説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】 Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすること。
【解決手段】 MFPは、WebページをWebサーバから受信し、表示するブラウジング部(S01,S02)と、ブラウジング部により検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するキーワード取得部(S03でYES)と、取得されたキーワードに基づいてWebページの言語を予測する言語予測部(S04)と、Webサーバから受信されるWebページの画像を形成する画像形成制御部(S20)と、画像形成制御部がWebページを処理する際に用いるフォントを、予測された言語に基づいて変更するフォント設定部(S08)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関し、特にネットワークを介してサーバから受信されるWebページを処理する画像処理装置、その画像処理装置で実行される画像処理方法および画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MFP等の画像形成装置は、ブラウザ機能が搭載されており、インターネット上のウェブ(Web)サーバからダウンロードしたWebページの画像を印刷することができる。例えば、特開2009−259216号公報には、検索エンジンのサーバに送信した検索キー情報に対応して当該サーバから受信したウェブページ情報を記憶する記憶手段と、前記ウェブページ情報の印刷を制御する印刷制御手段を備えた印刷制御装置において、前記記憶手段は、前記検索エンジンのサーバに送信した検索キー情報に対応して当該サーバから受信した検索結果のウェブページ情報から前記印刷されるウェブページ情報に至るまでに遷移したウェブページ情報の遷移状況を遷移情報として記憶し、前記印刷制御手段は、前記遷移情報から前記検索キー情報を抽出する情報抽出手段と、前記情報抽出手段により抽出された前記検索キー情報と前記印刷されるウェブページ情報とを合成する合成手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置が記載されている。
【0003】
しかしながら、ウェブページを印刷するために、プリンタに対応する印刷用のデータが生成されるが、印刷用のデータを生成するためには、プリンタが有するフォントデータが必要となる。ウェブページのフォントに対応するフォントデータが予め設定されていない場合、そのフォントデータを設定しなければならず、ウェブページを印刷するまでに時間がかかるといった問題があった。
【特許文献1】特開2009−259216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上述した問題を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、画像処理装置は、WebページをWebサーバから受信し、表示するブラウジング手段と、ブラウジング手段により検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するキーワード取得手段と、取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測する言語予測手段と、Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行する処理実行手段と、処理実行手段がWebページを処理する際に用いるパラメータを、予測された言語に基づいて変更するパラメータ変更手段と、を備える。
【0008】
この局面に従えば、検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードが取得され、キーワードに基づいて、Webページの言語が予測され、Webサーバから受信されるWebページを処理する際に用いるパラメータが、予測された言語に基づいて変更される。このため、Webページが処理される前にパラメータが変更されるので、Webページに対して直ちに処理を実行することができる。その結果、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、パラメータ変更手段は、予測された言語に対応する印刷用フォントを設定するフォント設定手段を含み、処理実行手段は、ブラウジング手段が取得されたキーワードを検索エンジンに送信した後にWebサーバから受信されるWebページの画像を設定された印刷用フォントを用いて形成する画像形成手段を含む。
【0010】
この局面に従えば、Webページの画像を形成するまでの時間を短くすることができる。
【0011】
好ましくは、フォント設定手段は、キーワード取得手段によりキーワードが取得されることに応じて、印刷用フォントを取得する。
【0012】
好ましくは、パラメータ変更手段は、予測された言語から所定の言語への翻訳に用いる辞書ファイルを設定する辞書設定手段を含み、処理実行手段は、ブラウジング手段が取得されたキーワードを検索エンジンに送信した後にWebサーバから受信されるWebページを設定された辞書ファイルに基づいて翻訳する翻訳手段を含む。
【0013】
この局面に従えば、Webページを翻訳する時間を短くすることができる。
【0014】
好ましくは、辞書設定手段は、キーワード取得手段によりキーワードが取得されることに応じて、辞書ファイルを取得する。
【0015】
好ましくは、言語予測手段は、国名、地名または固有名詞と言語とを対応付けた関連付テーブルを参照して、キーワードに含まれる国名、地名または固有名詞に対応する言語を決定する。
【0016】
この発明の他の局面によれば、画像処理方法は、WebページをWebサーバから受信し、表示するステップと、表示するステップにおいて検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するステップと、取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測するステップと、Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行するステップと、処理を実行するステップにおいてWebページが処理される際に用いられるパラメータを、予測された言語に基づいて変更するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0017】
この局面に従えば、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理方法を提供することができる。
【0018】
この発明の他の局面によれば、画像処理プログラムは、WebページをWebサーバから受信し、表示するステップと、表示するステップにおいて検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するステップと、取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測するステップと、Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行するステップと、処理を実行するステップにおいてWebページが処理される際に用いられるパラメータを、予測された言語に基づいて変更するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0019】
この局面に従えば、Webページに対する処理が実行されるまでの時間を短くすることが可能な画像処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】操作パネルの一例を示す平面図である。
【図5】MFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。
【図6】関連付テーブルの一例を示す第1の図である。
【図7】関連付テーブルの一例を示す第2の図である。
【図8】ブラウジング処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における画像処理システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像処理システム1は、ネットワーク2に接続された複合機(Multi Function Peripheral)(以下、「MFP」という)100と、PC200と、インターネット3に接続されたWebサーバ7,7Aと、を含む。MFP100は、画像処理装置の一例であり、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を備える。
【0023】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、ゲートウェイを介してインターネット3に接続されている。このため、MFP100は、インターネット3に接続されたWebサーバ7,7Aと通信可能である。MFP100と、Webサーバ7,7Aとの間の通信は、特に限定するものではないが、HTTP(HyperText Transfer Protocol)の通信プロトコルで通信する。なお、ネットワーク2は、LANに限らず、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網等であってもよい。
【0024】
MFP100は、ブラウジングプログラムを実行可能であり、ブラウザ機能を有する。例えば、MFP100は、ユーザによりWebサーバ7が記憶するウェブ(Web)ページのURL(Uniform Resource Locator)が指定されると、Webサーバ7にURLで特定されるWebページの送信を要求し、Webサーバ7が送信するWebページを受信し、表示する。ここで、Webページは、HTML(HyperText Markup Language)またはXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述されたテキストデータである。以下、MFP100がWebベージをダウンロードして、表示する処理をブラウジング処理という。
【0025】
Webサーバ7,7Aそれぞれは、Webブラウザとして機能するMFP100からの要求に応じて、WebページをMFP100に送信する。Webサーバ7,7Aが送信するWebページは、文字データを含む場合があり、文字データの言語が、日本語、英語、中国語、韓国語、アラビア語等の種々の言語で記載される場合がある。MFP100が、Webページを表示またはプリントする場合、そのWebページに含まれる文字の言語に対応したフォントデータを用いる。日本語に対して日本語用のフォントデータ、英語に対して英語用のフォントデータ、中国語に対して中国語用のフォントデータ、韓国語に対して日本語用のフォントデータ、アラビア語に対してアラビア語用のフォントデータが存在する。
【0026】
なお、本実施の形態においては画像処理装置の一例としてMFP100を例に説明するが、MFP100に代えて、ブラウザ機能を備えた装置であれば、例えば、パーソナルコンピュータ、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ等であってもよい。
【0027】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、操作パネル9と、自動原稿搬送装置(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、を含む。
【0028】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、メモリに記憶する、または画像形成部30に出力する。
【0029】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0030】
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ADF10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、ユーザインターフェースとしての操作パネル9と、を含む。
【0031】
メイン回路101は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、ネットワークI/F118と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40および操作パネル9と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0032】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0033】
通信I/F部112は、MFP100を他の装置とシリアル通信ケーブルで接続するためのインターフェースである。なお、接続形態は、有線であっても無線であってもよい。
【0034】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部30に出力する。画像形成部30は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0035】
ネットワークI/F118は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、ネットワークI/F118を介してインターネット3に接続されたWebサーバ7,7Aと通信可能である。
【0036】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能であり、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行可能である。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムに限られず、他の記憶媒体に記憶されたプログラムでもよく、HDD116に記憶されたプログラムであってもよく、さらに、ネットワークI/F118を介してネットワーク2に接続された他のコンピュータによりHDD116に書き込みされたプログラムであってもよい。
【0037】
なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリでもよい。
【0038】
ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0039】
操作パネル9は、MFP100の上面に設けられ、表示部103と操作部105とを含む。図4は、操作パネルの一例を示す平面図である。図4を参照して、操作パネル9は、表示部103と、操作部105とを含む。表示部103は、液晶表示装置、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した表示データに関する情報等を表示する。
【0040】
操作部105は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作をCPU111に出力する。操作部105は、表示部103の上に重畳して配置されたタッチパネル105Aと、ブラウジング処理の実行を指示する操作が割り当てられたブラウザキー105Bと、スキャン処理の実行を指示する操作が割り当てられたスキャンキー105Cと、コピー処理の実行を指示する操作が割り当てられたコピーキー105Dと、テンキー105Eと、入力内容をキャンセルするためのクリアキー105Fと、スタートキー105Gと、を含む。タッチパネル105Aは、透明な部材からなり、表示部103に重畳して配置される。タッチパネル105Aは、ユーザがタッチパネル105Aを指で触れると、触れられた位置を指示位置として検出し、CPU111に出力する。
【0041】
図5は、MFPが備えるCPUの機能の概要の一例を示すブロック図である。図5に示すCPU111の機能は、CPU111がROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像処理プログラムを実行することにより実現される。
【0042】
図5を参照して、CPU111は、ブラウジング部51と、キーワードを取得するキーワード取得部55と、キーワードに基づいて言語を予測する言語予測部57と、言語に対応するフォントを設定するフォント設定部59と、言語に対応する辞書データを設定する辞書設定部63と、辞書データに基づいてWebページを翻訳する翻訳部65と、Webページまたは翻訳されたWebページを表示部103に表示する表示制御部53と、Webページの画像を画像形成部30に形成させる画像形成制御部61と、を含む。
【0043】
ブラウジング部51は、CPU111がブラウジングプログラムを実行することによりCPU111に形成されるタスクである。CPU111は、操作部105の備えるブラウザキー105Bがユーザにより指示されることに応じて、ブラウジングプログラムを実行する。
【0044】
ブラウジング部51は、ブラウジング処理を実行する。具体的には、ブラウジング部51は、ユーザが操作部105にURLを入力すると、そのURLで特定されるWebページを取得し、表示部103に表示する。例えば、ブラウジング部51は、表示部103に英数文字のソフトウエアキーを表示し、操作部105が備えるタッチパネル105Aがソフトウエアキーに対するユーザによる指示を検出すると、URLを受け付ける。URLは、ここではWebページを特定するための情報であり、Webページの所在を示すネットワーク上のアドレスである。ブラウジング部51は、受け付けられたURLを含むGETコマンドを、ネットワークI/F118を介してネットワーク2に送信し、ネットワークI/F118がURLで特定されるWebサーバの送信するWebページを受信すると、受信されたWebページを表示部103に表示する。
【0045】
ここでは、ブラウジング部51には、デフォルトのWebページを表示するために、Webサーバ7が備える検索エンジンを起動するWebページのURLが初期設定されている。検索エンジンを起動するためのWebページは、検索エンジンでWebページを検索するためのキーワードを入力する領域を含む。ここでは、Webサーバ7が備える検索エンジンを起動するWebページを、検索ページという。
【0046】
ブラウジング部51は、ブラウザキー105Bがユーザにより指示されることに応じて、Webサーバ7に検索ページの送信を要求する。Webサーバ7は、MFP100から要求を受信すると、その要求に含まれるURLで特定される検索ページをMFP100に送信する。ブラウジング部51は、ネットワークI/F118がWebサーバ7から送信される検索ページを受信すると、そのWebページを表示部103に表示する。
【0047】
なお、検索エンジンを起動するWebページであれば、Webサーバ7が送信する検索ページに限られず、検索エンジンを備えたWebサーバに記憶され、検索エンジンを起動するためのWebページであれば、インターネット3に接続された他のWebサーバが送信するWebページであってもよい。
【0048】
キーワード取得部55は、ブラウジング部51が検索ページを表示している間に、ユーザが操作部105を操作して入力するキーワードを取得する。キーワード取得部55は、取得されたキーワードを言語予測部57に出力する。
【0049】
言語予測部57は、キーワード取得部55からキーワードが入力されると、入力されるキーワードに基づいて、その後に受信されるWebページの言語を予測する。言語予測部57は、EEPROM115に予め記憶された関連付ケーブルを参照して、キーワードに含まれる文字列と関連付テーブルにより関連付けられた言語を、その後に受信されるWebページの言語と予測する。言語予測部57は、予測された言語をフォント設定部59および辞書設定部63に出力する。
【0050】
図6は、関連付テーブルの一例を示す第1の図である。図6を参照して、関連付テーブルは、国名または都市名と言語とを関連付ける。例えば、国名を示す文字列「アメリカ」、「America」および「USA」それぞれに対して言語「英語」を関連付け、都市名を示す文字列「ニューヨーク」、「ワシントン」それぞれに対して言語「英語」を関連付ける。
【0051】
図7は、関連付テーブルの一例を示す第2の図である。図7を参照して、関連付テーブルは、固有名詞と言語とを関連付ける。固有名詞は、企業名、個人名を含む。例えば、人名を示す文字列「バラク オバマ」、「Michael Jackson」それぞれに対して言語「英語」を関連付ける。
【0052】
図5に戻って、フォント設定部59は、予測された言語に対応するフォントを設定する。フォント設定部59は、表示用および印刷用に設定されているフォントが、言語予測部57から入力される言語に対応するフォントと異なる場合、言語予測部57から入力される言語に対応する表示用および印刷用のフォントを取得し、表示用および印刷用のフォントに設定する。言語予測部57から入力される言語に対応する表示用および印刷用のフォントがHDD116に記憶されていれば、HDD116から読み出すことにより取得し、ネットワーク2またはインターネット3に接続されたコンピュータに記憶されていれば、そのコンピュータから取得する。フォント設定部59は、設定された表示用のフォントを表示制御部53に出力し、印刷用のフォントを画像形成制御部61に出力する。
【0053】
辞書設定部63は、翻訳用に設定されている辞書データが、言語予測部57から入力される言語に対応していない場合、言語予測部57から入力される言語に対応する辞書データを取得し、翻訳用の辞書データに設定する。言語予測部57から入力される言語に対応する辞書データがHDD116に記憶されていれば、HDD116から読み出すことにより辞書データを取得し、ネットワーク2またはインターネット3に接続されたコンピュータに記憶されていれば、そのコンピュータから辞書データを取得する。
【0054】
翻訳部65は、MFP100が、自動翻訳が有効に設定されている場合、ブラウジング部51が検索結果のWebページの次に出力するWebページに含まれる文字列を、翻訳用に設定されている辞書データを用いて翻訳する。翻訳部65は、翻訳後のWebページを表示制御部53または画像形成制御部61に出力する。ユーザが、操作部が105を操作することにより、MFP100は自動翻訳が有効または無効のいずれかに設定される。
【0055】
表示制御部53は、ブラウジング部51が検索結果のWebページの次に出力するWebページまたは、翻訳部65から入力される翻訳後のWebページを、表示用に設定されているフォントを用いた表示用画像を生成し、生成された表示用の画像を表示部103に表示させる。
【0056】
画像形成制御部61は、ブラウジング部51が検索結果のWebページの次に出力するWebページ、または翻訳部65から入力される翻訳後のWebページに基づいて、印刷用に設定されているフォントを用いて印刷用画像を生成し、生成された印刷用画像を画像形成部30に印刷させる。
【0057】
ブラウジング部51は、検索ページのキーワードを入力する領域に入力されたキーワードを、Webサーバ7にネットワークI/F118を介して送信する。キーワードを受信したWebサーバ7は、それが備える検索エンジンでMFP100から受信されたキーワードを用いてWebページを検索し、抽出されたWebページをMFP100に送信する。
【0058】
フォント設定部59は、ブラウジング部51により検索ページが表示され、キーワード取得部55によりキーワードから取得されることに応じて表示用および印刷用のフォントを設定する。したがって、フォント設定部59は、ブラウジング部51がWebサーバ7からWebサーバ7により抽出されたWebページを受信する前に表示用および印刷用のフォントを設定することができる。このため、表示制御部53は、受信されたWebページを表示用に設定された後のフォントで直ちに表示することができ、画像形成制御部61は、受信されたWebページを印刷用に設定された後のフォントで直ちに印刷することができる。その結果、Webページが受信されてから表示制御部53により表示されるまでの時間をできるだけ短くすることができ、Webページが受信されてから画像形成制御部61により印刷されるまでの時間をできるだけ短くすることができる。
【0059】
また、辞書設定部63は、ブラウジング部51により検索ページが表示され、キーワード取得部55によりキーワードから取得されることに応じて辞書データを設定する。したがって、辞書設定部63は、ブラウジング部51がWebサーバ7からWebサーバ7により抽出されたWebページを受信する前に辞書データを設定することができる。このため、翻訳部65は、受信されたWebページの言語に対応した辞書データで直ちに翻訳することができる。その結果、Webページが受信されてから翻訳部65により翻訳されるまでの時間をできるだけ短くすることができる。
【0060】
図8は、ブラウジング処理の流れの一例を示すフローチャートである。ブラウジング処理は、CPU111がROM113、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された画像処理プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、検索ページを受信したか否かを判断する。検索ページを受信するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、検索ページを受信したならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。検索ページは、Webサーバ7が送信するWebページであり、検索エンジンを起動するためのWebページである。なお、検索ページは、Webサーバ7が送信するWebページに限らず、検索エンジンを備えるWebサーバが送信する検索エンジンを起動するためのWebページであれば良い。
【0061】
次のステップS02においては、受信された検索ページを表示部103に表示する。次のステップS03においては、検索ページにキーワードが入力されたか否かを判断する。キーワードが入力されるまで待機状態となり(ステップS03でNO)、キーワードが入力されたならば(ステップS03でYES)、処理をステップS04に進める。
【0062】
ステップS04においては、キーワードに含まれる文字列から言語を予測する。具体的には、EEPROM115に記憶された関連付テーブルを参照し、キーワードに含まれる文字列と関連付けられた言語に決定する。
【0063】
ステップS05においては、自動翻訳が有効に設定されているか否かを判断する。自動翻訳が有効に設定されているならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。ステップS06においては、ステップS04において予測された言語に対応する表示用および印刷用のフォントが設定されているか否かを判断する。予測された言語に対応するフォントを設定されていなければ処理をステップS07に進めるが、予測された言語に対応するフォントを設定されていれば処理をステップS12に進める。
【0064】
ステップS07においては、ステップS04において予測された言語に対応する表示用および印刷用のフォントを取得する。HDD116に記憶されていれば、HDD116から表示用および印刷用のフォントを読み出すことにより取得する。また、ネットワーク2またはインターネット3に接続されたコンピュータに記憶されているならば、そのコンピュータから予測された言語に対応する表示用および印刷用のフォントを取得する。
【0065】
ステップS08においては、設定済の表示用および印刷用のフォントを、ステップS07において取得された表示用および印刷用のフォントで変更する。一方、ステップS09においては、翻訳用の辞書データとして、ステップS04において予測された言語を翻訳するための辞書データが設定されているか否かを判断する。そのような辞書データが設定されていなければ処理をステップS10に進めるが、辞書データが設定されていれば処理をステップS12に進める。
【0066】
ステップS10においては、ステップS04において予測された言語を翻訳するための辞書データを取得する。そのような辞書データがHDD116に記憶されていれば、HDD116から辞書データを読み出すことにより取得する。また、ネットワーク2またはインターネット3に接続されたコンピュータに記憶されているならば、そのコンピュータから予測された言語に対応する辞書データを取得する。
【0067】
ステップS12においては、ステップS03において入力されたキーワードを、ステップS01において受信された検索ページを送信してきたWebサーバ、ここではWebサーバ7に送信する。Webサーバ7にキーワードを送信することにより、Webサーバ7から検索結果を受信する。検索結果は、キーワードに関連するWebサーバのURLを含む。ユーザが、検索結果に含まれるURLのいずれかを指示すれば、そのURLで特定されるWebページが受信される。
【0068】
ステップS13においては、検索結果に含まれるURLで特定されるWebページを受信したか否かを判断する。検索結果に含まれるURLで特定されるWebページを受信するまで待機状態となり(ステップS13でNO)、そのようなWebページを受信したならば(ステップS13でYES)、処理をステップS14に進める。ステップS14においては、自動翻訳が有効に設定されているか否かを判断する。自動翻訳が有効に設定されているならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。
【0069】
ステップS15においては、ステップS13において受信されたWebページを、ステップS08において設定された表示用のフォントで表示し、処理をステップS18に進める。具体的には、ステップS13において受信されたWebページに基づいて、ステップS08において設定された表示用のフォントを用いて表示用データを生成し、表示用データを表示部103に表示させる。
【0070】
一方、ステップS16においては、ステップS13において受信されたWebページを、ステップS10において取得された辞書データを用いて翻訳する。次のステップS17においては、ステップS16において翻訳されたWebページを、表示用のフォントで表示し、処理をステップS18に進める。この段階において表示用に設定されている表示用のフォントは、ステップS07において設定されたフォントではなく、MFP100においてデフォルトで設定されているフォントである。例えば、デフォルトに設定されている表示用のフォントが日本語に対応する場合、ステップS04において予測された言語が「英語」の場合、ステップS05において自動翻訳設定が有効に設定されている場合には、辞書データは、英語を日本語に翻訳するための辞書データが設定される。翻訳後の言語は日本語なので、自動翻訳設定が有効に設定されている場合には、ステップS08は実行されず、デフォルトに設定されている表示用のフォントが維持される。
【0071】
ステップS18においては、プリント指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS13において受信されたWebページがステップS15において表示部103に表示された状態、または、ステップS16において翻訳された後のWebページがステップS17において表示部103に表示された状態で、ユーザが操作部105の備えるスタートキー105Gを押下すれば、プリント指示を受け付ける。プリント指示を受け付けたならば処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
【0072】
ステップS19においては、ステップS08が実行される場合には、変更後の印刷用のフォントを用いて、ステップS08が実行されない場合には、予め設定されているデフォルトの印刷用のフォントを用いて、表示部103に表示されているWebページに基づいてプリントデータを生成する。表示部103に表示されているWebページは、自動翻訳設定が有効に設定されている場合には、ステップS16により翻訳された後のWebページであり、自動翻訳設定が有効に設定されていない場合は、ステップS13において受信されたWebページである。次のステップS20においては、生成されたプリントデータを画像形成部30に出力し、画像形成部32プリントデータの画像を形成させる。
【0073】
次のステップS21においては、表示終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部105が備えるクリアキー105Fが押下されたことを検出すると、表示終了指示を受け付ける。表示終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
【0074】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、Webサーバ7から受信した検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザによりキーワードが入力されると、キーワードに基づいてWebページの言語を予測し、検索結果の次に受信されるWebページを処理する際に用いるパラメータ、例えば、表示用または印刷用のフォントを、予測された言語に対応する表示用または印刷用のフォントに変更する。このため、Webページが受信される前に、表示処理または画像形成処理に用いられる表示用または印刷用のフォントに変更されるので、Webページを直ちに表示または画像形成することができる。
【0075】
また、自動翻訳機能が有効に設定されている場合には、検索結果の次に受信されるWebページを翻訳する際に用いる辞書データを、予測された言語からデフォルトの言語への翻訳に用いる辞書データに変更する。このため、Webページが受信される前に、辞書データが変更されるので、Webページを直ちに翻訳することができる。
【0076】
また、国名、地名または固有名詞と言語とを対応付けた関連付テーブルを予め記憶しており、キーワードに含まれる国名、地名または固有名詞に対応する言語を決定するので、言語を予測する精度が向上することができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態においては、画像処理装置の一例としてMFP100を説明したが、図8に示した処理をMFP100に実行させるための画像処理方法または、その画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
1 画像処理システム、2 ネットワーク、3 インターネット、7,7A Webサーバ、9 操作パネル、10 ADF、20 原稿読取部、30 画像形成部、40 給紙部、51 ブラウジング部、53 表示制御部、55 キーワード取得部、57 言語予測部、59 フォント設定部、61 画像形成制御部、63 辞書設定部、65 翻訳部、100 MFP、101 メイン回路、103 表示部、105 操作部、105A タッチパネル、105B ブラウザキー、105C スキャンキー、105D コピーキー、105E テンキー、105F クリアキー、105G スタートキー、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 ネットワークI/F、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、200 PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WebページをWebサーバから受信し、表示するブラウジング手段と、
前記ブラウジング手段により検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するキーワード取得手段と、
前記取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測する言語予測手段と、
前記Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段がWebページを処理する際に用いるパラメータを、前記予測された言語に基づいて変更するパラメータ変更手段と、を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記パラメータ変更手段は、前記予測された言語に対応する印刷用フォントを設定するフォント設定手段を含み、
前記処理実行手段は、前記ブラウジング手段が前記取得されたキーワードを前記検索エンジンに送信した後に前記Webサーバから受信されるWebページの画像を前記設定された印刷用フォントを用いて形成する画像形成手段を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記フォント設定手段は、前記キーワード取得手段によりキーワードが取得されることに応じて、前記印刷用フォントを取得する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記パラメータ変更手段は、前記予測された言語から所定の言語への翻訳に用いる辞書ファイルを設定する辞書設定手段を含み、
前記処理実行手段は、前記ブラウジング手段が前記取得されたキーワードを前記検索エンジンに送信した後に前記Webサーバから受信されるWebページを前記設定された辞書ファイルに基づいて翻訳する翻訳手段を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記辞書設定手段は、前記キーワード取得手段によりキーワードが取得されることに応じて、前記辞書ファイルを取得する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記言語予測手段は、国名、地名または固有名詞と言語とを対応付けた関連付テーブルを参照して、前記キーワードに含まれる国名、地名または固有名詞に対応する言語を決定する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
WebページをWebサーバから受信し、表示するステップと、
前記表示するステップにおいて検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するステップと、
前記取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測するステップと、
前記Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行するステップと、
前記処理を実行するステップにおいてWebページが処理される際に用いられるパラメータを、前記予測された言語に基づいて変更するステップと、をコンピュータに実行させる画像処理方法。
【請求項8】
WebページをWebサーバから受信し、表示するステップと、
前記表示するステップにおいて検索エンジンのWebページが表示されているときに、ユーザにより入力されるキーワードを取得するステップと、
前記取得されたキーワードに基づいて、Webページの言語を予測するステップと、
前記Webサーバから受信されるWebページに対して処理を実行するステップと、
前記処理を実行するステップにおいてWebページが処理される際に用いられるパラメータを、前記予測された言語に基づいて変更するステップと、をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−253369(P2011−253369A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127077(P2010−127077)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】