説明

画像処理装置、方法、及びプログラム

【課題】データのセキュア性を担保しつつ、多様な画像処理や描画処理を実現することができる画像処理装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】復号部25が、暗号化された映像データを画像データとして復号化し、第1変換部40が、第1画像処理モジュール記憶部35から画像処理モジュールを読み出し、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれている場合に当該出力処理を無効化したモジュールに変換し、第1画像処理部50が、変換された画像処理モジュールを用いて復号化された画像データの画像処理を第1セキュア記憶部内で行い、第2変換部65が、第1描画モジュール記憶部60から描画モジュールを読み出し、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれている場合に当該出力処理を無効化したモジュールに変換し、描画部75が、変換された描画モジュールを用いて画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部内で描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像処理(画像処理)に適したフレームワーク、及び描画処理(CG処理)に適したフレームワークが個別に存在している。そして、例えば、CG空間上でシームレスに映像を扱う(CG空間内で映像を再生するなど)場合、これらの異なるフレームワークを組み合わせる必要がある。
【0003】
ところで、このような状況下で、著作権保護された映像データなどを扱う場合、それぞれのフレームワーク内での映像データのセキュア性が保障されていても(例えば、特許文献1参照)、互いのフレームワーク間でのデータの受け渡しの際に、映像データのセキュア性が害されるおそれがある。
【0004】
このため、著作権保護された映像データなどを扱う場合には、外部からのアクセスを制限し、領域内のセキュア性を保障するような機構(セキュア性保護機構)内で実現する必要がある。
【0005】
また、近年では、映像処理とCG処理の融合を狙った新たなフレームワークも存在するが(例えば、非特許文献1参照)、このフレームワークでは、データのセキュア性を保障するような機構は整備されていない。従って、このフレームワークを用いて著作権保護された映像データを扱う場合であっても、前述のセキュア性保護機構内で実現する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−38966号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chirs Sells,Ian Griffiths,「Programming Wpf」,Oreilly
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、セキュア性保護機構を用いて実現する場合であっても、映像処理や描画処理に用いる処理モジュールに任意の処理モジュールを用いてしまうと、当該機構外に著作権保護された映像データなどが出力されてしまうおそれがある。
【0009】
このため、開発者や設計者によりセキュア性が保障された処理モジュールを当該機構内に予め用意し、これらの処理モジュールのみを用いて映像処理や描画処理を行うようにする必要がある。
【0010】
しかしながら、この場合には、映像処理や描画処理に使用できる処理モジュールが制限され、映像処理や描画処理の内容も制限されてしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、データのセキュア性を担保しつつ、多様な画像処理や描画処理を実現することができる画像処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる画像処理装置は、暗号化された映像データを取得する第1取得部と、取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号部と、外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部と、画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部と、前記第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換部と、変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理部と、外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部と、描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部と、前記第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換部と、変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画部と、描画された画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の別の態様にかかる画像処理方法は、第1取得部が、暗号化された映像データを取得する第1取得ステップと、復号部が、取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号ステップと、第1変換部が、画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換ステップと、第1画像処理部が、変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理ステップと、第2変換部が、描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換ステップと、描画部が、変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画ステップと、表示制御部が、描画された画像を表示部に表示させる表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の別の態様にかかる画像処理プログラムは、第1取得部が、暗号化された映像データを取得する第1取得ステップと、復号部が、取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号ステップと、第1変換部が、画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換ステップと、第1画像処理部が、変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理ステップと、第2変換部が、描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換ステップと、描画部が、変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画ステップと、表示制御部が、描画された画像を表示部に表示させる表示制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、データのセキュア性を担保しつつ、多様な映像処理や描画処理を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態の画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】概念化した画像処理モジュールの一例を示す図である。
【図3】画像処理モジュールの変換の一例を説明するための図である。
【図4】画像処理モジュールの一例を示す図である。
【図5】画像処理モジュールの変換の一例を説明するための図である。
【図6】第1の実施の形態の描画部により描画された画像の一例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の画像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像処理モジュール変換処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態の画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態の画像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態の画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施の形態の画像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】変形例の画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像処理装置、方法、及びプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態の画像処理装置の構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態の画像処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置1は、第1チューナ10と、暗号化放送データ記憶部15と、第1取得部20と、復号部25と、RAM(Random Access Memory)30と、第1セキュア記憶部31と、第1画像処理モジュール記憶部35と、第1変換部40と、第2画像処理モジュール記憶部45と、第1画像処理部50と、VRAM(Video Random Access Memory)55と、第2セキュア記憶部56と、第1描画モジュール記憶部60と、第2変換部65と、第2描画モジュール記憶部70と、描画部75と、表示制御部80と、表示部85とを備える。
【0020】
そして、画像処理装置1では、領域90に含まれる機能部(復号部25、第1セキュア記憶部31、第1変換部40、第2画像処理モジュール記憶部45、第1画像処理部50、第2セキュア記憶部56、第2変換部65、第2描画モジュール記憶部70、描画部75等)に対するユーザからのアクセスが制限される様に構成されている。
【0021】
具体的には、領域90に含まれる機能部の記憶領域に対して、領域90外からのアクセスが制限される様に構成されている。このため、ユーザが第1セキュア記憶部31や第2セキュア記憶部56に記憶されたデータに直接アクセスすることは制限され、領域90に含まれる機能部が第1セキュア記憶部31や第2セキュア記憶部56に記憶されたデータにアクセスすることができる。
【0022】
なお、このような構成は、例えば、サンドボックスなどの機構を用いて実現することができる。
【0023】
第1チューナ10は、暗号化された放送を受信し、受信した放送を暗号化された映像・音声信号として出力するものである。
【0024】
「暗号化された放送」とは、著作権保護を目的とした限定受信方式により提供される放送であり、例えば、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送、あるいはNext Generation Network技術を用いてInternet Protocolネットワークから配信される放送などが該当する。つまり、「暗号化された放送」とは、当該放送のオリジナルのデータ(暗号化されていない状態のデータ)に対して、ユーザ(視聴者等)のアクセスを制限するように規定された放送である。
【0025】
暗号化放送データ記憶部15には、第1チューナ10により受信された放送のうち、画像処理装置1により録画された放送の映像・音声信号が暗号化された状態で記憶されている。なお、暗号化放送データ記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカードなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0026】
また、暗号化放送データ記憶部15に記憶されている映像・音声信号には、デジタル著作権管理(DRM:DRM Digital Rights Management)技術が用いられており、ユーザ(視聴者等)による複製や再利用が制限されている。
【0027】
第1取得部20は、第1チューナ10又は暗号化放送データ記憶部15から暗号化された映像データ(映像信号)を取得する。
【0028】
復号部25は、第1取得部20により取得された映像データを一連の画像データとして復号化する。具体的には、復号部25は、画像処理装置1内に予め用意された復号用の鍵、外部機器(例えば、B−CAS(登録商標)カードなど)から提供される復号用の鍵、あるいは、ネットワーク経由でダウンロードされる復号用の鍵などを用いて、映像データを復号化する。
【0029】
なお、復号部25により復号化される映像データは、各フレームの画像データが時系列で並べられた画像列(例えば、ビットマップやJPEG(Joint Photographic Experts Group)など)の形式や、動画像データ(例えば、AVI(Audio Video Interleaving)、MPEG(Moving Picture Experts Group)など)の形式で復号化される。
【0030】
RAM30は、後述する第1画像処理部50等で行われる各種処理の作業領域として使用されるものである。そして、RAM30は、第1セキュア記憶部31を含む。
【0031】
第1セキュア記憶部31は、RAM30の記憶領域の一部であり、外部からのアクセスが制限されている記憶領域である。なお、「外部からのアクセス」とは、前述した領域90外からのアクセスであり、領域90内の機能部からのアクセスは許容されている。
【0032】
そして、第1セキュア記憶部31には、復号部25により一連の画像データとして復号化された映像データが記憶され、後述する第1画像処理部50による画像処理も第1セキュア記憶部31を用いて行われる。
【0033】
なお、第1セキュア記憶部31では、復号部25により復号化された映像データを構成する各フレームの画像データの情報(各ピクセルにおける色などの属性情報など)や、各フレームの関係などが管理されている。
【0034】
第1画像処理モジュール記憶部35には、後述する第1画像処理部50による各種画像処理に用いられる画像処理モジュールが記憶されており、暗号化放送データ記憶部15同様、HDDなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0035】
例えば、第1画像処理モジュール記憶部35には、画像のエッジ部分をシャープにするエッジ先鋭化処理用の画像処理モジュールや、画像を高画質化する高解像度変換処理用の画像処理モジュールなどが記憶されている。
【0036】
なお、第1画像処理モジュール記憶部35は、画像処理装置1の設計・開発者などにより、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれていないことが保障されている画像処理モジュールに限定されず、任意の画像処理モジュールの登録が許容されている(第1画像処理モジュール記憶部35は、領域90に含まれていないため)。
【0037】
このため、第1画像処理モジュール記憶部35に記憶された画像処理モジュールを用いることで多様な画像処理を実現できるものの、第1セキュア記憶部31に記憶された画像データを領域90の外部に出力するなどのセキュア性を害する画像処理モジュールが第1画像処理モジュール記憶部35に登録される場合も考えられる。そこで本実施の形態では、後述する第1変換部40が、セキュア性を害する画像処理モジュールをセキュアな画像処理モジュールに変換する。
【0038】
第1変換部40は、第1画像処理モジュール記憶部35から画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する。
【0039】
具体的には、第1変換部40は、第1画像処理モジュール記憶部35から読み出した画像処理モジュールのデータの出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスであるか否か確認する。そして第1変換部40は、データの出力先のアドレスが第1セキュア記憶部31内のアドレスでない場合に(例えば、第1セキュア記憶部31外のRAM30のアドレスである場合など)、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれていると判定し、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する。
【0040】
また、第1変換部40は、第1画像処理モジュール記憶部35から読み出した画像処理モジュールに、出力装置及び記憶装置(但し、RAM30を除く)の少なくとも一方への出力命令(例えば、画面出力命令、外部メモリ出力命令、ファイル出力命令、プリンタ出力命令など)が含まれているか否か確認する。そして第1変換部40は、出力命令が含まれている場合に、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれていると判定し、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する。
【0041】
ここで、図2、図3を参照しながら、第1変換部40による画像処理モジュールの変換について説明する。図2は、概念化した画像処理モジュールの一例を示す図であり、図3は、図2に示す画像処理モジュールの変換の一例を説明するための図である。なお、図2、図3では、画像処理モジュールをソフトウェア実装されたクラスライブラリで実現する場合を例にとり説明するが、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。
【0042】
図2に示すように、画像処理モジュール91は、入力IF(インタフェース)92−1〜92−n(nは1以上の整数)、及び出力IF(インタフェース)93−1〜93−m(mは1以上の整数)を有している。
【0043】
そして、画像処理モジュール91は、入力IF92−1〜92−nを介して入力されたデータに対し、画像処理モジュール91を用いて予め定められた画像処理などの処理を行い、処理結果を出力IF93−1〜93−mを介してRAM30に出力したり、リソース94(出力装置94Aや記憶装置94Bなど所定のハードウェア)に出力する。但し、実際には、後述する第1画像処理部50が画像処理モジュール91を用いて、これらの処理を行う。
【0044】
なお、出力装置94Aとしては、例えば、後述する表示部85や印刷装置(図示省略)などが該当し、記憶装置94Bとしては、HDD、光ディスク、メモリカード(いずれも図示省略)などが該当する。但し、記憶装置94Bには、RAM30は含まれない。
【0045】
また、画像処理モジュール91には、入力インタフェースの情報、出力インタフェースの情報、実行する処理の内容、及び入力・出力インタフェースと実行する処理の関係などが定められている。
【0046】
そして、第1変換部40は、出力IF93−1〜93−mを介した処理結果の出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスであるか否か確認する。なお、ここでは、出力IF93−1を介した処理結果の出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスではないものとする。
【0047】
また、第1変換部40は、画像処理モジュール91にリソース94への出力命令が含まれているか否か確認する。なお、ここでは、画像処理モジュール91に出力装置94Aへの画面出力命令が含まれているものとする。
【0048】
この場合、第1変換部40は、図3に示すように、変換前の画像処理モジュール91を、出力IF93−1の外部公開をブロックするとともに、出力装置94Aへの画面出力命令の送信をブロックする画像処理モジュール95に変換する。このため、変換後の画像処理モジュール95では、出力IF93−1を介したデータ出力、及び出力装置94Aへの画面出力命令が無効化される。
【0049】
続いて、画像処理モジュール91に具体的な画像処理を適用し、より具体的に、第1変換部40による画像処理モジュールの変換について説明する。図4は画像データの圧縮等の処理を行う画像処理モジュールの一例を示す図であり、図5は、図4に示す画像処理モジュールの変換の一例を説明するための図である。
【0050】
図4に示す例では、画像処理モジュール91は、入力IF(インタフェース)92−1を介して入力された入力画像(幅W、高さH)に対し、1/2に圧縮する処理を行い、圧縮された出力画像1(幅W/2、高さH/2)を出力IF93−1を介して第1セキュア記憶部31に出力する。
【0051】
また、画像処理モジュール91は、入力画像をコピーした出力画像2(幅W、高さH)を出力IF93−2を介して第1セキュア記憶部31外のRAM30に出力する。
【0052】
さらに、画像処理モジュール91は、画像処理途中の任意のピクセルの値のモニタリング(デバック)を目的として、出力装置94Aに対するピクセル値の画面出力命令を有している。
【0053】
このように、画像処理モジュール91は、出力IF93−2を介した出力画像2の出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスではなく、また、出力装置94Aに対する画面出力命令が含まれている。
【0054】
従って、第1変換部40は、図5に示すように、変換前の画像処理モジュール91を、出力IF93−2の外部公開をブロックするとともに、出力装置94Aへの画面出力命令の送信をブロックする画像処理モジュール95に変換する。
【0055】
このため、変換後の画像処理モジュール95では、出力IF93−2を介した第1セキュア記憶部31外のRAM30への出力画像2の出力、及び出力装置94Aへの画面出力命令が無効化され、セキュア性が保障される。
【0056】
図1に戻り、第2画像処理モジュール記憶部45には、画像処理装置1の設計・開発者などにより、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれていないことが保障されている画像処理モジュールであるセキュア画像処理モジュールが記憶されている。なお、第2画像処理モジュール記憶部45は、ROM(Read Only Memory)やHDDなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0057】
また、第2画像処理モジュール記憶部45に対する任意の画像処理モジュールの登録は許容されていない(第2画像処理モジュール記憶部45は、領域90に含まれているため)。つまり、第2画像処理モジュール記憶部45は、リードオンリーのデータベースとして扱われる。
【0058】
第1画像処理部50は、第1変換部40により変換された画像処理モジュールを用いて、復号部25により復号化された画像データ(例えば、復号化された映像データのうちの、所定の時刻におけるフレーム画像など)の画像処理を第1セキュア記憶部31を用いて行う。
【0059】
例えば、第1画像処理部50は、第1変換部40により変換されたエッジ先鋭化処理用の画像処理モジュールを用いる場合、復号部25により復号化された画像データに対し、エッジ部分がシャープになるような画像処理(ハイパスフィルタ、シャープネスフィルタ、など)を第1セキュア記憶部31を用いて行う。
【0060】
また、第1画像処理部50は、更に、第2画像処理モジュール記憶部45からセキュア画像処理モジュールを読み出し、当該セキュア画像処理モジュールを用いて、復号部25により復号化された画像データの画像処理を第1セキュア記憶部31を用いて行う。
【0061】
なお、第1画像処理部50が画像処理に用いる画像処理モジュール、及びセキュア画像処理モジュールは、予めテーブルなどで定義してもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0062】
VRAM55は、後述する描画部75等で行われる各種処理の作業領域として使用され、また、後述する表示部85に表示される内容が記憶されるものである。そして、VRAM55は、第2セキュア記憶部56を含む。
【0063】
第2セキュア記憶部56は、VRAM55の記憶領域の一部であり、外部からのアクセスが制限されている記憶領域である。なお、「外部からのアクセス」とは、前述した領域90外からのアクセスであり、領域90内の機能部からのアクセスは許容されている。
【0064】
そして、第2セキュア記憶部56では、第1画像処理部50による画像処理が行われた画像データに対して、後述する描画部75による描画処理が行われる。
【0065】
第1描画モジュール記憶部60には、後述する描画部75による各種描画処理(CG(Computer Graphics)処理)に用いられる描画モジュールが記憶されており、暗号化放送データ記憶部15同様、HDDなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0066】
例えば、第1描画モジュール記憶部60には、仮想的な3次元空間であるCG空間に画像データをレンダリングする描画モジュールなどが記憶されている。
【0067】
なお、第1描画モジュール記憶部60では、第1画像処理モジュール記憶部35同様、画像処理装置1の設計・開発者などにより、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれていないことが保障されている描画モジュールに限定されず、任意の描画モジュールの登録が許容されている(第1描画モジュール記憶部60は、領域90に含まれていないため)。
【0068】
第2変換部65は、第1描画モジュール記憶部60から描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する。
【0069】
具体的には、第2変換部65は、第1描画モジュール記憶部60から読み出した描画モジュールのデータの出力先のアドレスが、第2セキュア記憶部56内のアドレスであるか否か確認する。そして第2変換部65は、データの出力先のアドレスが第2セキュア記憶部56内のアドレスでない場合に(例えば、第2セキュア記憶部56外のVRAM55のアドレスである場合など)、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれていると判定し、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する。
【0070】
また、第2変換部65は、第1描画モジュール記憶部60から読み出した描画モジュールに、出力装置及び記憶装置(但し、VRAM55を除く)の少なくとも一方への出力命令(例えば、画面出力命令、外部メモリ出力命令、ファイル出力命令、プリンタ出力命令など)が含まれているか否か確認する。そして第2変換部65は、出力命令が含まれている場合に、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれていると判定し、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する。
【0071】
なお、第2変換部65による描画モジュールの変換は、第1変換部40による画像処理モジュールの変換と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
第2描画モジュール記憶部70には、画像処理装置1の設計・開発者などにより、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれていないことが保障されている描画モジュールであるセキュア描画モジュールが記憶されている。なお、第2描画モジュール記憶部70は、第2画像処理モジュール記憶部45同様、ROMなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0073】
また、第2描画モジュール記憶部70に対する任意の描画モジュールの登録は許容されていない(第2描画モジュール記憶部70は、領域90に含まれているため)。つまり、第2描画モジュール記憶部70は、第2画像処理モジュール記憶部45同様、リードオンリーのデータベースとして扱われる。
【0074】
描画部75は、第2変換部65により変換された描画モジュールを用いて、第1画像処理部50により画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部56を用いて描画するものであり、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)や、ソフトウェア処理などにより実現できる。
【0075】
また、描画部75は、更に、第2描画モジュール記憶部70からセキュア描画モジュールを読み出し、当該セキュア描画モジュールを用いて、第1画像処理部50により画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部56を用いて描画する。
【0076】
具体的には、描画部75は、第2変換部65により変換された描画モジュールを用いて、ポリゴンで定義されたCGモデルに対して、テクスチャマッピングを行い、CGモデルの表面の柄の描画などを行う。
【0077】
詳細に説明すると、描画部75は、第1画像処理部50により画像処理が行われた各フレームの画像データを逐次テクスチャに変換し、変換したテクスチャをCGモデル(例えば、板状のポリゴン)の表面に逐次マッピングすることで、CG空間内に映像を再現する。
【0078】
図6は、描画部75により描画された画像の一例を示す図である。図6に示す例では、板状のポリゴン96の表面に、第1画像処理部50により画像処理が行われた画像から作成したテクスチャ97がマッピングされている。なお、図6に示す画像は、実際には、後述する表示制御部80により表示部85に表示されるものである。
【0079】
なお、描画モジュールには、CGモデルやテクスチャとの対応関係や、プログラマブルシェーダ(Programable Shader)によるシェーダ(陰影)処理な内容なども定められている。
【0080】
また、描画部75が描画処理に用いる描画モジュール、及びセキュア描画モジュールは、予めテーブルなどで定義してもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0081】
表示制御部80は、描画部75により描画された画像を表示部85に表示させる。なお、表示部85は、液晶ディスプレイなどにより実現できる。
【0082】
次に、本実施の形態の画像処理装置の動作について説明する。
【0083】
図7は、本実施の形態の画像処理装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0084】
まず、第1取得部20は、第1チューナ10又は暗号化放送データ記憶部15から暗号化された映像データを取得する(ステップS10)。
【0085】
続いて、復号部25は、第1取得部20により取得された映像データを一連の画像データとして復号化する(ステップS12)。
【0086】
続いて、第1変換部40は、第1画像処理モジュール記憶部35から画像処理モジュールを読み出し(ステップS14)、画像処理モジュール変換処理を行う(ステップS16)。なお、画像処理モジュール変換処理の詳細については、後述する。
【0087】
続いて、第1画像処理部50は、第2画像処理モジュール記憶部45からセキュア画像処理モジュールを読み出す(ステップS18)。
【0088】
そして、第1画像処理部50は、第1変換部40により変換された画像処理モジュール、及び読み出したセキュア画像処理モジュールを用いて、復号部25により復号化された画像データの画像処理を第1セキュア記憶部31を用いて行う(ステップS20)。
【0089】
続いて、第2変換部65は、第1描画モジュール記憶部60から描画モジュールを読み出し(ステップS22)、描画モジュール変換処理を行う(ステップS24)。なお、描画モジュール変換処理は、画像処理モジュール変換処理と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0090】
続いて、描画部75は、第2描画モジュール記憶部70からセキュア描画モジュールを読み出す(ステップS26)。
【0091】
そして、描画部75は、第2変換部65により変換された描画モジュール、及び読み出したセキュア描画モジュールを用いて、第1画像処理部50により画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部56を用いて描画する(ステップS28)。
【0092】
続いて、表示制御部80は、描画部75により描画された画像を表示部85に表示させる(ステップS30)。
【0093】
図8は、図7のステップS16に示す画像処理モジュール変換処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、第1変換部40は、変数iに0を代入して初期化する(ステップS40)。
【0095】
続いて、第1変換部40は、全ての出力IFの確認が終了していない場合には(ステップS42でNo)、出力IFiの出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスであるか否か確認する(ステップS44)。
【0096】
そして、第1変換部40は、出力IFiの出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスでない場合には(ステップS44でNo)、出力IFiを介したデータの出力を無効化する(ステップS46)。
【0097】
なお、第1変換部40は、出力IFiの出力先のアドレスが、第1セキュア記憶部31内のアドレスである場合には(ステップS44でYes)、ステップS46の処理を行わない。
【0098】
続いて、第1変換部40は、変数iをインクリメントする(ステップS48)。
【0099】
そして、全ての出力IFの確認が終了した場合には(ステップS42でYes)、第1変換部40は、続いて、リソース94への出力命令が行われるか否か確認する(ステップS50)。
【0100】
そして、第1変換部40は、リソース94への出力命令が行われる場合には(ステップS50でYes)、当該出力命令を無効化する(ステップS52)。
【0101】
なお、第1変換部40は、リソース94への出力命令が行われない場合には(ステップS50でNo)、ステップS52の処理を行わない。
【0102】
そして、第1変換部40は、リソース94への全ての出力命令を無効化した場合には、処理を終了し(ステップS54でYes)、そうでない場合には、再度ステップS50の処理を行う(ステップS54でNo)。
【0103】
このように本実施の形態では、第1変換部40は、任意の画像処理モジュールの登録が許容されている第1画像処理モジュール記憶部35から読み出す画像処理モジュールに対し、第1セキュア記憶部31外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する。
【0104】
同様に、第2変換部65は、任意の描画モジュールの登録が許容されている第1描画モジュール記憶部60から読み出す描画モジュールに対し、第2セキュア記憶部56外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する。
【0105】
従って本実施の形態によれば、画像データのセキュア性を担保しつつ、多様な画像処理や描画処理を実現することができ、仮に悪意を持った第3者がセキュア性を害する処理モジュールを第1画像処理モジュール記憶部35や第1描画モジュール記憶部60に登録したとしても、画像データのセキュア性を担保することができる。
【0106】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態では、暗号化されていない画像データを更に取得し、取得した画像データに画像処理を行い、描画する例について説明する。
【0107】
なお、以下では、第1の実施の形態との相違点の説明を主に行い、第1の実施の形態と同様の機能を有する構成要素については、第1の実施の形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
まず、本実施の形態の画像処理装置の構成について説明する。
【0109】
図9は、本実施の形態の画像処理装置101の構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置101では、第2チューナ111、非暗号化放送データ記憶部116、第2取得部121、非セキュア記憶部132、第2画像処理部151が備えられた点、及び描画部175の処理内容が第1の実施の形態の画像処理装置1と異なるため、これらの機能部について説明する。
【0110】
第2チューナ111は、暗号化されていない放送を受信し、受信した放送を映像・音声信号として出力するものである。
【0111】
「暗号化されていない放送」とは、当該放送のオリジナルのデータに対して、ユーザ(視聴者等)がアクセス可能な放送(デジタル著作権管理技術などが適用されていない放送)であり、例えば、地上波アナログテレビ放送などの公共波放送が該当する。
【0112】
非暗号化放送データ記憶部116には、第2チューナ111により受信された放送のうち、画像処理装置101により録画された放送の映像・音声信号が記憶されている。なお、非暗号化放送データ記憶部116は、暗号化放送データ記憶部15同様HDDなどの既存の記憶媒体により実現できる。
【0113】
第2取得部121は、第2チューナ111又は非暗号化放送データ記憶部116から映像データ(映像信号)を一連の画像データとして取得する。なお、第2取得部121は、ユーザ個人により撮影された映像データや画像データを取得するようにしてもよい。
【0114】
非セキュア記憶部132は、RAM130の記憶領域の一部であり、外部からのアクセスが制限されていない記憶領域である。このため、非セキュア記憶部132は、領域90に含まれていない。
【0115】
そして、非セキュア記憶部132には、第2取得部121により一連の画像データとして取得された映像データが記憶され、後述する第2画像処理部151による画像処理も非セキュア記憶部132を用いて行われる。
【0116】
なお、非セキュア記憶部132では、第2取得部121により取得された映像データを構成する各フレームの画像データの情報(各ピクセルにおける色などの属性情報など)や、各フレームの関係などが管理されている。
【0117】
第2画像処理部151は、第1画像処理モジュール記憶部35から画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールを用いて、第2取得部121により取得された画像データの画像処理を非セキュア記憶部132を用いて行う。
【0118】
なお、第2画像処理部151が画像処理に用いる画像処理モジュールは、予めテーブルなどで定義してもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0119】
描画部175は、第2変換部65により変換された描画モジュール等を用いて、第2画像処理部151により画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部56を用いて描画する。
【0120】
次に、本実施の形態の画像処理装置の動作について説明する。
【0121】
図10は、本実施の形態の画像処理装置101で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示す例では、第2画像処理部151により画像処理が行われた画像データのみを用いて、描画部175が描画する例について説明するが、描画部175は、更に、第1画像処理部50により画像処理が行われた画像データを用いて描画することもできる。
【0122】
まず、第2取得部121は、第2チューナ111又は非暗号化放送データ記憶部116から映像データを一連の画像データとして取得する(ステップS110)。
【0123】
続いて、第2画像処理部151は、第1画像処理モジュール記憶部35から画像処理モジュールを読み出し(ステップS112)、読み出した画像処理モジュールを用いて、第2取得部121により取得された画像データの画像処理を非セキュア記憶部132を用いて行う(ステップS114)。
【0124】
ステップS116以降の処理は、描画部175が第2画像処理部151により画像処理が行われた画像データを描画する点を除き、図7のフローチャートのステップS22以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
このように本実施の形態では、第2画像処理部151は、セキュア性を担保する必要のない画像データについては、第1変換部40による変換を行わずに、第1画像処理モジュール記憶部35から読み出した画像処理モジュールをそのまま用いて、画像処理を行う。
【0126】
このため本実施の形態によれば、第2画像処理部151は、画像処理モジュールに定義された処理内容を全て実行でき、より多様な画像処理を実現できる。特に、悪意を持った第3者により作成された処理モジュールではないものの、処理の過程上、第1セキュア記憶部31外の記憶領域を使用してしまうような処理モジュールも使用することができるようになる。
【0127】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態では、第1画像処理部及び描画部が用いる処理モジュールをユーザが選択する例について説明する。
【0128】
なお、以下では、第1の実施の形態との相違点の説明を主に行い、第1の実施の形態と同様の機能を有する構成要素については、第1の実施の形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
まず、本実施の形態の画像処理装置の構成について説明する。
【0130】
図11は、本実施の形態の画像処理装置201の構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置201では、選択部295、第1選択受付部296、及び第2選択受付部297が備えられた点、及び第1画像処理部250、及び描画部275が行う処理の内容が第1の実施の形態の画像処理装置1と異なるため、これらの機能部について説明する。
【0131】
選択部295は、各種処理モジュールの選択操作を行うものであり、例えば、キーボード、キースイッチやタッチパネルなどの既存の入力装置により実現できる。なお、ユーザや開発者等は、例えば、表示制御部80により表示部85に表示されたモジュール選択画面を見ながら、選択部295を用いて、各種処理モジュールの選択操作を行う。
【0132】
第1選択受付部296は、第1画像処理部250での画像処理に用いる画像処理モジュール及びセキュア画像処理モジュールの選択を受け付ける。
【0133】
第2選択受付部297は、描画部275での描画に用いる描画モジュール及びセキュア描画モジュールの選択を受け付ける。
【0134】
第1画像処理部250は、第1選択受付部296により選択を受け付けられた画像処理モジュール、及びセキュア画像処理モジュールを用いて、処理順序に従って、復号部25により復号化された画像データの画像処理を第1セキュア記憶部31を用いて行う。但し、画像処理モジュールについては、第1変換部40による変換が行われる。
【0135】
描画部275は、第2選択受付部297により選択を受け付けられた描画モジュール、及びセキュア描画モジュールを用いて、処理順序に従って、第1画像処理部250により画像処理が行われた画像データを第2セキュア記憶部56を用いて描画する。但し、描画モジュールについては、第2変換部65による変換が行われる。
【0136】
次に、本実施の形態の画像処理装置の動作について説明する。
【0137】
図12は、本実施の形態の画像処理装置301で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0138】
まず、第1選択受付部296は、第1画像処理部250での画像処理に用いる画像処理モジュール及びセキュア画像処理モジュールの選択を受け付ける(ステップS210)。
【0139】
続いて、第2選択受付部297は、描画部275での描画に用いる描画モジュール及びセキュア描画モジュールの選択を受け付ける(ステップS212)。
【0140】
続いて、映像データの取得から映像データの復号までは(ステップS214〜ステップS216)、図7のフローチャートのステップS10〜ステップS12までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0141】
続いて、第1変換部40は、第1画像処理部250からの指示に従って、第1選択受付部296に選択を受け付けられた画像処理モジュールを、第1画像処理モジュール記憶部35から読み出し(ステップS218)、画像処理モジュール変換処理を行う(ステップS220)。なお、画像処理モジュール変換処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0142】
続いて、第1画像処理部250は、第1選択受付部296に選択を受け付けられたセキュア画像処理モジュールを、第2画像処理モジュール記憶部45から読み出す(ステップS222)。
【0143】
続いて、画像処理については(ステップS224)、図7のフローチャートのステップS20の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0144】
続いて、第2変換部65は、描画部275からの指示に従って、第2選択受付部297に選択を受け付けられた描画モジュールを、第1描画モジュール記憶部60から読み出し(ステップS226)、描画モジュール変換処理を行う(ステップS228)。なお、描画モジュール変換処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0145】
続いて、描画部275は、第2選択受付部297に選択を受け付けられたセキュア描画モジュールを第2描画モジュール記憶部70から読み出す(ステップS230)。
【0146】
ステップS232以降の処理は、図7のフローチャートのステップS28以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0147】
このように本実施の形態では、ユーザや開発者等により選択された処理モジュールを用いて、画像処理や描画処理が行われるため、例えば、保守・メンテナンスや開発の効率向上などに繋げることができる。
【0148】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0149】
上述した各実施の形態では、放送データのうち、映像データ画像データのセキュア性を担保する例について説明したが、音声データ(音声信号)についても同様の手法を適用することができる。
【0150】
また、上述した各実施の形態を組み合わせるようにしてもよい。例えば、第2の実施の形態と第3の実施の形態を組み合わせ、第2画像処理部が用いる処理モジュールについてもユーザが選択できるようにしてもよい。
【0151】
図13は、第2の実施の形態と第3の実施の形態を組み合わせた画像処理装置301の構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置301では、第3選択受付部398が備えられた点、及び第2画像処理部351が行う処理の内容が第2、3の実施の形態の画像処理装置と異なるため、これらの機能部について説明する。
【0152】
なお、以下では、第2、第3の実施の形態との相違点の説明を主に行い、第2、第3の実施の形態と同様の機能を有する構成要素については、第2、第3の実施の形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0153】
第3選択受付部398は、第2画像処理部351での画像処理に用いる画像処理モジュールの選択を受け付ける。
【0154】
第2画像処理部351は、第3選択受付部398により選択を受け付けられた画像処理モジュールを用いて、処理順序に従って、第2取得部121により取得された画像データの画像処理を非セキュア記憶部132を用いて行う。
【0155】
なお、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301は、CPU(Central Processing Unit)やGPUなどの制御装置、ROMやRAMなどの記憶装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、タッチパネルや操作ボタンなどの入力装置、スピーカなどの音声出力装置、チューナ等を備えたハードウェア構成となっている。
【0156】
また、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0157】
また、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0158】
また、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301で実行される画像処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0159】
また、上記各実施の形態の画像処理装置1、101、201、301で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(第1取得部、復号部、第1変換部、第1画像処理部、第2変換部、描画部、表示制御部等)を含むモジュール構成となっている。そして、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、第1取得部、復号部、第1変換部、第1画像処理部、第2変換部、描画部、表示制御部等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0160】
1、101、201、301 画像処理装置
10 第1チューナ
15 暗号化放送データ記憶部
20 第1取得部
25 復号部
30、130 RAM
31 第1セキュア記憶部
35 第1画像処理モジュール記憶部
40 第1変換部
45 第2画像処理モジュール記憶部
50、250 第1画像処理部
55 VRAM
56 第2セキュア記憶部
60 第1描画モジュール記憶部
65 第2変換部
70 第2描画モジュール記憶部
75、175、275 描画部
80 表示制御部
85 表示部
90 領域
91 画像処理モジュール
92−1〜92−n 入力IF
93−1〜92−m 出力IF
94 リソース
94A 出力装置
94B 記憶装置
96 ポリゴン
97 画像
95 変換後画像処理モジュール
111 第2チューナ
116 非暗号化放送データ記憶部
132 非セキュア記憶部
151、351 第2画像処理部
295 選択部
296 第1選択受付部
297 第2選択受付部
398 第3選択受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化された映像データを取得する第1取得部と、
取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号部と、
外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部と、
画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部と、
前記第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換部と、
変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理部と、
外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部と、
描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部と、
前記第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換部と、
変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画部と、
描画された画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1変換部は、前記画像処理モジュールのデータの出力先のアドレスが前記第1セキュア記憶部内のアドレスでない場合に、前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれていると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1変換部は、出力装置及び記憶装置の少なくとも一方への出力命令が前記画像処理モジュールに含まれている場合に、前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれていると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2変換部は、前記描画モジュールのデータの出力先のアドレスが前記第2セキュア記憶部内のアドレスでない場合に、前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれていると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2変換部は、出力装置及び記憶装置の少なくとも一方への出力命令が前記描画モジュールに含まれている場合に、前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれていると判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれていないセキュア画像処理モジュールが記憶された第2画像処理モジュール記憶部と、
前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれていないセキュア描画モジュールが記憶された第2描画モジュール記憶部と、を更に備え、
前記第1画像処理部は、更に、前記第2画像処理モジュール記憶部から前記セキュア画像処理モジュールを読み出し、当該セキュア画像処理モジュールを用いて、前記復号部により復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行い、
前記描画部は、更に、前記第2描画モジュール記憶部から前記セキュア描画モジュールを読み出し、当該セキュア描画モジュールを用いて、前記第1画像処理部により画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項7】
暗号化されていない画像データを取得する第2取得部と、
外部からのアクセスが制限されていない非セキュア記憶部と、
前記第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールを用いて、前記第2取得部により取得された前記画像データの画像処理を前記非セキュア記憶部を用いて行う第2画像処理部と、を更に備え、
前記描画部は、前記第2画像処理部により画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第1画像処理部での画像処理に用いる前記画像処理モジュールの選択を受け付ける第1選択受付部と、
前記描画部での描画に用いる前記描画モジュールの選択を受け付ける第2選択受付部と、を更に備え、
前記第1変換部は、選択が受け付けられた前記画像処理モジュールを前記第1画像処理モジュール記憶部から読み出し、当該画像処理モジュールに前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換し、
前記第2変換部は、選択が受け付けられた前記描画モジュールを前記第1描画モジュール記憶部から読み出し、当該描画モジュールに前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1画像処理部での画像処理に用いる前記画像処理モジュール及び前記セキュア画像処理モジュールの選択を受け付ける第1選択受付部と、
前記描画部での描画に用いる前記描画モジュール及び前記セキュア描画モジュールの選択を受け付ける第2選択受付部と、を更に備え、
前記第1変換部は、選択が受け付けられた前記画像処理モジュールを前記第1画像処理モジュール記憶部から読み出し、当該画像処理モジュールに前記第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換し、
前記第1画像処理部は、選択が受け付けられた前記セキュア画像処理モジュールを前記第2画像処理モジュール記憶部から読み出し、当該セキュア画像処理モジュール及び変換された前記画像処理モジュールを用いて、前記復号部により復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行い、
前記第2変換部は、選択が受け付けられた前記描画モジュールを前記第1描画モジュール記憶部から読み出し、当該描画モジュールに前記第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換し、
前記描画部は、選択が受け付けられた前記セキュア描画モジュールを前記第2描画モジュール記憶部から読み出し、当該セキュア描画モジュール及び変換された前記描画モジュールを用いて、前記第1画像処理部により画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第2画像処理部での画像処理に用いる前記画像処理モジュールの選択を受け付ける第3選択受付部を更に備え、
前記第2画像処理部は、選択が受け付けられた前記画像処理モジュールを前記第1画像処理モジュール記憶部から読み出し、当該画像処理モジュールを用いて、前記第2取得部により取得された前記画像データの画像処理を前記非セキュア記憶部を用いて行うことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記第2セキュア記憶部は、VRAM(Video Random Access Memory)内の記憶領域であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【請求項12】
第1取得部が、暗号化された映像データを取得する第1取得ステップと、
復号部が、取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号ステップと、
第1変換部が、画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換ステップと、
第1画像処理部が、変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理ステップと、
第2変換部が、描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換ステップと、
描画部が、変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画ステップと、
表示制御部が、描画された画像を表示部に表示させる表示制御ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
第1取得部が、暗号化された映像データを取得する第1取得ステップと、
復号部が、取得された前記映像データを一連の画像データとして復号化する復号ステップと、
第1変換部が、画像処理モジュールが記憶された第1画像処理モジュール記憶部から前記画像処理モジュールを読み出し、当該画像処理モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第1セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した画像処理モジュールに変換する第1変換ステップと、
第1画像処理部が、変換された前記画像処理モジュールを用いて、復号化された前記画像データの画像処理を前記第1セキュア記憶部を用いて行う第1画像処理ステップと、
第2変換部が、描画モジュールが記憶された第1描画モジュール記憶部から前記描画モジュールを読み出し、当該描画モジュールに、外部からのアクセスが制限されている第2セキュア記憶部外への出力処理が含まれているか否か判定し、含まれている場合には、当該出力処理を無効化した描画モジュールに変換する第2変換ステップと、
描画部が、変換された前記描画モジュールを用いて、画像処理が行われた前記画像データを前記第2セキュア記憶部を用いて描画する描画ステップと、
表示制御部が、描画された画像を表示部に表示させる表示制御ステップと、をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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