説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラム

【課題】グラフの視認性を向上することのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、原稿の画像を取得し(S1)、取得した原稿の画像から、グラフと、グラフの成分を説明する凡例とを検出する(S3)。画像処理装置は、検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出し(S9、S11)、検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する(S13)。画像処理装置は、算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける(S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関し、より特定的には、モノクロ原稿に含まれるグラフに色彩を指定する画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。これらの画像形成装置のうち特にMFPやプリンタなどが行う印刷形式は、画像に施される色彩の観点から、モノクロ印刷とカラー印刷とに分類される。
【0003】
モノクロ印刷はブラックトナーのみを必要とする一方で、カラー印刷は、ブラックトナー以外にも、イエロートナー、マゼンダトナー、シアントナーなどを必要とする。またカラー印刷の際のトナーの定着温度はモノクロ印刷の際の定着温度よりも高いため、カラー印刷時の消費電力量はモノクロ印刷時の消費電力量よりも大きい。したがって、カラー印刷はモノクロ印刷に比べてコストが高い。
【0004】
コスト削減の観点から、企業においては、会議資料などはできる限りモノクロ印刷により作成されることが多い。たとえば、プレゼンテーション用の会議資料として、カラーグラフを含んだ会議資料がプレゼンテーションソフトで作成された場合には、会議参加者への配付用の会議資料として、プレゼンテーション用の会議資料がモノクロ印刷されたものが使用される。
【0005】
しかし、そのモノクロ印刷された会議資料をさらに別の会議で使用する場合などに、モノクロ印刷された会議資料に記載されていたグラフに色を付けて、視認性を高めたいという要望がある。このような要望に応えうる技術が、たとえば下記特許文献1および2に開示されている。
【0006】
下記特許文献1では、原稿の画像を読み取り、記憶部に記憶される複数種のパターンの画像データと同じパターンのエリアがそれぞれ種類別に検出される。検出された各パターンのエリアにある画像データは、その種類に応じて所定の色のデータに変換され、変換後の画像データに基づいて用紙上に画像が形成される。これにより、原稿内のグラフや図形に色が付される。
【0007】
下記特許文献2では、色彩指定情報および領域指定情報が付加されている原稿が読み取られ、読み取った原稿から、当該原稿に係る画像、並びに、色彩指定情報および領域指定情報が取得される。取得した原稿に係る画像のうち当該取得した領域指定情報に基づく指定領域に対して、取得した色彩指定情報に基づく色彩が施される。これにより、カラー原稿をモノクロ印刷した出力物のみが手元にあり、その原稿は手元にない場合であっても、元のカラー画像原稿を復元可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−051621号公報
【特許文献2】特開2009―253666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
カラーのグラフを含む文書においては、グラフの各成分を説明する凡例がグラフに付される場合が多い。しかし、カラーグラフとその凡例とを含む文書をモノクロ印刷すると、モノクロ化によりグラフの各成分の濃度差が小さくなり、グラフの各成分と凡例とを関連付けることが困難であった。このため、特許文献1または2の技術を用いて、グラフと凡例とを含むモノクロ印刷された文書のグラフに色を付けようとすると、グラフの各成分と凡例とを関連付けることが困難であった。
【0010】
このため従来においては、グラフの各成分と凡例とを関連付けできないまま文書がコピーされていた。また、コピーした文書を原稿としてスキャンで電子化する結果、グラフの各成分と凡例とを関連付けできないまま文書が電子化されていた。さらに、モノクロ印刷された文書のグラフに色を付けた場合には、誤った関連付けのまま各凡例とグラフの各成分とに色彩が指定される結果、凡例とグラフの成分との対応関係が分からなくなり、視認性を落とすことがあった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、グラフの視認性を向上することのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に従う画像処理装置は、原稿の画像を取得する画像取得手段と、画像取得手段にて取得した原稿の画像から、グラフと、グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出手段と、グラフ検出手段にて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出手段と、濃度または線幅検出手段にて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出手段と、濃度差または線幅差算出手段にて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付け手段とを備える。
【0013】
上記画像処理装置において好ましくは、関連付け手段は、濃度差または線幅差算出手段にて算出した濃度差または線幅差が第1の閾値以下であるグラフの成分と凡例とを関連付けて、グラフの成分と凡例との複数の組合せを決定する第1の関連付け手段と、第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれるグラフの成分の位置関係に基づいて、第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれていないグラフの成分と凡例とを関連付ける第2の関連付け手段とを含む。
【0014】
上記画像処理装置において好ましくは、第2の関連付け手段は、第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれていない一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能な場合には、関連付け可能な複数の凡例のうち、一のグラフの成分との濃度差または線幅差が、第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下である凡例を、一のグラフの成分と関連付ける。
【0015】
上記画像処理装置において好ましくは、グラフ検出手段は、画像取得手段にて取得した原稿の画像から線グラフを検出する線グラフ検出手段と、線グラフ検出手段にて線グラフを検出した場合に、画像取得手段にて取得した原稿の画像から、線グラフに付されたマーカを検出するマーカ検出手段と、マーカ検出手段にて検出したマーカのうち、形状に同一性のあるマーカ同士を結んだ連続線によって、グラフの成分となる線グラフを特定する線グラフ特定手段とを含む。
【0016】
上記画像処理装置において好ましくは、グラフ検出手段が、画像取得手段にて取得した原稿の画像から、第1のグラフの成分を説明する第1の凡例と、第1のグラフとは異なる第2のグラフの成分を説明する第2の凡例とを検出した場合に、関連付け手段は、第1の凡例の文字と第2の凡例の文字との同一性に基づいて、第1の凡例と第2の凡例とをさらに関連付ける。
【0017】
上記画像処理装置において好ましくは、関連付け手段によって関連付けられた凡例とグラフの成分とに同一色の色彩を指定する色彩指定手段をさらに備える。
【0018】
上記画像処理装置において好ましくは、色彩指定手段は、互いに隣接するグラフの成分のうち一方の成分の色彩と他方の成分の色彩との色相角が、一方の成分の色彩と一方の成分とは隣接しないグラフの成分の色彩との色相角よりも大きくなるように、色彩を指定する。
【0019】
本発明の他の局面に従う画像形成装置は、上述のいずれかの画像処理装置と、関連付け手段にて関連付けられたグラフの成分と凡例とに同一色の色彩を付すように、画像取得手段にて取得した原稿の画像に関するカラー画像を形成する画像形成手段とを備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御方法は、原稿の画像を取得する画像取得ステップと、画像取得ステップにて取得した原稿の画像から、グラフと、グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出ステップと、グラフ検出ステップにて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出ステップと、濃度または線幅検出ステップにて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出ステップと、濃度差または線幅差算出ステップにて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付けステップとを備える。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御プログラムは、原稿の画像を取得する画像取得ステップと、画像取得ステップにて取得した原稿の画像から、グラフと、グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出ステップと、グラフ検出ステップにて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出ステップと、濃度または線幅検出ステップにて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出ステップと、濃度差または線幅差算出ステップにて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付けステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムによれば、グラフの視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、円グラフを含む原稿の一例を示す図である。
【図4】図3の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X6の濃度と、閉領域検出部111によって検出された円グラフの各成分Y1〜Y6の濃度とを模式的に示す表である。
【図5】図4の表から算出された、各凡例X1〜X6の濃度と、グラフの各成分Y1〜Y6との濃度との差を示す表である。
【図6】図5の表から凡例とグラフの成分との組合せを確定する方法を説明する第1の図である。
【図7】図5の表から凡例とグラフの成分との組合せを確定する方法を説明する第2の図である。
【図8】画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、円グラフを含む原稿の他の例を示す図である。
【図9】図8の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X6の濃度と、閉領域検出部111によって検出された円グラフの各成分Y1〜Y5の濃度とを模式的に示す表である。
【図10】図9の表から算出された、各凡例X1〜X6の濃度と、グラフの各成分Y1〜Y5との濃度との差を示す表である。
【図11】図10の表から凡例とグラフの成分との組合せを確定する方法を説明する図である。
【図12】画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、棒グラフを含む原稿の一例を示す図である。
【図13】画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、折れ線グラフを含む原稿の一例を示す図である。
【図14】図13の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X3の線幅と、線幅検出部110によって検出された折れ線グラフL1〜L3の線幅とを模式的に示す表である。
【図15】図14の表から算出された、各凡例X1〜X3の線幅と、折れ線グラフY1〜Y3との線幅との差を示す表である。
【図16】画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、複数の凡例部分を含む原稿の一例を示す図である。
【図17】画像変換部123によって色彩が指定された、円グラフを含む画像データである。
【図18】本発明の一実施の形態における画像形成装置の動作を示すメインルーチンを示す図である。
【図19】図18のステップS15のサブルーチンを示す図である。
【図20】円グラフにおいて、閉領域内の濃度にグラデーションが付けられている場合を模式的に示す図である。
【図21】円グラフにおいて、互いに隣接する2つの閉領域内が同一濃度で表されている場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
[画像形成装置の構成]
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照して、画像形成装置100は、画像処理装置を備えたMFPであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置であるHDD(Hard disk drive)14と、通信I/F15と、操作パネル16と、エンジン部17と、スキャナ18とを含んでいる。
【0028】
CPU11は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、画像形成装置100全体の制御を行なう。またCPU11は、ROM13に記憶された画像形成装置の制御プログラムを実行する。CPU11は、所定の処理を行なうことにより、RAM12、ROM13のデータの読み込みや、RAM12、ROM13へのデータの書き込みを行なう。
【0029】
RAM12は、CPU11のメインメモリである。RAM12は、CPU11が制御プログラムを実行するときに必要なデータを記憶するためなどに用いられる。
【0030】
ROM13は、たとえばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM13には、画像形成装置100の動作を行なうための各種プログラムと、後述する濃度差に関する閾値などの各種固定データとが格納されている。ROM13は、書換え不可能なものであってもよい。
【0031】
HDD14は、通信I/F15を介して外部から送られたプリントデータなどのデータや、原稿読み取り部(図示無し)で読み取った画像データなどを記憶する記憶装置である。
【0032】
通信I/F15は、CPU11からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、LANなどを介して他のMFPやクライアントPCなどの外部機器との通信を行なう。
【0033】
操作パネル16は、テンキーやスタートキーなどからなるキー入力部(図示無し)と、液晶タッチパネルなどからなる表示部(図示無し)とを有しており、ユーザによる各種ジョブの実行や、ログアウトなど、各種入力操作などに使用される。
【0034】
エンジン部17は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。エンジン部17は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。エンジン部17は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成可能に構成される。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラおよび加圧ローラを有する。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、およびそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、画像形成装置100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置100の筐体から排紙トレイなどに排出する。
【0035】
スキャナ18は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換する。
【0036】
画像形成装置100は、グラフと凡例とを含むモノクロ原稿から画像データを得て、画像データのグラフと凡例とを検出し、この検出結果によって画像データのグラフの各成分と各凡例とを関連付けて、関連付けたグラフの成分と凡例とに同一の色彩を指定する処理を行なう。処理の対象となる画像データは、スキャナ18で読み取ったものの他、HDD14に保存されたものや、クライアントPCなどから送信されたものであってもよい。
【0037】
本願明細書において「グラフ」とは、数量の変化や大小関係、割合などを、視覚的に表現した図を意味している。「グラフ」は、グラフが円グラフや棒グラフなどの、グラフを構成する各成分の数量が閉領域の面積で構成されているグラフと、折れ線グラフ、直線のグラフ、および曲線のグラフなどの、数量が線を用いて表された線グラフとに分類される。また「凡例」とは、グラフの成分を説明するものを意味しており、「マーカ」とは、目印・標識として利用可能なものを意味している。
【0038】
図2は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0039】
図2を参照して、画像形成装置100は、画像入力部101と、図形分離部103と、グラフ要素分離部105と、凡例検出部107と、線分抽出部109と、線幅検出部110と、閉領域検出部111と、文字分離部113と、文字認識部115と、濃度差算出部117と、濃度差比較部119と、順序検出部121と、画像変換部123と、画像出力部125とを備えている。
【0040】
画像入力部101は、スキャナ18を用いて原稿を読み取る。図形分離部103は、画像入力部101で読み取った画像データの中から、グラフ部分(グラフ全体)および凡例部分(凡例全体)を、図形として画像データから分離して検出する。グラフ要素分離部105は、図形分離部103で検出したグラフ部分に示されたグラフが、円グラフ、棒グラフ、または線グラフなどのグラフの種類のうちいずれに該当するかを判別する。凡例検出部107は、凡例部分に記載された各凡例のマーカの濃度を検出する。線分抽出部109は、グラフが折れ線グラフ、曲線のグラフ、または直線のグラフなどの線グラフである場合に、各線グラフを連続線として特定し、各線グラフのマーカを検出する。線幅検出部110は、グラフが線グラフである場合に、各線グラフの線幅を検出する。閉領域検出部111は、グラフが円グラフや棒グラフなどの、各成分が閉領域で構成されているグラフである場合に、グラフを構成する各閉領域(各成分)の濃度を検出する。
【0041】
文字分離部113は、画像入力部101で読み取った画像データの中から、凡例以外の文字部分を分離する。文字認識部115は、たとえばOCR(Optical Character Reader)を用いて、凡例部分に記載された各凡例の文字部分を文字として認識する。濃度差算出部117は、各凡例のマーカと、グラフの各成分との濃度差または線幅差を算出する。濃度差比較部119は、濃度差算出部117で算出された濃度差または線幅差を比較し、算出された濃度差または線幅差のうち最も濃度差または線幅差の小さい組合せや、ある閾値以下の濃度差または線幅差である組合せを検出する。順序検出部121は、濃度差比較部119によって検出されたグラフの成分と凡例との組合せに基づいて、組合せが検出されていない残りのグラフの成分と凡例との組合せ(グラフ全体の成分に対応する凡例の順序)を検出する。画像変換部123は、画像入力部101で読み取った画像データを変換することにより、グラフおよび凡例に色彩を指定したり、パターンや識別符号などを指定したりする。画像出力部125は画像変換部123で指定した色彩に従って、画像入力部101にて読み取った原稿のカラー画像を用紙(記録媒体)に形成する。
【0042】
[円グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の第1の方法]
【0043】
続いて、円グラフを含むモノクロ原稿の画像を処理して、カラーの画像を作成する第1の方法について説明する。
【0044】
図3は、画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、円グラフを含む原稿の一例を示す図である。なお図3においては説明の便宜のため、文字部分、グラフ部分、凡例部分、および凡例の各々が点線で囲まれている。
【0045】
図3を参照して、原稿200は、たとえばカラーの円グラフを含む文書をモノクロ印刷した原稿であり、典型的には文字部分201(本文)と、グラフ部分203(円グラフ全体)と、凡例部分205(凡例全体)とを主に含んでいる。文字部分201には、たとえばグラフのタイトルや、グラフから読み取れる事項を説明する文章などが記載されている。グラフ部分203は、たとえば円グラフや、棒グラフや、線グラフなどが示されている部分である。図3では、グラフ部分203として6つの成分(閉領域)Y1〜Y6で構成された円グラフが示されている。凡例部分205は、グラフを構成する各成分の説明が記載されている部分である。図3では、凡例部分205として6つの凡例X1〜X6が示されている。凡例X1を例に挙げて説明すると、一つの凡例X1は、グラフの成分の色彩を示すマーカ210と、マーカ210の色彩が付されたグラフの成分を説明する文字部分211とで構成されている。
【0046】
図3に示す原稿200の画像データが画像入力部101によって取得されると、図形分離部103によって、取得した画像データからグラフ部分203と凡例部分205とが検出される。続いて、グラフ要素分離部105によって、グラフ部分203に含まれる図形の形状から、グラフ部分203に1つの円グラフが含まれていることが検出される。次に、凡例検出部107によって、凡例部分205に含まれる各凡例X1〜X6のマーカ210の濃度(以下、凡例のマーカの濃度を凡例の濃度と記すことがある)が検出され、閉領域検出部111によって、各成分Y1〜Y6の濃度が検出される。
【0047】
図4は、図3の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X6の濃度と、閉領域検出部111によって検出された各成分Y1〜Y6の濃度とを模式的に示す表である。(a)は各凡例X1〜X6の濃度を示しており、(b)は各成分Y1〜Y6の濃度を示している。なお、図4および図9では、0に近い方(濃度が薄い方)を白、255に近い方(濃度が濃い方)を黒として、0〜255の256段階の数値で濃度が示されている。
【0048】
図4を参照して、凡例X1〜X6はそれぞれ、242、185、130、52、98、および10という濃度(画像濃度)になっており、成分Y1〜Y6はそれぞれ、5、244、165、155、43、および84という濃度(画像濃度)になっている。図4に示す凡例X1〜X6および成分Y1〜Y6の濃度が検出されると、濃度差算出部117によって、各凡例X1〜X6と各成分Y1〜Y6との濃度差が算出され、図5の表が作成される。
【0049】
図5を参照して、各凡例X1〜X6と各成分Y1〜Y6との濃度差の表が作成されると、濃度差比較部119によって、濃度差が小さい順にグラフの成分と凡例とを関連付けた組合せが確定される。具体的には、図5の表に記載されている組合せのうち、濃度差が最も小さい組合せである凡例X1と成分Y2との組合せ(濃度差2)が確定される(図5並びに以降の図6、図7、図10、図11、および図15においては、確定された組合せにアンダーラインが引かれている)。続いて、凡例X1の行および成分Y2の列が表から除外され、残りの表の中で濃度差が最も小さい組合せである凡例X6と成分Y1との組合せ(濃度差5)が確定される。続いて、凡例X6の行および成分Y1の列が表から除外され、図6の表が得られる(図6並びに以降の図7および図11においては、除外された行および列がハッチングで示されている)。
【0050】
続いて、図6に示す残りの表の中で、濃度差が最も小さい組合せである凡例X4と成分Y5との組合せ(濃度差9)が確定される。続いて、凡例X4の行および成分Y5の列が表から除外され、残りの表の中で濃度差が最も小さい組合せである凡例X5と成分Y6との組合せ(濃度差14)が確定される。続いて、凡例X5の行および成分Y6の列が表から除外され、図7の表が得られる。
【0051】
続いて、図7に示す残りの表の中で、濃度差が最も小さい組合せである凡例X2と成分Y3との組合せ(濃度差20)が確定される。続いて、凡例X2の行および成分Y3の列が表から除外され、残りの組合せである凡例X3と成分Y4との組合せ(濃度差25)が最後に確定される。
【0052】
全てのグラフの成分が凡例と関連付けられると、画像変換部123によって、関連付けられた凡例と成分との組合せ毎に同一色の色彩が指定される。これにより、円グラフと凡例とに色彩が指定されたカラーの画像データが得られる。その後ユーザの指示があった場合には、画像出力部125によって、円グラフおよび凡例を含むカラーの画像が用紙に形成される。
【0053】
上述の第1の方法は、凡例とグラフの成分との関連付けが容易である場合(関連付けられた凡例とグラフの成分との濃度差が小さい場合)に、特に有効である。
【0054】
[円グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の第2の方法]
【0055】
ところで、カラーのグラフを含む文書をモノクロ印刷した原稿においては、グラフの成分同士の濃度差が僅かである場合や、グラフの成分の総数が凡例の総数よりも少ない場合(グラフの成分のうち値が0のものが存在する場合)がある。このような場合には、上述の第1の方法に代わって以下の第2の方法が用いることにより、グラフの成分と凡例との関連付けが容易になる。
【0056】
図8は、画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、円グラフを含む原稿の他の例を示す図である。
【0057】
図8を参照して、原稿200は、グラフ部分203と、凡例部分205とを含んでいる。凡例部分205には、6つの凡例X1〜X6が示されており、グラフ部分203には、5つの成分Y1〜Y5で構成された円グラフが示されている。つまり図8の原稿においては、凡例の数に比べてグラフの成分の数が少なくなっている。
【0058】
図8に示す原稿200の画像データが画像入力部101によって取得されると、上述の第1の方法と同様の方法で、取得した画像データの凡例部分205に含まれる各凡例X1〜X6の濃度が検出され、円グラフを構成する各成分Y1〜Y5の濃度が検出される。
【0059】
図9は、図8の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X6の濃度と、閉領域検出部111によって検出された円グラフの各成分Y1〜Y5の濃度とを模式的に示す表である。(a)は各凡例X1〜X6の濃度を示しており、(b)は円グラフの各成分Y1〜Y5の濃度を示している。
【0060】
図9を参照して、凡例X1〜X6はそれぞれ、242、185、130、52、98、および10という濃度(画像濃度)になっており、円グラフの成分Y1〜Y5はそれぞれ、5、244、165、43、および84という濃度(画像濃度)になっている。図9に示す凡例X1〜X6および成分Y1〜Y5の濃度が検出されると、濃度差算出部117によって、各凡例X1〜X6と各成分Y1〜Y5との濃度差が算出され、図10の表が作成される。
【0061】
図10を参照して、各凡例X1〜X6と各成分Y1〜Y5との濃度差の表が作成されると、濃度差比較部119によって閾値T1(本実施の形態では閾値T1=10)が設定される。そして濃度差比較部119によって、濃度差が閾値T1以下となる範囲で、濃度差が小さい順にグラフの成分と凡例とを関連付けた組合せが確定される。具体的には、図10に示す表の中で濃度差が最も小さい組合せである凡例X1と成分Y2との組合せ(濃度差2)が確定され、2番目に濃度差が最も小さい組合せである凡例X6と成分Y1との組合せ(濃度差5)が確定され、3番目に濃度差が最も小さい組合せである凡例X4と成分Y4との組合せ(濃度差9)が確定される。
【0062】
続いて、決定された3つの組合せにおける成分Y2、Y1、およびY4の位置関係に基づいて、順序検出部121によって、残りの成分Y3およびY5が、凡例X2、X3、またはX5と関連付けられる。
【0063】
具体的には、図8を参照して、決定された組合せにおける凡例を、図8において上部に配置されている順にX1→X4→X6と並べた場合に、それぞれの凡例に対応付けられているグラフの成分は、Y2→Y4→Y1という順序になる。このグラフの成分の並び順序から、図8の円グラフでは、上部から下部へ向かって配置された凡例に対して、グラフの各成分は時計回りに配置されていることが検出される。これにより、凡例X4に関連付けられた成分Y4と、凡例X6に関連付けられた成分Y1との間にある成分Y5は、凡例X5に関連付けられ、凡例X5と成分Y5との組合せが確定される。また、凡例X1に関連付けられた成分Y2と、凡例X4に関連付けられた成分Y4との間にある成分Y3については、関連付けられる可能性のある凡例が凡例X2または凡例X3に絞られる(どちらに関連付けられるかは未だ不明である)。
【0064】
続いて図11を参照して、成分Y3に対して凡例X2および凡例X3のどちらが関連付けられるかを決定するために、濃度差比較部119によって、閾値が閾値T2(閾値T2>閾値T1、本実施の形態では閾値T2=20)に変更される。そして濃度差比較部119によって、濃度差が閾値T2以下となる凡例X2と成分Y3とが関連付けられ、凡例X2と成分Y3との組合せ(濃度差20)が確定される。この場合には、グラフに占める凡例X3の割合はゼロであったと推測される。なお、濃度差が閾値T2以下となる組合せが存在しない場合には、閾値T2よりも大きい値に閾値がさらに変更されてもよい。
【0065】
その後、画像変換部123によって、関連付けられた凡例とグラフの成分との組合せに同一色の色彩が指定され、ユーザの指示があった場合には、画像出力部125によって、円グラフおよび凡例を含むカラーの画像が用紙に形成される。
【0066】
[棒グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の方法]
【0067】
図12は、画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、棒グラフを含む原稿の一例を示す図である。
【0068】
図12を参照して、原稿200には、1月の状態を示す棒グラフ(積み重ね棒グラフ)であるグラフ部分203aと、2月の状態を示す棒グラフ(積み重ね棒グラフ)であるグラフ部分203bと、凡例部分205とが含まれている。ここでは、凡例の数に比べてグラフの成分の数が少なくなっているグラフ部分203bについて、上述の第2の方法と同様の方法を用いて、グラフの各成分Y1〜Y5と各凡例X1〜X6とを関連付けて組合せを確定させる方法について説明する。なお、グラフ部分203aについても、上述の第1の方法または第2の方法と同様の方法を用いて、グラフの各成分Y1〜Y6と各凡例X1〜X6とが関連付けられて組合せが確定される。
【0069】
図12に示す原稿200の画像データが画像入力部101によって取得されると、第2の方法と同様の方法を用いて、各凡例X1〜X6と棒グラフの各成分Y1〜Y5の濃度との濃度差が算出される。そして、濃度差が閾値T1以下となる範囲で、濃度差が小さい順にグラフの成分と凡例とを関連付けた組合せが確定される。図12では、たとえば凡例X1と成分Y1との組合せと、凡例X2と成分Y2との組合せと、凡例X5と成分Y4との組合せとが確定される。
【0070】
続いて、決定された組合せにおける凡例を、図12において上部に配置されているものから順にX1→X2→X5と並べた場合に、それぞれの凡例に対応付けられているグラフの成分は、Y1→Y2→Y4という順序になる。このグラフの成分の並び順序から、図12の棒グラフでは、上から下へ向かって配置された凡例に対して、グラフの各成分は下から上へ向かって配置されていることが検出される。これにより、凡例X6とグラフの成分Y5との組合せが確定され、グラフの成分Y3については、関連付けられる可能性のある凡例が凡例X3または凡例X4に絞られる(どちらに関連付けられるかは未だ不明である)。
【0071】
続いて、閾値T1よりも大きい閾値T2が設定され、凡例X3および凡例X4のうちグラフの成分Y3との濃度差が閾値T2以下となるたとえば凡例X4が、グラフの成分Y3に関連付けられ、凡例X4とグラフの成分Y3との組合せが確定される。
【0072】
その後、画像変換部123によって、関連付けられた棒グラフの成分と凡例との組合せに同一色の色彩が指定され、ユーザの指示があった場合には、画像出力部125によって、棒グラフおよび凡例を含むカラーの画像が用紙に形成される。
【0073】
[線グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の方法]
【0074】
図13は、画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、折れ線グラフを含む原稿の一例を示す図である。ここでは線グラフが折れ線グラフの場合について説明する。
【0075】
図13を参照して、原稿200は、たとえばカラーの折れ線グラフを含む文書をモノクロ印刷した原稿であり、グラフ部分203と、凡例部分205とを含んでいる。グラフ部分203には、マーカP1〜P11で構成された複数の折れ線グラフが示されている。凡例部分205には、折れ線グラフを構成する各成分の説明が記載されており、3つの凡例X1〜X3が示されている。
【0076】
図13に示す原稿200の画像データが画像入力部101によって取得されると、図形分離部103によって、取得した画像データからグラフ部分203と凡例部分205とが検出される。続いて、グラフ要素分離部105によって、グラフ部分203が折れ線グラフであることが検出される。次に、線分抽出部109によって、マーカP1〜P11が検出(抽出)され、検出したマーカのうち、形状に同一性のある(同じ形状の)マーカ同士を結んだ連続線によって、複数の折れ線グラフの各々が特定される(同じマーカ形状間の線分を連続線とする)。具体的には、正方形のマーカP1〜P4を結んだ連続線によって折れ線グラフL1が特定され、大きな丸のマーカP5〜P8を結んだ連続線によって折れ線グラフL2が特定され、小さな丸のマーカP9〜P11を結んだ連続線によって折れ線グラフL3が特定される。これにより、折れ線グラフに交差部分Cが存在していても、折れ線グラフL1〜L3の各々を正しく認識することができる。次に、凡例検出部107によって、凡例部分205に含まれる各凡例X1〜X3の線幅W1が検出され、線幅検出部110によって、折れ線グラフL1〜L3の各々の線幅W2が検出される。
【0077】
図14は、図13の原稿200の画像データにおいて、凡例検出部107によって検出された各凡例X1〜X3の線幅と、線幅検出部110によって検出された折れ線グラフL1〜L3の線幅とを模式的に示す表である。(a)は各凡例X1〜X3の線幅(mm)を示しており、(b)は折れ線グラフL1〜L3の線幅(mm)を示している。
【0078】
図14を参照して、凡例X1〜X3はそれぞれ、2.42mm、1.31mm、および0.52mmという線幅になっており、折れ線グラフL1〜L3はそれぞれ、2.44mm、1.65mm、および0.43mmという線幅になっている。図14に示す凡例X1〜X3および折れ線グラフL1〜L3の線幅が検出されると、濃度差算出部117によって、各凡例X1〜X3と折れ線グラフL1〜L3との線幅差が算出され、図15の表が作成される。
【0079】
図15を参照して、各凡例X1〜X3と折れ線グラフL1〜L3との線幅差の表が作成されると、濃度差比較部119によって、線幅差が小さい順にグラフの成分と凡例とを関連付けた組合せが確定される。具体的には、濃度差の表に記載されている濃度差のうち、濃度差が最も小さい組合せである凡例X1と折れ線グラフL1との組合せ(線幅差0.02mm)が確定される。続いて、凡例X1の行および折れ線グラフL1の列が表から除外され、残りの表の中で濃度差が最も小さい組合せである凡例X3と折れ線グラフL3との組合せ(線幅差0.09)が確定される。続いて、凡例X3の行および折れ線グラフL3の列が表から除外され、残りの組合せである凡例X2と折れ線グラフL2との組合せ(濃度差0.34mm)が最後に確定される。このようにして同じ線幅の凡例と折れ線グラフとが関連付けられる。
【0080】
なお、折れ線グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の方法としては、上述の円グラフに関する第1の方法と同様の方法を用いる場合に付いて示したが、上述の円グラフに関する第2の方法と同様の方法が用いられてもよい。
【0081】
また、上述の折れ線グラフを含むモノクロ原稿の画像処理の方法は、折れ線グラフの他、直線のグラフや曲線のグラフなどであっても適用可能である。さらに、凡例と折れ線グラフとの線幅差に加えて、凡例に付されたマーカと折れ線グラフに付されたマーカとをパターン認証し、それらの形状の同一性に基づいて凡例と折れ線グラフとを関連付けてもよい。
【0082】
[複数の凡例部分を含むモノクロ原稿の画像処理の方法]
【0083】
図16は、画像形成装置による処理の対象となる画像データの基となる、複数の凡例部分を含む原稿の一例を示す図である。
【0084】
図16を参照して、原稿200は、たとえばカラーの円グラフと棒グラフとを含む文書をモノクロ印刷した原稿であり、グラフ部分203aと、凡例部分205aと、グラフ部分203bと、凡例部分205bとを含んでいる。グラフ部分203aには、成分Y1〜Y3で構成された円グラフが記載されており、凡例部分205aには、グラフ部分203aの円グラフを構成する各成分の凡例X1〜X3が記載されている。グラフ部分203bには、成分Y4〜Y6で構成された2つの棒グラフが記載されており、凡例部分205bには、グラフ部分203bの棒グラフを構成する各成分の凡例X4〜X6が記載されている。
【0085】
図16に示す原稿200の画像データが画像入力部101によって取得されると、たとえば上述の第1の方法を用いて、各凡例X1〜X3が円グラフの各成分Y2、Y3、およびY1に関連付けられ、上述の棒グラフに関する方法を用いて、各凡例X4〜X6が円グラフの各成分Y6〜Y4の各々に関連付けられる。
【0086】
続いて、文字認識部115によって、凡例部分205aおよび205bに記載された各凡例X1〜X6の文字部分211が、文字として認識される。そして順序検出部121によって、凡例部分205aに含まれる凡例X1〜X3の文字と、凡例部分205bに含まれる凡例X4〜X6の文字との同一性に基づいて、凡例部分205aの各凡例と凡例部分205bの各凡例とが関連付けられる。具体的には、凡例X3と凡例X4とが、「A社」という文字の同一性により関連付けられ、凡例X1と凡例X5とが、「B社」という文字の同一性により関連付けられ、凡例X2と凡例X6とが、「C社」という文字の同一性により関連付けられる。その結果、既に完了しているグラフの各成分と各凡例との関連付けに基づいて、凡例X3、凡例X4、グラフの成分Y1、および成分Y6の4つが互いに関連付けられ、凡例X1、凡例X5、グラフの成分Y2、および成分Y5の4つが互いに関連付けられ、凡例X2、凡例X6、グラフの成分Y3、および成分Y4の4つが互いに関連付けられる。
【0087】
その後、画像変換部123によって、関連付けられた組合せに同一色の色彩が指定され、ユーザの指示があった場合には、画像出力部125によって、円グラフおよび凡例を含むカラーの画像が用紙に形成される。
【0088】
上述の方法によれば、複数のグラフがある場合にも、互いに関連するグラフの成分にグラフごとに異なる色が設定されることを防止することができ、互いに関連するグラフの成分に同じ凡例を関連付けることができる。
【0089】
[色彩の指定方法]
【0090】
続いて、画像変換部123による色彩の指定方法について説明する。
【0091】
図17は、画像変換部123によって色彩が指定された、円グラフを含む画像データである。
【0092】
図17を参照して、凡例およびグラフの成分に指定される色彩は、たとえばRGB値などの識別符号で表されてもよい。図17では、各凡例および円グラフの各成分にRGBそれぞれの輝度を0から255までの256段階で示したRGB値(R,G,B)で表された色彩が指定されている。具体的には、濃度差比較部119や順序検出部121によって関連付けられた凡例X1とグラフの成分Y2との組合せには、(0,255,0)の色彩が指定されており、凡例X2とグラフの成分Y3との組合せには、(0,0,255)の色彩が指定されており、凡例X4とグラフの成分Y4との組合せには、(255,0,255)の色彩が指定されている。凡例X5とグラフの成分Y5との組合せには、(255,255,0)の色彩が指定されており、凡例X6とグラフの成分Y1との組合せには、(255,0,0)の色彩が指定されている。
【0093】
また、凡例およびグラフの成分に指定される色彩は、ハッチングなどで表されてもよい。図17では、凡例X1とグラフの成分Y2との組合せ、凡例X2とグラフの成分Y3との組合せ、凡例X4とグラフの成分Y4との組合せ、凡例X5とグラフの成分Y5との組合せ、および凡例X6とグラフの成分Y1との組合せの各々に、同一のハッチングが指定されており、同一のハッチングが指定された部分にはカラー画像の形成の際、同一の色彩が付される。また、色彩を付すかわりに、ハッチングを付して画像を出力してもよい。
【0094】
さらに、色彩を指定する際には、隣り合うグラフの成分同士の色彩の色相角は、隣り合わないグラフ同士の色彩の色相角よりも大きいことが好ましい。たとえばグラフの成分Y1に指定される色彩と、グラフの成分Y1と隣接するグラフの成分Y2またはY5に指定される色彩との色相角が、グラフの成分Y1に指定される色彩と、グラフの成分Y1と隣接しないグラフの成分Y3およびY4に指定される色彩との色相角よりも大きいことが好ましい。このように色彩を指定することにより、グラフの成分Y1と成分Y2およびY5とを外見上区別しやすくなる。画像変換部123は、このように、隣接する各成分(連続する閉領域)に色相角の大きな(色相環で離れた)色彩を優先的に指定することが好ましい。
【0095】
[画像形成装置の動作のフローチャート]
【0096】
続いて、本実施の形態における画像形成装置の動作の流れについて説明する。
【0097】
図18は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の動作を示すメインルーチンを示す図である。なお、各動作を実現するためのプログラムは、ROM13またはHDD14などに記憶されており、そのプログラムに従ってCPU11が画像形成装置100の各部を制御することによって、フローチャートの各動作が実行される。
【0098】
図18を参照して、画像形成装置100のCPU11は、スキャナ18を用いてモノクロの凡例およびグラフを含む原稿を読み取って画像データを取得し(S1)、取得した画像データの中から、グラフ部分および凡例部分を分離して検出する(S3)。そしてCPU11は、検出したグラフ部分に含まれるグラフの種類(円グラフ、棒グラフ、または線グラフなど)を検出する(S5)。ステップS5において、検出したグラフ部分の中に複数のグラフが含まれている場合には、凡例との関連付けが済んでいない一のグラフについて、その種類が検出される。
【0099】
次にCPU11は、検出したグラフの種類が線グラフか否かを判別する(S7)。ステップS7において、検出したグラフが線グラフである場合(S7でYES)、CPU11は、線グラフに付されたマーカを検出し(S31)、検出したマーカのうち、同じ形状のマーカ同士を結んだ連続線を1本の線グラフとして認識(特定)する(S33)。認識された1本の線グラフは、以降のステップにおいてグラフの一成分として取り扱われる。続いてCPU11は、ステップS9以降の処理を行なう。一方、ステップS7において、検出したグラフが線グラフでない場合(S7でNO)、CPU11は、ステップS9以降の処理を行なう。
【0100】
ステップS9においてCPU11は、凡例部分に含まれる各凡例の濃度(線グラフの場合には各凡例の線幅)を検出し(S9)、グラフの各成分の濃度(線グラフの場合には各線グラフの線幅)を検出する(S11)。続いてCPU11は、検出したグラフの各成分と各凡例との濃度差(線グラフの場合には各線グラフと各凡例との線幅差)を算出し(S13)、算出された濃度差または線幅差に基づいて、グラフの各成分と各凡例とを関連付ける(S15)。ステップS15のサブルーチンについては後述する。
【0101】
ステップS15に続いて、CPU11は、ステップS3において検出したグラフ部分の中に複数のグラフが含まれている場合において、凡例との関連付けが済んでいないグラフが残っているか否かを判別する(S17)。ステップS17において、凡例との関連付けが済んでいないグラフが残っている場合(S17でYES)、CPU11はステップS5に進み、凡例との関連付けが済んでいないグラフについての関連付けを行なう。ステップS17において、凡例との関連付けが済んでいないグラフが残っていない場合(S17でNO)、CPU11は、検出した凡例部分の中に互いに異なるグラフを説明する複数の凡例部分が含まれているか否かを判別する(S19)。
【0102】
ステップS19において、互いに異なるグラフを説明する複数の凡例部分が含まれている場合(S19でYES)、モノクロ原稿が複数のグラフと、それぞれのグラフを説明する凡例部分とを含んでいることを意味している。この場合CPU11は、複数のグラフおよび凡例部分を互いに関連付けるために、グラフ部分と凡例部分との組合せのうち一の組合せに含まれる凡例の文字と、他の組合せに含まれる凡例の文字との同一性に基づいて、一の組合せに含まれる凡例の文字と、他の組合せに含まれる凡例の文字とを関連付ける(S21)。続いてCPU11は、ステップS23以降の処理を行なう。一方、ステップS19において、検出した凡例部分の中に複数の凡例部分が含まれていない場合(S19でNO)、CPU11は、ステップS23以降の処理を行なう。
【0103】
ステップS23において、CPU11は、取得した画像データを変更し、グラフの各成分と各凡例とに色彩を指定する(S23)。このとき、関連付けられたグラフの成分と凡例との各々の組合せには同一色の色彩が指定される。続いてCPU11は、エンジン部17を用いて、指定された色彩に従って画像データのカラー画像を形成し(S25)、処理を終了する。
【0104】
図19は、図18のステップS15のサブルーチンを示す図である。
【0105】
図19を参照して、算出された濃度差または線幅差に基づいて、グラフの各成分と各凡例とを関連付ける処理(S15)において、CPU11は、濃度差(線グラフの場合には線幅差)が最も小さいグラフの成分と凡例とを関連付け、これらの組み合わせを確定させる(S51)。次にCPU11は、組合せが未確定のグラフの成分および凡例の中で、濃度差(線グラフの場合には線幅差)が閾値T1以下であるグラフの成分と凡例との組み合わせを関連付け、これらの組合せを確定させる(S53)。次にCPU11は、確定した凡例とグラフとの組み合わせの位置関係に基づいて、未確定のグラフの成分と凡例と組み合わせを仮決定し(S55)、一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能な組合せがあったか否かを判別する(S57)。ステップS57で、一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能な組合せがある場合(S57でYES)、CPU11は、その複数の凡例のうち、一のグラフの成分との濃度差(線グラフの場合には線幅差)が閾値T2(>閾値T1)以下である凡例を一のグラフの成分と関連付け、これらの組合せを確定し(S59)、リターンする。ステップS57で、一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能な組合せが無い場合(S57でNO)、CPU11は、ステップS55で仮決定したグラフの成分と凡例と組み合わせを確定し、リターンする。
【0106】
[実施の形態の効果]
【0107】
本実施の形態における画像形成装置は、原稿の画像を取得し、取得した原稿の画像から、グラフと、グラフの成分を説明する凡例とを検出する。画像形成装置は、検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出し、検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する。画像形成装置は、算出した濃度または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける。
【0108】
本実施の形態における画像形成装置によれば、グラフの成分と凡例との濃度差または線幅差に基づいてグラフの成分と凡例とが関連付けられる。これにより、モノクロのグラフと凡例とを関連付けることができ、ユーザのグラフの視認性を向上させることができる。
【0109】
特に凡例と線グラフとを関連付ける場合には、線グラフの線が細くて線グラフの濃度を抽出できない場合や、線グラフの線のエッジが強調されており、濃度が濃くなっている場合がある。このような場合であっても、凡例と線グラフとの線幅差に基づいてグラフの成分と凡例とを関連付けることができる。
【0110】
また、濃度差または線幅差が閾値T1以下であるグラフの成分と凡例とを関連付けて、グラフの成分と凡例との複数の組合せを決定し、閾値T1により決定された複数の組合せに含まれるグラフの成分の位置関係に基づいて、残りのグラフの成分と凡例とを関連付ける。これにより、濃度差または線幅差のみでは分離が困難な場合であっても、濃度差または線幅差が小さい組み合わせのグラフの成分の位置関係を基点として、他の凡例とグラフの成分とを関連付けることができる。その結果、グラフの成分と凡例との個数が一致しない場合や、かつグラフの成分と凡例との濃度差または線幅差が小さい場合であっても、グラフの成分と凡例とを関連付けることができる。
【0111】
また、グラフの成分の位置関係を基点として他の凡例とグラフの成分とを関連付ける場合において、一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能なときは、関連付け可能な複数の凡例のうち、一のグラフとの濃度差または線幅差が閾値T2以下である凡例を、一のグラフの成分と関連付ける。これにより、グラフの成分の位置関係と濃度差または線幅差とに基づいて凡例とグラフの成分とを関連付けることができる。
【0112】
また、線グラフを関連付ける場合に、原稿の画像データから線グラフに付されたマーカを検出し、検出したマーカのうち、形状に同一性のあるマーカ同士を結んだ連続線によって、グラフの各成分となる複数の線グラフの各々を特定するので、線グラフ同士が交差している場合でも、交差した各線グラフの連続性を正確に判断することができる。
【0113】
さらに、原稿の画像にグラフと各凡例との複数の組合せが含まれている場合に、複数の組合せのうち一の組合せに含まれる凡例の文字と、複数の組合せのうち他の組合せに含まれる凡例の文字との同一性に基づいて、一の組合せに含まれる凡例と、他の組合せに含まれる凡例とを関連付けるので、同一の凡例が付されたグラフの各成分に同一の色彩を設定することができる。
【0114】
[その他]
【0115】
画像処理装置が、円グラフや棒グラフなどの、数量の割合などを閉領域の大きさで規定したグラフを検出した場合には、閉領域の輪郭線に基づいてグラフの各成分(各閉領域)を検出することが好ましい。これにより、たとえば図20に示すように、閉領域Y10内の濃度にグラデーションが付けられている場合など、閉領域内の濃度が変化している場合には、グラフの成分Y10を1つの領域として検出し、閉領域Y10内を均一な濃度に補正した上で、濃度差比較部119で濃度差を比較することができる。また図21に示すように、互いに隣接する2つの閉領域Y11およびY12内が同一濃度で表されている場合であっても、閉領域Y11と閉領域Y12とを別々の閉領域として検出し、閉領域Y11と閉領域Y12とを独立して、濃度差比較部119で濃度差を比較することができる。
【0116】
また、原稿の画像データに含まれる円グラフや棒グラフにおいて、一部のグラフの成分のみに色彩を指定してもよいし、モノクロ原稿の画像データに含まれる複数の線グラフにおける一部の線グラフのみに色彩を指定してもよい。
【0117】
さらに原稿は、少なくともモノクロのグラフと、モノクロの凡例とを含むものであればよく、原稿におけるグラフと凡例以外の部分に色彩が施されているものであってもよい。
【0118】
本実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、本実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0119】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 HDD
15 通信I/F
16 操作パネル
17 エンジン部
18 スキャナ
100 画像形成装置
101 画像入力部
103 図形分離部
105 グラフ要素分離部
107 凡例検出部
109 線分抽出部
110 線幅検出部
111 閉領域検出部
113 文字分離部
115 文字認識部
117 濃度差算出部
119 濃度差比較部
121 順序検出部
123 画像変換部
125 画像出力部
200 原稿
201 文字部分
203,203a,203b グラフ部分
205,205a,205b 凡例部分
210 マーカ
211 文字部分
L1〜L3 折れ線グラフ
P1〜P11 マーカ
X1〜X6 凡例
Y1〜Y6,Y10〜Y12 グラフの成分(閉領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段にて取得した原稿の画像から、グラフと、前記グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出手段と、
前記グラフ検出手段にて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出手段と、
前記濃度または線幅検出手段にて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出手段と、
前記濃度差または線幅差算出手段にて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付け手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項2】
前記関連付け手段は、
前記濃度差または線幅差算出手段にて算出した濃度差または線幅差が第1の閾値以下であるグラフの成分と凡例とを関連付けて、グラフの成分と凡例との複数の組合せを決定する第1の関連付け手段と、
前記第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれるグラフの成分の位置関係に基づいて、前記第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれていないグラフの成分と凡例とを関連付ける第2の関連付け手段とを含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の関連付け手段は、前記第1の関連付け手段により決定された複数の組合せに含まれていない一のグラフの成分に対して複数の凡例を関連付け可能な場合には、前記関連付け可能な複数の凡例のうち、前記一のグラフの成分との濃度差または線幅差が、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下である凡例を、前記一のグラフの成分と関連付ける、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記グラフ検出手段は、
前記画像取得手段にて取得した原稿の画像から線グラフを検出する線グラフ検出手段と、
前記線グラフ検出手段にて線グラフを検出した場合に、前記画像取得手段にて取得した原稿の画像から、線グラフに付されたマーカを検出するマーカ検出手段と、
前記マーカ検出手段にて検出したマーカのうち、形状に同一性のあるマーカ同士を結んだ連続線によって、グラフの成分となる線グラフを特定する線グラフ特定手段とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記グラフ検出手段が、前記画像取得手段にて取得した原稿の画像から、第1のグラフの成分を説明する第1の凡例と、前記第1のグラフとは異なる第2のグラフの成分を説明する第2の凡例とを検出した場合に、前記関連付け手段は、前記第1の凡例の文字と前記第2の凡例の文字との同一性に基づいて、前記第1の凡例と前記第2の凡例とをさらに関連付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記関連付け手段によって関連付けられた凡例とグラフの成分とに同一色の色彩を指定する色彩指定手段をさらに備えた、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記色彩指定手段は、互いに隣接するグラフの成分のうち一方の成分の色彩と他方の成分の色彩との色相角が、前記一方の成分の色彩と前記一方の成分とは隣接しないグラフの成分の色彩との色相角よりも大きくなるように、色彩を指定する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記関連付け手段にて関連付けられたグラフの成分と凡例とに同一色の色彩を付すように、前記画像取得手段にて取得した原稿の画像に関するカラー画像を形成する画像形成手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項9】
原稿の画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにて取得した原稿の画像から、グラフと、前記グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出ステップと、
前記グラフ検出ステップにて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出ステップと、
前記濃度または線幅検出ステップにて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出ステップと、
前記濃度差または線幅差算出ステップにて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付けステップとを備えた、画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
原稿の画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにて取得した原稿の画像から、グラフと、前記グラフの成分を説明する凡例とを検出するグラフ検出ステップと、
前記グラフ検出ステップにて検出したグラフの成分と凡例との濃度または線幅を検出する濃度または線幅検出ステップと、
前記濃度または線幅検出ステップにて検出した濃度または線幅に基づいて、グラフの成分の濃度または線幅と、凡例の濃度または線幅との差を算出する濃度差または線幅差算出ステップと、
前記濃度差または線幅差算出ステップにて算出した濃度差または線幅差を用いて、グラフの成分と凡例とを関連付ける関連付けステップとをコンピュータに実行させる、画像処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図3】
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【図8】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−78958(P2012−78958A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221812(P2010−221812)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】