領域SCへドラッグアンドドロップする操作である。選択操作は、加工対象画像へ当該加工シンボルに対応する画像加工処理を実行するよう、画像処理装置1に対して指示する操作である。
【0038】
図5は、加工シンボルの選択操作を行ったときの表示画面を示す図である。例えば、図4に示した画面S1においてユーザが周辺光量補正処理に対応する加工シンボルT2の選択操作を行ったと仮定する。このとき、表示装置16の表示画面は図5(a)に示した画面S2に遷移する。画面S2と画面S1との違いは、加工領域SCに操作シンボルC11aが表示されていること、加工結果表示領域SDに画像加工処理の結果の斜視図P2が表示されていること、および、加工シンボル表示領域SEにおいて選択された加工シンボルT2が強調表示されていること、の3点である。
【0039】
入力装置15により加工シンボルT2を選択する選択操作が為されたことに応じて、まず加工シンボル表示部11bが、加工シンボルT2を強調表示する。本発明において加工シンボルの強調表示とは、当該加工シンボルを他の加工シンボルとは異なる様態で表示することを指す。本実施形態では、加工シンボルの強調表示とは当該加工シンボルを長方形で表示することを指す。次に操作シンボル表示部11cが、選択された加工シンボルT2に対応する操作シンボルC11aを、加工領域SCに二次元的に表示する。次に画像加工部11eが、加工シンボルT2に対応する画像加工処理を加工対象画像に対して実行し、加工結果画像を生成する。最後に加工結果表示部11fが、上記の加工結果画像の斜視図P2を表示する。
【0040】
画面S2が表示されているとき、ユーザは入力装置15を用いて、画面に表示された操作シンボルC11aを操作することができる。この操作に応じて、操作シンボル変更部11dは操作シンボルC11aの表示状態を変化させる。その結果、選択された加工シンボルT2に対応する画像加工処理の加工パラメータが変更される。
【0041】
図5(a)において操作シンボルC11aを操作した様子を図5(b)に示す。図5(b)に示す画面S3は、操作シンボルC11aを下方向に移動させ、操作シンボルC11bとした様子を示す図である。これにより、操作シンボルC11aに対応する加工パラメータが増加する。すなわち、周辺光量補正処理の補正量が、操作シンボルC11aの移動量および移動方向に応じて変化する。また、加工結果表示領域SDに表示されていた加工結果画像の斜視図は、加工パラメータの変化に応じた加工結果画像の斜視図に変化する。
【0042】
なお本実施形態では、操作シンボル変更部11dが周辺光量補正処理の操作シンボルC11aの表面に、加工対象画像と加工対象画像との差分を描画する。この差分の表示も、操作シンボルC11aの操作に応じて変化する。
【0043】
ユーザは操作シンボルC11aの操作による加工パラメータの変更が完了した後、入力装置15を用いて、画像加工処理を確定するための確定操作を行う。本実施形態における確定操作は、いずれか1つの操作シンボルを加工領域SCから履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップする操作である。例えば図5(b)において、ユーザが操作シンボルC11bを履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップすると、画像加工処理が確定する。
【0044】
図5(b)に示した画面S3において確定操作が行われると、まず画像加工部11eが、DRAM13に格納されている加工対象画像に、操作シンボルC11bの表示状態に基づく画像加工処理を実行する。この画像加工処理の種類は、選択中の加工シンボルT2により決定される。これにより、DRAM13に、以前の加工対象画像に画像加工処理を適用した新たな加工対象画像が記憶される。次に画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されていた加工対象画像の斜視図P1を、上記の新たな加工対象画像の斜視図に置き換える。次に履歴表示部11hが、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボル(後に詳述)を表示する。この履歴シンボルは、DRAM13内の新たな加工対象画像を表している。次に加工シンボル表示部11bが、選択されていた加工シンボルT2の強調表示を解除する。最後に、操作シンボル表示部11cが加工領域SCから全ての操作シンボルを消去すると共に、加工結果表示部11fが加工結果表示領域SDから加工結果画像の斜視図P3を消去する。
【0045】
図6は、確定操作を行った直後の表示画面を示す図である。図5(b)に示した画面S3において確定操作が行われると、表示装置16の表示画面は図6に示す画面S4に遷移する。画面S4と画面S3との違いは、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボルH4(後に詳述)が表示されていること、原画像表示領域SBに表示されていた加工対象画像の斜視図P1が新たな加工対象画像の斜視図P4に変化していること、加工領域SCから操作シンボルC11bが消去されていること、加工結果表示領域SDから加工結果画像の斜視図P2が消去されていること、および、加工シンボル表示領域SEにおいて加工シンボルT2の強調表示が解除されていること、の5点である。
【0046】
ユーザはこの後、以上において説明した加工シンボルの選択操作、操作シンボルの操作、および画像加工処理の確定操作を繰り返し実行することが可能である。加工パラメータの確定が実行される度に、履歴表示領域SAに新たな履歴シンボル(後に詳述)が追加されていくと共に、原画像表示領域SBに表示される斜視図が変化していく。ユーザは履歴表示領域SAを視認することにより、これまでにどのような画像加工処理が実行されてきたかを容易に把握することができる。ユーザが入力装置15により画像加工の終了操作を行うと、制御回路11はDRAM13に格納されている加工対象画像のうち最新のものを含む画像ファイルをHDD14に格納する。
【0047】
(履歴シンボルの説明)
履歴シンボルとは、これまでに確定された画像加工処理とその結果とを表すシンボルである。ユーザが画像加工処理の確定操作を行う度に、履歴表示部11hにより新たな履歴シンボルが履歴表示領域SAに表示される。
【0048】
本実施形態では、履歴シンボルは図2に示した加工シンボルと同様の外観を備える。すなわち履歴シンボルは、代表図21と、アイコン22と、タイトル文字列23と、から構成される。アイコン22およびタイトル文字列23は、ユーザにより確定操作が行われた画像加工処理に対応する加工シンボルのアイコンおよびタイトル文字列そのものである。ユーザは履歴シンボルのアイコン22およびタイトル文字列を視認することにより、当該履歴シンボルがどのような画像加工処理により作成されたのかを容易に認識することができる。履歴シンボルの代表図21は、当該履歴シンボルに対応する画像加工処理により新たに作成された加工対象画像を、加工シンボルの代表図21の表示と同様に縮小することにより表示された斜視図である。ユーザは履歴シンボルの代表図21を視認することにより、当該履歴シンボルに対応する画像加工処理により、どのような加工対象画像が生成されたのかを容易に認識することができる。
【0049】
なお、始めに表示される履歴シンボルは、アイコン22およびタイトル文字列23を有しない。例えば、図4に示す履歴シンボルH1は、アイコン22およびタイトル文字列23を有さず、代表図21のみから構成される。
【0050】
(画像加工処理の具体例)
以下、画像加工部11eが実行可能な画像加工処理、ならびに、それらの画像加工処理に対応する操作シンボルについて、具体的に例を挙げて説明する。
【0051】
図7は、周辺光量補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。ユーザが周辺光量補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより1つの操作シンボルC12bが表示される。操作シンボルC12bはフィルタ状の形状を有する。図3(a)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、操作シンボルC12bを画面の上下方向へ移動させることができる。なお図7は、あたかも3つの操作シンボルC12a、C12b、C12cが画面に表示されるかのような図となっているが、これは説明の便宜のためであり、実際には同時に1つの操作シンボルのみが表示される。
【0052】
周辺光量補正処理の加工パラメータは、周辺光量の補正量を表す値である。操作シンボルC12bを上下させると、加工対象画像の斜視図P5の周辺部が、操作シンボルC12bの位置に応じた明るさとなる。例えば操作シンボルが符号C12aで示す位置に存在するとき、加工結果画像の周辺部は暗くなり、操作シンボルが符号12cで示す位置に存在するとき、逆に加工結果画像の周辺部は明るくなる。このとき操作シンボル上には、加工対象画像と加工結果画像との差分が描画される。例えば操作シンボルが符号C12aで示す位置に存在するとき、操作シンボルC12a上には周辺部が暗いイメージが描画され、操作シンボルが符号C12cで示す位置に存在するときには、周辺部が明るいイメージが描画される。
【0053】
図8は、色調補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。ユーザが色調補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより3つの操作シンボルC13,C14,C15が同時に表示される。操作シンボルC13,C14,C15はそれぞれフィルタ状の形状を有する。図3(a)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、これらの操作シンボルを画面の上下方向へ移動させることができる。
【0054】
色調補正処理の加工パラメータは3つ存在し、それぞれ赤、緑、青の色調の強弱を表す値である。操作シンボルC13,C14,C15はそれぞれ赤、緑、青の加工パラメータに対応する。ユーザはそれぞれの操作シンボルを上下させることにより3つの加工パラメータを個別に変更することができる。このとき操作シンボル変更部11dは、各操作シンボルを、加工パラメータの現在値に応じた彩度で画面上に描画する。また加工結果表示部11fは、加工対象画像の色調を操作シンボルC13,C14,C15が表す加工パラメータに基づいて調整した加工結果画像の斜視図P8を表示する。
【0055】
図9は、LCH(明度、彩度、色相)補正処理が選択された時の表示画面を示す図である。図9(a)に示すように、ユーザがLCH補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、加工領域SCには操作シンボル表示部11cにより2つの操作シンボルC16a,C17aが同時に表示される。操作シンボルC16aはリング状の形状を有し、操作シンボル17aはメッシュ状(網状)の形状を有する。
【0056】
図3(b)を用いて説明したように、ユーザは入力装置15を用いて、操作シンボル16aを画面の上下方向へ移動させること、および、操作シンボル16aを画面の左右方向に回転させることができる。また、図3(c)および(d)を用いて説明したように、操作シンボル17aを変形させることができる。
【0057】
LCH補正処理の加工パラメータは3つ存在する。1つ目は色相の補正量を表す値であり、2つ目は彩度の補正量を表す値である。前者の加工パラメータは操作シンボルC16aの回転により値が増減し、後者の加工パラメータは操作シンボルC16aの上下方向の移動により値が増減する。3つ目の加工パラメータは、LCH補正処理の影響の強弱を表す値の二次元配列である。この加工パラメータは、LCH補正処理が適用される範囲を制御するために使用される。例えば図9(a)に示すように、操作シンボルC17aを特定の方向に傾けさせると、LCH補正処理は加工対象画像に対し、操作シンボルC17aの傾きに応じてグラデーション状に適用される。図9(a)では斜視図P10から、加工結果画像の右端がLCH補正処理の影響を最も強く受けていることがわかる。また、図9(b)に示すように、操作シンボルC17aの中央部を下方向に引っ張ると、加工結果画像の中央がLCH補正処理の影響を最も強く受けるようになる。
【0058】
図10は、階調補正処理を説明するための図である。ユーザが階調補正処理に対応する加工シンボルを選択すると、表示画面には図10(a)に示すように、2つの操作シンボルC18,C19が同時に表示される。操作シンボルC18については後に述べる。操作シンボルC19は加工結果画像のヒストグラムを表すシンボルであり、グラフC11R,C11G,C11Bがそれぞれ赤、緑、青の各成分のヒストグラムとなっている。操作シンボルC19は他の操作シンボルとは異なる例外的な操作シンボルであり、ユーザが操作することはできない。
【0059】
操作シンボルC18は操作シンボルC19と同様のヒストグラムが三次元的に表示されるシンボルである。具体的には、操作シンボル表示部11cは、図10(a)に示した矢印Xの方向を加工結果画像の各色成分の階調、矢印Yの方向を各色成分の数量として、操作シンボルC18の表面上にヒストグラムを描画する。グラフC10R,C10G,C10Bがそれぞれ赤、緑、青の各成分のヒストグラムとなっている。矢印Zの方向は、各色成分のガンマ値を表している。図10(b)に、操作シンボルC18の表面の様子を示す。図10(a)において、グラフC10Rは図10(b)に示す直線102の上、グラフC10Bは直線103の上、グラフC10Gは曲線101の上にそれぞれ描画されている。曲線101は緑成分のガンマ曲線を、直線102は赤成分のガンマ曲線を、直線103は青成分のガンマ曲線をそれぞれ表している。
【0060】
つまり、操作シンボル表示部11cは、操作シンボルC18を三次元ヒストグラムとして加工領域SCに二次元的に表示することにより、操作シンボルC19のような公知のヒストグラムと、図10(b)に示す公知のガンマ曲線とを同時に視認可能にする。
【0061】
操作シンボルC18の下端には、黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbと、灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgと、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwと、が描画される。ユーザは入力装置15を用いて、これらのスライダーを操作シンボルC18の左端から右端までの任意の位置に移動させることができる。
【0062】
黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のシャドー値を表す。同様に、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のハイライト値を表す。灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgはそれぞれ加工結果画像の赤、緑、青成分のガンマ値を表す。
【0063】
階調補正処理の加工パラメータは9つ存在し、それぞれが黒色で描画される3つのスライダーSRb、SGb、SBbと、灰色で描画される3つのスライダーSGg、SRg、SBgと、白色で描画される3つのスライダーSRw、SGw、SBwと、に対応している。すなわち、階調補正処理の加工パラメータとは、赤、緑、青成分のシャドー値と、赤、緑、青成分のハイライト値と、赤、緑、青成分のガンマ値である。ユーザはそれぞれのスライダーを左右に移動させることによりこれらの加工パラメータを個別に変更することができる。このとき操作シンボル変更部11dは、各スライダーを加工パラメータの現在値に応じた位置に描画すると共に、ヒストグラムC10R,C10G,C10Bを加工パラメータの現在値に応じた形状で描画する。また加工結果表示部11fは、加工対象画像を操作シンボルC18が表す加工パラメータに基づいてレベル調整した加工結果画像の斜視図P12を表示する。
【0064】
これら以外の画像加工処理についても、上述の各操作シンボルからそれぞれの画像加工処理の加工パラメータに適した操作シンボルを選択すればよい。また、上述の各操作シンボルとは異なる操作シンボルを用意してもよいし、上述の各操作シンボルと同様の外観を備えるが異なる操作に対応した操作シンボルを用意してもよい。
【0065】
(画像加工の処理の流れの説明)
図11は、 画像処理装置1を用いて画像加工を行う際に画像処理装置1が実行する処理のフローチャートである。この処理は、制御回路11がフラッシュメモリ12に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。まずステップS100では、制御回路11が後述する初期処理を実行する。この初期処理により、表示装置16には図4に示す画面S1が表示される。ステップS110では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる終了操作が入力されたか否かを判定する。終了操作が入力された場合には肯定判定がなされ、ステップS200に進む。ステップS200では、制御回路11がDRAM13に記憶されている最新の加工対象画像をHDD14に書き込み、本処理を終了する。他方、ステップS110において否定判定がなされた場合にはステップS120に進む。
【0066】
ステップS120では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる加工シンボルの選択操作が入力されたか否かを判定する。選択操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS110に戻る。他方、加工シンボルの選択操作が入力されていた場合にはステップS130に進む。ステップS130では、制御回路11が後述する選択処理を実行する。この選択操作により、表示装置16には例えば図5(a)に示す画面S2が表示される。
【0067】
ステップS140では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる操作シンボルへの操作が入力されたか否かを判定する。操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS180に進む。他方、操作シンボルへの操作が入力されていた場合にはステップS150に進む。
【0068】
ステップS150では、操作シンボル変更部11dが画面に表示されている操作シンボルの表示状態を、入力された操作に応じて変更する。すなわち、画像加工処理の加工パラメータを変更する。ステップS160では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、加工結果画像を作成する。ステップS170では、加工結果表示部11fがステップS160で作成された加工結果画像の斜視図を表示する。
【0069】
ステップS180では、制御回路11が、入力装置15からユーザによる画像加工処理の確定操作が入力されたか否かを判定する。確定操作が入力されていなかった場合には否定判定がなされ、ステップS140に戻る。他方、確定操作が入力されていた場合にはステップS190に進む。ステップS190では、制御回路11が後述する確定処理を実行し、ステップS110に戻る。これにより、表示装置16には例えば図6に示す画面S4が表示される。
【0070】
図12は、図11に示す処理から呼び出される初期処理を示すフローチャートである。まずステップS210では、制御回路11が表示装置16の表示画面に、HDD14に格納されている画像ファイルの一覧を表示する。ステップS220では、制御回路11が、入力装置15から入力されるユーザによる画像ファイルを選択する操作を受け付ける。この操作により加工対象ファイルが決定される。ステップS230では、原画像表示部11aが、加工対象画像の斜視図を原画像表示領域SBに表示する。ステップS240では、加工シンボル表示部11bが加工シンボル表示領域SEに複数の加工シンボルを表示する。ステップS250では、履歴表示部11hが履歴表示領域SAに加工対象画像に対応する履歴シンボルを表示する(例えば、図4に示す履歴シンボルH1)。
【0071】
図13は、図11に示す処理から呼び出される選択処理を示すフローチャートである。まずステップS310では、図5(a)に示すように、加工シンボル表示部11bが選択された加工シンボルを強調表示する。ステップS320では、操作シンボル表示部11cが選択された加工シンボルに対応する操作シンボルを加工領域SCに表示する。ステップS330では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、加工結果画像を作成する。ステップS340では、加工結果表示部11fがステップS330で作成された加工結果画像の斜視図を表示する。
【0072】
図14は、図11に示す処理から呼び出される確定処理を示すフローチャートである。まずステップS410では、画像加工部11eが加工対象画像に対して画像加工処理を実行し、新たな加工対象画像をDRAM13に生成する。ステップS420では、履歴表示部11hがステップS410で作成された加工対象画像に基づいて、新たな履歴シンボルを履歴表示領域SAに表示する。ステップS430では、加工シンボル表示部11bが、加工シンボルの強調表示を解除する。ステップS440では、操作シンボル表示部11cが、加工領域SCに表示されていた操作シンボルを画面から消去する。ステップS450では、加工結果表示部11fが、加工結果表示領域SDに表示されていた加工結果画像の斜視図を画面から消去する。ステップS460では、画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されている加工対象画像の斜視図を更新する。すなわち、これまで表示されていた加工対象画像の斜視図を、ステップS410で作成された新たな加工対象画像の斜視図に置き換える。
【0073】
上述した第1の実施の形態による画像処理装置によれば、次の作用効果が得られる。
(1)表示装置16の表示画面には、原画像表示領域SBと、加工結果表示領域SDと、これら2領域の間に配された加工領域SCとが設けられる。原画像表示部11aは、加工対象画像の斜視図を原画像表示領域SBに表示する。操作シンボル表示部11cは、入力装置15により複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを加工領域SCに表示する。入力装置により操作シンボルに操作が為されると、操作シンボル変更部11dは操作シンボルの表示状態を変更する。そして、画像加工部11eは操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を加工対象画像に対して実行して加工結果画像を作成し、加工結果表示部11fは加工結果表示領域SDに加工結果画像の斜視図を表示する。このようにしたので、画像加工の過程を感覚的、視覚的に理解しつつ画像加工を行うことができる。
【0074】
(2)操作シンボル表示部11cは、三次元形状を有する操作シンボルを表示する。このようにしたので、二次元形状のみを有する操作シンボルでは成し得ない直感的な操作感が得られる。
【0075】
(3)制御回路11は、複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを加工領域SCへドラッグアンドドロップする操作を選択操作として受け付ける。このようにしたので、加工シンボルへの操作と操作シンボルへの操作とを連続的に行うことができ、より直感的な操作感が得られる。
【0076】
(4)画像加工処理を確定させる確定操作が入力装置15により為されると、画像置換部11gが、原画像表示領域SBに表示されている加工対象画像の斜視図を加工結果画像の斜視図に置き換えると共に、履歴表示部11hが、加工結果画像を表す履歴シンボルを履歴表示領域SAに表示する。このようにしたので、どのような画像加工処理が実行されてきたかを容易に把握することができる。
【0077】
(5)制御回路11は、操作シンボルを履歴表示領域SAへドラッグアンドドロップする操作を確定操作として受け付ける。このようにしたので、これまでに操作されていた操作シンボルが表す画像加工処理と履歴シンボルとの結び付きを容易に把握することができ、より直感的な操作感が得られる。
【0078】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0079】
(変形例1)
履歴表示部11hが、複数の履歴シンボルの代わりに、対応する履歴グループシンボルを履歴表示領域SAに表示するようにしてもよい。履歴グループシンボルとは、複数の履歴シンボルを表す単一のシンボルであり、例えば当該複数の履歴シンボルを代表するいずれか1つの履歴シンボルと同一の外観を備える。あるいは、当該複数の履歴シンボルを重ねた新たなアイコンを作成し、これを履歴グループシンボルとしてもよい。
【0080】
例えば、同一の画像加工処理が連続して実行された場合に、それらの画像加工処理に対応する複数の履歴シンボルを全て表示するのではなく、履歴グループシンボルを1つだけ表示するようにすることが考えられる。あるいは、ユーザによる操作で、任意の履歴シンボルをまとめて1つの履歴グループシンボルとすることができるようにしてもよい。
【0081】
(変形例2)
加工シンボル表示部11bによる加工シンボルの表示は、図2に示した態様に限定されない。例えば代表図21、アイコン22、タイトル文字列23のいずれか1つのみが表示されるようにしてもよいし、更に追加の構成要素が存在してもよい。また、複数の加工シンボルの表示形態は、図4に示した表示形態に限定されない。例えば、図4とは異なる方式で各加工シンボルを環状に配置してもよいし、あるいは従来のいわゆるツールパレットのように各加工シンボルをタイル状に配置してもよい。
【0082】
(変形例3)
加工シンボルの選択操作が行われたとき、すなわち加工シンボルが加工領域SCにドラッグアンドドロップされたとき、加工シンボルが操作シンボルに変形するアニメーションを表示してもよい。これにより、加工シンボルの選択操作と操作シンボルの表示との結び付きが視覚的に把握しやすくなる。同様に、確定操作が行われたとき、すなわち操作シンボルが履歴表示領域SAにドラッグアンドドロップされたとき、操作シンボルが履歴シンボルに変形するアニメーションを表示してもよい。
【0083】
(変形例4)
加工結果表示領域SDに表示される画像を、入力装置15を用いた操作により回転可能にしてもよい。この場合、確定操作に応じて生成される新たな加工対象画像は、回転後の画像となる。その他、画像の上下反転や左右反転などを行えるようにしてもよい。
【0084】
(変形例5)
履歴シンボルに対して入力装置15で所定の操作(例えばマウスボタンのクリック操作など)を行うことにより、対応する加工対象画像が表示画面上に拡大して表示されるようにしてもよい。このときの画像は、斜視図ではなく通常の二次元画像として表示される。また、加工対象画像の斜視図や加工結果画像の斜視図に対して同様の操作を行えるようにしてもよい。
【0085】
(変形例6)
複数の操作シンボルが表示される画像加工処理において、操作シンボル表示部11cにいずれか1つの操作シンボルのみを表示するよう指定可能にしてもよい。例えば図8に示した色調補正処理において、3つの操作シンボルC13,C14,C15のうちいずれか1つの操作シンボルのみを表示することができるようにしてもよい。この場合、いずれか1つの色のみについて色調補正処理を実行することになる。
【0086】
(変形例7)
各画像加工処理において、加工対象画像の一部にのみ画像加工処理を適用する指定が可能としてもよい。例えば図8において、加工対象画像の斜視図P7上で矩形領域を選択すると、その矩形領域が表す範囲に対してのみ色調補正処理が適用されるようにしてもよい。
【0087】
(変形例8)
複数の画像加工処理を自動的に適用することが可能である構成としてもよい。例えば、ユーザが入力装置15から所定の操作を入力すると、画像解析の結果に基づいて、色調補正処理や階調補正処理などが順に自動的に適用されるようにしてもよい。この場合、あたかもユーザが入力装置15で個々の加工シンボルや操作シンボルを操作しているかのように画面表示が行われる。例えば、色調補正処理に対応する加工シンボルが加工シンボル表示領域SEから加工領域SCに移動するアニメーションが表示されたり、操作シンボルが自動的に上下したりする。
【0088】
(変形例9)
履歴シンボルに対して所定の操作を行うことにより、当該履歴シンボルに対応する加工対象画像から画像加工を再開できるようにしてもよい。例えば、履歴シンボルが履歴表示領域SAに上から4つ表示されているときに、上から2つ目の履歴シンボルに対して所定の操作を行うことにより、当該履歴シンボルに対応する加工画像画像から画像加工を再開できるようにしてもよい。この場合、3つ目の履歴シンボルと4つ目の履歴シンボルは消去される。
【0089】
(変形例10)
原画像表示領域SBは画面の上部以外の場所に配置してもよい。例えば、画面の下部に配置してもよいし、画面の左端や右端に配置してもよい。この場合、加工結果表示領域SDは原画像表示領域SBの反対側に配置され、加工領域SCは原画像表示領域SBと加工結果表示領域SDとの間に配置される。
【0090】
(変形例11)
履歴表示領域SAが画面に存在しなくてもよい。この場合、履歴表示部11hは不要となる。あるいは、履歴表示領域SAをユーザの操作などにより、一時的に非表示にすることが可能な構成としてもよい。また、履歴表示領域SAを図4に示した位置以外の位置に表示するようにしてもよいし、履歴シンボルが縦方向ではなく横方向に並んで表示されるようにしてもよい。
【0091】
(変形例12)
加工シンボル表示領域SEが所定条件により一時的に画面に表示されなくなるようにしてもよい。例えば、加工シンボルの選択後に加工シンボル表示領域SEが非表示となり、確定操作後に再度表示されるようにしてもよい。また、加工シンボル表示領域SEは画面のどの位置に配置してもよい。
【0092】
(変形例13)
画像加工処理の種類は上述の説明で挙げたものに限定されない。また、操作シンボルの形状や操作シンボルに対して行うことができる操作についても、上述した形状および操作と異なっていてよい。
【0093】
(変形例14)
加工シンボルの選択操作後、操作シンボルの表示状態が自動的に徐々に変化していくようにしてもよい。例えば、周辺光量補正処理を選択した後、図7に示す操作シンボルC12aが自動的に加工領域SCの最上部から最下部へ移動していくようにしてもよい。
【0094】
(変形例15)
加工シンボルの選択操作は、第1の実施の形態で説明した操作に限定されない。例えば、加工シンボルをマウスによりクリックする操作を選択操作であるとしてもよいし、加工シンボルをタッチパネルによりタッチする操作を選択操作であるとしてもよい。また、画像加工処理の確定操作についても、第1の実施の形態で説明した操作に限定されない。例えば、キーボードの所定のキーを押下する操作を確定操作であるとしてもよいし、操作シンボルをマウスによりダブルクリックする操作を確定操作であるとしてもよい。すなわち、選択操作および確定操作が、各種の入力装置によるどのような操作であるとしてもよい。
【0095】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 画像処理装置
11 制御回路
14 HDD
15 入力装置
16 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に配された第3領域と、が設けられた表示画面上の前記第1領域に、記憶装置に記憶されている第1画像の斜視図を表示する原画像表示工程と、
複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを前記表示画面へ表示する加工シンボル表示工程と、
入力装置により前記複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを、前記第3領域に二次元的に表示する操作シンボル表示工程と、
前記入力装置により前記操作シンボルに為される操作に応じて、前記操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更工程と、
前記操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を前記第1画像に対して実行して第2画像を作成する画像加工工程と、
前記第2領域に前記第2画像の斜視図を表示する加工結果表示工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記操作シンボルは三次元形状を有することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記選択操作は、前記複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを前記第3領域へドラッグアンドドロップする操作であることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記画像加工処理を確定させる確定操作であって前記入力装置により為された確定操作に応じて、前記第1領域に表示されている前記第1画像の斜視図を前記第2画像の斜視図に置き換える画像置換工程と、
前記確定操作に応じて、前記第2画像を表す履歴シンボルを前記表示画面に設けられた履歴表示領域に表示する履歴表示工程とを更に備えることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記確定操作は、前記操作シンボルを前記履歴表示領域へドラッグアンドドロップする操作であることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記履歴表示工程は、複数の前記履歴シンボルの代わりに、該複数の履歴シンボルに対応する履歴グループシンボルを前記履歴表示領域に表示することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記加工シンボル表示工程は、前記複数の加工シンボルを環状に配列して表示することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第2画像の三次元ヒストグラムを前記第3領域に二次元的に表示するヒストグラム表示工程を更に備えることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に配された第3領域と、が設けられた表示画面上の前記第1領域に、記憶装置に記憶されている第1画像の斜視図を表示する原画像表示工程と、
複数種類の画像加工処理にそれぞれ対応する複数の加工シンボルを前記表示画面へ表示する加工シンボル表示工程と、
入力装置により前記複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを選択する選択操作が為されたことに応じて、該加工シンボルに対応する少なくとも1つの操作シンボルを、前記第3領域に二次元的に表示する操作シンボル表示工程と、
前記入力装置により前記操作シンボルに為される操作に応じて、前記操作シンボルの表示状態を変更する操作シンボル変更工程と、
前記操作シンボルの表示状態に基づく画像加工処理を前記第1画像に対して実行して第2画像を作成する画像加工工程と、
前記第2領域に前記第2画像の斜視図を表示する加工結果表示工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記操作シンボルは三次元形状を有することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記選択操作は、前記複数の加工シンボルのうち1つの加工シンボルを前記第3領域へドラッグアンドドロップする操作であることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記画像加工処理を確定させる確定操作であって前記入力装置により為された確定操作に応じて、前記第1領域に表示されている前記第1画像の斜視図を前記第2画像の斜視図に置き換える画像置換工程と、
前記確定操作に応じて、前記第2画像を表す履歴シンボルを前記表示画面に設けられた履歴表示領域に表示する履歴表示工程とを更に備えることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記確定操作は、前記操作シンボルを前記履歴表示領域へドラッグアンドドロップする操作であることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記履歴表示工程は、複数の前記履歴シンボルの代わりに、該複数の履歴シンボルに対応する履歴グループシンボルを前記履歴表示領域に表示することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記加工シンボル表示工程は、前記複数の加工シンボルを環状に配列して表示することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第2画像の三次元ヒストグラムを前記第3領域に二次元的に表示するヒストグラム表示工程を更に備えることを特徴とする画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−221909(P2011−221909A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92333(P2010−92333)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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